説明

吸収物品の構成要素としての更新可能な原材料から製造されたポリエテン材料の使用、及び吸収物品

【課題】吸収物品の構成要素としての更新可能な原材料から製造されたポリエテン材料の使用、及び吸収物品を提供する。
【解決手段】吸収物品4の構成要素としての更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料の使用、及び吸収物品。更新可能な原材料、好ましくはエタノールからエタンを製造し、エテンをポリエテンに重合し、前記ポリエテンを含有するフィルムを製造し、前記フィルムから少なくとも一つの物品構成要素を形成し、吸収体及び所望により他のシートとともに機械にその構成要素を供給し、前記構成要素を吸収物品4に接合する工程を含む、吸収物品4の製造方法。ポリエテンを含む材料から作られた吸収物品4の構成要素であって、前記ポリエテンは更新可能な原材料から製造されるもの。更新可能な原材料から製造されるポリエテンを含有するフィルム材料を含む包装。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収物品の構成要素としての更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料の使用、吸収物品、吸収物品の製造方法、吸収物品構成要素、及び更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料からなる包装材料又はユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の社会において環境の保護及び管理に多くの考えが与えられている。新聞紙、ガラス、金属、紙、プラスチックなどからなる包装材料は石油、森林及び金属の如き実在する資源を保護する目的のためリサイクルされている。できるだけ環境に優しくかつ製品の製造に無理のない材料を使用することが望ましい。また、これはおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ又はナプキン、パンティライナなどの1回使用だけの衛生製品の製造に関して及び包装材料及び包装ユニットの製造に関して極めて重要である。我々の天然資源を保護するのに加えて、廃棄物及び汚染物の発生に関して環境も考慮する必要がある。廃棄材料はごみ捨て場に捨てられ、そこでそれらは保持され、長期間崩壊されるか、あるいは焼却される。我々がいわゆる使い捨て物品及び使い捨て包装材料を使用するとき、これらの物品及び材料はまたごみ捨て場にたどり着き、それはサイズを膨張するか又は焼却されて汚染物及び二酸化炭素(CO)を発生する。これは望ましくない温室効果及び天然資源の消費に寄与する。
【0003】
地域社会の資源の一部は連続的に再生する植物に基づいている。他の資源は限られた量で存在し、極めてゆっくりと再生される。石油製品はかかる資源の一例である。石油原料の使用は地域社会に利用可能な実在する資源を枯渇させる。我々が今日使用する石油は多くの年月を経て形成されている。
【0004】
本発明の目的はこれらの問題を軽減するのに役立ち、かつ公知のものより環境に優しい吸収性使い捨て製品及び包装材料を提供することである。
【0005】
この目的は本発明によればポリエテンを含有しかつ更新可能な原材料から製造された材料の使用によって達成される。更新可能な原材料とはここでは植物(plant)ベースの材料から製造される材料を意味する。更新可能な原材料は植物材料によって製造される。植物は新しい木、新しいじゃがいもを植えること、新しい種をまくことなどによって更新されることができる。更新可能な原材料から製造された製品の反対のものは更新されることができない原材料を消費する製品であり、例えば石油製品から製造されたポリエテンである。TNCのエネルギー辞書では、更新可能なエネルギー源は使用されるのと同じ割合で再生されることができるエネルギー源として規定される。更新可能なエネルギー源の例は森林エネルギー、エネルギー森林及びエネルギー農作物である。たとえ関連するエネルギー源ではなく原材料であるとしても、更新可能という用語の同じ意味がここでは使用される。
【0006】
人々が何が環境に優しい吸収物品であるかを考える例が幾つかある。一つの例は使用の間に製品を洗浄することによって数回使用されることができる製品である。布おむつはこのようにして使用される。
【0007】
US−A 5032119は再使用可能な布おむつを教示する。環境に優しい使い捨て製品は分解可能な材料から製造された構成要素、例えばポリカプロラクトン、ポリラクチド又はラテックス材料を含む製品であることができる。WO−A1−9407941はポリラクチドから製造されるフィルムを教示し、それは生分解可能であり、堆肥にされることができ、それは例えばおむつに使用されることができる。フィルムに使用されることができる別の分解可能な材料はポリカプロラクトン及びポリラクチドブロックを含有するコポリマーを含み、かかる材料はWO−A1−9529200に記載されている。このフィルムは例えばおむつに使用されることができる。生分解可能なラテックス材料はEP−A1−454104に記載されているようにおむつにおけるフィルムとして使用される。ポリラクチドは吸収物品に使用される更新可能な材料の一例である。更新可能な材料であるスターチもポリカプロラクトンと組合せて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5032119号明細書
【特許文献2】国際公開WO94/07941号パンフレット
【特許文献3】国際公開WO95/29200号パンフレット
【特許文献4】欧州特許出願公開第454104号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Polymer Science, Third Edition, Fred W. Billmeyer, JR, A. Wiley-Interscience Publication John Wiley & Sons
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品の構成要素として更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料の使用に関する。
【0011】
また、本発明は少なくとも一つの構成要素が更新可能な原材料から製造されるポリエテンを含む材料からなる、おむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品に関する。
【0012】
また、本発明は更新可能な原材料から製造されるポリエテンを含有するフィルム包装材料に包囲される吸収物品に関し、前記包装は一つの物品又は幾つかの物品を含有する。
【0013】
また、本発明はおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品を製造する方法に関する。
【0014】
また、本発明は吸収物品の構成要素に関し、構成要素は更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料から作られた、液体不透過性裏シート、外部シート又は上部シート、固定手段又は腰弾性体であってもよい。
【0015】
最後に、本発明はまた更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料からなるフィルムを含む包装材料に関する。
【0016】
問題の吸収物品の構成要素はポリエテンから製造されることができる全ての構成要素、及び所望によりポリエテンから製造されてもよい他の考えられる構成要素である。ポリエテンから製造される構成要素の例は吸収物品上の液体不透過性裏シートとして機能するプラスチックシート、例えばおむつにおける腰弾性体、例えば衛生ナプキン及びパンティライナ上の上部シート、及びおむつ固定手段として使用されるテープである。
【0017】
包装ユニットの一部はポリエテンを含有するフィルム材料を含んでもよい。包装ユニットが幾つかの部分からなるとき、これらの部分の全てが前記材料からなる必要はなく、それらはプラスチックフィルム又は他の好適な材料の別のタイプを含んでもよい。前記包装部分はポリエテンから製造されうる包装ユニットにおけるフィルム以外の形態を有してもよい。
【0018】
ポリエテンは天然ガスから誘導されたエタンから原油までのあらゆる様々な炭化水素の熱(蒸気)及び触媒分解によって得られるエテンの重合によって現在製造されている。
【0019】
ポリエテンの製造を以下記載するが、かかる製造はPolymer Science, Third Edition, Fred W. Billmeyer, JR, A. Wiley-Interscience Publication John Wiley & Sonsのテキストブックに記載されている。
【0020】
エテンは溶媒としてベンゼン又はクロロベンゼンを用いて重合されることができる。これらの化合物中のモノマー及びポリマーは反応が純粋な溶媒重合であるように使用された温度及び圧力でともに溶解する。水又は他の液体は反応熱を除去するために添加されることができる。
【0021】
連続的な方法では、管状反応器が使用され、それは2.5cm未満の直径及び30m以下の長さを有してもよい。ステンレス鋼パイプは水を充填され、開始剤及び所望によりベンゼンを含有するエテンが導入される。追加の開始剤及び水又はベンゼンは開始剤濃度を反応器全体で本質的に一定に維持するようにパイプ又は管に沿って1以上の場所でシステム中に注入されることができる。エテンの10%以上が反応器の遠端で重合される。気相及び液相はこの場所で連続的に除去され、ポリマーが析出される。残っているエテンは精製された後にリサイクルされる。
【0022】
別の方法はタワー型反応器における塊重合を使用する。極微量の酸素を含有するエテンは1500気圧及び190℃で反応器に導入される。反応は本質的に恒温に維持され、10−15%の収率まで実施される。反応器出口は分離容器に通じ、そこで変換されていないエタンがリサイクルのために除去される。溶融されたポリエテンはその結晶融点より低い温度まで冷却され、通常の停止段階を経る。
【0023】
LDPE(低密度ポリエテン)は前述の方法で製造され、このポリエテンはポリエテンフィルムの製造に最初に使用されるポリエテンである。
【0024】
HDPE(高密度ポリエテン)はフィルムを製造するために使用されることもできるが、それは極度に高い圧力でのエテンのラジカル重合、エテンの配位重合、及び金属酸化物触媒によって支持されるエテンの重合を含む幾つかの方法で製造されることができる。
【0025】
エテンの配位重合では、ヘプタンの如き溶媒においてアルキルアルミニウムとTiClを反応することによってコロイド分散液として製造される触媒が使用される。エテンは弱い圧力下で50〜75℃の温度で反応容器に導入される。重合熱は冷却によって除去される。ポリマーは反応混合物に不溶性の粉末又は顆粒の形態で製造される。触媒は水又はアルコールをシステムに入れることによって反応工程の終わりに破壊され、ポリマーは濾過又は遠心分離、洗浄及び乾燥される。
【0026】
金属酸化物触媒は固定床、移動床、流動床及びスラリー工程を含む様々な作用工程で使用されることができる。エテンは60〜200℃及び約3.5kPaの圧力でエキステンダーとしてのパラフィン又はシクロパラフィンを供給される。ポリマーは冷却によって、又は溶媒蒸発によって回収される。
【0027】
HDPEを製造するために使用されるのと同じ方法では、ある程度の弾性を有するポリエテンを製造することができる。この場合において、メタロセン触媒が使用され、ヘキセン又はブテンの如き他のモノマーが少量添加される。
【0028】
現在エテンは石油粗製品からとられ、それは更新可能ではなく、この点に関して天然資源を枯渇させる。さらに、ポリエテンの焼却は二酸化炭素の形成を生じ、それは望ましくない温室効果に寄与する。
【0029】
本発明によれば、更新可能なエテンが使用されて環境に優しい製品を製造する。その場合エテンはエタノールの如き更新可能な原材料から製造される。エタノールは再生可能な植物から製造されるとき更新可能である。糖は酵母菌の影響下での発酵によってエタノール及び二酸化炭素に変換される:C12→2COH+2CO。じゃがいも、種子、森林原材料又は他の植物がこの発酵法において使用される。糖を含む全てのフルーツ、ベリー又は植物成分を発酵することができる。
【0030】
エテンは例えばエタノールを脱水することによって更新可能なエタノールから製造される。アルコールは強酸で加熱すると水分子を失い、アルケンを形成する。エタノールは濃硫酸で180℃まで加熱される:COH(濃HSO,180℃)→C+HO。
【0031】
ポリエテンは公知の上記方法で更新可能なエテンから製造されることができる。また上記方法でエタノールからエテンを製造することも知られている。本発明の新規性は吸収物品に使用するためのポリエテンの製造における更新可能な原材料の使用にあり、それは本発明によれば環境に優しい吸収物品を生じる。ポリエテンは吸収物品の構成要素の材料として、例えば液体不透過性裏シート、外部シート又は上部シート、おむつ固定テープとして又は腰弾性体として使用される。また新規性は包装材料として使用するためのポリエテンの製造における更新可能な原材料の使用にある。
【0032】
更新可能なエタノールから製造されたエテンに対する代替策は油脂の炭素鎖の如き長い炭素鎖のエテンへの“分解”である。この方法では、油脂の長い炭素鎖は小さい分子に破壊され、その幾つかがエテン分子である。当然、更新可能にするためには油脂は植物油脂であるだろう。多くの化合物、例えば酢酸及びエチレンオキサイドを反応させてエタノールによってエテンを形成することができる。
【0033】
本発明は吸収物品及び包装材料における更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料の完全に新規な使用に関する。
【0034】
我々の環境の負荷の軽減を表しかつ実在する石油資源を枯渇させない環境に優しい吸収物品及び環境に優しい包装材料の製造のための更新可能な原材料から製造されたポリエテンを使用することは工業的規模では知られていない。本発明によって与えられる別の利点は使用後の使い捨て製品及び使い捨て包装材料の焼却が可能なことにある。ポリエテンの焼却は二酸化炭素を発生する。この二酸化炭素は望ましくない温室効果に寄与する。しかしながら、更新可能な原材料を使用するとき、COは植物の形成において消費される。この積極的な効果はCOがこの場合において植物の形成において消費されるので、製品又は包装材料がごみ又は屑捨て場に降ろされるときにも得られる。更新可能な原材料の使用は温室効果を和らげる効果を有する。
【0035】
本発明は添付図面を参照してより詳細に記載されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1はおむつの如き吸収物品の断面図である。
【図2】図2は上からおむつを示す。
【図3】図3はポリエテンフィルムに包装された一つの吸収物品の側面図である。
【図4】図4はポリエテンフィルムに包装された幾つかの吸収物品を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
ポリエテンは更新可能な原材料から製造され、加工され、次いでおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品の構成要素として使用される。また、更新可能な原材料から製造されたポリエテンは包装材料構成要素のためにも使用される。関係する包装構成要素は例えばフィルム又は包装ユニットの他の部分である。図1は吸収物品(それはおむつ又は衛生ナプキンであってもよい)の断面図であり、図2はおむつの形の吸収物品の例を示す。図1の吸収物品は下部液体不透過性バリヤーシート1(それはこの明細書では液体不透過性裏シート1として言及される)、吸収層2、及び使用時に装着者の近くにあることが意図される上部液体透過性外部シート又は表面シート3を含む。
【0038】
図2は上部液体透過性シート5、吸収シート又はユニット6、及び下部液体不透過性裏シート7を含むおむつ4を示し、前記シートは二つの横方向縁8,9及び二つの縦方向縁10,11によって境界づけられる。また、おむつは縦方向中央線の各側上に縦方向に延びる脚弾性体12,13及び所望により液体バリヤー14,15を含む。また、おむつは固定テープ16,17の形の固定手段及び腰弾性体18,23を含む。ポリエテンは液体不透過性裏シート、腰弾性体、上部シート、及び固定テープの構成要素として使用される。他の構成要素であってもポリエテンを含有する材料から製造されることが都合が良い。液体不透過性裏シート1,7は液体が物品から漏れることを防止するシートである。衛生ナプキン及びパンティライナの場合には、上部シート3,5はポリエテンから製造されてもよい。外部シート又は上部シート3,5は最上部にありかつ使用時に装着者の近くにあるシートである。このシートは放出された液体が下にある吸収シート2,6中への吸引によって迅速に吸い込まれるように液体に対して透過性である。また、おむつは腰弾性体18,23及びテープの形の固定手段16,17を含む。腰弾性体18,23はおむつを可撓性にし使用時に装着者を快適にするために腰の高さでおむつ上に位置され、接着テープの形又はタッチアンドクローズ固定手段の形の固定手段16,17によっておむつは装着者から緩まないように使用時に固定されることができる。
【0039】
吸収物品の例によって、図3は更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含むフィルムから構成された包装ユニット20に包囲された折りたたまれた衛生ナプキン19を示し、図4は更新可能な原材料から製造されたポリエチレンを含有するフィルムを含む各包装材料21に包装された幾つかの衛生ナプキン21を示し、前記個々のパケットは更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含むフィルム材料を含む包装ユニット22に包囲されている。包装中の吸収物品は更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含む材料から構成される構成要素を含んでもよい。但し、完全に異なる材料から作られた構成要素を含む吸収物品も含まれてもよい。図4に示された包装方法では、包装(21,22)の一つは更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含むフィルム材料からなってもよく、一方他の包装は完全に異なる材料からなってもよい。
【0040】
本発明はおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品の構成要素として更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料の使用に関する。
【0041】
使用される材料は更新可能な原材料から製造されたポリエテンを100%まで含んでもよい。あるいは、ポリエテンは例えば材料の分解を容易にするためにスターチの如き他の材料と混合されてもよい。多くの様々な材料がポリエテンとともに使用されることができる。例としては、他の更新可能な材料、更新不可能な材料又は充填剤が挙げられる。使用される材料が更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有し、しかも他の材料を含有するとき、ポリエテンは約50〜99%に相当する量で存在してもよく、残りは他の材料からなってもよい。前記他の材料の百分率割合は材料の性質及び材料がポリエテンと混合された理由に依存するだろう。相対的に大きい百分率のポリエテンに対して、ポリエテンは60〜80%に相当する量で存在させてもよい。時には、この他の材料の少ない百分率、例えば5%又は1〜20%の百分率を使用するだろう。その場合には更新可能な原材料から製造されたポリエテンは95%又は80〜99%であるだろう。好適な材料混合物は更新可能な原材料から製造されたポリエテン及び石油製品から製造されたポリエテンが使用されたものである。更新可能な原材料から製造されたポリエテンの割合は1〜90%で変化するだろう。更新可能な原材料から製造されたポリエテンの百分率は目的及びそれと混合される材料に依存するだろう。上記材料は混合物として特許請求の範囲に含まれる。更新可能な原材料から製造されたポリエテンが他の材料と混合されるとき、これは混合物として言及される。ここで記載された材料組成は本発明による包装として使用される材料にも適用する。
【0042】
吸収物品に使用される構成要素は公知技術に従って製造される。フィルムは液体不透過性裏シートの製造において製造及び使用されることができ、それは次いでおむつ製造方法に含まれ、この方法は従来の方法に従って実施される。フィルムは固定手段のためのテープとして使用されることもできる。上部シート及び腰弾性体は従来の方法で製造され、吸収物品の従来の製造に含まれる。例えば、上部シートはフィルムから作られ、次いでせん孔されてもよい。表面材料は繊維をカードし、次いでオーブンで結合されることによって不織布の形で製造されることもできる。しかしながら、これはポリエテン/ポリプロペンの二構成要素繊維の問題がある。メタロセン触媒の場合には、弾性ポリエテン材料は例えば前記材料からフィルムを製造した後に腰弾性体に使用するために製造されることができる。前述したように、構成要素は例えば全てのタイプの吸収物品に見出される裏シート、即ち液体不透過性シート、例えば衛生ナプキン及びパンティライナに見出される上部シート、おむつの腰弾性体及びおむつに原則として見られる固定手段であってもよい。従属請求項に挙げられている構成要素は各場合に関連する物品のタイプに依存するだろう。
【0043】
また、本発明はおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如きの吸収物品を製造するための方法に関し、その方法ではエテンは更新可能な原材料、好ましくはエタノールから製造され、ポリエテンに重合され、ポリエテンを含有するフィルムは前記フィルムから少なくとも一つの物品構成要素を形成することによって、及び吸収体又はパッド及び所望により残りのシートとともに機械に構成要素を供給し、その構成要素を一緒に接合して吸収物品を形成することによって得られる。
【0044】
吸収物品は下部液体不透過性バリヤーシート、前記液体不透過性裏シートの上部の吸収シート、使用時に装着者の近くに横たわることが意図される上部液体透過性外部シート、腰弾性体及び固定手段を通常含むだろう。
【0045】
ライフサイクル分析(LCA)は前記方法に含まれる工程を含み、また吸収物品の使用及び使用された物品の回収にある。物品回収方法では、物品は破壊又は焼却される。エタノールの製造中及び焼却又は分解中に発生される二酸化炭素は例えばじゃがいも、種子及び木などの原材料の新しい形成に対応する量で消費される。
【0046】
エタノールは従来の方法で植物から製造され、エテンは上記のようにエタノールから製造される。エテンは次いでポリエテンに重合される。それも上で記載されている。吸収物品に含まれるべき構成要素は次いで製造される。製造された構成要素は物品の液体不透過性裏シートを製造するのに使用するためのフィルムであってもよい。フィルムはインフレート法、成形法によって、又は冷間圧延押出によって製造されてもよい。フィルムは次いで従来の方式の物品製造法に導入され、そこではフィルムは物品(例えばおむつ)製造機に適用される。あるいは、構成要素は例えば上記上部シートとして使用するための構成要素として他の方法で製造されることができる。その製造後、構成要素は物品製造ライン中に導入される。
【0047】
また、本発明は吸収物品構成要素に関し、前記構成要素は例えばポリエテンを含む材料から構成された、液体不透過性裏シート1,7、上部シート3,5、固定手段16,17、又は腰弾性体18,23であり、ポリエテンの少なくとも一部は更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造される。
【0048】
また、本発明はおむつ、衛生ナプキン、失禁ガード、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品に関し、少なくとも一つの構成要素は更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されたポリエテンを含有する材料から構成される。
【0049】
物品は下部液体不透過性裏シート1,7、前記シート上に横たわる吸収シート又は吸収ユニット2,6、上部液体透過性外部シート3,5、固定手段16,17及び腰弾性体18,23を通常含むだろう。
【0050】
これらの吸収物品4,19,21は19のように又は20,22に示されるように個々に包装されることができる。幾つかの物品21は更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されたポリエテンフィルムに包装されてもよい。吸収物品19,21は大きな多包装ユニット22に包装されるとき、それらは個々のパケット19に既に包囲されてもよく、あるいはかかる包装がなくてもよい。予備包装又は包装の製造及び予備包装は公知の方法に従って実施される。
【0051】
また、本発明は19のように個々に包装されているか又は幾つかの物品21が更新可能な原材料、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されたポリエテンを含有するフィルムから構成された包装ユニット20,22に包囲される吸収物品に関する。
【0052】
最後に、本発明は更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されたポリエテンを含む材料から構成されたフィルムを含む包装ユニット20,22に関する。この場合において、本発明の全ての他の例のように、材料は更新可能な原材料から製造されたポリエテンから完全になってもよく、50〜99%のポリエテンを含む材料からなってもよい。上述の百分率及び材料の例は包装材料にも適用する。
【0053】
包装は従来法に従って製造される。例えば、フィルムはポリエテンを含む材料から製造されることができ、次いで包装が製造される。前述したように、包装材料構成要素はフィルムだけからなる必要はなく、他の構成要素を含んでもよい。
【0054】
更新可能な原材料から製造されたポリエテンフィルムを含む包装材料はいかなる選択されたタイプの包装、好ましくはおむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつなどの包装に使用されることができる。しかしながら、包装は紙ふきん、例えばキッチンペーパー、トイレットペーパー、布ふきんなどに関するものでもよい。従って、包装された製品は更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する構成要素を含む製品から必ずしもなる必要はない。包装される物品が吸収製品である必要はない。
【0055】
また、本発明は異なる製品を包装するための更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含有する材料の使用に関する。
【0056】
本発明によって与えられる一つの利点はそれが更新可能な原材料から製造されるポリエテンを含有する材料から製造される構成要素を含むことによって環境に優しいことである。この原材料は地域社会の石油資源を枯渇しない。更新可能な原材料の使用によって与えられる別の利点は植物が成長するときに二酸化炭素を消費することである。それは前記製品が使用後焼却されるときに石油原材料の代わりに更新可能な原材料を使用すると温室効果を増大しないことを意味する。この利点は製品が焼却されなくても適用する。なぜならば植物は既にCOを吸収し、それによって温室効果の低減に寄与するからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品の構成要素としての更新可能な原材料から製造されたポリエテンを含む材料の使用。
【請求項2】
材料が前記ポリエテンの100%からなることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項3】
材料が前記ポリエテンの50〜99%を含むことを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項4】
構成要素が液体不透過性裏シートであることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項5】
構成要素が外部シート又は上部シートであることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項6】
構成要素が腰弾性体であることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項7】
構成要素が固定手段であることを特徴とする請求項1記載の使用。
【請求項8】
おむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品であって、前記物品の少なくとも一つの構成要素がポリエテンを含有する材料からなる場合において、前記ポリエテンが更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されていることを特徴とする吸収物品。
【請求項9】
材料が前記ポリエテンの100%からなることを特徴とする請求項8記載の吸収物品。
【請求項10】
材料が前記ポリエテンの50〜99%を含むことを特徴とする請求項8記載の吸収物品。
【請求項11】
構成要素が液体不透過性裏シートであることを特徴とする請求項8記載の吸収物品。
【請求項12】
構成要素が外部シート又は上部シートであることを特徴とする請求項8記載の吸収物品。
【請求項13】
構成要素が腰弾性体であることを特徴とする請求項8記載の吸収物品。
【請求項14】
構成要素が固定手段であることを特徴とする請求項8記載の吸収物品。
【請求項15】
前記物品が更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されたポリエテンを含有するフィルムを含む包装ユニット(20,22)において単独で(19)又は幾つかの(21)物品とともに包装されることを特徴とする請求項8〜14のいずれか記載の吸収物品。
【請求項16】
おむつ、衛生ナプキン、失禁プロテクタ、パンティライナ、パンツおむつ又はそれらの類似物品の如き吸収物品を製造する方法において、更新可能な原材料から、好ましくはエタノールからエテンを製造し、エテンを重合してポリエテンにし、前記ポリエテンを含有するフィルムを製造し、前記フィルムから少なくとも一つの物品構成要素を形成し、前記構成要素を吸収体及び所望により他のシートとともに機械中に供給し、前記構成要素を吸収物品に接合することを特徴とする方法。
【請求項17】
前記ポリエテンだけからフィルムを形成することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記ポリエテンの50〜99%を含む混合物からフィルムを形成することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記フィルムから液体不透過性裏シートを形成することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記フィルムから外部シート又は上部シートを形成することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項21】
前記フィルムから腰弾性体を形成することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項22】
前記フィルムから固定手段を形成することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項23】
ポリエテンを含む材料からの吸収物品の構成要素、例えば液体不透過性裏シート(1,7)、外部シート又は上部シート(3,5)、固定手段(16,17)又は腰弾性体(18,23)の形の構成要素において、ポリエテンの少なくとも一部が更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されていることを特徴とする構成要素。
【請求項24】
フィルム材料を含む包装材料(20,22)において、フィルムが更新可能な原材料から、好ましくはエタノールから製造されたエテンから製造されたポリエテンを含有する材料からなることを特徴とする包装材料。
【請求項25】
材料が前記ポリエテンの100%からなることを特徴とする請求項24記載の包装材料。
【請求項26】
材料が前記ポリエテンの50〜99%を含むことを特徴とする請求項24記載の包装材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−246950(P2010−246950A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135960(P2010−135960)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【分割の表示】特願2000−557783(P2000−557783)の分割
【原出願日】平成11年7月2日(1999.7.2)
【出願人】(506215320)エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (157)
【Fターム(参考)】