説明

吸入器

【課題】患者が取り扱いやすい上述した形式の吸入器を提供する。
【解決手段】薬剤を吸入可能な物質、物質の調合物、又は物質の混合物の形態で投与する吸入器、特に粉末吸入器が開示される。吸入器は、物質を収容するチャンバ(4)を備えたハウジングを有する。チャンバ(4)は、ハウジング内に交換可能に設けられている。この手段の結果として、水を用いて薬剤残査を吸入器からクリーニングによって除去する必要はなく、吸入器の不適切な乾燥により生じる粉末のケーキング(固化)の恐れが実質的に減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を吸入可能な物質、物質の調合物、又は物質の混合物の形態で投与する吸入器、特に粉末吸入器であって、物質を収容するチャンバを備えたハウジングを有する吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第0911047(A1)号明細書は、カプセルから粉末状薬物を吸入する吸入器を開示しており、この吸入器は、2つの窓を備えた下側部分及びカプセルホルダ及び空気入口開口部が設けられたプレートを有している。加うるに、吸入チャンバが、プレートに連結されており、この吸入チャンバには、2本の鋭いピンを備えたヘッドが設けられ、このヘッドは、ばねに抗して動くことができる。マウスピース管が、吸入器の上側部品に連結され、蓋が、下側部品、プレート及び上側部品に折り畳み可能に連結されている。吸入器は、特に薬剤残査を取り除くために1箇月に少なくとも1回クリーニングしなければならないという問題があることが判明した。というのは、これら残査は、不定の間隔で脱落状態になって実際の投与分と一緒に放出された場合、規制上の問題を引き起こす場合があるからである。クリーニングのため、蓋を開き、マウスピース管とプレートの両方をピボット回転させて下側部品から遠ざける必要がある。次に、吸入器全体を好ましくは温水で濯ぎ洗いし、そして空気中で乾燥させる。また、吸入器を湿らせた脱脂綿又は綿棒で拭くことにより吸入器をクリーニングする必要がある。
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0911047(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実施が比較的容易なクリーニングプロセスは、吸入器の使用者の個人的習慣、ユーザの年齢及び健康レベルに応じて様々な徹底性の度合いで行われる。さらに、上述のクリーニングは一般的に、有効物質又は水溶性有効物質の含有量が少ない薬剤の場合に首尾良く行われ、有効物質の含有量が多い又は水への溶解度が低い有効物質を含む薬剤の場合には実施するのが困難である。
【0005】
本発明の目的は、患者が取り扱いやすい上述した形式の吸入器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、ハウジング内に交換可能に設けられたチャンバを有しており、チャンバは、断面が実質的に円筒形であり、マウスピースの方向に向いた端面が、マウスピースに通じる吸入チャネルに結合され、マウスピースと反対側の端面は、ハウジングに設けられた空気入口開口部に作動的に結合されており、チャンバ(4)は、吸入チャネル(10)に解除不能に結合され、吸入チャネル(10)と一緒に交換可能である吸入器を提供することによって達成される。
【0007】
この手段の結果として、水を用いて薬剤残査を吸入器からクリーニングによって除去する必要はなく、吸入器の不適切な乾燥により生じる粉末のケーキング(固化)の恐れが実質的に減少する。
【0008】
吸入器は、商標名ハンディヘイラ(HandiHaler(登録商標))、スピンヘイラ(Spinhaler(登録商標))、ロータヘイラ(Rotahaler(登録商標))、アエロライザ(Aerolizer(登録商標))、フローカップス(Flowcaps(登録商標))、ターボスピン(Turbospin(登録商標))、エーアイアール・ディーピーアイ(AIR DPI(登録商標))、オービタル(Orbital(登録商標))、ダイレクトヘイラ(Directhaler(登録商標))で知られていると共に(或いは)独国特許第3345722号明細書、欧州特許第0591136号明細書、独国特許第4318455号明細書、国際公開第91/02558号パンフレット、仏国特許出願公開第2146202(A)号明細書、米国特許第4069819号明細書、欧州特許第666085号明細書、欧州特許第869079号明細書、米国特許第3,991,761号明細書、国際公開第99/45987号パンフレット、国際公開第2000/51672号パンフレット、ベル,ジェイ(Bell, J)著,「ファーマシューティカル・サイエンス60(Pharm. Sci. 60)」,1559(1971)、コックス,ブリット(Cox, Brit)著,「メディスン・ジャーナル2(Med.J.2 )」,634(1969)に記載されている。1回投与型及び多数回投与型粉末吸入器、具体的には、スピンヘイラ(Spinhaler(登録商標))、ロータヘイラ(Rotahaler(登録商標))、アエロライザ(Aerolizer(登録商標))、インヘレータ(Inhalator(登録商標))、ハンディヘイラ(HandiHaler(登録商標))、ディスクヘイラ(Diskhaler(登録商標))、ディスカス(Diskus(登録商標))、アキュヘイラ(Accuhaler(登録商標))、アエロヘイラ(Aerohaler(登録商標))、エクリプス(Eclipse(登録商標))、ターボヘイラ(Turbohaler(登録商標))、タービュヘイラ(Turbuhaler(登録商標))、イージーヘイラ(Easyhaler(登録商標))、ノボライザ(Novolizer(登録商標))、クリックヘイラ(Clickhaler(登録商標))、パルバイナル(Pulvinal(登録商標))、ノボライザ(Novolizer(登録商標))、スキーヘイラ(SkyeHaler(登録商標))、エキセロバイヤ(Xcelovair(登録商標))、パルバイナ(Pulvina(登録商標))、タイフーン(Taifun(登録商標))、マグヘイラ(MAGhaler(登録商標))、ツイストヘイラ(Twisthaler(登録商標))及びジェットヘイラ(Jethaler(登録商標))が知られている。
【0009】
一特徴によれば、チャンバは、薬剤の入ったカプセルを収容するよう構成されている。かくして、チャンバ内に配置されたカプセルは、薬剤のための実際の受け器を形成する。
【0010】
以下に列記する化合物をこれら自体で又は組合せ状態で本発明の器具に用いることができる。以下に記載する化合物に関し、Wは、薬理学的に有効な物質であり、ベータミメティック(Betamimetic)、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−阻害薬、ドーパミン作用薬、H1−抗ヒスタミン薬、PAF−拮抗薬及びPI3−キナーゼ阻害薬の中から(例示として)選択される。さらに、Wの2つの組合せ又は3つの組合せを組み合わせて本発明の器具に用いることができる。Wの組合せは、例えば次のようなものが考えられる。
・Wは、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるベータミメティックを意味する。
・Wは、ベータミメティック、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられる抗コリン作用薬を意味する。
・Wは、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるコルチコステロイドを意味する。
・Wは、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるPDE4−阻害薬を意味する。
・Wは、LTD4−拮抗薬と組み合わせられるEGFR−阻害薬を意味する。
【0011】
ベータミメティックとして用いられる化合物は、好ましくは、アルブテロール、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモル、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、及び
・3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホナミド、 ・5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、
・1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
・1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、
・5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、
・1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−t−ブチルアミノ)エタノール、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセテート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、
・8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(t−ブチルアミノ)エタノール、
・2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド、
・N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
・8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・[3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア、
・4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキソ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド、
・3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド、
・4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、 ・N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミドの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0012】
用いられる抗コリン作用薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、オキシトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、フルトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、イプラトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、グリコピロニウム塩、好ましくはブロミド塩、トロスピウム塩、好ましくはクロリド塩、トルテロジンの中から選択された化合物である。好ましくはブロミド塩の中から選択された化合物である。上述の塩に関し、陽イオンは、薬理学的に有効な成分である。陰イオンとして、上述の塩は、好ましくは、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートを含むのが良く、クロリド、ブロミド、イオジド、スルヘート、メタンスルホネート、又はp−トルエンスルホネートが対イオンとして好ましい。全ての塩のうちで、クロリド、ブロミド、イオジド及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0013】
他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−1、即ち、
【化1】

の塩の中から選択され、この化学式において、X-は、単一の負の電荷を備えた陰イオン、好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、好ましくは、単一の負の電荷を備えた陰イオン、特に好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、メタンスルホネート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、特に好ましくはブロミドを意味し、オプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンチオマー又は水和物を意味している。次の化学式AC−1−en、即ち、
【化2】

のエナンチオマーを含む薬理学的な組合せが特に重要であり、この化学式において、X-は、上述の意味を有するのが良い。他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−2、即ち、
【化3】

の塩から選択され、この化学式において、Rは、メチルかエチルかのいずれかを表し、X-は、上述の意味を有するのが良い。変形実施形態では、化学式AC−2の化合物は、次の自由塩基AC−2−base、即ち、
【化4】

の形態で存在しても良い。
【0014】
他の特定される化合物は、次の通りである。
・トロペノール2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピンメチル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド。
【0015】
上述の化合物は、本発明の範囲内で塩としても使用でき、この場合、メトブロミドに代えて、塩メト−Xが用いられ、この場合、Xは、X-について上述した意味を有するのが良い。
【0016】
コルチコステロイドとして、ベクロメタソン(beclomethasone)、ベータメタソン(betamethasone)、ブデソニド(budesonide)、ブチキソコルテ(butixocorte)、シクレソニド(ciclesonide)、デフラザコルテ(deflazacorte)、デキサメタソン(dexamethasone)、エチプレドノル(etiprednole)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカソン(fluticasone)、ロテプレドノル(loteprednole)、モメタソン(mometasone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロン(triamcinolone)、RPR−106541、NS−126、ST−26、及び
・(S)−フルオロメチル 6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・シアオメチル 6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステルの中から選択された化合物を用いることが好ましく、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる塩及びその誘導体、溶媒化合物及び(又は)水和物が用いられる。ステロイドと言った場合、これは、存在し得るステロイドの塩又はその誘導体、水和物又は溶媒化合物を含む。考えられるステロイドの塩及びその誘導体の例は、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートである。
【0017】
使用できるPDE4−阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィルリン、ロフルミラスト、アリフロ(チロミラスト)、トフィミラステ(tofimilaste)、プマフェントリン(pumafentrine)、リリミラステ(lirimilaste)、アロフィリン(arofylline)、アチゾラム(atizorame)、D−4418、ベイ(Bay)−198004、BY343、CP−325.366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370及び、
・N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、
・(−)p−[(4aR*,10bS*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、
・(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
・3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、
・2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、
・(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(t−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、PDE4阻害薬の酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0018】
用いられるLTD4−拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、及び
・1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、
・1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、
・[2−[[2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸の中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。LTD4−拮抗薬がオプションとして形成できる塩又はその誘導体は、例えば、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートを意味している。
【0019】
使用できるEGFR−阻害薬は、好ましくは、セツキマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab)ICR−62、及び
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス(−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−モルフォリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[ビニルカルボニル)アミノ]キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
・4−{[(3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロフラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、 ・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、 ・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−4−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0020】
用いられるドーパミン作用薬は、好ましくは、ブロモクリプチン(bromocriptine)、カベルゴリン(cabergoline)、アルファ−ジヒドロエルゴクリプチン(alpha-dihydroergocryptine)、リスリド(lisuride)、ペルゴリド(pergolide)、プラミペクソール(pramipexole)、ロキシンドール(roxindole)、ロピニロール(ropinirole)、タリペクソール(talipexole)、テルグリド(terguride)、ビオザン(viozane)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0021】
使用できるH1−抗ヒスタミン薬は、好ましくは、エピナスチン(epinastine)、セチリジン(cetirizine)、アゼラスチン(azelastine)、フェクソフェンダジン(fexofenadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ケトチフェン(ketotifene)、エメダスチン(emedastine)、ジメチンデン(dimetindene)、クレマスチン(clemastine)、バミピン(bamipine)、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン(pheniramine)、ドキシルアミン(doxylamine)、クロロフェノキサミン(chlorophenoxamine )、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、プロメタジン(promethazine)、エバスチン(ebastine)、デスロラチジン(desloratidine)、メクロジン(meclozine)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0022】
また、欧州特許出願公開第1,003,478号明細書に開示されている吸入可能な高分子を使用することが可能である。
【0023】
さらに、化合物は、バッカク(麦角)アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V阻害薬から成る群に由来するものであるのが良く、オプションとしてこれら化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。
【0024】
バッカクアルカロイド誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン及びエルゴタミンである。
【0025】
吸入のため、上述の有効物質並びにその塩及びエステル並びにこれら有効物質、塩及びエステルの組合せを含む薬剤を用いることが可能である。
【0026】
好ましくは、チャンバは、ハウジングにピボット回転可能に接合されたプレートのチャンバ受け器内に配置され、チャンバ受け器は、プレートにラッチ止め可能である。したがって、チャンバは、最初に、プレートに取り付けられたチャンバ受け器に結合され、次に、チャンバ受け器を備えたプレートは、プレートがハウジングにラッチ止めされてハウジングを閉鎖する使用位置にピボット回転される。
【0027】
好ましくは、チャンバを規定された位置に保持する手段が設けられる。この手段は、チャンバを例えばマウスピースに対して固定する。この手段は、少なくとも1つの舌部と溝部による目違い継ぎ部の形態をしている。例えば、チャンバ受け器は、溝を有し、チャンバは、これに対応した舌状突起を有することが可能であり、又この逆の関係が成り立ち、溝が、チャンバがチャンバ受け器内に配置されると、舌状突起上に延び、このようにして、2つのコンポーネントは互いに固定される。また、舌状突起及び溝を円錐形の形に作って或る特定の侵入深さでクランプ効果が生じるようにすることも可能である。好ましくは、上記手段は、押し込みコーディングを含む。これにより、チャンバは、斜めの位置でチャンバ受け器内に挿入されるのが阻止される。有利には、チャンバの押し込み位置のための停止部が、チャンバ受け器内に設けられる。
【0028】
別の特徴によれば、チャンバは、断面が実質的に円筒形であり、マウスピースの方向に向いた端面が、マウスピースに通じる吸入チャネルに結合され、マウスピースと反対側の端面は、ハウジングに設けられた空気入口開口部に作動的に結合されている。別の特徴によれば、チャンバは、吸入チャネルに解除不能に結合され、吸入チャネルと一緒に交換可能である。チャンバと吸入チャネルの一体構成は、例えば、プラスチックの射出成形による製造によって達成でき、かかる一体構成により、吸入中、薬剤に接触する吸入器の重要なコンポーネントが、交換されるようになる。
【0029】
好ましくは、プラスチックは、ポリマー、熱可塑性縮合重合体、ポリアダクト(polyadduct)、改質天然物質若しくはゴム又はこれらプラスチックの混合物である。
【0030】
特に好ましいプラスチックは、ポリオレフィン、塩化ビニルポリマー、スチレンポリマー、ポリアセタール、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアリールエーテル又はこれらプラスチックの混合物である。これらプラスチックの例は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリアセタール、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)、アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸エステル(ASA)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)又はポリ(フェニレンエーテル)である。この種のプラスチックは、例えば、独国ヌフリンゲン所在のアンシンガー(Ensinger)社から入手できる。
【0031】
粒子を分散させるコンポーネント、特にスクリーンが、吸入チャネル内に設けられている。したがって、吸入時に、微粉化された薬剤は、特に、スクリーンを通って吸入器のユーザに至る。
【0032】
吸入中、チャンバを通る空気の適度の流れを保証し、それ故に、薬剤がカプセルから放出され、そして空気の流れによって投与されるようにするために、チャンバは、吸入チャネルと反対側の端面に、ハウジングの空気入口開口部に結合可能なコネクタを有する。チャンバをチャンバ受け器から取り出すため、コネクタは、チャンバ受け器を越えて効果的に突き出る。圧力をチャンバの軸方向でコネクタに加えることにより、コネクタをチャンバ受け器から押し出して取り出すことができる。
【0033】
チャンバ内に収納され、薬剤を環境に起因する影響から保護するカプセルの容易な開放を可能にするため、チャンバは、その周囲にカプセルの端部を穿通するピンが嵌まる2つの互いに間隔を置いたボアを有し、ピンは、チャンバ受け器内に可動的に設けられると共に作動要素により作動可能である。明らかなこととして、本発明の範囲は、チャンバ受け器内に可動的に設けられ、カプセルを穿通するよう作動要素によって作動可能なたった1本のピンを設けることを更に含む。
【0034】
好ましくは、チャンバは、1回使用向きに設計され、チャンバは、カプセルを収容する。カプセルを無くし又は取り外すことができず、1回の吸入向きであるようにカプセルを製造時点でチャンバ内に収容しても良い。吸入後、チャンバは、空になったカプセルと一緒に、吸入器から取り出されて破棄される。その結果、オプションとして関連の吸入チャネル及びコネクタと共に、吸入の度毎に利用できる清浄なチャンバが存在する。
カプセルがチャンバ内に配置されたかどうか又は提供された薬剤が全て吸入されたかどうかを確認するための目視検査のため、チャンバは、透明なプラスチックで作られる。好ましくは、ハウジング及びチャンバ受け器は、少なくともチャンバの付近に、透明なプラスチック材料で作られた少なくとも1つの領域、特に窓を有する。
【0035】
コンパクトな設計のものであり且つ持ち運びが容易な吸入器を製造するため、プレートと一緒に、マウスピース及び蓋が、ハウジングにピボット回転可能に接合され、マウスピースは、プレートにラッチ止め可能であり、蓋は、ハウジングにラッチ止め可能である。
【0036】
理解されるように、上述した特徴及び更に以下において説明する特徴は、上述した特定の組合せの状態だけでなく、他の組合せの状態で利用できる。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の吸入器の部分図である。
【図2】図1の吸入器の別の部分図である。
【図3】図1の細部IIIの拡大図である。
【図4】図3の細部の概略断面図である。
【図5】図4の細部Vの拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下において、添付の図面を参照して例示としての実施形態によって本発明を詳細に説明する。
【0039】
吸入器は、下側部品として形成されたハウジングを有し、プレート1が、このハウジングにピボット回転可能に接合され、このプレートは、ハウジングをラッチ止め端位置で閉鎖している。マウスピース1及び蓋が、プレート1と一緒に、ハウジングに取り付けられ、マウスピース2は、プレート1及び蓋と一緒に、ハウジングにラッチ止めされるようになっている。プレート1には、チャンバ受け器3が設けられ、このチャンバ受け器は、薬剤の入ったカプセルを収容するようチャンバ4を交換可能に挿入するよう設計されている。チャンバ受け器3は、これをピボット回転させてハウジングに出入りさせることができるようプレート1に固定されている。チャンバ4をチャンバ受け器3に対して規定された位置に保持するため、周囲に沿って一様ではない状態で分布して設けられた3つの舌部と溝部による目違い継ぎ部5の形態の挿入コーディングが設けられており、この挿入コーディングは又、チャンバ4をチャンバ受け器3内に特定の位置でしか挿入できないようにする。互いに嵌合する溝6と舌状突起7は、これらがプレートから始まってテーパするよう円錐形のものである。その目的は、チャンバ4を一方において、比較的簡単な仕方でチャンバ受け器3に取り付けることができ、他方において、少なくとも、チャンバがチャンバ受け器3内に押し込められたチャンバの端位置においてクランプ作用を達成することにある。
【0040】
チャンバ4は、吸入の際に空気をチャンバ4に流入させるコネクタ8を有し、このコネクタは、マウスピース2から見て遠くの側でチャンバ受け器3の自由端部を越えて突き出ている。ユーザが手でコネクタ8に圧力を加えると、チャンバ4は、チャンバ受け器3から押し出され、それによりチャンバ4を交換できるようになる。チャンバ4は、マウスピース2に向いた側が、スクリーン9に当接し、このスクリーンは、粒子を分散させるために吸入チャネル10内に挿入される。
【0041】
カプセルを吸入直前に穿通するため、互いに間隔を置いて位置する2本のピン11が、チャンバ受け器3の案内コネクタ12内で動くことができるよう設けられており、各ピンは、共通の作動要素13と関連している。チャンバ受け器3の案内コネクタ12は、チャンバ4の周囲に設けられたボア14に対応しており、ピン11は、これらボアを通ってチャンバ4の内部に入り、かくしてカプセルを穿通する。カプセルをピン11によって穿通した後、ピン11をチャンバ受け器4と作動要素13との間に配置された圧縮ばね14によってリセットし、それによりカプセルの穴を露出させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を吸入可能な物質、物質の調合物、又は物質の混合物の形態で投与する吸入器であって、前記物質を収容し、前記薬剤の入ったカプセルを収容するように構成されたチャンバ(4)を備えたハウジングを有する吸入器において、
前記チャンバ(4)は、前記ハウジング内に交換可能に設けられており、
前記チャンバ(4)は、断面が実質的に円筒形であり、マウスピース(2)の方向に向いた端面が、前記マウスピースに通じる吸入チャネル(10)に結合され、前記マウスピース(2)と反対側の端面は、前記ハウジングに設けられた空気入口開口部に作動的に結合されており、
前記チャンバ(4)は、前記吸入チャネル(10)に解除不能に結合され、前記吸入チャネル(10)と一緒に交換可能であることを特徴とする、吸入器。
【請求項2】
前記チャンバ(4)を規定された位置に保持する手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記手段は、少なくとも1つの舌部と溝部による目違い継ぎ部(5)の形態をしていることを特徴とする、請求項2記載の吸入器。
【請求項4】
前記チャンバ(4)の押し込み位置のための停止部が、前記チャンバ受け器(3)内に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項5】
粒子を分散させるコンポーネントが、前記吸入チャネル(10)内に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の吸入器。
【請求項6】
前記チャンバ(4)は、前記吸入チャネル(10)と反対側の前記端面に、前記ハウジングの前記空気入口開口部に結合可能なコネクタ(8)を有することを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項7】
前記コネクタ(8)は、前記チャンバ受け器(3)を越えて突き出ていることを特徴とする、請求項6記載の吸入器。
【請求項8】
前記チャンバ(4)は、その周囲に前記カプセルの端部を穿通するピン(11)が嵌まる2つの互いに間隔を置いたボア(14)を有し、前記ピン(11)は、前記チャンバ受け器(3)内に可動的に設けられると共に作動要素(13)により作動可能であることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項9】
前記チャンバ(4)は、1回使用向きに設計され、前記チャンバは、カプセルを収容することを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項10】
前記チャンバ(4)は、透明なプラスチックで作られていることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項11】
前記ハウジング及び前記チャンバ受け器(3)は、少なくとも前記チャンバ(4)の付近に、透明なプラスチック材料で作られた少なくとも1つの領域を有することを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項12】
前記プレート(1)と一緒に、前記マウスピース(2)及び蓋が、前記ハウジングにピボット回転可能に接合され、前記マウスピース(2)は、前記プレート(1)にラッチ止め可能であり、前記蓋は、前記ハウジングにラッチ止め可能であることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項13】
粉末状薬剤を投与する請求項1〜12のうちいずれか1項に記載の吸入器。
【請求項14】
抗コリン作用薬、ベータミメティック(betamimetic )、ステロイド、ホスホジエストラーゼ−IV−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−キナーゼ−阻害薬、抗アレルギー薬、バッカク(麦角)アルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V−阻害薬、及びかかる物質の組合せの中から選択された粉末状薬剤を投与することを特徴とする、請求項13記載の吸入器。
【請求項15】
吸入可能な薬剤を収容するチャンバであって、請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の吸入器内に交換可能に使用できることを特徴とする、チャンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−502(P2012−502A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204764(P2011−204764)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【分割の表示】特願2009−504697(P2009−504697)の分割
【原出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)