呼吸に適したガスを患者に送達する装置用の認識システム
フロージェネレータと共に使用されるアダプタは、フロージェネレータ(14)の出口(24)に取付け可能な導管(16)と、導管によって支持され、フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素(46)とを含む。フロージェネレータの適切な動作パラメータが、フロージェネレータによって自動的に選択されて、特定の周辺構成要素と協調できるように、識別特徴はフロージェネレータに伝達可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全体が参考により本明細書に組み込まれる、2006年3月1日出願の米国特許出願第60/656880号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、呼吸に適したガスを患者に送達する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸に適したガスを患者に送達する装置は、一般的に、フロージェネレータ、空気送達導管、および患者インターフェースを含む。使用に先立って、フロージェネレータの動作パラメータ、例えば治療圧力を、使用される周辺構成要素、例えば患者インターフェースと協調させるため、患者が手動で調節する必要がある。例えば、既知のフロージェネレータは、使用される周辺構成要素のタイプを、例えば銘柄、送達方法などによって患者が選択できるようにする、メニューシステムを含む。構成要素が患者によって選択されると、フロージェネレータは、選択された構成要素と最も良好に協調する、フロージェネレータの適切な動作パラメータを選択することができる。
【0004】
本発明は、フロージェネレータと周辺構成要素との協調を容易にする、既知の装置に対する改善を提供する。
【特許文献1】米国特許出願第60/656880号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの態様は、フロージェネレータと周辺構成要素の間の協調を容易にする構造を提供する認識システムを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の別の態様は、治療のために出口で患者に提供される加圧空気の供給を生成するフロージェネレータと共に使用されるアダプタに関する。アダプタは、フロージェネレータの出口に取付け可能な導管と、導管によって支持され、フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素とを含む。フロージェネレータの適切な動作パラメータが、フロージェネレータによって自動的に選択されて、特定の周辺構成要素と協調できるように、識別特徴はフロージェネレータに伝達可能である。
【0007】
本発明の他の態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことにより、明らかになるであろう。添付図面は、本開示の一部であり、本発明の原理を一例として図示する。
【0008】
添付図面は、本発明の様々な実施形態についての理解を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜9は、本発明の一実施形態にしたがって構成された認識システム10を示す。認識システム10は、例えば、睡眠呼吸障害(SDB)をCPAPまたは非侵襲性陽圧換気法(NIPPV)を用いて治療するため、呼吸に適した加圧空気の患者への供給を送達する装置12と共に使用されるように構築される。図1に最も良く示されるように、装置12は、一般に、フロージェネレータ14、空気送達導管16、および患者インターフェース18を含む。より詳細に後述されるように、認識システム10は、フロージェネレータ14の適切な動作パラメータがフロージェネレータ14によって自動的に選択されて、選択された周辺構成要素と協調できるように、フロージェネレータ14が、患者によって選択された周辺構成要素の1つまたは複数を自動的に認識または識別することを可能にする。
【0010】
フロージェネレータ14は、治療のために患者に提供される加圧空気の供給を生成するように構築される。フロージェネレータ14は、ハウジング20と、ハウジング20内で支持されるブロワー22とを含む。当該技術では知られているように、ブロワー22は、1つまたは複数の吸気開口部を介してハウジング20に空気の供給を引き込み、かつ出口24で空気の圧流を提供するように動作可能である(図1、4、および5を参照)。
【0011】
加圧空気の供給は、図1に示されるように、フロージェネレータ14の出口24に連結された1つの端部26と患者インターフェース18に連結された反対側の端部28とを含む、空気送達導管16を介して患者に送達される。
【0012】
患者インターフェース18は、患者の顔面を快適に係合し、封止を提供する。患者インターフェース18は、当該分野で知られているような任意の適切な構成、例えば、全面マスク、鼻マスク、口鼻マスク、口マスク、鼻プロング(prongs)などを有してもよい。また、患者インターフェース18を患者の顔面上の所望の位置で快適に支持するため、任意の適切なヘッドギア装置30が使用されてもよい。
【0013】
図2〜4に最も良く示されるように、フロージェネレータ14のハウジング20は、上側壁32と、下側壁34と、上側壁32と下側壁34を相互接続する側壁36とを含む。図示された実施形態では、出口24は側壁36の1つに設けられる。また、上側壁32は、フロージェネレータ14の1つまたは複数のパラメータ、例えば治療圧力を調節する手動制御部38を組み込んでいる。ただし、出口24および/または制御部38は、ハウジング20の壁のいずれに組み込まれてもよい。また、フロージェネレータ14は、ハウジング20に組み込まれる追加の機構、例えば電源を含んでもよいことを理解されたい。
【0014】
図6に示されるように、フロージェネレータ14は、入力信号を受け取り、かつ入力信号に基づいてブロワー22の動作を制御するように動作可能なコントローラ40を含む。入力信号は、患者によって手動で選択されて、フロージェネレータ14の様々なパラメータを調節することができる、複数の制御機構を有する制御部38によって提供されてもよい。例えば、コントローラ40がブロワーの出口圧力を調節して、選択された患者インターフェース18と協調させるように、患者は、使用される患者インターフェース18のタイプを、例えば制御部38のメニューシステムを介して選択してもよい。コントローラ40は、例えば銘柄または送達方法によって、様々な患者インターフェースに対して好ましい動作パラメータを格納するメモリ42を含んでもよい。コントローラ40が、選択された患者インターフェース18に関する入力信号を制御部38から受け取ると、コントローラ40は、選択された患者インターフェース18に対するメモリ42内に格納された動作パラメータに基づいて、ブロワー22を動作させることができる。あるいは、選択された患者インターフェース18に対する好ましい動作パラメータは、制御部38を介して手動で入力可能となる。
【0015】
コネクタの認識
認識システム10が提供されると、フロージェネレータ14のコントローラ40が、1つまたは複数の周辺構成要素、例えば患者インターフェース18を自動的に認識することが可能になるので、患者は制御部38を利用する必要がない。さらに、認識システム10は、フロージェネレータ14が、選択された周辺構成要素のために特に最適化された動作パラメータを選択することを可能にするので、認識システム10は、装置12がより効率的に動作することを可能にする。
【0016】
図示された実施形態では、認識システム10は、フロージェネレータ14によって提供される第1のコネクタ部分44(例えば、図4、5、および6を参照)と、第1のコネクタ部分44と取外し可能に連結されるように適合された第2のコネクタ部分46(例えば、図2、3、および6〜9を参照)とを含む。第2のコネクタ部分46は、特定の周辺構成要素、例えば患者インターフェース18と関連付けられ、特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を含む。第1のコネクタ部分44は、コントローラ40が識別特徴、さらには関連付けられた周辺構成要素を認識できるように、第2のコネクタ部分46の識別特徴をコントローラ40に伝達する構造を含む。その結果、コントローラ40は、例えばメモリ42を介して、ブロワー22の適切な動作パラメータを選択して、関連付けられた周辺構成要素と協調することができる。例えば、ブロワーの出口圧力が患者インターフェースの1つの群、例えば鼻用に対しては比較的低く、患者インターフェースの別の群、例えば鼻および口用に対しては比較的高くなるように、ブロワー22が制御されてもよい。
【0017】
図2、3、および7〜9に示されるように、第2のコネクタ部分46は、フロージェネレータ14の出口24と空気送達導管16の端部26とを相互接続するように適合された、アダプタ48上に提供される。具体的には、アダプタ48は、出口24に取付け可能な第1の端部部分50と、空気送達導管16に取付け可能な第2の端部部分52とを含む導管の形態である。図示されるように、第1の端部部分50は、第2の端部部分52よりも大きな直径を有する。ただし、端部部分50、52は、任意の適切な構成、例えば類似した直径を有してもよい。また、間隔が空けられた輪郭が付けられた畝の形態の把持部分54が、接続を容易にするため、第1および第2の端部部分50、52の間に提供される。
【0018】
図示されるように、第2のコネクタ部分46は第1の端部部分50に取り付けられる。その結果、アダプタ48が出口24に連結されているとき、第2のコネクタ部分46は、フロージェネレータ14上の第1のコネクタ部分44と取外し可能に連結することができる。図示された実施形態では、第1のコネクタ部分44は第1の導体の形態であり、第2のコネクタ部分46は第2の導体の形態である。また、第2の導体46は、特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する、抵抗器の形態の識別要素と橋絡される。
【0019】
使用中、第2の導体46が第1の導体44に電気的に連結されるように、アダプタ48は出口24に取り付けられる。図示された実施形態では、第2の導体は、軸方向に延びる開口部58を備えた金属ピン56を含み、第1の導体は金属ピン60を含む。金属ピン56の軸方向に延びる開口部58は、その中に金属ピン60を受け入れて、第1および第2の導体44、46を電気的に連結する。ただし、第1および第2導体44、46は、他の任意の適切な方法で電気的に連結されてもよい。連結されると、コントローラ40は、第2の導体46と橋絡された抵抗器によって提供される抵抗を検出することができる。抵抗は個々の周辺構成要素に固有なので、コントローラ40は、抵抗によって特定の周辺構成要素を認識することができる。認識されると、フロージェネレータ14の適切な動作パラメータが、コントローラ40によって自動的に選択されて、指定された周辺構成要素と協調することができる。
【0020】
例えば、図10は、ResMed Ltd.によって販売されている3つの既知の患者インターフェースを列挙している。患者インターフェースにはそれぞれ、固有の抵抗値を有する第2のコネクタ部分46を有するアダプタ48が供給される。図示された実施形態では、Activa(登録商標)は約1オームの抵抗を提供する抵抗器を有し、Mirage(登録商標)は約2オームの抵抗を提供する抵抗器を有し、UltraMirage(登録商標)は約3オームの抵抗を提供する抵抗器を有する。したがって、アダプタ48およびその第2のコネクタ部分46がフロージェネレータ14と係合されているとき、コントローラ40が2オームの抵抗を検出した場合、コントローラ40は、Mirage(登録商標)がフロージェネレータ14に連結されていると認識し、Mirage(登録商標)に対して最適化されたブロワーの動作パラメータを選択する。
【0021】
したがって、認識システム10は、患者が単に、アダプタ48およびその第2のコネクタ部分46をフロージェネレータ14に連結して、特定の周辺構成要素、例えば患者インターフェース18に対してフロージェネレータ10を自動的に構成することができる、「プラグアンドプレイ」構成を提供する。
【0022】
装置12の1つを超える周辺構成要素は、関連付けられた周辺構成要素に対してフロージェネレータ14を自動的に構成する、固有のアダプタ48を備えてもよいことを理解されたい。例えば、アダプタ48は、患者インターフェース18、空気送達導管16、およびフロージェネレータ14に連結された給湿器(図示なし)のそれぞれを備えてもよい。コントローラ40が、どの構成要素がフロージェネレータ14に連結されているかを認識できるように、各アダプタ48は、上述したように固有の識別特徴を有する。さらに、コントローラ40は、患者インターフェース18、空気送達導管16、給湿器それぞれの特徴を考慮に入れるように、フロージェネレータ14の動作を最適化することができる。
【0023】
一実施形態では、アダプタ48は、特定の周辺構成要素に対応するように色分けされてもよい。さらに、周辺構成要素は、対応するアダプタ48の色と一致する色付きの要素を有してもよい。これにより、アダプタ48を容易に認識し、各構成要素と関連付けることが可能になる。例えば、患者インターフェース18は、紫色のアダプタ48を伴う紫色のスイベルコネクタを有してもよい。紫色のアダプタ48がフロージェネレータ14に連結されると、コントローラ40は、紫色の患者インターフェース18の特徴に対応するようにフロージェネレータ14を最適化する。それに加えて、または別の方法では、コネクタおよび/または周辺構成要素は、例えば多角形、六角形などの形状のような触覚インジケータを有してもよい。
【0024】
複数の周辺構成要素、例えば患者インターフェースおよび給湿器が、フロージェネレータ14に連結されたとき、複数のアダプタ48が、フロージェネレータ14の出口24に積み重ねられてもよい。例えば、給湿器と関連付けられた黄色のアダプタ48に積み重ねられた、患者インターフェース18と関連付けられた紫色のアダプタ48は、患者インターフェース18と給湿器の両方がフロージェネレータ14に取り付けられていることを、コントローラ40に信号で伝達する。積み重ねられると、アダプタの1つ48Aは、上述したようにフロージェネレータ14に連結され、第2のアダプタ48Bは第1のアダプタ48Aに連結されるので、図11に示すように、第2のアダプタ48Bの第1の端部50は第1のアダプタ48Aの第2の端部52に取付け可能であり、第2のアダプタ48Bの第2の端部52は空気送達導管16に取付け可能である。さらに、第2のアダプタ48Bの導体46は、第1のアダプタ48Aの導体46の後部に電気的に連結される。一実施形態では、取付けの順序に制限が課せられるように、アダプタ48Bは、下流側のコネクタからはプラグを受け入れることができないように、正確に言えば、フロージェネレータにより近いアダプタ48Aにのみプラグ接続することができるように構築されてもよい。ただし、コネクタの組立て作業を容易にするため、アダプタを無作為な順序で取り付けることができることが好ましい。
【0025】
並列に配線された2つの抵抗器値の合計値は、単純なエレクトロニクスを介して認識することができる(例えば、R1が患者インターフェースと関連付けられた抵抗器値であり、R2が給湿器と関連付けられた抵抗器値であるとき、1/R Total=1/R1+1/R2)。(1/R Total)の値は、ブロワーの設定に関連し、それによって、選択された患者インターフェースと給湿器両方の特定の特徴で最適に機能するように動作パラメータが調節される。この構成により、接続されたシステムが最適に動作するように周辺構成要素を整合させるための、ユーザの関与が排除される。
【0026】
認識システム10は、コントローラ40が選択された周辺構成要素を自動的に認識できるようにするのに適した、任意の構造を有してもよいことを理解されたい。図示された実施形態では、識別可能な抵抗器を組み込んだアダプタ48が、周辺構成要素を識別するために利用される。ただし、識別要素は、任意の適切な識別可能な構造、例えば、インピーダンス(例えば様々なサイズの孔を使用する)、マイクロスイッチ、赤外線検出器、様々な長さのピン、様々な数のピン、様々なピン取付物、ばね荷重などを有してもよい。例えば、一実施形態は、マイクロスイッチ(または、長さによっては一連のスイッチ)を組み込むことができるか、あるいは、ピンの長さによって、例えば、可変抵抗器を動作させるレバーをピンがどれだけの距離押すかによってその値が決定される、可変抵抗器を動作させることができる、1つまたは複数の様々な長さのピン46.1を、コネクタの端部に組み込んでもよい。コネクタの周りに配置された一連のマイクロスイッチ、例えば6個のスイッチは、リモートコントロールと同様に、ピン46.2によってオンまたはオフどちらかの位置に動作されることができる。例えば、図12および13を参照のこと。
【0027】
あるいは、アダプタ、および/またはピンなどのその構成要素は、周辺構成要素を備えたフロージェネレータを符号化する、コード化された部分を含んでもよい。これは、ハウジングをカメラに装填する際に、カメラフィルムハウジングが、カメラフィルムを備えたカメラを符号化する方式に類似している。
【0028】
別の実施形態では、第2のコネクタ部分46は、アダプタ48とは別の、フロージェネレータ14上に提供された第1のコネクタ部分44と係合可能な別個のキーとして提供されてもよい。したがって、アダプタ48は排除されてもよく、空気送達導管16は、フロージェネレータ14の出口24に直接接続してもよい。
【0029】
また、コントローラ40は、任意の適切なやり方で周辺構成要素を識別してもよい。換言すれば、周辺構成要素と関連付けられた識別特徴は、任意の適切なやり方でコントローラ40に伝達されてもよい。例えば、識別特徴は、周辺構成要素、例えば患者インターフェース自体に組み込まれ、周辺構成要素からフロージェネレータ14まで延びるワイヤを介して、コントローラ40に伝達されてもよい。あるいは、識別特徴は、無線で、例えばRFID、IR、プリズム式、スマートカード(コンピュータチップ)で、コントローラ40に伝達されてもよい。「無線」の実施形態では、コントローラ40は、周辺構成要素と関連付けられた識別構成要素によって送信された信号を受け取るように適合された受信器に連結される。
【0030】
別の実施形態では、周辺構成要素は、識別情報を有するバーコードを含んでもよいので、周辺構成要素がフロージェネレータ14上に提供されたバーコード読取機に通され、それによって、コントローラ40が、利用されている特定の周辺構成要素を識別できるようにされてもよい。
【0031】
また、識別構成要素によって、他の情報、例えば患者の使用のログ、各使用中に使用された構成要素、寿命、サービス指示などが提供されてもよい。
【0032】
フロージェネレータ14は、周辺構成要素が認識され、かつ/または識別されていることを示す、1つまたは複数の表示灯を含んでもよい。例えば、図2および3に示されるように、フロージェネレータ14は、構成要素がまだ認識されていないことを示す赤色灯62(図2)と、アダプタ48が接続され、関連付けられた構成要素が認識されていることを示す緑色灯64とを含む。したがって、表示灯は、接続およびブロワー設定の状態に関する正のフィードバックを提供してもよい。異なる灯、例えばActiva(登録商標)マスクのための1つの灯と、UltraMirage(登録商標)全面マスクなどのための別の灯が、さらに、異なる周辺装置を示し、正しく調整されていることを確認してもよい。
【0033】
図示された実施形態では、第2のコネクタ部分46が第1のコネクタ部分44と連結できるようにするため、アダプタ48は、出口24および第1のコネクタ部分44と適切に整列されなければならない。ただし、第1および第2のコネクタ部分44、46は、出口24に対するアダプタ48の向きが重要ではないように、構成され配置されてもよい。さらに、フロージェネレータは、認識システムの1つまたは複数の構成要素が採用されていなくても動作し続けるが、動作特性は、使用中の特定の構成要素に対して最適化されないことがある。
【0034】
認識システム10は、接続された周辺構成要素と共に機能するようにフロージェネレータ14が最適化されることを可能にする点で有利である。これにより、フロージェネレータ14の設定に対する患者の関与が最小限に抑えられ、したがって、使いやすさが改善される。
【0035】
メーカーのライン上での漏れ試験
一般的には、メーカーは、製造された患者インターフェースの漏れを製造ライン上で試験し、また、各患者インターフェースが確実にフロージェネレータと共に使用され得るように、漏れがフロー対圧力曲線の上限範囲と下限範囲の間にあることを求める。フロー対圧力曲線は、意図される漏れ源、例えばベント、および意図されない漏れ源を測定する。したがって、図14のAの位置にある患者インターフェースは受容可能であり、図14のBおよびCの位置にある患者インターフェースは受容可能ではない。認識システム10が利用される場合、患者インターフェースの漏れ試験結果は、識別構成要素、例えばスマートカード上に提供され、使用中のコントローラ40に転送されてもよい。図15は、フロージェネレータを動作させる代表的な方法を説明するフローチャートである。この情報により、コントローラ40は、患者インターフェースの測定された動作パラメータを補償するように、フロージェネレータ14を最適化することができる。換言すれば、患者インターフェースの特定のパラメータはフロージェネレータ14において補償される。これにより、図14のBおよびCの位置にあるマスクを利用することができるように、一般的な範囲の要件を排除することが可能になる。したがって、製造設計の制約が低減されてもよいので、製造基準の理由から一般的には使用されない患者インターフェースが使用されてもよい。
【0036】
本発明を、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関連して記載してきたが、本発明は開示される実施形態に限定されるものではなく、反対に、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な変形および同等の構成を包含するものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】呼吸に適したガスを患者に送達する、本発明の一実施形態にしたがって構築された認識システムを含む装置の一実施形態の側面図である。
【図2】図1に示される認識システムを組み込むフロージェネレータ、および作動している表示灯の1つを示す上面斜視図である。
【図3】別の表示灯が作動している図2に類似の上面斜視図である。
【図4】認識システムのアダプタが取り除かれた、図2に示されるフロージェネレータの正面斜視図である。
【図5】図4に示されるフロージェネレータの拡大正面斜視図である。
【図6】図2に示されるフロージェネレータおよび認識システムの概略図である。
【図7】図2に示される認識システムのアダプタの斜視図である。
【図8】図7に示されるアダプタの別の角度からの斜視図である。
【図9】図7に示されるアダプタの上面図である。
【図10】ResMed Ltd.が販売している既知のマスクと関連付けられたアダプタの実施形態に対する、図2に示される認識システムによって検出された様々な大きさの抵抗を示す図である。
【図11】認識システムの積み重ねアダプタを示す斜視図である。
【図12】本発明のさらなる実施形態によるアダプタ/コネクタの概略側面図である。
【図13】本発明のさらなる実施形態によるアダプタ/コネクタの概略側面図である。
【図14】患者インターフェースのメーカーが好ましいとする、フロー対圧力の上限範囲および下限範囲を示すグラフである。
【図15】フロージェネレータを動作させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
10 認識システム
14 フロージェネレータ
16 導管
18 患者インターフェース
20 ハウジング
22 ブロワー
24 出口
38 制御部
40 コントローラ
42 メモリ
44、46 コネクタ部分
48 アダプタ
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全体が参考により本明細書に組み込まれる、2006年3月1日出願の米国特許出願第60/656880号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、呼吸に適したガスを患者に送達する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
呼吸に適したガスを患者に送達する装置は、一般的に、フロージェネレータ、空気送達導管、および患者インターフェースを含む。使用に先立って、フロージェネレータの動作パラメータ、例えば治療圧力を、使用される周辺構成要素、例えば患者インターフェースと協調させるため、患者が手動で調節する必要がある。例えば、既知のフロージェネレータは、使用される周辺構成要素のタイプを、例えば銘柄、送達方法などによって患者が選択できるようにする、メニューシステムを含む。構成要素が患者によって選択されると、フロージェネレータは、選択された構成要素と最も良好に協調する、フロージェネレータの適切な動作パラメータを選択することができる。
【0004】
本発明は、フロージェネレータと周辺構成要素との協調を容易にする、既知の装置に対する改善を提供する。
【特許文献1】米国特許出願第60/656880号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの態様は、フロージェネレータと周辺構成要素の間の協調を容易にする構造を提供する認識システムを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の別の態様は、治療のために出口で患者に提供される加圧空気の供給を生成するフロージェネレータと共に使用されるアダプタに関する。アダプタは、フロージェネレータの出口に取付け可能な導管と、導管によって支持され、フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素とを含む。フロージェネレータの適切な動作パラメータが、フロージェネレータによって自動的に選択されて、特定の周辺構成要素と協調できるように、識別特徴はフロージェネレータに伝達可能である。
【0007】
本発明の他の態様、特徴、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことにより、明らかになるであろう。添付図面は、本開示の一部であり、本発明の原理を一例として図示する。
【0008】
添付図面は、本発明の様々な実施形態についての理解を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜9は、本発明の一実施形態にしたがって構成された認識システム10を示す。認識システム10は、例えば、睡眠呼吸障害(SDB)をCPAPまたは非侵襲性陽圧換気法(NIPPV)を用いて治療するため、呼吸に適した加圧空気の患者への供給を送達する装置12と共に使用されるように構築される。図1に最も良く示されるように、装置12は、一般に、フロージェネレータ14、空気送達導管16、および患者インターフェース18を含む。より詳細に後述されるように、認識システム10は、フロージェネレータ14の適切な動作パラメータがフロージェネレータ14によって自動的に選択されて、選択された周辺構成要素と協調できるように、フロージェネレータ14が、患者によって選択された周辺構成要素の1つまたは複数を自動的に認識または識別することを可能にする。
【0010】
フロージェネレータ14は、治療のために患者に提供される加圧空気の供給を生成するように構築される。フロージェネレータ14は、ハウジング20と、ハウジング20内で支持されるブロワー22とを含む。当該技術では知られているように、ブロワー22は、1つまたは複数の吸気開口部を介してハウジング20に空気の供給を引き込み、かつ出口24で空気の圧流を提供するように動作可能である(図1、4、および5を参照)。
【0011】
加圧空気の供給は、図1に示されるように、フロージェネレータ14の出口24に連結された1つの端部26と患者インターフェース18に連結された反対側の端部28とを含む、空気送達導管16を介して患者に送達される。
【0012】
患者インターフェース18は、患者の顔面を快適に係合し、封止を提供する。患者インターフェース18は、当該分野で知られているような任意の適切な構成、例えば、全面マスク、鼻マスク、口鼻マスク、口マスク、鼻プロング(prongs)などを有してもよい。また、患者インターフェース18を患者の顔面上の所望の位置で快適に支持するため、任意の適切なヘッドギア装置30が使用されてもよい。
【0013】
図2〜4に最も良く示されるように、フロージェネレータ14のハウジング20は、上側壁32と、下側壁34と、上側壁32と下側壁34を相互接続する側壁36とを含む。図示された実施形態では、出口24は側壁36の1つに設けられる。また、上側壁32は、フロージェネレータ14の1つまたは複数のパラメータ、例えば治療圧力を調節する手動制御部38を組み込んでいる。ただし、出口24および/または制御部38は、ハウジング20の壁のいずれに組み込まれてもよい。また、フロージェネレータ14は、ハウジング20に組み込まれる追加の機構、例えば電源を含んでもよいことを理解されたい。
【0014】
図6に示されるように、フロージェネレータ14は、入力信号を受け取り、かつ入力信号に基づいてブロワー22の動作を制御するように動作可能なコントローラ40を含む。入力信号は、患者によって手動で選択されて、フロージェネレータ14の様々なパラメータを調節することができる、複数の制御機構を有する制御部38によって提供されてもよい。例えば、コントローラ40がブロワーの出口圧力を調節して、選択された患者インターフェース18と協調させるように、患者は、使用される患者インターフェース18のタイプを、例えば制御部38のメニューシステムを介して選択してもよい。コントローラ40は、例えば銘柄または送達方法によって、様々な患者インターフェースに対して好ましい動作パラメータを格納するメモリ42を含んでもよい。コントローラ40が、選択された患者インターフェース18に関する入力信号を制御部38から受け取ると、コントローラ40は、選択された患者インターフェース18に対するメモリ42内に格納された動作パラメータに基づいて、ブロワー22を動作させることができる。あるいは、選択された患者インターフェース18に対する好ましい動作パラメータは、制御部38を介して手動で入力可能となる。
【0015】
コネクタの認識
認識システム10が提供されると、フロージェネレータ14のコントローラ40が、1つまたは複数の周辺構成要素、例えば患者インターフェース18を自動的に認識することが可能になるので、患者は制御部38を利用する必要がない。さらに、認識システム10は、フロージェネレータ14が、選択された周辺構成要素のために特に最適化された動作パラメータを選択することを可能にするので、認識システム10は、装置12がより効率的に動作することを可能にする。
【0016】
図示された実施形態では、認識システム10は、フロージェネレータ14によって提供される第1のコネクタ部分44(例えば、図4、5、および6を参照)と、第1のコネクタ部分44と取外し可能に連結されるように適合された第2のコネクタ部分46(例えば、図2、3、および6〜9を参照)とを含む。第2のコネクタ部分46は、特定の周辺構成要素、例えば患者インターフェース18と関連付けられ、特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を含む。第1のコネクタ部分44は、コントローラ40が識別特徴、さらには関連付けられた周辺構成要素を認識できるように、第2のコネクタ部分46の識別特徴をコントローラ40に伝達する構造を含む。その結果、コントローラ40は、例えばメモリ42を介して、ブロワー22の適切な動作パラメータを選択して、関連付けられた周辺構成要素と協調することができる。例えば、ブロワーの出口圧力が患者インターフェースの1つの群、例えば鼻用に対しては比較的低く、患者インターフェースの別の群、例えば鼻および口用に対しては比較的高くなるように、ブロワー22が制御されてもよい。
【0017】
図2、3、および7〜9に示されるように、第2のコネクタ部分46は、フロージェネレータ14の出口24と空気送達導管16の端部26とを相互接続するように適合された、アダプタ48上に提供される。具体的には、アダプタ48は、出口24に取付け可能な第1の端部部分50と、空気送達導管16に取付け可能な第2の端部部分52とを含む導管の形態である。図示されるように、第1の端部部分50は、第2の端部部分52よりも大きな直径を有する。ただし、端部部分50、52は、任意の適切な構成、例えば類似した直径を有してもよい。また、間隔が空けられた輪郭が付けられた畝の形態の把持部分54が、接続を容易にするため、第1および第2の端部部分50、52の間に提供される。
【0018】
図示されるように、第2のコネクタ部分46は第1の端部部分50に取り付けられる。その結果、アダプタ48が出口24に連結されているとき、第2のコネクタ部分46は、フロージェネレータ14上の第1のコネクタ部分44と取外し可能に連結することができる。図示された実施形態では、第1のコネクタ部分44は第1の導体の形態であり、第2のコネクタ部分46は第2の導体の形態である。また、第2の導体46は、特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する、抵抗器の形態の識別要素と橋絡される。
【0019】
使用中、第2の導体46が第1の導体44に電気的に連結されるように、アダプタ48は出口24に取り付けられる。図示された実施形態では、第2の導体は、軸方向に延びる開口部58を備えた金属ピン56を含み、第1の導体は金属ピン60を含む。金属ピン56の軸方向に延びる開口部58は、その中に金属ピン60を受け入れて、第1および第2の導体44、46を電気的に連結する。ただし、第1および第2導体44、46は、他の任意の適切な方法で電気的に連結されてもよい。連結されると、コントローラ40は、第2の導体46と橋絡された抵抗器によって提供される抵抗を検出することができる。抵抗は個々の周辺構成要素に固有なので、コントローラ40は、抵抗によって特定の周辺構成要素を認識することができる。認識されると、フロージェネレータ14の適切な動作パラメータが、コントローラ40によって自動的に選択されて、指定された周辺構成要素と協調することができる。
【0020】
例えば、図10は、ResMed Ltd.によって販売されている3つの既知の患者インターフェースを列挙している。患者インターフェースにはそれぞれ、固有の抵抗値を有する第2のコネクタ部分46を有するアダプタ48が供給される。図示された実施形態では、Activa(登録商標)は約1オームの抵抗を提供する抵抗器を有し、Mirage(登録商標)は約2オームの抵抗を提供する抵抗器を有し、UltraMirage(登録商標)は約3オームの抵抗を提供する抵抗器を有する。したがって、アダプタ48およびその第2のコネクタ部分46がフロージェネレータ14と係合されているとき、コントローラ40が2オームの抵抗を検出した場合、コントローラ40は、Mirage(登録商標)がフロージェネレータ14に連結されていると認識し、Mirage(登録商標)に対して最適化されたブロワーの動作パラメータを選択する。
【0021】
したがって、認識システム10は、患者が単に、アダプタ48およびその第2のコネクタ部分46をフロージェネレータ14に連結して、特定の周辺構成要素、例えば患者インターフェース18に対してフロージェネレータ10を自動的に構成することができる、「プラグアンドプレイ」構成を提供する。
【0022】
装置12の1つを超える周辺構成要素は、関連付けられた周辺構成要素に対してフロージェネレータ14を自動的に構成する、固有のアダプタ48を備えてもよいことを理解されたい。例えば、アダプタ48は、患者インターフェース18、空気送達導管16、およびフロージェネレータ14に連結された給湿器(図示なし)のそれぞれを備えてもよい。コントローラ40が、どの構成要素がフロージェネレータ14に連結されているかを認識できるように、各アダプタ48は、上述したように固有の識別特徴を有する。さらに、コントローラ40は、患者インターフェース18、空気送達導管16、給湿器それぞれの特徴を考慮に入れるように、フロージェネレータ14の動作を最適化することができる。
【0023】
一実施形態では、アダプタ48は、特定の周辺構成要素に対応するように色分けされてもよい。さらに、周辺構成要素は、対応するアダプタ48の色と一致する色付きの要素を有してもよい。これにより、アダプタ48を容易に認識し、各構成要素と関連付けることが可能になる。例えば、患者インターフェース18は、紫色のアダプタ48を伴う紫色のスイベルコネクタを有してもよい。紫色のアダプタ48がフロージェネレータ14に連結されると、コントローラ40は、紫色の患者インターフェース18の特徴に対応するようにフロージェネレータ14を最適化する。それに加えて、または別の方法では、コネクタおよび/または周辺構成要素は、例えば多角形、六角形などの形状のような触覚インジケータを有してもよい。
【0024】
複数の周辺構成要素、例えば患者インターフェースおよび給湿器が、フロージェネレータ14に連結されたとき、複数のアダプタ48が、フロージェネレータ14の出口24に積み重ねられてもよい。例えば、給湿器と関連付けられた黄色のアダプタ48に積み重ねられた、患者インターフェース18と関連付けられた紫色のアダプタ48は、患者インターフェース18と給湿器の両方がフロージェネレータ14に取り付けられていることを、コントローラ40に信号で伝達する。積み重ねられると、アダプタの1つ48Aは、上述したようにフロージェネレータ14に連結され、第2のアダプタ48Bは第1のアダプタ48Aに連結されるので、図11に示すように、第2のアダプタ48Bの第1の端部50は第1のアダプタ48Aの第2の端部52に取付け可能であり、第2のアダプタ48Bの第2の端部52は空気送達導管16に取付け可能である。さらに、第2のアダプタ48Bの導体46は、第1のアダプタ48Aの導体46の後部に電気的に連結される。一実施形態では、取付けの順序に制限が課せられるように、アダプタ48Bは、下流側のコネクタからはプラグを受け入れることができないように、正確に言えば、フロージェネレータにより近いアダプタ48Aにのみプラグ接続することができるように構築されてもよい。ただし、コネクタの組立て作業を容易にするため、アダプタを無作為な順序で取り付けることができることが好ましい。
【0025】
並列に配線された2つの抵抗器値の合計値は、単純なエレクトロニクスを介して認識することができる(例えば、R1が患者インターフェースと関連付けられた抵抗器値であり、R2が給湿器と関連付けられた抵抗器値であるとき、1/R Total=1/R1+1/R2)。(1/R Total)の値は、ブロワーの設定に関連し、それによって、選択された患者インターフェースと給湿器両方の特定の特徴で最適に機能するように動作パラメータが調節される。この構成により、接続されたシステムが最適に動作するように周辺構成要素を整合させるための、ユーザの関与が排除される。
【0026】
認識システム10は、コントローラ40が選択された周辺構成要素を自動的に認識できるようにするのに適した、任意の構造を有してもよいことを理解されたい。図示された実施形態では、識別可能な抵抗器を組み込んだアダプタ48が、周辺構成要素を識別するために利用される。ただし、識別要素は、任意の適切な識別可能な構造、例えば、インピーダンス(例えば様々なサイズの孔を使用する)、マイクロスイッチ、赤外線検出器、様々な長さのピン、様々な数のピン、様々なピン取付物、ばね荷重などを有してもよい。例えば、一実施形態は、マイクロスイッチ(または、長さによっては一連のスイッチ)を組み込むことができるか、あるいは、ピンの長さによって、例えば、可変抵抗器を動作させるレバーをピンがどれだけの距離押すかによってその値が決定される、可変抵抗器を動作させることができる、1つまたは複数の様々な長さのピン46.1を、コネクタの端部に組み込んでもよい。コネクタの周りに配置された一連のマイクロスイッチ、例えば6個のスイッチは、リモートコントロールと同様に、ピン46.2によってオンまたはオフどちらかの位置に動作されることができる。例えば、図12および13を参照のこと。
【0027】
あるいは、アダプタ、および/またはピンなどのその構成要素は、周辺構成要素を備えたフロージェネレータを符号化する、コード化された部分を含んでもよい。これは、ハウジングをカメラに装填する際に、カメラフィルムハウジングが、カメラフィルムを備えたカメラを符号化する方式に類似している。
【0028】
別の実施形態では、第2のコネクタ部分46は、アダプタ48とは別の、フロージェネレータ14上に提供された第1のコネクタ部分44と係合可能な別個のキーとして提供されてもよい。したがって、アダプタ48は排除されてもよく、空気送達導管16は、フロージェネレータ14の出口24に直接接続してもよい。
【0029】
また、コントローラ40は、任意の適切なやり方で周辺構成要素を識別してもよい。換言すれば、周辺構成要素と関連付けられた識別特徴は、任意の適切なやり方でコントローラ40に伝達されてもよい。例えば、識別特徴は、周辺構成要素、例えば患者インターフェース自体に組み込まれ、周辺構成要素からフロージェネレータ14まで延びるワイヤを介して、コントローラ40に伝達されてもよい。あるいは、識別特徴は、無線で、例えばRFID、IR、プリズム式、スマートカード(コンピュータチップ)で、コントローラ40に伝達されてもよい。「無線」の実施形態では、コントローラ40は、周辺構成要素と関連付けられた識別構成要素によって送信された信号を受け取るように適合された受信器に連結される。
【0030】
別の実施形態では、周辺構成要素は、識別情報を有するバーコードを含んでもよいので、周辺構成要素がフロージェネレータ14上に提供されたバーコード読取機に通され、それによって、コントローラ40が、利用されている特定の周辺構成要素を識別できるようにされてもよい。
【0031】
また、識別構成要素によって、他の情報、例えば患者の使用のログ、各使用中に使用された構成要素、寿命、サービス指示などが提供されてもよい。
【0032】
フロージェネレータ14は、周辺構成要素が認識され、かつ/または識別されていることを示す、1つまたは複数の表示灯を含んでもよい。例えば、図2および3に示されるように、フロージェネレータ14は、構成要素がまだ認識されていないことを示す赤色灯62(図2)と、アダプタ48が接続され、関連付けられた構成要素が認識されていることを示す緑色灯64とを含む。したがって、表示灯は、接続およびブロワー設定の状態に関する正のフィードバックを提供してもよい。異なる灯、例えばActiva(登録商標)マスクのための1つの灯と、UltraMirage(登録商標)全面マスクなどのための別の灯が、さらに、異なる周辺装置を示し、正しく調整されていることを確認してもよい。
【0033】
図示された実施形態では、第2のコネクタ部分46が第1のコネクタ部分44と連結できるようにするため、アダプタ48は、出口24および第1のコネクタ部分44と適切に整列されなければならない。ただし、第1および第2のコネクタ部分44、46は、出口24に対するアダプタ48の向きが重要ではないように、構成され配置されてもよい。さらに、フロージェネレータは、認識システムの1つまたは複数の構成要素が採用されていなくても動作し続けるが、動作特性は、使用中の特定の構成要素に対して最適化されないことがある。
【0034】
認識システム10は、接続された周辺構成要素と共に機能するようにフロージェネレータ14が最適化されることを可能にする点で有利である。これにより、フロージェネレータ14の設定に対する患者の関与が最小限に抑えられ、したがって、使いやすさが改善される。
【0035】
メーカーのライン上での漏れ試験
一般的には、メーカーは、製造された患者インターフェースの漏れを製造ライン上で試験し、また、各患者インターフェースが確実にフロージェネレータと共に使用され得るように、漏れがフロー対圧力曲線の上限範囲と下限範囲の間にあることを求める。フロー対圧力曲線は、意図される漏れ源、例えばベント、および意図されない漏れ源を測定する。したがって、図14のAの位置にある患者インターフェースは受容可能であり、図14のBおよびCの位置にある患者インターフェースは受容可能ではない。認識システム10が利用される場合、患者インターフェースの漏れ試験結果は、識別構成要素、例えばスマートカード上に提供され、使用中のコントローラ40に転送されてもよい。図15は、フロージェネレータを動作させる代表的な方法を説明するフローチャートである。この情報により、コントローラ40は、患者インターフェースの測定された動作パラメータを補償するように、フロージェネレータ14を最適化することができる。換言すれば、患者インターフェースの特定のパラメータはフロージェネレータ14において補償される。これにより、図14のBおよびCの位置にあるマスクを利用することができるように、一般的な範囲の要件を排除することが可能になる。したがって、製造設計の制約が低減されてもよいので、製造基準の理由から一般的には使用されない患者インターフェースが使用されてもよい。
【0036】
本発明を、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものに関連して記載してきたが、本発明は開示される実施形態に限定されるものではなく、反対に、本発明の趣旨および範囲に含まれる様々な変形および同等の構成を包含するものであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】呼吸に適したガスを患者に送達する、本発明の一実施形態にしたがって構築された認識システムを含む装置の一実施形態の側面図である。
【図2】図1に示される認識システムを組み込むフロージェネレータ、および作動している表示灯の1つを示す上面斜視図である。
【図3】別の表示灯が作動している図2に類似の上面斜視図である。
【図4】認識システムのアダプタが取り除かれた、図2に示されるフロージェネレータの正面斜視図である。
【図5】図4に示されるフロージェネレータの拡大正面斜視図である。
【図6】図2に示されるフロージェネレータおよび認識システムの概略図である。
【図7】図2に示される認識システムのアダプタの斜視図である。
【図8】図7に示されるアダプタの別の角度からの斜視図である。
【図9】図7に示されるアダプタの上面図である。
【図10】ResMed Ltd.が販売している既知のマスクと関連付けられたアダプタの実施形態に対する、図2に示される認識システムによって検出された様々な大きさの抵抗を示す図である。
【図11】認識システムの積み重ねアダプタを示す斜視図である。
【図12】本発明のさらなる実施形態によるアダプタ/コネクタの概略側面図である。
【図13】本発明のさらなる実施形態によるアダプタ/コネクタの概略側面図である。
【図14】患者インターフェースのメーカーが好ましいとする、フロー対圧力の上限範囲および下限範囲を示すグラフである。
【図15】フロージェネレータを動作させる方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
10 認識システム
14 フロージェネレータ
16 導管
18 患者インターフェース
20 ハウジング
22 ブロワー
24 出口
38 制御部
40 コントローラ
42 メモリ
44、46 コネクタ部分
48 アダプタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療のために患者に提供される加圧空気を、出口において供給するフロージェネレータと共に使用されるアダプタであって、
前記フロージェネレータの前記出口に取付け可能な導管と、
前記導管によって支持され、前記フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素とを備え、
前記フロージェネレータの適切な動作パラメータが、前記フロージェネレータによって自動的に選択されて、前記特定の周辺構成要素と協調できるように、前記識別特徴が前記フロージェネレータに伝達可能である、アダプタ。
【請求項2】
前記識別要素が抵抗器であり、前記識別特徴が抵抗値である、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記識別要素が、前記導管によって支持されたコネクタ部分に連結され、前記コネクタ部分が、前記フロージェネレータ上に提供されたコネクタ部分と取外し可能に連結するように適合された、請求項1から2のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記アダプタの前記コネクタ部分および前記フロージェネレータの前記コネクタ部分が、互いに電気的に結合可能な導体である、請求項3に記載のアダプタ。
【請求項5】
出口で提供される加圧空気の供給を生成するフロージェネレータと、
封止を提供するため、患者の顔面と係合可能な患者インターフェースと、
前記フロージェネレータから前記患者インターフェースまで前記加圧空気の供給を送達するため、前記フロージェネレータと前記患者インターフェースの間に連結された空気送達導管と、
請求項1に記載のアダプタとを備える、CPAP装置。
【請求項6】
前記特定の周辺構成要素が前記患者インターフェースである、請求項5に記載のCPAP装置。
【請求項7】
前記適切な動作パラメータが前記フロージェネレータのメモリに格納された、請求項5から6のいずれか一項に記載のCPAP装置。
【請求項8】
複数のアダプタが前記出口に取り付けられ、前記アダプタがそれぞれ各周辺構成要素と関連付けられた、請求項5から7のいずれか一項に記載のCPAP装置。
【請求項9】
各アダプタの前記識別要素が抵抗器であり、前記関連付けられた識別特徴が抵抗値であり、前記アダプタの前記抵抗値全ての合計が、アダプタの組み合わせそれぞれに対して固有のものである、請求項8に記載のCPAP装置。
【請求項10】
治療のために患者に提供される加圧空気を、出口において供給するフロージェネレータと共に使用される識別器であって、
前記フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素を備え、
前記フロージェネレータの適切な動作パラメータが、前記フロージェネレータによって自動的に選択されて、前記特定の周辺構成要素と協調できるように、前記識別特徴が前記フロージェネレータに伝達可能である、識別器。
【請求項11】
前記識別要素が、前記フロージェネレータの前記出口に取付け可能なアダプタによって支持される、請求項10に記載の識別器。
【請求項12】
治療のために患者に提供される加圧空気を、出口において供給するフロージェネレータを動作させる方法であって、
周辺構成要素のパラメータを測定する工程と、
前記パラメータを識別構成要素に格納する工程と、
前記周辺構成要素をフロージェネレータに取り付ける工程と、
前記格納されたパラメータを前記フロージェネレータに伝達する工程と、
前記格納されたパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記フロージェネレータを動作させる工程とを含む方法。
【請求項13】
前記周辺構成要素が患者インターフェースである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記格納されたパラメータが空気漏れ量である、請求項12から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記識別構成要素が前記周辺構成要素と共にパッケージされたカードである、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
治療のために患者に提供される加圧空気を、出口において供給するフロージェネレータと共に使用されるアダプタであって、
前記フロージェネレータの前記出口に取付け可能な導管と、
前記導管によって支持され、前記フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素とを備え、
前記フロージェネレータの適切な動作パラメータが、前記フロージェネレータによって自動的に選択されて、前記特定の周辺構成要素と協調できるように、前記識別特徴が前記フロージェネレータに伝達可能である、アダプタ。
【請求項2】
前記識別要素が抵抗器であり、前記識別特徴が抵抗値である、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記識別要素が、前記導管によって支持されたコネクタ部分に連結され、前記コネクタ部分が、前記フロージェネレータ上に提供されたコネクタ部分と取外し可能に連結するように適合された、請求項1から2のいずれか一項に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記アダプタの前記コネクタ部分および前記フロージェネレータの前記コネクタ部分が、互いに電気的に結合可能な導体である、請求項3に記載のアダプタ。
【請求項5】
出口で提供される加圧空気の供給を生成するフロージェネレータと、
封止を提供するため、患者の顔面と係合可能な患者インターフェースと、
前記フロージェネレータから前記患者インターフェースまで前記加圧空気の供給を送達するため、前記フロージェネレータと前記患者インターフェースの間に連結された空気送達導管と、
請求項1に記載のアダプタとを備える、CPAP装置。
【請求項6】
前記特定の周辺構成要素が前記患者インターフェースである、請求項5に記載のCPAP装置。
【請求項7】
前記適切な動作パラメータが前記フロージェネレータのメモリに格納された、請求項5から6のいずれか一項に記載のCPAP装置。
【請求項8】
複数のアダプタが前記出口に取り付けられ、前記アダプタがそれぞれ各周辺構成要素と関連付けられた、請求項5から7のいずれか一項に記載のCPAP装置。
【請求項9】
各アダプタの前記識別要素が抵抗器であり、前記関連付けられた識別特徴が抵抗値であり、前記アダプタの前記抵抗値全ての合計が、アダプタの組み合わせそれぞれに対して固有のものである、請求項8に記載のCPAP装置。
【請求項10】
治療のために患者に提供される加圧空気を、出口において供給するフロージェネレータと共に使用される識別器であって、
前記フロージェネレータに取付け可能な特定の周辺構成要素に固有の識別特徴を提供する識別要素を備え、
前記フロージェネレータの適切な動作パラメータが、前記フロージェネレータによって自動的に選択されて、前記特定の周辺構成要素と協調できるように、前記識別特徴が前記フロージェネレータに伝達可能である、識別器。
【請求項11】
前記識別要素が、前記フロージェネレータの前記出口に取付け可能なアダプタによって支持される、請求項10に記載の識別器。
【請求項12】
治療のために患者に提供される加圧空気を、出口において供給するフロージェネレータを動作させる方法であって、
周辺構成要素のパラメータを測定する工程と、
前記パラメータを識別構成要素に格納する工程と、
前記周辺構成要素をフロージェネレータに取り付ける工程と、
前記格納されたパラメータを前記フロージェネレータに伝達する工程と、
前記格納されたパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記フロージェネレータを動作させる工程とを含む方法。
【請求項13】
前記周辺構成要素が患者インターフェースである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記格納されたパラメータが空気漏れ量である、請求項12から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記識別構成要素が前記周辺構成要素と共にパッケージされたカードである、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−531136(P2008−531136A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557276(P2007−557276)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000238
【国際公開番号】WO2006/092001
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(500046450)レスメド リミテッド (192)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000238
【国際公開番号】WO2006/092001
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(500046450)レスメド リミテッド (192)
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