説明

可撓性のCPAPマスク

【課題】着用者の不快感の少ない,持続的陽圧呼吸システムマスクの提供。
【解決手段】呼吸器用のインターフェイスディバイスは、患者の顔に装着される呼吸器用のマスクを有している。この呼吸器用のマスクは、患者の鼻を囲む密閉体を形成している本体部分110と、少なくとも1つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120,130とを有している。この本体部分110は、エラストマー材料でほぼ全体が形成されている。蛇腹状の構造体が、マスクの内側下部と患者の鼻との間にシーリングインターフェイスを形成するように、本体部分に一体的にモールド成形されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2004年7月20日付けの先願の米国特許出願第60/589,319号の優先権を請求している。
【0002】
本発明は、一般に、人工呼吸器、より詳細には、持続的陽圧呼吸システムでの使用のための可撓性のマスクに関する。
【背景技術】
【0003】
睡眠時無呼吸症は、睡眠時に呼吸が一時的に停止することにより特徴付けられ、潜在的に命に関わる呼吸障害である。2つのタイプの睡眠時無呼吸症、即ち、中枢性の無呼吸症(central)と閉塞性の無呼吸症(obstructive)とがある。あまり一般的ではない中枢性の無呼吸症は、脳が、呼吸を開始するように呼吸筋に適切な信号を送り損ねたときに生じる。
【0004】
閉塞性の無呼吸症は、呼吸をし続けようとしても、空気が、人の鼻または口の内外に流れ得ないときに生じる。ある夜では、呼吸の無意識の停止、即ち、「無呼吸状態」の回数が、1時間当たり20ないし60回以上である。睡眠時無呼吸症は、また、窒息感により特徴付けられることができる。体力を回復させる睡眠の頻繁な中断は、しばしば、日中に異様な眠気を引き起こしたり、早朝時に頭痛を伴ったりし得る。睡眠時無呼吸症は、不整脈、高血圧、心臓発作、卒中に関連付けられ得るので、これの早期発見並びに治療は、重要である。
【0005】
睡眠時の陽圧呼吸法の様々な形態には、無呼吸症患者のための効果的な治療形態があり得る。人工呼吸は、陽圧が呼吸サイクルの間中気道内で維持される持続的陽圧呼吸(CPAP)、陽圧が吸気時には維持されるが呼出時には減じられるバイレベル式陽圧呼吸システム、無呼吸状態が感知されたときに圧力が与えられる間欠(非持続)的陽圧呼吸の形態で適用されることができる。このような処置において、患者は、睡眠時に鼻を覆うようにマスクを着用し、エアブロアからの圧力は、空気を鼻腔中に吐出する。代表的に、このようなマスクは、マスクの壁部と患者の顔とにより形成されたチャンバ中にガスを送るガス供給ラインを受け入れている。これら壁部は、通常は半剛体であり、患者の鼻孔とアライメントする顔面接触部分を有している。この顔面接触部分は、顔のそれぞれ異なる輪郭に適合し得るソフトな弾性エラストマー材料を有することができる。このマスクは、一般に、ストラップにより患者の頭に装着される。これらストラップは、マスクと患者の顔との間に気密シールを達成するが不快なほど締め付けることのないように、十分な力でマスクを顔に引っ張るように調節される。
【発明の概要】
【0006】
上記の構成のマスクには、幾つかの問題がしばしば生じる。例えば、顔面接触部分は、着用者に過度の圧力を与え、この結果、不快感並びに生じ得る肌のイライラをもたらす。
【0007】
これは、顔面接触部分が、顔のある輪郭に適合する通常の範囲の弾性を超えて変形しなければならず、この結果、過度の力を受ける必要があるために生じ得る。幾つかの場合において、このような過度の圧力並びに力は、顔面接触部分に適合するように顔を歪ませてしまい、この結果、着用者の不快感を増加させて、顔への痛みや潰瘍をもたらす。
【0008】
以下の記載は、本発明の幾つかの態様の基本的な理解を与えるための、本発明の簡潔な要約である。この要約は、本発明の幅広い概要ではない。本発明の主要な又は重要な部材を特定したり、本発明の範囲を記載したりするように意図されていない。唯一の目的は、以下に与えられているより詳細な説明の前置きとして、本発明の幾つかの概念を簡単な形態で与えることである。
【0009】
本発明は、持続的陽圧呼吸システムのための人工呼吸器のインターフェイスに関する。
【0010】
本発明の第1の態様に従えば、インターフェイスディバイスは、患者の鼻を囲む密閉体を形成するようになっており、かつエラストマー材料で全体が形成された本体と、この本体の口ひげ領域に一体的にモールド成形された蛇腹状の構造体とを備えた呼吸器用のマスクを有している。
【0011】
本発明の他の態様に従えば、呼吸器用のマスクが与えられている。この呼吸器用のマスクは、エラストマーの本体と、この本体の口ひげ領域に一体的にモールド成形された蛇腹状の構造体と、本体に一体的にモールド成形された少なくとも1つのヘッドギア式ストラップのフランジとを有している。
【0012】
本発明の更なる他の態様に従えば、呼吸器用のマスクが与えられている。この呼吸器用のマスクは、患者の鼻を囲む密閉体を形成するためのエラストマーマスク手段と、このマスク手段の内側下部と患者の鼻の下部との間にシーリングインターフェイスを形成するように、前記マスク手段に一体的にモールド成形された蛇腹体とを有している。
【0013】
以下の記載並びに添付図面は、本発明のある図式的な態様を詳細に説明している。しかし、これら態様は、本発明の原理が使用され得る様々な方法のいくつかを示しており、本発明は、このような態様並びにこれらと同等のものを含むように意図されている。本発明の他の目的、効果、並びに目新しい特徴は、図面に関連して検討されたとき、本発明の以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様に従った可撓性のCPAPマスクの正面図を示している。
【図2】本発明の一態様に従った図1の可撓性のCPAPマスクの側面図を示している。
【図3】本発明の一態様に従った図1の可撓性のCPAPマスクの背面図を示している。
【図4】本発明の一態様に従った可撓性の他のCPAPマスクの背面図を示している。
【図5】本発明の一態様に従った図4の可撓性のCPAPマスクの正面図を示している。
【図6】本発明の一態様に従った図4の可撓性のCPAPマスクの上面図を示している。
【図7】本発明の一態様に従った図4の可撓性のCPAPマスクの下面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、持続的陽圧呼吸システム(continuous positive airway pressure system)の使用のための可撓性のマスクを提供している。本発明は、同じ参照符号が、全体的に、同じ部材を示すように使用されている図面を参照して以下に説明される。様々な図面が、それぞれのスケールで描かれたり、所定の図に描かれたりする必要はなく、特に、部材のサイズが、図面の解釈を容易にするように適宜描かれていることは理解されるであろう。説明のための以下の記載において、多くの詳細な記述が、本発明の十分な理解を与えるために記載されている。しかし、本発明が、これら詳細な記述なしに実施され得ることは明らかであり得る。
【0016】
図1ないし3は、本発明の一態様に従った呼吸器用のインターフェイスディバイス50の一例を示している。このインターフェイスディバイス50は、患者の顔に装着される呼吸器用のマスク100を有している。この呼吸器用のマスク100は、患者の鼻を囲んで密閉体を形成する本体部分110と、少なくとも1つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジ部分120,130とを有している。本体部分110は、ポリウレタン、シリコーン、又は、他の適切な材料のようなエラストマー材料で形成されている。この本体部分は、鼻の上部から鼻と唇との間の口ひげエリア(mustache area)までの患者の顔の輪郭にフィットするように、ほぼ三角形状であり得る。しかし、本体部分110が、他の適切な形状(例えば、円形)であっても良いことは理解されるであろう。通常の呼吸器用のマスクとは対照的に、本発明の本体部分110は、ポリカーボネートフレーム、又は、他のタイプの剛性シェルにカップリングされることも、これを有することもない。代わりに、本体部分110全体は、シリコーンのようなエラストマー材料でモールド成形され、従って、患者への快適さを実質的に向上させている。
【0017】
2つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120,130が、図1ないし3に示されているように、前記本体部分110と同材料で、これに一体的にモールド成形されている。しかし、マスク100が、所望に応じて、ヘッドギア式ストラップの1つ又は3つ以上のフランジを有し得ることは理解されるであろう。また、ヘッドギア式ストラップは、適切な方法で、本体部分110にカップリングされていても良い。ヘッドギア式ストラップのフランジは、以下により詳細に説明される。
【0018】
インターフェイスディバイス50は、また、空気圧を人工呼吸器(図示されず)から患者に供給するように、マスク100の本体部分110にカップリングされた1つ以上の供給チューブ140を有している。特に、この人工呼吸器は、供給チューブ140を介して空気のような気体を吐出し、持続的陽圧呼吸装置、バイレベル式(bi-level)陽圧呼吸装置、非持続的陽圧呼吸装置、又は、他の適切な装置により与えられることができる。睡眠時無呼吸の治療において、人工呼吸器は、5ないし15センチメートルの水圧で室内空気を通常供給する。室内の空気が、所望に応じて、酸素供給ラインを供給ホースに接続するか3つのポートのコネクタを使用して、酸素に補給することができる。
【0019】
スイベル部材150が、患者の快適さのために、チューブ140の簡単な操作を助長するように供給チューブ140にカップリングされることができる。供給チューブ140の各々は、患者の快適さのために、供給チューブ140の簡単な操作を助長するようにスイベル部材150にカップリングされた一端部分を有している。このスイベル部材150は、人工呼吸器のチューブとカップリングするためのほぼ円筒形の部材152と、2つのチューブ状の係合部分(図示されず)を備えた半球形の部材154とを有している。これら2つのチューブ状の係合部分は、供給チューブ140の前記一端部分とカップリングするように利用されている。円筒形の部材152と半球形の部材154とは、互いに回動するように動作可能である。例えば、円筒形の部材152と半球形の部材154とは、互いに約360°回転することができる。人工呼吸器のチューブに対してマスク100を回転させるように考えられた適切な構造が、利用され得ることは理解されるであろう。
【0020】
マスク100の本体部分110において、蛇腹状の構造体(蛇腹体として以下に参照される)160が、マスク100の下部と患者の鼻との間にシーリングインターフェイスを形成するように、本体部分110の口ひげ領域近くに一体的にモールド成形されている。
【0021】
より詳細には、このシーリングインターフェイスは、マスク100の内側下面162と、鼻の下部の三角形状エリアとの間に形成されている。前記蛇腹体160は、弱い上方圧力を鼻に与えるように、圧縮ばねと同じように動作し、従って、両シーリング面(例えば、内側下面162と鼻の下部エリア)を保持して互いにシール係合させる。この蛇腹体160は、収縮状態と伸張状態との間で長さを調節可能である。
【0022】
第1並びに/若しくは第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120,130は、ヘッドギア式ストラップ(図示されず)の利用を容易にするように、前記本体部分110と同材料で、これに一体的であっても良いし本体部分にカップリングされても良い。第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120は、本体110の下部に位置されることができる。また、第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ130は、本体110の上部に位置されている。これらフランジ120,130には、ヘッドギア式ストラップを受けるためのアパチャ170,180がそれぞれ形成されている。マスクが患者の鼻を囲むように位置されたとき、ヘッドギア式ストラップは、患者の頭の周りに取り付けられて、本体部分110に圧力を与え、従って、マスク100を患者の顔に装着させる。特に、第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120は、この第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120にカップリングされたヘッドギア式ストラップが、後方並びに上方への圧力を約45度の角度でマスク100の蛇腹部分160に与えるように、上方に角度付けられている。蛇腹体160のばねのような特性は、この上方への圧力を部分的に吸収し、弱い圧力を鼻の下部に与え、従って、本体110の下部と患者の鼻との間に気密シールを形成する。また、第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ130は、ヘッドギア式ストラップが、後方並びに下方への圧力をマスク100の上部に与えるのを容易にさせるように、下方に角度付けられ、この結果、本体部分110を患者の鼻のブリッジ領域に装着させる。代わりに、マスクは、図4ないし7に示されているように、1つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジのみを有することができる。
【0023】
また、1つ以上の空気口165が、マスクの本体110から延びており、2つの空気口165が、図1ないし3に示されている。これら空気口165は、本体110の側部から実質的に上方へと延びることができ、本体110と同材料で、これに一体的であり得る。
【0024】
例えば、1つの空気口165が、本体110の蛇腹部分160の各側部に位置されることができる。1つ以上の空気口が、本体110の本体部分のいずれの場所に位置され得ることは理解され、これは、本発明の範囲内であると考えられる。前記可撓性の空気供給チューブ140は、空気口165にカップリングされても良いし、空気口と同材料で、これに一体的であっても良い。このチューブ140は、プラスチック等のような比較的可撓性のある調節可能な材料で形成されることができ、人工呼吸用の管として用いられている。
【0025】
図示されていないが、呼吸器用のインターフェイスディバイス50が、Y字型のコネクタ(図示されず)を有し、このコネクタが、機械的な人工呼吸器(図示されず)からの供給ホースを受けるようになっている第1の端部と、空気供給チューブへの装着のためのコネクタを有した1対のポート(図示されず)を備えた第2の端部とを有し得ることは理解されるであろう。本発明に関して説明されたY字型のコネクタが、T字型のコネクタ、又は、本分野で知られているような他の3方向のチューブコネクタであっても良いことは理解されるであろう。前記スイベル部材150は、また、患者の快適さのために、チューブ140の簡単な操作を助長するようにコネクタにカップリングされることができる。
【0026】
図1に示されているように、前記チューブ140は、マスク100の基体により規定された平面に沿って短い距離だけ延び、下方に曲げられている。この結果、この供給チューブ140によりもたらされる重量とトルクとは、少なくとも前記第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジ120によりサポートされ、従って、シール手段を妨げたりマスクと患者の顔との間のシールを潜在的に破断したりするチューブ140の可能性を低減している。代わって、供給チューブ140は、患者の耳に輪状にくくられることもできる。
【0027】
図3には、可撓性のCPAPマスク100の背面図が、本発明の一態様に従って示されている。このマスク100は、顔面装着部分190を有している。この顔面装着部分190は、使用時に、患者の鼻のブリッジ部分のところで患者の鼻の上に配置される鼻ブリッジ領域200と、使用時に、鼻の鼻孔と唇との間に一般に配置される口ひげ領域210とを有している。頬領域220は、鼻のブリッジ領域200と口ひげ領域210とから離間している。そして、この顔面装着部分190は、顔のそれぞれ異なる輪郭部分に適合するように可撓性を有している。
【0028】
使用において、患者の鼻は、アパチャ230を通って、マスク100の本体110内のチャンバ中に受け入れられる。かくして、前記顔面装着部分190は、患者の鼻の表面と、鼻の基部および上唇間の口ひげ領域、並びに鼻の側部の周りおよび鼻のブリッジ部分上の患者の顔の一部分とに接触する。顔面装着部分190の形状は、鼻の側部と顔との間のしわである顔の輪郭の領域をシールするのに特に適している。マスク100の鼻ブリッジ領域200は、ヘッドギアストラップがマスク100に引張り力を与えているとき、鼻ブリッジ領域200の曲がりを軽減するように補強部分を有している。
【0029】
本発明のマスク100は、通常のマスクに使用される剛性のフレームの必要性をなくしつつ、気密シールを与えている。第1のシーリングインターフェイスが、マスク100の上部と患者の顔との間に形成される。第1のヘッドギア式ストラップが、患者の頭部の周りに取り付けられ、後方への圧力をマスクに与え、従って、マスク100の上部を患者の顔に装着される。この第1のヘッドギア式ストラップは、また、下方への圧力を約45度の角度で患者の顔のブリッジ領域に与え、従って、マスク100の上部と患者の鼻との間に気密シールを形成する。第2のシーリングインターフェイスは、前記蛇腹体160の上面が、鼻の支柱、インフラチップの小葉(infratip lobule)、並びに側壁翼部(alar sidewall portions)を有する患者の鼻の下方のほぼ三角形状面に接触したとき、与えられる。
【0030】
第2のヘッドギア式ストラップは、患者の頭の周りに取り付けられ、後方への圧力をマスク100に与え、従ってマスクを患者の口ひげ領域に装着させる。また、この第2のヘッドギア式ストラップは、上方への圧力を約45度の角度で蛇腹体160に与える。蛇腹体160のばねのような特性は、この上方への圧力を部分的に吸収し、鼻の下部に弱い圧力を与え、従って、マスク100の下部と患者の鼻との間に気密シールを形成する。
【0031】
図4ないし7は、本発明の一態様に従った呼吸器用のマスク250の他の例を示している。この呼吸器用のマスク250は、ポリウレタン、シリコーン、又は、他の適切な材料のようなエラストマー材料で形成されることができる。このマスクは、鼻の上部から鼻と唇との間の口ひげエリアまでの患者の顔の輪郭にフィットするように、ほぼ三角形状である。通常の呼吸器用のマスクとは対照的に、本発明のマスク250は、ポリカーボネートフレーム、又は、他のタイプの剛性シェルを有してはいない。代わりに、マスク250の本体部分260全体が、シリコーンのようなエラストマー材料でモールド成形され、従って、患者への快適さを実質的に向上させている。1つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジ270が、本体部分260と一体的にモールド成形されることができる。
【0032】
蛇腹状の構造体(「蛇腹体」として以下に参照される)280が、また、マスク250の内側下部285(図6)と患者の鼻との間にシーリングインターフェイスを形成するように、前記本体部分260に一体的にモールド成形されている。より詳細には、このシーリングインターフェイスは、マスク250の下部285と、鼻の下側の三角形状エリアとの間に形成されている。蛇腹体280は、弱い上方への圧力を鼻に与えるように圧縮ばねと同じように動作し、従って、両シーリングインターフェイス(例えば、蛇腹体280の上面と鼻の下側エリア)を保持し、互いにシール係合させる。蛇腹体280は、収縮状態と伸張状態との間で長さを調節可能である。
【0033】
マスク250の鼻ブリッジ部分には、患者の鼻のブリッジ部分を受け入れるためのノッチ290が形成されている。
【0034】
図7は、本発明の一態様に従ったマスク250の下側斜視図を示している。このマスク250には、本体260の下面310から突出した少なくとも1つの通気ポート300が形成されている。図7に示されている一例では、2つの通気ポート300が、用いられている。これら通気ポートは、マスク250の内部中に位置されたとき、患者の鼻孔と軸方向でアライメントされる。これら通気ポート300は、円筒形であり、約3ミリメートルの内径と約0.25インチ(約0.635cm)の長さとを有している。これら通気ポート300の内径は、患者により呼出される二酸化炭素の排出を可能にするのに十分な大きさであるが、マスク250の内部の大幅な圧力低下を生じさせる程大きくはない。これら通気ポート300の鼻孔との軸方向のアライメントにより、呼気の通気のための直接路が形成される。これとほぼ同時に、供給チューブにより供給される空気の層流方向は、通気ポート300に対して直角であるので、人工呼吸器により供給される空気は、約90度曲げられ、通気ポート300を通って吐出されなければならない。この構造の効果は、通気ポート300が動作時に実質的に静かであり、通常の人工呼吸器用のインターフェイスの通気ホールに関連した笛音(whistle noise)を緩和させることである。
【0035】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明が図示並びに上述されているが、パーツの様々な変更および再配置やパーツのそれぞれの特徴が、ここに開示されているような発明の範囲から逸脱することなく使用され得ることは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の鼻を囲む密閉部を形成するようになっており、エラストマー材料で全体が形成された本体と、
この本体の口ひげ領域に一体的にモールド成形された蛇腹状の構造体とを有する、呼吸器用のマスクを具備しているインターフェイスディバイス。
【請求項2】
前記蛇腹状の構造体は、前記マスクの下部と患者の鼻との間にシーリングインターフェイスを形成するようになっている請求項1のインターフェイスディバイス。
【請求項3】
前記本体は、鼻の上から、鼻と唇との間の口ひげエリアまでの患者の顔の輪郭にフィットするように、ほぼ三角形状である請求項1のインターフェイスディバイス。
【請求項4】
2つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジを更に具備している請求項1のインターフェイスディバイス。
【請求項5】
前記ヘッドギア式ストラップのフランジは、それぞれ前記本体と同材料で、これに一体的である請求項4のインターフェイスディバイス。
【請求項6】
前記2つのセットのヘッドギア式ストラップのフランジは、前記本体の下部に配設された第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジと、前記本体の上部に配設された第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジとを含んでいる請求項4のインターフェイスディバイス。
【請求項7】
前記第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジは、上方に角度付けられ、前記第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジは、下方に角度付けられている請求項6のインターフェイスディバイス。
【請求項8】
前記本体にカップリングされた1つ以上の供給チューブを更に具備している請求項1のインターフェイスディバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の供給チューブは、前記マスクの基体により規定された平面に沿って所定の距離延びて、下方に曲げられている請求項8のインターフェイスディバイス。
【請求項10】
前記1つ以上の供給チューブにカップリングされたスイベルをさらに具備している請求項8のインターフェイスディバイス。
【請求項11】
前記本体から延びている1つ以上の空気口を更に具備している請求項1のインターフェイスディバイス。
【請求項12】
前記1つ以上の空気口は、2つの空気口を含み、これら空気口は、各々が、前記本体のそれぞれの側部から延びるように、前記本体と同材料で、これに一体的である請求項11のインターフェイスディバイス。
【請求項13】
前記2つの空気口は、実質的に上方に延びている請求項12のインターフェイスディバイス。
【請求項14】
エラストマーの本体と、
この本体の口ひげ領域に一体的にモールド成形された蛇腹状の構造体と、
前記本体に一体的にモールド成形された少なくとも1つのヘッドギア式ストラップのフランジとを具備している呼吸器用のマスク。
【請求項15】
前記本体は、患者の鼻を囲む密閉体を形成するようになっており、前記本体は、エラストマー材料で全体が形成されている請求項14の呼吸器用のマスク。
【請求項16】
前記少なくとも1つのヘッドギア式ストラップのフランジは、前記本体の下部にカップリングされた第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジを含んでいる請求項14の呼吸器用のマスク。
【請求項17】
前記少なくとも1つのヘッドギア式ストラップのフランジは、前記本体の上部にカップリングされた第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジを含んでいる請求項16の呼吸器用のマスク。
【請求項18】
前記第2のセットのヘッドギア式ストラップのフランジは、下方に角度付けられている請求項17の呼吸器用のマスク。
【請求項19】
前記第1のセットのヘッドギア式ストラップのフランジは、上方に角度付けられている請求項16の呼吸器用のマスク。
【請求項20】
患者の鼻を囲む密閉体を形成するためのエラストマーのマスク手段と、
このマスク手段の内側下部と、患者の鼻の下部との間にシーリングインターフェイスを形成するための、前記マスク手段に一体的にモールド成形された蛇腹体とを具備している呼吸器用のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−143255(P2011−143255A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−30637(P2011−30637)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【分割の表示】特願2007−522649(P2007−522649)の分割
【原出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(507021609)ケアフュージョン 205, インコーポレーテッド (2)