説明

吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置

【課題】連続シートの各端部の位置が幅方向に変化しても、同端部を折り位置の目標位置で正確に折り返す。
【解決手段】吸収性物品に係る連続シートを、その連続方向を搬送方向として搬送中に、連続シートの幅方向の各端部を折り返す折り返し装置である。連続シートは、外装材をなす外装シートで、折り位置で折り返されることにより吸収性物品に係る胴周りの縁部となる。折り返し装置は、折り返しガイド部材で各折り曲げ位置で、各端部を折り曲げるとともに、端部毎に連続シート上に設定された検出対象部分を、端部が折り返される前にカメラで撮像して画像データを生成し、画像データに基づいて、検出対象部分の幅方向の位置情報を出力するセンサー50と、折り返しガイド部材よりも搬送方向の上流側に設けられて、各端部のうちで対応する端部の幅方向の位置を調整する位置調整機構を端部毎に有する幅方向位置調整装置43aと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に係る連続シートの幅方向の各端部を折り返す折り返し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつの外装材をなす連続シートを、その連続方向を搬送方向として搬送中に、同シートの幅方向の各端部を折り返し、これにより、使い捨ておむつの胴周りの縁部を形成することが行われている。
【0003】
この幅方向の各端部の折り返しは、特許文献1に開示されているような折り返し装置によって行われる。この折り返し装置では、幅方向に一対の折り返しガイド部材が配されており、連続シートが搬送方向に沿って通過する際に、対応する各端部を幅方向の中央側へ折り返す。また、各折り返しガイド部材は、幅方向に往復移動可能に設けられており、連続シートの各端部の位置に応じて、幅方向に移動するように構成されている。例えば、蛇行等によって連続シートの各端部が全体的に幅方向の右側に寄った場合には、連続シートの折り返しに係る折り位置の目標位置も右側にずれるため、その分だけガイド部材を右側にずらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−131111号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようにガイド部材を連続シートの蛇行に応じて移動すると、連続シートは、同ガイド部材によって蛇行位置に固定されてしまう。すると、下工程でも蛇行位置で搬送され、つまり下工程において本来通すべき幅方向の搬送位置から連続シートが位置ずれした状態で搬送され、その結果、下工程での幅方向の加工位置精度が悪化するなど下工程に悪影響を及ぼす虞がある。
また、同ガイド部材は一般に鋼製で長大な重量物であることから、そのイナーシャは大きく高速追従性が悪いために、連続シートの搬送速度が高速の場合には、連続シートの端部の位置の変化に対して追従遅れを生じ、連続シートの折り位置の目標位置で正確に折り返すことができない虞がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、下工程での幅方向の搬送位置に悪影響を及ぼさないようにしながら、連続シートの各端部の位置が幅方向に変化しても、同端部を折り位置の目標位置で正確に折り返すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための主たる発明は、
吸収性物品に係る連続シートを、その連続方向を搬送方向として搬送中に、前記連続シートの幅方向の各端部を折り返す折り返し装置であって、
前記連続シートは、前記吸収性物品における外装材をなす外装シートであるとともに、前記各端部が、それぞれ対応する各折り位置で折り返されることにより、前記連続シートにおける前記各折り位置の部分は、それぞれ前記吸収性物品に係る胴周りの縁部となり、
前記折り返し装置に移動不能に固定された折り返しガイド部材であって、前記各端部に対応して前記折り返し装置上に規定された各折り曲げ位置で、前記各端部をそれぞれ折り曲げることにより、前記各端部を折り返す前記折り返しガイド部材と、
前記折り返しガイド部材よりも前記搬送方向の上流側に設けられたカメラを、前記端部毎に、あるいは前記各端部の両者で一つだけ有するセンサーであって、前記端部毎に前記連続シート上に設定された各検出対象部分を、前記各端部が折り返される前に前記カメラで撮像して画像データを生成し、前記画像データに基づいて、前記各検出対象部分の前記幅方向の位置情報を出力する前記センサーと、
前記折り返しガイド部材よりも前記搬送方向の上流側に設けられて、前記各端部のうちで対応する端部の前記幅方向の位置を調整する位置調整機構を前記端部毎に有する幅方向位置調整装置と、を有し、
前記幅方向位置調整装置の各位置調整機構は、それぞれ、対応する前記端部の前記折り位置の目標位置が、前記折り返し装置上の前記折り曲げ位置に揃うように、対応する前記端部の前記位置情報に基づいて、前記端部の前記幅方向の位置を調整することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、下工程での幅方向の搬送位置に悪影響を及ぼさないようにしながら、連続シートの各端部の位置が幅方向に変化しても、同端部を折り位置の目標位置で正確に折り返すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1Aは、展開状態の使い捨ておむつ1の平面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。
【図2】着用状態のおむつ1の概略斜視図である。
【図3】図3Aは折り返し装置20の概略平面図であり、図3Bは、図3A中のB−B矢視図である。
【図4】図4Aは折り返し装置20の概略平面図であり、図4Bは、図4A中のC−C矢視図、D−D矢視図、E−E矢視図、及びF−F矢視図である。
【図5】検出対象部分の説明図であって、折り返される前の外層シート5aの端部5aeの拡大図である。
【図6】カメラ52によって撮像された平面画像のイメージ図である。
【図7】図7A及び図7Bは、幅方向位置調整装置40及び端部位置検出センサー50が適用された90°ターンドラム装置60の説明図であって、図7Aは概略平面図であり、図7Bは、図7A中のB−B矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
吸収性物品に係る連続シートを、その連続方向を搬送方向として搬送中に、前記連続シートの幅方向の各端部を折り返す折り返し装置であって、
前記連続シートは、前記吸収性物品における外装材をなす外装シートであるとともに、前記各端部が、それぞれ対応する各折り位置で折り返されることにより、前記連続シートにおける前記各折り位置の部分は、それぞれ前記吸収性物品に係る胴周りの縁部となり、
前記折り返し装置に移動不能に固定された折り返しガイド部材であって、前記各端部に対応して前記折り返し装置上に規定された各折り曲げ位置で、前記各端部をそれぞれ折り曲げることにより、前記各端部を折り返す前記折り返しガイド部材と、
前記折り返しガイド部材よりも前記搬送方向の上流側に設けられたカメラを、前記端部毎に、あるいは前記各端部の両者で一つだけ有するセンサーであって、前記端部毎に前記連続シート上に設定された各検出対象部分を、前記各端部が折り返される前に前記カメラで撮像して画像データを生成し、前記画像データに基づいて、前記各検出対象部分の前記幅方向の位置情報を出力する前記センサーと、
前記折り返しガイド部材よりも前記搬送方向の上流側に設けられて、前記各端部のうちで対応する端部の前記幅方向の位置を調整する位置調整機構を前記端部毎に有する幅方向位置調整装置と、を有し、
前記幅方向位置調整装置の各位置調整機構は、それぞれ、対応する前記端部の前記折り位置の目標位置が、前記折り返し装置上の前記折り曲げ位置に揃うように、対応する前記端部の前記位置情報に基づいて、前記端部の前記幅方向の位置を調整することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置。
【0011】
このような吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置によれば、連続シートの各端部の位置が正規の幅方向の位置からずれた場合には、各位置調整機構がそれぞれ対応する端部の幅方向の位置を調整する。すなわち、各折り返しガイド部材を移動せずにその位置に固定としながら、各位置調整機構が各端部の幅方向の位置を調整することで、連続シートの方で、各端部の折り位置の目標位置を折り返し装置上に規定された各折り曲げ位置に揃える。そして、その結果として、各端部は折り位置の目標位置で正確に折り返される。また、各端部の折り位置の目標位置が折り返し装置上の各折り曲げ位置に揃えば、連続シートの各端部は正規の幅方向の位置に戻ったことになるので、これにより、連続シートは、幅方向の正規の位置からずれること無く同正規の位置に維持されつつ下工程へと搬送される。よって、下工程での幅方向の搬送位置に悪影響を及ぼすことはない。
【0012】
また、各端部の位置の調整で、各端部のそれぞれについて折り位置の目標位置と折り曲げ位置との位置合わせを行うので、連続シートの各端部の位置の変化に速やかに追従することができて、その結果、連続シートの各端部を折り位置の目標位置で正確に折り返し可能となる。
【0013】
更には、センサーは、カメラで各端部の検出対象部分を撮像することで、各端部に係る幅方向の位置情報を生成する。よって、検出対象部分を連続シートの端縁以外の任意の位置に設定することができる。例えば、検出対象部分を折り位置の目標位置の近傍に設定することも可能であり、これにより、折り位置の目標位置でより正確に折り返し可能となる。
【0014】
かかる吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置であって、
前記連続シートにおいて、前記端部が折り返される際に前記端部が重なる部分には、前記胴周りの縁部に伸縮性を付与するための弾性部材が前記搬送方向に沿って配置されており、
前記センサーは、前記連続シートにおいて前記弾性部材が配置された部分を前記検出対象部分として検出することにより、前記位置情報を生成するのが望ましい。
【0015】
このような吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置によれば、弾性部材が配置された部分を検出対象部分として検出して位置情報を生成し、この位置情報に基づいて連続シートの折り位置の目標位置と折り畳み装置上の折り曲げ位置との位置合わせをして各端部を折り返す。よって、各端部が弾性部材を確実に覆うように折り返すことができて、結果、弾性部材の被覆不良起因で着用者の肌を傷めるような吸収性物品の不良品の発生を抑制可能となる。
【0016】
かかる吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置であって、
前記折り返し装置よりも前記搬送方向の上流側には、前記折り返し装置を通過前の前記連続シート上に、吸液性の吸収性本体を前記搬送方向に間欠的に載置する載置装置が設置されており、
前記載置装置は、前記端部毎に対応して前記載置装置上に設定された前記幅方向の各基準部位に、前記吸収性本体上の各特定部位が一致するように前記吸収性本体の前記幅方向の位置を規制しながら、前記載置装置は前記連続シート上に前記吸収性本体を載置し、
前記連続シートには、前記吸収性本体の前記各特定部位が位置すべき前記幅方向の位置として前記幅方向の各端部にそれぞれ各載置用目標位置が設定されており、
前記センサーを第1センサーとし、前記検出対象部分を第1検出対象部分とし、前記幅方向位置調整装置を第1幅方向位置調整装置とした場合に、
前記載置装置は、
前記連続シートに前記吸収性本体を載置する載置位置よりも前記搬送方向の上流側に設けられたカメラを、前記端部毎に、あるいは前記各端部の両者で一つだけ有する第2センサーであって、前記端部毎に前記連続シート上に設定された各第2検出対象部分を、前記カメラで撮像して画像データを生成し、前記画像データに基づいて、前記各第2検出対象部分の前記幅方向の位置情報を出力する前記第2センサーと、
前記載置位置よりも前記搬送方向の上流側に設けられて、前記各端部のうちで対応する端部の前記幅方向の位置を調整する位置調整機構を前記端部毎に有する第2幅方向位置調整装置と、を有し、
前記第2幅方向位置調整装置の各位置調整機構は、それぞれ、対応する前記端部の前記載置用目標位置が、前記載置装置上の前記基準部位に揃うように、対応する前記端部の前記位置情報に基づいて、前記端部の前記幅方向の位置を調整するのが望ましい。
【0017】
このような吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置によれば、連続シートの各端部の位置が正規の幅方向の位置からずれた場合には、各位置調整機構がそれぞれ対応する端部の幅方向の位置を調整する。すなわち、各位置調整機構が各端部の幅方向の位置を調整することにより、各端部の載置用目標位置を載置装置上の基準部位に揃える。これにより、連続シートは、幅方向の正規の位置からずれること無く同正規の位置に維持されつつ下工程の折り返し装置へと搬送される。よって、折り返し装置での幅方向の搬送位置に悪影響を及ぼすこともなく、当該折り返し装置では折り返し処理を安定して行うことができる。
【0018】
また、各端部の位置の調整で、各端部のそれぞれについて連続シート上の載置用目標位置と載置装置上の基準部位との位置合わせを行うので、連続シートの各端部の位置の変化に速やかに追従することができる。その結果、載置装置から連続シートへと同シート上の適正な位置に吸収性本体を正確に載置可能となる。
【0019】
更には、センサーは、カメラで各端部の第2検出対象部分を撮像することで、各端部に係る幅方向の位置情報を生成する。よって、第2検出対象部分を連続シートの端縁以外の任意の位置に設定することができる。例えば、第2検出対象部分を、連続シートのうちで吸収性本体の端縁部が位置すべき部位に設定することも可能であり、そうすれば、高い位置あわせ精度で、連続シートに吸収性本体を載置可能となる。
【0020】
かかる吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置であって、
前記各位置調整機構が前記各端部の位置を調整する際に前記各端部に前記幅方向の移動力を付与する位置は、前記折り返し装置上に規定された前記各折り曲げ位置よりも前記幅方向の端側に設定されているのが望ましい。
【0021】
このような吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置によれば、各位置調整機構が連続シートの各端部に幅方向の移動力を付与する位置は、折り返し装置上に規定された各折り曲げ位置よりも幅方向の端側に設定されている。よって、連続シートの端部を幅方向の中央側及び端側のどちらにも確実に移動可能となり、その結果、当該位置調整機構は、連続シートの各端部の折り位置の目標位置を、折り返し装置上の各折り曲げ位置に確実に揃えることができる。
【0022】
===本実施形態===
本実施形態の吸収性物品に係る連続シート5aの折り返し装置20は、吸収性物品の一例としての使い捨ておむつ1の製造ラインで使用される。
図1Aは、展開状態の使い捨ておむつ1の平面図であり、図1Bは、図1A中のB−B断面図である。図2は、着用状態のおむつ1の概略斜視図である。
【0023】
図1A及び図1Bに示すように、展開状態のおむつ1は、長手方向と幅方向と厚み方向とを有する。そして、その構成部品として、着用者の肌側に設けられた液体吸収性の吸収性本体3と、この吸収性本体3を厚み方向の非肌側から覆って同吸収性本体3に接合された外装材5と、を有する。外装材5は、展開状態におけるおむつ1の外形をなし、その平面形状は、略砂時計形状である(図1B)。すなわち、外装材5は、幅方向の両端縁が長手方向の中央部にて幅方向の内方にへこんだ形状をなしている。また、外装材5は、長手方向に関して、着用者の腹部を覆う腹側部5Aと、同股間部を覆う股下部5Bと、同背部を覆う背側部5Cとに区分されている。そして、この展開状態から、長手方向の略中央位置を折り位置として二つ折りされるとともに、腹側部5Aと背側部5Cとが、幅方向の両端縁において連結されることにより、図2に示すような胴周り開口部1hB及び一対の脚周り開口部1hL,1hLが形成された着用状態のおむつ1となる。
【0024】
図1Aに示すように、吸収性本体3は、平面視略長方形をなし、その長手方向をおむつ1の長手方向に沿わせつつ幅方向の中央に配置されている。吸収性本体3は、液体を吸収して保持する吸収体3dと、この吸収体3dを着用者の肌側から覆いつつ着用時に着用者の肌側に当接する不織布等の液透過性の表面シート3sと、同吸収体3dを非肌側から覆いつつ非肌側からの液体の漏れを防ぐフィルム等の液不透過性の裏面シート3bと、を有する。吸収体3dは、パルプ繊維等の液体吸収性繊維を略直方体等の所定形状に成形したものであり、その内部には高吸収性ポリマーが混入されている。なお、吸収体3dはティッシュペーパーで被覆されていても良い。また、吸収性本体3における幅方向の各端縁に対して、それぞれ横漏れを防ぐ立体ギャザー部(防漏カフス)を設けても良い。
【0025】
外装材5は、例えば伸縮性を有し柔軟な二層構造のシートを本体とする。すなわち、外装材5は、おむつ1の外面をなす不織布等の外層シート6と、外層シート6の肌側に積層されて外層シート6に一体に接合された不織布等の内層シート7と、を有する。外層シート6と内層シート7とは、互いにほぼ同形同大であるが、長手方向の寸法に関しては外層シート6の方が長くなっており、つまり、外層シート6の長手方向の両端部6e,6eが、内層シート7の長手方向の両端部から飛び出すサイズになっている。そして、これら飛び出した各端部6e,6eは折り返されて、内層シート7を肌側から覆いつつ同シート7に接着や溶着で接合されている。これについては後述する。
【0026】
また、外装材5における適宜位置には、複数の弾性部材8B,8F,8L…が、内層シート7と外層シート6との間に介装されて配置されている。これらの弾性部材8B,8F,8L…は、おむつ1に伸縮性を付与するものである。例えば、外装材5における長手方向の各端縁部5e,5e(腹側部5Aにおいて胴周り開口部1hBをなす縁部5e(胴周りの縁部に相当)及び背側部5Cにおいて胴周り開口部1hBをなす縁部5e(胴周りの縁部に相当))には、それぞれ複数の胴周り弾性部材8B,8Bが幅方向に沿って設けられている。そして、これらの胴周り弾性部材8B,8Bは伸長下で上記シート6,7に接着や溶着等で固定されており、これにより各端縁部5e,5eたる胴周り開口部1hBに伸縮性が付与されている。同様に、これら胴周り弾性部材8Bの配置位置よりも長手方向の中央側の位置にも、それぞれ複数のフィットギャザー用弾性部材8F,8F…が、幅方向に沿って設けられている。そして、これらのフィットギャザー用弾性部材8F,8F…は伸長下で上記シート6,7に接着や溶着等で固定されており、これにより各胴周り開口部1hBと長手方向の中央位置との間の各部分に伸縮性が付与されている。更に、外装材5における幅方向の各端縁部のうちで脚周り開口部1hLをなす縁部5eL,5eLには、それぞれ、複数の脚周り弾性部材8L,8L…が設けられている。そして、これらの脚周り弾性部材8L,8L…は伸長下で上記シート6,7に接着や溶着等で固定されており、これにより脚周り開口部1hL,1hLをなす縁部5eL,5eLに伸縮性が付与されている。
【0027】
ところで、上述の説明では、「外装材5の外層シート6の長手方向の各端部6e,6eが折り返されて、内層シート7を肌側から覆っている」旨を述べたが、本実施形態の折り返し装置20は、当該各端部6e,6eの折り返し作業に供されている。ここで、外層シート6上には、各端部6e,6eを折り返すための折り位置の目標位置P5a,P5a(図4A)が設定されている。そして、各目標位置P5a,P5aで折り返せば、各端部6e,6eは、内層シート7の上から胴周り弾性部材8B,8Bを完全に覆うとともに、更に吸収性本体3の長手方向の各端部3e,3eも覆うように当該おむつ1は設計されている。すなわち、設計通りに目標位置P5aで各端部6e,6eが折り返されれば、各端部6e,6eの端縁6ee,6eeは、長手方向の位置に関して胴周り弾性部材8B,8Bよりも中央側に位置するとともに、吸収性本体3の長手方向の各端縁部3ee,3eeよりも中央側に位置するようになっている。そして、これにより、胴周り弾性部材8B,8Bの着用者へ肌への当たり具合が和らげられて肌荒れ等を防止可能な仕様になるとともに、仮に吸収性本体3の各端部3e,3eから液体が漏出しても、当該漏出した液体のおむつ1外への漏出を外層シート6でくい止め可能な仕様となる。
【0028】
但し、かかる折り返しの仕様は、何等上述に限らない。例えば、各目標位置P5a,P5aで折り返した際に、各端部6e,6eは、内層シート7の上から胴周り弾性部材8B,8Bを完全に覆うが、吸収性本体3の長手方向の各端部3e,3eについては覆わないように設計されていても良い。
【0029】
かかるおむつ1は、おむつ1の製造ラインで製造される。製造ラインでは、適宜な搬送機構により、おむつ1の半製品1aを所定の搬送方向に沿って所定の搬送速度で搬送する。そして、かかる搬送中に、当該半製品1aに対して各種部品の接着や溶着、プレス・打ち抜き等の各種加工が施され、その度に順次半製品1aが状態を変えていきながら、最終的に、図1Aの状態のおむつ1が生成される。半製品1aの搬送に供する搬送機構としては、例えば、載置面たるベルト面に吸引保持機能を有したサクションベルトコンベア14(図3B)や、上下に対で配された無端ベルト同士の間に半製品1aの搬送路を形成するベルトコンベア、あるいは搬送ローラー12(図3B、図7B)等が使用される。
【0030】
図3A乃至図4Bは、製造ラインに設けられた折り返し装置20の説明図である。図3A及び図4Aは概略平面図であり、互いに同じ図である。図3Bは、図3A中のB−B矢視図であり、図4Bには、図4A中のC−C矢視図、D−D矢視図、E−E矢視図、F−F矢視図をそれぞれ示している。
【0031】
図3Aに示すように、この折り返し装置20に送られる時点の半製品1aは、未だおむつ1の製品単位に分断前の搬送方向に連続した連続体の状態にある。例えば、外装材5の外層シート6は、搬送方向に連続した連続シート6aの状態にある。但し、おむつ1の構成部品のほぼ全ては、この外層シート6の連続シート6aに組み付けられている。例えば、外層シート6の連続シート6aの肌側面たる上面には、内層シート7が連続シート7aの状態で接合されており、また、図3A乃至図4B中では不図示であるが、これらシート6a,7a同士の間には、胴周り弾性部材8Bやフィットギャザー用弾性部材8F、脚周り弾性部材8L等が既に介装されて固定済みである。更には、内層シート7の連続シート7aの肌側面たる上面には、吸収性本体3,3…が、搬送方向に製品ピッチで間欠的に載置されて同上面に接合されている。
【0032】
そして、このような状態のおむつ1の半製品1aは、所謂横流れの搬送形態で搬送されている。つまり、おむつ1の幅方向に相当する方向が、搬送方向を向いた状態で搬送されている。よって、折り返されるべき外装材5の外層シート6の各端部6e,6eは、この半製品1aにおいては、それぞれ外層シート6の連続シート6aの幅方向の各端部6ae,6aeに相当している。
以下では、外層シート6の連続シート6aの幅方向のことを、CD方向とも言うし、左右方向とも言う。また、外層シート6の連続シート6a及び内層シート7の連続シート7aのことを、単に「外層シート6a」及び「内層シート7a」とも言う。更に、外層シート6aと内層シート7aと各種弾性部材8B,8F,8L…とが一体化された外装材5の連続体5aのことを、外装シート5aと言う。また、外層シート6aの端部6ae,6aeというのは、外装シート5aの各端部5ae,5aeのことでもあり、よって、以下では、端部5ae,5aeを用いて説明する。
【0033】
図3A及び図3Bに示すように、折り返し装置20は、外装シート5aを搬送方向に沿って搬送する搬送機構と、外装シート5aのCD方向の各端部5ae,5aeを折り返す折り返しガイド装置22と、折り返しガイド装置22よりも搬送方向の上流側に設けられ、外装シート5aの各端部5ae,5aeのCD方向の位置を調整する幅方向位置調整装置40と、を有する。
【0034】
搬送機構は、例えば搬送ローラー12とサクションベルトコンベア14とを組み合わせて構成されている。すなわち、幅方向位置調整装置40に対応する外装シート5aの搬送路には搬送ローラー12が使用され、折り返しガイド装置22に対応する搬送路にはサクションベルトコンベア14が使用されている。
【0035】
搬送ローラー12は、搬送方向に間欠的に複数本配置されている。そして、駆動源としてのサーボモータにより、CD方向に沿った回転軸周りに駆動回転し、これにより、当該搬送ローラー12に架け渡された外装シート5aを搬送方向に搬送する。
【0036】
サクションベルトコンベア14は、無端ベルト15を有する。無端ベルト15は、搬送方向の前後に間隔をあけて配置された一対のローラー16,16に掛け回されており、また、これら一対のローラー16,16のうちの少なくとも一方のローラー16は、駆動源としてのサーボモータにより駆動回転する駆動ローラー16である。よって、図3Bに示すように、無端ベルト15は、搬送方向に長い略長円軌道を周回軌道として周回する。そして、この周回軌道における上側の直線軌道を、外装シート5aを搬送するための搬送経路として用いる。ちなみに、上記一対のローラー16,16の回転軸は、それぞれCD方向を向いているため、無端ベルト15のベルト面もCD方向に平行になっている。
【0037】
この無端ベルト15のベルト面には、複数の吸気孔(不図示)が形成されている。そして、これら吸気孔からの吸気により、ベルト面には吸引力が生じる。よって、当該ベルト面に、外装シート5aの下面を吸引保持しながら無端ベルト15が上記周回軌道を移動することにより、外装シート5aは、上述の搬送経路たる上側の直線軌道に沿って搬送方向の上流側から下流側へと搬送される。
【0038】
折り返しガイド装置22は、外装シート5aのCD方向の各端部5ae,5aeに対応させて、各端部5ae,5aeをCD方向の中央側へ折り返すべく移動不能に設けられた一対の折り返しガイド部材24,24を有する。なお、これら一対の折り返しガイド部材24,24同士は、互いにCD方向の中心線に関して鏡像関係にあり、その点でのみ主に相違し、これ以外の点は概ね同構造である。よって、以下では、一方の折り返しガイド部材24を例に説明し、他方の折り返しガイド部材24の説明については省略する。
【0039】
図4Bの最上段のF−F矢視図に示すように、一方の折り返しガイド部材24は、搬送経路のCD方向の端部の上方に、サクションベルトコンベア14の無端ベルト15のベルト面に対して平行に配置された平板部材24aと、外装シート5aの実際の折り位置を規定する側壁部材24bと、を有する。平板部材24aは、同ベルト面との間に所定の隙間を空けながら、当該ベルト面と対向して配置されている。また、この隙間におけるCD方向の端側の部分には、上述の側壁部材24bが設けられている。更に、図4Aに示すように、平板部材24aは、搬送方向の下流側に平面形状が略三角形状の部分を有し、当該略三角形状の部分が具備する複数の辺のうちで外装シート5a上に位置する一辺24a1は、搬送方向の下流側に進むに従ってCD方向の中央側に張り出すようになっている。
【0040】
よって、この構成によれば、外装シート5aは、側壁部材24bの位置P24b(折り曲げ位置に相当)にて折り曲げられ、つまり側壁部材24bの内壁面に当接する位置を実際の折り位置として折り曲げられるとともに、外装シート5aが搬送方向の下流に進むに従って、同折り位置よりもCD方向の端側の部分5aeが、平板部材24aの下面とベルト面との間の隙間に入り込むことによって、当該CD方向の端側の部分5aeたる一方の端部5aeは、内層シート7a(図4B中では不図示)の肌側面たる上面に伏せられる。そして、これにより、図4Aに示すように当該端部5aeはCD方向の中央側に折り返される。
【0041】
幅方向位置調整装置40は、外装シート5aの各端部5ae,5aeのCD方向の位置をそれぞれ独立に調整する装置である。ここで、幅方向位置調整装置40によって外装シート5aの各端部5ae,5aeを位置調整する理由は、一般に外装シート5aは、搬送張力起因の幅縮みや蛇行等をしてしまい、これにより、各端部5ae,5aeの位置が、CD方向の正規の搬送位置から位置ずれしてしまうためである。そのため、当該装置40によって、外装シート5aの各端部5ae,5aeの位置をCD方向の正規の搬送位置に位置合わせをしてから当該外装シート5aを上述の折り返しガイド装置22に送っている。
【0042】
かかる幅方向位置調整装置40は、外装シート5aのCD方向の各端部5ae,5aeの位置を調整するための位置調整機構42,42を、各端部5ae,5aeに対応させてそれぞれ有している。なお、これら左右の位置調整機構42,42は、互いにCD方向の中心線に関して鏡像関係にあり、基本的な構造は概ね同じである。よって、以下では、一方の位置調整機構42についてのみ説明する。
【0043】
図4A及び図4BのD−D矢視図に示すように、位置調整機構42は、外装シート5aの端部5aeを、その厚み方向から挟み込む上下一対のニップロール43a,43bと、一対のニップロール43a,43bを外装シート5aの上面と略平行な平面内に旋回移動可能に案内するガイド部材44と、ガイド部材44を支点C44周りに旋回移動するアクチュエータ45と、外装シート5aの端部5aeにおける検出対象部分のCD方向の位置情報に基づいて、アクチュエータ45を制御する制御部47(図3B)と、を有する。
【0044】
なお、位置情報の生成は、位置調整機構42と折り返しガイド装置22との間にて、端部位置検出センサー50(センサーに相当)が、外装シート5aの各端部5ae,5aeにおける検出対象部分のCD方向の位置を検出することで行われる。
【0045】
一対のニップロール43a,43bは、互いの回転軸を略平行に揃えた状態でガイド部材44に支持されている。そして、一対のニップロール43a,43bのうちの一方のロール43bは、他方のロール43aに所定の圧力で押し付けられており、これにより、これら一対のニップロール43a,43bは互いに協同して、外装シート5aの端部5aeを厚み方向に挟み込んで保持するように構成されている。
【0046】
また、一対のニップロール43a,43bのうちの少なくとも一方のロール43bはサーボモータによって、外装シート5aを搬送方向の下流側の方へ送り出すように駆動回転する。更に、旋回移動する際の一対のニップロール43a,43bによる外装シート5aの送り出し方向D43(つまり、一対のニップロール43a,43b同士の間のロール間隙の位置でのニップロールの回転方向D43)は、ガイド部材44及びアクチュエータ45によって、外装シート5aの搬送方向からCD方向の端側及び中央側のどちらに傾いた方向にも変更可能である。
【0047】
よって、外装シート5aの各端部5ae,5aeには、ニップロール43a,43bから、搬送方向に平行な移動力以外にCD方向の端側又は中央側を向いた移動力も付与されて、これにより、外装シート5aの各端部5ae,5aeは、搬送方向の下流へ搬送される間に、それぞれCD方向の端側又は中央側にも所定の各移動量で移動される(図3A)。以下では、図4Aに示すように、ニップロール43a,43bの送り出し方向D43の搬送方向に対する角度のことを送り出し傾斜角θと言う。ちなみに、この送り出し傾斜角θは、送り出し方向が搬送方向と平行な状態で0°であり、送り出し方向がCD方向の端側へ向くに従って大きくなり、CD方向の中央側へ向くに従って小さくなる。つまり、送り出し傾斜角θが正値の場合にはCD方向の端側へ送り出し、負値の場合にはCD方向の中央側へ送り出す。
【0048】
当該端部5aeのCD方向の移動量は、一対のニップロール43a,43bの旋回移動動作によって調整可能である。つまり、端側への移動量を大きくする場合には、送り出し傾斜角θが大きくなるように一対のニップロール43a,43bを旋回すれば良く、逆に中央側への移動量を大きくする場合には、送り出し傾斜角θが小さくなるように一対のニップロール43a,43bを旋回すれば良い。
【0049】
また、ガイド部材44を介してニップロール43a,43bを旋回移動するアクチュエータ45としては、サーボモータ、又はサーボモータで駆動する送りねじ機構やカム機構、クランク機構、或いは油圧シリンダーで駆動するクランク機構等を例示できる。
【0050】
ちなみに、移動量(mm)とは、例えば、「CD方向の端側へ向かうに従って値が大きくなるような位置座標を設定した場合に、外装シート5aの端部5aeが折り返される前であってニップロール43a、43bよりも搬送方向の下流側の所定位置での外装シート5aの端縁5aeeの位置座標から、同ロール43a、43bよりも搬送方向の上流側の所定位置での同端縁5aeeの位置座標を減算した値」と言うこともできる(図3Aを参照)。よって、端部5aeがCD方向の端側に移動される場合には、移動量は正値となるが、CD方向の中央側へ移動される場合には、移動量は負値となる。
【0051】
また、これら一対のニップロール43a,43bが外装シート5aを挟み込んでCD方向の移動力を付与するCD方向の位置は、折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24bよりも端側に設定されており、これにより、後述するように、外装シート5aの端部5aeをCD方向の中央側及び端側のどちらにも確実に移動可能となり、その結果、折り位置の目標位置P5aを折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24bまでCD方向に確実に移動することができる。
【0052】
制御部47は、適宜なコンピュータやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等であり、プロセッサとメモリとを有する。そして、メモリに格納された制御プログラムをプロセッサが読み出して実行することにより、制御部47はアクチュエータ45を制御する。
【0053】
ここで、上述の制御プログラムとして、メモリには、上述の端部5aeの位置情報に従って、外装シート5aの折り位置の目標位置P5aが、折り返しガイド装置22の折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24b(図4BのF−F矢視図を参照)に揃うように、アクチュエータ45を制御するプログラムが、端部5ae,5ae毎に格納されている。よって、この制御プログラムの実行下において、外装シート5a上の折り位置の各目標位置P5a,P5aが、各折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24b,P24bに一致するように各アクチュエータ45,45は制御される。
【0054】
例えば、外装シート5aの一方の端部5aeが蛇行起因などでCD方向の正規位置よりも端側に移動した場合には、外装シート5a上の折り位置の目標位置P5aが、折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24bよりもCD方向の端側に移動してしまう。すると、折り位置の目標位置P5aよりもCD方向の中央側の位置を実際の折り位置として折り返されてしまって、折り返し不良になってしまうが、この場合には、端部位置検出センサー50から送られる端部5aeの検出対象部分の位置情報に基づいて、制御部47は、上述の一対のニップロール43a,43bの送り出し方向D43に係る送り出し傾斜角θを小さくして移動量を小さくし、これにより、外装シート5aの端部5aeをCD方向の中央側へ移動する。その結果、外装シート5a上の折り位置の目標位置P5aは、CD方向の中央側へ移動して折り返しガイド部材24の側壁部材24bに揃えられ、同目標位置P5aで端部5aeは折り返される。
【0055】
一方、外装シート5aの一方の端部5aeが幅縮み起因などでCD方向の正規位置よりも中央側に移動した場合には、外装シート5a上の折り位置の目標位置P5aが、折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24bよりもCD方向の中央側に移動してしまう。すると、折り位置の目標位置P5aよりもCD方向の端側の位置を実際の折り位置として折り返されてしまい、折り返し不良になってしまうが、この場合には、制御部47は、位置情報に基づいて送り出し傾斜角θを大きくして移動量を大きくし、これにより、外装シート5aの端部5aeをCD方向の端側に移動する。その結果、外装シート5a上の折り位置の目標位置P5aが、CD方向の端側に移動して折り返しガイド部材24の側壁部材24bに揃えられ、同目標位置P5aで端部5aeは折り返される。
【0056】
なお、上記制御プログラムの一例としては、例えば、位置情報が示す検出対象部分のCD方向の位置と、当該検出対象部分が本来位置すべきCD方向の正規位置との差を演算し、当該差に基づいて送り出し傾斜角θの変更量Δθを算出して、送り出し傾斜角がθ+Δθとなるようにアクチュエータ45を制御するプログラム等が挙げられる。
また、かかる制御は、左右の各位置調整機構42,42に対して各々独立に行われ、これにより、上述の移動量の変更は、端部5ae,5ae毎に各々独立に行われる。
【0057】
端部位置検出センサー50は、図3A及び図3Bに示すように、外装シート5aの各端部5ae,5aeに対応して設けられ、外装シート5aの対応する各端部5ae,5aeをそれぞれ撮像して平面画像データを生成する一対のカメラ52,52と、各カメラ52,52に対応してそれぞれ配置され、対応する各カメラ52,52とで上下から挟むような位置に配置された一対の照明部材54,54と、各カメラ52,52から送信される各平面画像データに基づいて各端部5ae、5aeの検出対象部分の位置情報を生成して出力する画像処理部56と、を有する。
【0058】
各カメラ52,52は、例えばCCD(電荷結合素子)カメラである。そして、各カメラ52,52は、それぞれ、外装シート5aの上面における担当する各端部5ae,5aeに対向して配置されており、これにより、撮像位置P52を通過する外装シート5aの上面の各端部5ae,5aeの検出対象部分を撮像して、検出対象部分の平面画像のデータ(以下、平面画像データと言う)を生成する。撮像位置P52は、ニップロール43a,43bと折り返しガイド部材24との間の位置である。よって、各カメラ52は、ニップロール43a,43bによりCD方向の位置を調整した後の端部5aeであって、且つ折り返しガイド部材24により折り返される前の端部5aeを撮像する。
【0059】
また、撮像動作は、予め設定された適宜な制御周期でカメラ52,52毎になされ、各平面画像データの生成の都度、各平面画像データを画像処理部56へ送信する。すると、画像処理部56では、各平面画像データの受信の都度、各平面画像データに基づいて、外装シート5aの各端部5ae,5aeの検出対象部分のCD方向の位置を示す位置情報を算出して、幅方向位置調整装置40の制御部47へ送信し、同制御部47では、前述した各アクチュエータ45,45の制御を上述の制御周期で行う。
【0060】
各照明部材54,54は、例えば白色LEDライトや蛍光灯などの適宜なライトであり、その光源の種類は、その場の撮像状況に応じて適宜選定される。また、上述したように、各照明部材54の配置位置は、外装シート5aを、対応するカメラ52とで同シート5aの厚み方向から挟むような位置に設定されている。これにより、各カメラ52は、外装シート5aを厚み方向に透過した透過光を受光することで撮像する。
【0061】
画像処理部56は、適宜なコンピュータを本体とし、プロセッサとメモリとを有する。そして、メモリに予め格納された二値化処理プログラムをプロセッサが読み出して実行することにより、各カメラ52,52から送られる各平面画像データに対して二値化処理を行って、各端部5ae、5aeの検出対象部分の位置情報をそれぞれ生成する。なお、以下で説明する位置情報の生成の内容は各端部5ae、5aeとも同じなので、一方の端部5aeについてのみ説明する。
【0062】
図5は検出対象部分の説明図であり、同図5には、折り返される前の外層シート5aの端部5aeを拡大して示している。
検出対象部分としては、例えば胴周り弾性部材8Bや内層シート7aのCD方向の端縁7aee、外層シート6aの端縁6aee(外装シート5aの端縁5aee)等が挙げられるが、本実施形態では、胴周り弾性部材8B,8Bのうちで最もCD方向の端側に位置する胴周り弾性部材8B(正確には、外装シート5aにおいて胴周り弾性部材8Bが配置された部分5a8B)に設定されている。これは、この胴周り弾性部材8Bの位置よりも2〜3mmだけCD方向の端側の位置が、外装シート5aの折り位置の目標位置P5aに設計されているためである。ちなみに、このように胴周り弾性部材8Bの位置基準で、同位置よりも2〜3mmだけCD方向の端側の位置を折り位置の目標位置P5aに設計している理由は、仮に胴周り弾性部材8Bが折り位置の目標位置P5aに一致していると、おむつ1の胴周り開口部1hBをなす縁部5eが、胴周り弾性部材8Bの作用で着用者の肌に食い込む等して肌荒れの虞があるためである。
【0063】
また、本実施形態のように端部位置検出センサー50にカメラ52を用いれば、上述において胴周り弾性部材8Bを検出対象部分としたように、外装シート5aの端縁5aee(つまり外層シート6aの端縁6aee)以外の部分も検出対象部分とすることができて、検出対象部分の選択自由度に長けたものとなる。
【0064】
図6に、カメラ52により撮像された平面画像のイメージ図を示す。なお、同図6には、理解を容易にする目的で折り位置の目標位置P5aも二点鎖線で図示しているが、実際の平面画像にはこのような線は撮像されていない。
【0065】
平面画像は、例えばCD方向をX方向とし、搬送方向をY方向として撮像されており、また、平面画像は、検出対象部分としての胴周り弾性部材8Bを含むように撮像されている。
【0066】
かかる平面画像は、X方向及びY方向の両方向にそれぞれ所定の解像度に基づく所定ピッチで格子状に並ぶ多数の画素の集合体である。換言すると、平面画像は、X方向に一直線に所定ピッチで並ぶ複数の画素からなる画素列が、Y方向に複数列所定ピッチで並んで構成される。そして、平面画像データは、各画素に対応させてそれぞれ色情報を有している。例えば、平面画像データがグレースケールの場合には、画素毎に色情報として明度のみを有している。そして、その場合には、外装シート5aにおいて透光性の高い領域に対応する各画素は明るくなるので、その画素の明度は高い値になっているが、他方、透光性の低い領域に対応する各画素は暗くなるので、その画素の明度は低い値になっている。
【0067】
ここで、外装シート5aにおいて胴周り弾性部材8Bが配置された部分5a8B(以下、胴周り弾性部材配置部分5a8Bと言う)は、透光性が低い部分である。よって、画像処理部56は、明度が所定の閾値以下の画素に注目することで、図6の平面画像上において、胴周り弾性部材配置部分5a8B,5a8Bが撮像されている領域A5a8B,A5a8Bの画素を抽出する。また、平面画像の各画素にはXY座標が付与されていて、これらのXY座標はメモリに記録されている。よって、画像処理部56は、抽出された画素のXY座標をメモリから取得するとともに、取得されたXY座標のなかからX座標が最大値のものを選択することで、CD方向の端側の胴周り弾性部材配置部分5a8Bに対応するX座標を取得することができる。更に、メモリには、X座標と、CD方向の位置とを対応付ける対応付けデータが記録されている。よって、かかる対応付けデータから、抽出された画素のXY座標に対応するCD方向の位置を取得して、これを、胴周り弾性部材8BのCD方向の位置情報として幅方向位置調整装置40の制御部47へ送信する。そして、同制御部47では、前述したように、この位置情報に基づいてアクチュエータ45を制御し、これにより、外装シート5a上の折り位置の目標位置P5aは、折り返しガイド部材24の側壁部材24bの位置P24bに揃うように調整される。
【0068】
ところで、上述の幅方向位置調整装置40と端部位置検出センサー50とを、製造ラインの別の装置に適用しても良い。例えば、上述の折り返し装置20の搬送方向の上流に配置されている90°ターンドラム装置60(載置装置に相当)に適用しても良い。この90°ターンドラム装置60では、搬送方向に搬送される外装シート5aの肌側面たる上面に、吸収性本体3,3…を載置して固定する。よって、当該装置60に上述の幅方向位置調整装置40と端部位置検出センサー50とを適用すれば、仮に外装シート5aが蛇行した場合であっても、外装シート5a上に設定された吸収性本体3が位置すべきCD方向の正規の位置に、高い位置合わせ精度で吸収性本体3を載置して固定することができる。以下、詳細に説明する。
【0069】
図7A及び図7Bは、その説明図である。図7Aには概略平面図を示し、図7Bには、図7A中のB−B矢視図を示している。
【0070】
図7Bに示すように、90°ターンドラム装置60は、CD方向に沿う回転軸周りに駆動回転する回転ドラム62と、回転ドラム62の外周面に製品ピッチで設けられた複数の保持パッド64,64…と、回転ドラム62の周方向の所定位置に設けられたカッターロール68と、を有する。
【0071】
ここで、この90°ターンドラム装置60に送られる時点の吸収性本体3は、単票状に分断されていない長手方向に連続した連続体3aである。一方、回転ドラム62の周方向の所定位置には、吸収性本体3の連続体3aを受け取る受け取り位置Pinが設定されている。よって、この受け取り位置Pinを通過する保持パッド64が、吸収性本体3の連続体3aの下流端部3aeを吸着保持して受け取るとともに、同保持パッド64受け取り終わる際に、カッターロール68が保持パッド64の上流端縁部64eにおいて吸収性本体3の連続体3aを分断し、これにより保持パッド64上には単票状の吸収性本体3が生成される。
【0072】
また、回転ドラム62の周方向の所定位置には、保持パッド64が保持する吸収性本体3を外装シート5aに引き渡す引き渡し位置Poutが設定されている。すなわち、この引き渡し位置Poutには、外装シート5aが連続シートの状態で搬送方向に沿って搬送されている。よって、この引き渡し位置Poutを保持パッド64が通過する際には、保持パッド64の吸収性本体3が外装シート5aに引き渡されて接着等により外装シート5aに接合され、これにより、外装シート5a上に吸収性本体3が載置固定される。
【0073】
なお、このとき、外装シート5aは、横流れの搬送形態で搬送されている。そのため、これに合わせて吸収性本体3も横流れの搬送形態にしてから外装シート5aに引き渡す必要がある。つまり、吸収性本体3の長手方向の向きを、搬送方向からCD方向へ変更する必要があるが、この変更については、受け取り位置Pinから引き渡し位置Poutまでの間を保持パッド64が移動する間に、保持パッド64が、保持パッド64の平面中心で自転することにより行われる。
【0074】
また、吸収性本体3の保持中には、保持パッド64は吸収性本体3をしっかりと吸着保持しており、そのCD方向の位置精度は高く維持されている。よって、90°ターンドラム装置60では、保持パッド64の各端縁部64e、64e(各基準部位に相当)に、吸収性本体3の各端縁部3ee,3ee(各特定部位に相当)が一致するように吸収性本体3のCD方向の位置をしっかりと規制しながら、保持パッド64は外装シート5a上に吸収性本体3を載置する。そのため、90°ターンドラム装置60起因の吸収性本体3のCD方向の位置合わせ不良(位置ずれ)は概ね生じず、同位置合わせ不良は、専ら外装シート5aの蛇行や幅縮みに起因する。
【0075】
このような90°ターンドラム装置60に対して、幅方向位置調整装置40(第2幅方向位置調整装置に相当)は、外装シート5aの搬送経路における上記引き渡し位置Poutよりも上流側の位置に設置されている。そして、この幅方向位置調整装置40も、前述の折り返し装置20の幅方向位置調整装置40と同様に、外装シート5aの各端部5ae、5aeのCD方向の位置を調整する位置調整機構42,42を各端部5ae、5aeに対応させて有し、また、各位置調整機構42,42に対応させて各端部5ae、5aeの位置情報を出力する端部位置検出センサー50(第2センサーに相当)を有している。なお、以下では、CD方向の一方の位置調整機構42及びカメラ52についてのみ説明するが、他方の位置調整機構42及びカメラ52についても同様である。
【0076】
端部位置検出センサー50のカメラ52は、外装シート5a上における第2検出対象部分として、例えばCD方向の端から三本目のフィットギャザー用弾性部材8F(図5を参照)が配置された部分5a8Fを所定の制御周期で撮像して、撮像の都度、平面画像データを生成して画像処理部56へ送信する。画像処理部56では、平面画像データの受信の都度、平面画像データを二値化処理してフィットギャザー用弾性部材8FのCD方向の位置情報を生成し、幅方向位置調整装置40の制御部47へ送信する。
【0077】
すると、幅方向位置調整装置40の制御部47では、位置情報の受信の都度、受信した位置情報が示すCD方向の位置と、CD方向の端から三本目のフィットギャザー用弾性部材8Fが本来位置すべきCD方向の正規位置との差を演算し、当該差に基づいて、ニップロール43a,43bの送り出し傾斜角θの変更量Δθを算出して、送り出し傾斜角がθ+Δθとなるようにアクチュエータ45を制御する。そして、これにより、外装シート5a上のうちで吸収性本体3の端縁部3eeが位置すべき位置(載置用目標位置に相当)が、引き渡し位置Poutでの保持パッド64の端縁部64eの位置に揃うように、外装シート5aの端部5aeのCD方向の移動量が変更される。
【0078】
なお、上述の例では、外装シート5a上の第2検出対象部分として、CD方向の端から三本目のフィットギャザー用弾性部材8F(図5)が配置された部分5a8Fを例示したが、何等これに限るものではなく、外装シート5a上における別の部位を第2検出対象部分としても良い。但し、位置合わせ精度向上の観点からは、端部位置検出センサー50が検出可能な部分のうちで、吸収性本体3の端縁部3ee(図5)が位置すべき部位に最も近い部材を第2検出対象部分とするのが望ましく、本実施形態では、当該最も近い部分が、CD方向の端から三本目のフィットギャザー用弾性部材8Fであったため、その配置部分5a8Fを第2検出対象部分としている。
【0079】
また、図7Aに示すように、位置調整機構42の一対のニップロール43a,43bが外装シート5aを挟み込んでCD方向の移動力を付与するCD方向の位置は、引き渡し位置Poutでの保持パッド64のCD方向の端縁部64eの位置P64eよりもCD方向の端側に設定されている。そして、これにより、外装シート5aの端部5aeをCD方向の中央側及び端側のどちらにも確実に移動可能となり、その結果、外装シート5a上において吸収性本体3の端縁部3eeが位置すべき部位を、上記保持パッド64の端縁部64eの位置P64eまでCD方向に確実に移動することができる。
【0080】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0081】
上述の実施形態では、外装シート5aの各端部5ae,5aeに対応させて、それぞれに端部位置検出センサー50のカメラ52,52を設置していたが、何等これに限るものではない。例えば、各端部5ae、5aeの両者で一つだけカメラ52を設置しても良い。この場合には、端部位置検出センサー50の画像処理部56は、平面画像データの一部を用いて一方の端部5aeに係る位置情報を生成し、同平面画像データの他の一部を用いて他方の端部5aeに係る位置情報を生成する。
【0082】
上述の実施形態では、端部位置検出センサー50のカメラ52は、ニップロール43a,43bと折り畳みガイド部材24との間で外装シート5aの各端部5aeを撮像していたが、何等これに限るものではなく、ニップロール43a,43bよりも搬送方向の上流側で同端部5aeを撮像しても良い。
【0083】
上述の実施形態では、平面画像データの一例として、各画素の色情報が明度のみを有したグレースケールのデータを示したが、何等これに限るものではない。例えば、各画素の色情報が明度、色相、及び彩度を有したカラー画像データであっても良い。そして、その場合には、前述の二値化処理として、カラー二値化処理を行うこともできる。
ちなみに、カラー二値化処理とは、平面画像のカラー画像データから、特定の色情報を有する画素を抽出する処理のことである。ここで、色情報は、前述のように明度、色相、及び彩度の三要素をそれぞれ数値で有している。よって、明度、色相、及び彩度のそれぞれについて、抽出すべき画素の色情報の数値範囲を、前述の閾値に代えて画像処理部56のメモリに予め設定しておけば、画像処理部56は、その設定された色情報の画素を平面画像から抽出することができる。
すなわち、上述の三つの数値範囲を、平面画像のうちで胴周り弾性部材設置部分5a8Bが撮像されている領域A5a8Bに固有な色に基づいて予め設定しておけば、画像処理部56は、平面画像データに記録されている平面画像の各画素の色情報を参照し、そして、上述の三つの数値範囲を全て満たす画素を抽出する。そして、この方法によれば、上記胴周り弾性部材設置部分5a8Bが撮像されている領域A5a8Bに固有な色に基づいて、平面画像から同領域A5a8Bを抽出するので、その抽出精度を高めることができる。
【0084】
上述の実施形態では、端部位置検出センサー50のカメラ52を外装シート5aの上面に対向させて配置し、その逆側たる下面に照明部材54を対向させて配置していたが、この配置関係は逆でも良い。すなわち、同カメラ52を下面に対向させて配置し、照明部材54を上面に対向させて配置しても良い。更に言えば、カメラ52の撮像は、何等外装シート5aからの透過光の受光に限るものではなく、つまり外装シート5aからの反射光を受光して撮像しても良い。この場合には、照明部材54は、外装シート5aに対してカメラ52と同じ側に配置され、また、画像処理部56のメモリの二値化処理に係る閾値には、それぞれ、反射光に対応した値が設定されるのは言うまでもない。
【0085】
上述の実施形態では、外装シート5aの一例として、外層シート6aと内層シート7aと弾性部材8B,8F,8L…とを有する構成を例示したが、何等これに限るものではなく、内層シート7a若しくは弾性部材8B,8F,8L…は無くても良い。つまり、少なくとも外層シート6aを備えていれば良い。なお、弾性部材8B,8F,8L…としては、例えば、糸ゴムや伸縮性帯状不織布、弾性帯状シート(フィルム)等を例示できる。
【符号の説明】
【0086】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)、1a 半製品、
1hB 胴周り開口部(縁部)、1hL 脚周り開口部、
3 吸収性本体、3a 吸収性本体の連続体、3ae 下流端部、
3e 端部、3ee 端縁部(特定部位)、
3b 裏面シート、3s 表面シート、
5 外装材、5A 腹側部、5B 股下部、5C 背側部、
5a 外装シート、5ae 端部、5aee 端縁、
5a8B 胴周り弾性部材配置部分、
5a8F 三本目のフィットギャザー用弾性部材8Fが配置された部分、
5e 端縁部(縁部)、5eL 縁部
6 外層シート、6a 外層シートの連続シート、
6ae 端部、6aee 端縁、
6e 端部、6ee 端縁、
7 内層シート、7a 内層シートの連続シート、7aee 端縁
8B 胴周り弾性部材、8F フィットギャザー用弾性部材、8L 脚周り弾性部材、
12 搬送ローラー、
14 サクションベルトコンベア、15 無端ベルト、16 ローラー、
20 折り返し装置、22 折り返しガイド装置、
24 折り返しガイド部材、24a 平板部材、24a1 一辺、24b 側壁部材、
40 幅方向位置調整装置、42 位置調整機構、43a ニップロール、43b ニップロール、
44 ガイド部材、45 アクチュエータ、
47 制御部、
50 端部位置検出センサー(センサー)、52 カメラ、54 照明部材、
56 画像処理部、
60 90°ターンドラム装置(載置装置)、
62 回転ドラム、64 保持パッド、64e 端縁部(基準部位)、
68 カッターロール、
A5a8B 領域、
P5a 折り位置の目標位置、P24b 側壁部材の位置(折り曲げ位置)、
P52 撮像位置、P64e 保持パッドのCD方向の端縁部の位置、
Pin 受け取り位置、Pout 引き渡し位置、
C44 支点、D43 送り出し方向、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品に係る連続シートを、その連続方向を搬送方向として搬送中に、前記連続シートの幅方向の各端部を折り返す折り返し装置であって、
前記連続シートは、前記吸収性物品における外装材をなす外装シートであるとともに、前記各端部が、それぞれ対応する各折り位置で折り返されることにより、前記連続シートにおける前記各折り位置の部分は、それぞれ前記吸収性物品に係る胴周りの縁部となり、
前記折り返し装置に移動不能に固定された折り返しガイド部材であって、前記各端部に対応して前記折り返し装置上に規定された各折り曲げ位置で、前記各端部をそれぞれ折り曲げることにより、前記各端部を折り返す前記折り返しガイド部材と、
前記折り返しガイド部材よりも前記搬送方向の上流側に設けられたカメラを、前記端部毎に、あるいは前記各端部の両者で一つだけ有するセンサーであって、前記端部毎に前記連続シート上に設定された各検出対象部分を、前記各端部が折り返される前に前記カメラで撮像して画像データを生成し、前記画像データに基づいて、前記各検出対象部分の前記幅方向の位置情報を出力する前記センサーと、
前記折り返しガイド部材よりも前記搬送方向の上流側に設けられて、前記各端部のうちで対応する端部の前記幅方向の位置を調整する位置調整機構を前記端部毎に有する幅方向位置調整装置と、を有し、
前記幅方向位置調整装置の各位置調整機構は、それぞれ、対応する前記端部の前記折り位置の目標位置が、前記折り返し装置上の前記折り曲げ位置に揃うように、対応する前記端部の前記位置情報に基づいて、前記端部の前記幅方向の位置を調整することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置であって、
前記連続シートにおいて、前記端部が折り返される際に前記端部が重なる部分には、前記胴周りの縁部に伸縮性を付与するための弾性部材が前記搬送方向に沿って配置されており、
前記センサーは、前記連続シートにおいて前記弾性部材が配置された部分を前記検出対象部分として検出することにより、前記位置情報を生成することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置であって、
前記折り返し装置よりも前記搬送方向の上流側には、前記折り返し装置を通過前の前記連続シート上に、吸液性の吸収性本体を前記搬送方向に間欠的に載置する載置装置が設置されており、
前記載置装置は、前記端部毎に対応して前記載置装置上に設定された前記幅方向の各基準部位に、前記吸収性本体上の各特定部位が一致するように前記吸収性本体の前記幅方向の位置を規制しながら、前記載置装置は前記連続シート上に前記吸収性本体を載置し、
前記連続シートには、前記吸収性本体の前記各特定部位が位置すべき前記幅方向の位置として前記幅方向の各端部にそれぞれ各載置用目標位置が設定されており、
前記センサーを第1センサーとし、前記検出対象部分を第1検出対象部分とし、前記幅方向位置調整装置を第1幅方向位置調整装置とした場合に、
前記載置装置は、
前記連続シートに前記吸収性本体を載置する載置位置よりも前記搬送方向の上流側に設けられたカメラを、前記端部毎に、あるいは前記各端部の両者で一つだけ有する第2センサーであって、前記端部毎に前記連続シート上に設定された各第2検出対象部分を、前記カメラで撮像して画像データを生成し、前記画像データに基づいて、前記各第2検出対象部分の前記幅方向の位置情報を出力する前記第2センサーと、
前記載置位置よりも前記搬送方向の上流側に設けられて、前記各端部のうちで対応する端部の前記幅方向の位置を調整する位置調整機構を前記端部毎に有する第2幅方向位置調整装置と、を有し、
前記第2幅方向位置調整装置の各位置調整機構は、それぞれ、対応する前記端部の前記載置用目標位置が、前記載置装置上の前記基準部位に揃うように、対応する前記端部の前記位置情報に基づいて、前記端部の前記幅方向の位置を調整することを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置であって、
前記各位置調整機構が前記各端部の位置を調整する際に前記各端部に前記幅方向の移動力を付与する位置は、前記折り返し装置上に規定された前記各折り曲げ位置よりも前記幅方向の端側に設定されていることを特徴とする吸収性物品に係る連続シートの折り返し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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