説明

呼吸環境形成装置

【課題】被験者に面倒を与えることなく、また大げさな設備を準備したり、稼働させたりすることなく、所望の成分組成の空気からなる呼吸環境を簡単に形成する。
【解決手段】略球状のヘルメットと、該ヘルメットを被験者の頭を取り囲む位置に保持する保持手段と、該ヘルメット内に所定の成分組成の空気を供給する空気供給手段とを備えてなり、該ヘルメットは下部に開口部を有し、該開口部は前記被験者の頭部がそのまま脱抜できる大きさを有している。ここで、ヘルメットの開口部の縁は被験者の肩、胸及び背中の形状に略沿って湾曲しているのが好ましい。ヘルメットの前側は透明な材料により形成されているのが好ましい。所定の成分組成の空気としては低酸素濃度の空気、高酸素濃度の空気又は清浄な空気を挙げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人為的に調整した種々の条件の空気、例えば通常の空気より酸素濃度を低くした空気、酸素濃度を高くした空気、塵を除去した空気、薬剤を添加した空気等を被験者に呼吸させることのできる呼吸環境形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人為的に調整した種々の条件の空気を被験者に呼吸させることのできる呼吸環境形成装置としては、被験者の口に当てて被験者にその空気を呼吸させるマスクタイプのものと、部屋全体の空気を調整してこの中で被験者にその空気を呼吸させるタイプのものが一般的に知られている。
【0003】
マスクタイプの呼吸環境形成装置としては特開平10−76008号公報、特開2000−167056号公報、特開2006−325722号公報等で公開されたものが知られている。
【0004】
特開平10−76008号公報で提案されているものは、図7に示すように、噴霧ノズル101の先から顔110までをマスク102で覆う吸入器103であり、マスク102の顔110との接触部105の形状を、頬が密着するようにマスク102の鼻104との接触部105aと、マスク102の下唇の下部106との接触部105bとにそれぞれ凹部108、109を設け、マスク102が顔に密着して接触できるようにして、マスク102の顔110との接触部105から霧が漏れないようにしたものである。
【0005】
特開2000−167056号公報で提案されているものは、図8に示すように、鉢型のマスク201に設けた貫通孔203に連通管205の一端を連結し、この連通管205の他端に風船状の呼吸気体格納部207を連結し、マスク201には呼吸時に外気補給する外気補給孔209を貫通形成した呼吸気体格納装置である。マスク201を口や鼻を塞ぐように被せて呼吸すると、外気補給孔209からの外気補給を受けながら、呼吸気体格納部207に溜まる気体の酸素濃度がゆっくり低下する。健康増進、病気の予防や治療の促進に好適する低酸素空気を、比較的長時間得られるようにしたものである。
【0006】
特開2006−325722号公報で提案されているものは、図9に示すように、使用者の口及び鼻を覆うマスク部材304と、使用者の呼気内の炭酸ガスを吸収する炭酸ガス吸収部306と、所定量の空気を格納する呼気格納部314とからなる低酸素呼吸装置であり、呼気格納部314は、炭酸ガス吸収部306を介してマスク部材304と通気可能に連結されている。使用者の自発呼吸を継続するだけで低酸素状態を作り出すことができ、簡単な構成で安価に製造することができ、低酸素空気状態を長時間持続させることができ、長時間の継続使用でも使用者に負担がかからないというものである。
【0007】
また、部屋全体の空気を調整してこの中で呼吸させるタイプの呼吸環境形成装置としては特開平11−114119号公報、特開2000−70654号公報、特開2006−328931号公報等において提案されているものが知られている。
【0008】
特開平11−114119号公報で提案されているものは、図10に示すように、室内の酸素濃度及び炭酸ガス濃度を制御できるようにした低酸素濃度制御形トレーニング装置である。この装置は、トレーニング室401の空気の酸素濃度を計測する酸素計測器403と、トレーニング室401の空気の炭酸ガス濃度を計測する炭酸ガス計測器406と、空気から酸素と炭酸ガスを除去し窒素を生成する窒素発生器402dと、窒素発生器402dの窒素をトレーニング室401に供給する窒素供給系402と、酸素をトレーニング室401に供給する酸素供給系405と、酸素計測器403による酸素濃度に応じて、窒素供給系402による窒素供給量を制御する窒素制御手段と、炭酸ガス計測器406による炭酸ガス濃度に応じて酸素供給系405からの酸素供給量を制御する酸素制御手段とを備えている。
【0009】
特開2000−70654号公報で提案されているものは、図11に示すように、設備の故障により危険な低酸素濃度になることを防止する低酸素訓練装置である。この装置は、一定の低酸素濃度で訓練するための低酸素室501と、その内部空気を高酸素濃度空気と低酸素濃度空気に分離するための分離膜を備え、該低酸素濃度空気を前記低酸素室に放出する低酸素空気発生装置502と、前記高酸素濃度空気を集め、その一部を低酸素室内に放出するための通気孔と外部に放出するための排気口504を設けた容量タンクと、前記排気口504の近傍に配設され、回転数の増減により高酸素濃度空気の外部排出量を増減する排気ファン505と、低酸素室内の酸素濃度を検出する酸素濃度計510と、酸素濃度偏差信号に基づいて、排気ファンの回転数を制御し前記低酸素室内の酸素濃度を調節する調節計511とを備えている。
【0010】
特開2006−328931号公報で提案されているものは、図12に示すように、酸素濃度の低減を合理的に行う低酸素気体の発生装置である。この装置は、圧力変動ガス分離法を採用して空気から高濃度酸素気体を分離すると共に低濃度酸素気体を排気する酸素分離装置602と、酸素分離装置602に空気を供給するコンプレッサー603とを有し、酸素分離装置602から排気された低濃度酸素気体を室601又は低酸素マスク608に供給し得るように構成する。また低酸素室は、酸素分離装置602と、酸素分離装置602に空気を供給するコンプレッサー603と、所定の容積を持ち且つ外部との通気孔601aを有し酸素分離装置602から排気された低濃度酸素気体が供給される室601とを有する。
【0011】
以上説明したように、呼吸環境形成装置としては種々のものが既に多数提案されている。しかし、上述した呼吸環境形成装置のうちで、マスクタイプの呼吸環境形成装置は被験者が手でマスクを保持したり、顔にマスクを密着させなければならないので、被験者にとって煩わしいという欠点があった。また、室内タイプの呼吸環境形成装置は設備が大がかりになり、その設備の形成にコストがかかり過ぎたり、維持や稼働にコストがかかり過ぎるという欠点があった。
【特許文献1】特開平10−76008号公報
【特許文献2】特開2000−167056号公報
【特許文献3】特開2006−325722号公報
【特許文献4】特開平11−114119号公報
【特許文献5】特開2000−70654号公報
【特許文献6】特開2006−328931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする問題点は、前述した従来の呼吸環境形成装置が使用の際に煩わしかったり、設備が大げさになり過ぎていて、気軽に使用できなかった点である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、略球状のヘルメットと、被験者の頭を取り囲む位置に該ヘルメットを保持する保持手段と、該ヘルメット内に所定成分の空気を供給する空気供給手段とを備えてなり、該ヘルメットは下部に開口部を有し、該開口部は前記被験者の頭部がそのまま脱抜できる大きさを有していることを最も主要な特徴とする。
【0014】
ここで、前記ヘルメットの開口部の縁は前記被験者の肩、胸及び背中の形状に略沿って湾曲しているのが好ましい。また、前記ヘルメットの前側は透明な材料により形成されているのが好ましい。更に、前記ヘルメット内には通話装置やスピーカーが設けられていてもよい。
【0015】
また、前記保持手段が吊下装置からなり、該吊下装置が該ヘルメットを昇降できる昇降手段を備えていてもよい。ここで、昇降手段としては、ヘルメットを吊り下げるケーブルと、該ケーブルの角度を変える滑車と、該ケーブルを巻き取る巻取装置と、該巻取装置を駆動するモータとからなるものを挙げることができる。
【0016】
また、前記空気供給手段は前記ヘルメットのどこに接続されていてもよいが、前記空気供給手段の空気吐出口は前記ヘルメットの前側に接続されて、前記ヘルメットの前側から空気が供給されるようになっているのが好ましい。
【0017】
また、前記ヘルメットは該ヘルメットを前記被験者の肩に固定させる固定部を一体的に備えていてもよい。
【0018】
また、前記空気としては低酸素濃度の空気、高酸素濃度の空気又は清浄な空気(空気清浄機によって塵、埃、花粉等を除去した空気)を挙げることができる。また、供給される空気には水分を添加するようにしてもよいし、薬剤を添加するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、略球状のヘルメットと、被験者の頭を取り囲む位置に該ヘルメットを保持する保持手段と、該ヘルメット内に所定成分の空気を供給する空気供給手段とを備えているので、ヘルメットの中に所定の成分組成の呼吸環境を簡単に形成することができ、従って、所定の成分組成の空気中で呼吸することが容易にできるという効果がある。
【0020】
また、本発明は、前記ヘルメットの下部に開口部を有し、該開口部が前記被験者の頭部がそのまま脱抜できる大きさを有しているので、前記被験者が気分が悪くなったり、気を失った時、身体がくずれ落ちることによって頭を外力無しでヘルメットから抜け出させることができ、従って、被験者の安全を確保することができるという効果がある。
【0021】
また、本発明は、前記ヘルメットの下部に開口部を有し、該開口部が前記被験者の頭部がそのまま脱抜できる大きさを有しているので、ヘルメットを直ちに取り除くことができ、従って、被験者が不安を感じなくて済むという効果がある
【0022】
また、本発明は、被験者の頭を取り囲む位置に該ヘルメットを保持する保持手段を備えていて、ヘルメットを手で支える必要がないので、被験者はハンドフリーの状態で呼吸をすることができ、従って、取扱が面倒でないという効果がある。
【0023】
また、本発明は、呼吸環境がヘルメットに囲まれているので、少ない空気量で所定の成分組成の呼吸環境を形成することができるという効果がある。
【0024】
また、本発明は、呼吸環境がヘルメットに囲まれているので、ヘルメット内の空気が周囲の空気と混ざり難く、従って、ヘルメット内の空気、すなわち呼吸環境の空気が所定の成分組成に維持され易いという効果がある
【0025】
また、本発明は、前記ヘルメットの開口部の縁が前記被験者の肩、胸及び背中の形状に略沿って湾曲している場合、供給した空気が開口部と被験者の間の隙間から漏れ難く、従って、供給した空気を有効に使用することができるという効果がある。
【0026】
また、本発明は、前記ヘルメットを被験者の頭の高さ位置に保持する吊下手段とを備えている場合、ヘルメットを被験者の身長との関係で最適な高さに位置に保持することができ、従って、被験者の頭をヘルメット内の最適位置に保つことができるという効果がある。
【0027】
また、本発明は、前記空気を低酸素濃度の空気とした場合、被験者の心肺機能の強化、被験者の皮膚の美容等の低酸素治療を施すことができるという効果がある。
【0028】
また、本発明は、前記空気を高酸素濃度の空気とした場合、被験者の疲労回復、怪我の早期回復等の高酸素治療を施すことができるという効果がある。
【0029】
また、本発明は、前記空気を清浄な空気とした場合、被験者の気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、花粉症等の治療を理想的な条件下で行うことができるという効果がある。
【0030】
また、本発明は、前記被験者を座らせる椅子を備えた場合、被験者を椅子に腰掛けさせて楽な姿勢で呼吸させることができるという効果がある。
【0031】
また、本発明は、前記ヘルメットが該ヘルメットを前記被験者の肩に固定させる固定部を備えている場合、ヘルメットを装着している被験者は自由に移動することができ、従って、被験者は拘束されていない状態で治療又は処置を受けることができるという効果がある。
【0032】
また、本発明は、前記空気供給手段の空気吐出口が前記ヘルメットの前側に接続されて、前記ヘルメットの前側から空気が供給されるようになっている場合、供給された空気が新鮮なうちに直接的に吸うことができるという効果がある。また、ヘルメットの上方、すなわち被験者の頭の上の方から供給するようにした場合と比べ、供給される空気によって頭が冷えないという効果がある。
【0033】
また、本発明は、前記空気供給手段によって供給される空気に薬剤を添加する薬剤添加手段を備えている場合、薬剤を吸入して行う治療を併せて行うことができるという効果がある。
【0034】
また、本発明は、前記空気供給手段によって供給される空気に水分を添加する加湿手段を備えている場合は、低酸素治療の際に皮膚をより効果的に若返えらせることができるという効果がある。
【0035】
また、本発明は、前記ヘルメットの前側が透明な材料により形成されている場合、被験者がヘルメットを通して外を見ることができるので、ヘルメットに囲まれても圧迫感がなく、安心して処置を受けることができるという効果がある。
【0036】
また、本発明は、前記ヘルメットの前側が透明な材料により形成されている場合、医師が患者の顔を見ることができるので、医師は患者の状態を逐次判断して処置することができるという効果がある。
【0037】
また、本発明は、前記ヘルメット内に通話装置が設けられている場合、医師と患者がヘルメットに妨げられることなくスムースに会話をすることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明は、所望の成分組成の空気からなる呼吸環境を簡単に形成するという目的を、被験者に面倒を与えることなく、また大げさな設備を準備したり稼働させたりすることなく実現した。
【実施例1】
【0039】
図1及び図2は本発明に係る呼吸環境形成装置の説明図、図3は本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの斜視図、図4は本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの正面図、図5は本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの平面図、図6は本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの側面図である。
【0040】
これらの図において、10は被験者であり、被験者10はリラックスした状態で椅子12に腰掛け、被験者10の頭は略球状のヘルメット14によって囲まれている。ヘルメット14は被験者10の頭の上及び周囲にある程度の空間を形成する大きさを有している。ヘルメット14は略半球状の前部16と後部18とからなり、前部16は透明なプラスチック材料により形成され、後部18は不透明なプラスチック材料により形成されている。
【0041】
ヘルメット14の下部には開口部20が形成されている。開口部20は被験者10の頭部がそのまま脱抜できるような大きさになっている。ヘルメット14の下部の開口部20の縁22は被験者10の肩、胸及び背中の形状に略沿ってなめらかに湾曲している。ヘルメット14の前部16及び後部18の周囲にはフランジ24,26が形成されている。ヘルメット14の前部16及び後部18は各フランジ24,26が重なり、各フランジ24,26はネジ(図示せず)により連結されている。
【0042】
ヘルメット14は吊下装置28によって被験者10の頭を取り囲む位置に保持されている。吊下装置28は、ヘルメット14を吊り下げるアーム部30と、アーム部30を支える支持柱32とからなる。アーム部30の基部は支持柱32の中で上下にスライドし、支持柱32に固定できるようになっている。なお、吊下装置28はこの例に限定されるものではなく、ヘルメット14を吊すワイヤ28aと、このワイヤを支える滑車28bと、ワイヤ28aの基部側を巻き取る巻取装置28cと、この巻取装置28cを駆動させるモータとからなるものを用いてもよい。
【0043】
34は空気供給手段であり、空気供給手段34は空気から酸素を分離除去して低酸素空気を生成する膜式分離装置36と、膜式分離装置36に空気を供給するコンプレッサ38と、膜式分離装置36で生成された低酸素空気をヘルメット14に供給する空気配管40とからなる。空気配管40はヘルメットの正面側に連結されている。
【0044】
なお、上記の実施例はヘルメットを吊り下げているが、ヘルメットはヘルメットを被験者の肩に固定させる固定部を一体的に備えているものでもよい。また、ヘルメット14の内部に通話装置やスピーカーを設けてもよい。また、空気供給手段34には、ヘルメット14内に供給される空気の流量を調節する流量調節装置、ヘルメット14内に供給される空気中の酸素濃度を調節する酸素濃度調節装置、ヘルメット14内に供給される空気の湿度を調節する加湿装置、ヘルメット14内に供給される空気に薬剤を添加させる薬剤添加装置、ヘルメット14内に供給される空気の温度を調節する温度調節装置を設けてもよい。
【0045】
次に、この装置の使用方法について説明する。まず被験者が結子に座り、ヘルメットの開口部に被験者が頭を入れ、ヘルメットを開口部が被験者の両肩、背中、前胸部に密着するまで下ろす。この密着は開口部の縁のなめらかな湾曲によって作り出される。この様にして、被験者の頭の周囲に大気と隔離された最小の空間が形成される。
【0046】
次に、混合ガス発生装置のスイッチをオンにしてトリートメントを始める。混合ガスはコンプレッサーと、膜状混合ガス発生装置により産生される。産生された低酸素空気は供給チューブ、供給連結口を通じてヘルメットにあるユーザーの顔面、鼻、口を通じ最短距離でトリートメントに供されます。混合気体は隔離されたヘルメット内に速やかに充満します。何故なら混合気体の供給はユーザーの消費量をはるかに上回るからです。
【0047】
余分な混合気体は、ユーザーの呼気気体と共にソフトタッチ部位(小さな隙問)、ヘルメットとユーザーの体躯の隙間より常時外気に押し出されます。このように排出するシステムは次の2つの機能を果たしています。ユーザーによつて使用済み混合気体を排出する一方、ヘルメット内の機密性に役立ちます。排出気体は大気のヘルメット内への流入を防ぐのです。トリートメント終了後に隔離ヘルメットを挙上し、ユーザーの頭を装置からリリースします。
【0048】
この装置は以上説明した通りのものであり、次のような優れた点を備えている。すなわち、ヘルメットが垂直にユーザーの体躯に胸部、両肩、背部で凹部をもってソフトにタッチし、頭を通すための開口部が、ヘルメットの外径より小さいことでヘルメット内の頭部周囲に最小限の隔離した空間を作り出すことができる。そして、それによリトリートメントの効果を向上させ、混合ガスの消費を2〜 3倍の倹約に通じる。
【0049】
また、ユーザーの顔面、口、鼻に近い場所に開口して、低酸素空気を供給することは、低酸素空気の消費の倹約に通じ、また、被験者の頭部に空気を吹き付ける場合のように、頭が冷えたりする等の不快感がない。
【0050】
また、混合気体と共に治療薬や各種エアーゾルを安全に投与することが可能で、その効果が期待されます。また、構造上、患者の治療を透明な半球状のパネルを通して常時副作用の有無を視認可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は低酸素空気を呼吸させる用途に適用させるだけでなく、高酸素空気を呼吸させたり、塵、埃、花粉等を除去した空気を呼吸させる用途にも適用できる。また、供給される空気には水分を添加したり、薬剤を添加するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る呼吸環境形成装置の説明図である。
【図2】本発明に係る呼吸環境形成装置の説明図である。
【図3】本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの斜視図である。
【図4】本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの正面図である。
【図5】本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの平面図である。
【図6】本発明に係る呼吸環境形成装置で使用するヘルメットの側面図である。
【図7】特開平10−76008号公報に記載された呼吸環境形成装置の説明図である。
【図8】特開2000−167056号公報に記載された呼吸環境形成装置の説明図である。
【図9】特開2006−325722号公報に記載された呼吸環境形成装置の説明図である。
【図10】特開平11−114119号公報に記載された呼吸環境形成装置の説明図である。
【図11】特開2000−70654号公報に記載された呼吸環境形成装置の説明図である。
【図12】特開2006−328931号公報に記載された呼吸環境形成装置の説明図である。
【符号の説明】
【0053】
10 被験者
12 椅子
14 ヘルメット
16 前部
18 後部
20 開口部
22 縁
24 フランジ
26 フランジ
28 吊下装置
28a ワイヤ
28b 滑車
28c 巻取装置
30 アーム部
32 支持柱
34 空気供給手段
36 膜式分離装置
38 コンプレッサ
40 空気配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略球状のヘルメットと、該ヘルメットを被験者の頭を取り囲む位置に保持する保持手段と、該ヘルメット内に所定の成分組成の空気を供給する空気供給手段とを備えてなり、該ヘルメットは下部に開口部を有し、該開口部は前記被験者の頭部がそのまま脱抜できる大きさを有していることを特徴とする呼吸環境形成装置。
【請求項2】
前記ヘルメットの開口部の縁は前記被験者の肩、胸及び背中の形状に略沿って湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の呼吸環境形成装置。
【請求項3】
前記ヘルメットを被験者の頭の高さ位置に保持する吊下手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の呼吸環境形成装置。
【請求項4】
前記空気が低酸素濃度の空気、高酸素濃度の空気又は清浄な空気であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項5】
前記被験者を座らせる椅子を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項6】
前記ヘルメットが該ヘルメットを前記被験者の肩に固定させる固定部を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項7】
前記空気供給手段の空気吐出口が前記ヘルメットの前側に接続されて、前記ヘルメットの前側から空気が供給されるようになっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項8】
前記空気供給手段によって供給される空気に薬剤を添加する薬剤添加手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項9】
前記空気供給手段によって供給される空気に水分を添加する加湿手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項10】
前記ヘルメットの前側が透明な材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。
【請求項11】
前記ヘルメット内に通話装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の呼吸環境形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−106362(P2009−106362A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279249(P2007−279249)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(591156973)
【出願人】(507355205)
【Fターム(参考)】