説明

合成樹脂製フック

【課題】耐久性に優れた抜止片を備え、軽量で、被連結部材の掛止、離脱のいずれの操作も容易で、不慮に被連結部材が離脱することがない、優れた合成樹脂製のフックを提供する。
【解決手段】鉤状のフック本体(1)と、該フック本体に開閉自在に取付けられる抜止片(2)とを備える合成樹脂製フックにおいて、掛止操作時におけるフック本体(1)を開閉する開閉軸(22)と、離脱操作時の開閉の軸となる回動軸(33)とを別個に備えたことを特徴とする合成樹脂製フックを、解決手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性ネット、衣料、鞄類のベルト、キーホルダー等に対して、取着する合成樹脂製フックに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、日用品やアクセサリー等、多くの分野において、小型のフックが用いられている。このような小型のフックの具体例としては、車両のトランクルーム内で使用する荷掛け用の伸縮性ネットの固定具として設けられるフックや、鞄類に付属する荷掛け用のフック等がある。
【0003】
これらのフックは、他物との接触による傷付き防止、軽量化、複雑なデザインの容易な実現、長期使用による外観体裁の維持等の観点から、現在金属製よりも合成樹脂製フックとして提供されることが多い。そして、これらのいずれの材質のフックであっても、フックが掛止対象物から不用意に離脱しないようにするため、フックの基端と先端との間に形成される開口部を塞ぐための抜止片を形成することが多い。
【0004】
このような抜止片を備えた合成樹脂製のフックとしては、基部からフック状に延びるフック体と、先端に同フック体の湾曲部の先端内側係着面と係着する外側係着面を有し、同先端外側係着面が前記先端内側係着面まで延出すると共にその基端を中心として弾性変形する抜止片とを備え、少なくとも前記湾曲部の先端内側係着面に前記抜止片の先端外側係着面に向けて突出する突出高さが微少な突起を有してなることを特徴とする合成樹脂製茄子環(例えば、特許文献1参照。)が公知である。
【0005】
また、抜止片を備えた金属製のフックとしては、フックの基部と抜止片とを連通する回動軸を有するものとして、装身具の一端につながる連結部材と、装身具の他端につながり、上記連結部材に掛け止める被連結部材とからなる装身具用止め金具において、上記連結部材が、先端にU字状のフックを形成した本体と、この本体に回動自在に取り付けられるとともに上記フック内を移動してフックの開口を開閉する回動部材と、上記回動部材の先端側を上記フックに押しつける方向に付勢するスプリングとからなり、上記回動部材が、上記スプリングによってフック先端側の接点に押圧された状態でフックの開口を閉じているとき、上記接点の近傍であって接点より内側部分において、回動部材の外周とフック内周との間に接点に向かって細くなるくさび空間を形成する一方、上記くさび空間に挿入した被連結部材を上記接点に向かって移動させたとき、上記回動部材に対するスプリングの付勢力に対向する力が発生する構成にした装身具用止め金具(例えば、特許文献2参照。)が公知である。
【0006】
【特許文献1】特開2001−304231号公報
【特許文献2】特開2001−224412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に係る合成樹脂製のフックにおける抜止片は、前記基部と一体成形されてなり、例えば被連結部材であるループをフック体に掛止するには、ループを抜止片に押し当てて抜止片を内側へ弾性変形させることによって行う。また、フック体からループを離脱させるには、抜止片を外側から指で押し、抜止片とフック体の先端との間に間隙を形成し、該間隙からループを取り出すものである。
【0008】
従って、上記合成樹脂製茄子環における抜止片は、使用の都度に湾曲操作が行われるため、消耗しやすく、折損する虞があった。また、ループの離脱を行う操作は、抜止片を指で押しながらループを取り出すため、ループと前記指が接触しやすく、非常に操作し難いものであった。
【0009】
一方、上記特許文献2に係る金属製のフックにおける抜止片は、例えば被連結部材であるループをフック体に掛止するには、ループを抜止片に押し当てるか指で抜止片を押すことによって、抜止片を内側へ回動させる。また、フック体からループを離脱させるには、くさび空間に導いたループを、フックの先端と抜止片の接点から強く引っ張って離脱させる構成である。
【0010】
上記特許文献2に係る抜止片を備えた金属製のフックは、金属製であるため、重量があり取扱性が悪く、塗装の剥がれを生じやすい欠点がある。また、掛止状態から強い力でループを引っ張ると、くさび空間に移動したフックが抜止片を内側へ移動させて、フックからループが離脱する虞があった。
【0011】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れた抜止片を備え、軽量で、被連結部材の掛止、離脱のいずれの操作も容易で、不慮に被連結部材が離脱することがない、優れた合成樹脂製のフックを提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
鉤状のフック本体と、該フック本体に開閉自在に取付けられる抜止片とを備える合成樹脂製フックにおいて、フック本体の掛止操作時の開閉の軸となる開閉軸と、離脱操作時の開閉の軸となる回動軸とを別個に備えたことを特徴とする合成樹脂製フックを、課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、鉤状のフック本体と、該フック本体に開閉自在に取付けられる抜止片とを備える合成樹脂製フックにおいて、フック本体の掛止操作時の開閉の軸となる開閉軸と、離脱操作時の開閉の軸となる回動軸とを別個に備えた合成樹脂製フックとし、掛止操作用の軸と離脱操作用の軸を機能的に分離し、夫々の機能に特化した構成としたことから、掛止操作時には、回動軸によって、抜止片にかかる負荷を低減して該抜止体の折損を防止できる構成を実現できる。そして、離脱操作時には、フック本体と抜止片とを摘むことによって回動軸を基準として抜止片を開く構成を実現することができる。
このため、掛止時における従来問題であった抜止片の折損や耐久性の低下の問題を解消でき、離脱時の操作性では一方の手で抜止片を内側へ押し込みながら他方の手で被連結部材を取り外す煩雑な操作を行う必要をなくすことができる。
【0014】
特に、請求項2に記載した発明によれば、抜止片は、操作体と先端部材とを備え、開閉軸が操作体と先端部材との軸中心となり、回動軸がフック本体と操作体との軸中心とし、合成樹脂製フックの閉塞状態を基準として、抜止片はばね付勢力に抗して外側方向のみに開き、先端部材はばね付勢力に抗して内側方向のみに開く構成としたことで、掛止時には被連結部材を先端部材に当接押圧するだけで抜止片の強度を損なうことなく簡単に掛止でき、掛止後すぐに閉塞状態を確保できる。また、離脱時には、指で抜止片を内側へ開く必要が無く、片手で非常に簡単に離脱操作を行うことができる。また、先端部材がばねによって外方へ付勢されていることから、被連結部材を掛止空間内に導入するとともに、速やかに閉塞状態を実現することができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、フック本体の表面側には本体側軸形成部を形成し、抜止体の裏面側には抜止体側軸形成部を形成し、前記本体側軸形成部と抜止体側軸形成部の相互の当接面には、回動軸形成突起と該回動軸形成突起の嵌る回動軸形成凹部とを形成し、前記本体側軸形成部と抜止体側軸形成部を第一ばねで挟持した構成として、フック本体と抜止体とが回動軸を中心として開閉する構成としたことによって、フック本体と抜止片とを当接して第一ばねを嵌め込むだけで回動軸を形成することができ、組立てを簡単に行うことができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、操作体は先端部材の外側への開きを規制する回動規制手段を備えたことから、先端部材に対する外方への負荷が生じても、外側へ開くことを防止し、被連結部材の不慮の離脱を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、掛止空間を形成する鉤状のフック本体と、該フック本体の掛止空間の開口部を開閉する抜止片と、前記フック本体及び抜止片を連通する回動軸と、抜止片を外方へ付勢する第一ばねとを備え、前記抜止片は、操作体と、先端部材と、前記操作体及び先端部材を連通する開閉軸を備え、前記先端部材は、開閉軸の回動規制手段によりフック閉塞状態から外方向への回動を不可能とし、第一ばねは操作体を外方へ付勢し、第二ばねは先端部材を外方へ付勢し、前記回動軸は、フック本体の本体側軸形成部と抜止片の抜止片側軸形成部とを当接して該本体側軸形成部と抜止片側軸形成部とを挟み込みフック本体と抜止片との相対的な回動の支点とし、第一ばねの付勢力が第二ばねの付勢力よりも大きいものとした合成樹脂製フックとし、被連結部材の掛止時には、第二ばねで外側に付勢される先端部材が軽く内側へ回動できることで非常に簡単な掛止操作を行うことができるとともに、抜止片の耐久性を向上することができ、また、離脱時にはフック本体と抜止片とを摘むだけの非常に簡単な離脱操作を行うことができる、軽量で優れた合成樹脂製フックを実現した。
【実施例】
【0018】
図1は本発明の実施例に係る合成樹脂製フックを示す(イ)正面図及び(ロ)背面図、図2は同実施例に係る合成樹脂製フックを示す(イ)右側面図及び(ロ)A−A断面図、図3は本発明の実施例に係る合成樹脂製フックの(イ)掛止操作時における開口状態を示す断面図、(ロ)離脱操作時における開口状態を示す断面図、図4は同実施例に係る合成樹脂製フックの離脱操作を示す説明図、図5は同実施例に係る合成樹脂製フックの操作体を示す(イ)正面図、(ロ)背面図、(ハ)右側面図及び(ニ)B−B断面図、図6は同実施例に係る合成樹脂製フックの先端部材を示す(イ)正面図、(ロ)背面図、(ハ)右側面図及び(ニ)C−C断面図、図7は同実施例に係る抜止片の組立状態を示す背面図、図8は同実施例に係る合成樹脂製フック本体の(イ)正面図、(ロ)D−D断面図、図9は同実施例に係る合成樹脂製フックを備えた伸縮性ネットを示す説明図、図10は同実施例に係る合成樹脂製フックを備えた茄子環を示す正面図である。
【0019】
本発明の実施例に係る合成樹脂製フックHは、車両のトランクルーム内で使用する荷掛け用の伸縮性ネットNの固定具として設けられる上下間長さ7センチメートル程度のものである。図1乃至図3に示すように、主としてフック本体1と、図5乃至図7に示す操作体20と先端部材21からなる抜止片2とを備えたものである。以下、各構成について詳細を説明する。
【0020】
前記フック本体1は、図8に示すように、掛止空間12を形成する鉤状である。下端側に掛止空間12を形成する鉤部10を備え、上端側には伸縮性ネットNを保持するための保持部11を備えている。保持部11はフック形状とし、保持部11の基端111には抜止め用の突起110を形成している。
【0021】
またフック本体1の中央部左右には側壁14を形成し、左右の側壁14、14間には、本体側軸形成部15を形成している。本体側軸形成部15の裏面側には、図3に示すように、第一ばね30の一端を位置決めするための凹部150を備えている。一方、本体側軸形成部の表面側には、後記図5乃至図7に示す抜止体側軸形成部25の回動軸形成凹部251に対応する半球状の回動軸形成突起151を設けている。回動軸形成突起151は幅方向に間隔をあけて二つ形成している。また、回動軸形成突起151の形成面の上方側には傾斜面152を形成している。該傾斜面152を形成することによって、フック本体と抜止片の開き操作を可能とする。
【0022】
更に、フック本体1の外周面にはリブ16を一体として形成している。該リブ16を形成することで、フック本体1の耐久性を向上させている。
【0023】
本実施例における抜止体2を形成する操作体20は、図5に示すように、下端に前記先端部材21と連結するための開閉軸22となる軸体22aを一体として設けている。また軸体22aに隣接して先端部材の回動範囲を規制するための回動規制手段26を一体として設けている。尚、軸体22aには、組立時の作業を容易とすべく、軸体22aの端部に斜面27を形成している。
【0024】
一方、操作体20の中央から上端の外面側には、操作部23を形成している。操作部23はやや外側へ反った形状としている。また当該操作部23の下端近傍には、第二ばね31の一端を保持するための保持溝200を設けている。
【0025】
そして、操作体20の中央部左右には側壁24を形成し、左右の側壁24、24間には、抜止体側軸形成部25を形成している。抜止体側軸形成部25の正面側には、第一ばね30の他端を位置決めするための間隙250を備えている。また抜止体側軸形成部25の裏面側には、前記回動軸形成突起151が嵌る回動軸形成凹部251を形成している。更に、回動軸形成凹部251の上側に隣接して傾斜面252を形成している。傾斜面252は、前記フック本体1の傾斜面152と同様に、フック本体と抜止片の開き操作を可能とするためのものである。
【0026】
操作体20の幅は、前記フック本体1の左右の側壁24、24間に嵌る寸法としている。
【0027】
本実施例における先端部材21は、図6に示すように、上端に軸受部211を形成したものである。また、軸受部211から中央部にかけて内面側から、第二ばね31の一端を保持するための保持凹部210を設けている。
【0028】
本実施例に係る第一ばね30は、図3に示すように、金属製平板を略コの字状の輪郭に形成してなる板ばね30aである。両端には、内側へ突出してコの字の幅を狭める固定部300を設けている。本実施例に係る板ばね30aは、両端を開く方向の負荷に対して反発弾性力を生ずる。
【0029】
以上に示したフック本体1の本体側軸形成部15と、抜止体2の抜止体側軸形成部25とが当接し、回動軸形成突起151と回動軸形成凹部251とが嵌合した状態で、第一ばね収納空間32が形成されている。第一ばね30は、前記フック本体1の本体側軸形成部15と抜止体2を挟持している。第一ばね30の両端における固定部300は、本体側軸形成部15の凹部150と抜止体側軸形成部25の間隙250に嵌め込んでいる。当該構成によって、フック本体1と抜止体2とを開き、第一ばねの両端を開くことで、該フック本体1と抜止体2を閉じる方向(即ち、抜止体2が閉塞する内側方向)へ、第一ばね30のばね付勢力が作用することとなる。
【0030】
抜止体2における操作体20に形成された開閉軸22である軸体22aには、第二ばね31であるねじりコイルばね31aのコイルを掛止した状態で、先端部材21の軸受部211が取着されている。ねじりコイルばね31aの各端は、前記先端部材21の保持凹部210と、操作体20の保持溝200に固定している。
【0031】
当該ねじりコイルばね31aを取付けることによって、抜止体2は、合成樹脂製フックHを閉塞する位置を保つ。抜止体2は内側(即ち、掛止空間12側)に対してねじりコイルばね31aのばね付勢に抗して回動させることができるが、外側へは回動規制手段26によって回動しない。
【0032】
また、抜止体2に対するばね付勢力は少なくとも第一ばね30のばね付勢力よりも弱くし、被連結部材を挿入する際には大きな抵抗とならずに容易に抜止体2を動かすことができ、掛止後はばね付勢によって、抜止体2が確実に閉塞状態を維持するように復帰する程度としている。
【0033】
以上の構成によって形成される本実施例に係る合成樹脂製フックHは、掛止時については、上記したように被連結部材を抜止体の先端部材21に対して当接押圧して掛止空間12内に導き、フック本体1の鉤部10に被連結部材を掛止させる。当該構成によって単に軽量な合成樹脂製フックHである利点を有するだけでなく、抜止片2に開閉軸22を形成したことで、抜止片2の折損を生ずることが無く、耐久性に優れたものとすることができる。
【0034】
また離脱時については、図4に示すように、第一ばね30(板ばね30a)のばね付勢に抗して操作体20の操作部23と、フック本体1とを指で摘むことにより行う。操作体20と抜止片2とが直線状に連結された状態で外側へ開き、合成樹脂製フックHを開口する。このため、抜止片2を内側へ押し込みながら被連結部材を取り出す必要が無く、被連結部材を離脱させる際に、該被連結部材と指とが干渉することが無く、非常に簡単に離脱操作を行うことができる。
【0035】
上記実施例では、フック本体1の上端側に伸縮性ネットNを保持するための保持部11を備えた構成としており、例えば図9に示すように、伸縮性ネットNに取付けて使用することができる。
また、本発明は上記実施例に限らず、例えば、図10に示すように、合成樹脂製の環体40等を取付けることによって、茄子環4として使用することができる。
【0036】
一方、上記伸縮性ネットNに本実施例に係る合成樹脂製フックHを用いることによって、従来では、狭い車内等において、抜止片を折損する虞から、抜止片を指で押して撓ませて掛止させる操作を強いられることもあり、また離脱時にも抜止片を指で押して外す必要があったが、本実施例に係る合成樹脂製フックHでは、掛止させる際には、開閉軸22から先端部材21が回動して抜止片2にかかる負荷を逃し、離脱時には洗濯鋏を摘むように操作体20とフック本体1とを片手で摘むだけでよく、取扱い性を非常に向上させることができるのである。
【0037】
上記実施例では回動軸33は、本体側軸形成部15、抜止体側軸形成部25、第一ばね30の組合わせによって形成しているが、本発明では上記実施例に限らず、例えば、上記実施例の開閉軸22と同様の構成を適用して、軸体と軸穴とねじれコイルばねの組み合わせによって回動軸33を形成することもできる。尚、本実施例に示した、本体側軸形成部15、抜止体側軸形成部25、第一ばね30(板ばね30a)の組合わせで回動軸33を形成した構成は、フック本体1と操作体20とを組合わせて板ばね30aを挿入挟持させるだけでよく、製造時の組立作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックを示す(イ)正面図及び(ロ)背面図である。
【図2】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックを示す(イ)右側面図及び(ロ)A−A断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックの(イ)掛止操作時における開口状態を示す断面図、(ロ)離脱操作時における開口状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックの離脱操作を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックの操作体を示す(イ)正面図、(ロ)背面図、(ハ)右側面図及び(ニ)B−B断面図である。
【図6】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックの先端部材を示す(イ)正面図、(ロ)背面図、(ハ)右側面図及び(ニ)C−C断面図である。
【図7】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックの抜止片の組立状態を示す背面図である。
【図8】本発明の実施例に係る合成樹脂製フック本体の(イ)正面図、(ロ)D−D断面図である。
【図9】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックを備えた伸縮性ネットを示す説明図である。
【図10】本発明の実施例に係る合成樹脂製フックを備えた茄子環を示す正面図である。
【符号の説明】
【0039】
H 合成樹脂製フック
N 伸縮性ネット
1 フック本体
10 鉤部
11 保持部
110 突起
111 基端
12 掛止空間
14 側壁
15 本体側軸形成部
150 凹部
151 回動軸形成突起
16 リブ
2 抜止片
20 操作体
200 保持溝
21 先端部材
210 保持凹部
211 軸受部
22 開閉軸
22a 軸体
23 操作部
24 側壁
25 抜止体側軸形成部
250 間隙
251 回動軸形成凹部
252 傾斜面
26 回動規制手段
27 斜面
30 第一ばね
30a 板ばね
300 固定部
31 第二ばね
31a ねじりコイルばね
32 第一ばね収納空間
33 回動軸
4 茄子環
40 環体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉤状のフック本体と、該フック本体に開閉自在に取付けられる抜止片とを備える合成樹脂製フックにおいて、フック本体の掛止操作時の開閉の軸となる開閉軸と、離脱操作時の開閉の軸となる回動軸とを別個に備えたことを特徴とする合成樹脂製フック。
【請求項2】
抜止片は、操作体と先端部材とを備え、開閉軸が操作体と先端部材との軸中心となり、回動軸がフック本体と操作体との軸中心とし、
合成樹脂製フックの閉塞状態を基準として、抜止片はばね付勢力に抗して外側方向のみに開き、先端部材はばね付勢力に抗して内側方向のみに開く構成としたことを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製フック。
【請求項3】
フック本体の表面側には本体側軸形成部を形成し、抜止体の裏面側には抜止体側軸形成部を形成し、前記本体側軸形成部と抜止体側軸形成部の相互の当接面には、突起と該突起の嵌る凹部とを形成し、前記本体側軸形成部と抜止体側軸形成部を第一ばねで挟持した構成として、フック本体と抜止体とが回動軸を中心として開閉することを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製フック。
【請求項4】
操作体は先端部材の外側への開きを規制する回動規制手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の合成樹脂製フック。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4記載の合成樹脂製フックを備えた伸縮性ネット。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4記載の合成樹脂製フックのフック本体に環体を取付けてなることを特徴とする茄子環。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−117428(P2007−117428A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314064(P2005−314064)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000114606)モリト株式会社 (198)
【Fターム(参考)】