説明

吐出ポンプ

【課題】コイルスプリングを形成する金属線材により、該コイルスプリングを上下方向に挟み込む部材が削られるのを抑制する。
【解決手段】内容物を収容した容器内に配置されるシリンダ11と、シリンダ内に配設されたコイルスプリング12と、コイルスプリングにより上方付勢状態で押し込み可能とされてシリンダの上方に起立したステム13と、ステムに連係されシリンダ内に上下摺動自在に配設されたピストン14と、ステムの上端部に装着されるとともにステム内に連通するノズルが形成された押下ヘッド15と、を備える吐出ポンプ1であって、コイルスプリングを形成する金属線材の両端面のうちの少なくとも一方は、ポンプ軸O方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線に対して傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、内容物を収容した容器内に配置されるシリンダと、該シリンダ内に配設されたコイルスプリングと、該コイルスプリングにより上方付勢状態で押し込み可能とされて前記シリンダの上方に起立したステムと、該ステムに連係され前記シリンダ内に上下摺動自在に配設されたピストンと、前記ステムの上端部に装着されるとともに該ステム内に連通するノズルが形成された押下ヘッドと、を備える吐出ポンプが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平8−6789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の吐出ポンプでは、押下ヘッドが、シリンダに対してステムとともにポンプ軸回りに回転したときに、コイルスプリングを形成する金属線材の端面の外周縁部が、コイルスプリングを上下方向に挟み込む部材に食い込みこれらの部材を削るおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、コイルスプリングを形成する金属線材により、該コイルスプリングを上下方向に挟み込む部材が削られるのを抑制することができる吐出ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の吐出ポンプは、内容物を収容した容器内に配置されるシリンダと、該シリンダ内に配設されたコイルスプリングと、該コイルスプリングにより上方付勢状態で押し込み可能とされて前記シリンダの上方に起立したステムと、該ステムに連係され前記シリンダ内に上下摺動自在に配設されたピストンと、前記ステムの上端部に装着されるとともに該ステム内に連通するノズルが形成された押下ヘッドと、を備える吐出ポンプであって、前記コイルスプリングを形成する金属線材の両端面のうちの少なくとも一方は、ポンプ軸方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線に対して傾斜していることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、前記金属線材の両端面のうちの少なくとも一方が、ポンプ軸方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線に対して傾斜しているので、金属線材の端面の外周縁部のうち、コイルスプリングを上下方向に挟み込む挟み込み部材上に位置するポンプ軸方向の外端縁を鈍角にすることで、押下ヘッドが、シリンダに対してステムとともにポンプ軸回りに回転したときに、金属線材の端面における前記外端縁を、前記挟み込み部材上を滑らせ易くして食い込み難くすることが可能になり、該挟み込み部材が削られるのを抑制することができる。
【0008】
ここで、前記金属線材の両端面はそれぞれ、ポンプ軸方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線に対して傾斜してもよい。
【0009】
この場合、前記金属線材の両端面がそれぞれ、前述のように傾斜しているので、この吐出ポンプを組み立てるときに、コイルスプリングの上下方向の向きを合わせなくてもよく、この吐出ポンプの製造効率の低下を防ぐことができる。
【0010】
また、前記押下ヘッドが螺着されて該押下ヘッドを押し込み端位置に保持する保持部材が備えられ、該吐出ポンプの上面視において、前記押下ヘッドの前記保持部材に対するポンプ軸回りに沿う緩み方向と、前記金属線材がポンプ軸回りにコイル状に巻回される巻回方向のうち上方から下方に向かう方向と、が一致してもよい。
【0011】
この場合、吐出ポンプの上面視において、前記緩み方向と、金属線材の前記巻回方向のうち上方から下方に向かう方向と、が一致しているので、内容物の使用に先立って押下ヘッドを保持部材から螺脱するために、押下ヘッドを保持部材に対して緩み方向に回転させたときに、押下ヘッドが押し込み端位置に位置していて金属線材の両端面がそれぞれ前記挟み込み部材に強く当接していることと相俟って、特に、前述の食い込みが生じ易くなっているにもかかわらず、この食い込みの発生を確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コイルスプリングを形成する金属線材により、該コイルスプリングを上下方向に挟み込む部材が削られるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る一実施形態として示した吐出ポンプの要部断面側面図である。
【図2】図1の吐出ポンプにおいて押下ヘッドを保持部材に螺着した状態を示す要部断面側面図である。
【図3】図1に示す吐出ポンプの一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る吐出ポンプ1は、図1に示されるように、内容物を収容した容器内に配置されるシリンダ11と、シリンダ11内に配設されたコイルスプリング12と、コイルスプリング12により上方付勢状態で押し込み可能とされてシリンダ11の上方に起立したステム13と、ステム13に連係されシリンダ11内に上下摺動自在に配設されたピストン14と、ステム13の上端部に装着されるとともにステム13内に連通するノズルが形成された押下ヘッド15と、を備えている。
【0015】
ここで本実施形態では、シリンダ11、コイルスプリング12、ステム13、ピストン14および押下ヘッド15はそれぞれ筒状に形成されていて、これら11〜15は共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸をポンプ軸Oといい、このポンプ軸O方向に沿って、押下ヘッド15側を上側、シリンダ11側を下側といい、ポンプ軸Oに直交する方向を径方向といい、ポンプ軸Oを中心に周回する方向を周方向という。
【0016】
図示の例では、吐出ポンプ1は、ポンプ軸Oと同軸に配設された有頂筒状の装着キャップ17を備え、この装着キャップ17が容器の口部に螺着されることにより容器に固定されている。
【0017】
シリンダ11の上部には、その全周にわたって径方向の外側に向けてフランジ部18が突設されるとともに、フランジ部18に下側から近接する環状のパッキン19が外嵌されている。これらのフランジ部18およびパッキン19は、吐出ポンプ1が装着キャップ17により容器に固定された状態で、装着キャップ17の天壁部17aと容器の口部の上端開口縁とにより上下方向に挟み込まれる。シリンダ11においてフランジ部18よりも上方に位置する上端部11aは、装着キャップ17の天壁部17aを貫いて上方に突出している。また、シリンダ11において装着キャップ17内に位置しかつパッキン19よりも下方に位置する部分には、このシリンダ11の内部と外部とを連通する空気孔11bが形成されている。
【0018】
シリンダ11の下部は、下方に向かうに従い漸次縮径された多段筒状に形成されている。そして、このシリンダ11の下端開口部内に吸上げパイプ20が嵌合されて下方に向けて延設されている。またシリンダ11の下端部には、下方に向かうに従い漸次縮径された筒状の弁座21が突設され、この弁座21上に球体弁22が離間自在に着座されている。これらの弁座21および球体弁22により、シリンダ11内において後述するピストンガイド27と弁座21との間に位置する収容室11cと、吸上げパイプ20内と、の連通、遮断が切り替えられる。さらに、シリンダ11の下部において、弁座21の上方に位置する部分には、周方向に沿って延在し、コイルスプリング12の下端が支持される環状の受け面23が径方向の内方に向けて突出している。
【0019】
ここで、シリンダ11の上部には、押下ヘッド15が螺着されて該押下ヘッド15を図2に示されるような押し込み端位置に保持する保持部材24が設けられている。
保持部材24は筒状に形成され、シリンダ11の上部内に嵌合された内筒24aと、内筒24aを径方向の外側から囲繞し、シリンダ11の上端部11aに外嵌された外筒24bと、を備え、内筒24aの上端部に押下ヘッド15が螺着される雌ねじ部が形成されている。
【0020】
ピストン14は、基筒部25と、ポンプ軸Oに沿う縦断面視で径方向の外側に向けて開口する弧状をなす摺動筒部26と、を備え、摺動筒部26の内周面における上下方向の中央部と、基筒部25の外周面における上下方向の中央部とが接続されている。なお、ピストン14は、シリンダ11内において前記空気孔11bよりも下方に位置する部分を上下摺動するように配設されている。
ステム13は、保持部材24の内筒24a内に上下動自在に挿入されている。ステム13の下端縁は、ピストン14の基筒部25の上端縁に上下方向の隙間をあけて上方から対向していて、ステム13が下降したときに、下端縁がピストン14の基筒部25を下方に押し込むようになっている。
【0021】
ここで図示の例では、ステム13の下端部には、ピストンガイド27が連結されている。ピストンガイド27は、有頂筒状の本体部27aと、本体部27aの天壁部に上方に向けて延設されて上端部がステム13の下端部内に嵌合された連結筒部27bと、本体部27aの周壁部に径方向の外側に向けて周方向に間隔をあけて複数突設された支持突起27cと、を備えている。
連結筒部27bの下端部には、径方向に貫通する第1連通孔27dが形成されている。
複数の支持突起27cは、シリンダ11内に上下摺動自在に嵌合している。
本体部27aにおける天壁部と周壁部との接続部分には、その全周にわたって面取り部27fが形成されていて、ピストン27の基筒部25の下端部が当接、離反することで、第1連通孔27dと、周方向で隣り合う支持突起27c同士の間の隙間と、が遮断、連通されるようになっている。
【0022】
押下ヘッド15は、有頂筒状に形成され、その天壁部15aに下方に向けて装着筒部28が突設されるとともに、周壁部15bに径方向の外方に向けてノズル筒29が突設されている。装着筒部28は、ステム13の上端部に外嵌されてステム13内と連通されるとともに、保持部材24の内筒24aの上端部に形成された雌ねじ部に螺着される雄ねじ部を備えている。ノズル筒29は、装着筒部28内と連通し、先端に内容物が吐出されるノズルが形成されている。
【0023】
コイルスプリング12は、上端部がピストンガイド27の本体部27a内に配置されて径方向の外側から支持され、下端部がシリンダ11の内周面において受け面23に上方から連なる部分に径方向の外側から支持されて、シリンダ11内に配設されている。また、コイルスプリング12は、ピストンガイド27の本体部27aの天壁部と、シリンダ11の受け面23と、により上下方向に挟み込まれ、ピストンガイド27を下側から上方付勢状態で押し込み可能に支持している。
【0024】
そして本実施形態では、図3に示されるように、コイルスプリング12を形成する金属線材の両端面12a、12bがそれぞれ、ポンプ軸O方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線Lに対して傾斜している。すなわち、金属線材の上端面12aは上方を向き、金属線材の下端面12bは下方を向いている。図示の例では、金属線材の上端面12aは、該金属線材がポンプ軸O回りにコイル状に巻回される巻回方向の外側を向く斜め上方を向き、金属線材の下端面12bは、前記巻回方向の外側を向く斜め下方を向いている。
【0025】
さらに、金属線材の両端面12a、12bはそれぞれ、前記巻回方向の内側から外側に向かうに従い漸次、このコイルスプリング12を上下方向に挟み込む部材との上下方向の隙間が大きくなっている。すなわち、金属線材の上端面12aは、前記巻回方向の内側から外側に向かうに従い漸次、ピストンガイド27の本体部27aの天壁部から下方に大きく離間し、金属線材の下端面12bは、前記巻回方向の内側から外側に向かうに従い漸次、シリンダ11の受け面23から上方に大きく離間している。
なお、金属線材の両端面12a、12bそれぞれの、金属線材の中心軸線Lに対する傾斜角度θは、例えば約20°〜70°となっている。また、金属線材の端面12a、12bは、端部が例えば切断されて前述のように傾斜している。
【0026】
ここで本実施形態では、押下ヘッド15の装着筒部28の雄ねじ部、および保持部材24の内筒24aの雌ねじ部は、保持部材24に対して押下ヘッド15をポンプ軸O回りに吐出ポンプ1の上面視で反時計回りに回転させたときに、押下ヘッド15が保持部材24から螺脱される方向に螺設されている。
一方、金属線材の前記巻回方向のうち上方から下方に向かう方向は、吐出ポンプ1の上面視で反時計回りとなっており、押下ヘッド15の保持部材24に対するポンプ軸O回りに沿う緩み方向と一致している。
【0027】
次に、以上のように構成された吐出ポンプ1の作用について説明する。
【0028】
まず、図2に示されるような、押下ヘッド15の装着筒部28が保持部材24の内筒24aに螺着された状態から、保持部材24に対して押下ヘッド15をポンプ軸O回りに吐出ポンプ1の上面視で反時計回りに回転させ、押下ヘッド15の保持部材24への螺着を解除すると、コイルスプリング12の上方付勢力によって、押下ヘッド15が、ピストンガイド27、ピストン14およびステム13とともに上昇する。この際、ピストン14は、基筒部25の下端が、ピストンガイド27の本体部27aの面取り部27fに突き上げられて上昇する。これにより、ピストンガイド27における連結筒部27bの第1連通孔27dと、周方向で隣り合う支持突起27c同士の間の隙間と、の連通が遮断された状態でピストン14が上昇することにより、シリンダ11の収容室11c内が負圧となり、球体弁22が上昇し弁座21から離反することで、容器内の内容物が吸上げパイプ20を通して収容室11c内に流入する。
【0029】
その後、押下ヘッド15を押下すると、ステム13およびピストンガイド27も下降し、ピストンガイド27の前記面取り部27fが、ピストン14の基筒部25の下端から下方に離れ、ピストンガイド27における連結筒部27bの第1連通孔27dと、周方向で隣り合う支持突起27c同士の間の隙間と、が連通される。そして、ステム13の下端縁が、ピストン14の基筒部25の上端縁に到達して、ステム13によりピストン14が下方に押し込まれ、シリンダ11の収容室11cの内圧が上昇することで、この収容室11c内の内容物が、周方向で隣り合う支持突起27c同士の間の隙間、第1連通孔27d、ピストンガイド27の連結筒部27b内およびステム13内を通ってノズルから吐出される。
【0030】
以上説明したように、本実施形態による吐出ポンプ1によれば、コイルスプリング12を形成する金属線材の両端面12a、12bがそれぞれ、ポンプ軸O方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線Lに対して傾斜しているので、金属線材の端面12a、12bの外周縁部のうち、コイルスプリング12を上下方向に挟み込むピストンガイド27の本体部27aの天壁部、およびシリンダ11の受け面23(以下、挟み込み部材という)上に位置するポンプ軸O方向の外端縁12c、12dを鈍角にすることが可能になる。
したがって、押下ヘッド15が、シリンダ11に対してステム13およびピストンガイド27とともにポンプ軸O回りに回転したときに、金属線材の端面12a、12bにおける前記外端縁12c、12dを、前記挟み込み部材上を滑らせ易くして食い込み難くすることが可能になり、該挟み込み部材が削られるのを抑制することができる。
【0031】
さらに本実施形態では、金属線材の両端面12a、12bがそれぞれ、前述のように傾斜しているので、この吐出ポンプ1を組み立てるときに、コイルスプリング12の上下方向の向きを合わせなくてもよく、この吐出ポンプ1の製造効率の低下を防ぐことができる。
【0032】
また、吐出ポンプ1の上面視において、押下ヘッド15の保持部材24に対するポンプ軸O回りに沿う緩み方向と、金属線材の前記巻回方向のうち上方から下方に向かう方向と、が一致しているので、内容物の使用に先立って押下ヘッド15を保持部材24から螺脱するために、押下ヘッド15を保持部材24に対して緩み方向に回転させたときに、押下ヘッド15が押し込み端位置に位置していて金属線材の両端面12a、12bがそれぞれ、前記挟み込み部材に強く当接していることと相俟って、特に、前述の食い込みが生じ易くなっているにもかかわらず、この食い込みの発生を確実に抑えることができる。
【0033】
さらに本実施形態では、金属線材の両端面12a、12bそれぞれの、金属線材の中心軸線Lに対する傾斜角度θが、約20°〜70°となっているので、前述の作用効果を有する吐出ポンプ1を容易に形成することができる。
すなわち、前記傾斜角度θが20°より小さくなると、このコイルスプリング12を製造するのが困難になり、前記傾斜角度θが70°より大きくなると、前述の作用効果を奏功させることが困難になる。
また、金属線材の端面12a、12bが、この金属線材の端部が切断されて前述のように傾斜しているので、コイルスプリング12を容易に形成することができる。
【0034】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0035】
例えば、吐出ポンプ1は、前記実施形態に限らずいわゆるフォーマポンプ等適宜変更してもよく、またピストンガイド27に代えていわゆるポペット弁を配設することにより、シリンダ11内においてピストン14よりも下方に位置する収容部分と吸上げパイプ20とを常に連通させ、かつ押下ヘッド15、ステム13およびピストン14の昇降に伴い、ピストン14をポペット弁に当接、離反させて、シリンダ11内の前記収容部分とステム13内との連通、遮断を切り替えるように構成するとともに、弁座21および球体弁22をステム13の上部内に配設した構成を採用してもよい。
【0036】
また、前記実施形態では、金属線材の両端面12a、12bをそれぞれ、前述のように傾斜させたが、いずれか一方のみを傾斜させてもよい。
さらに、吐出ポンプ1の上面視において、押下ヘッド15の保持部材24に対するポンプ軸O回りに沿う緩み方向と、金属線材の前記巻回方向のうち上方から下方に向かう方向と、が互いに逆向きであってもよい。
また、前記実施形態では、コイルスプリング12を上下方向に挟み込む挟み込み部材として、ピストンガイド27の本体部27aの天壁部、およびシリンダ11の受け面23を示したが、これに限らず適宜変更してもよい。
さらに、金属線材の端面12a、12bを前述のように傾斜させる手段として、この金属線材の端部を例えば研磨する等してもよい。
なお、金属線材の前記外端縁12c、12dを、例えば傾斜面状や曲面状に面取りして角を取ってもよく、金属線材の前記端面12a、12bを、前記巻回方向における内側から外側に向かうに従い漸次、径方向の外側から内側に向かうように傾斜させてもよい。
【0037】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
コイルスプリングを形成する金属線材により、該コイルスプリングを上下方向に挟み込む部材が削られるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 吐出ポンプ
11 シリンダ
12 コイルスプリング
12a 金属線材の上端面
12b 金属線材の下端面
13 ステム
14 ピストン
15 押下ヘッド
24 保持部材
L 中心軸線
O ポンプ軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容した容器内に配置されるシリンダと、
該シリンダ内に配設されたコイルスプリングと、
該コイルスプリングにより上方付勢状態で押し込み可能とされて前記シリンダの上方に起立したステムと、
該ステムに連係され前記シリンダ内に上下摺動自在に配設されたピストンと、
前記ステムの上端部に装着されるとともに該ステム内に連通するノズルが形成された押下ヘッドと、
を備える吐出ポンプであって、
前記コイルスプリングを形成する金属線材の両端面のうちの少なくとも一方は、ポンプ軸方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線に対して傾斜していることを特徴とする吐出ポンプ。
【請求項2】
請求項1記載の吐出ポンプであって、
前記金属線材の両端面はそれぞれ、ポンプ軸方向の外側を向くように、該金属線材の中心軸線に対して傾斜していることを特徴とする吐出ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吐出ポンプであって、
前記押下ヘッドが螺着されて該押下ヘッドを押し込み端位置に保持する保持部材が備えられ、
該吐出ポンプの上面視において、前記押下ヘッドの前記保持部材に対するポンプ軸回りに沿う緩み方向と、前記金属線材がポンプ軸回りにコイル状に巻回される巻回方向のうち上方から下方に向かう方向と、が一致していることを特徴とする吐出ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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