説明

同軸ケーブル接続装置

【課題】既存の同軸ケーブルを加工せずに接続される機器の接続性を向上すること。
【解決手段】
同軸ケーブル6を接続する接続部10と、同軸ケーブル6を通じて信号を処理する装置の状態を表す所定の値を検出する状態検出部3と、状態検出部3の検出値に基づいて、同軸ケーブル6の芯線5を固定する固定手段とを備え、固定手段は、芯線5を固定するために、芯線5を実質上対向する方向から挟み込む一対の絶縁性の把持部8、及び各々の把持部8を芯線5に向かって移動させる一対の駆動部14とを有する、同軸ケーブル接続装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブルの接続に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、同軸ケーブルの端末部の接続信頼性を向上させる同軸コネクタ構造が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1には、同軸線の末端部を加工することにより、この末端部にメス型コネクタハウジングを装着し、同軸線の接続先にはオス型コネクタハウジングを装着し、これらハウジング同士を嵌合させることによって同軸線を接続する同軸コネクタ構造が開示されている。
【特許文献1】特開2003−77595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の同軸ケーブルのコネクタ構造を利用しようとすると、既存の同軸ケーブルを加工してから同軸コネクタ構造に取り付けなければならなかった。
【0005】
上記従来の課題を考慮し、本発明の目的は、既設の同軸ケーブルを加工せずに、同軸ケーブルの接続信頼性を向上する、又は、設置された機器にとって安定した状態を保ち続けることが可能な同軸ケーブル接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
同軸ケーブルを接続する接続部と、
前記同軸ケーブルを通じて信号を処理する装置の状態を表す所定の値を検出する状態検出部と、
前記状態検出部の検出値に基づいて、前記同軸ケーブルの芯線を固定する固定手段とを備えた、同軸ケーブル接続装置である。
【0007】
又、第2の本発明は、
前記固定手段は、
前記芯線を固定するために、前記芯線を実質上対向する方向から挟み込む一対の絶縁性の把持部、及び各々の前記把持部を前記芯線に向かって移動させる一対の駆動部を有する、第1の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【0008】
又、第3の本発明は、
前記駆動部は、
前記把持部と接続している金属製の棒状部材と、
前記棒状部材の挿入されるソレノイドコイルとを有しており、
前記把持部、前記金属製棒状部材、及び前記ソレノイドコイルは、前記接続部に設置されており、
前記状態検出部の検出値に基づいて、前記ソレノイドコイルが通電され、前記棒状部材及び前記把持部が前記芯線に向かって移動する、第2の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【0009】
又、第4の本発明は、
同軸ケーブルを接続する接続部と、
前記同軸ケーブルを通じて信号を処理する装置の状態を表す所定の値を検出する状態検出部と、
前記状態検出部の検出値に基づいて、表示する表示手段と、
前記同軸ケーブルの芯線を固定する固定手段と、
前記固定手段を駆動させる操作手段とを備えた、同軸ケーブル接続装置である。
【0010】
又、第5の本発明は、
前記固定手段は、前記芯線を固定するために、前記芯線を実質上対向する方向から挟み込む一対の絶縁性の把持部を有し、
前記操作手段は、スイッチと、前記スイッチと前記把持部の間を接続するワイヤとを有し、前記把持部、前記スイッチ、及び前記ワイヤは前記接続部に設けられている、第4の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【0011】
又、第6の本発明は、
前記所定の値を記憶する状態保存部を更に備え、
前記状態検出部によって前記状態保存部に記憶されている値と、予め決められた閾値が比較され、前記値が前記閾値を超えた場合に、前記同軸ケーブルの芯線は前記固定手段によって固定される、第1又は4の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【0012】
又、第7の本発明は、
前記装置は、TVであり、
前記所定の値とは、前記TVの受信レベルである、第1又は4の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【0013】
又、第8の本発明は、
前記装置は、データ処理装置であり、
前記所定の値とは、データ通信速度である、第1又は4の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【0014】
又、第9の本発明は、
前記接続部は、前記同軸ケーブルがねじ込まれるねじ込み部を有し、
前記ねじ込み部は、その表面に前記同軸ケーブルがねじ込まれることによって削られる印を有している、第1又は4の本発明の同軸ケーブル接続装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、既設の同軸ケーブルを加工せずに、同軸ケーブルの接続信頼性を向上する、又は、設置された機器にとって安定した状態を保ち続けることが可能な同軸ケーブル接続装置を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1における同軸ケーブル接続装置の上面図である。
【0018】
本実施の形態1における同軸ケーブル接続装置7は、所定の規格寸法に準拠した同軸ケーブル6と接続可能な形状及び寸法である。図1に示すように、この同軸ケーブル接続装置7が設置された本発明の装置の一例は、TV9と仮定する。又、同軸ケーブル接続装置7は、TVに取り付ける板形状のボード部18と、ボード部18と同軸ケーブル6の間を接続する接続部10とを備えている。このボード部18には、TV放送波の受信レベルを所定の周期で記憶する状態保持部4と、状態保持部4に記憶されている受信レベルと閾値との比較を行い、閾値を超えたか否かを判断する状態検出部3とが設置されている。
【0019】
又、同軸ケーブル6の先端には、ナット11が設けられており、同軸ケーブル6の中心には、芯線5が配置されている。
【0020】
接続部10は、ナット11に挿入される筒形状の同軸ケーブル接続部12(先端部分)と、同軸ケーブル接続部12とボード部18の間を接続するボード接続部19(後端部分)とを有している。このボード接続部19は実質上直方体形状であり、その一面がボード1部8に設置されており、他の一面に、ボード部18の平面と平行になるように同軸ケーブル接続部12が設置されている。この同軸ケーブル接続部12の外周面12aには、ナット11に対応するネジ山13が形成されている。尚、図1において説明のために、ネジ山13は同軸ケーブル接続部12の途中までしか図示していないが、後述する図11に示すように同軸ケーブル接続部12の先端までネジ山は形成されている。
【0021】
図2は、図1の紙面と平行方向の断面図である。又、図3は、図1のAA′間の断面図である。尚、図2及び図3において、芯線5とTV9の間を電気的に接続する構造については図示していない。
【0022】
図2及び3に示すように、接続部10の同軸ケーブル接続部12の内周面12bに、互いに対向するように2個のソレノイドコイル14が設置されている。このソレノイドコイル14には、それぞれ金属製の棒状部材15が挿入されており、この棒状部材15の先端には、芯線5を固定するための把持部8が設置されている。この把持部8は絶縁性の材料、例えばプラスチック等で形成されている。
【0023】
図3に示すように、把持部8は、Y字形状であり、そのY字の二股が同軸ケーブル接続部12の内周中心方向(同軸ケーブル6を接続した場合の芯線5の方向)に向くように配置されている。又、棒状部材15の把持部8が接続されている部分の近傍に、一端が接続されたバネ16が設置されている。このバネ16の他端は、その棒状部材15が挿入されているソレノイドコイル14が設置されている内周面12bの近傍に接続されている。
【0024】
又、図2に示すように状態検出部3からの検出結果に基づいて、TVから状態検出部3を介してソレノイドコイル14に電気を供給するための配線2が設置されている。
【0025】
上記構成の本実施の形態1における同軸ケーブル接続装置の動作を以下に述べる。TV9に設置された同軸ケーブル接続装置7が、接続された同軸ケーブル6を固定する方法は、以下のような手順になる。
【0026】
同軸ケーブル6のナット11内に同軸ケーブル接続部12を挿入し、ネジ山13にナット11を嵌める。これにより、芯線5が接続部10を介してTV9と電気的に接続される。
【0027】
状態検出部3にTV放送波が安定した状態で受信できる受信レベルの閾値が設定される(例えば30[dBmV])。ここでの値は、システム(機器)依存であることは言うまでもない。
【0028】
TV9の電源が入ると、状態保持部4はTV9が受信してるTV放送波の受信レベルを一定の周期で保存する。
【0029】
状態検出部3は、一定の周期で状態保持部4に保存されている受信レベル値を、信号線17を介して取得する。
【0030】
状態保持部4から取得した受信レベル値が、状態検出部3にあらかじめ設定された閾値以上であるならば、TV9からソレノイドコイル14に電力を供給するように、状態検出部3が制御を行う。
【0031】
2つのソレノイドコイル14のそれぞれに電力が供給されると、棒状部材15は、同軸ケーブル接続部12の内周の中心方向に移動する。そして、2つの把持部8によって芯線5は挟み込まれ固定される。この状態を図4及び図5に示す。図4は、図2の断面図において定着装置が芯線5を把持している状態を示している。又、図5は、図3の断面図において定着装置が芯線5を把持している状態を示している。
【0032】
上述したように、安定した受信レベルを受信した時点で接続された同軸ケーブル6の芯線5を固定することにより、同軸ケーブル6の緩みはより生じなくなり、同軸ケーブル6の緩みによる映像の乱れが生じる可能性がより少なくなる。
【0033】
また、TV放送波の受信レベルが最適になった時点で固定部に信号を送信し、同軸ケーブルの芯線を固定することにより、より安定した放送を受信することを保つことができる。
【0034】
また、上述したように、芯線を固定することにより、同軸ケーブルの固定を行っているため、同軸ケーブルの接続部を特別な形状に加工する必要なく、同軸ケーブルを装置に固定することが可能となる。
【0035】
尚、本実施の形態1では、同軸ケーブルの先端にナットが設置され、同軸ケーブル接続装置にはナットに対応したネジ山が形成されているが、ナット及びネジ山がなくてもよく、同軸ケーブルの芯線を同軸ケーブル接続装置に差し込む構成であれば、本発明は適用可能である。
【0036】
なお、実施の形態1で示される同軸ケーブル接続装置7が設置される対象機器は、TV放送波を受信する機器であればよいことは言うまでもない。
【0037】
又、本実施の形態1では、状態保持部4がTVの受信してるTV放送波の受信レベルを一定の周期で保存していたが、TVは自身が受信している受信レベルを容易に知ることが可能であるため、自身の電源が入ると、TVが受信しているTV放送波の受信レベルを一定の周期で状態保持部4に保存してもよい。
【0038】
又、本実施の形態1では、ソレノイドコイル14への電力の供給をTV9から行っていたが、同軸ケーブル接続装置7が電池等を有していて、そこからソレノイドコイル14へ電力を供給しても良い。
【0039】
又、同軸ケーブル6を取り外す際には、TV9の電源をOFFにすることによってソレノイドコイル14への電力の供給が停止するため、バネ16によって棒状部材15は、ソレノイドコイル14内へと引っ張られ、芯線5の固定は解除される。尚、バネ16を設けていなくても、ソレノイドコイル14への電力の供給が停止すれば、芯線5を把持する力はなくなるため同軸ケーブル6を抜くことは可能であるが、芯線5を傷付けないためにもバネ16を設けた方がより好ましい。
【0040】
又、TV9の受信レベルが閾値よりも低下した場合には、ソレノイドコイル14への電力の供給を停止し芯線5を開放するような制御を行っても良い。この場合、例えば、ユーザーがナット11を締め直し、受信レベルが閾値以上になった場合には、再び芯線5が固定される。
【0041】
又、本実施の形態1では、ボード部18上に状態保持部4及び状態検出部3を設けていたが、ボード部を設けずに、状態保持部4及び状態検出部3を接続部10に設けてもよい。
【0042】
又、本実施の形態1では、ボード部18が取り付けられているTV9の側面と平行に同軸ケーブル接続部12が設けられているが、垂直に設けられていてもよく、同軸ケーブル接続部12の取付方向に制限はない。
【0043】
(実施の形態2)
図6は、本発明にかかる実施の形態2における同軸ケーブル接続装置の断面図である。
尚、本実施の形態2における同軸ケーブル接続装置は、実施の形態1と基本的構成は同じであるが、芯線5を固定するための把持部を動作させる手段が異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。又、実施の形態1と同一の構成要素については、同一の符号を付している。本実施の形態2では、同軸ケーブル接続装置が設置された本発明のデータ処理装置の一例は、ケーブルモデム21であると仮定する。そのため、本実施の形態2におけるケーブル接続装置20の状態保持部4は、ケーブルモデム21の通信速度を所定の周期で記憶を行う。
【0044】
図6に示すように、本実施の形態2の同軸ケーブル接続装置20は、ボード部20に
設置されたランプ20を更に備えている。このランプ20は、状態保持部4に記憶されている通信速度と閾値が状態検出部3によって比較され、閾値を超えた場合に点灯する。又、閾値を超えたと判定した場合に、状態検出部3から信号をランプ22に送信するための信号線23が設置されている。
【0045】
又、本実施の形態2は、実施の形態1のソレノイドコイル14、棒状部材15、及び配線2を備えておらず、スイッチ24、ワイヤ25等を備えている。以下、本実施の形態2における、本発明の固定手段及び操作手段の一例について詳しく説明する。
【0046】
本実施の形態2の同軸ケーブル接続装置20の同軸ケーブル接続部12の内周面12bに、内周の中心に向かって互いに対向するように、円柱形状の2つの支持部材26が設置されている。これら支持部材26を覆うように円筒形状の筒状部材27がそれぞれ設置されており、この筒状部材27の先端に、実施の形態1で説明した把持部8が接続されている。
【0047】
又、ボード接続部19の同軸ケーブル接続部12に対して反対側の面19aには、2つのスイッチ24が配置されている。これら2つのスイッチ24と2つの筒状部材27は、それぞれワイヤ25で接続されている。又、筒状部材27を基準にして、ボード接続部19側であって、2つの筒状部材27の近傍の内周面23b上には、それぞれ、ワイヤ25を筒状部材27の先端方向に導くようにガイド28が設置されている。又、ガイド28に対向するようにローラ29が設けられている。ワイヤ25は、同軸ケーブル接続部12の中心軸と実質上平行に内周面23bに沿って配置されており、ガイド28とローラ29の間を通って筒状部材27に接続されている。
【0048】
図7は、スイッチ24の斜視図である。スイッチ24は、円盤形状の押さえ部材30と、押さえ部材30の平面に垂直に設置されている円柱部材31と、押さえ部材30の平面と平行になるように、円柱部材31の側面に設置されている1対の四角柱形状の固定部材32とを有している。1対の固定部材32は、それらの中心軸を結ぶ線が円柱部材31の中心軸を通るように配置されている。
【0049】
図8は、ボード接続部19の同軸ケーブル接続部12に対して反対側の面19aをスイッチ24が挿入される方向から見た平面図である。図8に示すようにボード接続部の後端側の面19aには、スイッチ24が挿入される穴33が2つ開口されている。この穴33は、円柱部材31及び固定部材32が挿入可能な形状となっている。
【0050】
上記構成の本実施の形態2における同軸ケーブル接続装置の動作について以下に説明する。ケーブルモデム21に設置された同軸ケーブル接続装置20が、設置された同軸ケーブル6を固定する方法は、以下のような手順になる。
【0051】
同軸ケーブル6のナット11内に同軸ケーブル接続部12を挿入し、ネジ山13にナット11を嵌める。これにより、芯線5が接続部10を介してケーブルモデム21と電気的に接続される。
【0052】
状態検出部3にデータ通信を安定した状態で行うことができる物理速度の閾値が設定される(例えば100[Mbps])。ここでの値は、システム(機器)依存であることは言うまでもない。
【0053】
ケーブルモデム21の電源が入ると、状態保持部4は、ケーブルモデム21が送受信している物理リンク速度を一定の周期で保存する。
【0054】
状態検出部3は、一定の周期で状態保持部4に保存されている物理速度を、信号線17を介して取得する。
【0055】
状態保持部4から取得した通信速度の値が、状態検出部3にあらかじめ設定された閾値以上であるならば、状態検出部3は信号線23を介してランプ22に信号を送信し、ランプ22は点灯する。
【0056】
ランプ22が点灯してることによって、データ通信が安定した状態で行われていることをユーザーは判別できる。そこで、ユーザーはスイッチ24を図6の矢印方向に押し込む。ここで図6に示すように、スイッチ24を押し込む前は、固定部材32はボード接続部19内には挿入されていない。そして、押さえ部材30を押すことによって、固定部材32は穴33を介して接続部10内に挿入される。そして、挿入後、図9(a)から図9(b)に示すように、スイッチ24を円柱部材31の軸方向に90度程度回転させる。このように、回転させることによって、振動などがあってもスイッチ24が穴33から抜けることを防ぐことが可能となる。
【0057】
上述のようにスイッチ24を接続部10内に押し込むと、連動しているワイヤ25も矢印方向に移動し、ワイヤ25と連結されている筒状部材27も中心方向へ移動する。2つの筒状部材27及び把持部8の中心方向への移動によって、対向する把持部8によって挟まれ、芯線5は固定される。この状態を示すのが、図10の断面図である。
【0058】
このように、安定した受信レベルを受信した時点で接続された同軸ケーブル6の芯線5を固定することにより、同軸ケーブル6の緩みはより生じなくなり、同軸ケーブル6の緩みによるデータ通信ができなくなったり、速度が落ちたりする可能性がより少なくなり、高い品質の通信環境を提供することが出来る。
【0059】
又、固定部材32を設けることによって、スイッチ24が押し込んだ状態で固定されているため、振動があった場合でも芯線5の固定が緩むのを防止することが出来る。
【0060】
尚、本実施の形態2の同軸ケーブル接続装置は、本発明のデータ処理装置の一例であるケーブルモデムに接続されているが、実施の形態1のようにTVに接続しても良い。
【0061】
又、本実施の形態2では、状態保持部4がケーブルモデム21の送受信してる通信速度を一定の周期で保存していたが、ケーブルモデム21は、自身が送受信している物理リンク速度を容易に知ることが可能であるため、自身の電源が入ると、多機器とリンクしている状態の物理リンク速度を、一定の周期で状態保持部4に送信しても良い。
【0062】
なお、本実施の形態2で示される同軸ケーブル接続装置7が設置される対象機器は、データ通信速度が取得できる通信機器であれば良いことは言うまでもない。
【0063】
又、本発明の表示手段の一例は、本実施の形態2ではランプ22に相当するが、点灯するだけでなく、受信レベルが最適になった旨の表示を行う液晶パネル等の表示手段であってもよい。又、状態検出部3がランプ22を兼ねていてもよい。
【0064】
又、実施の形態1及び2の構成に限らなくてもよく、要するに装置の状態に基づいて芯線5を固定することが出来さえすればよい。
【0065】
(実施の形態3)
図11(a)、(b)、(c)に本発明にかかる実施の形態3における同軸ケーブル接続装置の構成図を示す。図11(a)は、本実施の形態3における同軸ケーブル接続装置に同軸ケーブルを接続する前の状態を示す図である。図11(b)は、同軸ケーブル接続装置に同軸ケーブルを接続した状態を示す図である。図11(c)は、同軸ケーブル接続装置に接続した同軸ケーブルが緩んだ状態を示す図である。
【0066】
図11(a)に示すように、本実施の形態3の同軸ケーブル接続装置には、実施の形態1と比較して、ネジ山13が形成されている同軸ケーブル接続部12の部分に一本のシールによって印34が付けられている。この印34は、同軸ケーブル6の接続方向に沿って形成されている。
【0067】
図11(a)に示す状態から同軸ケーブル6が接続され、図11(b)のような状態になると、印34が同軸ケーブル6のナット11のねじ込みにより削られる。もし、何らかの原因により同軸ケーブル6が緩み図11(c)のような状態になった場合、35に示される部分は削られ、無くなっている。
【0068】
ねじ込み部分の印34が同軸ケーブル6のねじ込みと同時に削られることにより、同軸ケーブル6が緩んだ場合、前回の固定位置が視覚的にわかるため、接続が緩んだことが容易に判別出来、同軸ケーブル接続装置7が設置された機器が不具合を起こした場合の原因解析の一つとなる。
【0069】
尚、本発明のねじ込み部は、本実施の形態3の同軸ケーブル接続部12のネジ山13が形成されている部分に相当し、印34は、一本のシールで示したが、ねじ込み部分全てに印を付けても良いことは言うまでもない。また、印はシールでも塗装でもねじ込みによって削られるものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の同軸ケーブル接続装置は、既設の同軸ケーブルを加工せずに、同軸ケーブルの接続信頼性を向上する、又は、設置された機器にとって安定した状態を保ち続けることが可能な効果を有し、既設のTV端子を利用したあらゆる機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における同軸ケーブル接続装置の上面図
【図2】本発明にかかる実施の形態1における同軸ケーブル接続装置の断面図
【図3】本発明にかかる実施の形態1における同軸ケーブル接続装置の接続方向に垂直な断面図
【図4】本発明にかかる実施の形態1における同軸ケーブル接続装置によって同軸ケーブルが固定されている状態を示す断面図
【図5】本発明にかかる実施の形態1における同軸ケーブル接続装置によって同軸ケーブルが固定されている状態の同軸ケーブル接続装置の接続方向に垂直な断面図
【図6】本発明にかかる実施の形態2における同軸ケーブル接続装置の断面図
【図7】本発明にかかる実施の形態2における同時ケーブル接続装置のスイッチの斜視図
【図8】本発明にかかる実施の形態2における同軸ケーブル接続装置の接続部の後端側の平面図
【図9】(a) 本発明にかかる実施の形態2における同軸ケーブル接続装置の接続部にスイッチを押し込む前のスイッチを示す上面図(b)本発明にかかる実施の形態2における同軸ケーブル接続装置の接続部にスイッチを押し込んだ後のスイッチを示す上面図
【図10】本発明にかかる実施の形態2における同軸ケーブル接続装置によって同軸ケーブルが固定されている状態を示す断面図
【図11】(a)本発明にかかる実施の形態3における同軸ケーブル接続装置に同軸ケーブルを接続する前の状態を示す図(b)本発明にかかる実施の形態3における同軸ケーブル接続装置に同軸ケーブルを接続した状態を示す図(c)本発明にかかる実施の形態3における同軸ケーブル接続装置に接続した同軸ケーブルが緩んだ状態を示す図
【符号の説明】
【0072】
2 配線
3 状態検出部
4 状態保持部
5 芯線
6 同軸ケーブル
7 同軸ケーブル接続装置
8 把持部
9 TV
10 接続部
11 ナット
12 同軸ケーブル接続部
13 ネジ山
14 ソレノイドコイル
15 棒状部材
16 バネ
17 信号線
18 ボード部
19 ボード接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルを接続する接続部と、
前記同軸ケーブルを通じて信号を処理する装置の状態を表す所定の値を検出する状態検出部と、
前記状態検出部の検出値に基づいて、前記同軸ケーブルの芯線を固定する固定手段とを備えた、同軸ケーブル接続装置。
【請求項2】
前記固定手段は、
前記芯線を固定するために、前記芯線を実質上対向する方向から挟み込む一対の絶縁性の把持部、及び各々の前記把持部を前記芯線に向かって移動させる一対の駆動部を有する、請求項1記載の同軸ケーブル接続装置。
【請求項3】
前記駆動部は、
前記把持部と接続している金属製の棒状部材と、
前記棒状部材の挿入されるソレノイドコイルとを有しており、
前記把持部、前記棒状部材、及び前記ソレノイドコイルは、前記接続部に設置されており、
前記状態検出部の検出値に基づいて、前記ソレノイドコイルが通電され、前記棒状部材及び前記把持部が前記芯線に向かって移動する、請求項2記載の同軸ケーブル接続装置。
【請求項4】
同軸ケーブルを接続する接続部と、
前記同軸ケーブルを通じて信号を処理する装置の状態を表す所定の値を検出する状態検出部と、
前記状態検出部の検出値に基づいて、表示する表示手段と、
前記同軸ケーブルの芯線を固定する固定手段と、
前記固定手段を駆動させる操作手段とを備えた、同軸ケーブル接続装置。
【請求項5】
前記固定手段は、前記芯線を固定するために、前記芯線を実質上対向する方向から挟み込む一対の絶縁性の把持部を有し、
前記操作手段は、スイッチと、前記スイッチと前記把持部の間を接続するワイヤとを有し、前記把持部、前記スイッチ、及び前記ワイヤは前記接続部に設けられている、請求項4記載の同軸ケーブル接続装置。
【請求項6】
前記所定の値を記憶する状態保存部を更に備え、
前記状態検出部によって前記状態保存部に記憶されている値と、予め決められた閾値が比較され、前記値が前記閾値を超えた場合に、前記同軸ケーブルの芯線は前記固定手段によって固定される、請求項1又は4記載の同軸ケーブル接続装置。
【請求項7】
前記装置は、TVであり、
前記所定の値とは、前記TVの受信レベルである、請求項1又は4記載の同軸ケーブル接続装置。
【請求項8】
前記装置は、データ処理装置であり、
前記所定の値とは、データ通信速度である、請求項1又は4記載の同軸ケーブル接続装置。
【請求項9】
前記接続部は、前記同軸ケーブルがねじ込まれるねじ込み部を有し、
前記ねじ込み部は、その表面に前記同軸ケーブルがねじ込まれることによって削られる印を有している、請求項1又は4記載の同軸ケーブル接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−48466(P2007−48466A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228428(P2005−228428)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)