合成樹脂製管継手
【課題】本考案の目的は継手のゲート部に不要のバリが発生することを防ぎ、後加工をなくし、外観に優れた製品合格率の高い管継手を提供することである。
【解決手段】合成樹脂製管継手１の管軸２の方向に金型１０のパーティング面１１があり、サブマリンゲート１２で射出成形される管継手１において、管継手１のゲート出口３は、管継手１の管外周面接線方向平面４の上に形成されているものである。
【解決手段】合成樹脂製管継手１の管軸２の方向に金型１０のパーティング面１１があり、サブマリンゲート１２で射出成形される管継手１において、管継手１のゲート出口３は、管継手１の管外周面接線方向平面４の上に形成されているものである。
【考案の詳細な説明】
【０００１】
【考案の属する技術分野】
本発明は合成樹脂製管継手に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製管継手は塩化ビニル樹脂などの熱可塑性合成樹脂を射出成形機内で溶融し、金型のゲートから管継手形状のキャビティ内に射出し、冷却固化させて成形した後、金型から離型する。
この時ゲートをサブマリンゲート（トンネルゲートともいう）にすると、型開きの際に、金型のゲート部エッジにより自動的に管継手のゲートが切断されるので、後加工でゲートの切断をする必要がないという利点がある。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、図５に示すように、管継手の円筒曲面部にゲート出口を設けると、型開きにともない、点線Ｇでサブマリンゲートが切断され、製品面に鋭利なバリが発生する。そのため、バリを後加工で切削する必要があるという問題があった。
【０００４】
本考案は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本考案の目的は継手のゲート部に不要のバリが発生することを防ぎ、後加工を不要にし、外観に優れ、製品合格率の高い管継手を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の本考案は、合成樹脂製管継手の管軸方向に、管継手金型のパーティング面があり、サブマリンゲートで射出成形される管継手において、管継手のゲート出口は、管継手の管外周面接線方向の平面上に形成されている。
【０００６】
【作用】
請求項１記載の本考案は、合成樹脂製管継手の管軸方向に、管継手金型のパーティング面があり、サブマリンゲートで射出成形される管継手において、管継手のゲート出口は、円筒曲面部ではなく、管継手の管外周面接線方向の平面上に形成されているので、管継手金型の型開きの際に、継手のゲート出口周辺の平面上に沿って、金型のゲート部エッジで、ゲートが切断され、余分なバリが生じることはない。
また、管継手本体断面の管外周面接線方向にある平面を含む台部を形成し、必要以上に成形品から台部が突出することがないので外観に優れる。
【０００７】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。図１は、本考案の一実施例である管継手（ソケット）の、金型内における断面図である。図１において、１は管継手であって、１０は管継手１の金型である。１０Ａは可動金型、１０Ｂは固定金型、１０Ｃはスライドコアである。管継手１の管軸２方向の平面に金型のパーティング面１１があり、管継手１はサブマリンゲート１２から、管継手１のキャビティ１４へ耐衝撃性の塩化ビニル樹脂で射出成形されている。
【０００８】
管継手１のゲート出口３の周囲には、管継手１の金型１０Ａ、１０Ｂのパーティング面１１から、管継手１の管外周面接線方向の片側へ、パーティング面１１に対して垂直に矩形の平面４が形成されており、さらに図２に示すように、平面４及び、平面４から管継手１の円筒曲面に達する傾斜面６Ａ、６Ｂ、６Ｃにより、台部５が形成されている。
【０００９】
射出成形の冷却工程の完了後、管継手１は可動金型１０Ａ、及び可動金型１０Ａに付設されたスライドコア１０Ｃとともに、パーティング面１１に対して垂直（矢印）方向に移動し、金型１０は型開きする。
この時、管継手１は固定金型１０Ｂから離されるので、パーティング面１１に対し垂直方向の面を持つ固定金型ゲート出口のエッジ１３により、管継手１のゲート出口３周辺の台部５の平面４上に沿ってサブマリンゲート１２が切断される。
さらにスライドコア１０Ｃがスライド移動し管継手１から離され、さらに図示しない突き出しピンにより、可動型１０Ａから突き出され、管継手１は不要なバリが生じることなく、金型１０から離型され、取り出される。
【００１０】
図２は図１の管継手（ソケット）の斜視図である。図２において、管継手１の表面には、金型１０のパーティング面１１に沿って、パーティングライン７が生じる。平面４は、パーティングライン７から始まり、管継手１のゲート出口３を含み管外周面接線方向に延長されている。平面４及び平面６Ａ、６Ｂ、６Ｃにより台部５を形成している。
【００１１】
ゲート出口３の含まれる平面４において、パーティングライン７からゲート出口３までの長さ、及びゲート径は、成形品の形状により異なるが、ゲート出口３から延長される平面の長さは、ゲート直径の略０．１倍から３倍にするのが好ましい。
【００１２】
図３及び図４は本考案の別の実施例であり、図３は管継手（エルボ）２１の斜視図である。管継手２１のパーティングライン２７から、管継手２１の管外周面接線方向にゲート出口２３を含む半楕円の平面２４が形成され、台部２５を構成している。
図４は管継手（チーズ）３１の斜視図であり、管継手３１のパーティングライン３７から、管継手３１の管外周面接線方向に、ゲート出口３３を含む半円の平面３４が形成され、台部３５を構成している。
【００１３】
なお、本考案は排水ますのプラグ、排水管の支管の部品などの管形状を含む成形品であっても良い。
【００１４】
【考案の効果】
請求項１記載の合成樹脂製管継手は、余分なバリが生じることがなく、後加工を不要にしたため、コストダウンが可能となる。また台部の不必要な突出がなく、外観に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案の一実施例である管継手の金型内における断面図である。
【図２】図１の管継手（ソケット）の斜視図である。
【図３】本考案の他の実施例である管継手（エルボ）の斜視図である。
【図４】本考案の他の実施例である管継手（チーズ）の斜視図である。
【図５】従来の管継手の金型内における断面図である。
【符号の説明】
１、２１、３１ 管継手
２ 管軸
３、２３、３３ ゲート出口
４、２４、３４ 平面
１０ 金型
１１ パーティング面
【０００１】
【考案の属する技術分野】
本発明は合成樹脂製管継手に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、合成樹脂製管継手は塩化ビニル樹脂などの熱可塑性合成樹脂を射出成形機内で溶融し、金型のゲートから管継手形状のキャビティ内に射出し、冷却固化させて成形した後、金型から離型する。
この時ゲートをサブマリンゲート（トンネルゲートともいう）にすると、型開きの際に、金型のゲート部エッジにより自動的に管継手のゲートが切断されるので、後加工でゲートの切断をする必要がないという利点がある。
【０００３】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、図５に示すように、管継手の円筒曲面部にゲート出口を設けると、型開きにともない、点線Ｇでサブマリンゲートが切断され、製品面に鋭利なバリが発生する。そのため、バリを後加工で切削する必要があるという問題があった。
【０００４】
本考案は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本考案の目的は継手のゲート部に不要のバリが発生することを防ぎ、後加工を不要にし、外観に優れ、製品合格率の高い管継手を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の本考案は、合成樹脂製管継手の管軸方向に、管継手金型のパーティング面があり、サブマリンゲートで射出成形される管継手において、管継手のゲート出口は、管継手の管外周面接線方向の平面上に形成されている。
【０００６】
【作用】
請求項１記載の本考案は、合成樹脂製管継手の管軸方向に、管継手金型のパーティング面があり、サブマリンゲートで射出成形される管継手において、管継手のゲート出口は、円筒曲面部ではなく、管継手の管外周面接線方向の平面上に形成されているので、管継手金型の型開きの際に、継手のゲート出口周辺の平面上に沿って、金型のゲート部エッジで、ゲートが切断され、余分なバリが生じることはない。
また、管継手本体断面の管外周面接線方向にある平面を含む台部を形成し、必要以上に成形品から台部が突出することがないので外観に優れる。
【０００７】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。図１は、本考案の一実施例である管継手（ソケット）の、金型内における断面図である。図１において、１は管継手であって、１０は管継手１の金型である。１０Ａは可動金型、１０Ｂは固定金型、１０Ｃはスライドコアである。管継手１の管軸２方向の平面に金型のパーティング面１１があり、管継手１はサブマリンゲート１２から、管継手１のキャビティ１４へ耐衝撃性の塩化ビニル樹脂で射出成形されている。
【０００８】
管継手１のゲート出口３の周囲には、管継手１の金型１０Ａ、１０Ｂのパーティング面１１から、管継手１の管外周面接線方向の片側へ、パーティング面１１に対して垂直に矩形の平面４が形成されており、さらに図２に示すように、平面４及び、平面４から管継手１の円筒曲面に達する傾斜面６Ａ、６Ｂ、６Ｃにより、台部５が形成されている。
【０００９】
射出成形の冷却工程の完了後、管継手１は可動金型１０Ａ、及び可動金型１０Ａに付設されたスライドコア１０Ｃとともに、パーティング面１１に対して垂直（矢印）方向に移動し、金型１０は型開きする。
この時、管継手１は固定金型１０Ｂから離されるので、パーティング面１１に対し垂直方向の面を持つ固定金型ゲート出口のエッジ１３により、管継手１のゲート出口３周辺の台部５の平面４上に沿ってサブマリンゲート１２が切断される。
さらにスライドコア１０Ｃがスライド移動し管継手１から離され、さらに図示しない突き出しピンにより、可動型１０Ａから突き出され、管継手１は不要なバリが生じることなく、金型１０から離型され、取り出される。
【００１０】
図２は図１の管継手（ソケット）の斜視図である。図２において、管継手１の表面には、金型１０のパーティング面１１に沿って、パーティングライン７が生じる。平面４は、パーティングライン７から始まり、管継手１のゲート出口３を含み管外周面接線方向に延長されている。平面４及び平面６Ａ、６Ｂ、６Ｃにより台部５を形成している。
【００１１】
ゲート出口３の含まれる平面４において、パーティングライン７からゲート出口３までの長さ、及びゲート径は、成形品の形状により異なるが、ゲート出口３から延長される平面の長さは、ゲート直径の略０．１倍から３倍にするのが好ましい。
【００１２】
図３及び図４は本考案の別の実施例であり、図３は管継手（エルボ）２１の斜視図である。管継手２１のパーティングライン２７から、管継手２１の管外周面接線方向にゲート出口２３を含む半楕円の平面２４が形成され、台部２５を構成している。
図４は管継手（チーズ）３１の斜視図であり、管継手３１のパーティングライン３７から、管継手３１の管外周面接線方向に、ゲート出口３３を含む半円の平面３４が形成され、台部３５を構成している。
【００１３】
なお、本考案は排水ますのプラグ、排水管の支管の部品などの管形状を含む成形品であっても良い。
【００１４】
【考案の効果】
請求項１記載の合成樹脂製管継手は、余分なバリが生じることがなく、後加工を不要にしたため、コストダウンが可能となる。また台部の不必要な突出がなく、外観に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案の一実施例である管継手の金型内における断面図である。
【図２】図１の管継手（ソケット）の斜視図である。
【図３】本考案の他の実施例である管継手（エルボ）の斜視図である。
【図４】本考案の他の実施例である管継手（チーズ）の斜視図である。
【図５】従来の管継手の金型内における断面図である。
【符号の説明】
１、２１、３１ 管継手
２ 管軸
３、２３、３３ ゲート出口
４、２４、３４ 平面
１０ 金型
１１ パーティング面
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項１】 合成樹脂製管継手の管軸方向に、管継手金型のパーティング面があり、サブマリンゲートで射出成形される管継手において、管継手のゲート出口は、管継手の管外周面接線方向の平面上に形成されることを特徴とする管継手。
【請求項１】 合成樹脂製管継手の管軸方向に、管継手金型のパーティング面があり、サブマリンゲートで射出成形される管継手において、管継手のゲート出口は、管継手の管外周面接線方向の平面上に形成されることを特徴とする管継手。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【登録番号】実用新案登録第３０８２２７３号（Ｕ３０８２２７３）
【登録日】平成１３年９月１２日（２００１．９．１２）
【発行日】平成１３年１２月７日（２００１．１２．７）
【考案の名称】合成樹脂製管継手
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願２００１−３４４９（Ｕ２００１−３４４９）
【出願日】平成１３年５月３０日（２００１．５．３０）
【出願人】（００００００５０５）アロン化成株式会社 (317)
【登録日】平成１３年９月１２日（２００１．９．１２）
【発行日】平成１３年１２月７日（２００１．１２．７）
【考案の名称】合成樹脂製管継手
【国際特許分類】
【出願番号】実願２００１−３４４９（Ｕ２００１−３４４９）
【出願日】平成１３年５月３０日（２００１．５．３０）
【出願人】（００００００５０５）アロン化成株式会社 (317)
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