合成樹脂製パレット
【解決手段】合成樹脂製パレットの上部デッキP”に固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具Eには、固定具嵌着空間部の内壁c1に接近して位置する傾倒防止リブe5を形成したものである。
【効果】固定具嵌着空間部に嵌着された固定具に、水平方向の負荷が加わっても、固定具が、固定具嵌着空間部内において傾動するようなことがなく、従って、固定具の固定具嵌着空間部からの抜け出しを防止することができるとともに、合成樹脂製パレット同士やコンテナーが載置された合成樹脂製パレット同士を、安定した状態で段積みすることができる。
【効果】固定具嵌着空間部に嵌着された固定具に、水平方向の負荷が加わっても、固定具が、固定具嵌着空間部内において傾動するようなことがなく、従って、固定具の固定具嵌着空間部からの抜け出しを防止することができるとともに、合成樹脂製パレット同士やコンテナーが載置された合成樹脂製パレット同士を、安定した状態で段積みすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナーの運搬、移送、保管等に使用される合成樹脂製パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製パレットの上部デッキに形成された凹部に、全体が、ゴム等の弾性材料からなるグロメットを嵌着した合成樹脂製パレットが、一例として、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−27549号公報
【0004】
【特許文献2】特開平7−137741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
合成樹脂製パレットの上部デッキに、コンテナーが載置された際には、コンテナーの底部が、合成樹脂製パレットの上部デッキに配設されたゴム等の弾性材料からなるグロメットに当接し、グロメットの摩擦力により、コンテナーの水平移動を防止するように構成されているが、このような、グロメットの摩擦力だけでは、確実に、コンテナーの水平移動を防止することができないという問題があった。特に、フォークリフトでの作業時に、フォークリフトの急発進や急停止により、合成樹脂製パレットに載置されたコンテナーが水平移動し、合成樹脂製パレットから落下する等の問題があった。また、グロメットに水や油が付着している場合には、グロメットの摩擦力が低下し、より、コンテナーが水平移動しやするなるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、合成樹脂製パレットの上部デッキに固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具には、固定具嵌着空間部の内壁に接近して位置する傾倒防止リブを形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
合成樹脂製パレットの上部デッキに固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具には、固定具嵌着空間部の内壁に接近して位置する傾倒防止リブを形成したので、固定具嵌着空間部に嵌着された固定具に、水平方向の負荷が加わっても、固定具が、固定具嵌着空間部内において傾動するようなことがなく、従って、固定具の固定具嵌着空間部からの抜け出しを防止することができるとともに、合成樹脂製パレット同士やコンテナーが載置された合成樹脂製パレット同士を、安定した状態で段積みすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の合成樹脂製パレットの上方からの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の合成樹脂製パレットの裏面からの斜視図である。
【図3】図3は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する下部スキッドの裏面からの斜視図である。
【図4】図4は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する上部スキッドの上方からの斜視図である。
【図5】図5は、本発明の合成樹脂製パレットの部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する下部スキッドの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、後述する図28のIーIに沿った垂直断面図である。
【図8】図8は、後述する図28のIIーIIに沿った垂直断面図である。
【図9】図9は、後述する図28のIIIーIIIに沿った垂直断面図である。
【図10】図10は、本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図11】図11は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図12】図12は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図13】図13は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する固定具の斜視図である。
【図14】図14は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットを構成する固定具の斜視図である。
【図15】図15は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットを構成する固定具の一部断面図を含む斜視図である。
【図16】図16は、本発明の合成樹脂製パレットの拡大部と固定具の斜視図である。
【図17】図17は、本発明の合成樹脂製パレットの拡大部と一部断面図を含む固定具の斜視図である。
【図18】図18は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットの拡大部と一部断面図を含む固定具の斜視図である。
【図19】図19は、本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図20】図20は、本発明の合成樹脂製パレットに載置されるコンテナーの斜視図である。
【図21】図21は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットに載置されるコンテナーの斜視図である。
【図22】図22は、コンテナーが載置された状態の本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図23】図23は、本発明の合成樹脂製パレットに載置されるコンテナーが段積みされた状態の斜視図である。
【図24】図24は、本発明の合成樹脂製パレットが段積みされた状態の斜視図である。
【図25】図25は、本発明の合成樹脂製パレットが段積みされた状態の一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図26】図26は、本発明の合成樹脂製パレットにコンテナーが載置された状態の一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図27】図27は、コンテナーが載置された状態の本発明の合成樹脂製パレットに更に合成樹脂製パレットが載置された状態の一部断面図を含む拡大斜視図である。
【図28】図28は、コンテナーが載置された状態の本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む裏面図である。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0011】
先ず最初に、図1〜図5を用いて、合成樹脂製パレットの全体構成について説明する。この実施例における合成樹脂製パレットPは、公知のように、合成樹脂製パレットPの半製品である下部スキッドP1と上部スキッドP2とから形成されている。
【0012】
下部スキッドP1は、四隅に形成された隅桁部1’と、隅桁部1’の中間に形成された中間桁部2’と、下部スキッドP1の中央部に形成された中央桁部3’とを有しており、隅桁部1’と中間桁部2’とは、隅桁・中間桁下部連結桟4’により連結されており、また、中間桁部2’と中央桁部3’とは、中間桁・中央桁下部連結桟5’により連結されている。更に、互いに直交する隅桁・中間桁下部連結桟4’と、互いに直交する中間桁・中央桁下部連結桟5’とにより囲まれた領域には、方形状の開口部6が形成されている。
【0013】
上部スキッドP2は、下部スキッドP1と同様に、四隅に形成された隅桁部1”と、隅桁部1”の中間部に形成された中間桁部2”と、上部スキッドP2の中央部に形成された中央桁部3”とを有しており、隅桁部1”と中間桁部2”とは、下部スキッドP1と同様の隅桁・中間桁上部連結桟4”により連結されており、また、中間桁部2”と中央桁部3”も、下部スキッドP1と同様の中間桁・中央桁上部連結桟5”により連結されている。なお、下部スキッドP1に形成されている開口部6には、上部スキッドP2においては、交差桟部7が形成されており、上部スキッドP2には、開口部6は形成されていない。
【0014】
上述したように、下部スキッドP1には開口部6が形成されており、また、上部スキッドP2においては、下部スキッドP1に形成されている開口部6に、交差桟部7が形成されている以外は、以下に説明する構成部材を含めて、同一に形成されている。
【0015】
下部スキッドP1の隅桁部1’と上部スキッドP2の隅桁部1”の端面同士を溶着することにより、隅桁1が形成され、また、下部スキッドP1の中間桁部2’と上部スキッドP2の中間桁部2”の端面同士を溶着することにより、中間桁2が形成され、更に、下部スキッドP1の中央桁部3’と上部スキッドP2の中央桁部3”の端面同士を溶着することにより、中央桁3が形成されることになる。
【0016】
上述したように形成された合成樹脂製パレットPは、隅桁1の上面と、中間桁2の上面と、中央桁3の上面と、隅桁・中間桁上部連結桟4”の上面と、中間桁・中央桁上部連結桟5”の上面と、交差桟部7の上面とにより、後述するコンテナーが載置される上部デッキP”が形成されており、隅桁1の下面と、中間桁2の下面と、中央桁3の下面と、隅桁・中間桁下部連結桟4’の下面と、中間桁・中央桁下部連結桟5’の下面とにより、下部デッキP’が形成されている。本実施例においては、合成樹脂製パレットPは、平面形状が、長方形状に形成されており、合成樹脂製パレットPの長辺に沿った方向を、以下においては、合成樹脂製パレットPの長辺方向(図1において、XーX方向)と称し、合成樹脂製パレットPの短辺に沿った方向を、以下においては、合成樹脂製パレットPの短辺方向(図1において、YーY方向)と称する。
【0017】
合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った中間桁2の外側に形成された凹部8内には、上部デッキP”及び下部デッキP’から、互いに接近する方向に垂下されたフック係止片8aが延設されており、相対するフック係止片8a間には、所定の間隙が形成されている。このようなフック係止片8aは、合成樹脂製パレットPに載置されたコンテナーを緊締する緊締バンドの端部を引っ掛けるためのものであり、このような構成は公知であるので、その詳細は省略する。
【0018】
図5に示されているように、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁上部連結桟4”の端面4a”及び隅桁・中間桁下部連結桟4’の端面4a’は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に位置する隅桁1の外面1a及び中間桁2の外面2aより、所定の距離Dだけ、引っ込んだ位置に形成されており、このように構成することにより、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁上部連結桟4”及び隅桁・中間桁下部連結桟4’には、後述するコンテナーの突部が嵌合する嵌合凹部Vが形成されている。
【0019】
図6〜図9に示されているように、開口部6は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とにより囲まれている。
【0020】
上述した開口部6を形成する隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とは、実質的に同じ構成を有している。
【0021】
以下に、開口部6を形成する隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とについて説明するが、開口部側桟S1、S2、S3、S4については、実質的に同じ構成を有しているので、図7に示されている隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1を用いて、開口部側桟S1について説明する。
【0022】
隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S1は、垂直部s1と、該垂直部s1の上端から、開口部6に向かって水平方向に延在する水平部s2と、該水平部s2の端辺から、開口部6に向かって下方に延在する傾斜部s3と、該傾斜部s3の端辺から、垂直に延在する垂直部s4とから、開口部側桟S1の長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されている。また、開口部側桟S1を構成する垂直部s4の下端部の開口部6側の角部には、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されている。
【0023】
合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する、開口部側桟S1と相対する桟S5(以下、外側桟と称する。)も、開口部側桟S1と同様に、外側桟S5の長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されている。即ち、外側桟S5は、開口部側桟S1の垂直部s1と相対する垂直部s1’と、該垂直部s1’の上端から、外側方向(開口部6から遠ざかる方向)に向かって水平方向に延在する水平部s2’と、該水平部s2’の端辺から、外側方向(開口部6から遠ざかる方向)に向かって下方に延在する傾斜部s3’と、該傾斜部s3’の端辺から、垂直に延在する垂直部s4’とから構成されている。また、外側桟S5を構成する垂直部s4’の下端部の外側角部には、開口部6方向に延在する案内傾斜面s4a’が形成されている。
【0024】
図9には、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3の長手方向に対して垂直な断面が示されている。開口部側桟S3も、垂直部s1と、該垂直部s1の上端から、開口部6に向かって水平方向に延在する水平部s2と、該水平部s2の端辺から、開口部6に向かって下方に延在する傾斜部s3と、該傾斜部s3の端辺から、垂直に延在する垂直部s4とから、開口部側桟S1の長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されており、垂直部s4の下端部の開口部6側の角部には、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されている。
【0025】
上述したように、開口部6は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とにより囲まれており、また、開口部側桟S1、S2、S3、S4を構成する垂直部s4の下端部の開口部6側の角部には、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されており、換言すれば、開口部6の周辺部は、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aにより囲まれていることになる。
【0026】
図1及び図2に示されているように、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って位置する一対の中間桁2と、該中間桁2間に位置する中央桁3と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って位置する中間桁・中央桁下部連結桟5’と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って位置する中間桁・中央桁上部連結桟5”の上部デッキP”及び下部デッキP’には、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿って、それぞれ、一対の固定具嵌着空間部Cが形成されている。中間桁2と中央桁3と中間桁・中央桁下部連結桟5’と中間桁・中央桁上部連結桟5”の上部デッキP”及び下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cは、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って、一直線状に配置されているとともに、上部デッキP”及び下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cは、平面的に見て、重なるように構成されている。
【0027】
図10〜図12に示されているように、固定具嵌着空間部Cは、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って延在する相対する垂直長辺側内壁c1と合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿って延在する相対する垂直短辺側内壁c2とにより囲まれており、平面形状が長方形状に形成されている。また、固定具嵌着空間部Cの上下方向の中程には、垂直長辺側内壁c1と垂直短辺側内壁c2とに沿って、額縁状水平枠c3が形成されており、また、固定具嵌着空間部Cには、額縁状水平枠c3の相対する長辺部c3aの中央部を連結する架橋リブc4が形成されている。
【0028】
次に、図13〜図15を用いて、固定具嵌着空間部Cに嵌着される固定具Eについて説明する。
【0029】
固定具Eは、天部e1と、天部e1の長辺から垂設された相対する長側壁e2と、天部e1の短辺から垂設された相対する短側壁e3とから、下方が開放された箱型に形成された本体部E1を有しており、また、本体部E1の下端部には、水平方向に延在する周状リブe4が形成されている。更に、本体部E1の長側壁e2と周状リブe4及び短側壁e3と周状リブe4とにより形成される隅部には、本体部E1の中程まで延在する垂直な傾倒防止リブe5が、適当数、形成されている。
【0030】
本体部E1に形成された周状リブe4の長側壁e2側の周状リブe4の下面e4aには、それぞれ、所定の間隔を置いて、係止突部e6が垂下されており、係止突部e6は、周状リブe4の下面e4aに垂直な弾性変形可能な垂直部e6aと、垂直部e6aの下端部から外側に延在する係止部e6bとから構成されている。また、本体部E1の長側壁e2に沿った係止部e6bの外面には、互いに接近する方向に延在する傾斜面e6b’が形成されている。なお、e7は、本体部E1の相対する長側壁e2を架橋する、相対する短側壁e3に平行な補強区画リブである。
【0031】
図16に示されているように、上部デッキP”に形成された固定具嵌着空間部Cに、固定具Eを嵌着する際には、固定具嵌着空間部Cの上方に、係止突部e6を下にして、且つ、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1とが一致するとともに、固定具Eを構成する本体部E1の短側壁e3と固定具嵌着空間部Cの垂直短辺側内壁c2とが一致するように、固定具Eを配置する。その後、固定具Eを下降させると、固定具Eの係止突部e6が、固定具嵌着空間部Cの額縁状水平枠c3に当接することになるが、更に、固定具Eを下降させると、係止突部e6が、係止部e6bの傾斜面e6b’に案内されながら、弾性変形し、額縁状水平枠c3を越えた時点で、係止突部e6の弾性復元力により、元の位置に戻る。このように、係止突部e6が元の位置に戻った際には、図17に示されているように、固定具嵌着空間部Cの額縁状水平枠c3が、固定具Eの周状リブe4と係止突部e6の係止部e6bとにより挟持されるように構成されているとともに、図18に示されているように、固定具Eの本体部E1に形成された周状リブe4の長側壁e2側に沿って形成された一対の係止突部e6間に、架橋リブc4が位置するように構成されている。更に、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と周状リブe4及び短側壁e3と周状リブe4とにより形成される隅部に形成された傾倒防止リブe5が、固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1及び垂直短辺側内壁c2に接近して位置するように構成されている。
【0032】
上述したようにして、図19に示されているように、上部デッキP”に形成された固定具嵌着空間部Cに、固定具Eが、その上部が上部デッキP”から突出するように嵌着されることになる。このような固定具Eは、下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cに嵌着されてはおらず、上部デッキP”に形成された固定具嵌着空間部Cのみに嵌着されることになる。
【0033】
次に、図20及び図21を用いて、上述した合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に載置される一例としてのコンテナーHについて説明する。
【0034】
コンテナーHは、底部h1と相対する長側壁h2と相対する短側壁h3とにより箱型に形成されている。相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面には、それぞれ、2個の端部側突条h4が突設されており、2個の端部側突条h4間には、中央嵌合凹部h5が形成されている。また、相対する長側壁h2の下端フランジh2bの下面の両端には、それぞれ、底部h1より下方に延在する端部突条h6が形成されており、更に、長側壁h2に形成された中央嵌合凹部h5の真下に位置する下端フランジh2bの下面には、底部h1より下方に延在する中央突条h7が形成されており、端部突条h6と中央突条h7とにより、端部側嵌合凹部h8が形成されている。なお、端部突条h6を、短側壁h3の下端フランジh3の下面方向まで延在し、端部突条h6の裏面形状を、略L字状に形成することもできる。
【0035】
コンテナーHの底部h1は、底板h1aの裏面に形成された、長側壁h2に平行な多数のリブh1bと、底板h1aの裏面に形成された、短側壁h3に平行な多数のリブh1cとから、交差リブ構造に形成されている。底部h1の交差リブ構造の中央部には、所定の間隔を置いて、2個の固定具嵌合凹部h9が形成されている。固定具嵌合凹部h9は、相対する長側壁h2に平行なリブh1bと相対する短側壁h3に平行なリブh1cとにより囲まれており、固定具嵌合凹部h8は、短側壁h3に沿った長さが、長側壁h2に沿った長さより長い、長方形に形成されている。
【0036】
上述したコンテナーHの長側壁h2の横幅は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った長さと同じ長さに形成されており、また、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った長さは、コンテナーHの短側壁h3の横幅の整数倍となるように構成されている。図22には、一例として、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、5個のコンテナーHが、長側壁h2同士が当接するように載置されている例が示されている。
【0037】
コンテナーHを段積みした際には、上に位置するコンテナーHaの端部突条h6が、下に位置するコンテナーHbの長側壁h2の上端フランジh2aの上面に載置され、また、上に位置するコンテナーHaの端部側嵌合凹部h8には、下に位置するコンテナーHbの端部側突条h4が嵌合され、更に、上に位置するコンテナーHaの中央突条h7が、下に位置するコンテナーHbの中央嵌合凹部h5に嵌合されて、図23に示されているように、コンテナーHが段積みされるように構成されている。このように構成することにより、コンテナーH同士を、安定した状態で段積みすることができる。
【0038】
また、図24に示されているように、合成樹脂製パレットP同士を段積みした際には、図25に示されているように、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”の固定具嵌着空間部Cに嵌着された固定具Eの上部が、上に位置する合成樹脂製パレットPaの下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cに挿入されるように構成されており、従って、段積みされた合成樹脂製パレットPの水平方向への移動が阻止され、安定した状態で、合成樹脂製パレットP同士を段積みすることができる。
【0039】
更に、図22に示されているように、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、コンテナーHの長側壁h2の方向と合成樹脂製パレットPの短辺に沿った方向とが一致するように配置するとともに、上部デッキP”の固定具嵌着空間部Cに嵌着された固定具Eの上部を、図26に示されているように、コンテナーHの底部h1に形成された固定具嵌合凹部h9に挿入することにより、コンテナーHの水平方向への移動を阻止することができ、従って、摩擦力により、コンテナーHの滑りを防止するようにした従来のゴム製のグロメットに比べ、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に載置されているコンテナーHの滑りを、確実に防止することができる。
【0040】
更にまた、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と周状リブe4とにより形成された隅部及び短側壁eと周状リブe4とにより形成された隅部に形成された傾倒防止リブe5が、合成樹脂製パレットPに形成された固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1及び垂直短辺側内壁c2に接近して位置するように構成されているので、段積みされた上に位置する合成樹脂製パレットPaや合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに、水平方向の負荷が加わっても、固定具Eが、固定具嵌着空間部C内において傾動するようなことがなく、従って、段積みされた上に位置する合成樹脂製パレットPaや上部デッキP”に載置されたコンテナーHが、水平方向に移動するようなことを阻止できる。
【0041】
なお更に、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と周状リブe4とにより形成された隅部及び短側壁eと周状リブe4とにより形成された隅部に形成された傾倒防止リブe5が、合成樹脂製パレットPに形成された固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1及び垂直短辺側内壁c2に接近して位置するように構成されているので、固定具嵌着空間部Cに嵌着され、上部デッキP”から突出している固定具Eの上部に、水平方向の負荷が加わっても、固定具Eが、固定具嵌着空間部C内において傾動するようなことがなく、従って、固定具Eの固定具嵌着空間部Cからの抜け出しを防止することができる。
【0042】
次に、図6〜図9、図27及び図28を用いて、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、一例として、5個のコンテナーHが載置されているコンテナーHの上に、更に、合成樹脂製パレットPを載置する場合について説明する。
【0043】
上述したように、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、コンテナーHが載置されることになるが、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに、更に、他の合成樹脂製パレットPが載置された際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちの外側桟S5側の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaを構成する下部スキッドP1の隅桁・中間桁下部連結桟4’に形成された嵌合凹部Vに挿入されるように構成されており、また、長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちのもう一方の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されている。
【0044】
また、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの間に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4は、共に、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されている。
【0045】
上述したようにして、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHが、上に位置する合成樹脂製パレットPaに載置された際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちの外側桟S5側の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaを構成する下部スキッドP1の隅桁・中間桁下部連結桟4’に形成された嵌合凹部Vに挿入されるように構成されており、また、長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちのもう一方の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されており、更に、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの間に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4が、共に、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されているので、上に位置する合成樹脂製パレットPaが、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに対して、水平方向に移動するようなことを防止することができ、従って、コンテナーHが載置された合成樹脂製パレットPを、安定した状態で段積みすることができる。
【0046】
また、上述したように、コンテナーHの上に載置される合成樹脂製パレットPaを構成する下部デッキP’の開口部6を形成する隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とには、それぞれ、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されているので、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに、上に位置する合成樹脂製パレットPaを構成する下部デッキP’が載置される際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHの長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaの下部デッキP’の開口部6の周囲に形成された内傾斜面s4aに沿って案内されながら、上に位置する合成樹脂製パレットPbの下部デッキP’に形成された開口部6に挿入されることになり、また、上述したように、合成樹脂製パレットPを構成する下部デッキP’の短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’の外側桟S5を構成する垂直部s4’の下端部の外側角部には、開口部6方向に延在する案内傾斜面s4a’が形成されているので、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2のうちの外側に位置する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された端部側突条h4が、案内傾斜面s4a’に沿って案内されながら、上に位置する合成樹脂製パレットPbを構成する下部デッキP’の隅桁・中間桁下部連結桟4’に形成された嵌合凹部Vに挿入されることになる。このように構成されているので、下に位置する合成樹脂製パレットPbに載置されたコンテナーHへの上に位置する合成樹脂製パレットPaの載置が、円滑に、且つ、効率的に行なうことができる。
【符号の説明】
【0047】
C・・・・・・・・・・・・・固定具嵌着空間部
E・・・・・・・・・・・・・固定具
e5・・・・・・・・・・・・傾倒防止リブ
H・・・・・・・・・・・・・コンテナー
P・・・・・・・・・・・・・合成樹脂製パレット
P’・・・・・・・・・・・・下部デッキ
P”・・・・・・・・・・・・上部デッキ
P1・・・・・・・・・・・・下部スキッド
P2・・・・・・・・・・・・上部スキッド
S1〜S4・・・・・・・・・開口部側桟
s4a、s4a’・・・・・・案内傾斜面
1・・・・・・・・・・・・・隅桁
2・・・・・・・・・・・・・中間桁
3・・・・・・・・・・・・・中央桁
6・・・・・・・・・・・・・開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナーの運搬、移送、保管等に使用される合成樹脂製パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製パレットの上部デッキに形成された凹部に、全体が、ゴム等の弾性材料からなるグロメットを嵌着した合成樹脂製パレットが、一例として、特許文献1や特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−27549号公報
【0004】
【特許文献2】特開平7−137741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
合成樹脂製パレットの上部デッキに、コンテナーが載置された際には、コンテナーの底部が、合成樹脂製パレットの上部デッキに配設されたゴム等の弾性材料からなるグロメットに当接し、グロメットの摩擦力により、コンテナーの水平移動を防止するように構成されているが、このような、グロメットの摩擦力だけでは、確実に、コンテナーの水平移動を防止することができないという問題があった。特に、フォークリフトでの作業時に、フォークリフトの急発進や急停止により、合成樹脂製パレットに載置されたコンテナーが水平移動し、合成樹脂製パレットから落下する等の問題があった。また、グロメットに水や油が付着している場合には、グロメットの摩擦力が低下し、より、コンテナーが水平移動しやするなるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂製パレットが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、合成樹脂製パレットの上部デッキに固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具には、固定具嵌着空間部の内壁に接近して位置する傾倒防止リブを形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
合成樹脂製パレットの上部デッキに固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具には、固定具嵌着空間部の内壁に接近して位置する傾倒防止リブを形成したので、固定具嵌着空間部に嵌着された固定具に、水平方向の負荷が加わっても、固定具が、固定具嵌着空間部内において傾動するようなことがなく、従って、固定具の固定具嵌着空間部からの抜け出しを防止することができるとともに、合成樹脂製パレット同士やコンテナーが載置された合成樹脂製パレット同士を、安定した状態で段積みすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の合成樹脂製パレットの上方からの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の合成樹脂製パレットの裏面からの斜視図である。
【図3】図3は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する下部スキッドの裏面からの斜視図である。
【図4】図4は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する上部スキッドの上方からの斜視図である。
【図5】図5は、本発明の合成樹脂製パレットの部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する下部スキッドの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、後述する図28のIーIに沿った垂直断面図である。
【図8】図8は、後述する図28のIIーIIに沿った垂直断面図である。
【図9】図9は、後述する図28のIIIーIIIに沿った垂直断面図である。
【図10】図10は、本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図11】図11は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図12】図12は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図13】図13は、本発明の合成樹脂製パレットを構成する固定具の斜視図である。
【図14】図14は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットを構成する固定具の斜視図である。
【図15】図15は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットを構成する固定具の一部断面図を含む斜視図である。
【図16】図16は、本発明の合成樹脂製パレットの拡大部と固定具の斜視図である。
【図17】図17は、本発明の合成樹脂製パレットの拡大部と一部断面図を含む固定具の斜視図である。
【図18】図18は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットの拡大部と一部断面図を含む固定具の斜視図である。
【図19】図19は、本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図20】図20は、本発明の合成樹脂製パレットに載置されるコンテナーの斜視図である。
【図21】図21は、同じく、本発明の合成樹脂製パレットに載置されるコンテナーの斜視図である。
【図22】図22は、コンテナーが載置された状態の本発明の合成樹脂製パレットの斜視図である。
【図23】図23は、本発明の合成樹脂製パレットに載置されるコンテナーが段積みされた状態の斜視図である。
【図24】図24は、本発明の合成樹脂製パレットが段積みされた状態の斜視図である。
【図25】図25は、本発明の合成樹脂製パレットが段積みされた状態の一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図26】図26は、本発明の合成樹脂製パレットにコンテナーが載置された状態の一部断面図を含む部分拡大斜視図である。
【図27】図27は、コンテナーが載置された状態の本発明の合成樹脂製パレットに更に合成樹脂製パレットが載置された状態の一部断面図を含む拡大斜視図である。
【図28】図28は、コンテナーが載置された状態の本発明の合成樹脂製パレットの一部断面図を含む裏面図である。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0011】
先ず最初に、図1〜図5を用いて、合成樹脂製パレットの全体構成について説明する。この実施例における合成樹脂製パレットPは、公知のように、合成樹脂製パレットPの半製品である下部スキッドP1と上部スキッドP2とから形成されている。
【0012】
下部スキッドP1は、四隅に形成された隅桁部1’と、隅桁部1’の中間に形成された中間桁部2’と、下部スキッドP1の中央部に形成された中央桁部3’とを有しており、隅桁部1’と中間桁部2’とは、隅桁・中間桁下部連結桟4’により連結されており、また、中間桁部2’と中央桁部3’とは、中間桁・中央桁下部連結桟5’により連結されている。更に、互いに直交する隅桁・中間桁下部連結桟4’と、互いに直交する中間桁・中央桁下部連結桟5’とにより囲まれた領域には、方形状の開口部6が形成されている。
【0013】
上部スキッドP2は、下部スキッドP1と同様に、四隅に形成された隅桁部1”と、隅桁部1”の中間部に形成された中間桁部2”と、上部スキッドP2の中央部に形成された中央桁部3”とを有しており、隅桁部1”と中間桁部2”とは、下部スキッドP1と同様の隅桁・中間桁上部連結桟4”により連結されており、また、中間桁部2”と中央桁部3”も、下部スキッドP1と同様の中間桁・中央桁上部連結桟5”により連結されている。なお、下部スキッドP1に形成されている開口部6には、上部スキッドP2においては、交差桟部7が形成されており、上部スキッドP2には、開口部6は形成されていない。
【0014】
上述したように、下部スキッドP1には開口部6が形成されており、また、上部スキッドP2においては、下部スキッドP1に形成されている開口部6に、交差桟部7が形成されている以外は、以下に説明する構成部材を含めて、同一に形成されている。
【0015】
下部スキッドP1の隅桁部1’と上部スキッドP2の隅桁部1”の端面同士を溶着することにより、隅桁1が形成され、また、下部スキッドP1の中間桁部2’と上部スキッドP2の中間桁部2”の端面同士を溶着することにより、中間桁2が形成され、更に、下部スキッドP1の中央桁部3’と上部スキッドP2の中央桁部3”の端面同士を溶着することにより、中央桁3が形成されることになる。
【0016】
上述したように形成された合成樹脂製パレットPは、隅桁1の上面と、中間桁2の上面と、中央桁3の上面と、隅桁・中間桁上部連結桟4”の上面と、中間桁・中央桁上部連結桟5”の上面と、交差桟部7の上面とにより、後述するコンテナーが載置される上部デッキP”が形成されており、隅桁1の下面と、中間桁2の下面と、中央桁3の下面と、隅桁・中間桁下部連結桟4’の下面と、中間桁・中央桁下部連結桟5’の下面とにより、下部デッキP’が形成されている。本実施例においては、合成樹脂製パレットPは、平面形状が、長方形状に形成されており、合成樹脂製パレットPの長辺に沿った方向を、以下においては、合成樹脂製パレットPの長辺方向(図1において、XーX方向)と称し、合成樹脂製パレットPの短辺に沿った方向を、以下においては、合成樹脂製パレットPの短辺方向(図1において、YーY方向)と称する。
【0017】
合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った中間桁2の外側に形成された凹部8内には、上部デッキP”及び下部デッキP’から、互いに接近する方向に垂下されたフック係止片8aが延設されており、相対するフック係止片8a間には、所定の間隙が形成されている。このようなフック係止片8aは、合成樹脂製パレットPに載置されたコンテナーを緊締する緊締バンドの端部を引っ掛けるためのものであり、このような構成は公知であるので、その詳細は省略する。
【0018】
図5に示されているように、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁上部連結桟4”の端面4a”及び隅桁・中間桁下部連結桟4’の端面4a’は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に位置する隅桁1の外面1a及び中間桁2の外面2aより、所定の距離Dだけ、引っ込んだ位置に形成されており、このように構成することにより、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁上部連結桟4”及び隅桁・中間桁下部連結桟4’には、後述するコンテナーの突部が嵌合する嵌合凹部Vが形成されている。
【0019】
図6〜図9に示されているように、開口部6は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とにより囲まれている。
【0020】
上述した開口部6を形成する隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とは、実質的に同じ構成を有している。
【0021】
以下に、開口部6を形成する隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とについて説明するが、開口部側桟S1、S2、S3、S4については、実質的に同じ構成を有しているので、図7に示されている隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1を用いて、開口部側桟S1について説明する。
【0022】
隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S1は、垂直部s1と、該垂直部s1の上端から、開口部6に向かって水平方向に延在する水平部s2と、該水平部s2の端辺から、開口部6に向かって下方に延在する傾斜部s3と、該傾斜部s3の端辺から、垂直に延在する垂直部s4とから、開口部側桟S1の長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されている。また、開口部側桟S1を構成する垂直部s4の下端部の開口部6側の角部には、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されている。
【0023】
合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する、開口部側桟S1と相対する桟S5(以下、外側桟と称する。)も、開口部側桟S1と同様に、外側桟S5の長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されている。即ち、外側桟S5は、開口部側桟S1の垂直部s1と相対する垂直部s1’と、該垂直部s1’の上端から、外側方向(開口部6から遠ざかる方向)に向かって水平方向に延在する水平部s2’と、該水平部s2’の端辺から、外側方向(開口部6から遠ざかる方向)に向かって下方に延在する傾斜部s3’と、該傾斜部s3’の端辺から、垂直に延在する垂直部s4’とから構成されている。また、外側桟S5を構成する垂直部s4’の下端部の外側角部には、開口部6方向に延在する案内傾斜面s4a’が形成されている。
【0024】
図9には、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3の長手方向に対して垂直な断面が示されている。開口部側桟S3も、垂直部s1と、該垂直部s1の上端から、開口部6に向かって水平方向に延在する水平部s2と、該水平部s2の端辺から、開口部6に向かって下方に延在する傾斜部s3と、該傾斜部s3の端辺から、垂直に延在する垂直部s4とから、開口部側桟S1の長手方向に対して垂直な断面形状が、略逆U字状に形成されており、垂直部s4の下端部の開口部6側の角部には、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されている。
【0025】
上述したように、開口部6は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とにより囲まれており、また、開口部側桟S1、S2、S3、S4を構成する垂直部s4の下端部の開口部6側の角部には、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されており、換言すれば、開口部6の周辺部は、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aにより囲まれていることになる。
【0026】
図1及び図2に示されているように、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って位置する一対の中間桁2と、該中間桁2間に位置する中央桁3と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って位置する中間桁・中央桁下部連結桟5’と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って位置する中間桁・中央桁上部連結桟5”の上部デッキP”及び下部デッキP’には、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿って、それぞれ、一対の固定具嵌着空間部Cが形成されている。中間桁2と中央桁3と中間桁・中央桁下部連結桟5’と中間桁・中央桁上部連結桟5”の上部デッキP”及び下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cは、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って、一直線状に配置されているとともに、上部デッキP”及び下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cは、平面的に見て、重なるように構成されている。
【0027】
図10〜図12に示されているように、固定具嵌着空間部Cは、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿って延在する相対する垂直長辺側内壁c1と合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿って延在する相対する垂直短辺側内壁c2とにより囲まれており、平面形状が長方形状に形成されている。また、固定具嵌着空間部Cの上下方向の中程には、垂直長辺側内壁c1と垂直短辺側内壁c2とに沿って、額縁状水平枠c3が形成されており、また、固定具嵌着空間部Cには、額縁状水平枠c3の相対する長辺部c3aの中央部を連結する架橋リブc4が形成されている。
【0028】
次に、図13〜図15を用いて、固定具嵌着空間部Cに嵌着される固定具Eについて説明する。
【0029】
固定具Eは、天部e1と、天部e1の長辺から垂設された相対する長側壁e2と、天部e1の短辺から垂設された相対する短側壁e3とから、下方が開放された箱型に形成された本体部E1を有しており、また、本体部E1の下端部には、水平方向に延在する周状リブe4が形成されている。更に、本体部E1の長側壁e2と周状リブe4及び短側壁e3と周状リブe4とにより形成される隅部には、本体部E1の中程まで延在する垂直な傾倒防止リブe5が、適当数、形成されている。
【0030】
本体部E1に形成された周状リブe4の長側壁e2側の周状リブe4の下面e4aには、それぞれ、所定の間隔を置いて、係止突部e6が垂下されており、係止突部e6は、周状リブe4の下面e4aに垂直な弾性変形可能な垂直部e6aと、垂直部e6aの下端部から外側に延在する係止部e6bとから構成されている。また、本体部E1の長側壁e2に沿った係止部e6bの外面には、互いに接近する方向に延在する傾斜面e6b’が形成されている。なお、e7は、本体部E1の相対する長側壁e2を架橋する、相対する短側壁e3に平行な補強区画リブである。
【0031】
図16に示されているように、上部デッキP”に形成された固定具嵌着空間部Cに、固定具Eを嵌着する際には、固定具嵌着空間部Cの上方に、係止突部e6を下にして、且つ、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1とが一致するとともに、固定具Eを構成する本体部E1の短側壁e3と固定具嵌着空間部Cの垂直短辺側内壁c2とが一致するように、固定具Eを配置する。その後、固定具Eを下降させると、固定具Eの係止突部e6が、固定具嵌着空間部Cの額縁状水平枠c3に当接することになるが、更に、固定具Eを下降させると、係止突部e6が、係止部e6bの傾斜面e6b’に案内されながら、弾性変形し、額縁状水平枠c3を越えた時点で、係止突部e6の弾性復元力により、元の位置に戻る。このように、係止突部e6が元の位置に戻った際には、図17に示されているように、固定具嵌着空間部Cの額縁状水平枠c3が、固定具Eの周状リブe4と係止突部e6の係止部e6bとにより挟持されるように構成されているとともに、図18に示されているように、固定具Eの本体部E1に形成された周状リブe4の長側壁e2側に沿って形成された一対の係止突部e6間に、架橋リブc4が位置するように構成されている。更に、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と周状リブe4及び短側壁e3と周状リブe4とにより形成される隅部に形成された傾倒防止リブe5が、固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1及び垂直短辺側内壁c2に接近して位置するように構成されている。
【0032】
上述したようにして、図19に示されているように、上部デッキP”に形成された固定具嵌着空間部Cに、固定具Eが、その上部が上部デッキP”から突出するように嵌着されることになる。このような固定具Eは、下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cに嵌着されてはおらず、上部デッキP”に形成された固定具嵌着空間部Cのみに嵌着されることになる。
【0033】
次に、図20及び図21を用いて、上述した合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に載置される一例としてのコンテナーHについて説明する。
【0034】
コンテナーHは、底部h1と相対する長側壁h2と相対する短側壁h3とにより箱型に形成されている。相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面には、それぞれ、2個の端部側突条h4が突設されており、2個の端部側突条h4間には、中央嵌合凹部h5が形成されている。また、相対する長側壁h2の下端フランジh2bの下面の両端には、それぞれ、底部h1より下方に延在する端部突条h6が形成されており、更に、長側壁h2に形成された中央嵌合凹部h5の真下に位置する下端フランジh2bの下面には、底部h1より下方に延在する中央突条h7が形成されており、端部突条h6と中央突条h7とにより、端部側嵌合凹部h8が形成されている。なお、端部突条h6を、短側壁h3の下端フランジh3の下面方向まで延在し、端部突条h6の裏面形状を、略L字状に形成することもできる。
【0035】
コンテナーHの底部h1は、底板h1aの裏面に形成された、長側壁h2に平行な多数のリブh1bと、底板h1aの裏面に形成された、短側壁h3に平行な多数のリブh1cとから、交差リブ構造に形成されている。底部h1の交差リブ構造の中央部には、所定の間隔を置いて、2個の固定具嵌合凹部h9が形成されている。固定具嵌合凹部h9は、相対する長側壁h2に平行なリブh1bと相対する短側壁h3に平行なリブh1cとにより囲まれており、固定具嵌合凹部h8は、短側壁h3に沿った長さが、長側壁h2に沿った長さより長い、長方形に形成されている。
【0036】
上述したコンテナーHの長側壁h2の横幅は、合成樹脂製パレットPの短辺方向に沿った長さと同じ長さに形成されており、また、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った長さは、コンテナーHの短側壁h3の横幅の整数倍となるように構成されている。図22には、一例として、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、5個のコンテナーHが、長側壁h2同士が当接するように載置されている例が示されている。
【0037】
コンテナーHを段積みした際には、上に位置するコンテナーHaの端部突条h6が、下に位置するコンテナーHbの長側壁h2の上端フランジh2aの上面に載置され、また、上に位置するコンテナーHaの端部側嵌合凹部h8には、下に位置するコンテナーHbの端部側突条h4が嵌合され、更に、上に位置するコンテナーHaの中央突条h7が、下に位置するコンテナーHbの中央嵌合凹部h5に嵌合されて、図23に示されているように、コンテナーHが段積みされるように構成されている。このように構成することにより、コンテナーH同士を、安定した状態で段積みすることができる。
【0038】
また、図24に示されているように、合成樹脂製パレットP同士を段積みした際には、図25に示されているように、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”の固定具嵌着空間部Cに嵌着された固定具Eの上部が、上に位置する合成樹脂製パレットPaの下部デッキP’に形成された固定具嵌着空間部Cに挿入されるように構成されており、従って、段積みされた合成樹脂製パレットPの水平方向への移動が阻止され、安定した状態で、合成樹脂製パレットP同士を段積みすることができる。
【0039】
更に、図22に示されているように、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、コンテナーHの長側壁h2の方向と合成樹脂製パレットPの短辺に沿った方向とが一致するように配置するとともに、上部デッキP”の固定具嵌着空間部Cに嵌着された固定具Eの上部を、図26に示されているように、コンテナーHの底部h1に形成された固定具嵌合凹部h9に挿入することにより、コンテナーHの水平方向への移動を阻止することができ、従って、摩擦力により、コンテナーHの滑りを防止するようにした従来のゴム製のグロメットに比べ、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に載置されているコンテナーHの滑りを、確実に防止することができる。
【0040】
更にまた、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と周状リブe4とにより形成された隅部及び短側壁eと周状リブe4とにより形成された隅部に形成された傾倒防止リブe5が、合成樹脂製パレットPに形成された固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1及び垂直短辺側内壁c2に接近して位置するように構成されているので、段積みされた上に位置する合成樹脂製パレットPaや合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに、水平方向の負荷が加わっても、固定具Eが、固定具嵌着空間部C内において傾動するようなことがなく、従って、段積みされた上に位置する合成樹脂製パレットPaや上部デッキP”に載置されたコンテナーHが、水平方向に移動するようなことを阻止できる。
【0041】
なお更に、固定具Eを構成する本体部E1の長側壁e2と周状リブe4とにより形成された隅部及び短側壁eと周状リブe4とにより形成された隅部に形成された傾倒防止リブe5が、合成樹脂製パレットPに形成された固定具嵌着空間部Cの垂直長辺側内壁c1及び垂直短辺側内壁c2に接近して位置するように構成されているので、固定具嵌着空間部Cに嵌着され、上部デッキP”から突出している固定具Eの上部に、水平方向の負荷が加わっても、固定具Eが、固定具嵌着空間部C内において傾動するようなことがなく、従って、固定具Eの固定具嵌着空間部Cからの抜け出しを防止することができる。
【0042】
次に、図6〜図9、図27及び図28を用いて、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、一例として、5個のコンテナーHが載置されているコンテナーHの上に、更に、合成樹脂製パレットPを載置する場合について説明する。
【0043】
上述したように、合成樹脂製パレットPの上部デッキP”に、コンテナーHが載置されることになるが、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに、更に、他の合成樹脂製パレットPが載置された際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちの外側桟S5側の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaを構成する下部スキッドP1の隅桁・中間桁下部連結桟4’に形成された嵌合凹部Vに挿入されるように構成されており、また、長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちのもう一方の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されている。
【0044】
また、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの間に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4は、共に、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されている。
【0045】
上述したようにして、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHが、上に位置する合成樹脂製パレットPaに載置された際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちの外側桟S5側の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaを構成する下部スキッドP1の隅桁・中間桁下部連結桟4’に形成された嵌合凹部Vに挿入されるように構成されており、また、長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4のうちのもう一方の端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されており、更に、下に位置する合成樹脂製パレットPbの端部に載置されたコンテナーHの間に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された相対する端部側突条h4が、共に、上に位置する合成樹脂製パレットPaに形成された開口部6に挿入されるように構成されているので、上に位置する合成樹脂製パレットPaが、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに対して、水平方向に移動するようなことを防止することができ、従って、コンテナーHが載置された合成樹脂製パレットPを、安定した状態で段積みすることができる。
【0046】
また、上述したように、コンテナーHの上に載置される合成樹脂製パレットPaを構成する下部デッキP’の開口部6を形成する隅桁・中間桁下部連結桟4’の開口部側桟S1と、該開口部側桟S1と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’を構成する開口部側桟S2と、合成樹脂製パレットPの長辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’を構成する開口部側桟S3と、該開口部側桟S3と相対する中間桁・中央桁下部連結桟5’の開口部側桟S4とには、それぞれ、開口部6から遠ざかる方向に延在する案内傾斜面s4aが形成されているので、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHに、上に位置する合成樹脂製パレットPaを構成する下部デッキP’が載置される際には、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHの長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された端部側突条h4が、上に位置する合成樹脂製パレットPaの下部デッキP’の開口部6の周囲に形成された内傾斜面s4aに沿って案内されながら、上に位置する合成樹脂製パレットPbの下部デッキP’に形成された開口部6に挿入されることになり、また、上述したように、合成樹脂製パレットPを構成する下部デッキP’の短辺方向に沿った隅桁・中間桁下部連結桟4’の外側桟S5を構成する垂直部s4’の下端部の外側角部には、開口部6方向に延在する案内傾斜面s4a’が形成されているので、下に位置する合成樹脂製パレットPbの上部デッキP”に載置されたコンテナーHの相対する長側壁h2のうちの外側に位置する長側壁h2の上端フランジh2aの上面に突設された端部側突条h4が、案内傾斜面s4a’に沿って案内されながら、上に位置する合成樹脂製パレットPbを構成する下部デッキP’の隅桁・中間桁下部連結桟4’に形成された嵌合凹部Vに挿入されることになる。このように構成されているので、下に位置する合成樹脂製パレットPbに載置されたコンテナーHへの上に位置する合成樹脂製パレットPaの載置が、円滑に、且つ、効率的に行なうことができる。
【符号の説明】
【0047】
C・・・・・・・・・・・・・固定具嵌着空間部
E・・・・・・・・・・・・・固定具
e5・・・・・・・・・・・・傾倒防止リブ
H・・・・・・・・・・・・・コンテナー
P・・・・・・・・・・・・・合成樹脂製パレット
P’・・・・・・・・・・・・下部デッキ
P”・・・・・・・・・・・・上部デッキ
P1・・・・・・・・・・・・下部スキッド
P2・・・・・・・・・・・・上部スキッド
S1〜S4・・・・・・・・・開口部側桟
s4a、s4a’・・・・・・案内傾斜面
1・・・・・・・・・・・・・隅桁
2・・・・・・・・・・・・・中間桁
3・・・・・・・・・・・・・中央桁
6・・・・・・・・・・・・・開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製パレットの上部デッキに固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具に、固定具嵌着空間部の内壁に接近して位置する傾倒防止リブを形成したことを特徴とする合成樹脂製パレット。
【請求項1】
合成樹脂製パレットの上部デッキに固定具嵌着空間部を形成するとともに、固定具嵌着空間部に嵌着される固定具に、固定具嵌着空間部の内壁に接近して位置する傾倒防止リブを形成したことを特徴とする合成樹脂製パレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−107651(P2013−107651A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252327(P2011−252327)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】
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