説明

吸入器

ドライパウダー式吸入器は、ドライパウダーの薬物でもって満たされているブリスターに連結せしめられている振動器を有している。該ブリスターにある一つ又はそれ以上の薬物放出口は、該振動器の実質的に反対の側にある。該ブリスターにある一つ又はそれ以上の空気取り入れ口は、該振動器の反対側ではないものである。該振動器を振動せしめると、その薬物は、バラバラにされて、エアゾール化され、患者によって吸入されるため該薬物放出口から放出せしめられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具体的には、医療用装置並びに薬物送達装置、特には、エアゾールとされた薬物の送達に関し、肺及び胃腸管へ送達するための薬物の吸入に関し、そして鼻内への薬物送達に関する。
【0002】
吸入による送達を含めたエアゾールとされた薬物を送達するための装置は当該分野でしられており、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10などにおいて知られている。また、上記特許文献は、各種のエアゾール化や吸入用の装置並びに技術についての概要というものを提供している。
【0003】
ある種のエアゾール化型・吸入式薬物送達装置が知られており、それらのものとしては、定量噴霧式吸入器(metered dose inhaler)、ネブライザー(nebulizer)、ドライパウダー式吸入器(dry powder inhaler)、加熱気化器(thermal vaporizer)、及びその他のシステムが挙げられ、それらは、エアゾール化や薬物を患者に送達する手法や効率に関連して差異を有している。定量噴霧式吸入器は、典型的には、薬物をエアゾールとするのに加圧されたガスを使用するものである。これらの吸入器(インヘラー)の問題点は、薬物の投与量をコントロールしたりするのが難しいとか、結果として患者の口腔内や咽喉内の様々な表面に粒子が衝突したり堆積することとなるといったエアゾール粒子の速度に関連しているものである。ドライパウダーとして薬物を送達する吸入用装置は、ドライパウダー式吸入器として知られるものである。
【0004】
受動型ドライパウダー式吸入器は、吸入のため薬物をバラバラのものにしたり、エアゾール化するために患者の吸気する力に依存したものであるが、一方、能動型ドライパウダー式吸入器は、典型的には、粉末をバラバラの状態にしたり、エアゾール化する効率を改善するために、そして、患者に必要とされる吸気するという骨折りを減らすために、さらに、吸入器(インヘラー)の能力として呼吸流に依存しないでより良く行えるように、例えば、機械的なエネルギーあるいは電気的なエナルギーなどの付加的なエネルギーを投入するものである。典型的には、薬物を吸入を介して患者の肺に送達するためには、その薬物エアゾールの粒子サイズは、約10ミクロンより小さいもの、より好ましくは約6ミクロンより小さいもので、そして、肺の深部に送達するためには、約3.3ミクロンより小さいものでなければならない。比較的大きなサイズの粒子は、患者の口や喉へ送達されることになり、その結果、患者の胃腸管に送達されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,694,920号明細書
【特許文献2】米国特許第6,026,809号明細書
【特許文献3】米国特許第6,142,146号明細書
【特許文献4】米国特許第3,948,264号明細書
【特許文献5】米国特許第6,971,383号明細書
【特許文献6】米国特許第7,117,867号明細書
【特許文献7】米国特許第6,901,929号明細書
【特許文献8】米国特許第6,779,520号明細書
【特許文献9】米国特許第6,748,944号明細書
【特許文献10】米国特許第5,590,645号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0183724号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
患者が一回の吸入の間で、例えば、1〜34秒の内で、ドライパウダー式吸入器がエアゾール化することのできる薬物の量を増大せしめるという必要性が存在する。ドライパウダー式吸入器によって粉末をバラバラのものにしたり、エアゾール化する速度を高めるという必要性も存在する。
【0007】
特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されているドライパウダー吸入装置は、エアゾールとして患者に投与するためドライパウダー型の薬剤をバラバラのものにしたり、エアゾール化するのに振動手段を利用している。特許文献11は、合成したジェットによる医薬送達法及び装置を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
要するに、具体的には、本発明は、エアゾールとされた薬物を吸入させるための装置であって、そこでは高周波振動器(高周波バイブレーター)がドライパウダー状薬物で満たされた容器と連結されていることを特徴とする装置を提供する。該振動器が振動すると、患者により吸入されるように該容器からの薬物をバラバラの状態にし、エアゾ−ル化し、放出することとなる。該容器にある一個またはそれ以上の開口が、主として、薬物を放出するために、人工的にジェットとすることあるいは該容器からその粉末を放出させるその他のメカニズムを介して、使用される。該容器にある少なくとも一個の開口が、主として、外側のガス又は空気を該容器の中に入って来るように使用される。
【0009】
本発明の具体例を吸入及び/又はエアゾール化装置として使用することに関して実験して試験を行ってみたところ、以下に示す実施例で説明するように予測できない効果が得られた。先行技術に比べて、ドライパウダーが実質的により素早くエアゾール化し且つ放出されると共に、ドライパウダーの実質的により多くの量をエアゾール化することが可能であることが観察された。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、一つの振動器(バイブレーター)と連結せしめられている薬物を備えた一つの容器を示している本発明の一つの具体例の断面図である。
【図2】図2は、一つの振動器と連結せしめられている薬物を備えた一つの容器を示している本発明の一つの具体例の断面図である。
【図3】図3は、振動器と連結せしめられている薬物を備えた容器を示している本発明の一つの具体例の断面図である。
【図4】図4は、一つの振動器と連結せしめられている薬物を備えた一つの容器を示している本発明の一つの具体例の断面図である。
【図5】図5は、振動器と連結せしめられている薬物を備えた容器を示している本発明の幾つかの具体例の断面図である。
【図6】図6は、一つの振動器と連結せしめられている薬物を備えた一つの容器を示している本発明の一つの具体例の断面図である。
【図7】図7は、吸入装置を示している本発明の具体例の断面図である。
【図8】図8は、一つの吸入装置を示している本発明の一つの具体例の断面図である。
【図9】図9は、吸入装置を示している本発明の具体例の断面図である。
【図10】図10は、一つの吸入装置を示している本発明の一つの具体例の断面図である。 図面において付された番号は、すべての図を通して同じ番号のものは同様な部材又は同様な特徴点を示すものを参照するようにされている。
【0011】
本発明の一つの具体例の断面図を図1に概略的に示す。振動器100は、一つの薬物又は複数の薬物120を有しているブリスター又は容器 110に結合せしめられている。振動器100は、ピエゾアクチュエータ又はピエゾトランスデューサー、あるいは機械式振動器、電磁式振動器、磁歪型素子、あるいは、当該分野で知られているようなその他の振動付与機構であることができる。一つの具体例では、ピエゾアクチュエータ、典型的にはピエゾセラミック素子と金属製の本体とからなるユニモルフデザインあるいはバイモルフデザインのピエゾアクチュエータが利用される。当該分野で知られているピエゾアクチュエータデザインを使用することができる。そうしたものとしてはエアトランスデューサー類やピエゾ電気式センサー素子が挙げられるが、それに限定されるものではない。さらには、ポリマー製のピエゾ材料物質やポリマー製のピエゾ材料物質に基づいたアクチュエータ類が振動器として利用することができる。ピエゾアクチュエータに基づいた振動器は、当該分野で知られているように、該ピエゾ構成体に電力を供給することで、典型的には適切な周波数と強度の交流を供給することで作動せしめられる。様々な共鳴周波数に合わせられたピエゾアクチュエータを使用することができる。例えば、約1 kHz〜約100 kHzの範囲、より典型的には約30 kHz〜約45 kHzの超音波領域にある共鳴周波数と約1ミクロン〜約50ミクロンのピーク間間隔の機械的なオシレーションの強度とを備えたものを使用できる。振動器100は、固定周波数又は可変周波数あるいは同時に幾つかの周波数で振動することができて、振動器の動きを容器110に伝えることができる。振動の周波数は、1 Hzより低いものから数百kHzの範囲であることができ、より典型的な振動の周波数としては約25 kHz〜約50 kHzである。図1に示されている具体例では、振動器100は容器110と直接接触しており、かくして直接的に容器110に連結せしめられている。
【0012】
容器110は、振動器100の実質的に反対の側にあり且つ薬物120を放出するために主として働いている少なくとも一つの薬物放出口150を持っている。しかしながら、外にある空気又はガスも開口150を通って容器に入ることができる。さらに、容器110は、振動器 100に対して実質的に反対の側にあるのではない少なくとも一つの側壁の開口200を持っている。側壁の開口200は、薬物を放出するために使用されるものではないが、空気又はガスが外部から容器110に入ってくるのを許容せしめ、これにより薬物120をバラバラにしたり、エアゾール化したり、容器110から薬物放出口150を通って放出せしめるのを促進する。
【0013】
薬物120は、ドライパウダーとして供給されるが、液状又はガス状などのその他の形態の薬物も可能である。単一の成分である薬物(ニート薬)を使用できるが、同様に複数種の薬物又は乳糖などの医薬添加物と一緒になっている薬物、あるいはそれらの配合物も使用できる。薬学的に不活性な成分などのその他の添加物、崩壊助剤なども薬学的に活性な薬物や薬学的に活性な物質に添加することができる。
【0014】
容器110は、金属、プラスチック、あるいは、コンポジット材料によりできている。
本発明の一つの具体例では、容器 110は、低温成形フィルム又は熱成形フィルムから製造されたブリスターパックであり、当該フィルムの材料としては、ポリマー、金属製ホイル、多層のポリマーと金属からなるホイルクラッドのフィルム、そして、バリアー被覆された金属製又はポリマー製フィルムである。図2に示された本発明の具体例では、容器110は、一回使用型のブリスターパックである。当該ブリスターパックとしては、円錐形、ピラミッド形、半球形、長楕円形、あるいは、同様な形状の頂部111と平たい底部112などが挙げられる。そして、該頂部111と該底部112とは、当該分野で知られている手法で互いにシールせしめられている。当該手法としては、接着法、熱シール法、圧力シール法、超音波シール法などが挙げられるが、それに限定されるものではない。接着又はシール113の領域は、該頂部111と該底部112との間で接触している領域のところで、図2に概略的に示されている。振動器100は容器110の平坦な底部112と直接接触していることが示されている。
【0015】
ブリスターパック又は容器110は数多くの形状又は形態が可能で、図3A〜3Fに概略が示されており、そのものとしては頂部が平たくて円錐形状のもの(図3A, 3D, 3G); 円柱形状のもの(図3B及び3E)で、それは図4にも示されているもの;そして半球形又は円錐形状のもの(図3C, 3F, 3H)が挙げられる。
【0016】
一つの具体的な態様では、容器110の寸法は、直径が約1 mm〜約30 mmで、高さが約1 mm〜約30 mmである。しかしながら、より大きなサイズの容器110あるいはより小さなサイズの容器110も本発明にしたがって利用できる。別の具体的態様では、容器110の直径は、約3〜約 12 mmで、一方容器 110の高さは約3〜約 12 mmである。
【0017】
薬物放出口150の寸法は、約10ミクロン〜約1000ミクロンであり、好ましい寸法としては、約 50ミクロン〜約 500ミクロンである。側壁の開口200の寸法は、約1ミクロン〜約1000ミクロンであり、好ましい寸法としては、約25ミクロン〜約500ミクロンである。本発明の一つの具体例では、すべての薬物放出口150の総面積(断面)は、すべての側壁の開口200の総面積(断面)の少なくとも2倍又はそれ以上である。本発明の別の具体例では、すべての薬物放出口150の総面積(断面)は、すべての側壁の開口200の総面積(断面)の少なくとも5倍である。
【0018】
薬物放出口150の数は、1個〜約10個であり、別の具体的例では、薬物放出口150の数は、約3個〜約6個である。側壁の開口200のの数は、1個〜約10個であり、別の具体的例では、側壁の開口200のの数は、1個〜2個である。
【0019】
本発明の一つの具体例では、振動器100は、容器 110に直接的に連結せしめられ、そして、連結している表面の所の該容器110の寸法と実質的に同じ寸法を有しており、その結果、振動器100と容器110の対応する面の組み合わさっている面積は、図1, 3B, 3C, 3D, 3E, 3H, 及び図4に示されているように、実質的に同じである。本発明の別の一つの具体例では、図2, 3A, 3F, 及び3Gに示すように、振動器100の寸法は、連結している表面の所の該容器110の寸法に対してより大きいものであるかあるいは比較してより小さなものである。図5に示された本発明の具体例を参照してみるに、振動器 100は、また、図5 Aに示されるように、機械式スペーサー又は組み付けピン130を介して、あるいは、図5Bに示されているように、空隙140を介して容器110に連結せしめられることができる。また、振動器100は、容器110の側面から該容器110に連結せしめられることができる(具体例は、図示されていない)。また、振動器100は、容器110の内側に直接に配置されたり、あるいは、部分的に内側に配置されることができる(具体例は、図示されていない)。
【0020】
図1, 2, 3A〜3F, 4, 及び5に示されている薬物放出口150の向きは、振動器 100の上部の面に対して、あるいは、振動器100と容器110との間を連結している面に対して、実質的に法線の向き又は垂直である。一方、側壁の開口200の向きは、振動器100の上部の面に対して、あるいは、振動器100と容器110との間を連結している面に対して、実質的に平行である。しかしながら、図3G及び3Hに示されているように、薬物放出口150は、振動器100の上部の面に対して、あるいは、振動器100と容器110との間を連結している面に対して、実質的に法線の向き又は垂直になっているのでないもので、側壁の開口200は、振動器100の上部の面に対して、あるいは、振動器100と容器110との間を連結している面に対して、実質的に平行となっているのでないといった、開口150及び200のその他の向きを使用できる。
【0021】
本発明の具体例のものを扱う場合、振動器100を作動せしめて、振動を開始すると、振動のエネルギーが容器110に伝わり、薬物が少なくとも一つの薬物放出口150を通って容器110から放出せしめられる。本発明の一つの具体例では、ガス又はガス/薬物混合物である流体の人工的なジェットが、その薬物放出口150から作り出される。人工的なジェットは、その流体が開口150を通って両方向に動き、同時に該開口の両側の所で渦を形成しながら動いていくことを特徴としている。当業者にはガス又は液体を人工的にジェット流にすることは知られており、それは取り囲まれたチェンバーにある穴部から放射される高速ジェットのガス又はその他の流体で、穴部を通って多数回チェンバーに入ったり出て行く流体を伴い、その結果、チェンバーから追い出される流体は、外部からチェンバーに入ってくる流体により補給されることになることを特徴としている。特許文献11を参照すれば、そこには人工的なジェットが記載されている。穴部を通してガスが両方向に動くことにより、人工的なジェットは定まらない状態で継続することができる。人工的なジェットの形成するには、例えば、ピエゾ振動器(ピエゾバイブレーター)により作り出されることのできる弾性波を作り出すことが必要かもしれないし、周波数、穴部の寸法、そして強くて、持続性のある且つ再現性のある人工のジェットを作り出すための容器の形状並びに寸法を含めた特定のパラメーターを組合せることが求められるかもしれない。
【0022】
図6を参照するに、作動中の本発明の具体例のものが示されており、そこでは振動器100が作動すると、側壁の開口200は、(矢印205によって概略が示されているように)外部の空気又はガスが容器110に入っていくことを許容する。かくして、(矢印207により概略が示されているように)薬物放出口150から薬物120が効率的に放出せしめられるのを促進し、容器110から放出されることのできる薬物の放出の速度及び量を増加せしめることになる。
【0023】
図7を参照するに、本発明の具体例につき、容器110、振動器100、及びフローチャネル300を備えているドライパウダー式吸入器の代表例の概略が示されている。図7Aにおいて示されたフローチャンネル300は、クロス・フロー型のもので、それにより空気は、薬物120の容器110からの放出の方向に対して一般的には垂直方向に流れていく。当該放出の方向は矢印207により示されている。図7Bにおいて示されたフローチャンネル300は、パラレル・フロー型のもので、それにより空気は、薬物120の容器110からの放出の方向に対して一般的には平行方向に流れていく。当該放出の方向は矢印207により示されている。該フローチャンネル300と該容器110とのある程度の範囲の中間的な配置が可能であり、それにより空気は、平行的なフローとクロス・フローとの間の中間的なより複雑な経路で動くことになる(具体例は、図示されていない)。患者による吸入に際して、空気はフローチャンネル300を通って流れていき、そして、矢印310により示されているように空気は入っていき、矢印320によって示されているように吸入用装置を出て行くことになる。
【0024】
振動器100を作動せしめると、薬物120は、バラバラにされ、エアゾール化せしめられ、該容器110から薬物放出口150を通って放出せしめられる。薬物120をバラバラにし、エアゾール化し、放出せしめる順序は、必ずしも上記の順序で行う必要はない。薬物放出口150を通って容器110から薬物120が放出され、エアゾール化された薬物120がフローチャンネル300の内部にあらわれるという最終的な結果となるならば、三つの過程のすべては、同時に起こるものであってもよいし、あるいは、当該過程のパラメーターに応じて如何なる順序で連続して起こるものであってもよい。次に、薬物120のエアゾールは、容器110の外側の空気310の流れにより拾い上げられて、その結果、矢印320により示されているように、薬物120は吸入を行っている患者に送達せしめられることになる。矢印205により示されているように、側壁の開口200を通って外部の空気が入ってくると、薬物120をバラバラにし、エアゾール化し、薬物放出口150を通って薬物120を放出するプロセスを促進する。
【0025】
図8を参照するに、本発明の具体例につき、インヘラー本体480を備えているドライパウダー式吸入器の代表例の概略が示されている。そこでは、該インヘラー本体480の内側並びにさらにその外側にも、容器110; 振動器100; フローチャンネル300; 電気駆動の振動器100及び該吸入器のその他の電子構成部に働きかけるエレクトロニクボード並びに電気回路462を含めた幾つかの吸入器の構成部が配置されている。バッテリー464は、電子構成部及び振動器を作動せしめるように働くものであり、当該バッテリーは、バッテリーパックなどのいかなるエネルギー源であってよく、それは一次バッテリー又は充電可能なバッテリー、あるいは、燃料電池であってよい。図8に示されている吸入器のその他の任意の構成要素としては、容器又はブリスター110の薬物放出口及び/又は側壁の開口部をあけるための穴あけ手段400;追加の単一用量の薬物容器450; 矢印310により示されているように使用者により吸気流を検知するに適合しており且つ振動器100を作動させ、薬物を放出したりエアゾール化するプロセスを始めるための電子回路462に回路接続せしめられている使用者又は患者による吸気に感応したり検知するためのセンサー420が挙げられる。センサー420は、好ましくは、エレクトロニクボード並びに電気回路462と一緒になり、吸入器における空気の流れの存在並びに強さを検知することができるものであり、そして任意には空気の流れの方向を検知できるものである。患者へのフィードバック装置460及び466は、患者並びに任意的な用量計数器及び使用者に対して薬物送達の状況や各種のオプションを示すための表示装置への感知したことをフィードバックすることを行うものである。矢印320は、患者により吸入される空気を示している。チャンネル220は、外側の空気が側壁の開口200にアクセスできるようにし、その結果振動器100が作動せしめられると、外部の空気が矢印205により示されているように容器110に入ることができる。
【0026】
図9を参照するに、本発明の具体例につき、多数回使用型容器118を備えているドライパウダー式吸入器の代表例の概略が示されている。そこでは、薬物120は、キャリアテープ620及び700の上に配置されている一回使用型薬物パック610及び710の形態で提供されている。テープの動く方向は矢印650によって示されている。図9Aに示されている具体例では、一回使用型薬物パック610はスプール635に集められるふたをするテープ630でもって覆われている。かくして、薬物放出口150を通って放出されるよう薬物120を露出せしめる。別の具体例(図示されてはいない)では、ふたをするテープ630は、一回使用型薬物パック610から除去されることはないが、多数回使用型容器118に入る前あるいは入る際に穴があけられる。かくして、薬物放出口150を通って放出されるよう薬物120を露出せしめる。多数回使用型容器118は、圧縮できるガスケット又はO-リング600を介してキャリアテープ620と接触している。患者による吸入に際して、振動器100は作動せしめられて、放出口150を通して薬物120を放出せしめる。外部の空気は、側壁の開口200を通って矢印205により示されるように容器118に入っていく。一方、エアゾール化された薬物は、矢印320により示されているように患者により吸入され、そして、矢印310により示されるように空気はフローチャンネル300の中に入っていくことになる。
【0027】
同様に、図9Bでは、薬物120は、キャリアテープ700上に配置されているそれ自体の上に折り曲げられているテープのポケットを備えている一回使用型薬物パック710の形態で提供されている。テープの動く方向は矢印650によって示されている。キャリアテープ700を引くと、多数回使用型容器118の下でテープ710のポケットが開くことになる。そして、多数回使用型容器118は、圧縮できるガスケット又はO-リング600を介してキャリアテープ700と接触している。患者による吸入に際して、振動器100は作動せしめられて、放出口150を通して薬物120を放出せしめる。外部の空気は、側壁の開口200を通って矢印205により示されるように容器118に入っていく。一方、エアゾール化された薬物は、矢印320により示されているように患者により吸入され、そして、矢印310により示されるように空気は患者が吸入を行うことにより、フローチャンネル300の中に入っていくことになる。
【0028】
容器110に開口を開けることは、患者に薬物を送達する前に行われる。一つの具体例において、本発明は次のように行われる:使用のため吸入器を作動させて、穴あけ手段400により同時に又は順番に薬物容器の開口の穴を開けるか、あるいは、テープ型の薬物パック610の場合のふたをする材料630を取り除くか、あるいは、剥がすか、あるいは、テープ型のポーチ710を開け、そして、次に薬物120を患者が吸入器を通して吸入するようにエアゾール化せしめる。別の具体例では、個々の薬物パックを開封したり穴をあけるのは患者が吸入するに際してスプリング又は電磁式アクチュエータなどの電気機械的な手段又は機械的な手段、あるいは、サーマルポレーター(thermal porator)(すべて吸入検知センサー420により任意に起動せしめられる)を通して自動的に起こるようになっている。
【0029】
別の具体例では、図10に示されているように、多数回使用型容器118が薬物120を送達するのに利用され、それにより側壁の開口200は導管910を介して薬物源900に結合せしめられている。薬物源900は少なくとも2又はそれ以上の用量の薬物120を有している。患者に送達される薬物120の品質は、該装置を作動させるタイミングによって、あるいは、送達される薬物120の実際の品質を検知し、振動器100の作動をコントロールするセンサーによりコントロールされる。
【0030】
本発明のその他の具体例並びに応用も可能である。患者に送達される薬物としては、ワクチン、DNA又はRNAフラグメント、痛み、喘息、気腫、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、COPDの治療のための医薬、糖尿病治療のための医薬、あるいは、患者にエアゾール化された形態で送達されたときに病気を予防したり、治療したりすることができたり、病気の症状を緩和したりすることができ、局所的な効果及び/又は全身的な効果を有しているその他の如何なる医薬であってもよい。
【0031】
別の具体例では、本発明は吸入用にではなくて、鼻内投与又は口内投与、目への投与、あるいは、皮膚表面への投与のためにエアゾール化された薬を送達するのに使用される。別の具体例では、液体状の薬物調製物を、本発明を使用して送達することができる。
【実施例1】
【0032】
図7Aに示されたデザインと同様の構造の、薬物放出口のみをもつブリスターあるいは薬物放出口と側壁の開口との両方をもつブリスターのいずれかを使用して作動させることができるモデル吸入器装置を利用してテスト実験を行った。当該装置は、集積されたエレクトリニクスと取り外し可能なフローチャンネルを有していた。ムラタエレクトロニクス(Murata Electronics, 日本)製造の改変型エアトランスデューサーに基づくピエゾアクチュエータを振動器として使用した。該ピエゾアクチュエータは、4秒(sec)間作動せしめられ、10Hz(デューティーサイクル)の速さの周波数の間でスイッチングしながら33kHzの周波数で作動時間の90%、そして34.4kHzの周波数で作動時間の10%働かせた。ステップウェーブ形のフライバック回路により生み出されたおおよそ160〜200ボルトの交流電圧を、ピエゾアクチュエータを作動させるのに使用した。略半球形の上部と平たい底部とを有しているブリスターをエアゾール化用のモデルのドライパウダーを含有している一回使用型容器として利用した。該ブリスターの高さは、おおよそ5.5 mmであり、ベースの所の該ブリスターチェンバーの直径はおおよそ11 mmであり、該ブリスターの形状は図3Cに示された形状と同様なものであった。
【0033】
該ブリスターは、ポリマー層で被覆されているアルミニウムホイルからできていた。該ブリスターの上部と底部とは互いに熱シールされていた。該ブリスターの上部(半球形)は、2個の薬物放出口150のみが示されている図3Cと同様に、4個の薬物放出口となるように直径320ミクロンの金属製の針を使用して穴があけられていた。幾つかの実験では、該ブリスターの上部の側壁には、図3Cと同様に、少なくとも一つの側壁の開口200を有するように穴があけられていた。240ミクロンの直径の針を側壁に開口を設けるために使用した。該装置のフローチャンネルを通っての空気の流れは真空ポンプを使用して30リットル/分(LPM)で作り出した。該ブリスターは、様々な量のモデルのドライパウダーでもって満たしてあり、当該ブリスターからのクリアランスの重量についてのテストを様々な実験条件で実施した。
【0034】
実験結果を表1に示す。
表1から分かるように、予想外の結果が得られた。すなわち、1個又はそれ以上の数の側壁の開口が存在すると、側壁の開口なしの条件の場合と比較すると、薬の放出速度が著しく増加せしめられ、また効果的に放出せしめることのできるパウダーの量が著しく増大せしめられることになった。テスト1及び2; 2及び2a; 3及び3a; 7お7a; 9及び9aを比較してみると、側壁の開口の場合、側壁の開口なしのブリスターについての同じ条件での場合と比較すると、ブリスターからのパウダーのクリアランスを著しく増加せしめたことが示されている。また、テスト4及び4a; 5及び5a; 6及び6aを比較してみると、ピエゾ作動なしであると、側壁の開口が存在している場合でさえ、評価できるようなクリアランスが何ら検出できないということが示されている。側壁の開口により、該ブリスターから一定した5倍の量、すなわち、3〜6mgのオーダーの量という非常に高いクリアランス重量が可能となるが、また、例えば、15〜20mgのオーダーといったパウダーの量で、37 mgという程の大量のパウダー量が可能となる。一方、テスト3及び3a; 7及び7a; そして8及び9aで示されているように、側壁の開口なしでの同じ条件ではブリスターから実際上何らのパウダーの放出も観察されない。側壁の開口を備えたブリスターのクリアランスは素早く発生し、しばしば、秒とかからないで起こり、そして、4秒でさえ完全にはクリアランスがない側壁の開口なしのブリスターの場合に対して、より早いものであることが目で見て検出された。テストを実施している間、側壁の開口からは如何なる認められる量のパウダーも放出されるのは見られなかった。
【0035】
【表1】

* 少なくとも一つの側壁の開口を備えてのテスト
【実施例2】
【0036】
10Hz(デューティーサイクル)の速さの周波数の間でスイッチングしながら、34kHzの周波数で作動時間の90%、そして35kHzの周波数で作動時間の10%働かせた、34.5kHzの共鳴周波数に合わせてある専売品であるピエゾアクチュエータG9を備えているが、実施例1に記載した設定と同様な実験設定を使用してテスト実験を行った。ステップウェーブ形のフライバック回路により生み出されたおおよそ160〜200ボルトの交流電圧を、ピエゾアクチュエータを作動させるのに使用した。パウダーとされたインスリンを使用したところ、該ブリスターからの非常に良好なクリアランスが示された。本実験では、典型的なブリスターあたり1〜3 mgの量に対して、それよりかなり多い薬のパウダーの量が使用された。二つのテストでは、5 mgの薬のパウダーを含有しており且つ4個の薬物放出口に加えて側壁の開口を有しているブリスターは、4秒(sec)のピエゾ作動時間の間に該ブリスターからパウダーを94.6%及び95.9%のクリアランスとすることを示していた。実際のクリアランス時間は4秒のピエゾ作動時間よりは低いものであることが観察された。かくして、予想外にも、比較的かなり低い量のインスリン、すなわち、約2 mgまでの量のインスリンで満たされている場合にのみ、おおよそ80〜95%のクリアランスが達成できるという側壁の開口はないが同じブリスターについて典型的に観察される場合に対比して、かなり大量のパウダーが側壁の開口を有するブリスターからクリアランスされる。
【実施例3】
【0037】
実施例2に記載した設定と同様な実験設定を使用して乳糖を配合してあるモデル薬物パウダーのテスト実験を行ったところ、非常に良好なクリアランスであった。そこでは、6 mgの配合物は、側壁の開口を有しているブリスターから97.5%のクリアランスの重量が得られた。側壁の開口はないが同じブリスターは、はるかに低いクリアランス重量を示した。
【実施例4】
【0038】
40kHzの共鳴周波数を有しているピエゾアクチュエータとして働くムラタエレクトロニクスの非改変型エアトランスデューサーを備えているが、実施例1に記載した実験の設定と同様な設定を使用してテスト実験を行った。また、その他の共鳴周波数、典型的には30〜45kHzの範囲の共鳴周波数でもってピエゾアクチュエータを使用できる。該装置を通しての空気の流れは、真空ポンプを使用して28LPMでつくり出された。平坦な金属ホイルの底部を備えたプラスチック製の円錐形状の上部又は円錐形状で平坦な上部のブリスターを、それに相当するように図3F及び3Dに示されているブリスターと同様に、エアゾール化のためのモデルパウダーを含有している一回使用型容器として利用した。円錐形状の上部を有するブリスターは、真っ直ぐな円錐の上部を有していた。一方、円錐形状で平坦な上部のブリスターは、おおよそ 2 mmの直径を持っている平たい端部になる円錐の上部を有していた。該ブリスターの高さは、おおよそ4.5 mmで、ベースの所の該ブリスターチェンバーの直径は、おおよそ 8 mmであった。ブリスターの上部は、PVCプラスチック又はPETGプラスチックを熱形成処理して製造されており、ポリマー・クラッドアルミニウム ホイルからなる該ブリスターの底部に熱シールせしめられているものであった。該ブリスターの上部の部分は直径240ミクロンの金属製の針を使用して3個の孔を有するように開けられており、こうして図3Dと同様に、薬物放出口を形成してあった。幾つかの実験では、該ブリスターの円錐部の側壁は、図3A, 3B, 3Cと同様に、少なくとも一つの側壁の開口を持つように穴があけられていた。240ミクロンの直径を有する針を側壁の開口をあけるために使用した。これらの実験の結果は、表2に示す。
【0039】
【表2】

* 少なくとも一つの側壁の開口を持つ場合のテスト
【0040】
表2からわかるように、予想外の結果が得られた。そこでは、側壁の開口なしの条件の場合と比較すると、パウダーの放出速度は顕著に増加せしめられており、また、ブリスターから放出できるパウダーの量も顕著に増大せしめられていることが実験で観察された。
【実施例5】
【0041】
2、3の薬物放出口と少なくとも一つの側壁の開口を有しているブリスターに入ったり出たりする空気の流れについて、テストすることを行った。実験の設定は、これらの実験ではブリスターにはパウダーは全く存在せず、そして、真空ポンプを使用しての如何なる空気の流れも作り出さなかったが、実施例1に記載された設定と同様なものであった。加えて、プラスチック製の極めて細い管系を外側から該側壁の開口に結合した。最初のテストでは、該ブリスターをピエゾアクチュエータでもって周期的に作動せしめると、該プラスチック製の極めて細い管系の入り口に向かって感受性の強い軽量のフラッグが動いていくのが観察され、こうして当該真空性及び/又はその極めて細い管系を通る、そして、該ブリスターの中へのその側壁の開口を通る空気の流れを、記録した。一方、空気は該ブリスターの上部の薬物放出口から放出されていた。
【0042】
第二のテストでは、該ブリスターの上部にある薬物放出口の上に第二の軽量なフラッグを置いた。当該軽量なフラッグが上方に動くのが観察され、薬物放出口から放射される空気のジェットを検出した。同時に、該第一の感受性の強い軽量のフラッグが、該プラスチック製の極めて細い管系の入り口に向かって動いていくのが観察され、こうして当該真空性及び/又はその極めて細い管系を通る、そして、該ブリスターの中へのその側壁の開口を通る空気の流れを、記録し、そして当該第一のフラッグがそのプラスチック製の極めて細い管系の入り口に吸い込まれてそれを遮断していた。さらに、そのプラスチック製の極めて細い管系の入り口を遮断している状態から前記第一のフラッグを手動で取り除いて、これにより該側壁の開口の中に空気が取り込まれることを遮断している状態を取り除くと、当該第二のフラッグは該ブリスターの上部の薬物放出口から放出される空気のジェットを著しく増加させていることを示したことが観察された。このように側壁の開口は、該ブリスター中への空気の供給を行うことにより該ブリスターから放出される空気のジェットを増加せしめることを助けていたことは明白である。
【実施例6】
【0043】
真空ポンプを作動させることはしないで且つ実験的に設定のフローチャンネルを通ってのいかなる空気も動かすことをしてないが、実施例2で記載した実験設定と同様な設定で実験を行った。モデルの乳糖のドライパウダーを実験で用いた。6.390 mgの乳糖で満たされた側壁の開口を持たないブリスターでは、単に28.4%のクリアランスが観察されるだけであった。5.013 mgの乳糖パウダー及び6.560 mgの乳糖パウダーで満たされた横側の開口を持っているブリスターでは、対応して80.8%及び93.4%のクリアランスが観察された。このようにその側壁の開口は、該ブリスター中への空気の供給を行うことにより該ブリスターから放射される空気のジェットを増加せしめることを助けて、予期できない結果をもたらしていることは明白である。そこでは、側壁の開口なしの条件の場合と比較すると、パウダーの放出速度は顕著に増加せしめられており、また、放出できるパウダーの量も顕著に増大せしめられていることが実験的に観察された。
【0044】
本発明は特定の好ましい具体例を挙げて特別に説明されてきたが、数多くの代わりの手法、修飾された手法、そして変法が上記したことに照らして当業者には明らかであろうことは明白である。それ故に、添付の特許請求の範囲はいかなる代替手段も修飾された手法も変法も本発明の範囲及び精神に属するものであるとして包含するものであろうことは考慮されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に配置された薬物を有している容器を保持するのに適合せしめられている吸入器であって、当該容器は少なくとも一つの薬物放出口と少なくとも一つの空気取り入れ口を備えており、そして該容器と連結するための振動する構成要素があり、そこでは前記容器は、前記振動する構成要素と実質的に反対の側に配置されている少なくとも一つの薬物放出口と前記振動する構成要素と実質的に反対の側以外に配置されている前記少なくとも一つの空気取り入れ口とを備えている前記吸入器の中に保持されており、そして、前記振動する構成要素は、前記容器を振動せしめ、前記容器から前記少なくとも一つの薬物放出口を通して薬物を放出せしめるのに適合せしめてあることを特徴とする吸入器。
【請求項2】
前記薬物が、前記容器から放出される場合、バラバラにされて、エアゾールとされていることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記薬物がドライパウダーであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項4】
前記容器からの前記薬物の放出が人工的なジェット流を介してなされることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項5】
前記薬物がおおよそ2秒よりも短い時間で前記容器より放出されることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項6】
前記薬物がおおよそ80%の前記薬物からおおよそ100%の前記薬物の重量でみてのクリアランスで前記容器より放出されることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項7】
前記薬物がおおよそ1 mg〜おおよそ100 mgの量前記容器中に存在することを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項8】
前記薬物が、薬物のパウダー、該薬物のパウダーと添加剤との混合物、数種の薬学的な活性成分の混合物、該数種の薬学的な活性成分と添加剤との混合物、あるいは、それらの配合物であることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項9】
前記少なくとも一つの空気取り入れ口は、約25ミクロン〜約400ミクロンの直径を有していることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項10】
前記少なくとも一つの空気取り入れ口の形状は、ほぼ丸形、ほぼ三角形、ほぼ四角形、あるいは、ほぼ多角形であることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項11】
前記容器は、ホイル製ブリスター、ホイル製ポーチ、プラスチック製ブリスター、又は、それらを組合せたものであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項12】
前記容器は再使用可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項13】
前記容器の構成材料が、金属、金属ホイル、ポリマー被覆金属ホイル、ポリマーフィルム、バリアー被覆されたポリマーフィルム、ポリマー、ポリマーラミネート、又は、それらを組合せたものであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項14】
前記振動する構成要素が、ピエゾアクチュエータ、ピエゾトランスデューサー、又は、ピエゾバイブレーターであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項15】
前記振動する構成要素が、超音波周波数で振動し、患者による吸入のため前記薬物をエアゾールとするのに適しているものであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項16】
前記容器中の前記少なくとも一つの空気取り入れ口が、前記容器の外側から空気を受容するのに適したものであることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項17】
前記容器は、一個の空気取り入れ口と四個の薬物放出口を有していることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項18】
前記薬物の実質的全部が、前記薬物放出口から放出されることを特徴とする請求項1に記載の吸入器。
【請求項19】
内部に配置された薬物を有している容器であって、当該容器が上部と底部とを有しており、前記底部は前記上部にシールされているものである容器;
前記底部に連結されている振動する構成要素;及び、
前記上部に少なくとも二つの開口を備えており;
そこにおいて、前記開口の少なくとも一つは、前記振動する構成要素の実質的に反対の側にあり、前記開口の少なくとも一つは、前記振動する構成要素の実質的に反対の側にあるものでなく、前記振動する構成要素を作動せしめると、前記ドライパウダーの薬物が、前記振動する構成要素の実質的に反対の側にある前記開口から放出せしめられる
ことを特徴とするドライパウダー式吸入器。
【請求項20】
底面、上面及び側壁を有している容器;
前記側壁にある少なくとも一つの開口;
前記上面にある少なくとも一つの開口;
前記容器の内側に配置されている薬物;及び、
前記底面に連結せしめられている振動器を備えており、
そこでは、前記上面にある前記少なくとも一つの開口が患者により吸入せしめられる空気の流れと連絡しており、前記振動器を振動せしめると、前記薬物が、前記上面にある前記少なくとも一つの開口から放出され、そして、患者により吸入せしめられる前記空気の流れにより拾い上げられるもので、前記側壁にある前記少なくとも一つの開口は、前記容器の外側から空気を受け取るのに適したものであることを特徴とするドライパウダー式吸入器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−519973(P2010−519973A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551858(P2009−551858)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/055354
【国際公開番号】WO2008/106616
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(500566682)マイクロドース セラピューテクス,インコーポレイテッド (17)