合成桁の曲げ耐荷力の推定方法
【課題】鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力を推定する方法を提供する。
【解決手段】合成桁の曲げ耐荷力をMu、合成桁の全塑性曲げモーメントをMp、鋼材の降伏応力をσy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力をσ1.0%、合成桁断面の全高をDt、合成桁断面の床版上面から塑性中立軸までの距離をDp としたときに、σ1.0%/σyおよびDp / Dt の関数として無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出する。
【解決手段】合成桁の曲げ耐荷力をMu、合成桁の全塑性曲げモーメントをMp、鋼材の降伏応力をσy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力をσ1.0%、合成桁断面の全高をDt、合成桁断面の床版上面から塑性中立軸までの距離をDp としたときに、σ1.0%/σyおよびDp / Dt の関数として無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在、合成桁の設計法として主流となっている鋼材の降伏までの弾性域を対象とした許容応力度設計法に対し、更なる合理化、コストダウンが可能な、鋼材降伏後の性能を考慮した設計法において、曲げ耐荷力を推定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼材降伏後の性能を考慮した合成桁の曲げ耐荷力の推定方法として、塑性理論による方法がある(非特許文献1)。この方法は、図9に示した3つの断面、すなわち、
a) コンパクト断面:全塑性曲げモーメントに到達することができる断面
b) ノンコンパクト断面:圧縮域の最縁端で降伏に到達することができるが、局部座屈の発生により、全塑性には至らない断面
c) スレンダー断面:局部座屈の発生により圧縮状態で降伏に至らない断面
のうち、a) コンパクト断面を対象としたもので、図10(図においてbeffは床版の有効幅,f 'cdはコンクリートの圧縮強度,f ydは鋼部材の降伏強度,Muは合成桁の曲げ耐荷力,Mpは全塑性曲げモーメント,Nc,fは床版の塑性軸力,Npl (+)は鋼部材の塑性軸力(引張側)を表す。)に示すようにして曲げ耐荷力を算定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、塑性理論による方法では、曲げ耐荷力として、図11に示す完全弾塑性型の応力−ひずみ関係を仮定した全塑性曲げモーメントMpを算出することしかできない。しかし、実際の鋼材では、鋼材降伏後に降伏棚やひずみ硬化を生じるため、曲げ耐荷力は塑性理論による方法から求めたMpとは異なる値となる。また、合成桁の曲げ耐荷力は、コンクリートの強度や、断面諸元の影響を受け、図12に示すように、破壊モードとして床版の圧壊が生じ、コンパクト断面を採用しても全塑性曲げモーメントに到達しないケースがあることも問題となる。
【0004】
以上より、合成桁の曲げ耐荷力を適切に推定するためには、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響などを考慮する必要があるが、これらの影響を考慮した簡便な推定方法は提案されていなかった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮した、合成桁の曲げ耐荷力を簡便にかつ精度良く推定する方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は以下の手段で達成可能である。
1.鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、合成桁の曲げ耐荷力をMu、合成桁の全塑性曲げモーメントをMp、鋼材の降伏応力をσy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力をσ1.0%、合成桁断面の全高をDt、合成桁断面の床版上面から塑性中立軸までの距離をDp としたときに、σ1.0%/σyおよびDp / Dt の関数として無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
2.無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式が下式であることを特徴とする1記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【0007】
【数3】
【0008】
3.FEM解析値あるいは実験値のMuを用いた、Mu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式の各係数を決定することを特徴とする1または2記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
4.鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、鋼材の降伏応力σy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力σ1.0%、コンクリート圧縮強度fc、および合成桁の断面諸元が与えられた場合に、塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt と合成桁の全塑性曲げモーメントMpを算出した上で、これらの値を下式に代入することにより、合成桁の曲げ耐荷力Muを簡便かつ精度良く推定することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【0009】
【数4】
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば煩雑で多大な計算時間を要する非線形FEM解析を行わずに簡便に合成桁の曲げ耐荷力を推定でき、また、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮しているため、精度にも優れ産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】非線形FEM解析モデル例を示し(a)は斜視図、(b)は断面図。
【図2】鋼材モデルの応力−ひずみ関係を示す図。
【図3】降伏棚あり鋼材モデルの応力−ひずみ関係を示す図。
【図4】Mu / Mpと鋼材の応力上昇率の関係(床版幅470mmでコンクリートの圧縮強度変化)で、(a)は応力上昇率(σ1.0%/σy)、(b)は応力上昇率(σ2.0%/σy)、(c)は応力上昇率(σ3.0%/σy)の場合を示す図。
【図5】Mu / Mpと鋼材の応力上昇率の関係(fc30で床版幅変化)で、(a)は応力上昇率(σ1.0%/σy)、(b)は応力上昇率(σ2.0%/σy)、(c)は応力上昇率(σ3.0%/σy)の場合を示す図。
【図6】FEM解析によるMu / Mpと式(3)によるMu / Mpとを比較した図。
【図7】図6のFEM解析によるMu / Mpと式(3)によるMu / Mpとを比較した図にσy=500 N/mm2鋼材のプロットを追加した図。
【図8】実施例に用いた合成桁の諸元を説明する断面図
【図9】合成桁曲げモーメントと断面の分類を説明する図。(非特許文献2)
【図10】塑性理論による曲げ耐荷力の算定方法を説明する模式図
【図11】鋼材の応力−ひずみ関係を示す図。(非特許文献2)
【図12】曲げモーメントの作用による床版の圧壊を説明する図で(a)は側面図、(b)は合成桁の断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、合成桁の曲げ耐荷力Muを塑性理論により求めた全塑性曲げモーメントMpから精度よく推定するため、少なくとも、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮して、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出することを特徴とする。以下、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出する手順の説明において、本発明を詳細に説明する。本発明は、鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁を対象とする。
【0013】
まず、合成桁の曲げ耐荷力Muを算出するために非線形FEM解析を実施する。解析モデルを図1(a)の斜視図、(b)の断面図で示す。対称性を考慮した1/2モデルとし、床版と支点部板材についてはソリッド要素でモデル化し、それ以外の上下フランジ、ウェブ、水平・垂直補剛材についてはシェル要素でモデル化する。支点部に関しては、上下から支点部板材で挟み込むようなモデルとする。載荷点に関しては、等分布荷重による載荷とした。床版と鋼桁は完全付着を想定し、剛体要素で連結する。
[鋼材モデル]
図2および図3に鋼材モデルの応力−ひずみ関係を示す。これらは、非特許文献2で提案された式(1)を用い、表1のパラメータを代入することにより得られる。
【0014】
【数5】
【0015】
【表1】
【0016】
図2においてSM570モデルはSM570鋼材を模擬したもの、鋼材A〜鋼材Cモデルは、基本スペックをσy = 450 N/mm2、 YR(降伏比)= 79%でSM570モデルに合わせた上で、降伏後の応力−ひずみ曲線を変化させたものである。また、図3は降伏棚ありモデルの応力−ひずみ関係であり、鋼材Cモデルで降伏棚終点ひずみを1.0%〜3.0%に変化させたモデルである。このように、SM570のスペックを満足するように同一の降伏強度で同一のYRとした場合でも、降伏後に様々な経路をたどることが可能であるため、このように複数のモデルを設定している。
[コンクリートの強度]
合成桁の曲げ耐荷力は、コンクリートの強度の影響を受ける。ここでは、コンクリートの圧縮強度fcのパラメータとして、fc30:fc= 30 N/mm2、fc40:fc= 40 N/mm2、fc50:fc= 50 N/mm2、fc60:fc= 60 N/mm2の4種類とし、非特許文献3に示される応力−ひずみ関係を適用した。コンクリートの終局ひずみε´cuについては、fc30〜fc50の場合は、ε´cu = -3500μ、fc60の場合は、ε´cu = -3200μとし、この値に達すると床版が圧壊するものとした。
[合成桁の断面諸元]
また、合成桁の曲げ耐荷力は、合成桁の断面諸元、とくに、床版と鋼桁の断面積の比の影響を受ける。ここでは、鋼桁断面を一定とし、床版幅bcを350 mm、470 mm、1340 mmに変化させた。
【0017】
上述した鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、床版幅を変化させたパラメトリック解析を行った。図4に、床版幅470 mmで、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度を変化させた場合の解析結果を示す。破壊モードはすべて床版の圧壊となった。
【0018】
図4において、縦軸は、Mu / Mp(FEM解析で得られた曲げ耐荷力Muを全塑性曲げモーメントMpで除して無次元化した値)、横軸は、各鋼材モデルから算出し、図4(a)は降伏応力σyに対する1.0%ひずみにおける応力σ1.0%の比である応力上昇率(σ1.0%/σy)、図4(b)は降伏応力σyに対する2.0%ひずみにおける応力σ2.0%の比である応力上昇率(σ2.0%/σy)、図4(c)は降伏応力σyに対する3.0%ひずみにおける応力σ3.0%の比である応力上昇率(σ3.0%/σy)である。
【0019】
図4より、横軸にσ2.0%/σyおよびσ3.0%/σyを用いた場合には、fc30〜fc60のコンクリートの強度ごとにMu / Mpとの関係が非線形となるのに対し、横軸にσ1.0%/σyを用いた場合には、Mu / Mpとの関係がほぼ線形となることが分かる。
【0020】
次に、コンクリートをfc30とし、鋼材の応力−ひずみ関係、床版幅を変化させた解析結果を図5に示す。図5(a)は降伏応力σyに対する1.0%ひずみにおける応力σ1.0%の比である応力上昇率(σ1.0%/σy)、図5(b)は降伏応力σyに対する2.0%ひずみにおける応力σ2.0%の比である応力上昇率(σ2.0%/σy)、図5(c)は降伏応力σyに対する3.0%ひずみにおける応力σ3.0%の比である応力上昇率(σ3.0%/σy)である。
【0021】
この場合も、横軸にσ1.0%/σyを用いた場合に、各床版幅ごとにMu / Mpとσ1.0%/σyの関係がほぼ線形となり、両者の関係が明確になることが分かる。なお、コンクリートがfc40、fc50、fc60の場合も同様な傾向となることを確認している。 以上より、鋼材降伏後の性能を表すパラメータとしてσ1.0%/σyを用いるものとする。
【0022】
[Mu / Mpを推定する式]
しかしながら、Mu / Mpとσ1.0%/σyの関係は、コンクリート強度ごと、あるいは床版幅ごとに複数の線となり、このままでは取り扱いが煩雑である。そこで、新たなパラメータとして、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt を導入して、σ1.0%/σyおよびDp / Dt の関数として、Mu / Mpを推定する式を導出する。
【0023】
ここでは種々の検討を行なった上で、σ1.0%/σyおよびDp / Dt とMu / Mpとの関係を式(2)のように表した。なお、Dp / Dt は図10に示した非特許文献1の塑性理論による方法により算出することができる。図10において、beffは床版の有効幅,f'cdはコンクリートの圧縮強度,f ydは鋼部材の降伏強度,Muは合成桁の曲げ耐荷力,Mpは全塑性曲げモーメント,Nc,fは床版の塑性軸力,Npl (+)は鋼部材の塑性軸力(引張側)を表す。参考として図4および図5にDp / Dt の値を記載している。
【0024】
【数6】
【0025】
次に最適化手法を用いて式(2)の各係数を決定する。具体的には、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、床版幅を変化させた44ケースのFEM解析より得られたMuを用いた、Mu / Mpと式(2)より得られるMu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、式(2)のα、β、n1、n2を決定した。これを式(3)に示す。
【0026】
【数7】
【0027】
なお、この44ケースのデータの範囲は、1.0≦σ1.0%/σy≦1.258、0.067≦Dp / Dt ≦0.443、30 N/mm2≦fc ≦60 N/mm2である。
【0028】
ここでは、FEM解析によるMuを用いた、Mu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、式(2)の各係数を決定したが、例えば曲げ耐荷力実験などにより実験値が得られている場合は、それらとの2乗誤差が最小になるようにして、式(2)の各係数を決定してもよい。また、新たにデータが得られた場合には、逐次、式(3)の各係数を更新することにより、より信頼性の高い推定式を構築することができる。
【0029】
FEM解析によるMuを用いた、Mu / Mpと式(3)よるMu / Mpとの比較を図6に示す。プロットは正比例の直線の近傍に良くまとまっていることがわかる。式(2)、式(3)は各項が無次元化した形になっているため、降伏強度が異なる鋼材にも適用可能である。さらに、図6にσy = 500 N/mm2の鋼材を用いた場合のプロットを追加したものを図7に示す。プロット数は少ないが、正比例の直線の近傍にまとまっており、σy = 500 N/mm2の鋼材の場合も、式(3)を用いて曲げ耐荷力を推定可能であることが分かる。
【0030】
以上より、式(3)を用いることにより、煩雑で多大な計算時間を要する非線形FEM解析を行わずに簡便に合成桁の曲げ耐荷力を推定できる。また、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮しているため、合成桁の曲げ耐荷力を精度良く推定できる。
【実施例1】
【0031】
図8で規定する各部が、表2に示す寸法を有する合成桁を対象として、式(3)による曲げ耐荷力の推定方法を説明する。
【0032】
【表2】
【0033】
<case 1>
材料試験より、鋼材の降伏応力σy = 450 N/mm2、1.0%ひずみにおける鋼材の応力σ1.0%= 495 N/mm2、コンクリートの圧縮応力fc= 40 N/mm2が得られるものとすると、図10に示した塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt = 0.181、全塑性曲げモーメントMp = 1694 kNmが得られる。これらを式(3)に代入すると、
【0034】
【数8】
【0035】
以上より、合成桁の曲げ耐荷力Muは、1.066×1694 kNm = 1805 kNとなる。
<case 2>
case 1の寸法、形状を有する合成桁において、材料試験より、鋼材の降伏応力σy = 470 N/mm2、1.0%ひずみにおける鋼材の応力σ1.0%= 480 N/mm2、コンクリートの圧縮応力fc= 32 N/mm2が得られるものとすると、図10に示した塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt = 0.303、全塑性曲げモーメントMp = 1697 kNmが得られる。これらを式(3)に代入すると、
【0036】
【数9】
【0037】
以上より、合成桁の曲げ耐荷力Muは、0.957×1697 kNm = 1626 kNとなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0038】
【非特許文献1】土木学会、「鋼・合成構造標準示方書 総則編・構造計画編・設計編」、P.244-250、2007.3
【非特許文献2】土木学会 鋼構造新技術小委員会 最終報告書(耐震設計研究)、pp.61-62、 1996.5
【非特許文献3】土木学会 コンクリート標準示方書[構造性能照査編]、 2002.
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在、合成桁の設計法として主流となっている鋼材の降伏までの弾性域を対象とした許容応力度設計法に対し、更なる合理化、コストダウンが可能な、鋼材降伏後の性能を考慮した設計法において、曲げ耐荷力を推定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼材降伏後の性能を考慮した合成桁の曲げ耐荷力の推定方法として、塑性理論による方法がある(非特許文献1)。この方法は、図9に示した3つの断面、すなわち、
a) コンパクト断面:全塑性曲げモーメントに到達することができる断面
b) ノンコンパクト断面:圧縮域の最縁端で降伏に到達することができるが、局部座屈の発生により、全塑性には至らない断面
c) スレンダー断面:局部座屈の発生により圧縮状態で降伏に至らない断面
のうち、a) コンパクト断面を対象としたもので、図10(図においてbeffは床版の有効幅,f 'cdはコンクリートの圧縮強度,f ydは鋼部材の降伏強度,Muは合成桁の曲げ耐荷力,Mpは全塑性曲げモーメント,Nc,fは床版の塑性軸力,Npl (+)は鋼部材の塑性軸力(引張側)を表す。)に示すようにして曲げ耐荷力を算定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、塑性理論による方法では、曲げ耐荷力として、図11に示す完全弾塑性型の応力−ひずみ関係を仮定した全塑性曲げモーメントMpを算出することしかできない。しかし、実際の鋼材では、鋼材降伏後に降伏棚やひずみ硬化を生じるため、曲げ耐荷力は塑性理論による方法から求めたMpとは異なる値となる。また、合成桁の曲げ耐荷力は、コンクリートの強度や、断面諸元の影響を受け、図12に示すように、破壊モードとして床版の圧壊が生じ、コンパクト断面を採用しても全塑性曲げモーメントに到達しないケースがあることも問題となる。
【0004】
以上より、合成桁の曲げ耐荷力を適切に推定するためには、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響などを考慮する必要があるが、これらの影響を考慮した簡便な推定方法は提案されていなかった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮した、合成桁の曲げ耐荷力を簡便にかつ精度良く推定する方法を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は以下の手段で達成可能である。
1.鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、合成桁の曲げ耐荷力をMu、合成桁の全塑性曲げモーメントをMp、鋼材の降伏応力をσy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力をσ1.0%、合成桁断面の全高をDt、合成桁断面の床版上面から塑性中立軸までの距離をDp としたときに、σ1.0%/σyおよびDp / Dt の関数として無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
2.無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式が下式であることを特徴とする1記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【0007】
【数3】
【0008】
3.FEM解析値あるいは実験値のMuを用いた、Mu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式の各係数を決定することを特徴とする1または2記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
4.鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、鋼材の降伏応力σy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力σ1.0%、コンクリート圧縮強度fc、および合成桁の断面諸元が与えられた場合に、塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt と合成桁の全塑性曲げモーメントMpを算出した上で、これらの値を下式に代入することにより、合成桁の曲げ耐荷力Muを簡便かつ精度良く推定することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【0009】
【数4】
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば煩雑で多大な計算時間を要する非線形FEM解析を行わずに簡便に合成桁の曲げ耐荷力を推定でき、また、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮しているため、精度にも優れ産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】非線形FEM解析モデル例を示し(a)は斜視図、(b)は断面図。
【図2】鋼材モデルの応力−ひずみ関係を示す図。
【図3】降伏棚あり鋼材モデルの応力−ひずみ関係を示す図。
【図4】Mu / Mpと鋼材の応力上昇率の関係(床版幅470mmでコンクリートの圧縮強度変化)で、(a)は応力上昇率(σ1.0%/σy)、(b)は応力上昇率(σ2.0%/σy)、(c)は応力上昇率(σ3.0%/σy)の場合を示す図。
【図5】Mu / Mpと鋼材の応力上昇率の関係(fc30で床版幅変化)で、(a)は応力上昇率(σ1.0%/σy)、(b)は応力上昇率(σ2.0%/σy)、(c)は応力上昇率(σ3.0%/σy)の場合を示す図。
【図6】FEM解析によるMu / Mpと式(3)によるMu / Mpとを比較した図。
【図7】図6のFEM解析によるMu / Mpと式(3)によるMu / Mpとを比較した図にσy=500 N/mm2鋼材のプロットを追加した図。
【図8】実施例に用いた合成桁の諸元を説明する断面図
【図9】合成桁曲げモーメントと断面の分類を説明する図。(非特許文献2)
【図10】塑性理論による曲げ耐荷力の算定方法を説明する模式図
【図11】鋼材の応力−ひずみ関係を示す図。(非特許文献2)
【図12】曲げモーメントの作用による床版の圧壊を説明する図で(a)は側面図、(b)は合成桁の断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、合成桁の曲げ耐荷力Muを塑性理論により求めた全塑性曲げモーメントMpから精度よく推定するため、少なくとも、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮して、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出することを特徴とする。以下、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出する手順の説明において、本発明を詳細に説明する。本発明は、鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁を対象とする。
【0013】
まず、合成桁の曲げ耐荷力Muを算出するために非線形FEM解析を実施する。解析モデルを図1(a)の斜視図、(b)の断面図で示す。対称性を考慮した1/2モデルとし、床版と支点部板材についてはソリッド要素でモデル化し、それ以外の上下フランジ、ウェブ、水平・垂直補剛材についてはシェル要素でモデル化する。支点部に関しては、上下から支点部板材で挟み込むようなモデルとする。載荷点に関しては、等分布荷重による載荷とした。床版と鋼桁は完全付着を想定し、剛体要素で連結する。
[鋼材モデル]
図2および図3に鋼材モデルの応力−ひずみ関係を示す。これらは、非特許文献2で提案された式(1)を用い、表1のパラメータを代入することにより得られる。
【0014】
【数5】
【0015】
【表1】
【0016】
図2においてSM570モデルはSM570鋼材を模擬したもの、鋼材A〜鋼材Cモデルは、基本スペックをσy = 450 N/mm2、 YR(降伏比)= 79%でSM570モデルに合わせた上で、降伏後の応力−ひずみ曲線を変化させたものである。また、図3は降伏棚ありモデルの応力−ひずみ関係であり、鋼材Cモデルで降伏棚終点ひずみを1.0%〜3.0%に変化させたモデルである。このように、SM570のスペックを満足するように同一の降伏強度で同一のYRとした場合でも、降伏後に様々な経路をたどることが可能であるため、このように複数のモデルを設定している。
[コンクリートの強度]
合成桁の曲げ耐荷力は、コンクリートの強度の影響を受ける。ここでは、コンクリートの圧縮強度fcのパラメータとして、fc30:fc= 30 N/mm2、fc40:fc= 40 N/mm2、fc50:fc= 50 N/mm2、fc60:fc= 60 N/mm2の4種類とし、非特許文献3に示される応力−ひずみ関係を適用した。コンクリートの終局ひずみε´cuについては、fc30〜fc50の場合は、ε´cu = -3500μ、fc60の場合は、ε´cu = -3200μとし、この値に達すると床版が圧壊するものとした。
[合成桁の断面諸元]
また、合成桁の曲げ耐荷力は、合成桁の断面諸元、とくに、床版と鋼桁の断面積の比の影響を受ける。ここでは、鋼桁断面を一定とし、床版幅bcを350 mm、470 mm、1340 mmに変化させた。
【0017】
上述した鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、床版幅を変化させたパラメトリック解析を行った。図4に、床版幅470 mmで、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度を変化させた場合の解析結果を示す。破壊モードはすべて床版の圧壊となった。
【0018】
図4において、縦軸は、Mu / Mp(FEM解析で得られた曲げ耐荷力Muを全塑性曲げモーメントMpで除して無次元化した値)、横軸は、各鋼材モデルから算出し、図4(a)は降伏応力σyに対する1.0%ひずみにおける応力σ1.0%の比である応力上昇率(σ1.0%/σy)、図4(b)は降伏応力σyに対する2.0%ひずみにおける応力σ2.0%の比である応力上昇率(σ2.0%/σy)、図4(c)は降伏応力σyに対する3.0%ひずみにおける応力σ3.0%の比である応力上昇率(σ3.0%/σy)である。
【0019】
図4より、横軸にσ2.0%/σyおよびσ3.0%/σyを用いた場合には、fc30〜fc60のコンクリートの強度ごとにMu / Mpとの関係が非線形となるのに対し、横軸にσ1.0%/σyを用いた場合には、Mu / Mpとの関係がほぼ線形となることが分かる。
【0020】
次に、コンクリートをfc30とし、鋼材の応力−ひずみ関係、床版幅を変化させた解析結果を図5に示す。図5(a)は降伏応力σyに対する1.0%ひずみにおける応力σ1.0%の比である応力上昇率(σ1.0%/σy)、図5(b)は降伏応力σyに対する2.0%ひずみにおける応力σ2.0%の比である応力上昇率(σ2.0%/σy)、図5(c)は降伏応力σyに対する3.0%ひずみにおける応力σ3.0%の比である応力上昇率(σ3.0%/σy)である。
【0021】
この場合も、横軸にσ1.0%/σyを用いた場合に、各床版幅ごとにMu / Mpとσ1.0%/σyの関係がほぼ線形となり、両者の関係が明確になることが分かる。なお、コンクリートがfc40、fc50、fc60の場合も同様な傾向となることを確認している。 以上より、鋼材降伏後の性能を表すパラメータとしてσ1.0%/σyを用いるものとする。
【0022】
[Mu / Mpを推定する式]
しかしながら、Mu / Mpとσ1.0%/σyの関係は、コンクリート強度ごと、あるいは床版幅ごとに複数の線となり、このままでは取り扱いが煩雑である。そこで、新たなパラメータとして、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt を導入して、σ1.0%/σyおよびDp / Dt の関数として、Mu / Mpを推定する式を導出する。
【0023】
ここでは種々の検討を行なった上で、σ1.0%/σyおよびDp / Dt とMu / Mpとの関係を式(2)のように表した。なお、Dp / Dt は図10に示した非特許文献1の塑性理論による方法により算出することができる。図10において、beffは床版の有効幅,f'cdはコンクリートの圧縮強度,f ydは鋼部材の降伏強度,Muは合成桁の曲げ耐荷力,Mpは全塑性曲げモーメント,Nc,fは床版の塑性軸力,Npl (+)は鋼部材の塑性軸力(引張側)を表す。参考として図4および図5にDp / Dt の値を記載している。
【0024】
【数6】
【0025】
次に最適化手法を用いて式(2)の各係数を決定する。具体的には、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、床版幅を変化させた44ケースのFEM解析より得られたMuを用いた、Mu / Mpと式(2)より得られるMu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、式(2)のα、β、n1、n2を決定した。これを式(3)に示す。
【0026】
【数7】
【0027】
なお、この44ケースのデータの範囲は、1.0≦σ1.0%/σy≦1.258、0.067≦Dp / Dt ≦0.443、30 N/mm2≦fc ≦60 N/mm2である。
【0028】
ここでは、FEM解析によるMuを用いた、Mu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、式(2)の各係数を決定したが、例えば曲げ耐荷力実験などにより実験値が得られている場合は、それらとの2乗誤差が最小になるようにして、式(2)の各係数を決定してもよい。また、新たにデータが得られた場合には、逐次、式(3)の各係数を更新することにより、より信頼性の高い推定式を構築することができる。
【0029】
FEM解析によるMuを用いた、Mu / Mpと式(3)よるMu / Mpとの比較を図6に示す。プロットは正比例の直線の近傍に良くまとまっていることがわかる。式(2)、式(3)は各項が無次元化した形になっているため、降伏強度が異なる鋼材にも適用可能である。さらに、図6にσy = 500 N/mm2の鋼材を用いた場合のプロットを追加したものを図7に示す。プロット数は少ないが、正比例の直線の近傍にまとまっており、σy = 500 N/mm2の鋼材の場合も、式(3)を用いて曲げ耐荷力を推定可能であることが分かる。
【0030】
以上より、式(3)を用いることにより、煩雑で多大な計算時間を要する非線形FEM解析を行わずに簡便に合成桁の曲げ耐荷力を推定できる。また、鋼材の応力−ひずみ関係、コンクリートの強度、断面諸元、床版の圧壊による影響を考慮しているため、合成桁の曲げ耐荷力を精度良く推定できる。
【実施例1】
【0031】
図8で規定する各部が、表2に示す寸法を有する合成桁を対象として、式(3)による曲げ耐荷力の推定方法を説明する。
【0032】
【表2】
【0033】
<case 1>
材料試験より、鋼材の降伏応力σy = 450 N/mm2、1.0%ひずみにおける鋼材の応力σ1.0%= 495 N/mm2、コンクリートの圧縮応力fc= 40 N/mm2が得られるものとすると、図10に示した塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt = 0.181、全塑性曲げモーメントMp = 1694 kNmが得られる。これらを式(3)に代入すると、
【0034】
【数8】
【0035】
以上より、合成桁の曲げ耐荷力Muは、1.066×1694 kNm = 1805 kNとなる。
<case 2>
case 1の寸法、形状を有する合成桁において、材料試験より、鋼材の降伏応力σy = 470 N/mm2、1.0%ひずみにおける鋼材の応力σ1.0%= 480 N/mm2、コンクリートの圧縮応力fc= 32 N/mm2が得られるものとすると、図10に示した塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dt = 0.303、全塑性曲げモーメントMp = 1697 kNmが得られる。これらを式(3)に代入すると、
【0036】
【数9】
【0037】
以上より、合成桁の曲げ耐荷力Muは、0.957×1697 kNm = 1626 kNとなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0038】
【非特許文献1】土木学会、「鋼・合成構造標準示方書 総則編・構造計画編・設計編」、P.244-250、2007.3
【非特許文献2】土木学会 鋼構造新技術小委員会 最終報告書(耐震設計研究)、pp.61-62、 1996.5
【非特許文献3】土木学会 コンクリート標準示方書[構造性能照査編]、 2002.
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、合成桁の曲げ耐荷力をMu、合成桁の全塑性曲げモーメントをMp、鋼材の降伏応力をσy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力をσ1.0%、合成桁断面の全高をDt、合成桁断面の床版上面から塑性中立軸までの距離をDp としたときに、σ1.0%/σyおよびDp / Dtの関数として無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【請求項2】
無次元化曲げ耐荷力Mu /Mpを推定する式が下式であることを特徴とする請求項1記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【数1】
【請求項3】
FEM解析値あるいは実験値のMuを用いた、Mu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式の各係数を決定することを特徴とする請求項1または2記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【請求項4】
鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、鋼材の降伏応力σy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力σ1.0%、コンクリート圧縮強度fc、および合成桁の断面諸元が与えられた場合に、塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dtと合成桁の全塑性曲げモーメントMpを算出した上で、これらの値を下式に代入することにより、合成桁の曲げ耐荷力Muを簡便かつ精度良く推定することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【数2】
【請求項1】
鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、合成桁の曲げ耐荷力をMu、合成桁の全塑性曲げモーメントをMp、鋼材の降伏応力をσy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力をσ1.0%、合成桁断面の全高をDt、合成桁断面の床版上面から塑性中立軸までの距離をDp としたときに、σ1.0%/σyおよびDp / Dtの関数として無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式を導出することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【請求項2】
無次元化曲げ耐荷力Mu /Mpを推定する式が下式であることを特徴とする請求項1記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【数1】
【請求項3】
FEM解析値あるいは実験値のMuを用いた、Mu / Mpとの2乗誤差が最小になるようにして、無次元化曲げ耐荷力Mu / Mpを推定する式の各係数を決定することを特徴とする請求項1または2記載の合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【請求項4】
鋼桁とコンクリート床版がずれ止めにより合成された合成桁の曲げ耐荷力の推定方法であって、鋼材の降伏応力σy、鋼材の1.0%ひずみにおける応力σ1.0%、コンクリート圧縮強度fc、および合成桁の断面諸元が与えられた場合に、塑性理論による方法により、合成桁断面の全高に対する床版上面から塑性中立軸までの距離の比であるDp / Dtと合成桁の全塑性曲げモーメントMpを算出した上で、これらの値を下式に代入することにより、合成桁の曲げ耐荷力Muを簡便かつ精度良く推定することを特徴とする合成桁の曲げ耐荷力の推定方法。
【数2】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【公開番号】特開2012−127077(P2012−127077A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277900(P2010−277900)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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