説明

可逆性感熱記録媒体及びその製造方法

【課題】薄型で優れた柔軟性を有し、1回目の画像形成に対する発色不良に加えて、繰り返し画像を形成消去した際の発色不良が無い可逆性感熱記録媒体等の提供。
【解決手段】可逆性感熱記録層と、第1のシート状基材と、第2のシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを有し、可逆性感熱記録層が第1のシート状基材に隣接して配され、第1のシート状基材及び第2のシート状基材のいずれかが、電子情報記録素子を深さ方向に配置するように凹部を有し、電子情報記録モジュールが第1のシート状基材と第2のシート状基材との間に、凹部を有するシート状基材側に第1の樹脂層を介して、かつ凹部を有しないシート状基材側に第2の樹脂層を介して配され、前記凹部の内壁面が凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって凹部の最大開口径が小さくなるように傾斜したテーパ面である可逆性感熱記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード;鉄道、バス、ETC等の交通機関;デジタル放送、第三世代携帯電話等の加入者カード;図書館の窓口サービス、学生証、社員証、住民基本台帳カードなどの幅広い業界に導入され、利用者の身近な生活からビジネスまで様々な分野で利用が始まっているが、現在の経済社会活動の高度化に伴い、廃棄物の発生量は増大している。
そこで、従来の大量生産、大量消費、大量廃棄等の経済社会やライフスタイルを見直し、物資の効率的な利用やリサイクルを進めることにより、資源の消費を抑え、環境への負荷が少ない循環型社会を形成することが急務になっている。
【0003】
例えば、電子情報記録素子(ICチップ)とアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールを組み込んだ可逆性感熱記録媒体は、ICチップの内部情報を書き換えると共に、記録されている情報を可視画像として可逆性感熱記録媒体に表示でき、かつ繰り返して使用可能であるため、廃棄物の発生量を減らすことが可能である。
このような電子情報記録モジュールを組み込んだ可逆性感熱記録媒体は、製造業分野における作業書、部品管理票、工程管理票等の指示書として用いられてきている。具体的には、指示書を丸棒状部品に巻き付けたり、カードケースに入れたりして使用したのち、指示書を書き換えることが繰り返し行われている。
【0004】
前記指示書に画像を形成する場合、及び指示書に形成された画像を消去する場合は、該指示書をプリンタのサーマルヘッド、消去バー、消去ローラ、消去板等の加熱装置に押し当てる。このため、指示書を書き換える際に、電子情報記録モジュールが破損しないようにする必要がある。更に、指示書は、可撓性を有すると共に、画像の品質が良好であることが望まれている。
また、テーブルなど平面上に置いてある状態の可逆性感熱記録媒体のピックアップ動作時、及びホルダー内に入っている状態からの抜き取り動作時に屈曲させて取り扱われることがあるため、このような屈曲に対するICチップ部の機械的耐久性が求められる。同時に、媒体に柔軟性を付与して、ピックアップ等の作業効率を向上することが求められる。
また、サーマルヘッドとの密着性を向上させて高品質の画像を得る観点からも、柔軟性を付与することが重要となる。
【0005】
前記可逆性感熱記録媒体の表面に凹凸及び段差があると、サーマルヘッドとの接触不良による空気の断熱効果により、熱が伝わらないため、発色に必要な急冷効果が得られず、この急冷効果が得られ難い箇所において、目的とする発色が得られないような発色不良(画像抜け、印字抜け等)を生じさせるという問題がある。
更に、可逆性感熱記録媒体の厚みが大きくなると、柔軟性を損ねるという問題、及びプリンタのスタッカーに積み上げ可能な枚数が少なくなるという問題がある。
【0006】
このような課題を解決するために、可逆性感熱記録層を有するリライトシートと、ICチップ及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを一体化してなるリライト記録媒体において、前記リライトシートと前記電子情報記録モジュールの間に、前記ICチップを嵌合させた開口部を有するコアシートが接着剤を介して接着されていることを特徴とする可逆性感熱記録媒体が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、電子情報記録素子による段差に対して、段差を吸収するためのシートを内部に設けているため、可逆性感熱記録媒体の厚みが大きくなり、柔軟性を損ねる問題やプリンタのスタッカーに積み上げ可能な枚数が少なくなるという問題がある。
【0007】
可逆性感熱記録媒体の厚みを薄くするために、基板と、この基板に搭載されたICチップとを有するICカード用モジュールにおいて、前記ICチップを覆う保護部材の片面に凹部が形成され、かつ、前記保護部材と前記ICチップとの間には、これら保護部材とICチップとが直接接触することを回避するための隙間が設けられていることを特徴とする可逆性感熱記録媒体が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、可逆性感熱記録媒体の厚みを薄くしようとすると、前記凹部を相対的に深くする必要がある。前記凹部を深くすると前記保護部材の平面部との段差が大きくなり、前記保護部材の前記凹部の有る面上に樹脂をアプリケータなどで均一に塗布しようとした場合、凹部内への前記樹脂の充填が不十分になりやすく、気泡が混入するなどの問題がある。
【0008】
以下に、前記問題点の詳細について図1を用いて説明する。
図1は、前記保護部材の凹部を有する面上に樹脂をアプリケータで塗布する一例を表す模式図である。まず、可逆性感熱記録層1が片方の面に配された第1のシート状基材3を用意し、第1のシート状基材3の可逆性感熱記録層1が配された面と反対の面に切削加工などによりテーパの無い凹部2を形成する。次に、第1のシート状基材3の凹部2を形成した面と凹部2内に第1の樹脂層11をアプリケータ20などを用いて塗布する。凹部2の深さが深くなった場合、アプリケータ20により樹脂11が凹部2内に入り込もうとした際に、凹部2底面の左角部に隙間a1が形成されやすい。また、引き続きアプリケータ20を動かして、凹部2内に樹脂11を充填させていった場合、凹部2底面の右角部に隙間a2が形成されやすくなる。
【0009】
凹部に充填された樹脂が硬化する際に、隙間には樹脂が無いため樹脂の硬化収縮時に隙間直上部の第1のシート状基材3に変形を生じ、可逆性感熱記録層1の表面が凹むことがある。
また、使用する樹脂によっては、隙間に残留した空気及びその空気中の水分などと反応することにより気体を発生し、隙間a1乃至a2部に気泡を生じ、可逆性感熱記録層1表面に凸部が形成されることがある。
このような可逆性感熱記録層1の表面の凹凸は、サーマルヘッドによる画像形成時に白抜けや発色不良を生じさせる原因となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、薄型で優れた柔軟性を有し、1回目の画像形成に対する発色不良に加えて、繰り返し画像を形成消去した際の発色不良が無い可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の可逆性感熱記録媒体は、可逆性感熱記録層と、第1のシート状基材と、第2のシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを有し、
前記可逆性感熱記録層が、前記第1のシート状基材に隣接して配され、
前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のいずれかが、前記電子情報記録素子を深さ方向に配置するように凹部を有し、
前記電子情報記録モジュールが、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との間に、前記凹部を有するシート状基材側に第1の樹脂層を介して、かつ前記凹部を有しないシート状基材側に第2の樹脂層を介して配され、
前記凹部の内壁面が、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように傾斜したテーパ面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、薄型で優れた柔軟性を有し、1回目の画像形成に対する発色不良に加えて、繰り返し画像を形成消去した際の発色不良が無い可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録媒体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、従来技術における第1のシート状基材の凹部へのアプリケータによる樹脂の塗布工程を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体の層構成を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図5】図5は、本発明の第3の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図6】図6は、本発明の第4の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図7】図7は、本発明の第5の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図8】図8は、本発明の第6の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図9】図9は、本発明の第7の実施形態における凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と凹部を開口部側上方から見た形状との関係性を説明するための概念図である。
【図10】図10は、本発明の第8の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体の層構成を示す概略図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体の製造工程を示す概略図である。
【図12】図12は、本発明の第8の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体の製造工程を示す概略図である。
【図13】図13は、従来技術の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体の製造工程を示す概略図である。
【図14】図14は、実施例1における可逆性感熱記録媒体の層構成を示す概略図である。
【図15】図15は、実施例2における可逆性感熱記録媒体の層構成を示す概略図である。
【図16】図16は、比較例1における可逆性感熱記録媒体の層構成を示す概略図である。
【図17】図17は、比較例2における可逆性感熱記録媒体の層構成を示す概略図である。
【図18】図18は、荷重測定装置を用いて、可逆性感熱記録媒体の柔軟性の測定する方法を説明する説明図である。
【図19A】図19Aは、実施例1において可逆性感熱記録層に対してベタ印字した際の発色不良がない状態を示す図である。
【図19B】図19Bは、実施例2において可逆性感熱記録層に対してベタ印字した際の発色不良がない状態を示す図である。
【図19C】図19Cは、比較例1において可逆性感熱記録層に対してベタ印字した際の、白抜け、カスレ等の発色不良がある状態を示す図である。
【図19D】図19Dは、比較例2において可逆性感熱記録層に対してベタ印字した際の、白抜け、カスレ等の発色不良がある状態を示す図である。
【図20】図20は、本発明における第1のシート状基材の凹部へのアプリケータによる樹脂の塗布を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(可逆性感熱記録媒体)
本発明の可逆性感熱記録媒体は、可逆性感熱記録層と、第1のシート状基材と、第2のシート状基材と、電子情報記録モジュールとを少なくとも有してなり、必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記可逆性感熱記録媒体は、前記可逆性感熱記録層が、前記第1のシート状基材に隣接し、前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のいずれかが、前記電子情報記録素子を深さ方向に配置するように凹部を有し、前記電子情報記録モジュールが、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との間に、前記凹部を有するシート状基材側に第1の樹脂層を介して、かつ前記凹部を有しないシート状基材側に第2の樹脂層を介して配され、前記凹部の内壁面が、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように傾斜したテーパ面である。
【0015】
<可逆性感熱記録層>
前記可逆性感熱記録層は、色調が可逆的に変化する感熱記録層であり、温度変化によって色の状態が可逆的に変化する可逆性感熱記録材料を含有する。前記可逆性感熱記録材料は透過率、反射率、吸収波長、散乱度等の変化の組み合わせにより、色の状態が変化する。
【0016】
前記可逆性感熱記録材料としては、熱により透明度や色調が可逆的に変化する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、常温より高い第1の温度で第1の色の状態となり、第1の温度よりも高い第2の温度で加熱し、その後冷却することにより第2の色の状態となる材料が挙げられる。これらの中でも、第1の温度と第2の温度で色の状態が変化する材料が特に好ましい。
具体的には、第1の温度で透明状態となり、第2の温度で白濁状態となる材料(特開昭55−154198号公報参照)、第2の温度で発色し、第1の温度で消色する材料(特開平4−224996号公報、特開平4−247985号公報、特開平4−267190号公報参照)、第1の温度で白濁状態となり、第2の温度で透明状態となる材料(特開平3−169590号公報参照)、第1の温度で黒色、赤色、青色等に発色し、第2の温度で消色する材料(特開平2−188293号公報、特開平2−188294号公報参照)等が挙げられる。これらの中でも、樹脂母材中に高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した系や、ロイコ染料と顕色剤を用いた系が特に好ましい。
【0017】
前記ロイコ染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−95175号公報等に開示されているものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顕色剤は、分子内に、ロイコ染料を発色させる顕色能を持つ構造(例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基等)と、分子間の凝集力を制御する構造(例えば、長鎖炭化水素基が連結した構造)を1つ以上有する化合物である。これらの構造は、ヘテロ原子を有する2価以上の連結基を介して連結されていてもよい。また、長鎖炭化水素基は、同様の連結基及び芳香族基の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0018】
このような顕色剤としては、例えば、特開平9−290563号公報及び特開平11−188969号公報に開示されているものが挙げられる。これらの中でも、下記一般式(1)及び(2)で表される化合物の少なくとも1種が好ましい。これらの顕色剤は、感度が非常に高いため、同じ画像濃度を出力する場合、従来の顕色剤と比べて、与える印加エネルギーを10%〜30%程度削減することができる。与える印加エネルギーが少なければ、顕色剤の熱分解が緩和されると共に、可逆性感熱記録媒体の表面及び媒体自身に与えるダメージも緩和され、これにより繰り返し耐久性の劣化も緩和されるので、画像の品質を向上させることができる。
【0019】
【化1】

ただし、前記一般式(1)中、X及びYは、それぞれ独立に、ヘテロ原子を有する2価の有機基を表す。Rは、置換又は無置換の2価の炭化水素基を表す。Rは、置換又は無置換の1価の炭化水素基を表す。aは、1以上3以下の整数を表し、bは、1以上20以下の整数を表し、cは、0以上3以下の整数を表す。
【化2】

ただし、前記一般式(2)中、Zは、ヘテロ原子を有する2価の有機基を表す。Rは、置換又は無置換の2価の炭化水素基を表す。Rは、置換又は無置換の1価の炭化水素基を表す。dは、1以上3以下の整数を表す。
【0020】
前記一般式(1)及び(2)において、X、Y、及びZは、それぞれ独立に、ヘテロ原子を有する2価の有機基を表し、特に窒素原子又は酸素原子を含む2価の有機基が好ましく、例えば、下記構造式で表される基を少なくとも1つ有する2価の有機基などが挙げられる。
【化3】

【0021】
前記ヘテロ原子を有する2価の有機基としては、具体的には、下記構造式で表される基が好適に挙げられる。
【化4】

【0022】
これらの中でも、下記構造式で表される基が特に好適に挙げられる。
【化5】

【0023】
前記一般式(1)及び(2)において、R及びRは、置換基により置換されていてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表す。
前記R及びRとしては、以下の構造式で表されるものが好適に挙げられる。
【化6】

ただし、前記構造式中のq、q’、q’’、及びq’’’は、それぞれ前記R及びRの炭素数を満足する整数を表す。これらの中でも、−(CH)q−が特に好ましい。
【0024】
前記一般式(1)及び(2)において、R及びRは、置換基により置換されていてもよい炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基を表し、炭素数は8〜18が好ましい。
前記脂肪族炭化水素基は、直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基に結合している置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基等がある。なお、R及びR、R及びRの炭素の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上がより好ましい。
前記R及びRとしては、以下に示すものが好適に挙げられる。
【化7】

ただし、前記式中のq、q’、q’’、及びq’’’は、それぞれ前記R及びRの炭素数を満足する整数を表す。これらの中でも、−(CH)q−CHが特に好ましい。
【0025】
前記可逆性感熱記録層は、更に必要に応じて、塗布特性や発色消色特性を改善したり、制御したりするための添加剤を添加することができる。前記添加剤としては、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、発色安定化剤、消色促進剤などが挙げられる。
前記可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤及び添加剤をバインダー樹脂と共に含有することが好ましい。前記バインダー樹脂としては、第1のシート状基材上に、これらの材料を結着できさえすれば特に限定されない。これらの中でも、繰り返し時の耐久性を向上させるため、熱、紫外線(UV)、電子線(EB)等を用いて硬化させた樹脂が好ましく、硬化剤を用いて熱硬化させた樹脂が特に好ましい。これにより、ゲル分率を向上させることができる。
前記熱硬化させることが可能な樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。
【0026】
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、イソシアネートが好ましい。前記イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI);これらのイソシアネートのトリメチロールプロパン等によるアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプ、ブロック化イソシネートなどが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、そのアダクトタイプ、ビュレットタイプ、イソシアヌレートタイプが好ましい。なお、これらの硬化剤は、全量が硬化反応しなくてもよい。即ち、前記可逆性感熱記録層に未反応の硬化剤が存在していてもよい。このとき、硬化反応を促進させるために、硬化触媒を用いてもよい。
【0027】
前記可逆性感熱記録層としては、ゲル分率が30%以上であることが好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。前記ゲル分率が30%未満であると、繰り返し耐久性が低下することがある。
ここで、前記ゲル分率は、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことにより測定することができる。具体的には、第1のシート状基材から可逆性感熱記録層を剥離して、可逆性感熱記録層の初期質量を測定する。次に、可逆性感熱記録層を400メッシュの金網に挾んで、未硬化のバインダー樹脂が可溶な溶剤中に24時間浸した後、真空乾燥して、乾燥後の質量を測定する。これにより、ゲル分率は下記式1から求めることができる。
ゲル分率(%)=(乾燥後の質量)/(初期質量)×100 ・・・式1
【0028】
このとき、前記可逆性感熱記録層中の、バインダー樹脂以外の成分(有機低分子物質粒子等)の質量を除いて計算を行う。なお、予め有機低分子物質粒子の質量が分からないときは、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の断面観察により、単位面積当たりに占める面積比と、バインダー樹脂と有機低分子物質粒子の比重から質量比を求めて、有機低分子物質粒子の質量を算出すればよい。
【0029】
前記可逆性感熱記録層としては、発色成分に対するバインダー樹脂の質量比が0.1〜10であることが好ましい。前記質量比が、0.1未満であると、前記可逆性感熱記録層の熱強度が不足することがあり、10を超えると、発色濃度が低下することがある。
前記可逆性感熱記録層は、ロイコ染料、顕色剤、添加剤、バインダー樹脂、及び溶媒を均一に分散させた塗布液を塗布して形成することができる。
前記溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、グリコールエーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類などが挙げられる。
前記塗布液は、例えば、ペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等の分散装置を用いて調製することができる。このとき、分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散させてもよいし、各材料を分散させたものを混合してもよい。更に、各材料を加熱溶解させて急冷又は徐冷することによって析出させてもよい。
前記塗布液の塗布方法としては、例えば、ブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、スプレー塗工法、エアナイフ塗工法、ビード塗工法、カーテン塗工法、グラビア塗工法、キス塗工法、リバースロール塗工法、ディップ塗工法、ダイ塗工法などが挙げられる。
【0030】
前記可逆性感熱記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜20μmが好ましく、3μm〜15μmがより好ましい。前記厚みが、1μm未満であると、発色濃度が低下して画像のコントラストが低下することがあり、20μmを超えると、可逆性感熱記録層の熱分布が大きくなって、発色温度に達せず発色しない部分が発生し、目的とする発色濃度が得られなくなることがある。
【0031】
<第1のシート状基材及び第2のシート状基材>
前記第1のシート状基材は、前記可逆性感熱記録媒体に隣接してなり、前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のいずれかは、前記電子情報記録素子(ICチップ)を深さ方向に配置するように凹部を有する。
なお、以下の記載においては、第1のシート状基材と第2のシート状基材とを区別しない場合には、これらを単に「シート状基材」と称する。
【0032】
前記シート状基材としては、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、四角形、円形などが挙げられる。前記構造としては、単層構造、積層構造などが挙げられる。前記大きさとしては、用途等に応じて適宜選択することができる。
【0033】
前記シート状基材としては、例えば、樹脂シート、ゴムシート、合成紙、金属シート、ガラスシート、又はこれらの複合体などが挙げられる。これらの中でも、樹脂シートが特に好ましい。
前記樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート、ポリカーボネートシート、ポリスチレンシート、ポリメチルメタクリレートシートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートが特に好ましい。
【0034】
前記シート状基材は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シート状基材の厚みとしては、凸状の電子情報記録素子を挿入可能に形成される凹部が形成する場合には、該凹部の深さを考慮して選択され、20μm〜300μmが好ましく、50μm〜188μmがより好ましい。
【0035】
また、前記凹部を有しないシート状基材の厚みとしては、25μm〜100μmが好ましく、25μm〜50μmがより好ましい。
前記厚みが、25μm未満であると、カールを防止する効果が抑制され、100μmを超えると、可逆性感熱記録媒体の厚みが大きくなり、柔軟性を損ねることがある。
【0036】
<<凹部>>
前記凹部の内壁面は、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように傾斜したテーパ面である。
前記凹部の内壁面は、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように漸次傾斜したテーパ面であることが好ましい。
また、前記凹部の深さとしては、20μm〜260μmが好ましい。
前記凹部の内壁面が前記のようなテーパ面を有すると、白抜けやカスレがなく、極めて優れた印字品質を得ることができる。
前記凹部の開口部を上方から見た形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形、長方形、六角形、八角形などが挙げられる。
【0037】
前記テーパ面は、所定の角度で直線状に傾斜していてもよく、異なる複数の傾斜角で順次傾斜していてもよく、湾曲して傾斜していてもよい。また、前記テーパ面は、角度の異なる複数のテーパ面(例えば、3つ以上のテーパ面)で構成された多段テーパ面であってもよく、凹部底面から軸線方向の開口側に向かって内径が連続的に大きくなる紡錘状の湾曲面を形成してもよい。
前記テーパ面の傾斜角度(テーパ角)θとしては、30°以下が好ましく、5°〜20°がより好ましく、8°〜15°が更に好ましい。前記テーパ角θが、30°を超えると、前記凹部と塗布される第1の樹脂との間に隙間が生じることがある。
ここで、前記テーパ角θとは、凹部の底面の水平面とテーパ面とで形成される角度を意味する(図3〜図9参照)。なお、テーパ面が複数のテーパ面や湾曲面で構成されている場合、後述する第1の樹脂を塗布する際の方向軸で切った断面において、凹部の底面部の水平面と凹部の内壁面が接する点と、凹部の開口部の水平面と凹部の内壁面が接する点とを結ぶ線で形成される角度を前記テーパ角θとすることができる(図7〜図9参照)。
【0038】
前記凹部と前記電子情報記録素子との間の前記凹部の幅方向における間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0mm〜1.5mmが好ましく、0mm〜1.0mmがより好ましく、0mm〜0.5mmが特に好ましい。前記間隔が、1.5mmを超えると、白抜け、カスレが発生することがある。
前記凹部と前記電子情報記録素子との間の前記凹部の幅方向における間隔とは、該凹部に前記電子情報記録素子を挿入した状態で空隙となる部分の幅寸法を意味する。
【0039】
前記凹部と前記電子情報記録素子との間の前記凹部の深さ方向における間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記凹部の底面と前記電子情報記録素子の頂部との間隔が、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。この範囲において、画像抜けを改善することができる。
前記間隔が、5μm未満であると、電子情報記録素子がシート状基材側に突出して、記録時に電子情報記録素子の周囲領域が発色不良となることがある。一方、前記間隔が、50μmを超えると、電子情報記録素子が裏面側に凹となり、記録時に電子情報記録素子領域が発色不良となることがある。
【0040】
前記凹部の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、切削加工、レーザー加工、プレス加工、エッチング加工などが挙げられる。これらに中でも、高精度かつ効率よく凹部を形成できる点から、切削加工が特に好ましい。
前記切削加工において、凹部の開口部を上方から見た形状が円形の場合には、回転させて切削する刃の角度を変化させることにより、テーパ角を調整することができる。また、凹部の開口部を上から見た形状が四角形の場合には、まず、四角形に凹部を削った後、四角形の外周縁部を面取りすることによりテーパ面を形成することができる。
【0041】
<電子情報記録モジュール>
前記電子情報記録モジュールは、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有し、必要に応じて、その他の部材を有してなる。また、前記電子情報記録モジュールは、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との間に、前記凹部を有するシート状基材側に第1の樹脂層を介して、かつ前記凹部を有しないシート状基材側に第2の樹脂層を介して配されてなる。
【0042】
前記電子情報記録モジュールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチックフィルム等のモジュール基板上に、コイル状のアンテナ回路を形成し、該コイルと容量素子とによりLC共振回路を形成して一定周波数の電波を受信すると共に、電子情報記録素子の情報を発信源に送信して返すことができる。交信周波数としては、一般的には125kHz、13.56MHz、2.45GHz、5.8GHz(マイクロ波)及びUHF帯などの周波数帯から適宜選択して使用される。
【0043】
前記アンテナ回路の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記回路基板上に積層された金属膜をエッチングする方法、被覆された電線(エナメル線など)を同一面上に繰り返し巻き回す方法、前記回路基板上にいわゆる導電性ペーストを印刷する方法、前記アンテナ回路を基板に埋め込む方法、前記アンテナ回路としての金属箔をラミネートする方法などが挙げられる。
【0044】
前記アンテナ回路としては、特に制限はないが、通常、アンテナ回路の配線部の厚みが、5μm〜30μmであり配線の有無により凹凸形状を有しており、該凹凸形状に基づく、白抜け、カスレ等の印字不良を抑制する必要がある。
【0045】
前記モジュール基板に使用する基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙フェノール、ガラスエポキシ、コンポジット等のリジッドタイプ;ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、紙、合成紙等のフレキシブルタイプ、あるいは両者の複合タイプなどが挙げられる。
【0046】
前記モジュール基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記可逆性感熱記録媒体を薄くして柔軟性を向上させる観点から、15μm〜100μmが好ましい。
前記モジュール基板に対して、例えば、前記アンテナ回路としての金属箔をラミネートする場合、前記金属箔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅箔、アルミニウム箔、鉄箔などを使用できるが、コスト、加工性に優れることからアルミニウム箔が好ましく、その厚みとしては、6μm〜50μmが好ましい。
前記モジュール基板の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形などが挙げられる。
【0047】
前記電子情報記録素子の厚み(高さ)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200μm以下が好ましく、25μm〜140μmがより好ましい。また、前記電子情報記録素子を保護するために、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、紙等の保護膜を該電子情報記録素子上に接着させることもできる。
前記保護膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜20μmが好ましい。
【0048】
前記電子情報記録モジュールの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、UPM社製、オムロン社製、エイリアンテクノロジー社製、ソニー株式会社製、富士通株式会社製、日立製作所製、テキサス・インスツルメンツ社製、藤井社製、DNP社製、凸版社製等のインレットシートなどを用いることができる。
【0049】
<第1の樹脂層>
前記第1の樹脂層は、前記凹部を有するシート状基材と前記電子情報記録モジュールとを接着することとしてなり、前記凹部と前記電子情報記録素子との間の隙間を埋めるように形成されてなる。前記第1の樹脂層を形成すると、前記凹部に対応する前記可逆性感熱記録媒体の表面領域に凹みが生ずることを抑制することができ、画像品質に優れた画像の形成及び消去を行うことができる。
【0050】
前記第1の樹脂層の形成に用いられる接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、合成ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、EVA系樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、天然ゴム、合成ゴム、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、EVA系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂が特に好ましい。
【0051】
前記第1の樹脂層の厚みとしては、前記アンテナ回路と前記凹部を有するシート状基材との最短距離が、10μm以上となるように形成することが好ましい。
前記最短距離が、10μm未満であると、前記アンテナ回路の凹凸形状の影響を受け、画像形成時における白抜け、カスレ等の発色不良の原因となる。このような観点から、前記最短距離としては、15μm以上がより好ましく、20μm以上が特に好ましい。
ただし、前記最短距離が10μmであれば、前記アンテナ回路の凹凸形状を吸収することができる。前記最短距離が大きくなりすぎると、前記可逆性感熱記録媒体の総厚みが大きくなり、目的とする柔軟性が得られないことがある。したがって、前記最短距離の上限値としては、50μm以下が好ましい。
前記の通り、アンテナ回路における配線部の厚みは、通常、5μm〜30μmの凹凸形状を有している。
【0052】
ここで、本発明においては、前記凹部を有するシート状基材と前記配線部上面が最も近づいた位置との間の距離を最短距離とする。
前記最短距離は、前記配線部近傍を断面研磨し、断面形状を観察することにより測定することができる。
【0053】
前記凹部における第1の樹脂層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記最短距離を考慮して、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が特に好ましい。
前記樹脂層の厚みが、100μmを超えると、前記可逆性感熱記録媒体の総厚みが大きくなり、目的とする柔軟性が得られないことがある。
【0054】
前記第1の樹脂層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、スプレー塗布法、ラミネーター法、ロール塗布法などが挙げられる。これらの中でも、均一な厚みで形成する観点から、ロール塗布法が好ましい。
【0055】
<第2の樹脂層>
前記第2の樹脂層は、前記第2のシート状基材と前記第1のシート状基材とを接着することとしてなる。
前記可逆性感熱記録媒体は、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との間に前記電子情報記録モジュールを内包するように構成され、前記モジュール基板の面外方向の領域において、前記第2のシート状基材と前記第1のシート状基材とが接着される。
【0056】
前記第2の樹脂層の形成に用いられる接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の樹脂層の形成材料として説明した材料を用いることができる。
前記第2の樹脂層の形成材料としては、前記第1の樹脂層の形成材料と同一の樹脂材料で形成する場合、低コストで簡易に各樹脂層を形成することができる。
ただし、前記第1の樹脂層は、前記電子情報記録モジュールと接する層として、前記電子情報記録モジュールの機械的強度を補強する機能を奏することが好ましく、一方、前記第2の樹脂層は、前記可逆性感熱記録媒体に対して柔軟性を付与する機能を奏することが好ましく、前記両層を別個の形成材料により形成することもできる。
このような観点からは、前記第1の樹脂層における弾性率は、前記第2の樹脂層における弾性率よりも大きいことが好ましい。
具体的には、前記第1の樹脂層における弾性率としては、500MPa以上2,000MPa以下が好ましく、700MPa以上1,000MPa以下がより好ましい。
また、前記第2の樹脂層における弾性率としては、200MPa以上1,000MPa以下が好ましく、250MPa以上700MPa以下がより好ましい。
【0057】
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第2のシート状基材1の露出面に対して、バック層を設けてもよい。また、前記可逆性感熱記録層の露出面に対して、保護層を設けてもよい。更に、前記保護層と前記可逆性感熱記録層との間には、中間層が配されていてもよい。
【0058】
前記バック層は、カールを防止する目的で配される。
前記バック層の構成材料としては、熱、紫外線、電子線等、好ましくは、紫外線を用いて硬化させた樹脂が挙げられる。また、熱、紫外線、電子線等を用いて硬化させることが可能なものとしては、前記可逆性感熱記録層と同様のものを用いることができ、同様に硬化させることができる。
前記バック層の形成方法としては、前記可逆性感熱記録層と同様であるが、このとき、前記可逆性感熱記録層が設けられている側と、前記バック層が設けられている側の収縮のバランスが取れるように塗布することが好ましい。これにより、全ての層が塗布された後に、前記可逆性感熱記録媒体を平坦にすることができる。
【0059】
また、前記バック層には、前記樹脂以外に、有機フィラー、無機フィラー、滑剤、着色顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を含有させることもできる。
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物などが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サリシレート構造、シアノアクリレート構造、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造等を有する化合物が挙げられる。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成ワックス類、植物性ワックス類、動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類、アミド類などが挙げられる。
前記バック層の厚みとしては、0.1μm〜10μmが好ましい。
【0060】
前記保護層は、前記可逆性感熱記録層を保護する目的で配される。
前記保護層の構成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱、紫外線、電子線等を用いて硬化させた樹脂などが挙げられる。これらの中でも、紫外線又は電子線を用いて硬化させた樹脂が特に好ましい。
前記紫外線(電子線)を用いて硬化させることが可能な樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系等のオリゴマー;各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーなどが挙げられる。
なお、紫外線を用いて架橋させる際には、光重合開始剤乃至光重合促進剤を用いることが好ましい。また、熱硬化させることが可能な樹脂としては、前記可逆性感熱記録層と同様の樹脂を用いることができ、同様に硬化させることができる。
前記保護層の厚みとしては、0.1μm〜10μmが好ましい。
【0061】
前記中間層は、前記可逆性感熱記録層に対する保護層の接着性向上、保護層の塗布液の塗布による可逆性感熱記録層の変質防止、保護層中の添加剤の可逆性感熱記録層への移行防止のために設ける。これにより、画像の保存性を改善することができる。
前記中間層の構成材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱、紫外線、電子線等を用いて硬化させた樹脂(熱硬化性樹脂)、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドなどが挙げられる。
また、前記熱、紫外線、電子線等を用いて硬化させた樹脂としては、特に制限はなく、前記可逆性感熱記録層と同様のものを用いることができ、同様に硬化させることができる。
なお、前記中間層の形成方法としては、前記可逆性感熱記録層と同様の形成方法などが挙げられる。
【0062】
前記中間層は、更に必要に応じて、フィラー、紫外線吸収剤などを含有してもよい。
前記中間層中のフィラーの含有量としては、1体積%〜95体積%が好ましく、5体積%〜75体積%がより好ましい。
前記中間層中の紫外線吸収剤の含有量としては、前記樹脂に対して、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記中間層の厚みは、0.1μm〜20μmが好ましく、0.3μm〜3μmがより好ましい。
【0063】
前記可逆性感熱記録層上に積層される前記中間層と保護層の各層においては、酸素透過性の低い樹脂を含有することが好ましい。これにより、前記可逆性感熱記録層中のロイコ染料及び顕色剤の酸化を抑制することが可能になる。
なお、前記可逆性感熱記録層と第1のシート状基材の間にアンダー層を設けてもよい。これにより、前記可逆性感熱記録層の発色感度及び前記可逆性感熱記録層と前記第1のシート状基材の接着性を向上させることができる。
また、レーザー光を用いて、前記可逆性感熱記録層を発色させるためのレーザー光を吸収して光を熱に変換する光熱変換層を設けてもよい。
更に、放熱を防止するために、空気層等の断熱層を設けてもよい。
【0064】
こうして形成される本発明の前記可逆性感熱記録媒体の総厚みとしては、150μm〜500μmが好ましく、250μm〜400μmがより好ましく、270μm〜300μmが特に好ましい。
前記総厚みが、500μmを超えると、柔軟性が損なわれヘッド密着性向上効果が発揮できない。更に、580μm以上となると、プリンタの搬送系で詰まりが発生することがある。
前記総厚みが、150μm未満であると、薄くなりすぎることでサーマルヘッドへの押し付けが足りず、印字不良が発生することがある。
【0065】
前記可逆性感熱記録媒体の柔軟性を表す曲げ変形荷重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、45gf未満が好ましい。
ここで、前記柔軟性を表す曲げ変形荷重は、以下のようにして測定することができる。
図18に示す荷重測定装置を用い、断面方向から見て可逆性感熱記録媒体を支持体間距離が10mmとなるように2点で支持し、中央部を1点で押圧する3点曲げ法により、曲げに対するたわみ量と荷重とを測定する。前記測定は、たわみ量が10mmとなったときの荷重を測定し、該荷重の値が小さいほど柔軟性を有する。
【0066】
以下では、本発明の前記可逆性感熱記録媒体の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
本発明の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体100について図2を用いて説明する。
前記可逆性感熱記録媒体100は、可逆性感熱記録層1が配される面と反対の面には断面形状が台形である凹部2を有する第1のシート状基材3と、第1の基材3における可逆性感熱記録層1が配される面と反対の面側に配される第2のシート状基材4と、第1のシート状基材3と第2のシート状基材4との間に配され、モジュール基板5上にアンテナ回路6、及びバンプ7とアンダーフィル8とでモジュール基板5に固定されたICチップ9を有する電子情報記録モジュール10とが配されてなる。
第1のシート状基材と電子情報記録モジュール10とは第1の樹脂層11を介して接着され、第2のシート状基材と第1のシート状基材とは第2の樹脂層12を介して接着されている。
【0067】
なお、図3は、前記凹部を樹脂塗布方向の側面から見た形状と前記凹部を開口部側上方から見たザグリの形状との関係性を示す概念図である。第1の実施形態では、ザグリが円形(楕円形も含む)である。
このような可逆性感熱記録媒体100によれば、ICチップ9が凹部2に対して挿入され、ICチップ9と凹部2の間には第1の接着層11が形成されるような構造であり、前記凹部2と第1の接着層11との間に隙間が生じ難いため、可逆性感熱記録媒体100の総厚みを薄く維持したまま、可逆性感熱記録層3の表面の凹凸の発生を抑制し、サーマルヘッドにより良好な印字品質を提供することが可能となる。
【0068】
<第2〜7の実施形態>
第2〜7の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体を図4〜9を用いて説明する。図4〜9は、前記凹部を樹脂塗布方向の側面から見た断面形状と前記凹部を開口部側上方から見たザグリの形状との関係性を説明するための概念図である。
第2の実施形態では、ザグリが方形であり、凹部の四つの側壁面すべてがテーパを有するものである(図4参照)。
第3の実施形態では、ザグリが多角形であり、凹部のすべての側壁面がテーパを有するものである。(図5参照)
第4の実施形態では、ザグリが方形であり、樹脂塗布方向軸と交わる二つの側壁面がテーパを有するものである(図6参照)。
第5の実施形態では、第4の実施形態においてテーパを有する二つの側壁面が湾曲して傾斜している(Rを有する)ものである(図7参照)。
第6の実施形態では、ザグリが方形であり、テーパを有する側壁面においてテーパの途中に段差を有するものである(図8参照)。
第7の実施形態では、ザグリが円形(楕円形も含む)であり、テーパを有する側壁面においてテーパの途中に段差を有するものである(図9参照)。
【0069】
これらの可逆性感熱記録媒体によれば、第1の実施形態と同様に、前記凹部2と第1の接着層11との間に隙間が生じ難いため、可逆性感熱記録媒体100の総厚みを薄く維持したまま、可逆性感熱記録層3の表面の凹凸の発生を抑制し、サーマルヘッドにより良好な印字品質を提供することが可能となる。
第2〜7の実施形態において、前記以外は、それぞれ第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
<第8の実施形態>
本発明の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体200について図10を用いて説明する。
この可逆性感熱記録媒体200は、可逆性感熱記録層1が一方の面に形成された第1のシート状基材3と、第1のシート状基材3における可逆性感熱記録層1が配される面と反対の面側に配される第2のシート状基材4と、第2のシート状基材の片面に配される断面形状が台形である凹部2と、第1のシート状基材3と第2のシート状基材4との間に配され、モジュール基板5上にアンテナ回路6、及びバンプ7とアンダーフィル8とでモジュール基板5に固定されたICチップ9を有する電子情報記録モジュール10とが配される。
第2のシート状基材4と電子情報記録モジュール10とは第1の樹脂層11を介して接着され、第2のシート状基材と第1のシート状基材とは第2の樹脂層12を介して接着されている。
なお、前記凹部を開口部側上方から見た際のザグリの形状としては、円形(楕円形も含む)である。
【0071】
このような可逆性感熱記録媒体200によれば、ICチップ9が凹部2に対して挿入され、ICチップ9と凹部2の間には第1の樹脂層11が形成されるような構造である。このため、可逆性感熱記録媒体200の総厚みを薄く維持したまま、可逆性感熱記録層3の表面の凹凸の発生を抑制し、サーマルヘッドにより良好な印字品質を提供することが可能となる。
【0072】
なお、前記第8の実施形態において、凹部2の形状を、前記第2〜7の実施形態で記載された形状に変更した実施形態も本発明の実施形態となる。
【0073】
(可逆性感熱記録媒体の製造方法)
本発明の可逆性感熱記録媒体の製造方法は、可逆性感熱記録層形成工程と、凹部形成工程と、第1の樹脂層形成工程と、電子情報記録モジュール配置工程と、第2の樹脂層形成工程と、貼合わせ工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
【0074】
<可逆性感熱記録層形成工程>
前記可逆性感熱記録層形成工程は、第1のシート状基材の一の面に可逆性感熱記録層を形成する工程である。
前記可逆性感熱記録層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、本発明の前記可逆性感熱記録層において説明した方法と同様の方法とすることができる。また、予め第1のシート状基材の一の面に前記可逆性感熱記録層が形成されたものを用いることとしてもよい。
【0075】
<凹部形成工程>
前記凹部形成工程は、前記第1のシート状基材の前記一の面と反対の面及び第2のシート状基材のいずれかに内壁面がテーパ面である凹部を形成する工程である。
このような凹部形状を有するように形成された前記可逆性感熱記録媒体は、後述する第1の樹脂層形成工程において凹部に樹脂を塗布した際に凹部底面の角部に隙間が生じないため、高い屈曲耐性及び面圧耐性を維持しつつ、薄型で優れた柔軟性を有し、1回の画像形成に対する初期的な白抜けや発色不良に加えて、繰り返し画像を形成消去した際の白抜けや発色不良を抑制することができる。
前記凹部の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、切削加工、レーザー加工、プレス加工、及びエッチング加工のいずれかが好ましい。これらの凹部の形成方法によると、目的とする大きさに対して高精度で凹部を形成することができる。
【0076】
<第1の樹脂層形成工程>
前記第1の樹脂層形成工程は、前記凹部を形成した面の少なくとも一部と前記凹部内とに第1の樹脂層を形成する工程である。
前記第1の樹脂層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記可逆性感熱記録媒体について説明した前記樹脂材料を塗布することにより形成することができるが、前記凹部のテーパ面の傾斜に沿って樹脂を塗布することが好ましい。そうすることで、凹部に樹脂を塗布した際に凹部底面の角部に隙間が生じないため、高い屈曲耐性及び面圧耐性を維持しつつ、薄型で優れた柔軟性を有し、1回の画像形成に対する初期的な白抜けや発色不良に加えて、繰り返し画像を形成消去した際の白抜けや発色不良を抑制することができる。
【0077】
前記第1の樹脂層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、スプレー塗布法、ラミネーター法、ロール塗布法などが挙げられる。これらの中でも、均一な厚みで形成する観点から、ロール塗布法が好ましい。
また、前記第1の樹脂の加工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前述の接着剤を含む組成物溶液を塗布した後、加熱して接着させる加工方法が挙げられる。
【0078】
<電子情報記録モジュール配置工程>
前記電子情報記録モジュール配置工程は、前記第1の樹脂層を介して前記凹部を形成したシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを接着し、前記電子情報記録素子を前記凹部に対して該凹部の深さ方向に隙間を有する状態で挿入して前記電子情報記録モジュールを配置する工程である。
前記電子情報記録モジュールとしては、本発明の前記可逆性感熱記録媒体について説明したものと同様のものを用いることができる。
前記電子情報記録素子を前記凹部に挿入する際の位置合わせの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、搬送ローラ上に配された電子情報記録モジュールの搬送速度を、前記電子情報記録素子と前記凹部との位置が合うように調整する方法などが挙げられる。
【0079】
<第2の樹脂層形成工程>
前記第2の樹脂層形成工程は、前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のうち前記凹部を形成しないシート状基材に第2の樹脂層を形成する工程である。
前記第2の樹脂層形成工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記可逆性感熱記録媒体について説明した前記樹脂材料を塗布することにより形成することができる。
【0080】
<貼り合せ工程>
前記貼り合せ工程は、前記凹部を形成しないシート状基材を前記第2の樹脂層を介して前記凹部を形成したシート状基材及び前記電子情報記録モジュールに接着して、前記2つのシート状基材を貼り合わせる工程である。
前記貼り合せにおける、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との貼り合せ手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2枚のシートの貼り合せをする際に用いられる公知の貼り合せ手段などが挙げられる。
【0081】
<製造実施形態1>
本発明の第1の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体100の製造方法について図11を用いて説明する。
可逆性感熱記録層1が片方の面に配された第1のシート状基材3を用意し、第1のシート状基材3の可逆性感熱記録層1が配された面と反対の面に切削加工などにより断面形状が台形の凹部2を形成する。
次に、第1のシート状基材3の凹部2を形成した面と凹部2内に第1の樹脂層11をアプリケータ20などを用いて塗布する。
その後、凹部2内に電子情報記録モジュール10上の電子情報記録素子9が収納されるように、第1の樹脂層11を介して、第1のシート状基材3と電子情報記録モジュール10を貼り合わせる。
第2のシート状基材4には、第2の樹脂層12が塗布される。
第2の樹脂層12が形成された第2のシート状基材4と、電子情報記録モジュール10が貼り合わされた第1のシート状基材3を貼り合わせた後に、図中の破線で示すように所望の大きさに切断されることにより可逆性感熱記録媒体100が得られる。
【0082】
<製造実施形態2>
本発明の第8の実施形態に係る可逆性感熱記録媒体200の製造方法について図12を用いて説明する。
第2のシート状基材4を用意し、切削加工などにより断面形状が台形となるような円形状の凹部2を形成する。
次に、第2のシート状基材4の凹部2を形成した面と凹部2内に第1の樹脂層11をアプリケータ20などを用いて塗布する。
その後、前記凹部2内に電子情報記録モジュール10上の電子情報記録素子9が収納されるように、第1の樹脂層11を介して、第2のシート状基材4と電子情報記録モジュール10を貼り合わせる。
可逆性感熱記録層1が片方の面に配された第1のシート状基材3を用意し、第1のシート状基材3の可逆性感熱記録層1が配された面と反対の面に第2の樹脂層12が塗布される。
第2の樹脂層12が形成された第1のシート状基材3と、電子情報記録モジュール10が貼り合わされた第2のシート状基材4を貼り合わせた後に、図中の破線で示すように所望の大きさに切断されることにより可逆性感熱記録媒体200が得られる。
【0083】
上述した本発明の可逆性感熱記録媒体の製造方法と比較するため、従来技術における可逆性感熱記録媒体200の製造方法について図13を用いて説明する。
可逆性感熱記録層1が片方の面に配された第1のシート状基材3を用意し、第1のシート状基材3の可逆性感熱記録層1が配された面と反対の面に切削加工などによりテーパの無い凹部2を形成する。
次に、第1のシート状基材3の凹部2を形成した面と凹部2内に第1の樹脂層11をアプリケータ20などを用いて塗布する。
この時、アプリケータの移動に併せて第1の樹脂層11は凹部2内にも塗布されているが、樹脂の塗布方向における凹部の両端付近では、第1の樹脂層11が十分に充填されにくい隙間aが形成されやすくなる。
以降、本発明の実施形態と同様の手順で可逆性感熱記録媒体300を作製した場合、凹部2内の可逆性感熱記録層3下に隙間aが残りやすくなる。
凹部に充填された樹脂が硬化する際に、隙間には樹脂が無いため樹脂の硬化収縮時に隙間a直上部の基材に変形を生じ、可逆性感熱記録層1表面が凹むことが懸念される。
また、使用する樹脂によっては、隙間に残留した空気及びその空気中の水分などと反応することにより気体を発生し、隙間に気泡を生じ、可逆性感熱記録層表面に凸部が形成されることが懸念される。
【実施例】
【0084】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明の形態はこれに限定されるものではない。
【0085】
(実施例1)
図14に実施例1における可逆性感熱記録媒体110の断面図を示す。
厚み188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート3(第1のシート状基材に相当)上に、黒色発色の可逆性感熱記録層1を形成した可逆性感熱記録シート30(株式会社リコー製、630BD、厚み:226μm)の可逆性感熱記録層1と反対の面に、切削加工により底面の直径6mm、深さ150μm、テーパ角15°の凹部2を形成した。
なお、切削加工には、ミリング装置(ルーラーマット社製、MS330)を用いた。
【0086】
次いで、可逆性感熱記録シート30の前記凹部2を形成した面に、ホットメルト接着剤21(日本エヌエスシー株式会社製、ボンドマスター170−7310)をロール法により平面部の厚みが15μmとなるように塗布した。
【0087】
前記ホットメルト接着剤21を介して、可逆性感熱記録シート30に形成された凹部2にICチップ9が収まるように電子情報記録モジュール10をロールプレスにより貼り合わせた。ここで、電子情報記録モジュール10としては、モジュール基板5上にアンテナ回路6、及びバンプ7とアンダーフィル8とで回路基板に固定されたICチップ9を有する電子情報記録モジュール10(株式会社日立製作所製、RKT132)を用いた。
【0088】
次いで、ロール状の第2のPETシート(第2のシート状基材)4(東洋紡株式会社製、クリスパー、厚み:38μm)の一方の面にホットメルト接着剤21(日本エヌエスシー社製、ボンドマスター170−7310)をロール法により150μmの厚みで塗布した。なお、塗布装置、その使用条件及び前記接着剤の粘度などは、前述したものと同様である。
前記ホットメルト接着剤21を塗布した第2のPETシート4を電子情報記録モジュール10が貼られた可逆性感熱記録シート30にロールプレスにより貼り合せた後、ダイ切断機を用いて所望の大きさに切断し、実施例1における可逆性感熱記録媒体110を製造した。
【0089】
(実施例2)
図15に実施例1における可逆性感熱記録媒体120の断面図を示す。
実施例1において、可逆性感熱記録シート30の可逆性感熱記録層1形成面の反対面に、切削加工における刃の角度を変えることにより底面の直径6mm、深さ150μm、テーパ角8°の凹部2’を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして、実施例2における可逆性感熱記録媒体を製造した。
【0090】
(比較例1)
図16に比較例1における可逆性感熱記録媒体130の断面図を示す。
実施例1において、可逆性感熱記録シート30の可逆性感熱記録層1形成面の反対面に、切削加工により底面の直径6mm、深さ150μm、テーパの無い凹部2’’を形成した。
それ以外は、実施例1と同様にして、比較例1における可逆性感熱記録媒体を製造した。
【0091】
(比較例2)
図17に比較例2における可逆性感熱記録媒体140の断面図を示す。
PETシート(第1のシート状基材)3上に黒色発色の可逆性感熱記録層1を形成した可逆性感熱記録シート30(株式会社リコー製、630BD、厚み138μm)、ICチップ9を挿入可能な直径6mmの貫通孔22を有する第1のシート41(東洋紡株式会社製、クリスパー、厚み188μm)、ICチップ9を有する電子情報記録モジュール10(株式会社日立製作所製、RKT−132)、電子情報記録モジュール10を収納可能なくり貫き部23を有する第2のシート42(東洋紡株式会社製、クリスパー、厚み50μm)、第3のシート43(東洋紡株式会社製、クリスパー、厚み75μm)、基材シート44(東洋紡株式会社製、クリスパー、厚み100μm)がホットメルト接着剤21(日本エヌエスシー株式会社製、ボンドマスター170−7310)を介して順次積層させた。
この可逆性感熱記録媒体140は、前記くり貫き部23に前記モジュール基板5全体を収納した第2のシート42を前記第1のシート41上に有すると共に、前記電子情報記録モジュール10の前記可逆性感熱記録シート30側に突出したICチップ9が前記第1のシート41の貫通孔22に挿入されている。
即ち、可逆性感熱記録シート30、第1のシート41、くり貫き部23に電子情報記録モジュール10全体を収納した第2のシート42、第3のシート43、及び基材シート44が、この順に積層されている。
【0092】
<測定方法及び評価方法>
前記実施例1及び2、並びに比較例1及び2で作製された可逆性感熱記録媒体110、120、130及び140について、以下のように、凹部の形状(深さ、底面の径、及びテーパ角)、厚み、表面の凹凸、柔軟性、及び発色性を測定乃至評価した。結果を表1に示す。
【0093】
<<凹部の形状(深さ、底面の径及びテーパ角)の測定>>
前記可逆性感熱記録媒体110、120、130及び140に対して、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VK−8500)を用いて、凹部の形状をスキャンし、得られた画像上に引いた任意の直線及び曲線からなる断面プロファイルを抽出し、その断面プロファイルから、凹部の形状(深さ、底面の径及びテーパ角)を測定した。
【0094】
<<厚みの測定>>
前記可逆性感熱記録媒体110、120、130及び140の総厚みを、電子マイクロメーター(アンリツ株式会社製、K−35)を用いて測定した。
【0095】
<<表面の凹凸の測定>>
前記可逆性感熱記録媒体110、120、130及び140の可逆性感熱記録層の表面の凹凸を、表面粗さ計(株式会社東京精密製、サーフコム750A−3D)を用いて測定した。
【0096】
<<柔軟性の評価>>
前記可逆性感熱記録媒体110、120、130及び140に対して、荷重測定装置を用い、図18に示すようにして断面方向から見て可逆性感熱記録媒体を支持体間距離が10mmとなるように2点で支持し、中央部を1点で押圧する3点曲げ法により、曲げに対するたわみ量と荷重とを測定した。測定は、たわみ量が10mmとなったときの荷重として測定し、下記基準により評価した。なお、荷重の値が小さいほど柔軟性を有する。
−評価基準−
〇:前記荷重が45gf未満
×:前記荷重が45gf以上
【0097】
<<発色性の評価>>
前記可逆性感熱記録媒体110、120、130及び140に対して、サーマルプリンタ(シンフォニアテクノロジー株式会社製、RP−K)を用いて全面ベタ画像を1回目記録と、300回繰り返し記録及び消去した後の凹部及びその近傍の画像濃度をX−Rite938(X−Rite社製)により測定し、印字画像の発色性を以下の基準で評価した。
〔1回目記録の評価基準〕
○:画像濃度が1.1以上で、発色性良好(印字抜けが無い)
×:画像濃度が1.1未満で、発色性不良(凹部のエリアに印字濃度が低い箇所(印字抜け)が有る)
〔300回繰り返し記録後の評価基準〕
○:画像濃度が0.8以上で、発色性良好(印字抜けが無い)
×:画像濃度が0.8未満で、発色性不良(凹部のエリアに印字濃度が低い箇所(印字抜け)が有る)
【0098】
【表1】

【0099】
比較例1において印字画像の発色性を確認したところ、図19Cに示すように凹部領域の外周部に発色不良が発生した。これは、可逆性感熱記録媒体の製造過程において凹部2にホットメルト接着剤11を塗布する際に、凹部2底面の外周部にはホットメルト接着剤11が未充填となる隙間aができたことに起因する(図13参照)。隙間aにはホットメルト接着剤11が無いためホットメルト接着剤11の硬化収縮時に隙間直上部の第1のシート状基材3に変形を生じ、可逆性感熱記録層1表面が凹んだため、サーマルヘッドとの接触不良により、熱が伝わりにくくなり、発色に必要な急冷効果が得らなかったためと考えられる。
【0100】
比較例2において印字画像の発色性を確認したところ、図19Dに示すように貫通孔22を有する領域全体に発色不良が発生した。これは、可逆性感熱記録層1の下にある貫通孔22に樹脂が全く充填されていないため、空気の断熱効果により、熱が伝わりにくくなり、発色に必要な急冷効果が得らなかったためと考えられる。
【0101】
一方、実施例1及び2においては、図19A及び図19Bに示すように凹部領域においても発色不良は見られず、繰り返し画像を形成消去した際の発色不良がないことが分かる。これは、実施例1及び2の可逆性感熱記録媒体では凹部の側面がテーパを有しているため、凹部にホットメルト接着剤11を塗布した際に凹部底面の角部に隙間が生じないためと考えられる(図20参照)。
【0102】
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1> 可逆性感熱記録層と、第1のシート状基材と、第2のシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを有し、
前記可逆性感熱記録層が、前記第1のシート状基材に隣接して配され、
前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のいずれかが、前記電子情報記録素子を深さ方向に配置するように凹部を有し、
前記電子情報記録モジュールが、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との間に、前記凹部を有するシート状基材側に第1の樹脂層を介して、かつ前記凹部を有しないシート状基材側に第2の樹脂層を介して配され、
前記凹部の内壁面が、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように傾斜したテーパ面であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
<2> 前記凹部の内壁面が、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように漸次傾斜したテーパ面である前記<1>に記載の可逆性感熱記録媒体である。
<3> テーパ面の傾斜角度が30°以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<4> 凹部を有するシート状基材が第1のシート状基材である前記<1>から<3>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<5> 第1のシート状基材の一の面に可逆性感熱記録層を形成する可逆性感熱記録層形成工程と、
前記第1のシート状基材の前記一の面と反対の面及び第2のシート状基材のいずれかに内壁面がテーパ面である凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部を形成した面の少なくとも一部と前記凹部内とに第1の樹脂層を形成する第1の樹脂層形成工程と、
前記第1の樹脂層を介して前記凹部を形成したシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを接着し、前記電子情報記録素子を前記凹部に対して該凹部の深さ方向に隙間を有する状態で挿入して前記電子情報記録モジュールを配置する電子情報記録モジュール配置工程と、
前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のうち前記凹部を形成しないシート状基材に第2の樹脂層を形成する第2の樹脂層形成工程と、
前記凹部を形成しないシート状基材を前記第2の樹脂層を介して前記凹部を形成したシート状基材及び前記電子情報記録モジュールに接着して、前記2つのシート状基材を貼り合わせる貼り合せ工程と、を含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法である。
<6> 凹部を形成したシート状基材が第1のシート状基材である前記<5>に記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法である。
<7> 第1の樹脂層形成工程において凹部のテーパ面の傾斜に沿って樹脂を塗布する前記<5>から<6>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法である。
<8> テーパ面の傾斜角度が30°以下である前記<5>から<7>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法である。
<9> 凹部形成工程における凹部の形成が、切削加工、レーザー加工、プレス加工、及びエッチング加工のいずれかにより行われる前記<5>から<8>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、電子情報記録モジュールの破損がなく、薄型で優れた柔軟性を有し、1回目の画像形成に対する発色不良に加えて、繰り返し画像を形成消去した際の発色不良がないことから、広く電子情報記録モジュール(ICチップ)付きの可逆性感熱記録媒体として、例えば、入出チケット、冷凍食品用容器、工業製品、各種薬品容器等のステッカー、物流管理用途、製造工程管理用途などの多様な用途に幅広く用いることができる。
【符号の説明】
【0104】
1 可逆性感熱記録層
2 凹部
3 第1のシート状基材
4 第2のシート状基材
5 モジュール基板
6 アンテナ回路
7 バンプ
8 アンダーフィル
9 ICチップ
10 電子情報記録モジュール
11 第1の樹脂層(樹脂)
12 第2の樹脂層
20 アプリケータ
21 ホットメルト接着剤
22 貫通孔
23 くり貫き部
30 可逆性感熱記録シート
41 第1のシート
42 第2のシート
43 第3のシート
44 基材シート
100、110、120、130、140 可逆性感熱記録媒体
a、a1、a2 隙間
θ テーパ面の傾斜角度(テーパ角)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0105】
【特許文献1】特開2009−173013号公報
【特許文献2】特開平11−11060号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可逆性感熱記録層と、第1のシート状基材と、第2のシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを有し、
前記可逆性感熱記録層が、前記第1のシート状基材に隣接して配され、
前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のいずれかが、前記電子情報記録素子を深さ方向に配置するように凹部を有し、
前記電子情報記録モジュールが、前記第1のシート状基材と前記第2のシート状基材との間に、前記凹部を有するシート状基材側に第1の樹脂層を介して、かつ前記凹部を有しないシート状基材側に第2の樹脂層を介して配され、
前記凹部の内壁面が、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように傾斜したテーパ面であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
【請求項2】
凹部の内壁面が、前記凹部の開口端から前記凹部の底面に向かって前記凹部の最大開口径が小さくなるように漸次傾斜したテーパ面である請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項3】
テーパ面の傾斜角度が30°以下である請求項1から2のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項4】
凹部を有するシート状基材が第1のシート状基材である請求項1から3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
【請求項5】
第1のシート状基材の一の面に可逆性感熱記録層を形成する可逆性感熱記録層形成工程と、
前記第1のシート状基材の前記一の面と反対の面及び第2のシート状基材のいずれかに内壁面がテーパ面である凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部を形成した面の少なくとも一部と前記凹部内とに第1の樹脂層を形成する第1の樹脂層形成工程と、
前記第1の樹脂層を介して前記凹部を形成したシート状基材と、モジュール基板上に電子情報記録素子及びアンテナ回路を有する電子情報記録モジュールとを接着し、前記電子情報記録素子を前記凹部に対して該凹部の深さ方向に隙間を有する状態で挿入して前記電子情報記録モジュールを配置する電子情報記録モジュール配置工程と、
前記第1のシート状基材及び前記第2のシート状基材のうち前記凹部を形成しないシート状基材に第2の樹脂層を形成する第2の樹脂層形成工程と、
前記凹部を形成しないシート状基材を前記第2の樹脂層を介して前記凹部を形成したシート状基材及び前記電子情報記録モジュールに接着して、前記2つのシート状基材を貼り合わせる貼り合せ工程と、を含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
【請求項6】
凹部を形成したシート状基材が第1のシート状基材である請求項5に記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
【請求項7】
第1の樹脂層形成工程において凹部のテーパ面の傾斜に沿って樹脂を塗布する請求項5から6のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
【請求項8】
テーパ面の傾斜角度が30°以下である請求項5から7のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
【請求項9】
凹部形成工程における凹部の形成が、切削加工、レーザー加工、プレス加工、及びエッチング加工のいずれかにより行われる請求項5から8のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図20】
image rotate

【図19A】
image rotate

【図19B】
image rotate

【図19C】
image rotate

【図19D】
image rotate


【公開番号】特開2012−183826(P2012−183826A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28540(P2012−28540)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】