説明

可逆性感熱記録媒体の記録消去装置

【課題】印字品質を維持しつつ、局所的な熱ダメージを軽減して、感熱記録材の劣化を防止することを可能にする。
【解決手段】 熱エネルギーの作用により、可視情報の記録及び/又は消去が可能な可逆性感熱記録媒体60に、可視情報の記録及び/又は消去を行う可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、レーザ光照射部からレーザ光を照射するレーザ光照射装置10と、レーザ光照射装置の照射制御を行う制御部51とを備え、制御部51は、レーザ光の描画線が交差する場合に、交差する描画点Aに照射されるレーザ光の照射時間を少なくするように制御する。

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、熱エネルギーの作用により、可視情報の記録,消去が可能な可逆性感熱記録媒体に、その可視情報の記録,消去を行う可逆性感熱記録媒体の記録消去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、可逆性感熱記録媒体の一般的構成を説明する図である。この可逆性感熱記録媒体60は、リライトカードと称して、一部実施されており、例えば、図10(A)に示すように、カード基材61上に、可逆性感熱記録層62が設けられており、必要に応じて、ICモジュール63が搭載されたり、エンボス文字64が形成されたりしている。
【0003】この可逆性感熱記録層62は、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散された有機低分子物質とを主成分とする感熱記録材料(例えば、特許第2700234号等)やロイコ染料を用いた感熱記録材料(例えば、特開平11−151856号等)を有しており、図10(B)に示すように、記録及び消去を行っていた。
【0004】まず、感熱記録材料は、常温T0のときDの状態(消去状態)であるとする。この感熱記録材料は、記録したい部位の温度を、T1→T2→T3に上げると、カーブに沿って、DからCさらにEへと状態が変化する。Eの状態は、これ以上温度を上げても濃度が変化しない状態である。このEの状態をへて、温度をT3からT0まで下げることによって、低反射状態、すなわち、Aの状態(記録状態)となる。
【0005】いま、感熱記録材料は、常温T0のときに、Aの状態(記録状態)であるとする。そして、この感熱記録材料は、所望部位の温度を、T1→T2に上げると、カーブに沿って、BからCへと状態が変化し 最大反射濃度に達する。ここで、温度をT0に下げると、反射濃度は、そのまま保持されDの状態(消去状態)となる。
【0006】従って、可逆性感熱記録層62は、上記のような感熱記録材料の表面に、熱を選択的に印加することにより、所望の部位を加熱して、透明地に白濁の可視情報を形成したり、白濁地に透明の可視情報を形成することができ、その変化は、何回も繰り返することが可能である。また、このような感熱記録材料の背面に着色層を形成すれば、白地に着色層の色の可視情報又は着色層の色の地に、白色の可視情報を形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図11,図12は、可逆性感熱記録媒体の描画に関する課題を説明する図である。可逆性感熱記録媒体60は、可逆性感熱記録層62にレーザ光を照射することによって、可視情報を記録又は消去する。例えば、図11(a)に示すように、数字の「4」を印字するような場合に、印字する軌跡は、■→■→■→■となる。このとき、図12(a)に示すように、■→■を印字するときに、B,A,D点を、所定の条件I(例えば、レーザパワー:0.6W,レーザ照射時間:1点当たり、1ms)で印字し、引き続き、■→■を印字するときに、E,A,C点を、上記と同一の条件Iで印字する[図12(a)参照]。このため、2回目の描画点Aは、1回目の描画点Aと同じスポット径であり[図12(b)]、熱の分布も同じであるので[図12(c)]、描画線は、同じ太さのイメージとなる[図12(d)]。
【0008】このように、交差点では、描画線の重複する部分(A点)は、レーザ光が2回照射されることになる。このため、レーザ光照射により、高いエネルギーを受けた部分は、図11(b)の二点鎖線で示すように、その部分だけ、強い熱ダメージを受け、描画線も太くなる。つまり、B,A,D点で描画することによって、その部分の温度が上がる。この温度が下がらないうちに、E,A,C点の描画がなされる。よって、交差点Aは、広い範囲に熱が広がってしまう。この熱ダメージが繰り返されることによって、可逆性感熱記録層62を構成する感熱記録材の劣化が進み、やがて、リライトできなくなるばかりでなく、印字品質が低下する可能性があった。
【0009】また、上述した可逆性感熱材料は、あるエネルギーレベルを越えると飽和してしまうので、発色後に加えるエネルギーは、印字品質を上げるためには、全く無駄なエネルギーである。
【0010】本発明の課題は、印字品質を維持しつつ、局所的な熱ダメージを軽減して、感熱記録材の劣化を防止することができる可逆性感熱記録媒体の記録消去装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、請求項1の発明は、熱エネルギーの作用により、可視情報の記録及び/又は消去が可能な可逆性感熱記録媒体に、前記可視情報の記録及び/又は消去を行う可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、レーザ光照射部からレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、前記レーザ光照射手段の照射制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記レーザ光の描画点に照射されるエネルギーを、その描画点ごとに制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置である。
【0012】請求項2の発明は、請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、前記制御手段は、前記レーザ光の描画線が交差する場合に、交差する描画点に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置である。
【0013】請求項3の発明は、請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、前記制御手段は、前記レーザ光の描画線が折り返す場合に、折り返し点に隣接する描画点に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置である。
【0014】請求項4の発明は、請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、前記制御手段は、前記レーザ光の描画線が連続する場合に、連続点を構成する所定間隔ごとの描画点に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しくに説明する。
(第1実施形態)図1は、本発明による可逆性感熱記録媒体の記録消去装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【0016】この実施形態の記録消去装置50は、熱エネルギーの作用により、可視情報の記録・消去が可能なリライトカード(可逆性感熱記録媒体)60に、可視情報の記録・消去を行う装置であって、レーザ光照射装置10と、走査装置20と、移動装置30と、搬送装置40等とを備えている。
【0017】レーザ光照射装置10は、レーザ光を照射する装置であり、レーザダイオード(LD)ドライバ11と,レーザダイオード(LD)12と,光ファイバ13と、レンズヘッド(レーザ光照射部)14等とを備えている。
【0018】走査装置20は、レンズヘッド14から照射されたレーザ光を、リライトカード60のY軸方向に走査する装置であり、Y軸モータの出力軸に固定されたY軸スキャニングミラー22を備えている。
【0019】スキャニングミラー22は、矩形で細長い帯状のミラーであり、その回転軸方向のサイズが、リライトカード60(図10参照)の可逆性感熱記録層63の有効記録領域の長手方向のサイズa0 と同じサイズにしてある。このサイズにすれば、リライトカード60に対して、回転軸方向には、レンズヘッド14を移動するだけでよく、スキャニングミラー22の移動が不要となるからである。
【0020】一方、回転軸と直交する方向のサイズが、レーザ光を受けることできる最小幅としてある。このサイズにすれば、小型かつ軽量となり、小さなY軸モータで駆動できるからである。また、可逆性感熱記録層63の有効記録領域の短手方向のサイズb0 は、狭い幅にすれば、スキャニングミラー22の回転角θが小さくて済むので、従来例のように、焦点距離補正光学系は不要である。具体的には、可逆性感熱記録層63の有効記録領域がa0 ×b0 =60×12mmであり、スキャニングミラー22の回転角θ=±11度の場合に、スキャニングミラー22の有効サイズは、a×b=60×8mmとしてある。
【0021】移動装置30は、レンズヘッド14をX軸方向に移動する装置である。搬送装置40は、リライトカード60をカード挿入口(不図示)から、記録・消去位置に搬送する装置である。
【0022】制御部51は、描画情報に基づいて、走査装置20,移動装置30などを駆動しながら、レンズヘッド14からレーザ光を選択的に照射する。また、搬送装置40を駆動して、リライトカード60をカード挿入口と記録・消去位置との間で搬送する制御等を行なう。なお、制御部51には、可視情報を入力するキーボードなどの操作部52や、その可視情報やその他の情報等を、目視により確認するためのCRT等の表示部53も接続されている。
【0023】この実施形態の可逆性性感熱記録媒体(リライトカード)60は、以下のような仕様のものが用いられている。感熱記録層(リライト部)62は、保護層(約5μm),近赤外線吸収層(約1μm≒796nm),記録層(白濁タイプ,約10μm),光反射層(約0.065μm),透明基材(PET,約25μm),接着剤層(約4μm)の層構成のものを使用した。近赤外線吸収剤は、フタロシアニン系染料[約1μm厚の吸収層の中に、固形分として、約7.4wt%(バインダ/吸収剤=100/8)]を添加したものである。
【0024】第1実施形態では、制御部51は、前述した図11(A)のA点に照射されるレーザエネルギーを、ドット毎に、レーザパワー,レーザ照射時間をコントロールして軽減する。制御部51は、印字時のレーザ照射条件を、以下のように設定することができる。
【0025】(条件I)
レーザパワー : 0.6Wレーザ照射時間 : 1点当たり、1ms(条件II) 条件Iの照射時間(パルス幅)を短くした条件レーザパワー : 0.6Wレーザ照射時間 : 1点当たり、0.5ms(条件III ) 条件Iのレーザパワー(パルス高)を短くした条件レーザパワー : 0.3Wレーザ照射時間 : 1点当たり、1ms(条件IV) 条件Iの照射時間(パルス幅)及びレーザパワー(パルス高)を短くした条件レーザパワー : 0.3Wレーザ照射時間 : 1点当たり、0.5ms
【0026】これらの条件I〜IVは、一例であって、使用する可逆性感熱記録媒体に合わせて、適宜設定することが好ましい。また、A点のみコントロールしても、熱ダメージが軽減しない場合もある。この場合には、A点に隣接するB点,C点,D点,E点なども合わせてコントロールすればよい。
【0027】図2〜図5は、第1実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする第1〜第4の手法を説明する図である。図2に示す第1の手法は、A点には、2回照射しないようにしたものであり、2回目の描画点Aは、間引いている。つまり、■→■を印字する場合には、A点は、条件Iで印字するが、■→■を印字する場合には、A点は印字しない[図2(a)参照]。このため、2回目の描画点Aは、照射されないので[図2(b),(c)]、描画線は、細くなったイメージとなる[図2(d)]。
【0028】従って、図2(e)に示すように、2回目のA点の照射エネルギーは、少ないけれど、1回目のA点のエネルギーにより残留した熱と足されて、発色に足りる必要かつ十分なエネルギーが与えられ、印字品質を確保しつつ、最低の熱ダメージによって、印字することが可能となる。
【0029】図3に示す第2の手法は、A点に照射されるレーザエネルギーを、レーザ照射時間をコントロールして軽減しようとするものである。つまり、■→■を印字する場合には、A点は、条件Iで印字するが、■→■を印字する場合には、A点は、条件IIで印字する[図3(a)参照]。このため、2回目の描画点Aは、熱の分布も小さいので[図3(b),(c)]、描画線は、細くなったイメージとなる[図3(d)]。ここで、図3(b)は、レーザー光のスポットサイズを示したものではなく、図3(c)の熱分布を、平面図的なイメージで示したものである。感熱記録層62は、レーザー光そのものに反応するわけではなく、レーザー光が照射されることによる熱エネルギーで反応する。また、レーザー光そのものは、パワー及び/又は時間を制御しても、スポットサイズは変化しない。このため、実際には、スポットサイズは変化しないが、最終的な結果から見ると、スポットサイズを変化させているのと同じ効果になるので、上記ように図示した。なお、以下の例でも同様である。
【0030】図4に示す第3の手法は、A点に照射されるレーザエネルギーを、レーザパワーをコントロールして軽減しようとするものである。つまり、■→■を印字する場合には、A点は、条件Iで印字するが、■→■を印字する場合には、A点は、条件III で印字する[図4(a)参照]。このため、2回目の描画点Aは、熱の分布が小さいので[図4(b),(c)]、描画線は、細くなったイメージとなる[図4(d)]。
【0031】図5に示す第4の手法は、A点に照射されるレーザエネルギーを、レーザパワー及びレーザ照射時間をコントロールして軽減しようとするものである。つまり、■→■を印字する場合には、A点は、条件Iで印字するが、■→■を印字する場合には、A点は、条件IVで印字する[図5(a)参照]。このため、2回目の描画点Aは、熱の分布がさらに小さいので[図5(b),(c)]、描画線は、さらに細くなったイメージとなる[図5(d)]。
【0032】このように、第1実施形態によれば、レーザ光の描画線が交差するような場合に、交差する描画点Aに照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御するので、A点には、発色に足りる必要かつ十分なエネルギーが与えられ、印字品質を確保しつつ、最低の熱ダメージによって、印字することが可能となる。
【0033】ここで、照射時間を制御する場合には、制御が簡単なうえ、定量的な制御ができる利点があり、低出力のレーザーを使用しても、照射時間を長くすれば、印字可能となる。一方、パワーを制御する場合には、印字時間が制限されているときでも、照射ダメージを軽減することができる。なお、高出力のレーザーを使用した場合であって、照射時間を短くしても、ダメージを与えてしまうときには、パワーを制御しなければ、ダメージを軽減できない。さらに、照射時間及びパワーを制御する場合には、上述した照射時間制御の長所、パワー制御の長所を合わせ持つことができ、非常にきめ細かな制御が可能となる。
【0034】(第2実施形態)図6,図7は、第2実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする手法を説明する図である。なお、以下に示す各実施形態では、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する図面や説明を適宜省略する。第2実施形態では、制御部51は、レーザ光の描画線が折り返す場合に、折り返し点に隣接する描画点D,E,Fに照射されるレーザ光のパワー,照射時間を少なくするように制御するようにしたものである。
【0035】図6(a)に示すように、数字の「1」を印字するような場合に、印字する軌跡は、■→■→■→■となる。つまり、■→■の直線部分を印字する場合には、A,B,C点は、条件Iで印字する。しかし、■→■の折り返し点を印字する場合には、D点は条件II,E点は条件III ,F点は条件IIで印字する[図7(a)参照]。このため、折り返し点とその前後の描画点D,E,Fは、熱の分布が2段階でなだらかに小さくなるので[図7(b),(c)]、描画線は、細くなったイメージとなる[図7(d)]。なお、■→■の直線部分を印字する場合には、A,B,C点と同様に条件Iで印字する。
【0036】この結果、折り返し点では、描画線の隣接する部分(D点,E点,F点)は、レーザのパワー又は照射時間が短く照射されることになる。このとき、図6(b)に示すように、レーザ光のエネルギーは、領域Xのように細くなる。そして、時間の経過と共に、二点鎖線で示す領域Yのように、熱の広がりを予想し、結果的にきれいな文字となる。また、領域Zの部分は、熱の広がりを考慮してあるので、熱ダメージを受けにくい。
【0037】(第3実施形態)図8,図9は、第3実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする手法を説明する図である。第2実施形態では、制御部51は、レーザ光の描画線が連続する場合に、連続点A,B,C,D,・・・を構成する所定間隔ごとの描画点B,Dに照射されるレーザ光のパワー,照射時間を少なくするように制御するようにしたものである。
【0038】図8(a)に示すように、連続した横線を印字するような場合に、印字する軌跡は、■→■となる。つまり、このとき、A,C点は、条件Iで印字し、B,D点は条件IIで印字する[図9(a)参照]。このため、連続線の1つおきの描画点B,Cは、スポット径が小さくなり[図9(b)]、熱の分布も小さくなるので[図9(c)]、描画線は、太くなったり、細くなったりするイメージとなる[図9(d)]。しかし、実際には、目視上に、二点鎖線で示すように、等幅の直線に見える。
【0039】このように、第3実施形態によれば、連続した直線の場合に、レーザのパワー又は照射時間を交互に小さくするようにしたので、レーザ光のエネルギーは、領域Xのように細くなる部分がある。そして、時間の経過と共に、二点鎖線で示す領域Yのように、熱の広がりを予想し、結果的にきれいな文字となる。また、領域Zの部分は、熱の広がりを考慮してあるので、熱ダメージを受けにくい。
【0040】(変形形態)以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1) 例えば、上記実施形態では、レーザ光のパワーと照射時間を1段小さくする例で説明したが、パワーやを照射時間を段階的変化させたり、両者を混在させたりすることも可能である。
【0041】(2)レーザ光を出力する方式は、1点ごとにオン・オフするパルス出力方式の例で説明したが、光を連続的に出力するCW方式であってもよい。CW方式の場合であっても、レーザパワー、レーザ照射時間を同様に制御することによって、熱ダメージを軽減することが可能である。このCW方式によって、熱ダメージを軽減させる制御をする場合には、光の走査の動作速度に同期させて、制御すればよい。
【0042】(3)上記実施形態では、一筆書きするベクタースキャン方式で描画する例で説明したが、レーザ光を横方向に移動させ、ビットマップで描画するラスタスキャン方式や、レーザ光を縦方向に移動させ、ビットマップで描画するカラムスキャン方式であっても、同様な制御によって、印字品質を維持しつつ、熱ダメージを軽減することが可能である。
【0043】(4) 情報を記録する例で説明したが、消去する場合にも、同様に適用できる。この場合には、記録するエネルギーの約80%の出力で消去可能である。
【0044】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によれば、レーザ光の描画線に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を、その点ごとにコントロールするので、その描画線には、発色に足りる必要かつ十分なエネルギーが与えられ、印字品質を確保しつつ、最低の熱ダメージによって、印字することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可逆性感熱記録媒体の記録消去装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする第1手法を説明する図である。
【図3】第1実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする第2の手法を説明する図である。
【図4】第1実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする第3の手法を説明する図である。
【図5】第1実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする第4の手法を説明する図である。
【図6】第2実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする手法を説明する図である。
【図7】第2実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする手法を説明する図である。
【図8】第3実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする手法を説明する図である。
【図9】第3実施形態による記録消去装置のレーザ照射エネルギーをコントロールする手法を説明する図である。
【図10】可逆性感熱記録媒体の一般的構成を説明する図である。
【図11】可逆性感熱記録媒体の描画に関する課題を説明する図である。
【図12】可逆性感熱記録媒体の描画に関する課題を説明する図である。
【符号の説明】
50 記録消去装置
10 レーザ光照射装置
11 LDドライバ
12 半導体レーザ
13 光ファイバ
14 レンズヘッド
20 走査装置
22 スキャニングミラー
30 移動装置
40 搬送装置
51 制御部
52 操作部
53 表示部
60 リライトカード
62 可逆性感熱記録層

【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱エネルギーの作用により、可視情報の記録及び/又は消去が可能な可逆性感熱記録媒体に、前記可視情報の記録及び/又は消去を行う可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、レーザ光照射部からレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、前記レーザ光照射手段の照射制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記レーザ光の描画点に照射されるエネルギーを、その描画点ごとに制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置。
【請求項2】 請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、前記制御手段は、前記レーザ光の描画線が交差する場合に、交差する描画点に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置。
【請求項3】 請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、前記制御手段は、前記レーザ光の描画線が折り返す場合に、折り返し点に隣接する描画点に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置。
【請求項4】 請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の記録消去装置において、前記制御手段は、前記レーザ光の描画線が連続する場合に、連続点を構成する所定間隔ごとの描画点に照射されるレーザ光のパワー及び/又は照射時間を少なくするように制御すること、を特徴とする可逆性感熱記録媒体の記録消去装置。

【図1】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2003−127446(P2003−127446A)
【公開日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−326141(P2001−326141)
【出願日】平成13年10月24日(2001.10.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【出願人】(592253736)シグマ光機株式会社 (46)