説明

吸込口体および電気掃除機

【課題】回転ブラシの回転に影響されず、光触媒作用を確実に維持可能な吸込口体および電気掃除機を提案する。
【解決手段】吸込口体26は、底面に吸込口28を有し吸込口28に接続する流路36を内包する吸込口本体32と、吸込口本体32により支持されて吸込口28に位置するとともに流路36と通気する中空部53を有する回転可能な軸芯51と、軸芯51にあり中空部53内に紫外線を導く第一採光部55と、軸芯51の外周部から径方向外側へ延びる清掃部材52と、中空部53内にある光触媒56と、第一採光部55へ紫外線を照射する光源部57を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、吸込口体および電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
径方向に延びる多条のブラシを有する棒状の回転ブラシと、ブラシに塗布される光触媒と、光触媒に紫外線を照射する紫外線ランプと、を備える吸込口体が知られている。この吸込口体は、回転ブラシにおける菌の増殖を防止して電気掃除機の排気によって菌が室内にばら撒かれることを防ぐ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−40352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブラシは、多数の毛を有し、被掃除面である床上の塵埃を掻き上げるため床に接触する。従来の吸込口体は、この被掃除面とブラシとの接触による摩耗や撓みによってブラシから光触媒が剥離したり、光触媒の表面に汚れが付着したりすると、ブラシの菌対応効果が次第に低下する。
【0005】
そこで、本発明は、回転ブラシの回転に影響されず、光触媒作用を確実に維持可能な吸込口体および電気掃除機を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る吸込口体は、底面に吸込口を有し前記吸込口に接続する流路を内包する吸込口本体と、前記吸込口本体により支持されて前記吸込口に位置するとともに前記流路と通気する中空部を有する回転可能な軸芯と、前記軸芯にあり前記中空部内に紫外線を導く第一採光部と、前記軸芯の外周部から径方向外側へ延びる清掃部材と、前記中空部内にある光触媒と、前記第一採光部へ紫外線を照射する光源部、または前記吸込口本体を照らす光の少なくとも紫外線を前記第一採光部へ導く第二採光部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の実施形態に係る電気掃除機は、前記吸込口体と、前記吸込口体に流体的に接続する電動送風機と、前記電動送風機を納める掃除機本体と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る電気掃除機の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る吸込口体を示す天面側の斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る吸込口体を示す底面側の斜視図。
【図4】本発明の実施形態に係る吸込口体を示す縦断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る吸込口体の他の例を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る吸込口体および電気掃除機の実施形態について図1から図5を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の外観を示す斜視図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除機1は、いわゆるキャニスタ型の電気掃除機である。電気掃除機1は、被掃除面上を走行可能な掃除機本体2と、掃除機本体2に着脱自在に接続する管部3と、を備える。
【0012】
掃除機本体2は、本体ケース5と、本体ケース5の両側方にそれぞれ位置する一対の車輪6と、本体ケース5の前半部に位置する着脱自在な塵埃分離集塵部7と、本体ケース5の後半部に位置する電動送風機8と、主に電動送風機8の運転を制御する本体制御部9と、電動送風機8に電力を導く電源コード11と、を備える。
【0013】
本体ケース5は、管部3が着脱可能な継手としての本体接続口12を有する。本体接続口12は、掃除機本体2の流体的な入口であり、管部3と塵埃分離集塵部7とを流体的に接続する。
【0014】
塵埃分離集塵部7は、電動送風機8が発生する負圧によって被掃除面から管部3および本体接続口12を経て流れ込む塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)から塵埃を分離し、捕集し、蓄積するとともに空気を電動送風機8へ送る。
【0015】
電動送風機8は、塵埃分離集塵部7を通過する空気を吸い込んで負圧を発生する。
【0016】
本体制御部9は、マイクロプロセッサ(図示省略)や、マイクロプロセッサが実行する各種演算プログラムやパラメータなどを記憶する記憶装置(図示省略)を備える。本体制御部9は、予め設定される複数の運転モードを記憶装置に記憶する。予め設定される複数の運転モードは、管部3から受け取る操作信号に対応し、運転モード間の違いとして相互に異なる入力値(電動送風機8の入力値)を有する。本体制御部9は、管部3から操作信号を受け取ると、操作信号に対応する任意の運転モードを予め設定される複数の運転モードから択一的に選択して記憶部から読み出し、当該運転モードにしたがって電動送風機8の運転制御を行う。
【0017】
電源コード11は、自由端部に電源プラグ14を備える。
【0018】
管部3は、電動送風機8の運転にともない掃除機本体2から作用する負圧によって、被掃除面から含塵空気を吸い込み掃除機本体2へ案内する。管部3は、掃除機本体2に着脱自在に接続する継手としての接続管19と、接続管19に流体的に接続する集塵ホース21と、集塵ホース21に流体的に接続する手元操作管22と、手元操作管22から突出する把持部23と、把持部23に位置する操作部24と、手元操作管22に着脱自在に接続する延長管25と、延長管25に着脱自在に接続する吸込口体26と、を備える。
【0019】
接続管19は、本体接続口12を介して塵埃分離集塵部7に流体的に接続する。
【0020】
集塵ホース21は、長尺で可撓な略円筒形状のホースである。集塵ホース21の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、接続管19に接続する。集塵ホース21は、接続管19を介して塵埃分離集塵部7に流体的に接続する。
【0021】
手元操作管22は、集塵ホース21と延長管25との間に介在する。手元操作管22の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、集塵ホース21の他方の端部(ここでは、前方の端部)に接続する。手元操作管22は、集塵ホース21および接続管19を介して塵埃分離集塵部7に流体的に接続する。
【0022】
把持部23は、電気掃除機1を操作するために使用者が手で把持する部分である。把持部23は、使用者が手で容易に把持できる適宜の形状を有して手元操作管22から突出する。
【0023】
操作部24は、それぞれの運転モードに対応するスイッチを備える。具体的には、操作部24は、電動送風機8の運転停止操作に対応する停止スイッチ24aと、電動送風機8の運転開始操作に対応する起動スイッチ24bと、を備える。停止スイッチ24aおよび起動スイッチ24bは、本体制御部9に電気的に接続する。電気掃除機1の使用者は、操作部24を操作して電動送風機8の運転モードを択一的に選択できる。電動送風機8が運転を開始した後、起動スイッチ24bは運転モードの選択スイッチとしても機能する。この場合、本体制御部9は、起動スイッチ24bから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→………のように切り換える。なお、操作部24は、起動スイッチ24bに代えて、弱運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)および強運転スイッチ(図示省略)を別個に備えていても良い。
【0024】
延長管25は、伸縮可能な細長略円筒状の管である。延長管25は、複数の筒状体を重ね合わせたテレスコピック構造を有する。延長管25の一方の端部(ここでは、後方の端部)は、手元操作管22の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱自在に接続する。延長管25は、手元操作管22、集塵ホース21および接続管19を介して塵埃分離集塵部7に流体的に接続する。
【0025】
吸込口体26は、延長管25の他方の端部(ここでは、前方の端部)に着脱自在に接続する。また、吸込口体26は、木床やカーペットなどの被掃除面上を走行自在あるいは滑走自在な構造を有するとともに、走行状態または滑走状態において被掃除面に対向する底面に吸込口28を有する。さらに、吸込口体26は、吸込口28に位置して回転自在な回転清掃体29と、回転清掃体29を回転駆動可能な電動機31と、を備える。吸込口体26は、延長管25、手元操作管22、集塵ホース21および接続管19を介して塵埃分離集塵部7に流体的に接続する。
【0026】
電気掃除機1は、起動スイッチ24bの操作を受けると電動送風機8の運転を開始して掃除機本体2の内部に負圧(吸込負圧)を発生する。電気掃除機1は、例えば電動送風機8が停止した状態で起動スイッチ24bの操作を受けると、先ず電動送風機8を強運転モードで運転し、次いで起動スイッチ24bの操作を受けると電動送風機8を中運転モードで運転し、さらに起動スイッチ24bの操作を受けると電動送風機8を弱運転モードで運転し、以下繰り返す。強運転モード、中運転モードおよび弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードであり、強運転モード、中運転モード、弱運転モードの順に入力値が小さい。
【0027】
掃除機本体2の内部に生じた負圧は、塵埃分離集塵部7、本体接続口12、接続管19、集塵ホース21、手元操作管22および延長管25を経て吸込口体26の吸込口28に作用する。吸込口28に作用した負圧によって、電気掃除機1は、被掃除面に溜まった塵埃を空気とともに吸込口28から吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部7は、吸込口28が吸い込んだ含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する。含塵空気から分離して清浄になった空気は、塵埃分離集塵部7および電動送風機8を通過して掃除機本体2外へ排気される。
【0028】
吸込口体26についてさらに詳述する。
【0029】
図2は、本発明の実施形態に係る吸込口体を示す天面側の斜視図である。
【0030】
図3は、本発明の実施形態に係る吸込口体を示す底面側の斜視図である。
【0031】
図2および図3に示すように、本実施形態に係る吸込口体26は、進行方向である前後方向へ短く、左右方向へ幅広い扁平な略直方体形状で箱状の吸込口本体32と、吸込口本体32の後部中央に位置する接続管部33と、を備える。
【0032】
ここで、吸込口体26の前進方向(図2中、実線矢X)を前方、その反対方向を後方とする。また、吸込口体26を床面などの略水平な被掃除面に置いた状態で、後から前を見たときの左側(図2中、実線矢Y)を左方、その反対方向を右方とする。さらに、吸込口体26の前後方向および左右方向に直交する右手座標系の+Z方向を上方とし、その反対方向を下方とする。
【0033】
吸込口本体32は、底面35の前半部に位置する吸込口28を有し、吸込口28に接続する流路36を内包する。吸込口本体32は、上方へ開放する箱状の下ケース37と、下ケース37を上方から覆う上ケース38と、を備える。
【0034】
下ケース37は、吸込口体26あるいは吸込口本体32の下半である。吸込口28は下ケース37の底面35の前半部分に大きく幅広に開く。
【0035】
また、下ケース37は、後部中央部分から後方に向けて張り出し、接続管部33の下方を覆い隠してこれを保護する後部膨出部39を備える。
【0036】
さらに、下ケース37は、底面35に複数、例えば4つの車輪41を備える。車輪41は、底面35を被掃除面に向けて吸込口体26を被掃除面上に置いたとき、底面35と被掃除面から隙間を隔てて吸込口体26あるいは吸込口本体32を走行可能な状態で支える。4つの車輪41は、吸込口28の開口縁近傍にある左右一対の車輪対42と、後部膨出部39にある左右一対の車輪対43との二組に分かれて前後の車輪対42、43間の距離(所謂ホイールベース)とする。
【0037】
また、吸込口体26は、前後に並ぶ車輪対42、43の間に位置して車輪41とともに被掃除面に接地可能な起毛45を有する起毛布46を備える。起毛布46は、車輪41の車軸と略並行に延びる。
【0038】
接続管部33は、吸込口体26を延長管25に機械的、流体的に接続する自在継手であり、回転接続管部48と、揺動接続管部49と、を備える。
【0039】
回転接続管部48は、吸込口本体32に接続するとともに吸込口体26の前後方向に沿う軸(X軸に一致する軸またはX軸に平行な軸)回りに回転可能である。
【0040】
揺動接続管部49は、回転接続管部48の回転軸に直交する軸回りに揺動可能である。揺動接続管部49の自由端部は、延長管25へ着脱可能な継手である。
【0041】
回転清掃体29は、吸込口本体32の左右方向へ延びる棒状の清掃体である。回転清掃体29は、所謂回転ブラシである。回転清掃体29は、吸込口体26または吸込口本体32により支持されて吸込口28に位置する回転可能な軸芯51と、軸芯51の外周面から径方向外側に延びるとともに回転中心線方向へ螺旋状かつ多条に並ぶ複数の清掃部材52と、を備える。
【0042】
清掃部材52は、多数の毛を有するブラシや可撓なエラストマなどのブレードである。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る吸込口体を示す縦断面図である。
【0044】
図4に示すように、本実施形態に係る吸込口体26は、流路36と通気する中空部53を有する回転可能な軸芯51と、軸芯51にあり中空部53内に紫外線を導く第一採光部55と、軸芯51の外周部から径外方向へ延びる清掃部材52と、中空部53内にある光触媒56と、第一採光部55へ紫外線を照射する光源部57と、を備える。
【0045】
ここで、先ず吸込口体26の吸込口本体32は、回転清掃体29を納める清掃体室58と、接続管部33を支持するとともに清掃体室58と接続管部33とを流体的に接続する中継管59と、を備える。
【0046】
清掃体室58は流路36の一部である。
【0047】
中継管59も流路36の一部であり、吸込口本体32内を前後方向へ延びる。中継管59の前端は清掃体室58に流体的に接続し、中継管59の後端は接続管部33に流体的に接続するとともに接続管部33を回転自在に支持する。また、中継管59は、接続管部33、特に回転接続管部48を回転自在に支持するフランジ61を備える。フランジ61は、中継管59の開口端から径外方向へ鍔状に延びる。回転接続管部48は、フランジ61に覆い被さり周方向へ摺動または滑動するとともに中継管59と一体化する。
【0048】
また、中継管59は、下ケース37および上ケース38に挟み込まれ、強固に固定されて吸込口本体32と接続管部33とを一体化する。
【0049】
下ケース37は、清掃体室58の上方に位置して前後方向に架かる光源支持部62を備える。光源支持部62は、回転清掃体29を臨む部分に少なくとも紫外線を透過する窓63を備える。窓63は、開口していても良いが、流路36内の塵埃による光源部57の汚染を防止する観点から例えば透明な樹脂などの板材で閉じていることが好ましい。
【0050】
他方、上ケース38は、光源支持部62の上方を覆い光源収容室66を区画する。
【0051】
光源部57は、紫外線を照射する、例えば紫外線ランプである。光源収容室66内に納まる。光源部57が照射する紫外線は窓63を透過して回転清掃体29を照らす。光源部57は、掃除機本体3から集塵ホース21、手元操作管22および延長管25を経て吸込口体26に至る電線(図示省略)から電力の供給を受けて発光する。光源部57および電動機31は、この電線に並列に接続する。
【0052】
回転清掃体29の一部、具体的には清掃部材52の先端部分は、吸込口28から下方へ向かって突出する。清掃部材52の先端部分は、吸込口体26を被掃除面上に置いたとき被掃除面に接する。
【0053】
軸芯51は、吸込口28の幅方向に延びる棒状の構造物であり、全長の一部または略全長に渡る中空部53を有する。軸芯51のうち中空部53が位置する部分は管状であり、軸芯51の内外、すなわち中空部と流路36(より詳しくは清掃体室58)とを流体的に接続する通気口67を有する。
【0054】
また、軸芯51は、略全長に渡る外周部に清掃部材52を保持する溝68を備える。溝68は、多条かつ螺旋状に延びる清掃部材52に対応して軸芯51の外周部に延びる。
【0055】
第一採光部55は、軸芯51のうち中空部53が位置する管状部分の一部または全部を占める。また、第一採光部55は少なくとも紫外線を透過し、光源部57が回転清掃体29へ向けて照射する紫外線を中空部53へ導く。第一採光部55は、例えば、光触媒56が中空部53から脱出しない開口面積を有する複数の開口でも良いが、流路36内の塵埃による光触媒の汚染を防止する観点から例えば透明な樹脂などの管材であることが好ましい。軸芯51全体に透明な樹脂などの材料を用いて第一採光部55を兼ねても良い。
【0056】
清掃部材52は、軸芯51の溝68に嵌まるシート状の基台69から延び、回転清掃体29の回転中心から放射状に延びる。
【0057】
光触媒56は軸芯51の中空部53内を遊動する。すなわち、光触媒56は中空部53内に未固定の状態で収容されている。光触媒56は、例えば酸化チタンを材料とし、中空部53内を円滑に遊動できるよう転がりやすい形状、例えば球形状や全長の短い棒形状や長軸の短い楕円体形状であることが好ましい。
【0058】
このような構成を有する電気掃除機1の吸込口体26は、光源部57から回転清掃体29へ紫外線を照射し、光触媒56の光触媒作用を発揮する。具体的には、光触媒56は、第一採光部55から中空部53内へ射し込む紫外線に照らされて光触媒作用を発揮する。光触媒56は、軸芯51の通気口67を通じて流路36から中空部53へ流入し、または中空部53から流路36へ流出する空気に触れ、この空気が含む細菌や臭気源を光触媒作用によって分解する。また、光触媒56は、軸芯51の通気口67を通じて流路36から中空部53へ流入し、または中空部53から流路36へ流出する空気に触れ、この空気が含む湿分からOHラジカルを生成する。このOHラジカルは中空部53内のみならず通気口67を通じて流路36に流出して電気掃除機1が吸い込む空気を含む細菌や臭気源を光触媒作用によって分解する。
【0059】
また、吸込口体26は、軸芯51の中空部53に光触媒56を納めているため、従来の吸込口体のような光触媒と被掃除面との接触を避けることができる。
【0060】
図5は、本発明の実施形態に係る吸込口体の他の例を示す縦断面図である。
【0061】
図5に示すように、本実施形態に係る吸込口体26Aは、第一採光部55へ紫外線を照射する光源部57に代えて、吸込口本体32を照らす光の少なくとも紫外線を第一採光部55へ導く第二採光部71を備える。
【0062】
第二採光部71は、吸込口本体32のうち少なくとも清掃体室58が位置する部分の一部または全部を占める。具体的には、第二採光部71は、上ケース38を透明な樹脂などの材料で成形したり、吸込口本体32全体を透明な樹脂などの材料で成形したり、下ケース37および上ケース38の一方または両方について清掃体室58を区画する部分を透明な樹脂などの材料で成形したものである。
【0063】
このような構成を有する電気掃除機1の吸込口体26Aは、光触媒56が光触媒作用を発揮するための光源(吸込口体26における光源部57)を必要とせず、例えば回転清掃体29の駆動源に電動機31を備える吸込口体26に比べてタービンなど電源を必要としない駆動源により回転清掃体29を駆動する場合、管部3に電源を供給する電力線を必要とせず、電気掃除機1および吸込口体26Aの構造を簡略にできる。
【0064】
本実施形態に係る吸込口体26、26Aおよび電気掃除機1は、軸芯51の中空部53に光触媒56を配置することによって、従来の吸込口体のような光触媒の剥離を回避し、光触媒56による光触媒作用を長期に持続できる。
【0065】
したがって、本実施形態に係る吸込口体26、26Aおよび電気掃除機1によれば、回転清掃体29の回転に影響されず、光触媒作用を確実に維持できる。
【0066】
なお、本発明に係る電気掃除機1は、キャニスタ型の電気掃除機1に限らず、アップライト型、スティック型、ハンディ型あるいは自律型などの電気掃除機1であってもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1 電気掃除機
2 掃除機本体
3 管部
5 本体ケース
6 車輪
7 塵埃分離集塵部
8 電動送風機
9 本体制御部
11 電源コード
12 本体接続口
14 電源プラグ
19 接続管
21 集塵ホース
22 手元操作管
23 把持部
24 操作部
24a 停止スイッチ
24b 起動スイッチ
25 延長管
26、26A 吸込口体
28 吸込口
29 回転清掃体
31 電動機
32 吸込口本体
33 接続管部
35 底面
36 流路
37 下ケース
38 上ケース
39 後部膨出部
41 車輪
42、43 車輪対
45 起毛
46 起毛布
48 回転接続管部
49 揺動接続管部
51 軸芯
52 清掃部材
53 中空部
55 第一採光部
56 光触媒
57 光源部
58 清掃体室
59 中継管
61 フランジ
62 光源支持部
63 窓
66 光源収容室
67 通気口
68 溝
69 基台
71 第二採光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に吸込口を有し前記吸込口に接続する流路を内包する吸込口本体と、
前記吸込口本体により支持されて前記吸込口に位置するとともに前記流路と通気する中空部を有する回転可能な軸芯と、
前記軸芯にあり前記中空部内に紫外線を導く第一採光部と、
前記軸芯の外周部から径方向外側へ延びる清掃部材と、
前記中空部内にある光触媒と、
前記第一採光部へ紫外線を照射する光源部、または前記吸込口本体を照らす光の少なくとも紫外線を前記第一採光部へ導く第二採光部と、を備えることを特徴とする吸込口体。
【請求項2】
前記光触媒は前記中空部内を遊動することを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吸込口体と、
前記吸込口体に流体的に接続する電動送風機と、
前記電動送風機を納める掃除機本体と、を備えることを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90833(P2013−90833A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235094(P2011−235094)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】