説明

吸収性物品用の再利用可能な外側カバー

本発明は、吸収性物品用の再利用可能なカバーに関する。前記吸収性物品用の再利用可能なカバーは、皮膚の状態の維持、広範な着用者の体形及びサイズへのフィット、適用のし易さ、ぴったりと一致するフィットの提供、及び持続的なフィットの提供からなる群から選択される2つ以上の特徴を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排泄物収容のための吸収性物品に関し、より具体的には、吸収性物品用の再利用可能な外側カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテープ式おむつ、プルオンおむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、尿及び/又は他の排泄物を受け入れ、収容する便益を提供する。吸収性物品は、再利用可能であることができる。すなわち、それらの物品は、複数回使用するために洗濯ないしは別の方法で回復されるよう意図されることができる。場合によっては、吸収性物品の一部を再利用可能にし、残りの部分を使い捨てにすることができる。例えば、吸収性物品を、再利用可能な外側カバーと、汚れた後に廃棄する使い捨ての挿入物とで構成することができる。
【0003】
理想的には、吸収性物品は、皮膚の状態を維持するべきであり、かつ様々な着用者の体形及びサイズのためのサイジング(sizing)、適用のし易さ、ぴったりと一致するフィット、及び持続的なフィットを提供しなくてはならない。これまで、再利用可能な吸収性物品でこれらの特性の組み合わせを達成することは困難であった。通気性がある伸縮性の使い捨て吸収性物品の提供における進歩は為されてきたものの、使い捨て吸収性物品の製造に使用される材料及び方法の多くは、再利用可能な吸収性物品に応用するには不適である。例えば、通気性は、水分過剰、及びそれに付随する「おむつかぶれ」、並びに一般に吸収性物品の常用に付随する紅斑を低減することができる。使い捨て吸収性物品における良好な通気性は、微孔質フィルム、すなわち小さい区域にかけて有孔であるフィルムを使用して、フィルムにわたって尿のような液体を同時通過させずに水蒸気を透過させることを可能にすることによって達成することができる。しかし、微孔質フィルムは、吸収性物品用の再利用可能な外側カバーにおけるサイジング、適用のし易さ、ぴったりと一致するフィット、及び持続的なフィットのために必要な伸縮を提供しない。同様に、外側カバーの大きい区域への有孔部分の拡張は、尿のような液体又は糞便及び経血のような他の排泄物の液体成分の漏れの増加につながる場合がある。
【0004】
吸収性物品用の再利用可能な外側カバーにおいて競争力のある望ましい属性のバランスを図ることの難しさを鑑み、多くの再利用可能な外側カバーは排泄物の収容のような基本的な機能のみを実行する。例えば、吸収性物品用の再利用可能な外側カバーは、漏れを削減するために比較的厚い高分子フィルムを使用し、サイジング、フィット、及び通気性を犠牲にする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
皮膚の状態を維持し、かつ様々な着用者の体形及びサイズのためのサイジング、適用のし易さ、ぴったりと一致するフィット、及び持続的なフィットを提供する、複数の観点において許容可能な性能を提供する吸収性物品用の再利用可能な外側カバーの必要性は依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求の範囲は、前部と、後部と、長手方向に前部及び後部の間に設けられる股部と、衣類に面する表面の反対側に設けられる着用者に面する表面と、を有する吸収性物品用の再利用可能な外側カバーである。この再利用可能な外側カバーは、外側カバーの着用者に面する表面を画定する内層、及び外側カバーの衣類に面する表面を画定する外層と、第1の長手方向に延び縁、及びこの第1の長手方向に延び縁から横方向に離間した第2の長手方向に延び縁と、第1の長手方向に延び縁と隣接する第1の弾性脚バンドと、第2の長手方向に延び縁と隣接する第2の弾性脚バンドと、第1の横方向に延び縁、及びこの第1の横方向に延び縁から長手方向に離間した第2の横方向に延び縁と、第1の横方向の末端縁と隣接する第1の弾性腰部バンドと、第2の横方向の末端縁と隣接する第2の弾性腰部バンドと、第1の長手方向に延び縁から横方向に外方に延びた遠位端部を有する第1のサイドパネルと、第2の長手方向に延び縁から横方向に外方に延びた遠位端部を有する第2のサイドパネルと、吸収性物品の後部に対応した横向きに延び縁に近位の第1のサイドパネルと第2のサイドパネルとの間の2つ以上の付着点で内層及び外層の少なくとも1つに付着される定着バンドであって、この定着バンドがそれらの付着点の間で内層及び外層に対して自由に動く、定着バンドと、を備えることができる。外側カバーは、24時間当たり少なくとも1200g/mのWVTR、及び5Nの付加力の下で少なくとも15%の全製品後伸張率(Whole Product Back Extension)を有することができる。
【0007】
内層及び外層は有孔であってよい。内層は、外層より高い弾性率を有することができる。内層は疎水性であることができる。外層は疎水性であることができ、内層は外層よりも疎水性であってよい。
【0008】
外層は織布であってよい。外層は、木綿、ウール、竹、麻、絹、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、リクラ、スパンデックス、水滴より小さいが水蒸気分子より大きい微細な孔を有する通気性防水材、マイクロカプセル化された相変化高分子材料を含む布地、繊維ベースの水分ウィッキングシステム、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製することができる。外層は、0.014〜0.023グラム/m(0.09〜0.15グラム/in)の坪量を有することができる。
【0009】
吸収性物品用の再利用可能な外側カバーは、24時間当たり少なくとも1200g/m又は24時間当たり3000g/mのWVTR、及び5Nの付加力の下で少なくとも15%の全製品後伸張率を有することができる。外側カバーは、24時間当たり15,000g/m又は24時間当たり10,000g/mのWVTRを有することができる。外側カバーは、5Nの付加力の下で150mm未満、又は100mmの全製品後伸張を有することができる。外側カバーは、全製品後伸張率試験での25%伸張で、少なくとも1.0N、又は2.0Nの除荷力(unload force)を有することができる。
【0010】
吸収性物品用の再利用可能な外側カバーは、5Nの付加力の下で少なくとも15%の全製品後伸張率、及び25%伸張で10N未満又は5Nの外側カバー伸張力(Outer Cover Extension Force)を有することができる。外側カバーは、50%伸張で10N未満又は5Nの外側カバー伸張力を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】代表的な再利用可能なカバーの平面図。
【図2】代表的な再利用可能なカバーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
吸収性物品に関連して本明細書で使用する場合、「使い捨て」という用語は、その吸収性物品が一般的に、洗濯されるか、又は別の方法で吸収性物品として復元若しくは再利用されることが意図されていない(即ち、1回使用後に破棄し、好ましくはリサイクル、堆肥化、又は別の方法で環境に適合した形で廃棄することが意図されている)ことを意味する。
【0013】
本明細書で使用する場合、用語「吸収性物品」は、身体排泄物を吸収し収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な排泄物を吸収し収容する装置を指す。代表的な吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(すなわち、米国特許第6,120,487号に示されているような予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再留め可能おむつ又はパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、パンティライナーなどの女性用生理衣類、吸収性挿入物などが挙げられる。吸収性物品は、再利用可能な吸収性物品を含む。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「再利用可能」は、吸収性物品の、参照された材料、構成要素、又は全てが、1回の周期(例えば、1回のおむつ交換)を超す使用のために復元及び/又は再利用されるように構成されていることを意味する。いくつかの再利用可能な吸収性物品においては、その物品の一部、又は複数の部分、又は実質的に全て、又は全てが、本明細書に定義及び記述されているように洗濯可能である又は洗濯耐性を有することができる。再利用可能な吸収性物品の別の一部又は複数の部分は、洗濯可能である又は洗濯耐性を有することができない。例えば、再利用可能な吸収性物品のいくつかの部分は、汚れた後に廃棄され、再利用可能な外側カバーとともに使用される吸収性挿入物のような新しい部分と交換されることができる。
【0015】
本明細書で使用する場合、用語「洗濯可能」は、吸収性物品の、参照された材料、構成要素、又は全てが、意図される機能又は用途のためにその物品が不適となるほどの外観又は性能上の有意な劣化を伴わずに、多くの周期数(例えば、少なくとも10回、いくつかの実施形態では最高50回、他の実施形態では50回を超す)の機械洗濯及び機械乾燥に耐える(AATCC 124−2001の試験方法の定義によるが、下記に説明するような修正を加える)ように構成されていることを意味する。通常、機械洗濯及び機械乾燥に比べて手洗い及び自然乾燥は吸収性物品に与えるストレスが少ないので、機械洗濯可能かつ機械乾燥可能な材料、構成要素、又は物品は、少なくとも同じ周期数にかけて手洗い可能かつ手動乾燥可能でもなくてはならないと期待される。一例として、再利用可能な吸収性物品は、洗濯可能な外側カバーを含むことができる。洗濯可能な物品は、様々な衣類と同じように、何度も洗濯した後も使用に適するように設計される。
【0016】
本明細書で使用する場合、用語「洗濯耐性を有する」は、吸収性物品の、参照された材料、又は構成要素、又は全てが、意図される機能及び/又は用途のためにその物品が不適となるほどの外観又は性能上の有意な劣化を伴わずに、少ない周期数(例えば、少なくとも1回、いくつかの実施形態では最高5回、他の実施形態では5回を超す)の機械洗濯及び機械乾燥に耐える(AATCC 124−2001の試験方法の定義によるが、下記に説明するような修正を加える)ように構成されていることを意味する。一例として、再利用可能な吸収性物品は、洗濯耐性を有する外側カバーを含むことができる。洗濯耐性を有する物品は、概して、洗濯可能な物品と比べて少ない洗濯周期数の後に劣化を経験する。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「着用者に面する」は、通常の用途に意図されるように物品が着用者に着用されたときに、着用者に最も近い物品の側面又は物品の構成要素を意味する。本明細書で使用する場合、用語「衣類に面する」は、着用者に面する表面と反対側であり、かつ通常の用途に意図されるように物品が着用者に着用されたときに、着用者から最も遠い物品の側面又は物品の構成要素を意味する。
【0018】
本明細書で使用する場合、用語「親水性」は、これらの表面上に沈着した水性液体(例えば、水性体液)によって濡れることが可能な表面について述べる。親水性及び湿潤性は、典型的には、流体の接触角、及び流体の染み出し時間、例えば不織布を通る染み出し時間により規定される。この点については、the American Chemical Societyの出版物、名称「Contact angle,wettability and adhesion」(Robert F.Gould編集)(1964年版権)にて詳細に説明されている。ある表面は、流体とその表面との間の接触角が90度未満のとき、又は流体が表面全体に自然に広がる傾向があるときのいずれかのときに、流体によって湿潤される(すなわち、親水性)といい、通常は両方の状態が共存する。逆に、接触角が90°より大きい場合及び流体が繊維の表面全体に自然に広がらない場合は、表面は「疎水性」とみなされる。接触角は、Kruss USA(ノースカロライナ州Charlotte所在)から入手可能なKruss Drop Shape Analysis System、モデル番号DSA10−Mk2を使用して測定される。
【0019】
「不織布」は、本明細書では、連続繊維の組立体、共押出繊維、非連続繊維、及びこれらの組み合わせから、織る又は編むことなく、スパンボンディング、カーディング、メルトブローイング、エアレイイング、湿式レイイング、コフォーミング、又はこうした目的のために当該技術分野において公知の他のこうしたプロセスにより作製される繊維構造を指す。基材に繊維を組み込むプロセスは、使用される成分材料の種類及び基材ウェブの望まれる特性に依存して選択することができる。不織布材料は、繊維組立体の1つ以上の層を含んでもよく、それぞれの層は、連続繊維、共押出繊維、不連続繊維、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0020】
吸収性物品の主要機能は、着用者の排泄物を吸収及び収容することである。この機能を達成するために、物品は、着用者にフィットし適用されること、着用者の生体構造の排泄物放出場所に対する吸収性物品の相対的位置を維持すること、任意のガスケットシステムと着用者の身体との接触を維持すること、及び使用中の物品の物理的完全性を維持することもまた可能でなくてはならない。物品はまた、排泄物の収容への信頼及び望まれる目立たなさのレベル(すなわち、被覆面積及び不透明度の両方)を提供するように、吸収性物品が適用される身体の部位を覆わなくてはならない。加えて、吸収性物品は、物品をその意図された目的のために着用する際に、あらゆる悪影響を防ぐか、又は最低限にしなくてはならない。例えば、物品は、あらゆる体位で快適さを提供しなくてはならず、着用者の皮膚にへこみ又はしるしを付けること、及び着用者の皮膚の水分過剰を回避しなくてはならず、かつ、着用者の動きを阻害してはならないい。従来の一体型吸収性物品では、これらの全ての機能が単一の構成要素によって実行されなくてはならない。しかし、別々の要素として、すなわち、再利用可能な外側カバー及び交換可能な挿入コアとして提供される吸収性物品では、これらの機能を2つの要素の間で分けることができる。例えば、後者の製品形態では、挿入物自体が不透過性の層とガスケットシステムとを含む自己完結型の吸収性組立体を備えることができるので、外側カバーは流体不透過性であってもよく、そうでなくてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、高性能の吸収性物品の外側カバーは、皮膚状態の維持、広範な着用者へのフィット、適用のし易さ、着用者の位置及び動きに適応するぴったりと一致するフィットの提供、並びに着用者の生体構造に対する物品(特にその吸収性コア又は挿入物)の相対的位置を維持する持続的なフィットの提供を含むいくつかの主要機能のうち少なくとも2つを実行する。他の実施形態では、外側カバーはこれらの機能の全てを実行することができる。
【0022】
構造
代表的な吸収性物品用の再利用可能な外側カバーを図1に示す。再利用可能なカバー10は、着用者に面する側16が上を向いた状態で示されている。再利用可能なカバー10は、長手方向中心線52及び横方向中心線54を有する。再利用可能なカバー10は、前部22、股部20、及び後部18を有する。再利用可能なカバー10が通常の用途に意図されるように着用者にフィットしたとき、前部22は着用者の正面又は腹に概して対応し、股部20は着用者の脚の間の区域に概して対応し、後部18は着用者の、ほぼ臀部レベル以上の背中に概して対応する。再利用可能なカバー10は後サイドパネル12を有し、前サイドパネル14もまた有することができる。図示されているように、後サイドパネル12は、前サイドパネル14よりいくらか大きいが、いくつかの実施形態では、前サイドパネル14は後サイドパネル12と同じサイズでもよく、それより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、再利用可能なカバー10は前サイドパネル14のみを有し、後サイドパネル12を有さない。前サイドパネル14及び/又は後サイドパネル12は、存在する場合、再利用可能な外側カバー10の本体と一体化されてもよく、再利用可能な外側カバー10の本体と接合される別個の部分であってもよい。いくつかの実施形態では、前サイドパネル14及び/又は後サイドパネル12は、再利用可能な外側カバー10の別個の部分ではなく、少なくとも1つの腰部の横方向遠位区域の少なくとも一部から形成されることができる。本開示は、前締結式の着用可能な吸収性物品を参照するが、本開示はまた、着用可能な吸収性物品が後締結式又は側部締結式である着用可能な吸収性物品の代替実施形態も企図する。
【0023】
再利用可能なカバー10は、着用者に面する側面16の少なくとも一部を成す内層24と、衣類に面する側面28の少なくとも一部を成す外層26(図1に図示せず)とを有する。再利用可能なカバー10は、対の横方向に対向し長手方向に延び側縁30を有し、図1の代表的実施形態でそれらは湾曲している又は砂時計の形をしている。いくつかの実施形態では、長手方向に延び側縁30は直線又はほぼ直線であってもよく、図1に描写されているのと異なる湾曲を有してもよい。長手方向に延び側縁30のそれぞれは、弾性脚バンド32を有する。再利用可能なカバー10はまた、長手方向に対向し横方向に延び縁34も有し、横方向に延び縁34のそれぞれは腰部バンド36を有する。横方向に延び縁34の1つは後部18に対応し、もう1つの横方向に延び縁34は前部22に対応する。いくつかの実施形態では、再利用可能なカバー10は、横方向に延び縁34の両方に腰部バンドを有するのではなく、後腰部バンドのみ、又は前腰部バンドのみを有することができる。
【0024】
定着バンド38は内層24と外層26との間に設けられており、それぞれの後サイドパネル12の付着点40又は横方向内側に取り付けてもよく、後サイドパネル12が存在しない場合及び後サイドパネル12を有するいくつかの実施形態では、長手方向に延び縁30に又はそれらの横方向内側に取り付けてもよい。付着点40の間で、定着バンド38は、内層24及び外層26に対して自由に動く。それ故、定着バンド38は、吸収性物品が排泄物で満たされるにつれて吸収性物品の重量が増し、ずれても、再利用可能なカバー10を着用者の定位置に保持するのを助ける適応力(fitment forces)を提供することができる。例えば、定着バンド、又は定着バンドと定着バンドに隣接する外側カバーとの組み合わせは、定着バンドを伴わない外側カバーの領域と比べて、所与の伸張度でより高い伸張力又は除荷力を有することができる。2つの付着点40が示されているが、定着バンド38に沿って1つ以上の追加的な付着点があってもよい。いくつかの実施形態は、定着バンドを有さなくてもよい。いくつかの実施形態では、外側カバーは1層のみで作製される。そのような実施形態では、外側カバーの内側又は外側に定着バンドを取り付けることができる。他の実施形態では、外側カバーは、別個の定着バンドの代わりに又はそれに加えて、外側カバーの残りの部分と異なる特性を有する領域を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、定着バンド38は、外側カバー又はその一要素に、その区域の全体にわたって又は実質的に全体にわたって、取り付けることができる。
【0025】
外側カバー10は、後サイドパネル12を前サイドパネル14に、又は前部22の衣類に面する側面28に、又はパネル46(すなわち、ランディングゾーン)に取り付けるための締結具42を含むことができる。外側カバー10はまた、吸収性挿入物(図示せず)を接続するための挿入物付着点44も含むことができる。例えば、外側カバー10は、有意な吸収能力を提供しなくてもよく、尿のような液体排泄物又は糞便及び経血のような排泄物の液体成分のいかなる有意な量をも取り込み収容するために吸収性挿入物を必要としてもよい。付着点42は、締結具42と同じであっても異なっていてもよい締結要素を備えることができる。
【0026】
図2は、通常の用途のために着用者にフィットされるときに構成されるような、腰部開口部48及び脚開口部50を有する外側カバー10を示す。外側カバー10の構造及び材料についての追加的詳細を以下に提供する。
【0027】
皮膚の状態
吸収性物品の使用に伴う悪い皮膚の状態の周知の主要因は、吸収性物品と着用者の皮膚との間の高い局所的湿度によって引き起こされる皮膚の水分過剰である。水分過剰になった皮膚は、紅斑(赤らむこと)、おむつ皮膚炎を呈する場合があり、摩擦に対する抵抗力が弱い場合がある(すなわち、引張強度の低下による)。外側カバーは、尿及び/又は汗からの水蒸気が物品の内部から十分に出ることを可能にし皮膚の水和をより低いレベルに維持するために最低限の通気性、すなわち下記に説明するMocon試験によって測定される水蒸気透過率(WVTR)を有することができる。外側カバーは、24時間当たり少なくとも約1200g/mのWVTR、又は24時間当たり少なくとも約3000g/mのWVTRを有することができる。より高いWVTRは、温度及び/又は湿度に関する周囲条件がより高いとき、着用者がより活動的である(例えば、より多く発汗している)とき、及び/又はおむつが尿又は他の液体排泄物のより高い負荷を有するとき(例えば、夜間を通した使用中又はユーザーが「よく濡らす性質の人」であるとき)に有用である場合がある。したがって、24時間当たり少なくとも約1200g/mのWVTRは、通常の使用で有用な外側カバーを示すことができ、24時間当たり少なくとも約3000g/mのWVTRは、より厳しい条件下で有用な外側カバーを示すことができる。場合によっては、高すぎる通気性は、物品の衣類に面する表面又は衣類の結露のようなマイナスの影響を有する場合がある。外側カバーは、この現象を防ぐのを助けるために、24時間当たり少なくとも約15,000g/m未満のWVTR、又は更には24時間当たり10,000g/mのWVTRを有することができる。より低い最大WVTRは、比較的高い周囲温度にあるのと比べて逃げる水蒸気がより多くの結露を生成する、より低い周囲温度のような厳しい条件下で有用な外側カバーを示す。
【0028】
これまで、再利用可能な吸収性物品用のいくつかの外側カバーが、24時間当たり1000g/mをはるかに下回ることもしばしばである非常に低い水蒸気透過率を有する比較的厚いフィルムで作製されてきた(下記実施例5、9、及び10を参照)。より堅固なWVTRを有する再利用可能な吸収性物品用の外側カバーを製造する1つの方法は、微孔質フィルムを使用することである。しかし、微孔質フィルムは、最低限の弾性伸張及び回復を呈する。通気性で伸縮性の外側カバーが望ましい場合がある。例えば、伸縮性織布を、外側カバーとして使用することができる。多孔質の伸縮性織布は、空気及び水蒸気を通過させる。また、より高いWVTRは、空気及び水蒸気が外側カバーの厚みを横断することができるように、外側カバーに機械的に孔をあけることによって達成することができる。次いで、開口又は孔のサイズを制御することによって、又は、内層24及び外層26のうち少なくとも1つが疎水性である外側カバー10の内層24を提供することによって、液体の浸入を管理することができる。
【0029】
液体浸入の削減された通気性で伸縮性の外側カバーは、外側カバーとして伸縮性織布の複数の層を採用することによってもまた提供することができる。いくつかの実施形態では、内層24及び外層26は、同じ又は同様の特性を有することができ、その材料の複製はキャピラリーの連続の破壊を作り出すことによって液体浸入に対するより高い抵抗を提供することができる。いくつかの実施形態では、内層24と外層26とは異なる。例えば、外層26は心地よい触感及び美的特性を有する柔らかい伸張性の層であってよく、内層24は望ましい水分バリヤ特性を有する疎水性の層であってよい。内層24は、外層26より小さい孔を有することによって、より少ない水を透過することができる。
【0030】
洗濯可能な外側カバー材料としては、おむつ、パンツ、下着、パフォーマンス衣類、スポーツ衣類、又は一般衣類若しくはテキスタイルアートで既知の天然材料又は合成材料が含まれる。これらの材料としては、木綿、ウール、竹、麻、絹、レーヨンなどのような天然材料、及びこれらの材料と合成繊維との配合物が含まれる。洗濯可能な外側カバーでの使用に好適な代表的な合成材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、リクラ、スパンデックス、又は他のエラストマー、水滴より小さいが水蒸気分子より大きい微細な孔を有する通気性防水材(例えば、GORE−TEX(登録商標)(メリーランド州Elkton所在のW.L.Gore & Associates,Inc.))、マイクロカプセル化された相変化高分子材料を含む布地(例えば、Outlast ComforTemp布地(コロラド州Boulder所在のOutlast Technologies、例えば、米国特許第6,514,362号及び同第6,207,738号を参照))、繊維ベースの水分ウィッキングシステム(例えば、COOLMAX(登録商標)(カンザス州Wichita所在のINVISTA))などが挙げられる。これらの材料は、布地又は織布ウェブ又は不織布ウェブのような繊維ベースの材料を少なくとも1つ含むことができる。しかし、外側カバー10は、強化された液体浸入抵抗力又は弾性特性を外側カバーに提供するためにフィルム層を追加的に備えることができる。弾性特性は、弾性ストランド、バンド、スクリムなどを含む他の材料を外側カバーに追加することによって付加又は強化することができる。
【0031】
洗濯可能な材料は、バーズアイ布地、テリー、フリース、フランネル、ニット、ストレッチニット、シェルパ、スエード布、マイクロフリース、サテン、ベロア、Burleyニット、及び両面式の密な構成の布地(Polartec(登録商標)Windpro(登録商標)(マサチューセッツ州Laurence所在のPolartec,LLC))を含む任意の既知の織物形態又は布地形態として形成されることができる。ニット織物は、織布材料又は不織布材料より伸縮性及び弾性に優れていることが可能であり、より良いフィット、快適さ、及び/又は外観を外側カバーに与えることが可能である。スパンデックス又は他のエラストマーの繊維を組み込むこともまた、伸縮性及び弾性を強化することができ、それによって、そのような弾性繊維を含まない織物と比べてより良いフィット、快適さ、及び/又は外観を外側カバーに与えることが可能である。洗濯可能な外側カバー材料に好適な具体例としては、限定されないが、レーヨン繊維(93%)とスパンデックス(7%)繊維、モーダル繊維(94%)とスパンデックス(6%)繊維、木綿繊維とスパンデックス繊維、及び竹繊維とスパンデックス繊維といった配合のジャージーニットが挙げられる。洗濯可能な材料は、層当たり約0.014〜0.023グラム/m(0.09〜0.15グラム/インチ)の坪量又は他の坪量を有することができる(坪量は、EDANA/INDA方法WSP 130.1(05)を用い(ただし、工程4(b)を除く)、25mm×20mmの試料サイズを使用して測定することができる(工程5.2は無視する)。
【0032】
場合によっては、洗濯耐性を有する外側カバーは、十分に安価であり、激しく汚れた場合又は損傷した場合に費用又は良心の問題なくそれらを廃棄することを可能にする一方で、製品の廃棄による環境への影響の低減という意味でなお便益を提供することができる。洗濯耐性を有する外側カバー材料としては、洗濯可能な又は使い捨ての外側カバーに使用するために企図された1つ以上の材料を含む、本明細書に記述された任意の材料が含まれる。洗濯可能な外側カバーに使用するための材料を選択する場合、典型的には、より安価でより質の劣る(例えば、より低い坪量、より劣る最適繊維質)バージョンを採用して、洗濯耐性を有する外側カバーを形成することができる。使い捨ての外側カバーに使用する材料を選択する場合、より高い坪量及び/又は質の材料が適切である場合がある。洗濯耐性を有する材料としては、そのような材料の配合物又はラミネートもまた考慮される。
【0033】
洗濯耐性を有する外側カバーのための材料は、おむつ又はパンツ技術で既知の任意の天然又は合成の不織布ウェブ及び/又はフィルム材料を含むことができる。外側カバーを構成することができる洗濯耐性を有する材料としては、ポリプロピレン繊維及び/又はポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、及び使い捨てオムツの構成要素として使用される不織布ウェブ材料を形成するために使用される任意の他の合成繊維、及びそれらの配合物が挙げられる。そのような外側カバーの構成要素層として好適な不織布ウェブを形成するために、木綿、亜麻布、ウール、竹、麻、絹、レーヨンなどのような天然繊維を合成繊維と配合してもよい。本開示による外側カバーは、更に、少なくともいくつかの区域に例えばポリプロピレン及び/又はポリエチレンのフィルムのようなフィルムを含むことができる。
【0034】
洗濯耐性を有する外側カバー材料としての使用に考慮され得る繊維、不織布、及び不織布とフィルムとのラミネートの非限定的な例は、米国特許第7,223,818号、同第7,211,531号、同第7,060,149号、同第6,964,720号、同第6,905,987号、同第6,890,872号、同第6,884,494号、同第6,878,647号、同第5,518,801号、及び米国公開特許出願第2008/0319407号、同第2008/0045917号、同第2007/0293111号、同第2007/0287983号、同第2007/0287348号、同第2007/0249254号、同第2007/0203301号、同第2005/0164587号に見出すことができる。
【0035】
フィット範囲及び適用のし易さ
介護者又は着用者が着用者の胴体下部周囲で物品の後側と前側をともにして締結することが要求されるおむつのような着用可能な物品に関しては、物品の後腰部は、物品を着用者に適用する間に、物品の後部のサイドパネルすなわち耳部に介護者が適用するであろう代表的な張力の下で少なくとも最低限の量は伸張することができる。この誘発伸張は、より大きい着用者及びより小さい着用者を許容することによって、より広い潜在フィット範囲を提供する。この伸張はまた、締結システムを係合する前に確実、快適、かつ美的に好ましいやり方で介護者がより容易に物品の後部分と前部分とを整列することを可能にすることによって、着用者へのより容易な適用を提供することができる。着用者への適用の前にパンツのような構成に予め形成される物品は、適用中に物品に付加される力の下で、物品が着用者の大腿及び臀部にかけて引き上げられることを可能にするために、少なくとも最低レベルの伸張を提供することができる。いくつかの実施形態では、物品の後腰部は、下記に説明する全製品後伸張試験で5Nの付加力の下で、少なくとも約15%、又は少なくとも約20%の相対的伸張百分率(すなわち、元の長さを超す、長さにおける変化)を有することができる。全製品後伸張率がより小さい場合に比べ、全製品後伸張率がより大きいことは、より広範な使用者のサイズにフィットする外側カバーを可能にすることができるが、より小さい全製品後伸張率は、より狭い範囲の使用者サイズのためのよりぴったり一致する、より適合したフィットを可能にすることができる。パンツ型物品は、着用者の腰部及び臀部にかけて物品を引き上げることを可能にするために、5N又は10Nでの、より大きい後腰部伸張を要求する場合がある。例えば、パンツ型物品は、5Nで少なくとも約40%、及び10Nで少なくとも約70%の全製品後伸張率を有することができる。
【0036】
相対伸張に加えて、外側カバーは、最低限のサイズ許容を伸張によって提供するために、最低絶対全製品後伸張を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、物品の後腰部は、全製品後伸張試験で5Nの横方向付加力の下で、少なくとも約25mm、又は少なくとも約50mm伸張することができる。いくつかの実施形態では、使用中の下垂及び/又はより小さい着用者での大きすぎる「フィット」の原因となり得る腰部の過伸張を防ぐために、物品の最大絶対後腰部伸張を制限することが望ましい。そのような実施形態では、物品の後腰部は、全製品後伸張試験で5Nの横方向付加力の下で、約150mm以下、又は125mm以下、又は更には100mm以下だけ伸張することができる。絶対全製品後伸張に関する上記の値は、約10〜17kg(約22〜37パウンド)のユーザー用のサイズのおむつに適している。全製品後伸張の絶対値は、より小さいユーザー用の吸収性物品ではいくらか小さくてもよく、失禁症状のある成人のようなより大きいユーザー用の吸収性物品でははるかに大きくてもよい。
【0037】
ぴったり一致するフィット
人によっては、立位から座位にしゃがむプロセスの間に臀部が幅約50%拡張する。着用者のあらゆる体位でのぴったり一致するフィットを提供するために、外側カバーは10N以下又は5N以下の付加力の下で横方向に50%伸張することができる。外側カバーが2つ以上の材料層を備える場合、それらの多重層がともに結合されるか否かに関わらず、その複合体全体の伸張によって、ぴったり一致するフィットの提供を助けることができる。例えば、物品は、層を別々に試験した場合に、上記伸張基準を1つの層は満たし、もう1つの層は満たさない、2層を有する外側カバーを有することができる。物品の使用中は両方の層が存在するので、着用者は組み合わされた外側カバーとしての伸張性能を体験することになる。したがって、外側カバー伸張試験は、複合体について行わなくてはならない。いくつかの実施形態では、外側カバーは物品の後部だけにこれらの特性を有してもよい。
【0038】
これに対し、上記及び下記の全製品後伸張試験は、腰部バンド、脚バンド、定着バンド等を含むことができる完全に組み立てられた外側カバーの全要素について行わなくてはならず、それらの要素を接合するための方法及び構造を反映することになる。外側カバー伸張データは、着用者が動くにつれ、更に特定すると着用者がしゃがむときに、外側カバーがいかに拡大するかを示す。全製品後伸張試験はサイズ及びフィットを反映し、物品を着用者に適用することの容易さにおける違いについての洞察を提供することができる。
【0039】
持続的なフィット
使用中、吸収性物品は重力及び/又は着用者の動きによって誘発される下方向に向けられる様々な力を経験する。これらの力は、尿及び/又は他の排泄物の形態において物品に追加される質量によって、着用者が特定の物品を着用している時間が増すにつれて概して増す。これらの力に対抗し、十分に持続的なフィットを維持するために、物品は全製品後伸張試験の25%伸張で少なくとも約1.0Nの「除荷」力を保持しなくてはならない。いくつかの実施形態では、物品は全製品後伸張試験の25%伸張で少なくとも約1.5N、より好ましくは少なくとも約2.0Nの「除荷」力を保持しなくてはならない。除荷力は、尿、糞便、経血等によって、及びユーザーの動きの間に、吸収性物品が「負荷を与えられた」ときに、吸収性物品がどれだけ良くフィットするかを予測する。フィット又は性能について望まれない変化を伴わずに製品が耐え得る負荷は、除荷力が増すにつれて増す。
【0040】
再利用可能な外側カバーは、着用者の腰部周囲の外側カバーのフィット及び固定を強化することを助ける定着バンドを含むことができる。図1に示す定着バンド38は、外側カバー10の後方のコーナーに近位の位置又は後サイドパネル12に近位の位置で外側カバー10に貼付された弾性材料又は伸縮性材料のストリップ又はバンドを含むことができる。そのようにして、定着バンド38は、定着バンド38の両端によってのみ、又は定着バンド38に沿って選択された限られた数の横方向の中間位置でのみ外側カバー10に取り付けられることによって、その横方向の長さに沿って内層24及び外層26から部分的に又は実質的に力が分離される(force-decoupled)ことができる。例えば、定着バンド38を定着バンド38の両端でのみ外側カバー10に取り付けることができる。別の例では、定着バンド38を定着バンド38の両端及び横方向中心でのみ外側カバー10に取り付けることができる。この実質的に力が分離された構成は、外側カバー10の定着バンド38及びその周辺部が互いに実質的に独立して伸縮及び移動することを可能にし、より良いフィット及び快適さを促進することができる。しかし、別の例では、定着バンド38は、定着バンド38のほぼ全長に沿って内層24又は外層26とともにラミネートされる、ないしは別の方法でそれに貼付されるゴムバンド、ストリップ、又はストラップであってもよい。
【0041】
着用者への適用によって横方向にひずんだとき、定着バンド38は着用者の腰部の周囲で物品の伸張力又は除荷力を提供する又は補足するために働くことができ、それによって、腰部開口部48を引いて密着させ、着用者の腰部の周囲の着用可能な吸収性物品のフィットを強化し、固定を強めることができる。定着バンド38の弾性率は、外側カバー材料の周囲の弾性率、隣接部の弾性率、又は同一の広がりを持つ部分の弾性率より高くてもよい。
【0042】
定着バンド、又は1つ以上の定着バンド部材のシステムは、例えば、同時係属の米国公開特許公報第2008−0004591号、同第2008−0004589号、同第2008−0188822号、同第2008−0125739号、同第2008−0004593号、同第2008−0004592号、同第2008−0004586号、同第2008−0004587号、同第2008−0004590号、同第2008−0004582号、同第2008−0004583号、同第2008−0004584号、同第2007−0287983号、同第2008−0015537号、同第2007−0287982号、同第2009−0069779号、同第2009−0069772号、同第2009−0069782号、同第2009−0069773号、同第2009−0069774号、同第2009−0069775号、同第2009−0069778号、同第2009−0069777号、及び同第2009−0069781号に記述されている任意の追加的な特徴を有することができる。
【0043】
別の例では、定着バンドを形成する1つ以上の部材は、図1及び2に描出されている定着バンド38の位置によって示唆されるような実質的に横方向に配向されるのではなく、あるいはそれに加えて、長手方向と横方向との間の斜めに又は曲線に配向されてもよい。例えば、対の斜めの定着バンドは、外側カバー10のコーナー及び/又は後サイドパネル12に近接した場所の区域に貼付され、外側カバー10の横方向及び長手方向の中心の両方に向かってそれぞれ延びる、対応する腰部端を有することができる。斜めの定着バンドのそれぞれの中心端を、外側カバー10の横方向中心に近接した場所で外側カバー10に貼付することができ、斜めの定着バンドは力と分離されていてもよく、バンドの長さに沿ったシャーシと力が連結されていてもよい。追加的な長手方向の支持のために挿入物が定着バンドと接続される一例では、斜めの定着バンドは外側カバー10に沿って補足的な長手方向の張力を提供するように働き、外側カバー10内に補足的な長手方向の支持を提供することができる。
【0044】
上述の機能のそれぞれは、再利用可能な吸収性物品のために有用な外側カバーに個々に寄与するが、いくつかの高性能吸収性物品は、これらの機能の複数において十分な性能を有することができる。所与の着用可能な物品は、これらの機能の全てを少なくとも最低限の許容可能なレベルで実行することができる。しかし、材料又は費用の制限によってそれが実行可能でない可能性がある実施形態も企図される。消費者に利益を与え得る例示的かつ非限定的な特性の組み合わせとしては、限定されないが、皮膚の状態の維持及びサイジング又は適用のし易さが挙げられる。あるいは、物品は、十分なサイジング/適用のし易さ、及び持続的なフィットを提供することができる。もう1つの利益の組み合わせは、十分にぴったりと一致するフィット及び持続的なフィットである。
【実施例】
【0045】
洗濯可能な吸収性物品(実施例1)及び洗濯耐性を有する吸収性物品(実施例2)両方の代表的実施形態について、上記の特性のデータを生成する。比較を目的として、洗濯可能な挿入物又は使い捨ての挿入物のいずれかとともに使用することが意図される、市販入手可能な多数の外側カバー製品について、同じデータを生成する。全ての製品は、一切挿入物のない「購入品のそのままの」状態で試験する。実施例4(gDiaper)は、別途取付け可能な挿入ライナーなしに試験する。データを表1に示す。
【0046】
実施例1は、外層と、内層と、左脚バンド及び右脚バンドと、前腰部バンド及び後腰部バンドと、定着バンドと、前側ランディングゾーンと、このランディングゾーンに解放可能に締結されるように適応された2つの耳締結要素と、前耳及び後耳の芯と、2つの挿入物締結要素とを有する洗濯可能な外側カバーである。外層は、結果的に得られる外側カバーの衣類に面する表面の最大の部分を形成するものであり、柔らかく、伸縮性である。外側カバーは、Koshtex.comより入手可能なモーダル95%とリクラ5%で構成されたジャージーニット材料を含む。
【0047】
定着バンドは、後腰部バンドの下及び着用者の臀部及び腰部の上に張力の定着線を提供する。定着バンドは、伸張された状態で着用者に着用されたとき、外層より高い弾性張力(より高い除荷力)を有する、すなわち、定着バンドは外層より高い弾性率及び低い弾性ヒステリシスを有する。弾性率は、ヒステリシス試験での最初の引きでの応力ひずみ曲線の平均勾配である。弾性ヒステリシスは、所与の伸張及び最初の周期での、負荷力と除荷力との間の力の差である。定着バンドは、Rose City Textilesから「ブルースパンデックス」として入手可能な、スパンデックス90%とニット10%との配合物を含む。
【0048】
インナーライナーは、定着バンド及び耳芯を覆い、挿入物締結要素を取り付ける表面を提供し、外層への尿の浸入を防ぐために又は外層への尿の浸入に抵抗するために外側カバーの少なくとも股部及び前部に疎水性表面を提供する。内側ライナーは、外側カバーが伸縮して広範な着用者に快適にフィットすることを可能にするために、少なくとも外側カバーの後部分において伸縮性である。この例では、インナーライナーは前片及び後片を備える。前片は、外側カバーの前腰部縁から股部を経て外側カバーの長さの68%にかけて延びる。前片は水の浸透に対する抵抗力があり、ナイロントリコット90%と、スパンデックス10%とを備える(Sportek FM−60 DWRとして入手可能)。後片は、ポリエステル94%とスパンデックス6%とを備える、Telio & Cieからパターン23221として入手可能なブラジルニット布地である。
【0049】
前側ランディングゾーンと耳芯要素とは、互いに解放可能に、かつしっかりと締結するように適応される。ランディングゾーンは、外側カバーの前腰部縁の近くに設けられ、フック・アンド・ループ式締結システムのループ構成要素を備える。耳締結要素は、外側カバーの着用者に面する表面の後耳部、すなわち、外側カバーの後腰部の横方向遠位部に設けられ、フック・アンド・ループ式締結システムのフック構成要素を備える。
【0050】
脚バンド及び腰部バンドは弾性で柔らかく、着用者にとって快適である。脚バンド及び腰部バンドは、柔らかい伸張可能な布地の外側チューブ層と、内側の弾性構成要素とを備える。この実施形態のチューブ層の布地は、外側層と同じ材料で、しかし異なる美的補色で構成される。弾性構成要素は、Lea & Sachs,Inc.から品番301800として入手可能な0.64〜0.95cm(1/4”〜3/8”)の天然弾性素材である。
【0051】
前側及び耳は、外側カバーの横方向及び長手方向の遠位のコーナーに、外層とインナーライナーとの間に設けられる芯要素を備える。芯要素は、耳及び/又は締結要素の折れ又は座屈に抵抗して、着用者又は介護者のためにより容易な適用プロセス、より良い締結信頼度、及び着用者に対する外側カバーのより良いフィットを提供する。芯要素は、オハイオ州Cincinnati所在のJoann Fabricから木綿100%のPellon Shape−Flex汎用織物可融芯地SF101として入手可能な中重量の織芯地を備える。
【0052】
外側カバーはまた、着用者の用途のために完全かつ機能的な吸収性物品を提供するために、吸収性挿入物を解放可能に外側カバーに貼付する手段も提供する。フック・アンド・ループ締結システムのループ構成要素を備える挿入物締結要素は、外側カバーの着用者に面する表面上の前腰部及び後腰部のそれぞれに設けられる。挿入物締結要素は、Touchtapeフック・アンド・ループ、又はTouchtapeループを伴うAplix 960フックである。
【0053】
下記に、洗濯可能な外側カバーを組み立てるために使用できる様々な工程の端的な説明を提供する。
【0054】
パターンを用いて外層及びインナーライナー、又はその構成要素を形どおりに切断する(その寸法は、縫い代のために、意図される完成品より少なくとも0.318cm(1/8インチ)大きい)。ミシンを使用し、外側カバーの外側に、ランディングゾーンのループをジグザグ縫いで縫い付ける。使用する糸は、Coats and Clarkのポリエステル63%、木綿37%のものである。
【0055】
255mmの定着バンドを、後内層の裏側の左側と右側に、それぞれの側に約0.318cm(0.125インチ)の縫い代を残して直線縫いで縫い付ける。定着バンドは、横断方向に中心合わせし、布地の縁から約12mmに配置される。着用中の定位置に定着バンドを保持するために、後内層をひっくり返し、布地の表側の色付き弧状ランディングゾーンの中央に直線縫いで縫い付ける。
【0056】
ライナーのそれぞれの部分は、腰部縁と、この腰部縁に長手方向に対向する直線の内側横方向の縁とを有する。前及び後のインナーライナー構成要素を、後部の表側が前部の表側と対面し、ライナー部分の内側縁が境界を共有するやり方で整列するように、対面する関係に配置する。サージャー機を使用し、Beacon Fabric & Notionsから入手可能なウールナイロン糸240番を使用して、内側縁の横方向外側寄りの領域を、中央部分約3.81cm(1.5インチ)を縫わずに残して、ともにかがり縫い(serge)で縫い合わせる。縫わずに残された領域は、完成時に外側カバーの「表側が内側になる」ように外側カバーをひっくり返すことを可能にする穴を形成する。複合体であるインナーライナーを開いて、平らに寝かせる。
【0057】
Pellon中重量の織芯地の芯要素を、布地の裏側に、前及び後の内部及び外部の耳に追加する(1つのカバーにつき、予め切断されたPellon合計8片)。芯要素は、耳と同じサイズ及び形である。芯要素は、外側カバーの後耳のそれぞれの裏側に融合される。融合は、電気アイロンで行う(Black and Decker製のモデル「the Classic」スチームアイロンを、1〜7の設定のうち5.5に設定して使用)。芯要素を、外側カバーの前耳のそれぞれの裏側に同じやり方で融合する。
【0058】
脚バンドは、完成した外側カバーの前側で終端することになる前端と、完成した外側カバーの後側で終端することになる後端とを有する。脚バンドの布地製チューブ構成要素を、370mmの長さに切断する。それぞれの脚バンドの布地製チューブ層をその長手方向軸に沿って半分に折り畳み、加熱したアイロンでプレスして折り目をつける。チューブ構成要素の折り畳まれた層の間に、折り畳まれた縁のすぐ横に隣接させて、長さ250mmの弾性構成要素片を挿入する。弾性構成要素と、折り畳まれたチューブ構成要素層とを、脚バンドの横方向中心線に向かって60mmの距離に沿って前端から直線縫いでともに縫い合わせる。同様に、弾性素材と、折り畳まれたチューブ構成要素とを、脚バンドの横方向中心線に向かって40mmの距離に沿って後端から直線縫いで縫い合わせる。これらは、端をひずみゼロにするための(to deaden the ends at zero strain)仮縫いである。弾性素材の残りの部分は、かがり縫いされるので、伸縮することになる。
【0059】
前腰部バンドの布地製チューブ構成要素を、260mmの長さに切断する。それぞれの腰部バンドの布地製チューブ層をその長手方向軸に沿って半分に折り畳み、加熱したアイロンでプレスして折り目をつける。チューブ構成要素の折り畳まれた層の間に、長さ250mmの弾性構成要素片を挿入する。弾性構成要素と、折り畳まれたチューブ構成要素層とを、腰部バンドの中間点に向かって45mmの距離に沿ってそれぞれの端から直線縫いでともに縫い合わせる。これらは、端をひずみゼロにするための仮縫いである。
【0060】
後腰部バンドの布地製チューブ構成要素を305mmの長さに切断する。それぞれの腰部バンドの布地製チューブ層をその長手方向軸に沿って半分に折り畳み、加熱したアイロンでプレスして折り目をつける。チューブ構成要素の折り畳まれた層の間に、長さ245mmの弾性構成要素片を挿入する。弾性構成要素と、折り畳まれたチューブ構成要素層とを、腰部バンドの中間点に向かって40mmの距離に沿ってそれぞれの端から直線縫いでともに縫い合わせる。これらは、端をひずみゼロにするための仮縫いである。
【0061】
脚バンド及び腰部バンドのそれぞれを引き伸ばし、かがり縫いして、封着された構成体、すなわちチューブを作り出す。インナーライナーの弾性構成要素は、脚バンド又は腰部バンド材料と同じ寸法に引き伸ばされる。
【0062】
外層と、構成体であるインナーライナーとを、それらの表側が整列され、表側が対面するように配置する。外層及びインナーライナーの前腰部縁、並びにそれぞれの層の後腰部縁は、境界を共有すべきである。それぞれの層の長手方向軸は完全に一致する。前腰部バンドチューブの縫い合わされた縁は、腰部バンドの弾性層がその重複した領域の外側になるように、外層の前腰部縁とインナーライナーの前腰部縁との間に挿入される。腰部バンドチューブは、腰部バンドの横方向端が、腰部縁の横方向外側寄りの縁と境界を共有するように、伸縮される。腰部バンドを張力下に保持しながら、外層と、腰部バンドチューブと、インナーライナーとを、ウール糸で腰部縁の長さに沿って、腰部バンドの弾性構成要素がかがり縫いの縫い目の外側になるように、ともにかがり縫いで縫い合わせる。後腰部バンド及び脚バンドについて、これらの工程を繰り返す。
【0063】
外側カバーの4つの耳(腰部バンドと脚バンドの縫われた領域の間)は、外側カバーが反転されたときの耳の座屈を防ぐために、長さ0.318cm(0.125インチ)周囲を直線縫いし、ピンキングばさみでトリムする。複合体であるインナーライナーの縫い目の隙間を通して外側カバーを反転し、アイロンで耳を平らにプレスする。インナーライナーの開口部を、0.318cm(0.125インチ)の縫い代を内折りし、直線縫いで閉じる。
【0064】
この例での全てのジグザグ縫い及び直線縫いは、Bernina、又はBernina販売代理店から入手可能なモデルであるBernina 1001型ミシンで行われる。全てのかがり縫いは、Amazon.comから入手可能なBrotherの「Lock」1034 D型サージャー機で行う。
【0065】
実施例2は、外側カバーと、左脚バンド及び右脚バンドと、前腰部バンド及び後腰部バンドと、前側ランディングゾーンと、このランディングゾーンに解放可能に締結されるように適応された2つの耳締結要素と、2つの挿入物締結要素とを有する、洗濯耐性を有する再利用可能な外側カバーである。外側カバーは、物品の衣類に面する表面の大半を形成しており、横方向に伸縮性である。外側カバーは、2枚の伸張可能な不織布と、それらの間に挟まれる1枚の弾性伸縮性フィルムとを備える3層ラミネートを備える。第1の伸張可能な不織布は外側カバーの衣類に面する側を形成し、一方、第2の伸張可能な不織布は外側カバーの着用者に面する側を形成する。この代表的実施形態では、第1の伸張可能な不織布は、27gsmのHEC不織布(Fiberweb/BBAから入手可能なExcell Style 382D型)を含む。弾性伸縮性フィルムは、27gsmのVistamaxxフィルムで構成され、第2の伸張可能な不織布(Fiberweb Franceから入手可能な22gsmのSofspan 200)と押出し結合されて、2層ラミネートを形成する。弾性伸縮性フィルムは、Vistamaxx 22gsmのVistamaxx層と、5gsmのポリエチレンの2枚のスキン層とを備え、Vistamaxxフィルムの各表面に1枚のスキン層がある。この2層ラミネート全体は有孔であることができる。下表に示されるように、実施例2Aは0.305cm(0.120”)の深さの孔を有し、実施例2Bは0.356cm(0.140”)の深さの孔を有し、実施例2Cは0.406cm(0.160”)の孔を有し、実施例2Dは孔を有さない。実施例2A、2B、及び2Cに関しては、2層ラミネート全体は有孔であった。WVTRを除く全ての測定値は、有孔でない2層ラミネートに関する。代替実施形態では、2層ラミネートのごく一部のみが有孔であることができる。
【0066】
有孔は、加熱をせずに、Qureshiらの名で2009年8月3日付で出願された同時係属中の米国特許出願第12/534,353号に記述されているように行われる。このプロセスの結果、複数の3次元の円錐形、ないし「火山形の」孔が得られる。第1の不織布は、0.000093グラム/cm(0.0006グラム/in)の螺旋形のBostik 2031接着剤によって、2層ラミネートの弾性伸縮性フィルム側に接着剤で結合される。次いで、リングローリングプロセスを用いて、3層ラミネートの外側カバーを機械的に作動させる(すなわち、漸増式に引き伸ばす)。リングロールの歯のピッチは0.254cm(0.100”)、係合深さは0.401cm(0.158”)である。
【0067】
ランディングゾーンと耳締結要素とは、互いに解放可能に、かつしっかりと締結するように適応される。フック・アンド・ループ締結システムのループ構成要素を備えるランディングゾーンは、外側カバーの外面の前腰部に、前腰部バンドから長手方向内側寄りに貼付され、間隙によって腰部バンドから分離される。耳締結要素は、外側カバーの着用者に面する表面の後耳部、すなわち、外側カバーの後腰部の横方向遠位部に設けられ、締結支持要素に装着されるフック・アンド・ループ締結システムのフック構成要素を備える。
【0068】
脚バンド及び腰部バンドは弾性伸縮性で柔らかく、着用者にとって快適である。脚バンド及び腰部バンドは、伸張可能な不織布層の間に挟まれたリクラ弾性ストランドを備える。前腰部バンドは、長さ241mm×幅15mmに切断され、物品の前腰部縁と境界を共有する外側カバーの外面に適用される。後腰部バンドは、長さ200mm×幅15mmに切断され、物品の後腰部縁と境界を共有する外側カバーの外面に適用される。脚バンドは、長さ271mm×幅15mmに切断され、引き伸ばされ、物品の後腰部縁と境界を共有する外側カバーの外面に適用される。脚バンド及び腰部バンドは、0.000093グラム/cm(0.0006g/in)の螺旋形のBostik 2031接着剤で外側カバーに貼付する。
【0069】
外側カバーはまた、着用者の用途のために完全かつ機能的な吸収性物品を提供するために、吸収性挿入物を解放可能に外側カバーに貼付する手段も提供する。この実施形態では、フック・アンド・ループ締結システムのループ構成要素を備える挿入物締結要素は、外側カバーの着用者に面する表面上の前腰部及び後腰部のそれぞれに設けられる。この実施形態の挿入物締結要素は、幅約50mmであり、外側カバーの長手方向中心線に中心合わせされる。他のサイズ、形、及び配置の締結具も可能である。非常に大きい(面積に関して)又は非常に厚い締結用構成要素は、外側カバーの伸張性又は通気性に望ましくない影響を及ぼすことが可能であるため、締結要素は、その厚さ、通気性、伸張性、及び単位面積当たりの取付けの強度に注意して選択されなくてはならない。
【0070】
実施例3は、Cotton Babies,Inc.(ミズーリ州St.Louis所在)から入手可能なBum Genius 3.0 フリーサイズの布製おむつである。
【0071】
実施例4は、gDiaper,Inc.(オレゴン州Portland所在)から入手可能なgDiaper(サイズM)である。
【0072】
実施例5は、Bummis,Inc.(カナダケベック州Montreal所在)から入手可能なBummis SuperBriteおむつカバー(サイズM)である。
【0073】
実施例6は、Imse Vimse USA(テネシー州Nashville所在)から入手可能なImse Vimseである。
【0074】
実施例7は、Mother of Eden(ルイジアナ州Lafayette所在)から入手可能なFuzzi Bunz布ポケットおむつ(サイズL)である。
【0075】
実施例8は、Diaperaps:Baby’s Organic Nursery(カリフォルニア州Granada Hills所在)から入手可能なDiaperapsおむつカバー(サイズM)である。
【0076】
実施例9は、Bumkins Finer Baby Products(アリゾナ州Scottsdale所在)から入手可能なBumkinsおむつカバー(サイズM)である。実施例9の2つのWVTR測定値を報告する。これらの測定値は、2つの異なるBumkinsおむつカバーから得た。これら2つの異なる試料は、同じ製品識別子を使用して、異なる月に同じソースから注文した。WVTR値に差があるため、両方の値を別々に示す。
【0077】
実施例10は、MLB Industries,Inc.(カリフォルニア州El Cajon所在)から入手可能なStacinator So Simpleおむつカバー(サイズM)である。
【表1】

多層外側カバーの全層を含む。
【0078】
以下の関係する特性の組み合わせを有するのは、実施例1及び2の外側カバーだけである。
・24時間当たり1200g/m2を超すWVTR及び5Nで15%を超す全製品後伸張率
・24時間当たり1200g/m2を超すWVTR及び5Nで25mm(50mm)を超す全製品後伸張
・24時間当たり1200g/m2を超すWVTR及び5Nで15%を超す全製品後伸張率及び25%伸張で1.0Nを超す全製品後除荷
・5Nの付加力の下で少なくとも15%の全製品後伸張率及び25%伸張で1.0Nを超す全製品後除荷
・5Nで15%、又は更には20%の全製品後伸張率及び50%伸張で5N未満のOC複合体複合体伸張力
【0079】
試験方法
全ての試験は、23°±2℃、相対湿度50±2%で行われた。この環境で試験前2時間、全ての試料を平衡化した。
【0080】
全製品後伸張力
全製品後伸張力は、全層、構成要素、副構成要素等を含む完全な外側カバーで測定する。全製品後伸張力は、測定した力がセルの限界の10%〜90%以内となるロードセルを使用して、コンピュータインタフェースを有する一定速度の引張試験機(好適な計器は、ミネソタ州Eden Prairie所在のMTS Systems Corp.から入手可能な、Testworks 4.0 Softwareを使用したMTS Allianceである)で測定する。可動式(上位)空気圧式つかみ具及び固定式(下位)空気圧式つかみ具の双方に、2.54cm×2.54cm(1インチ×1インチ)の菱形面のグリップを装備する。
【0081】
本明細書で使用する場合、00%ひずみは、試料が、無負荷下で測定された元の長さの200%伸張したことを意味する。例えば、元の長さ100mmの試料は、300mmの長さに伸張されたとき、200%のひずみを有することになる。
【0082】
試験片を254mm/分の速度で100%ひずみに伸張し、そのひずみで30秒間保持してから、254mm/分の速度で0%ひずみに戻すように、引張試験機をプログラムする。60秒後に試料を再び254mm/分の速度で100%ひずみに伸張し、30秒間保持してから、254mm/分の速度で0%ひずみに戻す。データ収集率を100Hzに設定する。力対ひずみ(%)曲線から、第1の負荷周期で5Nの力での伸張(mm)、第1の負荷周期で5Nの力でのひずみ率(%)、及び第1の除荷周期で25%ひずみでの力(N)を報告するようにソフトウェアをプログラムする。
【0083】
テープ付け式の吸収性物品に関しては、図1に示すように標点距離を長さ195に設定する。クロスヘッドをゼロにする。長手方向中心線52に近位の締結具42の縁をグリップ面の下位縁と整列させて、試験片を上位グリップに挿入し、グリップを閉じる。ロードセルをゼロにする。長手方向中心線52に近位の締結具42の縁をグリップ面の上位縁と整列させて、試験片のもう一方の端を下位グリップに挿入し、グリップを閉じる。試験片は、試験片にたるみが一切ないように、十分な張力下に置かれなくてはならないが、計器によって計測される力は0.5N未満でなくてはならない。引張試験機のプログラムを開始し、データを記録する。
【0084】
パンツ型の吸収性物品については、物品の腰部周囲を計測する。腰部周囲を2で割って、後腰部の長さを算出する。腰部の前側又は上部と、腰部の後側又は下部とが同じ長さ(すなわち、腰部周囲を2で割った数値)になるように物品を折り畳む。標点距離を後腰部の長さに設定する。クロスヘッドをゼロにする。折り畳まれた物品の腰部の縁をグリップ面の下位縁と整列させて、試験片を上位グリップに挿入し、グリップを閉じる。ロードセルをゼロにする。折り畳まれた物品の腰部の縁をグリップ面の上位縁と整列させて、試験片のもう一方の端を下位グリップに挿入し、グリップを閉じる。物品の前腰部を長手方向に貫通し股部を横方向に貫通するT形の切込みを作り、前腰部と後腰部とを分離する。試験片は、試験片にたるみが一切ないように、十分な張力下に置かれなくてはならないが、計器によって計測される力は0.5N未満でなくてはならない。引張試験機のプログラムを開始し、データを記録する。
【0085】
第1の負荷周期で5Nの力での伸張(mm)(±1mmまで)、第1の負荷周期で5Nの力でのひずみ率(%)(±0.1%まで)、及び第1の除荷周期で25%ひずみでの力(N)(±0.1Nまで)を報告する。
【0086】
85%伸張での脚の力
85%伸張での脚の力は、測定した力がセルの限界の10%〜90%以内となるロードセルを使用して(典型的には10N)、コンピュータインタフェースを有する一定速度の引張試験機(好適な計器は、ミネソタ州Eden Prairie所在のMTS Systems Corp.から入手可能な、Testworks 4.0 Softwareを使用したMTS Allianceである)で測定する。可動式(上位)空気圧式つかみ具及び固定式(下位)空気圧式つかみ具の双方に、2.54cm×2.54cm(1インチ×1インチ)のゴム面のグリップを装備する。標点距離を100mmに設定し、データ収集率を100Hzに設定する。
【0087】
はさみ又はかみそりナイフを使用し、脚カフ187を脚カフの継目のすぐ近くで切断して、物品から取り外す。いったん取り外したら、その弾性構成要素の終端縁を、接着剤、縫合、又は他の手段によってそれが定着される場所に位置づける。フェルトマーカーを使用し、定着点に線を引く。脚カフのもう一方の端に同様のやり方でしるしを付ける。脚カフをその最大伸張に引き伸ばし、2つのしるしの間の伸張長をミリメートル単位で測定する。この長さをカフの長さとして記録し、その脚カフを廃棄する。伸張を次のように算出する。
95%伸張(mm)=(カフの長さ×0.95)−標点距離
85%伸張(mm)=(カフの長さ×0.85)−標点距離
【0088】
254mm/分で95%伸張に試験片を引き伸ばし、この伸張で5秒間保持し、254mm/分の速度で0%伸張に戻すように、引張試験機をプログラムする。更に5秒間保持し、再び254mm/分で95%伸張に引き伸ばし、この伸張で5秒間保持し、254mm/分の速度で0%伸張に戻す。力対伸張曲線から、2回目の戻り周期での85%伸張での力を報告するようにソフトウェアをプログラムする。
【0089】
別の脚カフを取り外し、脚カフの試験片を伸張も変形もさせないように注意しながら、上述のように定着点にしるしを付ける。標点距離を100mmに設定し、クロスヘッドをゼロにする。グリップ面の底縁を定着点でしるしと整列させて、脚カフの一端を上位グリップに挿入し、グリップ面を閉じる。ロードセルをゼロにする。グリップ面の上縁を定着点でしるしと整列させて、脚カフのもう一方の端を下位グリップに挿入し、グリップ面を閉じる。引張試験機のプログラムを開始し、データを収集する。
【0090】
2回目の除荷周期からの85%伸張での力(N)を±0.01Nまで報告する。
【0091】
外側カバー複合体伸張力
外側カバー複合体伸張力は、測定した力がセルの限界の10%〜90%以内となるロードセルを使用して、コンピュータインタフェースを有する一定速度の引張試験機(好適な計器は、ミネソタ州Eden Prairie所在のMTS Systems Corp.から入手可能な、Testworks 4.0 Softwareを使用したMTS Allianceである)で測定する。可動式(上位)空気圧つかみ具及び固定式(下位)空気圧つかみ具の双方に、試験片の幅よりも広いゴム面のグリップを装備する。標点距離は25.4mm、データ収集速度は100Hzとする。
【0092】
254mm/分のクロスヘッド速度で試験片を110%のひずみに引き伸ばしてから元のクロスヘッド位置に戻すように引張試験機をプログラムする。50%のひずみ及び100%のひずみでの力(N)を報告するようにソフトウェアをプログラムする。
【0093】
JDC精密カッター(Thwing Albert)を使用し、外側カバーの長手方向軸に沿って、外側カバーの長手方向に幅2.54cm(1”)、長さ7.62cm(3”)のストリップを切断する。外側カバーに複数層がある場合は、全層を貫通して試験片を切断しなくてはならない。複合体は全体として、また個々の層としても、試験しなくてはならない。任意の単一の試験片を(複合体か単層かに関わらず)一度だけ試験しなくてはならない。
【0094】
標点距離を25.4mmに、クロスヘッドをゼロに、ロードセルをゼロに設定する。試験片を上位のつかみ具と下位のつかみ具との内部に縦に整列させて上位グリップに挿入し、上位グリップを閉じる。試験片を下位のグリップに挿入して閉じる。試験片は、全てのたるみを取り除くのに十分な張力であるが、ロードセルの力は0.05N未満でなくてはならない。引張試験機のプログラムを開始し、データを収集する。
【0095】
複合体(多層)試験片の50%伸張での力(N)を±0.01Nまで報告する。それぞれの層の試験片の100%伸張での力(N)を±0.01Nまで報告する。
【0096】
水蒸気透過度
水蒸気透過度(WVTR)は、EDANA/INDA Worldwide Strategic Partners Method WSP 70.4(08)に従って、Permatran−Wのモデル100K(ミネソタ州Minnesota所在のMOCON)を使用して測定する。この試験方法を、37.8℃の試験装置温度、120 SCCMの窒素流速、及び2周期の標準モードで、試験時間を5分間として、WSP規格試験に従って行った。それぞれのセルを個別に60%±1.5%の相対湿度(RH)に調整した。設備が適正に実行されていることを確認するために、試料の試験をする前に基準参照フィルム(MOCONのS/N 1008WK089)を実行しなくてはならない。基準参照フィルムの結果は、MOCONによって報告されている値の±10%の範囲内でなくてはならない。
【0097】
はさみ又はダイを使用して、直径35mmの試験片を切断する。外側カバーが多層である場合は、試験片を複合体試料として実行する。外側カバーの、通常皮膚に面する側を水の方に向けて試験する。WVTRは、24時間当たりのg/m単位で、24時間当たりの1g/mまで四捨五入して報告する。
【0098】
力の壁(Force Wall)のための簡易引張試験
本発明の材料は、引張試験で引っ張られたとき、2つの明確な領域を示す。第1の領域においては、ラミネートの弾性部分が力に主に寄与し、第2の領域においては、ラミネートの非弾性部分からの力の寄与が有意になり始める。力対ひずみ曲線では、第2の領域は第1の領域に比べて有意に高い勾配を有する。勾配におけるこの変化が生じるひずみ百分率は、力の壁と呼ばれる。
【0099】
力の壁のための簡易引張試験、及びまた、それに続くヒステリシス試験は、コンピュータとインターフェイス接続された商用引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(マサチューセッツ州Canton所在)のもの、SINTECH−MTS Systems Corporation(ミネソタ州Eden Prairie所在)のもの、又は同等物)を利用する。コンピュータを使用して、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、かつデータの収集、計算、及び報告を行う。試験は、23℃±2℃及び湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試料は試験前に24時間条件付けされる。
【0100】
試験プロトコル
1.長さ次元が伸縮方向である長さ7.62cm、幅1.5cmの試料を選択する。腰部バンド又は脚バンドの試料を製品から取る場合は、試料の幅は腰部バンド又は脚バンドの全幅でなくてはならない。場合によっては、7.62cmの長さの試料を得ることが不可能であれば、より小さい試料を使用してもよいが、その場合も25mmの標点距離を使用しなくてはならない。
【0101】
2.適切なつかみ具及びロードセルを選択する。つかみ具は平らな表面を有する必要があり、試料を適応させるために十分に幅広(例えば、少なくとも幅2.54cm)でなくてはならない。また、つかみ具は、試料が試験中に滑らないことを確実にするために十分な力を提供しなくてはならない。試験する試料からの引張応答が、使用するロードセルの許容量の25%〜75%であるようにロードセルを選択する。
【0102】
3.メーカーの指示に従って試験装置を較正する。
【0103】
4.グリップの間の距離を25mmに設定する。
【0104】
5.試料の長手方向軸線が標点距離方向に実質的に平行になるようにつかみ具の平面に試料を定置する。最少のたるみで試料を装着する。たるみの予負荷を0.02N/cmに設定する。これは、0.02N/cmの力でたるみが取り除かれたときにデータ収集が始まることを意味する。ひずみは、0.02N/cmの力での引張試験機のグリップの間の試料の長さである、調整された標点距離(lini)に基づいて計算される。調整された標点距離は試料の初期長さとして取られ、0%のひずみに相当する。試験中の任意の点でのひずみ百分率は、長さにおける変化を、調整された標点距離で割って、100%を掛けることによって得られる。
【0105】
6.一定のクロスヘッド速度(254mm/分)で、試料を1000%のひずみ(すなわち、11×lini)まで、又は試料が破断するまで、引っ張る。
【0106】
7.コンピュータは、試験中に試料にかけられる力を適用されたひずみの関数に応じて記録する。
【0107】
8.力(N/cm)対ひずみ百分率をプロットし、力の勾配対ひずみ曲線の勾配が急激に増加するひずみとして力の壁を測定する。これは、手動で行ってもよく、又は引張試験機のソフトウェアを使用して行ってもよい。
【0108】
9.それぞれの試料につき5回繰り返し、平均値及び標準偏差を報告する。
【0109】
ヒステリシス試験
工程1〜5は、力の壁試験での工程と同じである。
【0110】
6(a).第1周期負荷:一定のクロスヘッド速度254mm/分で力の壁まで試料を引っ張る。まず、上記の簡易引張試験で記述したように力の壁を最初に決定する。力の壁で、つかみ具の間で引っ張られた試料の長さをlmaxとして報告する。
【0111】
6(b).第1周期除荷:試料を力の壁で30秒間保持し、続いてクロスヘッドを254mm/分の一定のクロスヘッド速度でその開始位置(ひずみ0%)に戻す。試料をひずみのない状態で1分間保持する。
【0112】
6(c).第2周期負荷:254mm/分の一定のクロスヘッド速度で力の壁まで試料を引っ張る。
【0113】
6(d).第2周期除荷:次に、254mm/分の一定のクロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(すなわち、ひずみ0%)に戻す。
【0114】
コンピュータデータシステムが、試験中に試料にかけられる力を適用されたひずみの関数に応じて記録する。その結果得られる生成されたデータから、以下の数量が報告される(報告される負荷は、試料の厚みを考慮せずに力を試料の幅で割って得られることに注意)。
【0115】
1.第1周期負荷力及び力の壁でのひずみ(N/cm)。
【0116】
2.力の壁でのひずみの15%のひずみでの第1周期除荷力。(例えば、力の壁が200%にある場合、除荷は30%のひずみで測定される)。
【0117】
3.%設定:0.02N/cm(lext)の第2周期負荷力での試料の長さを記録する。力の壁でのひずみの百分率として報告される0.02N/cmの第2周期負荷で測定されるひずみとして%設定を計算する。
%設定=(lext−lini)/(lmax−lini100%
【0118】
それぞれの試料について5回繰り返し、平均値及び標準偏差を報告する。
【0119】
修正版AATCC試験方法124−2001
洗濯周期で、AATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists)試験方法124−2001に従い、下記の選択したパラメータ及び偏差を用いて、外側カバーのような吸収性物品構成要素を機械洗濯及び機械乾燥する。
【0120】
a)第6項「装置及び材料(Apparatus and materials)」に従い、自動洗濯機としてはKenmore 600(Heavy Duty−Super Capacity Plus−Quiet Pak)を使用し、自動回転乾燥機としてはMaytag Commercial(モデル番号MDE27MNACW、MDE15MNAYW、MDE13MNACW等)を使用する。
【0121】
b)第6項「装置及び材料(Apparatus and materials)」の指示に反し、バラストとしては、Testfabrics,Inc,(ペンシルベニア州West Pittston所在)の折目数60×60、重量151gsm、サイズ16.8m(55’)×99.1cm(39”)の木綿シートであるTest Fabric493型を使用する。
【0122】
c)第6項「装置及び材料(Apparatus and materials)」の指示に反し、評価区域は第6項の7に従った構成とせず、第6項の8の装置は使用しない。代わりに、正常な視力の人が明瞭に見ることのできる典型的な人工照明条件(例えば、蛍光灯)の下で、全ての目視評価を行う。
【0123】
d)第7項「試験用標本(Test Specimen)」に反し、試験する構成要素は(必要に応じて)吸収性物品の残りの部分から完全に取り外し、その構成要素を(その取り外しによって可能な範囲で)損傷されていない一体として試験する。同じタイプの構成要素を最高3つまで同時に洗濯する。
【0124】
e)第8項の2.2の機械洗濯に関しては、水位は機械の「大」設定を使用し、洗濯温度としては32+/−3℃(90+/−5°F)を、すすぎ温度としては16+/−3℃(60+/−5°F)を選択する。
【0125】
f)第8項の2.2の設定に関しては、洗濯時間12分、1回目のスピン時間6分、再補充時間4分、すすぎ時間5分、最終スピン周期時間6分を有する「普通/丈夫な木綿(Normal/Cotton Sturdy)」を選択する。
【0126】
g)第8項の3の「乾燥(Drying)」に関しては、「丈夫な木綿及び白物及び色物(Cotton Sturdy and Whites & Colors)」を選択する。
【0127】
h)第8項の5の指示に反し、コンディショニング及びプリコンディショニングの工程は行わない。
【0128】
i)第9項「評価(Evaluation)」の指示に反し、これらの評価工程は行わない。代わりに、試験する構成要素の評価は、物品がその物品に意図される機能及び/又は用途のために不適となるほど物品の外観又は性能に有意な劣化をその試験が結果としてもたらしたかどうかを決定するために当業者によって行われる。
【0129】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0130】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他の任意の参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0131】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部(22)と、後部(18)と、長手方向に前記前部(22)及び前記後部(18)の間に設けられる股部(20)と、衣類に面する表面(28)の反対側に設けられる着用者に面する表面(16)と、を有する吸収性物品用の再利用可能な外側カバー(10)であって、
前記外側カバー(10)の前記着用者に面する表面(16)を画定する内層(24)及び前記外側カバー(10)の前記衣類に面する表面(28)を画定する外層(26)と、
第1の長手方向に延びる縁(30)及び前記第1の長手方向に延びる縁(30)から横方向に離間した第2の長手方向に延びる縁(30)と、
前記第1の長手方向に延びる縁(30)と隣接する第1の弾性脚バンド(32)と、
前記第2の長手方向に延びる縁(30)と隣接する第2の弾性脚バンド(32)と、
第1の横方向に延びる縁(34)及び前記第1の横方向に延びる縁(34)から長手方向に離間した第2の横方向に延びる縁(34)と、
前記第1の横方向に延びる縁(34)と隣接する第1の弾性腰部バンド(36)と、
前記第2の横方向に延びる縁(34)と隣接する第2の弾性腰部バンド(36)と、
前記第1の長手方向に延びる側縁(30)から横方向に外方に延びた遠位端部を有する第1のサイドパネル(12)と、
前記第2の長手方向に延びる側縁(30)から横方向に外方に延びた遠位端部を有する第2のサイドパネル(12)と、
前記外側カバー(10)の前記後部(18)に対応した横方向に延びる縁(34)に近位の前記第1のサイドパネル(12)と前記第2のサイドパネル(12)との間の2つ以上の付着点(40)で前記内層(24)及び前記外層(26)の少なくとも1つに付着される定着バンド(38)であって、前記定着バンド(38)が前記付着点(40)の間で前記内層(24)及び前記外層(26)に対して自由に動く、定着バンド(38)と、を備え、
前記外側カバー(10)が、24時間当たり少なくとも1200g/mのWVTR及び5Nの付加力の下で少なくとも15%の全製品後伸張率を有する、外側カバー(10)。
【請求項2】
前記内層(24)及び前記外層(26)が有孔である、請求項1に記載の外側カバー(10)。
【請求項3】
前記内層(24)が前記外層(26)より高い弾性率を有する、請求項1又は請求項2に記載の外側カバー(10)。
【請求項4】
前記内層(24)が疎水性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項5】
前記内層(24)及び前記外層(26)が疎水性であり、前記内層(24)は前記外層(26)よりも疎水性である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項6】
前記外層(26)が織布である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項7】
前記外層(26)が、木綿、ウール、竹、麻、絹、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、リクラ、スパンデックス、水滴より小さいが水蒸気分子より大きい微細な孔を有する通気性防水材、マイクロカプセル化された相変化高分子材料を含む布地、繊維ベースの水分ウィッキングシステム、及び、これらの組み合わせからなる群から選択される材料で作製される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項8】
前記外層(26)が、0.014〜0.023グラム/m(0.09〜0.15グラム/in)の坪量を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項9】
24時間当たり少なくとも3000g/mのWVTRを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項10】
24時間当たり15,000g/m未満のWVTRを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項11】
24時間当たり10,000g/m未満のWVTRを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項12】
全製品後伸張試験での25%伸張で少なくとも1.0Nの除荷力を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項13】
25%伸張で10N未満の外側カバー伸張力を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項14】
50%伸張で10N未満の外側カバー伸張力を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。
【請求項15】
50%伸張で5N未満の外側カバー伸張力を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の外側カバー(10)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−514505(P2012−514505A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544697(P2011−544697)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/021037
【国際公開番号】WO2010/083305
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】