周波数を求める回路装置
【課題】周波数を安価に高い精度で求める。
【解決手段】出力信号の周波数が分割され、低周波信号から既知の周波数を持つ低周波信号が減じられる。低周波の差信号に基いて出力周波数が求められる。
【解決手段】出力信号の周波数が分割され、低周波信号から既知の周波数を持つ低周波信号が減じられる。低周波の差信号に基いて出力周波数が求められる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数を正確に求める装置及び方法に関する。本発明は、例えば各出力周波数に制御電圧を対応させる対応表(ルックアップテーブル)をプロセッサに記憶する電圧制御の発振器を持つ高周波の周波数変調レーダセンサにおいて使用される。対応表を作成するため、例えば一定の制御電圧が規定され、出力周波数が非常に正確な周波数測定によって求められる。その代りに、特定の周波数が得られるまで、制御電圧が変化される。異なる方法も考えられる。その場合適当な周波数/電圧対がルックアップテーブルに記憶される。いずれの場合も非常に正確な周波数測定が必要である。
【背景技術】
【0002】
発振器の高周波出力信号(f1)を分周器(2)によって低い最終周波数に分周することは公知であり、この最終周波数は、公知の方法例えばカウンタFFTなどのような数学的方法により、例えばマイクロコントローラ(MC)においてデジタル化可能である。マイクロコントローラにはルックアップテーブルが記憶され、このテーブルにより、発振器(f1)の周波数を、制御電圧導線を介して制御することができる。周波数源(1)、分周器(2)及び低周波数の周波数分析器(4)を有する回路構造が、図1に示されている。最終周波数を求める際x%の誤差は、高周波を求める際同様にx%誤差を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、周波数を安価にかつ高い精度で求めることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1及び8の特徴によって解決される。従属請求項は本発明の好ましい構成を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】 従来の回路装置の原理的構成を示す。
【図2】 本発明による回路装置の原理的構成を示す。
【図3】 本発明の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図2において、高周波信号(f1)は、まず除数Nによる割り算によって中間周波数に分けられ、中間信号(f2)が出力される。中間信号(f2)から、周波数減算器(3)により補助信号(f0)が減じられ、こうして周波数が再度低減される。低周波数の最終信号(f3=f2−f0)が、適当な評価手段(4)によって分析される。最終信号(f3)の周波数から高周波信号(f1)の周波数が、補助信号(f0)の加算及び分周器(2)の除数Nとの乗算によって求められる。周波数分析の費用を少なくするため、除数N>4を持つ減算器が用いられる。
【0007】
低周波出力信号の算定がx%の誤差を伴う場合、高周波の算定の際に生じる誤差y<<xのy%となる。例えば
f1=25000MHz
N =2048
f0=12MHz
において実行する場合、最終周波数を求める際における10%の誤差は、高周波fを求める際における0.17%の誤差を生じるに過ぎない。これは、59倍の精度改善である。
【0008】
本発明の好ましい構成が図3に示されている。減算器(3)は、後に低域フィルタ(3b)を接続される簡単な論理ゲート(3a)例えばANDゲート、XORゲート等により実現されている。この場合特別な実行は、XORゲート(3a)の使用である。なぜならば、XORゲートは、両方の入力周波数の所望の差のほかに、副産物として両方の入力周波数の和のみを与え、それ以外の副産物を与えない。両方の入力周波数の望ましくない和は、後に接続される低域フィルタ(3b)によって安価に除去される。信号レベルの低下は、比較器(3c)又は増幅器の使用によって補償することができる。
【0009】
補助発振器(0)はなるべく簡単なインバータ及び水晶により形成される。1つの例は、並列共振の水晶及びインバータを使用するピアス発振器である。回路の振動周波数は大体において水晶の並列共振周波数により決定され、アースに対する両方の容量によって一層容易に調整される。この装置は非常に安価であり、非常に正確な補助周波数f0を与える。別のインバータは、補助発振器と減算器との間の分離増幅器(バッファ)として使用することができる。その場合理想的には二重インバータが使用される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数を正確に求める装置及び方法に関する。本発明は、例えば各出力周波数に制御電圧を対応させる対応表(ルックアップテーブル)をプロセッサに記憶する電圧制御の発振器を持つ高周波の周波数変調レーダセンサにおいて使用される。対応表を作成するため、例えば一定の制御電圧が規定され、出力周波数が非常に正確な周波数測定によって求められる。その代りに、特定の周波数が得られるまで、制御電圧が変化される。異なる方法も考えられる。その場合適当な周波数/電圧対がルックアップテーブルに記憶される。いずれの場合も非常に正確な周波数測定が必要である。
【背景技術】
【0002】
発振器の高周波出力信号(f1)を分周器(2)によって低い最終周波数に分周することは公知であり、この最終周波数は、公知の方法例えばカウンタFFTなどのような数学的方法により、例えばマイクロコントローラ(MC)においてデジタル化可能である。マイクロコントローラにはルックアップテーブルが記憶され、このテーブルにより、発振器(f1)の周波数を、制御電圧導線を介して制御することができる。周波数源(1)、分周器(2)及び低周波数の周波数分析器(4)を有する回路構造が、図1に示されている。最終周波数を求める際x%の誤差は、高周波を求める際同様にx%誤差を意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、周波数を安価にかつ高い精度で求めることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1及び8の特徴によって解決される。従属請求項は本発明の好ましい構成を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】 従来の回路装置の原理的構成を示す。
【図2】 本発明による回路装置の原理的構成を示す。
【図3】 本発明の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図2において、高周波信号(f1)は、まず除数Nによる割り算によって中間周波数に分けられ、中間信号(f2)が出力される。中間信号(f2)から、周波数減算器(3)により補助信号(f0)が減じられ、こうして周波数が再度低減される。低周波数の最終信号(f3=f2−f0)が、適当な評価手段(4)によって分析される。最終信号(f3)の周波数から高周波信号(f1)の周波数が、補助信号(f0)の加算及び分周器(2)の除数Nとの乗算によって求められる。周波数分析の費用を少なくするため、除数N>4を持つ減算器が用いられる。
【0007】
低周波出力信号の算定がx%の誤差を伴う場合、高周波の算定の際に生じる誤差y<<xのy%となる。例えば
f1=25000MHz
N =2048
f0=12MHz
において実行する場合、最終周波数を求める際における10%の誤差は、高周波fを求める際における0.17%の誤差を生じるに過ぎない。これは、59倍の精度改善である。
【0008】
本発明の好ましい構成が図3に示されている。減算器(3)は、後に低域フィルタ(3b)を接続される簡単な論理ゲート(3a)例えばANDゲート、XORゲート等により実現されている。この場合特別な実行は、XORゲート(3a)の使用である。なぜならば、XORゲートは、両方の入力周波数の所望の差のほかに、副産物として両方の入力周波数の和のみを与え、それ以外の副産物を与えない。両方の入力周波数の望ましくない和は、後に接続される低域フィルタ(3b)によって安価に除去される。信号レベルの低下は、比較器(3c)又は増幅器の使用によって補償することができる。
【0009】
補助発振器(0)はなるべく簡単なインバータ及び水晶により形成される。1つの例は、並列共振の水晶及びインバータを使用するピアス発振器である。回路の振動周波数は大体において水晶の並列共振周波数により決定され、アースに対する両方の容量によって一層容易に調整される。この装置は非常に安価であり、非常に正確な補助周波数f0を与える。別のインバータは、補助発振器と減算器との間の分離増幅器(バッファ)として使用することができる。その場合理想的には二重インバータが使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力信号(f1)を発生する発振器(1)、
出力信号(f1)を分割して中間信号(f2)を出力する分周器(2)、
補助信号(f0)を発生する補助発振器(0)、
中間信号(f2)から補助信号(f0)を減じて最終信号(f3)を発生する周波数減算器(3)、
最終信号(f3)の周波数を分析する手段(4)、及び
最終信号(f3)の周波数に基いて出力信号(f1)を求める手段
を含んでいる、周波数を求める回路装置。
【請求項2】
周波数減算器(3)がデジタル論理ゲートを含んでいる、請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
ゲートがXORゲートとして構成されている、請求項2に記載の回路装置。
【請求項4】
デジタル論理ゲートの後に低域フィルタが接続されている、請求項2又は3に記載の回路装置。
【請求項5】
低域フィルタの後に比較器が接続されている、請求項4に記載の回路装置。
【請求項6】
補助発振器が、インバータ及び水晶を含んでいる、請求項1に記載の回路装置。
【請求項7】
別のインバータが補助発振器と減算器との間の緩衝増幅器として設けられている請求項6に記載の回路装置。
【請求項8】
出力信号(f1)が、分周された出力信号を中間信号(f2)として出力する分周器(2)に供給され、
中間信号(f2)から補助信号(f0)が減じられ、最終信号(f3)が出力され、かつ
最終信号(f3)の周波数が分析され、それから出力信号(f1)の周波数が求められる周波数を求める方法。
【請求項1】
出力信号(f1)を発生する発振器(1)、
出力信号(f1)を分割して中間信号(f2)を出力する分周器(2)、
補助信号(f0)を発生する補助発振器(0)、
中間信号(f2)から補助信号(f0)を減じて最終信号(f3)を発生する周波数減算器(3)、
最終信号(f3)の周波数を分析する手段(4)、及び
最終信号(f3)の周波数に基いて出力信号(f1)を求める手段
を含んでいる、周波数を求める回路装置。
【請求項2】
周波数減算器(3)がデジタル論理ゲートを含んでいる、請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
ゲートがXORゲートとして構成されている、請求項2に記載の回路装置。
【請求項4】
デジタル論理ゲートの後に低域フィルタが接続されている、請求項2又は3に記載の回路装置。
【請求項5】
低域フィルタの後に比較器が接続されている、請求項4に記載の回路装置。
【請求項6】
補助発振器が、インバータ及び水晶を含んでいる、請求項1に記載の回路装置。
【請求項7】
別のインバータが補助発振器と減算器との間の緩衝増幅器として設けられている請求項6に記載の回路装置。
【請求項8】
出力信号(f1)が、分周された出力信号を中間信号(f2)として出力する分周器(2)に供給され、
中間信号(f2)から補助信号(f0)が減じられ、最終信号(f3)が出力され、かつ
最終信号(f3)の周波数が分析され、それから出力信号(f1)の周波数が求められる周波数を求める方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2012−177667(P2012−177667A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55918(P2011−55918)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(503355292)コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (79)
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
【住所又は居所原語表記】Sieboldstrasse 19, D−90411 Nuernberg, Germany
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(503355292)コンティ テミック マイクロエレクトロニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (79)
【氏名又は名称原語表記】Conti Temic microelectronic GmbH
【住所又は居所原語表記】Sieboldstrasse 19, D−90411 Nuernberg, Germany
[ Back to top ]