説明

吹き込み臭気捕捉式水蒸気・水回収システムを有する脱水トイレット

臭気捕捉式水蒸気および水回収システムを有する内蔵式脱水トイレット。脱水トイレットは、便器と、便器に接続された脱水エンジンと、脱水エンジンから延びる水蒸気、ガスおよび蒸気の導管と、脱水エンジンから吹き込み水タンクに供給される水蒸気、ガスおよび蒸気を受ける吹き込み給水タンクと、供給水にオゾンを供給するオゾン発生器と、吹き込み給水タンクに接続された真空ポンプと、脱水エンジン、オゾン発生器、制御回路および真空ポンプに電力を供給する電源とを有する。脱水エンジンは、脱水プロセスを助ける加熱装置と螺旋パドルとを有する。脱水トイレットは、水蒸気を再利用し、吹き込み給水タンク内の拡散室で臭気と蒸気とを捕捉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
脱水エンジンから出る水蒸気、不快な廃ガスおよび蒸気を回収し、水蒸気、ガスおよび蒸気をオゾンと共に拡散によってシステムの貯水槽内に混合することにより、人の排泄物を衛生化された粉末に還元し且つ臭気を還元する移動または固定型内蔵モジュール式脱水トイレットに関するものである。脱水トイレットは、二次目的に有用な中水にするための中水処理用の吹き込みタンクを含む。
【背景技術】
【0002】
工業国では、1.6ガロン(6.056リットル)の水洗トイレットが義務づけられている場所を除き、トイレットの水洗のたびに4〜7ガロン(15.14〜26.495リットル)の水を使用する。平均して、典型的な家庭では、トイレットを流すためだけに毎年4万ガロンの水を使用する。湖および海洋は、これまで世界の多くの地域を汚染してきた、部分的に処理されるか、または、未処理の大量の人の排泄物であふれかえっている。何らかの下水処理形態を備えた大都市における都市下水システムでさえ、周囲の湖、海洋および河川に入り込む大量の不快な排泄物を生産している。さらに、通常は、水環境に未処理排泄物を排出するボートや船舶によって別の水質汚染が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、人の排泄物を脱水し、水洗に必要な水量を低減し、トイレットシステムからの臭気の発散を低減し、真空掃除機タイプのバッグまたは中央真空システムに衛生化された粉末を収容する可搬型内蔵式蒸発式トイレットを提供することで従来技術の諸問題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
脱水エンジン、便器、真空用モータ、便器に接続された便座および便座と便器とに接続された便器蓋を含む、人の排泄物を除去する可搬型内蔵式トイレット。便器は、水洗のために便器表面に水を噴射する1つ又は複数のノズルを有する。
【0005】
トイレットは、便器に接続され、便器への水洗水を提供し、水蒸気、不快なガスおよび蒸気から臭気を捕捉する水を供給し回収する水タンクを含む。
【0006】
排泄物脱水エンジンは、脱水エンジン内に水を流し、排泄物が移送されると脱水エンジン区画を密封するために、電動または手動で操作可能な水洗弁を通して便器の出口に接続される。
【0007】
脱水エンジンは、内部の固体および液体排泄物の温度を華氏212度(摂氏100度)超に上げて排泄物を蒸発させ、病原体を低減化する加熱ユニットを含む。排泄物の混合物を混合し粉砕するために、脱水エンジンには回転式パドルが使用されている。パドルは、脱水エンジン内の各々のパドルに接続されたモータによって回転する。
【0008】
脱水エンジンは、液体排泄物および水を、熱によって、ガス、蒸気および水蒸気に変換し、また、固体排泄生成物を乾燥粉末に還元する。
【0009】
真空用モータおよび導管は、逆止弁を通して脱水エンジンと流体連通する。より低い空気圧を生成することで、真空ポンプは、逆止弁の位置に応じて脱水エンジンから乾燥した粉末排泄物を除去する。
【0010】
脱水エンジンは、脱水エンジンと真空ポンプの間に逆止弁を備えた真空ポンプに接続された吸入導管を有する。真空ポンプは、脱水エンジンから廃棄用バック内へ粉末状の脱水固形排泄物を引き込むバッグなどの収集装置への出力口を有する。
【0011】
また、システムは、脱水エンジンから水蒸気と不快なガスと臭気蒸気とを除去し、オゾン(O)を加え、貯水タンクからの水を水蒸気、ガスおよび臭気と混合し、混合物を貯水タンクに戻して臭気を除去し、水として再利用する水蒸気ポンプを含む。水蒸気ポンプは、逆止弁を通して貯水タンクと流体連通している。オゾン発生器は、貯水タンクから水蒸気ポンプへの供給ラインに接続されている。別の戻り導管は、水蒸気ポンプから貯水タンクに戻る水、ガス、蒸気および水蒸気の流れを提供する。
【0012】
トイレットの動作について説明する。便器への給水は、個々のユニットの内蔵式貯水タンク、いくつかのトイレットに水を供給する遠隔の中水タンクまたは家庭の市営上水道から受けられる。
【0013】
便器と脱水エンジンの入り口との間にある洗浄弁は、ボタンが押されるか又は便器の蓋が閉じるとモータによって開く。電気が利用できなければ、手動で洗浄弁をフットペダルで押して開くかバッテリバックアップ電源で開くことができる。
【0014】
洗浄便器内への水噴射により、排泄物が脱水エンジンに送られる。洗浄弁が閉じ、脱水エンジン区画が密封される。所定の洗浄回数後、パドルのモータがパドルを回転させ、混合と攪拌とを行い、同時に、脱水エンジン内の電気加熱部材の電源が入り、混合物を華氏212度(摂氏100度)以上に加熱する。液体物質が蒸発して水蒸気、ガスおよび蒸気を発生させると、水蒸気ポンプの電源が入って逆止弁が脱水エンジン区画に開く。水蒸気ポンプは、脱水エンジン内部の水蒸気、ガス、蒸気および臭気を給水ラインに引き込み、これらを回収する。脱水エンジンからすべてのガス状の湿気が除去されるまでこのプロセスは継続する。
【0015】
また、水蒸気ポンプから脱水エンジンによって除去された水蒸気、ガスおよび蒸気にオゾンと混合された給水から水が注入される。オゾンおよび水を水蒸気、ガスおよび蒸気と混合し、すべて貯水タンクに戻される。このプロセスは、脱水エンジンから臭気を除去し、水蒸気、ガスおよび蒸気を水とオゾンの水溶液に入れ、脱水エンジンによって生成された臭気の大半を基本的に除去し、液体を衛生化する。
【0016】
加熱部材によって固形排泄物が脱水エンジンで十分に乾燥されると、水蒸気ポンプの電源が切れて真空ポンプの電源が入り、逆止弁は、真空ポンプに開き、真空ポンプが脱水エンジン区画から乾燥した排泄物を除去し、乾燥した粉末状の排泄物を廃棄用のバッグに詰める。別の方法としては、トイレットを中央真空システムに接続することができる。
【0017】
システムは、各々が中水道に接続している複数の個別トイレットで運用することができる。
【0018】
便器の蓋が開位置にある場合にすべてのモータとヒータを停止させるために、安全スイッチを使用することができる。
【0019】
水蒸気、ガス、蒸気排気および給水にオゾンが導入され、脱水エンジン内のヒータで生成された水蒸気と他の不快なガスおよび蒸気内の臭気を除去する助けになる。
【0020】
トイレットの別の実施形態では、貯水タンクは、水蒸気と不快なガスおよび蒸気、特に臭気を貯水タンク内の水に直接拡散し、水に直接吹き込むことで、ガスから直接貯水タンク内へ臭気を除去することができるようにする吹き込みタンクを形成する1つ又は複数のガス拡散装置およびガス拡散室を含む。また、拡散室は、中水処理にも使用することができる。
【0021】
本発明の目的は、給水タンクに再利用される回収水を提供しながら最小量の水を用いて人の排泄物を効率的に処理・廃棄しトイレットシステム周囲の臭気を低減する改良型の内蔵式トイレットおよび方法を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、確実に効率的に人の排泄物を処理し臭気を除去することができ、それらすべてが移動式または固定式で住宅、商業または工業用途およびボート、船舶、航空機および地上車両などの移動環境に有用な、単一の内蔵式トイレットまたはマルチトイレットシステムに組み込むことができるトイレット用可搬型脱水エンジンを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】脱水エンジンを用いた本発明の内蔵式移動または固定式脱水トイレットの模式的ブロック図である。
【図2】本発明の脱水エンジンおよびトイレットシステムの動作および方法の流れ図である。
【図3】筺体を取り外した状態の脱水エンジンを含むトイレットシステムの斜視図である。
【図4】螺旋刃を備えた仮想線で示す脱水エンジンで使用するシリンダの斜視図である。
【図5】本発明のトイレットシステムの分解図である。
【図6】トイレットと併用する臭気および汚染物質除去吹き込み装置を示す本発明の別の実施形態の模式図である。
【図7】本発明の別の実施形態の模式的ブロック図である。
【0024】
上記目的および下記の説明を読むことで明らかになる他の目的に従って、添付の図面を具体的に参照しながら本発明について説明する。
【実施例】
【0025】
特に図1を見ると、便座14と、便器の蓋が正しく閉まっていることを示すスイッチ16aを備えた便器の蓋16とを有する便器12を含む本発明装置10が示されている。
【0026】
便器102は、各トイレット用の別のタンク、いくつかの個別トイレットに水を供給する大型貯水タンクからの中水道、または汚物収容タンクへの市営上水道である貯水タンク36から水を受け取る。
【0027】
本発明の重要な部材の1つは、液体とその中に堆積した固形廃棄物質とを内部に配置された液体と共に華氏212度(摂氏100度)以上に加熱する少なくとも1つの加熱部材を含む脱水エンジン20である。脱水エンジン20は、また、エンジン20内部の廃棄物質を粉砕するためのシリンダ内で回転可能な1つ又は複数のパドルを含む。パドル(図4)を駆動するためにモータ22が使用され、バッテリまたは従来の電源である電源24に接続されている。電源24は、脱水エンジン20およびその内部にある電気式加熱のための加熱部材にも接続されている。
【0028】
密封可能な洗浄弁18は、便器12の出力口を脱水エンジン20の入口に接続する。洗浄弁18は、タンク36からのいくらかの水と連携して便器内の排泄物を洗浄し、便器内に水流を噴射して排気物質が開いた弁18を通して脱水エンジン20内に移動させる時以外は閉じている。洗浄プロセスが完了すると、弁18は閉止、密封状態に維持される。脱水エンジン区画は、密封される。洗浄弁18は、電気的に作動する。しかし、停電の際には、弁18はバッテリの電力で開くことができる。あるいは足で作動させる機械的オープナが提供される。
【0029】
システムは、導管46および50によって逆止弁28を通して脱水エンジンに接続された水蒸気ポンプ32を含む。逆止弁28が開いた状態、弁30が閉じた状態の水蒸気ポンプ32は、脱水エンジン20の外部に水蒸気、湿気、ガスおよび蒸気を取り出し、そこで水蒸気、湿気、ガスおよび蒸気は(水蒸気ポンプ内で)タンク36と水蒸気ポンプ32との間の導管42に接続されたオゾン発生器34からのオゾンも含むタンク36からの水と混じりあう。水蒸気ポンプ32からの戻り導管40は、脱水エンジン20からの汚染ガスおよび臭気とその他の蒸気を含む水蒸気ポンプ内で混合された水、水蒸気、蒸気およびオゾンを溶液内にポンプで噴射し、そこで液体とガスの混合物が戻り導管40を通して汚物収容タンク36内にポンプで噴射されて戻され臭気が除去される。水蒸気は、凝縮し、不快なガスおよび蒸気はタンク水内の溶液に捕集される。
【0030】
導管48を通して脱水エンジンへ、また弁30を通して導管50へ真空ポンプ26が提供される。弁28が閉じた状態、弁30が開いた状態で、脱水プロセスの終わりに、固形廃棄物質が粉末に還元され水蒸気と蒸気が脱水エンジン区画から除去された後で、真空ポンプ26は、脱水エンジン20から真空ポンプを通してバッグ38へ粉末状の廃棄物質を引き出し、そこで粉末状の排泄物を廃棄することができる。
【0031】
図1は、ソフトウェアと、電源に接続されたハードウェアと、脱水エンジン用のモータ22と、洗浄弁18と、弁28および30と、真空ポンプ26と、水蒸気ポンプおよびモータ32および32aとを含む制御装置25を示す。制御回路を用いて脱水エンジン20内の加熱部材に電気装置への電源オン/オフにおいて各弁を適切に開閉するタイミングを提供し、特にシステムがバッテリを使用している場合にエネルギーを節約する。
【0032】
脱水エンジン20は、脱水エンジン内に入れられた廃棄物質の量に応じて一定回数の洗浄後に周期的に動作してもよい。脱水エンジン20が起動され洗浄弁18が密閉されると、脱水エンジン20内の加熱部材の電源が入り、廃棄物質を華氏212度(摂氏100度)以上に加熱し、同時にパドル刃が回転し、脱水エンジン20内のシリンダ内の固形廃棄物質を粉砕する。このプロセスのある時点で、弁28が開き、水蒸気ポンプが、水蒸気、ガス、液体、水、湿気および蒸気を脱水エンジンから取り出して導管42から供給されるタンク36内の水と混合し、混合物をタンク36への戻りラインである導管40を通してタンク36に戻す。水蒸気、ガスおよび蒸気がこのプロセス中に脱水エンジンから除去されると、弁28は閉じ、弁30は開いて乾燥粉末の残りが脱水エンジンからバッグ38内へ引き出される。
【0033】
全脱水プロセスは、温度を制御し、洗浄回数をカウントし、モータの電源オン/オフを行い、水流を制御し、放出弁、洗浄弁および安全スイッチを制御するようにプログラミングされた回路基板上の制御回路25によって制御される。
【0034】
便器12を洗浄するために使用される貯水タンク36からの水は、脱水エンジン内に再び捕集され、ガスおよび蒸気(廃棄物質の臭気を含む)と共に水蒸気に転換され、それらすべてが水蒸気ポンプ32内の水溶液に吹き込まれ、汚物収容タンク36に戻されることに留意されたい。臭気は、タンク36内の水に捕捉される。
【0035】
本発明の方法は、内蔵式タンク、遠隔の中水タンクまたは市営上水道から供給でき、そのすべてが水タンクに戻される便器洗浄用水をトイレットに提供するステップを含む。
【0036】
洗浄便器と脱水エンジンの間にある洗浄弁18は、電源がオフの場合に手動のフットペダルで開ける玉弁アセンブリを含む。玉弁は、ボタンが押されるか又は便器の蓋が閉じるとモータによって開くことができる。特に、玉弁18は、シールを有する。
【0037】
廃棄物質は、所定回数の洗浄の一定時間後に脱水エンジン内に入り、パドルモータがオンになり、攪拌を始めると、電気加熱部材の電源がオンになって温度を華氏212度(摂氏100度)以上に上げ、水蒸気ポンプの電源がオンになって脱水エンジンから水蒸気、ガスおよび蒸気を引き出す。水蒸気、ガスおよび蒸気は、水蒸気ポンプにある貯水タンクから供給される水と混合される。また、水は、オゾンも含む。水蒸気、ガスおよび蒸気は、水によって捕集され、タンク36に戻される。
【0038】
残った粉末状の排泄物は、乾燥され、水蒸気ポンプの電源がオフになり、真空ポンプの電源がオンになって粉末状の排泄物をバッグ内に詰めて廃棄する。
【0039】
図2参照すると、便器内の排泄物から始まる全プロセスが示されている。便器の蓋が閉じると、放出弁が作動し、便器を脱水エンジンに対して開き、排泄物は脱水エンジン内に流れ込む。放出弁は、密閉される。排泄物は混合され、パドルとモータによって攪拌される。x回の洗浄後に、排泄物は華氏212度(摂氏100度)以上に加熱される。ある時点で、水蒸気弁が開き、水蒸気と水が脱水エンジンから除去され、そこで貯水タンクからの水およびオゾンと混合され、溶液内に戻され、それにより臭気が除去され、臭気の放出が防止される。このプロセスが完了すると、水蒸気弁は閉じる。ある時点で、物質とその残留物が粉末に還元されると、真空弁が開く。真空ポンプの電源がオンになり、真空口を通して固体が廃棄用バッグ内に除去される。
【0040】
特に図3を見ると、開口部20aを介して便器の洗浄弁、および便器に接続される、便器とは別体の脱水エンジン20が示されている。導管50によって脱水エンジンに接続された水蒸気ポンプ32が示され、ポンプを回転させるポンプモータ32aを含む。導管42を通して水蒸気ポンプ32内に貯水タンク36からの水が導入され、水は、弁28が開いた時に導管50から流れてくる水蒸気、ガスおよび蒸気と混合し、水蒸気、ガスおよび蒸気の混合物を含む水(オゾン発生器34(図1)からのオゾンを含む)は導管40内に流れ、次いで貯水タンク36に戻される。
【0041】
脱水エンジンに接続された導管50は、乾燥された残りの廃棄物質が脱水されて廃棄用バッグ内にポンプで噴射されると脱水エンジンから乾燥した残留物を引き出す真空ポンプに接続する導管48に接続されている。
【0042】
図4を見ると、各シリンダ状の室44、46内には、前記シリンダ44および46内の長手方向に配置された螺旋刃78および84がある。螺旋刃78および84は螺旋刃を第1の方向、次いで第2の方向に回転させるモータ62に接続されている。刃またはパドルの目的は、液体から固形物質を分離させて導電加熱部材を加熱することで蒸発を促進し、排泄物を柔らかくし、側面を清浄して排泄物の排出を助けることである。一連の長い加熱部材がシリンダ44と46の両方の周辺部付近に設置され、所定の時間にモータと壁面外部の室上の加熱部材の各々に接続された加熱出口を制御する制御装置によって起動される。効率のために一続きの洗浄後に、制御回路25(図1)内の制御プログラムを用いて、加熱部材に提供される電源が制御される。バッテリ電源を節約するために、蒸発目的の液体の最も効率的な沸騰または加熱を提供するための温度検知に基づいて、制御回路25がプログラミングされている。
【0043】
図5を見ると、別々の容量の個々の部分を備えた本発明の分解図が示されている。便器12および便器の蓋16は、密封可能な洗浄弁18によって脱水エンジン20と分離されている。真空用モータ26は、逆止弁28を通して乾燥した残留物を除去し、粉末を真空バッグ38内に堆積する。水蒸気ポンプ32は、水とオゾン発生器34からのオゾンとを戻された水に捕集された汚染水蒸気、ガスおよび蒸気に提供し、この水は再利用される。オゾン発生器のカバー40が提供される。
【0044】
図6、図7を見ると、本発明の別の実施形態が開示されている。図6は、別の実施形態の汚物収容タンクを示す。汚物収容タンク136の機能の1つは、廃棄物質が脱水エンジンで経験する高温(華氏212度(摂氏100度)以上)から発生する水蒸気、蒸気およびガスを含む脱水エンジンから排出された廃棄物質から、空気中の汚染物質、特に臭気とその他の不快な汚染物質を除去することである。脱水タンクに接続された洗浄便器内に噴射された水と汚物収容タンク内に脱水エンジンから直接低圧で排出された廃棄物質内の湿気は、水蒸気、ガスおよび蒸気になる。図6に示す汚物収容タンク136は、上部が閉じて密閉され底部が開いている個々の吹き込み室138、140および142を含む閉鎖された貯水タンクハウジング136aを含む。各室は、部分的に貯水タンク内の水144(またはその他の液体)中に沈んでいる。各吹き込み室は、第1段のガス吹き込み装置160への入力口である脱水エンジンから供給される蒸気、水蒸気およびガスの出力口を有する導管150に接続されたガス拡散装置を室底部の近くに含む。ガス拡散装置160は、ガスを気泡として水中に放出する小さい穴を多数備えている。ガスの気泡は、水144の表面まで上昇し、各吹き込み室136、138および140の水面上の空間に放散される。各々の室は、大気または周囲空気への出口を有する第3の空気吹き込み室142の上部に配置された真空排気ポンプのために低いガス圧を受ける上部の閉鎖部を有する。
【0045】
貯水タンク136内の吹き込み室の各々の目的は、脱水エンジンから排出される臭気および汚染物質を除去するために、水蒸気およびガスの空中拡散を提供することである。真空ポンプ170によって引き起こされる大気圧より低い気圧によって、第3の室142はローカル拡散装置168を備え、ローカル拡散装置168は第2の室140に接続されている。拡散装置164は、第1の室138からガスを供給される。拡散装置内で水蒸気は、凝縮し、タンク136内の水と混合する。臭気および汚染物質は、拡散装置160、164および168内の水に吹き込まれる。オゾンは、臭気の還元および水の浄化を促進する。
【0046】
第1、第2および第3の吹き込み室に配置された複数の拡散装置160、164および168は、ガス内の不快な汚染物質を汚物収容タンク136内の水に拡散させる。
【0047】
図7を参照すると、貯水タンクが脱水エンジン120およびオゾン発生器134に直接接続されたタンク136で表されている。タンク136は、図6に示すタンクと空気拡散システムとによって表されている。
【0048】
貯水タンク136は、脱水エンジンからの水蒸気の除去に基づいて過剰な量の水が生成された場合に溢流を収容することができる。タンク136の別の供給源は、市営上水道またはシャワー水からの中水もしくは再利用のために処理すべき他の水を使用する地下水システムである。また貯水タンク136は、便器12に洗浄水を提供する弁およびソレノイドを含む便器12に接続された出口導管172を有する。図6、図7に示す別の実施形態を用いて、真空ポンプ170は、タンク136内に吹き込まれる、脱水エンジンからのガスおよび水蒸気を引き込み、無臭の空気およびガスを周囲空気に放出する低圧をタンク136内に生成する。脱水エンジンで生成された臭気とその他の汚染物質は除去される。異なる数種の液体をタンク136内で使用して、さまざまな危険な環境で生成されたその他のガスを吹き込むこともできる。
【0049】
以上、本発明の好適例を図示し説明した。しかしながら、本発明の範囲を逸脱することなく本発明の変更が可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭気捕捉式水蒸気・水回収システムを有する内蔵式脱水トイレットであり、
出口通路を有する便器と、
前記便器の前記出口通路に接続された人排泄物脱水エンジンと、
入口流体導管を有するとともに、前記便器を洗浄する水を提供するために前記便器に接続された第1の出口導管を有する給水タンクと、
前記脱水エンジンに接続され、排泄物脱水過程で前記脱水エンジンで生成される水蒸気とガスを受ける水蒸気ポンプと、
前記脱水エンジンと前記水蒸気ポンプとに電力を供給する電源とを含み、
前記水蒸気ポンプが、
前記給水タンクの水と、前記脱水エンジンから受け取る水蒸気およびガスとを混合する混合室、
前記給水タンクの出口に接続する入口導水管、および
前記給水タンクの入口に接続する出口導管を有するとともに、前記脱水エンジンから水蒸気とガスを受け、前記水蒸気とガスを前記給水タンクから供給される水と混合して前記水蒸気とガスを溶液になし、該溶液を前記給水タンクに戻すようになされている脱水トイレット。
【請求項2】
前記脱水エンジンから出る水蒸気およびガスと混合するために前記水蒸気ポンプに提供される供給水にオゾンを添加するために、前記給水タンクと前記水蒸気ポンプとの間の給水ラインに接続されたオゾン発生器を更に含む請求項1に記載された脱水トイレット。
【請求項3】
吹き込み臭気捕捉式水蒸気・水回収システムを有する内蔵式脱水トイレットであり、
出口通路を有する便器と、
前記便器の前記出口通路に接続された人排泄物脱水エンジンと、
前記便器に洗浄水を提供するために前記便器に接続された第1の出口導管を有し、供給水を保有する吹き込み給水タンクとを含み、
前記吹き込み給水タンクが、前記給水タンク内に配置された少なくとも1つの吹き込み室を有し、該吹き込み室が、上部で閉じ底部で開き、前記吹き込み室の底部が、前記供給水中に浸漬されており、
前記脱水トイレットが、更に、
前記第1の室内の前記吹き込み給水タンク内に設置され前記給水タンク内の供給水中に浸漬された第1の水蒸気・ガス拡散装置であって、前記脱水エンジンから供給される水蒸気とガスを受けるために、前記脱水エンジンに接続された第1の拡散導管を有する第1の水蒸気・ガス拡散装置と、
前記吹き込み室の上部閉鎖部分で拡散水蒸気とガスを受け、前記吹き込み室の前記上部における水の液面上の前記ガスを周囲大気に放出するために、前記第1の拡散室に流体連通接続された真空ポンプと、
前記脱水エンジン、前記オゾン発生器および前記真空ポンプに電力を供給する電源とを含む脱水トイレット。
【請求項4】
前記吹き込み給水タンク内に設置され、閉じた上部と開いた底部を有する第2の拡散室と、
ガスと水蒸気を拡散するために、前記第2の拡散室の前記底部に設置された第2の水蒸気・ガス拡散装置であって、該第2の水蒸気・ガス拡散装置が、前記供給水中に浸漬され、前記第1の室から供給される拡散ガスを受け前記ガスを前記第2の水蒸気・ガス拡散室内で拡散させるために、内側上部の前記第1の室に接続された第2の流体導管を有する前記第2の水蒸気・ガス拡散装置とを含み、
前記真空ポンプが、前記第2の室の上部領域と流体連通接続され、それによって前記脱水ポンプから受け取るガスが前記第1の室内に拡散し、次に前記第2の室に移送され、該ガスが、再び拡散され、次に前記真空ポンプを通じて大気に放出されるようになされている請求項3に記載された脱水トイレット。
【請求項5】
前記吹き込み給水タンク内で拡散されるべき前記水蒸気とガスの混合物にオゾンを供給するために、前記脱水タンクから前記吹き込み給水タンクまでの前記水蒸気・ガス供給導管に接続されたオゾン発生器を含む請求項3に記載された内蔵式脱水トイレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−536702(P2009−536702A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510071(P2009−510071)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/068131
【国際公開番号】WO2007/133954
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(507141446)
【Fターム(参考)】