吸着部材
【課題】地震等による転倒防止を図った吸着部材を提供する。
【解決手段】吸着部材Bは、本体10の下方に位置して、本体10を支持すると共に、上方に開口する開口部を有する凹形状の第1の支持部材1と、この第1の支持部材1の凹所内に取り付けられ、本体10の底面に当接する第1の吸着パッド3と、第1の支持部材1に接続され、第1の支持部材1を介して本体10を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の第2の支持部材2と、この第2の支持部材2の凹所内に取り付けられ、載置面20に当接する第2の吸着パッド4とを備えているものである。
【解決手段】吸着部材Bは、本体10の下方に位置して、本体10を支持すると共に、上方に開口する開口部を有する凹形状の第1の支持部材1と、この第1の支持部材1の凹所内に取り付けられ、本体10の底面に当接する第1の吸着パッド3と、第1の支持部材1に接続され、第1の支持部材1を介して本体10を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の第2の支持部材2と、この第2の支持部材2の凹所内に取り付けられ、載置面20に当接する第2の吸着パッド4とを備えているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着部材に係り、特に、地震等による転倒防止を図った吸着部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器等の本体の下部に滑り止め用のゴムを備えたものがあり、水平方向の揺れに対しては、滑り止め用のゴムの摩擦抵抗により本体の移動を阻止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、垂直方向の地震等の揺れに対しては、上記の滑り止め用のゴムでは、対応できず、本体が容易に転倒するという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたもので、地震等による転倒防止を図った吸着部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の吸着部材は、本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、上方に開口する開口部を有する凹形状の第1の支持部材と、この第1の支持部材の凹所内に取り付けられ、前記本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、前記第1の支持部材に接続され、前記第1の支持部材を介して前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の第2の支持部材と、この第2の支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する第2の吸着パッドとを備えているものである。
【0006】
また、請求項2記載の吸着部材は、請求項1記載の吸着部材において、第1の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の上に第1の吸着パッドが位置し、第2の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に第2の吸着パッドが位置しているものである。
【0007】
また、請求項3記載の吸着部材は、上方に開口し、本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、この第1の吸着パッドに接続され、下方に開口し、載置面に当接する第2の吸着パッドとを備えているものである。
【0008】
また、請求項4記載の吸着部材は、本体に接続(機械的に接続、吸着パッドにより接続の両方を含む)され、前記本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の支持部材と、この支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する吸着パッドとを備えているものである。
【0009】
また、請求項5記載の吸着部材は、請求項4記載の吸着部材において、支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に吸着パッドが位置しているものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の吸着部材によれば、本体と載置面との間に吸着部材が位置すると、本体の荷重により、第1の吸着パッド及び第2の吸着パッドの扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッドが本体の底面に、第2の吸着パッドが載置面に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体の転倒防止を図ることができる。
【0011】
また、請求項2記載の吸着部材によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、第1の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の上に第1の吸着パッドが位置し、第2の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に第2の吸着パッドが位置しているため、吸着パッドを傷つけないで、しかも、吸着パッド内の負圧状態を良好に保持することができる。
【0012】
また、請求項3記載の吸着部材によれば、本体と載置面との間に吸着部材が位置すると、本体の荷重により、第1の吸着パッド及び第2の吸着パッドの扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッドが本体の底面に、第2の吸着パッドが載置面に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体の転倒防止を図ることができる。
【0013】
また、請求項4記載の吸着部材によれば、本体の荷重により、吸着パッドの扁平状の変形が保持され、吸着パッドが載置面に、密着して吸着するため、地震等による本体の転倒防止を図ることができる。
【0014】
また、請求項5記載の吸着部材によれば、上述した請求項4記載の発明の効果に加え、支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に吸着パッドが位置しているため、吸着パッドを傷つけないで、しかも、吸着パッド内の負圧状態を良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【図2】図2は、図1の吸着部材を分解して示す概略的分解図である。
【図3】図3は、図1の吸着部材を本体に取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図4】図4は、図3の吸着部材を載置面に載置した状態の概略的断面図である。
【図5】図5は、図1の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【図6】図6は、図5の吸着部材を分解して示す概略的分解図である。
【図7】図7は、図5の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材を本体に取り付けた状態の概略的断面図である。
【図8】図8は、図7の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【図9】図9は、図8の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例の吸着部材を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に示すBは吸着部材で、吸着部材Bは、機器等の本体10と載置面20との間に位置すると共に、本体10と載置面20とにそれぞれ吸着して地震等による本体10の転倒防止を図るものである。
【0017】
図1に示す1は、取り付けられる本体10(図3参照)の下方に位置して、本体10を支持する第1の支持部材で、第1の支持部材1は、金属製で上方に開口する開口部1aを有する凹形状をなし、例えば、略椀形状をなしている。
2は、第1の支持部材1に接続され、第1の支持部材1を介して本体10を支持する第2の支持部材で、第2の支持部材2は、第1の支持部材1と同様、金属製で形成され、下方に開口する開口部2aを有する凹形状をなし、例えば、略椀形状をなしている。
【0018】
また、図1に示す3は、取り付けられる本体10の底面に当接する第1の吸着パッドで、第1の吸着パッド3は合成樹脂製で、第1の支持部材1の凹所1b内に取り付けられ、例えば、略円錐形状をなしている。
また、図1に示す4は、載置される載置面20に当接する第2の吸着パッドで、第2の吸着パッド4は、第1の吸着パッド3と同様、合成樹脂製で、第2の支持部材2の凹所2b内に取り付けられ、例えば、略円錐形状をなしている。
【0019】
また、図1に示すように、第1の支持部材1の外周縁部の部位に略平坦な面1a’が形成され、該平坦な面1a’の上に第1の吸着パッド3が位置し、第2の支持部材2の外周縁部の部位に略平坦な面2a’が形成され、該平坦な面2a’の下に第2の吸着パッド4が位置している。
【0020】
なお、第1の支持部材1と第2の支持部材2は、第1の取付部材5、第2の取付部材6、第3の取付部材7、第1の雄ネジ体8、第2の雄ネジ体9により取り付けられている。
第1の取付部材5の内面には、第1の雄ネジ体8に螺合する雌ねじ部5aが、第1の取付部材5の外面には、第2の取付部材6の雌ねじ部6aに螺合する雄ネジ部5bが、それぞれ設けられている。
また、第3の取付部材7の内面には、第2の雄ネジ体9に螺合する雌ねじ部7aが、第3の取付部材7の外面には、第2の取付部材6の雌ねじ部6aに螺合する雄ネジ部7bが、それぞれ設けられている。
そして、第1の吸着パッド3は、第1の雄ネジ体8、第1の取付部材5、第2の取付部材6により第1の取付部材1に取り付けられている。
また、第2の吸着パッド4は、第2の雄ネジ体9、第2の取付部材6、第3の取付部材7により第2の取付部材2に取り付けられている。
【0021】
従って、上述した吸着部材Bによれば、例えば、図3に示すように、本体10の裏面に吸着部材Bを複数(例えば、4個)吸着させ、載置面20に載置すると、つまり、図4に示すように、本体10と載置面20との間に吸着部材Bが位置し、本体10の荷重により、第1の吸着パッド3及び第2の吸着パッド4が扁平状の変形し、該扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッド3が本体10の底面に、第2の吸着パッド4が載置面20に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体10の転倒防止を図ることができる。
なお、特に、第1の支持部材1の外周縁部の部位に略平坦な面1a’が形成され、該平坦な面1a’の上に第1の吸着パッド3が位置し、第2の支持部材2の外周縁部の部位に略平坦な面2a’が形成され、該平坦な面2a’の下に第2の吸着パッド4が位置しているため、吸着パッド3、4を傷つけないで、しかも、吸着パッド3、4内の負圧状態を良好に保持することができる。
【0022】
上述した図1乃至図4記載の実施例においては、第1の取付部材5、第2の取付部材6、第3の取付部材7を用いたが、本願発明にあっては、これに限らず、図5及び図6記載の吸着部材Bであっても良い。
即ち、第1のネジ体8’の内面に第2の雄ネジ体9に螺合する雌ねじ部8’aを設けて、第1のネジ体8’と第2の雄ネジ体9を連結して、第1の吸着パッド3及び第2の吸着パッド4の取り付けと第1の支持部材1及び第2の支持部材2の連結を行うことができる。
【0023】
また、上述した図1乃至図6記載の実施例においては、吸着部材Bの本体10への接続は、第1の吸着パッド3による吸着により行ったが、本願発明にあっては、これに限らず、図7記載のように、吸着部材Bを本体10に機械的に接続して行うようにしても良い。
即ち、上述した図1乃至図6記載の実施例の第1の吸着パッド3を省略し、本体10に設けた穴10aに雄ネジ体9’を通し、通した雄ネジ体9’にナット11を螺合する。なお、支持部材2は、本体10の下方に位置して、本体10を支持すると共に、下方に開口する開口部2aを有する凹形状であり、吸着パッド4は上述の実施例と同様、載置面20に当接するものであり、支持部材2の凹所内に取り付けられている。
この実施例の吸着部材Bにあっても、上述の実施例と同様、支持部材2の外周縁部の部位に略平坦な面2a’が形成され、該平坦な面2a’の下に吸着パッド4が位置しているため、吸着パッド4を傷つけないで、しかも、吸着パッド4内の負圧状態を良好に保持することができる。
【0024】
また、上述した図1乃至図6記載の実施例においては、第1の支持部材1、第2の支持部材2を用いたが、図8に示すように省略しても良い。
かかる場合の吸着部材Bの第1の吸着パッド3は、上方に開口し、本体(図示しないが、図3記載の本体10、図4記載の本体10)の底面に当接する。第2の吸着パッド4は、第1の吸着パッド3に接続され、下方に開口し、載置面(図示しないが、図3記載の載置面20、図4記載の載置面20)に当接するものである。
この吸着部材Bにあっても、本体(図示せず)と載置面(図示せず)との間に吸着部材Bが位置すると、本体(図示せず)の荷重により、第1の吸着パッド3及び第2の吸着パッド4が扁平状の変形し、該扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッド3が本体(図示せず)の底面に、第2の吸着パッド4が載置面(図示せず)に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体(図示せず)の転倒防止を図ることができる。
【0025】
また、上述した図1乃至図4記載の吸着部材Bにおいては、本体10、載置面20に吸着した後、吸着を解除するには困難を伴うが、図9記載の吸着部材Bは、吸着の解除を容易とすることができる。
即ち、第2の取付部材6内での第1の取付部材5と第3の取付部材7との間に隙間cができるように、第1の取付部材5、第3の取付部材7、第1のネジ体8及び第2の雄ネジ体9の長さを調整する。更に、隙間cに、第1のネジ体8に設けた貫通孔8Aと、第2の雄ネジ体9に設けた貫通孔9Aと、第2の取付部材6に設けた横貫通孔6Aとをそれぞれ連通させ、横貫通孔6Aを塞ぐ蓋Fを設ける。そして、第1の吸着パッド3が本体10の底面に、第2の吸着パッド4が載置面20に、それぞれ密着して吸着させ、この状態を横貫通孔6Aに蓋Fで塞いで保持し、蓋Fを横貫通孔6Aから取り外すことにより、吸着の解除を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
B 吸着部材
1 第1の支持部材
2 第2の支持部材
3 第1の吸着パッド
4 第2の吸着パッド
10 本体
20 載置面
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着部材に係り、特に、地震等による転倒防止を図った吸着部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器等の本体の下部に滑り止め用のゴムを備えたものがあり、水平方向の揺れに対しては、滑り止め用のゴムの摩擦抵抗により本体の移動を阻止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、垂直方向の地震等の揺れに対しては、上記の滑り止め用のゴムでは、対応できず、本体が容易に転倒するという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたもので、地震等による転倒防止を図った吸着部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の吸着部材は、本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、上方に開口する開口部を有する凹形状の第1の支持部材と、この第1の支持部材の凹所内に取り付けられ、前記本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、前記第1の支持部材に接続され、前記第1の支持部材を介して前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の第2の支持部材と、この第2の支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する第2の吸着パッドとを備えているものである。
【0006】
また、請求項2記載の吸着部材は、請求項1記載の吸着部材において、第1の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の上に第1の吸着パッドが位置し、第2の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に第2の吸着パッドが位置しているものである。
【0007】
また、請求項3記載の吸着部材は、上方に開口し、本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、この第1の吸着パッドに接続され、下方に開口し、載置面に当接する第2の吸着パッドとを備えているものである。
【0008】
また、請求項4記載の吸着部材は、本体に接続(機械的に接続、吸着パッドにより接続の両方を含む)され、前記本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の支持部材と、この支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する吸着パッドとを備えているものである。
【0009】
また、請求項5記載の吸着部材は、請求項4記載の吸着部材において、支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に吸着パッドが位置しているものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の吸着部材によれば、本体と載置面との間に吸着部材が位置すると、本体の荷重により、第1の吸着パッド及び第2の吸着パッドの扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッドが本体の底面に、第2の吸着パッドが載置面に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体の転倒防止を図ることができる。
【0011】
また、請求項2記載の吸着部材によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、第1の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の上に第1の吸着パッドが位置し、第2の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に第2の吸着パッドが位置しているため、吸着パッドを傷つけないで、しかも、吸着パッド内の負圧状態を良好に保持することができる。
【0012】
また、請求項3記載の吸着部材によれば、本体と載置面との間に吸着部材が位置すると、本体の荷重により、第1の吸着パッド及び第2の吸着パッドの扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッドが本体の底面に、第2の吸着パッドが載置面に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体の転倒防止を図ることができる。
【0013】
また、請求項4記載の吸着部材によれば、本体の荷重により、吸着パッドの扁平状の変形が保持され、吸着パッドが載置面に、密着して吸着するため、地震等による本体の転倒防止を図ることができる。
【0014】
また、請求項5記載の吸着部材によれば、上述した請求項4記載の発明の効果に加え、支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に吸着パッドが位置しているため、吸着パッドを傷つけないで、しかも、吸着パッド内の負圧状態を良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【図2】図2は、図1の吸着部材を分解して示す概略的分解図である。
【図3】図3は、図1の吸着部材を本体に取り付けた状態の概略的斜視図である。
【図4】図4は、図3の吸着部材を載置面に載置した状態の概略的断面図である。
【図5】図5は、図1の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【図6】図6は、図5の吸着部材を分解して示す概略的分解図である。
【図7】図7は、図5の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材を本体に取り付けた状態の概略的断面図である。
【図8】図8は、図7の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【図9】図9は、図8の吸着部材と異なる他の実施例の吸着部材の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例の吸着部材を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に示すBは吸着部材で、吸着部材Bは、機器等の本体10と載置面20との間に位置すると共に、本体10と載置面20とにそれぞれ吸着して地震等による本体10の転倒防止を図るものである。
【0017】
図1に示す1は、取り付けられる本体10(図3参照)の下方に位置して、本体10を支持する第1の支持部材で、第1の支持部材1は、金属製で上方に開口する開口部1aを有する凹形状をなし、例えば、略椀形状をなしている。
2は、第1の支持部材1に接続され、第1の支持部材1を介して本体10を支持する第2の支持部材で、第2の支持部材2は、第1の支持部材1と同様、金属製で形成され、下方に開口する開口部2aを有する凹形状をなし、例えば、略椀形状をなしている。
【0018】
また、図1に示す3は、取り付けられる本体10の底面に当接する第1の吸着パッドで、第1の吸着パッド3は合成樹脂製で、第1の支持部材1の凹所1b内に取り付けられ、例えば、略円錐形状をなしている。
また、図1に示す4は、載置される載置面20に当接する第2の吸着パッドで、第2の吸着パッド4は、第1の吸着パッド3と同様、合成樹脂製で、第2の支持部材2の凹所2b内に取り付けられ、例えば、略円錐形状をなしている。
【0019】
また、図1に示すように、第1の支持部材1の外周縁部の部位に略平坦な面1a’が形成され、該平坦な面1a’の上に第1の吸着パッド3が位置し、第2の支持部材2の外周縁部の部位に略平坦な面2a’が形成され、該平坦な面2a’の下に第2の吸着パッド4が位置している。
【0020】
なお、第1の支持部材1と第2の支持部材2は、第1の取付部材5、第2の取付部材6、第3の取付部材7、第1の雄ネジ体8、第2の雄ネジ体9により取り付けられている。
第1の取付部材5の内面には、第1の雄ネジ体8に螺合する雌ねじ部5aが、第1の取付部材5の外面には、第2の取付部材6の雌ねじ部6aに螺合する雄ネジ部5bが、それぞれ設けられている。
また、第3の取付部材7の内面には、第2の雄ネジ体9に螺合する雌ねじ部7aが、第3の取付部材7の外面には、第2の取付部材6の雌ねじ部6aに螺合する雄ネジ部7bが、それぞれ設けられている。
そして、第1の吸着パッド3は、第1の雄ネジ体8、第1の取付部材5、第2の取付部材6により第1の取付部材1に取り付けられている。
また、第2の吸着パッド4は、第2の雄ネジ体9、第2の取付部材6、第3の取付部材7により第2の取付部材2に取り付けられている。
【0021】
従って、上述した吸着部材Bによれば、例えば、図3に示すように、本体10の裏面に吸着部材Bを複数(例えば、4個)吸着させ、載置面20に載置すると、つまり、図4に示すように、本体10と載置面20との間に吸着部材Bが位置し、本体10の荷重により、第1の吸着パッド3及び第2の吸着パッド4が扁平状の変形し、該扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッド3が本体10の底面に、第2の吸着パッド4が載置面20に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体10の転倒防止を図ることができる。
なお、特に、第1の支持部材1の外周縁部の部位に略平坦な面1a’が形成され、該平坦な面1a’の上に第1の吸着パッド3が位置し、第2の支持部材2の外周縁部の部位に略平坦な面2a’が形成され、該平坦な面2a’の下に第2の吸着パッド4が位置しているため、吸着パッド3、4を傷つけないで、しかも、吸着パッド3、4内の負圧状態を良好に保持することができる。
【0022】
上述した図1乃至図4記載の実施例においては、第1の取付部材5、第2の取付部材6、第3の取付部材7を用いたが、本願発明にあっては、これに限らず、図5及び図6記載の吸着部材Bであっても良い。
即ち、第1のネジ体8’の内面に第2の雄ネジ体9に螺合する雌ねじ部8’aを設けて、第1のネジ体8’と第2の雄ネジ体9を連結して、第1の吸着パッド3及び第2の吸着パッド4の取り付けと第1の支持部材1及び第2の支持部材2の連結を行うことができる。
【0023】
また、上述した図1乃至図6記載の実施例においては、吸着部材Bの本体10への接続は、第1の吸着パッド3による吸着により行ったが、本願発明にあっては、これに限らず、図7記載のように、吸着部材Bを本体10に機械的に接続して行うようにしても良い。
即ち、上述した図1乃至図6記載の実施例の第1の吸着パッド3を省略し、本体10に設けた穴10aに雄ネジ体9’を通し、通した雄ネジ体9’にナット11を螺合する。なお、支持部材2は、本体10の下方に位置して、本体10を支持すると共に、下方に開口する開口部2aを有する凹形状であり、吸着パッド4は上述の実施例と同様、載置面20に当接するものであり、支持部材2の凹所内に取り付けられている。
この実施例の吸着部材Bにあっても、上述の実施例と同様、支持部材2の外周縁部の部位に略平坦な面2a’が形成され、該平坦な面2a’の下に吸着パッド4が位置しているため、吸着パッド4を傷つけないで、しかも、吸着パッド4内の負圧状態を良好に保持することができる。
【0024】
また、上述した図1乃至図6記載の実施例においては、第1の支持部材1、第2の支持部材2を用いたが、図8に示すように省略しても良い。
かかる場合の吸着部材Bの第1の吸着パッド3は、上方に開口し、本体(図示しないが、図3記載の本体10、図4記載の本体10)の底面に当接する。第2の吸着パッド4は、第1の吸着パッド3に接続され、下方に開口し、載置面(図示しないが、図3記載の載置面20、図4記載の載置面20)に当接するものである。
この吸着部材Bにあっても、本体(図示せず)と載置面(図示せず)との間に吸着部材Bが位置すると、本体(図示せず)の荷重により、第1の吸着パッド3及び第2の吸着パッド4が扁平状の変形し、該扁平状の変形が保持され、第1の吸着パッド3が本体(図示せず)の底面に、第2の吸着パッド4が載置面(図示せず)に、それぞれ密着して吸着するため、地震等による本体(図示せず)の転倒防止を図ることができる。
【0025】
また、上述した図1乃至図4記載の吸着部材Bにおいては、本体10、載置面20に吸着した後、吸着を解除するには困難を伴うが、図9記載の吸着部材Bは、吸着の解除を容易とすることができる。
即ち、第2の取付部材6内での第1の取付部材5と第3の取付部材7との間に隙間cができるように、第1の取付部材5、第3の取付部材7、第1のネジ体8及び第2の雄ネジ体9の長さを調整する。更に、隙間cに、第1のネジ体8に設けた貫通孔8Aと、第2の雄ネジ体9に設けた貫通孔9Aと、第2の取付部材6に設けた横貫通孔6Aとをそれぞれ連通させ、横貫通孔6Aを塞ぐ蓋Fを設ける。そして、第1の吸着パッド3が本体10の底面に、第2の吸着パッド4が載置面20に、それぞれ密着して吸着させ、この状態を横貫通孔6Aに蓋Fで塞いで保持し、蓋Fを横貫通孔6Aから取り外すことにより、吸着の解除を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0026】
B 吸着部材
1 第1の支持部材
2 第2の支持部材
3 第1の吸着パッド
4 第2の吸着パッド
10 本体
20 載置面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、上方に開口する開口部を有する凹形状の第1の支持部材と、
この第1の支持部材の凹所内に取り付けられ、前記本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、
前記第1の支持部材に接続され、前記第1の支持部材を介して前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の第2の支持部材と、
この第2の支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する第2の吸着パッドと、
を備えていることを特徴と吸着部材。
【請求項2】
第1の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の上に第1の吸着パッドが位置し、
第2の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に第2の吸着パッドが位置している
ことを特徴とする請求項1記載の吸着部材。
【請求項3】
上方に開口し、本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、
この第1の吸着パッドに接続され、下方に開口し、載置面に当接する第2の吸着パッドと、
を備えていることを特徴と吸着部材。
【請求項4】
本体に接続され、前記本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の支持部材と、
この支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する吸着パッドと
を備えていることを特徴と吸着部材。
【請求項5】
支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に吸着パッドが位置している
ことを特徴とする請求項4記載の吸着部材。
【請求項1】
本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、上方に開口する開口部を有する凹形状の第1の支持部材と、
この第1の支持部材の凹所内に取り付けられ、前記本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、
前記第1の支持部材に接続され、前記第1の支持部材を介して前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の第2の支持部材と、
この第2の支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する第2の吸着パッドと、
を備えていることを特徴と吸着部材。
【請求項2】
第1の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の上に第1の吸着パッドが位置し、
第2の支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に第2の吸着パッドが位置している
ことを特徴とする請求項1記載の吸着部材。
【請求項3】
上方に開口し、本体の底面に当接する第1の吸着パッドと、
この第1の吸着パッドに接続され、下方に開口し、載置面に当接する第2の吸着パッドと、
を備えていることを特徴と吸着部材。
【請求項4】
本体に接続され、前記本体の下方に位置して、前記本体を支持すると共に、下方に開口する開口部を有する凹形状の支持部材と、
この支持部材の凹所内に取り付けられ、載置面に当接する吸着パッドと
を備えていることを特徴と吸着部材。
【請求項5】
支持部材の外周縁部の部位に略平坦な面が形成され、該平坦な面の下に吸着パッドが位置している
ことを特徴とする請求項4記載の吸着部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−219993(P2012−219993A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89677(P2011−89677)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(398061485)株式会社大長鉄工 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(398061485)株式会社大長鉄工 (2)
【Fターム(参考)】
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