吸気パイプ
【課題】エアクリーナ側への接続側端部を通じての異物の侵入が阻止され得る吸気パイプを提供する。
【解決手段】エアクリーナ側に接続される一方側の端部12の内側に嵌め込まれる枠部22を有すると共に、この枠部22に対して、複数の仕切部24が、該枠部22の内側空間を複数に仕切るように架設され、且つそれら仕切部24同士の間において空気の流通が可能とされたキャップ20を、該一方側端部12の内側に固定して、構成した。
【解決手段】エアクリーナ側に接続される一方側の端部12の内側に嵌め込まれる枠部22を有すると共に、この枠部22に対して、複数の仕切部24が、該枠部22の内側空間を複数に仕切るように架設され、且つそれら仕切部24同士の間において空気の流通が可能とされたキャップ20を、該一方側端部12の内側に固定して、構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気パイプに係り、特に、車両の内燃機関とエアクリーナとの間に介装されて、外部からエアクリーナ内に吸入された空気を、エアクリーナ内から内燃機関側に供給する吸気パイプの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両に搭載される内燃機関の吸気系には、外部から導入される空気中の塵埃等を捕集、除去するエアクリーナが設けられている。また、このエアクリーナと内燃機関との間には、吸気パイプ(吸気ホース)が、一端側において、エアクリーナに対して、直接に、或いはエアコネクタ等を介して接続される一方、他端側において、内燃機関に対して、直接に、或いはキャブレタ等を介して接続された状態で、介装されている。そうして、エアクリーナで清浄化された空気が、かかる吸気パイプを通じて、内燃機関側に導かれるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような車両の内燃機関の吸気系においては、通常、吸気パイプが、エアクリーナ側や内燃機関側に対して、容易に着脱され得るように、ボルト固定により接続されている。そのため、例えば、かかる吸気系のメンテナンス時において、エアクリーナ側に接続された吸気パイプを取り外した際に、作業者が、吸気パイプを固定していたボルト等を、誤って、吸気パイプ内に転落させてしまうことがあった。
【0004】
そうした場合には、吸気パイプを内燃機関側に接続したままで、転落したボルト等を吸気パイプ内から取り出すことが容易ではなく、それ故、吸気パイプを内燃機関側から取り外し、更にエンジンルーム内から取り出した上で、吸気パイプ内からボルト等を取り出すといった面倒な作業を行わなければならず、それが、メンテナンスの作業性の悪化を招いていたのである。
【0005】
【特許文献1】特開平8−193549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、車両の内燃機関とエアクリーナとの間に位置せしめられて、それら内燃機関側とエアクリーナ側とにそれぞれ接続される吸気パイプにおいて、エアクリーナ側への接続側端部を通じてのボルト等の異物の内部への侵入が阻止され得るように改良された構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、車両に搭載された内燃機関とエアクリーナとの間に位置せしめられた状態で、両側端部において、それら内燃機関側とエアクリーナ側とにそれぞれ接続されて、外部から該エアクリーナ内に吸入された空気を、該エアクリーナ内から該内燃機関側に供給する吸気パイプであって、前記エアクリーナ側に接続される一方側端部の内側に嵌め込まれる枠部と、該枠部に対して、その内側空間を複数に仕切るように架設された複数の仕切部とを有し、該仕切部同士の間において空気の流通が可能とされたキャップを、該一方側端部の内側に固定したことを特徴とする吸気パイプにある。
【0008】
なお、このような本発明に従う吸気パイプの好ましい態様の一つによれば、前記複数の仕切部が、互いに異なる複数の方向に延びるものを含み、且つそれらが互いに交差するように組み合わされて、前記枠部に架設されることとなる。
【0009】
また、本発明に係る吸気パイプの望ましい態様の一つによれば、互いに交差するように組み合わされた前記複数の仕切部が、トラス構造を有するように構成される。
【0010】
さらに、本発明に従う吸気パイプの別の有利な態様の一つによれば、前記キャップの前記枠部が、前記一方側端部の内側に嵌め込まれた状態で、該一方側端部に外挿されたクランプ部材にて、該一方側端部の筒壁部を介してクランプされることにより、該キャップが、該一方側端部の内側に固定されることとなる。
【発明の効果】
【0011】
すなわち、本発明に従う吸気パイプにあっては、エアクリーナ側に接続される一方側端部の開口部が、その内側に嵌め込まれたキャップの複数の仕切部によって、それらの仕切部同士の間を通じて空気の流通を許容しつつ、複数に仕切られるようになっている。それ故、エアクリーナ側への接続側端部の開口部を通じての空気の流入(侵入)を可及的に阻害することなく、仕切部同士の間の空間よりも大きな異物がエアクリーナ側への接続側端部の開口部から内部に侵入することが、有利に阻止され得る。
【0012】
従って、かくの如き本発明に従う吸気パイプにあっては、エアクリーナ側に接続される一方側端部の内側に嵌め込まれて、固定されるキャップの複数の仕切部同士の間に形成される空間の大きさが、十分な空気の流入量を確保した上で可及的に小さくなるように、適宜に調節されることにより、空気の流入量の減少に伴うエンジン性能の低下を有利に防止しつつ、例えばボルト等の異物の内部への侵入が、効果的に阻止され得る。また、その結果、例えば、吸気系のメンテナンス時において、エアクリーナ側に接続された吸気パイプを取り外した際に、作業者が、吸気パイプを固定していたボルト等を、誤って、吸気パイプ内に転落させてしまうことが有利に防止され得、以て、吸気パイプ内に転落したボルト等の取出しのために、吸気系のメンテナンスの作業性が悪化するようなことも、極めて効果的に解消され得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0014】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する吸気パイプの一実施形態としての自動車用の吸気パイプが、一部切欠部分を含む正面形態と側面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の吸気パイプ10は、所定長さと一定の内径とを有する薄肉円筒状の樹脂パイプが略S字状に屈曲乃至湾曲せしめられてなる形態を有している。そして、その一方側(図1中、右側)の端部が、図示しないエアクリーナに連通状態で接続されるエアクリーナ側接続部12とされる一方、他方側(図1中、左側)の端部が、図示しないエンジンのキャブレタ等に連通状態で接続されるエンジン側接続部14とされている。
【0015】
また、かかる吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12においては、その先端部の外周面に、径方向外方に所定高さで突出し且つ周方向に連続して延びる外フランジ部16が、一体形成されている。更に、かかるエアクリーナ側接続部12の外フランジ部16よりも軸方向内方に所定寸法偏寄した部分の外周面には、エアクリーナに一体形成されたパイプ状接続部(不図示)への接続状態で、エアクリーナ側接続部12に外挿固定される、例えばボルトによる締込み式のバンド状のクランプ部材(図示されてはいないものの、後述するバンドクランプ26と同様な構造を有するもの)の端面に係合する係合突起18が、比較的に低い高さと広い幅とを有する突条形態をもって、一体的に周設されている。これにより、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12が、エアクリーナに接続されて、上記せるクランプ部材にて固定されたときに、かかるクランプ部材の軸方向位置の位置ズレが防止されるようになっている。
【0016】
そして、このような本実施形態の吸気パイプ10にあっては、特に、エアクリーナ側接続部12の内側に、特別な構造を有するキャップ20が嵌め込まれて、固定されている。
【0017】
より具体的には、キャップ20は、図1乃至図4に示されるように、枠部22と複数(ここでは、9個)の仕切部24(24a,24b,24c)とを一体的に有する樹脂成形体にて、構成されている。そして、枠部22は、全体として、吸気パイプ10と略同程度の厚さを有するリング乃至は高さの低い円筒形状を呈しており、その外径が、吸気パイプ10の内径と略同じか、それよりも極僅かに大きな寸法とされている。
【0018】
また、9個の仕切部24は、それぞれ、枠部22の幅(円筒状の高さ)よりも狭幅で薄肉の平板からなっている。そして、それら9個の仕切部24のうちの3個の第一仕切部24aが、枠部22の内側において、図3中の左右方向(水平方向)に平行に延び、且つ上下方向に互いに等間隔を隔てて対向位置せしめられた状態で、延出方向の両端部において、枠部22の内周面に固着されている。また、残りの6個の仕切部24のうちの3個の第二仕切部24bは、水平に延びる第一仕切部24aに対して所定の角度(ここでは、60°)で交差しつつ、図3中の左側に向かって下傾して平行に延び、且つ互いに等間隔を隔てて対向位置せしめられた状態で、延出方向の両端部において、枠部22の内周面に固着されている。更に、それら第一及び第二仕切部24a,24bを除く残りの3個の第三仕切部24cは、水平に延びる第一仕切部24aに対して所定の角度(ここでは、60°)で交差しつつ、図3中の右側に向かって下傾して平行に延び、且つ互いに等間隔を隔てて対向位置せしめられた状態で、延出方向の両端部において、枠部22の内周面に固着されている。これにより、第一、第二、及び第三仕切部24a,24b,24cが、枠部22の内側空間内において互いに交差するように組み合わされて、かかる内側空間が、各仕切部24にて、三角形状(ここでは、正三角形状)の複数の小空間に仕切られている。換言すれば、枠部22内に、三角形状の網目が、複数の第一、第二、及び第三仕切部24a,24b,24cにて、複数形成されている。つまり、ここでは、9個の仕切部24が、トラス構造を有して、枠部22に架設されているのである。
【0019】
かくして、かくの如き構造とされたキャップ20にあっては、枠部22に架設される仕切部24の数が比較的に少ない数とされ、しかも、それら各仕切部24が狭幅で薄肉の樹脂平板にて構成されているにも拘わらず、特に、枠部22を外側から径方向内方に押圧するように加えられる押圧力に対して十分な耐久性を発揮する優れた強度が具備せしめられている。また、そのように、仕切部24の数が比較的に少なくされていることで、枠部22の内側空間の開口率[キャップ20の軸方向での平面視において、複数の仕切部24が何等形成されていない状態での枠部22の内側空間の面積:S1 に対する、かかる面積:S1 から複数の仕切部24の軸方向一方側の端面の合計面積:S2 の合計を差し引いた値:S1 −S2 の割合:(S1 −S2)/ S1 ]が可及的に大きくされている。これにより、それら仕切部24同士の間に形成される三角形状の複数の網目を通じて流通せしめられる空気の流通量が、十分に確保されている。なお、ここでは、そのような複数の網目の全てが、エアクリーナ側接続部12をエアクリーナに接続するのに用いられる、前記せるボルト締込み式クランプ部材のボルトが通過不可能な大きさとされている。また、図3及び図4中、25は、補強リブで、枠部22の内周面の周方向に等間隔を隔てた位置に、軸方向に連続して延びるように一体形成されてなるものである。
【0020】
そして、本実施形態においては、かかるキャップ20が、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12における前記係合突起18の形成部位よりも軸方向内方に位置する部分、つまりエアクリーナ側接続部12の軸方向内方部分に、圧入されるように挿入位置せしめられて、クランプ部材としてのバンドクランプ26にてクランプされている。
【0021】
すなわち、ここでは、吸気パイプ10におけるエアクリーナ側接続部12の軸方向内方部分の内側に、キャップ20が、枠部22の外周面をエアクリーナ側接続部12の内周面に押圧接触させるように、嵌め込まれている。また、かかるエアクリーナ側接続部12の軸方向内方部分には、それに巻き付けられるように配置されるバンド部28と、このバンド部28を締め付けるための締込みボルト30とを有するバンドクランプ26が、外挿されている。そして、このバンドクランプ26の締込みボルト30の締込みにより、バンド部28がエアクリーナ側接続部12に締め付けられることによって、キャップ20の枠部22が、エアクリーナ側接続部12の筒壁を介して、バンドクランプ26にてクランプされ、以て、キャップ20の複数の仕切部24が、エアクリーナ側接続部12の内側に固定的に位置せしめられた状態で、キャップ20が、エアクリーナ側接続部12の内側に固定されている。
【0022】
そうして、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12の内孔のうち、キャップ20の枠部22の内側に位置する内孔部分が、キャップ20の複数の仕切部24にて、前記せる如き複数の三角形状の網目を形成しつつ、可及的に大きな開口率を有するように複数に仕切られて、それら複数の網目を通じて、空気の流通が、十分な流通量において許容される一方、そのような複数の網目が形成されていることで、エアクリーナ側接続部12をエアクリーナに接続するのに用いられる、前記せるボルト締込み式クランプ部材のボルトが通過不能な状態とされている。
【0023】
従って、かくの如き構造とされた本実施形態の吸気パイプ10にあっては、エアクリーナ側接続部12の開口部を通じてのエンジン側への空気の流入量(流通量)を十分に確保し、それにより、空気の流入量の減少によるエンジン性能の低下を未然に防止しつつ、エアクリーナ側接続部12をエアクリーナに接続するのに用いられる前記ボルト締込み式クランプ部材のボルト等の異物の内部への侵入が、効果的に阻止され得る。そして、それによって、例えば、エンジンの吸気系のメンテナンス時において、エアクリーナから吸気パイプ10を取り外した際に、作業者が、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12をエアクリーナに固定していたボルト締込み式クランプ部材のボルト等を、誤って、吸気パイプ10の内孔内に転落させてしまうことが有利に防止され得る。その結果、吸気パイプ10の内孔内に転落したボルト等の取出しのために、吸気パイプ10のエンジン側接続部14のキャブレタ等に対する接続状態を解消する等の余分な作業を行う必要等が有利に皆無ならしめられ得、以て、吸気系のメンテナンスの良好な作業性が、安定的に確保され得ることとなるのである。
【0024】
また、本実施形態の吸気パイプ10においては、キャップ20が、高さの低い円筒状の枠部22と狭幅で薄肉の平板からなる複数の仕切部24とを一体的に有する樹脂成形体にて構成されて、優れた成形性と十分な軽量性とが具備せしめられており、それによって、そのようなキャップ20の取付けに伴う吸気パイプ10の製作性の低下や重量の増加等が、可及的に抑制され得る。
【0025】
さらに、本実施形態では、キャップ20の複数の第一、第二、及び第三仕切部24a,24b,24cが、互いに異なる方向に延び出して、相互に交差するように、しかもトラス構造をもって組み合わされていることで、キャップ20に対して十分な強度が付与されているところから、キャップ20が、吸気パイプのエアクリーナ側接続部12内に圧入される際や、バンドクランプ26にて大きなクランプ力が加えられた際に、径方向内側に向かって作用せしめられる押圧力によって、損傷せしめられたり、破壊されたりすることなく、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12の内側に確実に固定され得る。以て、キャップ20の固定による吸気パイプ10内への異物の侵入防止効果が、より一層安定的に確保され得る。
【0026】
また、本実施形態の吸気パイプ10にあっては、キャップ20の仕切部24がトラス構造を有することで、仕切部24の数が少なくされて、キャップ20の枠部22の内側空間、ひいてはキャップ20が固定されるエアクリーナ側接続部12の内孔部分の開口率が可及的に大きくされており、それによって、そのようなエアクリーナ側接続部12の内孔部分を通過する際の空気の圧損上昇量が有利に小さく為され得る。そして、その結果、エアクリーナ側接続部12の内側へのキャップ20の固定に起因する吸気効率の低下、更にはそれに起因するエンジン性能の低下等の発生が、可及的に抑制され得る。つまり、エンジン性能を低下させることなく、吸気パイプ10内への異物の侵入が、極めて効果的に防止され得ることとなるのである。
【0027】
加えて、本実施形態の吸気パイプ10においては、エアクリーナ側接続部12に外挿されたバンドクランプ26にて、キャップ20がクランプされた状態で、エアクリーナ側接続部12の内側に固定されているところから、バンドクランプ26によるクランプの解消により、キャップ20の取り外しが容易とされて、キャップ20や吸気パイプ10の内孔内のメンテナンス等が簡単に行われ得る。
【0028】
ここにおいて、本実施形態に係る吸気パイプ10が、上述の如き優れた特徴を発揮するものであることを確かめるために、本発明者等によって実施された試験について、詳述する。
【0029】
すなわち、先ず、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12の内側に固定されるキャップ20として、図3に示される如く、リング状乃至は円筒状の枠部22と、この枠部22に対して、トラス構造をもって架設された複数の仕切部24とを一体的に有するポリプロピレン樹脂製のキャップ:Aを製作して、準備した。
【0030】
また、それとは別に、図5乃至図10に示されるような構造を有するポリプロピレン樹脂製の6種類のキャップ:B、C、D、E、F、G(図5乃至図10では、全て、キャップ20として示されている)、つまり、リング状乃至は円筒状の枠部22に対して、複数の仕切部24が互いに組み合わされて、架設されてなるキャップ:Aと同様な基本構造を有するものの、それら複数の仕切部24の組合せ形態が種々異なるものを、それぞれ製作して、準備した。
【0031】
より詳細には、キャップ:Bは、図5に示されるように、4個の第一仕切部24aと4個の第二仕切部24bとが、互いに格子状に組み合わされてなる構造を有している。また、キャップ:Cは、図6に示されるように、4個の第一仕切部24aと4個の第二仕切部24bとが、互いに格子状に組み合わされると共に、2個の第三仕切部24cがX字状に組み合わされてなる構造を有している。更に、キャップ:Dは、図7に示されるように、4個の第一仕切部24aと4個の第二仕切部24bとが、互いに格子状に組み合わされると共に、4個の第三仕切部24cが、井桁状に組み合わされ、且つそれが傾斜して配置されてなる構造を有している。更にまた、キャップ:Eは、図8に示されるように、枠部22の内側に、円形の第一仕切部24aと矩形の第二仕切部24bとが、それぞれ同心的に配置されると共に、かかる円形の第一仕切部24aの外周面から複数の第三仕切部24cが放射状に延びるように配置された状態で、それらが互いに組み合わされてなる構造を有している。また、キャップ:Fは、図9に示されるように、枠部22の内側に、互いに径の異なる2個の円形の第一及び第二仕切部24a,24bが同心的に配置されると共に、それら2個の円形の第一及び第二仕切部24a,24bのそれぞれの外周面から複数の第三仕切部24cが放射状に延びるように配置された状態で、それらが互いに組み合わされてなる構造を有している。更に、キャップ:Gは、図10に示されるように、複数の仕切部24が六角形状のハニカム構造を有するように組み合わされてなる構造を有している。なお、図5乃至図8中、25は、補強リブである。
【0032】
そして、かくして準備された7種類のキャップ:A〜Gが内側に嵌め込まれて、固定され得る大きさの内径を有するポリプロピレン樹脂製の吸気パイプを用いて、それら7種類のキャップ:A〜Gのうちから、先ず、キャップ:Aを選んで、それを、かかる吸気パイプの一端部の内側に嵌め込んで固定した。その後、キャップ:Aが嵌め込まれた吸気パイプの一端部側の開口部を公知のブロワに接続して、一定流量の空気を吹き込み、そのときの圧力損失値を従来手法により測定した。そして、キャップ:Aが何等嵌め込まれていない状態で、予め、従来手法により測定された吸気パイプの圧力損失値を、キャップ:Aを嵌め込んだ状態で測定された圧力損失値から差し引いて、キャップ:Aを嵌め込んだときの吸気パイプの圧力損失上昇値を算出した。この結果を、図11に示した。
【0033】
また、残りの6種類のキャップ:B〜Gをそれぞれ一つずつ用いて、それらを吸気パイプの一端部の内側に、キャップ:Aに代えて順番に嵌め込んで固定し、そして、上記と同様にして、吸気パイプの一端部側の開口部から一定流量の空気を吹き込んで、6種類のキャップ:B〜Gを吸気パイプの一端部の内側にそれぞれ嵌め込んだ状態での吸気パイプの圧力損失を各々測定した。そして、それらの測定値から、キャップが何等嵌め込まれていない状態での吸気パイプの圧力損失値をそれぞれ差し引いて、6種類のキャップ:B〜Gを嵌め込んだときの吸気パイプの圧力損失上昇値を、各々算出した。この結果を、図11に併せて示した。なお、図11には、7種類のキャップ:A〜Gを嵌め込んだときの吸気パイプの圧力損失上昇値を、それぞれA〜Gにて示した。
【0034】
また、上記の如き7種類のキャップ:A〜Gが嵌め込まれたときの吸気パイプの圧力損失上昇値を調べるための試験とは別に、それら7種類のキャップ:A〜Gを用いて、各キャップの破壊トルクの大きさを測定する試験を、公知の手法により実施した。
【0035】
すなわち、先ず、キャップ:Aの枠部の外周面を、径方向のうちの所定の一方向の両側から挟持した状態で、径方向内側方向への押圧荷重を加えると共に、かかる押圧荷重を、単位時間当たりに一定の量だけ増大させていき、キャップ:Aが破壊に至ったときの押圧荷重を市販のオートグラフ[AG−50KNG:(株)島津製作所製]を用いて測定した。そして、周方向に等間隔を隔てた、全部で八方向において径方向内側にそれぞれ押圧して、破壊時の押圧荷重を測定する操作を、キャップ:Aに対して上記と同様に実施し、それらのうちで、破壊時の押圧荷重の測定値が最も小さな値を、キャップ:Aの破壊荷重として決定した。また、引き続き、これと同様な操作を、キャップ:B〜Gに対しても実施して、それら各キャップの破壊荷重を決定した。それらの結果を図12に併せて示した。なお、図12には、7種類のキャップ:A〜Gのそれぞれの破壊荷重を、それぞれA〜Gにて示した。
【0036】
図11から明らかなように、吸気パイプの一端部の内側に、キャップ:Aとキャップ:Bとキャップ:Eとキャップ:Fとキャップ:Gの5種類のキャップをそれぞれ嵌め込んだときには、それらの吸気パイプの圧力損失上昇値が、500Pa以下の、より低い値に抑えられ得る。また、図12に示される如く、キャップ:Aとキャップ:CとキャップDの破壊荷重が、2100N以上の極めて高い値となっている。これらの結果から、十分に優れた破壊荷重を有すると共に、吸気パイプの圧力損失上昇値を十分に低く抑え得る特徴を備えたもの、換言すれば、圧損性能と強度のバランスが最適であるものが、キャップ:A、つまり複数の仕切部24がトラス構造を有するものであることが、明確に認識され得るのである。なお、本試験の結果は、あくまでも、キャップ:Aが、例示した構造を有する7種類のキャップA〜Gのうちで、圧損性能と強度のバランスが最適であることを示すに過ぎないのであって、キャップB〜G、或いはそれらのキャップの構造とは異なるものの、本発明の範囲内に含まれる構造を有するキャップにあっても、圧損性能と強度とにおいて十分な特性を発揮するものであることは、勿論である。
【0037】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0038】
例えば、キャップ20の仕切部24は、枠部22に対して、その内側空間を複数に仕切るように架設されるものであれば、その配置形態が、図3乃至図10に示される如きものに、何等限定されるものではない。従って、例えば、複数の仕切部24のうちの一部、或いは全てが、互いに交差しないように、所定間隔を隔てて対向配置される形態とされていても良い。
【0039】
また、キャップ20の枠部22や仕切部24の形成材料も、樹脂材料に、特に限定されるものではなく、かかる樹脂材料に代えて、例えば、軽量性に優れたアルミ材料等の金属材料を用いることも可能である。
【0040】
さらに、キャップ20の枠部22の全体形状も、吸気パイプ10におけるキャップ20の固定部分の内周面形状等に応じて適宜に変更され得るものであることは、勿論である。
【0041】
更にまた、キャップ20の吸気パイプ10への配設位置も、吸気パイプ10のエアクリーナ側に接続される一方側端部の内側であれば、如何なる位置であっても良い。
【0042】
また、キャップ20が内側に固定される吸気パイプ10の一方側端部は、エアクリーナに直接に接続される部分の他、エアクリーナとエンジンとの間に位置するエアコネクタに接続される部分、或いはエアクリーナにキャブレタが直結されている場合には、このキャブレタに接続される部分等にて構成される。
【0043】
さらに、キャップ20を吸気パイプ10に固定するに際しては、例示されたバンドクランプ26以外の公知のクランプ部材を用いることも出来る。また、そのようなクランプ部材を用いることなく、公知の係合機構により固定したり、接着剤を用いて固定したり、或いは可能であるならば、キャップ20や吸気パイプ10の材質に応じて溶着や溶接等にて固定しても、何等差し支えない。
【0044】
更にまた、吸気パイプ10の全体形状や材質も、例示のものに、決して限定されるものでなく、また、吸気パイプ10の径が軸方向において部分的に変化するものであっても良いことは、言うまでもないところである。
【0045】
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車用の吸気パイプに適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車以外の車両に搭載される吸気パイプの何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
【0046】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に従う構造を有する吸気パイプの一実施形態を示す、一部切欠図を含む正面説明図である。
【図2】図1に示された吸気パイプのII矢視説明図である。
【図3】図1に示された吸気パイプの内側に固定されるキャップの一例を示す正面説明図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの別の例を示す図3に対応する図である。
【図6】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの更に別の例を示す図3に対応する図である。
【図7】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの他の例を示す図3に対応する図である。
【図8】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの更に他の例を示す図3に対応する図である。
【図9】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの別の例を示す図3に対応する図である。
【図10】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの更に別の例を示す図3に対応する図である。
【図11】互いに異なる種類のキャップが内側にそれぞれ固定された、本発明に従う構造を有する7種類の吸気パイプのそれぞれのものにおいて、各キャップを内側に固定したことにより生ずる圧力損失上昇の測定値を各々示すグラフである。
【図12】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定される、互いに異なる7種類のキャップの破壊荷重の測定値をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
【0048】
10 吸気パイプ 12 エアクリーナ側接続部
14 エンジン側接続部 16 外フランジ部
18 係合突起 20 キャップ
22 枠部 24 仕切部
25 補強リブ 26 バンドクランプ
28 バンド部 30 締込みボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気パイプに係り、特に、車両の内燃機関とエアクリーナとの間に介装されて、外部からエアクリーナ内に吸入された空気を、エアクリーナ内から内燃機関側に供給する吸気パイプの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両に搭載される内燃機関の吸気系には、外部から導入される空気中の塵埃等を捕集、除去するエアクリーナが設けられている。また、このエアクリーナと内燃機関との間には、吸気パイプ(吸気ホース)が、一端側において、エアクリーナに対して、直接に、或いはエアコネクタ等を介して接続される一方、他端側において、内燃機関に対して、直接に、或いはキャブレタ等を介して接続された状態で、介装されている。そうして、エアクリーナで清浄化された空気が、かかる吸気パイプを通じて、内燃機関側に導かれるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような車両の内燃機関の吸気系においては、通常、吸気パイプが、エアクリーナ側や内燃機関側に対して、容易に着脱され得るように、ボルト固定により接続されている。そのため、例えば、かかる吸気系のメンテナンス時において、エアクリーナ側に接続された吸気パイプを取り外した際に、作業者が、吸気パイプを固定していたボルト等を、誤って、吸気パイプ内に転落させてしまうことがあった。
【0004】
そうした場合には、吸気パイプを内燃機関側に接続したままで、転落したボルト等を吸気パイプ内から取り出すことが容易ではなく、それ故、吸気パイプを内燃機関側から取り外し、更にエンジンルーム内から取り出した上で、吸気パイプ内からボルト等を取り出すといった面倒な作業を行わなければならず、それが、メンテナンスの作業性の悪化を招いていたのである。
【0005】
【特許文献1】特開平8−193549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、車両の内燃機関とエアクリーナとの間に位置せしめられて、それら内燃機関側とエアクリーナ側とにそれぞれ接続される吸気パイプにおいて、エアクリーナ側への接続側端部を通じてのボルト等の異物の内部への侵入が阻止され得るように改良された構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、その要旨とするところは、車両に搭載された内燃機関とエアクリーナとの間に位置せしめられた状態で、両側端部において、それら内燃機関側とエアクリーナ側とにそれぞれ接続されて、外部から該エアクリーナ内に吸入された空気を、該エアクリーナ内から該内燃機関側に供給する吸気パイプであって、前記エアクリーナ側に接続される一方側端部の内側に嵌め込まれる枠部と、該枠部に対して、その内側空間を複数に仕切るように架設された複数の仕切部とを有し、該仕切部同士の間において空気の流通が可能とされたキャップを、該一方側端部の内側に固定したことを特徴とする吸気パイプにある。
【0008】
なお、このような本発明に従う吸気パイプの好ましい態様の一つによれば、前記複数の仕切部が、互いに異なる複数の方向に延びるものを含み、且つそれらが互いに交差するように組み合わされて、前記枠部に架設されることとなる。
【0009】
また、本発明に係る吸気パイプの望ましい態様の一つによれば、互いに交差するように組み合わされた前記複数の仕切部が、トラス構造を有するように構成される。
【0010】
さらに、本発明に従う吸気パイプの別の有利な態様の一つによれば、前記キャップの前記枠部が、前記一方側端部の内側に嵌め込まれた状態で、該一方側端部に外挿されたクランプ部材にて、該一方側端部の筒壁部を介してクランプされることにより、該キャップが、該一方側端部の内側に固定されることとなる。
【発明の効果】
【0011】
すなわち、本発明に従う吸気パイプにあっては、エアクリーナ側に接続される一方側端部の開口部が、その内側に嵌め込まれたキャップの複数の仕切部によって、それらの仕切部同士の間を通じて空気の流通を許容しつつ、複数に仕切られるようになっている。それ故、エアクリーナ側への接続側端部の開口部を通じての空気の流入(侵入)を可及的に阻害することなく、仕切部同士の間の空間よりも大きな異物がエアクリーナ側への接続側端部の開口部から内部に侵入することが、有利に阻止され得る。
【0012】
従って、かくの如き本発明に従う吸気パイプにあっては、エアクリーナ側に接続される一方側端部の内側に嵌め込まれて、固定されるキャップの複数の仕切部同士の間に形成される空間の大きさが、十分な空気の流入量を確保した上で可及的に小さくなるように、適宜に調節されることにより、空気の流入量の減少に伴うエンジン性能の低下を有利に防止しつつ、例えばボルト等の異物の内部への侵入が、効果的に阻止され得る。また、その結果、例えば、吸気系のメンテナンス時において、エアクリーナ側に接続された吸気パイプを取り外した際に、作業者が、吸気パイプを固定していたボルト等を、誤って、吸気パイプ内に転落させてしまうことが有利に防止され得、以て、吸気パイプ内に転落したボルト等の取出しのために、吸気系のメンテナンスの作業性が悪化するようなことも、極めて効果的に解消され得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0014】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する吸気パイプの一実施形態としての自動車用の吸気パイプが、一部切欠部分を含む正面形態と側面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の吸気パイプ10は、所定長さと一定の内径とを有する薄肉円筒状の樹脂パイプが略S字状に屈曲乃至湾曲せしめられてなる形態を有している。そして、その一方側(図1中、右側)の端部が、図示しないエアクリーナに連通状態で接続されるエアクリーナ側接続部12とされる一方、他方側(図1中、左側)の端部が、図示しないエンジンのキャブレタ等に連通状態で接続されるエンジン側接続部14とされている。
【0015】
また、かかる吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12においては、その先端部の外周面に、径方向外方に所定高さで突出し且つ周方向に連続して延びる外フランジ部16が、一体形成されている。更に、かかるエアクリーナ側接続部12の外フランジ部16よりも軸方向内方に所定寸法偏寄した部分の外周面には、エアクリーナに一体形成されたパイプ状接続部(不図示)への接続状態で、エアクリーナ側接続部12に外挿固定される、例えばボルトによる締込み式のバンド状のクランプ部材(図示されてはいないものの、後述するバンドクランプ26と同様な構造を有するもの)の端面に係合する係合突起18が、比較的に低い高さと広い幅とを有する突条形態をもって、一体的に周設されている。これにより、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12が、エアクリーナに接続されて、上記せるクランプ部材にて固定されたときに、かかるクランプ部材の軸方向位置の位置ズレが防止されるようになっている。
【0016】
そして、このような本実施形態の吸気パイプ10にあっては、特に、エアクリーナ側接続部12の内側に、特別な構造を有するキャップ20が嵌め込まれて、固定されている。
【0017】
より具体的には、キャップ20は、図1乃至図4に示されるように、枠部22と複数(ここでは、9個)の仕切部24(24a,24b,24c)とを一体的に有する樹脂成形体にて、構成されている。そして、枠部22は、全体として、吸気パイプ10と略同程度の厚さを有するリング乃至は高さの低い円筒形状を呈しており、その外径が、吸気パイプ10の内径と略同じか、それよりも極僅かに大きな寸法とされている。
【0018】
また、9個の仕切部24は、それぞれ、枠部22の幅(円筒状の高さ)よりも狭幅で薄肉の平板からなっている。そして、それら9個の仕切部24のうちの3個の第一仕切部24aが、枠部22の内側において、図3中の左右方向(水平方向)に平行に延び、且つ上下方向に互いに等間隔を隔てて対向位置せしめられた状態で、延出方向の両端部において、枠部22の内周面に固着されている。また、残りの6個の仕切部24のうちの3個の第二仕切部24bは、水平に延びる第一仕切部24aに対して所定の角度(ここでは、60°)で交差しつつ、図3中の左側に向かって下傾して平行に延び、且つ互いに等間隔を隔てて対向位置せしめられた状態で、延出方向の両端部において、枠部22の内周面に固着されている。更に、それら第一及び第二仕切部24a,24bを除く残りの3個の第三仕切部24cは、水平に延びる第一仕切部24aに対して所定の角度(ここでは、60°)で交差しつつ、図3中の右側に向かって下傾して平行に延び、且つ互いに等間隔を隔てて対向位置せしめられた状態で、延出方向の両端部において、枠部22の内周面に固着されている。これにより、第一、第二、及び第三仕切部24a,24b,24cが、枠部22の内側空間内において互いに交差するように組み合わされて、かかる内側空間が、各仕切部24にて、三角形状(ここでは、正三角形状)の複数の小空間に仕切られている。換言すれば、枠部22内に、三角形状の網目が、複数の第一、第二、及び第三仕切部24a,24b,24cにて、複数形成されている。つまり、ここでは、9個の仕切部24が、トラス構造を有して、枠部22に架設されているのである。
【0019】
かくして、かくの如き構造とされたキャップ20にあっては、枠部22に架設される仕切部24の数が比較的に少ない数とされ、しかも、それら各仕切部24が狭幅で薄肉の樹脂平板にて構成されているにも拘わらず、特に、枠部22を外側から径方向内方に押圧するように加えられる押圧力に対して十分な耐久性を発揮する優れた強度が具備せしめられている。また、そのように、仕切部24の数が比較的に少なくされていることで、枠部22の内側空間の開口率[キャップ20の軸方向での平面視において、複数の仕切部24が何等形成されていない状態での枠部22の内側空間の面積:S1 に対する、かかる面積:S1 から複数の仕切部24の軸方向一方側の端面の合計面積:S2 の合計を差し引いた値:S1 −S2 の割合:(S1 −S2)/ S1 ]が可及的に大きくされている。これにより、それら仕切部24同士の間に形成される三角形状の複数の網目を通じて流通せしめられる空気の流通量が、十分に確保されている。なお、ここでは、そのような複数の網目の全てが、エアクリーナ側接続部12をエアクリーナに接続するのに用いられる、前記せるボルト締込み式クランプ部材のボルトが通過不可能な大きさとされている。また、図3及び図4中、25は、補強リブで、枠部22の内周面の周方向に等間隔を隔てた位置に、軸方向に連続して延びるように一体形成されてなるものである。
【0020】
そして、本実施形態においては、かかるキャップ20が、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12における前記係合突起18の形成部位よりも軸方向内方に位置する部分、つまりエアクリーナ側接続部12の軸方向内方部分に、圧入されるように挿入位置せしめられて、クランプ部材としてのバンドクランプ26にてクランプされている。
【0021】
すなわち、ここでは、吸気パイプ10におけるエアクリーナ側接続部12の軸方向内方部分の内側に、キャップ20が、枠部22の外周面をエアクリーナ側接続部12の内周面に押圧接触させるように、嵌め込まれている。また、かかるエアクリーナ側接続部12の軸方向内方部分には、それに巻き付けられるように配置されるバンド部28と、このバンド部28を締め付けるための締込みボルト30とを有するバンドクランプ26が、外挿されている。そして、このバンドクランプ26の締込みボルト30の締込みにより、バンド部28がエアクリーナ側接続部12に締め付けられることによって、キャップ20の枠部22が、エアクリーナ側接続部12の筒壁を介して、バンドクランプ26にてクランプされ、以て、キャップ20の複数の仕切部24が、エアクリーナ側接続部12の内側に固定的に位置せしめられた状態で、キャップ20が、エアクリーナ側接続部12の内側に固定されている。
【0022】
そうして、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12の内孔のうち、キャップ20の枠部22の内側に位置する内孔部分が、キャップ20の複数の仕切部24にて、前記せる如き複数の三角形状の網目を形成しつつ、可及的に大きな開口率を有するように複数に仕切られて、それら複数の網目を通じて、空気の流通が、十分な流通量において許容される一方、そのような複数の網目が形成されていることで、エアクリーナ側接続部12をエアクリーナに接続するのに用いられる、前記せるボルト締込み式クランプ部材のボルトが通過不能な状態とされている。
【0023】
従って、かくの如き構造とされた本実施形態の吸気パイプ10にあっては、エアクリーナ側接続部12の開口部を通じてのエンジン側への空気の流入量(流通量)を十分に確保し、それにより、空気の流入量の減少によるエンジン性能の低下を未然に防止しつつ、エアクリーナ側接続部12をエアクリーナに接続するのに用いられる前記ボルト締込み式クランプ部材のボルト等の異物の内部への侵入が、効果的に阻止され得る。そして、それによって、例えば、エンジンの吸気系のメンテナンス時において、エアクリーナから吸気パイプ10を取り外した際に、作業者が、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12をエアクリーナに固定していたボルト締込み式クランプ部材のボルト等を、誤って、吸気パイプ10の内孔内に転落させてしまうことが有利に防止され得る。その結果、吸気パイプ10の内孔内に転落したボルト等の取出しのために、吸気パイプ10のエンジン側接続部14のキャブレタ等に対する接続状態を解消する等の余分な作業を行う必要等が有利に皆無ならしめられ得、以て、吸気系のメンテナンスの良好な作業性が、安定的に確保され得ることとなるのである。
【0024】
また、本実施形態の吸気パイプ10においては、キャップ20が、高さの低い円筒状の枠部22と狭幅で薄肉の平板からなる複数の仕切部24とを一体的に有する樹脂成形体にて構成されて、優れた成形性と十分な軽量性とが具備せしめられており、それによって、そのようなキャップ20の取付けに伴う吸気パイプ10の製作性の低下や重量の増加等が、可及的に抑制され得る。
【0025】
さらに、本実施形態では、キャップ20の複数の第一、第二、及び第三仕切部24a,24b,24cが、互いに異なる方向に延び出して、相互に交差するように、しかもトラス構造をもって組み合わされていることで、キャップ20に対して十分な強度が付与されているところから、キャップ20が、吸気パイプのエアクリーナ側接続部12内に圧入される際や、バンドクランプ26にて大きなクランプ力が加えられた際に、径方向内側に向かって作用せしめられる押圧力によって、損傷せしめられたり、破壊されたりすることなく、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12の内側に確実に固定され得る。以て、キャップ20の固定による吸気パイプ10内への異物の侵入防止効果が、より一層安定的に確保され得る。
【0026】
また、本実施形態の吸気パイプ10にあっては、キャップ20の仕切部24がトラス構造を有することで、仕切部24の数が少なくされて、キャップ20の枠部22の内側空間、ひいてはキャップ20が固定されるエアクリーナ側接続部12の内孔部分の開口率が可及的に大きくされており、それによって、そのようなエアクリーナ側接続部12の内孔部分を通過する際の空気の圧損上昇量が有利に小さく為され得る。そして、その結果、エアクリーナ側接続部12の内側へのキャップ20の固定に起因する吸気効率の低下、更にはそれに起因するエンジン性能の低下等の発生が、可及的に抑制され得る。つまり、エンジン性能を低下させることなく、吸気パイプ10内への異物の侵入が、極めて効果的に防止され得ることとなるのである。
【0027】
加えて、本実施形態の吸気パイプ10においては、エアクリーナ側接続部12に外挿されたバンドクランプ26にて、キャップ20がクランプされた状態で、エアクリーナ側接続部12の内側に固定されているところから、バンドクランプ26によるクランプの解消により、キャップ20の取り外しが容易とされて、キャップ20や吸気パイプ10の内孔内のメンテナンス等が簡単に行われ得る。
【0028】
ここにおいて、本実施形態に係る吸気パイプ10が、上述の如き優れた特徴を発揮するものであることを確かめるために、本発明者等によって実施された試験について、詳述する。
【0029】
すなわち、先ず、吸気パイプ10のエアクリーナ側接続部12の内側に固定されるキャップ20として、図3に示される如く、リング状乃至は円筒状の枠部22と、この枠部22に対して、トラス構造をもって架設された複数の仕切部24とを一体的に有するポリプロピレン樹脂製のキャップ:Aを製作して、準備した。
【0030】
また、それとは別に、図5乃至図10に示されるような構造を有するポリプロピレン樹脂製の6種類のキャップ:B、C、D、E、F、G(図5乃至図10では、全て、キャップ20として示されている)、つまり、リング状乃至は円筒状の枠部22に対して、複数の仕切部24が互いに組み合わされて、架設されてなるキャップ:Aと同様な基本構造を有するものの、それら複数の仕切部24の組合せ形態が種々異なるものを、それぞれ製作して、準備した。
【0031】
より詳細には、キャップ:Bは、図5に示されるように、4個の第一仕切部24aと4個の第二仕切部24bとが、互いに格子状に組み合わされてなる構造を有している。また、キャップ:Cは、図6に示されるように、4個の第一仕切部24aと4個の第二仕切部24bとが、互いに格子状に組み合わされると共に、2個の第三仕切部24cがX字状に組み合わされてなる構造を有している。更に、キャップ:Dは、図7に示されるように、4個の第一仕切部24aと4個の第二仕切部24bとが、互いに格子状に組み合わされると共に、4個の第三仕切部24cが、井桁状に組み合わされ、且つそれが傾斜して配置されてなる構造を有している。更にまた、キャップ:Eは、図8に示されるように、枠部22の内側に、円形の第一仕切部24aと矩形の第二仕切部24bとが、それぞれ同心的に配置されると共に、かかる円形の第一仕切部24aの外周面から複数の第三仕切部24cが放射状に延びるように配置された状態で、それらが互いに組み合わされてなる構造を有している。また、キャップ:Fは、図9に示されるように、枠部22の内側に、互いに径の異なる2個の円形の第一及び第二仕切部24a,24bが同心的に配置されると共に、それら2個の円形の第一及び第二仕切部24a,24bのそれぞれの外周面から複数の第三仕切部24cが放射状に延びるように配置された状態で、それらが互いに組み合わされてなる構造を有している。更に、キャップ:Gは、図10に示されるように、複数の仕切部24が六角形状のハニカム構造を有するように組み合わされてなる構造を有している。なお、図5乃至図8中、25は、補強リブである。
【0032】
そして、かくして準備された7種類のキャップ:A〜Gが内側に嵌め込まれて、固定され得る大きさの内径を有するポリプロピレン樹脂製の吸気パイプを用いて、それら7種類のキャップ:A〜Gのうちから、先ず、キャップ:Aを選んで、それを、かかる吸気パイプの一端部の内側に嵌め込んで固定した。その後、キャップ:Aが嵌め込まれた吸気パイプの一端部側の開口部を公知のブロワに接続して、一定流量の空気を吹き込み、そのときの圧力損失値を従来手法により測定した。そして、キャップ:Aが何等嵌め込まれていない状態で、予め、従来手法により測定された吸気パイプの圧力損失値を、キャップ:Aを嵌め込んだ状態で測定された圧力損失値から差し引いて、キャップ:Aを嵌め込んだときの吸気パイプの圧力損失上昇値を算出した。この結果を、図11に示した。
【0033】
また、残りの6種類のキャップ:B〜Gをそれぞれ一つずつ用いて、それらを吸気パイプの一端部の内側に、キャップ:Aに代えて順番に嵌め込んで固定し、そして、上記と同様にして、吸気パイプの一端部側の開口部から一定流量の空気を吹き込んで、6種類のキャップ:B〜Gを吸気パイプの一端部の内側にそれぞれ嵌め込んだ状態での吸気パイプの圧力損失を各々測定した。そして、それらの測定値から、キャップが何等嵌め込まれていない状態での吸気パイプの圧力損失値をそれぞれ差し引いて、6種類のキャップ:B〜Gを嵌め込んだときの吸気パイプの圧力損失上昇値を、各々算出した。この結果を、図11に併せて示した。なお、図11には、7種類のキャップ:A〜Gを嵌め込んだときの吸気パイプの圧力損失上昇値を、それぞれA〜Gにて示した。
【0034】
また、上記の如き7種類のキャップ:A〜Gが嵌め込まれたときの吸気パイプの圧力損失上昇値を調べるための試験とは別に、それら7種類のキャップ:A〜Gを用いて、各キャップの破壊トルクの大きさを測定する試験を、公知の手法により実施した。
【0035】
すなわち、先ず、キャップ:Aの枠部の外周面を、径方向のうちの所定の一方向の両側から挟持した状態で、径方向内側方向への押圧荷重を加えると共に、かかる押圧荷重を、単位時間当たりに一定の量だけ増大させていき、キャップ:Aが破壊に至ったときの押圧荷重を市販のオートグラフ[AG−50KNG:(株)島津製作所製]を用いて測定した。そして、周方向に等間隔を隔てた、全部で八方向において径方向内側にそれぞれ押圧して、破壊時の押圧荷重を測定する操作を、キャップ:Aに対して上記と同様に実施し、それらのうちで、破壊時の押圧荷重の測定値が最も小さな値を、キャップ:Aの破壊荷重として決定した。また、引き続き、これと同様な操作を、キャップ:B〜Gに対しても実施して、それら各キャップの破壊荷重を決定した。それらの結果を図12に併せて示した。なお、図12には、7種類のキャップ:A〜Gのそれぞれの破壊荷重を、それぞれA〜Gにて示した。
【0036】
図11から明らかなように、吸気パイプの一端部の内側に、キャップ:Aとキャップ:Bとキャップ:Eとキャップ:Fとキャップ:Gの5種類のキャップをそれぞれ嵌め込んだときには、それらの吸気パイプの圧力損失上昇値が、500Pa以下の、より低い値に抑えられ得る。また、図12に示される如く、キャップ:Aとキャップ:CとキャップDの破壊荷重が、2100N以上の極めて高い値となっている。これらの結果から、十分に優れた破壊荷重を有すると共に、吸気パイプの圧力損失上昇値を十分に低く抑え得る特徴を備えたもの、換言すれば、圧損性能と強度のバランスが最適であるものが、キャップ:A、つまり複数の仕切部24がトラス構造を有するものであることが、明確に認識され得るのである。なお、本試験の結果は、あくまでも、キャップ:Aが、例示した構造を有する7種類のキャップA〜Gのうちで、圧損性能と強度のバランスが最適であることを示すに過ぎないのであって、キャップB〜G、或いはそれらのキャップの構造とは異なるものの、本発明の範囲内に含まれる構造を有するキャップにあっても、圧損性能と強度とにおいて十分な特性を発揮するものであることは、勿論である。
【0037】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0038】
例えば、キャップ20の仕切部24は、枠部22に対して、その内側空間を複数に仕切るように架設されるものであれば、その配置形態が、図3乃至図10に示される如きものに、何等限定されるものではない。従って、例えば、複数の仕切部24のうちの一部、或いは全てが、互いに交差しないように、所定間隔を隔てて対向配置される形態とされていても良い。
【0039】
また、キャップ20の枠部22や仕切部24の形成材料も、樹脂材料に、特に限定されるものではなく、かかる樹脂材料に代えて、例えば、軽量性に優れたアルミ材料等の金属材料を用いることも可能である。
【0040】
さらに、キャップ20の枠部22の全体形状も、吸気パイプ10におけるキャップ20の固定部分の内周面形状等に応じて適宜に変更され得るものであることは、勿論である。
【0041】
更にまた、キャップ20の吸気パイプ10への配設位置も、吸気パイプ10のエアクリーナ側に接続される一方側端部の内側であれば、如何なる位置であっても良い。
【0042】
また、キャップ20が内側に固定される吸気パイプ10の一方側端部は、エアクリーナに直接に接続される部分の他、エアクリーナとエンジンとの間に位置するエアコネクタに接続される部分、或いはエアクリーナにキャブレタが直結されている場合には、このキャブレタに接続される部分等にて構成される。
【0043】
さらに、キャップ20を吸気パイプ10に固定するに際しては、例示されたバンドクランプ26以外の公知のクランプ部材を用いることも出来る。また、そのようなクランプ部材を用いることなく、公知の係合機構により固定したり、接着剤を用いて固定したり、或いは可能であるならば、キャップ20や吸気パイプ10の材質に応じて溶着や溶接等にて固定しても、何等差し支えない。
【0044】
更にまた、吸気パイプ10の全体形状や材質も、例示のものに、決して限定されるものでなく、また、吸気パイプ10の径が軸方向において部分的に変化するものであっても良いことは、言うまでもないところである。
【0045】
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車用の吸気パイプに適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車以外の車両に搭載される吸気パイプの何れに対しても、有利に適用されるものであることは、勿論である。
【0046】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に従う構造を有する吸気パイプの一実施形態を示す、一部切欠図を含む正面説明図である。
【図2】図1に示された吸気パイプのII矢視説明図である。
【図3】図1に示された吸気パイプの内側に固定されるキャップの一例を示す正面説明図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの別の例を示す図3に対応する図である。
【図6】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの更に別の例を示す図3に対応する図である。
【図7】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの他の例を示す図3に対応する図である。
【図8】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの更に他の例を示す図3に対応する図である。
【図9】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの別の例を示す図3に対応する図である。
【図10】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定されるキャップの更に別の例を示す図3に対応する図である。
【図11】互いに異なる種類のキャップが内側にそれぞれ固定された、本発明に従う構造を有する7種類の吸気パイプのそれぞれのものにおいて、各キャップを内側に固定したことにより生ずる圧力損失上昇の測定値を各々示すグラフである。
【図12】本発明に従う構造を有する吸気パイプの内側に固定される、互いに異なる7種類のキャップの破壊荷重の測定値をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
【0048】
10 吸気パイプ 12 エアクリーナ側接続部
14 エンジン側接続部 16 外フランジ部
18 係合突起 20 キャップ
22 枠部 24 仕切部
25 補強リブ 26 バンドクランプ
28 バンド部 30 締込みボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された内燃機関とエアクリーナとの間に位置せしめられた状態で、両側端部において、それら内燃機関側とエアクリーナ側とにそれぞれ接続されて、外部から該エアクリーナ内に吸入された空気を、該エアクリーナ内から該内燃機関側に供給する吸気パイプであって、
前記エアクリーナ側に接続される一方側端部の内側に嵌め込まれる枠部と、該枠部に対して、その内側空間を複数に仕切るように架設された複数の仕切部とを有し、該仕切部同士の間において空気の流通が可能とされたキャップを、該一方側端部の内側に固定したことを特徴とする吸気パイプ。
【請求項2】
前記複数の仕切部が、互いに異なる複数の方向に延びるものを含み、且つそれらが互いに交差するように組み合わされて、前記枠部に架設されている請求項1に記載の吸気パイプ。
【請求項3】
互いに交差するように組み合わされた前記複数の仕切部が、トラス構造を有している請求項2に記載の吸気パイプ。
【請求項4】
前記キャップの前記枠部が、前記一方側端部の内側に嵌め込まれた状態で、該一方側端部に外挿されたクランプ部材にて、該一方側端部の筒壁部を介してクランプされることにより、該キャップが、該一方側端部の内側に固定されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の吸気パイプ。
【請求項1】
車両に搭載された内燃機関とエアクリーナとの間に位置せしめられた状態で、両側端部において、それら内燃機関側とエアクリーナ側とにそれぞれ接続されて、外部から該エアクリーナ内に吸入された空気を、該エアクリーナ内から該内燃機関側に供給する吸気パイプであって、
前記エアクリーナ側に接続される一方側端部の内側に嵌め込まれる枠部と、該枠部に対して、その内側空間を複数に仕切るように架設された複数の仕切部とを有し、該仕切部同士の間において空気の流通が可能とされたキャップを、該一方側端部の内側に固定したことを特徴とする吸気パイプ。
【請求項2】
前記複数の仕切部が、互いに異なる複数の方向に延びるものを含み、且つそれらが互いに交差するように組み合わされて、前記枠部に架設されている請求項1に記載の吸気パイプ。
【請求項3】
互いに交差するように組み合わされた前記複数の仕切部が、トラス構造を有している請求項2に記載の吸気パイプ。
【請求項4】
前記キャップの前記枠部が、前記一方側端部の内側に嵌め込まれた状態で、該一方側端部に外挿されたクランプ部材にて、該一方側端部の筒壁部を介してクランプされることにより、該キャップが、該一方側端部の内側に固定されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の吸気パイプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−303751(P2008−303751A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149973(P2007−149973)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
[ Back to top ]