説明

吸込口体及び電気掃除機

【課題】回転清掃体の清掃部材に糸屑や毛髪等の塵埃が絡み付くことを確実に防止できること。
【解決手段】底面側に吸込口28が開口されたケース体34と、このケース体内に吸込口28に臨ませて回転駆動可能に配置された回転清掃体30とを有する吸込口本体部31を備えた吸込口体26において、回転清掃体30は、回転駆動される回転軸43と、この回転軸の外周部に、回転軸の軸方向に沿い且つ回転軸の周方向に複数本設けられた塵埃除去用の清掃ブラシ44と、回転軸43の外周部に、回転軸の軸方向に沿い且つ回転軸の周方向で清掃ブラシ44間に複数本設けられ、先端部45Bの形状が長手方向に沿って傾斜して形成されて清掃ブラシ44への塵埃の絡み付きを防止する絡み付き防止ブレード45と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動可能な回転清掃体を備えた吸込口体、及びこの吸込口体を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気掃除機の吸込口体には、ブラシ毛またはフェルト等からなる清掃部材が設けられた回転清掃体を備え、この回転清掃体を回転させながら、例えば絨毯などの被掃除面上の塵埃を掻き取り、吸引して掃除するものが知られている。
【0003】
また、特許文献1に記載の電気掃除機には、吸込口体(吸込具ケース)の回転清掃体(回転ブラシ)が、フェルト製の清掃部材(ブラシ体)の根元側に塩化ビニル製のブラシ体を備え、この塩化ビニル製のブラシ体によってフェルト製のブラシ体に糸屑や毛髪等の塵埃が絡み付くことを防止するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−13525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載の吸込口体の回転清掃体では、塩化ビニル製のブラシ体の先端形状が回転清掃体の軸心に平行に形成されているため、回転清掃体のフェルト製のブラシ体に巻き付いた糸屑や毛髪等は一箇所に集まり絡みあってしまう。この結果、フェルト製のブラシ体(清掃部材)に糸屑や毛髪等の塵埃が絡み付くことを十分に防止することができない。
【0006】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、回転清掃体の清掃部材に糸屑や毛髪等の塵埃が絡み付くことを確実に防止できる吸込口体及び電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る吸込口体は、底面側に吸込口が開口されたケース体と、このケース体内に前記吸込口に臨ませて回転駆動可能に配置された回転清掃体とを有する吸込口本体部を備えた吸込口体において、前記回転清掃体は、回転駆動される回転軸と、この回転軸の外周部に、前記回転軸の軸方向に沿い且つ前記回転軸の周方向に複数本設けられた塵埃除去用の清掃部材と、前記回転軸の外周部に、前記回転軸の軸方向に沿い且つ前記回転軸の周方向で前記清掃部材間に複数本設けられ、先端形状が長手方向に沿って傾斜して形成されて前記清掃部材への塵埃の絡み付きを防止する絡み付き防止部材と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る電気掃除機は、前記発明の吸込口体を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る吸込口体、及びこの吸込口体を備えた電気掃除機によれば、回転清掃体には、回転軸の外周部における清掃部材間に、先端形状が長手方向に沿って傾斜して形成されて清掃部材への塵埃の絡み付きを防止する絡み付き防止部材が設けられたので、回転清掃体の清掃部材に糸屑や毛髪等の塵埃が絡み付くことを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る吸込口体の第1の実施の形態が適用された電気掃除機の全体外観を示す斜視図。
【図2】図1の吸込口体を示す斜視図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図3の回転清掃体を示す斜視図。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図。
【図6】(A)は図4及び図5の絡み付き防止ブレードを示す正面図、(B)は、図6(A)の絡み付き防止ブレードの比較形態を示す正面図。
【図7】本発明に係る吸込口体の第2の実施の形態における回転清掃体の絡み付き防止ブレードを示す正面図。
【図8】本発明に係る吸込口体の第3の実施の形態における回転清掃体を示す斜視図。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
[A]第1の実施の形態(図1〜図6)
図1は、本発明に係る吸込口体の第1の実施の形態が適用された電気掃除機の全体外観を示す斜視図である。図2は、図1の吸込口体を示す斜視図である。
【0013】
図1に示す電気掃除機1は、いわゆるキャニスタ型の電気掃除機である。この電気掃除機1は、被掃除面上に配置される掃除機本体2と、この掃除機本体2に着脱自在に接続された管部3とを備える。
【0014】
掃除機本体2は、本体ケース5と、この本体ケース5の両側方に軸支された一対の車輪6と、本体ケース5に設けられた集塵室10と、この集塵室10に連通された電動送風機8と、電動送風機8の駆動を制御する本体制御部9と、電動送風機8に電力を導く電源コード11とを備える。
【0015】
本体ケース5は、集塵室10に連通された本体接続口12を有する。この集塵室10には集塵部7が収容される。この集塵部7は、電動送風機8が発生した負圧によって電気掃除機1に吸い込まれる塵埃を含んだ空気(含塵空気)から塵埃を分離し捕集する。また、車輪6は、掃除機本体2の走行用の大径の走行輪である。更に、電源コード11は自由端部に電源プラグ14を備える。
【0016】
本体制御部9は、予め設定された複数の運転モードを有する。それぞれの運転モードは、管部3から入力される操作信号に対応付けられると共に、電動送風機8への出力値を互いに異ならせて設定する。そして、本体制御部9は、管部3から入力される操作信号に対応させて複数の運転モードから任意の運転モードを択一的に選択し電動送風機8を駆動させる。
【0017】
管部3は、電動送風機8の運転にともない掃除機本体2から作用する負圧によって、被掃除面から含塵空気を吸い込み、掃除機本体2に案内する。管部3は、掃除機本体2の本体接続口12に着脱自在に接続され、互いに連通して接続された接続管19、集塵ホース21及び手元操作管22を備える集塵ホース体20と、この集塵ホース体20の手元操作管22に着脱自在に接続されて連通される延長管25と、この延長管25に着脱自在に接続されて連通される吸込口体26とを備える。
【0018】
集塵ホース体20の接続管19が、掃除機本体2の本体接続口12に着脱自在に接続される。また、集塵ホース21は、可撓性を有する細長略円筒状に形成される。更に、手元操作管22には把持部23が突設され、この把持部23に操作部24が設けられる。把持部23は、電気掃除機1のユーザが把持して電気掃除機1を操作するものである。この把持部23は、手元操作管22の他端部側から突設され、手元操作管22の一端部に向けて湾曲される。
【0019】
操作部24は、それぞれの運転モードに対応したスイッチを備える。具体的には、操作部24は、電動送風機8の運転の停止を操作する停止スイッチ24Aと、電動送風機8の運転の開始を操作する起動スイッチ24Bとを備える。起動スイッチ24Bは、弱運転スイッチ(図示省略)、中運転スイッチ(図示省略)及び強運転スイッチ(図示省略)を別個に備える構成にしても良い。電気掃除機1のユーザは、操作部24を操作して電動送風機8の運転モードを択一的に選択する。
【0020】
延長管25は、伸縮可能な細長略円筒状に形成される。この延長管25は、複数の筒状体を重ね合わせてテレスコピック構造に構成される。延長管25は、一端が集塵ホース体20の手元操作管22の他端に着脱自在に接続され、集塵ホース体20(手元操作管22、集塵ホース21及び接続管19)を介して掃除機本体2の内部に連通される。
【0021】
吸込口体26は、延長管25の他端に着脱自在に接続され、延長管25及び集塵ホース体20を介して掃除機本体2の内部に連通される。また、吸込口体26は、木床やカーペットなどの被掃除面上を走行可能に構成されると共に、走行状態において被掃除面に対向する底面側に吸込口28を有する。この吸込口体26については後に詳説する。
【0022】
電気掃除機1は、起動スイッチ24Bが操作されると掃除機本体2内の電動送風機8を駆動させ、掃除機本体2の集塵室10内に負圧(吸込負圧)を作用させる。この負圧は、本体接続口12から集塵ホース体20及び延長管25を経て吸込口体26の吸込口28に作用する。吸込口28に作用した負圧によって、電気掃除機1は、被掃除面に溜まった塵埃を空気と共に吸込口28から吸い込んで被掃除面を掃除する。吸込口28から吸い込まれた含塵空気は、集塵室10内に収容された集塵部7によって空気と塵埃とに分離される。分離された塵埃は、集塵部7にて捕集される。他方、分離された空気は、集塵部7を通過し電動送風機8に吸い込まれて掃除機本体2から排気される。
【0023】
図2及び図3に示すように、吸込口体26は略直方体形状の箱状の吸込口本体部31と、この吸込口本体部31に対して多軸構造の接続管部32とを備える。
【0024】
ここで、吸込口体26の前進方向(図2中、実線矢X)を前方、その反対方向を後方とする。また、吸込口体26を床面などの略水平な被掃除面に配置させた状態で、後から前を見たときの左側(図2中、実線矢Y)を左方、その反対方向を右方とする。更に、吸込口体26の前後方向及び左右方向に直交する右手座標系の+Z方向を上方とし、その反対方向を下方とする。
【0025】
吸込口本体部31は、底面側に吸込口28が開口され、この吸込口28に連通して吸込室33が形成されたケース体34と、このケース体34の吸込室34内で吸込口28に臨ませて回転駆動可能に配置された回転清掃体30とを備えて構成される。
【0026】
ケース体34は、平面視において前後方向に短辺を、左右方向に長辺を有し、下ケース35、上ケース36及びカバー37を備えてなる。下ケース35は、上方が開口された箱形状に構成される。この下ケース35の後上半部を上ケース36が覆い、下ケース35の前上半部をカバー37が覆う。このカバー37と下ケース35とにより吸込室33が、ケース体34の左右方向に幅広く区画して形成される。
【0027】
ケース体34に設けられる吸込口28は、互いに連続する底面吸込口38と前側吸込口39とを備えてなる。底面吸込口38は、ケース体34の底面、つまり下ケース35の底面35Aに、左右方向に延びる四角形状に開口される。また、前側吸込口39は、底面吸込口38の前側に連続し、カバー37の下縁に仕切られて形成される。掃除の際に、吸込口体26が被掃除面に載置されたとき、底面吸込口38が被掃除面に対向し、前側吸込口39が吸込口体26の前方に指向される。
【0028】
これらの底面吸込口38及び前側吸込口39を経て吸込室33が外部空間に連通される。他方、この吸込室33は、下ケース35と上ケース36との間に配置された案内管40を介して接続管部32に連通される。
【0029】
ケース体34の吸込室33内に配置された回転清掃体30は、ケース体34に内蔵された図示しない電動モータなどにより、その駆動力が伝動ベルト(不図示)等を介して伝達されて、一方向の回転方向Aに回転駆動される。この回転清掃体30の回転により、清掃ブラシ44(後述)の作用で被掃除面上の塵埃が掻き取られ、吸込口28(底面吸込口38及び前側吸込口39)から効果的に吸い込まれる。この回転清掃体30については後に詳説する。
【0030】
接続管部32は、吸込口本体部31の後部側の幅方向略中央部に配置される。また、接続管部32は、吸込口本体部31に軸支された回転接続管部41と、回転接続管部41に軸支された揺動接続管部42とを備える。
【0031】
回転接続管部41は、吸込口本体部31に、吸込口体26の前後方向に沿う軸(X軸に一致する軸またはX軸に平行な軸)回りに回動自在に軸支される。
【0032】
揺動接続管部42は、回転接続管部41に揺動自在に設けられる。すなわち、揺動接続管部42は、回転接続管部41の回転軸心(X軸に一致する軸心またはX軸に平行な軸心)に直交する軸心回りに揺動自在に軸支される。また、揺動接続管部42の自由端部は、延長管25(図1)の自由端部に着脱自在に接続される。
【0033】
これにより、吸込口体26は、延長管25から接続管部32を経てケース体34の吸込室33に負圧を作用させる。この負圧は、ケース体34の吸込口28(底面吸込口38及び前側吸込口39)に作用し、被掃除面上の塵埃を空気と共に吸込室33に吸い込み、この吸込室33に吸い込まれた含塵空気は、接続管部32を経て延長管25へ導入される。
【0034】
さて、前記回転清掃体30は、ケース体34の下ケース35に回転自在に軸支されて、電動モータなどにより回転駆動される回転軸43と、この回転軸43の外周部に複数本設けられた清掃部材としての清掃ブラシ44と、回転軸43の外周部に複数本設けられた絡み付き防止部材としての絡み付き防止ブレード45とを有して構成される。
【0035】
図4及び図5に示すように、回転軸43は、略円柱形状または略円筒形状(本実施の形態では略円柱形状)に構成される。この回転軸43の外周部に、清掃ブラシ44保持用の溝部46と、絡み付き防止ブレード45保持用の溝部47とが、回転軸43の周方向に交互にそれぞれ略等間隔に、且つ回転軸43の軸方向に沿ってそれぞれ螺旋形状に形成される。
【0036】
清掃ブラシ44は、ブラシ毛またはフェルト等によって帯状に形成され、基端側が回転軸43における溝部46の溝46Aに保持される。これにより、清掃ブラシ44は、回転軸43の外周部において、回転軸43の周方向に複数本設けられ、それぞれが回転軸43の軸方向に沿って螺旋帯形状で、且つ回転軸43の径方向に突出して設けられる。この清掃ブラシ44によって、回転軸43の回転時に被掃除面上の塵埃、特に糸屑や毛髪等の塵埃が掻き取られて除去される。
【0037】
また、絡み付き防止ブレード45は、ゴムや軟質樹脂などにより帯状に形成され、基端部が回転軸43における溝部47の溝47Aに保持される。これにより、絡み付き防止ブレード45は、回転軸43の外周部において、回転軸43の周方向に略等間隔で清掃ブラシ44間に複数本設けられ、それぞれが回転軸43の軸方向に沿って螺旋帯形状で、且つ回転軸43の径方向に突出して設けられる。この絡み付き防止ブレード45の突出量は清掃ブラシ44の突出量よりも少なく設けられる。
【0038】
更に、絡み付き防止ブレード45は、図6(A)に示すように、上記基端部45Aと反対側の先端部45Bの形状が、絡み付き防止ブレード45の長手方向に沿って略同一の傾斜角度θで傾斜して形成される。これにより、絡み付き防止ブレード45の基端部45Aと先端部45B間の高さ寸法H1が、絡み付き防止ブレード45の長手方向に沿って漸次変化して構成される。
【0039】
仮に、絡み付き防止ブレード45の先端部45Bが、図6(B)に示すように基端部45Aに平行に形成された場合には、糸屑や毛髪等の塵埃48が1箇所に集中して回転清掃体30の清掃ブラシ44及び絡み付き防止ブレード45に巻き付くことになる。これ対し、絡み付き防止ブレード45の先端部45Bが上述のように傾斜して形成されると、糸屑や毛髪等の塵埃48は、例えば回転清掃体30の清掃ブラシ44及び絡み付き防止ブレード45に螺旋状に巻き付き、1箇所に集まって巻き付くことが防止される。このため、上記糸屑などの塵埃28は、吸込口28から吸込室33へ吸引される吸引風によって移動し易くなり、回転清掃体30の清掃ブラシ41への絡み付きが防止される。
【0040】
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば次の効果を奏する。
【0041】
吸込口体26の回転清掃体30には、回転軸43の外周部における清掃ブラシ44間に、先端部45Bの形状が長手方向に沿って傾斜して形成されて清掃ブラシ44への塵埃48(糸屑や毛髪等)の絡み付きを防止する絡み付き防止ブレード45が設けられている。このため、糸屑などの塵埃48は、回転清掃体30の清掃ブラシ44及び絡み付き防止ブレード45の1箇所に集まって巻き付くことがなく、例えば螺旋状に巻き付くことで、ケース体34の吸込口28から吸込室33へ吸引される吸引風によって移動し易くなる。この結果、回転清掃体30の清掃ブラシ44による糸屑などの塵埃48の掻き取り機能を確保しつつ、回転清掃体30の清掃ブラシ44に糸屑などの塵埃48が絡み付くことを確実に防止できる。
【0042】
[B]第2の実施の形態(図7)
図7は、本発明に係る吸込口体の第2の実施の形態における回転清掃体の絡み付き防止ブレードを示す正面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0043】
本実施の形態の電気掃除機の吸込口体が前記第1の実施の形態の吸込口体26と異なる点は、回転清掃体52の絡み付き防止部材としての絡み付き防止ブレード53の先端形状である。
【0044】
つまり、本実施の形態の絡み付き防止ブレード53は、基端部53Aと反対側の先端部53Bの形状が、長手方向Lの中央位置へ向かって低くなるように、長手方向Lの両端から傾斜して形成されている。従って、絡み付き防止ブレード53の基端部53Aと先端部53Bとの高さ寸法H2は、絡み付き防止ブレード53の長手方向Lの中央位置で最も低くなるように、長手方向Lの両端から漸次変化して形成される。
【0045】
絡み付き防止ブレード53の長手方向Lの中央位置、つまり回転清掃体52の軸方向中央位置には案内管40(図3)が配置されて、ケース体34の吸込口28から吸引される吸引風が集中し、吸込力が強い箇所である。このため、回転清掃体52の清掃ブラシ44及び絡み付き防止ブレード53に巻き付いた糸屑や毛髪等の塵埃48は、上述の強い吸込力によって絡み付き防止ブレード53の中央位置、つまり回転清掃体52の中央位置へ移動して、回転清掃体52の清掃ブラシ44への絡み付きが防止される。
【0046】
この結果、本実施の形態においても、回転清掃体52の清掃ブラシ44による糸屑や毛髪などの塵埃48の掻き取り機能を確保しつつ、この清掃ブラシ44への糸屑などの塵埃48の絡み付きを確実に防止できる。
【0047】
[C]第3の実施の形態(図8、図9)
図8は、本発明に係る吸込口体の第3の実施の形態における回転清掃体を示す斜視図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0048】
本実施の形態の電気掃除機の吸込口体が前記第1の実施の形態の吸込口体26と異なる点は、回転清掃体62における回転軸63の外周に清掃ブラシ44及び絡み付き防止ブレード45が、回転軸63の周方向に隣接して配置された点である。
【0049】
つまり、回転軸63の外周部には、清掃ブラシ44及び絡み付き防止ブレード45保持用の溝部64が、回転軸63の周方向に略等間隔に複数形成され、且つそれぞれの溝部64が回転軸63の軸方向に沿って螺旋形状に形成される。そして、それぞれの溝部64の同一の溝64A内に、清掃ブラシ44と絡み付き防止ブレード45の基端部44A及び45Aが別体状態で保持される。このとき、絡み付き防止ブレード45は、清掃ブラシ44に対し、回転清掃体62の回転方向Aの前方側に位置づけられる。
【0050】
従って、本実施の形態によれば、清掃ブラシ44と、先端が傾斜して形成された絡み付き防止ブレード45とが隣接して配置されたので、清掃ブラシ44にて掻き取られた糸屑などの塵埃48が絡み付き防止ブレード45により根元部まで侵入することが防止される。更に、絡み付き防止ブレード45の傾斜先端形状によって、清掃ブラシ44に掻き取られた糸屑などの塵埃48が1箇所に巻き付くことが防止される。これらの結果、清掃ブラシ44により掻き取られた糸屑などの塵埃48が、ケース体34の吸込口28から吸引される吸引風によって移動し易くなり、清掃ブラシ44に絡み付くことを確実に防止できる。
【0051】
また、絡み付き防止ブレード45が清掃ブラシ44に対し回転軸63の回転方向Aの前方側に配置されているので、回転軸63の回転時に被掃除面に接触する清掃ブラシ44は、図9の2点鎖線に示すように、絡み付き防止ブレード45により阻害されることなく撓む。このように、清掃ブラシ44の柔軟性を損なうことがないので、回転清掃体62による糸屑などの塵埃48の掻き取り機能を十分に確保できる。
【0052】
更に、清掃ブラシ44と絡み付き防止ブレード45とは、回転軸63における溝部64の同一の溝64Aに別体状態で保持される。このため、清掃ブラシ44と絡み付き防止ブレード45とを予め一体化する工程が不要になり、この結果、回転清掃体62の組立性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 電気掃除機
26 吸込口体
28 吸込口
30 回転清掃体
31 吸込口本体部
34 ケース体
38 底面吸込口
39 前面吸込口
43 回転軸
44 清掃ブラシ(清掃部材)
45 絡み付き防止ブレード(絡み付き防止部材)
45B 絡み付き防止ブレードの先端部
52 回転清掃体
53 絡み付き防止ブレード(絡み付き防止部材)
53B 絡み付き防止ブレードの先端部
62 回転清掃体
64 溝部
A 回転清掃体の回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面側に吸込口が開口されたケース体と、このケース体内に前記吸込口に臨ませて回転駆動可能に配置された回転清掃体とを有する吸込口本体部を備えた吸込口体において、
前記回転清掃体は、
回転駆動される回転軸と、
この回転軸の外周部に、前記回転軸の軸方向に沿い且つ前記回転軸の周方向に複数本設けられた塵埃除去用の清掃部材と、
前記回転軸の外周部に、前記回転軸の軸方向に沿い且つ前記回転軸の周方向で前記清掃部材間に複数本設けられ、先端形状が長手方向に沿って傾斜して形成されて前記清掃部材への塵埃の絡み付きを防止する絡み付き防止部材と、を有することを特徴とする吸込口体。
【請求項2】
前記絡み付き防止部材は、先端形状が長手方向に沿って略同一の傾斜角度で傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項3】
前記絡み付き防止部材は、先端形状が長手方向中央位置へ向かって低くなるよう両端から傾斜して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項4】
前記絡み付き防止部材は、清掃部材に隣接し、且つ前記清掃部材に対し回転清掃体の回転方向前方側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の吸込口体を備えた電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−188951(P2011−188951A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56687(P2010−56687)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】