説明

吸水性を減少した熱可塑性成形組成物

【課題】 減少した吸水性を有し、かつよりよい寸法安定性を示すポリカーボネートを含有する熱可塑性成形組成物を提供すること。
【解決手段】 ポリカーボネートおよびポリホルマールを含有する熱可塑性成形組成物であって、該ポリマールが特定の繰り返し構造ユニットを含む熱可塑性成形組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、熱可塑性成形組成物、特に光学データ記憶媒体製品を製造する製品に好適な、減少した吸水性を有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
透明性、加熱下での寸法安定性および寸法安定性のような特性の特定の組合せのために、ポリカーボネートは光学データ記憶媒体の射出成形または射出スタンプ(injection stamping)用の材料として一般的に用いられる。それらの一般に300℃〜400℃の範囲の温度で行う加工性を改良するために、添加剤、例えば離型剤および安定剤が、一般的にポリカーボネートに添加される。
【0003】
ビスフェノールAに基づいた芳香族ポリカーボネートは、光学データ記憶媒体の製造に特に使用される。しかしながら、それらは水0.34重量%以下を吸収し、それがデータ記憶媒体の寸法安定性に対して悪影響を及ぼし得る。しかしながら、改良した寸法安定性は、特に青色レーザーまたは青緑色レーザーの使用において重要である。
【0004】
特許文献1(US B 6,391,418)は寸法安定性(低収縮)を増加させるための添加剤としてビフェニル誘導体を含むデータ記憶媒体メディア用基材を開示する。
非特許文献1(M. Ueda, Mitsubishi Engineering Plastics Corp., Technical Digest of Joint ISOM/ODS 2002 Waikoloa Hawaii, 8.7.2002, 33-35頁)には、ビスフェノールAポリカーボネートへの少量のm−テルフェニルの添加について記載しており、それが吸水性の低下をもたらす。しかしながら、そのようなビフェニル誘導体は、それらがより高い共役芳香族性π−システムであり、それらが既に青または青緑色のスペクトル領域において吸収するという欠点を有する。これは、この波長領域で作用する貯蔵技術の場合には望ましくない。さらにテルフェニルは、比較的剛性の分子であり、そのことがポリカーボネートとの混合物において機械的性質上に悪影響を与える。
【0005】
また、この内容に関連するものは:(i)分岐状ポリホルマールおよびコポリホルマール、それらの調製および使用(特許文献2(ドイツ特許出願DE10339357)(特許文献3(US 2005049389 A1)に対応する))および(ii)ポリカーボネートの吸水性を減少するための添加剤としての芳香族性ホルマール(formals)(特許文献4(ドイツ特許出願1033890)(特許文献5WO2005021629に対応する))および(iii)減少した吸水性を有するポリホルマールおよびコポリホルマール、それらの製造および使用(特許文献6(ドイツ特許出願10333928)(特許文献7(US2005020802)に対応する))、および(iv)ポリカーボネート上への共押出保護レイヤーとして、ポリホルマール(特許文献8(ドイツ特許出願10333927)(特許文献9(US2005031855)に対応する)の開示がある。したがって、先行技術に記述された可能性はあらゆる点で満足な結果を与えない。しかしながら、先行技術には、ポリホルマールが、吸水性を減少するためのブレンドパートナーとして適切であり得るとの示唆がない。
【0006】
【特許文献1】US B 6,391,418
【特許文献2】ドイツ特許出願DE10339357
【特許文献3】US 2005049389 A1
【特許文献4】ドイツ特許出願1033890
【特許文献5】WO2005021629
【特許文献6】ドイツ特許出願10333928
【特許文献7】US2005020802
【特許文献8】ドイツ特許出願10333927
【特許文献9】US2005031855
【非特許文献1】M. Ueda, Mitsubishi Engineering Plastics Corp., Technical Digest of Joint ISOM/ODS 2002 Waikoloa Hawaii, 8.7.2002, 33-35頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、目的は減少した吸水性を有し、かつよりよい寸法安定性を示すポリカーボネートを含有する熱可塑性成形組成物を提供することであった。特に、より高い記憶容量および要すればより薄いディスク厚を有する新しいディスクフォーマット(例えば、ディジタルバーサイタルディスク(DVD類)は、CD類と比較してより高い熱安定性を要求する。成形品に処理する間の材料ダメージの発生、およびツールにおけるコーティングの形成は、より重大になる。
【0008】
この目的は驚くべきことに、本発明による成形組成物を用いて、データ貯蔵手段の改良された品質および射出成形または射出スタンプピング方法による材料の改良された加工性および低い吸水性、およびしたがって最終的に改良された寸法安定性によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
ポリカーボネートおよび少なくとも1つの(コ)ポリホルマールを含有する熱可塑性の成形組成物を開示する。低い吸収性を特徴として、組成物は特に成形品、特に光学データ記憶媒体(例えば、一度または繰り返し書き込みおよび消去可能なコンパクトディスク、ビデオディスク、ディジタルバーサイタルディスクおよび光学データ記憶媒体)を製造するのに好適である。
【発明の効果】
【0010】
(本発明の詳細な説明)
したがって、本発明は少なくとも1つのポリカーボネートおよび吸水性を減少させるためのブレンドパートナーとして少なくとも1つのポリホルマールを含有する熱可塑性成形組成物を提供する。したがって、これらのポリカーボネート/ポリホルマールブレンドは、データ記憶媒体の改良された寸法安定性をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によるブレンドパートナーとしてのポリホルマールは、繰り返しモノマーユニットとして一般式(I):
【0012】
【化1】

[式中、各Dは互いに独立して6〜40個、好ましくは6〜35個、特に6〜30個の炭素原子を有する芳香族基であって、前記基は要すればヘテロ原子を含み、および要すればC−C12アルキル、好ましくはC−C10アルキル、特に好ましくはC−Cアルキルおよび/またはハロゲン、好ましくはフッ素または塩素によって置換され、かつ要すれば脂肪族または脂環式基を含む。]
に基づく。
【0013】
式(I)におけるDは好ましくは式(1a):
【0014】
【化2】

[式中、RおよびRは互いに独立して水素、C−C18−アルキル、C−C18−アルコキシ、ハロゲン、例えば塩素または臭素を示し、要すればいずれの場合もアリールまたはアラルキル、好ましくは水素、C−C12−アルキル、特に好ましくは水素またはC−C−アルキルおよび非常に特に好ましくは水素またはメチルで置換されてもよく、Xは単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンであり、それらはC−C−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルで置換されていてもよく、またXは要すればさらにヘテロ原子を含む芳香族環で縮合してもよいC〜C12−アリーレンを示す。]
の基を示す。
【0015】
Xは好ましくは単結合、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデン、C〜C−シクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO−または式(1b):
【0016】
【化3】

[式中、RおよびRは各Xと独立して、かつそれぞれ互いに独立して水素、C〜C−アルキル、好ましくはハロゲン、メチルまたはエチル、およびXは炭素を示し、かつmは4〜7、好ましくは4または5の整数を示し、ただし少なくとも1つのX原子上でRおよびRは同時にアルキルである。]
を示す。
【0017】
Dは、好ましくは次のジフェノール:4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン(ビスフェノールM)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンから誘導される。
【0018】
Dは、特に好ましくは次のジフェノール:2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサンおよび1、1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)から誘導される。
【0019】
Dは、非常に特に好ましくは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン(ビスフェノールM)および1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)から誘導される。
【0020】
Dは、非常に特に好ましくは式(1c)および/または(1d)および/または(1e):
【0021】
【化4】

を示す。
特別に好ましくは、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)および1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0022】
ジフェノールは、単独または互いに混合で用いられてもよい:したがって、本発明の範囲内でポリホルマールはホモ−およびコ−ポリホルマールの両方、並びに環状ホモ−およびコ−オリゴホルマールであると理解される。コポリホルマールは、一般的に式(1)から選択された少なくとも1つのさらなるジフェノール(使用したジフェノールの総モル量に基づいて)少なくとも50モル%以下、好ましくは45モル%以下、特に好ましくは40モル%以下、特別に30モル%以下を含む。ジフェノールは文献公知または文献公知の方法で調製される(例えば、H.J. Buschら著、「Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry」、VCH、ニューヨーク1991年、5th Ed., 第19巻、348頁参照)。
【0023】
本発明によるポリホルマールは、分子量(重量平均)600〜1,000,000g/モル、好ましくは600〜500,000g/モル、特に好ましくは1000〜250,000g/モル、特別に10,000〜80,000g/モルを有し、分子量は、ジフェノールユニットとしてビスフェノールAを有するポリカーボネートに対して検量したゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定された。
【0024】
ポリホルマールの調製はDE 10333928Aに開示される。ポリホルマールは、塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム存在下で、塩化メチレンまたはα、α−ジクロロトルエンと好適な高沸点溶媒中(例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルカプロラクタム(NMC)、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンまたはテトラヒドロフラン(THF))との均一溶液中でジフェノールおよび連鎖停止剤を30〜160℃の温度で反応させることにより調製され得る。好ましい高沸点溶媒は、NMP、DMF、DMSOおよびNMC、特に好ましくはNMP、NMC、DMSOおよび非常に特に好ましくはNMPおよびNMCである。その反応はまた数段階で行なわれ得る。必要な環状不純物の分離は有機相が中性になるまで洗浄した後に、環式化合物を溶解する溶媒、例えばアセトンで粗生成物の分別ニーディング中または沈殿法によって行われ得る。環状不純物は、それによって溶媒にほとんど完全に溶解し、一部において溶媒を混練および交換することによりほとんど完全に分離され得る。例えばポリホルマール量約6kgに、例えばアセトン約10リットルを5つに分けた量で添加して使用することにより、環式化合物含量が混練後に著しく1%以下を達成することが可能である。
【0025】
環状ポリホルマールはまた、所望のポリマーのための非溶媒および望ましくない環式化合物用の溶媒の作用をする好適な溶媒における沈殿法によって分離され得る。そのような溶媒は、好ましくはアルコールまたはケトンである。
【0026】
第2反応物は、例えばメチレンクロリドまたはアルファ、アルファ−ジクロロトルエンである。
【0027】
反応温度は30℃〜160℃、好ましくは40℃〜100℃、特に好ましくは50℃〜80℃および非常に特に好ましくは60℃〜80℃である。
【0028】
本発明による組成物は、ポリホルマールを、一般的にポリカーボネートとポリホルマールの組成物に基づいて0.1〜30重量%、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは2〜30重量%、非常に特に好ましくは5〜30重量%の量で含む。
【0029】
下記パラメーター、化合物、定義および説明で好ましくは、特に好ましくはまたは非常に特に好ましくは使用される態様は好ましく、特に好ましくまたは非常に特に好ましい。
【0030】
しかしながら、記載または好ましい範囲内で一般的に述べられた定義、パラメーター、化合物および説明はまた、所望のものとして互いに、即ち特定の範囲と好ましい範囲間で組み合わせてもよい。
【0031】
本発明は、光学データ記憶媒体、例えば一度または繰り返し書き込みおよび消去可能なコンパクトディスク、ビデオディスク、ディジタルバーサイタルディスクおよびさらに光学データ記憶媒体、並びに発明的ポリマー混合物から製造され得る光学データ記憶媒体自体の製造におけるそのような成形組成物の使用にさらに関する。
【0032】
本発明による組成物はまた、より高分子量を有するポリカーボネートを必要とする用途を含む他の従来のポリカーボネート用途に用いられてもよい。その用途は透明または不透明であってもよく、例えば:食物および飲料パッケージング、光学レンズおよびプリズム、イルミネーション目的用のレンズ、車両ヘッドランプレンズ、建築用自動車用のつや出し、その他の種類、例えば温室(いわゆる一対の壁シート(twin-wall sheets)または中空室シート(hollow-chamber sheets))用のつや出し。他の用途の例は、プロファイル、フィルム、いずれかの種類のケーシング部分、例えば医療機器用、家電製品、例えばジューサー、コーヒーマシン、ミキサー;事務機器用、例えばコンピューター、モニター、プリンター、複写機;プレート、チューブ、電動設備用の導管、窓、ドアおよび建設部門用のプロファイル、内部の取り付け器具および外部用途用;例えばスイッチとソケット用の電気工学分野において使用される。本発明による成形品はまた、内部の取り付け器具および鉄道車両、船、航空機、バスおよび他の自動車用部品、並びに自動車用の車体修理部品に用いられてもよい。
【0033】
本発明の範囲内の熱可塑性成形組成物は、主に芳香族ポリカーボネートを含んでいる。ポリカーボネートはホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートの両方であると理解される。ポリカーボネートは既知の方法で線状または分岐状にされ得る。それらはゲル透過クロマトグラフィー(ジフェノールユニットとしてビスフェノールAを有するポリカーボネートに対して検量された)によって決定された重量平均分子量5000〜80,000、好ましくは10,000〜40,000を有する。分子量は特に好ましくは15,000〜35,000、特に15,000〜22,000である。
【0034】
そのようなポリカーボネートの調製はジフェノール、カルボン酸誘導体、要すれば連鎖停止剤および要すれば分岐剤から既知の方法で行われる。
【0035】
ポリカーボネートの調製は一般的に知られており、例えばSchnell著、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」Polymer Reviews、第9巻、Interscience Publishers、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年、D. Freitag、U. Grigo、P.R. Mueller、H. Nouvertne'、BAYER AG、「Polycarbonates」in Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第11巻、第二版、1988年、648-718頁およびDres. U. Grigo、K. KirchnerおよびP.R. Mueller、「Polycarbonate」in Becker/Braun、Kunststoff-Handbuch、第3/1巻、Polycarbonate, Polyacetale, Polyester, Celluloseester、Carl Hanser Verlag Munich、ウイーン1992年、117-299頁が挙げられる。
【0036】
ポリカーボネート用のジフェノールユニットとして前記式(1)に記載したジフェノールが一般的に好適である。
【0037】
ポリカーボネートの調製に好適な芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えばヒドロキノン、レゾルシノ−ル、ジヒドロキシジフェニル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)−シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(ヒドロキシフェニル)エ−テル、ビス−(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α,α’−ビス−(ヒドロキシフェニル)−ジイソプロピルベンゼンおよびそれらの環上でアルキル化およびハロゲン化した化合物が挙げられる。
【0038】
好ましいジフェノ−ルは4および4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,4−ビス−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよび1,3−ビス−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼンが挙げられる。
【0039】
特に好ましいジフェノ−ルは、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(BPA)、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、1,3−ビス−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(BPM)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサンおよび1、1−−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(TMC)が挙げられる。
【0040】
これらのおよびさらに好適なジフェノールは、例えばUS 2970131、2991273、2999835、2999846、3028365、3062781、3148172、3271367、3275601、4982014、ドイツ特許出願公開1570703、2063050、2036052、2211956、3832396、フランス特許明細書1561518)およびH. Schnell著、「Chemistry and Physics of Polycarbonates」、interscience Publishers、ニューヨーク1964年、28頁以下およびJP-A 62039/1986、62040/1986および105550/1986(この記載をここに挿入する)に記載されている。
【0041】
ジフェノールは、単独または互いに混合で用いられ得る。したがって、本発明の範囲内でポリカーボネートはホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートの両方であると理解され得る。コポリカーボネートは一般的に、式4または5から選択された少なくとも1つのさらなるジフェノール(使用したジフェノールの総量に基づいて)少なくとも50モル%以下、好ましくは45モル%以下、特に好ましくは40モル%以下、特別に30モル%以下を含有する。ジフェノールは文献公知または文献公知の方法にしたがって調製され得る(例えば、H.J.Buyschら、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, VCH、ニューヨーク1991年、第5版、第19巻、348頁。
【0042】
特に好ましくは、ジフェノールユニットとしてビスフェノールA(BPA)および/またはトリメチルシクロヘキシルビスフェノール(TMC)を含むポリカーボネートに与えられる。非常に特に好ましくは、BPAのホモポリカーボネート、またはBPAおよびTMC(好ましくはジフェノールに基づいてTMC5〜60の重量%)のコポリカーボネートに与えられる。
【0043】
好適なカルボン酸誘導体は、例えばホスゲンまたはジフェニルカーボネートである。
【0044】
好適な連鎖停止剤はモノフェノールおよびモノカルボン酸の両方である。好適なモノフェノールは、フェノール自体、アルキルフェノール、例えばクレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−n−オクチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−n−ノニルフェノールおよびp−イソノニルフェノール、p−クミルフェノール、ハロフェノール、例えばp−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−ブロモフェノール、アミルフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノールおよびそれらの混合物である。
【0045】
好ましい連鎖停止剤は式(I):
【0046】
【化5】

[式中、Rは水素、tert−ブチルまたは分岐状または非分岐状C−および/またはC−アルキル基である。]
で表されるフェノールである。しかしながら、p−クミルフェノールもまた好ましくは使用される。エステル交換プロセスの場合において、連鎖停止剤は使用したジアリールカーボネートからもたらされる。
【0047】
界面プロセスにおいて使用される連鎖停止剤の量は好ましくは、使用したジフェノールのモルに基づいて0.1モル%〜5モル%である。連鎖停止剤はホスゲン化の前、間または後に添加され得る。
【0048】
好適な分岐剤は、ポリカーボネート化学で既知の3以上の官能性、特に3以上のフェノール性OH基を有する化合物である。
【0049】
好適な分岐剤は、例えばフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4、6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス−[4,4−(ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノ−ル、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノ−ル、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)、プロパン、ヘキサ−(4−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェニル)−オルトテレフタル酸エステル、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、テトラ−(4−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノキシ)−メタンおよび1,4−ビス−(4’,4”−ジヒドロキシ−トリフェニル)−メチル)−ベンゼン、並びに2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌルおよびいくつかの用途のために好ましくは3,3−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2、3−ジヒドロインドールが挙げられる。
【0050】
要すれば利用されるべき分岐剤の量は、特定の場合において使用されるジフェノールの量に再度基づいて0.01モル%〜2モル%である。
【0051】
界面プロセスにおいて分岐剤は、水性アルカリ相中にジフェノ−ルおよび連鎖停止剤とともに反応容器に入れられるか、または有機溶媒における溶液の形状において添加されてもよい。エステル交換プロセスの場合において、分岐剤はジフェノ−ルとともに用いられてもよい。
【0052】
熱可塑性ポリカーボネートの調製のためのこれらすべての手段は、当業者に知られている。
【0053】
本発明による組成物はまた、ポリカーボネートに常套の添加剤、例えば好ましくは紫外線に対する安定剤、難燃剤、着色剤、フィラー、発泡剤、蛍光増白剤および静電防止剤を既知の量で含んでもよい。光学用途において、材料の透明性を損なわない成分が好ましく使用される。
【0054】
これらの物質は多くの文献、例えば「プラスチックハンドブック用添加剤」、John Murphy、1999年にみられ、かつ市販されている。
【0055】
1.好適な酸化防止剤、例えば:
1.1.アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−メチルフェノール、ノニルフェノール、側鎖において直鎖状または分岐状であるノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシル−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシル−1’−イル)フェノールが挙げられる。
【0056】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノールが挙げられる。
【0057】
1.3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロオキサニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロオキサニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペートが挙げられる。
【0058】
1,4.トコフェノール、例えばα−トコフェノール、β−トコフェノール、γ−トコフェノール、δ−トコフェノールおよびそれら混合物(ビタミンE)が挙げられる。
【0059】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチル−フェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メトキシフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec.−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドが挙げられる。
【0060】
1.6.アルキリデンビスフェノ−ル、例えば2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノ−ル]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2、2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチル・フェノ−ル)、2、2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノ−ル]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルペンチル)ブタン、1、1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコ−ルビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタンが挙げられる。
【0061】
1.7.O−、N−およびS−ベンジル化合物、例えば3,5,3’5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートが挙げられる。
【0062】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)マロネートが挙げられる。
【0063】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノ−ルが挙げられる。
【0064】
1.10.トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートが挙げられる。
【0065】
1.11.アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシラウラニリド(hydroxylauranilide)、4−ヒドロキシテアラニリド(hydroxytearanilide)、オクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート(carbamate)。
【0066】
1.12.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の下記の一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられ、オクタデカノールとのエステル(Ciba SpecからのIRGANOX 1076(登録商標))は特に好適および好ましい。
【0067】
1.13.β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【0068】
1.14.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【0069】
1.15.3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の以下の一価または多価アルコールとのエステル、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【0070】
1.16.β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(UniroyalからのNaugard(登録商標)XL−1)が挙げられる。
【0071】
1.17.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0072】
1.18.アミン−タイプ酸化防止剤、例えばN、N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシ−ジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド(biguanide)、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−およびジ−アルキル化tert−ブチル−/tert−オクチル−ジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジ−アルキル化ノニルジフェニラミンの混合物、モノ−およびジ−アルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジ−アルキル化イソプロピル−/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−およびジ−アルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−およびジ−アルキル化tert−ブチル−/tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、モノ−およびジ−アルキル化tert−オクチルフェノチアジン、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イルヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オールが挙げられる。そのような化合物は、各々または混合物の形状で用いられ得る。
【0073】
1.19.好適なチオ相乗剤(thiosynergist)は、例えばジラウリルチオジプロピオネートおよび/またはジステアリルチオジプロピオネートが挙げられる。
【0074】
2.UV吸収剤および光安定剤は、本発明による組成物中で組成物の重量に基づいて0.1〜15重量%、好ましくは3〜8重量%の量で使用され得る。好適なUV吸収剤および光安定剤は、例えば:
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];ポリエチレングリコール300との2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールのエステル交換生成物;[R−CHCH−COOCHCH、(式中、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル)、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0075】
2.2.2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン、例えば4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクトキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体が挙げられる。
【0076】
2.3.置換および非置換安息香酸のエステル、例えば4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートが挙げられる。
【0077】
2.4.アクリレート、例えばエチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−シアノメトキシシナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンが挙げられる。
【0078】
2.5.ニッケル化合物、例えば2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル−フェノール]と別の配位子、例えばn−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシル−ジエタノールアミンとのあるいはそれらを有さないニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体;ニッケルジブチルジチオカルバメート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸のモノアルキルエステル、例えばメチルまたはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールと他の配位子とのまたはそれを有さないニッケル錯体が挙げられる。
【0079】
2.6.立体障害アミン、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖状または環状縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合混合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合混合物(CAS番号[136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4.5]−デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス(ホルミル)−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンと無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーとの反応生成物が挙げられる。
【0080】
2.7.オキサミド、例えば4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド(butoxanilide)、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド(ethoxanilide)および2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0081】
2.8.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
【0082】
そのような化合物は、単独または混合物の形態で使用され得る。
【0083】
3.好適な金属不活性化剤は、例えばN,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド[bis(benzylidene)oxalyl dihydrazide]、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドが挙げられる。そのような化合物は、単独または混合物の形態で使用され得る。
【0084】
4.好適な過酸化物キャッチャー(catchers)は、例えばβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール、または2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(ドデシルメルカプト)プロピオネートが挙げられる。そのような化合物は、単独または混合物の形態で使用され得る。
【0085】
5.塩基性共−安定剤は、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアノジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレートおよびカリウムパルミテート、アンチモニーピロカテコレートまたは亜鉛ピロカテコレートが挙げられる。そのような化合物は、単独または混合物の形態で使用され得る。
【0086】
6.好適な核剤は、例えば無機材料、例えばタルク、金属酸化物、例えば二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、ホスフェート、カルボネートまたはスルフェート、好ましくはアルカリ土類金属の酸化物等;有機化合物、例えばモノ−またはポリ−カルボン酸およびそれらの塩、例えば4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸およびジフェニル酢酸、ナトリウムスクシネートまたはナトリウムベンゾエート;ポリマー性化合物、例えばイオン性コポリマー(イオノマー(ionomer))が挙げられる。特に好ましくは、1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトールおよび1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールが挙げられる。そのような化合物は、単独または混合物の形態で使用され得る。
【0087】
7.好適なフィラーおよび強化剤、例えばカルシウムカルボネート、シリケート、ガラスファイバー、ガラススフィア(spheres)、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、バリウムスルフェート、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、ウォレストナイト、木粉およびその他の天然生成物の粉または繊維、合成繊維が挙げられる。そのような化合物は、単独または混合物の形態で使用され得る。
【0088】
8.その他の好適な添加剤は、例えば可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、粘度変性剤、触媒、流動剤、光沢剤、難燃剤、静電防止剤および発泡剤が挙げられる。
【0089】
9.好適なベンゾフラノンおよびインドリノンは、例えばU.S. 4,325,863;U.S. 4,338,244;U.S. 5,175,312;U.S. 5,216,052;U.S. 5,252,643;DE-A-4316611;DE-A-4316622;DE-A-4316876;EP-A-0589839またはEP-A-0591102に記載されていないものまたは3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、ラクトン酸化防止剤、例えば:
【0090】
【化6】

そのような化合物は、例えば酸化防止剤として作用する。そのような化合物は、単独または混合物中で使用され得る。
【0091】
10.好適な熱可塑性剤は、「Plastics Additives Handbook」、eds. R. Gaechter and H. Mueller、Hanser Verlag、第3版、1990年、775-789頁に列挙されるものである。
【0092】
11.好適な難燃性添加剤は、ホスフェートエステル、即ちトリフェニルホスフェート、レゾルシノールジリン酸エステル、臭素含有化合物、例えば臭素化リン酸エステル、臭素化オリゴカーボネートおよびポリカーボネート、並びに塩、例えばCSONaが挙げられる。
【0093】
12.衝撃抵抗度を与える好適な薬剤は、その上でグラフト化したスチレンアクリロニトリルまたはメチルメタクリレートを有するブタジエンゴム、その上でグラフト化した無水マレイン酸を有するエチレンプロピレンゴム、その上でグラフト化したメチルメタクリレートまたはスチレンアクリロニトリルを有するエチル−およびブチル−アクリレートゴム、その上でグラフト化したメチルメタクリレートまたはスチレンアクリロニトリルを有する相互貫入するシロキサンおよびアクリレートネットワ−クが挙げられる。
【0094】
13.好適なポリマーは、SAN、ABS、PMMA、PTFE、PSU、PPS、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−プロピレンゴム、エポキシ樹脂、ポリエステル、例えばPBT、PET、PCT、PCTGおよびPETG、並びに界面プロセスによって製造された他のポリカーボネートである。
【0095】
14.好適な静電防止剤は、スルホネート塩、例えばC1225SO3−またはC17SO3−のテトラエチルアンモニウム塩である。
【0096】
15.好適な着色剤は、顔料、並びに有機および無機着色剤である。
【0097】
16.エポキシ基を含有する化合物、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカーボネート、グリシジルメタクリレートとエポキシシランのコポリマーである。
【0098】
17.無水物基を含有する化合物、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、安息香酸および無水フタル酸である。
【0099】
18.安定剤として好適なホスフィットおよびホスホナイト(phosphonites)は、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチルジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’2”−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィランが挙げられる。そのような化合物は、単独または混合物の形状で使用され得る。
【0100】
特に好ましくは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(Irgafos(登録商標)168、Ciba-Geigy)またはトリフェニルホスフィンである。
【0101】
グループ16および17の化合物は、溶融安定剤として作用する。それらは単独または混合物の形状で使用され得る。
【0102】
離型剤として好ましくは、モノ−または多価アルコールと長鎖カルボンとのエステル、例えばLoxiol G32またはLoxiol G33が使用される。好ましくは、完全にはエステル化されておらず、したがってフリーOH基を含む離型剤である。特に好ましくはグリセロ−ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたは同様の多価アルコール、特にグリセロールモノステアレート(GMS)およびグリセロールモノパルミテートと炭素原子16〜22個を有する飽和1価脂肪酸との(部分)エステルである。ペンタエリトリトールテトラステアレート(PETS)もまた好ましい。
【0103】
そのようなグリセロールの飽和1価脂肪酸エステルは、それら自体または2以上の成分を有する混合物の形状で使用される。グリセロールの飽和モノエステルは、水素化した動物性または植物油のグリセロールとのエステル交換反応によって通常調製される。反応生成物はグリセロ−ルエステル以外のエステルを含み得るが、それは離型剤として使用される。例えば、その混合物は少量またはより大量のジグリセリドおよびトリグリセリドを含み得る。
【0104】
CDおよび他の光記憶装置メディア(DVDなど)の製造における離型剤の最適量は、一方では適切な離型作用によって、および他方ではツ−ル上のコ−ティング形成によって決定される。通常使用される濃度は、離型剤50〜1000ppm、より有利には100〜500ppmである。ポリカーボネートの別の用途については、濃度は100〜10,000ppm、好ましくは2000〜7000ppmである。
【0105】
熱安定剤として、限定を意図しない、1分子中に芳香族および脂肪族基の両方を所有する特定のホスフィットが用いられる。
それらは次の構造:
【0106】
【化7】

[式中、nは整数値0〜5、好ましくは1〜3および非常に特に好ましくは3であり、各Yは互いに独立してアルキルまたは要すれば置換されたアリール、好ましくはC〜C−アルキル、特に好ましくはメチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルであり、
mは整数値1〜3を示し、各Xは互いに独立して、要すれば置換されたメチレン基であり、その場合少なくとも1つのメチレン基は完全に置換されなくてはならず、置換基は互いに独立してC〜C20−アルキル基から選択されるか、代わりに完全に置換されたメチレン基上の2つの置換基はともに基:
【0107】
【化8】

(式中、Rは基C〜C18−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、C〜C30−アルカリールおよびアリールの群から選択され、その場合これらの基は1〜4 O−アルキレン−Oおよび/またはカルボン酸エステルCOOラジカル;ヒドロキシル基2〜10個を有するC〜C18−ポリヒドロキシアルキル;フェノール性OH基2−10個を有するC12〜C18−ポリフェニル基によって置換されてもよい。)
を表す。]
で表される化合物である。
【0108】
好ましくは式:
【0109】
【化9】

[式中、RはC〜C−アルキルを示し、Rはメチルまたはエチルを示し、かつRは基C〜C18−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、C〜C30−アルカリールおよびアリールから選択され、この場合これらの基は1〜4 O−アルキレン−Oおよび/またはカルボン酸エステルCOOラジカル;ヒドロキシル基2〜10個を有するC〜C18−ポリヒドロキシアルキル;フェノール性OH基2−10個を有するC12〜C18−ポリフェニル基によって置換されてもよい。]
の化合物が与えられる。
【0110】
また好ましくは式:
【0111】
【化10】

[式中、Yおよびnは前記と同意義であり、および各Rは互いに独立して基水素およびC−C20−アルキル、好ましくはアルキルを示す少なくとも1つのRから選択され、各Rは互いに独立してC−C10−アルキルである。]
の化合物が与えられる。
【0112】
特に好ましくは式:
【0113】
【化11】

[式中、RおよびRはメチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを示す。]
の化合物が与えられる。
【0114】
さらに特に好ましくは、EP A 10038876の16頁に定義された化合物および同特許出願明細書の21頁に記載の例も与えられる。
【0115】
非常に特に好ましくは式:
【0116】
【化12】

で表される(2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール)−(2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジイル)−ホスフィットが与えられる。ホスフィットは、単独または他のリン化合物と組合せて用いられてもよく、他のリン化合物はまたリンの異なる酸化数を有するものであり得る。したがって、例えば本発明によるホスフィットと他のホスフィット、ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン、ホスフォナイト、ホスフェート、ホスフォネート等との組合せが使用され得る。
【0117】
使用されるホスフィットは、一般的に既知であるか、既知のホスフィットと同様に調製されてもよく、(2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール)−(2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジイル)−ホスフィットが例えばEP-A 702018およびEP 635514に開示されている。
【0118】
本発明によるポリマー混合物は、一般的にリン化合物10〜5000ppm、好ましくは10〜1000ppm、特に好ましくは20〜500ppm、非常に特に好ましくは50〜250ppm含有する。
【0119】
熱可塑性組成物への離型剤、リン化合物および本発明によるホルマールの添加は、例えばおよび好ましくは調製後、ポリカーボネートのワークアップの間にそれらを秤量添加、例えばポリカーボネート−ポリマー溶液、または熱可塑性成形組成物の溶解へ添加することによって行われる。また、互いに独立して異なるワークステップで成分を秤量添加すること、例えばポリマー溶液のワークアップの間の1種の成分を秤量添加し、溶融中の別成分を秤量添加することが可能であるが、ただし、全ての成分が、最終生成物(成形品)の製造時に存在することは確保される。
【0120】
CD、DVDおよび光学記憶媒体の分野における用途について、当業者は勿論前記添加剤、透明性を損なわない添加剤から選択する。
【0121】
非常に特に好適な添加剤は、前記IRGANOX 1076(登録商標)および、前記グループ2.1のベンゾトリアゾール(いわゆるTinuvins)、特に互いの混合物、並びにトリフェニルホスフィン(TPP)である。
【0122】
本発明による成形組成物は、成形品、好ましくは光学データ、特にCDおよびDVDの製造および光学メディア(それらは1度または繰り返し書き込みおよび消去可能である)の製造におけるポリカーボネートについて既知の方法で使用され得る。その書き込み可能なレイヤーは特に着色または金属レイヤーからなっており、後者は記録原理として、アモルファスから結晶構造へ変化するか、磁気特性を有する変化を使用する。
【0123】
得られる光学記憶媒体は、特に本発明による完成した成形組成物、それは例えば粒子状で得られるものから好ましくは製造される。しかしながら、光学記憶媒体はポリカーボネートからの成形品の製造においてポリカーボネートおよび/または添加物へ成分を導入することによっても製造される、
【0124】
したがって、本発明はさらに本発明にかかる熱可塑性成形組成物から得られ得る、成形品、例えば特に光学のデ−タ記憶媒体、要すればコンパクトディスクおよびDVDを提供する。
【0125】
本発明による熱可塑性成形組成物は、それらがより低い吸水性、したがって改良された寸法安定性を有するという利点を有する。それらはより低い溶解粘度を有するので、改善された流動特性によっても特徴づけられる。
【0126】
以下の実施例は、本発明を説明することを目的とする。本発明はその実施例に限定されない。
【実施例】
【0127】
実施例A
ビスフェノールTMCおよびビスフェノールAからのコポリホルマールの合成
【0128】
【化13】

【0129】
メチレンクロリド500ml中ビスフェノールTMC(x=70モル%)5.432kg(17.5モル)、ビスフェノールA(y=30モル%)1.712kg(7.5モル)、ナトリウムヒドロキシド片2.5kg(62.5モル)および微粉砕p−tert−ブチルフェノール(Aldrich)56.33g(0.375モル)を、撹拌および窒素保護ガス下で、メチレンクロリド28.7kgとN−メチル−2−ピロリドン(NMP)40.18kgの混合溶媒28.7kgに添加した。均一化後、混合物を加熱還流(78℃)してその温度で1時間撹拌した。25℃まで冷却後、反応バッチをメチレンクロリド35リットルと脱塩水20リットルで希釈した。分離器中で、バッチを中性および塩フリー(伝導率<15μScm−1)になるまで水で洗浄した。分離器からの有機相を分離し、蒸発容器中で溶媒メチレンクロリドをクロロベンゼンと交換した。次いで材料の押出しを280℃の温度でZSK32蒸発押出機を用いて行い、次いで粒状化を行った。予備的材料(preliminary material)の処理後に、透明粒子の形態でコポリホルマール5.14kgが得られた。これらはまだ低分子量の環状化合物を不純物として含有する。材料はアセトン約5リットルを用いて一晩膨潤された。得られた組成物を、環状化合物がMaldi−Tof法によってそれ以上検出されなくなるまで、新鮮なアセトンのいくつかの部分で混合(kneaded)する。精製した材料をクロロベンゼン中で溶解し、再度蒸発押出機で270℃で押出した。予備的材料を廃棄後、ポリホルマール3.11kgが透明性粒子の形状で得られる。
【0130】
分析:
GPC(ポリカーボネートに対して検量)分子量Mw=39,901,Mw=19,538,D=2.04
ガラス転移温度Tg=148℃
メチレンクロリドZ(0.5g/100ml溶液)における対応する溶液粘度=1.246
CDCl中のH=NMRは、導入比x/yを示す。
【0131】
実施例B:
ポリカーボネートとポリホルマールの化合物
表1に列挙した化合物は以下のように調製されている:
実施例Aからのポリカーボネート(CD2005、Bayer MaterialScience AGからのBPAポリカーボネート、MVR60ml/10分)およびポリホルマールは、表1に示す量で計量し、メチレンクロリド約100mlに溶解させた。次いで、そのように得られた均一溶液を、真空ドライキャビネット中で80℃で一晩蒸発することによって濃縮乾燥し、残渣を粉砕する。固形分をDSMミニ射出成形機中250℃の温度および滞留時間3分でコンパウンドした。
【0132】
得られた生成物の吸水性を、相対湿度95%および貯蔵温度30℃で湿った環境における貯蔵後に決定する。7〜14日貯蔵後に得られた値を表1に示す。
【0133】
表1
【0134】
【表1】

【0135】
実施例2〜4の本発明による化合物は、比較例1による純粋なポリカーボネートより著しく低い吸水性を有していることが理解される。
【0136】
本発明を例示目的のために前述のように詳細に記載したが、前記のような詳細は単にその目的のためであって、請求の範囲によって限定されうることを除いて、発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって変更を行うことができると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネートおよびポリホルマールを含有する熱可塑性成形組成物であって、該ポリホルマールが式(I):
【化1】

[式中、Dは6〜40個の炭素原子を有する芳香族基を示し、該基は要すればヘテロ原子を含み、要すればC〜C12−アルキル、好ましくはC〜C10−アルキル、特に好ましくはC〜C−アルキルおよび/またはハロゲン、好ましくはフッ素または塩素によって置換され、およびさらに要すれば脂肪族または脂環族基を含む。]
で表される繰り返し構造ユニットを含む熱可塑性成形組成物。
【請求項2】
該芳香族基が、1以上の縮合芳香族核を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該芳香族基が、ヘテロ原子を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
該芳香族基が、C〜C12−アルキルおよびハロゲンからなる群から選択される少なくとも1つの要素で置換される、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
該芳香族基が、脂肪族または脂環族基、芳香族核またはヘテロ原子を架橋要素として含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
Dが式(1a):
【化2】

[式中、RおよびRは互いに独立して水素、C〜C18−アルキル、C〜C18−アルコキシ、ハロゲン、アリールまたはアラルキルであり、Xは単結合、−SO−、−CO−、−O−、−S−、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデン、またはC〜C12−アリーレンを示す。]
で表される、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
該アリールおよび/またはアラルキルが置換されている、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
該シクロアルキリデンがC〜C−アルキルによって置換されている、請求項6記載の組成物。
【請求項9】
該アリーレンがさらに少なくとも1つのヘテロ原子を含む芳香環で縮合される、請求項6記載の組成物。
【請求項10】
該Dが2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼンおよび1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンからなる群から選択される要素から誘導される、請求項6記載の組成物。
【請求項11】
離型剤をさらに含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
薬剤が、多価アルコールと長鎖カルボン酸とのエステルであり、該エステルは少なくとも1つの遊離OH基を含む、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
ポリカーボネートが重量平均分子量15,000〜35,000である、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
ポリホルマールが(ポリカーボネートとポリホルマールの総量に基づいて)0.1〜30%の量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
離型剤が、組成物の重量に対して0.01〜1.5%の量で存在する、請求項11記載の組成物。
【請求項16】
請求項1記載の組成物を含有する成形品。
【請求項17】
請求項1記載の組成物を含有する光学記憶媒体。

【公開番号】特開2006−137952(P2006−137952A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327186(P2005−327186)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】