説明

呼吸治療のための患者インターフェイスアセンブリ

患者インターフェイスアセンブリが、入口ポートおよび出口ポートを定めるハウジングを備えている。ジェットポンプが、前記入口ポートから加圧ガスの流れを受け取り、該ガスの流れを前記出口ポートへと届ける。ネブライザが、前記出口ポートへと流体に関して接続され、前記ガスの流れへと薬剤を導入して、薬剤入りのガスの流れを患者へともたらすように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年11月19日付の米国特許仮出願第60/988,977号にもとづいており、この米国特許仮出願の利益を主張する。また、本出願は、本出願と同日付の「電気機械式ドライバを備えた呼吸療法システム(Respiratory Therapy System With Electromechanical Driver)」という名称の米国特許出願第12/274,066号に関係する。これら両出願の内容は、その全体がここでの言及によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、呼吸治療システムおよび装置に関する。より詳しくは、本発明は、薬剤を届けるために呼吸治療システムへと接続されるように構成された患者インターフェイスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
幅広くさまざまな呼吸治療装置が、患者の呼吸器の健康状態を支援、治療、および改善するために、現時点において利用可能である。例えば、気道陽圧(PAP)が、うっ血性心不全の患者において酸素の摂取の改善、肺容量の増加、および静脈還流の減少を促すことによって気管支の清浄化を促進するうえで、効果的なツールであると古くから考えられている。より最近では、PAPは、患者の肺からの分泌物(例えば、粘液)の可動化および除去を促進するうえで、有用であると考えられている。この点に関して、患者の気柱の高周波振動(HFO)の形態の呼気気道陽圧(EPAP)が、分泌物の除去を促進する技術であると考えられている。一般論として、HFOは、体外で唾液の粘度を低下させ、このことは、体外での疑似の咳によって生じる除去に好ましい影響を有する。HFOは、患者の胸壁へと加えられる力(すなわち、胸部理学療法(CPT))や、患者の気道へと直接的に加えられる力(すなわち、高周波気道振動などの呼吸治療)によってもたらすことができ、あるいは生成することができる。多くの患者および介護士には、強圧的ではなく、より容易に実施することができるため、呼吸治療法の方がより好まれている。このために、PAPによる気管支清浄化技法が、肺の拡張および分泌物の可動化のためのCPTの効果的な代案として浮上してきている。
【0004】
上述の呼吸治療(高周波肺内パーカッション療法)(ならびに、他の治療および/または換気)を提供するために、種々のHFO処置システムが、利用可能である。一般的には、高周波肺内パーカッション(HFIP)システムは、陽圧のガス(例えば、空気、酸素、など)の供給源が流体に関して接続される患者の呼吸回路を確立する手持ち式の装置を含んでいる。この点に関し、さらにこのシステムは、供給される陽圧のガスに対して作用して、患者の呼吸回路へのガスについて、振動性の圧力の推移または他のやり方で達成される間欠的な流れを生み出し、患者の肺のパーカッション換気を生み出すドライバユニットを含んでいる。この手法によれば、患者は、呼吸回路のマウスピース(あるいは、マスク)を介して呼吸し、生成されたガスの大流量の「ミニバースト」が、患者の気道へと届けられる。パルス状のパーカッション気流が、患者の気道の圧力を周期的に高める。
【0005】
現在のHFO処置システムを、エアロゾル化された薬剤を患者へと届けるために、ネブライザとともに使用することもできる。ネブライザを、患者インターフェイス回路を通って患者へと薬剤入りのガスを届けるために、ドライバユニットへと流通可能に接続することができる。患者インターフェイス回路の従来からの構成は、薬剤入りのガスを患者へと届けるために、外気によって装置の内部に薬剤を取り込んでいる。これらの構成は、装置内部の薬剤の蓄積が増加し、患者へと届けられる薬剤の量が減少する薬剤の「ノックダウン」につながる可能性がある。したがって、患者へと薬剤を届ける改良された呼吸治療システム、とくには患者インターフェイスアセンブリについて、ニーズが存在している。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において提示される考え方は、呼吸治療を患者へともたらすための患者インターフェイスアセンブリに関する。このアセンブリが、入口ポートおよび出口ポートを定めるハウジングを備えている。入口ポートを、ドライバユニットによって生成される加圧ガスの流れを受け取るために、ドライバユニットへと接続することができる。ハウジング内に配置されたジェットポンプが、前記入口ポートから加圧ガスの流れを受け取り、この加圧ガスの流れを前記出口ポートへともたらす。ネブライザが、加圧ガスの流れを受け取るべく前記出口ポートへと流体に関して接続され、このガスの流れへと薬剤を導入して、薬剤入りのガスの流れを患者へともたらす。
【0007】
さらに、患者インターフェイスアセンブリの態様を、呼吸治療をもたらすためのシステムおよび方法へと取り入れることができる。さらには、他の態様をアセンブリへと追加、除去、および/または変更することができる。例えば、ハウジングが、取り込みポート、呼気ポート、ネブライザポート、および圧力ポートのうちの1つ以上を備えることができる。さらに、ジェットポンプが、ハウジング内でスライド可能であってよく、取り込み領域、スロート領域、および/または膨張領域を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】呼吸治療システムの概略図である。
【図2】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図3】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図4】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図5】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図6】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図7】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図8】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図9】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図10】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図11】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図12】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図13】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図14】他の呼吸治療システムの概略図である。
【図15】患者インターフェイス装置の第1の実施形態の図である。
【図16】患者インターフェイス装置の第1の実施形態の図である。
【図17】患者インターフェイス装置の第2の実施形態の図である。
【図18】患者インターフェイス装置の第3の実施形態の図である。
【図19】患者インターフェイス装置の第3の実施形態の図である。
【図20】患者インターフェイス装置の第3の実施形態の図である。
【図21】ドライバユニットを患者インターフェイス装置へと流体に関して接続するための複数のポートを有しているコネクタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、ドライバユニット22と、患者インターフェイス回路として機能し、使用時に患者25への/患者25からの呼吸ルートを確立する患者インターフェイス装置24とを備える呼吸治療システム20の一実施形態の概略図である。とくには、呼吸ルートが、患者25の気道(例えば、口腔、副鼻腔)へと延びている。一実施形態においては、気道への呼吸ルートを、挿管法によって患者25と確立することができる。さらに、所望であれば、システム20を、人工呼吸器ありで使用することができ、あるいは人工呼吸器なしで使用することができる。種々の構成要素の詳細が、以下で説明される。しかしながら、一般に、ドライバユニット22が、加圧ガス(例えば、空気、酸素、など)の供給源(総称的に、供給源26)に流体に関して接続されるように構成され、入口配管30と出口配管32との間の流路に配置された1つ以上の電子弁の動作を制御するコントローラ28を備えている。さらに詳しくは、電子弁が、入口配管30における供給源26からの加圧ガスの流れに作用し、出口配管32を介する患者インターフェイス装置24への所望の流れ/圧力を生成または供給する。
【0010】
後述されるように、ドライバユニット22は、いくつかの異なる構成要素または特徴を含むことができ、システム20は、ネブライザ34など、他の随意による構成要素を含むことができる。システム20において使用することができるネブライザの1つの種類は、オハイオ州ダブリン(Dublin)のカーディナル・ヘルス(Cardinal Health)から市販されているエアーライフ(AirLife:登録商標)ブランド・ミスティ・マックス10(Brand Misty Max 10:商標)というネブライザである。ネブライザ34を使用する場合には、補助配管35が、ドライバユニット22からネブライザ34へと延びる。コントローラ28を、補助配管35を介してネブライザ34へと所望の流れ/圧力を供給するように、ドライバユニット22を動作させるために使用することができる。いずれにせよ、システム20は、ドライバユニット22の動作によって患者へと高周波の圧力パルス(例えば、パーカッション治療)をもたらすことができ、もたらすことができる周波数および圧力について、従来からの空気弁ベースのドライバユニットに比べて、より大きな範囲を提供することができる。患者インターフェイス装置24内の圧力を測定および/または監視できるよう、患者インターフェイス装置を再びドライバユニット22へと流体に関して接続するために、患者圧力配管36を設けることができる。コントローラ28を、患者インターフェイス装置24において測定される圧力にもとづいて患者25への空気の送達を制御するように構成することができる。ドライバユニット22は、例えば患者圧力配管36をパージして、患者圧力配管36における流体の過剰な蓄積を防止するように機能する電子弁や、圧力センサのゼロ調整を可能にする電子弁など、さらなる電子弁を含むことができる。一実施形態においては、ドライバユニット22を、ドライバユニット22の動作に関する情報および/または患者に関する他の情報をもたらすために、例えばナースステーションなどの中央処理ステーションへと接続することができる。
【0011】
図2にさらに詳しく示されるように、ドライバユニット22は、コントローラ28に加えて、いくつかの他の構成要素を含むことができ、そのそれぞれが、可搬のハウジング37内に保持され、あるいは可搬のハウジング37によって保持される。例えば、図2の一構成においては、ドライバユニット22は、連続的な高周波圧力パルスの生成において供給される加圧ガスに対して働くように構成された電子弁40(例えば、電磁比例弁)を含んでいる。あるいは、複数のオンオフ式の電磁弁を、電子弁40を補い、さらには/あるいは置き換えるために使用することもできる。さらに、電子弁40を、ベースライン圧力、気道陽圧(PAP)、持続的気道陽圧(CPAP)、などの送出を実現するために、供給される加圧ガスに対して選択的に作用するように構成することもできる。2つのレベルの圧力をもたらすバイレベルPAP(BiPAP)など、他の形態の気道陽圧も使用することができる。いずれにせよ、PAPが、ドライバユニット22のマニホールドセンサから制御される一方で、CPAPは、患者圧力配管36に流体に関して接続された患者圧力センサから制御される。電子弁40が、入口配管30と出口配管32との間に流体に関して接続され、コントローラ28へと電子的に接続されている。したがって、コントローラ28が、コントローラ28が維持するプログラミング(例えば、ソフトウェアおよび/またはハードウェア)にもとづいて電子弁40の動作を制御する。この点に関し、コントローラ28は、電子弁40(ならびに、後述される他の要素)への電力の送達を制御することができ、電源(図示されていない)がコントローラ28へと電気的に接続されている。電源は、ハウジング37内に維持される電池や、従来からの壁の電源への接続のための電源コードなど、さまざまな形態をとることができる。
【0012】
電子弁40は、入口側42および出口側44を含んでおり、あるいは定めている。入口側42が、ハウジング37の内部の内部入口配管46に流体に関して接続されている一方で、出口側44は、ハウジング37の内部の内部出口配管48に流体に関して接続されている。内部入口配管46は、入口配管30に流体に関して接続されており、内部出口配管48は、出口配管32に流体に関して接続されている。したがって、この構成によれば、入口配管30へともたらされるガスの流れが、電子弁40へと届けられる。電子弁40は、供給源26からの加圧ガスの流れに対して作用したときに高周波圧力パルスを導入または生成するために適切な種々の形態をとることができる。より詳しくは、システム20が病院において用意される「標準的」な供給源のガス圧(例えば、40〜70psiの範囲の圧力に保たれる酸素または空気)において使用されるように構成される実施形態においては、電子弁40が、広い範囲の周波数および圧力にわたるパルス状の圧力の流れを生成するために、コントローラ28からの信号に応答して内部のオリフィスを繰り返し開閉する(すなわち、ガスの通過を許容および阻止する)ように構成される。例えば、いくつかの構成においては、電子弁40が、1〜25Hzの範囲の周波数で圧力パルスを生成することができる。1Hz未満および/または25Hz超(例えば、30Hzまたは40Hzといった高さ)など、他の周波数も実現可能である。
【0013】
従来からの空気シャトル弁ベースのドライバユニットと比べて、本発明の電子弁40は、より精密な制御ならびに動作周波数および圧力の範囲の拡大に関して、特筆すべき利点をもたらす。さらには、空気弁はチャージングを必要とし、したがって大きな初期の圧力パルスを患者へともたらす。さらに、電子弁40を電子的に制御することによって、供給源26のガス圧が変化しても、電子弁40によって生成されるパルスの形状への影響はわずかまたは皆無であり、したがって予期せぬ高圧を回避しつつ一貫した治療をもたらすことができる。またさらには、電子的に制御される弁40は、振動圧力モードでの動作において「ストール」することがなく、したがって高い定圧が患者へと予期せずに送出されるという市販の空気弁ドライバユニットにおいて見られる厄介な問題が回避される。さらに、ドライバユニット22内のパラメータを監視することによって、ドライバユニット22は、望ましくない状況を防止することによって安全性を高めることができ、さらには/あるいは介護士に警報すべくアラームをもたらすことができる。電子弁40を、所望であれば、持続的気道陽圧を達成するために設けることもできる。さらに電子弁40を、死空間を少なくするように構成することができる。一特定の実施形態においては、死空間が、2立方インチ未満まで減らされる。
【0014】
上述の電子弁40に加えて、ドライバユニット22は、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御される随意によるパージ電子弁50を含んでいる。一実施形態においては、パージ電子弁50が、電磁弁であってよい。図2の一構成においては、パージ電子弁50が、電子弁40と並列に内部入口配管46に流体に関して接続されており、患者インターフェイス24からドライバユニット22へとつながる患者圧力配管36をパージするように機能する。パージ電子弁50は、内部入口配管46へと流体に関して接続された入口側52と、パージ配管56へと流体に関して接続された出口側54とを有している。パージ配管56は、パージ電子弁50によって蓄積しうる流体(とくには、患者25から排出される液体および/または他の粒子)を患者圧力配管36から取り除くべく動作できるように、患者圧力配管36へと流体に関して接続されている。
【0015】
この目的のため、患者センサゼロ調整電子弁60(例えば、電磁弁)を、パージ電子弁50と協働するように設けることができる。ゼロ調整電子弁60は、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御され、入口側62、出口側64、および排気側66を含んでいる。通常の動作において、ゼロ調整電子弁60は、常時「開」の位置にあり、流体が患者圧力配管36から患者圧力センサ67(さらに詳しくは、後述)へと流れることができる。患者圧力配管36がパージされるとき、ゼロ調整電子弁60が閉じられ、患者圧力センサ67が、環境へと開いている(例えば、流体に関してハウジング37の外部へと開いている)通気配管68へと流体に関して接続される。次に、パージ弁50が開かれ、患者圧力配管36のパージを可能にする。ひとたび患者圧力配管36がパージされ、パージ弁50が閉じられると、ゼロ調整電子弁60が、通常の動作のように開かれる。
【0016】
ゼロ調整電子弁60を、例えばシステム20の起動時に患者センサ67を較正するために利用することもできる。患者圧力センサ67を較正するために、圧力センサ67が通気配管68を介して環境へと流体に関して接続されることで環境の圧力を読み取るように、ゼロ調整電子弁60が閉じられる。別の方法で、患者圧力センサ67を既知の基準周囲圧力へと調節することができる。所望であれば、患者圧力配管36を、この調節の際にパージすることができる。較正の後で、ゼロ調整電子弁60が、通常の動作のように開かれる。
【0017】
ドライバユニット22のさらなる随意による特徴が、補助弁70である。補助弁70は、電子式(例えば、電磁弁)または空気式であってよい。補助弁70は、入口側72および出口側74を定めており、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御される。入口側72が、電子弁40およびパージ電子弁50と並列に、内部入口配管46へと流体に関して接続されている。しかしながら、出口側74は、内部出口配管46へと接続されていない。代わりに、出口側74は、補助配管35へと選択的に接続されるようにハウジング37内を延びている内部補助配管78へと、流体に関して接続されている。したがって、この構成によれば、補助弁70がネブライザ34へのガスの流れを制御し、したがって補助弁70を「ネブ流弁」と称することができる。ネブライザ34は、さらに詳しく後述される。しかしながら、一般的に、ネブライザモードの動作において、コントローラ28は、ネブ流弁70を開状態へと動かし、ネブライザ34へのガスの流れを可能にする。
【0018】
図2に示されるとおり、電子弁40、パージ電子弁50、ゼロ調整電子弁60、およびネブ流弁70を、マニホールド80の一部として設けることができ、あるいはマニホールド80へと接続することができる。マニホールド80は、内部入口配管46から3つの並列なガス流路を効果的に確立し、すなわち上述のとおり(コントローラ28の動作を介して)、電子弁40が内部出口配管48へのガスの流れを可能にし、パージ電子弁60がフィードバック配管36へのガスの流れを可能にし、ネブ流弁70が補助配管35へのガスの流れを可能にする。
【0019】
随意による容積室88を、内部入口配管46に沿って弁40の「上流」に設けることができる。容積室88は、入口配管30からの流体を貯蔵するためのアキュムレータまたはリザーバとしてとして機能する。したがって、容積室88は、弁40、50、および70のうちの1つ以上が開かれるときに圧力の低下を少なくすることができる。例えば、パージ電子弁50が開かれるときに、容積室88内の流体を、容積室88からパージ電子弁50の入口側52までの圧力低下を少なくするために利用することができる。
【0020】
生じうるガスの供給源26からの圧力の変動を補償するために、さらにドライバユニット22は、随意による圧力レギュレータ90を内部入口配管46に沿って弁40の「上流」に備えることができる。圧力レギュレータ90は、機械的または電子的に制御される装置であってよく、到来する加圧ガスの流れを所望の圧力へと調節するように構成され、供給源26においてもたらされる圧力にかかわらずにシステム20からの一貫した治療の出力を維持する。そのようにして、ドライバユニット22は、供給源26の実際の圧力が場所ごとにさまざまでありうる可能性に鑑みて、病院が異なっても一貫した治療の出力を生み出す。
【0021】
図2のドライバユニット22によって提供されるさらなる随意による特徴は、弁40の「上流」において内部入口配管46へと流体に関して接続されたフィルタ100である。フィルタ100は、さまざまな形態をとることができ、通常は、供給源26からのガスの流れに含まれる破片または水分を取り除くように構成される。いくつかの実施形態においては、フィルタ100が、水トラップ式であり、流体に関して圧力レギュレータ90の上流に位置する。
【0022】
所望であれば、さらにドライバユニット22は、入口側104および出口側106を定める入力電子弁(例えば、電磁弁)102を備えることができる。入力電子弁102は、フィルタ100の「上流」において内部入口配管46へと流体に関して接続される。さらに、入力電子弁102は、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御される。入力電子弁102を、緊急「遮断」弁として動作させることができ、所定の限界を超える内部の圧力が存在する場合や患者の圧力が所定の値を超える場合に閉状態へと動かし、ドライバユニット22への流れを閉じることができる。入力電子弁102は、「常時閉」の位置にあり、コントローラ28からの指示にて入口側104から出口側106への流体の通過を許すように選択的に動作する。ドライバ22が動作していないとき、入力電子弁102は閉じられる。結果として、生じうるマニホールド80および/またはハウジング37内の圧力の高まりの危険を減らすことができる。
【0023】
さらなる実施形態においては、電子通気弁108および通気配管109を、内部入口配管46と環境との間に流体に関して接続することができ、通気弁108を開くことによって内部入口配管46の圧力の高まりを防止することができる。通気弁108は、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御される電子弁であってよい。通気弁108は、入口側112および出口側114を定めている。入口側112が、内部入口配管46へと流体に関して接続され、出口側114が、通気弁109へと流体に関して接続される。通気弁108は「常時開」の位置にあり、入口側112から出口側114への流れを可能にしている。ドライバユニット22の通常の動作において、通気弁108は、コントローラ28によって閉鎖位置へと動かされる。さらに別の実施形態においては、電子弁40、パージ電子弁50、および/またはネブ流弁70を、内部入口配管46の圧力を下げるように動作させることができる。
【0024】
いくつかの構成においては、ドライバユニット22が、1つ以上の異なる供給源26からのガスに対して働くように構成される。例えば、供給源は、酸素、圧縮機からの加圧空気、ブレンダからの分画酸素、などであってよい。さらには、これらの供給源は、供給源の種類、特定の国における規格、などにもとづいて、いくつかの異なる種類のコネクタを有することができる。これを念頭に、入口配管30が、随意により1つ以上の入口コネクタ110へと流体に関して接続され、各々のコネクタ110が、別の供給源26へと流体に関して接続されるように構成されている。例えば、コネクタのうちの1つが、加圧酸素の供給源への流体に関する接続を確立できる一方で、別のコネクタが、加圧空気の供給源との流体に関する接続を確立でき、ドライバユニット22におけるガスの混合を可能にすることができる。さらに、コネクタを、分画吸入酸素を届けるブレンダへと接続されるように構成することができる。図示の実施形態においては、コネクタ110のうちのただ1つだけが設けられており、入口配管30へと接続されている。次いで、コネクタ110が、内部入口配管46へと流体に関して接続されている。
【0025】
上述のように、コントローラ28が、弁40、50、60、70、102、および108の動作を制御する。この点に関し、いくつかの実施形態においては、コントローラ28が、制御の動作においてフィードバック情報を利用する。これを念頭に、ドライバユニット22は、内部出口配管48へと流体に関して接続された随意によるマニホールド圧力センサ120をさらに含んでいる。マニホールド圧力センサ120は、内部出口配管48内のガスの圧力を検出することができる種々の形態をとることができる。いずれにせよ、マニホールド圧力センサ120は、コントローラ28へと電子的に接続され、出口配管32において検出された圧力を表す情報を知らせ、コントローラ28への閉ループフィードバックを提供する。一例においては、マニホールド圧力センサ120が、所望のPAPレベルが患者へともたらされているか否かを監視するために使用される。
【0026】
上述のように、患者圧力センサ67も、コントローラ28への情報源を形成でき、コントローラ28への情報源として機能することができる。患者圧力センサ67は、さまざまな形態をとることができ、患者インターフェイス装置24内の圧力を検出するために、患者圧力配管36およびゼロ調整電子弁60を介して患者インターフェイス装置24へと流体に関して接続される。さらに詳しく後述されるとおり、患者インターフェイス装置24を、(ハウジング37によって保持されるような)患者圧力センサ67へと流体に関して接続される患者圧力配管36を受けるために便利なポートを提供するように構成することができる。いずれにせよ、患者圧力センサ67は、コントローラ28へと電子的に接続され、患者インターフェイス装置24において検出された圧力を表す情報を知らせる。一例においては、患者圧力センサ67が、所望のCPAP設定が患者へともたらされているか否かを監視するために使用される。患者へと届けられる流れまたはパルスの体積など、他のパラメータも、流れの測定またはスパイロメトリの手段がドライバユニット22へと一体化される場合には、コントローラ28へとフィードバックをもたらすために使用することができる。
【0027】
さらに、ドライバユニット22は、情報を介護士へと表示するための1つ以上の表示システム130を随意により含んでいる。一例においては、表示システム130が、液晶表示装置であってよい。表示システムは、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御され、グラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)132を含むことができる。後述のように、GUI132を、種々の性能情報(例えば、現在のパルス形状、最小および最大圧力、などのグラフィック表示)を表示するように動作させることができる。
【0028】
ドライバユニット22は、コントローラ28へと電子的に接続されたユーザ入力装置(または、インターフェイス)140を含んでいる。ユーザインターフェイス140は、介護士が後述のとおりに所望の動作モードを選択できるようにする選択表示装置として機能する。したがって、ユーザインターフェイス140は、機械的な装置(例えば、制御ノブ)および/または視覚的な装置(タッチパッド装置)など、幅広くさまざまな形態をとることができる。
【0029】
システム20の使用時に、入口配管30が、適切なコネクタ110を介して供給源26へと流体に関して接続される。患者インターフェイス装置24が、ドライバユニット22とは別に介護士へと供給される。患者インターフェイス装置24について、考えられる種々の構成が後述される。しかしながら、一般に、患者インターフェイス装置24は、出口配管32へと流体に関して接続されるように構成され、あるいは他のやり方でハウジング37から延びるように構成された入口端150と、(マウスピースまたはマスクなどの患者の呼吸用の構成要素へと接続することができ、あるいはそのような構成要素を形成できる)出口端152(この出口端152を通して患者が呼吸する)とを含んでいる使い捨ての手持ち式の製品であってよい。一実施形態においては、出口配管32、補助配管35、および患者圧力配管36の各々を、患者インターフェイス装置24を備えることができる管類で形成される。
【0030】
配管32、35、および36の各々は、ドライバユニット22の該当のコネクタポート158に係合するように寸法付けられたコネクタ片(総称的に、コネクタ片156)を終端とすることができる。例えば、コネクタポート158を、ハウジング37によって保持することができる。コネクタポート158は、作業者にとってただ1つの接続工程(すなわち、コネクタ片156のコネクタポート158への挿入)だけが要求されるように、出口配管32、患者圧力配管36、および/または補助配管35への流体の接続を確立することができる。あるいは、コネクタポート158を、ハウジングおよび/またはマニホールドと一体に形成することができる。いずれにせよ、ドライバユニット22への単純な流体の接続のために、コネクタ片156を、配管32、25、および36のそれぞれに固定の関係で保持することができる。さらに、コネクタ片156は、コネクタ片156をコネクタポート158へと容易に固定し、コネクタポート158から容易に解放するために、クイックリリース機構を備えることができる。
【0031】
さらに、コネクタ片156は、ドライバユニット22との可能性を示す識別子を、任意の種類の記憶媒体160(RFIDタグなど)に保存して含むことができる。この目的のために、ドライバユニット22は、コントローラ28へと電気的に接続された記憶媒体160から情報を受け取るための装置162(RFIDタグ読み取り機など)をさらに含むことができる。記憶媒体160は、装置162を介してコントローラ28へと伝えることができるさらなる情報を含むことができる。例えば、記憶媒体160を、特定の所定の治療プロトコルに組み合わせることができ、したがってコントローラ28を、所望の治療プロトコルに関連して動作させることができる。さらに、患者情報、互換性情報、など、他の情報を記憶媒体160に保存することができる。あるいは、患者インターフェイス装置24に関する情報をドライバユニット22へと届けるために、任意の他の種類の通信手段を利用することができる。使用することができる通信手段の一例は、カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale)のマキシム・インテグレイテッド・プロダクツ・インコーポレィテッド(Maxim Integrated Products, Inc.)が提供する1−ワイヤ(1−Wire:登録商標) シリアル・メモリ・プロダクツ(Serial Memory Products)などのコンタクト・シリアル・インターフェイスである。この場合、インターフェイスを形成するホストおよびスレーブハードウェアの間の直接接触ゆえに、高周波信号の干渉の可能性をなくすことができる。
【0032】
いずれにせよ、患者インターフェイス装置24を出口配管32へと流体に関して接続し、さらに設けられるのであれば患者圧力センサ67へと(患者圧力配管36を介して)流体に関して接続した状態で、介護士は、呼吸治療を患者へと届けるためにドライバユニット22を動作させる。この点に関し、ドライバユニット22は、ゼロ調整モード、パーカッションモード、ベースラインモード、気道陽圧(PAP)モード、パージモード、およびネブライザモードを含む少なくとも6つの動作モードを随意により提供する。これらのモードの各々を、残りのモードとは別個独立に実行でき、あるいは2つ以上のモードを同時に実行することができる。各々の動作モードは、さらに詳しく後述される。1つ以上のモードを、介護士によって容易に実行することができる所定のプロトコルに定められるとおりにコントローラ28によって実行することもできる。
【0033】
出発点として、ドライバユニット22は、随意により、電子弁40、50、70、および102のデフォルト状態が、それぞれの弁40、50、70、および102を通過するガスの流れが生じない常時「閉」状態であるように構成される。電子弁60および108は、弁60、108を通ってガスが流れる常時「開」状態がデフォルト状態である。とくには、弁60の出口側64が、入口側62へと流体に関して接続され、弁108の出口側114が、入口側112へと流体に関して接続される。システム20が「オン」にされるとき、患者圧力センサ67を較正するためにゼロ調整モードが始まることができる。ゼロ調整モードにおいては、ゼロ調整電子弁60が閉じられ、患者圧力センサ67が通気配管68を介して環境へと接続されるため、患者センサ67が環境の圧力を読み取ることができる。患者圧力センサ67の読み取りにもとづいて、患者圧力センサ67が既知の周囲の圧力を記録するように、調節を行うことができる。ひとたび患者圧力センサ67が所望のとおりに調節されると、ゼロ調整電子弁60が開かれる。
【0034】
パーカッションモードが所望される旨の知らせを介護士から(ユーザ入力140を介して)受け取ると、コントローラ28は、電子弁40を素早く開閉するように動作させ、入口配管30から出口配管32へのガスの流れに圧力パルスを付与する。この点に関し、電子弁40の電気機械的な構成が、コントローラ28が届けられる圧力パルスの形状について精密な制御を達成することを可能にし、これは、マニホールド圧力センサ120からの読み取りにもとづくことができる。このようにして、出口配管32を介して患者インターフェイス装置24へと届けられるパルス状のガスの流れが、電子弁40の動作能力に相応の多数のさまざまな周波数および/または圧力のうちの1つを有することができる。所望であれば、ベースラインモードが、肺の膨張を維持するためにパルス状のガスの流れを補うことができる。基準点として、異なる周波数および圧力が、患者に対して異なる効果を有する。例えば、約20Hzの周波数が、粘液の粘度を下げることが明らかにされている一方で、8〜15Hzの範囲の周波数は、通常の繊毛のビートの周波数範囲に相応し、分泌物を可動化するように機能する。2〜5Hzの範囲の周波数は、肺を膨張させて、肺胞へと酸素を届けるとともに、「ミニ咳」を刺激して、粘液をせん断することが明らかになっている。したがって、所望の治療結果に応じて、介護士は、(ユーザインターフェイス140を介して)所望のプロトコル/周波数を達成することができる。
【0035】
いくつかの場合には、介護士が、(例えば、圧力および/または周波数に関して)所望のプロトコルを承知しており、後のコントローラ28による実行のためにユーザインターフェイス140において所望の値を入力することができる。他の実施形態においては、コントローラ28が、適用される可能性がある1つ以上のプロトコル設定であらかじめプログラムされる。例えば、コントローラ28が、プロトコル設定のライブラリを維持するメモリを備えることができる。プロトコルの選択は、いくつかの因子にもとづくことができる。一実施形態においては、流れの検出および/またはスパイロメトリの手段が使用される場合に、プロトコルの選択が、これらの手段によって得られる測定にもとづくことができる。ユーザインターフェイス140において所望のプロトコルが選択されると、コントローラ28は、従来からのドライバユニットに比べてシステム20の動作があまり訓練を必要とせず、介護士によってより容易に設定されるよう、所定の設定を自動的に「ロード」する。例えば、1つのあらかじめ定められる所望のプロトコルは、2分間のPAPモード、その後の2分間の20Hzのパーカッション治療、その後の2分間の2Hzのパーカッション治療、などを含むことができる。
【0036】
上記に代え、あるいは上記に加えて、記憶媒体160(例えば、RFIDタグ)は、装置162(例えば、RFID読み取り機)によって読み取って、コントローラ28へと通信することができる特定の所望の設定を保存することができる。さらに、あらかじめプログラムされた特徴が、治療についての介護士の知識にかかわらずに、一貫した一様な治療が患者へと提供されることを保証する。一貫した一様な治療がもたらされるがゆえに、介護士は、患者圧力センサ67における変化(例えば、肺の膨張の増加)に鑑みて、患者の気道に変化が生じたか否かを特定することができる。これは、設定または使用が直感的でない市場の現行の装置/ドライバとまったく対照的である。いくつかは、パルスの形状を制御するために介護士によって操作されるニードル弁を必要とする。空気式のシステムにおいて強度を変化させようとすると、周波数も変化してしまい、強度および周波数を独立に変更することが困難である。ニードル弁の位置をわずかに調節しただけで、得られるパルスの形状に予期せぬ大きな変化が生じうる。このことが、既存の装置において一貫した予想どおりの治療をもたらすことを困難にしている。
【0037】
あらかじめプログラムされる設定に加え、あるいはあらかじめプログラムされる設定に代えて、コントローラ28を、1つ以上の所望の治療プロトコルを保存するように介護士によってプログラムすることができる。それらのプログラムを、病院の全体においてドライバユニット22を使用するすべての呼吸治療士が正確に同じ治療の手順に従うことを保証するため、介護士または介護士の同僚が(病院において)入力することができる。所望であれば、この情報を、記憶媒体に直接保存し、ドライバユニット22の製造および/または組み立ての際に要求のとおりにあつらえることができる。例えば、成人とは対照的に小児科のためのシステムを用意する場合に、異なるパラメータを利用して、異なる治療および/またはアラームの設定を可能にすることができる。
【0038】
ユーザの入力による設定および/またはあらかじめ設定される設定にもとづく電子弁40の動作に加えて、いくつかの実施形態においては、コントローラ28が、患者の肺の共振周波数(最も効果的な治療が生じると考えられる)を「突き止め」る典型的なルーチンを実行するようにさらにプログラムされる。より詳しくは、典型的なルーチンが、最初により高い周波数のパルスの速度(例えば、20Hz)を生成し、より低い速度(例えば、2Hz)へと次第に低下させるように、コントローラ28が電子弁40を動作させることを含んでいる。次いで、このプロセスが、段階的により高い圧力で繰り返される。所望であれば、高い周波数のパルス速度から出発して、より低い速度へと低下させることによって、速度を下げることもできる。
【0039】
典型的なルーチンの全体において、患者が胸部振動および圧力センサ67、120から知らされる情報について監視され、特定の患者について共振周波数または「スイートスポット」に最もよく一致するパルス速度の周波数が割り出される。一実施形態においては、加速度計を患者の胸部へと接続し、胸部の運動を表す信号をもたらすことができる。この胸部の運動の信号を、最適な周波数を特定するために、届けられる周波数パルスの速度にもとづいて監視することができる。
【0040】
パーカッションモードの動作を、ベースラインモードの動作によって補うことができる。ベースラインモードは、電子弁40が内部入口配管46から内部出口配管48への流れを部分的に妨げて、所望の圧力をもたらす。圧力が、パーカッション治療の送達の際(例えば、空気流のバーストの間)に患者の気道を開いた状態に保つために供給される。
【0041】
上述の手順と同様に、コントローラ28を、PAP圧力を患者へと届ける電子弁40の動作を含む1つ以上の治療プロトコルであらかじめプログラムまたは設定することができる。一例のプロトコルプログラム(これに限られるわけではない)は、1)PAPモードの低圧で5分間にわたって動作し(すなわち、電子弁40は開いている)、2)低圧で3分間にわたって電子弁40を20Hzで動作させ、3)低圧で3分間にわたって2Hzの周波数のパーカッションパルスを生成するように電子弁40を動作させ、4)高圧で5分間にわたって5Hzの周波数で電子弁40を動作させることを含むことができる。幅広くさまざまな他のプロトコルも、同様に利用可能である。
【0042】
PAP療法が所望される場合、コントローラ28は、ユーザインターフェイス140における該当の介護士のPAPモードの選択を受信して、電子弁40を所望の量だけ「開く」ように動作させる。この点に関し、PAP療法に所望される圧力を、ユーザによって選択(あるいは、あらかじめプログラム)することができ、コントローラ28がマニホールド圧力センサ120からの情報を監視し、達成された電子弁40の設定が所望の圧力を実現しているか否かを判断する。これに代え、あるいはこれに加えて、CAPA、Bi−PAP、などの治療を、患者圧力センサ67から受信される情報にもとづいて届けることができる。
【0043】
パージモードを、上述のゼロ調整モードに関連して実行することができる。さらには、パージモードを、ゼロ調整モードとは独立に実行することができる。患者圧力配管36をパージするために、ゼロ調整電子弁60が、入口側62から出口側64への流れを遮断するように、閉鎖位置へと動かされる。この時点で、患者圧力センサ67が、可搬のハウジング37を出る通気配管68へと流体に関して接続される。その結果、患者圧力センサ67が、大気圧を読み取り、そのコントローラ28へのフィードバックを遅延させることができ、さらには/あるいは患者圧力センサ67を、ゼロ調整モードに関して述べたとおりに調整することができる。次いで、パージ電子弁50が開かれ、入口配管30からの流れが、患者圧力配管36の液体および/または他の蓄積物をパージするために使用される。患者圧力配管36がパージされた後で、パージ電子弁50が閉じられ、次いでゼロ調整電子弁60が開位置へと動かされ、患者圧力センサ67への流れが可能にされる。
【0044】
ネブライザモードにおいては、ネブライザ34が、ネブ流弁70(補助配管35を経由する)および患者インターフェイス装置24へと流体に関して接続される。例えば、上述のただ1つのコネクタ156が、コネクタポート158を介してドライバユニット22へと必要な流体の接続を確立することができる。いくつかの実施形態においては、患者インターフェイス装置24およびネブライザ34が、ネブライザ34が患者インターフェイス装置24の出口ポート152へと流体に関してつながるように構成され、ネブライザ34が、ドライバユニット22とは別に設けられる。いずれにせよ、ネブライザ34を患者インターフェイス装置24の「下流」に位置させることによって、ネブライザ34によって生成されたエアロゾル化した薬剤が、患者インターフェイス装置24を通過しないため、患者インターフェイス装置24の形状におけるエアロゾルのノックダウンの可能性が大幅に減らされる。例えば、ネブライザ34を患者インターフェイス装置24の「下流」に位置させた構成は、従来からの患者インターフェイスの設計に比べて、5倍を超える吸入される呼吸可能マス(例えば、エアロゾル化した薬剤)を患者へと届けることができる。
【0045】
ネブライザ34が上述のように流体に関して接続された状態で、コントローラ28は、ユーザインターフェイス140において介護士による該当の選択を受信すると、補助配管35(したがって、ネブライザ34)へのガスの流れを可能にするようにネブ流弁70を動作させる。この点に関し、コントローラ28は、ネブライザ治療のみが患者へと届けられるように、電子弁40を閉状態に保つことができる。あるいは、介護士による所望のとおりに、エアロゾル化した薬剤を患者へとパーカッション治療、ベースライン付きのパーカッション治療、および/またはPAP治療に関連して届け、さらには/あるいは所定のプロトコルにおいて届けるために、(ネブ流弁70を少なくとも或る程度開いた状態で)電子弁40を同時に動作させることができる。
【0046】
パーカッション、PAP、またはネブライザ治療を届けるシステム20の動作において、コントローラ28は、患者圧力センサ67および/またはマニホールド圧力センサ120から受信される情報によって電子弁40からの所望の出力を維持するようにプログラムされる。マニホールド圧力センサ120が、コントローラ28による電子弁40の出力の監視を可能にし、コントローラ28が必要に応じて弁40の動作を付加的に調節することを可能にする閉ループシステムを生み出すフィードバックをもたらす。次いで、この特徴が、所望または正しいパルス圧力(あるいは、ベースラインモードの場合にはベースライン圧力)が一貫して常に患者へと届けられることを保証する。
【0047】
患者圧力センサ67が、患者へと届けられている圧力を監視する。コントローラ28が、検出された患者圧力および/またはマニホールド圧力が所定の値を超えると「判断」する場合には、電子弁40、70、および/または102の閉状態への動作を自動的に開始させることができる。さらに、患者へと届けられる圧力を、患者圧力センサ67によって検出される圧力にもとづいて調節することができる。一例においては、患者の呼吸の吸気および呼気段階を、コントローラ28へと情報を送信する患者圧力センサ67および/またはスパイロメトリ手段を使用して検出することができる。パーカッションモードの動作において、パーカッション治療を、パーカッションパルスを吸気段階の際に届けるように電子弁40を動作させることによって、患者の吸気段階において届けることができる。最大の患者圧力が既知(例えば、医師によって指示される)である場合には、さらに電子弁40を、最大の患者圧力および吸気/呼気段階にもとづいて動作させることができる。あるいは、所望の効果を最大にするため、患者の呼吸を検出し、吸気または呼気のいずれかの段階における治療の送達を変更するために、スパイロメトリ手段を使用することができる。
【0048】
さらに、他の測定装置も、表示および/またはドライバユニット22の動作の制御のために、コントローラ28へと情報をもたらすために使用することができる。例えば、スパイロメータを、患者の吸気および/または呼気の体積を測定するために使用することができる。スパイロメータを、患者インターフェイス装置24へと一体化し、肺のセクションがきれいにされ、さらには/あるいは回復したことによる患者の進展を割り出すために使用することができる(例えば、患者による呼気の量が多いほど、患者の改善を示していると考えられる)。
【0049】
上述のように、表示システム130を、所望に応じて介護士へと種々の情報を表示するようにコントローラ28によって動作させることができる。種々の動作の制御の設定(例えば、動作モード、選択された圧力および/または周波数)の表示に加えて、コントローラ28は、患者へと届けられる実際の圧力またはガスの流れを表す情報、あるいはそれらに関係する情報を割り出し、表示することができる。例えば、コントローラ28を、患者圧力センサ67によって検出された圧力を記録し、最小、平均、最大、および/または傾向の圧力などの情報を計算するようにプログラムすることができ、この情報が表示システム130に表示される。表示プロトコルはさまざまであってよく、いくつかの実施形態においては、コントローラ28が、表示された情報を定期的に(例えば、1秒に1回)更新するようにプログラムされ、最大圧力がデータ取得の先の時間期間(例えば、秒)について記録される。
【0050】
さらにドライバユニット22は、コントローラ28によって動作させられる種々の随意によるアラームの特徴を含むことができる。例えば、マニホールド圧力センサ120および/または患者圧力センサ67において所定の圧力限界を超える圧力が検出される場合に、コントローラ22は、介護士へと知らせるために警報(例えば、聴覚による警報、視覚による警報)を動作させ、ステップダウンの治療プロトコルを実行するようにプログラムされ、随意により電子弁40、70、および102を閉じる。これらの警報が、種々の状況にもとづく事象の通知のための任意の種類の設定(例えば、調節可能なしきい値の交差)へと、ユーザによって調節可能であってよい。
【0051】
システム20は、患者への呼吸治療の提供において有用な多量の特徴を独自に提供する。他の実施形態においては、特徴を所望に応じて追加、変更、または削除することができる。例えば、図3が、パージ電子弁50、ゼロ調整電子弁60、入力電子弁102、および通気電子弁108が、容積室88とともに削除されている治療システム170の図を示している。さらに、治療システム170は、別々の供給源へと接続された複数のコネクタ110を含んでいる。コネクタのうちの1つが、加圧酸素の供給源との流体の接続を確立できる一方で、別のコネクタは、加圧空気の供給源との流体の接続を確立することができる。またさらに、1つのコネクタを、ガスブレンダによって生成される分画吸気酸素の供給源へと接続することができる。またさらなる実施形態においては、ガスブレンダを、ハウジング37へと一体化させることができる。加えて、治療システム170は、二次電子弁172および通気弁174を含んでいる。
【0052】
二次電子弁172を、電子弁40と同様に構成することができる。二次電子弁172は、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御される。電子弁40および二次電子弁172は、一方の弁が主としてパーカッション治療をもたらすために使用され、他方の弁が主としてベースラインおよび/またはPAP治療をもたらすために使用されるように、パーカッション治療およびPAP治療を別々にもたらすべく動作するように機能することができる。また、二次電子弁172を、一次弁との関連において動作させ、パーカッション治療の際の強度設定の範囲を広げるために使用することもできる。二次電子弁172を、パーカッション治療の提供においてより高い周波数の設定を可能にするために、電子弁40に対してずらして動作させることも可能である。
【0053】
図示の実施形態において、二次電子弁172は、電子弁40およびネブ流弁70に並列に配置される。二次電子弁は、内部入口配管46へと流体に関して接続された入口側176と、内部出口配管48へと流体に関して接続された出口側178とを含んでいる。図3においては、電子弁40が、パーカッション治療をもたらすように構成される一方で、二次電子弁172が、PAP治療をもたらすように構成される。したがって、コントローラ28が、パーカッション治療が所望されるときに電子弁40を駆動するように動作し、PAP治療が所望されるときに二次電子弁172を駆動するように動作する。さらに、コントローラ28は、パーカッション治療を大気圧を超えるベースライン圧力と組み合わせて提供するために、電子弁40のパーカッション動作の際に、二次電子弁172を開状態(あるいは、途中まで開いた状態)で動作させることができる(例えば、ベースラインモード)。
【0054】
通気電子弁174が、電子的にコントローラ28へと接続されてコントローラ28によって制御され、入口側180および出口側182を含んでいる。通気電子弁174は、入口側180を内部出口配管48へと流体に関して接続し、出口側182を通気配管184へと流体に関して接続して、緊急「ダンプ」弁として機能する。通気配管184は、環境へと開いている。コントローラ28が、所定の限界を上回る内部の圧力が存在すると判断する場合に、通気電子弁174が開状態へと動かされ、内部出口配管48のガスの流れをシステム170から排出することができる(したがって、患者インターフェイス装置24または患者には届けられない)。あるいは、通気電子弁174を、内部入口配管46または内部出口配管48のいずれかに沿った任意の位置に配置することができ、「常時開」または「常時閉」のいずれかの状態で動作させることができる。例えば、通気電子弁174を、比例電磁弁40、172の「上流」に(例えば、内部入口配管46に沿って図2の通気弁108と同様の位置に)配置することができる。またさらには、通気電子弁174が、内部入口配管46または内部出口配管48のいずれかと直列(すなわち、入口側180および出口側182が、対応する内部入口配管46または内部出口配管48へと流体に関して接続される)であって、常時「開」状態で動作することができる。この構成によれば、超過圧力状態が存在すると判断されると、コントローラ28が、電子弁174を閉状態へと動作させて、ガスの流れ/圧力が患者へと届けられることを阻止する。
【0055】
図4は、上述のシステム20(図2)の構成要素のうちのいくつかを含んでいる本発明による基本的な呼吸治療システム190の図を示している。とくには、システム190は、ドライバユニット22および患者インターフェイス24を含んでいる。次に、ドライバユニット22は、コントローラ28および電子弁40を含んでいる。電子弁40が、入口配管30および出口配管32の間でガスの流れ/圧力を調節する。コントローラ28が、上述のようにパーカッション治療をもたらすべく電子弁40を動作させる。さらに、コントローラ28を、随意により、所望であればベースライン圧力および/または気道陽圧(PAP)をもたらすべく電子弁40を動作させるようにプログラムすることができる。
【0056】
図5は、本発明による別の呼吸治療システム200を概略的に示している。このシステム200は、ドライバユニット22が空気の供給源202にのみ接続されるように構成されている点を除き、上述したシステム170(図3)に類似している。したがって、(図3の2つ以上のコネクタ110と比べ)コネクタ110が1つだけ設けられている。
【0057】
図6が、システム200と同様の別の呼吸治療システム210を示しており、ドライバユニット22が、酸素源212にのみ流体に関して接続されるように構成されている。
【0058】
図7の別の構成においては、フィルタ100(図3)が省略されている点を除き、すでに述べたシステム170(図3)に類似する呼吸治療システム220が設けられている。
【0059】
図8は、マニホールド80(図3)が省略されている点を除き、図3のシステム170に類似した別の呼吸治療システム230を示している。したがって、電子弁40、二次電子弁172、およびネブ流弁70を、入口配管30に流体に関して接続するために、個別の配管が使用されている。あるいは、弁のうちの一部に対してのみ流体に関する接続を確立する部分的なマニホールド(例えば、電子弁40、172、およびネブ流電子弁70に対してのみ流体の接続を確立するマニホールド)を設けてもよい。
【0060】
図9の別の呼吸治療システム240においては、随意による圧力レギュレータ90(図3)が省略されている。この構成においては、流入する圧力の制御を、随意により、コントローラ28が患者圧力センサ67および/またはマニホールド圧力センサ120において生成される情報にもとづいて電子弁40および/または172を動作させることによって達成することができる。
【0061】
さらに別の呼吸治療システム250が、図10に概略的に示されており、やはり多くの点で図3のシステム170に類似している。しかしながら、システム170と異なり、ドライバユニット22が、二次電子弁172(図3)を欠いている。この構成において、電子弁40を、所望の場合に気道陽圧(PAP)をもたらすようにコントローラ28によって動作させることができる。
【0062】
図11の別の呼吸治療システム260においては、エアロゾル関連の構成要素が取り除かれている。すなわち、ネブ流弁70(図3)および対応する補助配管35(図1および3)が取り除かれている。図11は、ネブライザ34(図3)も取り除かれることを反映しているが、(ドライバユニット22によって制御されるわけではないが)別途のネブライザユニット(図示されていない)を別途設けることができ、患者インターフェイスへと流体に関して接続できることを、理解できるであろう。
【0063】
さらに別の代案の呼吸治療システム270が、図12に概略的に示されており、やはり図3のシステム170に類似している。しかしながら、呼吸治療システム270においては、通気電子弁174(図3)および関連の通気配管184(図3)が省略されている。(過大な圧力の状況における)緊急遮断を、コントローラ28が電子弁40、172を閉状態へと動作させることによって達成することができる。
【0064】
図13の別の呼吸治療システム280においては、随意によるマニホールド圧力センサ120(図3)が取り除かれている。遮断電子弁174の動作を、患者圧力センサ67からの情報にもとづき、さらには/あるいはユーザによって入力される指令に応答して、コントローラ28によって制御することができる。
【0065】
またさらに別の実施形態の呼吸治療システム290が、図14に概略的に示されている。システム290は、表示システム130(図3)が省略されている点を除き、すでに述べたシステム170(図3)に類似している。
【0066】
上述のように、患者インターフェイス装置24は、ドライバユニット22において有用な幅広くさまざまな形態をとることができる。最も一般的には、患者へとガスの流れ/圧力を届けることができる任意の構成が容認される。患者インターフェイス装置24は、使い捨てであってよく、呼吸治療を提供するための種々の設計の特徴を含むことができる。一般に、患者インターフェイス装置24は、ハンドピースへと接続される少なくとも1つの管腔(例えば、二連管腔の配管、2つ以上の単一管腔の管、など)を定める。ドライバユニット22からの流れ(出口配管32を介する)が、二連管腔の配管の片側(例えば、入口端150)を通ってハンドピースへと移動し、ハンドピースにおいて取り込まれた外気と混合され、出口端152へと接続されたマウスピースまたはマスクなどの他の構成要素を介して患者へと届けられる。二連管腔の配管の他方の側は、ハンドピースの患者端の付近の圧力ポートにつながっている。次いで、圧力ポートが、患者圧力配管36へと流体に関して接続されるように構成されている。一実施形態においては、患者圧力センサを、患者インターフェイス装置24へと直接一体化でき、患者インターフェイス装置24が、ただ1つの管腔しか必要としないと考えられる。この場合には、患者センサを動作させる手段およびドライバユニット22へとデータを送信する手段を、患者インターフェイス装置24に設けることができる。エアロゾル治療が望まれる場合には、ネブライザ34を、患者ハンドピース24の出口端162へと流体に関して接続することができ、マウスピースが、Tコネクタを介してネブライザの反対側へと接続され、ドライバユニット22からの流体の流れを、補助配管35を介して別途のポートを通ってネブライザ34へと届けることができる。
【0067】
随意により患者インターフェイス装置24に取り入れられるさらなる内部の特徴として、ベンチュリまたはベンチュリ状のアセンブリ(例えば、可動ベンチュリ管または固定ベンチュリ管)が挙げられる。あるいは、患者インターフェイス装置24が、固定のオリフィスを備えるノズルや、混合スロートを有し、ディフューザを有さないノズルなど、非ベンチュリの設計を取り入れることができる。患者インターフェイス装置24は、取り込み弁または呼気弁を含んでも、含まなくてもよい。またさらに、患者インターフェイス装置24の他の有用な構成要素として、ベイシックダイバータを備える二連ジェット構成、コアンダ効果を実現するように構成された構成、および外気の取り込みをもたらさない他の設計を挙げることができる。繰り返すが、これらの患者インターフェイス装置の特徴のすべては、いずれも随意であり、本発明によるシステム20の動作に必須ではない。
【0068】
図15および16が、患者インターフェイス装置の第1の典型的な実施形態を示している。とくには、図15が、患者インターフェイス装置300の分解図であり、図16が、断面図である。患者インターフェイス装置300は、ハウジング302およびハウジング302内に配置されたいくつかの構成要素を含んでいる。患者インターフェイス装置300は、例えばパルス状空気入口ポート304、取り込みポート306、出口コネクタポート308、排気ポート310、および圧力ポート312など、いくつかのポートを定めている。パルス状の空気が、ドライバ22(図1)から入口ポート304に進入し、外気が、取り込みポート306を通ってハウジング302へと引き込まれる。次いで、空気の流れが、患者マウスピースまたはネブライザへと接続されるように構成できる出口コネクタポート308へと届けられる。患者が吐き出した空気は、出口コネクタポート308を通って戻り、排気ポート310を通って排気される。圧力ポート312を、患者インターフェイス装置300内の圧力をドライバユニット22(図1)によって測定できるよう、患者圧力配管36(図1)へと接続することができる。
【0069】
とくには、パルス状の空気が、コネクタ片322と中央管324とを備えている端部キャップ320を通って、入口ポート304に進入する。端部キャップ320は、ハウジング302に設けられた内腔325に配置される。コネクタ片322を、出口配管32(図1)へと接続することができる。入口ポート304は、中央管324へと流体に関して接続され、中央管324へと空気を届ける。可撓ダイアフラム326が、管324からジェットノズル329を終端とするリテーナ328の対応する管327への密封された流路を確立する。次いで、空気は、ノズル329からベンチュリアセンブリ330に進入する。リテーナ328およびベンチュリアセンブリ330が協働して、ジェットポンプを形成している。ジェットポンプは、ハウジング302の内部にスライド可能に配置され、入口ポート304および出口コネクタポート308に対して往復運動の様相で可動である。ばね332が、ジェットポンプを入口ポート304に向かって、出口コネクタポート308から離れるように付勢している。さらに、Oリング334が、ベンチュリアセンブリ330とハウジング302の内側シール面338との間にシールを形成するために設けられている。外気が、取り込みポート306に配置されたワンウェイ逆止弁340を通ってハウジング302に進入できる。ワンウェイ逆止弁340は、取り込みポート306への外気の流入を許すが、取り込みポート306からのガスの流出は防止する。
【0070】
とくに図16を参照すると、ベンチュリアセンブリ330が、入口ポート304および取り込みポート306からの空気を組み合わせ、組み合わせた空気を出口コネクタポート308へと流体に関して接続された管腔350へと届けるために、取り込み領域342、スロート領域344、および膨張領域346を形成している。図示の実施形態においては、取り込み領域342が、入口ポート304および取り込みポート306への入口開口352を定めている。スロート領域344は、ベンチュリアセンブリ330において流れを案内する先細りの収束部を定めている。膨張領域346は、スロート領域344から管腔350に向かって直径を増加させ、出口開口356を終端としている先細りの発散部を定めている。ベンチュリアセンブリ330について、他の構成も使用可能であるが、図15および図16に示したベンチュリアセンブリ330においては、空気の流れが、収束部を通って管腔350への発散部へと案内される。
【0071】
動作時には、ドライバ22(図1)によって生成されたパルス状のガスの流れが、入口ポート304を通って進入する。パルス状の空気が、ダイアフラム326に力を加え、ダイアフラム326がたわんで、ジェットポンプ(すなわち、リテーナ328およびベンチュリアセンブリ330)に力(すなわち、スロート領域への図16の右方への力の方向)を加える。パルス状の空気が、ジェットノズル329においてスライドするベンチュリアセンブリ330に進入する。より詳しくは、ジェットノズルからの気流が、取り込み領域342に進入し、スロート領域344によって真空が生み出され、真空によって外気が取り込みポート306を介して引き込まれる。組み合わせられたパルス状の空気および外気が、スロート領域344へと案内される。可撓ダイアフラム326の力がばね332を圧縮するため、スライドするジェットポンプは、出口コネクタポート308に向かってスライドまたは移動する。スライド移動は、ベンチュリアセンブリ330の先端(すなわち、ベンチュリアセンブリ330によって保持されたOリング334)がハウジング302の内側シール面338に接触してシールを形成するまで続く。その結果、このシール位置において、気流/圧力パルスが、出口コネクタポート308へと(したがって、患者へと)効果的に届けられる。さらに、ベンチュリアセンブリ330が、このシール位置において呼気ポート310を効果的に閉鎖する。ダイアフラム326への力が減少すると(すなわち、圧力パルスの終わりにおいて)、ダイアフラム326およびばね332が、ベンチュリアセンブリ330を強制的に内側シール面338から離し、出口コネクタポート308と呼気ポート310との間の経路を開く。このようにして、患者は、出口コネクタポート308および呼気ポート310を通って容易に呼気することができる(すなわち、スライドするジェットポンプは、シール位置から移動したときに患者から吐き出される空気の流れに直接抵抗しない)。
【0072】
さらなる実施形態においては、ハウジング302が、ハウジング302の切り抜き部で形成された漸進式シール358(図15)を備えている。漸進式シール358は、出口コネクタポート308と外気(すなわち、呼気ポート310を介する)との間の即座のシールを防止するために、先細りにされている。すなわち、シール358の開口のサイズが、ベンチュリアセンブリ330が内側シール面338に近付くにつれて減少する。このようにして、出口コネクタポート306と外気との間のシールが、緩やかに生じる。
【0073】
別の実施形態においては、呼気弁を、ベンチュリアセンブリから分離させることができる。この場合、呼気弁の制御の改善をもたらすことができるほか、ベンチュリアセンブリを固定することができる。またさらなる実施形態においては、呼気弁を省略することができる。
【0074】
出口コネクタポート308を、患者マウスピースまたはネブライザを受け付けるように構成することができる(そのように接続されたネブライザが、患者マウスピースを保持することができることを、理解できるであろう)。ネブライザ(例えば、図1のネブライザ34)の接続は、ベンチュリアセンブリ330および取り込みポート306の下流である。すなわち、出口コネクタポート308経由のネブライザからの流れが、パルス状の空気の流れへと外気と同時に取り入れられることがない。代わりに、ネブライズされた薬剤が、あらかじめ組み合わせられたパルス状のガス流および取り込まれた外気によって運ばれて、患者へと直接届けられる。ネブライザを出口コネクタポート308の下流に配置することによって、患者インターフェイス装置300におけるエアロゾル化した薬剤の粒子のノックダウンが軽減される。とくには、患者インターフェイス300における薬剤のノックダウンが防止され、より呼吸に適するマスを患者へと到達させることができる。例えば、患者へと届けられるマス中の呼吸可能な薬剤(例えば、アルブテロール)の割合は、薬剤をハウジング302において直接取り入れるのと対照的に、ネブライザをコネクタポートの下流に配置した場合に、数倍(例えば、5倍以上)大きくなりうる。
【0075】
呼気ポート310は、図示のとおり、呼気ポート310が例えば誰かの手または指によって容易に意図せずに封じられてしまうことがないようにするための開口359を含んでいる。さらに、望ましくない汚染物質を介護士に達することがないようにろ過するために、適切なフィルタ(図示されていない)を呼気ポート310に配置することができる。フィルタは、細菌、HEPA、ウイルス、など、さまざまな形態をとることができる。
【0076】
圧力ポート312に、患者圧力配管36(図1)へとつながる適切な接続手段360を設けることができる。上述のように、ドライバ22が、圧力センサ67を使用することによって患者圧力配管36の圧力を測定することができる。測定された圧力を、ドライバ22に組み合わせられた1つ以上の弁を制御するために使用することができる。患者圧力配管36がパージされるとき、流体は管腔350へと出る。ネブライザ34を、患者インターフェイス装置300の下流に配置できるため、患者圧力配管36への薬剤の付着が増える可能性がある。したがって、患者圧力配管36のパージが、好都合になりうる。
【0077】
図17が、患者インターフェイス装置400の第2の典型的な実施形態を示している。患者インターフェイス装置400は、図15および図16に示した患者インターフェイス装置300と同様の構成要素を含んでいる。さらに、患者インターフェイス装置400は、出口コネクタポート308に直接一体化されたネブライザポート402を含んでいる。このやり方で、ネブライザを、ネブライザポート402を介して患者インターフェイス装置400へと直接、ベンチュリアセンブリ330の下流に流体に関して接続することができる。一体化されたネブライザポート402は、ベンチュリアセンブリ330への固定の関係を提供し、互換のネブライザを挿入するための迅速な設定を介護士に提供し、死空間を少なくし、したがってシステムの効率を向上させる。
【0078】
図18〜図20が、患者インターフェイス装置500の第3の実施形態を示している。患者インターフェイス装置500が、患者インターフェイス装置300(図15および図16)と同じ構成要素のうちのいくつかを含んでおり、類似の構成要素には類似の番号が付されている。患者インターフェイス装置300と同様に、患者インターフェイス装置500は、入口ポート504および出口コネクタポート508を定めるハウジング502を含んでいる、しかしながら、取り込みおよび排気のために別々のポートを有する代わりに、ハウジング502は、ハウジング502の長さに沿って配置された単一の排気/取り込みポート510を備えている。動作の際に、空気を、単一のポート510の取り込み部510a(すなわち、ベンチュリアセンブリ330の上流)を通って単一のポート510へと取り込むことができ、呼気部510b(すなわち、ベンチュリアセンブリ330の下流)を通って排気することができる。所望であれば、図19に示されるように、望ましくない汚染物質がハウジング502に進入することがないように、フィルタ(例えば、細菌、HEPA、ウイルス)512を単一のポート510に配置することができる。
【0079】
図20は、ハウジング502内に配置されたいくつかの構成要素を示している患者インターフェイス装置500の断面図である。例えば圧力ポート312、ダイアフラム326、リテーナ328、ノズル329、ベンチュリアセンブリ330、ばね332、Oリング334、内側シール面338、および管腔350など、ハウジング502内の構成要素は、ハウジング302内の構成要素と同様に機能し、図20に同様に示されている。図20において、漸進式シール558が、ハウジング502の内部に切り抜かれている。とくには、漸進式シール558が、内側シール面338に形成され、図15の漸進式シール358と同様に機能する。さらに、接続手段560が、ハウジング502に一体に形成され、入口ポート504および出口コネクタポート508に同軸な軸に対して斜めに向けられている。
【0080】
図21は、ドライバユニットのコネクタブロック602と協働するように構成された典型的なコネクタ600の図である。コネクタ600を、患者インターフェイス装置をドライバユニットへと素早く接続するために使用することができる。コネクタ600は、コネクタブロック602の該当の開口610、612、および614に流体に関して接続されるポート604、606、および608を備えている。さらに、ポート604、606、および608を、それぞれ患者圧力配管36、出口配管32、および補助配管35へと流体に関して接続することができる。ひとたび配管32、35、および36がコネクタ600へと接続されると、ポート604、606、および608を、開口610、612、および614内に配置することができる。さらに、コネクタ600は、タブ収容部630および632とそれぞれ協働するタブ620および622を備えている。タブ620および622は、お互いに向かって押して、タブ収容部630および632へと挿入することができる弾性部材であってよい。その結果、タブ620、622の端部のフックが、コネクタ600がコネクタブロック602へと固定されるようにタブ収容部630および632に係合する。
【0081】
本発明を、好ましい実施形態に関して説明したが、本発明の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、形態および詳細において変更が可能であることを、当業者であれば理解できるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸治療を患者へともたらすための患者インターフェイスアセンブリであって、
・入口ポートおよび出口ポートを定めており、入口ポートが該入口ポートへと加圧ガスの流れをもたらすドライバへと接続されるように構成されているハウジング、
・前記ハウジング内に配置され、前記入口ポートから前記加圧ガスの流れを受け取り、該加圧ガスの流れを前記出口ポートへともたらすように配置されたジェットポンプ、および
・前記出口ポートへと流体に関して接続され、該出口ポートから前記加圧ガスの流れを受け取り、該加圧ガスの流れへと薬剤を導入し、薬剤入りのガスの流れを患者へともたらすネブライザ
を備えている患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングが、外気を受け入れるように流体に関して接続された取り込みポートを備えており、前記ジェットポンプが、前記入口ポートからの前記加圧ガスの流れと前記取り込みポートからの外気とを混合するように構成されている、請求項1に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記出口ポートを介して患者から受け取られる空気を該ハウジングから排出するように構成された呼気ポートをさらに備えている、請求項1に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項4】
前記呼気ポートに配置されたフィルタをさらに備えている、請求項3に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジングの内部を外気に流体に関して接続する単一のポートをさらに備えており、該単一のポートが、外気を前記ジェットポンプの上流で前記ハウジングの内部へと流体に関して接続する取り込みポートと、外気を前記ジェットポンプの下流で前記ハウジングの内部へと流体に関して接続する呼気部とを形成している、請求項1に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項6】
前記ジェットポンプが、取り込み領域、スロート領域、および膨張領域を定めているベンチュリアセンブリを備えている、請求項1に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項7】
前記ジェットポンプが、前記ハウジング内を前記入口ポートおよび前記出口ポートに対する方向にスライド可能である、請求項1に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項8】
前記ハウジング内に配置され、前記ジェットポンプを前記入口ポートに向かって付勢するばねをさらに備えている、請求項7に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項9】
前記入口ポートへともたらされる加圧ガスの流れに応答してたわんで、前記ジェットポンプを前記出口ポートへと向かう方向に押すように構成されたダイアフラム
をさらに備えている、請求項7に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項10】
前記ハウジングから空気を排出するように構成された呼気ポートと、前記ジェットポンプが前記出口ポートに向かってスライドするにつれて前記呼気ポートと前記出口ポートとの間にシールが徐々に形成されるように前記ハウジングに配置された漸進式シールと、をさらに備えている、請求項7に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングが、前記ネブライザを該ハウジングへと流体に関して接続するためのネブライザポートを備えている、請求項1に記載の患者インターフェイスアセンブリ。
【請求項12】
呼吸治療を患者へともたらすためのシステムであって、
・加圧ガスの流れをもたらすように構成されたドライバユニット、
・前記ドライバユニットへと流体に関して接続され、入口ポートと、出口ポートと、入口ポートと出口ポートとの間に配置されたジェットポンプとを備えており、前記入口ポートが、前記ドライバユニットから前記加圧ガスの流れを受け取るように配置され、前記ジェットポンプが、前記入口ポートからガスの流れを受け取って、前記出口ポートへと届けるように配置されている患者インターフェイス装置、および
・前記出口ポートへと流体に関して接続され、該出口ポートから前記加圧ガスの流れを受け取り、該加圧ガスの流れへと薬剤を導入し、薬剤入りのガスの流れを患者へともたらすネブライザ
を備えているシステム。
【請求項13】
前記患者インターフェイス装置が、取り込みポートおよび呼気ポートを定めており、
前記ジェットポンプが、前記入口ポートからの加圧ガスと前記取り込みポートからの外気とを混合して、混合後のガスの流れを前記出口ポートへともたらすように構成されており、
前記呼気ポートが、患者から受け取られる空気を前記患者インターフェイス装置から排出するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ジェットポンプが、取り込み領域、スロート領域、および膨張領域を定めているベンチュリアセンブリを備えている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記患者インターフェイス装置が、ハウジングを備えており、
前記ジェットポンプが、前記ハウジング内を前記入口ポートおよび前記出口ポートに対する方向にスライド可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハウジングが、前記ジェットポンプを前記入口ポートに向かって付勢するように構成されたばねをさらに含んでいる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記ネブライザを該ハウジングへと流体に関して接続するためのネブライザポートを備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
患者圧力配管が、前記ドライバユニットへと流体に関して接続され、前記ジェットポンプと出口ポートとの間で前記患者インターフェイス装置へと流体に関して接続されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
患者へと呼吸治療をもたらすための方法であって、
・ハウジングの入口ポートへと加圧ガスの流れをもたらすステップ、
・前記ハウジングの取り込みポートから外気を引き込むステップ、
・前記ハウジングの内部に配置されたジェットポンプを使用して、前記加圧ガスの流れを前記外気と混合するステップ、
・混合後の空気を前記ジェットポンプからネブライザへともたらすステップ、
・前記ネブライザを使用して前記ガスの流れへと薬剤を導入するステップ、および
・薬剤入りのガスの流れを患者へともたらすステップ
を含んでいる方法。
【請求項20】
患者から受け取られる空気の流れを排出するために前記ハウジングに呼気ポートを設けるステップをさらに含んでいる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
・前記加圧ガスの流れを前記ジェットポンプの取り込み領域において外気と混合するステップ、
・混合後の空気を前記ジェットポンプのスロート領域に通すステップ、および
・混合後の空気を前記ジェットポンプの膨張領域へともたらすステップ
をさらに含んでいる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ジェットポンプが、前記ハウジングに対してスライド可能である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
ばねが、前記ジェットポンプを前記入口ポートへと向かう方向に前記ハウジングに対して付勢している、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ハウジングが、前記ネブライザを該ハウジングへと流体に関して接続するネブライザポートを備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記ハウジングの圧力ポートから前記ドライバユニットへと延びている患者圧力配管をパージするステップをさらに含んでいる、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2011−502736(P2011−502736A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535046(P2010−535046)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/084081
【国際公開番号】WO2009/067549
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(510003324)ケアフュージョン2200、インコーポレイテッド (20)