説明

吸収体の製造方法

【課題】吸収性物品の着用状態において、又は吸収性物品の製造過程において、上層吸収体に位置ずれが発生することを効果的に防止し得る吸収体の製造方法を提供すること。
【解決手段】排泄部対向域Aに、周辺部41よりも厚みが厚く、かつ着用者の排泄部に向けて突出した突出部42を有している吸収体4の製造方法である。下層60と上層62とを有する吸収体前駆体4’を圧縮装置に供給し、吸収体前駆体4’を圧縮する工程を含む。圧縮工程において、前駆体4’のうち、該前駆体4’の平面視における上層62の周縁域の少なくとも一部に対応する部位を、該前駆体4’の平面視における上層62の幅方向の中央域に対応する部位よりも強く圧縮して、上層と下層とを一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつを始めとする各種の吸収性物品の吸収体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンを始めとする各種の吸収性物品において、吸収性物品の身体への密着性を向上させるために、あるいは液漏れの防止性を向上させるために、着用者の排泄部と対向する排泄部対向部や該排泄部対向部から着用者の臀部に対応する部分にかけて、吸収体を凸状に突出させた突出部を設ける技術が知られている。また吸収性物品において、液漏れの防止性を向上させるために、あるいは吸収性物品の装着性を向上させるために、該吸収性物品の肌対向面側に、表面シート及び吸収体を圧密化してなる溝部を形成することも知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、中高部の側部より所定距離離間した位置に防漏溝を形成し、該防漏溝と該中高部の側部との離間域に、防漏溝部吸収体よりも低密度でかつ中高部吸収体よりも高密度の圧搾吸収体領域が形成されている吸収性物品が記載されている。この圧搾吸収体領域は、防漏溝部吸収体よりも厚くかつ吸収体の標準部よりも薄く段状に形成されている。同文献に記載の吸収性物品によれば、吸収体の総厚を大きくせずに中高部の隆起高を高くすることが可能であるとともに、吸収された経血等の拡散を促進し吸収能の増大や逆戻りを防止でき、更に、中高部上面と防漏溝底面とに高低差があっても表面材の破れを防止できるとされている。
【0004】
特許文献1に記載の技術とは別に本出願人は先に、表面シートと裏面シートの間に吸収層を介在させた吸収性物品の肌対向面に、立体形状からなる突設部を形成するとともに、該突設部の外周囲に凹部を形成する吸収性物品の製造方法を提案した(特許文献2参照)。この方法においては、突設部を成形する凹状空間部及び凹部を成形する凸条部が形成された第1ロールと、該第1ロールに対して所定距離を置いて配置される第2ロールとの間に、吸収層を表面シートとともに搬送させ押圧させることによって、突設部を形成させるとともに上部を形成させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−345888号公報
【特許文献2】特開平10−323368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の各文献に記載の吸収体は、パルプ等の吸液材料を単純積繊してなる単一層の構造からなるものであるところ、それぞれ別途に製造した下層吸収体と上層吸収体とを積層してなる多層構造の吸収体も知られている。多層構造の吸収体を備えた吸収性物品においては、その着用状態において、着用者の動作に起因して吸収体に外力が加わり、上層吸収体が適正な位置からずれてしまうことがある。このような位置ずれは液漏れ発生の原因となる場合がある。
【0007】
また、多層構造の吸収体を備えた吸収性物品を製造する過程において、搬送ラインによって該吸収体が搬送される間に、搬送の振動等に起因して、上層吸収体が適正な位置からずれてしまうこともある。このような位置ずれは製品の歩留りを低下させる原因となる場合がある。
【0008】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品の吸収体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排泄部対向域に、周辺部よりも厚みが厚く、かつ着用者の排泄部に向けて突出した突出部を有している吸収性物品の吸収体の製造方法であって、
前記物品の着用状態において着用者から遠い側に位置する下層と、該下層の上面に配置され、着用者に近い側に位置し、かつ該下層の周縁よりも小さい周縁を有する上層とを有する吸収体前駆体を、圧縮装置に供給し、該吸収体前駆体を圧縮する工程を含み、
前記工程において、前記吸収体前駆体のうち、該吸収体前駆体の平面視における上層の周縁域の少なくとも一部に対応する部位を、該吸収体前駆体の平面視における上層の幅方向の中央域に対応する部位よりも強く圧縮して、上層と下層とを一体化する吸収体の製造方法を提供するものである。
【0010】
また本発明は、排泄部対向域に、周辺部よりも厚みが厚く、かつ着用者の排泄部に向けて突出した突出部を有している吸収体を備えた吸収性物品の製造方法であって、
前記物品の着用状態において着用者から遠い側に位置する下層と、該下層の上面に配置され、着用者に近い側に位置し、かつ該下層の周縁よりも小さい周縁を有する上層とを有する吸収体前駆体を準備し、
前記吸収体前駆体における上層の上に表面シートを配置し、
前記表面シートが配置された状態の前記吸収体前駆体を圧縮装置に供給し、該表面シートとともに該吸収体前駆体を圧縮する工程を含み、
前記工程において、前記吸収体前駆体のうち、該吸収体前駆体の平面視における上層の周縁域の少なくとも一部に対応する部位を、該吸収体前駆体の平面視における上層の幅方向の中央域に対応する部位よりも強く圧縮して、上層と下層とを一体化する吸収性物品の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の吸収体の製造方法によれば、吸収性物品の着用状態において、又は吸収性物品の製造過程において、上層吸収体に位置ずれが発生することを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1(a)は、本発明の製造方法に従い好適に製造される吸収体を備えた吸収性物品の一例を示す一部破断斜視図であり、図1(b)は、図1に示す吸収性物品における吸収体を、その下層吸収体側からみた分解斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す吸収性物品における吸収体の排泄部対向部における幅方向の縦断面を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の吸収体の製造方法に用いられる装置の一例を示す模式図である。
【図4】図4は、下層を製造するために用いられる第1積繊機における積繊ドラムの要部の分解斜視図である。
【図5】図5は、図3に示す装置を用いて製造された吸収体前駆体の斜視図である。
【図6】図6は、圧縮装置と、該圧縮装置に供給された吸収体前駆体との配置関係を示す図である。
【図7】図7は、圧縮装置に供給された吸収体前駆体が圧縮される状態を示す模式図である。
【図8】図8(a)及び(b)は、圧縮装置に供給された吸収体前駆体が圧縮される状態を示す模式図である。
【図9】図9(a)ないし(d)は、圧縮装置の別の実施形態を示す模式図(図6相当図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の製造方法に従い好適に製造される吸収体を備えた吸収性物品の一例が示されている。本実施形態の吸収性物品は生理用ナプキンである。このナプキン1は、肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を備え、実質的に縦長の形状をしている。
【0014】
ナプキン1は、図1に示すように、その着用状態において着用者の排泄部(膣口)に対向配置される排泄部対向域Aと、該排泄部対向部域Aから長手方向後方に延びる後方域Bと、該排泄部対向部域Aから長手方向前方に延びる前方域Cとを有している。
【0015】
本明細書において、肌対向面は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材における、吸収性物品(生理用ナプキン)の着用状態で着用者の肌側に向けられる面である。非肌対向面は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその部材における、吸収性物品(生理用ナプキン)の着用状態で肌側と反対側(衣類側)に向けられる面である。また、長手方向は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材の長辺に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。
【0016】
表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の周縁よりも大きな周縁を有し、吸収体4の周縁から外方に延出している。そして、延出した表面シート2と裏面シート3とが、それらの周縁において接合されることで周縁接合部が形成されている。
【0017】
ナプキン1は、その排泄部対向部域Aにおいて、ナプキン1の幅方向へ延出する左右一対のウイング部5を有している。ウイング部5は、表面シート2と裏面シート3とを接合することによって形成されている。ウイング部5は、ナプキン1の着用状態において、着用者のショーツにおけるクロッチ部の外面側に折り返して該クロッチ部に固定することで、着用状態におけるナプキン1の位置ずれを防止するために用いられる。
【0018】
ナプキン1の非肌対向面、すなわち裏面シート3の外面は、ナプキンの着用状態においてショーツのクロッチ部の内面に向けられる。非肌対向面には、ナプキン1をショーツのクロッチ部に固定するための粘着部(図示せず)が設けられている。また、先に述べたウイング部5の非肌対向面にも粘着部(図示せず)が設けられている。これらの粘着部は、ホットメルト粘着剤を所定箇所に塗布することにより設けられている。粘着部は、ナプキン1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる剥離シート(図示せず)によって保護されている。
【0019】
吸収体4は、その平面視において角が丸みを帯びた矩形又は長円形をしており、その長手方向をナプキン1の長手方向に一致させて、物品幅方向の中央域に配されている。吸収体4は、例えば、パルプ繊維等の吸液性繊維材料の積繊体又は吸液性繊維材料と高吸収性ポリマーとの混合物の積繊体からなる吸収コアを、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなるコアラップシート(図示せず)で被覆してなる。表面シートと吸収体4との間、及び/又は、吸収体4と裏面シート3との間は、ドット、スパイラル、ストライプ等のパターンでパターン塗工された接着剤(ホットメルト接着剤等)によって接合されている。
【0020】
吸収体4は、図1及び図2に示すように、排泄部対向部Aに、周辺部41よりも厚みが厚く、かつ排泄部に向けて突出した突出部42を有している。具体的には、吸収体4は、ナプキン1のほぼ全長にわたる長さを有する縦長の下層吸収コア40aと、排泄部対向部Aにおいて下層吸収コア40aの上面(すなわち肌対向面)上に配置された縦長の上層吸収コア40bとを有している。下層吸収コア40a及び上層吸収コア40bはそれぞれ別個の製造工程で製造され、その後に積層され、かつ後述する方法によって一体化されたものである。したがって吸収体4は、下層吸収コア40a及び上層吸収コア40bを含む2層構造又はそれ以上の多層構造のものである。下層吸収コア40a及び上層吸収コア40bは、それらの積層状態において、コアラップシート(図示せず)で被覆されている。あるいは下層吸収コア40a及び上層吸収コア40bは、それぞれが別個にコアラップシート(図示せず)で被覆され、該コアラップシートによる被覆状態下に積層されていてもよい。
【0021】
平面視において上層吸収コア40bは、その周縁が下層吸収コア40aの周縁よりも小さくなっており、上層吸収コア40bの周縁は、下層吸収コア40aの周縁よりも内側に位置している。平面視において、上層吸収コア40bの長さ及び幅は、下層吸収コア40aの長さ及び幅よりも小さくなっている。上層吸収コア40bは、その長手方向を物品長手方向に一致させて、排泄部対向部Aにおける下層吸収コア40aの物品幅方向の中央域に配置されている。
【0022】
下層吸収コア40a及び上層吸収コア40bそれぞれの厚みは、ナプキン1の具体的な用途(例えば昼用であるかそれとも夜用であるか等)に応じて適切な値が設定される。一般的に言って下層吸収コア40aの厚みは、好ましくは1〜10mm、更に好ましくは1〜5mmであり、上層吸収体40aの厚みは、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは1〜10mmである。
【0023】
下層吸収コア40aは、基盤部43と、該基盤部43の一面に位置する複数のブロック状吸収部44とを備えている。上層吸収コア40bは、下層吸収コア40aにおける基盤部43側に配置されている。隣り合うブロック状吸収部44間は空間になっており、各ブロック状吸収部44は個々に独立している。後述するように、基盤部43とブロック状吸収部44とは一体的に形成されている。ブロック状吸収部44はその複数個が、吸収体4の長手方向に沿って所定の間隔をおいて列状に配置されている。またブロック状吸収部44は、該ブロック状吸収部44の列が、吸収体の幅方向に沿って所定の間隔をおいて多列に配置されている。
【0024】
図2に示すように、排泄部対向部Aの物品幅方向に沿う断面視において、吸収体4における突出部42及びその周辺部45(突出部42と物品幅方向に隣接する所定幅の部分)からなる吸収体中央領域46は、該吸収体中央領域46の物品幅方向の中央部が、相対的に密度の低い中央低密度部47となっている。これとともに、該中央部に隣接し、かつ突出部42の側部の少なくとも一部(該側部における物品幅方向外方寄りの部分)を含む側方部が、相対的に密度の高い側方高密度部48となっている。そして、先に述べた下層吸収コア40aと上層吸収コア40bとは、主としてこの側方高密度部48において一体化されている。
【0025】
中央低密度部47は、側方高密度部48との比較において、全構成材料(繊維、吸水性ポリマー等)の密度が低い部分である。側方高密度部48は、中央低密度部47との比較において全構成材料の密度が高い部分である。中央低密度部47は、その全域にわたって密度が略均一である。これに対し、側方高密度部48は、物品幅方向(図中Y方向)の内方から外方に向かうにつれて密度が高くなっている。すなわち、側方高密度部48は、突出部42において中央低密度部47と物品幅方向に隣接する部分が、最も全構成材料の密度が低く、中高部42の物品幅方向外方に位置する周辺部45が、最も全構成材料の密度が高くなっている。
【0026】
以上の構造を有する吸収体4を含む吸収性物品の製造方法について説明すると、まず図3に示す装置を用いて、下層吸収コア40aの元となる下層60と、上層吸収コア40bの元となる上層62とを製造する。下層60は、ナプキンの着用状態において着用者から遠い側に位置する。上層62は、ナプキンの着用状態において着用者に近い側に位置する。同図に示す装置は、2台の積繊機である第1積繊機50A及び第2積繊機50Bを備えている。第1積繊機50Aは、下層60及び上層62を有する吸収体前駆体4’の搬送方向における上流側に位置している。第2積繊機50Bは、第1積繊機50Aよりも下流側に位置している。第1積繊機は下層60を製造するためのものである。第2積繊機50Bは上層62を製造するためのものである。
【0027】
各積繊機50A,50Bは、吸収体前駆体4’の搬送方向と同方向に回転可能な積繊ドラム51A,51Bを有している。更に各積繊機50A,50Bは、積繊ドラム51A,51Bの周面の一部を覆うフードを備えた積繊ダクト52A,52Bを有している。下層及び上層の原料は、積繊ダクト52A,52Bを通じて、積繊ドラム51A,51Bの周面に設けられた凹部53A,53B内に堆積される。各凹部53A,53Bは、目的とする下層60及び上層62の形状と相補形状のものである。
【0028】
図4には、下層60を製造するために用いられる第1積繊機50Aにおける積繊ドラム53Aの要部の分解斜視図が示されている。積繊ドラム53Aは、金属製の剛体からなる円筒状のフレーム体54と、フレーム体54の外面側に重ねて固定された透気性の多孔プレート55と、多孔プレート55の外面側に重ねて固定されたパターン形成プレート56とを有する。これらの部材は、例えばボルト締めや接着剤等の各種公知の固定方法によって一体的に固定されている。
【0029】
フレーム体54は、梯子を環状にして上下端を連結したような形状を有し、先に述べた凹部53Aに対応する箇所のそれぞれに内外面を貫通する連通孔54aを有している。多孔プレート55は、多数の細孔を有し、空気流に乗せて供給された吸収体の原料としての繊維材料を透過させずに空気のみを透過させる得るものである。多孔プレート55としては、この種の積繊装置に従来用いられているものを特に制限なく使用することができる。例えば、金属又は樹脂製のメッシュプレートや、金属又は樹脂製の板にエッチングやパンチングで多数の細孔を形成したもの等を用いることができる。
【0030】
パターン形成プレート56は、積繊ドラム51Aの外周面を形成する外面56aと、積繊ドラム51Aの回転軸側に向けられる内面56bとを有し、外面56aと内面56bとの間に、凹部53A内の立体形状に対応する形状の空間を有している。パターン形成プレート56には、桟部材57が設けられている。桟部材57は、積繊ドラム51Aの回転方向及びそれと直交する方向に格子状に配置されている。桟部材57は内面56b寄りに設けられており、凹部53Aの外面56a側には桟部材57のない空間を形成する。そして四辺の桟部材57によって取り込まれる積繊空間58が多数設けられている。
【0031】
図3に戻ると、第1積繊機50Aの運転によって、その積繊ドラム51Aを回転させつつ、その周面から内部に向けて吸引することで、該積繊ドラム51Aの凹部53A内に、吸液性繊維材料や高吸収性ポリマーなどからなる原料が堆積して下層60が形成される。この場合、まず図4に示すパターン形成プレート56の積繊空間58内に原料が堆積されて、先に述べたブロック状吸収部44に対応する部位が形成される。更に積繊が進行すると、凹部53Aの外面56a側の桟部材57のない空間に、各積繊空間58内に積繊された原料を連結する部位が凹部53Aの全域に形成される。この連結部位は、先に述べた基盤部43に対応する。したがって、第1積繊機50Aによって製造される下層60は、目的とする吸収体4における下層吸収コア40aと同様に、基盤部と該基盤部の一面に配置された多数のブロック状吸収部とを有するものとなる。
【0032】
積繊ドラム51Aの各凹部53A内に形成された下層60は、積繊ドラム51Aと反対方向に回転する転写ドラム59の周面に一旦転写される。下層60の転写は、転写位置において、積繊ドラム51Aをその内部から周面へ向けて空気をブローしつつ、転写ドラム59をその周面から内部に向けて吸引することで首尾良く行うことができる。転写ドラム59に転写された下層60は、該転写ドラム59の回転方向と同方向に走行するコアラップシート61の一面上に転写されて載置される。コアラップシート61上に載置された下層60は、該下層60におけるブロック状吸収部がコアラップシート61と対向し、基盤部が上方を向いている。
【0033】
コアラップシート61の走行とともに下層60は、第2積繊機50Bへと連続的に、かつ所定の間隔をおいて順次搬送される。第2積繊機50Bにおいては、目的とする吸収体4における上層吸収コア40bの前駆体となる上層62が形成される。上層62は、第2積繊機50Bにおける積繊ドラム51Bの周面に設けられた凹部53B内に、吸液性繊維材料や高吸収性ポリマーなどからなる原料が堆積されることによって形成される。この凹部53Bは、上層62の形状と相補形状をなしている。凹部53B内に形成された上層62は、搬送されてくる下層60の上面、すなわち基盤部側の表面に載置される。
【0034】
下層60上に上層62が載置されたら、公知の巻き上げ手段66によって、下層60の下に位置しているコアラップシート61を巻き上げ、該コアラップシート61によって下層60及び上層62を一体的に被覆する。このようにして図5に示す吸収体前駆体4’が形成される。前駆体4’は下層60と、その上に載置された上層62とを有している。下層60におけるブロック状吸収部60aは下方を向いている。また下層60における基盤部60bは上方を向き、上層62と対向している。
【0035】
このようにして製造された吸収体前駆体4’は、図3に示すように、コアラップシート61の走行とともに圧縮装置63へ搬送される。圧縮装置63は一対のロール部材である第1ロール64及び第2ロール65を備えている。一対のロール64,65は、コアラップシート61を挟んで該シート61の上下に配置されている。また、ロール64,65は、それらの軸線がコアラップシート61の走行方向と直交するように配置されている。更にロール64,65は、それらの周面間に所定のクリアランスが生じ、両ロール64,65間に挿入された吸収体前駆体4’が圧縮されるような間隔で配置されている。
【0036】
図6には、圧縮装置63と、該圧縮装置63に供給された吸収体前駆体4’との配置関係が示されている。図6に示すように、圧縮装置63が備える一対のロール64,65のうち、少なくとも一方は押圧部位を有するロールである。具体的には、圧縮装置63は、フラットロールからなる第1ロール64と、押圧部位を有するロールとしての第2ロール65とを有している。第1ロール64は例えば金属製であり、その周面は平滑になっている。第2ロール65も金属製とすることができる。第1ロール64及び第2ロール65の幅はいずれも吸収体前駆体4’における下層60の幅よりも若干大きくなっている。第1ロール64と第2ロール65とは略同幅をしている。
【0037】
図6に示すように第2ロール65は段付きロールである。詳細には、第2ロール65はロール軸方向の中央域に位置する小径部65aと、ロール軸方向の側部域に位置し、かつ吸収体前駆体4’における上層62の各側部域を圧縮する押圧部位としての大径部65bとを備えている。小径部65aでのロールの半径R1は、大径部65bでのロールの半径R2よりも小さくなっている(R1<R2)。小径部65a及び大径部65bの周面は平滑になっている。小径部65aの幅(つまりロール軸方向の長さ)は、吸収体前駆体4’における上層62の幅よりも小さくなっている。吸収体前駆体4’が圧縮装置63に供給された状態においては、該前駆体4’における上層62の中央域の位置が、小径部65aの位置と略一致している。一方、上層62の側部域は大径部65bと対向する。大径部65bは、上層62の側縁を跨ぐように、上層62の側部域と対向する。
【0038】
上述の位置関係で吸収体前駆体4’が圧縮装置63に供給されることで、図7に示すように、上層62における周縁域の少なくとも一部である各側部域62aと、下層60のうち該側部域62aに対応する部位とが、大径部65bによって強く圧縮される。換言すれば、吸収体前駆体4’のうち、該吸収体前駆体4’の平面視における上層62の各側部域62aに対応する部位が強く圧縮される。その結果、上層62と下層60とが、上層62の側部域において首尾良く一体化する。この場合、圧縮力は、上層62の側部域62a位置が最も強くなる。その結果、得られる吸収体4には、先に述べた側方高密度部48が形成される。また、この圧縮によって上層62の側部域62aが潰されることから、図7に示すように、得られる吸収体4における上層吸収コア40bの幅W1は、その前駆体である上層62の幅W2よりも狭くなる。
【0039】
一方、上層62における幅方向の中央域は、段付きロールである第2ロール65の小径部65aによって形成される隙間内に進入し、該隙間を満たすように変形する。したがって吸収体前駆体4’の平面視における上層62の幅方向の中央域に対応する部位は、側部域に対応する部位に比較して圧縮力が小さいか、又は圧縮力がほとんど加わらない。その結果、得られる吸収体4には、先に述べた中央低密度部47(図2参照)が形成される。
【0040】
更に、下層60のうち、上層62の側部域よりも側方に位置する部位60’は、該部位単独で大径部65bによって圧縮される。したがって、該部位60’は圧縮前に比較して剛性が高くなる。このことは、吸収性物品の着用状態において、着用者の動作に起因する外力が該部位60’に加わったときに、該部位60’がよれにくくなるという利点につながる。また、該部位60’は圧縮前に比べて薄くなるので、吸収性物品の装着感が良好になるという利点にもつながる。
【0041】
特に下層60にブロック状吸収部60a(図5参照)が形成されている場合には、該加工60の長手方向に列状に複数配置されたブロック状吸収部60aが、該ブロック状吸収部60aの列に沿って圧縮される。この圧縮によって形成された所定幅を有する線状の圧縮部位は、その延びる方向に沿って、高圧縮部位と低圧縮部位とが交互に配置された状態となる。高圧縮部位は、主として、下層60におけるブロック状吸収部60aと上層62の側部域とが圧縮されて形成された部位である。低圧縮部位は、主として、下層60におけるブロック状吸収部60aどうしの間と上層62の側部域とが圧縮されて形成された部位である。かかる高圧縮部位及び低圧縮部位が交互に配置された圧縮部位が形成されることで、得られる吸収体4においては、低圧縮部位が屈曲点となって、該吸収体4が長手方向に曲がりやすくなるという利点がある。また高圧縮部位がアンカー効果(スパイク的な役割)を発揮して、上層62と下層60が一層位置ずれしにくくなるという利点もある。
【0042】
圧縮工程においては、段付きロールである第2ロール65の段差を調整することで、目的とする吸収体4の厚みを調整することができる。先に述べたとおり、小径部65aの半径をR1とし、大径部65bの半径をR2としたとき、段付きロールの段差HはR2−R1で表される。この段差Hが大きい場合には、図8(a)に示すように、吸収体前駆体4’における上層62の中央域の圧縮の程度が小さいので、得られる吸収体4の全厚Tは比較的大きくなる。これに対して図8(b)に示すように、段付きロールである第2ロール65の段差Hが小さい場合には、吸収体前駆体4’における上層62の中央域の圧縮の程度が図8(a)に示す場合よりも大きいので、得られる吸収体4の全厚Tは、図8(a)に示す場合よりも小さくなる。
【0043】
図9(a)ないし(d)には、圧縮工程の別の実施形態が示されている。なお、これらの実施形態に関し特に説明しない点については、先に述べた図6ないし図8に示す実施形態に関する説明が適宜適用される。図9(a)に示す圧縮工程では、使用する圧縮装置63は、先に説明した図6に示すものと同様である。ただし本実施形態においては、圧縮装置63に供給する吸収体前駆体4’の供給のしかたが、図6に示す実施形態と異なっている。詳細には、本実施形態においては、吸収体前駆体4における下層60が、加圧手段としての、押圧部位を有するロールである第2ロール65、すなわち段付きロールに対向するように、該前駆体4’が供給されて圧縮が行われる。本実施形態によれば、先に説明した図6に示す実施形態で奏される効果に加えて、圧縮時に上層60の位置ずれが一層起こり難くなり、圧縮幅が安定するという有利な効果が奏される。この理由は、下層60の側から段付きロールで押圧すると、上層62が下層60で保持された形で圧縮されるからである。
【0044】
図9(b)に示す圧縮工程では、用いられる圧縮装置63が、フラットロールからなる第1ロール64と、加圧手段としての、押圧部位を有するロールである部分プレスロールからなる第2ロール66とを有している。フラットロールからなる第1ロール64の幅は、吸収体前駆体4’における下層60の幅よりも若干大きくなっている。部分プレスロールからなる第2ロール66は、第1ロール64よりも狭幅のものである。第2ロール66は、その幅が上層62の幅よりも広幅になっている。しかし、下層60の幅よりは狭幅になっている。これとともに第2ロール66は、ロール軸方向の中央域に位置する小径部66aと、ロール軸方向の側部域に位置し、かつ上層62の各側部域62aを圧縮する大径部66bとを備えている。第2ロール66はその大径部66bが、下層60の両側縁よりも内側に位置している。吸収体前駆体4’が圧縮装置63に供給された状態においては、該前駆体4’における上層62の中央域の位置が、小径部66aの位置と略一致する。一方、上層62の側部域の位置は、大径部66bの位置と略一致する。大径部66bと上層62とは、大径部66bが、上層62の側縁を跨ぐような位置関係になっている。本実施形態によれば、大径部66bからの圧縮力が被圧縮部位に一層効果的に伝わり、該部位が一層圧縮され易くなるとともに、該部位の周囲を必要以上に潰さなくて済むという有利な効果が奏される。
【0045】
図9(c)に示す圧縮工程では、用いられる圧縮装置63が、フラットロールからなる第1ロール64と、加圧手段としての、押圧部位を有するロールであるエンボスロールからなる第2ロール67とを有している。第1ロール64及び第2ロール67の幅はいずれも吸収体前駆体4’における下層60の幅よりも若干大きくなっている。エンボスロールからなる第2ロール67は、押圧部位としての複数の凹凸加工部を有している。詳細には、第2ロール67は、吸収体前駆体4’における上層62の各側部域に対応する部位に、第2ロール67の周方向に沿って一対の凹凸加工部67aを有している。凹凸加工部67aは、第2ロール67のロール軸方向において所定の幅をもって形成されている。第2ロール67における周面のうち、凹凸加工部67aが形成されている部位以外の部位は、平滑面になっている。吸収体前駆体4’が圧縮装置63に供給された状態においては、該前駆体4’における上層62の中央域の位置が、一対の凹凸加工部67a間の位置と略一致する。一方、上層62の側部域の位置は、凹凸加工部67aの位置と略一致する。凹凸加工部67aと上層62とは、凹凸加工部67aが、上層62の側縁を跨ぐような位置関係になっている。凹凸加工部67aにおける凹凸パターンとしては、例えば多数のドット状凸部が規則的に配置されたパターンなどが挙げられるが、これに限られない。本実施形態によれば、図6に示すような表面がフラットな段付きロールを用いるよりも、ドットの部分が高圧力になり圧縮しやすくなるとともに、部分的な圧縮に起因して、図6に示すような表面がフラットな段付きロールに比べて圧縮部が柔軟になるという有利な効果が奏される。
【0046】
図9(d)に示す圧縮工程では、用いられる圧縮装置63が、フラットロールからなる第1ロール64と、加圧手段としての、押圧部位を有するロールである部分プレスエンボスロールからなる第2ロール68とを有している。フラットロールからなる第1ロール64の幅は、吸収体前駆体4’における下層60の幅よりも若干大きくなっている。部分プレスエンボスロールからなる第2ロール68は、第1ロール65よりも狭幅のものである。第2ロール66は、その幅が上層62の幅よりも広幅になっている。しかし、下層60の幅よりは狭幅になっている。これとともに第2ロール66は、ロール軸方向の中央域に位置する小径部68aと、ロール軸方向の側部域に位置し、かつ上層62の各側部域62aを圧縮する大径部68bとを備えている。小径部68aの周面は平滑になっている。一方、大径部68bは凹凸加工面になっている。吸収体前駆体4’が圧縮装置63に供給された状態においては、該前駆体4’における上層62の中央域の位置が、小径部68aの位置と略一致する。一方、上層62の側部域の位置は、大径部68bの位置と略一致する。大径部68bと上層62とは、大径部68bが、上層62の側縁を跨ぐような位置関係になっている。大径部68bの凹凸加工面における凹凸パターンとしては、例えば連続した斜め格子状の凸部が規則的に配置されたパターンなどが挙げられるが、これに限られない。本実施形態によれば、接触面積が小さいので、高圧力を加えやすく、そのことに起因して圧力が効果的に被圧縮部位に伝わるので、該部位が一層圧縮されやすくなるという有利な効果が奏される。
【0047】
図9(b)ないし(d)に示す実施形態においては、吸収体前駆体4’における下層60が、加圧手段である第2ロール66,67,68に対向するように圧縮が行われるが、これに代えて、該前駆体4’における上層60が加圧手段に対向するように圧縮を行ってもよい。
【0048】
このようにして吸収体4が得られたら、次いで該吸収体4における該吸収体4における下層吸収コア40a側の外面に裏面シート3が配されるとともに、吸収体4における上層吸収コア40b側の外面に表面シート2が配される。そして、吸収体4の周縁から延出した両シート2,3を接合することで、目的とする生理用ナプキン1が得られる。得られた生理用ナプキン1は先に述べたように、ショーツのクロッチ部に固定するための粘着部(図示せず)が設けられる。また、個装シートとともに長手方向に三つ折り等されて個別包装がなされる。このようにして得られたナプキン1においては、製造過程において上層吸収コア40bの位置ずれが起こりにくくなり、またその着用状態においても、上層吸収コア40bの位置ずれが起こりにくくなる。
【0049】
以上の実施形態においては、上層62及び下層60を有する吸収体前駆体4’が圧縮されて吸収体4を得たが、これに代えて、吸収体前駆体4’における上層62の上に表面シート2を配置し、表面シート2が配置された状態の吸収体前駆体4’を圧縮装置に供給し、表面シート2とともに吸収体前駆体4’を圧縮してもよい。
【0050】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば前記の実施形態における吸収体40においては、下層吸収コア40aの基盤部43側に上層吸収コア40bが位置しているが、これに代えて、下層吸収コア40aのブロック状吸収部44側に上層吸収コア40bを位置させてもよい。
【0051】
また前記の実施形態における下層吸収コア40aに形成されているブロック状吸収部44は格子状に配置されていたが、各ブロック状吸収部44が吸収体4の長手方向に沿って列状に配置されているとともに、該ブロック状吸収部44の列が、吸収体4の幅方向に沿って多列に配置されている限り、他のパターンで配置されていてもよい。例えば各ブロック状吸収部44は千鳥格子状に配置されていてもよい。ブロック状吸収部44の列に関しては、該列が吸収体4の長手方向に沿って配置されていることに代えて、各ブロック状吸収部44が吸収体4の幅方向に沿って列状に配置されているとともに、該ブロック状吸収部44の列が、吸収体4の長手方向に沿って多列に配置されていてもよい。更に、前記の実施形態における下層吸収コア40aは、基盤部43とブロック状吸収部44を備えるものであったが、これに代えて下層吸収コア40aとして、基盤部43を備えず、ブロック状吸収部44のみを備える吸収体を用いてもよい。
【0052】
また前記の実施形態における下層吸収コア40aは、ブロック状吸収部44を備えるものであったが、これに代えて下層吸収コア40aとして、ブロック状吸収部44を備えず、略一様な厚みを有する吸収体を用いてもよい。
【0053】
また前記実施形態においては、吸収体前駆体4’における上層62の側縁域を、中央域よりも強く圧縮したが、該側縁域を含む上層62の周縁域の全域を圧縮してもよい。また吸収体前駆体4’における上層62の側縁域は圧縮せずに、上層62の物品長手方向端部域を圧縮してもよい。
【0054】
また前記の実施形態における上層62、下層60は、所定長さに間欠的に形成したが、図3の装置において凹部53A,53Bの形状を変更して、連続的に形成してもよい。そのようにするためには例えば、図4に示す積繊ドラム51Aにおいて、該積繊ドラム51Aの周方向に沿って連続した凹部を、パターン形成プレート56に設ければよい。
【0055】
また前記実施形態においては、下層60を形成した後に、その上に上層62を積層して吸収体前駆体4’を形成したが、これに代えて上層62を形成した後に、下層60を積層して吸収体前駆体4’を形成してもよい。
【0056】
また前記実施形態においては、圧縮装置が、押圧部位を有するロールとフラットロールとからなる一対のロール部材を備えていたが、これに代えて、同一の又は異なる、押圧部位を有するロールを2本用いてもよい。2本の該ロールにおける押圧部位としては、例えば図9(a)ないし(d)に示す形態のものを用いることができる。
【0057】
圧縮装置としては、上述したロール状の構造のもの以外に、互いに接離可能な一対の板状の構造のものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
3 裏面シート
4 吸収体
40a 下層吸収体
40b 上層吸収体
41 周辺部
42 突出部
43 基盤部
44 ブロック状吸収部
5 ウイング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄部対向域に、周辺部よりも厚みが厚く、かつ着用者の排泄部に向けて突出した突出部を有している吸収性物品の吸収体の製造方法であって、
前記物品の着用状態において着用者から遠い側に位置する下層と、該下層の上面に配置され、着用者に近い側に位置し、かつ該下層の周縁よりも小さい周縁を有する上層とを有する吸収体前駆体を、圧縮装置に供給し、該吸収体前駆体を圧縮する工程を含み、
前記工程において、前記吸収体前駆体のうち、該吸収体前駆体の平面視における上層の周縁域の少なくとも一部に対応する部位を、該吸収体前駆体の平面視における上層の幅方向の中央域に対応する部位よりも強く圧縮して、上層と下層とを一体化する吸収体の製造方法。
【請求項2】
前記圧縮装置が、押圧部位を有するロールを少なくとも含む一対のロール部材を備えている請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記吸収体前駆体における上層が押圧部位を有するロールに対向するように圧縮が行われる請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記吸収体前駆体における下層が押圧部位を有するロールに対向するように圧縮が行われる請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
押圧部位を有するロールが、ロール軸方向の中央域に位置する小径部と、ロール軸方向の側部域に位置し、かつ前記吸収体前駆体のうち、該吸収体前駆体の平面視における上層の各側部域に対応する部位を圧縮する押圧部位としての大径部とを備えている請求項2ないし4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
押圧部位を有するロールは、前記大径部が下層の両側縁よりも内側に位置している請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
押圧部位を有するロールにおける押圧部位が、複数の凹凸加工部を有する請求項2ないし6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
下層が、個々に独立した多数のブロック状吸収部を備え、
各ブロック状吸収部は、目的とする吸収体の長手方向又は幅方向に沿って列状に配置されているとともに、該ブロック状吸収部の列が、目的とする吸収体の幅方向又は長手方向に沿って多列に配置されている請求項1ないし7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
排泄部対向域に、周辺部よりも厚みが厚く、かつ着用者の排泄部に向けて突出した突出部を有している吸収体を備えた吸収性物品の製造方法であって、
前記物品の着用状態において着用者から遠い側に位置する下層と、該下層の上面に配置され、着用者に近い側に位置し、かつ該下層の周縁よりも小さい周縁を有する上層とを有する吸収体前駆体を準備し、
前記吸収体前駆体における上層の上に表面シートを配置し、
前記表面シートが配置された状態の前記吸収体前駆体を圧縮装置に供給し、該表面シートとともに該吸収体前駆体を圧縮する工程を含み、
前記工程において、前記吸収体前駆体のうち、該吸収体前駆体の平面視における上層の周縁域の少なくとも一部に対応する部位を、該吸収体前駆体の平面視における上層の幅方向の中央域に対応する部位よりも強く圧縮して、上層と下層とを一体化する吸収性物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−245065(P2012−245065A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117360(P2011−117360)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】