説明

吸収性物品

【課題】良好な吸収性物品及びその製造法の提供
【解決手段】本発明は、身体滲出物を吸収するように下着に位置決めする改善された吸収性物品(例えば、生理用ナプキン)に関する。このような吸収性物品が下着から繰り返し取り外される時、および下着の着用中、本物品では下着の損傷が回避される。本発明による吸収性物品は、液体透過性身体側シート、身体側シートの反対側にある液体不透過性衣類側シート、およびそれらの間にある液体吸収性コアを有する主部を備える。物品は、物品の形状を画定する外縁部と中心領域とを有する。液体不透過性衣類側シートは、係合能力の異なるメカニカルファスニング要素を有する少なくとも2つの部位を備え、係合能力のより高い第1の部位は物品の中心領域に配置され、係合能力のより低い少なくとも1つの他の部位は、中心領域と外縁部の間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体滲出物を吸収するために下着に位置決めする吸収性物品、およびこのような吸収性物品の製造方法に関する。一般に、これらの種類の吸収性物品は、例えば、女性用衛生製品又はフェムケア製品、特に生理用ナプキン又は大人用失禁製品として知られている。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第0 988 808A1号明細書は、面ファスナタイプのメカニカルファスニングシステムのフックファスニング材料を開示している。このフックファスニング材料は、様々なループ材料と有効に係合することを可能にする異なるプロングを備える。プロングの係合手段は、形状、材料組成又は寸法が様々であってよい。欧州特許出願公開第0 988 808A1号明細書に開示されているフックファスニング材料は、使い捨て吸収性物品を着用者の下着に固定するのに使用され得る。
【0003】
国際公開第99/03369号パンフレットは、メカニカルファスナシステムのための摘持部を開示しており、摘持部領域のフック要素は、非機能性となるように処理され、好都合に把持できるようになっている。このファスニングシステムは、おむつ、および失禁用衣類等の使い捨て物品に使用される。
【0004】
米国特許第6,210,389B1号明細書もまた、持ち上げ部位を有するファスナシステムを開示している。第1のファスナ部材は、指定された持ち上げ部位を有する係合基材と、係合基材から延出するように操作可能に付着している複数の係合素子とを含む。持ち上げ部位は、係合基材の少なくとも縦方向に延びる外側縁部に沿って配置され、持ち上げ部位には実質的に機能しないようにされた複数の係合素子がある。
【0005】
国際公開第97/32556パンフレットは、把持タブを有するメカニカルファスニングシステムに関する。ファスニングシステムは、指定されたファスニング部位と指定された把持部位を有するフックベース層を含む。ファスニング部位は、ベース層と一体形成され且つフックベース層のベース面から延出する複数のフック要素を有する。フック要素は、選択された協働ループ材料に操作可能に係合するように構成されている。把持部位は、ファスニング部位と比較して、比較的低い単位面積当たりのフック要素の密度を有する。
【0006】
米国特許第6,276,032B1号明細書は、おむつに適用されるファスニングシステムに関し、ファスニングタブはステムとフックを備える。快適さ、止着し易さ、強い固定、および外し易さの、所望の組み合わせを有するファスニングシステムが得られるように、ステムとフックの高さは様々であってよい。米国特許第6,276,032B1号明細書に開示されている物品は、雄および雌ファスナのファスニングシステムを備える。
【0007】
米国特許第5,300,058A号明細書は、ナプキンの異なる四分円で異なる向きを有する配向フックを備える生理用ナプキンに関する。この構成は、より確実に着用者の下着に固定できる生理用ナプキンを提供すると言われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、身体滲出物を吸収するように下着に位置決めする吸収性物品を提供することであり、本物品は下着に確実に取り付けられることができ、位置決め手段によって起こり得る下着の損傷を最小限にする。この目的は、特許請求の範囲に記載されている吸収性物品で達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、身体滲出物を吸収するように下着に位置決めする吸収性物品、例えば、生理用ナプキンは、液体透過性身体側シート、身体側シートの反対側にある液体不透過性衣類側シート、および身体側シートと衣類側シートの間にある液体吸収性コアを有する主部を備える。物品は、物品の形状を画定する外縁部と中心領域とを有する。液体不透過性衣類側シートは、係合特性、即ち、係合能力の異なるファスニング要素を有する少なくとも2つの部位を備える。係合能力のより高い第1の部位は物品の中心領域に配置され、係合能力のより低い少なくとも1つの他の部位は、中心領域と外縁部の間に配置されている。
【0010】
吸収性物品の中心領域は、概ね、物品の幾何学的中心の周囲の領域であると考えることができ、必ずしも中心まで延びず、そのため、例えば、中心の周囲のリング形の部位も中心領域を構成することができる。中心領域は、好ましくは、物品の全面積の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも75%に及ぶ。
【0011】
ファスニング要素の下着との係合能力は、標準的な下着材料を使用することにより測定され、決定されてもよい。概ね「係合能力」の用語は、本明細書で使用する時、吸収性物品が下着に機械的に取り付けられる能力に関し、より高い係合能力は、特に、より高い剥離強度、より高い動的剪断強度、および/又はより高い動摩擦を指す。
【0012】
物品の中心領域と縁部の間の別個のセクションだけに、係合能力のより低い部位を提供してもよいが、係合能力のより低いファスニング要素が、物品の少なくとも対向する横縁部、即ち、短い縁部に存在することが好ましい。しかし、また、物品の縁部全体又は輪郭線全体に沿って係合能力のより低い部位を提供してもよい、即ち、他の部位は好ましくは完全に物品の周縁に沿って延びる。
【0013】
好ましい実施形態によれば、係合能力の異なるファスニング要素を有する少なくとも2つの部位が吸収性物品に提供される、即ち、第1の部位と少なくとも1つの他の部位に係合能力の異なるメカニカルファスニング要素が提供される。また、ファスニング要素の係合能力が漸増する又は連続的に増加するように、ファスニング要素の係合能力特性が、例えば、物品の縁部から中心領域の方に向かって徐々に変化することも本発明の範囲に入る。本発明によれば、少なくとも1つの他の部位がメカニカルファスニング要素のない部位を備えることも想到される。このような部位は、例えば、物品の横縁部に提供されてもよい。
【0014】
ファスニング要素の係合能力を様々な方法で変えることができる。例えば、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素は、第1の部位のファスニング要素より低い平均高さを有してもよい。概ね、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素と第1の部位のファスニング要素との高さの差は、第1の部位のファスニング要素の高さを基準にして少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%であってもよい。例えば、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素と第1の部位のファスニング要素との高さの差は、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも80μmであってよい。好ましくは、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の高さは、30〜400μm、好ましくは75〜300μm、より好ましくは150〜250μmの範囲であってもよく、第1の部位のファスニング要素の高さは、50〜500μm、好ましくは100〜350μm、より好ましくは200〜300μmの範囲であってもよい。
【0015】
或いは、又は様々な部位のファスニング要素の高さを変えることに加えて、第1の部位と他の部位に異なるタイプのファスニング要素を提供してもよい。例えば、第1の部位のファスニング要素は、フックタイプ又はマッシュルームタイプのファスニング要素の形態で提供されてもよく、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素は、より小さいフックヘッド若しくはマッシュルームヘッドを有するステム、又は最終的にはヘッドのないステムであってもよい。また、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素を略円形のキャップを有するマッシュルームタイプのフックの形態で、および、第1の部位に係合能力が増加するように略楕円形のキャップを有するマッシュルームタイプのフックを提供することも可能である。より一般的には、好適な係合能力が得られるように、雄ファスニング要素のヘッドのサイズおよび/又は形状を変えてもよい。
【0016】
第1の部位と他の部位のファスニング要素の係合能力特性を変える別の可能性は、ファスニング要素の密度を変えることである。例えば、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素に、第1の部位のファスニング要素より低い単位面積当たりの密度を提供してもよい。ファスニング要素の密度は、概ね、一平方センチメートル当たりフック約30〜2500個の範囲であってもよい。好ましくは、フック密度は、一平方センチメートル当たりフック約150〜500個の範囲であり、より好ましくは一平方センチメートル当たりフック約200〜300個の範囲である。
【0017】
ファスニング要素の係合能力を変えるための別の選択肢は、ファスニング要素のステムの断面積を変えることである。少なくとも1つの他の部位のファスニング要素のステムが第1の部位のファスニング要素より小さい断面積を有すると、少なくとも1つの他の部位の係合能力を第1の部位の係合能力より低くすることができる。また、ファスニング要素の材料特性を変えてもよい、例えば、可撓性のより高い材料を少なくとも1つの他の部位のファスニング要素に、剛性のより高い材料を第1の部位に使用してもよい。係合能力を変える前述の方法の組み合わせも想到される。
【0018】
更に、第1の部位と他の部位のうち少なくとも一方のメカニカルファスニング要素に接着剤を提供してもよい。好ましくは、接着剤は様々な粘着性のパターンで提供される。例えば、フックおよび/又はステムを、例えば、米国特許第6,489,003号明細書、米国特許第6,428,525号明細書、米国特許第6,402,730号明細書、米国特許第6,393,673号明細書、および米国特許第4,959,265号明細書に教示されている接着剤でコーティングすることができる。或いは、および好ましくは、例えば、米国特許第5,053,028号明細書および米国特許第5,019,065号明細書に開示されているように、接着剤はステムおよび/又はフックの間に提供されてもよい。
【0019】
本発明の吸収性物品は、典型的には、細長い形状、例えば、略長円形又は楕円形、三角形、砂時計又は鍵穴の形状を有する。有利には、物品の本体は、反対側にある2つの縦縁部のそれぞれに、下着の反対側に折り返されるように構成されているフラップを備えてもよい。これらのフラップのそれぞれが、フラップの中心領域に配置される係合能力のより高いファスニング要素を有する第1の部位、およびフラップの中心領域と縁部の間に配置される係合能力のより低いファスニング要素を有する少なくとも1つの他の部位を備えてもよい。典型的には、フラップの少なくとも1つの他の部位は、本体の少なくとも1つの他の部位と同じ又は類似のファスニング要素を備え、フラップの第1の部位は、本体の第1の部位と同じ又は類似のファスニング要素を備える。
【0020】
概ね、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の下着との係合能力は、第1の部位のファスニング要素の係合能力より少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、より好ましくは少なくとも50%低くてもよい。
【0021】
特に縁部領域の係合能力の方が低い本発明による吸収性物品を用いると、下着の損傷を有効に最小限にすることができる。この有望な効果は、吸収性物品の中心領域と縁部の間に配置される少なくとも1つの他の部位の、より低い係合能力、特に、より低い耐剥離性によるものと考えられる。この少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の耐剥離性はかなり小さいが、少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の剪断強度および摩擦は、好ましくは、吸収性物品を下着に位置決めし、確実に保持することを助けるのに依然として適切且つ十分である。
【0022】
本発明は、また、身体滲出物を吸収するために衣類に位置決めする吸収性物品の製造方法にも関する。本方法は、液体透過性身体側シート、前記身体側シートと反対側にある液体不透過性衣類側シート、および前記身体側シートと前記衣類側シートの間にある液体吸収性コアを有する主部を提供する工程と、前記液体不透過性衣類側シート上に係合能力の異なるファスニング要素を有する少なくとも2つの部位を提供する工程とを含む。係合能力のより高い第1の部位は物品の中心領域に配置され、係合能力のより低い少なくとも1つの他の部位は、物品の中心領域と外縁部の間に配置される。
【0023】
特に、別々のフックキャリヤウェブを生理用ナプキンの所与の衣類側シートに接合又はラミネートすることによって、係合能力の異なるファスニング要素を有する部位を提供してもよい。接着剤の使用、熱および/又は音波手段の適用により、このラミネートを行うことができる。或いは、これらの部位をナプキンに一体に提供してもよい。
【0024】
好ましくは、マイクロ複製プロセスで、第1の部位と少なくとも1つの他の部位にメカニカルファスニング要素を提供する。例えば、マイクロ複製されたステムは、マスターベルト、マスタードラム、マスタースクリーン、又は他の任意の形態から提供されてもよい。マスターベルト、ドラム、又はスクリーンは、典型的には、レジストリの高さ、直径、形状、密度の異なるネガとして形成され、様々な部位のステムを有する対応するウェブを作る。例えば、穴あけ、エッチング、レーザー腐食、穿孔、又は類似の電気、機械、若しくは化学処理の使用により、マスターベルト、ドラム、又はスクリーンに開口部又はキャビティを提供してもよい。
【0025】
好ましい方法によれば、メカニカルファスニング要素は、まず基材ウェブ上に複数のステムを形成した後、マッシュルームタイプのメカニカルファスニング要素を形成するように第1の部位のステムにキャップを形成することによって提供される。好ましくは第1の部位のステムに、少なくとも1つの他の部位のステムより大きい高さが提供される。概ね物品の縁部に配置される少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の少なくとも幾つかは、キャップが形成されないままであることが好ましい。従って、基材ウェブとステムは、同じ材料から製造される。或いは、基材ウェブは、化学的にステムと異なってもよい。好適な基材ウェブは、紙、不織布、全フィルムタイプの構成、スクリムなどであってもよい。
【0026】
本発明の吸収性物品に好適な別の製造技術は、例えば、米国特許出願公開第2001/0018110A1号明細書、米国特許出願公開第2001/0016245A1号明細書、米国特許出願公開第2004/0180186A1号明細書、米国特許出願公開第2004/0178544A1号明細書に開示されているポリマー印刷である。
【0027】
以下で、図面を参照し、本発明による吸収性物品の好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による吸収性物品の第1の実施形態の概略上面図である。
【図2】本発明による吸収性物品の第2の実施形態の概略上面図である。
【図3】本発明による吸収性物品の第3の実施形態の概略上面図である。
【図4】本発明による吸収性物品の第4の実施形態の概略上面図である。
【図5】本発明による吸収性物品の第5の実施形態の概略上面図である。
【図5a】図5の線a−aに沿った断面図である。
【図5b】図5の線b−bに沿った断面図である。
【図6a】数回、従来の吸収性物品と係合し、それから取り外された標準試験布帛の写真である。
【図6b】数回、本発明の吸収性物品と係合し、それから取り外された標準試験布帛の写真である。
【図7】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図8】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図8a】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図8b】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図9】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図10】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図11】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【図12】本発明による吸収性物品の好ましい製造方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
吸収性物品、例えば、生理用ナプキンは、かなり異なる形状を有してもよく、物品を下着に確実に保持することと下着の損傷を防止することの両方を最適にするように、係合能力の異なる第1の部位と他の部位の特定のサイズと形状は、概ね吸収性物品の形状に依存する。
【0030】
図1〜図5では、本発明の吸収性物品2の典型的な形状の幾つかの実施形態を概略的に示す。吸収性物品2は、身体滲出物を吸収するように着用者の下着に位置決めされるように構成されている。物品2は、液体透過性身体側トップシート、前記トップシートの反対側にある液体不透過性衣類側バックシート、および身体側シートと衣類側シートの間にある液体吸収性コアを有する主部4を備える。物品は、物品の形状を画定する外縁部6と中心領域8を有する。液体不透過性衣類側シートは、係合特性の異なる(即ち、係合能力の異なる)少なくとも2つの部位を備える。係合能力のより高い第1の部位12は物品2の中心領域8に配置され、係合能力のより低い少なくとも1つの他の部位10は、中心領域8と外縁部6の間に配置される。両方の部位10、12にメカニカルファスニング要素が提供される。
【0031】
図1〜4に示されている実施形態では、物品は、好ましくは完全に物品2の縁部6に沿って、即ち、その周縁に延びる単一の他の部位10(即ち、第2の部位)を備える。しかし、物品が2つ以上の他の部位10(即ち、第2の部位、第3の部位など)を備えることも本発明の範囲に入る。図5の実施形態に示されるように、第1の部位12は物品の中心領域8に配置されている。第1の部位12より係合能力が低い2つの他の部位10、13が提供される。部位10(即ち、第2の部位)は、中心領域8と縁部6の間の部位に配置され、第1の部位12より低い係合能力を有する。部位13(即ち、第3の部位)は、物品2の横縁部15に沿った別個のセクションにだけ提供され、第2の部位10より更に低い係合能力を有してもよい。
【0032】
図1〜図4の実施形態による周縁の少なくとも1つの他の部位10の幅wは、変化しても、又は一定であってもよく、好ましくは2〜20mm、より好ましくは4〜10mmの範囲である。他の部位は、物品の周縁でストリップ形になっていると考えることができ、前記ストリップの幅は一定であるか又は変化する。図5による実施形態の第3の部位13の幅は、同じ範囲であってもよい。
【0033】
既に前述したように、第1の部位12は、概ね物品2の中心領域8に配置されている。換言すれば、第1の部位12は、好ましくは少なくとも1つの他の部位10によって画定されている又は取り囲まれている。第1の部位12は、しかし、必ずしも中心まで延びていない、即ち、第1の部位も中心の周囲にリング形のストリップとして提供することができる。
【0034】
図1に示されている実施形態では、吸収性物品2は、略長円形又は楕円形の形状を有する。図2による実施形態では、吸収性物品2は、図1に示されている物品と概ね同じ形状を有するが、反対側にある2つの縦縁部のそれぞれにフラップ14を更に含む。これらのフラップは、物品2が下着に、より良好に且つより確実に固定されるように、折り線16に沿って下着の反対側に折り返されるように構成されている。好ましくは、フラップ14のそれぞれもまた、係合能力のより高いファスニング要素を有する中心領域の第1の部位20と、係合能力のより低い、好ましくは縁部に沿った少なくとも1つの他の部位18を備える。典型的には、フラップ14の少なくとも1つの他の部位18は、本体4の少なくとも1つの他の部位10と同じタイプのファスニング要素を備える。更に、フラップ14の第1の部位20は、典型的には、本体4の第1の部位12と同じファスニング要素を備える。
【0035】
図3に示されている実施形態は、図2に示されている吸収性物品の実施形態に概ね対応するが、フラップ14の折り線16の領域に本体4の中まで延びる係合能力のより低い、幾分拡張された部位10を有する。
【0036】
図4では、略三角形又は鍵穴の形状の吸収性物品2が示されている。身体滲出物を吸収するために下着に有用な吸収性物品の他の形状も本発明の範囲に入る。例えば、図5に示されているように、吸収性物品は砂時計の形状を有してもよい。
【0037】
第1の部位と少なくとも1つの他の部位で異なる係合能力を達成するため、幾つかの技術を使用することができる。例えば、少なくとも1つの他の部位10のファスニング要素は、第1の部位12のファスニング要素より低い平均高さを有してもよい。特定の実施例によれば、少なくとも1つの他の部位10のファスニング要素は、30〜400μm、好ましくは75〜300μm、より好ましくは150〜250μmの高さを有してもよく、一方、第1の部位12のファスニング要素は、50〜500μm、好ましくは100〜350μm、より好ましくは200〜300μmの高さを有してもよい。
【0038】
また、様々な部位のファスニング要素の係合能力を、これらの部位に異なるタイプのファスニング要素を使用することによって変えてもよい。例えば、少なくとも1つの他の部位10のファスニング要素は、実質的に又は完全にヘッドのないステムの形態で提供されてもよく、一方、第1の部位12のファスニング要素は、ヘッドのあるステムの形態で、例えば、フックタイプのファスニング要素および/又はマッシュルームタイプのファスニング要素として提供されてもよい。最初に、第1の部位と他の部位を含むファスナ全体を同じ前駆体材料、即ち、直立するステムを有する支持体から製造できるように、フックタイプ又はマッシュルームタイプのファスニング要素がキャップ形成プロセスによりステムから形成され得るため、これは製造の観点から特に有利な場合がある。次いで、最終的なキャップ形成プロセスで異なる部位を形成し、そこでは、第1の部位のステムだけにキャップが形成され、ヘッド、例えば、マッシュルームタイプのフックが形成される。このようにしてメカニカルファスニング要素を製造するのに好適な方法は、例えば、米国特許第5,077,870号明細書に開示されている。製造技術、並びに、フックの構成、サイズ、および密度に関して、更に国際公開第94/23610号パンフレット、米国特許第5,607,635号明細書、米国特許第4,894,060号明細書、米国特許第5,679,302号明細書、米国特許第5,620,769号明細書、米国特許第4,794,028号明細書、国際公開第94/04839号パンフレット、米国特許第4,984,339号明細書、および米国特許第5,781,969号明細書を参照する。
【0039】
支持体のフック密度は、好ましくはフック30〜2500個/cm2、より好ましくはフック約150〜500個/cm2である。フックのヘッドに隣接するステム直径および/又はステム幅は、好ましくは0.05〜0.45mm、より好ましくは約0.127〜0.279mmである。フックヘッドは、円形、楕円形、長方形、正方形、六角形であってもよい。例えば、円形のディスク状ヘッドは、各側でステムから放射状に平均約0.013〜0.254mm、より好ましくは平均約0.025〜0.127mm突出する。
【0040】
優れた可撓性と強度の両方を有するため、マッシュルームタイプのフックストリップの支持体は、とりわけフックストリップがポリプロピレン製、又は、ポリプロピレンとポリエチレンの共重合体製であるとき、好ましくは厚さ0.025〜0.512mm、より好ましくは厚さ0.064〜0.254mmであってもよい。幾つかの用途では、剛性のより高い支持体を使用することができるか、又は、支持体が基材の強度によりフックの固定を助けることができるように支持体のフックと反対側の表面に感圧接着剤の層をコーティングし、それによって支持体を基材に接着させることができる。
【0041】
また、異なるタイプのファスニング要素と異なる高さのファスニング要素の両方を第1の部位と他の部位に使用することも可能である。
【0042】
更に、フックタイプのファスニング要素のヘッド又はキャップを異なる形状にすると、異なる係合能力特性を達成することができる。例えば、かなり長円形又は楕円形のヘッドでは、円形のヘッドと比較して、多くの布帛に対して、より高い係合能力を達成することができる。
【0043】
別の可能性は、ファスニング要素の密度を変えることである。例えば、少なくとも1つの他の部位の方が単位面積当たりのファスニング要素の密度が低いと、第1の部位のより高密度に充填されたファスニング要素よりも係合能力が低くなる。
【0044】
別の選択肢は、少なくとも1つの他の部位に、第1の部位のファスニング要素よりも小さいステム直径、即ち、小さい断面積を有するファスニング要素を使用することである。これによって少なくとも1つの他の部位のファスニング要素は第1の部位のものより可撓性が高くなり、それによって係合能力が変わり得る。
【0045】
ファスニング要素の係合能力を第1の部位と少なくとも1つの他の部位における特定の要件に適合させるため、これらの措置の幾つか又は全部を組み合わせることも可能である。
【0046】
また、異なる係合能力を有する3つ以上の部位を提供することも本発明の範囲に入る。例えば、少なくとも1つの他の部位が第2の部位と第3の部位からなってもよく、吸収性物品の第3の部位にはファスニング要素が全くなくてもよい。このような第3の部位は、例えば、物品の一部に又は最外縁部に沿って、図5に示されるように特に横(即ち、吸収性物品2の湾曲した最外縁部)に提供されてもよい。
【0047】
或いは、図1〜図4の実施形態では、ストリップ形の少なくとも1つの他の部位10が単一の部位であってもよい。また、物品の長円形の形状の上および下の湾曲した領域に、即ち、例えば図7および図8と関連して示される横縁部15に、2つの他の部位を提供することも有利な場合がある。
【0048】
更に、本体の少なくとも1つの他の部位10および/又は第1の部位12、並びに、フラップ14の少なくとも1つの他の部位18および/又は第1の部位20に、接着剤を少なくとも部分的に提供してもよい。接着剤は様々な粘着性のパターンの形態で塗付されてもよい。これもまた、吸収性物品を下着に適切に位置決めすることを助ける。
【0049】
概ね、少なくとも1つの他の部位10の係合能力は、第1の部位12のファスニング要素の係合能力より少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、より好ましくは少なくとも50%低くなければならない。特に、ファスニング要素の剥離強度は、下着から繰り返し取り外されるとき、下着の損傷の主な原因となることが分かった。従って、第1の部位12のファスニング要素の剥離強度は、少なくとも1つの他の部位10の剥離強度の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍であることが好ましい。少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の剪断強度は、第1の部位のファスニング要素の剪断強度より低くても、概ね同じであっても、又は高くてもよい。少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の剪断強度が高い方が、吸収性物品2の位置決めと固定に有利になるが、それと同時に、下着から物品を取り外す時に下着の損傷は起こらない。
【0050】
図7〜図12に関連して、本発明による吸収性物品の製造プロセスの好ましい実施形態を概略的に示す。概ね、本発明の吸収性物品のメカニカルファスニング要素は、マイクロ複製プロセスによって製造される。このプロセスは、金型、例えば、穴あけされたベルト又はドラムを用いたメカニカルファスニング要素の連続的マイクロ複製を可能にする。図7に示されるように、このようなベルト上で複数の吸収性物品2を製造することができ、吸収性物品は、概ね、その縦軸が図7に矢印で示される機械方向に配置される。図7では、吸収性物品の1つだけを詳細に示しており、第1の部位12の方が係合能力は高く、2つの他の部位10の方が係合能力は低い。係合能力の低い部位は、概ね、吸収性物品2の横縁部15に沿って提供される。図8に、これをより詳細に示す。
【0051】
また、図8で分かるように、マイクロ複製プロセスで複数の直立したステムが製造され、第1の部位12のステムの方が他の部位10のステムより高い。別の工程で、少なくとも第1の部位12の高いステムにカレンダーロールアセンブリでキャップが形成される。このアセンブリでは、ステムウェブとカレンダーロールの間の間隙は、第1の部位12の高いステムだけがロールと接触し、他の部位10の低いステムはキャップが形成されないままであるようになっている。このようにして、第1の部位12に、他の部位12のファスニング要素より係合能力の高いファスニング要素を作り出すことができる。
【0052】
或いは、第1の部位12のステムだけにキャップが形成されるように、同じ高さの直立したステムのウェブを形成し、偏心した又は彫刻されたキャップ形成ロールでキャップ形成プロセスを実施することも実行可能である。
【0053】
キャップ形成プロセスを図9に概略的に示す。この図では、カレンダーロールで、より高い直立したステムにキャップを形成することによって第1の部位12にマッシュルームタイプのファスニング要素を作り出し、一方、他の部位10のより小さいステムにはキャップを形成しないようにする方法が分かる。
【0054】
図10では、中心領域8に係合能力のより高いファスニング要素を有する第1の部位と、第1の部位よりも係合能力の低いファスニング要素を有する2つの他の部位10、13とを備える本発明による吸収性物品が示されている。この実施形態では、第3の部位13の係合能力は、ここでも、第2の部位10の係合能力より低い。
【0055】
図11および図12にキャップ形成プロセスが示されており、吸収性物品の中心領域8の方に向かって高さが増すステムが提供され、破線は、キャップが形成されるステムと、キャップが形成されないステム部位との境界線を示す。
【実施例】
【0056】
より低い係合能力とより高い係合能力を物品の適切な部位に有する吸収性物品の有利な効果を実証するため、幾つかの試験を実施した。
【0057】
試験
90°剥離試験
ASTM D5170−91に準拠して、5000gの転圧重量を使用して90°剥離強度を測定した。前記試験方法に記載されているように1回だけフックを布帛から取り外す代わりに、これを試験前に2回行った。試験されたフック領域は25.4mm×15mmであり、25.4mmを剥離先端部として使用した。幾つかの試験布帛についての最大剥離力(N/25.4mmの単位)を下記の表1に報告する。
【0058】
サンプル調製
フックと布帛材料を幅1インチ(25.4mm)に切断した。布帛上にフックストリップを置き、平坦な鋼板で2秒間押圧した。鋼板を慎重に取り外し、試験片を5kgのローラーで5サイクル転圧した。この最初の閉鎖を手で開放し、再び前述と同じ手順を使用して再度止着し、開放した。5kgの転圧重量を5サイクル使用して3回目にフックを布帛に止着した後、1インチ(25.4mm)離れている引張試験機のクランプの中に試験片を位置決めした。試験速度を300mm/分に設定し、50mmのクランプの移動距離に沿ってピーク力を記録した。
【0059】
動的剪断強度
ASTM D5169−91に準拠して、5000gの転圧重量を使用して動的剪断強度を測定した。前記試験方法に記載されているように1回だけフックパッチを布帛から取り外す代わりに、これを試験前に2回行った。試験領域は25.4mm×40mmであった。幾つかの試験布帛について最大剪断力を表2にN/25.4mmの単位で報告する。
【0060】
サンプル調製
フックと布帛材料を幅1インチ(25.4mm)、長さ約4インチに切断した。40mmの重なりを有するように、布帛の上にフックストリップを整列させて置いた。試験片を平坦な鋼板で2秒間押圧した。鋼板を慎重に取り外し、試験片を5kgのローラーで5サイクル転圧した。この最初の閉鎖を手で剥離モードで開放し、前述と同じ手順を使用して再度止着し、開放した。5kgの転圧重量を5サイクル使用して3回目にフックを布帛に止着した後、75mm離れている引張試験機のクランプの中に試験片を位置決めした。試験速度を300mm/分に設定し、ピーク力を記録した。
【0061】
動摩擦
DIN53375に準拠してポリプロピレンスパンボンド不織布で第1の部位と他の部位の動摩擦を試験した。
【0062】
サンプル調製
両面塗工接着テープを使用することによりサンプル台に布帛(サイズ約50mm×200mm)を接着させた。雄部材を25.4×25.4mmの片に切断した。両面塗工テープを用いて、200gの重量を有するスライドの幾何学的中心に25.4×25.4mmの一片を接着させた。雄部材が布帛と接触するように、雄フックパッチを有する200gのスライドを布帛上に位置決めした。スライドを移動させる水平糸を、90°ターンの後ろに引張試験機のクランプの中に位置決めする。試験速度は100mm/分であり、動摩擦を記録した。
【0063】
試験布帛
本発明に従って使用されるファスニング要素の90°剥離強度、動的剪断強度、および摩擦を試験するため、下着材料の典型例として次の試験布帛を使用した:
1.ドイツ、バートミュンスターアイフェル、テステックス・プリューフテクスティーリエン(Testex Prueftextilien,Bad Muenstereifel,Germany)によって供給される、M.0361の名称を有する、ナイロン6.6(ECE)S/361標準試験布帛
2.ドイツ、バートミュンスターアイフェル、テステックス・プリューフテクスティーリエン(Testex Prueftextilien,Bad Muenstereifel,Germany)によって供給される、M.0777の名称を有する、ポリエステル布帛(ECE)S/777標準試験布帛
3.ドイツ、バートミュンスターアイフェル、テステックス・プリューフテクスティーリエン(Testex Prueftextilien,Bad Muenstereifel,Germany)によって供給される、M.0460、ロット540の名称を有する、木綿標準試験布帛
4.問屋で購入した、典型的な木綿下着
5.問屋で購入した、ポリアミド96%とエラスタン4%から製造された典型的な下着
6.40g/m2の重量を有する摩擦試験用のポリプロピレンスパンボンド。
【0064】
試験した雄フックパッチ
1.3Mマイクロ複製フックCS−600(3M Microreplicated Hook CS−600)の商品名で米国ミネソタ州セントポール、3M社(3M Company,St.Paul,Minnesota,USA)から市販されているマッシュルームタイプのフックウェブ。フックキャップ(ヘッド)の幾何学的形態は、横方向の直径が大きい楕円形であり、横方向はフック自体が製造される方向に垂直な方向を意味する。フックの密度は、フック248個/cm2である。このタイプのフックウェブは、米国特許第6,000,106号明細書に、特にその図9に関連して、および、米国特許第6,132,660号明細書、特にその図6Bに、より詳細に記載されている。
2.ステムを有する、即ち、その表面から実質的に垂直に延びるヘッド又はキャップがないウェブ。この材料は、前記品目1に記載されているCS−600材料の前駆体ウェブである。
【0065】
【表1】

【0066】
表1から、CS−600フック材料の剥離強度は、使用される試験布帛に関係なく、ステムだけのものよりかなり高いことが分かる。これは、ステムが吸収性物品の限界部位、例えば、縁部位に使用された場合、ファスナは実質的に全く繊維を引裂しないため、下着の布帛は損傷を受けないことを意味する。これは、図6aと6bを比較すると分かる。図6aでは、試験布帛はM.0361であり、フック材料はCS−600フック材料であった。フック材料と試験布帛を数回、係合・係脱させた。これによって、図6aで分かるように、布帛はかなり損傷する。対照的に、図6bでは、同じ試験布帛を、CS−600の前駆体材料と一緒に、即ち、ステムだけと一緒に使用したが、数回係合・係脱した後、試験布帛は繊維が引裂されることなく本質的に完全なままである。それにもかかわらず、係合能力のより低いファスニング要素、例えば、これらの実施例で試験されるステムは、追加の剪断強度を提供し、従って、吸収性物品を下着に確実に固定することに寄与する。
【0067】
【表2】

【0068】
表2から分かるように、ステムは係合能力のより低いファスニング要素であり、係合能力のより高い第2の部位に使用されるCS−600ファスニング材料と比較して、より低い剪断抵抗を提供する。これは、実質的に試験布帛では耐剥離性を提供しないが、吸収性物品を下着に取り付けることを助ける少なくとも幾らかの剪断抵抗を提供することを意味する。
【0069】
更に、係合能力のより低いファスニング要素を有する部位は、また、ファスニング要素が全くない部位と比較して、その摩擦が大きいため吸収性物品を下着に保持することも助ける。これは、試験布帛M.0460とポリプロピレンスパンボンドでCS−600材料の前駆体ウェブ、即ち、ステムだけについての動摩擦を示す表3から分かる。比較のために同じ試験布帛で、ステムのない同じフィルム(ここでは同じフィルムの背面を使用した)の動摩擦を試験した。
【0070】
【表3】

【0071】
表3から分かるように、ステム側は、フィルムの背面、即ち、ファスニング要素のないフィルムよりも動摩擦力がずっと大きい。このようにして、係合能力のより低いファスニング要素は依然として吸収性物品の下着への固定に寄与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体透過性身体側シート、前記身体側シートの反対側にある液体不透過性衣類側シート、および前記身体側シートと前記衣類側シートの間にある液体吸収性コアを有する主部を備え、身体滲出物を吸収するように下着に位置決めする吸収性物品であって、前記物品の形状を画定する外縁部と中心領域とを有する物品であり、前記液体不透過性衣類側シートは、係合能力の異なるメカニカルファスニング要素を有する少なくとも2つの部位を備え、係合能力のより高い第1の部位が前記物品の中心領域に配置され、係合能力のより低い少なくとも1つの他の部位が前記中心領域と前記外縁部の間に配置されている物品。
【請求項2】
前記第1の部位のファスニング要素が、前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素より大きい平均高さを有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素と前記第1の部位のファスニング要素との高さの差が、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%である、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素と前記第1の部位のファスニング要素との高さの差が、少なくとも50μm、好ましくは少なくとも80μmである、請求項2又は3に記載の物品。
【請求項5】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の高さが、30〜400μmの範囲、好ましくは75〜300μm、より好ましくは150〜250μmの範囲であり、前記第1の部位のファスニング要素の高さが、50〜500μmの範囲、好ましくは100〜350μm、より好ましくは200〜300μmの範囲である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記第1の部位のファスニング要素が、前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素とは異なるタイプのものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素がヘッドのないステムであり、前記第1の部位のファスニング要素がフックタイプのファスニング要素である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の単位面積当たりの密度が、前記第1の部位のファスニング要素の単位面積当たりの密度より低い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素のステムが、前記第1の部位のファスニング要素のステムより小さい断面積を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記液体不透過性衣類側シートが、前記中心領域と前記外縁部の間に、係合能力の異なる複数の部位を備え、前記係合能力は前記物品の中心領域から縁部の方に向かって減少する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記第1の部位および/又は前記少なくとも1つの他の部位に、接着剤が少なくとも部分的に提供される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品。
【請求項12】
前記接着剤が、様々な粘着性のパターンで提供される、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記物品の外縁部の少なくとも一部に隣接するところに第3の部位が提供され、前記第3の部位にはファスニング要素がない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記物品が細長い形状を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記物品が、略長円形、楕円形、三角形又は鍵穴の形状を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記本体が、反対側にある2つの縦縁部のそれぞれに、下着の反対側に折り返されるように構成されているフラップを有し、前記フラップのそれぞれが、前記フラップの中心領域に配置される係合能力のより高いファスニング要素を有する第1の部位、および、前記フラップの中心領域と縁部の間に配置される係合能力のより低いファスニング要素を有する少なくとも1つの他の部位を備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記少なくとも1つの他の部位が、概ね前記本体の少なくとも1つの他の部位と同じ係合能力を有し、前記フラップの第1の部位が前記本体の第1の部位と同じタイプのファスニング要素を備える、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の係合能力が、前記第1の部位のファスニング要素の係合能力より少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、より好ましくは少なくとも50%低い、請求項1〜17のいずれか一項に記載の物品。
【請求項19】
前記第1の部位のファスニング要素の剥離強度が、前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の剥離強度の少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記第1の部位が、前記物品の衣類側の全面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%を占める、請求項1〜19のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
身体滲出物を吸収するために下着に位置決めする吸収性物品の製造方法であって、
a)液体透過性身体側シート、前記身体側シートの反対側にある液体不透過性衣類側シート、および前記身体側シートと前記衣類側シートの間にある液体吸収性コアを有する主部を提供する工程と、
b)前記液体不透過性衣類側シート上に、係合能力の異なるメカニカルファスニング要素を有する少なくとも2つの部位を提供し、係合能力のより高い第1の部位が前記物品の中心領域に配置され、係合能力のより低い少なくとも1つの他の部位が前記物品の中心領域と外縁部の間に配置される工程と、
を含む方法。
【請求項22】
前記メカニカルファスニング要素が、マイクロ複製プロセスによって提供される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記メカニカルファスニング要素のマイクロ複製されたステムが、マスターベルト、マスタードラム、又はマスタースクリーンから提供される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記マスターベルト、ドラム、又はスクリーンが、レジストリの高さ、直径、形状、密度の異なるネガ像として形成され、ウェブ上に対応するステムを形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記メカニカルファスニング要素が、まず基材ウェブ上に複数のステムを形成した後、マッシュルームタイプのメカニカルファスニング要素を形成するように前記第1の部位のステムにキャップを形成することによって提供される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の部位のステムに、前記少なくとも1つの他の部位のステムより大きい高さが提供される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
概ね前記物品の縁部に配置される前記少なくとも1つの他の部位のファスニング要素の少なくとも幾つかは、キャップが形成されないままである、請求項25又は26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図7】
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【図8】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2012−183379(P2012−183379A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−135099(P2012−135099)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2008−501968(P2008−501968)の分割
【原出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】