説明

呼吸療法の提供

患者インターフェース(10)は、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体(20)と、このシール構造体(20)に対して、呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管構造体(30)と、シール構造体(20)および/または導入管構造体(30)を実質的に取り囲むカバー(40)と、を具備してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に対する呼吸療法の提供に関する。そうした療法の例は、連続陽圧エアウェイ(CPAP)処置、非侵襲陽圧換気(NIPPV)および可変陽圧エアウェイ(VPAP)である。当該療法は、たとえば閉鎖性睡眠中無呼吸(OSA)のような睡眠障害呼吸(SDB)を含む、さまざまな呼吸器疾患の治療のために使用される。
【0002】
本願は、2006年7月28日付け提出の米国仮出願第60/833,841号、2006年12月15日提出の米国仮出願第60/874,968号、2007年5月4日付け提出の米国仮出願60/924,241号、および2007年6月25日付け提出の米国仮出願60/929,393号の利益を主張するものである(このそれぞれは、その全体が、この引用によって本明細書に組み込まれる)。
【背景技術】
【0003】
通常、呼吸治療は、患者と、加圧空気あるいは呼吸に適したガスの供給を実現する装置との間に配置されたマスクシステムの形態で提供される。本発明の分野におけるマスクシステムは、特に快適性に関するその重要性のために、航空および安全のような他の用途において使用されるマスクシステムとは異なる。患者は、おそらくその人生の残りの期間にわたって毎夜、何時間も、マスクを装着して眠らなければならないので、こうした高いレベルの快適さが望まれる。さらに、患者のベッドパートナーが患者の治療およびマスクの装着によって概して不都合な影響を受けない場合、治療遵守性は改善可能である。
【0004】
マスクシステムは(常にではないが)通常、(i)たいていシェルまたはフレームと呼ばれる剛体あるいは半剛体部と、(ii)たいていクッションと呼ばれるソフトな、患者と接触する部分と、(iii)フレームおよびクッションを適所にて保持するためのある形態のヘッドギアとを具備してなる。マスクシステムが実際に複数のコンポーネントを含む場合、少なくとも組み立ておよび調整が必要となるが、これは、器用さなどが衰えた患者にとっては困難なことである。さらに、マスクシステムはたいてい、空気供給管をつなぐための機構を備える。空気供給管は通常、ブロアすなわちフロージェネレーターに対して接続される。
【0005】
鼻用マスク、鼻および口用マスク、フルフェースマスク、ならびに鼻用プロング、ピロー、ノズルおよびカニューレを含む、さまざまなマスクシステムが知られている。マスクは、通常、鼻用プロング、ピロー、ノズルおよびカニューレよりも多く顔面を覆う。鼻用プロング、鼻用ピロー、ノズルおよびカニューレは全て、鼻用プロングと総称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国仮出願第60/833,841号明細書
【特許文献2】米国仮出願第60/874,968号明細書
【特許文献3】米国仮出願第60/924,241号明細書
【特許文献4】米国仮出願第60/929,393号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この分野においては、マスクシステムに、高いレベルの快適性および使いやすさを付与することが長い間求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体と、このシール構造体に対して、呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管構造体と、シール構造体および/または導入管構造体を実質的に取り囲むカバーとを具備してなる患者インターフェースに関する。
【0009】
上記カバーおよび/またはシール構造体は、テキスタイルおよび/またはフォーム素材から構成された一つ以上の部分を備えていてもよい。上記シール構造体は、積層あるいは多層構造を有していてもよい。上記シール構造体は、患者の鼻の下、その周り、および/または僅かにその内部でシール機能を発揮し得る。上記シール構造体は、鼻用クレードル、鼻用クッションあるいは鼻用プロングの形態をとることができる。上記シール構造体は、通気を可能とし、湿気を防止し、かつ/またはガスウォッシュアウトを可能とするために、漏出性シールを備えることができる。
【0010】
上記カバーおよび/または導入管構造体、および特に患者の顔/頭部と係合する面は、楕円形円錐部材の断面から成形できる。当該断面は、患者の頭部と係合するよう構成されたテーパー面を画定する幅を有していてもよい。このテーパー面は、患者の顔の前方の方向に集束している。
【0011】
上記カバーは、異なる色(色コントラスト)、パターンおよび/または表面質感(たとえばツートンカラー構成)を有する一つ以上の領域を含んでいてもよい。
【0012】
ある実施形態では、患者インターフェースは最低限の調整機能を提供できる(たとえば一つの調整ポイントを提供でき、あるいは調整ポイントを提供しなくてもよい)。
【0013】
上記カバーおよび/または導入管構造体は、患者の顔面/頭部の有機的延在部と調和するか、あるいはそれを形成する輪郭を有することができる(たとえば非円形あるいはテーパー状)。
【0014】
上記導入管構造体は上記カバーを一体的に備えていてもよく、あるいは上記カバーは上記前記導入管構造体を一体的に備えていてもよい。
【0015】
本発明の他の態様は、患者の鼻および/または口に対して、患者インターフェースのシール部を位置させることと、患者インターフェースが患者の頭部上に自然に位置するまで、患者の頭部上へ、前記シール部を中心として、前記患者インターフェースを回転あるいは旋回させることとを具備する、患者に対して患者インターフェースを装着するための方法に関する。当該方法は、患者の頭部上に、患者インターフェースをさらに固定するために、さらなる調整(たとえば後部ストラップの調整)を備えていてもよい。
【0016】
本発明の他の態様、特徴および利点は、添付図面(これは本開示の一部であり、かつ、例として本発明の原理を示している)と共に、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0017】
添付図面は本発明のさまざまな実施形態の理解に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1−1】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図1−2】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図1−3】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図1−4】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図1−5】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図1−6】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図1−7】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェースの外観図である。
【図2−1】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−2】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−3】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−4】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−5】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−6】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−7】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−8】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−9】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−10】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−11】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−12】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−13】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−14】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−15】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−16】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−17】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−18】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図2−19】本発明の実施形態に基づくテキスタイルシールの実施形態を示す図である。
【図3−1】本発明の実施形態に基づく患者インターフェースのカバーを通る代表的断面図である。
【図3−2】本発明の実施形態に基づく患者インターフェースのカバーを通る代表的断面図である。
【図3−3】本発明の実施形態に基づく患者インターフェースのカバーを通る代表的断面図である。
【図4−1】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェース形状を示す図である。
【図4−2】本発明の一実施形態に基づく患者インターフェース形状を示す図である。
【図4−3】本発明の一実施形態に基づく、患者に対して装着される患者インターフェースを示す図である。
【図4−4】本発明の一実施形態に基づく、患者に対して装着される患者インターフェースを示す図である。
【図4−5】本発明の一実施形態に基づく、患者に対して装着される患者インターフェースを示す図である。
【図5−1】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図5−2】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図6−1】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図6−2】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図7−1】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図8−1】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図8−2】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図9−1】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図9−2】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図9−3】本発明の実施形態に基づく、鼻用クレードルを含む患者インターフェースを示す図である。
【図10−1】本発明の実施形態に基づく鼻用クッションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図11−1】本発明の実施形態に基づく鼻用クッションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図12−1】本発明の実施形態に基づく鼻用クッションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図12−2】本発明の実施形態に基づく鼻用クッションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図13−1】本発明の実施形態に基づく鼻用プロングを含む患者インターフェースを示す図である。
【図13−2】本発明の実施形態に基づく鼻用プロングを含む患者インターフェースを示す図である。
【図14−1】本発明の実施形態に基づく鼻用プロングを含む患者インターフェースを示す図である。
【図14−2】本発明の実施形態に基づく鼻用プロングを含む患者インターフェースを示す図である。
【図15−1】本発明の一実施形態に基づくフレキシブルシェルを示す図である。
【図15−2】本発明の一実施形態に基づくフレキシブルシェルを示す図である。
【図16−1】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−2】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−3】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−4】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−5】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−6】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−7】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−8】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−9】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−10】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−11】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−12】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−13】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−14】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−15】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−16】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−17】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−18】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−19】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−20】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−21】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−22】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図16−23】本発明の一実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための一つ以上のオプションを含む患者インターフェースを示す図である。
【図17A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図17B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図17C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図18A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図18B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図18C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図18D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図18E】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図18F】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19E】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19F】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図19G】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図20A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図20B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図20C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図20D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図21A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図21B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図21C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図22】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図23A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図23B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図23C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図24A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図24B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図24C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図25A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図25B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図25C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図25D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図26A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図26B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図27】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図28A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図28B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図28C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図29A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図29B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図29C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図29D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図30A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図30B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図30C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図30D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図30E】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図31A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図31B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図31C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図31D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図31E】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図32A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図32B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図32C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェース示す図である。
【図33A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図33B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図33C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図34A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図34B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図35A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図35B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図36A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図36B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図36C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図36D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図37A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図37B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図37C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図37D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図38A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図38B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図38C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図38D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図38E】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図39A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図39B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図39C】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図39D】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図40】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図41A】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【図41B】本発明の実施形態に基づく、治療セッションを向上させかつ/またはそれを促進するための、その他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明のいくつかの図示説明する実施形態の説明であるが、これは共通の特質および特徴を共有する。ある実施形態の一つ以上の特徴は他の実施形態の一つ以上の特徴と組み合わせ可能であってもよいことを理解されたい。さらに、実施形態のいずれかにおける単一の各特徴あるいはその組み合わせは、さらなる実施形態を構成し得る。
【0020】
以下で説明するタイプの鼻用クレードル、鼻用クッションあるいは鼻用プロングを含む患者インターフェースについて説明するが、患者インターフェースは、他の好適な呼吸器具と共に使用できるよう構成されてもよい。すなわち、呼吸器具は単なる実例であり、本発明の態様は、他の呼吸器具、たとえばフルフェースマスク、マウスマスクなどに適用可能である。
【0021】
本発明の実施形態は、快適ではなく、魅力的でもないマスクシステムに代えて、ソフトで、快適で、軽量で、機能的で、治療効果を高め、ファショナブルで、ほとんどあるいは全く調整することなく容易に装着および適合可能で、形状を維持し、インパクトが低く、扁平で、個人化あるいはカスタマイズされ、かつ/または患者およびベッドパートナーにも同様により魅力的でかつ非常に不満が生じ難い、洗練された患者インターフェースを提供することを目的とする。この患者インターフェースは目立ち難く、しかも不格好にあるいは魅力がないように見える、患者に対して固定された嵩張る機械的な延長部ではなく、患者の有機的延在でありかつ/または患者と調和するように見える。これは、患者および患者のベッドパートナーが、治療中、より容易に睡眠するのを助ける。さらに、患者インターフェースは、呼吸疾患用に処置されたものよりも、ナイトキャップあるいは寝具などのような衣類を患者が簡単に着用できるように、全知覚を改善できる。知覚の改善は、患者が実際に患者インターフェースを装着し、より良く治療に応じる可能性を高めるのに役立ち得るが、これは治療が効果を発揮する可能性を増大させる。また、容易に使用/調整が可能で、より興味をそそり、かつ/または魅力的なインターフェースの使用を促すことで、ベッドパートナーが一層容易に患者の治療に参加することが見込まれる。
【0022】
1. 患者インターフェースの第1実施形態
図1-1ないし図1-7は、本発明の一実施形態に基づく患者インターフェース10を示している。図示のように、患者インターフェース10は、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体と、シール構造体20に呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管構造体30(図1-2)と、シール構造体20および任意選択で導入管構造体30を実質的に取り囲むカバー40(ソックス(sock)または被覆とも呼ばれる)とを具備してなる。特に、カバー40は、患者の鼻とシールを形成するよう構成されたシール構造体20のシール部22、および任意選択で、空気供給チューブ5につながるよう構成された導入管構造体30のコネクターすなわちマニホールド32(図2)を露出させるよう構成されている。内部チューブなどと共にカバー40は、患者の頭部に装着されていてもあるいは取り外されていても患者インターフェース10がその形状を保持できるよう(たとえば図1-5および図1-6参照)、患者インターフェース10に自己保持形状を付与するのを助ける。カバー40はまた、患者インターフェースのより小さな部分のみを覆うように構成できる。
【0023】
実施形態では、カバー40およびシール部22は、テキスタイル(たとえば織布あるいは不織布)および/またはフォーム素材から構成される。こうした構造によって、患者の顔に密着係合するようになった「トータルソフト(total soft)」形態が実現される。さらに、「トータルソフト」形態は視覚的な魅力がありかつスタイリッシュであり、マスクを装着することの不面目を排除するのに役立つ。
【0024】
1.1 シール構造体
図示する実施形態では、シール構造体20は、使用時に患者の鼻の下に有効なシールを実現するシール部22を有する鼻用クレードルの形態である。シール部22は、たとえば図2-10に示す剛体シェルのような、カバー40内に収容されたサポートまたはフレームによって支持することができる。
【0025】
シール部22は、それが、空気を通すシールすなわち「漏出性」シールに、意図的な/制御可能な漏れをもたらすよう、多孔質素材、たとえばテキスタイルあるいはフォームから構成される。ある実施形態では、シール部の素材は湿度を管理する(たとえば、ある領域においては湿りを防止し、そして他の領域、たとえば鼻付近では加湿のために湿りを増進させる)ために選択可能である。疎水性および親水性素材(あるいは装用の特性を生じる処置)は選択事項である。
【0026】
シール部22は、その他の好適な形態(たとえば鼻用クッション、鼻用プロングなど)を有していてもよい。
【0027】
1.1.1 フォームシール
ある実施形態では、シール部22はフォームから形成され、そして使用時に(鼻の上にではなく)患者の鼻の下にフォームシールすなわちインターフェースを提供する。フォーム構造によって、フォームシールは通気性のシールを提供し、これによって患者とシール部との間の接触インターフェースにおいて、結露の発生およびこれに付随する刺激を抑止することができる。フォームは、フォーム構造/マトリックスによって、意図的な/制御可能な漏れを「漏出性」シールにもたらすが、これは、接触面を比較的乾いた快適な状態で維持するために空気の循環を創出するのに役立つ。フォームシールは、予測可能でかつ予め決定された範囲内で漏れを生じるよう構成される。ある実施形態では、フォーム開口が、必要量のCOウォッシュアウトを実現するが、これは、別体のCOウォッシュアウト通気口の必要性を排除しない。だが、CO通気孔はフォームシールと共に使用されてもよい。
【0028】
フォームシールは、患者の肌を捉えないかあるいはそれに張り付かない「非剥皮(unskinned)」構造体を実現し、それは伸縮しないかあるいは伸縮する必要がなく、そして調整可能な漏れを実現する。したがって、フォームシールは破損および汚損を最小限に抑える。さらに、フォームシールは、使用時に患者の顔を比較的乾いた状態で維持するために通気性を有する。
【0029】
フォームシールは、たとえば寒い夜にブランケット内に息を吐くのに似た、暖かい感覚を、呼気の際に患者の鼻孔にもたらす。この構造は、鼻用プロングインターフェースのユーザーが経験する「フローズンノーズ(frozen nose)」効果を軽減する。ある実施形態においては、フォームシールは、患者の顔の他の領域に温かい感覚をもたらすために、患者の顔の側部に沿って、たとえば空気供給管路と口付近のあるいは口から広がる患者の頬との間の上側頬領域に沿って延在する延長側部を有していてもよい。代表的実施形態では、延長側部はコネクターとつながっていてもよい。
【0030】
フォームシールは、患者との極度にソフトな(だが強化された)粘弾性的フォームインターフェースを提供する。フォームシールは、たとえば鼻用プロングインターフェースに類似した、その非常に目立たないデザインによって、極度の快適性および目立たなさを実現する。だが、鼻用プロングインターフェースとは異なり、フォームシールは、プロングが患者の鼻に突き刺さるような貫入感覚を伴わない。さらにフォームシールは、フォームがガスの放散を助けるので、鼻用プロングインターフェースのジェッティング(jetting)作用を排除する。
【0031】
さらに、フォームシールは極度の適合性を提供するが、これは、シールの領域が複雑ではなく、しかも従来型の鼻およびフルフェースインターフェースに比べて、人体計測的偏差が少ないからである。フォームは、シールを弱めることなく、そして患者の不快さを増大させることなく、適切なサイズおよび形状へと変形できる。さらに、非常に適合性に優れたフォームは、(たとえば特にシリコーンインターフェースと比べて)所与のサイズに関して、広範な集団変差に適合し、かつ、シールを実現する。さらにフォームシールは、ヘッドギアからのストラップ張力にほとんど依存しないので、より従順である。
【0032】
1.1.1.1 フォームシール特性
フォームシールは、独立セルあるいは開放セル構造を有していてもよい。さらに、フォームシールは、使用時に漸進的な開口を提供してもよい。実施形態では、フォームシールは選択された体積および表面特性を有していてもよい。
【0033】
フォームシールの他の利点としては、容易に変形すること、素材および加工コストが比較的安価であること、そして軽量であることが挙げられる。
【0034】
1.1.2 テキスタイルシール
代替実施形態においては、使用時に患者の鼻の下にテキスタイルシールすなわちインターフェースを提供するために、シール部22をテキスタイル素材から形成できる。テキスタイルシールはまた、意図的な/制御可能な漏れを伴う通気性シールあるいは漏出性シールを提供する。
【0035】
1.1.2.1 フレキシブルサポート上の単一層テキスタイルシール
図2-1ないし図2-3に示すように、シール構造体は、たとえばシリコーンからなる円筒形サポートすなわちベース50と、たとえばRTVシリコーンによって取り付けられた、円筒形サポート50に対して設けられたテキスタイルシール52を備えていてもよい。円筒形サポート50は、導入管構造体30の導入管につながるよう構成されたフレームに対して取り付け可能である。円筒形サポート50は、米国特許出願第10/781,292号(その全体がこの引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されるように、(ノズルが除去され、かつ、その間のディバイダー50.1(図2-2)のみが残された状態の)ノズルアセンブリのベース部に実質的に類似した構造を有していてもよい。円筒形サポート50の柔軟性はシールの順応性を増大させる。当該サポートは、好ましくはカバーすなわちソック内のフレーム部材のチャネルと連結されることになるスプリットベースを有していてもよい。だがサポートは、開口およびこの開口の少なくとも一部を取り囲むシールを備えたチューブであってもよい。ある実施形態では、フォームシールは、円筒形サポート50のようなサポートを備えていてもよい。
【0036】
図示するように、テキスタイルシール52は、テキスタイル素材(たとえばポーラ(polar)フリース)からなる単一層を具備してなる。空気が流動することを可能とするために、テキスタイルシール52の中央には開口が設けられる。フォームシールに関して先に説明したように、テキスタイルシール52は、呼気の際に、鼻の周りに温かい感覚をもたらすことができる。
【0037】
1.1.2.2 フレキシブルサポート上の多層テキスタイルシール
図2-4ないし図2-6に示すように、シール構造体は、たとえばシリコーンから構成された円筒形サポートすなわちベース250と、この円筒形サポート250に対して設けられた多層テキスタイルシール252とを備えていてもよい。
【0038】
図示するように、テキスタイルシール252は、互いに取り付けられた、テキスタイル素材(たとえばポーラフリース)からなる複数の層、たとえば2、3、あるいは4層(この例では四つの層)を備える。空気が流動することを可能とするために、テキスタイルシール252の中央には開口が設けられる。ある実施形態では、テキスタイルの一部は、たとえば圧力の一部を解放するために、患者の鼻の先端が載る場所を取り囲むように切除されてもよい。
【0039】
1.1.2.3 剛体サポート上のテキスタイルシール
図2-7ないし図2-10に示すように、シール構造体は、剛体シェル350と、この剛体シェル350に対して設けられたテキスタイルシール352(たとえばポーラフリース)を備えていてもよい。剛体シェル350は、テキスタイルシールに、載置のための剛性のあるマウント面を付与する。テキスタイルのコンプライアンスは、使用時に、シールを形成するために使用される。
【0040】
ある実施形態では、フォーム、たとえばEVAフォームを、剛体シェル350とテキスタイルシール352との間に設けることができる。
【0041】
また、剛体シェル350は、それぞれの導入管、エルボー、キャップ、および/またはヘッドギアと係合するよう構成されたチューブ351を備える。図示するように、患者の鼻用の、フレームにおける切欠き領域は、患者の上唇用のそれよりも深くなっている。
【0042】
図2-11ないし図2-13は、剛体シェル450と、剛体シェル450に対して設けられた(たとえばRTVシリコーンを用いて接着された)テキスタイルシール452(たとえばポーラフリース)とを備えるシール構造体の他の実施形態を示している。この実施形態では、(たとえばPerspex(商標)シートからなる)剛体シェル450がチューブ453(たとえばポリオレフィンチューブ)に対して設けられる。
【0043】
1.1.2.4 ヒンジ式シェル上のテキスタイルシール
図2-14ないし図2-16に示すように、シール構造体は、(たとえばシリコーンからなる)半剛体すなわちヒンジ式でかつ/または屈曲可能なシェル550と、半剛体すなわちヒンジシェル550に対して設けられたテキスタイルシール552(たとえばポーラフリース)とを備えることができる。
【0044】
シェル550は、いかなる適切な(たとえばD形状の)断面を有していてもよく、しかも剛性のために中央リブ551を備える。ヒンジポイント(たとえば平坦なシリコーンシートによって覆われた開口)が中央リブ551の両側に設けられるが、これは、シェル550が二つのポイントを中心として回動すなわち屈曲することを可能とする(図2-16参照)。ヒンジ式シェルは、患者の鼻の側方周りのシールを促進し得るが、これは、ヒンジ式シェルが、テキスタイルシールが鼻の周りを少なくとも部分的に取り囲むことを可能とするからである。他の代表的なヒンジ式でかつ/または屈曲可能なシェルは、米国特許出願第10/533,928号(その全体がこの引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0045】
1.1.2.5 円筒形シェル上のテキスタイルシール
図2-17ないし図2-19は、円筒形シェル650と、この円筒形シェル650に対して設けられたテキスタイルシール652(たとえばシリコーン被覆テキスタイル)とを備えるシール構造体を示している。テキスタイルシール652はシェル650の周囲に巻き付けられており、かつ、テキスタイルシール652のオリフィス654はシェル650の切欠き650.1と整列している。図示するように、テキスタイルシール652のオリフィス654は(側部が窪んだ)略三角形であり、しかも、たとえば図2-18に示すようなL(ラージ)、MW(ミディアムワイド)およびMN(ミディアムナロー)といった異なるサイズで提供可能である。テキスタイルシールは、シェルに対する素早い着脱を可能とするよう基体に設けることが可能であり(たとえば面ファスナー)、あるいは基体は、シェルの上に嵌るように屈曲可能なC字形の半剛体部材の形態であってもよい。
【0046】
代替実施形態において、重なり合うテキスタイルシールは、嵌り具合および安定性を改善できる。重なり合うテキスタイルシールは、異なるオリフィスサイズを積み重ねることによって形成可能である。外側の層は大きな孔を備えることができ、そして続く層はより小さなものとなる。各層間に間隙が存在してもよい。使用時、たとえば漏斗内にボールを落下させるように、患者の鼻はシール内にスライドし、そしてシールが実現された際に停止する。
【0047】
また、シール状態および密着範囲を促進するために、三角形オリフィスの先端に弾性要素を付加することができる。より大きなオリフィスを使用することができ、しかも弾性要素はポイントを一緒に引っ張り、漏れを制限するのを助ける。
【0048】
さらに、シェルは患者の鼻のためのさらなるクリアランスを実現するよう構成可能である。たとえば、シェルは、患者の鼻の先端を実質的に通過するよう構成された湾曲を備えていてもよい。
【0049】
1.2 導入管構造体
導入管構造体30は、シール構造体20に対して呼吸に適したガスを供給するために、シール構造体20と連結される。図示する実施形態では、導入管構造体20は、一つ以上の導入管およびこの導入管に接続されたコネクターを備える。ある実施形態では、単一の導入管が、導入管とシール構造体との間をつなぐことができる。だが、二つの導入管を使用するのが好ましく、これによって各管のサイズを低減しかつ患者を目立たなくすることができる。
【0050】
1.2.1 導入管
各導入管は、シール部22を支持するフレームのそれぞれの端部と係合するよう構成された第1の端部を備える。たとえば、フレームは図2-10に示すフレームのように構成でき、しかも導入管は、たとえば摩擦嵌合によってフレームの両端に設けられた、それぞれのチューブと係合するよう構成される。使用時、導入管には加圧された呼吸に適したガスが供給され、そしてこの呼吸に適したガスは、シール構造体20の両端に供給される。
【0051】
1.2.1.1 導入管断面
導入管(したがってフレーム上のチューブ)は、たとえば円筒形、楕円形、平坦形の断面などの、いかなる好適な断面形状を有していてもよい。導入管の断面形状は、少なくとも部分的に、導入管を取り囲むカバーの形状を画定する。図示する実施形態では、導入管は、以下で詳しく説明するように、患者の顔と調和するよう調和輪郭(blending contour)を実現する非円筒形断面形状を有する。管は、米国特許第10/385,701号(その全体はこの引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されるチューブのような、アンチクラッシュリブを備えた平坦な形態を有していてもよい。
【0052】
1.2.2 コネクター/マニホールド
図1-6および図1-7に最もよく示すように、コネクターすなわちマニホールド32が、導入管を連結し、かつ、空気供給チューブ5から導入管への連続的な流れを実現するために設けられる。図示するように、コネクター32は略T字形状を有し、かつ、ベース部34と、このベース部34に対して(たとえばボールジョイント、ヒンジ、一般的な屈曲性などによって)可動的に連結された導入チューブ部36とを備える。
【0053】
ベース部34は、たとえば摩擦嵌合によって一方の導入管と係合するための第1のチューブ35aと、たとえば摩擦係合によって他方の導入管と係合するための第2のチューブ35bとを備える。第1および第2のチューブ35a,35bの断面形状は非円形であってもよく、しかも導入管の断面形状に対応する。ベース部34は患者の頭部の形状に適合するよう湾曲していてもよく、しかも使用時に、それが患者の頭部の天辺と実質的に同一面をなすように載りかつ位置することができるように、その他の方法で適切に輪郭取りされる。さらに、ベース部34は、使用時に低モーメントを実現する扁平形状を有する。図1-1ないし図1-6に示すように、ベース部34は、統合された外観をもたらすために、実質的にカバー40によって覆われている。
【0054】
図1-6に示すように、導入チューブ部は頭部の後部に向かって、ある角度をなしている。導入チューブ部は固定でき、あるいは導入チューブ部36が使用時にベース部34に対してある角度をなすことができるよう、導入チューブ部36はベース部34に対して可動的に連結(たとえばスイベル)できる。導入チューブ部36は、フロージェネレーターに対して接続された空気供給チューブに対してつながるよう構成された導入チューブ37(たとえば直径15mm)を有する。導入チューブ37は、空気供給チューブとの接続を容易なものとするために比較的長尺なものである。さらに、導入チューブ部36のベース38は、ベース部34と連続した外面湾曲を有する。
【0055】
ある実施形態では、コネクター32にフロック加工を施すことができる(たとえば、それに対して大量の糸または綿毛の微細片が接着される)。これに代えて、滑らかな表面を実現するために、テキスタイルラップオーバー(wrap-over)をコネクター32に対して設けることができる。ベース部34および/または導入チューブ部36は、使用時の導入チューブ部36が回転するのを制限するために、一つ以上のストッパーを備えていてもよい。
【0056】
代替実施形態においては、コネクター32および導入管は、たとえば部品点数を削減するために、ワンピース構造体として一体的に形成することができる。
【0057】
1.2.3 オフセットアタッチメント
図示する実施形態では、コネクター32は患者の頭部の天辺に配置される。代替実施形態では、コネクター32は、患者の頭部の天辺からオフセットしていても、たとえば患者の頭部の側方に配置されてもよい。このオフセット構造は、抵抗力が低減し得るので、快適性を高めることができる。
【0058】
導入管の長さは、患者が空気供給チューブ接続部を確認し、そしてそれをより容易に操作できるポジションへとコネクターを調整するために選択可能である。
【0059】
ある実施形態では、コネクター32は調整可能な接続部(たとえばスライド式カップリング)を有することができ、これによってコネクター32の二つ以上のポジションが選択可能となる。
【0060】
1.3 カバー
図1-1ないし図1-6に示すように、カバー40は実質的に、導入管構造体30の導入管と、シール構造体20のフレームとを取り囲み、シールを形成するシール部および空気供給チューブにつながる導入チューブ37のみが露出状態となっている。被覆された患者インターフェースはより衣類に似た外観を呈し、そして以下でさらに詳しく説明するように、より魅力的な有機的様態を実現する。
【0061】
図示するように、カバー40は、シール構造体20のフレームを覆う下部42と、導入管およびコネクター21のベース部34を覆う側部44と、側部44と交差して延在する後部46とを備える。下部42はシール部22を露出させるための開口を提供し、かつ、側部44は導入チューブ37を露出させるための開口を提供する。
【0062】
カバー40は、側部44が、患者の頭部の側部に沿って、患者の耳の上で、そして患者の頭部の天辺へと、シール構造体20から導入管をガイドするよう、シール構造体20および導入管構造体30を保持する。側部44は、空気供給チューブに対する接続のために、患者の頭部の天辺においてコネクター32を保持する。後部46は、患者の頭部の後部と交差して延在する。
【0063】
後部46は、その長さを調整するために選択的に調整可能な調整可能ストラップの形態であってもよい。たとえば、後部ストラップ46は、ベースボールキャップに似たアジャスター48を備えていてもよい(図1-4参照)。この構造は、最小限のサイズで、良好なフィット範囲を実現する。だが、その他の好適な調整機構(たとえば面ファスナー材、ラダーロック(ladder lock)、弾性材など)を用いることもできる。
【0064】
カバー40は、所望のポジションで、シール構造体20および導入管構造体30を保持するのを助ける。すなわちカバー40は、患者インターフェースが患者の頭部に装着されているか外されているかに関係なく、それが患者インターフェースの形状を保持するように、構造的完全性すなわち自己保持形態(たとえば形状メモリー)を備える。さらに、カバーは、たとえばテキスタイルあるいはフォームなどの素材から形成されるが、これは、患者の顔との密接かつ快適な接触を実現する。カバーは、温かみ効果、すなわち医療装備ではなく衣類物品のような非臨床的な風合いをもたらす。
【0065】
1,3.1 カバー素材
カバー40は、テキスタイル素材(織布あるいは不織布)、たとえばフリース、織物素材から形成できる。代表的な素材としては、ポーラ(Polar)フリース素材、そして特にその「Power Stretch」素材が挙げられる。テキスタイル素材は、外観および触感に関して、好ましいことにソフトであり、しかも比較的容易に着色できる。さらに、不織布は成形可能であってもよい(たとえばNovolon)。
【0066】
ある実施形態では、カバー40は、無反射性の、または反射性の低い素材から構成される。無あるいは低反射性は、プラスチックマスクからテキスタイル被覆患者インターフェースを大まかに区別するのに使用可能な特性である。さらに、無あるいは低反射性は、光を過度に反射させないので有利である。
【0067】
代替実施形態において、カバーは、フォーム、ボール紙、あるいは紙材から構成できる。
【0068】
他の代替実施形態において、患者インターフェース、空気供給管、および/またはフロージェネレーターは、表面仕上げに関する連続性を実現し得る類似の表面素材を有していてもよい。
【0069】
1.3.2 カバーカラーおよび/またはパターン
カバー40は、異なる色(カラーコントラスト)、パターン、および/または表面質感を有する一つ以上の領域を含んでいてもよい。図示する実施形態では、ツートンカラー配合、たとえばダークカラーDおよびライトカラーLを有する。図示するように、ダークカラーDは視界に隣接して配置される。この構造は、低インパクトで、優美な外観をもたらす。
【0070】
ツートンテキスタイルカバー40は、患者の顔の上での患者インターフェース10の占有サイズを低減する。すなわち、この構造は、関連する領域を、より小さく、よりスリムに、あるいは嵩張らないように見せる、より明るい色(たとえば白)をカバー40に組み込むことができるという機能的な利点を有する。したがって、患者インターフェース10の視覚的インパクトは低下する(たとえば美観的に目立たない)。さらに、患者インターフェースは、衣類のように、よりファッショナブルであってもよい。代替実施形態では、一つ以上のライトカラーライン(たとえば白色ライン)がカバー40に付加されてもよい。
【0071】
異なるカラー、パターン、および/または表面質感は、異なるユーザーのために選択可能である。ある実施形態では、カバー40は透明であっても、あるいは患者の肌と調和するよう選択されてもよい(たとえばカモフラージュ色あるいは肌色)。たとえば、患者が比較的褐色の肌を有する場合、カバー40は患者の肌と調和するよう黒色あるいは暗褐色とすることができる。代替実施形態では、カバー40のカラーおよび/または質感は、患者の頭髪と調和するように選択可能である。
【0072】
1.3.3 着脱式カバー
ある実施形態では、カバー40は、クリーニングおよび/または交換のために、シール構造体20および導入管構造体30から取り外し可能であってもよい。カバー40は、取り外し/取り付けを容易なものとするために、たとえばジッパーおよび/またはVelcro(登録商標)を備えていてもよい。こうした構造によって、異なる色、パターン、および/または質感のカバーを、美観または交換のために取り替えることが可能となる。
【0073】
1.3.4 機械可洗
カバー40の素材は、このカバー40が洗濯可能、たとえば機械洗濯可能であるように選定されることになる。たとえば、カバー40は、シール構造体20および導入管構造体30から取り外された際に洗濯される。ある実施形態では、患者インターフェース10全体は、アセンブリ全体が洗濯可能、たとえば機械洗濯可能であるように構成されることになる。
【0074】
1.3.5 カバーの有機的形態
図示する実施形態では、カバー40は、鋭いエッジあるいは直線を排した調和(blending)輪郭あるいは自由な形態を提供する。調和輪郭は滑らかで、かつ、カバー40を患者の頭部の輪郭と調和させるか、あるいはカバー40を当該輪郭とけ込むよう先細なものとしている(たとえば目立たなくなる)。さらに調和輪郭は、皮膚を刺激し、あるいは擦過傷を引き起こし得る鋭いエッジを持たない。
【0075】
カバー40の輪郭は、患者の頭部の周りの位置と共に不均一に変化し得る。たとえば、カバー40は、あるエリア、たとえば睡眠中に患者がカバーの上に載るエリアにおいては平坦な領域を提供し得る。それゆえカバーは、患者の顔面輪郭の有機的延長であるということができる。
【0076】
図3-1はカバー40の代表的断面を示している。図示するように、カバー40は、内面60と、外面62と、内外面60,62間に設けられた内部フォーム64とを備える。
【0077】
内面60は、使用時に患者の顔面に対して実質的に密着状態で載るように構成される。以下で詳しく説明するように、内面60は、広範な患者にとって快適な装着状態を実現するよう、内側エッジから外側エッジに向かってテーパー状の形態を有している。内面60は、より均一な荷重分散を実現する相対的に大きな表面領域を提供する。こうした構造は、使用時に圧力ポイントが生じ難い。さらに、内面60は、患者の顔面上で患者インターフェースを安定させるのを助けるために、グリップ状(grip-like)材を有していてもよい。
【0078】
外面62は、患者の顔面と調和する滑らかな輪郭を有する。すなわち、外面62は、エッジが、睡眠時(たとえば患者が転がったとき)に寝具、枕などに引っ掛かるのを阻止するために、たとえば接線様式で、患者の顔面にとけ込むエッジを備えたプロファイルすなわち有機的形態を有する。
【0079】
カバーの内部フォーム64は、シール構造体20および/または導入管構造体30によって、少なくとも部分的に画定される。たとえば、図3-1は、カバーの側部44を示しているが、導入管31はそれを貫通して延在している。図示するように、導入管31は略楕円形状を有し、かつ、カバーの内部フォーム64は導入管31を取り囲んでいる。
【0080】
カバーの断面は、たとえば内部チューブおよび/または内部フォーム64の断面を変化させることによって、その長さに沿って変化し得る。
【0081】
図3-2および図3-3はカバーの代替断面を示している。図3-2に示すように、カバーは、たとえば空気の流れあるいはカバーの通気を可能とするために、内面60にギャップ66を備えることができる。図3-3に示すように、カバーはD字形状断面を有していてもよい。図3-1および図3-2に示す断面よりも好ましくはないが、図3-3の断面は、その調和輪郭のために、通常の円筒形管よりも、より好ましいであろう。だが、その他の断面形状、たとえば楕円形とすることも可能である。
【0082】
実施形態では、図3-1ないし図3-3の断面の全体は、それ自体、導入管の形状を表しており、しかもカバーは、単に、好ましくは適合する様式で、導入管の形状をカバーするように形成される。代替実施形態では、「カバー」は、導入管の内面に、すなわち患者の顔面と接触する側にぴったりと設けることができる。
【0083】
1.4 自動調整
患者インターフェース10は、患者の頭部に患者インターフェース10を装着するのに調整がほとんどあるいは全く必要ないよう構成される。したがって、患者インターフェース10は、ある程度の自己位置決め機能を有する。たとえば、導入管および/またはシールアセンブリ20から患者の頭部の頭頂まで延在するカバー40の側部44は、少なくとも部分的に、概ね切頭楕円コーンすなわちファンネルを画定しており、したがってチューブ・カバーリングを形成している。図4-1は、設計のためのテンプレートとして使用できる楕円形コーンを示している。コーンは、小さな楕円から大きな楕円へと軸線Aに沿ってテーパーをなしている。断面は、断面が概ね固定されると仮定すれば、可能な限り最大限の人口に適合するよう、軸線Aに沿って選択される。図4-1の円錐形における影を付けた領域44は、実質的に、管および/またはカバーの、特に患者インターフェースのフープ形側部44の内面の実施形態を示している。図4-2に示すように、内面は、外側楕円エッジOに向かってテーパー形状をなす内側楕円エッジIを画定している。テーパー面すなわち円錐楕円リングが、患者と係合する接触面を画定するために、内外エッジ間に設けられる。外側楕円エッジOは、内側楕円エッジIの長軸および短軸d,dよりも長い長軸および短軸D,Dを有する。内面の幅は変化し得る。
【0084】
カバーの内面の少なくとも一部は、使用時に患者の頭部と係合するよう構成され、そして、内面のテーパー状のすなわちある角度をなす形態によって、患者インターフェースを、さまざまに異なる形状の頭部に適合させることが可能となる。
【0085】
特に、カバーは、大きなエッジOが患者に向かって内側に面するよう配置される。患者インターフェースが患者の頭部に装着されるとき、患者の頭部は、小さなエッジIに向かって大きなエッジOを経て突出する。患者の頭部のサイズに応じて、テーパー状の内面は、異なるポジションで患者の頭部と係合する。たとえば、患者が大きな頭を有する場合、患者インターフェースは患者の頭部上の、より高くに位置するであろう。患者が小さな頭を有する場合、患者インターフェースは、患者の頭部の後部のより近くに位置するであろう。装着後に、患者は必要に応じて後部46を調整するかもしれない。したがって、患者は、自身の頭部に患者インターフェースを装着するために、単一の調整手段を必要とするかもしれない。
【0086】
代替実施形態では、内面は、一つまたは選択された部分に沿ってテーパー状となっていてもよい。さらに、内面は対称であっても、あるいは非対称であってもよく、たとえば、側部はベンドを有していてもよい。これは、たとえば、管/カバーの上端部が患者と接触するよう意図された場所に応じて、軸線Aに沿って前方44.1または後方44.2に向かって、断面の上部を屈曲させることによって、図4-1を用いて設計可能である。
【0087】
1.4.1 患者への装着方法
図4-3ないし図4-5は、患者に対して患者インターフェースを取り付けるための代表的方法を示している。図4-3に示すように、シール構造体20は、患者の鼻の下に先ず配置される。続いて、図4-4に示すように、カバーおよびその中に収容された導入管構造体は、患者の頭部へと、シール構造体を中心として回転させられる。患者インターフェースは、テーパー状の側部44が患者の頭部と係合し、そしてそれ以上の移動が生じなくなるまで、たとえばX°にわたって回転させられる。最後に、図4-5に示すように、カバーの後部46は、患者の頭部に患者インターフェースを固定するために、必要に応じて調整される。
【0088】
1.4.2 サイジング
図示する実施形態では、患者インターフェース10は、単一の調整ポイント、たとえば調整可能な後部46を備える。ある実施形態では、後部46は、販売時点で、患者にフィットするように調整されるか修正され、続いて、さらなる調整(たとえば引きちぎり)を阻止するために仕立て直される。
【0089】
代替実施形態では、患者インターフェース10は、弾力性をほとんどあるいは全く備えない調整不可能な(たとえば靴のような)スリップオン形態を有する。こうした構造では、患者インターフェース10は、多くの異なるサイズ、たとえば20までの異なるサイズ、5、10、15あるいはそれ以外の数のサイズとして提供できる。この構成は、シールの順応性によって改善される。
【0090】
1.5 膨張可能なカバー
ある実施形態では、導入管はカバー40自体によって提供できる。すなわち、カバー40の側部44は、コネクター32からシール構造体20へと空気を供給する管路を形成するよう構成できる。たとえば、カバーは、圧力が加えられるまで概ね弾性を有しており、圧力が加えられたときに膨張して非弾性状態となってもよい。そうした代替実施形態については以下で説明する。さらに膨張可能管ヘッドギアは、PCT出願番号PCT/AU05/00539に開示されている(その全体はこの引用によって本明細書に組み込まれる)。
【0091】
1.6 フォーム患者インターフェース
代替実施形態では、患者インターフェース全体はフォームから構成可能である。この構造では、フォーム患者インターフェースは、患者とのカスタムフィットを実現するために予備成形可能である。
【0092】
1.7 利点、特徴およびオプション
上述したそして以下で説明する患者インターフェースは、睡眠の質を改善することによって、患者の生活の質を改善するよう構成されている。これは、目立たなさ、親しみやすい外観および感触(たとえば、自己意識および「医療」認知および関連する消極的な内包の排除)、使いやすさの改善(たとえば装着および保持が容易かつ直感的であること)、そして快適性の改善によって、患者インターフェースを発展させることによって達成される。
【0093】
上述したそして以下で説明する患者インターフェースは、それぞれ、以下の利点、機能およびオプションの一つ以上を備えていてもよい。さらに、単一の利点、機能およびオプションは、本発明のさらなる独立した実施形態を形成し得る。
有機的であること;
非医療的であること(衣類として扱われる);
ソフトであり「硬質」ではないこと;
繊細であること(簡素であるがスタイリッシュである);
優美でありかつ洗練されていること;
着脱が容易であること;
初回から正確に装着できること;
直観的であること;
全く自由な動作を可能とすること;
クリーニング/メンテナンスが容易であること;
圧力ポイントが制限されているが存在しないこと;
「静寂」でジェッティングを生じないこと(患者およびパートナーを最小限しか妨害しない);
ヘッドギアの押し付けが最小限であること;
呼吸が容易でありかつ快適であること;
親しみやすい、すなわちパーソナルであること(生理的にかつ美観的に「フィット」し/着用者上で「軽快」に見えること);
衣類と同じように着用されること;
CPAP患者インターフェースを装着することの不面目(恥ずかしさ)が排除されること;
感覚値が高いこと;
睡眠を促進する機能、たとえば、五感の全てに関する刺激の最適化(視覚‐オプションとしてのアイカバー、聴覚‐ホワイトノイズ、音楽、ノイズキャンセル、イヤーマフ、味覚および臭覚‐芳香、触覚‐加熱/冷却、無圧ポイント);
患者に睡眠姿勢の完全な自由を提供すること(たとえばうつ伏せ姿勢での睡眠);
ファショナブルであること(自身に対する誇りと誇示);
洗濯機あるいは皿洗い機で洗濯可能であること;
調整が全くあるいはほとんど必要ないこと(たとえばソックス);
携帯性に優れること;
部品数が少なく簡素であること;
患者コンプライアンス;
コンパクトな旅行サイズに巻き取られるか折り畳み可能であること;
扁平であること;
交換可能な(たとえば使い捨て可能な)シール領域;
オーバーモールドされた構成要素。
【0094】
以下の特許または出願は、上述したそして以下で説明する患者インターフェースの一つ以上に組み込まれるかもしれないオプションあるいは機能を具備し得る。以下の特許および出願のそれぞれは、この引用によって、その全体が本明細書に組み込まれる。
PCT出願番号PCT/AU05/00704に開示されたポジション感知イルミネーター
米国特許第6,823,865号に開示されたメッシュベント
PCT出願番号PCT/AU05/01941に開示された可変メッシュベント
PCT出願番号PCT/AU2006/00321に開示された鼻拡張器
米国出願第11/080,446号に開示された磁力ヘッドギアクリップ
【0095】
2. 機能領域による材料要件
患者インターフェースは、構成要素とは対照的に、機能領域(たとえばシール、サポートなど)へと分割することができる。各機能領域は、所望の機能を果たすために選ばれた素材を用いて最も有利な形で具現化可能である。ある実施形態では、単一の素材が、全ての機能領域における全ての機能要件を満たすことができる。
【0096】
2.1 特性
以下の特性は、全ての機能領域において、全ての素材に適用される。
全ての素材は、単一の患者の多数回の使用に好適なものであってもよい。
全ての素材は、(生体適合性および細胞障害性要件をパスする様式で)他の素材と結合可能であってもよい。
【0097】
2.2 シール
シール領域は、患者インターフェースのシェルあるいはサポートを、特に鼻の中および/またはその周りで、患者の皮膚に対して密着させる患者インターフェースの領域である。この接合によって、患者が呼吸することができる、ある体積の加圧空気が生み出される。
【0098】
2.2.1 特性
以下の特性は、シール領域における素材に適用可能である。
素材は、皮膚接触および湿り空気経路生体適合性コンプライアンスを有していてもよい。
素材は、単一の患者の多数回の使用に好適なものであってもよい。
素材は、圧力下で、肌に適合するのに十分なほど柔軟であってもよい。
素材は、定量化可能な漏れ量を有していてもよい(シールと肌との間の漏れ量がゼロでない場合、それは再現可能な周知の量であってもよい)。
素材は、たとえば吸い上げ作用によって、肌に対して水分を保持なくてもよい。
素材は、肌を横切って動くとき、(肌の外層が除去されるのを防止するために)肌を削らないものであってもよい。
素材は、耐久性があり、かつ、洗浄可能なものであってもよい。
素材は、単一の患者の多数回の使用に好適なものであってもよい。
【0099】
2.2.2 解決策
以下の素材は、シール用の可能な解決策である。各素材に関して、素材の加工を可能とする特性を列挙する。
【0100】
2.2.2.1 フラットテキスタイルシール
形状を創出しかつ顔面に対するシールを維持するために、患者インターフェース空気圧力を使用するシールセクションを横切って、素材は制御された弾力性を有していてもよい。これを実現するために、弾力性は素材を横切って変化してもよいが、制御されない。シールは、公知のバブルクッションと同様にして機能し得る。フレーム(シェル)はシールベクターを提供しなくてもよく、単に、ヘッドギアからのシール力をクッション(シール)へと伝達すればよい。
【0101】
シールはフレキシブルでフラットな部材であってもよく、そしてシェルがシールに形状を付与する。このフラットな部材は、鼻との干渉を避けるために必要なプロファイルで切断可能である。素材はフレキシブルであり、剛体要素を持たないので、それはシェルの形状に追従し、そして全てのシールベクターは、(患者およびシールと並置された状態で)患者とシェルとの間に存在してもよい。これを実現するためにシェルは、シールのための反力を提供するために、それに一体化された要素を有していてもよい。この剛体要素は、フォーム、硬質セクション、硬質インサートなどであってもよい。
【0102】
2.2.2.2 3D形状を形成するためのキルトセクション
複数のフラットなセクションは、三次元物体を形成するために、(たとえば接着、縫合、溶着などによって)接合可能である。各フラットなセクションは、互いに異なる特性(たとえば弾力性、柔軟性、厚み、質感など)を有していてもよい。
【0103】
2.2.2.3 三次元製織
シールは、三次元製織技術を用いて織り上げられてもよい。これは、一体的な素材から継ぎ目を伴わずに三次元物体を作り出すことを可能とする。素材は、シールの異なる領域において、さまざまな特性を有していてもよい。これは、異なる糸/ヤーンを用いることで可能となる。変更されるべき特性としては、弾力性、柔軟性、質感、厚み(摩擦、触感など)、空気透過性などが挙げられる。
【0104】
2.3 ガス通気
ガス通気領域は、吐き出された空気を押し流す目的で大気への流動を可能とする患者インターフェースの領域である。流れは、患者インターフェース内で背圧を創出するのに十分なほど小さなものであるべきであり、しかも、増湿に著しく影響されたり、過度なノイズを発生したりすべきではない。
【0105】
2.3.1 特性
以下の特性は、ガス通気領域における素材に適用可能である。
素材は、通気流のバッチコンシステンシーを伴って製造可能である(流れは製造バッチ間で同一であるべきである)。
素材は、単一の患者の多数回の使用に好適なものであってもよい。
素材は、湿り空気経路生体適合性コンプライアンスを有していてもよい。
素材は、空気流がそれを通過する際に、最小限の騒音しか発生しないものであってもよい。
素材は、拡散ジェッティングを伴う通気を生み出してもよい。
通気口を通過する流れは、加湿によって、20%超だけ低減されなくてもよい。
通気口を通過する流れは、水中に素材を浸漬した後、X分内に規格値へと戻ることができる。
通気流は、製品の耐用年数にわたって変化しなくてもよい(すなわち、クリーニングによって劣化しない)。
通気口位置は、患者の姿勢による閉塞の可能性が考慮されてもよい。
素材は、着色可能であってもよく、しかも変色しないものであってもよい。
素材は、フレキシブルであってもよい。
【0106】
2.3.2 解決策
以下の素材は、ガス通気用の可能な解決策である。各素材に関して、素材を機能させ得る特性を列挙する。
【0107】
2.3.2.1 吸い上げ素材
CoolMaxに似た特性を有するテキスタイルが通気口として使用されてもよい。素材は水分が、凝縮するよりも、一層容易に気化する特性を有していてもよい(通気口内での水分の凝縮による流動制限を生じない)。素材が伸びやすいものである場合、引き伸ばされた場合に流れは影響を受けるべきではない(すなわちヤーン間の空隙は、流れに影響を与えるのに十分なほど著しく変化してはならない)。
【0108】
Gore-Tex(商標)膜によって覆われたテキスタイルを通気口として使用できる。これによって、水分が素材を通過して移動し、そして大気中に気化することが可能となる。
【0109】
通気口を有するプラスチック製インサートも使用できる。通気口形状は、(おそらく多孔技術を用いる)現在の技術と類似したものであってもよい。
【0110】
孔は、通気口として使用するために、シェルに縫い込まれてもよい。
【0111】
シェルにパンチング孔を形成することも可能である。こうした孔は、引き伸ばされた際に、シェルをほつれさせてはならない。
【0112】
使い捨て可能な膜インサート、たとえばメッシュ通気口を使用することができる。
【0113】
シェル自身が、その全体にわたって拡散流を有していてもよく、これによって別個の通気領域が必要でなくなる。
【0114】
2.4 ガス供給部
ガス供給部は、ガス供給ホースに対して患者インターフェース周りの呼吸可能な空間(容積)を接続する。
【0115】
2.4.1 特性
以下の特性は、ガス供給部における素材に適用可能である。
素材は空気透過性を有していなくてもよい。
空気経路(内側)面は湿り空気経路生体適合性コンプライアンスを有していてもよい。
肌接触面は肌接触コンプライアンスを有していてもよい。
素材は、フレキシブルで、折り畳み可能で、そしてソフトな触感を有していてもよい。
素材は、治療圧力を維持するためにキンク(kink)抵抗となる管路を形成すべきである。
素材は、着色可能であってもよく、しかも変色しないものであってもよい。
素材は、その上に印刷/エンボス加工/刺しゅう/あるいはその他が施された市販素材を有することが可能であってもよい。
素材は、それが曲がって頭部に合致するとき、捩れたり、歪んだりすべきではない。
素材は、滑らかな内腔/滑らかな内部形状を有していてもよい。
素材は、キンク抵抗を提供するリブ付き内部形状を有するよう形成可能であってもよい。
素材は、空気経路から音を吸収可能である。
素材は、(管路内を空気が勢いよく流れる音が患者に聞こえないようにするために)大気への伝導ノイズの伝達が生じないよう防音処置が施されてもよい。
【0116】
2.4.2 解決策
以下の素材は、ガス供給のための実施可能な解決策である。各素材に関して、素材を機能させ得る特性を列記する。
2.4.2.1 モールドチューブ
空気不透過性の弾性チューブを形成するために、シリコーン、ポリエチレンあるいはその他の素材を成形可能である。肌と接触する場合、チューブの外面はソフトな仕上げ材を有していてもよい。
モールドチューブは、それに織物状の外観を付与するために、テキスタイルと積層させることができる。
チューブの上にソックスを被せることができる。
【0117】
2.4.2.2 テキスタイルチューブ
テキスタイルチューブは、三次元製織技術によって、あるいは継ぎ目を用いて形成可能である。
【0118】
テキスタイルの表面は、空気および水分の透過性を調整するために、膜あるいはその他の素材によって積層されてもよい。
【0119】
テキスタイルは、空気および水分の透過性を調整するために、表面処理(たとえば樹脂)が施されてもよい。
【0120】
2.4.2.3 チューブのための構造
自身の形状を維持する可鍛性のテキスタイル(たとえば金属テキスタイル)が、形状を実現し、かつ、正確なシールベクターの実現を助けるために使用(あるいはチューブに対して可鍛性要素を積層)可能である。「中実」セクションを、形状を実現するのを助けるために、構造物(たとえばスペーサファブリック)中に組み込むことができる。(セイル中のリブのような)中実素材用のポケットを、構造要素を付加することを可能とするために設けられてもよく、こうした素材は、患者インターフェースの個人化を可能とするために、多数のオプションと共に提供できる。(Velcro(登録商標)システムのような)剛体要素の一時的な積層はまた、個人化された装着状態を実現するために使用できる。
【0121】
2.5 アンカー
アンカーは、患者インターフェースの全てのその他の要素に対して安定性および場所を提供する。アンカーは、他の機能領域と一体化することができる。
【0122】
2.5.1 特性
以下の特性は、アンカーに関する素材に適用可能である。
素材は、肌接触生体適合性コンプライアンスを有していてもよい。
素材は、通気性を有していてもよい。それは肌から水分および熱を運び去ることができる(すなわち水分および空気透過性)。
素材は扁平な形状を有することができる。たとえばそれは薄手のものであってもよい。
素材は、着色可能であってもよく、しかも変色しないものであってもよい。
素材は、その上に印刷/エンボス加工/刺しゅう/あるいはその他が施された市販素材を有することが可能であってもよい。
素材は方向剛性を調整する機能を有していてもよく、シェルに対するシールベクターが実施可能であってもよい。
素材は、弾力性を有していてもよい。
素材は、(管ヘッドギア内の空気圧力から)通常の力が加えられるまで弾力性を有していてもよい。
【0123】
2.6 シェル
シェルは全ての部材を一つに連結し、そして適所でシール部を保持するために特に鼻の周りで患者インターフェースに形状を付与する。
【0124】
2.6.1 特性
以下の特性は、シェルに関する素材に適用可能である。
呼吸に適した空気と接触する面は、湿り空気経路生体適合性コンプライアンスを有していてもよい。
肌と接触する面は、肌接触生体適合性コンプライアンスを有していてもよい。
素材は、空気不透過性を有していてもよい(あるいはそれを経て、少量の拡散性の周知の流動が可能となっていてもよい)。
素材は、着色可能であってもよく、しかも変色しないものであってもよい。
素材は、その上に印刷/エンボス加工/刺しゅう/あるいはその他が施された市販素材を有することが可能であってもよい。
素材は方向剛性を調整する機能を有していてもよく、シェルに対するシールベクターが調整可能であってもよい。
素材の外面は水分が気化することを可能とするようになっていてもよい。素材の内面が水分を吸い上げた場合、それが外面へと流出し、続いて気化することが可能であるべきである。
素材は、水分透過性を有していてもよい。
【0125】
2.6.2 解決策
以下の素材は、シェルにとって実施可能な解決策である。各素材に関して、素材を機能させ得る特性を列記する。
【0126】
2.6.2.1 3D形状を形成するためのキルトテキスタイルセクション
テキスタイルの複数の平坦なセクションは、三次元物体を形成するために、(たとえば接着、縫合、溶着などによって)結合可能である。各平坦なセクションは、潜在的に、互いに異なる特性、たとえば弾性、厚み、質感などを有する。キルトは、素材の空気および水分の透過性を変更するために、表面処理を必要とするであろう。キルトは、形状すなわち剛性を付与するために、(たとえばフォームあるいは接着プラスチックのような)他の素材と積層させることができる。膜との積層はまた、空気または水分の透過性のようなキルトの表面特性を変更するために、そして生体適合性要求を満たすために表面を変更することにさえ使用できる。自身の形状を保持する可鍛性テキスタイル(たとえば金属テキスタイル)が、形状を実現し、かつ、正確なシールベクターの実現を助けるために使用(あるいはチューブに対して可鍛性要素を積層)可能である。「中実」セクションを、形状を付与するのを助けるために、(スペーサファブリックのような)デザイン中に組み込むことができる。(セイル中のリブのような)中実素材用のポケットを、構造要素を付加することを可能とするために設けられてもよく、こうした素材は、患者インターフェースの個人化を可能とするために、多数のオプションと共に提供できる。(Velcro(登録商標)システムのような)剛体要素の一時的な積層はまた、個人化された装着状態を実現するために使用できる。
【0127】
2.6.2.2 3D形状を実現するための三次元製織
三次元織りは、三次元形状を創出するキルトテキスタイル方法と本質的に同じであってもよい。上述した全ての可能な方法は、継ぎ目を持たないという利点を備えた一体型オプションと共に使用可能である。上記以外の可能性としては以下のものが挙げられる。
素材は、その中に織り込むことによってカプセル化された剛体要素を有していてもよい。
隣接部位が三次元製織技術を用いて形成される場合、それらは同時に製造可能であり、したがって部位間には継ぎ目が存在しなくなる。たとえば、シール対シェルインターフェースはもはや存在しなくなるが、これは、それらが本質的に同じ部品であるからである。
【0128】
2.6.2.3 連続気泡フォームサポート
成形セルフスキンニング(self-skinning)連続気泡セルフォームが使用可能である。
【0129】
スキンとしてテキスタイルあるいは他のフィルムを用いた成形連続気泡セルフォームが使用可能である。スキンは先ず型枠内に配置され、続いてフォームがこのスキンによって成形される。
【0130】
2.6.2.4 成形独立気泡フォーム
フォームは、所望のフォームの真空成形シートの熱成形によって得られる。フォームを成形するとき、壁セクション厚みの変化によって、密度の、したがって剛性の変化が生じ得る。たとえば、フォームがある領域においてより薄く圧潰される場合、それは、より大きな壁セクションを有する領域よりも高い密度を有する。これによって、シールベクターを制御するために利用可能な剛体リブが実現される。シェルおよびクッションは一体に形成可能であり、これによれば、ただ一つの継ぎ目しか生じない。一つ以上の継ぎ目は、接合欠陥および偶発的漏れが生じる可能性を増大させる。シェルの所望の表面特性を実現するために、フォームは成形前に、(テキスタイルまたはフィルムのような)他の素材と積層可能である。
【0131】
3. 実施可能な構造
患者インターフェースとして実施可能な構造を以下に挙げる。
【0132】
3.1 管路ヘッドギアの容易な調整のためのリニアクラッチ
管路ヘッドギアを調整するための簡便な手法をユーザーに提供するために、セルフロッキング・リニアクラッチを、カバー/導入管路(管路ヘッドギアとも呼ばれる)と共に使用可能である。機構が、管路ヘッドギア内に配置され、そしてそれは、アクチュエータを駆動するために管路内の圧力を利用する。管路は、スリーブおよびインサートを備える。インサートは、半径方向にのみ弾力性を有しており(すなわち、その軸線に沿っては弾力性を持たない)、しかもスリーブは、半径方向および軸線方向の両方に関して弾力性を持たない。インサートは、スリーブ内でその軸線に沿って移動可能とされ、この移動は、患者インターフェースにおける装着可能性の度合いを制限する。インサートがスリーブから完全に取り外されるのを阻止するために、そしてシールを提供するために、インサートの端部は、極めて弾力性に富む素材を用いて、スリーブの内壁に対して取り付けられる。同様に、スリーブの端部は、極めて弾力性に富む素材を用いて、インサートの外壁に対して取り付けられる。
【0133】
インサートがスリーブから取り外されるのを阻止すると共にシールを提供することに加えて、弾性ジョイナーは、インサートをスリーブ内へと再びスライドさせるための復帰力を提供する。インサートは管内に圧力が存在しないとき自由に移動できるが、フロージェネレーターが作動させられ、そして管内に圧力が生じると、インサートは膨張し、そしてリニアクラッチと同じ方式でスリーブをロックする。このロック操作は、ヘッドギアをもはや伸ばすことも、短くすることもできないことを意味する。
【0134】
上述した機構は、ヘッドギアを調整するための従来手段(たとえばバックル、Velcro(登録商標)タブなど)の必要性を排除する。ユーザーは、自身の頭部上の患者インターフェースを単に引っ張ればよく、ジョイナーの弾性によってヘッドギアは正確な長さへと調整される。フロージェネレーターが作動させられると、ヘッドギアはロックされ、そして全ての調整が完了となる。
【0135】
スリーブおよびインサートの接触面は、機構がロックすることを確実なものとするために、粗い仕上げ面、あるいは抵抗を増大させるためのその他の要素を有することが必要となるであろう。クラッチがロックすることを確実なものとする他の手段は、ラチェット型ロック、ピンおよび孔などであってもよい。スリーブはまた、スリーブとインサートとの間の空隙が大気圧を有するよう、多孔性の(あるいは少なくとも空気の流動を可能とする)ものである必要があるであろう(これは管と空隙との間の大きな圧力差を生み出す)。これは、インサートが膨張することを確実なものとするために必要とされるであろう。
【0136】
3.2 インサート用ポケット
インサートのためにシェルにはポケットが形成されてもよい。こうしたインサートは、シェルに対して構造を付与し、そしてことによるとカスタムフィットを実現するために使用可能である。
【0137】
3.3 シェルの引っ張りコード調整
シェルの装着状態は、引っ張りコードを用いて調整可能である。コードは、それが引っ張られたときに撓むことが可能な半剛性ビームの端部に取り付けられてもよく、引っ張られたコードを完全にロックすることによって、ビームは曲がったままの状態とさせられ、したがってシェルの形状を調整することができる。
【0138】
3.4 スケルトンウエブ
フレキシブルで、非伸張性の素材からなるウエブは、シェル用のスケルトンを形成するために使用可能である。ウエブは、ヘッドギア領域と相互作用するよう構成され、そして、治療中に顔面から支持素材が取り外されることを許容しないであろう。ウエブは、他のシェル素材用の定着ポイントを形成できる。こうした定着ポイントは、シールを形成するために反作用力を提供し得る。
【0139】
3.5 フレキシブルシェル
図15-1および図15-2に示すように、オーバーラップ剛体要素は、たとえばAdidas(商標)指保護ゴールキーピンググローブにおいて使用されている技術と同様、一つの平面内で撓むことを可能とするが反対側の平面内ではそれを阻止するために使用可能である。当該オーバーラップ要素は、たとえば目の下および鼻用ブリッジの周りでの撓みを制御するために、シェル内で使用される。この要素は、顔面に取り付けたときに剛体セクションを形成するが、顔面上にないときにはシェルを依然として巻き上げることができるように使用可能である。図15-1および図15-2はシステムがどのように機能するかを示している。ヒンジの位置は、どの方向に屈曲が可能であるかという制約を実現することに留意されたい。
【0140】
剛体要素の他のコーナーにヒンジを配置することによって、屈曲は、図示するものとは反対側の平面内で抑制される。
【0141】
4. 患者インターフェースの代替実施形態
以下、本発明の代替実施形態に基づく患者インターフェースについて説明する。図示するように、患者インターフェースは、上述したように鼻の下でシール機能を発揮する鼻用クレードル、鼻の周りでシール機能を発揮する鼻用クッション、あるいは患者の鼻孔の周りおよび/またはその中でシール機能を発揮する鼻用プロングを含んでいてもよい。
【0142】
4.1 鼻用クレードルの実施形態
以下、上述したような鼻用クレードルを含む患者インターフェースの実施形態について説明する。
【0143】
4.1.1 第1実施形態
図5-1および図5-2は、本発明の他の実施形態に基づく患者インターフェース210を示している。患者インターフェースは、鼻用クレードルの形態のシール構造体220と、カバー240と、T字形コネクターあるいはマニホールド232を具備してなる。患者インターフェース210は、T字形マニホールド232を除いて、完全に柔軟である。
【0144】
ある実施形態では、シール構造体は、たとえば図2-1ないし図2-3に示すサポートのような、フレキシブルな円筒形サポートに対して設けられたフォームシール部を含んでいてもよい。ある実施形態では、サポートはテキスタイルから形成されてもよい。
【0145】
カバー240は。マニホールド232からシール構造体220へと空気を供給する管路を形成する。カバー240は、患者の顔面の輪郭に適合するよう輪郭取りされるかあるいは湾曲させられた異なるセクションから形成可能である。カバー240は、その形状を保持するために加圧された際に膨張でき、そして加圧されていないときにはフレキシブルなものとなる(たとえば、加圧されていないときには衣類片のようにシワがよる)。患者インターフェースを患者の頭部上で固定するために、弾性ストラップ246(たとえばライクラ(商標))がカバー240に対して設けられる。患者インターフェースのフレキシブルな形態は、シール力からのヘッドギア力の分離を増進する。患者インターフェースのフレキシブルな形態はまた、顔面輪郭に対する患者インターフェースの「クレードリング(cradling)」および適合を増進する。
【0146】
患者インターフェース210は、アンカーが管から完全に分離しているので、良好な装着範囲を実現する。患者インターフェース210は、装着時、非常に快適かつソフトであるが、これは力が非常に弱いからである。管長は調整可能であってもよく、かつ、マニホールドに押し付けられてもよい。患者インターフェースは完全にリバーシブルであってもよく、たとえばチューブルーティング方向を変えるために完全に逆さに装着されてもよい。
【0147】
以下のオプションが代替実施形態において考えられる。
マニホールドがソフトで非閉塞ラバーであってもよいカフ手段の挿入
【0148】
4.1.2 第2実施形態
図6-1および図6-2は、本発明の他の実施形態に基づく患者インターフェース310を示している。この患者インターフェースは、鼻用クレードルの形態のシール構造体320と、導入管構造体330と、ヘッドギアと、カバー340とを備える。
【0149】
ある実施形態では、患者インターフェースは、米国特許出願第10/781,292号(その全体はこの引用によって本明細書に組み込まれる)に記載の一つ以上のコンポーネントを含んでいてもよい。たとえば、米国特許出願第10/781,292号のヘッドギア、導入管およびシール構造体は、たとえばフォームからなる鼻用クレードルを含むよう改変可能である。その場合、改変されたアセンブリは、目立たなさ、機能性、安定性、そして患者の頭部から取り外した場合の形態の直感性の良好なバランスを備えた柔軟な患者インターフェースを実現するために、たとえばライクラ(商標)からなるカバーによって覆うことができる。
【0150】
4.1.3 第3実施形態
図7-1は、鼻用クレードルの形態のシール構造体420と、カバー440と、カバー440によって形成されるかあるいはそれによって覆われた導入管を含む患者インターフェース410の他の実施形態を示している。ある実施形態では、導入管はD字形断面を有していてもよく、そしてカバーはストレッチライクラ(商標)素材から形成されていてもよい。患者の頭部に患者インターフェースを固定するために、後方ストラップ446が設けられてもよい。
【0151】
患者インターフェース410は、美的外観を最大化し、かつ、意図された導入管ルーティングのための優美さおよび目立たなさの最適化を示している。すなわち患者インターフェース410は、患者の鼻の下に、滑らかで、優美で、連続した形状をもたらす。ある実施形態では、形状を維持しかつ患者の頭部をやさしく把持するために、カバーは内的に補強されてもよい。
【0152】
以下のオプションが代替実施形態において考えられる。
頭部輪郭に合致するソフトなリップを備えた異なる管セクション;
管の幅の増大および高さの低減(それが耳を越えて上方に移動するため);
頭部の後方における二つのストラップを、より幅広な一つのストラップに組み込むこと;
全ての段部およびエッジを隠すこと;
下側ストラップを形状全体の外観部に組み込むこと(すなわち円弧および湾曲の追加);
上部ストラップに関する色変化を用いて下側ストラップを目立つ形態とすること;
連続した無定形有機的形態;
良好な安定性を実現するために後部ストラップ、グリップ面の排除;
いかなるサイズの頭部にもフィットする非調整式管リング(それは、大きな頭部でさらに前方へと延びる);
頭部に合致するスリングとは別体の調整可能な管セクション
【0153】
4.1.4 第4実施形態
図8-1および図8-2は、鼻用クレードルの形態のシール構造体520を含む患者インターフェース510の他の実施形態を示している。この実施形態では、実質的に、患者インターフェースの全体は、柔らかな外観および触感をもたらすために、フォーム、たとえばフォームシール構造体522および導入管を形成するフォームカバー540から構成されている。患者インターフェースは超軽量であり、しかも後部ストラップを必要としないよう頬を捉えることができる。
【0154】
フォームの質感は、たとえば光沢のある素材に比べて、軟らかく見える。さらに、患者インターフェースの前部における柔軟性によって、回転調整を要さずに、それがシール機能を発揮することが可能となる。
【0155】
以下のオプションが代替実施形態において考えられる。
構造を付与すると共にそれがより面一に見えるようにするべくシリコーンシェルを排除するためのソフトフォームの前部におけるフォームの多層ラミネート;
シェルに対するシールフォームの適合;
「スカルキャップ(skullcap)」を設けることができる;
擬似頬パッドとなるためおよび温かい感覚を増進するために、より拡幅されたフォームシール;
逆さまに装着するのを防止するために、どのようにマスクを装着するかに関する取り扱い指示を提供するための押印。
【0156】
4.1.5 第5実施形態
図9-1ないし図9-3は、フォームシール部622を備えた鼻用クレードルの形態のシール構造体620を含む患者インターフェース610の他の実施形態を示す。この実施形態では、フォームシール部622は、米国特許出願第10/781,929号(その全体はこの引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されるもののような既存の鼻用アセンブリに組み込まれる。たとえば、ノズルは既存のアセンブリから取り外すことができ、しかも残りのベース部はフォームシール部622を組み込むために改変可能である。図9-1および図9-2は、ベース部623上のシール部622を示している。粘弾性的フォームインターフェースは、外部鼻孔を優しく支えると共に、優れた快適性および簡単な初めてのシールを実現する。さらに、フォームシールは、ノズルを備えた既存の鼻用アセンブリよりも低いヘッドギア張力しか必要とせず、しかもノズルによってもたらされるジェッティング(jetting)作用を排除する。さらに、フォームは柔軟であり、シリコーン型インターフェースよりも非常に広範な適合範囲を備える。
【0157】
4.2 鼻用クッションの実施形態
以下に、鼻用クッションを含む患者インターフェースの実施形態を示す。
【0158】
4.2.1 第1実施形態
図10-1は、鼻用クッションの形態のシール構造体720を含む患者インターフェース710の実施形態を示す。この実施形態では、シール構造体の全体は、フォームから、たとえばフォームクッション724およびフォームクッションシェル726からなる。シール構造体720は、ヘッドギア780によって、患者の頭部上で保持される。ある実施形態では、ヘッドギアはまた、フォームから構成可能である。
【0159】
4.2.2 第2実施形態
図11-1は、鼻用クッションの形態のシール構造体820を含む患者インターフェース810の実施形態を示す。図示するように、カバー840は、一体的外観を実現するべく、シール構造体および導入管を取り囲むために設けられている。ある実施形態では、鼻用クッションおよびシェルは布素材から構成可能である。患者インターフェースは、広範な頭部サイズに適合するよう調整可能であってもよく、たとえば後部ストラップは被覆された管に沿ってスライドする。
【0160】
以下のオプションが代替実施形態において考えられる。
扁平チューブ;
異なるテキスタイル(たとえばテリータオル、より長いパイルを備えた素材);
チューブ長調整機構を備えた複合マニホールド;
異なる顔面形状に対応するべく顔面上で患者インターフェースの角度を変えるためのシール領域を横切る張力の使用。
【0161】
4.2.3 第3実施形態
図12-1および図12-2は、鼻用クッションの形態のシール構造体920を含む患者インターフェース910の実施形態を示す。ある実施形態では。鼻用シールはシリコーンから形成可能であり、しかもシェルおよび管はフォームから形成可能である。他の実施形態では、鼻用シール、シェルおよび管は、フォームから形成可能である。
【0162】
フォーム管路は、患者インターフェースを一つの単一構造のように(たとえば衣類のように)感じさせる。さらに、フォーム素材は形状を維持し、しかも素材の質感および/または無光沢な仕上げ面は、たとえば光沢のある素材に比べて、より温かく見える。患者インターフェースは直感的な装着を実現し、そして軽量である。患者インターフェースの素材は、患者の肌を捉えるために、把持性(grippy)あるいは触感を有していてもよい。ある実施形態では、患者インターフェースは、嵩を低減するために、一つの単調なダーク色からなっていてもよい。さらに、患者インターフェースは、それに非医療的外観を付与するのを助けるために、(緑色のような)「非医療的」カラーからなっていてもよい。
【0163】
以下のオプションが代替実施形態において考えられる。
それを顔面上で保持する薄いフォームサポートを備えた外部湾曲部材;
約20mm以下の、顔面の前方での管路の幅;
シェル上に降ろすための管の接合;
ラバー製マニホールド;
テキスタイル中のカバーポニーテール;
それが頭部の天辺まで延在するような側部の折り曲げ;
シェルおよびシールの一体形成;
形状を整えるための埋め込みワイヤ;
上唇の形状に追従するための、上唇シールへのブーメラン形状の付加;
シールの嵩および高さの低減;
シールを保持するためのライクラ(商標)/ストッキング素材;
鼻の上で引き伸ばされることによるシール壁の反りを抑止するための伸縮性ライクラ(商標)の使用;
取り巻きヘッドギアはVelcro(登録商標)によって張り付く;
暗い場所での発光。
【0164】
4.3 鼻用プロングの実施形態
以下に、鼻用プロングを含む患者インターフェースの実施形態を説明する。
【0165】
4.3.1 第1実施形態
図13-1および図13-2は、鼻用プロングの形態のシール構造体1020を含む患者インターフェース1010の一実施形態を示している。ある実施形態では、患者インターフェース1010は、米国特許出願第10/781,929号(その全体はこの引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されるもののように、既存の鼻用アセンブリに類似していてもよい。だが、患者インターフェース1010は、その導入管を覆うために、たとえばライクラ(商標)からなるカバー部すなわちソックス1040を備える。
【0166】
代替実施形態では、鼻用プロングはフォームあるいはテキスタイルシェルによって支持されてもよい。
【0167】
4.3.2 第2実施形態
図14-1および図14-2は、鼻用プロングの形態のシール構造体1120を含む患者インターフェース1110の一実施形態を示している。ある実施形態では、患者インターフェース1110は、米国特許出願第10/781,929号(その全体はこの引用によって本明細書に組み込まれる)に開示されるもののように、既存の鼻用アセンブリに類似していてもよい。だが、患者インターフェース1110は、それを覆うために、カバー部すなわちソックス1140、たとえばライクラ(商標)から形成された一体型ソックスを備える。
【0168】
ソックス1140は既存のアセンブリの外観を和らげると共に、当該アセンブリは、ソックス1140と共に「アップ」ポジションにある導入管をカプセル化することによって、より優美なものとなっている。すなわち、目下のアセンブリは、エッジあるいは継ぎ目が存在しないことによって、より建築的で、滑らかで、そして流線的な外観を呈する。患者インターフェース1110は、患者の頭部から外されたときに、その形状を保持し、そして高品質な外観を有する。ソックス1140は、嵩を低減するために、一つの単調なダーク色を有していてもよい。
【0169】
さらに、横向きの導入チューブポジションは、優れたチューブ力デカップリングを示す。目下のヘッドギアはソックスを含むように改変可能である(たとえば、除去される後部ストラップ上のヘッドギアタブの除去および後部ストラップの切断および縫い合わせ)。
【0170】
代替実施形態においては、鼻用プロングはフォームあるいはテキスタイルシェルによって支持されてもよい。さらに、導入チューブは、D字形断面すなわち押し潰された(squashed)形状を有していてもよい。ソックス1140は、調整機構、たとえば野球帽型の調整機構を備えることができる。ソックスは、断面および嵩を低減するために、複数のトーン/質感/色(たとえば2トーン)を有することができる。
【0171】
4.4 利点および付加的オプション
上記実施形態の一つ以上によってもたらされる利点は以下のとおりである。
エッジがなく、継ぎ目がなく、連続した形態であり、滑らかで、かつ流線形の外見を有する;
患者の頭部から外したときに形状を維持するので、高い品質の外観が実現される;
直感的に装着できる;
素材の無光沢でザラザラした仕上げ面は、光沢のある面よりも温かく見える;
目立たない上に軽量化が図られる;
患者インターフェースの前部の柔軟性によって、回転調整を伴わずに、それがシール機能を発揮することが可能となる;
顔面を「捉える」ことによって安定性をもたらすヘッドギア;
より扁平でかつより面一な管路(顔面に対して丸みを帯びない)によって、より目に付かない外見がもたらされる;
管路から完全に分離したアンカーは装着範囲を改善する;
可逆コンセプト、患者インターフェースは、チューブルーティング方向を変更するために完全に逆さまに装着可能である。
【0172】
以下のオプションが上記実施形態の一つ以上の代替実施形態において考えられる。
押印を含むこと;
ポニーテールの端部の磁力連結;
アークフラッシュ(Arc flash)‐触媒反応に対して光を使用する自己殺菌素材処理‐銀も同様。患者インターフェースを交換するための機能上の理由の提供(すなわち使用可能期間の終わりを示すこと);
異なる顔面位置での機能的に異なる素材の使用;
季節バージョン、冷却および保温素材、ことによると夏用の相変化を実現するための異なる素材の使用;
呼吸(器官および生命)によって色を変えるハイパーカラー通気口、および臨床家への、全てが順調でありかつ患者が呼吸していることの指標の提供。さらに、洗濯によって低下したハイパーカラー処理の寿命としてのELSIの提供;
圧力レベルの指標を提供するための感圧素材。
【0173】
5. ライフスタイルオプション
上述した患者インターフェースは、治療セッションを改善しかつ/または促進する一つ以上のオプションを含むよう改変可能である。たとえば、患者インターフェースは、睡眠増進すなわちライフスタイルオプション、たとえば(たとえばノイズキャンセル機能を備えた)一体式ヘッドホン、一体式アイカバー、加熱/冷却効果、パートナーバージョンなどを備えていてもよい。
【0174】
代表的なライフスタイルオプションは、「Lifestyle Flow Generator and Mask System」という名称の、2006年7月24日に提出された米国特許出願第11/491,016号に開示されている(その全体は、この引用によって本明細書に組み込まれる)。
【0175】
他の代表的ライフスタイルオプションを図16-1ないし図16-23に示す。
【0176】
以下で説明する各実施形態では、導入管構造体は、患者の頭部上でインターフェースを支持すると共にシール構造体に対して呼吸に適したガスを供給するために、管、ストラップおよび/またはカバーを備えることができる。
【0177】
たとえば、図16-1ないし図16-3は、フルフェース患者インターフェース用のライフスタイルオプション(たとえば、取り外し可能な/統合された/再構成可能なアイカバーあるいはイヤーピース、異なる色(色コントラスト)、パターン、および/または表面質感)を示している。
【0178】
図16-1において、フルフェース患者インターフェース1210のシール構造体1220は、患者の鼻および口とシールを実現するよう構成される。図示するように、シール構造体1220は、たとえばシールおよび/または安定性を改善するために、患者の鼻と接触する、異なる特性(たとえば表面質感、硬さ、厚みなど)を備えた二つ以上の異なる素材(たとえば図16-1に示すような素材AおよびB)を含んでいてもよい。フルフェース患者インターフェース1210の導入管構造体1230はまた、たとえば美観的理由および/または安定性のために、二つ以上の異なる素材(たとえば図16-1に示すような素材CおよびD)を含んでいてもよい。さらに、イヤーピース1270(たとえばオーディオピース、イヤープラグ)が導入管構造体1230に対して設けられ、そして患者の耳と係合するよう構成されてもよい。
【0179】
図16-2は図16-1に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、イヤーピース1270を持たない。
【0180】
図16-3は図16-1に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、イヤーピース1270を持たない。さらに、この実施形態では、図16-3のフルフェース患者インターフェースはアイカバー1275を備える。アイカバー1275は、シール構造体1220および/またはフルフェース患者インターフェース1210の導入管構造体1230と別体であっても、それに改装のために組み込まれても、あるいはそれと一体化されてもよい。図示するように、アイカバー1275は、たとえば美観的理由および/または安定性のために、インターフェースの他の部分とは異なる素材を含んでいてもよい。使用時、アイカバー1275は、患者の目の中に空気が入るのを防止するよう構成される。ある実施形態では、アイカバー1275は、図16-1に示すフルフェース患者インターフェースに対して設けられてもよい。
【0181】
図16-4ないし図16-14は鼻用患者インターフェースのためのライフスタイルオプション(たとえば、取り外し可能な/統合された/再構成可能なアイカバーおよび/またはイヤーピース、チンストラップ、異なる色(色コントラスト)、パターンおよび/または表面質感)を示している。
【0182】
図16-4において、鼻用患者インターフェース1310のシール構造体1320は患者の鼻とシールを実現するよう構成されている。図示するように、シール構造体1320は、たとえばシールおよび/または安定性を改善するために、患者の鼻と接触する、異なる特性(たとえば表面質感、硬さ、厚みなど)を備えた二つ以上の異なる素材(たとえば図16-4に示すような素材AおよびB)を含んでいてもよい。
【0183】
導入管構造体1330の後部は、患者の頭部の後方と接触する、異なる特性を備えた二つ以上の異なる素材(たとえば図16-4に示すような素材CおよびD)を含む。図示するように、素材片Cは、ストラップ1331,1333を分離状態で維持すると共に安定性を改善するために、上側ストラップ1331と下側ストラップ1333との間に設けられる。さらに、素材片Cは、それが使用時に患者の頭髪を押し潰さないよう適当な素材から構成される。素材片Cは、たとえば美観的な理由から不透明であってもよい。
【0184】
また、鼻用患者インターフェース1310はチンストラップ1380を備える。図示するように、チンストラップ1380の端部1381は、シール構造体1320の近傍に存在する導入管構造体1330の一部に設けられる。チンストラップ1380は、導入管構造体1330とは別体であっても、それに改装組み込みされても、あるいはそれと一体化されてもよい。使用時、チンストラップ1380は、患者の頭部上での鼻用患者インターフェース1310の安定性を改善するために、患者の顎の下に(そしてたとえば患者の口に近接して)係合すると共にベクターを生み出すよう構成されている。
【0185】
図16-5は図16-4に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)。だが、チンストラップ1380の端部1381は、シール構造体1320から離間した導入管構造体1330の一部に設けられている。
【0186】
図16-6は図16-4に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。また、この実施形態では、図16-6の鼻用患者インターフェースは、導入管構造体1330に対して設けられかつ患者の耳と係合するよう構成されたイヤーピース1370(たとえばオーディオピース、イヤープラグ)を備える。
【0187】
図16-7は図16-4に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。
【0188】
図16-8は図16-4に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、上側ストラップ1331と下側ストラップ1333との間の素材片Cを持たない。ある実施形態では、上側ストラップ1331は、たとえば美観的理由および/または安定性のために、下側ストラップ1333の素材Dとは異なる特性(たとえば表面質感、硬さ、厚みなど)を有する素材Eから構成される。
【0189】
図16-9は図16-8に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。
【0190】
図16-10は図16-8に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。また、この実施形態では、図16-10の鼻患者インターフェースは、導入管構造体1330に対して設けられかつ患者の耳と係合するよう構成されたイヤーピース1370(たとえばオーディオピース、イヤープラグ)を備える。
【0191】
図16-11は図16-8に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)。だが、チンストラップの端部1381は、たとえば図16-5に示すチンストラップと同様、シール構造体1320から離間した導入管構造体1330の一部に設けられている。
【0192】
図16-12は図16-8に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。また、この実施形態では、図16-12の鼻患者インターフェースは、たとえば図16-3に示すアイカバーと類似のアイカバー1375を備える。
【0193】
図16-13は図16-8に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。また、この実施形態では、上側および下側ストラップ1331,1333は、側方ストラップ1335の素材Dとは異なる特性(たとえば表面質感、硬さ、厚みなど)を有する類似の素材Eから構成される。たとえば、素材EおよびDは、機能的なあるいは美観的な目的のために異なる材質あるいは色であってもよい。ある実施形態では、素材Eは、患者の頭部にとけ込むように患者の頭髪の色と類似の色合いを有し、安定性、剛性および/または把持を助け、通気性を有し、かつ/または装着を容易にするための直感性を助ける(たとえば後ろ前および/または逆さまを確認するのに役立つ)素材からなっていてもよい。
【0194】
図16-14は図16-4に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、チンストラップ1380を持たない。さらに、この実施形態では、図16-14の鼻患者インターフェースは、たとえば図16-3に示すアイカバーに類似のアイカバー1375を備える。
【0195】
図16-15ないし図16-23は、患者インターフェースに組み込まれても、組み込まれなくてもよいライフスタイルオプション(たとえば、取り外し可能な/統合された/再構成可能なアイカバーあるいはイヤーピース、後部ストラップ構造体)を示している。
【0196】
図16-15は、呼吸治療を受ける患者のベッドパートナー用のインターフェース1410を示している。すなわち、インターフェース1410は睡眠を増進するよう構成されると共にベッドパートナーの鼻および/または口に呼吸に適したガスを供給しない。だが、当該インターフェースは、呼吸に適したガスを供給するための構造体を含むよう適切に改変されてもよいことは明らかである。
【0197】
図示する実施形態では、インターフェース1410は、ベッドパートナーの頭部の天辺の上を通過する上側ストラップ1431と、ベッドパートナーの耳の下であってかつベッドパートナーの頭部の下部の後方を通過する下側ストラップ1433とを含むストラップ構造体を備える。イヤーピース1470(たとえばオーディオピース、イヤープラグ)がストラップ構造体に対して設けられると共に、それはベッドパートナーの耳と係合するよう構成されている。さらに、アイカバー1475がストラップ構造体に設けられる。図示するように、アイカバー1475および上側ストラップ1431は、たとえば美観的理由および/または安定性のために、下側ストラップ1433およびイヤーピース1470のそれとは異なる特性を備えた、異なる素材を含んでいてもよい。
【0198】
図16-16は図16-15に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、アイカバー1475を持たない。
【0199】
図16-17は患者インターフェース用のストラップ構造体1530を示している。図示するように、ストラップ構造体は、患者の頭部の天辺の上を通過する上側ストラップ1531と、患者の耳の下であってかつ患者の頭部の下部の後方を通過する下側ストラップ1533とを備える。空気供給管1505が、患者の頭部の天辺において上側ストラップ1531に設けられる。図示する実施形態では、空気供給管1505は、たとえば患者の頭部の天辺において上側ストラップ1531と交差する、その長手方向軸線を中心として回転するよう構成されたマニホールド1531によって、上側ストラップ1531に対して連結可能である。上側ストラップ1531は、たとえば美観的理由および/または安定性のために、下側ストラップ1533の素材とは異なる特性(たとえば表面質感、硬さ、厚みなど)を有する素材から構成可能である。そうしたストラップ構造体は患者の快適性を高めることができるが、それは、患者の頭部の後方を横切ってストラップが延在しておらず、かつ/または異なるベクターがシールの安定性のために提供されるからである。
【0200】
図16-18は、患者の頭部の天辺上を通過する上側ストラップ1631と、患者の耳の上であってかつ患者の頭部の後方を通過する下側ストラップ1633を備える患者インターフェース用のストラップ構造体1630を示している。空気供給管1605が、たとえば図16-17のそれと同様のマニホールド1632を経て、患者の頭部の天辺において上側ストラップ1631に対して設けられる。さらに、上側および下側ストラップは、異なる特性を有する素材から構成可能である。
【0201】
図16-19は、患者の頭部の天辺上を通過する上側ストラップ1731と、患者の耳の上であってかつ患者の頭部の後方を通過する下側ストラップ1733を備える患者インターフェース用のストラップ構造体1730を示している。空気供給管1705が、患者の頭部の天辺において上側ストラップ1631に対して設けられる。図示する実施形態では、患者の頭部の天辺において冠状および横断平面を通って延在する軸線を中心として回転するよう構成されたマニホールド1732によって上側ストラップ1731に対して接続可能である。
【0202】
素材片Cが、ストラップ1731,1733の分離状態を維持しかつ安定性を改善するために、上側ストラップ1731と下側ストラップ1733との間に設けられる。図示するように、素材片Cは、たとえば美観的な理由および/または安定性のために、上側および下側ストラップ1731,1733の素材Dとは異なる特性(たとえば表面質感、硬さ、厚みなど)を有する素材から構成可能である。
【0203】
図16-20は、患者の頭部の天辺上を通過する上側ストラップ1831と、患者の耳の下であってかつ患者の頭部の下部後方を通過する下側ストラップ1833を備える患者インターフェース用のストラップ構造体1830を示している。空気供給管1805が、たとえば図16-17のそれと同様のマニホールド1832を経て、患者の頭部の天辺において上側ストラップ1831に対して設けられる。さらに、素材片Cは、たとえば安定性のために、上側ストラップ1831から延在している。
【0204】
図16-21は、患者の頭部の天辺の上を通過する上側ストラップ1931と、患者の耳の周りを取り囲む下側ストラップ1933(すなわち患者の耳の後方および下方を通過して患者の顔面に向かう下側ストラップ1933)とを備える患者インターフェース用のストラップ構造体1930を示している。素材片1985は、各耳に隣接して下側ストラップ1933に対して設けられる。図示するように、材料片1985は、患者の耳に隣接して下側ストラップ1933を保持するために、患者の耳の前部と交わって延在している。
【0205】
空気供給管1905が、たとえば図16-19のそれに類似したマニホールド1932を経て、患者の頭部の天辺において、上側ストラップ1931に対して設けられる。さらに、後部ストラップ1990は、たとえば安定性のために、患者の頭部の後部と交差して延在する。図示するように、後部ストラップ1990の端部は、各耳に隣接して下側ストラップ1933の一部に対して設けられる。
【0206】
図16-22は図16-21に類似している(しかも同じ参照数字が付されている)が、後部ストラップ1990を持たない。この実施形態では、ストラップ構造体はただ、患者の耳を、保持のために使用している。
【0207】
図16-23は、患者の頭部の天辺の上を通過する上側ストラップ2031と、患者の耳の下および患者の頭部の下側部分の後方を通過する下側ストラップ2033とを備える(たとえば患者および/またはベッドパートナー用のインターフェース用の)ストラップ構造体2030を示している。イヤーピース2070(たとえばオーディオピース、イヤープラグ)がストラップ構造体に対して設けられ、かつ、それはベッドパートナーの耳と係合するよう構成される。イヤーピース2070は、パートナーの頭部上で構造体を保持するのを助けることができる。さらに、上側および下側ストラップ2031,2033は、たとえば安定性および/または美的外観のために、異なる特性を有する素材から構成可能である。
【0208】
6. 付加的ライフスタイルオプション
図17Aないし図41Bは、治療セッションを改善しかつ/または促進するための他の代表的ライフスタイルオプションすなわち患者インターフェースを示している。
【0209】
以下で説明する各実施形態において、導入管構造体は、管、ストラップおよび/または患者の頭部上でインターフェースを支持しかつシール構造体に呼吸に適したガスを供給するためのカバーを備えていてもよい。
【0210】
たとえば、図17Aないし図17Cは、たとえば溶接工のヘルメットと同様、パチンと開閉されるよう構成されたソフトシールド2115を含む患者インターフェース2110を示している。シール構造体2120(たとえば鼻用プロング)はシールド2115に設けられ、かつ、シールド2115がパチンと閉じられたとき(図17A)、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成される。図17Aに示すように、シール構造体2120は、シールド2115がパチンと閉じられたとき、視界から見えなくなる。さらに、シールド2115は、睡眠と同様、治療セッションを改善しかつ/または促進するためのアイマスクを提供する。シールド2115は、素早く視界を得るために跳ね上げることが可能である(図17B)。
【0211】
導入管構造体2130は、シール構造体2120と連通状態とされると共に、患者の頭部上の使用ポジションで患者インターフェースを維持する。空気供給管2105は、図17Cに示すように、たとえば両側において患者の耳の後方で導入管構造体2130に取り付けられる。
【0212】
ある実施形態では、シールド2115および/または導入管構造体2130は、剛性のために縫合されたフレキシブル構造(たとえばTPE)を備えたソフトな絹製キルト布から形成可能である。
【0213】
図18Aないし図18Fは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体2220(たとえば鼻用プロング2222)と、シール構造体2220に呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管2237(たとえばそれぞれが略楕円形断面形状を有する)を含む導入管構造体2230と、実質的に、シール構造体2220および導入管構造体2230を覆うカバー2240(たとえば、鼻用プロング2222および空気供給チューブ2205につながるよう構成されたマニホールド2232を露出させるよう構成されたカバー2240)とを備える患者インターフェース2210の他の実施形態を示している。
【0214】
図18Bはカバー2240から外されたシール構造体2220および導入管構造体2230を示し、図18Cはカバー2240を単独で示し、図18Dは空気供給チューブ2205が使用時に患者の頭部の天辺においてカバー2240の上側ストラップから延在するようにカバー2240内に配置された管2237を備えた2210を示し、そして図18Eは空気供給チューブ2205が使用時に患者の頭部の下部においてカバー2240の下側ストラップから延在するようにカバー2240内に配置された管2237を備えた2210を示している。
【0215】
患者インターフェース2210は、「ぶら下がり」チューブを持たない、滑らかで、クリーンな一体構造を実現する。カバー2240は外側シェル2241および内側ライニングすなわちインサート2243を備えていてもよい。外側シェル2241は、比較的硬質なシェルあるいはテキスタイルソフトタッチカバーであってもよく、そして内側ライニングすなわちインサート2243は、たとえば快適性のために、比較的ソフトでかつクッションが張られたテキスタイルであってもよい。カバー2240は抗変形性を有しかつ/または洗濯可能であってもよい。さらに、カバー2240は、(たとえば会社ロゴを備えた)ツートンカラー形態を有していてもよい。さらに、カバー2240、たとえば快適性のために、患者の耳に隣接して特別なソフト部分2245を備えていてもよい。
【0216】
カバー2240は、適合性および快適性のために、カバーのストラップのサイズの調整を可能とする一つ以上のアジャスター2225を備えることができる。図18Fに示すように、アジャスター2225は、手で押し潰されるか圧縮されて、ストラップの長さを調整するためにストラップに沿ってスライドさせることができる。こうした構造によって、簡便で、クリーンなストラップ調整が実現される。さらに、アジャスター2225は、快適性のために、比較的フレキシブルすなわちソフトであってもよい。
【0217】
図19Aないし図19Gは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体2320(たとえば鼻用プロング2322)と、シール構造体2320に呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管2337を含む導入管構造体2330と、実質的に、シール構造体2320および導入管構造体2330を覆うソフトカバー2340とを備える患者インターフェース2310の他の実施形態を示している。
【0218】
図19Aは患者の頭部上に配置された患者インターフェース2310を示し、図19Bおよび図19Cは患者の頭部から外された患者インターフェース2319を示し、そして図19Dはカバー2340から外されたシール構造体2320および導入管構造体2330(たとえばCPAPアセンブリ)を示している。図示する実施形態では、カバー2340は、患者の耳と係合するよう構成されかつ患者の頭部上で使用ポジション患者インターフェースを維持するのを助けるイヤーピース2370(たとえばオーディオピース、イヤープラグ、ノイズリダクション)を含む。ある実施形態では、イヤーピース2370の少なくとも一つは、たとえば使用時に空気が導入管の一つだけを流れ下るように、隣接導入管を経てシール構造体へと移動する空気の流れをロックすなわちブロックするよう構成されたロック機構を提供し得る。
【0219】
シール構造体2320および導入管構造体233(たとえばCPAPアセンブリ)がカバー2340から外されたとき、カバーは単独で睡眠を増進するためのベッドパートナー用のインターフェースとして使用できる(たとえばCPAPアセンブリはパートナーバージョンの機能性を残したまま取り外すことが可能である)。たとえば、図19Eは、カバー2340およびこのカバー2340に設けられたアイマスク2375を備えたパートナーバージョンを示しており(たとえばアイマスクはカバーに留まるかあるいはVelcro(登録商標)を介して張り付く)、そして図19Fは、アイマスクを持たないパートナーバージョンを示している。図19Gは、患者の鼻および/または口と係合するよう構成されたフィルター2390を備えたパートナーバージョン(たとえば、加圧空気を供給しないが濾過されたすなわちクリーンな空気を供給するパートナーバージョン)を示している。
【0220】
図20Aないし図20Dは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体2420と、シール構造体2420に呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管構造体2430とを備える患者インターフェース2410の他の実施形態を示している。ソフトカバーが、実質的に、シール構造体2420および導入管構造体2430を覆っていてもよい。
【0221】
図示するように、導入管構造体2430は、患者の頬を横切って通過し、患者の耳の後方を取り囲み、そして患者の頭部の天辺の上を通過する導入管2437を備える。そうした管構造体は、圧力ポイントすなわち敏感な顔面領域(たとえば頬骨)を回避している。素材片2485は、使用ポジションでインターフェースを保持するために、患者の耳の前部と交わって延在している。
【0222】
シール構造体2420は、鼻の上側部分の上に通過する(たとえば通気性のある素材からなる)上側部分2421と、鼻を覆うと共にシールを実現する下側部分2423を提供する。そうした構造体は、公知のマスクによって付与される「医療」イメージを払拭する。
【0223】
図20Dに示すように、アジャスター2425が管に沿って設けられてもよい。アジャスター2425は、手で押し潰すか圧縮され、続いて、ストラップの長さを調整するために管に沿ってスライドさせられてもよい。
【0224】
ある実施形態では、管2437は、流線形インターフェースを提供するために、超薄管から形成可能である。そうした構造体は美的外観を改善するが、これによって患者の従順さが改善される。
【0225】
図20Bは、アイマスクすなわちバイザーアタッチメント2475を備えた患者インターフェース2410を示しており、そして図20Cはイヤーピース(たとえばオーディオピースすなわちヘッドホン、イヤープラグ)を備えた患者インターフェース2410を示している。
【0226】
図21Aないし図21Cおよび図22は、二つの製品を一度に(たとえば付加物を伴わずに)で提供する患者インターフェース2510の他の実施形態を示している。特に、患者インターフェース2510は、患者の鼻に加圧された空気を供給するよう構成された鼻用インターフェースあるいは鼻マスクの形態であってもよく(たとえば図21Aおよび図22参照)、あるいは患者インターフェース2510は、アイマスクの形態であってよく(たとえば図21B参照)、たとえばインターフェースカバー2540内に設けられた鼻用プロング構造体2522を取り外すことによって鼻用マスクはアイマスクに転用される。図21Cは、患者の頭部から外された患者インターフェース2510を示している。
【0227】
各形態において、患者インターフェース2510は、イヤーピース2570、すなわち患者の耳と係合しかつ患者の頭部上でインターフェースを保持するよう構成された耳配置ヘッドギアを提供する。ある実施形態では、そうしたイヤーピースはまた、オーディオ、イヤープラグなどを提供し得る。さらに、患者インターフェースの一部(たとえば使用時に患者の目に隣接する部分)は、使用時に、加湿機能を提供し得る。
【0228】
図23Aないし図23Cは、多機能ヘッドバンドあるいは保持システム2650を提供する患者インターフェース2610の他の実施形態を示している。特に、多機能保持システム2650は、患者インターフェースが複数の形態のうちの一つを呈し得るように、複数のモジュラーインターフェースすなわち睡眠増進機構のうちの選択された一つを支持するように構成される。
【0229】
図示するように、保持システム2650は、患者の鼻の上を通過する前方ストラップ2631と、患者の顔面のそれぞれの側方に沿って延びる側方ストラップ2633と、患者の頭部の天辺の上を通過する上端ストラップ2635とを備える。
【0230】
図23Aは、保持システム2650に対して設けられた鼻マスクすなわちインターフェース2622を示しており、図23Bは、鼻マスクが外された状態で、保持システム2650に対して設けられたアイマスクすなわちバイザー2675を示しており、そして図23Cは、保持シャフト2650に対して設けられたフルフェースマスクすなわちインターフェース2634を示している(たとえば、フルフェースマスク2634は、芳香、フィルター、および/または加湿態様を提供してもよい)。だが、保持システム2650は他のモジュラーインターフェース(たとえば枕、プロング、鼻クレードル)あるいは睡眠増進機構(たとえばイヤーピース)を支持してもよい。
【0231】
図24Aは、下側ストラップ2731と、上側ストラップ2733と、この上側および下側ストラップ2731,2733を連結する垂直ストラップ2735とによって支持されたシール構造体2720を備える患者インターフェース2710の他の実施形態を示している。
【0232】
上側、下側および垂直ストラップ2731,2733,2735は、たとえばテキスタイルから形成された、一体集積構造体であってもよい。使用時、垂直ストラップ2735は、たとえば安定性およびシールを助けるために、垂直ベクターを提供する。患者インターフェース2710は、滑らかな、顔面に密着した、視線を浴びない、したがって目立たないインターフェースを提供する。
【0233】
図24Bおよび図24Cは、図21Aないし図21Cおよび図22に示すものに類似した(そして同様の参照数字が付された)患者インターフェースを示している。図示するように、患者インターフェース2520は、垂直保持を実現するために患者の耳を利用する、簡素な、ワンラップバンド(one-warp band)構造を実現する。図24Cは、空気供給チューブ2505およびシール構造体2520を示している。
【0234】
図25Aは、患者の鼻とシールすなわちインターフェースを実現すると共に患者の首の上部の周りを取り囲む導入管2837と、患者の頭部上で導入管2837を固定するために導入管2837から延在すると共に患者の頭部の天辺の上を通過する単一の薄手のストラップ2839とを備える患者インターフェース2810の他の実施形態を示している。導入管2837自体はまた、インターフェースを適所にて固定するためのストラップを形成している。ある実施形態では、導入チューブ2837は、たとえば消化ホースのような、快適さのために平坦化されるよう構成された、比較的ソフトなテキスタイル素材から形成可能であり、これによって患者はチューブの一方側に載ることができ、その一方で、他の側はガスの十分な供給を実現する。
【0235】
図25Bは、その導入管2937の一つに設けられたフレキシブルな調整可能サポート2990を含む患者インターフェース2910の他の実施形態を示している。図示するように、フレキシブルな調整可能サポート2990は、それぞれの遠位端部に第1および第2のソフトパッド2992(1),2992(2)を備える第1および第2のアーム2991(1),2991(2)を備える。第1のアーム2991(1)は、第1のパッド2992(2)が患者の前額部と係合するよう配置されており、かつ、第2のアーム2991(2)は、第2のパッド2992(2)が患者の頬と係合するよう配置されている。だが、他の好適なパッド配置も可能である。
【0236】
図25Cは、片側患者インターフェース3010を示しているが、このものでは、側方ストラップおよび頭部/首パッド3091は患者の頭部の一方側に設けられている。
【0237】
図25Dは、患者の鼻とシールを実現するよう構成されたシール構造体3120と共に、睡眠マスク3175を含む患者インターフェース3110の他の実施形態を示している。導入開口3107がインターフェースの後部に設けられており、そしてそれは、空気がインターフェースに入り、インターフェース内の隠されたチューブに沿ってシール構造体3120まで移動することを可能とする。
【0238】
図26Aおよび図26Bは、枕3295(たとえばソフトな布製枕)に組み込まれた患者インターフェース3210の他の実施形態を示している。図示するように、患者インターフェース3210は、患者が枕3295の上に載ったときにアーム3237が患者の顔面の一方側の周りを取り囲むのに適したものとなるよう、適切に輪郭取りされるかあるいは屈曲させられた長尺なアーム3237を備える。アーム3237の遠位端部はシール構造体、たとえば鼻用インターフェースを支持し、そして導入チューブはアーム内に隠されている。アーム3237は、それが患者の顔面の周りにぴったりフィットすると共にシールを生じるようスフリング付勢されてもよい。
【0239】
アーム3237の近位端部は枕3295に対して設けられ、かつ、空気供給チューブと連通するよう構成される。ある実施形態では、枕3295は、導入チューブが外部空気供給管と連通することを可能とする導入開口3297を備えていてもよい。他の実施形態では、空気導入チューブ、空気ポンプおよびオプションのフィルターは、枕3295内に収容されてもよい。
【0240】
図27は、患者の頭部の天辺の上で延在するソフトで柔軟なフードすなわちヘッドウエア3315を含む患者インターフェース3310の他の実施形態を示している。フード3315は、インターフェースのストラップ構造体あるいは管を取り囲み、すなわちそれを見えなくする。図示するように、空気供給管3305がフード3315の柔軟な後部から突出している。
【0241】
図28Aないし図28Cは、患者の鼻および口に被せることができる鼻/口カバーと共に、患者の頭部の天辺に被せることができるフード3415を含む患者インターフェース3410を示している。フード3415および鼻/口カバー3417は、ストラップ構造体、管およびシール構造体を取り囲み、すなわちそれを見えなくし、これによって管あるいは「ハード」な部品が患者の頭部において認識できなくなる。
【0242】
図29Aは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース上の、シール構造体3520と、シール構造体3520に呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管3537と、使用ポジションにおいて患者インターフェースを維持するのを助けるために患者の頭部の上を通過する弾性ストラップ3531とを備える患者インターフェース3510の他の実施形態を示している。患者インターフェース3510はまた、患者の耳と係合し、かつ、患者の頭部上の使用ポジションで患者インターフェースを維持するのを助けるよう構成されたイヤーピース3570(たとえばオーディオピース、イヤープラグ、ノイズリダクション)を備える。ある実施形態では、たとえば患者の顔面と調和するよう、導入管3537は透明な素材から構成可能である。
【0243】
図29Bおよび図29Cは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体3620と、シール構造体3620に呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管3637と、使用ポジションにおいて患者インターフェースを維持するのを助けるための(上側ストラップ3631と管3637との間で延在する)中間ストラップ3633とを備える患者インターフェース3610の他の実施形態を示している。図29Cに示すように、シール構造体3620は、鼻用シールすなわちインターフェース(たとえば鼻用インサート3622)の形態であるが、これはインターフェースおよび周囲のマスク構造の視覚的嵩を低減する。
【0244】
図29Dは患者インターフェース3710の一実施形態を示すが、このものにおいては、シール構造体3720および導入管構造体3730(たとえばCPAPアセンブリ)は、カバー3740に対して分離可能に連結される。
【0245】
図30Aは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース上の、シール構造体3820と、使用ポジションにおいてシール構造体3820を維持するためのストラップ構造体とを備える患者インターフェース3810の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の前額部を横切って延在する上側ストラップ3831と、患者の頬に沿ってかつ患者の耳の上端において前額部ストラップ4131まで延在する側方ストラップ3833とを備える。さらに、オプションの連結ストラップ3835が、前額部ストラップ3831とシール構造体3820の上部との間に延在していてもよい。ある実施形態では、ストラップ3831,3833,3835は、たとえば剛性のある熱成形構造体からなる多面強化材を備えていてもよい。
【0246】
図30Bは、アイグラスあるいはアイカバー3875を備えた患者インターフェース3810を示しており、そして図30Cは、顎ストラップ388と共にアイグラスあるいはアイカバー3875を備えた患者インターフェース3810を示している。
【0247】
図30Dは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体3920と、使用ポジションにおいてシール構造体3920を維持するためのストラップ構造体とを備える患者インターフェース3910の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の前額部を横切って延在する上側ストラップ3931と、患者の頬に沿ってかつ患者の耳の下において延在する側方ストラップ3933とを備える。さらに、連結ストラップ3935が、前額部ストラップ3931とシール構造体3920の上部との間に延在していてもよい。
【0248】
図30Eは、患者の口および鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば口および鼻用シールすなわちフルフェースインターフェースを覆う、シール構造体4020と、使用ポジションにおいてシール構造体4020を維持するためのストラップ構造体とを備える患者インターフェース4010の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の前額部を横切って延在する前額部ストラップ4031と、前額部ストラップ4031とシール構造体4020の上部との間に延在する連結ストラップ4035とを備える。
【0249】
図31Aないし図31Eは、患者の目および鼻の周りをぴったりと取り囲むよう構成された「スキーマスク」型構造を有する患者インターフェースの実施形態を示している。図31Aに示すように、患者インターフェース4110は、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース上の、シール構造体4120と、使用ポジションにおいてシール構造体4120を維持するためのストラップ構造体とを備える。ストラップ構造体は、患者の前額部の下側部分(たとえば患者の眉毛の直ぐ上)を横切って延在する上側ストラップ4131と、患者の頬の上部に沿ってかつ患者の耳の上端において前額部ストラップ4131まで延在する側方ストラップ4133とを備える。図31Bは、それに取り付けられた(たとえば睡眠用の)処方メガネあるいはアイカバー4175(たとえばクリップインメガネあるいはアイカバー)を備えた患者インターフェース4110を示している。
【0250】
図31Cにおいて、患者インターフェース4210は、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース上の、シール構造体4220と、使用ポジションでシール構造体4220を維持するためのストラップ構造体とを含んでいる。ストラップ構造体は、患者の前額部の下側部分(たとえば患者の眉毛の直ぐ上)を横切って延在する上側ストラップ4231と、患者の頬の上部に沿ってかつ患者の耳の上端において前額部ストラップ4231まで延在する側方ストラップ4233とを備える。図示するように、ロゴ(たとえば会社ロゴ)をインターフェースの側部に設けることができる。図31Dは、前額部ストラップ4231とシール構造体4220の上側部分との間で延在する連結ストラップ4235を備えた患者インターフェース4210を示している。そうした連結ストラップ4235は、シール保持用の垂直ベクターを提供する。ある実施形態では、図31Bと同様に、インターフェースに対してアイグラスあるいはアイカバーを取り付けることができる。
【0251】
図31Eは、図31Cに示すものと類似の構造を備えた患者インターフェース4310を示している。だが、図31Eの患者インターフェース4310は、側方ストラップに沿って付加的ライニング4348を提供できる。
【0252】
図32Aは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース上の、シール構造体4420と、患者の頭部上の安定かつ確かにポジションにおいてインターフェースを維持するための安定化構造体とを備える患者インターフェース4410を示している。安定化構造体は、患者の頭部の天辺に合致するキャップ部4431と、シール構造体4420へと患者の目の周りを取り囲む側方ストラップ4433と、キャップ部4431とシール構造体4420の上側部分との間で延在する連結ストラップとを備える。
【0253】
図32Bは、たとえば図32Aに比べて、目立たない形態を備えた患者インターフェース4510を示している。図示するように、患者インターフェース4510は、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体4420と、使用ポジションでシール構造体4520を維持するためのストラップ構造体とを含む。ストラップ構造体は、シール構造体4520から上方にかつ患者の頭部の天辺の上で延在する上側ストラップ4531と、患者の耳に向かって患者の頬に沿って延在する側方ストラップ4533とを備える。この実施形態では、側方ストラップ4533の端部は、たとえばサングラスフレームのように、患者の耳の周りを取り囲むよう構成される。
【0254】
図32Cは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体4620と、使用ポジションでシール構造体4620を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース4610を示している。ストラップ構造体は、患者の前額部を横切りかつ患者の頭部の天辺上で上側ストラップ4631と、患者の耳に向かって患者の頬に沿って延在する側方ストラップ4633と、上側ストラップ4631とシール構造体4620の上側部分との間で延在する連結ストラップ4635とを備える。この実施形態では、側方ストラップ4633の端部は、たとえばサングラスフレームのように、患者の耳の周りを取り囲むよう構成される。さらに、連結ストラップ4635は患者の肌に密着し、そして患者が視界の中でインターフェースを見ることができないようにロープロファイルを実現する。
【0255】
図33Aは、患者の口および鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば口および鼻用シールすなわちフルフェースインターフェースを覆う、シール構造体4720と、使用ポジションでシール構造体4720を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース4710の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の前額部を横切って延在する前額部ストラップ4731と、患者の耳に向かって患者の頬に沿って延在する側方ストラップ4733とを備える。図示するように、インターフェースは、患者の顎、下顎および首の周りに巻き付く。さらに、鼻ピース4771がシール構造体に設けられ、そしてそれは患者の鼻を挟むよう構成される。使用時に患者の顔面を冷却するために、インターフェースの面に冷却システム4773(たとえばファンデバイス、クールパック、相変化素材)を設けることができる。
【0256】
患者インターフェース4710は、適合可能なあるいは改装可能な付属品がインターフェースに対して取り付け可能であるように構成できる。たとえば、図33Bは、インターフェースに対して取り付け可能なアイマスク4775(たとえば磁石によって、アイマスクはインターフェースに留まる)、およびインターフェースの下側部分に対して取り付け可能なパッド4776を示している。そうしたパッド4776は快適性を高めるように構成可能であり、しかもそれは、モイスチャーライザーおよび/または芳香(たとえば乾燥パウダー、香水(scents)、クレンザーなど)を含んでいてもよい。
【0257】
図33Cは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体4820と、使用ポジションでシール構造体4820を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース4810の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の耳に向かって患者の頬に沿って延在する側方ストラップ4831と、患者の頭部の上方を通過する上側ストラップ4833とを備える。ある実施形態では、側方ストラップ4831とシール構造体4820とは、たとえば、患者の顔面にとけ込む「見えない」マスクを実現するために、透明な素材から構成できる。だが、シール構造体4820は、たとえば水蒸気を見えなくするために白色の素材から構成できる。さらに、ロゴ、たとえば会社ロゴをインターフェースの側方ストラップに対して付与することができる。
【0258】
図34Aは、患者の口および鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば口および鼻用シールすなわちフルフェースインターフェースを覆う、シール構造体4920と、使用ポジションでシール構造体4920を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース4910の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の頭部の後部と一致する後方キャップ部4931と、患者の頬に沿って延在する側方ストラップ4933とを備える。さらにストラップ構造体は、患者の顎、下顎および首の周りに巻き付く冷却システムあるいは冷却カバー4935を備える。冷却システムあるいは冷却カバー4935は、インターフェース用のサポートを提供し、かつ、環境制御特性、たとえば、夏には冷却効果を、そして冬には保温効果をもたらす相変化素材を含む。
【0259】
図34Bは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体5020と、使用ポジションでシール構造体5020を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース5010の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の前額部を横切って延在する前額部ストラップ5031と、患者の頬に沿ってかつ患者の耳の下方で延在する側方ストラップ5033とを備える。さらに、連結ストラップ5035が、前額部ストラップ5031と、シール構造体5020の上側部分との間で延在している。
【0260】
図35Aは、患者の口および鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば口および鼻用シールすなわちフルフェースインターフェースを覆う、シール構造体5120と、使用ポジションでシール構造体5120を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース5110の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の耳の上で延在する側方ストラップ5131と、患者の頭部の後部の上を通過する上側ストラップ5133とを備える。図示するように、シール構造体5120は、患者の顔面の前部の周り、たとえば患者の鼻、口、顎および頬の上を取り囲む。
【0261】
図35Bは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体5220と、使用ポジションでシール構造体5220を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース5210の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の耳の周りで延在する側方ストラップ(たとえば、それぞれの耳を受けるためにストラップには開口が設けられる)と、患者の頭部の後部の上を通過する上側ストラップ5233とを備える。図示するように、シール構造体およびストラップ構造体とは、たとえばヘッドホンのように患者の顔面および頭部に留まるよう構成された、一体の、半剛性構造体として形成可能である。
【0262】
図36Aおよび図36Bは、たとえば、鼻用シールすなわちインターフェースの下に提供するよう構成された患者インターフェース5310と、患者インターフェース5310に対して設けられた枕付属品5311を示している。ある実施形態では、枕付属品5311は膨張式空気枕すなわちプレナムであってもよい。図示するように、枕付属品5311は、たとえば飛行機旅行の間、患者の頭部あるいは首を支えるだけでなく、患者の頭部上でインターフェースを支持するために、患者の首の周りに巻き付くよう構成される。
【0263】
図36Cは、たとえば、鼻用シールすなわちインターフェースの下に提供するよう構成された患者インターフェース5410と、患者インターフェース5410に対して設けられた頭部カバーすなわちバラクラバ帽5413とを示している。頭部カバーすなわちバラクラバ帽5413は、患者の目だけを露出させる、たとえば保温のための、患者の頭部および首用の密着カバーを提供する。図36Dは、頭部カバーすなわちバラクラバ帽5413を外した状態で患者インターフェース5410を示している。
【0264】
図37Aは、患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成された、たとえば鼻用シールすなわちインターフェースを覆う、シール構造体5520と、使用ポジションでシール構造体5520を維持するためのストラップ構造体とを含む患者インターフェース5510の他の実施形態を示している。ストラップ構造体は、患者の耳の上で延在する側方ストラップ5531と、患者の頭部の後部を覆う後方キャップ部5333とを含む。図示するように、後方キャップ部5533は、環境調整特性(たとえば相変化素材)を含む冷却システムあるいは冷却カバーを提供できる。
【0265】
図37Bは、患者の頭部の上部を覆う上側キャップ部5535を備えた患者インターフェース5510を示している。上側キャップ部5535は、環境調整特性(たとえば相変化素材)を含む冷却システムあるいは冷却カバーを提供できる。
【0266】
図37Cは、患者の頭部を覆いかつ患者の目のみを露出させる頭部カバー5540によって取り囲まれた患者インターフェース5510を示している。カバー5540は、それが患者の頭蓋骨の周りを取り囲んでいる間中、たとえばヘルメットのような安定性をもたらし、しかも密接装着状態を実現する。鼻ピース5571をカバー5540に設け、それが患者の鼻を挟むように構成できる。ある実施形態では、カバー5540は、安定性に影響を与えることなく、通気を可能とするために取り外すことができる。
【0267】
図37Dは、アイシェード5575、(たとえば音楽用の)イヤーピース5570および患者の口および顎用の下部カバー5576のような、さらなる付属品と共に、インターフェース5510および図37Cの頭部カバー5540を示している。
【0268】
図38Aは、たとえば保温のために、患者の頭部の天辺に被せることができる、比較的弛みのあるフード5615を含む患者インターフェース5610の他の実施形態を示している。フード5615は、鼻用プロングすなわちインサート5622、たとえば患者の鼻の中に嵌合するよう構成されたフォーム鼻用プロングに、呼吸に適した空気を供給する管5637を(たとえば患者の顔面に跡をつけることなく)覆い隠すと共に、それを支持する。図示するように、管5637はフード5615のそれぞれの側面から延在している。
【0269】
図38Bは、フード5615の下側縁部から延在する管5637を備えた患者インターフェース5610を示している。
【0270】
図38Cは、患者の頭部に、よりぴったりと、すなわち的確にフィットするフード5615を備えた患者インターフェース5610を示している。たとえば、フード5615は、患者の頭部上でフードを締め込むためのシンチング(cinching)ストラップを備えていてもよい。
【0271】
図38Dは、患者の目のみを露出させる、患者の頭部および首用の密着カバーを提供するフード5715を含む患者インターフェース6710を示している。
【0272】
図38Eは、たとえば、口および鼻用シールすなわちフルフェースインターフェースを提供するよう構成された患者インターフェース5810に対して改装組み付け可能なフード5815を示している。
【0273】
図39Aは、患者の耳と係合するよう構成されたイヤーピース5970と、それぞれのイヤーピース5970から延在すると共に鼻用プロングすなわちインサート5922に呼吸可能な空気を供給するよう構成された単一のチューブ5937とを含む患者インターフェース5910の他の実施形態を示している。チューブ5937は、個人化された装着状態(たとえばチューブの長さが選択的に調整可能である)および保管(たとえばチューブはそれぞれのイヤーピース5970内に巻き取ることができる)を実現するために、それぞれのイヤーピース5970内に巻き取られるよう構成される。
【0274】
図39Bおよび図39Cは、患者の耳と係合するよう構成された単一のイヤーピース6070と、それぞれのイヤーピース6070から延在すると共に鼻用プロングすなわちインサート6022に呼吸可能な空気を供給するよう構成された単一のチューブ6037とを含む患者インターフェース6010の他の実施形態を示している。図示するように、チューブ6037は比較的長尺なものであり、それゆえチューブ6037は患者の顔面に傷をつけることなく患者の顔面から下方に垂れ下がる。さらに、患者の顔面は、インターフェースの被覆率が最小限であるので、よりむき出しの状態である。図39Cに示すように、後頭部(back-of-head)クリップ、たとえばヘッドホンアタッチメントを提供するために、イヤーピース6070は互いに結合される。さらに、鼻用プロングすなわちインサート6022は、図39Cに示すように、たとえばコネクター6023によって、互いに結合可能である。
【0275】
図39Dは、患者の耳の一方と係合するよう構成された単一のイヤーピース6170と、このイヤーピース6170から延在すると共にシール構造体に対して、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース6122の下で、呼吸可能な空気を供給するよう構成された単一のチューブ6137とを含む患者インターフェース6110の他の実施形態を示している。この構造によって、患者の顔面を最小限しか覆わない単一のチューブインターフェースが実現される。
【0276】
図40には、患者の耳と係合するよう構成されたイヤーピース6270と、それぞれのイヤーピース6270から延在すると共にシール構造体に対して、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース6222の下で、呼吸に適した空気を供給するよう構成されたチューブ6237とを含む患者インターフェース6210の他の実施形態を示している。図示するように、チューブ6237は相対的に長尺な、すなわち弛みを有するものであり、これによってそれは、患者の顔面上に跡をつけることなく、患者の顔面から下方に垂れ下がる。さらに、患者の顔面には圧力ポイントが存在しない。ある実施形態では、患者の鼻の周りのシールを改善するために、シール構造体に対して粘着シール6227を設けることができる。
【0277】
図41Aは、患者の前額部を横切って延在するヘッドバンドすなわち前額部ストラップ6331と、前額部ストラップ6331から延在すると共に鼻用プロングすなわちインサート6322へ呼吸に適した空気を供給するよう構成されたチューブ6337とを備える患者インターフェース6310の他の実施形態を示している。ある実施形態では、鼻用プロングすなわちインサート6322は、たとえば交換またはクリーニングを容易にするために、それぞれのチューブ6337にスナップ嵌合できる。
【0278】
図41Bは、ネックマウント管を備える患者インターフェース6410の他の実施形態を示している。図示するように、患者インターフェース6410は、患者の首の周りに巻き付くよう構成された環状ネックチューブと、ネックチューブ6431から上方に延在すると共にシール構造体に、たとえば鼻用シールすなわちインターフェース6422の下で呼吸に適した空気を供給するよう構成された導入管とを具備してなる。
【0279】
目下のところ最も実用的でかつ好ましい実施形態であると考えられるものに関連付けて本発明を説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、それどころか、本発明の趣旨および範囲内に包含される、さまざまな変形例および等価構造をカバーすることを意図したものであることを理解されたい。さらに、上述したさまざまな実施形態は、他の実施形態と組み合わせて具現化でき、たとえば、ある実施形態の態様は、さらに他の実施形態を実現するために、他の実施形態の態様と組み合わせることができる。さらに、所与のアセンブリの各独立した特徴あるいは構成要素は、さらなる実施形態を構成し得る。さらに、本発明はOSAを患う患者に対する特定の用途を有するが、他の病気(たとえば鬱血性心不全、糖尿病、病的肥満、発作、バリアトリック(barriatric)手術など)を患う患者が上記開示から利益を得ることができることを理解されたい。さらに、本明細書の開示内容は、非医療用途において、患者および非患者に対して同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0280】
5 空気供給チューブ
10 患者インターフェース
20 シール構造体
22 シール部
30 導入管構造体
32 マニホールド
34 ベース部
36 導入チューブ部
38 ベース
40 カバー
42 下部
44 側部
46 後部
48 アジャスター
50 円筒形サポート(ベース)
52 テキスタイルシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者インターフェースであって、
患者の鼻と有効なシールを実現するよう構成されたシール構造体と、
前記シール構造体に対して、呼吸に適したガスを供給するよう構成された導入管構造体と、
前記シール構造体および/または前記導入管構造体を実質的に取り囲むカバーと、
を具備してなることを特徴とする患者インターフェース。
【請求項2】
前記カバーおよび/または前記シール構造体は、テキスタイルおよび/またはフォーム素材から構成された一つ以上の部分を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の患者インターフェース。
【請求項3】
前記シール構造体は、積層あるいは多層構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の患者インターフェース。
【請求項4】
前記シール構造体は、患者の鼻の下、その周り、および/または僅かにその内部でシール機能を発揮するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項5】
前記シール構造体は、鼻用クレードル、鼻用クッションあるいは鼻用プロングの形態であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項6】
前記シール構造体は、通気を可能とし、湿気を防止し、かつ/またはガスウォッシュアウトを可能とするために、漏出性シールを具備してなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項7】
前記カバーおよび/または導入管構造体、および特に患者の顔面/頭部と係合する面は、楕円形円錐部材の断面から成形されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項8】
前記断面は、患者の頭部と係合するよう構成されたテーパー面を画定する幅を有することを特徴とする請求項7に記載の患者インターフェース。
【請求項9】
前記テーパー面は、患者の顔の前方の方向に集束していることを特徴とする請求項8に記載の患者インターフェース。
【請求項10】
前記カバーは、異なる色、色コントラスト、パターンおよび/または表面質感を有する一つ以上の領域を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項11】
前記カバーはツートンカラー構成を有することを特徴とする請求項10に記載の患者インターフェース。
【請求項12】
最低限の調整機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項13】
一つの調整ポイントを有するか、あるいは調整ポイントを有していないことを特徴とする請求項12に記載の患者インターフェース。
【請求項14】
前記カバーおよび/または導入管構造体は、患者の顔/頭部の有機的延在部と調和するか、あるいはそれを形成する輪郭を有することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項15】
前記カバーおよび/または前記導入管構造体は非円形であるか、あるいはテーパー状であることを特徴とする請求項14に記載の患者インターフェース。
【請求項16】
前記導入管構造体は、前記カバーを一体的に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項17】
前記カバーは、前記導入管構造体を一体的に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の患者インターフェース。
【請求項18】
患者に対して患者インターフェースを装着するための方法であって、
患者の鼻および/または口に対して、前記患者インターフェースのシール部を位置させることと、
前記患者インターフェースが患者の頭部上に自然に位置するまで、患者の頭部上へ、前記シール部を中心として、前記患者インターフェースを回転あるいは旋回させることと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項19】
患者の頭部上に、前記患者インターフェースをさらに固定するために、前記患者インターフェースの後部ストラップを調整することをさらに具備することを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図2−8】
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【図2−9】
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【図2−10】
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【図2−11】
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【図2−12】
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【図2−13】
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【図2−14】
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【図2−15】
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【図2−16】
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【図2−17】
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【図2−18】
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【図2−19】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図11−1】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図16−3】
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【図16−4】
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【図16−5】
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【図16−6】
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【図16−7】
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【図16−8】
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【図16−9】
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【図16−10】
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【図16−11】
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【図16−12】
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【図16−13】
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【図16−14】
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【図16−15】
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【図16−16】
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【図16−17】
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【図16−18】
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【図16−19】
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【図16−20】
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【図16−21】
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【図16−22】
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【図16−23】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図19F】
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【図19G】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29A】
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【図29B】
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【図29C】
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【図29D】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図30E】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図31D】
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【図31E】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図34A】
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【図34B】
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【図35A】
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【図35B】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図36D】
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【図37A】
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【図37B】
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【図37C】
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【図37D】
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【図38A】
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【図38B】
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【図38C】
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【図38D】
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【図38E】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図39D】
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【図40】
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【図41A】
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【図41B】
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【公表番号】特表2009−544372(P2009−544372A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521070(P2009−521070)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001052
【国際公開番号】WO2008/011683
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD