説明

吸収性物品

【課題】体液の安定した吸収性と、フィット性やドライタッチ性の向上した快適な装着感とを両立した吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品の1例である生理用ナプキン1は、液透過性の表面シート2と、透湿性の裏面シート3と、これらシート2,3の間に気泡7の分布する発泡材からなる吸収体4とを備えている。吸収体4は、その肌対向面側から非肌対向面側に延びる有底の細長い穴8を複数有している。気泡7は、吸収体4を平面視して、吸収体4における複数の細長い穴8に位置し、穴8の底81の部分43に分布する底部気泡73を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品(女性用吸収性物品)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、体液の安定した吸収性と、フィット性やドライタッチ性の向上した快適な装着感とを両立した吸収性物品について種々の改良がなされてきた。
例えば、特許文献1には、高い液体処理機能を備えると共に、着用者の体にフィットする高いボディーフィット性を兼ね備えた生理用品に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−529721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の生理用品は、吸収体にフォーム材を用い、フォーム材に貫通する開孔を施して、剛性の異なる複数の領域を有しており、3次元的なフィット性の改善が図られている。
しかし、特許文献1には、体液の安定した吸収性及びドライタッチ性の改良については何ら記載されていない。また、特許文献1には、特許文献1に記載の生理用品の有する裏面シートの性質についても何ら記載されていない。
【0005】
従って、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液透過性の表面シートと、透湿性の裏面シートと、これらシートの間に気泡の分布する発泡材からなる吸収体とを備えた縦長の吸収性物品であって、前記吸収体は、該吸収体の肌対向面側から該吸収体の非肌対向面側に延びる有底の細長い穴を複数有しており、前記気泡は、前記吸収体を平面視して、該吸収体における複数の前記細長い穴に位置し該穴の底の部分に分布する底部気泡を有している吸収性物品を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品によれば、体液の安定した吸収性と、フィット性やドライタッチ性の向上した快適な装着感とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態である生理用ナプキンを表面シート側から見た一部破断斜視図である。
【図2】図2は、図1のX1−X1線断面図である。
【図3】図3は、図2に示す吸収体の一部拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態である生理用ナプキンの断面図(図2相当図)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の吸収性物品の実施形態である生理用ナプキン1(以下、「ナプキン1」ともいう)は、図1〜図2に示すように、液透過性の表面シート2と、透湿性の裏面シート3と、これらシート2,3の間に気泡7の分布する発泡材からなる吸収体4とを備えた縦長の吸収性本体5を有する。
ナプキン1は、図1に示すように、ナプキン1の縦方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。
本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性本体5などの各部材の表裏両面のうち、装着時に装着者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、吸収性本体5などの各部材の表裏両面のうち、装着時に装着者の肌側とは反対側に向けられる面である。
【0010】
吸収性本体5は、図1中のY方向に長い形状を有している。ナプキン1には、図2に示すように、裏面シート3の非肌対向面に、吸収性本体5を、ショーツ等の下着のクロッチ部(不図示)の肌対向面(装着者の肌側に向けられる面)に固定するための粘着部(不図示)が配されている。ここで、図中のY方向とは、ナプキン1又は吸収性本体5の縦方向と同方向であり、中心線CLに平行な方向である。また、図中のX方向とは、ナプキン(不図示)1又は吸収性本体5の幅方向と同方向であり、中心線CLに垂直な方向である。また、図中のZ方向とは、ナプキン(不図示)1又は吸収性本体5の厚み方向である。
【0011】
吸収性本体5は、図1に示すように、装着者の液排出部(膣口等)に対向配置される領域である排泄部領域A、ナプキン1の装着時に排泄部領域Aより装着者の腹側に配される前方領域B、及びナプキン1の装着時に排泄部領域Aよりも装着者の背中側に配される後方領域Cを有している。ここで、「排泄部領域A」とは、装着者の排泄部(膣口)に当接する領域をいい、ナプキン1のように、所謂ウイング部を有していない場合には、生理用ナプキンが個装形態に折り畳まれた際に生じるY方向に直交する2つの折り線FL,FL(図1参照)で囲まれた領域を意味し、生理用ナプキンの製品長が長く3つの折線が生じる場合には、Y方向の前端から数えて第1折り線と第2折り線とに囲まれた領域、又はY方向の前端から数えて第1折り線と第3折り線とに囲まれた領域を意味する。尚、所謂ウイング部を有している場合には、「排泄部領域A」とは、ウイング部の位置する領域を意味する。ここで言うウイング部は、装着者のショーツの股下部で折り返して固定する部位を言う。ウイング部の非肌当接面側にはショーツの固定する為の周知のズレ止め材が塗布される。
【0012】
吸収性本体5は、図1,図2に示すように、表面シート2、裏面シート3及びこれら両シート2,3間に配された吸収体4を具備する。表面シート2及び裏面シート3は、何れも、図1に示すように、吸収性本体5の縦方向(Y方向)に長い縦長の形状を有しており、吸収性本体5の排泄部領域A、前方領域B及び後方領域Cそれぞれにおいて、吸収性本体5の輪郭と一致する輪郭を有している。このように、表面シート2及び裏面シート3は、ナプキン1においては、表面シート2と裏面シート3とが同形同大に形成されている。
【0013】
ナプキン1においては、図1,図2に示すように、表面シート2と裏面シート3とが、吸収体4の肌対向面及び非肌対向面を被覆しており、吸収体4の外周縁から延出する延出部分が熱エンボス加工によって接合されて、周縁部に周縁シール部6を形成している。
尚、ナプキン1においては、周縁シール部6が熱エンボス加工により形成されているが、超音波シールにより形成されていてもよく、ホットメルト等の接着剤等により形成されていてもよい。
【0014】
表面シート2としては、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布等を用いることができ、具体的には、排泄された体液を速やかに吸収して吸収体4に伝達する観点及び肌触りの良さの観点から親水性のサーマルボンド不織布が好ましく、エアースルー不織布が特に好ましい。表面シート2を構成する繊維としては、親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であって且つ2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮を施された繊維を用いることが好ましい。
【0015】
裏面シート3としては、透湿性フィルム単独、又は透湿性フィルムと不織布との積層体、撥水性不織布等を用いることができるが、前記〔発明の効果〕に記載したドライタッチ感を本質的に高めるには、生理用ナプキン等の吸収性物品と身体との間にこもる湿度(いわゆる着装内湿度)を速やかに取り除くことが効果的であり、かかる目的に即すると、湿度排出の最大のボトルネックとなる裏面シート(防漏材)に通気性を付与することが最も効果的である。
即ち、従来裏面シート(防漏材)に用いられているフィルムを、透湿性フィルム、透湿性フィルム/不織布複合体に置き換えることが効果的であり、更に通気性を有する撥水性不織布に置き換えることが最も効果的である。
ここで「透湿性」とは、JIS Z0208やASTM E398に開示された概念の如く、気流移動を伴わず、熱力学の第二法則に従って、高湿度側から低湿度側に水蒸気拡散する性質であり、極微小の開孔を有する多孔フィルムや、水と相溶性の高い無孔フィルムで発現する性質である。一方「通気性」とは、文字通り通気する性質であり、典型的には各種布地の様に気流が通る性質である。通気にはマクロスケールの多孔構造が必須となるが、例えば透湿要件となる微小開孔との孔径のスケール境界は明確ではなく、その意味では「通気」概念は「透湿」概念に包含され、動力学的にスムーズに気流移動可能な極端な(あるいは特殊な)概念であると看做すこともできる。
【0016】
吸収性物品に於いて通気を達成することは、圧倒的にすばやく着装内湿度を外部に放出し「ムレない」製品を実現できる点において理想的であるが、通気可能なほど透過性が高い裏面シート(防漏材)は、吸収体が保持した体液を下着側に染み出させる危険性が高い為、これまで採用することができなかった。
本願に於いては、下面側へ液が染み出す危険性が圧倒的に小さい吸収体4を具現化することによって、上述の様な通気性に富んだ不織布や、透湿フィルムの中でも際立って透湿性の高いフィルムを、裏面シート(防漏材)に選択的に使用することが可能となる。例えば、下着に固定するための粘着部とのマッチングやコスト面の観点から、裏面シート(防漏材)に透湿性フィルムを単独で用いることが好ましいが、その中でも透湿性の高い条件のフィルムを採用することがムレ防止観点から好ましい。透湿性フィルム単独のフィルム材としては、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔を開けたフィルムや、または、本質的に水分への相溶性が高く、浸透膜のように、水蒸気排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。前述の如く、湿度排出の性能を十分に発現する観点では、透湿度は、2.0g/100cm2・hr以上であることが好ましく、3.0g/100cm2・hr以上であることが更に好ましい。この様に高い透湿性を発現する素材は下着側へ体液の染み出しを招く危険があるため従来は採用できず、従来、透湿度2.0g/100cm2・hr近傍が事実上の上限値となっていた。
下記段落〔0034〕以降に詳述する如く、本願の吸収性物品の備える吸収体4に於いては、本質的に吸収体4自体の液保持性が高く、圧力や動作変形が加わっても(表面シート2側のみならず)裏面シート3(防漏材)側へ体液がウエットバックする危険性が極めて少ない。
また下記段落〔0034〕以降に詳述する如く、細長い穴8が通気チャネルとして機能する結果、吸収体4が液を吸った状態でも高い通気性を確保することができる。
この結果、ホットメルト接着剤を介して吸収体4に接合される裏面シート3として、吸収体4の通気性をスポイルしない、高い通気性を有する素材を組み合わせることが、製品(吸収性物品)全体の通気性を高め、着装内湿度を効果的に下げる観点で最も有利である。
【0017】
裏面シート3(防漏材)に用いられるシートには、前述の高い透湿レベルの透湿フィルムとは別に、透湿レベルを更に高め、通気性を発現する為の好ましい素材として、撥水性不織布が挙げられる。透湿フィルムにおける微細開孔が、水蒸気透過性で水非透過性を達成する為直径0.6μm以下であるのに対し、これら撥水性不織布における開孔(繊維間距離)は1〜200μmに達する。これら微細孔の開孔特徴は電子顕微鏡観察によって目視可能である。
好ましい撥水不織布としては、メルトブローン不織布(M)、スパンボンド不織布(S)、これらの複合不織布、並びにヒートロール加工によって繊維間を押しつぶした各種サーマルボンド不織布などが挙げられるが、中でも下着に固定するための粘着部とのマッチングやコスト面の観点から、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド複合不織布(SMS)、SMMSが好ましく用いられる。好ましい撥水性を得る為の繊維組成は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン及びこれらの複合組成からなる、疎水性で熱可塑性樹脂繊維を、親水加工せずに用いるか、更に各種撥水加工を行って用いる。
撥水性と裏面シート3としての柔らかさ両立の観点から、好ましい不織布坪量は、18〜100g/m2、更に好ましくは22〜75g/m2、撥水レベルを高める為にメルトブローン層導入する場合の好ましい坪量は6〜70g/m2、更に好ましくは14〜50g/m2である。
【0018】
吸収体4は、図2に示すように、気泡7の分布する発泡材からなる。ここで言う気泡とは、発泡材を形成する際に、原料の樹脂にガスを細かく分散させて、発泡させてできた多孔質体に形成される気体が入る空間を言う。気泡7の分布する発泡材としては、ナプキン1においては、親水性のオープンセル構造のフォーム材を用いている。オープンセル構造のフォーム材は、複数のセル(気泡7)どうしが連通しているため、乾いた状態においては、吸収体4の肌対向面側から非肌対向面側に抜ける通気性を有している。吸収体4は、図2,図3に示すように、吸収体4の肌対向面側の上層吸収領域41及び吸収体4の非肌対向面側の下層吸収領域42を有しており、ナプキン1においては、上層吸収領域41及び下層吸収領域42の2層からなっている。このように、ナプキン1の吸収体4は、上層吸収領域41及び下層吸収領域42の2層から形成されているが、単層から形成されていてもよく、2層よりも多い多層に形成されていてもよい。
【0019】
吸収体4は、図1,図2に示すように、吸収体4の肌対向面側から吸収体4の非肌対向面側に延びる有底の細長い穴8を複数有している。ここで、有底の細長い穴8とは、吸収体4を厚み方向(Z方向)に貫通する貫通口ではなく、吸収体4の内部に底のある穴を意味する。複数の細長い穴8は、少なくとも、排泄部領域Aに配されていることが好ましいが、前方領域Bから後方領域Cに亘る全域に配されていてもよい。ナプキン1においては、複数の細長い穴8は、図1に示すように、排泄部領域Aに略均等な間隔を空けて配されている。
【0020】
ナプキン1の細長い穴8は、厚み方向(Z方向)においては、図2,図3に示すように、上層吸収領域41から下層吸収領域42に向かって延びている。複数の細長い穴8それぞれは、その底81が下層吸収領域42に及んでいる。詳述すると、複数の細長い穴8それぞれは、図2,図3に示すように、上層吸収領域41の肌対向面側から下層吸収領域42の非肌対向面側に向かって厚み方向(Z方向)に延びて形成されており、細長い穴8それぞれの底81が下層吸収領域42の肌対向面側を越える位置に配されている。このように、ナプキン1の細長い穴8の底81は、下層吸収領域42に至っているが、下層吸収領域42に至っておらず、上層吸収領域41の内に配されていてもよい。尚、ナプキン1の細長い穴8は、吸収体4を平面視して円形状であり、その底81の形状は、図3に示すように、フラットに形成されている。ナプキン1の細長い穴8の平面視した際の形状は、それぞれ、円形状であるが、その形状に特に限定されるものではなく、例えば、股間部へのフィット性を高めるように(変形しやすい)縦長形状であってもよい。
【0021】
気泡7は、吸収体4を平面視して、吸収体4における複数の細長い穴8に位置し穴8の底81の部分43それぞれに分布する底部気泡73を有している(図2,図3参照)。ナプキン1の底部気泡73は、図3に示すように、扁平している。詳述すると、ナプキン1の扁平した底部気泡73は、図2,図3に示すように、吸収体4を平面視して、下層吸収領域42における複数の細長い穴8それぞれに位置し、且つ複数の穴8それぞれの底81よりも厚み方向(Z方向)下方に位置する底の部分43それぞれ全体に分布している。このように、ナプキン1は、底の部分43においても底部気泡73を有しており、底の部分43においても複数の底部気泡73どうしが連通するオープンセル構造を形成している。従って、ナプキン1は、底の部分43においても通気性を有している。尚、ナプキン1の底部気泡73は、図3に示すように、底の部分43全体に分布しているが、底の部分43の一部に分布していてもよい。例えば、細長い穴8の底81の形状が、ナプキン1のように、フラットでなく、底81の中心が下に凸のすり鉢状である場合、すり鉢状の頂部に位置する部分には、底部気泡73がなくフィルム化しており、該頂部以外の部分に底部気泡73が分布するような形態であってもよい。
【0022】
気泡7は、ナプキン1においては、更に、上層吸収領域41に分布する上層領域気泡71と、吸収体4を平面視して、下層吸収領域42における複数の細長い穴8以外の部分に分布する下層領域気泡72とを有している(図2,図3参照)。詳述すると、ナプキン1の上層領域気泡71は、図2,図3に示すように、上層吸収領域41における複数の細長い穴8以外の領域に分布している。また、ナプキン1の下層領域気泡72は、図2,図3に示すように、下層吸収領域42における複数の底の部分43以外の部分に分布している。ナプキン1の上層領域気泡71及び下層領域気泡72は、図3に示すように、略球形状である。このように、ナプキン1の上層領域気泡71の形状及び下層領域気泡72の形状は、それぞれ、略球形状であるが、その形状に特に限定されるものではなく、例えば、図3に示す底部気泡73の形状のように、吸収体4を平面視したとき横長の扁平な丸型形状であってもよい。但し、圧力が掛かったとき潰れにくい観点から、最も好ましいのは球形もしくは球に近い多面体形状である。また、ナプキン1の底部気泡73の形状も、その形状が特に限定されるものではないが、穴8の底部81から直接下側に液が抜けないように抵抗になる観点から、相対的に最も緻密な構造であり、上述した扁平した形状であることが好ましい。
【0023】
ナプキン1においては、図3に示すように、底部気泡73の直径d3及び下層領域気泡72の直径d2は、それぞれ、上層領域気泡71の直径d1よりも小さく、底部気泡73の直径d3は、下層領域気泡72の直径d2よりも更に小さい。尚、上層領域気泡71の直径d1は、ナプキン1においては、図3に示すように、細長い穴8の開孔径d4よりも小さい。ナプキン1の底部気泡73は、上述したように、扁平した形状であるため、そのような形状の場合は、短軸径の長さを直径とする。上層領域気泡71の直径d1、下層領域気泡72の直径d2、底部気泡73の直径d3及び細長い穴8の開孔径d4それぞれは、以下の測定方法により測定する。
【0024】
<気泡7の直径及び細長い穴8の開孔径の測定方法>
1.電子顕微鏡又はマイクロスコープ等の原寸表示可能で好ましくは印刷可能な拡大観察システムを用意する。計測は、例えば、底部気泡73の直径d3が十分目視可能な倍率(通常100〜500倍で適宜選択して行う。
2.測定サンプルを、厚み方向(Z方向)に圧縮しないように、カミソリ等を用いて試料台に乗る大きさにカットし、モニターに拡大表示する。
3.画面上で、気泡7を20個任意に選択し、気泡7の直径(扁平形状の場合には短軸径と長軸径の平均値*)を測定して、その平均値を求めて代表値とする。
尚、細長い穴8の開孔径も、気泡7の直径の測定方法に準じて測定する。
【0025】
ナプキン1の細長い穴8の開孔径d4は、500μm以上であることが好ましく、0.8〜7.0mmであることが更に好ましく、1.0〜3.0mmであることが特に好ましい。
ナプキン1の上層領域気泡71の直径d1(代表値)は、400μm以下であることが好ましく、200μm以下であることが更に好ましく、50〜150μmであることが特に好ましい。
ナプキン1の下層領域気泡72の直径d2(代表値)は、50μm以下であることが好ましく、35μm以下であることが更に好ましく、10〜30μmであることが特に好ましい。
ナプキン1の底部気泡73の直径d3(代表値)は、10μm以下であることが好ましく、4μm以下であることが更に好ましく、0.2〜2μmであることが特に好ましい。
【0026】
細長い穴8の深さ、すなわち開孔面から底部81までの距離をL3とし、上層領域の厚みをL1、下層領域の厚みをL2とすると、以下の関係にあることが好ましい。
(L3)>(L1)
(L3)<(L1)+(L2)
【0027】
ナプキン1の細長い穴8は、吸収体4の単位面積当たり2〜10個/cm2分布していることが好ましく、3〜8個/cm2分布していることが更に好ましい。
ナプキン1の吸収体4の厚みは、0g/cm2荷重(無荷重)下において、10mm以下であることが好ましく、柔らかくフィット性が高い観点から、2〜7mmであることが更に好ましい。
上層領域気泡71が分布する上層吸収領域41の厚みは、0g/cm2荷重(無荷重)下において、1.3〜7mmであることが好ましく、2〜4mmであることが更に好ましい。上層吸収領域41の厚みは、上層吸収領域41に分布する上層領域気泡71の中で最も厚み方向(Z方向)の下方に位置する上層領域気泡71と吸収体4の肌対向面との間隔であり、上層領域気泡71の直径d1を測定する装置を用いて測定する。
吸収体4の厚みに対する上層吸収領域41の厚みの比率は、該上層吸収領域41が一時的に体液を収容するに足る十分な吸収空間を有する観点から、0.4〜0.75であることが好ましく、0.45〜0.7であることが更に好ましい。
【0028】
下層領域気泡72が分布する下層吸収領域42の厚みは、0g/cm2荷重下(無荷重)において、0.7〜3mmであることが好ましく、1.0〜2.5mmであることが更に好ましい。下層吸収領域42の厚みは、下層吸収領域42に分布する下層領域気泡72の中で最も厚み方向(Z方向)の上方に位置する下層領域気泡72と吸収体4の非肌対向面との間隔であり、下層領域気泡72の直径d2を測定する装置を用いて測定する。
吸収体4の厚みに対する下層吸収領域42の厚みの比率は、できるだけ下層側に、高い毛管力でしっかり液保持する観点から、0.25〜0.5であることが好ましく、0.3〜0.45であることが更に好ましい。
【0029】
底部気泡73が分布する細長い穴8の底の部分43の厚みは、0g/cm2荷重(無荷重)下において、0.2〜2mmであることが好ましく、0.4〜1.5mmであることが更に好ましい。底の部分43の厚みは、底部気泡73の直径d3を測定する装置を用いて測定する。
ここで、細長い穴8が上層吸収領域41を貫通し、下層吸収領域42に食い込んでいることが、後述する段落〔0034〕以降に詳述するように、穴に浸透した液が、毛管力の高い下層吸収領域42側壁に接触しやすい観点で好ましい。このため底の部分43の厚みと、上層吸収領域41の厚みと、下層吸収領域42の厚みとの関係は、上述した段落〔0026〕に示す関係を満たすことが好ましい。
【0030】
ナプキン1の吸収体4の好ましい製造方法について、説明する。
上層領域気泡71が分布するフォーム材と下領域気泡72が分布するフォーム材とを貼り合わせたフォーム材を用意する。前記両フォーム材同士は、単純に重ね合わせただけでもよいが、ホットメルト接着剤をスパイラル状に塗工して貼り合わせて一体化したり、ピンエンボス等を用いて点状や線状のパターンで熱融着させて一体化したりしてもよい。また、上層領域気泡71のフォーム材と下領域気泡72のフォーム材を用意する場合には、両フォーム材同士の間に吸収ポリマーを散布した後で、一体化してもよい。尚、上層領域気泡71と下領域気泡72とが当初から分布する一体成型されたフォーム材を用いてもよい。
【0031】
上述した貼り合わせたフォーム材を、周面に複数の穿孔ピンを有するピンロールと凹ロールとの間に導入し、複数の穿孔ピンを、上層領域気泡71が分布するフォーム材側から、貼り合わせたフォーム材の厚み方向に向けて押し込んで有底の細長い穴8を複数形成する。このように、ピンロールの周面には、複数の細長い穴8の位置に対応する位置に複数の穿孔ピンが配されている。各穿孔ピンは、ナプキン1の細長い穴8の形状に対応するように、先端がフラットな円柱形状である。また、凹ロールは、ピンロールと同期して回転するようになされており、その周面には、複数の穿孔ピンに対応する位置に所定形状の凹部が複数形成されている。
さらに具体的に説明すると、複数の穿孔ピンを予め加熱しておき、加熱された穿孔ピンを、貼り合わせたフォーム材に押し込み、凹ロールの凹部近傍まで嵌入させて一定時間保持する。加熱された穿孔ピンの熱により、フォーム材が溶けて細長い穴8が形成され、穿孔ピンの先端の部分においては、上層領域気泡71及び下領域気泡72が潰れて扁平な底部気泡73が形成される。
【0032】
穿孔ピンの加熱温度は、対象となるフォーム材の組成(熱成型特性)に合わせて適宜選択可能であるが、85〜240℃であることが好ましく、120〜200℃であることが更に好ましい。さらに、穿孔ピンを嵌入させた状態を保持する時間は、0.1〜60秒であることが好ましく、0.5〜3秒であることが更に好ましい。このような設定条件は、ナプキン1が使用される状況や体液・排泄物の種類等によって選択することもできる。
【0033】
本発明のナプキン1の吸収体4は、柔軟変形性があるため、体の表面にフィットし易く、拠れにくい。かかる観点からは、オープンセル構造のフォーム材が好ましい。また、個々の気泡(セルとも言う)が弾性のあるフォーム材で囲まれていることで、吸収体に動作変形が加わってもセルが変形し難くかつ破れにくい観点からクローズドセル構造が好ましい。特に、液戻りが少なく液移動し難い安定吸収性の観点から、親水性のオープンセル構造のフォーム材を用いることが特に好ましい。
フォーム材の材質は、特に限定されることなく、幅広く利用可能であり、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ブタジエンスチレンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム等の合成高分子からなる多孔体、セルロース等の多糖類からなる多孔体、珪藻土等の無機物質からなる多孔体等が挙げられる。また、多孔構造形成方法も、ウレタンフォームのように化学発泡によるフォーム形成の他、超臨界発泡、炭酸ガスや窒素等の気体吸込みによる物理発泡、抽出法による空隙間形成、孔内層エマルジョンフォーム等の重合工程でのフォーム形成など各種フォーム形成方法を用いることができる。また、親水性のフォーム材は、本質的に親水性の構造体か、或いは親水処理された構造体を用いることができる。具体的には、フォーム材の親水性は、セルロースや珪藻土のように、本質的に親水性の材料を選択する他、ウレタンにおいて、重合性モノマーの1つとして親水性ポリオール選択する等の方法で親水性のフォーム材が得られる。また、疎水性のフォーム材を表面シート同様に各種親水化剤で親水化処理する方法で親水性のフォーム材が得られる。
【0034】
上述した本発明の吸収性物品の実施形態である生理用ナプキン1(以下、「ナプキン1」ともいう)を使用した際の作用効果について説明する。
〔基本概念について〕
以下に詳述する、ナプキン1の備えるオープンセル構造のフォーム材(発泡材)からなる吸収体4が有する構造(物理)特徴、吸収特徴により、概ね以下の様な吸収特徴及び通気特徴を実現する。
I.低粘性液が少量ずつ排泄される場合:体液は上層吸収領域41の上層領域気泡71に収容され、ゆっくり下層吸収領域42の下層領域気泡72に移行して保持される。
II.高粘性液、又は多量排泄の場合:体液は一時的に細長い穴8に(すばやく)収容され、しかる後に穴8に隣接する上層吸収領域41の上層領域気泡71を経由して、あるいは直接に、下層吸収領域42の下層領域気泡72に収容される。
III.従って通常の状態に於いては、細長い穴8は空隙であり、(体液を吸った状態でも)通気チャネルとして機能できる。
IV.下層吸収領域42の下層領域気泡72及び底部領域気泡73は、加圧や動作変形に対して変形・ウェットバックしない強い構造であり、I.、II.のいかなる場合においても、裏面シート3が直接液で濡れることはない。
以上の複合効果により、ナプキン1は、吸液前の乾いた状態、多様な体液に濡れた状態のいずれにおいても、安定して通気可能であって、効果的に着装内湿度を外部放出可能であり、なおかつ体液の裏面シート3側への染み出しのないナプキンとなる。
【0035】
〔フォーム材(発泡材)からなる吸収体4のセル(気泡7)の特徴について〕
フォーム材(発泡材)は、柔軟で弾性回復性を有しながら、個々の気泡7が潰れにくいため、綿状パルプや紙、不織布等に比べ非常にウェットバックしにくい性質を有する。
また、セル(気泡7)への体液収容は、周辺のセル(気泡7)が概ね同じように体液に満たされて行くのではなく、ひとつのセル(気泡7)が完全に満たされた後に隣接するセル(気泡7)に液が満たされて行く点に特徴を有する。すなわち、体液で完全に満たされたセル(気泡7)と空のセル(気泡7)が隣接共存できる点に特徴を有する。
更に個別の気泡7を比較すると、以下の特徴を有する。
【0036】
上層吸収領域41の大きな上層領域気泡71:
・物理特徴:相対的には変形しやすく、圧縮や動作変形を受けて変形する主体となれる。
・吸収特徴:空隙が大きい為、体液の浸透が比較的早く、毛管力が小さい為、相対的に体液移動しやすい。
尚、好ましい上層領域気泡71径が上述の段落〔0025〕記載の範囲にとどまる(大きくても400μ以下)場合、上層領域気泡71は日常の装着圧の程度では簡単につぶれない為、上層吸収領域41に収容された体液は簡単に表面シート2側にウェットバックしない。一方で、上層領域気泡71の径が必ずしも十分大きくはない為、粘性の高い経血や多量の経血を十分すばやく吸収できるほどのすばやい吸収速度には達しない。尚、このような粘性の高い経血や多量の経血のすばやい吸収は、細長い穴8で補うことができる。
【0037】
下層吸収領域42の小さな下層領域気泡72:
・物理特徴:きわめて変形しにくく、圧縮や動作変形を受けても潰れない。
・吸収特徴:空隙が小さい為毛管力が大きく、上層吸収領域41の大きな上層領域気泡71が収容した体液をゆっくり引き抜いて保持する。基本的に、吸収した体液はこの部位に収容される。
【0038】
穴の底の部分43の最も小さな底部気泡73:
・物理特徴:下層領域気泡72と同様
・吸収特徴:潰れて空隙が少ない為、体液が浸透しにくい。
尚、好ましい底部気泡73の径が上述の段落〔0025〕記載の範囲にとどまる(大きくても400μ以下)場合、底部気泡73は日常の装着圧の程度では簡単につぶれない為、上層吸収領域41に収容された液は簡単に表面シート側にウェットバックしない。一方で気泡径が必ずしも十分大きくはない為、粘性の高い経血や多量の経血を十分すばやく吸収できるほどのすばやい吸収速度には達しない。
【0039】
更に、穴8の機能に即して気泡特徴を詳述する。該穴8は、上層吸収領域41の上層領域気泡71では十分に吸収が追いつかない、粘性の高い経血や、多量排泄された経血を一時的に収容する空孔として機能する。ここで、所定の特徴を有する底部気泡73があるため、穴8に一時的に収容された体液は直接裏面シート3に接触しない。
一旦穴8に収容された体液は、毛管力の高い下層吸収領域42部分から優先的に液移動して、空になっていく。粘性が過剰に大きい体液も、加圧や動作変形に付随する上層吸収領域41の上層領域気泡71の変形回復の繰り返しが吸引効果(あるいは揉み込み効果)となって上層部に優先的に収容される。この様に穴8、上層41の上層領域気泡71、下層42の下層領域気泡72夫々の「孔」の大きさの違いが相補的に機能して体液が順次移動・収容されて行く。
この結果、定常状態に於いて、以下の特徴が生まれる。
I.体液は、基本的に下層42の下層領域気泡72に収容される。
II.圧力変動や動作変形を受けて変形する主体となる上層41の上層領域気泡71は、基本的に体液がない(または移動性のない高粘性液がある)。
III.穴8も、一時貯留を除き体液がない。
IV.底部気泡73があるため、体液は穴8の下まで貫通しない。
以上により、吸収過程並びに定常状態のいずれにおいても、吸収体4は、変形主体(II.)、液保持の主体(I.)、通気性を確保する穴(III.、IV.)の機能分担がなされる為、高いモレ防止性と高い通気性が共存する。
圧縮による潰れにくさが下層側で高く、吸収体4変形による液移動・液戻りは肌当接面側への一方通行となる機能分担でもあるため、裏面シート3は従来の透湿レベルの透湿シートのみならず、高い透湿レベルの透湿フィルムの他撥水不織布など、単独では染み出し性の点で使用不可能な通気性シート3も使用可能となる。
底部気泡73も毛管力が高い為、体液を吸引して体液で満たされる場合もあるが、フォーム材のセル特徴に示すように、気泡の全てが均等に液で満たされるわけではなく、下層吸収体43の下層領域気泡72又は底部気泡73に空孔が共存する為、多量吸液時にも吸収体4を貫く通気経路が維持される。
尚、底部気泡73の構造がない貫通穴の場合、一旦は体液が穴の底にまで達して直接裏面シート3に触れる為、染み出しの危険性がある。
【0040】
以上の効果により、吸収体4と通気性の高い裏面シートとを組み合わせた通気性のナプキン1を構成した場合にも、裏面シート3側に染み出し難く、体液の安定した吸収性を得ることができる。
【0041】
また、上述したように、ナプキン1の吸収体4は、図2,図3に示すように、上層吸収領域41及び下層吸収領域42からなり、気泡7は、上層吸収領域41に分布する上層領域気泡71と、下層吸収領域42における複数の細長い穴8以外の部分に分布する下層領域気泡72とを有し、底部気泡73及び下層領域気泡72それぞれの直径は、上層領域気泡71の直径よりも小さく、底部気泡73の直径は、下層領域気泡72の直径よりも更に小さい。その為、特に、体液が多量の場合には、通液抵抗の小さい(直径の大きい)上層領域気泡71に引き込まれ、上層吸収領域41に水平拡散した後、水平拡散された上層吸収領域41から、毛管力の大きい(直径の小さい)下層領域気泡72に引き込まれ、吸収体4全体に瞬時に引き込まれるので、裏面シート3側に更に染み出し難く、体液の更に安定した吸収性を得ることができる。
【0042】
本発明の吸収性物品は、上述の実施形態の生理用ナプキン1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
【0043】
例えば、上述の実施形態の生理用ナプキン1においては、図2に示すように、液透過性の表面シート2と、透湿性の裏面シート3との間には、気泡の分布する発泡材からなる吸収体4のみを配しているが、例えば、図4に示すように、裏面シート3と吸収体4との間に、液難透過性の中間シート9を備えていてもよい。中間シート9は、縦方向(Y方向)に長い縦長の形状を有しており、排泄部領域A、前方領域B及び後方領域Cそれぞれにおいて、吸収体4の輪郭と一致する輪郭を有している。このように、中間シート9は、前方領域Bから後方領域Cに亘って配されているが、排泄部領域Aにのみ配されていてもよい。
【0044】
液難透過性の中間シート9としては、スパンボンド層(S)とメルトブローン層(M)とが積層された撥水性の不織布(SMS又はSMMS等)を用いることができる。中間シート9の坪量は、10〜40g/m2であることが好ましく、12〜30g/m2であることが更に好ましい。
【0045】
裏面シート3と吸収体4との間に、液難透過性の中間シート9を備えることによって、裏面シート3から体液の染み出す不安感を更に解消することができるので、更に快適な装着感を得ることができる。
【0046】
また、該液難透過性の中間シート9に代えて、吸収体4構成時に、最下層に疎水性の薄いフォーム材、又は下層吸収体42気泡より大きな気泡径を有する(典型的には上層吸収体41と同じセル構造の)フォーム材(発泡材)を貼り合わせてもよい。最下層に配する該フォーム材は、全体の変形性を損なわない観点から厚み0.4mm以内であることが好ましく、0.2mm以内であることが更に好ましい。
【0047】
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外にも、例えば、失禁者用パッド、パンティーライナー等に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 上層吸収領域
42 下層吸収領域
43 穴の底の部分
5 吸収性本体
6 周縁シール部
7 気泡
71 上層領域気泡
72 下層領域気泡
73 底部気泡
8 有底の細長い穴
9 中間シート
A 排泄部領域
B 前方領域
C 後方領域
FL 折り線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シートと、透湿性の裏面シートと、これらシートの間に気泡の分布する発泡材からなる吸収体とを備えた縦長の吸収性物品であって、
前記吸収体は、該吸収体の肌対向面側から該吸収体の非肌対向面側に延びる有底の細長い穴を複数有しており、
前記気泡は、前記吸収体を平面視して、該吸収体における複数の前記細長い穴に位置し該穴の底の部分に分布する底部気泡を有している吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収体は、該吸収体の肌対向面側の上層吸収領域及び該吸収体の非肌対向面側の下層吸収領域からなり、
有底の前記細長い穴は、前記上層吸収領域から前記下層吸収領域に向かって延びており、
前記気泡は、前記上層吸収領域に分布する上層領域気泡と、前記吸収体を平面視して、前記下層吸収領域における複数の前記細長い穴以外の部分に分布する下層領域気泡とを有し、
前記底部気泡及び前記下層領域気泡それぞれの直径は、前記上層領域気泡の直径よりも小さく、該底部気泡の直径は、該下層領域気泡の直径よりも更に小さい請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
複数の前記細長い穴それぞれは、その底が前記下層吸収領域に及んでいる請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記底部気泡は、扁平している請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記裏面シートと前記吸収体との間に、液難透過性の中間シートを備えている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−13641(P2013−13641A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149789(P2011−149789)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】