説明

吸収性物品の製造装置

【課題】吸収性物品同士の干渉を防ぎつつ、吸収性物品の方向転換時における不具合の発生を抑制できる吸収性物品の製造方法を提供する。
【解決手段】 吸収性物品の製造装置は、吸収性物品を形成する形成機構と、形成機構によって形成された吸収性物品を搬送する搬送機構と、搬送機構から供給される吸収性物品を計数する計数機構と、を有する。計数機構は、吸収性物品を保持する複数の案内部材92と、案内部材を水平方向に沿った方向に移動する移動部材91と、鉛直方向において案内部材の下方に配置された支持部材93と、を有する。案内部材は、移動部材の外周面から水平方向に沿って突出している。案内部材において互いに対向する対向面は、吸収性物品を挟持する鉛直方向に沿った面である。搬送機構は、鉛直方向における案内部材の上方から案内部材間に向かって、対向面に沿って吸収性物品を投入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続して供給される吸収性物品を計数する計数機構を有する吸収性物品の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使い捨て着用物品等の吸収性物品を計数する計数機が記載されている。特許文献1に記載の計数機は、吸収性物品を所定方向に搬送する無端状ベルトと、この無端状ベルトの外周全面に立設された複数の案内板と、を備え、案内板間に吸収性物品を収納した状態で、吸収性物品を搬送するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−277125号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のように、上述の計数機を用いる場合には、以下の問題があった。
連続して供給される吸収性物品は、計数機の案内板間の空間に向かって1個ずつ投入される。このとき、吸収性物品は、特許文献1の図1に示されているように、案内板の突出した先端側となる先端部から無端状ベルトとの接続側である基端部に向かって投入される。すなわち、吸収性物品は、案内板間に位置する無端状ベルトに向かって投入される。よって、例えば、吸収性物品を勢いよく投入した場合には、吸収性物品が無端状ベルトに衝突し、案内板間における吸収性物品の位置がずれたり、案内板間から外側へ吸収性物品が飛び出してしまったりするおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、吸収性物品を安定した状態で案内部材間に収納して吸収性物品を計数することができる吸収性物品の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る吸収性物品の製造装置(吸収性物品の製造装置100)は、前胴回り領域(前胴回り領域10)と、後胴回り領域(後胴回り領域20)と、前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域との間に位置する股下領域(股下領域30)とを備える吸収性物品を構成する構成部品が連続した状態でウェブ(ウェブ7)ウェブ上に吸収体を配置して、前記ウェブを搬送方向に沿って折り畳み、前記前胴回り領域の側方及び前記後胴回り領域の側方に位置する前記吸収性物品の幅方向における側面に沿って前記ウェブを切断し、複数の前記吸収性物品を形成する形成機構(形成機構65)と、前記切断機構によって形成された前記吸収性物品を連続して搬送する搬送機構(搬送機構75)と、前記搬送機構から連続して供給される前記吸収性物品を計数する計数機構(計数機構90)と、を有する。前記計数機構は、前記吸収性物品を保持する複数の案内部材(案内部材92)と、前記案内部材を水平方向に沿った方向に移動する移動部材(無端状ベルト91)と、鉛直方向において前記案内部材の下方に配置された支持部材(支持部材93)と、を有し、前記搬送機構から供給された前記吸収性物品を前記案内部材によって挟持した状態で移動して、前記吸収性物品を計数するように構成されており、前記案内部材は、前記移動部材の外周面から水平方向に沿って突出し、かつ前記水平方向に沿って隣接して配置されており、前記案内部材において互いに対向する対向面は、前記吸収性物品を挟持する面であって、鉛直方向に沿って配置されており、前記搬送機構は、前記鉛直方向における前記案内部材の上方から前記案内部材間に向かって、前記対向面に沿って前記吸収性物品を投入することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る吸収性物品の製造装置の搬送機構は、案内部材の上方から下方に向かって吸収性物品を投入する。案内部材の下方には支持部材が配置されており、吸収性物品が勢いよく投入された場合には、支持部材に吸収性物品が衝突することがある。しかし、吸収性物品は、鉛直方向に沿った方向に移動して投入されるため、支持部材に衝突して弾んだ場合であっても重力によって案内部材間に収まる。よって、吸収性物品を安定した状態で収納することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係る吸収性物品を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る吸収性物品の製造工程の一部を説明するための図である。
【図3】第1の実施形態に係る吸収性物品の製造装置の一部を模式的に示した図である。
【図4】第1の実施形態に係る吸収性物品の製造装置を構成する計数機構の一部を模式的に示した図である。
【図5】第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置の一部を模式的に示した図である。
【図6】第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置を構成する計数機構の一部を模式的に示した図である。
【図7】第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置を構成する計数機構の一部を模式的に示した図である。
【図8】第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置を構成する計数機構の一部を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)吸収性物品の構成、(2)第1の実施形態に係る吸収性物品の製造装置、(3)計数機構の構成、及び(4)第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置について説明する。
【0010】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
(1) 吸収性物品の構成
まず、本実施形態に係る吸収性物品の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る吸収性物品を示す斜視図である。本実施形態では、吸収性物品1は、大人用の使い捨ておむつである。
【0012】
図1に示すように、吸収性物品1は、着用対象(以下、着用者)の肌に接する液透過性の表面シート2と、表面シート2よりも外側に設けられる裏面シート3と、表面シート2及び裏面シート3の間に設けられ、着用者からの排泄物を吸収する吸収体4とによって大略構成される。
【0013】
なお、裏面シート3と吸収体4との間には、液不透過性の防水シート(不図示)が設けられる。つまり、吸収体4は、表面シート2と防水シートとの間に設けられる。
【0014】
表面シート2には、不織布や開口プラスチックフィルムなどが使用される。裏面シート3には、不織布が使用される。吸収体4には、粉砕パルプや粉砕パルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物などが使用される。防水シートには、プラスチックフィルムや不織布、プラスチックフィルムと不織布との混合シートなどが使用される。
【0015】
吸収性物品1は、着用者の前胴回りに対応する前胴回り領域10と、着用者の後胴回りに対応する後胴回り領域20と、着用者の股下に対応する股下領域30とを有する。
【0016】
前胴回り領域10及び後胴回り領域20は、接合部40によって一体化される。前胴回り領域10及び後胴回り領域20の周縁には、伸縮性を有する糸状のゴム等からなるウエストギャザー5が設けられている。ウエストギャザー5は、前胴回り領域10に位置する前方ウエストギャザー5aと、後胴回り領域20に位置する後方ウエストギャザー5bとによって構成される。前方ウエストギャザー5aと後方ウエストギャザー5bとの間には、胴回り開口領域50が形成される。
【0017】
股下領域30は、前胴回り領域10と後胴回り領域20との間に設けられる。股下領域30の両側部には、伸縮性を有する糸状又は帯状のゴム等からなるレッグギャザー6が設けられている。レッグギャザー6は、前胴回り領域10寄りに位置する前方レッグギャザー6aと、後胴回り領域20寄りに位置する後方レッグギャザー6bとによって構成される。前方レッグギャザー6aと後方レッグギャザー6bとの間でかつ股下領域30の両側部には、脚回り開口領域60が形成される。
【0018】
(2)第1の実施形態に係る吸収性物品の製造装置
次に、第1の実施形態に係る吸収性物品の製造装置100の構成について、吸収性物品の製造工程に沿って説明する。図2は、吸収性物品の製造装置による吸収性物品の製造工程を説明するための図である。図2は、吸収性物品の製造工程を上方から視認した模式図であり、吸収性物品の形成工程である構成部品載置工程と、脚回り形成工程と、折り工程と、接合工程と、切断工程とを説明するための図である。図3は、吸収性物品の製造装置を側方から視認した模式図であり、吸収性物品の製造装置の形成工程を実行する形成機構65の一部と、搬送機構と、計数機構とを説明するための図である。
【0019】
吸収性物品の製造方法は、形成工程と、搬送工程と、計数工程と、を少なくとも含む。なお、形成機構65による形成工程は、構成部品載置工程と、脚回り形成工程と、折り工程と、接合工程と、切断工程と、を含む。形成工程間では、不図示の搬送装置(例えば、ベルトコンベア装置)によって、表面シート2を構成する液透過性の第1ウェブ7Aと、裏面シート3を構成する液不透過性の第2ウェブ7Bと、第2ウェブ7Bと同一材料等からなり、裏面シート3を構成する第3ウェブ7Cとを搬送方向MDに搬送する工程が含まれる。
【0020】
(2−1)構成部品載置工程
構成部品載置工程S1では、第2ウェブ7B上に、弾性部材、第3ウェブ7C、防水シート(不図示)、吸収体4などの吸収性物品1を構成する構成部品が載置される。
【0021】
(2−2)脚回り形成工程
脚回り形成工程S2では、構成部品載置工程S1の後に、構成部品を挟んだ第2ウェブ7B及び第1ウェブ7A(以下、ウェブ7)上において、股下領域30の両側部が切り取られることによって、脚回り開口領域60(いわゆる、レッグホール)が形成される。
【0022】
(2−3)折り工程
折り工程S3では、脚回り形成工程S2の後に、ウェブ7に対する交差方向CD中心を通り、かつ搬送方向MDに向かう中心線CLに沿って、ウェブ7が2つに折られる。つまり、前胴回り領域10に対応するウェブ7の側縁10Aと、後胴回り領域20に対応するウェブ7の側縁20Aとが一致した状態で重ねられる。
【0023】
(2−4)接合工程
接合工程S4では、折り工程S3の後に、超音波処理や加熱処理によって、吸収性物品1の接合部40に対応する所定領域40Aが接合される。なお、所定領域40Aは、交差方向CDに延びる切断予定位置を示す仮想線SLの搬送方向MD両側を示す。
【0024】
(2−5)切断工程
切断工程S5では、接合工程S4の後に、所定領域40Aが接合されたウェブ7が仮想線SLに沿って、図3に示す切断装置70によって切断される。これにより、吸収性物品1が形成される。切断装置70は、対向して配置されたカッターロール71と、アンビルロール72とを有する。カッターロール71の外周面には、ウェブ7を切断する切断刃73が設けられている。ウェブ7は、カッターロール71とアンビルロール72との間を通過する際に、一定間隔毎に切断刃73によって切断される。
【0025】
(2−6)搬送工程
搬送工程S6では、搬送機構75によって、切断工程S5によって切断された吸収性物品1を計数機構90に向けて搬送する。搬送機構75は、複数のローラ76に架けられた無端状ベルト77によって構成されている。
【0026】
なお、搬送機構75は、必要に応じて、搬送される吸収性物品1同士の隙間を調整することができる。具体的には、例えば、搬送速度の異なる搬送経路に切り替えることにより、吸収性物品1同士の隙間を調整することができる。
【0027】
(2−7)計数工程
計数工程S7では、搬送機構75によって搬送された吸収性物品1を、計数機構90によって計数する。計数機構90は、一定方向に向かって移動する移動部材としての無端状ベルト91と、この無端状ベルト91の外周面から水平方向Fに沿って突出した複数の案内部材92と、案内部材92の鉛直方向Gにおける下方に配置された支持部材93と、を備える。図3(b)は、図3(b)に示す計数機構90を上方から視認した状態を示した図である。
【0028】
(3) 計数機構の構成
計数機構90は、搬送機構75から供給された吸収性物品1を案内部材92によって挟持した状態で移動して、吸収性物品1を計数するように構成されている。図4は、計数機構の一部を模式的に示した斜視図である。
【0029】
無端状ベルト91は、図示しない駆動部材(例えば、モータ)によって、図3(b)及び図4に示すC方向に移動される。案内部材92は、移動部材の外周面から水平方向Fに沿って突出し、かつ水平方向Fに沿って隣接して配置されている。案内部材92は、無端状ベルト91のC方向の移動に伴って、C方向に移動される。
【0030】
案内部材92は、薄い板状であり、複数の案内部材において互いに隣接する対向面92aは、鉛直方向Gに沿って配置されている。案内部材92は、対向面92aを囲むように配置され、かつ鉛直方向に沿って配置された一対の側面を有する。案内部材92の一対の側面は、無端状ベルト91と接続された接続部となる接続側面92bと、無端状ベルト91に対する突出方向における先端側となる先端側面92cと、を有する。
【0031】
案内部材92の接続側面92bにおける案内部材間の距離は、無端状ベルトに接続されているため、一定である、一方、案内部材の先端側面92cにおける案内部材間の距離は、無端状ベルトに接続されていないため、一定ではなく、無端状ベルトの移動角度によって異なる。
【0032】
具体的には、無端状ベルト91の移動経路は、上方から視認した状態(図3(b)に示す状態)において、直線状の第1移動経路M1と、円弧状の第2移動経路M2と、を有する。直線状の第1移動経路M1では、案内部材92の先端側面92cにおける案内部材間の距離は、一定である。しかし、曲線状の第2移動経路M2では、案内部材92の先端側面92cにおける案内部材間の距離は、一定ではなく、第1移動経路における距離よりも広がる。
【0033】
このように、隣接する案内部材との間隔は、案内部材の位置によって異なる。搬送機構は、比較的間隔の広い第2搬送経路M2の案内部材92に対して吸収性物品を投入する。案内部材92は、第2搬送経路M2において投入された吸収性物品1を、案内部材92間に挟持した状態で搬送し、第1搬送経路M1で搬送する過程において整列する。
【0034】
計数機構90は、整列状態で搬送される吸収性物品1を下方向に押圧するプッシャ(図示せず)を備えている。よって、吸収性物品は、所定数量毎に押し出される。なお、図示しないが、計数工程S7の後、所定数量毎押し出された吸収性物品は、所定個数の吸収性物品毎に箱状のパッケージ等に収納される。
【0035】
案内部材92において互いに対向する対向面92aは、吸収性物品1を挟持する面であって、鉛直方向Gに沿って配置されている。搬送機構75は、案内部材92の上方から案内部材92間に向かって、対向面92aに沿って吸収性物品1を投入する。投入された吸収性物品1は、案内部材92間の支持部材93に当接して、案内部材92間に収納される。
【0036】
このように、鉛直方向Gに沿って吸収性物品1を案内部材92間に投入することにより、吸収性物品1を安定した状態で計数機構90に収納することが可能となる。具体的には、例えば、吸収性物品1が勢いよく投入された場合には、支持部材93に吸収性物品1が衝突することがある。しかし、吸収性物品1が支持部材93に衝突して弾んだ場合であっても、吸収性物品1は鉛直方向Gに沿った方向に移動して投入されるため、重力によって案内部材間に収まる。よって、吸収性物品を安定した状態で収納することが可能となる。
【0037】
また、搬送機構75は、吸収性物品1を幅方向Wにおける側面である接合部40側から案内部材92間に投入する。吸収性物品1の接合部40側には、股下領域30に配置される吸収体4が配置されていない。したがって、支持部材93に対する衝突による衝撃を吸収体4によって吸収できないため、底面側から案内部材92間に投入する場合と比較して、吸収性物品1が弾みやすい。しかし、勢いよく吸収性物品1が投入された場合であっても、重力によって案内部材92間に吸収性物品1が収まり、吸収性物品1を安定した状態で収納することが可能となる。
【0038】
更に、案内部材の上方から吸収性物品を投入するため、吸収性物品の投入位置を案内部材の対向面に沿った方向で調整することができる。また、吸収性物品の投入位置を鉛直方向においても調整することができる。よって、吸収性物品の製造装置における計数機構や搬送機構の配置を変更した場合等において、投入位置を容易に調整することできる。
【0039】
また、搬送部材から投入された吸収性物品1は、支持部材93に当接するため、支持部材93の材質や構成を適宜変更することにより、より確実かつ円滑に吸収性物品1を収納することができる。具体的には、例えば、支持部材93の上面に衝撃を干渉する衝撃干渉材を設けたり、スポンジやゴム等の衝撃を干渉する材質によって支持部材93を構成したりすることにより、吸収性物品1の衝突による衝撃を吸収して、安定して吸収性物品を収容することができる。また、吸収性物品を確実に収納できるように、支持部材を駆動させて支持部材の位置を調整できるように構成してもよい。
【0040】
更に、吸収性物品は、不織布や吸収体から構成され、比較的強度が低いため、搬送過程において変形しやすい。しかし、案内部材によって挟んで搬送することにより、吸収性物品の厚み方向の変形を抑制し、吸収性物品全体が変形したり傾いたりすることを抑制できる。
【0041】
(4)第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置
次いで、図5〜図8に基づいて、第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置100Aについて説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、第1の実施形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。
【0042】
第2の実施形態に係る吸収性物品の製造装置100Aは、形成機構65によって形成された吸収性物品の方向を転換する方向転換工程を実行する方向転換機構80を更に備える。
【0043】
方向転換機構は、回転ドラム81と、回転ドラム81の外周面に複数設けられた複数の吸着部(図示せず)と、を備える。吸着部は、吸収性物品1を吸着可能に構成されており、回転ドラム81の外周面に沿って移動する間に、回転ドラム81の外周面に対して吸収性物品1を90度回転させる。よって、吸収性物品の方向が変更される。
【0044】
このように、搬送機構によって吸収性物品の方向を適宜変更することができるため、計数機構90に投入する吸収性物品の方向を変更することができる。
【0045】
例えば、方向転換機構80によって、隣接する吸収性物品1を互いに180度異なるように方向転換することにより、図6に示すように、搬送機構75が、吸収性物品1の両側面のうち一方の第1側面40P側から案内部材間に投入する第1投入態様X1と、吸収性物品の両側面のうち他方の第2側面40Q側から吸収性物品を案内部材間に投入する第2投入態様X2とを交互に実現することができる。
【0046】
隣接する吸収性物品において吸収体の位置を交互に180度異ならせることができるため、吸収体4の偏りによる厚みの偏りを抑制して、バランスよく吸収性物品を配列することができる。
【0047】
また、例えば、方向転換機構80によって、吸収性物品の角度を、図4に示す状態から時計回りに90度回転するように方向転換することにより、図7に示すように、搬送機構75が、股下領域30側から吸収性物品1を案内部材92間に投入するように構成することができる。
【0048】
股下領域側から支持部材93に対して当たるため、吸収体によって衝撃を緩和し、吸収性物品を安定した状態で収納することが可能となる。また、股間領域30は、吸収体が配置されていない他の領域と比較して重い。案内部材92によって吸収性物品1を挟んで搬送する際に、比較的重い股間領域30側が下方に位置するため、安定的に配列される。
【0049】
また、例えば、方向転換機構80によって、吸収性物品の角度を、図7に示す状態と、図7に示す状態から180度回転するように方向転換することにより、図8に示すように、搬送機構75が、股下領域30側から吸収性物品1を案内部材92間に投入する第3投入態様X3と、吸収性物品1の底面と対向する上面側から吸収性物品を案内部材92間に投入する第4投入態様X4とを交互に実現するように構成することができる。
【0050】
吸収性物品の胴回り開口領域50を構成する上面と、上面と対向する股間領域側の底面と、は、吸収性物品において比較的剛性が高く、形状が安定しやすい。この上面側又は底面側から支持部材93に対して当たるため、衝撃による吸収性物品の変形を抑制することが可能となる。
【0051】
更に、股間領域30は、吸収体が配置されていない他の領域と比較して重い。股下領域30が位置する底面側から案内部材92間に吸収性物品を投入することにより、案内部材92によって吸収性物品1を挟んで搬送する際に、比較的重い股間領域30側が下方に位置するため、安定的に配列される。更に、上面は、胴回り開口領域50が形成されており、支持部材の平滑面に沿って配置され易い。よって、上面側から案内部材92間に吸収性物品1を投入することにより、安定的に配列することができる。
【0052】
隣接する吸収性物品において吸収体の位置を交互に異ならせることができるため、吸収体の偏りによる厚みの偏りを抑制して、バランスよく吸収性物品を配列することができる。
【0053】
本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0054】
例えば、本実施の形態では、吸収性物品としての使い捨ておむつの製造装置について説明したが、本発明に係る吸収性物品の製造装置は、生理用ナプキン、吸収パッド等、他の吸収性物品の製造装置においても適用することができる。
更に、吸収性物品を案内部材間に投入する際に、吸収性物品の上面側から案内部材間に投入するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…吸収性物品、2…表面シート、3…裏面シート、4…吸収体、5…ウエストギャザー、5a…前方ウエストギャザー、5b…後方ウエストギャザー、6…レッグギャザー、6a…前方レッグギャザー、6b…後方レッグギャザー、7…ウェブ、7A…第1ウェブ、7B…第2ウェブ、7C…第3ウェブ、10…前胴回り領域、10A…側縁、20…後脚回り領域、20A…側縁、30…股下領域、40…接合部、40A…所定領域、50…胴回り開口領域、60…脚回り開口領域、65…形成機構、70…切断装置、71…カッターロール、72…アンビルロール、73…切断刃、75…搬送機構、76…ローラ、77…無端状ベルト、80…方向転換装置、81…回転ドラム、85…計数機、90…計数機構、91…無端状ベルト、92…案内部材、92a…対向面、92b…接続側面(接続部)、92c…先端側面(先端部)、93…支持部材、100、100A…吸収性物品の製造装置、CD…交差方向、 CL…中心線、 F…水平方向、 G…鉛直方向、 M1…第1移動経路、 M2…第2移動経路、 MD…搬送方向、 SL…仮想線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前胴回り領域と、後胴回り領域と、前記前胴回り領域及び前記後胴回り領域との間に位置する股下領域とを備える吸収性物品を構成する構成部品が連続した状態のウェブ上に吸収体を配置して、前記ウェブを搬送方向に沿って折り畳み、前記前胴回り領域の側方及び前記後胴回り領域の側方に位置する前記吸収性物品の幅方向における側面に沿って前記ウェブを切断し、複数の前記吸収性物品を形成する形成機構と、
前記形成機構によって形成された前記吸収性物品を連続して搬送する搬送機構と、
前記搬送機構から連続して供給される前記吸収性物品を計数する計数機構と、を有する吸収性物品の製造装置であって、
前記計数機構は、前記吸収性物品を保持する複数の案内部材と、前記案内部材を水平方向に沿った方向に移動する移動部材と、鉛直方向において前記案内部材の下方に配置された支持部材と、を有し、前記搬送機構から供給された前記吸収性物品を前記案内部材によって挟持した状態で移動して、前記吸収性物品を計数するように構成されており、
前記案内部材は、前記移動部材の外周面から水平方向に沿って突出し、かつ前記水平方向に沿って隣接して配置されており、
前記案内部材において互いに対向する対向面は、前記吸収性物品を挟持する面であって、鉛直方向に沿って配置されており、
前記搬送機構は、前記鉛直方向における前記案内部材の上方から前記案内部材間に向かって、前記対向面に沿って前記吸収性物品を投入することを特徴とする、吸収性物品の製造装置。
【請求項2】
前記搬送機構は、前記吸収性物品を前記幅方向における側面側から前記案内部材間に投入する、請求項1に記載の吸収性物品の製造装置。
【請求項3】
前記形成機構によって形成された前記吸収性物品の方向を転換する方向転換機構を更に備え、
前記方向転換機構は、隣接する前記吸収性物品を互いに異なる方向に転換し、
前記搬送機構は、前記吸収性物品の両側面のうち一方の第1側面側から前記案内部材間に投入する第1投入態様と、前記吸収性物品の両側面のうち他方の第2側面側から前記吸収性物品を前記案内部材間に投入する第2投入態様とを交互に実現する、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の製造装置。
【請求項4】
前記切断機構によって形成された前記吸収性物品の方向を転換する方向転換機構を更に備え、
前記搬送機構は、前記股下領域が位置する底面側又は前記底面と対向する上面側から前記吸収性物品を前記案内部材間に投入する、請求項1に記載の吸収性物品の製造装置。
【請求項5】
前記方向転換機構は、隣接する前記吸収性物品を互いに異なる方向に転換し、
前記搬送機構は、前記底面側から前記吸収性物品を前記案内部材間に投入する第3投入態様と、前記吸収性物品の前記底面と対向する上面側から前記吸収性物品を前記案内部材間に投入する第4投入態様とを交互に実現する、請求項4に記載の吸収性物品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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