説明

合成ジェットに基づく薬剤投与方法および装置

本発明は、乾燥散剤と気体とを保持するオリフィスを有する第1のチャンバと、エアロゾル化された形態の前記乾燥散剤を受けるとともに前記エアロゾル化された乾燥散剤を使用者に供給する第2のチャンバからなる乾燥散剤吸入器に関する。また前記乾燥散剤は合成ジェットにより前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ導入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、薬剤および薬物の計量と包装と投与との分野に関する。本発明の用途は、特に、計量され、かつ包装された吸入療法用乾燥粉末状薬剤および薬物の投与にあるとともに、こうした用途に関して説明されるが、液体状薬剤の投与を含むその他の用途が予期される。
【背景技術】
【0002】
ある一定の気道疾患においては、治療薬の直接投与による治療が功を奏することは周知である。これらの薬剤の多くは、乾燥粉末形態で最も容易に入手可能であるため、これらの投与は、前記粉末状物質を鼻または口を介して吸入することにより最も簡便に達成される。この粉末形態は、薬物を正確に、その作用が必要とされうる所望の部位に沈着させることができ、したがって、しばしば非常に微量の投与量によりその他の手段によって投与されるより大量の投与量の場合と同等の効き目を得ることができ、その結果として、望ましくない副作用の発現率と投薬代とを大幅に減らすことができるという点において、薬剤の活用率が高められるという成果をもたらす。それ以外に、粉末形態の薬物は、呼吸器系以外の疾患の治療に用いられうる。薬物を肺の極めて大きい表面積上に沈着させると、前記薬物は、血流中に非常に急速に吸収され得、したがって、この投与方法は、注射、錠剤またはその他の従来的な手段による投与に取って代わりうる。
【0003】
製薬業界の見解では、薬物の生物学的利用能は、気道に送り込まれる薬物粒子が1〜5ミクロンの大きさである場合に最適となる。薬物粒子がこの大きさの範囲内であることが必要とされる場合、乾燥散剤投与システムは、数多くの問題に対処する必要がある:
【0004】
(1)小径の粒子は、製造および保管中に、自身上において静電荷を生じしめる。これにより、粒子が凝集または凝結して、その結果として、5ミクロンより大きい有効径を有する粒子塊となる。このため、これらの大径の塊状体が肺の深部に到達する確率が低下する。さらにまた、その結果として、患者が吸収することができる薬物の割合が低下する。
【0005】
(2)患者に投与されることが必要な有効薬物の量は、数十マイクログラム程度でありうる。現在の散剤充てん設備は、ミリグラム単位の量の一定分量の薬物を許容可能な精度で効果的に送給することができないため、標準的な慣行として、有効薬物は、ラクトース等の増量剤または増量材と混合される。この添加物もまた、薬物を「流動容易」にする。場合によっては、この増量剤は、キャリアーと呼ばれることもある。これらのキャリアー粒子は、しばしば、大きさにおいて、薬物粒子より大きい。乾燥散剤吸入器が薬物をキャリアーから分離させる能力は、設計の有効性において重要な性能パラメータとなる。
【0006】
(3)5ミクロンを上回る大きさを有する有効薬物粒子は、口または咽喉内のいずれかに沈着する。これらの部位における薬物の生物学的利用能および吸収は、肺の場合とは異なるため、このことは、また別のレベルの不確実性をもたらす。乾燥散剤吸入器は、これらの部位に沈着する薬物を最小限に抑えて、薬物の生物学的利用能に関連ある不確実性を低下させることが必要である。
【0007】
従来技術の乾燥散剤吸入器(DPI)は、一般的に、薬物(有効薬物にキャリアーを加えたもの)を高速空気流中に導入する手段を有する。この高速空気流は、微粉状の粒子の塊状体を粉砕するか、または薬物粒子をキャリアーから分離させる一次機構として用いられる。こうした粉末形態の薬剤の投与に用いられるいくつかの吸入装置は、従来技術において周知である。たとえば、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4および特許文献5に、散剤を内包するカプセルの頂部を穿孔または除去する手段を有する吸入装置であって、前記散剤は、吸息と同時に、穿孔または頂部除去されたカプセルから使用者の口内へと吸い出される吸入装置が開示されている。これらの特許のいくつかに、吸息時に散剤をカプセルから排出する上で補助的役割を果たして、吸気のみに依存しなくても散剤がカプセルから吸い出されるようにするプロペラ手段が開示されている。たとえば、特許文献6には、吸入前に散剤を内包するカプセルを下側チャンバ内に配置されて有する装置であって、使用者が穿孔ピンを手で押下することにより前記カプセルが穿孔される装置が開示されている。穿孔後に吸入が開始され、カプセルは、前記装置の上側チャンバ内へと引き込まれて、前記上側チャンバにおいて全方向に動き回って、穿孔された穴から吸気流中への散剤の排出が引き起こされる。特許文献7には、多数の穿孔ピンと、プロペラ手段と、外部的な手動操作により前記プロペラ手段を動作させる自蔵式動力源とを有して、吸息と同時に前記プロペラ手段が、散剤を吸気流中に排出する上で補助的役割を果たすようになっている吸入装置が開示されている。さらにまた、特許文献8を参照されたい。
【0008】
これらの従来技術の装置は、いくつかの問題を呈するとともに、いくつかの欠点を有する。たとえば、これらの従来技術の装置は、吸息時において使用者が多大な努力をして、穿孔されたカプセルから吸気流中への散剤の排出または吸出しを達成することを必要とする。これらの従来技術の装置では、一般的に、吸息によって引き起こされる、カプセルの穿孔穴からの散剤の吸引によりカプセルから散剤の全部を吸い出すこと、または大部分を吸い出すことさえできず、以って薬剤の浪費を引き起こす。しかも、こうした従来技術の装置では、一貫して微粉状に放散された散剤が管理された一定量だけ吸入されるのではなく、むしろ管理されない量または凝集塊状の粉末状物質が使用者の口内に吸入されてしまう。
【0009】
前記の従来技術の説明は、大体において、一次および二次空気取入口と排出口とを有する本体部を含む、散剤の吸入を容易にする装置が開示されているウィルク(Wilke)らの特許文献9からの引用である。二次空気取入口は、散剤を内包するカプセルの外囲体となり、排出口は、前記本体から突出するマウスピースとして形成される。カプセル穿孔構造が設けられて、この構造が、作動と同時に1個以上の穴をカプセルに形成して、電気機械式振動子によりカプセルが振動すると、散剤がカプセルから放出されうるようになっている。ウィルクらの特許に開示されている穿孔手段は、3個の半径方向に設けられるばね偏倚穿孔針をトロコイド形チャンバ内に取り付けられて含む。前記チャンバを手で回転させると、前記針が同時に半径方向内方に移動することにより、カプセルが穿孔される。前記チャンバをさらに回転させることにより、前記針は、自身のばねマウントによって自身の原位置に引き戻されて、カプセルから前記針を引き抜くことができる。前記電気機械式振動子は、自身の最内側端部において、空気取入口と排出口との交点へと突出する振動プランジャーロッドを含む。このプランジャーロッドには、前記ロッドを付勢して振動させる機械式ソレノイドブザーが接続される。前記ブザーは、高エネルギー電池により電力供給されるとともに、外部のボタンスイッチにより作動せしめられる。ウィルクらによれば、排出口3を介した吸入と同時にスイッチ10dを押圧して電気機械式振動手段10を作動させると、空気が空気取入口4および12を介して吸引され、二次空気取入口4を介した空気流がカプセルを持ち上げて振動プランジャーロッド10aに当接させる。前記カプセルは、これにより、急速に振動せしめられて、散剤が流動化せしめられるとともに、前記カプセルの穿孔穴から排出される。(この技術は、製造分野において、ホッパを振動させて粉体を流動化させるとともに、前記粉体を、前記ホッパ出口を介して移動させる、ホッパを介した粉体の排出用に一般的に用いられる。カプセルの穿孔穴は、ホッパ出口を表す。)空気取入口4および12を介した空気流は、カプセルから散剤を吸い出す上で補助的役割を果たすとともに、この散剤を、排出口3を介して使用者の口へと運ぶ。ウィルクらは、さらに、前記電気機械式振動手段は、空気取入チャンバに対して直角に配置されうることと、振動の振幅および周波数を変更して吸入器の排出特性を調整しうることとを開示している。
【0010】
前記従来技術の装置は、乾燥散剤を肺に送り込むためには決して望ましくない数多くの欠点を有する。これらの欠点のいくつかは、下記のとおりである:
・従来技術の吸入器の性能は、使用者により生じしめられる流量に依存する。流量が低くなると、散剤が完全に非凝集化されず、そのために患者に送り込まれる投与量に悪影響を及ぼすことになる。
・非凝集化工程における一貫性の欠如により、薬剤の1回分投与量毎の生物学的利用能が一貫しないこと。
・電気機械式を基本とする吸入器を駆動するためには大きいエネルギーを必要とし、このために装置の大きさが増大して、携帯用に適さなくなること。
・開口または頂部除去されたカプセルからの薬剤の損失。
・開口または頂部除去されたカプセル内の薬剤が、酸素または湿気にさらされることにより劣化すること。
【0011】
【特許文献1】米国特許第3507277号明細書
【特許文献2】米国特許第3518992号明細書
【特許文献3】米国特許第3635219号明細書
【特許文献4】米国特許第3795244号明細書
【特許文献5】米国特許第3807400号明細書
【特許文献6】米国特許第2517482号明細書
【特許文献7】米国特許第3831606号明細書
【特許文献8】米国特許第5458135号明細書
【特許文献9】米国特許第3948264号明細書
【特許文献10】米国特許第6026809号明細書
【特許文献11】米国特許第6142146号明細書
【非特許文献1】インガードおよびラベート(Ingard and Labate)の音波の循環効果とオリフィスの非線形インピーダンス(Acoustic Circulation Effects and the Nonlinear Impedance of Orifices)
【非特許文献2】米国音響学会誌(The Journal of the Acoustical Society of America)1950年3月
【発明の開示】
【0012】
本出願人の特許文献10および特許文献11(エイブラムズ(Abrams)との共同出願)に、前記従来技術の前記およびその他の欠点と短所とを克服する、気体中に薬剤または薬物を浮遊させることを容易にする振動子を利用した吸入器が提供されている。特に、本出願人の前記特許の吸入器は、薬剤または薬物を非凝集化させるとともに、前記非凝集化された薬剤または薬物を浮遊させる圧電振動子を含む。図3に示される、特許文献10のひとつの実施形態において、吸入器10は、略L形の縦断面を有する硬質プラスチックまたは金属ハウジング18を含む。ハウジング18は、4個の空気流開口20、28、30および32を含む。吸入器10は、前記ハウジング18の全長にわたって該ハウジングの前部22(開口20の位置)から後部24(開口28の位置)まで延在するとともに、略正方形の横断面を有して、自身を介して空気を流動させる(図1において矢印Fにより示される)ようになっている主空気流通路26を含む。
【0013】
二次空気流路31は、略L形とされるとともに、ハウジング18の後部24の表面の開口30から主通路26へと長手方向に延在する。一方向流動弁50は、使用者による通路26を介した吸入を示す、主通路26内における空気流Fの圧力が所定の閾値を下回る場合に、前記弁50に前記流路31を介した前記主通路26への空気流Sを完全に遮断させるようになっている従来式のばね偏倚蝶番機構(図示せず)により前記主通路26の内面33に取り付けられる。
【0014】
散剤排出チャンバ51は、ハウジング18内に形成されて、吸入される散剤を内包するカプセル34を保持する。ハウジング18は、後部24において、カプセル34が前記チャンバ51内に導入されるとともに、案内手段60A、60B間において振動要素36の座部52上に配置されることを可能にする移動可能なパネル部分32を含む。好ましくは、要素36は、圧電振動子(図示せず)を外囲する硬質プラスチックまたは金属保護シェル37を含む。好ましくは、前記圧電振動子は、薬物カートリッジ34に機械的に結合されて、最大限の振動エネルギーが前記振動子から前記カートリッジ34に伝達されうるようになっている。案内手段60A、60Bは、下方に座部52の方へと傾斜してカプセルをチャンバ51内において座部52上に容易に導入および維持することができるようになっている2個の面を含む。取外し可能なパネル32は、使用者による吸息時において、チャンバ51から流路61を介して流路31内へと追加の空気流S2を流入させるまた他の空気取入口34を含む。好ましくは、パネル32およびハウジング18は、前記パネル32が新鮮な(すなわち完全に全量を内包する)カプセルの導入と使用済み(すなわち空)のカプセルの除去との間において使用者により前記ハウジングに取外し可能に再固定されることを可能にする従来式の嵌め合い取り付け手段(図示せず)を含む。
【0015】
前記圧電素子は、高周波、好ましくは超音波共振周波数(たとえば約15〜50kHz)を有する材料により製作されるとともに、該圧電素子に印加される励振電流の周波数および/または振幅によって特定の周波数および振幅で振動せしめられる。前記圧電素子を構成するのに用いられうる材料の例には、石英および多結晶セラミック材料(たとえばチタン酸バリウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛)が含まれる。有利な点として、圧電素子を超音波周波数で振動させることにより、より低い(すなわち非超音波)周波数で圧電素子を振動させることに伴う雑音が防がれうる。
【0016】
作用において、薬物を内包する容器34は、前記に説明された態様で、穿孔されるとともに、チャンバ51内において振動子36の表面52上に挿入される。電源スイッチが「オン」位置に位置づけられ、使用者が流路26を介して空気を吸入すると、空気流Fが、流路26を介して生じしめられる。このことが、一方向弁50を偏向させて、空気流Sを、開口30を介して流路26内へと流入させるとともに、さらにまた、空気流S2を、開口34およびチャンバ51を介して流路26内へと流入させる。空気流Fの吸入は、センサ40により検出されるとともに、制御装置(図示せず)に電力を供給させる作動制御装置(図示せず)に報知される。前記制御装置は、次に、前記圧電素子に供給される動作電力の振幅と周波数とを、これらが最適化されてカプセルから空気流Sを介して空気流Fへの散剤Pの可能な限り最良の非凝集化と浮遊とが達成されるまで調節する。
【0017】
本出願人の前記特許文献10および特許文献11の好適な実施形態において、薬剤または薬物は、管理された一定分量の乾燥粉末状薬剤または薬物を搬送する複数個の離間するブリスターまたは井戸を有するコイル状テープから供給される。
【0018】
本発明は、合成ジェット技術を用いて、ブリスターパック等からの粉末状薬物をエアロゾル化する乾燥散剤吸入器を提供するものである。合成ジェットは、新規ではない。少なくとも1950年という早期に、一方の端部において音波発生装置により拘束されるとともに、他方の端部において小さいオリフィスを有する剛性壁により拘束されるチャンバを用いると、音波が前記音波発生装置から十分に高い周波数および振幅で発せられた場合に、前記チャンバから外方に前記オリフィスから噴出する空気の噴流が生じしめられうることが発見された。たとえば、非特許文献1、非特許文献2を参照されたい。この噴流、すなわち、いわゆる「合成ジェット」は、音波発生装置の周波数でオリフィスにおいて形成される一連の渦状エアパフによって構成される。しかしながら、合成ジェットを乾燥散剤吸入器においてブリスターパック等からの乾燥粉末状物質を非凝集化および噴射するために用いることは、新規であり、かつ従来技術の乾燥散剤吸入器を上回る利点をもたらす。
【0019】
特に、本発明は、乾燥散剤を保持する第1のチャンバと、前記第1のチャンバに通路を介して接続されて、前記第1のチャンバからエアロゾル化された形態の前記乾燥散剤を受けるとともに、前記エアロゾル化された乾燥散剤を使用者に送給する第2のチャンバとを有する乾燥散剤吸入器である。振動子は、前記第1のチャンバ内の乾燥散剤に結合される。噴出効率は、前記通路のアスペクト比(長さ対断面または直径比)として低下するため、合成ジェットを創出するためには、前記第1のチャンバを前記第2のチャンバに接続する前記通路は、必ずしも必須というわけではないが、好ましくは少なくとも約1に等しいアスペクト比を有し、前記振動子は、付勢されるとともに、前記第1のチャンバに結合されて、気体が前記通路内において前進および後退移動する距離が少なくとも前記通路の断面または直径の約2倍になるようにする。
【0020】
本発明のひとつの実施形態において、前記第1のチャンバは、円筒状またはブリスター状の形状に形成されて、該チャンバの1個の壁部を形成する振動要素を有するか、または前記振動要素が、前記チャンバと切り離されて形成されるとともに前記ブリスターに結合されるかのいずれかとされる。
【0021】
第2の実施形態において、前記第1のチャンバは、ホーン状の形状に形成されて、該チャンバの1個の壁部を形成する振動要素を有するか、または前記振動要素が前記チャンバの壁部に気体柱を介して結合されるかのいずれかとされる。
【0022】
第3の実施形態においては、前記第1のチャンバは、ホーン状の形状に形成されるとともに、定在波共振子が、前記チャンバの壁部に結合される。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図2を参照すると、最低限の必須要素として、本発明にしたがった吸入器205は、振動子、たとえば圧電素子204と、通路201により接続される第1のチャンバ203と第2のチャンバ202とからなる。通路201は、前記第1のチャンバの壁部に結合されるか、または前記壁部を形成する前記振動子の往復または振動運動が前記第1のチャンバ内の気体を、通路201を介して前進および後退移動させるような大きさおよび形状とされて、本質的に同じ質量の気体が各方向に移動せしめられるようになる一方で、通路201の出口において気体の渦が形成されて、通路201の排出端部から離れる最終的な気体流、すなわち気体の合成ジェットが前記渦により創出されるようになる。前記第1のチャンバに直接的に、または密閉ガス入り管206を介して、作用可能に接続される振動子204は、前記チャンバ内において、通路201の排出端部において合成ジェットを生じしめる振動を創出する。前記チャンバ内の乾燥散剤210は、浮揚せしめられるとともに、前記第1のチャンバ203内において少なくとも部分的に粒子状の形態に非凝集化され、かつ前記チャンバ内の気体中に浮遊せしめられて、エアロゾル212を形成する。この結果として得られるエアロゾルは、通路201に搬送され、前記浮遊する乾燥散剤粒子の少なくとも小部分は、前記第1のチャンバに戻ることなく通路201を通過して、以って第1のチャンバ203と第2のチャンバ202との間において流通せしめられる。このプロセスは、乾燥散剤の大部分が第1のチャンバ203から吸い出されるまで継続する。
【0025】
合成ジェットは、以下のパラメータの範囲外でも形成され得、以って本発明の範囲から外れるわけではないが、本発明の合成ジェットを形成させるための好適なパラメータは、下記のとおりである:
【0026】
1.前記通路のアスペクト比、すなわち前記通路の長さ対断面または直径比は、好ましくは少なくとも0.5であり、好ましくは約1以上または約1である。このアスペクト比は、前記通路内において前進および後退移動する気体質量が十分に形作られた離散的な小塊状の空気として創出されることを確実にするのに役立つ。
【0027】
2.気体が前記通路を介して前進および後退方向に移動する距離は、好ましくは前記通路の断面または直径の約2倍より大きい。これにより、創出される渦により非凝集化される乾燥散剤が、前記気体が前記通路を介して後退移動する前に、渦の存在下から脱出する可能性を有することが確実になる。
【0028】
3.前記チャンバおよび通路内における渦と往復移動する気体とに付随する乱流が最小限に抑えられて、合成ジェットの流れが高められる。このため、前記通路の表面と通路201の両端部における出口のまわりのフランジ部分とは、好ましくはばりおよびその他の障害物が皆無の状態に製作される。
【0029】
4.前記通路は、0.001″〜0.050″の範囲内の断面直径を有する。前記気体が通路201を介して前進および後退移動する距離が前記通路201の断面または直径の約2倍より大きくなることを確実にするために、最小限の出力密度(または最小限の大きさの圧力変化)が、通路201に存在するべきである。この最小限の出力密度は、単純に、第1のチャンバ203内において十分に強い振動を引き起こすことによって生じしめることができる。最適には、第1のチャンバ203は、共振子、たとえばばね質量または定在波共振子、および/またはエネルギーを前記通路付近に集中させるとともに前記気体を第1のチャンバと第2のチャンバとの間において移動させるのに用いられるホーン部を含みうる。
【0030】
以下に説明されるように、本発明の好適な実施形態において、第1のチャンバ203と通路201とは、乾燥粉末状薬剤または薬物を内包する、予め形成されたブリスターパックを含む。
【0031】
図3および3aを参照すると、本発明の好適な実施形態にしたがって製作されるブリスターパック300は、外側の延伸ポリアミドシート306と、中間層のアルミニウム箔307と、内側のポリ塩化ビニルシート308とからなる三層体材料305によって形成される。この三層体305は、約0.005″の厚さを有するとともに、約0.194″の直径の略扁平な底部310と、約0.270″の全高と、最大幅点において約0.350″の直径とを有する鉢形の基礎部または底部部材309として冷間成形される。これに代わる方法として、前記ブリスターパックは、図3bに示されるように扁平な底部320を有して成形されうる。前記底部または基礎部は、部分的に乾燥散剤により満たされ、これもまた三層体により形成される上部312は、前記底部に熱融着された。約0.012″の直径を有する4個のオリフィス320が、前記ブリスターの上部において、前記第1のチャンバの軸から約0.056″の間隔を有して形成された。
【0032】
ブリスターパック300の底部310は、ムラタMA40E7S圧電変換器(ムラタ・エレクトロニクス・ノースアメリカ社(Murata Electronics North America, Inc.)、ジョージア州スマーナ)と接触して配置された。前記圧電素子を約34KHzの共振周波数に調整するために、前記変換器の面316の約0.006″が取り除かれた。前記変換器は、150Vppの電圧を用いて34KHzで駆動された。定在波共振子は、ブリスター内において創出された。最大200フィート毎分のジェットが、熱線風速計(VWRインターナショナル(VWR International)のカタログ番号21800−024)を用いて測定され、以ってブリスターからの乾燥散剤の良好な吸出しと非凝集化とが達成された。
【0033】
図4に、音響ホーンを用いてチャンバの気体を第1のチャンバから第2のチャンバに移動させる、本発明の第2の実施形態が図示されている。この第2の実施形態において、散剤排出チャンバは、ポリカーボネート等の材料により製作される円筒形状の第1のチャンバ400からなる。振動要素408は、前記第1のチャンバ400の近位端部に接続されて、以って振動子408によりチャンバ400の遠位端部410の方へと伝達される前記大きさの圧力変動を生じしめる。その結果として得られる圧力変動は、散剤を第1のチャンバ400から第2のチャンバ404内へと通路412を介して排出する合成ジェットを生じしめる。
【0034】
いくつかの実験用円錐状ホーン形材がポリカーボネートにより加工されて、ホーン形状の第1のチャンバによって創出されるジェットの速度が試験された。図5に示される第1の例においては、ホーン504の底部502は、約0.400″の直径を有するとともに、振動面(面)から材料が取り除かれて30.4KHzの共振周波数を有するようにされたムラタMA40E7S圧電変換器508の振動面506に結合された。前記変換器の前記振動面は、以って前記第1のチャンバの底側壁部を形成した。ホーンの長さ、すなわち該ホーンの底部502から頂部510までは、0.204″であった。前記ホーンの頂端部510は、0.1″の直径を有した。0.0125″の厚さのポリカーボネートのシム材片512が、前記ホーンの頂部に接着された。0.012″の直径のオリフィス514が、ホーンの軸516と略整合するように前記シム材に形成された。この構成は、約30KHzの定在波共振を生じた。前記変換器は、54Vppで29.8KHzで駆動され、1030フィート毎分の対応するジェット速度が、オリフィス514において測定された。より高い120Vppの電圧では、1640フィート毎分のジェット速度が測定された。いずれの場合も、ジェット速度は、第1のチャンバからの散剤の良好な吸出しと非凝集化とを達成するために必要な速度を上回った。
【0035】
図6を参照すると、また他の円錐状ホーン形材が、アルミニウムにより加工された。このホーンの底部602は、約0.400″の直径を有すると共に、振動面(面)から材料が取り除かれて30.4KHzの共振周波数を有するようにされたムラタMA40E7S圧電変換器606の振動面604に結合された。前記圧電変換器の振動面604と前記ホーンとの間には、外側の延伸ポリアミドとアルミニウムと内側のポリ塩化ビニルとからなる、音響窓を含む薄いラミネートフィルム608が挿入された。この三層体は、約0.001″の厚さを有するとともに、圧電変換器の振動面から約0.01″だけ離間していた。その結果として、前記変換器からの振動は、ホーンの内側に音響的に結合された。フィルム606の上面とホーン602の底側端部との間における距離は、0.204″であった。ホーン602の頂端部は、0.010″の厚さを有するとともに、0.012″の直径の4個の各オリフィス610がホーンの軸612から0.056″の間隔を有して形成された壁部614において終端した。31.0KHzの定在波共振周波数が達成された。前記変換器は、54Vppの駆動電圧を用いて31.0KHzで駆動され、これによって434フィート毎分のジェット速度が得られた。駆動電圧を120Vppに増大させると、ジェット速度は、1381フィート毎分に増加した。いずれの場合も、ジェット速度は、乾燥散剤を非凝集化させるとともにチャンバから吸い出すのに適切な速度を上回っている。
【0036】
図7に示される本発明の第3の実施形態において、円錐状の第1のチャンバ702は、0.204″のホーン長さ(軸704に沿って測定)を有する。この構成により、ホーンの圧力の大きさの増幅と同時に定在波共振子の利点が得られて、振動子が合成ジェットを創出するために必要とされる圧力変動の大きさがさらに減じられる。本実施形態において、振動子706は、図7に示されるように、第1のチャンバ702の可撓性壁部710に作用可能に結合される。これに代わる方法として、図8に示されているように、振動子806は、ガス入り管810を介して第1のチャンバ808の音響窓812、すなわち振動エネルギーの大部分がその部分の一方の側から他方の側に伝達される程度に十分に薄く、かつ可撓性である第1のチャンバ802の部分に音響的に結合されうる。本実施形態においては、振動子806と音響窓812との間における間隙を最小限に抑えて、ガス入り管812内の媒質によってもたらされるばね定数が音響窓812によってもたらされるばね定数と同程度となるようにすることが有利である。これにより、音響窓の使用に付随するエネルギー損失は、最小限に抑えられる。
【0037】
図9に示される、前記第3の実施形態の変形態様において、第1のチャンバ904の壁部902は、振動子により、たとえば分極されたPVDFフィルム等の壁部を製作するとともに、前記PVDFフィルムを横切って交流電圧を印加して前記PVDFフィルムが屈曲するとともに圧力波を生じるようにすることによって形成されうる。
【0038】
円筒状および円錐状の形状が前記において説明されたが、前記チャンバは、さまざまな形状に製作されうる。いずれの場合も、チャンバの1個の壁部は、振動要素とのインターフェースまたは結合のために、扁平または略扁平とされるか、または少なくとも略扁平な面または若干丸味を付けられた面を有するべきである。
【0039】
各々の前記実施形態において、前記の振動子に加えて、前記振動要素は、超音波洗浄槽に用いられるものと同様の圧電変換器、動電型(スピーカ)変換器または磁歪型変換器とされうる。さらにまた、往復動形ピストンポンプを用いて、合成ジェットを誘導しうる気体の衝撃を生じしめることも可能である。合成ジェットを生じしめるために必要な振動を発生させるのに適するいかなる振動子と接続部との組合せも本発明の範囲内に含まれる。
【0040】
その他の構成が可能であるとともに、なおかつ本発明の範囲内に含まれる。たとえば、チャンバに音響窓を配置して、変換器によるエネルギーを、ホーンを介して前記チャンバの前記音響窓に結合させることが望ましいかもしれない。この方法では、音圧を増大させて、以って音響窓において得られるインピーダンスと合致させる一方(ホーン)の音響インピーダンス変換と、チャンバ内の空気の音響インピーダンスと合致させる第2の(ヘルモホルツ共鳴器)の音響インピーダンス変換との2つの音響インピーダンス変換が達成される。
【0041】
さまざまなまた他の変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく前記実施形態において行なわれうるとともに、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来技術の吸入器のひとつの実施形態の斜視図である。
【図2】薬剤を内包するブリスターと本発明の合成ジェットとの間における相互関係を示す線図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にしたがったチャンバおよび振動要素の断面略図であり、図3aは図3の前記要素の拡大断面を示す断面図である。
【図3b】本発明にしたがって製作されるチャンバ要素のまた他の実施形態の、図3aと同様の図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にしたがったチャンバおよび振動要素の断面略図である。
【図5】本発明の第3の実施形態にしたがったチャンバおよび振動要素の断面略図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態の、図5と同様の図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態の、図5と同様の図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態の、図5と同様の図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態の、図5と同様の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥散剤を保持する第1のチャンバと;
前記第1のチャンバに通路によって接続されて、エアロゾル化された形態の前記乾燥散剤を受けるとともに、前記エアロゾル化された乾燥散剤を使用者に供給する第2のチャンバと;
前記乾燥散剤を前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへと付勢する振動子とからなる乾燥散剤吸入器において、
前記乾燥散剤は合成ジェットにより前記第2のチャンバへ導入されることを特徴とする乾燥散剤吸入器。
【請求項2】
前記通路は少なくとも0.5の長さ対断面のアスペクト比を有することを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項3】
前記通路は少なくとも1の長さ対断面のアスペクト比を有することを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項4】
前記第1のチャンバはブリスターであることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項5】
前記第1のチャンバは円筒状の形状を有することを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項6】
前記第1のチャンバは円錐状であることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項7】
前記第1のチャンバは定在波共振子を形成することを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項8】
前記第1のチャンバはホーン状の形状であることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項9】
前記第1のチャンバはヘルムホルツ共鳴器を形成することを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項10】
乾燥散剤と気体とを保持する第1のチャンバと;
前記第1のチャンバに通路により接続されて、エアロゾル化された形態の前記乾燥散剤を受けるとともに、前記エアロゾル化された乾燥散剤を使用者に供給する第2のチャンバと;
前記乾燥散剤を前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへと付勢する振動子とからなる乾燥散剤吸入器において、前記気体は、前記通路を介して両方向に移動せしめられ、前記気体がいずれの方向に移動する距離も、前記通路の直径の少なくとも2倍であることを特徴とする乾燥散剤吸入器。
【請求項11】
前記第1のチャンバの前記通路は少なくとも1の長さ対断面のアスペクト比を有することを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項12】
前記第1のチャンバはブリスターであることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項13】
前記第1のチャンバは円筒状の形状を有することを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項14】
前記第1のチャンバは円錐状であることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項15】
前記第1のチャンバは定在波共振子を形成することを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項16】
前記第1のチャンバはホーン状の形状であることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項17】
前記第1のチャンバはヘルムホルツ共鳴器を形成することを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項18】
前記振動子は圧電変換器であることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項19】
前記振動子は圧電変換器であることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項20】
前記通路は0.001″〜0.050″の範囲内の断面直径を有することを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項21】
前記通路は0.001″〜0.050″の範囲内の断面直径を有することを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項22】
前記第1のチャンバはプラスチックにより構成されることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項23】
前記第1のチャンバは冷間成形された積層材により構成されることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項24】
前記積層材は延伸ポリアミドとアルミニウム箔とポリ塩化ビニルとの三層体により構成されることを特徴とする請求項23の乾燥散剤吸入器。
【請求項25】
前記第1のチャンバは金属により構成されることを特徴とする請求項1の乾燥散剤吸入器。
【請求項26】
前記第1のチャンバはプラスチックにより構成されることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項27】
前記第1のチャンバは金属により構成されることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項28】
前記第1のチャンバは冷間成形された積層材により構成されることを特徴とする請求項10の乾燥散剤吸入器。
【請求項29】
前記積層材は延伸ポリアミドとアルミニウム箔とポリ塩化ビニルとの三層体により構成されることを特徴とする請求項28の乾燥散剤吸入器。
【請求項30】
乾燥散剤を保持する第1のチャンバと;
前記第1のチャンバに通路により接続されて、エアロゾル化された形態の前記乾燥散剤を受けるとともに、前記エアロゾル化された乾燥散剤を使用者に供給する第2のチャンバと;
前記乾燥散剤をエアロゾル化する振動子とからなる乾燥散剤吸入器において、
前記通路は、乾燥散剤が、前記振動子により創出される気体の衝撃によって前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへと移動せしめられるようなアスペクト比を有することを特徴とする乾燥散剤吸入器。
【請求項31】
前記通路は少なくとも0.5の長さ対断面のアスペクト比を有することを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項32】
前記通路は少なくとも1の長さ対断面のアスペクト比を有することを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項33】
前記第1のチャンバはブリスターであることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項34】
前記第1のチャンバは円筒状の形状を有することを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項35】
前記第1のチャンバは円錐状であることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項36】
前記第1のチャンバは定在波共振子を形成することを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項37】
前記第1のチャンバはホーン状の形状であることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項38】
前記第1のチャンバはヘルムホルツ共鳴器を形成することを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項39】
前記振動子は圧電変換器であることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項40】
前記通路は0.001″〜0.050″の範囲内の断面直径を有することを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項41】
前記第1のチャンバは金属により構成されることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項42】
前記第1のチャンバは冷間成形された積層材により構成されることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。
【請求項43】
前記積層材は延伸ポリアミドとアルミニウム箔とポリ塩化ビニルとの三層体により構成されることを特徴とする請求項42の乾燥散剤吸入器。
【請求項44】
前記第1のチャンバはプラスチックにより構成されることを特徴とする請求項30の乾燥散剤吸入器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−522880(P2007−522880A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554173(P2006−554173)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/004850
【国際公開番号】WO2005/081833
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(500566682)マイクロドース・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (17)