説明

呼吸療法の提供

患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造(20)に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達システム(30)は、陽圧の空気の供給部と連結されるように適合されたマニフォールド(70)と、マニフォールド(70)に連結されインターフェース構造(20)に供給空気を送達するように適合された少なくとも1本のチューブ(42)とを含む。チューブ(42)はそれぞれ、(1)チューブ(42)が空気の通過を可能にする開通フェーズと、(2)チューブ(42)が圧潰される圧潰フェーズとの間を移行することを可能にするように構成される。チューブ(42)はそれぞれ、寝具に対する典型的な患者の頭部の重さが、チューブ(42)を開通フェーズから圧潰フェーズに圧潰するのに十分であるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年7月28日出願の米国仮出願第60/833841号、2006年12月15日出願の第60/874968号、2007年5月4日出願の第60/924241号及び2007年6月25日出願の第60/929393号の利益を主張するものであり、各文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、患者への呼吸療法の提供に関する。その治療の例には、持続陽圧気道圧(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)法、非侵襲性陽圧換気法(NIPPV:Non-Invasive Positive Pressure Ventilation)、及び可変陽圧気道圧法(VPAP:Variable Positive Airway Pressure)がある。こうした療法は、睡眠時呼吸障害(SDB:Sleep Disordered Breathing)、より詳細には、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:obstructive sleep apnea)を含む、様々な呼吸器の症状を治療するために使用される。
【背景技術】
【0003】
典型的には、呼吸療法は、圧縮空気または呼吸用の気体を供給する、患者と装置の間に配置されたマスクシステムの形態で提供される。本発明の分野のマスクシステムは、具体的には、快適性を重要視するので、航空及び安全等、他の用途で使用されるマスクシステムとは異なる。患者が何時間も、場合によっては生涯毎晩マスクを着用して眠らなければならないので、高いレベルの快適性が望まれる。更に、患者と一緒に寝る人が、患者の治療及び一般的にマスクを装着していることによって悪い方向に影響を受けない場合は、治療のコンプライアンスを改善することができる。
【0004】
マスクシステムは、典型的には、(以下に説明するように)治療をしていることが外観から分かりやすい(highly clinical aesthetic)。これは、患者が治療について恥ずかしく思うようになることがある。というのは、そのような外観が、彼らが病気であることを露骨に思い出させるように働き、従って、見た人の心にその患者に対する否定的な認識を残す虞があるからである。
【0005】
マスクシステムは、常にではないが、典型的には、(i)シェルまたはフレームと称されることが多い、剛性または半剛性の部分と、(ii)クッションと称されることが多い、柔軟な、患者と接触する部分と、(iii)フレーム及びクッションを適位置に保持する、いくつかの形態のヘッドギアとを備える。マスクシステムが、実際のところ複数の構成要素を含む場合は、少なくともいくらかの組立て及び調整を必要とすることがあり、それは、器用さ等に欠ける患者にとって難しくなる虞がある。更に、マスクシステムは、空気送達導管を連結するための機構を含むことが多い。その空気送達導管は通常、ブロワまたは流れ生成器に連結される。
【0006】
患者と接触する部分、例えば、クッションは、典型的には、シリコン材料から構築されるが、発泡体を含む患者と接触する部分が知られている。例えば、特許文献1には、外皮(例えば、ラテックスまたはシリコン)で被覆された発泡ポリウレタン製のマスクのための内張りが記載されている。しかし、被覆した発泡体は、顔面と接触する部分が呼吸することができず、それにより、肌に刺激をもたらすことがあり、封止した部分は、皺になりやすく、不快にしたり、漏れを引き起こしたりする虞がある。厚さ及び支持構造によっては、その外皮が何人かの患者にとっては硬すぎる虞もある。外皮はまた、局部的に大きく変形することができず、表面にわたって張力を伝達しやすいことがあり、そのため、マスクが顔面上でずれ、封止/快適性を損なう虞がある。
【0007】
マスクシステムの範囲は、鼻マスク、鼻及び口のマスク、全顔面マスク並びに鼻プロング、枕、ノズル及びカヌーレを含むと知られている。マスクは、典型的には、鼻プロング、枕、ノズル及びカヌーレより顔面を覆う。鼻プロング、鼻枕、ノズル及びカヌーレはすべて、まとめて鼻プロングと称される。
【特許文献1】米国特許第5429683号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0154980号
【特許文献3】国際公開第03/090827号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0226566号
【特許文献5】オーストラリア特許第2005100738号明細書
【特許文献6】米国特許第6907882号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当技術分野では、快適性及び操作性のレベルが高いマスクシステムを提供することが絶えず必要とされ、外観が改良された(すなわち、治療中に見えず、かさばらない)マスクシステムを提供する必要性が新たに認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、治療のコンプライアンスを高める患者とのインターフェースを提供することである。
【0010】
本発明の他の態様は、快適な患者とのインターフェースを提供することである。
【0011】
本発明の他の態様は、外見が医療的ではない患者とのインターフェースを提供することである。一形態では、これは、外見が衣服の1つである、柔軟で、快適で、可撓性のある患者とのインターフェースを作り出すことによって実現することができる。
【0012】
本発明の他の態様は、睡眠時呼吸障害の鼻用CPAP治療で使用することができる、患者の気道の入口に、陽圧で供給空気を送達するための、快適で、目立たず、使いやすく、安定したシステムに関する。こうしたシステムは、鼻マスク、鼻クッション、口マスク等を含む、ある範囲のインターフェース及び/または封止構造と互換性がある。このシステムは、具体的には、不快な経験をせずに適切な治療を維持しながら、患者が、寝返りをうって顔の側面を下にすることを含む、ある範囲の異なる位置で快適に眠ることができるように設計してきた。このシステムは、従来技術に対するいくつかの改良形態を提供する。
【0013】
本発明の他の態様は、快適性を改善し、インターフェース性能を向上させ、従来の封止構造より使いやすい、インターフェース構造に関する。改良したインターフェース構造のいくつかの態様は、従来の封止構造ほど正確な装着を必要とせず、より快適であり、患者の顔面に圧力を均一に分配する場合は必要である。インターフェース構造は、従来の封止構造より皮膚に対する感触がより自然であり、皮膚呼吸が可能になるように制御した通気性も特徴とする。改良したインターフェース構造の他の態様は、従来の封止構造より、動きによる分離の傾向がない。
【0014】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達システムに関する。空気送達システムは、陽圧の空気の供給部と連結するように適合されたマニフォールドと、そのマニフォールドに連結された少なくとも1本のチューブとを含み、インターフェース構造に供給空気を送達するように適合される。チューブはそれぞれ、(1)チューブが空気の通過を可能にする開通フェーズ(open phase)と、(2)チューブが圧潰される圧潰フェーズ(collapsed phase)との間を移行することが可能になるように構成される。チューブはそれぞれ、寝具(例えば、枕)に対する典型的な患者の頭部の重さが、チューブを開通フェーズから圧潰フェーズに圧潰するのに十分であるように構成される。
【0015】
本発明の他の態様は、その上で横になるのに快適な空気導管またはチューブに関する。その上で横になるのに快適であるのは、導管の上に横になるときに、横になった部分が平坦または実質上平坦に潰れ、導管が、その上に横になることができるように全体的に十分に薄く、且つ/または導管が、既に十分快適なので、平らになる必要がないからである。
【0016】
本発明の他の態様は、いくつかのまたは1本の導管が閉塞する場合に、そのシステムが治療圧力の十分な空気流を保持する、十分な余剰分を有する空気導管のシステムに関する。
【0017】
本発明の他の態様は、患者が一部分の上に横になったときに、圧力下の治療用空気を供給するように適合された空気送達システムに関する。
【0018】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達システムに関する。空気送達システムは、陽圧の空気の供給部と連結するように適合されたマニフォールドと、そのマニフォールドに連結された少なくとも1本のチューブとを含み、チューブがインターフェース構造に供給空気を送達するように適合される。マニフォールドは、使用時に患者の頭頂部上またはその正面に配置するように適合される。
【0019】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達及び安定化システムに関する。空気送達及び安定化システムは、陽圧の空気の供給部と連結するように適合されたマニフォールドと、そのマニフォールドに連結され、インターフェース構造に供給空気を送達するように適合された1対のチューブと、そのチューブに剛性を加えるように各チューブに提供された剛性化要素と、チューブ及び/または剛性化要素に提供され、患者の頭部の後ろと係合するように適合されたバックストラップとを含む。各チューブは、患者の頭頂部においてまたはその正面でマニフォールドの両側から延びるように適合され、患者の顔面の横に沿って患者の目と耳の間を通って患者の鼻の下に至る。
【0020】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関し、そのインターフェース構造は、空気供給源から陽圧で空気を供給する空気送達システムに連結するように適合された支持構造と、その支持構造に提供されたインターフェースとを含む。そのインターフェースは、柔軟で粘弾性の発泡体から構築され、使用時に患者の顔面及び鼻の表面と接触するように適合される。
【0021】
本発明の他の態様は、第1のループと、第1のループに連結された第2のループとを含む、患者とのインターフェースに関する。第1のループは、使用時に患者の鼻の下側に対する封止力を画成するように、患者の鼻の下側に沿って、頬領域に沿って、耳の上を通り患者の頭頂部に至るように適合される。第2のループは、ヘッドギアのベクトルを第1のループに対して40度〜80度の角度に画定するように、概して後頭骨の上を通る。
【0022】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、使用時に患者の鼻の下側の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースの厚さが約5〜50mmである。
【0023】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、使用時に患者の鼻の下の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースは、使用時に患者の皮膚と界接または接触するための面に被覆されていない表面を含む。
【0024】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、使用時に患者の鼻の下の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースは、それが界接する顔面の解剖学的構造に沿うように、患者の顔面に垂直な方向に十分な柔軟性及びコンプライアンスを有する。
【0025】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、使用時に患者の鼻の下の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースは、呼吸可能な(breathable)または透過性の材料から構築される。
【0026】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、発泡体から構築された、使用時に患者の鼻の下の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースが、使用中に患者の皮膚に対して封止するように圧縮力を提供するように適合される。
【0027】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、使用時に患者の鼻の下の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースは、テクスチャード加工された面を有する。
【0028】
本発明の他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に関する。そのインターフェース構造は、使用時に患者の鼻の下の皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを含み、そのインターフェースは、約5cm/秒より遅い復元速度を有する。
【0029】
本発明の他の態様は、空気供給源から陽圧で患者に空気を供給するための空気送達システムに関する。空気送達システムは、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造と、患者の顔面の両側に沿って延び、インターフェース構造に供給空気を送達するように適合された1対のチューブとを含む。各チューブは、(1)チューブが過度の抵抗なしに空気流を可能にする開通フェーズと、(2)チューブが少なくとも部分的に圧潰されて空気流を制限または防止する、少なくとも部分的に圧潰したフェーズの間を移行することを可能にするように構成された少なくとも1つの部分を含む。チューブはそれぞれ、その上に横になるのが快適であるように構成される。
【0030】
他の態様は、患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、気体供給源から陽圧で気体を供給するための気体送達システムに関する。気体送達システムは、インターフェース構造に供給気体を送達するために気体供給源と連通するように適合された少なくとも2つの気体流路を含む。少なくとも2つの気体流路は、たとえ、気体流路の1つが、空気流を防止または実質上妨害するように圧潰した構成を呈していたとしても、インターフェース構造に適切な供給気体を送達するために協働するように構成され構築される。
【0031】
本発明の他の態様、特性及び利点が、本開示の一部であり例示によって本発明の原理を示す、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0032】
添付の図面により、本発明の様々な実施形態の理解が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
特徴及び特性を共有することができるいくつかの実施形態に関連して以下の説明を行う。いずれか1つの実施形態の1つまたは複数の特性は、他の実施形態の1つまたは複数の特性と組合せ可能であることを理解されたい。更に、いずれかの実施形態のどの単独の特性または複数の特性の組合せは、追加の実施形態を構成することができる。
【0034】
以下の患者とのインターフェースは、鼻下とのインターフェースタイプを含むものとされているが、患者とのインターフェースを他の適切なインターフェースのタイプと一緒に使用するように適合することができる。すなわち、インターフェースのタイプは、単に例示的なものであり、本発明のいくつかの態様を、例えば、鼻クッション、鼻プロング、全顔面マスク、口マスク等、他のインターフェースのタイプを含むように適合することができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態は、使い心地の悪い、魅力のないマスクシステムから、柔軟で、快適で、軽量で、機能的で、治療を向上し、ファッショナブルで、殆んどまたは全く調節なしの簡単で直感的な装着及び調節、形状を保持し、インパクトが少なく、低プロフィルで、連続性のある形態で、個人に合わせられまたはカスタマイズされ、且つ/または患者及び同様に一緒に寝る人にとってより魅力的でずっと不快ではない、滑らかでエレガントな患者とのインターフェースへの進展を対象とする。対象の患者とのインターフェースは、見苦しいかまたは魅力的ではないように見える可能性がある、患者に取り付けられた、大きい機械的な延長部分ではなく、あまり邪魔にならず、あまり目立たず、解剖学的に整合性があり、有機的な延長部分のように見え、且つ/または患者と調和する。これは、患者及び患者と一緒に寝る人が、治療中により簡単にリラックスし且つ/または眠ることを助けることができる。更に、患者とのインターフェースは、患者が、呼吸器の病気のための治療をしているのではなく、単にナイトキャップまたは寝るときの衣服等のような衣服を着るように、全体的な認識を改善することができる。このように認識が改善されると、患者が実際に患者とのインターフェースを着用し、治療に従うかまたはより従うようになる可能性を高める助けをし、従って、装置のユーザのための効果的な治療の見込みを増大させることができる。一緒に寝る人が、患者の治療をより簡単に受け入れ、使用/調節が簡単で、より魅力的且つ/または興味を引くインターフェースである、睡眠促進装置の使用を促すことによって治療に参加するようになる可能性もある。
【0036】
患者とのインターフェース
図1−1から図1−16は、本発明の実施形態による患者とのインターフェースまたはマスクシステム10を示す。図示のように、患者とのインターフェース10は、患者の顔面との効果的なインターフェースを提供するように適合された(緩衝構造または適合構造とも称される)インターフェース構造20と、インターフェース構造20に呼吸に適した気体を送達し、患者の頭部上の所望の位置に患者とのインターフェース10を支持するように適合された(導管ヘッドギアまたはインレット導管構成とも称される)空気送達及び安定化システム30とを含む。インターフェース構造20及び/または空気送達及び安定化システム30の1つまたは複数の部分を実質上封入するために、(ソックスまたは被覆とも称される)カバーを任意選択で提供することができる。
【0037】
1.空気送達及び安定化システム
1.1 背景及び概要
既知の患者とのインターフェースは典型的には、別々のヘッドギア及び空気送達構成要素を含み、それらは、マスク等を位置決めしマスク等に呼吸に適した気体を供給するために使用される。既知のヘッドギアは、典型的には、伸縮性(または非伸縮性)のストラップ、バックル、ロック、及び/またはクリップのアセンブリを含む。既知の空気送達構成要素は、典型的には、直径15〜22mmのらせん状の補強配管及びスイベル式コネクタを含む。ヘッドギア及び空気送達構成要素のこれらの既知の構成は、不器用な人及び/またはそれらに慣れていない人たちにとって扱うのが難しい可能性がある。ヘッドギア及び空気送達構成要素のこれらの既知の構成はまた、その上に横たわるには不快または非実用的である可能性がある。
【0038】
本発明の一態様は、1つの合体システムによってもたらされる、空気送達及びインターフェース構造の安定性に関する。図示の実施形態では、空気送達及び安定化システム30は、4つの主要な構成要素、すなわち、配管40、リジダイザ50、バックストラップ60、及びマニフォールド70(例えば、図1−6参照)を含む。使用の際には、空気の供給は、例えば、患者の頭頂部上またはその正面に位置するマニフォールド70に向けられる。空気の供給は、患者の鼻及び/または口に向かって、マニフォールド70から配管50、例えば、少なくとも1本、好ましくは2本のチューブを通る。配管40は、その上に横たわると圧潰可能であるという特性を有するが、インターフェースの十分な安定性を維持するように他の方向には十分に剛性がある。
【0039】
1.2 配管
図示の実施形態では、配管40は、2本のチューブまたはインレット導管42(気体流路または気体導管とも称される)を含み、その2本のチューブまたはインレット導管42は、呼吸に適した気体をインターフェース構造20に送るためにインターフェース構造20と連通している(例えば、図1−6参照)。一実施形態では、単一のチューブを使用することができる。しかし、例えば、患者が横向きに横たわることによって、一方のチューブ42が完全に圧潰されているときに、なおインターフェース構造20に十分な呼吸に適した気体の供給を行うことができるように、2本のチューブを使用することが好ましい。すなわち、2本のチューブ42を使用すると、使用中に一方または両方のチューブ42を開通させることができる。代替の実施形態では、2本以上のチューブ、例えば、3本以上のチューブを使用することができる。例えば、配管は、患者の顔面の上側に沿った2本の上側チューブと、患者の顔面の下側に沿った2本の下側チューブとを含む、4チューブ構成を提供することができる。
【0040】
チューブ42はそれぞれ、図2−1及び図2−2に示すように、インターフェース構造20のフレーム22の各端部に係合するように適合された第1の端部42.1と、マニフォールド70の各端部に係合するように適合された第2の端部42.2とを含む。一実施形態では、フレーム22及びマニフォールド70はそれぞれ、チューブ部分25を含むことができ、それらのチューブ部分25は、例えば、摩擦嵌めによって、チューブ42の各端部に係合するように適合される。使用の際には、チューブ42は、マニフォールド70から加圧された呼吸に適した気体を供給され、その加圧された呼吸に適した気体が、インターフェース構造20の両端に送達される。
【0041】
図示の実施形態では、フレーム22及びマニフォールド70のチューブ部分25(例えば図2−1及び図2−2参照)はそれぞれ、段の付いた構成であり、その結果、各チューブがチューブ部分25に取り付けられたときに、接続部が平滑で殆んど継ぎ目のない形状、例えば、全体的な形状では段が変わること見えなくなる。例えば、各チューブ部分25とフレームまたはマニフォールド本体との間の境界は、段の高さをチューブの各端部42.1、42.2の壁厚と実質上等しくすることができ、チューブ部分とチューブの各端部を結合することにより、接続部が平滑で殆んど継ぎ目のない形状になる。こうした平滑な接続部により、外観が改善され、使用中に患者がベッドの上を転がるときに枕、寝具等の上で引っ掛けられる抵抗力を低下させることにおいて機能上の利益を有することができる。
【0042】
代替の実施形態では、2本のチューブを、気体の供給部(例えば、陽圧気道圧(PAP、positive airway pressure)装置または流れ生成器)に独立に連結することができる。例えば、図2−3に概略的に示すように、一方のチューブ42は、インターフェース構造20の一方の端部からPAP装置の第1のアウトレットO1まで延びることができ、もう一方のチューブ42は、インターフェース構造20のもう一方の端部からPAP装置の第2のアウトレットO2まで延びることができる。このような構成では、マニフォールドをなくすこともでき、PAP装置自体に組み込むこともできる。
【0043】
他の実施形態では、2本のチューブ同士を、PAP装置のアウトレットで接合することができ(例えば、両方のチューブが、PAP装置の単一のアウトレットに連結されるように適合される)、次いで、それらのチューブが、インターフェース構造に向かって分岐する(すなわち、別々のチューブに分裂または分割する)。例えば、図2−4aに示すように、チューブ42(1)を、PAP装置の単一のアウトレットOに連結することができ、次に、インターフェース構造20の各端部に向かって分裂させて別々のチューブ42(2)にする。図2−4bに示すように、チューブ42(1)は、チューブを分割して、チューブ42(2)のそれぞれ1つと関連した2本の導管にするために、内部隔壁Wを含むことができる。
【0044】
1.2.1 圧潰可能であり、薄いこと
図示の実施形態では、チューブ42はそれぞれ、2つのフェーズ、すなわち、チューブ42が空気の通過を可能にする第1の開通フェーズ(例えば、図3−1参照)と、チューブ42が完全に圧潰し、その上に横たわるのが快適である第2の圧潰フェーズ(例えば、図3−2b参照)との間を移行することができるように構築される。各チューブ42は、チューブ42に載るどの患者(例えば、大人または乳児/子供)の頭部の重さでも、チューブ42を圧潰するのに十分であるように構築され、そのため、患者が横向きに快適に横になることができる(例えば、図1−3、図1−5、及び図1−14参照)。しかし、チューブが、低圧下で膨張するチューブ状の風船と同様のコンシステンシーを有するので、典型的な患者の頭部よりずっと軽い重さで各チューブ42を圧潰することができる。
【0045】
開通フェーズでは、チューブは、開通しているかまたは少なくとも部分的に開通し、そのため、チューブは、例えば、流れに対する過度の抵抗なしに、治療を行うのに十分な空気の通過を可能する。圧潰フェーズでは、チューブは、空気の通過または導通性を実質上妨げるように圧潰される。
【0046】
各チューブが、快適性を改善するために完全にまたは全面的に圧潰する必要はないことを理解されたい。例えば、各チューブは、チューブ42が空気の通過を可能にする第1の開通フェーズと、チューブ42が少なくとも部分的にまたは実質上圧潰して、空気の通過を制限し、且つ/または少なくとも部分的に妨げる部分的にまたは実質上圧潰した第2のフェーズ(例えば、図3−2a参照)との間を移行することができるように構成することができる。
【0047】
部分的にまたは実質上圧潰したフェーズでは、チューブの対向する壁面は、その長さに沿って1つまたは複数の点または面で互いに係合することができ、その結果、部分的にまたは実質上圧潰したチューブ中の導通性は、最低限に抑えられるか、またはそれどころか、無視してよい量まで減らすことができる。また、部分的にまたは実質上圧潰したフェーズでは、チューブを、加圧した気体の導通性の程度を小さいままに維持するのに十分に開通させることができる。わずかな程度の開放性は、(治療中に通常出合う荷重が加えられる際に、対向する壁面が互いに接触しないかまたは完全には接触しない)ある基準寸法の壁厚及び/またはチューブの内面に提供された1つまたは複数の短い、押しつぶし防止リブを利用して、実現することができる。
【0048】
各チューブ42は、十分に気密性があり、患者にとって不快なことなしに、患者の頭頂部から患者の鼻に空気を送達するように構成される(例えば、図1−4及び図4−2参照)。チューブによってもたらされる抵抗(impedance)は、開通フェーズにあるのが片方のチューブか両方のチューブかにかかわらず、使用中のブロワに適している。すなわち、チューブ42は、開通フェーズのときは抵抗が小さい、幅広の開通した断面を提供し、圧潰フェーズのときは低プロフィルをもたらす。更に、チューブは、本質的には、オンまたはオフ(すなわち、開通フェーズまたは圧潰フェーズ)に切り替えることができる、平行なラインを有する線状の配管システムを提供し、平行なラインのいずれかをオフに切り替えることは、配管システムの抵抗の合計にはわずかな影響しか及ぼさない。すなわち、PAP装置によって「感じる」抵抗は、片方のチューブが開通しているか両方が開通しているかとは実質上無関係である。チューブは、圧力の揺れ、例えば、患者の深呼吸を制御するように適合することもできる。
【0049】
一実施形態では、チューブ42はそれぞれ、圧縮されることなく、開放性または開通しておりふさがれていない状態を維持するのに十分な強度を有することができる。すなわち、チューブ42は、「能動的に」圧縮するときにのみ圧潰され、そうでない場合は、チューブ42は開通フェーズのままであるように構築することができる。代替の実施形態では、気体の供給が各チューブの膨張を助けることができる。
【0050】
チューブ42はそれぞれ、その長さに沿ったどの位置でも圧潰することができ、実質上平坦な構成に圧潰することができ、そのため、チューブ42は、快適性のために患者の顔面に対して実質上平坦になる。しかし、チューブ42を、例えば、中間部のみ、中心部のみ等、その選択した部分に沿って圧潰するように構築することができる。
【0051】
他の実施形態では、少なくとも一方のチューブが、少なくとも1箇所横方向に膨らむ特性を有することができる。こうしたチューブ(「バブル」チューブとも称される)では、チューブの一部分が、圧潰されるか、または部分的に圧潰され、チューブの一部分が開通し、例えば、チューブが中間部において「はさまれ」て、全体的に数字の8の形をもたらす。他の実施形態では、患者の頬のより多くを被覆するように適合された、引き伸ばされたチューブを提供するように、少なくとも一方のチューブが比較的幅広の平坦な形状を有することができる。例えば、図3−5aは、チューブ142の最初の構成の概略図であり、図3−5bは、端部分144、146が圧潰または部分的に圧潰して平坦な構成になったときのチューブ142を示し、図3−5cは、中間部分145が圧潰または部分的に圧潰されて平坦な構成になったときのチューブ142を示す。他の変形形態では、チューブを、図3−5b及び図3−5cに示すように、1つまたは複数の比較的平坦な部分144、145、146と、1つまたは複数の円形の導管部分147とを有するように、あらかじめ形成することができる。
【0052】
患者とのインターフェースが、好ましくは、マニフォールド及び患者の鼻の正面の領域において、例えば、インターフェース構造20において圧潰されないことを理解されたい。すなわち、マニフォールドを、実質上剛性の材料から構築することができ、インターフェース構造20は、使用中に圧潰を防ぐ実質上剛性のフレーム(例えば、図2−1に示すフレーム22)を含むことができる。こうした構成により、少なくとも1本のチューブ42から患者の鼻まで空気流の通路を確実に提供する。
【0053】
一実施形態では、各チューブ42を、約0.5mmの薄い壁厚を有する、シリコン材料、例えば、液状シリコンゴム(LSR、liquid silicone rubber)から成型することができる。しかし、各チューブは、約0.3mmから5mmの壁厚を有することができる。チューブは、様々な色を有することができ、チューブに平滑な外面を施すように、チューブを、研磨面を有する型で形成することができる。しかし、各チューブを、他の柔軟で可撓性の材料、例えば、熱可塑性エラストマー(例えば、Santoprene(商標))、発泡体、発泡体ラミネート、独立気泡の不浸透性発泡体、綿または絹を含む、浸漬及び編地のテキスタイルから構築することができる。一実施形態では、チューブを形成するために、各チューブを、例えば熱溶着して互いに取り付けた2枚の材料シート、例えば、積層製品から構築することができる。代替の実施形態では、チューブはそれぞれ、チューブが開通フェーズと圧潰フェーズの間を移行することが可能になるように蛇腹構造に構成された、複数の要素、例えば、比較的剛性の要素から構築することができる。一実施形態では、チューブはそれぞれ、各チューブをある体積から他のより小さい体積に圧潰することが可能になる蛇腹構造を有することができる。例えば、図3−6aは、第1の体積をもたらす第1のフェーズの蛇腹タイプのチューブ542の断面を示し、図3−6bは、第1の体積より小さい第2の体積をもたらす第2のフェーズの蛇腹タイプのチューブ542を示す。この例では、チューブ542の片側543が患者の顔面に隣接して配置される。
【0054】
本発明の実施形態によるチューブの構成は、InnoMed’s社のNasalAire及び他の形状の鼻カニューレ等、従来の構成とは異なる。その従来の構成は、押しつぶすことに耐える(すなわち、呼吸に適した気体を、常に両方のチューブを通して送ることができる)ように設計され、従って、患者がその上に横たわると不快な構造を呈する。更に、従来の構成とは異なり、本発明のいくつかの実施形態によるチューブの構成は、その対のチューブの片方が完全に圧潰されるときに圧縮された気体を十分に提供することが可能である。本発明の実施形態によるチューブの対が特定の構成であるので、両方のチューブが、通常の使用中に一度に押しつぶされることはない。これにより、圧縮された気体の供給を漏らすことなく、患者がどんな寝姿勢(例えば、完全に自由な寝姿勢)をとることも可能である(例えば、図1−1、図1−3、図1−5、図1−7、図1−8、及び図1−14参照)。すなわち、本発明の実施形態によるチューブの構成は、2本以上のチューブを提供し、それらのチューブは、不必要に高い抵抗を導入することなしに、気体の十分な導通性(例えば、治療の圧力における気体の十分な流れ)及び患者に対する快適性を維持するように協働する。例えば、2チューブ構成が提供されるとき、各チューブは、例えば、その上に横になることで、チューブの片方が閉塞しているときに、十分な気体の供給を促進する、十分に低い抵抗(例えば、十分に大きい水力直径)を有する。
【0055】
1.2.2 断面プロフィル
図示の実施形態では、チューブ42はそれぞれ、断面形状が非円筒形であり、その断面は、患者の顔面と調和するように、調和する輪郭を提供する(例えば、図3−1及び図4−1から図4−5参照)。すなわち、各チューブ42は、鋭い縁部または直線が殆んどないか、または全くない、調和する輪郭または自由な形式を提供する。その調和する輪郭は、平滑で、流線形で、滑らかであり、患者の頭部の輪郭とまたはそれに、チューブ42を調和させまたは先細りにし、例えば、解剖学的に整合性があり、より目立たず、外観がより魅力的である。更に、調和する輪郭は、不快さ、例えば、皮膚の炎症または擦傷を引き起こす虞のある鋭利な縁部を持たない。
【0056】
各チューブ42の輪郭または断面を、その長さに沿って変えることができ、例えば、患者の頭部の周りの位置と共に不均一に変えることができる。一実施形態では、チューブはそれぞれ、ほぼ一定の水力直径を有し、断面積がその長さに沿って変わってよい。例えば、チューブ42はそれぞれ、ある領域、例えば、患者が睡眠中に載るチューブの領域に、より平坦な領域を提供することができる。このようにして、チューブは、患者の顔面の輪郭の有機的な延長部分であると言うことができる。
【0057】
図3−1は、チューブ42の例示的な断面を示す。図示のように、チューブ42は、断面が概してD字形であり、内側の面または内側に向いた面44と外側の面または外側に向いた面45を含む。
【0058】
内側面44は、比較的平坦であり、使用中患者の顔面に接して実質上面一に置かれるように適合される。内側面44は、広範囲の患者に快適に装着するように、内側縁部から外側縁部まで先細りした構成を有することができる。内側面44は、荷重の分配をより均等にする比較的大きい表面積を提供する。こうした構成は、使用中に圧力点を作りにくい。また、内側面44は、患者の顔面上に患者とのインターフェースを安定させるのを助けるために、取っ手のような器具を有することができる。以下に説明するように、チューブに剛性を加えるために、内側面に剛性化要素を提供することができる。
【0059】
外側面45は、患者の顔面と調和する平滑な輪郭を有する。すなわち、外側面45は、睡眠中(例えば、患者寝返りをうつとき)に縁部が寝具、枕等に引っかかるのを防止するために、例えば、接線方向に、患者の顔面と調和する縁部を有するプロフィルまたは有機的な形状を有する。
【0060】
上述のように、概してD字形の断面を、その長さに沿って変えることができ、例えば、患者の鼻の近くでは厚みがある、幅の細いD字形の断面であり、頬に沿った部分及び患者の頭頂部の近くでは幅広の浅いD字形の断面である。例えば、図3−4及び図3−4aから図3−4fは、本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブ42の様々な断面を示す。具体的には、図3−4aは、マニフォールド70と係合するように適合された端部におけるチューブ42の断面を示し、図3−4bは、マニフォールド端部からチューブの長さの20%の位置のチューブ42の断面を示し、図3−4cは、マニフォールド端部からチューブの長さの40%の位置のチューブ42の断面を示し、図3−4dは、マニフォールド端部からチューブの長さの60%の位置のチューブ42の断面を示し、図3−4eは、マニフォールド端部からチューブの長さの80%の位置のチューブ42の断面を示し、図3−4fは、インターフェース構造20と係合するように適合された端部におけるチューブ42の断面を示す。図示のように、D字形の断面は、その長さに沿って変わる。具体的には、断面はそれぞれ、幅w及び高さhであり、様々な断面の幅及び高さは、チューブの長さに沿って変わり、例えば、マニフォールド端部では比較的幅が広く高さが低く、インターフェース構造の端部では比較的幅が狭く高さが高い。また、すべての断面は、よく似たまたは一般的な水力直径、例えば、約10〜15mmまたは約13mmを有する。その形状を、外観及び/または抵抗要件に基づいて構成することができる。更に、その形状を、低プロフィル、快適性及び/または安定性を提供するように構成することができる。
【0061】
しかし、チューブ42は、例えば、台形、半円、円筒、長円、楕円、より平坦な断面等、他の適切な断面形状を有することができる。また、チューブは、押しつぶし防止リブを有する平坦な構成を有することができる。こうした構成は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、特許文献2に記載されている。
【0062】
図5−1から図5−3は、チューブの代替の断面を示す。図5−1は、より漸進的に患者の顔面に調和するチューブ242を示す。図5−2に示すように、チューブ342は、例えば、空気流または呼吸を可能にするために、内側面に隙間343を提供することができる。図3−1、図5−1、及び図5−2に示す断面よりは好ましくないが、図5−3のチューブ442の断面は、調和する輪郭のために、通常の円筒形のチューブよりは好ましいであろう。
【0063】
D字形または概して台形のチューブが、半円形のチューブ程はっきりとした圧力領域をその底縁部に沿って生成しないことが留意されよう。その理由は、D字形または全体的に台形のチューブの側壁が、鋭角α、すなわち、図3−1に示すように、90度より小さい角度で、基部と出合うからである。半円形のチューブの側壁は、約90度で基部と出合い、チューブが患者の顔面に対して押し付けられる場合に、側壁が基部と出合う領域は、剛性が高くなり、圧力点を導くことがある。更に、半円形のチューブは、患者の顔面の輪郭に関して見るときに不連続な形状をもたらすことがある。
【0064】
1.3 空気送達剛性化要素
図示の実施形態では、剛性化要素またはリジダイザ50が、チューブ42に剛性を加えるために各チューブ42に提供される(例えば、図1−6、図3−3、及び図4−3から図4−5参照)。本発明の実施形態による剛性化要素50は、好ましくは、薄く、患者がその上に横になったときにしっくりなじむが、面外への曲げに抵抗するのに十分な堅さを有する。すなわち、剛性化要素50は、いくつかの平面では曲げることが可能であり、いくつかの面では曲げることに抵抗し、例えば、患者の顔面に向かう方向及び顔面から離れる方向には曲げることが可能であるように構築される。剛性化要素50はまた、チューブ42が張力には強くその寸法を維持するように、チューブ42を非伸縮性にするかまたは伸縮性をなくす。
【0065】
一実施形態では、剛性化要素50は、患者とのインターフェース10が患者の頭部上にあっても、そこから離れていても、患者とのインターフェース10がその形状を保ち、積み重なってしまわないようにすることができ、例えば形状記憶のように、患者とのインターフェース10に構造上の完全性または自己保持の形状をもたらすことができる。こうした形状保持機構は、チューブを所望の位置に維持し、使用の際に患者とのインターフェースを着用するのを容易にすることができる。
【0066】
チューブ42の内側及び/または外側部分に剛性化要素50を提供することができる。例えば、図1−6及び図4−1から図4−5は、使用中に患者の頭部に係合するように適合された、チューブ42の外側部分に(例えば、内面44に沿って)提供された剛性化要素50を示す。図示のように、剛性化要素50は、マニフォールド70及び/またはインターフェース構造20へのチューブ42の連結を容易にするために、チューブ状の端部分52を含むことができる。チューブ/リジダイザサブアセンブリは、バックストラップ60を支持するための延長部分53を提供することもできる(例えば、図4−1、図4−2、及び図4−4参照)。
【0067】
図4−6から図4−9は、チューブ42が取り付けられた剛性化要素50の他の実施形態を示す。図示のように、剛性化要素50を、使用の際にインターフェース構造、マニフォールド、及び/またはバックストラップの下を延びるように構築することができる。
【0068】
剛性化要素50は、例えば、チューブ42の堅さまたは剛性をその長さに沿って変えるために、その長さに沿って厚さが変化してよい。例えば、剛性化要素50は、患者の頬でより薄く、患者の頭頂部でより厚くてよい。一実施形態では、剛性化要素50及び/またはチューブ42は、患者の眼鏡のそれぞれのアームを収容するように構築することができる。
【0069】
一実施形態では、剛性化要素50は、薄いプラスチックシート、例えば、0.5mmの耐衝撃性のポリスチレン(またはEPP発泡体)を切断し、且つ/またはそれから形成することができる。しかし、例えば、テキスタイル、ナイロン、ポリプロピレン、高硬度シリコン(high duro silicone)、エラストマー等、他の適切な材料が可能であり、剛性化要素は、例えば、約0.3mmから5mmの、他の適切な壁厚を有することができる。
【0070】
一実施形態では、配管/リジダイザサブアセンブリはそれぞれ、全厚(例えば、圧潰された配管/リジダイザの厚さ)を約1.5mm、例えば、剛性化要素0.5mm、片側のチューブ壁面0.5mm、及び反対側のチューブ壁面0.5mmとすることができる。しかし、全厚は、用途に応じて厚くすることも薄くすることもでき、例えば、1〜10mm、1〜5mm、5mmより薄い、約10mm、約5mm、及び/または約3mmにすることができる。チューブ及び/またはリジダイザの壁圧を、快適性及び/または頑丈さのために調節し、例えば、壁圧を厚くすることができることを理解されたい。チューブ及びリジダイザの壁圧は、好ましくは、できるだけ薄いが、より形状保持、自己支持、及び/または頑丈になるように、厚くしてよい。
【0071】
一実施形態では、別個の剛性化要素50を採り入れることができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている特許文献3を参照されたい。
【0072】
一実施形態では、別個の剛性化要素50を形成することができ、次いで、それぞれのチューブ42に、例えば、接着剤によって、または機械式のかみ合い機構によって取り付けることができる。
【0073】
他の実施形態では、剛性化要素50を、それぞれのチューブ42と共成型または共押し出し成形することができる。すなわち、チューブ42と剛性化要素50が、一体の、1部片構造を形成することができる。
【0074】
他の実施形態では、剛性化要素を、ポリプロピレンから作ることができ、チューブを、ポリプロピレンの剛性化要素に溶接/共成型するのに適したグレードの熱可塑性エラストマーから作ることができる。
【0075】
代替の実施形態では、剛性化要素は、剛性化要素によってもたらされた剛性及び/または位置を調整するために、互いに対して調節可能または可動式、例えば、摺動可能である、複数の構成要素を含むことができる。
【0076】
1.4 バックストラップ
図示の実施形態では、配管/リジダイザサブアセンブリにバックストラップ60が提供される(例えば、図1−2、図1−6、及び図6−1から図6−4参照)。そのバックストラップ60は、患者の頭部の上に患者とのインターフェースを安定させるのを促進するために、使用の際に患者の後頭骨上に全体的に配置されるように適合される。バックストラップ60は、例えば、患者の鼻の下のインターフェース面に対して接続力(interfacing force)を提供することを助けることもできる。
【0077】
一実施形態では、バックストラップ60(弾性の安定装置または伸縮性の安定装置とも称される)は、ある長さの伸縮性ストラップ62を含む。その伸縮性ストラップ62の両端は、例えば、図6−3及び図6−4に示すように、それぞれのチューブ42によって提供された穴46を介して、配管/リジダイザサブアセンブリに取り付けられる。
【0078】
使用の際には、バックストラップ60は、患者の頭部上のある範囲の位置に配置することができ、やはり、大きさと方向の両方において適切な接続力を生じさせる。こうした配置により、いくつかの異なる適切な寸法を可能にし、バックストラップ60を最も快適な位置、例えば、図6−3及び図6−4に示すように、患者の頭部の後においてより高い位置またはより低い位置に動かす際に患者の快適性を増進する。バックストラップの伸縮性により、患者とのインターフェースが、人口の広い範囲、例えば、人口の80〜90%に合うことを可能にする。
【0079】
バックストラップ60は、接続力を提供するのではなく、基本的には、患者の頭部上に患者とのインターフェースを維持するために使用される。すなわち、インターフェース構造20は、(以下に説明するように)インターフェースのための高い張力を必要とせず、従って、バックストラップ60を、接続力のための張力に関して当てにする必要はない。
【0080】
一実施形態では、ストラップ62は、例えば、伸張がゼロから比較的小さい範囲まで、張力が上昇し横ばいになる、選択された伸縮性の特性を有することができる。その張力は、弾性限界まで完全に伸び切るまで、比較的大きい更なる伸張にわたって概して同様なままにすることができる。
【0081】
様々な寸法の頭部で使用するための患者とのインターフェースを有する、代替のストラップ62の範囲、例えば、様々な伸縮性、厚さ、長さ等を提供することができる。
【0082】
バックストラップ60は、長さが選択的に調節可能である他の適切な構成、例えば、野球帽のアジャスタ(例えば、図10−4参照)、フック及びループ材、ラダーロック、調節可能な弾性体を有することができる。一実施形態では、図6−5に示すように、バックストラップは、(例えば、剛性化要素50と一体に形成された)剛性の側部65と、剛性の部分65の自由端に接続する伸縮性ストラップ62とを含むことができる。
【0083】
他の代替の実施形態では、バックストラップをチューブと同じ材料から構築し、例えば、剛性化要素と共成型されたチューブ及びバックストラップを構築することができる。一実施形態では、患者とのインターフェースの2つの側面を同時に成型し、例えば、両方の剛性化要素に調和するバックストラップによって一緒に保持された2つの剛性化要素を成型することができる。患者とのインターフェースを完成させるには、チューブをマニフォールド及びインターフェース構造と係合することになる。
【0084】
代替の実施形態では、患者の耳と係合し患者の顔面上で患者とのインターフェースを支持するように適合された耳アンカーを、バックストラップの代わりに使用することができる。
【0085】
他の実施形態では、バックストラップは、後頭部の一部分のみ横切って延びることができる(例えば、バックストラップは、伸縮性フィンガーを備え、それらのフィンガーは、各側面から内側に延び後頭部を押し付けて、後方向に向いた力を生じさせる)。
【0086】
1.5 マニフォールド
マニフォールド70は、2本のチューブ42を相互連結し、適切な供給源、例えば、ブロワから流れる空気を、それらの2本のチューブ42中に向けるために提供される(例えば、図1−2、図1−4、及び図1−6参照)。図2−2に最良に示すように、マニフォールド70は、全体的にT字形であり、ベース部分72と、ベース部分72に連結された(例えば、ボールジョイント、ヒンジ、全体的な可撓性等によって可動式に連結された)インレットチューブ部分74とを含む。一実施形態では、マニフォールド70は、滑らかになるように、患者の頭部及び患者とのインターフェースの形状と連続した、例えば、目立たない形状を有するように、設計される。例えば、マニフォールドは、空気送達の高さまたは角度を最小限に抑えるように、比較的平坦な形状または低プロフィルにすることができる。
【0087】
マニフォールドは、PAP装置からつながる空気送達配管から、インターフェース構造につながるインレット配管までの移行部を提供する。従って、マニフォールドは、押しつぶすことができない配管である空気送達配管を、押しつぶすことが可能な配管であるインレット配管に移行する。また、マニフォールドは、配管のプロフィルを、例えば、空気送達配管の比較的円形の配管をインレット配管の比較的平坦な配管に移行する。
【0088】
ベース部分72は、それぞれのチューブ42と、例えば、摩擦嵌めで係合するように適合された、対向するチューブ部分25を含む。チューブ部分25の断面形状は、非円形でよく、チューブ42の断面形状に対応することができる。ベース部分72は、患者の頭部の形状に合うように湾曲してよく、使用の際に患者の頭頂部に載り、それと実質上面一に位置するように、そうでない場合は適切に起伏が付けられる。しかし、ベース部分は、チューブとの他の適切な連結部または空気保持結合部を含むことができる。
【0089】
インレットチューブ部分74を、ベース部分72に固定することもでき、インレットチューブ部分74が使用の際にベース部分72に関して角度を付けることができるように、インレットチューブ部分74をベース部分72に可動式に、例えば、スイベルで結合することもできる。そのスイベル構成は、360度の回転または他の適切な角度範囲を提供することができる。インレットチューブ部分74は、適切な空気送達供給源、例えば、ブロワに連結された、空気送達チューブT1(例えば、図1−2、図1−7、及び図2−2参照)に連結するように適合された、例えば、直径15mmのインレットチューブ75を有する。
【0090】
一実施形態では、マニフォールド70及びチューブ42を、例えば、部品の数を減らすために1部片構造として一体に形成することができる。
【0091】
一実施形態では、マニフォールドを、動的流れを制御し、且つ/または騒音を軽減するように構築することができる。
【0092】
1.5.1 配置
マニフォールド70は、患者とのインターフェースが使用されるときに枕と干渉しない患者の頭頂部上の領域に配置される(例えば、図1−2、図1−4、及び図1−7参照)。すなわち、マニフォールド70は、空気送達チューブT1をベッドの外に向け、従って、空気送達チューブT1は、枕と干渉せず、患者の人体に沿って通らない。一実施形態では、患者の頭頂部、例えば、概して患者の耳の平面に、マニフォールド70を配置することができる。例えば、使用の際に概してブレグマの領域にマニフォールド70を配置することができる。
【0093】
こうした手法の一利点は、チューブの引きずりが、使用中にインターフェースに直接影響を与えないことである。例えば、頭頂部の近くにマニフォールド70を配置することによって、インターフェース構造20から最も遠くに配置され、従って、空気送達チューブが引っ張られるか動かされる場合に、例えば、インターフェース領域の荷重の分配を変えることによって、その動きがインターフェースにあまり影響を及ぼさず、従って、インターフェースの安定性が増す。また、マニフォールドの配置により、マスクへのチューブ連結部を、患者の視野を避けることによって目立たなくすることが可能になる。
【0094】
マニフォールドは、複数の機能または実用性を提供することができる。例えば、マニフォールドは、患者とのインターフェースのための基準点または固定点を提供することができる。すなわち、マニフォールドは、ヘッドサポートまたは安定装置、空気送達導管、及びインレット配管取付点として働くことができる。更に、マニフォールドは、上述のように、チューブの引きずりに耐える。
【0095】
1.5.2 スイベル機能
一実施形態では、マニフォールド70は、全体的にT字形であり、概して直角の2本の軸、すなわち、第1の軸に沿ったベース部分72と、第1の軸に垂直な第2の軸に沿ったインレットチューブ部分74を画定する。
【0096】
マニフォールド70は、マニフォールド70が片方または両方の軸の周りで旋回または蝶番で動くことが可能である、スイベル機能を組み込むことができる(例えば、図7−1参照)。図7−2は、インレットチューブ部分274がベース部分272に関して回転または旋回することを可能にする、玉継手の構成を有するマニフォールド270を示す。ベース部分及び/またはインレットチューブ部分は、使用中の旋回を制限するために1つまたは複数のストップを組み込むことができる。スイベル機能により、空気送達チューブに患者とのインターフェースに関して適切に角度を付けることが可能になり、例えば、従って、空気送達チューブが、壁またはベッドのヘッドボードに延びない。
【0097】
1.5.3 オフセット配置
図示の実施形態では、マニフォールド70は、患者の頭頂部に配置される(例えば、図1−2、図1−4、及び図1−7参照)。代替の実施形態では、マニフォールド70を、患者の頭頂部からずらして、例えば、患者の頭部の側面に配置することができる。このようなオフセット配置により、(具体的には、患者が頭の反対側を下に寝るときに場合に)引きずることが減る可能性があるので、より快適にすることができる。こうした配置はまた、代替のチューブの取付け及び経路設定、例えば、スノーケルのような側部チューブ経路設定を容易にすることができる。
【0098】
患者が空気送達チューブの連結部を見ることができ、より簡単に操作することができる位置まで、マニフォールド70を調節するためにチューブ42の長さを選択することができる。
【0099】
一実施形態では、マニフォールド70は、調節可能な連結部、例えば、滑り継手または平行継手を有することができ、(例えば、ヘッドギアのバックストラップに沿った)マニフォールドの2つ以上の位置を選択することができる。
【0100】
1.6 頭上の位置
図示の実施形態では、空気送達及び安定化システム30は、両方の経路を閉塞することなしに患者がほぼ完全な円を通って寝返りをうつことができるように、患者の頭部の異なる部分(例えば、好ましくは、患者の顔面の両側)に位置する代替の相補的な2本の空気送達経路を含む。
【0101】
一実施形態では、空気送達及び安定化システム30は、全体的に長円または環状の構成を有する(例えば、図8−1から図8−4参照)。使用の際には、システムの各チューブ42は、図8−5に示すように、患者の頭頂部上を通る一方の端部と、患者の鼻の下を通るもう一方の端部とを有する。このようにして、空気送達及び安定化システム30は、患者の目の外側にあり、患者の視界または視野とは干渉せず、キャップをかぶるように単純に着用することができる。代替の実施形態では、環状の構成は、例えば、リング形状をマニフォールドにおいてまたは鼻の下で分割する等、リング形状を分裂させるために分割機を組み込むことができる。
【0102】
空気送達及び安定化システム30のチューブ42はそれぞれ、患者の顔面の横に沿って患者の目と耳の間を通って、患者の視界を邪魔しない配置を提供する。すなわち、各チューブ42は、騒音を軽減するように耳から十分に間隔をあけて配置され、目から十分に間隔をあけて配置され、従って、視野に影響を及ぼさない。一実施形態では、チューブ42は、患者の鼻から患者の頭頂部まで直線に通る。しかし、チューブ42は、特定の経路に限定されない。
【0103】
例えば、図8−6に示すように、チューブ42はそれぞれ、第1の境界曲線P1と第2の境界曲線P2の間に画成された領域内を通ることができる。第1及び第2の境界曲線P1、P2は、一方の曲線がもう一方の曲線に対して回転した、同一の2本の曲線によって表される。それらの曲線は、両方ともその領域の端に位置するように配置される。図示のように、第1の境界曲線P1は、患者の視野にぶつかる地点で目に隣接し、第2の境界曲線P2は、患者の耳に隣接する。第2の境界曲線P2は、耳介が患者のこめかみに接する、患者の耳介の上前方に隣接する位置であると説明することができる。寸法Bは、頭部の高さを示す。図示のように、曲線P2は患者の頭頂部上で止まる。すなわち、その曲線が配管を示す場合は、患者の頭頂部に接して実質上ぴったりとフィットすることになる。曲線または配管が前方に回転するときに、寸法Aは、曲線または配管がフィットする患者の頭の高さを示す。図示のように、適合範囲デルタABは、同じ調節不能の配管を使用して実現可能である。
【0104】
一実施形態では、空気送達及び安定化システム30は、患者の顎骨の上側に沿って通ることができ、例えば、頬を避け、患者の顔面の肉厚の領域に追従することができる。また、一実施形態では、空気送達及び安定化システム30は、使用の際に患者のこめかみの中間地点にあってよい。しかし、空気送達及び安定化システム30は、快適性のために敏感な領域を避ける必要がないように、十分柔軟でよい。
【0105】
空気送達及び安定化システム30を患者の頭部に配置することは、従来技術のシステムが行うような特定の顔のパーツとの正確な位置合わせに決定的には依存しないことを理解されたい。すなわち、空気送達及び安定化システム30によって、動くにもかかわらず十分なインターフェースを形成し保持することができる。
【0106】
1.7 システムの他の態様
1.7.1 組立て
好ましい一実施形態では、患者とのインターフェース10は、患者とのインターフェースを患者の頭部に合わせるために調節が少ししか必要ないか、全く必要ないように構成される。従って、患者とのインターフェースは、比較的自動的に位置決めし、直感的であり、自動調節であり、簡単に合わせることができる。一実施形態では、例えば、帽子のようにスリップオンで患者とのインターフェースを片手で組み立てることができる。
【0107】
上述のように、空気送達及び安定化システム30は、全体的に長円または環状の配置、例えば、全体的に切頭楕円錐または漏斗形である。先細りした面または楕円錐のリングが、患者と係合する接触面を画定するために、内側縁部と外側縁部の間に提供される。患者の頭部の寸法に応じて、先細りした接触面は、様々な位置で患者の頭部と係合する。例えば、患者の頭がより大きい場合は、患者とのインターフェースを患者の頭部のより高い位置に配置することができる。患者の頭部がより小さい場合は、患者とのインターフェースを患者の頭部のより後ろ側に向けて配置することができる。一旦装着されると、患者は、バックストラップ60を必要に応じて調節することができる。従って、患者は、患者とのインターフェースを頭部に装着するために調節を1度必要とすることがある。こうした配置の更なる詳細は、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2006年7月28日出願の米国仮出願第60/833841号に記載されている。
【0108】
一実施形態では、空気送達及び安定化システム30の長円または環状の構成は、例えば、患者のフィット感及び/または好みに応じて調節可能とすることができる。例えば、図8−7に示すように、「リング」の上部及び/または底部は、例えば、患者の頭部の寸法に応じて、リングの寸法の調節を可能にするために、調整機構55を含むことができる。
【0109】
1.7.1.1 患者に装着する方法
図9−1から図9−3は、患者とのインターフェースを患者に装着するための例示的な方法を示す。図9−1に示すように、インターフェース構造20は、最初に患者の鼻の下に配置することができる。次いで、図9−2に示すように、空気送達及び安定化システム30を、インターフェース構造20を中心として患者の頭部上に回転することができる。患者とのインターフェースを、空気送達及び安定化システム30が患者の頭部と係合し、更なる動きを防止するまで、例えば、X度回転させる。最後に、図9−3に示すように、患者とのインターフェースを患者の頭部上に快適に固定するように、バックストラップ60を必要に応じて調節することができる。
【0110】
代替の実施形態では、患者とのインターフェースの「段階的に嵌める」ように、患者とのインターフェースを構成することができる。こうした実施形態では、患者とのインターフェースの一部分(例えば、空気送達及び安定化システム)を患者と係合させることができ、続いて、患者とのインターフェースの他の部分(例えば、インターフェース構造)を、患者が治療を始める準備ができたときに係合させることができる。こうした構成により、インターフェース構造が係合していないときに、空気送達及び安定化システムを患者の頭部と係合させることができる。例えば、Adam's circuit(商標)(例えば、図30−1から図30−4に示すもの等)の場合は、インターフェース構造を、患者の視野の外であり、且つ/または患者の顔面または鼻と係合していない「待機」位置に上または横に旋回するように適合することができる。患者が使用の準備ができる直前に(例えば、就寝前に)、「待機」位置から完全に動作可能/係合した位置までインターフェース構造を移動させることができる。一例では、チューブまたはチューブとマスクの間の接合部は、ヘッドギアを適位置に維持しながらも、マスクを顔面から離れる方に動かすように旋回可能/曲げ可能/可動式とすることができる。例えば、図30−3は、マスクが顔面から離れる方(例えば、破線で示した位置)に動くのを可能にする、チューブとマスクの間の接合部の例示的な旋回軸1915を示す。
【0111】
1.7.1.2 寸法設定
図示の実施形態では、患者とのインターフェースは、単一の調節点を含む。調節機構は、受動的な調節(例えば、伸縮性バックストラップ)であるか、またはフリーサイズ構成を提供するために能動的な調節(例えば、野球帽の寸法合わせ)を必要とすることができる。一実施形態では、調節点を、販売の時点で患者に合わせるかまたは修正し、次いで、更なる調節、例えば、切離しを防止するために直すことができる。
【0112】
代替の実施形態では、患者とのインターフェースは、例えば、伸縮性が少ししかないかまたは全くない靴のような調節不能なスリップオン形状でよい。こうした構成では、患者とのインターフェースを、多くの異なる寸法、例えば、20までの異なる寸法、5、10、15、または他の数の寸法(例えば、小、中、及び大)で提供することができる。このような構成を、十分な適合範囲を提供するために、封止式インターフェースの機械的コンプライアンスが高いことよって助けることができる。
【0113】
他の代替の実施形態では、患者とのインターフェースは、ヘッドギアの上側部分及び後方部分の片方または両方において、ヘッドギアの寸法(例えば、長さ)を調節するための方法を含むことができる。
【0114】
1.7.1.3 表面の特徴
いくつかの実施形態では、空気送達及び安定化システムを、外観及び/または快適性のための布のような感触または柔軟性を与えるために、テクスチャード加工、着色、発泡、及び/またはフロック加工(例えば、多くの小さい小片の紡ぎ糸またはそれに接着された綿毛)することができる。例えば、配管、剛性化要素、バックストラップ、及び/またはマニフォールドを、テクスチャード加工、着色、発泡、及び/またはフロック加工することができる。
【0115】
代替の実施形態では、配管、剛性化要素、バックストラップ、及び/または、マニフォールドの1つ、または複数の部分を実質上封入するように、ソックスSを提供することができる(例えば、図10−1から図10−6参照)。こうした構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2006年7月28日出願の米国仮出願第60/833841号に記載されている。
【0116】
他の実施形態では、様々な材料を、同じ型で共成型して、1部片の一体構造を提供することができる。例えば、配管にカバーまたはソックスを提供する代わりに、布地または生地材料を、シリコンの配管と共成型して、外面が布地/生地で内面がシリコンの1部片の一体のチューブを提供することができる。こうした実施形態では、布地/生地材料を、型の中に配置することができ、次いで、シリコンを同じ型に注入して、布地/生地材料と結合させ、1部片の一体のチューブを形成することができる。
【0117】
他の実施形態では、患者とのインターフェースの複数の部分を、様々な材料を同じ型で共成型して、1部片の一体構造を提供することができる。例えば、布地/生地材料を、第1の材料から構築された配管、第2の材料から構築されたマニフォールド、及び第3の材料から構築されたフレームと共成型して、1部片の一体構造を提供することができる。一実施形態では、第1、第2、及び第3の材料は、デュロメーター(durometer)または堅さが異なる同じ材料、例えば、比較的柔軟なシリコンから構築された配管並びに比較的硬いシリコンから構築されたマニフォールド及びフレームを含むことができる。或いは、第1、第2、及び第3の材料は、異なるポリマーまたは材料を含むことができる。更に、患者とのインターフェースの各部分が、異なる特性を有する領域を含むことができ、例えば、配管の端部分は、配管の中間部分より硬くてよい。こうした実施形態では、布地/生地材料を1つの型に配置することができ、次いで、第1、第2、及び第3の材料を同じ型に注入することができ、その結果、すべての材料が結合し1部片の一体構造、例えば、布地/生地のカバーを有する一体に形成された配管、マニフォールド、フレームを形成する。
【0118】
他の実施形態では、配管、剛性化要素、マニフォールド、及び/またはバックストラップは、把持のためのシリコンまたは他の伸縮性のビード加工を含むことができる。こうした構成は、ビード加工が、はげ頭を把持するように適合され、使用中に患者の頭部に対して患者とのインターフェースの滑動または移動を防止するので、はげ頭の患者にとって特に有用であるかもしれない。一実施形態では、患者とのインターフェースを、例えば、患者がはげているかどうかに応じて、ビード加工を選択的に使用することができるように、リバーシブルにすることができる。例えば、患者が好みに応じて一方または反対側を使用することができるように、布地を一方に備えることができ、ビード加工を反対側に備えることができ、例えば、ビード加工をはげ頭のために患者の頭部に向けて、布地を髪のある頭のための患者の頭部に向けることができる。
【0119】
1.7.1.4 製造
一実施形態では、各チューブ42を、リジダイザを形成する、共成型した厚い部分を有する分岐したチューブとして製造することができる。
【0120】
他の実施形態では、各チューブ42を、2部片に構築することができ、すなわち、上半分と、上半分に取り付けられた下半分にすることができる。例示的な一実施形態では、上半分を、テキスタイルまたは発泡体から(例えば、封止層と共に)構築することができ、下半分は、皮膚に接触する部分と共にリジダイザを構成することができる。
【0121】
1.7.2 あまり目障りにならないこと
患者とのインターフェースは、ユーザにとっての見た目のインパクトを低減するか、または目につきにくくするように、異なる色(色の対比)、柄、及び/または表面のテクスチャー加工を有する1つまたは複数の領域を組み込むことができる。このような着色、柄付け、及び/または表面テクスチャー加工を、配管、剛性化要素、マニフォールド、バックストラップ、及び/またはインターフェース構造に組み込むことができる。或いは、着色、柄付け、及び/または表面のテクスチャー加工を有するソックスを、患者とのインターフェースに提供することができる。
【0122】
例えば、図10−1〜図10−6は、2色、例えば、暗色D及び明色Lのスキームを有するカバーまたはソックスSを含む患者とのインターフェースを示す。こうした患者とのインターフェースは、参照により全体が本明細書に組み込まれている2006年7月28日出願の米国仮出願第60/833841号に記載されている。図示のように、暗色Dは、視野に隣接して配置される。こうした配置は、患者及び他の人にとって視覚的に目立ちにくい、インパクトが小さく、目立たず、滑らかな見た目を提供する。
【0123】
具体的には、明るい色は、暗色より目につきやすく、例えば、明るい色は患者の目に光を反射するので、より簡単に患者の目に留まり、視野の中で避けるべきである。従って、できるだけ目障りにならないか、または目立たないようにするために、暗色Dが視野に隣接して配置される。一実施形態では、患者には患者とのインターフェースが、患者の視野の外側の境界において見えるだけであり、例えば、患者とのインターフェースの患者の目の高さより下に位置する部分のみ見ることができる。更に、暗色Dは、視野の端では消えると思われ、その結果、患者にはあまり目障りにならない。
【0124】
また、2色のテキスタイルカバーSは、患者の顔面上にある患者とのインターフェースの寸法の認識を低下させることができる。すなわち、こうした構成は、関連する領域をより小さく、より薄く、またはよりかさばらないような見た目にするカバーに、より明るい色、例えば、白を組み込むことができるという機能上の利点を有する。従って、患者とのインターフェースは、見た目のインパクトはより小さくなる(例えば、外観があまり目障りでない)。更に、患者とのインターフェースは、衣服のようによりファッショナブルにすることができる。代替の実施形態では、1つまたは複数の明色の線、例えば、白い線を、カバーに組み込むことができる。また、一実施形態では、インターフェース構造の境界面は、目障りでなくなるように、より暗い色を含むことができる。
【0125】
様々な色、柄、及び/または表面テクスチャー加工を様々なユーザのために選択することができることを理解されたい。一実施形態では、カバーは、透明でもよく、患者の肌と調和するように、例えば、肌の色に似た(camouflaged)色または肌の色を選択してもよい。例えば、患者の肌の色が比較的暗い場合は、カバーは、患者の肌と調和するように、黒またはこげ茶色とすることができる。代替の実施形態では、カバーの色及び/または生地を、患者の髪に合うように選択することができる。
【0126】
1.7.3 バルブ
一実施形態では、図11−1に示すように、バルブV、例えば、両方のチューブ42が閉塞したときに開くように適合された機械式のゲートを、患者とのインターフェースに提供することができる。例えば、バルブVは、内部圧力Pintが2cmH2Oより大きい場合には閉じたままにすることができ、内部圧力Pintが2cmH2Oより小さい場合には開くことができ、それにより、両方のチューブ42が閉塞した場合に患者が呼吸することが可能になる。
【0127】
1.7.4 ブロワへの連結
一実施形態では、患者とのインターフェース10を、1対の空気送達チューブ、すなわち、15mmのチューブ及び22mmのチューブによってブロワに連結することができる。図1−2に示すように、15mmチューブT1は、マニフォールド70を22mmチューブT2に連結し、22mmチューブT2は、15mmチューブT1をブロワに連結する。15mm及び22mmチューブT1、T2を速く解放することを可能にし、従って、患者とのインターフェース10をブロワから速く解放することが可能になるように、クイックリリースコネクタ90が、15mmチューブT1と22mmチューブT2の間の移行部に提供される。代替の実施形態では、患者の頭頂部に隣接して配置されたマニフォールド70にクイックリリースコネクタを提供することができる。クイックリリースコネクタは、配管の組立て/分解を容易にするために、例えば、機械式の相互連結、摩擦嵌め、ねじ式の機構等、適切な構造を有することができる。様々な連結点により、患者とのインターフェースシステムの組立て/分解を容易にし、その結果、クリーニング、調整等が容易になる。
【0128】
15mmチューブT1は、患者がクイックリリースコネクタ90、例えば、患者の視野にあるクイックリリースコネクタ90に簡単にアクセスすることが可能になるように、適切な長さを有する。また、15mmチューブT1は、クイックリリースコネクタ90を患者とのインターフェースから十分に離して配置し、そのため、クイックリリースコネクタの重さを、ベッドのマットレスまたは他の支持システムによって支持することがでるように適切な長さを有する。
【0129】
チューブ42の一方が開通していても両方が開通していても治療が大幅に変化しないように、システム中の抵抗をできるだけ小さくする。従って、システムは、液圧の制限またはボトルネックが患者とのインターフェースの上流に提供されるように設計され、それには、チューブ42の一方だけが開通しており、すなわち、液圧のボトルネックが、マニフォールド70中またはマニフォールド70の上流のどこか(例えば、15mmチューブ中及び/または22mmチューブ中)に提供される場合も含まれる。
【0130】
抵抗は、少なくともある程度はチューブの長さに基づく。図示の実施形態では、配管は、チューブ42が、15mmチューブ及び22mmチューブ、例えば、少なくとも長さ40〜50cmの15mmチューブ及び22mmチューブそれぞれより短くなるように設計される。一実施形態では、22mmインレットチューブの長さが約2mで、15mmインレットチューブの長さが約70〜75cmでよく、ボトルネックは、その長さのため、22mmインレットチューブにある。しかし、他の適切な長さが可能である。
【0131】
一実施形態では、マニフォールドにつながる空気送達配管は、インレットチューブ42と同様の見た目及び感触を有することができる。空気送達配管は、滑らかで雑音のない外側部分、例えば、感触が柔軟な遮音性を提供する材料から構築された外側部分を有することができる。空気送達配管は、PAP装置またはブロワから患者とのインターフェースのマニフォールドまでの形状の連続性を提供することができる。
【0132】
1.7.5.1 チューブを引きずらないためのクリップ
ベッドのヘッドボードまたは他の支持システムに取り付けるように適合された、空気送達チューブT1、T2及び/またはクイックリリースコネクタ90に、クリップまたはクランプを提供することができる。クリップまたはクランプは、ベッドのヘッドボードまたは他の支持システム上で空気送達チューブ及び/またはクイックリリースコネクタを支持して、患者とのインターフェースがチューブを引きずらないようにする。一実施形態では、クリップまたはクランプは、磁力による取付けを可能にするように、磁性のものでよい。
【0133】
例えば、図12−1は、ヘッドボードに磁力で取り付けられたクイックリリースコネクタ90を示し、図12−2は、チューブT1をヘッドボードに取り付けるように適合されたクリップ92を示し、図12−3は、患者とのインターフェースにクリップ留めされたチューブT1を示す。
【0134】
1.7.5.2 CPAP治療をオン/オフにするためのスイッチ
CPAP治療を提供するブロワをオン及び/またはオフにするように適合された、患者とのインターフェースの適切な部分に沿ってスイッチを提供することができる。例えば、空気送達チューブまたはクイックリリースコネクタ上に、スイッチを提供することができる。一実施形態では、スイッチは、ブロワと無線で連絡することができる。
【0135】
1.7.6 膨張可能なヘッドギア
代替の実施形態では、患者の顔面から空気送達チューブを絶縁するために、比較的剛性のある空気送達チューブの周りに膨張可能なチューブを提供することができる。
【0136】
1.7.7 可動式チューブ
代替の実施形態では、患者の頭部が方向を変えたときにその経路から外に動くように適合されたチューブを提供することができる。
【0137】
2.インターフェース構造
2.1 背景及び概要
既知の患者とのインターフェースは、典型的には、患者の鼻及び/または口の周り及び/または中で封止するように適合されたシリコン封止を含む。封止の仕組みは、(1)フラップタイプの封止、(2)バルク圧縮またはガスケットタイプの封止、或いは(3)(1)と(2)の組合せに分類することができる。フラップタイプの封止は、信頼性の高い封止式インターフェースを実現するために、可撓性の膜の機構を利用することができる。フラップのたわみによって働くフラップタイプの封止と比較すると、バルク材封止は、物質の圧縮によって働く。本発明の好ましいインターフェース構造は、バルク圧縮タイプの封止の形態の発泡体を利用するが、発泡体は他の形態をとることができる。
【0138】
本発明の一態様は、発泡体から作られた鼻下とのインターフェース80の形態のインターフェース構造20に関し(例えば、図1−6、図1−8、図1−10、図13−1、図13−2参照)、その鼻下とのインターフェース80は、使用中に患者の鼻の下側との効果的で快適性の優れた係合をもたらす。いくつかの実施形態では、鼻下とのインターフェースは、カップ状の受け部分、プロング、または枕の形態でよい。上述の空気送達及び安定化システム30のそれぞれのチューブ42と連通するように適合された、支持体及び/或いはフレームまたはシェルによって、発泡体インターフェース80を支持することができる。
【0139】
例えば、図1−6、図1−8、及び図1−10に示すように、例えば、シリコンから形成された比較的堅いシェルまたはフレーム22に、発泡体インターフェース80を提供することができ、シェルまたはフレーム22は、例えば、摩擦嵌めによってチューブ42の各端部と係合するように適合されたチューブ部分25を含む。
【0140】
他の実施形態では、図13−1から図13−2に示すように、例えば、シリコンから構築された円筒形の支持体またはベース82に発泡体インターフェース80を提供することができ、その円筒形の支持体82は、チューブ42の各端部に係合するように適合された比較的剛性のフレーム(図示せず)に取り付けられるように適合される。円筒形の支持体82は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている特許文献4に記載された、ノズルアセンブリの(ノズルを取り外した)ベース部分とほぼ同様の構造を有することができる。円筒形の支持体82の可撓性により、インターフェースのコンプライアンスが向上する。円筒形の支持体82は、フレームのチャネルに連結するために分割したベースを有することができる。一実施形態では、インターフェースのコンプライアンス及び/または調節を更に向上させるために、インターフェース、円筒形の支持体、及び/またはフレームを、回転するように適合することができる。一実施形態では、摩擦、間欠送り、及びロック機構の使用によって回転式の調節及び配置を維持することができる。
【0141】
図示の実施形態では、発泡体インターフェース80は、非常に柔軟性のある発泡体から構築することができ、その発泡体は、患者の鼻を優しく支えるのに十分コンプライアンスがあり、目立たない快適な鼻とのインターフェース、例えば、鼻下との発泡体インターフェースを提供する。鼻下との発泡体インターフェースは、患者の鼻の中の内側におけるシリコンプロングの侵入性及び潜在的な不快さなしに、鼻プロングを視覚的に見えなくし目立たなくする。
【0142】
鼻プロングインターフェースの普及に関して現れた1つの問題は、具体的には、吸い込み及び圧力がより高い際、空気がより速く鼻の中を通るときに、鼻の中を勢いよく通る空気から、冷たく、摩擦のあるまたは焼けるような感覚を鼻の内側で感じることがある場合に、認識可能なほど呼吸の快適性が低下することである。こうした感覚は、「噴流の影響(jetting effect)」と呼ばれている。その噴流の影響は、空気が細いプロングのオリフィスを通るチャネルを通るようにして鼻に入り、敏感な鼻の粘膜に衝突することが原因の一部であると考えられる。空気の温度及び湿度が原因のこともある。従って、鼻下との発泡体インターフェースの他の利点は、鼻プロングが発生させると知られている、噴流の影響をなくすかまたは最低限に抑えることである。これは、空気が鼻孔の内側の狭いオリフィスを強制的に通されず、両方の鼻孔の開口部を覆う、より大きいオリフィスを通るからである。発泡体インターフェースの出口の全体または大部分が鼻の外側に残ることにより、小さいオリフィスによる抵抗(impedance)を鼻孔の開口部に匹敵するかまたそれより低くすることが可能になり、その結果、流れが鼻の内側に限定されず鼻の中に噴流を形成しなくなる。発泡体は、流れが鼻に入るときにその境界において拡散効果も有する。その発泡体のでこぼこの表面は、鼻孔に入る流れの境界層に乱流を加えることができ、従って、鼻の内側の敏感な解剖学的構造に集中した力を加えないように鼻腔を通す。その拡散効果はまた、鼻孔とインターフェースの位置合わせが、噴流の影響の生成に関してあまり重要ではなくなるようにすることができる。わずかに空気を通すことができる発泡体は、湿度及び温度が原因の噴流の影響の様相を最小限に抑えるという利点も有する。鼻を出入りする冷気及び温度の変化する空気は、既知のインターフェースでは鼻の内側のひりひりする感覚を引き起こす虞がある。息を吐く際には、発泡体に暖かい呼気を吹き込むことができ、続いて息を吸う際には、この少量の暖かい空気は、再度入り且つ/または鼻に入る空気流を加熱することができ、従って、噴流の影響が低減する。噴流の影響に関するこの発泡体の他の利点は、やはり発泡体の透過性による、水分(例えば、湿り空気)を保持する能力である。蓄えられていた水分が、吸い込むときに、吸気の湿度に加わり、噴流の影響を低減することができる。
【0143】
他の実施形態では、鼻下とのインターフェースは、単一のオリフィスを2つに分割する中心部分を有することができる。この実施形態では、その結果生じた2つのオリフィスは、鼻孔に匹敵する寸法でも、鼻孔より小さくても大きくてもよい。
【0144】
上述の実施形態(単一のオリフィス及び2つのオリフィス)の両方において、鼻孔とオリフィスとの位置合わせを、鼻プロングの設計に比べて緩和することができる。これは、鼻孔の内側に構成物(feature)を積極的に挿入しない結果である。インターフェースは、インターフェース及び/または封止を損傷することなしに皮膚の表面に沿って大きく動くことができる。発泡体の硬度が非常に低い(例えば、具体的には非常に柔軟な粘弾性のグレードである)結果、発泡体は、それが界接している解剖学的構造の形状をとるので、鼻孔の内側に少し侵入することがある。
【0145】
好ましい実施形態では、インターフェースを、非常に柔軟性のある、粘弾性発泡ポリウレタンのグレードから作ることができる。発泡体の粘弾性の性質を定量化する一方法は、発泡体に圧力をかけた後で、発泡体の変形速度または回復速度を測定することである。一実施形態では、回復速度は、マスクを装着したままでインターフェースがユーザの顔面と快適に封止係合した状態になるように設計される。粘弾性の性質は、マスクを装着したまま動く間に快適性及び封止を維持するための特定の利益を有する。他の実施形態では、粘弾性の範囲は、非常に遅い回復速度を有する発泡体から非常に速い回復速度まで及んでよい。
【0146】
本発明の好ましい実施形態によるインターフェース構造の他の態様は、既知のインターフェース構造と比べると、比較的復元速度が遅いことである。シリコンまたは他の剛性のエラストマークッションは、5から10cm/秒以上程度の比較的速い復元速度を有する。本発明の一実施形態では、インターフェース構造は、約5cm/秒より遅い復元速度を有する。好ましい一実施形態では、復元速度は約1cm/秒である。
【0147】
底部の剛性の平板と上部の剛性の軽量の平板との間にバルク材のサンプルを挟むことによって、復元速度を測定することができる。バルク材を圧縮することによって、上板を所定の距離だけ下方向に移動し、次いで解放する。バルク材が上板を元の位置まで上げるのにかかった時間を測定する。元の位置まで戻すのにかかる時間は板の重さに応じて変わるので、測定は相対的でしかない。復元速度は、発泡体の厚さを戻す時間で割ったものに等しい。比較的速い復元速度は1秒以下で起こる。
【0148】
発泡体の好ましいタイプは、上述の復元速度試験を利用して測定され、上板の重さを無視することができるように、(剛性の発泡体の)非常に軽量の上板が使用された。2枚の板にはさまれた発泡体のブロックは、厚さ5cmであり、それを挟んで厚さ約1cmになるまで手で下に押した。戻すのに3.5秒かかった。これは、約1cm/秒の復元速度に相当する。比較すると、典型的な従来技術のシリコン膜は、2分の1秒未満で戻った。
【0149】
関連する材料の特性はヒステリシスである。図14−1を参照すると、本発明の好ましい実施形態の他の態様は、25から35%のヒステリシスを呈する材料である。
【0150】
鼻下とのインターフェースを、セル状ポリマー構造を形成する他の材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン、ラテックスゴムから構築することができることを理解されたい。
【0151】
鼻下とのインターフェースを、他の適切な材料のタイプ及び構成、例えば、テキスタイルで被覆した発泡体、テキスタイル、テキスタイル層、シリコン(例えば、膜及びアンダークッションを有する2重壁面のシリコンの鼻下とのインターフェース)、シリコン発泡体から構築することができることも理解されたい。
【0152】
他の実施形態では、発泡体インターフェースは、HCH(吸湿凝縮加湿器、Hygroscopic Condenser Humidifier)またはHME(熱湿度交換器、Heat and Moisture Exchanger)として働く発泡体を特徴とする。これにより、ユーザの気道から捕捉しそこへ戻す熱及び水分が、噴流の影響に関して上述した呼吸の快適性を向上させることが可能になる。
【0153】
発泡体の多孔性の水分吸収及び水分保持の特性により、インターフェースの装着前または装着中に、インターフェースに香りを付けた、蒸気状の液体を加えることができる。このような香りは、本質的に治療効果があってもなくてもよい。香りを付けた液体の蒸発速度を調節するために、発泡体の機械的な特性(例えば、孔の寸法、表面張力)を改変することができる。同様に、発泡体の乾燥効率を調整することができる。
【0154】
2.2 バルク材の特性
図示の実施形態では、発泡体インターフェース80は、非常に柔軟で、可撓性のある、粘弾性の発泡体(例えば、改造したスラブ材)であり、その発泡体は、図14−1で定義した特性を有する、患者の皮膚に対して柔軟で快適な感触と、患者の顔面の柔軟で肉厚の解剖学的構造に似た硬度または堅さとを有する。患者とのインターフェース設計によって、十分な安定性及び封止反力がもたらされる場合、硬度は、理想的には顔面の肉厚の解剖学的構造より柔軟になる。インターフェースの硬度が、それが界接している解剖学的構造より柔軟であることは、顔面にかかる最小の圧力がユーザの気道に対するインターフェースの強化または圧力の上昇を実現可能にすることによって、快適性を最大にする(すなわち、低硬度及び高粘弾性により、接触圧力を抑え、患者の顔面の形状に対する適合性を最大にすることが可能になる(形状形成能力))。インターフェースの動力学を改善することもでき、それにより、このインターフェースが顔面を変形させるインターフェースより更に顔面の解剖学的構造の周りに適合し、例えば、インターフェースが、患者の顔面の比較的小さい顔の構成物(例えば、ゴルフボールのへこみの寸法の顔の皺及び構成物、起伏等)を収容することができる。
【0155】
発泡体インターフェースは、ヘッドギアからのより低いストラップの張力が封止力を生成することを可能にする固定用封止と、インターフェースが、患者がベッドの上で寝返りをうつことによる大きい動きに耐え、インターフェースを維持することを可能にする運動用封止とを提供する。このようなインターフェースの特性を以下により詳細に説明する。
【0156】
汗ばんだ、プラスチックの感触を有することがある従来のシリコンインターフェースと比べて、粘弾性の発泡体は、患者の皮膚に対して更に自然な感触を有する。発泡体は、水分を含有することができ、例えば、使用または洗浄後に、わずかに湿っているかまたは湿潤であり、そのため、使用中に空気が発泡体の中を通るときに、冷却効果または爽快な感覚をもたらすことができる。
【0157】
好ましい一実施形態では、発泡体インターフェース80は、低硬度であり、低密度から高密度であり、柔軟性があり、香りが薄く、通気性が低く、弾性が低く、微細な異質のセル構造及び粘弾性の挙動を有する、低イソシアネートインデックスのポリエーテル発泡ポリウレタンでよい。発泡体はまた、パントンの基準に対する色及び耐変色性を特徴とする。更に、発泡体は、患者の皮膚から水分または汗を吸い上げるために、吸水機能をもたらすことができる。一実施形態では、発泡体インターフェースの特性は、その厚さに沿って変わってよく、例えば、発泡体の密度、間隙率、または硬度は、異なる層において変わってよく、且つ/または発泡体インターフェースの特性は、その外周に沿って変わってよく、例えば、呼吸可能性は、インターフェースの外周の異なる領域において変わってよい。粘弾性は、発泡体インターフェースの圧縮から回復する範囲である。
【0158】
例えば、図13−3から図13−4は、異質のセル構造が混在した発泡体を示し、図13−7a及び図13−7bは、異質のセル構造が層になった発泡体を示す。図13−7a及び図13−7bはまた、異なる層において発泡体の特性がどのように変わるかを示す。図13−7a及び図13−7bに示すように、発泡体は、3つの層、すなわち、セルの寸法が小、中、大である層を含むことができる。図13−7aでは、セルの小さい層は、表面の近くにあり、セルの層は、内部に向かうにつれて徐々に大きくなり、図13−7bでは、セルが大きい層は、表面の近くにあり、セルの層は、内部に向かうにつれて徐々に小さくなる。しかし、それらの層は、適切な配置を有することができ、例えば、中くらいの層が表面の近くにあり、小さい層及び大きい層が、内部の近くにあってよい。こうしたセル構造の配置は、製造方法の選択によって実現することができる。
【0159】
図13−7cは、例えば、より堅い発泡体、プラスチック、または金属の積層体から構築された補強要素Rをその内部に含む発泡体を示す。補強要素Rは、使用時に発泡体に剛性を加えるように構成される。補強要素の各側面上の発泡体部分は、(図13−7cに示すような)均質の構造及び/または(層状または混在した)異質の構造を含むことができる。好ましい実施形態では、補強要素Rは、発泡体インターフェースの一方の面、例えば、底部/顔面に接しない面に位置することができる。このようにして、補強は、2つの機能、すなわち、補強とマスクに取り付けるための方法(例えば、機械的締まり嵌め、ベルクロ、感圧性接着剤)の両方を提供することができる。
【0160】
図14−1は、本発明の実施形態による発泡体インターフェースの機械的特性の表を示す。
【0161】
本発明の好ましい実施形態の一態様は、封止構造の低硬度の発泡体(または他の柔軟な材料)である。硬度は、押込み硬さと圧縮硬さの両方で定義することができる。好ましい押込み硬さは、40%で25から80Nであり、好ましい圧縮硬さは、0.4から1.5kPaである。
【0162】
本発明の実施形態による発泡体インターフェースは、1つまたは複数の以下の特徴をある程度含むこともできる。
【0163】
セル状発泡体タイプ−可撓性のポリウレタン;
【0164】
ポリウレタンのタイプ−ポリエーテル系;
【0165】
セル構造−発泡体の(「手触り」としても知られる)感触及び見た目を制御するために、セル構造を制御することが望ましい。セル構造を、セル寸法のより異質またはより均質の分布を有するように制御することができ、これにより、様々な様式で発泡体の感触及び見た目に影響を与えることができる。発泡体を、連続気泡及び独立気泡の含有を様々な程度に含むセル構造を有するように製造することができ、これは、発泡体の特性のいくつかの様相、例えば、空気及び水分の透過度に影響を与えることがある。
【0166】
封止−独立気泡の含有量が多い発泡体は、皮膚に対して圧力をかける際に、インターフェースの内側に陽圧の封止を生み出すことができるように、十分に低い透過性を有することができる。一実施形態では、発泡体は、連続気泡より独立気泡をずっと多く含み、例えば、独立気泡が90%、連続気泡が10%にすることができる。従って、発泡体が封止に与える圧縮力は、発泡体の機械的な堅さの関数であり、発泡体のセル構造の内側に圧縮空気を有することによって加えられる圧縮堅さ(例えば、空気ばね/空気圧堅さ)の関数でもある。このようにして、少量のゆっくりとした空気の流れが、発泡体構造の表面に沿って、その本体の中を通って漏れるのを可能にしながらも封止機能が提供される。いくつかの実施形態では、発泡体は、皮膚に接する切断された連続気泡構造を有するが、他の実施形態は、透過性の外皮を有する発泡体を含むことができる。他の実施形態は、インターフェースの、皮膚と接触する面にのみ、被覆(透過性の外皮と不浸透性の外皮の両方)した発泡体を有することができ、皮膚が接触する面に沿ってではなく、発泡体構造の本体中を通した流れが残る。
【0167】
通気性−通気性の範囲を制御した発泡体を生産することができる。典型的には、封止の用途では、発泡体は、空気または水分が発泡体の中を通ることを防止するために可能である、最大の独立気泡含有量を有するように生産されることになる。一実施形態では、比較的少ない量の通気性が可能になることが望ましい場合がある。これは、着用時にインターフェースの快適性と封止機能の両方に関するいくつかの明確な利点を有し、例えば、発泡体中を通る少量の拡散流を可能にすることにより、皮膚のインターフェースと接している部分に呼吸する能力を与え、過度の水分を使用中にインターフェースから除去することが可能になる。
【0168】
通気性の永続性−所与の仕様に合わせるために、マスクシステムのすべての要素を通る流れが必要とされることがあるので、構成要素の使用寿命を通して所望のレベルの通気性を維持することが望ましい。通気性の変化は、周期的な機械的圧縮荷重と共に起きることがあり、従って、発泡体構造の透過性に関する永続性を改善するために行われる測定は利点である。好ましい実施形態では、MDI(メチレンビスジイソシアネート(Methylene-Bis-Di-Isocyanate))タイプのイソシアネートを使用するポリウレタン配合物を、発泡体に永続性のある独立気泡含有を与えるように選択することができる。
【0169】
臭い/揮発性−発泡体は人の鼻に密接して使用されることが意図されているので、臭いを最小限に抑制または選択的に改変するために行うことができる測定は、利点である。好ましい一実施形態では、MDI(メチレンビスジイソシアネート)タイプのイソシアネートを使用するポリウレタン配合物が、臭いを最小限に抑えるには好ましい選択である。
【0170】
粒子状物質−発泡体構成要素が、使用中に吸い込まれる虞がある微細粒子を生成しないように、発泡体の化学的性質及び加工が選択される。
【0171】
感触/手触り−絹のような柔軟な感触を有する発泡体を生産することには外観上の利点がある。好ましい実施形態では、発泡体は、発泡体の平滑な感触を最大にするために、微細セルの異質のセル構造を有するように生産することができ、皮膚の擦り傷及び刺激の可能性を最小限に抑える助けをすることもできる。外観の魅力を助けることができる発泡体の機械的特性の他の態様は、高いレベルの粘弾性を有するように発泡体を生産することができることであり、これは、発泡体に興味深い相互作用特性を与える。
【0172】
耐久性−発泡体の化学的性質を、構成要素の必要な保存寿命及び使用寿命のための所望の機械的特性を維持するように選択することができる(例えば、発泡体の構造を、一度きりの使用から長期にわたる使用まで所定の耐用期間を有するように操作することができる)。これは、適切な交換頻度で新しくすることが可能な製品をユーザに提供するという利点を与え、それにより、発泡体の構成要素を、毎日、毎週、毎月または他の基準で交換することができる。次いで、所定の倍数で包装された構成要素をユーザに、例えば、3カ月おき、6カ月おき、または12カ月おき或いは他の適切な基準で供給することができる。
【0173】
熱安定性−発泡体を、保管及び輸送の温熱条件に耐えるように設計することができる。消毒及び殺菌処理の温度に耐えることができるように設計することもできる(例えば、オートクレービング温度及び場合によっては180℃までの温度)。
【0174】
紫外線安定性/耐光性−発泡体材料は、露光によって簡単に破損しない。
【0175】
耐膨潤性−発泡体の構成要素を、水または他の液体で飽和したときに所与の耐膨潤性を有するように設計することができる。飽和状態での発泡体の所望の特徴に応じて、形状の変化を最小限に抑えるかまたは最大限にするように設計することもできる(例えば、清掃のために発泡体の細孔を開くために膨潤が望ましいこともあり、飽和状態での機能上の形状を保存するために膨潤が望ましくないこともある)。
【0176】
乾燥可能であること−発泡体構成要素を、特定の時間的な制約及び環境条件の下で乾燥するように設計することができる。例えば、構成要素は、使用または洗浄手順後に湿っていることがあり、そのため、更なる使用の前にできるだけ速く構成要素が乾くことが望ましいことがある。例えば、特定の使用状況(暑い状況で皮膚に対する冷たい感触)の下では、インターフェース中の水分が望まれることがあり、そのため、構成要素がより長い期間水分を保持することが有利になることがある。例えば、CPAP療法中に圧力のかかった状況下で材料を通る空気によって使用中に乾燥(自動乾燥)するように、構成要素を設計することができる。
【0177】
加水分解安定性−発泡体に所望のレベルの加水分解安定性を与えるように、発泡ポリウレタンの配合を選択することができる。ポリエステルポリオールを超えるポリエーテルポリオールの選択は、発泡体の耐加水分解(水分の存在で機械的に破損する)性を改善することができる。
【0178】
色−発泡体の構成要素を、定義されたパントンの基準(例えばPC287)に着色することができる。
【0179】
耐変色性−発泡体の使用に関する重要な課題は、自然の経年変化と使用中の環境要因の両方による変色である。これは、自然色及び明色の発泡体に関して特に問題である。変色に逆らう一方法は、意図的に経年変化及び使用によりあまり明確に変化しない色で発泡体を着色することである(例えば、より暗い色及びより濃い色はあまり変色しない可能性がある)。言い換えると、発泡体の着色は、使用寿命中に、認識されている構成要素の有用性及び清潔さを保つ際に機能上の特性を有する。発生するかもしれない他の問題点は、発泡体構造に除去可能に含まれる染料または顔料の流出である。好ましい実施形態では、着色料が発泡体の化学構造に反応して、ポリウレタンの化学的背景の一部になるように、反応しやすい着色剤が組み込まれる(例えば、Milliken Chemical社のReactint(商標)着色剤)。これは、製品が最初の使用の際には良く見え、使用の継続中には見苦しくないままであるように変色に抵抗するために意図される用途において発泡体に重要な利点を与える。
【0180】
スラブ材の包装−スラブ材発泡体は、輸送及び保管のためにプラスチックで包装及び密封することができる。
【0181】
構成要素の包装及び配布方法−発泡体インターフェースの構成要素を、所定の使用寿命を有するように設計することができる。その場合、構成要素は、当業界で現在知られているより頻繁に取り替える必要があるかもしれない。取替えを便利にするために、構成要素を、1つの包装(例えば、箱または容器)に複数の構成要素を含むように包装することができる。例えば、1つの箱または容器の構成要素は、50個の構成要素、100個の構成要素を含むことができ、月単位の供給の構成要素、年単位の供給の構成要素、または他の適切な基準を含むことができる。構成要素を、連続した穴あきストリップの一部として個別に包装及び製造し、1つの包装で提供することができる(例えば、2つの側面がその外周に沿って密封されたコンドームの包みに似た1つの包装中に1つの発泡体インターフェース)。構成要素を、グループ分けしたまたは単独の構成要素のセルに入れることができる。一実施形態では、構成要素を真空包装することによって重要な利点が得られる。こうした形態の包装は、環境要因(例えば、酸素、湿度)からの経年変化に対する保護、並びにカスタマイズした微小環境(例えば、経年変化を防止するための不活性ガス、治療目的及び治療ではない目的のための香りを付けたガス、色、風味)にある構成要素を供給する能力をもたらす。真空パックは、輸送効率及び運搬の都合のために製品の物理的な体積を減少させる重大な利点をもたらす。発泡体を、数週間または数カ月の延長した期間の間圧縮することができ、包装をあけたときになお圧縮していない形状に戻すことができる。図14−3は、発泡体インターフェースを収容している個別の包装Pを送り出すように適合された、回転可能なディスペンサまたはリールD、例えば、ミシン目で切り離すことができるように、ミシン目によって区切られたこの方向の連続した流れの概略図である。しかし、構成要素を、他の適切な、折れやすいまたは壊すことができる連結によって区切ることができる。
【0182】
機械加工性−発泡体は、複雑な3次元形状に機械加工することができるように、十分に稠密且つ硬くすることができる。
【0183】
生体適合性−生物学的な安全性(生体適合性)は、発泡体の主な意図される用途では最も重要である。従って、有害な揮発性物質を放出してはならず、或いは人体に有害であるかまたは刺激のある相互作用を有してはならない。発泡体の化学的性質及び加工は、ISO10993生体適合性基準に従った発泡体を生産するように選択される。
【0184】
微生物の繁殖−発泡体の構造は、特に暖かく湿度があると、鼻の近くで、微生物(例えば、細菌類、菌類)の可能性のある繁殖を有する環境がもたらされることがある。菌類及び細菌類の繁殖を抑えることができる手段が、清潔さを守り且つ/または構成要素の使用寿命を延ばすために望ましいことがある。典型的には、これは、最低限にしか吸収性がなくユーザと密着する構成要素のために簡単に洗浄可能である、無孔材料または被覆した多孔質材料を使用することによって実現することができる。しかし、(この開示で概略を述べたように)顔面に対して露出した切断または連続気泡構造(例えば、切断した発泡体)の使用において、使用時の快適性及び封止性能の重要な利点があるので、構成要素の清潔さ及び耐用期間に対処するために他の方法を求めなければならない。いくつかの実施形態では、発泡体インターフェースの構成要素は、適切な頻度(例えば、毎日、毎週、毎月または他の適切な体制)で取り替えられるように構成される。適切な洗浄及びメンテナンス体制を構成要素のために推奨することもできる(例えば、洗浄、乾燥、洗浄液(例えば、イソプロピルアルコール)、蒸気処理、マイクロ波による殺菌)。微生物の繁殖を抑制する他の方法は、発泡体の化学的性質に抗菌剤または殺菌剤(例えば、発泡ポリウレタンに対して殺菌性のあるAEGISブランド)を含むことである。
【0185】
再利用可能/生分解性−発泡体インターフェースは頻繁に取り替えられる構成要素なので、発泡体のグレードを、環境への影響を最小にするために、選択した期限内に分解可能になるように選択することができる。これは、ごみ処理場で分解するための物質の半減期として説明することができる。一実施形態では、発泡体は、当業界で知られた物質(例えば、シリコン、被覆した多孔質の構造、ゲル)よりずっと短い期限内に分解するように設計される。これは、埋め立てごみ及び発泡体の分解を助ける微生物の侵入を可能にするように、発泡体の化学的性質及び発泡体の多孔質の構造を強化することによって実現することができる。環境への影響を最小にする発泡体の他の重要な利点は、その物質が当業界で知られた典型的な物質よりずっと柔軟でありずっと密度が低いことであり、これは、その物質を簡単に圧縮することができ、埋立地のずっと小さい空間しか取らないことを意味する。
【0186】
上述のように、発泡体インターフェースの構成要素は、別々に及び/または箱入りのセットまたはカートンで利用可能である。こうした構成は、広範囲の流通経路を可能にし、例えば、在宅医療の取扱業者、薬剤師、インターネット等を介して市販される。
【0187】
一実施形態では、インターフェース構成要素が、磨耗するかまたは取替えが必要なときに、患者が必要なときに箱を注文することもでき、取替え用の箱(例えば、常用のインターフェース構成要素を含む)を患者に定期的に送ることもでき、例えば、患者は、1年間毎月配達してもらうために手続きをする。
【0188】
こうした構成は、在宅医療の取扱業者のために繰り返しの業務を提供する。また、この構成は、組立てステップ(すなわち、インターフェース構成要素のフレームへの取付け)が患者に移されるので、組立てラインの効率を高める。この構成を、製造を現地で行うようにすることによって、輸送を縮小するように適合することができる。更に、この構成は、滅菌する必要がなく、単に使い捨てのインターフェース構成要素を使用するだけなので、睡眠研究室にも有利な点をもたらすことができる。
【0189】
一実施形態では、構成要素の包装は、取替えまたは再発注の要件を反映することができる。例えば、箱の中の最後の製品を、「備えの最後」であることを示すために、異なるように包装することができる。他の例では、包装は、異なる日、週、月等を示すために異なる色を含むことができる。
【0190】
上述のように、発泡体の構造は、一定の使用寿命または耐用期間を有することができる。本発明の実施形態によれば、発泡体の構造は、使用寿命に近づいていることを示すために使用寿命の終わりの表示を含むことができる。
【0191】
例えば、その使用寿命の終わりの表示は、pHベースの変色(微生物が酸を生成して、交換の周期で変色させる)、汚れ/色の変化、環境による経年変化(環境ガスを包装の外に出す)、接着剤が時間と共に劣化すること(単一のアセンブリを提供し、そのため、患者が構成要素を破壊せずにその構成要素を取り外すことができない、接着剤より膠(glue)の粘着力が強い)、及び/または取替えが必要かどうかを見るために包装が構成要素を合わせる色ガイドを含むことのうち1つまたは複数を含むことができる。
【0192】
2.3 表面特性
発泡体インターフェース80を、被覆した表面または被覆していない切断面を有するように、(例えば、フリーライズ(free rise)のスラブ材から)製造することができる。発泡体はセル状の内部構造を有するので、発泡体が切断(例えば、ダイカット)されるときに、連続気泡構造が露出される。インターフェースの皮膚と接触する面上にある、切断された連続気泡構造は、具体的には患者とのインターフェースとして使用するときに、被覆した発泡体と比べて、異なる性能特性を有する。例えば、図13−3及び図13−4は、被覆していない切断面CSを有する発泡体インターフェース80を示し、図13−5及び図13−6は、被覆した表面SSを有する発泡体インターフェース80を示す。図示のように、図13−3及び図13−4の切断面CSは、発泡体のセル状構造を露出し、例えば、気泡及びピンホールが露出される。対照的に、図13−5及び図13−6の被覆面SSは、発泡体のセル状構造を隠し、例えば、気泡もピンホールも露出されない平滑な外面である。
【0193】
2.3.1 快適性
具体的には、患者の皮膚と界接または接触する面上に切断セル状構造(例えば、図13−3及び図13−4参照)を含む発泡体は、具体的には、当業界ではほぼ例外なく使用されるシリコン材料と比べると、皮膚に対する異なる感触を有する。また、シリコンのように粘着性またはプラスチックの感触がない、非常に心地よい、快適な触感特性を有するように、発泡体を設計することができる。発泡体のセル状構造と患者の皮膚に対する快適性の間には関連性が存在する。粗いセル構造から非常に微細なセル構造及びセル寸法の均質または異質な分布を有するように、発泡体を生産することができる。これらの特性を、製造工程を通して制御することができる。好ましい一実施形態では、患者の皮膚に対する快適性を最大にするために、微細寸法のセルを多く含む異質のセル構造が好ましいことがある。
【0194】
2.3.2 封止及び/または把持機能
発泡体の切断セル表面(例えば、図13−3及び図13−4参照)は、封止及び/または把持を提供する。発泡体は、例えば、封止を提供するために、機械的に変形し患者の顔面と係合することができ、微小の移動(すなわち、1mmより短い)の下で外れる(例えば、封止を損なう)ことのないように、十分に皮膚を把持することもできる。セル状切断構造は、把持(例えば、摩擦による把持)を提供し、そのセル状切断構造を、「より湿った」感触の発泡体のグレードにその発泡体のグレードの高い柔軟性及び粘弾性と組み合わせて改良することができる。封止及び/または把持が外れる場合、理想的には患者の顔面に患者とのインターフェースを再び戻す必要なしに、封止及び/または把持特性を簡単に回復すべきである。好ましい発泡体の一例は、湿った、粘着性の且つ/または湿り気のある感触を有する、非常に柔軟で、低(イソシアネート)インデックスの発泡体であってよい。発泡体の「粘着性」または「湿り気」は、封止(例えば、「クローリング(crawling)」封止)を実質上壊すことなしに、患者の顔面に沿って発泡体が摺動することを可能にすることができる。すなわち、封止の位置は、患者の顔面との接触を失うことなく、実質上の治療圧力を失うことなく、ずらすことができる。把持または粘着性の度合いは、少なくとも一部は、表面張力(例えば、静止摩擦係数)及び/または切断面の形状(例えば、粗さ)によって決定することができる。
【0195】
2.4 形状
発泡体インターフェース80は、概してゆりかご(すなわち、1方向に湾曲した)形状または鞍(すなわち、2方向に湾曲した)形状を有することができる。インターフェースは、その形状の意図される機能に応じて、特定の解剖学的領域に対応し、一致し、または意図的に一致しないように、3方向以上の湾曲及び複雑な湾曲の構成を有することもできる。
【0196】
図示の実施形態では、発泡体インターフェース80の上面は、患者の鼻及びそのオリフィスの係合を助ける2方向への湾曲を含む鞍の形を提供する。例えば、第1の方向の湾曲(例えば、図15−1の正面図参照)は、患者の鼻の鼻翼角を形成する解剖学的構造を収容するように構成され、第2の方向の湾曲(例えば、図15−2の側面図参照)は、患者の鼻の鼻唇角を形成する解剖学的構造を収容するように構成される。第1の方向と第2の方向の湾曲の程度は両方とも、インターフェースの厚さ(積層)が追加されると共に、インターフェースの機械特性におけるコンプライアンスが追加される場合は入れ替えることができ、例えば、界接している(例えば、鼻及び顔面)解剖学的構造を、快適且つ効果的に抱え込んで係合し、封止するために、十分な柔軟性及び厚さを有するインターフェースの場合は、第1及び第2の湾曲方向をなくすことができる。
【0197】
代替の実施形態では、発泡体の機械特性を、インターフェースが、(上述のような第1及び第2の方向の湾曲なしに)上面が平らな形状を利用して効果的に封止するように、調節する(例えば、柔軟にする)ことができる。
【0198】
他の実施形態では、発泡体の湾曲及び形状を、発泡体が取り付けられているフレーム、裏当て、または他の支持構造によって提供することができる。
【0199】
当技術分野で知られた殆んどの封止式インターフェース(具体的には、シリコンインターフェース)は、膜状である。それらは、長く、薄く、可撓性である。その膜の断面は、アスペクト比(長さを幅または厚さで割ったもの)が高く、従って、膜の材料の柔軟性と相まって、その長さに沿って簡単に歪み、その幅にわたって簡単に曲がる。膜は、簡単に歪み、その長さ方向で圧縮荷重を支持することができない(材料は縮む前に歪む)ので、典型的には、その長さに沿って縮むことはない。このように歪むことができ且つ曲がることができることにより、具体的には、(典型的には)顔面に対して接線方向に存在するときは、膜タイプの封止が、顔面の変化する解剖学的構造に適合し、順応することが可能になる。マスクの内側の気圧が、支持する反力を顔面に接する膜に提供することが知られている。
【0200】
本発明の一態様による鼻下とのインターフェースは、膜ではなく、そのように動作しない。その断面形状は、低アスペクト比を有し、図15−1から図15−2に示すように、概して、正方形、長斜方形、矩形またはダイヤモンド形である。他の実施形態では、断面は、製造工程によって与えられる可能性に応じて、円形、楕円または他のより有機的な形状でよい。インターフェースの断面が長くなく薄くないので、膜として動作しないが、圧縮封止として動作する。従って、従来の膜封止のように本質的に顔面に(接線方向に)適合するために歪む機能に依存するのではなく、それが界接する顔面の解剖学的構造に適合するように、顔面に垂直な方向への柔軟性及びコンプライアンスを頼りにする。主題のインターフェースは、これも、インターフェース構造を支持し且つ/または封止を形成する空気圧にそれほど依存していない。円形または環状のプロフィルと共に断面が非常に厚いことは、ほぼ自己支持型であることを意味し、上述のように、発泡体の封止構造が通気性である場合は、圧縮力は、漸増的に(incrementally)圧縮空気(空気ばねの堅さ)の関数である。インターフェースは、マスクチャンバ内部の陽圧の空気圧によって外側に変形することがあるが、この変形は、インターフェースが、それが界接している解剖学的構造と係合するように促進することができる特性であり、例えば、インターフェースの形状は、圧力下で変化して、患者の顔面の形状により厳密に近づくことができる。
【0201】
2.5 厚さ
一実施形態では、発泡体は、患者の鼻の底部の下及び周りで抱え込むまたは包み込む効果を有して変形することができるように、発泡体の硬度及び粘弾性に応じて、厚さ約5〜20mm、例えば、15mmとすることができる。他の実施形態では、封止式インターフェースを構成する発泡体の層の数及び各層の機械特性(例えば、硬度)に応じて、それに合うように厚さを、例えば、5〜50mm、10〜30mm、14〜20mmに変えることができる。例えば、発泡体の皮膚接触層の厚さを、非常に柔軟且つ非常に薄く(例えば、1〜3mm)することができ、適合層を、より硬く厚く(5〜20mm)することができる。より硬く、同様に薄いかまたはより薄い(例えば、1mmより薄い)発泡体の層は、取付け機構として働く層の働きをすることができる。
【0202】
発泡体の厚さは、発泡体の硬度と共に、インターフェースの機械的なコンプライアンスを決定することができる。より柔軟な発泡体は、より大きい厚さと相まって、具体的には、当技術分野で知られたシリコン封止と比較すると、機械的コンプライアンス及び適合範囲を追加することができる。提供された発泡体の厚さを完全に圧縮することなく、治療圧力を送達し快適な適合性をもたらすインターフェースを実現するために、発泡体の密度、硬度、及び厚さを制御することができる。発泡体の許容性及びコンプライアンスがある性質によって、当技術分野で知られた他のインターフェースを超える明確な利点は、寸法を統合すること、更にはフリーサイズのインターフェースを提供する可能性である。すなわち、インターフェースに使用される材料の柔軟性及びコンプライアンスにより、同じ数の寸法または少ない数の寸法で、インターフェース構成要素がずっと多くの人たちに適合することを可能にすることができる。
【0203】
2.6 オリフィス
好ましい実施形態では、発泡体インターフェース80は、患者の鼻孔の両方と界接するように適合された、単一のオリフィス84を含む(例えば、図13−1から図13−2参照)。具体的には、インターフェースは、オリフィス84が鼻腔と空気の通路で連通するように、左右両方の鼻孔の開口の周りを圧縮し、例えば、鼻孔を取り囲むか、または部分的に閉塞させる。代替の実施形態では、空気通路による連通は、2つ以上のオリフィスを介することができる。いくつかの実施形態では、オリフィス84のプロフィルは、概して円形、矩形、丸みのある矩形、三角形、楕円、または長円の形状を有することができる。しかし、他の適切なオリフィスの形状、例えば、丸みのある三角形、丸みのある台形、菱形が可能である。好ましい実施形態では、オリフィスは、構成要素の外側のプロフィルの形状に一致するが、オリフィスのプロフィル及び外側のプロフィルは、形状がかなり異なってよい(例えば、外側プロフィルが楕円でよく、内側プロフィルが三角形でよい)。代替の実施形態では、発泡体インターフェースは、オリフィスなしの発泡体のブロックを含むことができ、気道の開口に隣接する発泡体の透過性を、患者の鼻に十分な空気流を可能にするように十分に高くすることができる。
【0204】
2.7 インターフェースパス(interfacing path)
図示の実施形態では、発泡体インターフェース80の外部の上側外周が、鼻の下側の幅を取り囲む、例えば、鼻の外側または外鼻孔と界接するインターフェースパスP(例えば、図13−1から図13−2参照)を形成する。
【0205】
例えば、発泡体インターフェースを、鼻の下側と係合するように設計することができる。インターフェースの形状は、上から見ると内周及び外周を有する、概して環状であると説明することができる。(オリフィスを画定する)インターフェースの内周は、鼻孔を取り囲むか、または鼻孔をある程度閉塞させて、インターフェースと鼻孔との位置合わせをあまり重要でないようにすることができる。内周と外周の間の領域は、当技術分野で知られた他のインターフェース(例えば、鼻プロング)と比べて、顔面のより広い面積と係合して、圧力を均等に分配し顔面にかかる力を小さくすることができる。外周は、鼻の下側の輪郭内に収まるか、または鼻の幅に非常に近い形状にすることができる。好ましい実施形態では、外周は、インターフェースが鼻の幅の周りで包み込むかまたは優しく支える効果を有することを可能にすることによって、安定性及びフィット感のよさを向上させるように、鼻の下側の輪郭の外側に位置する。これは、主観的ではない視点から見たときに、その製品の視覚的な印象を目立たないようにする助けをすることができる。或いは、インターフェースの外周を、鼻の下側の輪郭の外側に位置して、鼻の幅の周りで抱きこむまたは包み込む効果を有するように設計することができる。インターフェースの外周が鼻より広い場合は、こうした構成は、インターフェースの安定性及び付け心地のよさを向上させることができる。具体的には、(顔面で正面に見て)第1の方向への湾曲またはV字形と相まって、インターフェースを着用するのに更に直感的にすることを可能にすることもできる。次いで、インターフェースは、自動位置合わせ機構及び鼻が心地よく受けられるための直感的な位置決めを特徴とする。
【0206】
一実施形態では、発泡体インターフェースは、鼻孔の下に位置するように構成され、インターフェースまたは界接するベクトルの角度は、頭頂部に向かってより斜め上方向であり、従来の鼻を覆うインターフェースでは典型的である、顔面の平面に後ろ方向に直線的であるのとは対照的である。
【0207】
例えば、図16−1に示すように、患者とのインターフェースは、第1のループLP1(例えば、空気送達チューブ)と、使用中に第1のループLP1に連結されている第2のループLP2(例えば、バックストラップ)とを含むことができる。図示のように、第1のループLP1は、患者の鼻の下側に対する封止力を画成するように、患者の鼻の下側に沿って、頬領域に沿って、耳の上を通り患者の頭頂部の上に至る。第2のループLP2は、ヘッドギアのベクトルを、第1のループLP1との角αを40度〜80度(例えば、60度)に画定するように概して後頭骨の上を通る。
【0208】
他の実施形態が図16−2から図16−3に示され、それらは、インターフェースのベクトルをより後方に角度を付けるように適合された発泡体インターフェースを支持するためのフレーム222を概略的に示す。これは、剛性化要素を有する配管と組み合わせて、封止力と頭部上に患者とのインターフェースを安定させる力を分けることを可能にする。従って、これらの力のより明確な制御及び調節が行われ、より多くの安定化力が患者の上唇の上方及び頬領域の上で支持される。従って、インターフェースのベクトルは、強制的に患者の鼻の中に向けられることが減り、患者にとっての快適性が改善される。他の実施形態では、ヘッドギアのインターフェースに隣接する部分に耐荷重機能を提供することによって、安定化力を上唇から軽減しより頬領域上で支えることができる。これは、非常に柔軟なインターフェースを過度に鼻の中に引っ張る必要なしに、マスクシステムを頭部上で更に安定させる。この耐荷重機能は、発泡体インターフェースの構成要素の一体の部分を成し、ヘッドギアの(例えば、内側の)顔面と接触する面に沿って延びることができる。それらを、インターフェースとは別個のヘッドギアに恒久的または着脱可能に固定することもできる。
【0209】
更に、フレームによって提供される表面積をより小さく(例えば、顔面全体にわたる幅をより狭く、直径をより小さく)することができ、それにより、患者の顔面への反力をより小さくして、効果的なインターフェースを実現することができる。
【0210】
2.8 呼吸可能性
本発明の一実施形態によれば、発泡体インターフェースは、インターフェース材料(例えば、発泡体のバルク構造)中を通した空気流と、インターフェースと患者の皮膚との間(例えば、発泡体の切断面)の空気流の両方の計画的な量の空気流を可能にする、(例えば、切断面及び/または外皮の排除に基づいた)呼吸可能性または透過性の発泡体を含むことができる。患者の快適性及びコンプライアンスは、顔面周りの汗の蓄積を減らし、皮膚を乾燥した状態に維持し、皮膚のインターフェースと接触する部分及びその周りの部分の温度を適度にすることによって強化される。理想的には、空気流は、顔面に着用しているときに皮膚を過度に乾燥させインターフェースの周りの解剖学的構造を冷却する量より少なくなるように設計される。
【0211】
すなわち、発泡体の構築は、患者とインターフェースの間の接触境界面で結露の蓄積及び関連する刺激を避けることができるような、呼吸可能なインターフェースを提供する。発泡体は、空気を循環させて接触面を比較的乾燥させ快適に保つことを助ける、発泡体構造/基材を通る意図的/制御可能な漏出を有する、(例えば、通気流の割合によって測定可能である)「漏出」インターフェースを提供する(例えば、約10%の換気流、30〜40%の換気流)。発泡体によってもたらされる漏出量は、例えば、快適性、皮膚の乾燥、及び/または不快さに応じて変えることができる。
【0212】
一実施形態では、発泡体インターフェースを、予測可能であり所定の限界及び物理的位置内で漏出するように構築することができ、例えば、インターフェースの外周の空気流の透過性または呼吸可能性を変えることができる。また、水分を扱うように、例えば、ある領域では水分の蓄積を避け、他の領域(例えば、加湿のために鼻の近く)では水分を促進するように、発泡体の材料を選択することができる。疎水性及び親水性(例えば、吸水性)材料(または同様の特性をもたらす処理)は、選択肢である。患者の皮膚から水分または汗を「引き上げる」ように適合された吸水発泡体は、皮膚の破損、圧迫性壊死、及び/または潰瘍形成を低減させることができる。
【0213】
発泡体を、発泡体のバルク及び発泡体の表面を通る、様々な程度の通気性を特徴とするように設計することができる。発泡体は、その本体が不浸透性でインターフェース面のみ透過性とすることができる。逆に、発泡体は、結果として異なる封止性になるが、その本体が透過性でインターフェース面が不浸透性でよい。例えば、それにより、本明細書で説明した切断セル状構造の発泡体インターフェースに対する代替のインターフェース及び/または封止特徴を実現しながら呼吸可能性を実現することが可能になる。この発泡体を、全体にわたって不浸透性または空気流の透過を避けるべき特定の位置(例えば、目に入る方向)が不浸透性になるように構成することもできる。
【0214】
呼吸可能なインターフェースは、従来のインターフェース材料よりも、運動性のインターフェース性能(すなわち、患者がベッドの上で寝返りをうつことによる大きい動きに耐え、インターフェースを維持する能力)を改善することができる。これは、少量の空気流が既にインターフェースの表面と患者の皮膚の間を流れており、従来のシリコン封止に比べて、大きい動きを受けるときに、インターフェース機構にとってあまり重要ではないので実現することができる。シリコンは、安定した運動用封止を提供するように患者の皮膚に「貼り付く」能力にある程度頼っている。従って、シリコン封止が皮膚の表面に沿って接線方向に動くときに、強制的に歪み完全に皮膚から外され、封止するために位置するように設計された形状を回復するように、顔面に対して通常通りに付け直される。すなわち、シリコン封止は、インターフェースを付け直す必要を生じさせるずれまたは大きい動きの際に突然漏出し、呼吸可能な発泡体インターフェースは、歪んだ形状から(例えば、インターフェースに対する顔面の動きから)回復するように発泡体インターフェースを患者の顔面上に付け直す必要なしに、簡単にそのインターフェース特性を取り戻すことができるインターフェースを提供する。これもまた、インターフェース及び/または封止のための膜の仕組みに頼らないインターフェースを有する結果である。インターフェースの断面の幅は、典型的には、膜の厚さより大きい程度(0.35〜1.0mmと比べて、好ましくは5〜12mm、更に好ましくは8〜10mm)にすることができる。そのより大きい幅により、インターフェースがより大きい面積にわたって患者の顔面と係合することが可能になり、従って、患者の顔面上での移動または表面の不規則性のため、インターフェース機構で局所的な分離にそれほど影響されやすくはない。更に、発泡体インターフェースの切断面は、顔面に押し付けられるときは表面全体にわたってより低い張力を伝達し、顔面上で移動するときに漏出を受けやすいシリコン膜の封止の運動性の封止性能を改善する。
【0215】
代替の実施形態では、発泡体インターフェースは、被覆した表面を有することができ、その被覆した表面は、被覆していない切断面を有する発泡体インターフェースと同様の効果を提供するように、透過性でよい。例えば、被覆した表面は、呼吸可能性ポリウレタンの外皮、透過性を可能にする膜、テクスチャード加工面、スプレーで吹き付けた多孔質被覆、穿孔した外皮、及び/またはテキスタイルの形態でよい。他の例では、図13−8に示すように、発泡体インターフェース80は、被覆した表面SSを有することができ、通気口81は、発泡体内部から外気まで延びて、透過性を可能にすることができる。
【0216】
図14−2は、本発明の実施形態による発泡体インターフェースの特性を示すグラフである。図示のように、発泡体インターフェースを、(圧縮と拡張の両方の)インターフェースにかかる力が増大するにつれて漏出が減少するように構成することができる。また、患者の顔面から離れる方への移動による漏出の流れの分離が最小限になる。
【0217】
2.9 コンプライアンス
発泡体インターフェースは、シリコン及び当技術分野で知られた他の材料でできたインターフェースと比べると、非常に広範囲の顔面形状を受け入れることができる、(機械的な)コンプライアンスの性質を有する。こうした構成は、患者の人数に合わせるために、必要な寸法の数を統合する可能性を見込んでいる(例えば、場合によってはフリーサイズのインターフェース)。
【0218】
バルク材に機械的コンプライアンスがあるので、発泡体による封止材は、発泡体ではない封止材と比べると、より広い範囲の顔面形状に簡単に適合する。
【0219】
コンプライアンスを定量化することができる一手法は、所与の直径の円柱の周りにバルク材が巻きつく範囲を測定することによる。より具体的には、バルク材が円柱に巻きつく角度を、円柱の長手方向軸に対して測定することができる。
【0220】
本発明の実施形態による好ましい形態は、切断した、すなわち被覆していない患者との接触面を有し、厚さが8mmと14mmの間であり、密度が40kg/立方メートルと70kg/立方メートルの間である。
【0221】
すなわち、発泡体インターフェースは、優れた機械的コンプライアンスを提供することができ、界接する領域が複雑でなくなることや人体測定の差の程度が小さくなることと共に、(例えば、従来の鼻用及び全顔面用インターフェースと比較すると)インターフェースに優れた適合性の品質を与える。発泡体は、インターフェースを損傷する(例えば、歪ませる、皺にする)ことなしに、また、患者を不快にすることなしに(例えば、顔面に、より小さくより均一の圧力)、適切な寸法及び形状に変形(例えば、局所的に変形)することができる。更に、コンプライアンスの高い発泡体は、具体的には、シリコンインターフェースと比べると、所与の形状(例えば、寸法)に関して、より幅広い人口に合い界接する。更に、発泡体インターフェースの機械的なコンプライアンスにより、患者とのインターフェースの設計をヘッドギアからのストラップの張力に頼らないものにすることができる。一実施形態では、患者とのインターフェースを、空気送達及び安定化システム(例えば、ヘッドギア)によって適合させることによって患者の顔面に適合させることができ、次いで、調節を正確にする必要なく、インターフェースが患者の鼻への進路を見つけることを可能にする。すなわち、発泡体インターフェースは、不正確な装着をうまく吸収する。
【0222】
発泡体のコンプライアンスの性質は、インターフェースを損傷することなく、また、患者に不快さを加えることなく(例えば、最初の装着の際または睡眠中に患者が動くかまたは寝返りをうつときに)発泡体が患者の顔面に速く適合することも可能にする。すなわち、発泡体は、位置合わせ不良に対する許容がより大きい。
【0223】
2.10 加温
発泡体インターフェースは、例えば、寒い夜に毛布の中で呼吸するのと同様の、息を吐くときに患者の鼻孔に温かい感覚を与えることができる。この仕組みは、鼻プロングまたは鼻枕インターフェースの一部のユーザが経験する「凍結した鼻(frozen nose)」の影響を低下させる。一実施形態では、発泡体インターフェースは、患者の顔面の他の領域に温かい感覚を与えるために、患者の顔面の横に沿って、例えば、空気送達チューブと口の近くまたは口から延長した患者の頬の間の上側頬領域に沿って延びる、延長側方部分を含むことができる。
【0224】
2.11 層
一実施形態では、インターフェース構造は、より堅い構造に取り付けられた柔軟な発泡体、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている特許文献4に記載されている円筒形の支持体等、壁厚約1.5mmのショアAが40のシリコンシェルを含むことができる。
【0225】
他の実施形態では、インターフェース構造は、各層が特定の機能を提供する複数の層を含むことができる。例えば、図17−1は、4つの機能上の層を含むインターフェース構造を概略的に示す。第1の層L1は、患者の顔面及び/または鼻の皮膚に対して快適な封止を提供するように構成された皮膚接触層を表す。第2の層L2は、患者の鼻の解剖学的構造に簡単に適合するように構成された、適合層を表す。第3の層L3は、(L1及びL2層の柔軟性により、荷重状態の下で十分な自己支持をすることができないので)その全体的な形状を保持するためにインターフェースを支持するように構成された形状保持層を表す。第4の層L4は、インターフェース構造を患者とのインターフェース、例えば、フレーム、シェルに保持/取付けするように構成された、保持/取付け層を表す。
【0226】
単純にするために、できるだけ少ない物理的な層または構成要素によって、すべての機能が提供されるようになる。例えば、皮膚接触層L1及び適合層L2の機能を、皮膚上の快適な感触と鼻の下側の周りに適合する適切なプラッシュ(plush)の圧縮特性の両方を含む1つの材料によって提供することができる。他の例では、L3層の補強機能及びL4層の取付け機能を、(L4)取付け機構によって、且つ/または機能上の層を一緒に接合するために使用される下地(例えば、接着剤)によって提供することができる。
【0227】
図13−1及び図13−2に示す発泡体インターフェース等の一実施形態では、切断セル状構造を有する発泡体インターフェース80が、第1及び第2の層L1、L2の機能を提供することができ、(例えば、シリコン製の)円筒形の支持体82が、第3の層L3の機能を提供することができ、フレームに取り付けるためのループ材が、(以下で説明する)第4の層L4の機能を提供することができる。
【0228】
他の実施形態では、形状保持層であるL3は、インターフェースを手で変形させてより効果的で快適な形状にすることができるように、可鍛性の材料(例えば、アルミニウム線)を含むことができる。
【0229】
代替の実施形態では、第1の層、すなわち皮膚接触層L1を、例えば、快適性、把持、代替の吸水性、及び/または代替の通気性のために、フロック加工してもよく、テキスタイル(または他の適切な呼吸可能な材料)で覆ってもよい。
【0230】
2.12 取付け機構
図示の実施形態では、インターフェース構造20は、空気送達及び安定化システム30とは別個の構成要素である。従って、インターフェース構造を空気送達及び安定化システムに(例えば、着脱可能に)固定するために、取付け機構が提供される。上述のように、取付け機構の一部分は、インターフェース構造の保持層L4を形成することができる。
【0231】
2.12.1 一般的な物理的要件
インターフェース構成要素は、典型的には、患者とのインターフェースの残りの部分とは別個の構成要素である。それには、多くの理由があり、インターフェースの形状が通常は複雑であり患者とのインターフェースの他の構成要素と組み合わせて製造することが難しいこと;インターフェースは、通常、人体測定の大きい差を吸収する必要があり、従って、全範囲の差をカバーするために、いくつかの交換可能なインターフェースの寸法が存在すること;インターフェースは、その寿命の間に何度も洗浄する必要とすることがあり、それを着脱可能にすることにより、より徹底的な洗浄が可能になり、洗浄を簡単な作業にすること;及び/またはインターフェースは、患者とのインターフェースの残りの部分より頻繁に取り替えられ、取り替えるために着脱可能にする必要があることを含む。
【0232】
取付け機構は、特に、患者の年齢並びに知的及び身体的な能力が様々である可能性を考えると、患者が行うすべての組立て及び分解作業をできるだけ簡単にすべきであるように構成される。
【0233】
組立てを簡単にするために、設計において方向、配列、及び力の要素が検討される。一実施形態では、インターフェースは、(例えば、機能上の正しい取付けができるだけ多くの異なる(例えば、2つの)方向で可能になる)できるだけ小さい非対称性、取付け方法に関する直感的なきっかけ(例えば、自動整列または自動方向決め))、扱いにくくない(例えば、器用さを最低限にしか必要としない)寸法、形状、及びテクスチャー、整列不良に対する許容、組立てのためのできるだけ小さい力、及び/または分解のためのできるだけ小さい力を含む。機構からフィードバックされる力は、通常、ユーザに、組立てが完了したこと及びそれが正しいことを示すことができる。組立てに要する力はできるだけ小さくしながら、正確な組立ては患者に明確であるべきである。
【0234】
組立ての力が非常に低い場合は、分解の力は、意図しない分解が起きないことを確実にするために、組立ての力より大きくすべきである。分解の力は、インターフェース構成要素または患者とのインターフェースの他の構成要素に損傷を与えるリスクに応じて、高すぎないようにすべきである。
【0235】
患者とのインターフェースのフレームへのインターフェースの取付けは、空気漏れがないように(例えば、封止する)または治療の圧力の範囲を超える知られた量の少ない空気漏れになるようにすべきである。
【0236】
一実施形態では、図17−2に示すように、発泡体インターフェース80をベースBに提供することができ、そのベースBは、発泡体インターフェースをフレームFに保持するように適合される。図示のように、ベースBは、フレームへの入口より十分に長く(例えば、長さDはフレームの入口の長さdより長く)、そのため、ベースBはフレームFに提供された入口を通りスロットS中に弾性的に押し込まれ且つ/または単純に操作され、そこで動作位置に保持される。
【0237】
他の実施形態では、図17−3Aから図17−3Cに示すように、機械的な干渉式の取付け機構は、インターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けることができる。図示のように、ベースB(例えば、堅い積層板)を、(例えば、発泡体インターフェース180の形態の)インターフェース構造の下側に提供することができ、取付け構造ATを、患者とのインターフェースのフレームに提供することができる。
【0238】
図示のように、フック部分HPが、取付け構造ATの内側縁部から延びる。使用の際には、ベースBは、フック部分HPの上から、弾性的に伸び且つ/または単純に操作され、そこで、例えば、機械的な締まり嵌めで動作位置に保持される。図17−3Cに示すように、不意に外れることを防止するために、フック部分HPの自由端185は、ベースBの内側縁部に覆いかぶさる。
【0239】
また、フック部分HPの自由端185は、封止を提供するために発泡体インターフェース180に押し付けられる内部リップを提供する。従って、ベースB及び取付け構造ATは、インターフェース構造とフレームの間の取付けと外周の封止の両方を提供する。
【0240】
図示の実施形態では、ベースB及び取付け構造ATはそれぞれ、全体的に平坦な構成を有し、ベースB及び取付け構造ATのプロフィルは、インターフェース構造の下面のプロフィルと実質上同様であり、例えば、細長い形または楕円形である。
【0241】
図示のように、ベースB及び取付け構造ATの外側縁部は、発泡体インターフェース180の下面の外側縁部と実質上位置合わせされる。取付け構造ATの内側縁部は、例えば、フック部分HPによって、発泡体インターフェース180の下面の内側縁部よりわずかに外側にすることがある。
【0242】
しかし、他の適切な外周の境界が可能である。例えば、インターフェース構造の下面のベースB及び取付け構造ATの範囲は、下面の形状プロフィルの内側及び外側縁部と同じでもよく、それより内側でも外側でもよい。一実施形態では、ベース及び取付け構造は、使用中にベース及び取付け構造が患者の上唇と接触するのを防止するために、下面の外側縁部に対して内側にすることができる。
【0243】
機械的干渉のタイプの取付け機構は、他の適切な構成を有することができる。例えば、機械的干渉のタイプの取付け機構は、スリーブ部分を有する内部リップ、角度部分を有する内部リップ、単一の補強層を有する外部リップ、2重の補強層を有する外部リップ、単一の発泡層を有する押込み嵌め(push-in fit)、2重の発泡層を有する押込み嵌めを含むことができる。
【0244】
他の実施形態では、接着剤タイプの取付け機構が、インターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けることができる。例えば、インターフェース構造を患者とのインターフェースのフレームに着脱可能に取り付けることを可能にする接着剤(例えば、感圧性接着剤(PSA、pressure sensitive adhesive))を、(例えば、発泡体インターフェースの形状の)インターフェース構造の下面に提供することができる。
【0245】
一実施形態では、下面及びそれに提供される接着剤(例えば、PSA)は、全体的に平坦な構成を有することができる。他の実施形態では、下面及び接着剤は、第1の方向に沿った湾曲をもたらすことができる。他の例示的な実施形態では、ベース及び接着剤は、心合わせ動作により2つ以上の方向に沿った湾曲、例えば、鞍の形状をもたらすことができる。
【0246】
インターフェース構造の下面の接着剤の範囲は、下面の形状プロフィルの内側及び外側縁部と同じでもよく、それより内側でも外側でもよい。一実施形態では、製造を簡単にするために、接着剤をプロフィルの縁部に合わせることができる。他の実施形態では、接着剤は、使用中に患者の上唇と接着剤が接触するのを防止するために、下面の外側縁部の内側にすることができる。
【0247】
他の実施形態では、インターフェースの耐用期間を操作するように取付け機構を構成することができ、例えば、取付け機構が所定の時間で働かなくなり、従って、インターフェースの取替えを必要とする。
【0248】
他の実施形態では、インターフェースが使用中にフレームと患者の顔面の間に挟まれるときに、大型の取付け機構を提供しなくてよい。
【0249】
2.12.2 フック及びループ材
一実施形態では、取付け機構は、フック及びループ材の形態、例えば、ベルクロ(商標)でよい。例えば、フック材を、フレームに提供することができ、ループ材、例えば、切れ目のないループ(UBL、UnBroken Loop)を、インターフェース構造の下側またはベースに提供することができる。例えば、ループ材を、円筒形の支持体82の下面に、例えば、接着剤によって提供することができる。
【0250】
フック及びループ材のこうした構成は、逆にしてもよいが、インターフェースが非常に頻繁に取り替えられることに照らして、フック及びループ材の耐久性のない方、すなわち、ループ材がインターフェース構造に取り付けられることが好ましい。フック及びループスタイルの取付け機構により、組立て/分解のために非常に小さい力しか必要としない、直感的な組立てが可能になる。
【0251】
フック及びループのインターフェースは、典型的には、気密ではない。従って、本発明の実施形態によるフック及びループのインターフェースは、組立て動作の間に定義された範囲内で再現可能である、周知の少量の漏れを含むことができる。
【0252】
代替の実施形態では、取付け及びインターフェース/フレーム間の封止の働きを別々に行うことができる。例えば、取付けを行うために、フック及びループのインターフェースを使用することができ、封止を行うために、柔軟で変形可能な閉ループ線状インターフェースを使用することができる。フック及びループのインターフェースは、インターフェース構造とフレームの間の取付けを行うことができ、そうする際に、インターフェース/フレーム間の構成の両側で、ループ材を柔軟な円周の封止材に押し付ける垂直の力を提供する。インターフェース構造は、フレームに提供されたフック材の上またはそれに隣接して位置することができる。
【0253】
他の実施形態では、インターフェースまたはループ材を押し付ける封止の代わりに、ループ材は、それに対して働くために界接または封止するための対応する平滑なゴム/プラスチック表面を有することができる。
【0254】
例示的な実施形態では、インターフェース構造は、1枚の発泡体材料(例えば、発泡体材料のスラブ材またはブロック(例えば、1m×0.5m×2mのブロック))を準備し、フック材を発泡シートに積層またはそうでない場合は取り付け、発泡シートをダイカットして所望の形状のインターフェース構造を形成することによって形成することができる。
【0255】
図17−4Aから図17−4Cは、インターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるように構成された、フック及びループタイプの取付け機構(例えば、ベルクロ(商標))の他の実施形態を示す。図示のように、(例えば、発泡体インターフェース180の形態の)インターフェース構造の下面にループ材LPを提供することができ、フック材HKを、患者とのインターフェースのフレームに提供することができる。フック及びループ材の配置は逆にすることができることを理解されたい。
【0256】
図示のように、封止リップSLが、フック材HKの内側縁部から延びる。使用の際には、フック及びループ材は、互いに着脱可能に係合し、それにより、ループ材LPが封止リップSLに押し付けられて、封止を提供する。従って、フック及びループタイプの取付け機構は、インターフェース構造とフレームの間に取付けを提供し、封止リップSLは、インターフェース構造とフレームの間の円周の封止を提供するために変形可能である。
【0257】
図示の実施形態では、フック及びループ材HK、LPはそれぞれ、全体的に平坦な構成を有し、フック及びループ材HK、LPのプロフィルは、インターフェース構造の下面のプロフィルと実質上同様であり、例えば、縦長または楕円形である。
【0258】
図示のように、フック及びループ材の内側及び外側縁部は、発泡体インターフェース180の下面の内側及び外側縁部と実質上整列する。すなわち、フック及びループ材の外周の境界は、例えば、製造を容易にするために、インターフェースの下側の形状プロフィルの縁部と合わせることができる。
【0259】
しかし、他の適切な外周の境界が可能である。例えば、インターフェース構造の下面のフック及びループ材の範囲は、下面の形状プロフィルの内側及び外側縁部と同じでもよく、それより内側でも外側でもよい。一実施形態では、フック及びループ材は、使用中にフック及びループ材が患者の上唇と接触するのを防止するために、下面の外側縁部に対して内側にあってよい。
【0260】
フック及びループタイプの取付け機構は、他の適切な構成を有することができる。例えば、フック及びループ材は、封止リップなしの上述の構成等、平坦な構成を提供することができる。他の例示的な実施形態では、フック及びループ材は、第1の方向に沿った湾曲を提供することができる。他の例示的な実施形態では、フック及びループ材は、第1の方向に沿った湾曲及び上述のような封止リップを提供することができる。他の例示的な実施形態では、フック及びループ材は、心合わせ動作により2つ以上の方向に沿った湾曲、例えば、鞍の形状を提供することができる。
【0261】
2.12.3 低保持力のスナップ嵌合
図18−1から図18−3は、本発明の他の実施形態による、鼻下との発泡体インターフェース380をフレーム322に接合する方法を示す。この実施形態では、鼻下とのインターフェース380は、スナップ嵌合でフレーム322に取り付けることが可能になる構造を含み、その連結は、その強度のために鼻下とのインターフェース380とフレーム322の間の摩擦及び/または機械的なかみ合いを当てにしている。その結果生じた接合部は、強度が制限されることになるが、その接合部の位置により、患者とフレームの間の力が接合部を強化するのを助けることが可能になる。
【0262】
図18−1及び図18−2に示すように、フレーム322は、使用中に患者の顔面の輪郭をたどり、且つ/または患者の顔面形状に適合することができるように、その長さに沿って湾曲した全体的にチューブ状の構造を含む。図18−2及び図18−3に示すように、鼻下とのインターフェース380は、スナップ嵌合でフレーム322に取り付けることができるように構成される。具体的には、鼻下とのインターフェース380の裏には、チューブ状のフレーム322の一部分をその中に受けるように適合された長手方向軸に沿った溝387がある。溝387の1つまたは複数の面及び/または縁部は、摩擦嵌め及び/または機械的なかみ合い嵌合でフレーム322に係合するように適合される。また、鼻下とのインターフェース380の端部はそれぞれ、その長さに沿って湾曲するときに、フレーム322の端部分をそれぞれ受けるように適合された弓形の切り欠き389を含む。
【0263】
2.12.4 PSAを伴うスナップ嵌合
他の実施形態では、鼻下とのインターフェースまたは発泡体インターフェースを、感圧性接着剤(PSA)によってフレームに接合することができる。図19−1から図19−3は、本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースの裏にPSAを塗布するための製造工程を示す一連の図である。図19−1は、処理されていない鼻下とのインターフェース480を示し、図19−2は、PSA485が塗布された後の鼻下とのインターフェース480を示し、図19−3は、着脱可能なバッキング486を鼻下とのインターフェース480上のPSA485に貼った後の完成したサブアセンブリを示す。
【0264】
鼻下とのインターフェース480は、図18−1から図18−3に示すのと同様にして、例えば、スナップ嵌合で組み立てられる。逆に、バッキング486は、PSA485を露出するために、組立ての前に、鼻下とのインターフェース480から取り外される。その結果得られた接合部は、PSA485により接合部の強度が向上するようになる。PSAを選ぶときは、PSAは、フレームより鼻下とのインターフェースによく接着するように構成されるべきである。すなわち、PSAの粘着力は、好ましくは接着力より高い。こうした構成により、例えば、洗浄または取替えのために鼻下とのインターフェースをフレームから引き離すときに、PSAがフレーム上ではなく鼻下とのインターフェース上に残ることが可能になる。
【0265】
2.12.5 溝またはアンダーカットを伴うスナップ嵌合
図20−1から図20−3は、本発明の他の実施形態による鼻下とのインターフェースまたは発泡体インターフェース580をフレーム522に接合するための方法を示す。この実施形態では、鼻下とのインターフェース580は、その両側に溝またはアンダーカット595を含み、それらの溝またはアンダーカット595は、例えば、スナップ嵌めで、フレーム522に備えられた突起部596とそれぞれ嵌め合うかまたはかみ合うように適合される。その結果生じる接合部は、例えば図18−1から図18−3に示す接合部に対して、向上した接合部強度を有することになる。
【0266】
代替の実施形態では、鼻下とのインターフェースは、複合型のスナップ嵌合構成を提供することができる。例えば、図20−4から図20−7は、本発明の実施形態による複合型の鼻下とのインターフェースを形成するための製造工程を示す一連の図である。図20−4では、患者とのインターフェースを提供する第1の側部と、間隔をあけて配置されたプラットフォーム1293を提供する第2の側部とを有する、粘弾性の発泡体部分1291が形成される。図20−5では、溝またはアンダーカット1295をそれぞれ有する連結部分1297が形成される。連結部分1297は、粘弾性の発泡体部分1291よりずっと弾性及び構造を有する材料、例えば、高密度の発泡体、TPE、TPから構築される。図20−6では、接着剤1285、例えば、ホットメルト接着剤が、発泡体部分1291のプラットフォーム1293それぞれに塗布される。従って、図20−7に示すように、連結部分1297は、複合型の鼻下とのインターフェース1280を組み立てるために、接着剤1285によって発泡材部分1291のプラットフォーム1293それぞれに取り付けられる。使用の際には、複合型の鼻下とのインターフェース1280を、図20−1から図20−3で説明したフレーム等のフレームに取り付けることができ、例えば、溝またはアンダーカット1295がフレーム上に備えられた突起部それぞれとかみ合う。複合型の鼻下とのインターフェース1280は、単独の粘弾性の発泡体より接合部強度が高くなるように構成された連結部分1297を提供する。複合型の鼻下とのインターフェースを作るために他の適切な製造工程を利用してよいことを理解されたい。
【0267】
他の実施形態では、インターフェースの発泡体が、フレームまたはシェルの受取りチャネル中で受けられることが可能になるように取付け機構を構成することができる。この場合の封止及び保持は、発泡体とフレームまたはシェルのチャネルとの間の締まり嵌めを当てにしている。その非常に柔軟なインターフェースの発泡体は、好ましくは積層またはそうでない場合は接合されて、より硬くより稠密な発泡体(または他の構造)を形成し、それにより、チャネルと係合したときにより大きい締まり嵌めの力がもたらされる。
【0268】
他の実施形態では、取付け機構を、柔軟なインターフェースの発泡体の下側に接着した剛性または半剛性の構成要素によって実現することができる。剛性/半剛性の構成要素を、例えば、フレーム中/上にクリップ留めされた、数箇所の機械的な締まり嵌めを提供するように構成することができる。
【0269】
2.12.6 磁石装置
代替の実施形態では、取付け機構は、フレームとインターフェース構造を磁力で結合するために、磁石装置を含むことができる。
【0270】
2.13 構造上のコンプライアンス
2.13.1 背景
鼻の周りの局所解剖学は、急な勾配と、それらの勾配の間にとがった移行部を有する。インターフェースを最も効果的にするためには、インターフェースを実現する、例えば、封止するために、すべての表面と面一になる必要がある。弾性が低い構造により、インターフェース、例えば、テキスタイルインターフェースを実現しながらも、快適性を最大にすることができる。しかし、テキスタイルのインターフェースは、典型的には非常に薄く(例えば、2mmより薄く)、それ自体でコンプライアンスを追加するために必要な特性を提供することができない。テキスタイルインターフェースが患者の顔面に沿うためには、支持構造が必要である。しかし、支持構造はテキスタイルインターフェースに限定されず、すなわち、いくつか例を挙げると、発泡体及びシリコンインターフェースも支持構造から利益を得る。
【0271】
2.13.2 可撓性フレーム
一実施形態では、インターフェースを、可撓性の材料から作られたフレーム、例えば、射出成形されたシリコンフレーム上に取り付けることができる。フレームの端部はそれぞれ、各チューブ42に取り付けられる。患者の顔面に対して引っ張ると、可撓性のフレームは、患者の顔面に適合し、例えば、患者の鼻をはさむことなしにその周りを包み込むことができる。
【0272】
フレームを、異なる堅さを有する材料から構築することができる。フレームがシリコンから構築される場合は、単に異なるショア硬度を有するシリコンを使用するだけでこうした構成を実現することができる。
【0273】
例えば、図21−1から図21−3は、本発明の実施形態による鼻下とのインターフェース680及び通気口627を支持するためのフレーム622を示す。図21−2及び図21−3に最も良く示すように、フレーム622の(より暗く示した)中心部分Cは、フレーム622の側部Sより堅い。
【0274】
こうした配置により、フレーム622の中心部分Cより可撓性がある側部Sがもたらされる。図21−3に示すように、フレーム622に加えられる力が増大するにつれて、側部Sのたわみは、中心部分Cのたわみより大きくなる。その結果、フレーム622は、患者の鼻をはさまず、中心部分Cは、インターフェースが鼻孔を閉塞することを防止するために、比較的直線のままである。更に、より堅い中心部分Cは、患者の鼻の正面にある導管を、使用中に確実に開いた状態に維持する。
【0275】
図22−1は、本発明の他の実施形態による可撓性のフレーム722を示す。この実施形態では、フレーム722は、鼻下とのインターフェース、例えば、取替え可能な発泡体鼻下とのインターフェース及び通気口に係合するように適合された開口部722.1及び722.2を含む、成型された発泡体の導管でよい。フレーム722の端部は、任意の適切な様式で各チューブ42に取り付けることができる。
【0276】
2.13.3 ばね要素を有する可撓性フレーム
他の実施形態では、上述のような可撓性のフレームが、快適性を向上させるためにばね要素を含むことができる。例えば、図23−1は、フレーム822に提供されたばね要素828及びインターフェース880を含む可撓性のフレーム822を示す。ばね要素828は、熱可塑性エラストマー(TPE、thermoplastic elastomer)または金属(例えば、ポリカーブ、ニチノール等)でよい。図示の実施形態では、ばね要素828は、フレーム822に沿って水平に取り入れられる。しかし、他の適切な配置が可能である。使用の際には、ばね要素828は、空気送達及び安定化システム30、例えば、チューブ42によって与えられた力を打ち消すように構成される。ばね要素は、患者に取り付けるときにフレーム822の半径を効果的に拡大する。
【0277】
一実施形態では、ばね要素は、k値がその長さにわたって変わる可変のばね要素をすることができる(例えば、図23−2のグラフ参照)。図示のように、ばね要素は、ばね要素の中間部が比較的堅く、ばね要素の端部が比較的ゆるくなるような、概ねベル型曲線の構成に似たk値を有することができる。こうした構成は、患者の曲率にうまく合わせることができるので有利になることがある。例えば、インターフェースが鼻下タイプのインターフェースの場合、比較的堅いばねをフレームの中間部に提供することができ、次いで、フレームが鼻孔の中心から離れる方に移るにつれてゆるくなるばねを提供することができる。
【0278】
更にコンプライアンスを高めるために、ばね要素とインターフェースの間に、弾性の低い発泡体を追加することができる。例えば、図23−3は、弾性の低い発泡体956と、中間の密度の発泡体957と、例えば、ニチノールから構築されたばね要素929を有するフレームに提供されたインターフェース980を示す。
【0279】
2.14 排気
一実施形態では、呼吸可能な発泡体インターフェースは、必要な体積のCOの除去または排気を行うことができ、それにより、別々のCO除去用の排気口の必要性をなくすことができる。更に、呼吸可能な発泡体インターフェースは、排気を静かにするかまたは拡散する機能を提供することができる。従って、呼吸可能な発泡体インターフェースは、例えば、封止及び排気の2重の目的を有する単一の構成要素を提供することができる。しかし、例えば、結露が呼吸可能な発泡体インターフェースの1つまたは複数の呼吸可能な部分をふさぐことがあるので、COの排気口を、発泡体インターフェースと一緒に使用してよい。CO排気穴からの空気の排気は、排気の流れから騒音を拡散し低減する手段として発泡体の中を通ることができる。
【0280】
例えば、発泡体インターフェースを支持するフレームまたは支持体は、CO除去のための1つまたは複数の排気穴を含むことができる(例えば、図1−8、図2−1、及び図18−1参照)。
【0281】
また、図24−1は、排気を行うリジダイザ1098を含む発泡体インターフェース1080を示す。リジダイザ1098は、排気のための穴1099を含む剛性/半剛性の裏当て部品の形態でよい。図示のように、発泡体インターフェース1080は「ブーメラン」形を有する。発泡体の半多孔性及び「ブーメラン」形の延長アームにより、発泡体がオリフィスから外に絶えず出てくる非常に少量の拡散空気流を有するので、患者の皮膚が発泡体の下で呼吸することが可能になる。
【0282】
更に、代替の実施形態では、発泡体インターフェースを支持するフレームまたは支持体は、例えば、酸素を補給し且つ/または圧力/湿度データを収集するために、1つまたは複数の補助的な穴を含むことができる。
【0283】
2.15 代替のインターフェース構成
インターフェース構造が他のインターフェース構成を有することができることを理解されたい。すなわち、発泡体インターフェースのタイプは、単なる例示に過ぎず、発泡体インターフェースを、例えば、鼻を覆うインターフェース、鼻クッション、口、全顔面、鼻プロング等、他の適切なインターフェースのタイプと共に使用するように適合することができる。例えば、図25−1は、使用時に患者の口に界接または封止するために、例えば、発泡体から構築された、鼻下とのインターフェース1180及び口とのインターフェース1181を含む、患者とのインターフェース1110の一実施形態を示す。
【0284】
2.16 発泡シリコン
上述のような粘弾性の発泡体(例えば、ポリウレタン)を使用する代わりに且つ/またはそれに加えて、患者とのインターフェースの様々な構成要素を、少なくとも部分的に、発泡したシリコン、すなわち、発泡シリコンから構築することができる。すなわち、構成要素の1つまたは複数の部分を、発泡シリコンから構築してもよく、構成要素全体を発泡シリコンから構築してもよい。
【0285】
例えば、患者とのインターフェースの前頭部サポートのための前頭部パッドは、前頭部パッドをフレームに連結するように適合された軸またはコネクタと、患者の前頭部と接触するように適合された患者接触パッド部分とを含む。一実施形態では、軸を、非発泡シリコン(例えば、LSR)から構築することができ、患者接触パッド部分を、発泡シリコンから構築することができる。
【0286】
他の例では、患者とのインターフェースのクッション及び/または患者とのインターフェースに連結された導管を、部分的にまたは全体的に発泡シリコンから構築することができる。
【0287】
発泡シリコンは、異なる「感触」及び/または異なる連結特性を有する、各構成要素を提供することができる。
【0288】
例えば、発泡シリコンは、軽量;魅力的な肌触り、快適性;少ない材料を使用する;不透明または透明;構成要素を長持ちさせ取替え頻度を低くするために洗浄可能(例えば、独立気泡の割合が十分高い場合);所与の厚さまたはデュロメーターにおいてより柔軟性がある;低い伸張性及び引裂き抵抗;表面特性を変えることができる(例えば、外皮を有する);空気/生物物質の不浸透性;経年変化に伴う封止特性の耐久性(例えば、オイル/グリース吸収度);及び/または表面が呼吸可能で本体が不浸透性の特徴のうち1つまたは複数を提供することができる。
【0289】
3.既知のマスクへの適用
当業者には明らかであるように、本発明の1つまたは複数の態様または特性を、使用のために適合し、且つ/或いは既知のマスクの実施形態及び/または構成要素に組み込むことができる。
【0290】
3.1 Respironics社のComfortCurve(商標)
図26−1は、Respironics社によってComfortCurve(商標)という名で市販されている既知のマスク1500を示し、このマスクの1つまたは複数の部分は、2005年11月24日発行の特許文献5に記載されている。図示のように、マスク1500は、フレーム1502と、フレーム1502に取り付けるために提供され使用中に患者の鼻と封止を形成するように適合されたクッション1504と、使用中にクッション1504を支持するためにフレーム1502に提供されたチークパッド1506と、フレーム1502に提供され患者に呼吸に適した気体を送達するように適合されたインレットチューブ1508と、患者の顔面の所望の位置にマスク1500を維持するためにフレーム1502に着脱可能に取り付けられたヘッドギア1505とを含む。
【0291】
3.1.0 改良形態/代替の構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を説明する。
【0292】
3.1.1 発泡体の封止
ComfortCurve(商標)マスクは、シリコン材料から構築されたクッションを含む。代替の実施形態では、図26−2に示すように、クッションは、発泡体材料Fから構築された発泡体クッション1504Fでよい。発泡体材料Fは、例えば、粘弾性、被覆しない等、上述の1つまたは複数の発泡体の特性を含むことができる。
【0293】
こうした実施形態では、フレーム取付け機構またはクリップ1507を、ベース基部として維持することができ、発泡体材料Fをクリップ1507に取り付けることができる。このような構成により、ComfortCurve(商標)マスクの現行のフレームに発泡体クッションを着脱可能に取り付けることが可能になる。
【0294】
一実施形態では、図26−3に示すように、発泡体クッション1504Fは、使用中に患者の顔面に対して引っ張られるときに、発泡体材料Fが患者の鼻の周りを包み、且つ/または患者の顔面に適合することができるように、フレーム1502の側部に沿って(例えば、チークパッド1506の位置に)延びることができる。
【0295】
一実施形態では、発泡体クッション1504Fは、複数の層を含むことができ、例えば、高密度の発泡体から構築された第1の層と、患者の顔面と係合するように適合されたよりコンプライアンスの高い発泡体から構築された第2の層を含むことができる。
【0296】
他の実施形態では、図26−4に示すように、ComfortCurve(商標)クッション1504は、患者の顔面と係合するように適合された接触面上に、発泡体または布地層FLを備えることができる。発泡体または布地層FLを、例えば、発泡体をフロック加工のようにスプレーで吹き付ける、布地をクッションに接着する等、適切な様式でクッションに提供することができる。発泡体または布地層FLは、快適性、感触、及び/または柔軟性を改善することができ、水分を吸い上げる特性を提供することができる。
【0297】
3.1.2 導管ヘッドギア
ComfortCurve(商標)マスクは、患者の顔面上の所望の位置にマスクを維持するために、布地タイプの材料から構築されたヘッドギアを含む。代替の実施形態では、図26−5に示すように、ヘッドギアを、圧潰可能な導管1540と取り替えるかまたはそれと組み合わせることができ、その圧潰可能な導管1540は呼吸に適した気体を送達し患者の顔面上でクッションインターフェースを安定させるように適合される。その導管1540は、例えば、患者の顔面に調和する部分的または完全に圧潰可能な断面の外形等、上記の1つまたは複数のチューブの特性を含むことができ、導管1504は、リジダイザを含むことができる。
【0298】
3.1.3 チューブの経路設定
他の実施形態では、図26−6に示すように、インレットチューブ1508の経路を、例えば、フレームから下に吊り下がるのではなく患者の頭頂部に向けて上方へ、ヘッドギア1505を介して設定することができる。
【0299】
こうした実施形態では、安定性を改善するために、ヘッドギアに支持部材を提供することができる。例えば、ワイヤ部材(例えば、マグネシウムワイヤ)を、フレームから患者の頭頂部まで延びるヘッドギアストラップに提供することできる。
【0300】
3.1.4 ヘッドギアストラップ上の柔軟な材料
他の実施形態では、図26−7に示すように、ヘッドギア1505の1つまたは複数のストラップは、快適性を向上させるために、例えば、発泡体またはゲルから構築された、比較的柔軟なカバー、ソックス、またはパッド1509を含むことができる。
【0301】
3.1.5 チークパッドに取り付けられたインレットチューブ
他の実施形態では、図26−8に示すように、チークパッド1506は、膨張可能でよく、インレットチューブ1508を、使用中にチークパッド1506を膨張させるために、チークパッド1506に取り付けるかまたはそうでない場合は連通させることができる。このような構成を、上述の導管ヘッドギアと一緒に使用するように適合することができる。
【0302】
また、一実施形態では、チークパッドは、空気がインレットチューブからクッションの空所とチークパッドの両方に流れるように、クッションと流体連絡することができる。
【0303】
3.1.6 フレーム/ヘッドギアの内側に沿ったインレット配管
他の実施形態では、インレットチューブは、患者の顔面の外側に沿うのではなく、フレーム及び/またはヘッドギアの内側に沿って(例えば、患者の顔面に隣接して)延びることができる。
【0304】
3.1.7 鼻翼及び鼻唇角の収容
他の実施形態では、クッションを、患者の鼻の鼻翼及び鼻唇角を収容するように構成することができる。
【0305】
3.1.8 チークパッドの排除
他の実施形態では、チークパッドをなくすことができる。こうした実施形態では、図26−9に示すように、安定性を改善するために、ヘッドギア1505の1つまたは複数のストラップにヨークまたはリジダイザ1511を提供することができる。例えば、リジダイザをResMed社のVISTA(商標)及びSWIFT(商標)マスクに提供されるものと同様に構成することができる(例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、特許文献6及び特許文献4参照)。
【0306】
一実施形態では、リジダイザ1511、フレーム1502、及びインレットチューブ1508に関連する入口ポート1514を、一体の1部片構造として形成することができる。
【0307】
他の実施形態では、チークパッドをなくすことができ、安定性を改善するためにフレームを延ばすことができる。例えば、図26−10に示すように、フレームは、延長した側面部分1513を含むことができ、その側面部分1513は、患者の頭部の両側に沿って延び、患者のこめかみに向かって先細りになる/薄くなる。側面部分1513の各端部は、各ヘッドギアストラップに取り付けるための適切な構造を含むことができる。
【0308】
3.2 Respironics社のOptiLife(商標)
図27−1は、OptiLife(商標)という名でRespironics社によって市販されている他の既知のマスク1600を示す。図示のように、マスク1600は、フレーム1602と、フレーム1602に提供され使用時に患者の鼻腔と封止を形成するように適合された鼻枕1604と、フレーム1602に提供され患者に呼吸に適した気体を送達するように適合されたインレットチューブ1608と、患者の顔面の所望の位置にマスク1600を維持するためにフレーム1602に着脱可能に取り付けられた、顎ストラップ1606を含むヘッドギア1605とを含む。
【0309】
3.2.0 改良形態/代替の構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を説明する。
【0310】
3.2.1 発泡体インターフェース
OptiLife(商標)マスクは、鼻枕を含む。代替の実施形態では、図27−2に示すように、鼻枕の代わりに、発泡体材料Fから構築された発泡体インターフェースFを使用することができる。発泡体インターフェースFは、例えば、粘弾性、被覆しない等上述の1つまたは複数の発泡体の特性を含むことができる。
【0311】
こうした実施形態では、発泡体インターフェースFは、ベースを有するアダプタを備えることができ、そのアダプタは、発泡体インターフェースFを支持し、発泡体インターフェースFをOptiLife(商標)マスクの現行のフレーム1602に結合させる。
【0312】
3.2.2 発泡体チークパッド
他の実施形態では、図27−3に示すように、ヘッドギア1605の側部ストラップはそれぞれ、快適性及び/または安定性を改善するために、発泡体チークパッド1607を含むことができる。
【0313】
3.2.3 側部入口ポート
他の実施形態では、図27−4に示すように、フレーム1602は、側部入口ポート1614を含むことができ、その側部入口ポート1614は、インレットチューブ1608それぞれと係合するように適合される。例えば、フレームを、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクに提供されているのと同様に構成することができる。
【0314】
3.2.4 圧潰可能なインレットチューブ
他の実施形態では、図27−5に示すように、フレーム1602は、1つまたは複数の圧潰可能なチューブの上述の特性を含む、圧潰可能なインレットチューブ1640と係合するように適合された側部入口ポート1614を含むことができる。
【0315】
一実施形態では、圧潰可能なインレットチューブ1640の経路を、ヘッドギア1605を通るように、例えば、患者の頭頂部に向かって上方に設定することができる。
【0316】
3.2.5 リジダイザ
他の実施形態では、図27−6に示すように、剛性及び/または安定性を改善するために、ヘッドギア1605の1つまたは複数のストラップにリジダイザ1611を提供することができる。
【0317】
3.2.6 隙間を埋める構造
他の実施形態では、マスクは、患者の顔面とマスク/ヘッドギアの間に設けられた隙間または空間を埋めるように適合された(例えば、ヘッドギア、フレーム等に提供される)構造を含むことができる。隙間を埋める構造は、使用時の快適性及び/または安定性を改善することができる。例えば、図27−7に示すように、マスクは、患者の顔面とマスク/ヘッドギアの間に設けられた隙間または空間Sを埋めるための構造を含むことができる。
【0318】
3.3 Respironics社のComfortLite(商標)及びComfortLite(商標)2
図28−1Aは、Respironics社によってComfortLite(商標)という名で市販されている既知のマスクを示し、図28−1Bは、Respironics社によってComfortLite(商標)2という名で市販されている既知のマスクを示す。図示のように、ComfortLite(商標)及びComfortLite(商標)2マスク1700はそれぞれ、フレーム1702と、フレーム1702に提供され使用時に患者の鼻腔と封止を形成するように適合された鼻枕1704と、フレーム1702に提供され患者に呼吸に適した気体を送達するように適合されたインレットチューブ1708と、患者の顔面の所望の位置にマスク1700を維持するためのヘッドギア1705とを含む。
【0319】
3.3.0 改良形態/代替の構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、Respironics社のComfortLite(商標)及びComfortLite(商標)2マスクの改良形態及び/または代替の構成を説明する。
【0320】
3.3.1 2本チューブ構成
他の実施形態では、マスクはそれぞれ、患者の鼻の上を患者の頭頂部まで延びる単一のインレットチューブではなく、2本のインレットチューブを含むことができる。例えば、図28−2A及び図28−2Bに示すように、フレーム1702は、患者の頭頂部に向かって経路設定された各インレットチューブ1708と係合するように適合された、側部入口ポート1714を含むことができる。
【0321】
こうした実施形態では、前頭部支持体等のヘッドギアの1つまたは複数の部分をなくすことができる。
【0322】
3.4 Fisher & Paykel社のOpus(商標)
図29−1は、Fisher & Paykel社によってOpus(商標)という名で市販されている他の既知のマスク1800を示す。図示のように、マスク1800は、フレーム1802と、フレーム1802に提供され使用時に患者の鼻腔と封止を形成するように適合された鼻枕1804と、フレーム1802に提供され患者に呼吸に適した気体を送達するように適合されたインレットチューブ1808と連結したエルボー1807と、患者の顔面の所望の位置にマスク1800を維持するために支持構造またはリジダイザ1809を含むヘッドギア1805とを含む。
【0323】
3.4.0 改良形態/代替の構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を説明する。
【0324】
3.4.1 クイックリリース
Opus(商標)マスクのフレーム1802、鼻枕1804、エルボー1807は、クリップ機構を介して支持構造1809に連結されるサブアセンブリを形成する。代替の実施形態では、サブアセンブリを支持構造に解放可能に連結するために、クイックリリース機構を提供することができる。例えば、サブアセンブリを、磁石機構を介して支持構造に結合することができる。
【0325】
他の実施形態では、ヘッドギアを患者の頭部に維持しながらサブアセンブリを取り外すことができるようにして、サブアセンブリを支持構造に結合することができる。
【0326】
他の実施形態では、エルボーとフレームの間の接合部を、クイックリリース設計で構成することができ、例えば、エルボーのボールジョイントをフレームに弾性的に取付け/取外しすることができる。こうした機構により、フレーム/鼻枕を患者の頭部のヘッドギアに沿って維持することが可能になる。
【0327】
図29−2に示すように、Opus(商標)マスクのクリップ機構は、フレーム1802の底部にクリップ1817を含み、そのクリップ1817は、支持構造1809に提供されたクリップ受け1819と係合するように適合されている。代替の実施形態では、図29−3に示すように、クリップ機構は、例えば、クリップ1817をフレーム1802の上部に提供した、逆の配置を有することができる。こうした機構は、マスクの正面にわたるより連続した形状を可能にすることができる。
【0328】
他の実施形態では、図29−4に示すように、支持構造の後方から(例えば、図29−2参照)ではなく、サブアセンブリが支持構造の正面から支持構造1809を係合することを可能にするように、クリップ機構を配置することができる。
【0329】
他の実施形態では、図29−5に示すように、支持構造は、環状リング1821を提供することができ、その環状リング1821は、フレーム1802に設けられた、弾性はめ合い部分またはスナップ嵌めコネクタ1823と係合するように適合される。そのスナップ嵌め機構は、ResMed社のVISTA(商標)マスクのエルボー連結機構と同様のものでよい(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている特許文献6参照)。
【0330】
他の実施形態では、図29−6に示すように、フレーム1802及び支持構造1809の一方が、フランジ(例えば、フレーム図29−6に示すようなフランジF)を含むことができ、フレーム1802及び支持構造1809のもう一方が、フレームを支持構造に保持するためにフランジを受けるように適合された凹所(例えば、図29−6に示すような支持構造上の凹所R)を含むことができる。
【0331】
3.4.2 調節機構
他の実施形態では、患者の鼻の鼻翼及び鼻唇角を収容するように、鼻枕の調節を可能にするために、フレーム及び/または鼻枕に調節機構を設けることができる。
【0332】
3.4.3 摺動可能なエルボー/インレットチューブ
他の実施形態では、エルボー及び/またはチューブを、チューブの引きずりから封止を切り離すために、フレームに対して摺動するように構成することができる。例えば、図29−7は、フレーム1802に対して複数の動作位置、例えば、2箇所以上の動作位置に摺動可能である、摺動可能なエルボー1807Sを示す。
【0333】
3.4.4 低プロフィルのエルボー
他の実施形態では、エルボーの一部分は、プロフィルがより低いエルボーにするために、(円形の断面でなく)断面が実質上長円形でよい。
【0334】
3.4.5 チューブの経路設定
他の実施形態では、マスクは、単一のインレットチューブではなく、2本のインレットチューブを含むことができる。例えば、図29−8に示すように、フレーム1802は、側部入口ポート1814を含むことができ、その側部入口ポート1814は、患者の頭頂部に向かって経路設定された各インレットチューブ1808と係合するように適合される。
【0335】
こうした実施形態では、ヘッドギアを、なくすかまたはチューブと一体にすることができ、例えば、呼吸に適した気体を送達し鼻枕を患者の顔面上で安定させるように適合された2本のインレットチューブにすることができる。
【0336】
また、インレットチューブは、圧潰可能でよく、1つまたは複数の上述の圧潰可能なチューブの特性を含むことができる。
【0337】
3.4.6 発泡体の封止
代替の実施形態では、図29−9に示すように、Opus(商標)マスクのシリコン鼻枕の代わりに、発泡体Fから構築され上述の1つまたは複数の発泡体の特性を含む発泡体インターフェース1815を使用することができる。
【0338】
一実施形態では、発泡体インターフェースは、発泡体(例えば、網状の発泡体)のブロックでよく、インターフェースの周囲部分は、封止されるかまたは比較的透過性が低く、インターフェースの中央部分は、呼吸可能であり拡散機構として働くように。こうした実施形態では、インターフェースの中央部分は、各鼻孔のための2つの不連続な領域を有することができる。
【0339】
他の形状の代替案は、食用の包装の発泡体、繊維性の濾過材、及び発泡体プロングを含む。発泡体プロングは、円筒形の出口孔を有するベル形でよく、任意選択の補強材を、発泡体プロングの1つまたは複数の部分、例えば、内壁、外壁等に設けることができる。
【0340】
他の実施形態では、シリコン鼻枕は、患者の鼻と係合するように適合された接触面上に、発泡体層を備えることができる。その発泡体層は、例えば、マイクロ拡散層をスプレーで吹き付ける(例えば、HC405)等、適切に鼻枕に提供することができる。発泡体層は、快適性、感触、及び/または柔軟性を改善することができ、水分を吸い上げる特性を提供することができる。
【0341】
3.5 PuritanBennett社のBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)
図30−1及び図30−2は、PuritanBennett社によってBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)という名で市販されている他の既知のマスク1900を示す。図示のように、マスク1900は、フレーム1902と、フレーム1902に提供され使用時に患者の鼻と封止を形成するように適合されたクッション1904と、フレーム1902に提供され患者に呼吸に適した気体を送達するように適合されたインレットチューブ1908と、患者の顔面の所望の位置にマスク1900を維持するためにフレーム1902に提供されたヘッドサポート1905とを含む。
【0342】
3.5.0 改良形態/代替の構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、PuritanBennett社のBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を説明する。
【0343】
3.5.1 発泡体による封止
Breeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクは、シリコン材料から構築されたクッションを含む。代替の実施形態では、図30−3に示すように、クッションは、発泡体材料Fから構築された発泡体クッション1904Fでよい。発泡体材料Fは、例えば、粘弾性、被覆しない等上述の1つまたは複数の発泡体の特性を含むことができる。
【0344】
3.5.2 1部片のチューブ/ヘッドサポート
Breeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクのヘッドサポート1905は、金属ばね1911を含み、その金属ばね1911は、患者の後頭部と係合(例えば、図30−1参照)するように適合されたクレードル1913を支持する。代替の実施形態では、金属ばね1911の代わりに、プラスチックの構成要素を使用することができ、その構成要素は、ヘッドサポートの残りの部分と1部片に成型することができる。更に、例えば、部品の数を減らし、組立てを簡単にする等のために、1部片のヘッドサポートを、インレットチューブ1908でオーバーモールドすることができる。
【0345】
3.5.3 低プロフィル
図30−2に示すように、Breeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクは、インレットチューブ1908と患者の顔面の鼻/前頭部の間に隙間Gを含む。代替の実施形態では、インレットチューブ1908の外形及び/または経路を変更することによって、隙間Gを縮小することができる。例えば、図30−4に示すように、インレットチューブ1908は、患者の頭頂部に向けてより平坦にすることができ(円形の断面1919とは逆に、例えば、より長円形の断面1917)、患者の目の間を通るときに幅の狭い部分1921を提供するような構成(例えば、砂時計の形状)を有することができる。
【0346】
3.5.4 2本チューブ構成
他の実施形態では、マスクは、単一のインレットチューブではなく、2本のインレットチューブを含むことができる。例えば、図30−5に示すように、フレーム1902は、側部入口ポート1914を含むことができ、その側部入口ポート1914は、患者の頭頂部に向かって経路設定された各インレットチューブ1908と係合するように適合される。
【0347】
こうした構成では、チューブ1908同士を相互連結するために、患者の頭頂部にマニフォールド1916を提供することができる。
【0348】
3.5.5 カバーまたはソックス
他の実施形態では、フレーム、インレットチューブ、及び/またはヘッドサポートの1つまたは複数の部分は、外観及び/または快適性を改善するためにカバーまたはソックスを含むことができる。
【0349】
3.6 InnoMed Technologies社のNasal-Aire(商標)
図31−1及び図31−2は、InnoMed Technologies社によってNasal-Aire(商標)という名で市販されている他の既知のマスク2000を示す。図示のように、マスク2000は、使用時に患者の鼻に提供される鼻とのインターフェース2004と、患者に呼吸に適した気体を送達するために鼻とのインターフェース2004それぞれの側部に提供されたインレットチューブ2008と、インレットチューブ2008を相互連結するマニフォールド2006と、患者の顔面の所望の位置にマスク2000を維持するヘッドストラップ2005とを含む。
【0350】
3.6.0 改良形態/代替の構成
以下の実施形態は、呼吸療法を強化するための、InnoMed Technologies社のNasal-Aire(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を説明する。
【0351】
3.6.1 圧潰可能なチューブ
Nasal-Aire(商標)マスクのインレットチューブは、実質上圧潰不能であり、且つ/または押しつぶすのに抵抗する。代替の実施形態では、インレットチューブの代わりに、呼吸に適した気体を送達し患者の顔面上に鼻とのインターフェースを安定させるように適合された圧潰可能な導管を使用することができる。圧潰可能な導管は、上述の1つまたは複数の圧潰可能なチューブの特性を含むことができる。例えば、各導管は、リジダイザを備えることができ、且つ/または各導管は、全体的にD字形の断面を有することができる。
【0352】
3.6.2 バックストラップ
一実施形態では、図31−3に示すように、マスクは、患者の顔面の所望の位置にマスクを維持するために、全頭用のヘッドストラップではなくバックストラップ2009を含むことができる。バックストラップ2009は、上述の1つまたは複数のバックストラップの特性を含むことができる。
【0353】
3.6.3 発泡体による封止
Nasal-Aire(商標)マスクは、シリコン材料から構築された鼻とのインターフェースを含む。代替の実施形態では、図31−4に示すように、鼻とのインターフェースは、発泡体材料Fから構築された、発泡体の鼻とのインターフェース2004Fでよい。発泡体材料Fは、例えば、粘弾性、被覆しない等上述の1つまたは複数の発泡体の特性を含むことができる。
【0354】
3.6.4 マニフォールド
Nasal-Aire(商標)マスクのマニフォールドは、比較的剛性の、1部片プラスチック構造を含む。代替の実施形態では、マニフォールドは、快適性及び/または外観を改善するために、複数の材料、例えば、剛性の部分及び半剛性の部分から構築することができる。
【0355】
他の実施形態では、マニフォールドを、患者の頭部から下方向に吊り下げるのではなく、患者の頭部上に配置することができる。
【0356】
本発明の実施形態による好ましいインターフェース構造は、図14−1に示した特性を有する発泡体を使用する。既知の封止式インターフェースは、全く異なるバルク特性を有し、例えば、典型的なシリコンは、密度1050から1150kg/m、引裂き強度20から40N/mm、引張り強度約10Mpa、破断伸び600%、ショアA硬度40、ヒステリシス約5%未満、弾性約40から50%、通気性0である。
【0357】
現在最も実用的且つ好ましい実施形態と考えられているものに関連して、本発明を説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるべきではなく、逆に、本発明の精神及び範囲内に包含される様々な改変形態及び等価物の構成をカバーするものであることを理解されたい。また、上述の様々な実施形態は、他の実施形態と併せて実施することができ、例えば、一実施形態の態様は、他の実施形態の態様と組み合わせて、更に他の実施形態を実現することができる。更に、所与のアセンブリのそれぞれ独立の特性または構成要素は、追加の実施形態を構成することができる。更に、本発明は、OSAを患う患者への特定の用途を有するが、他の病気(例えば、鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満手術等)を患う患者が、上記の教示から利益を得ることができることを理解されたい。更に、上記の教示は、医療とは関係のない用途において、患者にも患者ではない人にも同様に適用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0358】
【図1−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−2】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−3】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−4】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−5】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−6】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−7】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−8】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−9】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−10】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−11】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−12】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−13】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−14】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−15】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図1−16】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを示す図である。
【図2−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースの組立てを示す概略図である。
【図2−2】本発明の実施形態による患者とのインターフェースの組立てを示す概略図である。
【図2−3】本発明の実施形態による、PAP装置への患者とのインターフェースの取付けを示す概略図である。
【図2−4a】本発明の他の実施形態による、PAP装置への患者とのインターフェースの取付けを示す図である。
【図2−4b】本発明の他の実施形態による、PAP装置への患者とのインターフェースの取付けを示す図である。
【図3−1】本発明の実施形態による、開通フェーズの患者とのインターフェースのチューブを示す図である。
【図3−2a】本発明の実施形態による、圧潰フェーズの患者とのインターフェースのチューブを示す図である。
【図3−2b】本発明の実施形態による、圧潰フェーズの患者とのインターフェースのチューブを示す図である。
【図3−3】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのチューブ及び剛性化要素の概略図である。
【図3−4】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−4a】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−4b】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−4c】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−4d】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−4e】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−4f】本発明の実施形態による、その長さに沿ったチューブの断面を示す図である。
【図3−5a】本発明の他の実施形態による、開通フェーズ及び圧潰フェーズまたは部分圧潰フェーズの患者とのインターフェースのチューブの概略図である。
【図3−5b】本発明の他の実施形態による、開通フェーズ及び圧潰フェーズまたは部分圧潰フェーズの患者とのインターフェースのチューブの概略図である。
【図3−5c】本発明の他の実施形態による、開通フェーズ及び圧潰フェーズまたは部分圧潰フェーズの患者とのインターフェースのチューブの概略図である。
【図3−6a】本発明の他の実施形態による、蛇腹構造を有するチューブを示す図である。
【図3−6b】本発明の他の実施形態による、蛇腹構造を有するチューブを示す図である。
【図4−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのための配管を示す図である。
【図4−2】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのための配管を示す図である。
【図4−3】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのための配管を示す図である。
【図4−4】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのための配管を示す図である。
【図4−5】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのための配管を示す図である。
【図4−6】本発明の実施形態によるチューブ及び剛性化要素を示す図である。
【図4−7】本発明の実施形態によるチューブ及び剛性化要素を示す図である。
【図4−8】本発明の実施形態によるチューブ及び剛性化要素を示す図である。
【図4−9】本発明の実施形態によるチューブ及び剛性化要素を示す図である。
【図5−1】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのチューブを示す図である。
【図5−2】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのチューブを示す図である。
【図5−3】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのチューブを示す図である。
【図6−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのバックストラップを示す図である。
【図6−2】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのバックストラップを示す図である。
【図6−3】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのバックストラップを示す図である。
【図6−4】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのバックストラップを示す図である。
【図6−5】本発明の他の実施形態による患者とのインターフェースのバックストラップを示す図である。
【図7−1】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのマニフォールドを示す図である。
【図7−2】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのマニフォールドを示す図である。
【図8−1】本発明の実施形態によるチューブの構成を示す図である。
【図8−2】本発明の実施形態によるチューブの構成を示す図である。
【図8−3】本発明の実施形態によるチューブの構成を示す図である。
【図8−4】本発明の実施形態によるチューブの構成を示す図である。
【図8−5】本発明の実施形態によるチューブの構成を示す図である。
【図8−6】本発明の実施形態による、配管が通る可能性のある領域を示す概略図である。
【図8−7】本発明の他の実施形態による調節可能なチューブの構成を示す図である。
【図9−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを装着するための方法を示す図である。
【図9−2】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを装着するための方法を示す図である。
【図9−3】本発明の実施形態による患者とのインターフェースを装着するための方法を示す図である。
【図10−1】本発明の実施形態による、カバーを含む患者とのインターフェースの図である。
【図10−2】本発明の実施形態による、カバーを含む患者とのインターフェースの図である。
【図10−3】本発明の実施形態による、カバーを含む患者とのインターフェースの図である。
【図10−4】本発明の実施形態による、カバーを含む患者とのインターフェースの図である。
【図10−5】本発明の実施形態による、カバーを含む患者とのインターフェースの図である。
【図10−6】本発明の実施形態による、カバーを含む患者とのインターフェースの図である。
【図11−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースのバルブを示す図である。
【図12−1】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのクリップを示す図である。
【図12−2】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのクリップを示す図である。
【図12−3】本発明の代替の実施形態による患者とのインターフェースのクリップを示す図である。
【図13−1】本発明の実施形態による発泡体インターフェース及び支持体の図である。
【図13−2】本発明の実施形態による発泡体インターフェース及び支持体の図である。
【図13−3】本発明の実施形態による、被覆していない切断面を有する発泡体インターフェースの上面図である。
【図13−4】本発明の実施形態による、被覆していない切断面を有する発泡体インターフェースの側面図である。
【図13−5】本発明の実施形態による、被覆した面を有する発泡体インターフェースの上面図である。
【図13−6】図13−5に示す発泡体インターフェースの一部分の拡大概略断面図である。
【図13−7a】本発明の代替の実施形態による発泡体を示す図である。
【図13−7b】本発明の代替の実施形態による発泡体を示す図である。
【図13−7c】本発明の代替の実施形態による発泡体を示す図である。
【図13−8】本発明の実施形態による、被覆した面及び通気口を有する発泡体インターフェースの一部分の概略断面図である。
【図14−1】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの機械的特性の表である。
【図14−2】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの特性を示すグラフである。
【図14−3】本発明の実施形態による発泡体インターフェースを含む個々の包装を送り出すように適合されたディスペンサの概略図である。
【図15−1】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの正面断面図である。
【図15−2】本発明の実施形態による発泡体インターフェースの側面断面図である。
【図16−1】本発明の実施形態による患者とのインターフェースの概略図である。
【図16−2】本発明の実施形態によるフレーム及び力のベクトルの概略図である。
【図16−3】本発明の実施形態によるフレーム及び力のベクトルの概略図である。
【図17−1】本発明の実施形態によるインターフェース構造の層を概略的に示す図である。
【図17−2】本発明の実施形態によるインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図17−3A】本発明の実施形態によるインターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるための機械的な干渉タイプの取付け機構を示す図である。
【図17−3B】本発明の実施形態によるインターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるための機械的な干渉タイプの取付け機構を示す図である。
【図17−3C】本発明の実施形態によるインターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるための機械的な干渉タイプの取付け機構を示す図である。
【図17−4A】本発明の実施形態によるインターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるためのフック及びループタイプの取付け機構を示す図である。
【図17−4B】本発明の実施形態によるインターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるためのフック及びループタイプの取付け機構を示す図である。
【図17−4C】本発明の実施形態によるインターフェース構造を患者とのインターフェースに着脱可能に取り付けるためのフック及びループタイプの取付け機構を示す図である。
【図18−1】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図18−2】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図18−3】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図19−1】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースの裏に感圧性接着剤を塗布するための製造工程を示す図である。
【図19−2】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースの裏に感圧性接着剤を塗布するための製造工程を示す図である。
【図19−3】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースの裏に感圧性接着剤を塗布するための製造工程を示す図である。
【図20−1】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図20−2】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図20−3】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェースをフレームに接合する方法を示す図である。
【図20−4】本発明の実施形態による複合型の鼻下とのインターフェースを形成するための製造工程を示す図である。
【図20−5】本発明の実施形態による複合型の鼻下とのインターフェースを形成するための製造工程を示す図である。
【図20−6】本発明の実施形態による複合型の鼻下とのインターフェースを形成するための製造工程を示す図である。
【図20−7】本発明の実施形態による複合型の鼻下とのインターフェースを形成するための製造工程を示す図である。
【図21−1】本発明の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【図21−2】本発明の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【図21−3】本発明の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【図22−1】本発明の他の実施形態による可撓性のフレームを示す図である。
【図23−1】本発明の実施形態による、ばね要素を有する可撓性のフレームを示す図である。
【図23−2】本発明の実施形態によるk値がその長さにわたって変わる、可変ばね要素のグラフである。
【図23−3】本発明の他の実施形態による、ばね要素を有する可撓性のフレームを示す図である。
【図24−1】本発明の実施形態による、排気を行うリジダイザを含む発泡体インターフェースを示す図である。
【図25−1】本発明の実施形態による鼻下とのインターフェース及び口とのインターフェースを含む患者とのインターフェースを示す図である。
【図26−1】Respironics社によってComfortCurve(商標)という名で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【図26−2】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−3】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−4】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−5】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−6】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−7】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−8】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−9】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図26−10】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortCurve(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図27−1】Respironics社によってOptiLife(商標)という名で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【図27−2】本発明のいくつかの実施形態による、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図27−3】本発明のいくつかの実施形態による、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図27−4】本発明のいくつかの実施形態による、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図27−5】本発明のいくつかの実施形態による、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図27−6】本発明のいくつかの実施形態による、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図27−7】本発明のいくつかの実施形態による、Respironics社のOptiLife(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図28−1A】Respironics社によってComfortLite(商標)という名で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【図28−2A】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortLite(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図28−1B】Respironics社によってComfortLite(商標)2という名で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【図28−2B】本発明の実施形態による、Respironics社のComfortLite(商標)2マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−1】Fisher & PaykelによってOpus(商標)という名で市販されている既知のマスクを示す図である。
【図29−2】Fisher & PaykelによってOpus(商標)という名で市販されている既知のマスクを示す図である。
【図29−3】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−4】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−5】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−6】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−7】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−8】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図29−9】本発明の実施形態による、Fisher & Paykel社のOpus(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図30−1】Puritan Bennett社によってBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)という名で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【図30−2】Puritan Bennett社によってBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)という名で市販されている既知のマスクの斜視図である。
【図30−3】本発明のいくつかの実施形態による、Puritan Bennett社のBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図30−4】本発明のいくつかの実施形態による、Puritan Bennett社のBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図30−5】本発明のいくつかの実施形態による、Puritan Bennett社のBreeze(登録商標)、SleepGear(登録商標)、DreamSeal(登録商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図31−1】InnoMed Technologies社によってNasal-Aire(商標)という名で市販されている既知のマスクを示す図である。
【図31−2】InnoMed Technologies社によってNasal-Aire(商標)という名で市販されている既知のマスクを示す図である。
【図31−3】本発明のいくつかの実施形態による、InnoMed Technologies社のNasal-Aire(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【図31−4】本発明のいくつかの実施形態による、InnoMed Technologies社のNasal-Aire(商標)マスクの改良形態及び/または代替の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0359】
10 患者とのインターフェース
20 インターフェース構造
30 空気送達システム
42 チューブ
50 リジダイザ
60 バックストラップ
70 マニフォールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気供給源から陽圧で患者に空気を供給するための空気送達システムであって、
該患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造と、
該インターフェース構造に前記供給空気を送達するように適合された少なくとも1本のチューブとを備え、
該各チューブが、(1)該チューブが過度の抵抗なしに空気の流れを可能にする開通フェーズと、(2)該チューブが少なくとも部分的に圧潰されて空気の流れを制限または防止する、少なくとも部分的に圧潰したフェーズとの間を移行することを可能にするように構成された、少なくとも1つの部分を有し、
前記各チューブが、該チューブ上に載る典型的な患者の頭部の重さが、該チューブを前記開通フェーズから前記少なくとも部分的に圧潰したフェーズまで圧潰するのに十分であるように構成される空気送達システム。
【請求項2】
前記少なくとも1本のチューブが、2本のチューブを含む、請求項1に記載の空気送達システム。
【請求項3】
前記チューブを前記空気供給源と連結するために、マニフォールドを更に備える、請求項2に記載の空気送達システム。
【請求項4】
前記チューブが、空気の供給部において互いに接合されており、前記インターフェース構造に向かって分岐する、請求項2から3のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項5】
前記各チューブがそれぞれ、空気の供給部に別々に連結された、請求項1から4のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項6】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に気体供給源から陽圧で気体を供給するための気体送達システムにおいて、
前記インターフェース構造に前記供給気体を送達するために、前記気体供給源と連通するように適合された少なくとも2本の気体流路であって、たとえ該気体流路の一方が少なくとも部分的に圧潰された構成を呈していても、前記気体供給源からの圧縮気体が、前記気体流路の片方または両方を介して前記インターフェース構造に送達されるように協働するように構築及び構成された、少なくとも2本の気体流路、
を備える気体送達システム。
【請求項7】
前記各通路が、(1)該通路が気体の流れを可能にする開通構成と、(2)該通路が少なくとも部分的に圧潰される、少なくとも部分的に圧潰した構成との間を移行するように構成された少なくとも1つの部分を有し、
前記各通路が、該通路の1つにかかる患者の頭部の重さが、該通路を前記開通構成から前記少なくとも部分的に圧潰した構成に移行または変形させるのに十分であるように構成される、請求項6に記載の空気送達システム。
【請求項8】
前記気体流路がそれぞれ、前記少なくとも部分的に圧潰した構成を呈するように構築される、請求項6から7のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項9】
前記気体流路の少なくとも一方が、断面が実質上圧潰または減少するように構築され、前記気体流路のもう一方が、必要な気体の流れを治療圧力で送達するように構築される、請求項6から8のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項10】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達及び安定化システムにおいて、
前記インターフェース構造に前記供給空気を送達するように適合された少なくとも1本のチューブであって、使用時に前記患者の顔面の横に沿って該患者の耳の上または下を通って該患者の頭頂部に向かって延びるように適合されたチューブと、
伸長を低減または防止することによって該チューブの形状を実質上維持し、引っ張り及び/またはねじりによる圧潰を実質上防止し、前記インターフェース構造を使用時に前記患者に対して実質上所定の位置に安定させるように、前記チューブに提供または組み込まれた剛性化要素と、
前記チューブ及び/または剛性化要素に提供され、前記患者の頭部の後ろと係合するように適合されたバックストラップと、
を備える空気送達及び安定化システム。
【請求項11】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達システムにおいて、
陽圧の空気圧の供給部と連結するように適合されたマニフォールドと、
該マニフォールドに連結され、前記インターフェース構造に前記供給空気を送達するように適合された少なくとも1本のチューブとを備え、
該各チューブが、(1)該チューブが空気の通過を可能にする開通フェーズと、(2)該チューブが圧潰される圧潰フェーズとの間を移行することを可能にするように構成され、前記各チューブが、寝具に対する典型的な患者の頭部の重さが、該チューブを前記開通フェーズから前記圧潰フェーズに圧潰するのに十分であるように構成される空気送達システム。
【請求項12】
前記各チューブに提供された剛性化要素を更に備える、請求項11に記載の空気送達システム。
【請求項13】
前記剛性化要素が、患者の顔面に沿うように適合される、請求項12に記載の空気送達システム。
【請求項14】
前記剛性化要素が、面外への曲げに抵抗するように適合される、請求項12から13のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項15】
前記剛性化要素が、第1の平面内では可撓性であるように適合される、請求項12から14のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項16】
前記剛性化要素が、第2の平面内で曲げることに抵抗するように適合される、請求項15に記載の空気送達システム。
【請求項17】
前記第2の平面が、前記第1の平面に対して概して直角である、請求項16に記載の空気送達システム。
【請求項18】
前記剛性化要素が、耐衝撃性のポリスチレンから構築される、請求項12から17のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項19】
前記剛性化要素の厚さが約0.3〜5mmである、請求項12から18のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項20】
前記剛性化要素の厚さが約0.5mmである、請求項19に記載の空気送達システム。
【請求項21】
前記少なくとも1本のチューブが、2本のチューブを含む、請求項11から20のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項22】
前記2本のチューブが、全体的に長円形を画成するように配置される、請求項21に記載の空気送達システム。
【請求項23】
前記2本のチューブが、全体的にリング形を画成するように配置される、請求項21に記載の空気送達システム。
【請求項24】
前記チューブのうち1本が、常に開通している、請求項21から23のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項25】
前記各チューブが、前記患者の頭頂部上に配置された端部を有する、請求項11から24のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項26】
前記各チューブが、前記患者の鼻の下に配置された端部を有する、請求項11から25のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項27】
前記各チューブが、典型的な患者の頭部の重さの下で前記圧潰フェーズまで圧潰されたときに、全厚10mm以下まで縮むように適合される、請求項11から26のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項28】
前記各チューブが、全厚約1.5mmまで縮むように適合される、請求項27に記載の空気送達システム。
【請求項29】
前記各チューブが、全厚約3mmまで縮むように適合される、請求項27に記載の空気送達システム。
【請求項30】
前記各チューブが、全厚約5mmまで縮むように適合される、請求項27に記載の空気送達システム。
【請求項31】
前記各チューブが、全厚約10mmまで縮むように適合される、請求項27に記載の空気送達システム。
【請求項32】
前記チューブがそれぞれ、ほぼ一定の水力直径を有する、その長さに沿って変わる断面積を有する、請求項11から31のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項33】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達システムにおいて、
陽圧の空気圧の供給部と連結するように適合されたマニフォールドと、
該マニフォールドに連結された少なくとも1本のチューブであって、前記インターフェース構造に前記供給空気を送達するように適合されたチューブとを備え、
前記マニフォールドが、使用時に前記患者の頭頂部上またはその正面に配置されるように適合される空気送達システム。
【請求項34】
前記少なくとも1本のチューブが、2本のチューブを含む、請求項33に記載の空気送達システム。
【請求項35】
前記2本のチューブが、全体的に長円形を画成するように配置される、請求項34に記載の空気送達システム。
【請求項36】
前記2本のチューブが、全体的にリング形を画成するように配置される、請求項34に記載の空気送達システム。
【請求項37】
前記各チューブが、前記患者の頭頂部上で前記マニフォールドに連結された第1の端部と、前記患者の鼻の下に配置された第2の端部とを有する、請求項33から36のいずれか一項に記載の空気送達システム。
【請求項38】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、空気供給源から陽圧で空気を供給するための空気送達及び安定化システムにおいて、
陽圧の空気圧の供給部と連結するように適合されたマニフォールドと、
該マニフォールドに連結され、前記インターフェース構造に前記供給空気を送達するように適合された1対のチューブであって、各チューブが、前記患者の頭頂部においてまたはその正面で前記マニフォールドの各側部から延び、1対のチューブが、前記患者の顔面の両側に沿って該患者の目と耳の間を通って該患者の鼻の下に至るように適合された、1対のチューブと、
該チューブに剛性を加えるために該各チューブそれぞれに提供された剛性化要素と、
該チューブ及び/または剛性化要素に提供され、前記患者の頭部の後ろと係合するように適合されたバックストラップと、
を備える空気送達及び安定化システム。
【請求項39】
前記各チューブが、(1)該チューブが空気の通過を可能にする開通フェーズと、(2)該チューブが圧潰される圧潰フェーズの間を移行するのを可能にするように構成され、
前記各チューブが、寝具に対する典型的な患者の頭部の重さが、該チューブを前記開通フェーズから前記圧潰フェーズに圧潰するのに十分であるように構成される、請求項38に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項40】
前記各チューブが、典型的な患者の頭部の重さの下で前記圧潰フェーズまで圧潰されたときに、全厚2mm以下まで縮むように適合される、請求項39に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項41】
前記各チューブが、全厚1.5mmまで縮むように適合される、請求項40に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項42】
前記各チューブの壁厚が約0.5mmである、請求項38から41のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項43】
前記各チューブが、シリコン材料から成型される、請求項38から42のいずれか一項に記載の空気送達システム及び安定化システム。
【請求項44】
前記各チューブが、前記患者の顔面と調和する輪郭を提供する、非円筒形の断面形状を有する、請求項38から43のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項45】
前記各チューブの断面が全体的にD字形である、請求項44に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項46】
前記各チューブの断面積が、その長さに沿って変わる、請求項38から45のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項47】
前記剛性化要素が、患者の顔面に沿うように適合される、請求項38から46のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項48】
前記剛性化要素が、面外への曲げに抵抗するように適合される、請求項38から47のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項49】
前記剛性化要素が、第1の平面内で可撓性であるように適合される、請求項38から48のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項50】
前記剛性化要素が、第2の平面内で曲げることに抵抗するように適合される、請求項49に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項51】
前記第2の平面が、前記第1の平面に対して概して直角である、請求項50に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項52】
前記剛性化要素が、耐衝撃性のポリスチレンから構築される、請求項38から51のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項53】
前記剛性化要素が、厚さ約0.5mmである、請求項38から52のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項54】
前記剛性化要素が、前記チューブの外側部分に提供される、請求項38から53のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項55】
前記剛性化要素の厚さが、その長さに沿って変わる、請求項38から54のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項56】
前記剛性化要素が、前記チューブとは別個に形成されそれに取り付けられる、請求項38から55のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項57】
前記剛性化要素が、前記チューブと共に共成型または共押し出し成形される、請求項38から55のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項58】
前記バックストラップが伸縮性である、請求項38から57のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項59】
前記マニフォールドが全体的にT字形である、請求項38から58のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項60】
前記マニフォールドが、概して、使用中にブレグマの領域に配置される、請求項38から59のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項61】
前記マニフォールドが、スイベル機能を含む、請求項38から60のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項62】
前記チューブが、全体的に長円形を画成するように配置される、請求項38から61のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項63】
前記チューブが、全体的にリング形を画成するように配置される、請求項38から62のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項64】
前記マニフォールド、チューブ、剛性化要素、及び/またはバックストラップが、2色のスキームを含む、請求項38から63のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項65】
前記マニフォールド、チューブ、剛性化要素、及び/またはバックストラップに提供されたカバーを更に備える、請求項38から63のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項66】
前記カバーが、2色のスキームを含む、請求項65に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項67】
前記2色のスキームが、前記患者の視野の隣に暗色を含む、請求項64から66のいずれか一項に記載の空気送達及び安定化システム。
【請求項68】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造において、
空気供給源から陽圧で空気を供給する空気送達システムに連結されるように適合された支持構造と、
該支持構造に提供されたインターフェースであって、柔軟且つ粘弾性の発泡体から構築され、使用中に前記患者の顔面及び鼻の表面と接触するように適合されたインターフェースとを備えるインターフェース構造。
【請求項69】
前記支持構造がフレームを含む、請求項68に記載のインターフェース構造。
【請求項70】
前記フレームが、シリコンから構築される、請求項69に記載のインターフェース構造。
【請求項71】
前記フレームが、その長さに沿って様々な堅さを有する、請求項69から70のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項72】
前記フレームが、該フレームの横部分より堅い中心部分を含む、請求項71に記載のインターフェース構造。
【請求項73】
前記フレームがばね要素を含む、請求項69から72のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項74】
前記ばね要素が、その長さに沿って様々なばね定数を含む、請求項73に記載のインターフェース構造。
【請求項75】
前記ばね要素が、概ねベル型曲線の構成に類似したばね定数を含む、請求項74に記載のインターフェース構造。
【請求項76】
前記ばね要素が、比較的堅い中間部分及び比較的可撓性のある端部分を含む、請求項75に記載のインターフェース構造。
【請求項77】
前記支持構造が、比較的剛性のフレーム及び該フレームに提供された可撓性の円筒形支持体を含む、請求項69に記載のインターフェース構造。
【請求項78】
前記発泡体が粘弾性の発泡体である、請求項68から77のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項79】
前記発泡体が、可撓性のポリエーテル発泡ポリウレタンである、請求項68から78のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項80】
前記発泡体が、使用時に前記患者の皮膚と界接または接触するための面に被覆していない切断面を含む、請求項68から79のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項81】
前記発泡体が、使用時に前記患者の皮膚と界接または接触するための面に被覆した面を含む、請求項68から79のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項82】
前記発泡体の厚さが、約5〜20mmである、請求項68から81のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項83】
前記インターフェースが、該インターフェースと前記患者の皮膚との間に計画的であり制御された量の空気流を可能にする、呼吸可能なまたは透過性の発泡体から構築される、請求項68から82のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項84】
前記インターフェースが、フック及びループ材によって前記支持構造に連結される、請求項68から83のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項85】
前記インターフェースが、スナップ嵌合及び/または感圧性接着剤で前記支持構造に連結される、請求項68から83のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項86】
前記インターフェースが、前記支持構造に提供された突起部とかみ合うように適合された溝またはアンダーカットによって該支持構造に連結される、請求項68から83のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項87】
前記インターフェースが、排気構造を含む、請求項68から86のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項88】
前記インターフェースが、使用中に前記患者の鼻の下で接触するように適合された鼻とのインターフェースである、請求項68から87のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項89】
前記鼻とのインターフェースが、2方向に湾曲した鞍形状の上面を含む、請求項88に記載のインターフェース構造。
【請求項90】
前記鼻とのインターフェースが、前記患者の鼻の鼻翼角を形成する解剖学的構造を収容するように構成された第1の方向の湾曲と、前記患者の鼻の鼻唇角を形成する解剖学的構造を収容するように構成された第2の方向の湾曲とを含む、請求項89に記載のインターフェース構造。
【請求項91】
前記鼻とのインターフェースが、前記患者の鼻の鼻翼角を形成する解剖学的構造を収容するように構成された第1の方向の湾曲を含む、請求項88に記載のインターフェース構造。
【請求項92】
前記鼻とのインターフェースが、前記患者の鼻の鼻唇角を形成する解剖学的構造を収容するように構成された第2の方向の湾曲を含む、請求項88に記載のインターフェース構造。
【請求項93】
前記鼻とのインターフェースが、実質上平坦な上面を含む、請求項88に記載のインターフェース構造。
【請求項94】
前記鼻とのインターフェースが、使用中に前記患者の鼻孔を囲むかまたは部分的に覆うように適合されたオリフィスまたは内周を含む、請求項88から93のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項95】
前記オリフィスが、円形、矩形、楕円、または長円形を含む、請求項94に記載のインターフェース構造。
【請求項96】
前記インターフェースが、鼻の下側の幅を取り囲むインターフェースパスを形成する外周を含む、請求項88から95のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項97】
使用中に前記患者の口と界接するように適合された口とのインターフェースを更に備える、請求項88から96のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項98】
前記鼻とのインターフェースの硬度が、顔面の肉厚の領域と同じくらいに柔軟であるか、またはそれより柔軟である、請求項88から97のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項99】
前記鼻とのインターフェースの硬度が、顔面の肉厚の領域と同じくらいに柔軟であるか、またはそれより柔軟である、被覆した、被覆していない、透過性、または非透過性の発泡体から作られる、請求項88から98のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項100】
前記インターフェースが、低アスペクト比の断面形状を提供する、請求項68から99のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項101】
前記インターフェースの形状が、ほぼ正方形または矩形である、請求項68から100のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項102】
前記インターフェースが、それが界接する顔面の解剖学的構造に適合するために、前記患者の顔面に垂直な方向に十分な柔軟性及びコンプライアンスを有する、請求項68から101のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項103】
前記インターフェースが、円形または環状のプロフィルを有し、ほぼ自己支持になるように、断面が非常に厚い、請求項68から102のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項104】
前記発泡体インターフェースが、30〜90kg/mの密度を有する、請求項68から103のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項105】
前記発泡体インターフェースが、2〜50%の圧縮歪みを有する、請求項68から104のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項106】
前記発泡体インターフェースが、0.1〜1N/mmの引裂き強度を有する、請求項68から105のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項107】
前記発泡体インターフェースが、30〜180kPaの引張り強度を有する、請求項68から106のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項108】
前記発泡体インターフェースが、50〜400%の破断伸びを有する、請求項68から107のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項109】
前記発泡体インターフェースが、0.2〜5kPaの40%CLD硬度を有する、請求項68から108のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項110】
前記発泡体インターフェースが、10〜100Nの40%ILD硬度を有する、請求項68から109のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項111】
前記発泡体インターフェースが、2〜50%のヒステリシスを有する、請求項68から110のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項112】
前記発泡体インターフェースが、25〜35%のヒステリシスを有する、請求項68から110のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項113】
前記発泡体インターフェースが、約80%より小さい弾性すなわち反発弾性を有する、請求項68から112のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項114】
前記発泡体インターフェースが、約10%より小さい弾性すなわち反発弾性を有する、請求項68から112のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項115】
前記発泡体インターフェースが、5〜120セル/cmのセル数を含む、請求項68から114のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項116】
前記発泡体インターフェースが、20〜4000μmのセル寸法の均質または異質のセル構造を含む、請求項68から115のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項117】
前記発泡体インターフェースが、0〜500L/m/sの通気性を有する、請求項68から116のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項118】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造と、
空気供給源から陽圧で該インターフェース構造に空気を供給するための、請求項1から67のいずれか一項に記載の空気送達システムまたは空気送達及び安定化システムとを備える患者とのインターフェース。
【請求項119】
請求項68から117のいずれか一項に記載のインターフェース構造と、
空気供給源から陽圧で該インターフェース構造に空気を供給するための空気送達システムとを備える患者とのインターフェース。
【請求項120】
使用時に患者の鼻の下側に対する封止力を画成するように、該患者の鼻の下側に沿って、頬領域に沿って、耳の上を通り該患者の頭頂部の上に至るように適合された第1のループと、
該第1のループに連結された第2のループであって、ヘッドギアのベクトルを前記第1のループと40度〜80度のある角度で画定するように、概して後頭骨の上を通るように適合された第2のループと、
を備える患者とのインターフェース。
【請求項121】
前記角度が約60度である、請求項120に記載の患者とのインターフェース。
【請求項122】
前記第1のループが空気送達チューブを含み、前記第2のループがバックストラップを含む、請求項120から121のいずれか一項に記載の患者とのインターフェース。
【請求項123】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
使用時に該患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースの厚さが約5〜50mmであるインターフェース構造。
【請求項124】
前記インターフェースの厚さが約10〜30mmである、請求項123に記載のインターフェース構造。
【請求項125】
前記インターフェースの厚さが約14〜20mmである、請求項123から124のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項126】
前記インターフェースの厚さが約15mmである、請求項123から125のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項127】
前記インターフェースが発泡体から構築される、請求項123から126のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項128】
前記インターフェースが、外鼻孔上またはその外側で皮膚表面と接触するように適合される、請求項123から127のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項129】
前記インターフェースが、使用時に前記患者の皮膚と界接または接触するための面に被覆されていない表面を含む、請求項123から128のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項130】
前記インターフェースが、それが界接する顔面の解剖学的構造に適合するために、前記患者の顔面に垂直な方向に十分な柔軟性及びコンプライアンスを有する、請求項123から129のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項131】
前記インターフェースが、呼吸可能または透過性の材料から構築される、請求項123から130のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項132】
前記インターフェースが、使用中に前記患者の皮膚に対して封止するように圧縮力を提供するように適合される、請求項123から131のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項133】
前記インターフェースの表面が、テクスチャード加工される、請求項123から132のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項134】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
使用時に該患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースが、使用時に前記患者の皮膚と界接または接触するための面に被覆されていない表面を含むインターフェース構造。
【請求項135】
前記インターフェースが発泡体から構築される、請求項134に記載のインターフェース構造。
【請求項136】
前記インターフェースが、それが界接する顔面の解剖学的構造に適合するために、前記患者の顔面に垂直な方向に十分な柔軟性及びコンプライアンスを有する、請求項134から135のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項137】
前記インターフェースが、呼吸可能または透過性の材料から構築される、請求項134から136のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項138】
前記インターフェースが、使用中に前記患者の皮膚に対して封止するように圧縮力を提供するように適合される、請求項134から137のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項139】
前記インターフェースの表面が、テクスチャード加工される、請求項134から138のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項140】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
使用時に該患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースが、それが界接する顔面の解剖学的構造に適合するために、前記患者の顔面に垂直な方向に十分な柔軟性及びコンプライアンスを有するインターフェース構造。
【請求項141】
前記インターフェースが、発泡体から構築される、請求項140に記載のインターフェース構造。
【請求項142】
前記インターフェースが、呼吸可能または透過性の材料から構築される、請求項140から141のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項143】
前記インターフェースが、使用中に前記患者の皮膚に対して封止するように圧縮力を提供するように適合される、請求項140から142のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項144】
前記インターフェースの表面が、テクスチャード加工される、請求項140から143のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項145】
前記発泡体インターフェースが、2〜50%のヒステリシスを有する、請求項140から144のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項146】
前記発泡体インターフェースが、25〜35%のヒステリシスを有する、請求項140から145のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項147】
前記発泡体インターフェースが、約80%より小さい弾性すなわち反発弾性を有する、請求項140から146のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項148】
前記発泡体インターフェースが、約10%より小さい弾性すなわち反発弾性を有する、請求項140から147のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項149】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
使用時に該患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースが、呼吸可能なまたは透過性の材料から構築されるインターフェース構造。
【請求項150】
前記インターフェースが発泡体から構築される、請求項149に記載のインターフェース構造。
【請求項151】
前記インターフェースが、使用中に前記患者の皮膚に対して封止するように圧縮力を提供するように適合される、請求項149から150のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項152】
前記インターフェースの表面が、テクスチャード加工される、請求項149から151のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項153】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
発泡体から構築され、使用時に前記患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースが、使用中に前記患者の皮膚に対して封止するように圧縮力を提供するように適合されるインターフェース構造。
【請求項154】
前記インターフェースの表面が、テクスチャード加工される、請求項153に記載のインターフェース構造。
【請求項155】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
使用時に該患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースが、テクスチャード加工された面を有するインターフェース構造。
【請求項156】
前記インターフェースが発泡体から構築される、請求項155に記載のインターフェース構造。
【請求項157】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造であって、
使用時に該患者の鼻の下で皮膚表面と接触するように適合されたインターフェースを備え、
該インターフェースの復元速度が、約5cm/秒より遅いインターフェース構造。
【請求項158】
前記復元速度が約1cm/秒より遅い、請求項157に記載のインターフェース構造。
【請求項159】
前記インターフェースが発泡体から構築される、請求項157から158のいずれか一項に記載のインターフェース構造。
【請求項160】
空気供給源から陽圧で患者に空気を供給するための空気送達システムにおいて、
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造と、
該患者の顔面の両側に沿って延び、該インターフェース構造に前記供給空気を送達するように適合された1対のチューブとを備え、
該各チューブが、(1)該チューブが過度の抵抗なしに空気流を可能にする開通フェーズと、(2)該チューブが少なくとも部分的に圧潰されて空気流を制限または防止する、少なくとも部分的に圧潰したフェーズとの間を移行することを可能にするように構成された、少なくとも1つの部分を含み、前記各チューブが、その上に横になるのが快適であるように構成される空気送達システム。
【請求項161】
患者の気道の入口に配置されたインターフェース構造に、気体供給源から陽圧で気体を供給するための気体送達システムにおいて、
該インターフェース構造に前記供給気体を送達するために、前記気体供給源と連通するように適合された少なくとも2本の気体流路であって、たとえ該気体流路の一方が、空気流を防止または実質上妨げるように、圧潰された構成を呈していても、適切な供給気体を前記インターフェース構造に送達するために、協働するように構成及び構築された、少なくとも2本の気体流路、
を備える気体送達システム。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図1−8】
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【図1−9】
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【図1−10】
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【図1−11】
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【図1−12】
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【図1−13】
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【図1−14】
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【図1−15】
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【図1−16】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4a】
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【図2−4b】
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【図3−1】
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【図3−2a】
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【図3−2b】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−4a】
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【図3−4b】
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【図3−4c】
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【図3−4d】
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【図3−4e】
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【図3−4f】
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【図3−5a】
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【図3−5b】
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【図3−5c】
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【図3−6a】
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【図3−6b】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図4−7】
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【図4−8】
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【図4−9】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図8−5】
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【図8−6】
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【図8−7】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図10−4】
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【図10−5】
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【図10−6】
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【図11−1】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図13−4】
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【図13−5】
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【図13−6】
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【図13−7a】
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【図13−7b】
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【図13−7c】
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【図13−8】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図14−3】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図17−3A】
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【図17−3B】
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【図17−3C】
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【図17−4A】
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【図17−4B】
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【図17−4C】
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【図18−1】
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【図18−2】
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【図18−3】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図19−3】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図20−3】
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【図20−4】
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【図20−5】
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【図20−6】
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【図20−7】
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【図21−1】
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【図21−2】
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【図21−3】
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【図22−1】
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【図23−1】
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【図23−2】
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【図23−3】
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【図24−1】
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【図25−1】
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【図26−1】
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【図26−2】
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【図26−3】
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【図26−4】
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【図26−5】
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【図26−6】
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【図26−7】
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【図26−8】
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【図26−9】
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【図26−10】
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【図27−1】
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【図27−2】
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【図27−3】
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【図27−4】
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【図27−5】
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【図27−6】
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【図27−7】
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【図28−1A】
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【図28−1B】
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【図28−2A】
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【図28−2B】
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【図29−1】
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【図29−2】
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【図29−3】
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【図29−4】
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【図29−5】
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【図29−6】
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【図29−7】
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【図29−8】
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【図29−9】
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【図30−1】
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【図30−2】
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【図30−3】
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【図30−4】
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【図30−5】
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【図31−1】
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【図31−2】
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【図31−3】
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【図31−4】
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【公表番号】特表2009−544371(P2009−544371A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521069(P2009−521069)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001051
【国際公開番号】WO2008/011682
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD