説明

呼吸療法装置及び方法

ハウジングとインタラプタバルブ組立体を備える呼吸療法装置において、ハウジングは患者吸入口と、排気口と、チャンバと、流体供給口とを含む。インタラプタバルブ組立体はハウジングと連関し、患者吸入口とチャンバを流体的に接続する制御ポートと、制御ポートを介して流体が流れるのを選択的に遮断するように構成されたバルブ体とを含む。受動モードにおいては、流体供給口への陽圧流体の流れが生じることがなく、インタラプタバルブ組立体は吐出された気体と相互作用して、振動性のPEP作用をもたらす。能動モードにおいては、流体供給口への流体の流れが生じ、インタラプタバルブ組立体はCIIFO作用をもたらすように動作する。呼吸療法装置は受動振動性PEP装置として機能し、陽圧源に接続されたときは能動装置として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に対して呼吸に関連する治療(例えば、振動性や持続的等の)を施すための呼吸療法装置と方法に関する。特には、患者の呼気流のみに反応して、又は(例えば、空気や酸素等の)陽圧流体源に接続されたとき、又はこれら両方の場合に、振動性の呼吸圧力パルスを生成することができる呼吸療法装置に関する。いくつかの実施形態では、1つ以上の付加的な療法(例えば、持続的気道陽圧、持続的呼気陽圧、エーロゾル化された薬物の投与等)を任意に適用することが可能である。
【背景技術】
【0002】
現今では、患者の呼吸の健康を援助、治療又は改善するために、多種多様な呼吸療法装置が利用可能である。例えば、気道陽圧法(PAP)は、鬱血性心臓疾患のある患者において、改良型酸素投与、人工心肺容積の増大、静脈環流量の低減を容易にすることにより、気管支の衛生を促進することにおいて有効な器具であると、長い間、認められている。ごく最近まで、気道陽圧法は、患者の人口心肺からの(例えば、痰や咳等の粘液の)分泌物の流通及び除去を促進することに有用であると認められている。この点に関して、患者の気柱の高周波振動(HFO)形体の呼気気道陽圧(EPAP)は、分泌物の除去を容易にする技術であると認められている。一般的には、HFOはインヴィトロ(生体外)での唾液の粘度を低下させ、このことは、インヴィトロでの擬態の咳払いによる除去動作において有効に作用する。この点に関して、HFOは、患者の胸壁に力を付与すること(即ち、患者の胸部に対して振動する電気的駆動パッド等の胸部物理療法(CPT))や又は患者の気道に直接的に力を付与すること(即ち、高周波の気道振動等の呼吸治療)により創出または生成される。多くの患者や介護人には、強圧的ではなく、また容易に治療がほどこされるので、呼吸治療法の方がより好まれている。このために、PAPの気管支衛生技法が、心肺を拡張して分泌物を流通させるために、CPTに代わる効果的な技法として浮上している。
【0003】
高周波振動型呼吸治療に関しては種々の装置が利用されている。一般的には、典型的な呼吸療法装置は、患者の呼吸経路を形成している1つ以上の管状体を含み、患者は該管状体を介して呼吸する構成である。このことを勘案して、患者の呼吸周期の吸気相又は呼気相の一方又は両方の間、圧力即ち陽圧気流を患者の呼吸経路内に周期的に発生させることにより、振動性の気流作用を生成することができる。例えば、呼気陽圧(PEP)は、呼吸の呼気相の間は患者の呼吸に対抗するように作用し得る。患者から呼気気流への患者の呼吸経路内に周期的に(又は継続的に)抵抗又は制限を付与すること、又は、(陽圧気体発生源からの)強制流体気流を、患者の吐出空気と反対方向に、患者の呼吸経路内に導入することにより、上記圧力を生成することができる。上記気流抵抗技法を用いることにより、陽圧気体発生源を別に備える必要はない。特には、多くの振動性呼気陽圧(「振動性PEP」)療法装置は患者の呼吸のみを利用して振動性流体流の制限を駆動しており、従って、「受動型」装置と呼ばれる。(これに対して、「能動型」呼吸療法装置は、以下に説明するように、分離された陽圧気体供給源に依存している。)受動振動性PEP装置は自己管理型でかつ携帯用である。
【0004】
フラッタ(登録商標Flutter)粘液除去装置(アラバマ州バーミンガムのAxcan Scandipharm 社製)は、利用可能な受動型振動性PEP療法装置の一例である。一般的には、フラッタ装置は管状であり、目打ち(孔)のあるキャップで緩く覆われたハウジングの「ボウル皿」部内のスチールボールを備えている。ボールは装置のハウジングで画定される気道経路内に配置されており、患者がハウジング内に息を吐出すると、ボールが一時的に空気流を遮断し、呼気気道陽圧を生成する。ボールを内部に含むように配置したボウル皿は、ボールが反復的に動くこと(例えば、転がることや跳ね上がること等)又は揺動して吐出気流に対して振動性の抵抗を形成することを可能にしている。フラッタ装置は、比較的低価格でかつ実行可能であるが、かなり感応性があり、一貫性のあるPEP効果を得るためには、患者は装置を特定の角度で維持していなければならない。他の能動型振動性呼気陽圧装置として、アカペラ(登録商標Acapella)振動性PEP療法システム(英国ロンドンの Smiths Medical 社製)とクウェイク(登録商標Quake)分泌物除去療法装置(アリゾナ州Tucsonの Thayer Medical Corp. 社製)がフラッタ装置に代わるものとして知られており、使用時における患者が保持する位置に関しては低い感度である。これら種々の携帯型の振動性PEP療法装置は実行可能であるが、依然として改良の余地があり、患者はもっとバラツキのない振動性PEP効果を所望し続けている。
【0005】
上記受動型振動性PEP装置の代替として、持続的高周波振動(CHFO)治療システムも利用可能である。一般的には、CHFOシステムは、陽圧気体(空気や酸素等)の生成源が流体的に接続された患者の呼吸経路を形成するハンドヘルド型装置を含む。陽圧源及び/又は装置は(例えば、ハンドヘルド型装置から離間した駆動ユニットの一部として設けられた制御バルブ等の)好適な機構を更に含み、これにより、患者の呼吸経路内への気体の断続的な流れを形成し、従って、患者の肺の打診的換気を実現している。この技法を用いて、患者は気体の高圧気流と微小破裂を引き起こすマウスピースを介して呼吸する。これらの打診的破裂の間、脈動性の打診的気流が気道陽圧を周期的に増大しながら、大気より高圧の持続的気道陽圧が維持される。各打診的サイクルは何らかのシステムを用いて患者や介護者によりプログラム化することができ、呼吸サイクルの吸気及び呼気相の療法を通して使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CHFO装置の例としては、IPV(登録商標)通風装置(アイダホ州サンドポイントの PercussionAire 社製)とPercussiveNeb(商標)システム(カリフォルニア州サクラメントの Vortran Medical Technology 1 社製)が含まれる。これら及びその他の「能動型」システムは、CHFO処置だけでなく、他の(例えば、持続的気道陽圧(CPAP)等の)陽圧気流モードの処置もまた、すぐに施すことができる。しかし、陽圧の供給源が必要であり、利用可能な能動型呼吸療法システムはすぐに携帯できるものではなく、また、(特に、上記受動型振動性PEP装置と比較して)比較的高価である。そのため、能動型呼吸治療システムは、養護施設においてのみ利用されることがよくあり、患者は家庭でその呼吸療法を続けることができない。それに代わって、上述の携帯型の受動型振動性PEP装置等の別に分離された装置もまた備える必要がある。更に、従来の能動型呼吸療法システムのハンドヘルド部は、患者に対する望ましい流体の流れ(例えば、CHFO,CPAP等)を実行するようにプログラム化される好適な駆動ユニットに接続する必要がある。換言すれば、能動型システムのハンドヘルド部は自動運転するものではなく、適用するためには駆動ユニットに依存している。利用可能な能動型呼吸療法装置のこれら及びその他の制約を満たすあらゆる努力は受容される。この制約は重大な欠点である。
【0007】
上記に鑑み、陽圧源に接続される場合はCHFO療法(及びCPAP等の任意の他の療法)とともに、患者自身の呼吸のみを利用する振動性PEP療法を施すことが可能な呼吸装置の必要性がある。更に、改良された受動型PEPまたは能動型呼吸療法装置もまた必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の原理に係るいくつかの態様は、吸気相と呼気相を含む患者の呼吸サイクルの少なくとも一部の間、患者に呼吸療法を施すための装置に関する。該装置はハウジングとインタラプタバルブ組立体を含む。ハウジングは、患者吸入口と排気口とチャンバと圧力流体供給口とを含む。チャンバは患者吸入口と排気口との間に流体的に介在するように配置されている。インタラプタバルブ組立体はハウジングと連関し、患者吸入口とチャンバを流体的に接続する制御ポートを含む。更に、インタラプタバルブ組立体は、制御ポートを介して流体が流れるのを選択的に遮断するように構成されたバルブ体を含む。これに鑑み、装置は、第1のモードである受動モードと第2のモードである能動モードにおいて動作するように構成されている。受動モードにおいては、圧力流体供給口への陽圧気流が生じることはない。インタラプタバルブ組立体は患者から吐出された気体と相互作用して、少なくとも呼気相の間は振動性の呼気陽圧作用をもたらすように動作する。これとは逆に、能動モードにおいては、流体供給口への陽圧流体の流れが生じ、インタラプタバルブ組立体はこの流体の流れと相互作用して、持続的な高周波振動作用をもたらすように動作する。この構成により、呼吸装置は、実質的にどんな場所においても患者によって使用される受動型振動性PEP装置として機能することができる。また、陽圧気体源に接続された場合は、呼吸療法装置は能動療法を提供する。ある実施形態では、インタラプタバルブ組立体は逆方向のルートブロア(送風機)に似た駆動機構を含み、(例えば、患者の吐出気流または別体の陽圧気体源からの気流等の)強勢された空気を利用してルートブロア(送風機)のローブ体を回転させることで、バルブ体により制御ポートを周期的に開閉させる。他の実施形態では、装置は、持続的PEP,CPAP、エアロゾル化された薬物療法等の1つ以上の付加的療法を施すかまたは装備することができる。
【0009】
本発明に係る他の態様は、吸気相と呼気相を含む患者の呼吸サイクルの少なくとも一部の間、患者に呼吸療法を施すための方法に関する。該方法は、ハウジングとインタラプタバルブ組立体を含む呼吸療法装置を装備する工程を含む。ハウジングは、患者吸入口と排気口と圧力流体供給口とを含む。インタラプタバルブ組立体は、患者吸入口への流体の流れまたは患者吸入口からの流体の流れを選択的に遮断するように構成されている。圧力流体の供給源は圧力流体供給口に流体的に連結される。能動モードで動作する呼吸療法装置を用いて、該療法装置を介して患者に持続的な高周波振動が付与される。圧力流体供給源から圧力流体供給口への流体の流れが中断される。次いで、患者の呼吸サイクルを繰り返し行うように患者は促される。この点に関して、受動モードの動作の間、療法装置は患者に振動性の呼気陽圧治療を施す。ある実施形態では、受動モードの動作は振動性呼気陽圧治療のレベルが患者の呼吸力の関数であることを特徴とし、一方、能動モードの動作は持続的高周波振動治療のレベルが患者の呼吸力から独立していることを特徴とする。更に他の実施形態では、該方法は、CPAP、持続的PEP、エアロゾル化された薬物投与等の1つ以上の付加的療法を装置を介して患者に施すことを更に含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、陽圧源に接続される場合はCHFO療法及びCPAP等の任意の他の療法とともに、患者自身の呼吸のみを利用する振動性PEP療法を施すことが可能な呼吸装置を提供することができ、更に、改良された受動型PEPまたは能動型呼吸療法装置もまた可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の原理による呼吸療法装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の原理による呼吸療法装置の分解斜視図である。
【図3A】図2の装置のハウジング部の斜視図である。
【図3B】図3Aのハウジングの底面図である。
【図4A】図3Aのハウジングの患者供給用吸入方向に沿った縱断面図である。
【図4B】図3Aのハウジングの先導部の後方側斜視図である。
【図4C】図3Aのハウジングの駆動供給用吸入方向に沿った縱断面図である。
【図5A】図2の装置の駆動機構部の分解斜視図である。
【図5B】図5Aの駆動機構の最終組立状態における斜視図である。
【図6A】図2の装置の部分的組立体を示す斜視図である。
【図6B】図2の装置の最終組立状態における患者供給用吸入方向に沿った縱断面図である。
【図7A】図2の装置の受動モードでの使用形態を示す図である。
【図7B】図2の装置の受動モードでの使用形態を示す図である。
【図8A】図2の装置の能動モードでの使用形態を示す図である。
【図8B】図2の装置の能動モードでの使用形態を示す図である。
【図8C】図2の装置の能動モードでの使用形態を示す図である。
【図9】本発明の原理による他の呼吸療法装置の分解斜視図である。
【図10】図9の装置の後続側ハウジング部の正面図である。
【図11】図9の装置の切り取り部分の最終組立状態における斜視図である。
【図12】図9の装置の組立体を示す分解斜視図である。
【図13A】図9の装置の斜視図である。
【図13B】図9の装置の縱断面図である。
【図14A】図9の装置において気流が患者吸入口からチャンバへ流れる使用形態を示す図である。
【図14B】図9の装置において気流が患者吸入口からチャンバへ流れる使用形態を示す図である。
【図15A】図9の装置において患者吸入口からチャンバへ流れる気流が遮断された使用形態を示す図である。
【図15B】図9の装置において患者吸入口からチャンバへ流れる気流が遮断された使用形態を示す図である。
【図16】本発明の原理によるまた別の呼吸療法装置の簡略化した側面側断面図である。
【図17】本発明の原理による他の実施形態の呼吸療法装置の分解斜視図である。
【図18A】図17の装置の縱断面図である。
【図18B】図18Aの部分の拡大図である。
【図19A】図17の装置の使用形態を示す図である。
【図19B】図17の装置の使用形態を示す図である。
【図20】図17の装置と有用なインタラプタバルブ構成の概略図である。
【図21A】図17の装置と有用な他のインタラプタバルブ構成の簡略化した概略図である。
【図21B】図17の装置と有用な他のインタラプタバルブ構成の簡略化した概略図である。
【図22】本発明の原理による他の実施形態の呼吸療法装置の縱断面図である。
【図23A】本発明の原理による他の実施形態の呼吸療法装置の分解斜視図である。
【図23B】図23Aの装置の切り取り部分の最終組立状態における斜視図である。
【図24】図23Aの装置のオリフィス構成部の拡大斜視図である。
【図25】図23Aの装置と有用な電気的制御回路の概略図である。
【図26A】図23Aの装置の最終組立状態を示す図である。
【図26B】図23Aの装置の最終組立状態を示す図である。
【図27A】図23Aの装置の使用形態を示す図である。
【図27B】図23Aの装置の使用形態を示す図である。
【図28】本発明の原理による更にまた別の実施形態の呼吸療法装置の縱断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概して、本発明の態様は、1)(CHFO等の)能動モード又は(振動性PEP等の)受動モードのどちらでも動作可能である、又は2)改良型受動専用振動性PEP装置、又は3)改良型能動専用装置(CHFO及び/又はCPAP)の呼吸療法装置とそれに関連した使用方法に関するものである。この明細書を通して使用されている用語「能動型」療法装置は、指示された呼吸療法を実行するための陽圧流体の供給源を別体として必要とする装置のことを意味し、一方、用語「受動型」療法装置は、指示された呼吸療法をそれ自体の内部で投与する(即ち、陽圧流体の供給源を別体で必要としない)装置のことを意味する。従って、「能動専用」の療法装置は別体の陽圧流体供給源に接続される必要がある。これに対して、「受動専用」の療法装置は別体の供給源から陽圧流体を受け取るようには構成されていない。これらの定義付けをした上で、この開示に関連する幾つかの実施形態は、振動性PEP療法装置、又は圧力流体源に流体的に接続された場合はCHFO療法装置としての装置の使用を促す変形した基本構成とともに、受動専用の振動性PEP用に好適な基本構成を有する。更に他の実施形態では、基本構成には、陽圧流体源に接続された場合は、CHFO療法(及び、ある実施形態ではCPAP等の他の呼吸療法等)を施す「能動専用」療法装置を採用することができる。これらの実施形態のいずれかを使用して、エアロゾル化された薬物療法の投与を容易にするために任意の特徴を含むことができる。
【0013】
上記のように理解したうえで、図1は本発明の幾つかの態様に係る呼吸療法装置30の特徴を示すブロック図である。概して、呼吸療法装置30は受動モード(例えば振動性PEP)と能動モード(例えばCHFOや任意のCPAP)で動作するように構成され、一般的には、ハウジング32とインタラプタバルブ組立体34を含む。ハウジング32は、患者吸入口36と、少なくとも1つのチャンバ38と、排気口40と、少なくとも1つの圧力流体供給口42を形成又は備えている。インタラプタバルブ組立体34は少なくとも1つの制御ポート44とバルブ体46を含む。制御ポート44は患者吸入口36とチャンバ38を流体的に接続し、バルブ体46は制御ポート44を通過する流体の流れを選択的に遮断又は中断するように構成されている。種々の構成要素の詳細について以下に説明する。しかし、概略的には、制御ポート44を選択的に(部分的又は完全に)遮断するようにバルブ体46を制御または操作することにより、インタラプタバルブ組立体34は、患者吸入口36への又は患者吸入口36からの空気流/圧力を変えている。例えば、圧力流体供給口42が別体の圧力流体供給源48に接続されていない場合は、患者(図示せず)は患者吸入口36内に息を吐き出すので、インタラプタバルブ組立体34は周期的に制御ポート44を少なくとも部分的に閉じるように動作することにより、空気流に対する抵抗を形成、即ち、患者吸入口36における気流と逆の圧力を形成する。次いで、この逆圧力は振動性PEP療法をもたらす。また、圧力流体供給口42が圧力流体供給源48に流体的に接続されている場合は、インタラプタバルブ組立体34は、圧力流体供給口42から患者吸入口36への流体の流れを周期的に少なくとも部分的に中断するように動作する。患者に対するこの中断された圧力供給はCHFO療法として作用する。以下に説明するように、装置30は、CPAP療法を(CHFO療法とともに又は同時に)施すときに、圧力流体供給口42への圧力流体の供給に連動して、インタラプタバルブ組立体34の全体又は一部を選択的に動作不能にする特徴を任意に含めてもよい。
【0014】
上記観点から、呼吸療法装置30は能動及び受動モードの動作を行い、患者(図示せず)は実質的にどんな場所でも装置30を用いて振動性PEP治療を受けることが可能となるとともに、患者が圧力流体供給源48を使用可能な場所に居るときは、CHFO治療も同様に、(CPAP等の任意の他の能動型治療とともに)受けることが可能となる。呼吸療法装置30は更に、(例えば、ネブライザー50を介して)エアロゾル化された薬物投与等の付加的呼吸療法処置を備える構成としてもよい。ネブライザー50はハウジング32に設けられるポート(図示せず)に接続してもよく、又は、必要に応じて、(例えば患者吸入口36等)ハウジング32に流体的に接続される(例えばTコネクタ又は線等の)適当な接続片を含むこともできる。最後に、圧力流体供給源48はハウジング32から分離した位置に図示されているが、他の実施形態では、圧力流体供給源48は、ハウジング32(例えば、ハウジング32に設置された圧力キャニスタ(吸収罐)等)に取付又はハウジング32により搬送されてもよい。
【0015】
上記に鑑み、呼吸療法装置30は、(例えば振動性PEP療法等の)受動モードと(例えばCHFO療法等の)能動モードにおいて動作可能な種々の形体を想定することができる。これらの特徴を備える呼吸療法装置60の一実施形態を図2に示す。呼吸療法装置60は一般的に(概略参照される)ハウジング62と(概略参照される)インタラプタバルブ64を含む。ハウジング62は、先導部66と後続部68と端板69を有する。先導部66は患者吸入口70を画定し、後続部68は、第1チャンバ72と第2チャンバ(図2では隠れている)と排気口(図2では隠れている)と1つ以上の供給口74を備える。インタラプタバルブ組立体64は、1つ以上の制御ポート78(例えば制御ポート78a,78b)を形成しているプレート76と、バルブ体80と、駆動機構82を備える。種々の構成要素の詳細について以下に説明する。概して、駆動機構82はハウジング62の第2チャンバ内に保持され、バルブ体80と合体されてその回転を起こすように構成されている。次いで、バルブ体80は制御ポート78に近接位置に配置され、バルブ体80の回転により、第1チャンバ72及び患者吸入口70に対して制御ポート78を選択的に開閉(例えば、部分的又は完全に遮断)するように構成される。最後に、供給口74がハウジング62内の複数の流通点に流体的に接続される。使用中および受動モードの動作においては、呼吸療法装置60は、患者の吐出された息に応答して駆動機構82の動作により振動性PEPを生成する。更に、呼吸療法装置60は、能動モードの動作において、インタラプタバルブ組立体64は、供給口74からの正方向の流体の流れに作用して、患者吸入口70へのCHFO流体の流れを引き起こすように動作する。この意味で、所望のモードにおいて呼吸療法装置60の動作を容易にするように、(概略参照される)制御手段84を備えることができる。
【0016】
最終的に組み立てられたハウジング62の詳細を図3A及び3Bに示す。ハウジング62は一般的に患者によって手で操作されるのに便利な大きさと形状を有し、先導部66はマウスピース86を形成し、該マウスピース86は患者の口に装着される大きさを有し、それを介する患者の呼吸サイクルが患者吸入口70と相互に作用する。マウスピース86はハウジング62の1つ以上の部品と一体的に構成可能であり、または、分離して形成した後でそれと合体させてもよい。
【0017】
ハウジング62は供給口74の他に流体の流れの形状を形成又は画定することができる。例えば、図3Aに最もよく示すように、後続部68は制御部品84(図2参照)の一部としてスロット90を形成している。以下に説明するように、制御部品84は種々の形体が想定されるが、スロット90により摺動可能に配置された本体を含む実施形態もある。しかし、別の構成では、スロット90は形成されなくてもよい。
【0018】
図3Aの上面斜視図に関しては、ハウジング62は、第1及び第2のレリーフポート部92,94を更に形成できる。第3のレリーフポート部96も、図3Bの底面図に示すように、形成することもできる。最後に、図2に最もよく示すように、第4のレリーフポート部98がハウジング62の内部に形成される。レリーフポート部92−98に関する呼吸療法装置60の動作について以下に詳述する。しかし、概略的には、レリーフポート部92−98の各々は1つ以上の開口99を含み、傘型の一方向弁等のバルブ構造(図示せず)を保持し、該バルブ構造はレリーフポート部92−98に対応する開口99内へ流入する又は開口99から流出する流体の流れを可能にするように構成されている。このように、レリーフポート部92−98は図示の構成とは異なる種々の構成を想定することができる。同様に、レリーフポート部を更に追加擦ることも可能であり、また、1つ以上のレリーフポート部92−98を削除した他の実施形態も可能である。
【0019】
図2に関しては、ハウジング62により搬送又は形成された供給口74は、駆動供給口74cとともに第1及び第2の患者供給口74a及び74bを含む実施形態もある。患者供給口74a及び74bはそれぞれ第1及び第2のノズル100a及び100bに流体的に接続され、各ノズル100a及び100bは対応する制御ポート78a及び78b(平板76により形成された)の各々に直接的に流体を流し込むように配置されている。ハウジング62の内部形状に関するノズル100a及び100bと制御ポート78a及び78bの関係性について以下に説明する。しかし、図示では2個の制御ポート78a及び78bが記載されているが、1個だけ又は3個以上の制御ポートを備える実施形態も可能であることは、最初から理解されるであろう。同様に、ノズル/患者供給口も各制御ポート78a及び78b毎に設ける必要はなく(例えば、患者供給口74b/ノズル100bは削除してもよい)、又は2個以上の供給口/ノズルを1つだけの制御ポート78に対向するように配置してもよい。更に又、2個以上の供給口74を単一のノズル100と流体的に連通させてもよい。
【0020】
上記に鑑み、図4Aは、ハウジング62の第1の患者供給口74aを通る最終的な組立状態の縱断面図を示す。先導部66,後続部68及び端板69は一般的には図示のように互いに合体されている。参照すべき点として、図4Aは、ハウジング62に関する開口位置に制御手段84が配置され、平板76はハウジング62の一体的構成要素としてもよい。これとは別に、図4Aに示すハウジング62は、第1チャンバ72と第2チャンバ101及び排気チャンバ102を画定している。第1チャンバ72は平板76と中間壁104により部分的に画定され、該平板76は、第1チャンバ72から患者吸入口70を流体的に分離している。これに関して、患者吸入口70は制御ポート78を介して第1チャンバ72と流体的に接続されている(ただし、図4Aでは第1制御ポート78aのみが図示されている)。第1チャンバ72は中間壁104により第2チャンバ101から分離され、これらのチャンバ72と101間の流体的接続が通路106により成されている。以下に詳述するように、通路106は制御手段84の動作により流体的に閉じることができる。これとは別に、第2チャンバ101は、排出用開口108を介して排気チャンバ102と流体的に接続されている。第1チャンバ72はまた、第4のレリーフポート部98を介して排気チャンバ102と流体的に接続されている。参照すべき点としては、図4Aでは、一方向バルブ構造110が第4のレリーフポート98と連動し、流体は第1チャンバ72から排気チャンバ102への一方向にのみ流れるように構成されている。最終的には、排気チャンバ102は、大気に開口した排気口112で終端している。
【0021】
上記構成において、第1ノズル100aは第1チャンバ72内に配置され、入口端部114と出口端部116を有する又は画定している。入口端部114は第1の患者供給口74aと流体的に接続され、該第1の患者供給口74aを介して流れる流体は出口端部116に向かって流れる。次いで、出口端部116は第1制御ポート78aと直線上に配置され、流体の流れが第1ノズル100aから第1制御ポート78aへと向かうように構成されている。第1ノズル100aは、入口端部114から出口端部116にむけてその径が傾斜状とし、ジェット状気流が患者供給口74aから第1制御ポート78aに向けて流れるようにする実施形態も可能である。この点に関しては、大気を、第2レリーフポート部94を介してノズル100a(及び100b)から流体の流れに合流させることもできる。図4Aにおいて、一方向バルブ構造118はレリーフポート部94に連動し、大気は第1チャンバ72に入り(従ってノズル100の流体の流れとなる)ように構成される。図示していないが、該バルブ構造118の動作は、該バルブ構造を選択的に閉じ状態に保持する(例えば、以下に述べる受動モードの動作中)ように機能する制御機構によって更に制御することも可能である。他の実施形態としては、第1チャンバ72内に導入された大気流は、(例えば、レリーフポート部94を含まない)違った仕方で形成することもでき、又は、導入しなくてもよい。
【0022】
大気が第1チャンバ72内に導入されるか否かに拘わらず、(概略的に参照される)間隙120が出口端部116と平板76(即ち、第1制御ポート78a)間に設定される。以下に詳述するように、間隙120の幅は、バルブ体80(図2参照)の取付けと動きを容易にする大きさである。図示していないが、第2の患者供給口74b/第2ノズル100b(図2参照)は、平板76/第2制御ポート78bに対して同様の構成と関係性を有する。このように、図4Bに最もよく示すように、第1の患者供給口74a/ノズル100aは、分離した供給源からの陽圧流体を第1制御ポート78aの方向に向け、第2の患者供給口74b/ノズル100bは、陽圧流体を第2制御ポート78bの方向に向ける。
【0023】
駆動供給口74c(図2参照)は同様にハウジング62の内部に流体的に接続されている。特に、駆動供給口74cは、図4Cに示すように、第2チャンバ101に流体的に接続されている。以下に詳述するように、駆動機構82(図2参照)の一部は第2チャンバ101内に保持され、駆動供給口74cからの流体の流れは、能動モードの動作の間、駆動機構82を作動又は駆動するように機能している。
【0024】
図2に戻って、インタラプタバルブ組立体64は、駆動機構82により駆動されるバルブ体80を再度備える。バルブ体80はプロペラ形状の構成であり、ベース部130と第1バルブプレート部132と第2バルブプレート部134を備える。ベース部130は、以下に述べるように、駆動機構82の対応部分に装着される構成である。バルブプレート部132,134は、ベース部130から径方向に拡張し、各々は制御ポート78a,78bの対応する一方の大きさ及び形状と同一程度の大きさ及び形状を有している。例えば、バルブプレート部132,134の大きさ及び/又は形状は、制御ポート78a,78bの大きさ及び/又は形状と同一、又はそれよりも僅かに小さく、又は僅かに大きくしてもよい。更に、ベース部130に対するバルブプレート部132と134の周縁位置は制御ポート78aと78bの周縁位置に対応し、ベース部130がバルブプレート部132と134の中心位置にあるときは、制御ポート78aと78bはバルブプレート部132と134によって同時に遮断される実施形態もある。このように、図2の一実施形態では、制御ポート78aと78bは対称的に対向する配置であり、バルブプレート部132と134は同様に配向された配置である。別の形態としては、バルブプレート部132と134は、制御ポート78aと78bの位置に対して空間的に偏倚して配置してもよく、このように構成することで、制御ポート78aと78bはバルブ体80の駆動中に同時に遮断されることはない。
【0025】
バルブ体80は2枚のバルブプレート部132と134を有するように図示されているが、それよりも多くても少なくてもよく、任意の数のバルブプレート部も可能であり、バルブプレート部の枚数は必ずしも制御ポート78の個数と同数である必要はない。他の実施形態として、例えば、バルブ体80は、以下に説明するように、制御ポートの1つだけと流体的に結合するように配置、構成してもよい。また、バルブ体80は、全ての制御ポートがバルブ体80によって同時に遮断される(例えば、完全に閉鎖又はそれよりも緩やかに閉鎖される)ように構成される実施形態としてもよい。
【0026】
駆動機構82の詳細を図5Aに示す。ある実施形態では、駆動機構82は逆転ルーツブロア装置に類似しており、第1及び第2のローブ組立体140,142と第1及び第2の歯車144,146を有する。ローブ組立体140,142は同一としてもよく、第1のローブ組立体140はローブ体150と軸152を備える。ローブ体150は3個の縦長のローブ突部154を有し、その隣接するローブ突部同士は凹部156で分離されている。図5Aでは3個のローブ突部154/凹部156が図示されているが、3個以外の任意の個数も可能である。しかし、好ましくは少なくとも2個のローブ突部154/凹部156が設けられる。いずれの場合も、ある実施形態では、軸152はローブ体150内に同軸的に装着され、第1の端部158から第2の端部160まで延びている。第1の端部158はバルブ体のベース部130(図2参照)に連結する大きさであり、第2の端部160第1歯車144と連結する大きさである。2個以上のローブ体150と軸154及び/又は歯車140を一体的に成型又は形成するといった他の構成も想定される。第2のローブ組立体142も同様に構成され、一般的には、軸164で同軸的に保持されたローブ体162を含み、次いで、第2歯車146に連結及び/又はその一部として形成される大きさである。
【0027】
図5Bに示すように、ローブ体150,162は、第1及び第2歯車と同様に、噛み合わせる(例えば、第2ローブ体162の1つのローブ突部154が第1ローブ体160の1つの凹部156内に収まる等の)係合するように構成されている。(ここで、最終的な組立構成時には、ローブ体150,162間の噛み合わせ係合と歯車144,146間の噛み合わせ係合は同時に実現されることはすぐに理解されることである。)この構成を用いて、ローブ組立体140と142は並列に連動して、互いに反対向きに回転する(例えば、図5Bの配向に対しては、第1ローブ体150の時計方向の回転は第2のローブ体162の反時計方向の回転に変換される)。軸152と164はそれぞれ対応するローブ体150と162に固定され、ローブ体150と162の回転動作は、それぞれ、軸152と164を介して歯車144と146に直接伝えられる。これにより、歯車144と146は、ローブ体150と162間の望ましい噛み合い関係性を維持するように機能する。駆動機構82の上記逆回転のルーツブロア構成を用いて、所望の回転速度でローブ組立体140,142の回転動作を開始し維持するためには、比較的小さな力(例えば流体の流れ等)が必要である。他の実施形態では、ローブ突部154の個数は増やされ、ローブ体150と162が歯車として効果的に連結し、歯車144と146は不要とすることもできる。いずれにせよ、最終の組立完了時には、第1ローブ組立体140の回転動作はバルブ体80の回転に変換される。
【0028】
インタラプタバルブ組立体64のハウジング62への組み込み状態を図6Aに部分的に示す。特に、バルブ体80は、第1チャンバ72内に延びる軸152を介してノズル100a,100bと直接に隣接した状態が維持される。第2ローブ組立体142の軸164(図6Aに概略を示し、図5Aに詳細を示す)もまた、第1チャンバ72内に延び、そこで保持されている(ここで、各軸152,164の対向端部も例えば端板69(図2参照)で保持されていることは容易に理解されることである)。第1患者供給口74aを通過する縱断面図6Bに示すように、第1ローブ体150は第2チャンバ101内に保持されている。第2ローブ体162も(図6Bでは隠れているが)同様である。軸152はバルブ体80を保持し、バルブプレート部132,134(第2バルブプレート部134は図6Bでは隠れているが)が第1ノズル100aの出口端部116と平板76間の間隙120に配置され、(図6Bでは隠れているが、第2ノズル100bと平板76間にも同様に配置される)ように、バルブ体80を保持している。(駆動機構82を介して)バルブ体80を回転させることにより、バルブプレート部132,134は、第1チャンバ72に対して制御ポート78を遮断と「開く」動作を繰り返す。即ち、インタラプタバルブ組立体64(図6Bに概略図示する)、以下に述べるように、患者吸入口68と第1チャンバ72間の流体の流れを周期的又は実質的に停止するように動作する。バルブ体80は第1の軸152に合体するように記載したが、第2の軸164がバルブ体80を回転させる別の実施形態としてもよい。更に、別の実施形態として、軸152と164の各々がバルブ体を保持する構成としてもよい。
【0029】
上記理解のもとで、駆動機構82の強制的な動作は、装置60が受動モード(例えば振動性PEP)又は能動モード(例えばCHFO)のどちらで動作しているのかに関する2通りの仕方のうちの一方として作用することができる。例えば、受動モードでは、呼吸療法装置60と特に駆動機構82は、単独で、患者の吐出された空気、即ち、呼吸に作用する。この点に関して、図2と6Bを参照して、受動モードでは、制御手段84は、通路106が開状態となり、第1チャンバ72と第2チャンバ101を流体的に接続するように配置される。ある実施形態では、制御手段84は、スロット90内に摺動可能に配置されたタブ166を含み、図2及び6Bに示す「開」状態では、タブ166はスロット90から撤収されている。制御手段84は、通路106を選択的に開閉することもできる多種多様な形体を想定することもできる。供給口74a−74cは流体的に閉じられるか又は任意の外部陽圧流体源から流体的に分離されている。(ここで、外部陽圧流体源として、例えば、図1の圧力流体源48が呼吸療法装置60から分離され、圧力流体源48からの流体の流れが供給口74a−74cからそらされる構成等がある。)このために、供給口74a−74cは、(例えば、図示していないキャップ体等により)外部的に閉じ状態とされる。
【0030】
上記構成の呼吸療法装置60を使用して、受動モードの動作では、マウスピース86(又は、マウスピース86に装着された他の患者用連結部品(図示せず))を患者の口に挿入して、呼吸療法装置60を介して患者の呼吸を促進する必要がある。患者の呼吸サイクルの吸気相の間は、大気は、第3のレリーフポート部96(又は、空気流を制御する一方向バルブ構造170(図6B参照)等)を介して直ちにハウジング内に吸引される。このようにして、患者は容易且つ直ちに空気を吸い込むことができる。
【0031】
呼気相の間は、患者から吐き出された空気流は、患者のマウスピース86から患者吸入口68を通って平板76の方向に向けられる。制御ポート78がバルブ体80(特に、バルブプレート部132,134)により完全には遮断されていないときは、患者の吐出空気は、患者吸入口68から制御ポート78を介して第1チャンバ72に流体的に送られる。図7Aはこの関係性を例示するもので、バルブプレート部132,134が制御ポート78a及び(図7Aでは隠れているが)制御ポート78bから離間するように、バルブ体80は回転されている。これにより、吐出空気は制御ポート78を通過してチャンバ72に流れ込む(図7Aの矢印で示す)。
【0032】
第1チャンバ72に流れ込む空気流の気圧が第4レリーフポート部98と連結したバルブ構造172の開口圧力よりも低いときは、レリーフポート部98の開口99は流体的に閉じ状態のままであり、第1チャンバ72を通過する全ての空気流は、通路106を介して第2チャンバ101内に流れ込む(図7Aの矢印で示す)。それとは反対に、第1チャンバ内の気圧がバルブ構造172と連動するバイパス管の気圧よりも高い場合は、バルブ構造172は開状態となり、第1チャンバ72内の空気流の一部が排気チャンバ102内に流れ込むことが可能となる。このように、第2チャンバ101を横切る圧力の低下は、バルブ構造172に連動する開口圧力と略等しい状態のままである。また別の形態では、異なる容量のバルブ量及び/又は気流の容量とする構成も利用することができる。
【0033】
第1チャンバ72から(通路106を介して)第2チャンバ101への空気流は、駆動機構82を駆動するように作用する。特に、第2チャンバ101内の空気流はローブ組立体140,142(ただしローブ組立体142は図7Aでは隠れている)に作用して、回転ブロア(順方向の送風機)としてその動作を起こさせる。概して、及び更に図5B参照して、第2チャンバ101を通過する空気流はローブ体150,162を回転させ、空気流はローブ体150,162を通過又はそれらの間を通って出口開口部に向けられる。ここで、ローブ組立体140,142はルーツブロアとして動作し、第2チャンバ101を横切る空気の気圧低下をもたらす。図7Bに示すように、制御ポート78がバルブプレート部132,134で周期的に「蓋をされる」とき、制御ポート78を通過する空気流は制限を受け、流れに対して抵抗を形成、又は、患者吸入口68内に逆向きの圧力を形成する。この流れに対する抵抗/逆向きの圧力は周期的に発生する(即ち、バルブプレート部132,134が制御ポート78から離間するように回転するときは、患者吸入口68内の逆向き圧力は制御ポートを介して放出される)。その結果、所望の振動性PEP効果が得られる。特に、慣性により、通路106を通る空気流が周期的に中断されるときでも、ローブ組立体140,142は回転し続ける。これらと同じ手順に沿って、ローブ組立体140,142ははずみ車として動作するように構成することができ、制御ポート78の開状態の時間に対する感度を低減することができる。
【0034】
ある実施形態では、駆動機構82のサイズ的な特徴はバルブ体80及び制御ポート78と相互関係があり、100Paでの流速が10lpmの場合、バルブ体80は、略3000Paの圧力パルスを用いた場合、制御ポート78において、毎秒約15パルス発生する。10lpmより速い流速では、バルブ構造172は開状態となり、鼓動して駆動機構82に対する吸入圧力を維持するであろう。第4レリーフポート部98は、(例えば、バルブ構造172が開状態のとき)100Paで20lpmまで流速を設定する構成が可能であり、これにより略10lpm〜30lpmの相当する逆向き流圧及び流速を維持することができる。しかし、呼吸療法装置60は、それとは別の動作特性を示すように構成してもよい。
【0035】
図2及び8Aを参照して、能動モードの動作では、制御手段84は通路106を流体的に「閉じる」(例えば、タブ166がスロット90内に完全に挿入される)ように動作される。更に、吸入口74a−74cは圧力流体供給源48に流体的に接続されている(図1参照)。例えば、ある実施形態では、流体分流加減器(ダイバータ)(図示せず)を用いて、(例えば、空気や酸素等の陽圧気体の)単一の圧力流体源を各供給口74a−74cに流体的に接続してもよく、又は、2個以上の流体源を備えてもよい。いずれにせよ、空気や酸素、その他の気体が供給口74a−74cに押しやられるか又は送り込まれる。特に図8Aを参照すると、第1の患者供給口74aへの流体の流れが矢印Aで示され、ノズル100aを介して制御ポート78aに向けられている。前述したように、大気が、第2レリーフポート部94を介して、ノズル100aで発生された流体に混入される。バルブ体80、特に、バルブプレート部132,134が制御ポート78aを遮断しない場合は、制御ポート78aを通過して患者吸入口68へ流れ込む気流は連続している。図8Aでは隠れているが、第2の患者吸入口74b/第2ノズル100bと第2制御ポート78aとの関係性が同様に構成される。
【0036】
それとは反対に、図8Bに示すように、制御ポート78aと78b(図8Bでは隠れている)がバルブプレート部132,134で遮断、即ち「閉じ」られた場合は、ノズル100a,100bから患者吸入口68への気流は効果的に停止される。(図8Bでは、第1の患者供給口74a/ノズル100a、第1制御ポート78a、及び第1バルブプレート部132のみが明示されていることが分かる。)再度、駆動機構82は、制御ポート78a,78bに対してバルブ体80を連続的に回転させるように動作し、供給口74から患者吸入口68への順方向の気流が「チョップ切り」又は振動され、患者の(少なくとも患者の吸気相を含む)呼吸サイクルの間、CHFO処置を設定する。
【0037】
患者吸入口68(即ち、患者)への順方向の気流をより確実にするために、制御手段84は通路106を閉じて、第1チャンバ72内の全ての空気が制御ポート78を通過するように強勢される。この点に関して、駆動機構82と、特に、ローブ組立体140,142が、図8Cに示すように、駆動供給口74c通過する気流によって駆動される。特に、圧力流体源48(図1参照)からの強勢された流体の流れは駆動供給口74cを介して第2チャンバ101内に入り込み、前述のようにローブ体150,162に作用する。換言すれば、能動モードでの呼吸療法装置60の動作は患者の呼吸とは独立した動作である。更に、患者の呼吸サイクルの呼気相の間は、ノズル100a,100bから患者吸入口70へのパルス状の気体流が連続して流れ、振動性PEP効果をもたらしている。参照すべき点として、スタック呼吸のあり得る発生を最小限にするために、患者から吐き出された空気は、患者吸入口70から第1レリーフポート部92を介して排出することができる。例えば、一方向バルブ構造174をレリーフポート部92に組み付けて、レリーフポート部92を通過する気流が患者吸入口70から外部方向にのみ発生することを可能にするように(能動モードで)動作し、制御ポート78a,78bが遮断されている間中、自由に排気できるようにしている。付加的な制御機構(図示せず)を更に設け、装置60が前述の受動モードで動作するとき(即ち、患者から吐き出された空気は全て制御ポート78a,78bを通過するときに)、レリーフポート部92/バルブ構造174を流体的に「閉じ」状態とすることもできる。または、装置60は、患者吸入口70からの吐出空気の排気を容易にする他の構成(図示せず)を含むことが可能であり、また第1レリーフポート部92はなくてもよい。これらの工程と同様に、能動モードでは、第3レリーフポート部96/バルブ構造170が永続的に「閉じ」状態にされ、全ての吸気流が制御ポート78a,78bを介して付与されるように構成される。
【0038】
上記装置60は、患者吸入口74a,74bの両方からの基本的に同一の流体の流れにによりCHFO療法を施すように説明しているが、他の実施形態として、CHFOの程度を選択又は変更する能力をユーザに持たせるように装置60を構成してもよい。例えば、供給口74a,74bの一方からの流体の流れ発生せず(低レベルのCHFOが所望のとき)、対応する制御ポート78a又は78bを「遮断」するような機構(図示せず)を設けることもできる(例えば、供給口74a又は74bを圧力源から流体的に分離し、閉じ手段(図示せず)が対応する制御ポート78a又は78bに対して作動される構成としてもよい。)更にまた、装置60は3個の供給口74/ノズル100と3個の制御ポート78を備えるように変更してもよく、供給口74/ノズル100の各々は選択的に作動/非作動状態とされ、対応する制御ポート78は選択的に遮断されて3つのレベルのCHFOを提供するように構成してもよい。または、3個の供給口74は単一のノズル100内に合流され、ユーザは所望の数の供給口74を「作動」することにより、再度、所望のCHFOレベルを選択することができるようにしてもよい。
【0039】
上述の受動モード(例えば振動性PEP)及び能動モード(例えばCHFO)の他に、呼吸療法装置60は、更に付加的な呼吸療法の形体を設ける構成としてもよい。例えば、図1に戻って、ネブライザ50が患者吸入口36に流体的に接続(及び患者吸入口36から任意に分離)して、患者にエアロゾル化された薬物療法やその他の治療を施すこともできる。次に、図2の呼吸療法装置60について、ハウジング62は、ネブライザ50が流体的に接続される付加的ポート(図示せず)を形成又は含むことができる。別の実施形態では、マウスピース86に直に又は隣接してネブライザポートを設け、ネブライザの流れが患者に直接に供給され、インタラプタバルブ組立体64により影響されない構成としてもよい。または、ネブライザポートを、端板69に形成又は端板69とマウスピース86間のハウジングに沿ったその他任意の地点に形成してもよい。その他の実施形態としては、1つ以上の吸入ポート74a−74cをネブライザポートとして機能させてもよい。更に他の実施形態として、ネブライザ50は、マウスピース86に物理的に取り付けられた接続部品を含む構成としてもよい。いずれにせよ、霧状の空気は、インタラプタバルブ組立体64の動作中(受動または能動モードのいずれにおいても)供給することができる。また、呼吸療法装置60は、ネブライザモードの動作のときに、インタラプタバルブ組立体64が一時的にロック状態とされ、バルブ体80が回転せず、従ってバルブプレート部132,134が制御ポート78を遮断しないように構成することもできる。
【0040】
また、別の形態では、インタラプタバルブ組立体64を再度「ロック」しながら圧力流体源48(図1参照)を患者供給口74a,74bの一方又は両方に接続することにより、呼吸療法装置60は、必要に応じて、(エアロゾル化された薬物投与を同時に施し、又は施さないで)CPAP療法を適用することができる。特に、インタラプタバルブ組立体64がロック位置に保持されることにより、バルブ体80は回転せず、制御ポート78a,78bはバルブプレート部132,134によって遮断されないので、患者への順方向気流が連続して発生する。例えば、図5A,8Aを参照して、1つ以上の機構を設け、作動時に、第1駆動軸152を第1ローブ体15から切り離し(駆動軸152はローブ体150の回転とともに回転せず)、(例えば、バルブプレート部132,134の一方又は両方を捕捉する磁石体等により)バルブ体80は図8Aの「開」位置に保持される。これらの同じ工程により、呼吸療法装置60は、CHFO治療を同時に施すか又は同時に施さないで、一定基準の圧力のCPAP(持続的気道陽圧)療法を施せるように、変形してもよい。例えば、インタラプタバルブ組立体64は、バルブ体80が第1供給口74aからの流体の流れにのみ作用するが、一方、第2供給口74bからの流体の流れは患者吸入口70へ持続的に供給されるように、構成してもよい。この方法によると、第2供給口74bは、CPAP療法として特定の基準圧力(例えば、5cm水圧)を提供するが、一方、インタラプタバルブ組立体64は、上記CHFO効果を生成するときに、第1供給口74aからの流体の流れに作用する。この点に関して、CHFO療法を所望しない期間中は、インタラプタバルブ組立体64を上記「ロック状態」とすることができる。更に、他の関連する実施形態では、呼吸療法装置60は、CPAPの程度が可変で、選択可能として構成してもよい。例えば、ノズル100の入口端部114及び/又は出口端部116(図4A参照)又は対応する供給口74、(付与するCPAPの程度を示す)所望の長さを、(持続的な基本設定で)部分的に制限する機構(図示せず)を備えることもできる。また別の形態では、(例えば、大気中に排気するレリーフポート部及び対応する制御バルブを、患者吸入口70及び/又は第1チャンバ72の一方又は両方に設けること等により)、流体の漏れの制御をシステムに導入してもよい。更に、患者吸入口74の一方又は両方を選択的に「起動」することにより、上記CPAP療法を提供してもよい(ここで、CPAP程度は、流体の流れが患者吸入口74の両方を通って得られる場合、患者吸入口74一方だけの場合と比較して高いレベルであることが理解される)。
【0041】
更に他の実施形態では、受動モードにおいて、持続的PEP両方を任意に提供するように構成してもよい。特に、インタラプタバルブ組立体64は前述の開状態に「ロック」され、供給口74は圧力流体源48(図1参照)から切り離される。その結果、制御ポート78は、空気を排出し、PEP効果を生成又はもたらす流量リストリクター(絞り弁)として機能する。
【0042】
更に動作モードを追加するかどうかに拘わらず、呼吸療法装置60は、受動及び能動モードの両方で動作可能であることにより、従来の構成に顕著な利点をもたらしている。例えば、呼吸療法装置60を、外科手術、(病院等の)看護施設への入院等の患者に直ちに適用することができ、該装置60を受動モードで使用するように指示することができる。これにより、患者は直ちに振動性PEP療法処置を受け始めることが可能となる。次に、介護者によって、もっと積極的な振動性療法が気道浄化および/又は気道拡張の支援のために必要であると(X線、呼吸音、血液分析等の)観察されると、呼吸療法装置60は圧力流体源(例えば、図1の圧力流体源48)に接続され、能動モードに切り換えられる。能動モードの処置に続けて、療法士は装置60を患者に装着したままで、患者は介護者がいなくても、そのまま受動モードの療法を続けることが可能である。即ち、患者は、介護施設から離れた実質的にどんな場所でも同じ療法装置60を使用し続けることができる。
【0043】
呼吸療法装置60は受動及び能動の動作モードの両方を備える構成として説明したが、本発明に係る他の実施形態では、同様の動作原理を受動モードのみ又は振動性PEP装置(又は、患者の呼吸と相互作用する装置)にも適用することができる。例えば、また別の実施形態の呼吸療法装置186の分解組立構成を図9に示す。療法装置186は多くの点で前述の(図2に示す)呼吸療法装置60と類似しており、ハウジング188(概略参照)とインタラプタバルブ組立体190を含む。ハウジング188は、先導部192と中間プレート194と後続部196と端板198を含む。インタラプタバルブ組立体190は1つ以上の制御ポート200a,200bと、バルブ体202と、駆動機構204を含む。以下に詳述するように、駆動機構204は、患者から吐き出された空気流によりバルブ体202を回転させ、制御ポート200a,200bを周期的に遮断又は閉じ状態とする。
【0044】
ハウジング188の先導部192は傾斜状のマウスピース208を含み、患者吸入口210を形成又は画定し、一方、後続部196は第1チャンバ212を形成している。プレート194は、患者吸入口210と第1チャンバ212を分離し、1つ以上の制御ポート200a,200bが形成されている。前述の実施形態のように、2個の制御ポート200a,200bが図示されているが、それより多くても少なくても、他の任意の個数の制御ポートを形成することも可能である。いずれにせよ、患者吸入口210と第1チャンバ212間の流体の流れは制御ポート200a,200bを介して行われる。
【0045】
後続部196は更に第2チャンバ220と、ある実施形態では、(図9では隠れているが)排気チャンバを形成している。第2チャンバ220は、以下に説明するように、駆動機構204の対応部分を収容する大きさであり、中間壁222で第1チャンバ212とは流体的に分離されている。この点に関して図10に最もよく示すように、中間壁222には通路224が形成されており、該通路を介して第1チャンバ212(図9参照)から第2チャンバ220(図10に概略参照)への流体の流れが発生する。また、中間壁222には、以下に説明する駆動機構204の対応部品を収容する大きさの第1及び第2の穴226a,226bが形成されている。最後に、図9に戻り、端板198が後続部196に取り付けられ、第2チャンバ220を閉じるように機能している。図示のように、端板198は、以下に説明するように、駆動機構204の対応部品を回転可能に保持する大きさの溝穴228を形成してもよい。
【0046】
バルブ体202は、前述の(図2に示す)バルブ体80と同様であり、ある実施形態では、基軸部230と、第1バルブプレート部232と、第2バルブプレート部234を含む。これらバルブプレート部232と234は、制御ポート200a,200bと一致する形状及び大きさであり、これらが直線上に配置されたとき、バルブプレート部232と234は、制御ポート200a,200bを同時に遮蔽又は「遮断」することができる。いずれにせよ、バルブプレート部232と234は、基軸部230か径方向に延びているか、又は、駆動機構204の対応部品に固定されるように構成されている。
【0047】
駆動機構204は逆向きルーツブロア組立体と類似し、第1及び第2ローブ組立体240,242と第1及び第2歯車244,246を含む。各ローブ組立体240,242は、軸252a,252bにそれぞれ同軸的に取り付け、又は、一体的に形成されたローブ体250a,250bを含む。軸252a,252bは歯車244,246のそれぞれ一方と順次装着又は一体的に形成され、バルブ体202は、第1ローブ組立体240の軸252aに取り付けられている。最終的な組立状態では、ローブ体250a,250bは、歯車244,246と同様に、歯車のかみ合い形体で互いに連結している。
【0048】
最初に図11を参照して、呼吸療法装置186の組立は、ハウジング188により画定された第2チャンバ220内にローブ体250a,250bと歯車244,246を配置することを含む。図示のように、軸252a,252bは、第2チャンバ220から第1チャンバ212内に延びている。バルブ体202は第1ローブ組立体240の軸252a(又は第2ローブ組立体242の軸252b)に装着され、第1チャンバ212内に配置されている。中間壁222は、通路224以外の場所で、第1チャンバ212と第2チャンバ220を流体的に分離するように機能している。
【0049】
次に、中間プレート194と先導部192は、図12に示すように、後続部196と連結される。(ここで、先導部192とプレート194は一体的に形成される実施形態も可能であることが理解される。)特に、先導部192とプレート194の組立状態では、バルブ体202は制御ポート200a,200bと対応した配置関係にある。例えば、バルブ体202は、バルブプレート部232,234がバルブ体202の回転により、制御ポート200a,200bのそれぞれ一方と選択的に直線上となるように配置される。図13Aは呼吸療法装置186の最終的な組立完了状態を示す。
【0050】
呼吸療法装置186の種々の構成部品の関係は図13Bの断面図に最もよく示されている。再度、患者吸入口210が制御ポート200a,200bを介して第1チャンバ212に流体的に接続される(ただし、制御ポート200aのみが図13Aで明示されていることが分かる)。バルブ体202は第1チャンバ212内に保持され、バルブプレート部232,234(ただし図13Bではバルブプレート部232のみ明示されている)が選択的に制御ポート200a,200bと直線上となるように配置され、患者吸入口210と第1チャンバ212間の流体の流れを遮断する。第1チャンバ212は通路224を介して第2チャンバ220と流体的に接続される。第2チャンバ220はローブ組立体240,242を保持する(ただし、図13Bでは第1ローブ組立体240のみ明示されている)。更に、第2チャンバ220は、排出用開口256を介して排気側チャンバ254と流体的に接続される。第1チャンバ212はまた、バルブ組立体260(例えば、一方向傘型弁)が連結されたレリーフポート部258を介して排気側チャンバ254と流体的に接続される。最後に、排気側チャンバ254は排気口262において大気に開放される。参照すべき点として、排気側チャンバ254は、排出用開口256及び/又はレリーフポート部258の一方又は両方が使用中に誤って遮断されることを最小限にしていることである。しかし、他の実施形態として、排気側チャンバ254はなくてもよい。
【0051】
使用中において、インタラプタバルブ組立体190の動作には、以下に詳述するように、第2チャンバ220内に空気流が進入することにより、ローブ組立体240,242が回転することが含まれる。第1ローブ組立体240の回転によりバルブ体202が同様に回転し、バルブプレート部232,234が周期的に制御ポート200a,200bの対応する一方と直線上の位置及び直線上からそれた位置となるように回転移動し、患者が息を吐くときに、患者吸入口210において振動性PEP作用を形成する。
【0052】
例えば、図14Aと図14Bを参照すると、マウスピース208(又は、ネブライザコネクタ等の、マウスピース208に取り付けられた他の部品)が患者の口(図示せず)内に配置され、患者は患者吸入口210を介して呼吸サイクルを行う。吸気相の間は、大気はレリーフポート部266を介して容易に患者吸入口210内に進入し、レリーフポート部266を通過する気流は(傘型バルブ等の)一方向弁構造268によって制御される。呼気相の間は、患者から吐き出された息は患者吸入口210を通ってプレート194に向けられる。図14A及び14Bに示す制御ポート200a,200bに対するバルブ体202の配置構成では、バルブプレート部232,234は制御ポート200a,200bと同一線上に配置されていないので、患者の吐出空気は患者吸入口210から制御ポート200a,200bを通って第1チャンバ212内に流れる。この気流パターンは図14Aと14Bでは矢印で表されている。第1チャンバ212内の気流は通路224を通って第2チャンバ220内に流れ、ローブ組立体240、242と相互作用する。特に、第2チャンバ220内の気流はローブ組立体240,242を回転させ、第2チャンバ220(図14Aの排気側開口256において)から排出する空気流は排気側チャンバ254に向かう。排気側チャンバ254内の空気は、次いで、排気口262を介して外部に排出される。
【0053】
図14A及び14Bに示すように、バルブ構造260は、第1チャンバ212と排気側チャンバ254間のレリーフポート部258を通過する流体の流れを制御する。ある実施形態では、バルブ構造260は、所定の開口又はバイパス圧を有する一方向バイパスバルブである。このことを念頭に置いて、第1チャンバ212内の空気流がバルブ構造260の開口圧より低い場合には、バルブ構造260は閉じ状態のままであり、全ての空気は上述のように第2チャンバ220内に流れ込む。しかし、第1チャンバ212内の気圧がバルブ構造260の開口圧より高い場合は、バルブ構造260は「開」状態となり、第1チャンバ212内の空気の一部は第2チャンバ220/ローブ組立体240,242を迂回し、レリーフポート部258を介して排気側チャンバ254内に直接流れ込む。このように、第2チャンバ220を横切る気流の圧力低下量はバルブ構造260の開口圧に略匹敵している。
【0054】
吐出された空気が第2チャンバ220に進入することによりローブ組立体240,242が回転し、これによってバルブ体202が回転される。バルブ体202が制御ポート200a,200bと同一線上に初期設定され、(これにより、ローブ組立体240,242の回転を起動させるのに充分な所望の気流が第2チャンバ200内に流れることを妨げ得る例を考慮して、ユーザがバルブ体282の運動を自己作動できる手段(図示せず)を備えることができ、患者吸入口210と第2チャンバ220等を直接に接続するバルブ導管を設けることもできる。いずれにせよ、バルブプレート部232,234は、例えば図15A,15Bに示すように、制御ポート200a,200bのそれぞれ一方と周期的に同一線上に配置される。このように同一線上に配置されるとき、患者吸入口210において患者から吐出された空気は、実際的には制御ポート200a,200bを通過しないように遮断される。その結果、患者吸入口210内に逆圧気流が発生されて、順次患者に伝達される。この逆向き空気流は図15A,15Bでは矢印で表されている。バルブ体202は吐出された空気により基本的に連続して回転しているので、この逆圧気流は周期的又は振動性の形体で生成される。即ち、逆圧「パルス」が患者吸入口210内で生成され、バルブプレート部232,234が制御ポート200a,200bから離間するときに、上記逆圧は患者吸入口210から「放出」される。ある実施形態では、圧力100Pa、吐出空気流の流速10lpmでインタラプタバルブ組立体190を駆動し、制御ポート200a,200bにおいて毎秒15パルスを生成し、加圧パルスは略3000Paとなるように、呼吸療法装置186を構成してもよい。10lpm以上の流速では、バルブ構造260は開状態となり、駆動機構204への吸入気圧を維持すことが不規則となり得る。関連する実施形態では、100Paで流速20lpmまでの気流を設定し、患者吸入口210内の所望の逆圧と10lpm〜30lpmの範囲の一定の回転速度を実質的に維持するように、バルブ構造260を構成してもよい。しかし、また別の形態では、前述とは異なる多数の性能特性を表すように、呼吸療法装置186を構成してもよい。
【0055】
また別の実施形態の呼吸療法装置280が図16に概略図示されており、これは前述の(図2に示す)装置60の構成と類似している。特に、装置280はハウジング282とインタラプタバルブ組立体284を有する。ハウジング282は(前述の図2に示す)ハウジング62と類似しており、患者吸入口286と、第1チャンバ288と、第2チャンバ290と、複数の供給口292(図16では1つのみ図示している)を概略画定している。ハウジング62と比較すると、第1チャンバ288と第2チャンバ290は互いに流体的に永久に分離されている(即ち、(図4Aに示す)ノッチ106は形成されていない)。インタラプタバルブ組立体284は(図2の)インタラプタバルブ組立体64と類似し、患者吸入口286と第1チャンバ288間及びバルブ体296と駆動機構298間に制御ポート294(1つのみ図示)を含む。
【0056】
一般的には、装置280は「能動モード専用」の構成として動作するので、圧力流体源48(図1参照)を供給口292から切り離す能力及び手動式で受動モードの振動性PEP療法を実行する性能は備えていない。しかし、CHFO(及び任意のCPAP)療法は、前述のように、現在あるCHFO装置の顕著な改善を表す仕方で実行される。例えば、装置280は、実質的にどんな圧力流体源にも直接に接続され、しかもCHFO療法を提供する(即ち、装置280自体が、患者に対する振動性気流内へ吸入される一定圧力流体の流れを変更するので、「駆動」ユニットを別途設ける必要はない)。同様に、現存の構成とは異なり、装置280は装置60(図2参照)に関して前述のように変形でき、CHFO処置とは別に、又は同時にエアロゾル化された薬物療法の投与やCPAP等の付加的な動作モードを備えることもできる。
【0057】
図17は、本発明の原理による更に別の実施形態に係る呼吸療法装置300を示す。呼吸療法装置300は、ハウジング302(概略参照)とインタラプタバルブ組立体304を有する。ハウジング302は、概略的には、外側ハウジング部306と内側ハウジング部308を含み、これらは結合されて(外側は婦人具部306に関して図17に概略参照される)第1チャンバ310と患者吸入口312を画定している。インタラプタバルブ組立体304は、バルブ体314と、駆動機構316と、制御ポート318を含む。種々の構成要素の詳細について以下に説明する。しかし、一般的には、最終の組立状態において、バルブ体314は、制御ポート318と選択的に連動されるか(又は、内側ハウジング部308により形成される)。駆動機構316は、例えば、患者の呼吸サイクルの呼気相の間、患者から吐き出された息に応じて、バルブ体314の動きを制御ポート318に向かう動きと制御ポート318から離れる動きを選択的に制御し、患者吸入口312内の周期的な逆向きの気流圧を生成している。次いで、この逆圧により、患者に対して振動性PEP療法を施している。
【0058】
外側ハウジング部306は円筒状であり、内側ハウジング部308を収容して保持する大きさである。更に図18Aを参照して、外側ハウジング部306は、第1端部320と、第2端部322と、中間部324を画定している。第1端部320は、内側ハウジング部308の対応する部位と同程度の径又はサイズを有する通路326を形成しており、組立完了時に、外側ハウジング部306と内側ハウジング部308は第1端部320において流体的に密閉される。一方、第2端部322は、内側ハウジング部308(及び任意の他の装着部品)の対応する部位よりも大きな径又はサイズの開口328を形成している。この構成により、ハウジング302は、第2端部322において流体的に外気に開口される。最後に、中間部324が、同様に、内側ハウジング部308の対応する部位よりも大きな径又はサイズを規定し、内側ハウジング部308と外側ハウジング部306の中間部304間に第1チャンバ310を形成している。
【0059】
内側ハウジング部308はマウスピース330と管332を含む実施形態もある。マウスピース330は、患者の口内に都合良く配置されるか、又は(例えば、ネブライザ接続部品等の)別の部品に取り付けられた後で、患者の口内に配置されるように構成され、従って、図17に示すように、卵形の形状を有する実施形態としてもよい。いずれにせよ、マウスピース330は管332に接続され、これらの部品が結合して、連続した通路形状の患者吸入口312を形成している。
【0060】
管332は種々の異なる構成を想定することができ、近位部334と遠位部336を含むか又は画定している。図17及び18Aに示すように、管332は近位部334に外側肩部338を含む。以下に詳述するように、肩部338は、最終組立時に駆動機構316の支持部又は支点として機能する。いずれにせよ、制御ポート318は遠位部336の位置又はそれに隣接して形成され、患者吸入口312とチャンバ310間の流体的接続を形成している。制御ポート318は内側ハウジング部308の一部として図示されているが、インタラプタバルブ組立体304の有効な一部としてもよい。
【0061】
制御ポート318の他に、インタラプタバルブ組立体304は、図18Aに示すように、バルブ体314と駆動機構316を含む。ある実施形態では、バルブ体314は、制御ポート318のサイズ及び形状と同一基準の円板状であり、(例えば、バルブ体314は、制御ポート318と同一の形状及び大きさを有しても良く、又は、制御ポート318よりも大きい、又はより小さい形状でもよい)。また、ある実施形態では、バルブ体の円板314は制御ポート318より僅かに大きなサイズとすることで、制御ポート318をより完全な選択的遮断を達成している。図18Bに最もよく示しているように、バルブ体の円板314は対向する第1及び第2の主面340と342を形成している。図18Bに示す一実施形態では、第1主面340は平坦である。しかし、他の実施形態では、第1主面340は半球体や円錐形等の異なった形状も想定される。いずれにせよ、第1主面340は、制御ポート318が形成されている内側ハウジング部308の外面344と概略釣り合うように構成される。
【0062】
図18Aに戻り、ある実施形態では、駆動機構316は梁又はキャンチレバー型の装置に類似し、先導部350と後続部352を有する。先導部350はバルブ体314に固定され、後続部352は内側ハウジング部308の肩部338に取り付けられるように構成されている。以下に説明するように、駆動機構316はキャンチレバー型梁として機能し、繰り返す、周期的な撓みに対する所望の硬度を有する。このことを念頭に、ある実施形態では、駆動機構/梁316はスチールばねで形成されるが、他の材料で形成することも可能である。
【0063】
最後に図17乃至18Bに示すように、ある実施形態では、呼吸療法装置300は、更に、内側ハウジング部308に取り付けられたバルブ組立体354を含む。バルブ組立体354は種々の構成が想定され、(例えば、フラップ型又は傘型の逆止め弁等の)一方向弁に類似した構成としてもよい。このように、ある実施形態では、バルブ組立体354は、開口358を選択的に遮断するバルブ構造360とともに1つ以上の開口358を形成しているフレーム356を含む。このような構成で、バルブ組立体354は、外気流が管332/患者吸入口312へ流れ込むことを可能にし、管332/患者吸入口312から外部への空気流を制限または遮断することができる。
【0064】
呼吸療法装置300の組立は、バルブ組立体354を内側ハウジング部308の遠位部336に固定させることを含む。駆動機構の梁316の後続端部352は、内側ハウジング部308の肩部338に(例えば、溶接や接着剤等で)取り付けられる。図18Aに示すように、組立時には、駆動機構の梁316は実質的に真っ直ぐな配置であり、バルブ体314を制御ポート318と一直線上又は制御ポート318上を覆うように配置している。
【0065】
図18Aの中立又は休止状態では、バルブ体314は制御ポート318に非常に近接し、制御ポート318を通過する流体の流れを明らかに制限する。ある実施形態では、図18Bに最もよく示されているように、駆動機構316は、その中立状態又は休止状態において、バルブ体314と内側ハウジング部308の外面344(即ち、制御ポート318を規定している)外面344間に僅かな隙間362が形成されるように構成されている。隙間362の大きさは患者吸入口312内の圧力下降の程度を表し、隙間362の大きさは患者吸入口312内の圧力下降と逆関係である。このことを考慮して、ある実施形態では、隙間362は0.1インチより狭くされ、他の実施形態では0.08インチより狭くされ、更に他の実施形態では0.04インチより狭くされている。しかし、別の形態では、その他の隙間の値も可能であり、また隙間362は形成しない形態もあり得る。例えば、制御ポート318が0.28インチオーダーの径を有する場合、バルブ体314は0.36インチオーダーの径と11.6グラムの質量の円板である。駆動機構316がステンレス鋼で形成され、2.5インチオーダーの長さを有する場合は、流速20lpmで所望の圧力下降/呼吸療法装置300の応答は、隙間の大きさが0.011インチで実現されることは驚くべき発見である。特に、呼吸療法装置300は、ある実施形態では、100〜2500Paの圧力範囲で20lpmの流速において圧力下降が示された。
【0066】
使用中に、呼吸療法装置300は、所望の方向づけの指示とともに患者に提供される。この観点から、ある実施形態では、制御ポート318が患者に保持されたときの装置300「側」に空間的に配置されるときに、装置300は最適な性能をもたらす。卵型又は楕円形状のマウスピース330は、患者にこの所望の方向づけの明示的な手掛かりをもたらす。制御ポート318を「下方」に向かう(例えば、図18Aと18Bでの方向付けで)又は「上方に」向かうように空間的に方位付するときに療法装置300は動作可能であるが、インタラプタバルブ組立体304の動作中の重力の影響を考慮すれば、真っ直ぐ上向きの方向付けがさらによい。
【0067】
上記にもかかわらず、図19A,19Bを参照した療法装置300の説明では、図示を簡単にするために、装置300を「下向き」の方向付けで示している。しかし、他の実施形態では、療法装置は好ましくは患者によって空間的に保持され、制御ポート318/バルブ体314は保持された療法装置「側」にあるよう(即ち、図19A,19Bのページ内部方向)に保持されることが好ましい。このことを考慮して、マウスピース330(又はマウスピース330に取り付けられた他の部品)を患者の口内に挿入することで、患者は多数の呼吸サイクルを行う。吸気相の間、大気流は開口358/バルブ組立体354を介して容易に患者吸入口に流れ込む。呼気相の間は、患者から吐き出された空気は、患者吸入口312を通過して管332の遠位部336に向かうように強勢される。バルブ組立体354により、吐出された空気が開口358を介して管332から排出されないようにしている。その代わりに、吐出された空気流は制御ポート318に向けて、それを通過するように送り込まれ、制御ポート318から流出する空気流は、図19Aの矢印で示す、管332から遠ざかる方向(従って、制御ポート318から遠ざかる方向)に、力をバルブ体314に加えるように作用する。駆動機構の梁316は、上記付加された力により、バルブ体314の移動を可能とするように、肩部338を支点として湾曲する。バルブ体314が制御ポート318から離れるように動くとき、患者吸入口312内の気圧は低下し、空気流はチャンバ310に進み、開口328を介して周囲の大気中に放出される。
【0068】
駆動機構梁316は、バルブ体314に付加される予想圧力(即ち、大人の患者の呼吸の呼気相に関する制御ポート318における予想される空気流の圧力)に応じて、制限された範囲だけ湾曲するように構成され、制御ポート318から遠ざかるバルブ体314の行き過ぎた動きを制限する。また、バルブ体314が制御ポート318から更に離間するとき、制御ポート318からの気流/圧力によりバルブ体314に作用する力は、隙間362の面積が増大するために、必然的に減少する。(図19Aにおいて)最大の湾曲点では、駆動機構梁316のばね状の特性により、制御ポート318に向かうのと逆向きに力を付与し続け、バルブ体314は、再度、制御ポート318を通過する空気流を過度に遮断する。駆動機構梁316は、最終的に図19Bの近中立地点に戻り、バルブ体314は制御ポート318を実質的に閉じ、患者吸入口312内に逆圧が再度生成される。バルブ体314に作用する付随の力が増大し、上記のように、駆動機構梁316は再度湾曲される。このようなインタラプタバルブ組立体304の周期的な運動は呼気相の間中持続し、患者吸入口312内での逆圧の周期的な発生をもたらしている。これにより、患者は振動性PEP治療を受け、患者からの吐出空気は駆動機構梁316への唯一の入力として作用している。
【0069】
呼吸療法装置300について、キャンチレバー型共振器のインタラプタバルブ組立体304に関して説明したが、他の実施形態として、それとは違った構成とすることも可能である。例えば、図20は、患者吸入口373と制御ポート374を形成する管372に関するインタラプタバルブ組立体370の別の実施形態を概略図示している。参照すべき点としては、図20の管372は図18Aの管332と類似していることである。いずれにせよ、インタラプタバルブ組立体370はロッカー(揺動)型配置構成を採用しており、バルブ体376と駆動機構378を含む。バルブ体376は制御ポート374のサイズに対応したサイズに(例えば、それより僅かに大きいか又は小さく)設計され、駆動機構378により保持又は駆動される。この観点において、駆動機構378はアーム380とバイアス装置384を含む。
【0070】
アーム380はバルブ体376を保持し、支点386を回転軸として支持部382に旋回可能に装着されている。アーム380は、バルブ体376が形成又は固定された第1側部388と、それと反対側に位置する第2側部390を含む。図示のように、第2側部390は、バルブ体376の質量を相殺する付加的質量を備える。いずれにせよ、支持部382はアーム380を旋回可能に保持し、管372に取り付けられるか、又はその一部分として形成される。
【0071】
バイアス装置384は、制御ポート374と対向するバルブ体376に対してバイアス力を印加している。ある実施形態では、バイアス装置384は、その第1端部392がバルブ体376/アーム380に固定され、その反対側の第2端部394が支持構造396(図20に概略図示)に固定されたコイルばねである。参照すべき点として、ある実施形態では、支持構造396は外側ハウジング部306(図18A参照)により形成、又はその一部分として提供される。
【0072】
正確な構成にもかかわらず、インタラプタバルブ組立体370は釣り合いのとれたロッカー(揺動)型の配置構成を提供し、バイアス装置384は強化部品として機能している。使用中は、バルブ体376は患者吸入口373/制御ポート374からの空気流を制限し、バルブ体376と制御ポート374間の距離即ち隙間(従って、呼気流に対する抵抗)は、バイアス装置384により周期的に繰り返される。再度、バルブ体376が制御ポート374に接近すると、(患者の呼吸の呼気相の間、患者からの持続的な空気流に連動して)患者吸入口373内に逆圧が生成される。このような構成により、振動性PEP療法が施され、インタラプタバルブ組立体370は、対応する呼吸療法装置/ハウジングの空間的配置方向から独立して動作している。図示していないが、付加的ネブライザポートを、ハウジング302を用いて提供、又はハウジング302により形成することができ、これにより、エアロゾル化された薬物療法を患者に投与することができる。
【0073】
さらにまた別の実施形態によるインタラプタバルブ組立体400を図21Aと21Bに概略的に示す。図21Bに最もよく示しているように、インタラプタバルブ組立体400は管402に関連し、該管402は、前述の(図18Aに示す)管332と類似し、患者吸入口404と制御ポート406を画定している。
【0074】
上記形態を念頭に置いて、インタラプタバルブ組立体400は、制御ポート406と、バルブ体408と、駆動機構410を含む。再度、バルブ体408のサイズ及び形状は、前述のように、制御ポート406のサイズ及び形状に対応し、(例えば、同一、僅かに大きい、又は僅かに小さい等)である。図21Aと21Bの実施形態では、駆動機構410は、釣り合ったばね質量システムに類似し、フライホイール(はずみ車)412とバイアス装置414を含む。フライホイール(はずみ車)412は、例えば車軸416で、管402に対して回転可能に取り付けられている。例えば図21Aに示すように、車軸416は、対応する療法装置のハウジング(図示せず)を有する種々の面418a,418bにより装着又は保持してもよい。いずれにせよ、フライホイール412は自由に回転できる。
【0075】
バイアス装置414は第1端部420と第2端部422を有する。第1端部420はバルブ体408に固定され、第2端部422は、例えば、図21Aに示すフィンガ424でフライホイール412に固定されている。ある実施形態では、バイアス装置414は線条ばねであるが、他の実施形態として、コイル状捻りばね等の他の形体としてもよい。
【0076】
正確な構成にも拘わらず、使用中のバルブ体408は、患者吸入口404から制御ポートを通過する空気流を制限するように作用する。この点に関して、空気流に対する抵抗(即ち、患者の呼吸サイクルの呼気相の間に患者吸入口404内に生成される逆圧)のレベルは、バルブ体408と制御ポート406間の(図21Bに示す)間隙426の関数である。次に、駆動機構410はこの間隙のサイズ又は大きさを書き取る。特に、吐出された空気が制御ポート406を通過する方向に向けられるとき、バルブ体408は制御ポート406から離間するように強勢され、バイアス装置414は、バルブ体408に作用する空気流の力に対して抵抗力をもたらす。更に、バルブ体408が制御ポート406から離間するように移動すると、力がバイアス装置414に作用するように変換され、次いでフライホイール412に働くように変換される。その結果、フライホイール412は(例えば、図21Bの配置方向に対して反時計方向に)僅かに回転する。ある地点で、バイアス装置414のバネ力は制御ポート406を通過する空気流の力に打ち勝ち、バイアス装置414はバルブ体408を制御ポート406の方向に向けて、逆向きに付勢する。これに関して、フライホイール412はバルブ体408の動きの案内部として機能し、バルブ体408が逆向きに移動して制御ポート406と同一線上に移動することを確実にする。このようにして、患者吸入口404内に周期的な逆圧が生成され、患者の呼吸の呼気相の間、患者に振動性PEP療法を施している。
【0077】
呼吸療法装置300(図17参照)は種々のインタラプタバルブ組立体370(図20参照)、400(図21A及び21B参照)とともに、受動モード専用の装置(例えば、患者から吐出された呼吸により振動性PEP療法を施す装置等)の文脈で説明したが、他の実施形態として、(例えば、振動性PEP等の)受動モードと(例えば、CHFO等の)能動モードの両方で動作可能な呼吸療法装置を提供するように、同様に設計構成することもできる。例えば、図22は、本発明の態様に係るまた別の実施形態の呼吸療法装置440を示す。呼吸療法装置440は前述の呼吸療法装置300(図17参照)と非常に類似しており、ハウジング442とインタラプタバルブ組立体444を含み、該インタラプタバルブ組立体444は第1サブインタラプタバルブ組立体446と第2サブインタラプタバルブ組立体448を含む。再度、ハウジング442は外側ハウジング部450と内側ハウジング部452を含み、これらは組み合わされてチャンバ454を形成している。内側ハウジング部452はマウスピース456と管458を含み、これらを組み合わせて患者吸入口460を形成している。更に、管458は、患者吸入口460とチャンバ454を流体的に接続する第1制御ポート462を形成している。この点に関して、第1サブインタラプタバルブ組立体446は前述のインタラプタバルブ組立体304(図17参照)と類似しており、患者からの吐出空気により患者吸入口内に振動性逆圧を生成する。即ち、第1サブインタラプタバルブ組立体446は前述のように動作し、振動性PEP療法を形成している。
【0078】
上記の他に、ハウジング442は、内側ハウジング部452から延在し、外側ハウジング部450から外側に延在する供給口464を含む。供給口464は外部の圧力流体源(図示していないが、図1の圧力流体源48に類似)に流体的に接続され、管458に形成又は管458に接続された第2制御ポート466と流体的に接続されている。
【0079】
上記構成において、第2サブインタラプタバルブ組立体448は第1サブインタラプタバルブ組立体446と類似し、第2制御ポート466と、バルブ体468と、駆動機構470を含む。バルブ体468は、第2制御ポート466のサイズ及び形状と同程度のサイズ及び形状を有し、バルブ体468は第2制御ポート466を通過する流体の流れを遮断できる。図示していないが、種々のレリーフポート部及び関連するバルブ構造を第2サブインタラプタバルブ組立体448に関連して含むことにより、所望の圧力パルス/流量を生成及び/又は大気の混入を達成するのに充分な圧力を確保するように構成してもよい。
【0080】
駆動機構470は、ある実施形態では、第1の端部472と第2の端部474を有する細長形状の梁である。第1の端部472はバルブ体468を保持し、第2の端部474は内部側肩部476に取り付けられるように構成され、該肩部476はある実施形態では管458に形成又は提供される。
【0081】
次に、最終的な組立状態では、バルブ体468/駆動機構470は管458内に内部的に配置され、バルブ体468は第2制御ポート466と同一線上に配置される。使用中は、順方向の気流が患者吸入口460内に形成され、流体の流れは第2制御ポート466に向けられる。第2サブインタラプタバルブ組立体448は、第2制御ポート466を通過して患者吸入口460内に入る流体の流れを周期的に遮断するように動作する。特に、前述したように、駆動機構梁470は、バルブ体468を第2制御ポート466に対して周期的に移動させることにより、患者吸入口460内に入る流体の流れに対する可変型遮断手段を形成している。このように、能動モードで動作するとき(即ち、療法装置440が図1に示す圧力流体源48に接続されているとき)、患者の(吸気相を含む)呼吸サイクルの間、呼吸療法装置440は患者に対してCHFO治療を施す。一方、療法装置440が圧力流体源から切り離されて(供給口464が流体的に閉じられ)、振動性PEP療法を施す受動モードで動作することもできる。図示していないが、療法装置440は更に付加的な特徴を組み込んで、(図2を参照して)装置60について説明したように、例えば、エアロゾル化された薬物療法の投与や(一定又は可変の)CPAP療法等を施すのに、療法装置440を容易に使用できるように構成してもよい。更に、療法装置440は、例えば、第1サブインタラプタバルブ組立体446を削除して、「能動モード専用の」装置として動作するように変形してもよい。
【0082】
更に、別の代替の実施形態に係る呼吸療法装置500を図23A及び23Bに示す。呼吸療法装置500はハウジング502(概略参照)とインタラプタバルブ組立体504(概略参照)を含む。種々の構成要素の詳細について以下に説明する。一般的には、ハウジング502はインタラプタバルブ組立体504を保持し、制御ポート510を介してチャンバ508に流体的に接続された患者吸入口506を形成している。インタラプタバルブ組立体504はバルブ体512と駆動機構514(概略参照)を含む。使用時は、駆動機構514は、バルブ体512が制御ポート510を通過する空気流を可変的に制限するように、バルブ体512を制御ポート510に対して移動させる。このように、パルス状の逆圧が患者吸入口506内に生成されることで、振動性PEP療法を施している。
【0083】
ハウジング502は、外側部520と内側部522とオリフィス体524を含む。外側部520は、ユーザが療法装置500を操作し易くするために構成された外部フレームを提供し、種々の構成部品を保持している。
【0084】
ハウジング522はマウスピース526と管528を有する。マウスピース526は、患者の口内に都合よく配置される(又は、ネブライザ接続部品等の患者の口内に配置される別体の部品に組み付けられる)サイズと形状を有し、管528と一体的に形成され得る。いずれにせよ、マウスピース526と管528は組み合わされて患者吸入口506を形成し、該患者吸入口506を介して患者に空気が吸入及び患者からの空気が流出される。これに関して、管528はマウスピース526から後続部側530に延在している。
【0085】
更に図24を参照して、オリフィス体524は、管528の後続部側530に取り付けられるか、又は、管528の一部として形成される。オリフィス体524はリム部532と壁部534を有する。図24に最もよく示すように、制御ポート510は壁部534に形成されている。また、壁部534には、1つ以上の開口から成るレリーフポート部536が形成されている。レリーフポート部536はバルブ構造540を保持し、開口538を通過する空気流が一方向にのみ流れるようにしている。いずれにせよ、リム部532には、制御ポート510と隣接したスロット542が形成されている。このような構成により、スロット542に挿入される本体により、制御ポート510の一部又は全体を選択的に遮断することができる。
【0086】
図23A及び23Bに戻り、バルブ体512は、スロット542内に摺動可能に挿入される大きさであり、先導部544と後続部546を含む。先導部544は、スロット542内に摺動可能に配置される大きさであり、ある実施形態では傾斜した形状である。いずれにせよ、後続部546は、以下に述べるように、駆動機構514の対応する部品に装着されるように構成されている。
【0087】
図23A及び23Bに示す実施形態では、駆動機構514はEMF共振器として動作するように構成され、(梁550とマイクロモータ装置552で構成された)共振器システム548と制御回路構成554とアクチュエータ556及び電源558を含む。一般的には、電源558はマイクロモータ装置552に電力を供給する。アクチュエータ556でのユーザの操作に即応して、回路構成554はマイクロモータ装置552を起動し、これにより梁550は、ある実施形態では、該梁の固有振動数で共振を起こす。いずれにせよ、梁550が振動することにより、装着されたバルブ体512は制御ポート510に対して移動する。
【0088】
梁550は比較的薄く、強固な材料で形成されている。ある実施形態では、梁550は低減衰特性を示すスチールで形成され、又は、合成樹脂やセラミック等の他の材料で形成してもよい。例えば、梁550がスチールで形成された場合は、0.01インチオーダの厚みを有することができる。他の異なる材料で形成された場合は、梁550の名目的な厚みは増減される。
【0089】
以下に詳述するように、使用時は、梁550は振動の力を受けることにより、その先導部560は共振を起こす。(一方、後続部562は静止状態のままである。)このため、ある実施形態では、梁550は、外側ハウジング部520の所望のフットプリント内に適合するだけでなく、所望のレベル以上の固有振動数を表すように(例えば、材料及び寸法的に)構成され、マイクロモータ装置552とバルブ体512が先導部560に取り付けられたとき、その結果得られる共振器システム548の固有振動数は略所望の固有振動数に近似する。例えば、ある実施形態では、(梁550の先導部560における)共振器システム548の所望の固有振動数は略15Hzである。マイクロモータ装置552とバルブ体512の質量を無視すると、梁550は、ある実施形態では、15Hzよりも充分に高い(例えば、40〜80Hzオーダの)固有振動数を表す。マイクロモータ装置552とバルブ体512の質量を考慮すると、付加的な質量体が梁550に追加され、共振器システム548の全体の固有振動数を15Hzに近似するように「微調整」できる。他の実施形態として、梁550のみで、及び/又はマイクロモータ装置552とバルブ体512との組合せにより、異なる振動数が得られるようにすることも、勿論可能である。
【0090】
図23Aに最もよく示されているように、マイクロモータ装置552は出力軸572を回転させる可変速度のマイクロモータ570を含む。不均衡な質量体574が出力軸572に取り付けられる。このような構成で、マイクロモータ装置552の動作により、振動力負荷が駆動振動数で発生される。マイクロモータ570は種々の形体が想定され、ある実施形態では、ブラシュ式直流(DC)モータが適用され、マイクロモータ570に供給された入力電圧に比例した回転速度で出力軸572を回転させる。例えば、マイクロモータ570は、例えば、商標RF−J2WAとしてMaduchi Motor Co.社製のマイクロモータ等、振動力を発生するためのセル式電話器用のマイクロモータ等が適用される。いずれにせよ、マイクロモータ570は回路構成554に電気的に接続されることにより、電源558からマイクロモータ558に供給される電圧を調整している。
【0091】
ある実施形態では、制御回路構成554は、制御用チップ又は制御用回路板として構成され、バルブ体512/梁550の変位と振動数に基づき、マイクロモータ570に供給される電圧と電流を調整し制限している。これに関して、制御回路構成554は、梁550を実質的にコンデンサとして見なしながら監視するように構成されている。この方法では、変位と振動数の療法の測定を行うことができる。特に、振動数の測定はマイクロモータ570への出力電圧を制御して所望の回転速度を維持するのに利用され、一方、変位の測定はマイクロモータ570の回転速度を変え、梁550に「激しく」衝突して停止することを防止するために利用される。参照すべき点としては、梁550が「激しく」衝突して停止すると、梁550は振動を停止し、バルブを正しく開状態として正確な振動数を得るのに時間がかかる。制御回路構成554の概略構成の一例を図25に示している。しかし、これは可能な構成例の1つに過ぎないと理解すべきである。
【0092】
図23A及び23Bに戻り、アクチュエータ556は、制御回路構成554がマイクロモータ570への電力供給を開始又は停止するのを速めるように構成されている。即ち、アクチュエータ556は種々の形体が想定され、ある実施形態では、外側ハウジング部520から突出したボタン式又は同様の構成体である。または、アクチュエータ556はその他の種々の形体が想定され、例えば、膜組織を基礎とするセンサや無線アクチュエータ等が利用できる。
【0093】
最後に、電源558はマイクロモータ570と制御回路構成554に適当な電力を供給する。ある実施形態では、電源558はハウジング502の区画576内に設けられ、任意の好適な形体(例えば、1つ以上の電池等)が想定される。
【0094】
組立状態の呼吸療法装置500を図26A及び26Bに示す。特に、バルブ体512は梁550の先導部560に取り付けられ、バルブ体の先導部位544は梁550から離間するように構成される。マイクロモータ装置552は、図26Aに最もよく示されているように、バルブ体512の後続部位546に取り付けられている。これに関して、後続部位546はマイクロモータ装置552を収容するように構成されているが、他の実施形態では、マイクロモータ装置552は梁550に直接取り付けてもよい。
【0095】
オリフィス体524は管528の後続側530に連結され、壁部534が管528を横切って延在するように構成されている。図26Aに示すように、一方向弁構造540はレリーフポート部536に取り付けられ、開口538を通過する流体の流れを制御する構成としている。
【0096】
次に、梁550はハウジング502に組み込まれ、梁の後続部562がハウジング502に対して固定され、バルブ体512はオリフィス体524のスロット542内を摺動可能に延在する。図26Bに最もよく示すように、梁550の自然状態では、バルブ体512の先導部位544は部分的に制御ポート510を遮断する。更に、図26Aに最もよく示すように、僅かな隙間582(概略参照)が、バルブ体512とオリフィス体524(従って制御ポート510)との間に形成される。
【0097】
電源558は図示のようにハウジング502に組み込まれ、制御回路構成554とマイクロモータ570を、例えば、電線(図示せず)で電気的に接続している。制御回路構成554とアクチュエータ556は共にハウジング502に同様に取り付けられる。
【0098】
使用時には、マイクロモータ装置552が駆動することで、梁550を共振させ、従ってバルブ体512が共振する。上記のように、ある実施形態では、共振システム(即ち、梁550とマイクロモータ552とバルブ体512)は、制御ポート510に対するバルブ体512の動作の所望振動数に近似した固有共振振動数を表すように構成される。共振システム548(及び梁550)を選択固有振動数で励起することにより、印加される力と作用は梁550だけを偏倚させるのに要する力よりも小さくてよく、従って、消費電力を削減できる。このように、モータ装置552が振動すると、梁550は共振し、バルブ体512は制御ポート510に対して前後方向に(例えば、図26Bの配置姿勢では上下に)移動する。このように、梁550の共振を用いて、バルブ体512は制御ポート510を振動形式で選択的に「開」状態と遮断状態にする。
【0099】
マイクロモータ570が電動されているかどうかに拘わらず、患者の呼吸サイクルの吸気相の間は、大気はレリーフポート部536を介して容易に患者吸入口506に流入する。呼気相(及び、アクチュエータ556による駆動機構514を適当に作動する)間、駆動機構514は、バルブ体512が振動形体で制御ポート510の開閉を行うように作用している。例えば、図27Aを参照して、梁550が(図27Aの配置方向に関して)下方に共振すると、バルブ体512は基本的に制御ポート510を閉じるように動作し、患者吸入口506内に吐出された空気流は制御ポート510を通過できない。そのため、患者吸入口506内に逆圧が生成される。それとは反対に、図27Bに示すように、梁550が(図27Aの配置方向に関して)上方に共振すると、バルブ体512は制御ポート510から径方向に変位し、患者吸入口506内の空気流は制御ポート510を容易に通過してチャンバ508に流入し、(従って、大気中に排出される)。この点に関して、制御回路構成554はモータ装置570への電力供給を制限するように動作し、所望の振動数(例えば、15Hz)で一貫して梁550を共振させる。いずれにせよ、患者の呼吸サイクルの呼気相の間に患者吸入口506内に生成(及びそこから開放)された周期的な逆圧は、患者に対して振動性PEP処置を実行する。他の実施形態では、1つ以上のネブライザポート(図示せず)がハウジング502に備え、又は、形成され、患者に対してエアロゾル化された薬物投与を容易にすることもできる。同様に、ネブライザ接続部品(図示せず)もマウスピース526に直線上に流体接続することができる。
【0100】
呼吸療法装置500は受動モード(例えば振動性PEP)のみ動作又は提供する構成として説明したが、他の実施形態では、同様の設計上の特徴を用いて、受動モードと能動モード(例えばCHFO)の両方で動作することができる療法装置を提供することもできる。例えば、図28に示すまた別の実施形態に係る呼吸療法装置600は前述の(図22Aに示す)療法装置500と非常に類似している。特に、呼吸療法装置600は、ハウジング502と、前述のようなインタラプタバルブ組立体504の構成部品及び供給口602を有する。供給口602は外部の圧力流体源(図示していないが、図1の圧力流体源48に類似)に流体的に接続され、ノズル端部604で終端している。図示のように、ノズル端部604は、流体の流れを、供給口602から制御ポート510の方向に向けている。更に、ハウジング502の外部側に対してノズル端部604を配置することにより、ノズル端部604からの気流内に大気を混入することが可能となる。多量の呼吸の発生を防止するために、付加的なバルブ手段(図示せず)を任意に設けてもよい。
【0101】
受動モードの動作(即ち、供給口602が圧力流体源から切り離されている状態)では、療法装置600は前述のように動作し、(例えば、患者の呼吸サイクルの呼気相の間は、駆動機構514はバルブ体512を制御ポート510に対して共振させ、振動性PEP療法を施すために患者吸入口506内に周期的な逆圧を生成する)。能動モードの動作では、順方向の気流が供給口602を通過するように強勢され、ノズル端部604により制御ポート510の方向に向けられる。このような強勢された気流の供給に連動して、駆動機構514は、再度、バルブ体512を制御ポート510に対して共振させ、これによりノズル端部604から制御ポート510を通過して患者吸入口506へ流入する流体の流れを周期的に中断する。このように、能動モードの動作では、呼吸療法装置600は、(少なくとも呼吸の吸気相を含む)呼吸サイクルの全期間、患者にCHFO処置を施すように動作する。図示していないが、療法装置600は、(図2の)装置60に関して前述したように、エアロゾル化された薬物投与やCPAP療法等を施すのに、該装置の使用を容易にする付加的な特徴を組み込むことも可能である。更にまた、療法装置600は、例えば、マウスピース506と制御ポート510間に排気バルブ装置を設けることにより、「能動モード専用」の装置として機能するように変形してもよい。
【0102】
本発明の呼吸療法装置は、従来の構成に対して顕著な改善をもたらしている。ある実施形態では、スタンドアロン(独立型)の呼吸療法装置が提供され、受動モードと能動モードの両方で動作可能としている。受動モードでは、療法装置は患者に対して振動性PEP処置を実行し、多くの実施形態では、患者の吐出呼吸にのみ基づいて上記動作を行っている。能動モードの動作では、外部の圧力流体源が装置に接続され、該装置は独自で外部流体源からの気流に作用して、CHFO処置を提供している。実在する構成とは異なり、能動モードの動作を提供する本発明の実施形態は、実質的に任意の圧力流体源(例えば、規制され、又は規制されていない壁部流体源、家庭用圧縮機、酸素タンク、機構的/空気式気流インタラプタ又は「駆動装置」、独立型通風装置等)に接続することができる。これに関して、本実施形態が、パルス状の圧力流体を発生する現存の流体インタラプタ/駆動装置に接続された場合、駆動装置は特定の患者に投与される実際的な療法を「調整する」機能を提供することができる。更に他の実施形態では、呼吸療法装置は、従来は考慮されなかった仕方で、受動モードの療法(例えば、振動性PEP)を提供することができる。更に別の実施形態では、改善された「能動モード専用」の療法装置が提供される。更に、任意の実施形態において、CPAPやネブライザ治療等の付加的な療法を施すこともできる。
【0103】
本発明の特定の実施形態を本願明細書にて説明したが、当業者は、本発明のあらゆる変形例を対象とすることを意図し、以下の特許請求の範囲およびその同等物によってのみ本発明が限定されることを意図するものと理解されよう。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、患者に対して呼吸治療を施すための呼吸療法において、振動性の呼吸圧力パルスを生成することができる呼吸療法装置に、持続的気道陽圧、持続的呼気陽圧、エーロゾル化された薬物の投与等の付加的な療法を任意に適用する治療装置の改善に有用である。
【符号の説明】
【0105】
32: ハウジング
34,64: インタラプタバルブ組立体
36: 患者吸入口
38: チャンバ
40: 排気口
42: 供給口
44: 制御ポート
46,80: バルブ体
48: 圧力流体源
50: ネブライザー
78: 制御ポート
82: 駆動機構
130: ベース部
132,134: バルブプレート部
140,142: ローブ組立体
150: ローブ体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気相と呼気相を含む少なくとも患者の呼吸サイクルの間、患者に呼吸療法を施すための装置であって、
患者吸入口と、排気口と、前記患者吸入口と排気口との間に流体的に介在するように配置された第1のチャンバと、第1の圧力流体供給口とを含むハウジングと、
前記ハウジングと連関し、前記患者吸入口と前記第1のチャンバを流体的に接続する制御ポートと、前記制御ポートを介して流体が流れるのを選択的に遮断するように構成されたバルブ体とを含むインタラプタバルブ組立体と、を備え、
前記装置は、第1のモードである受動モードにおいて、前記第1の圧力流体供給口への流体の流れが生じることがなく、前記インタラプタバルブ組立体は吐出された流体と相互作用して、呼気相の間は振動性の呼気陽圧作用をもたらすように動作し、
第2のモードである能動モードにおいて、前記第1の圧力流体供給口への流体の流れが生じ、前記インタラプタバルブ組立体は前記流体の気流と相互作用して、持続的な高周波振動作用をもたらすように動作することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記インタラプタバルブ組立体は複数の制御ポートを含み、前記バルブ体は前記複数の制御ポートの各々をそれぞれ選択的に遮断するように構成された請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記インタラプタバルブ組立体は、更に、回転可能な駆動軸を含み、該駆動軸の回転により、前記バルブ体が前記制御ポートを選択的に遮断することが維持される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記インタラプタバルブ組立体は前記駆動軸を回転させるための駆動機構を更に含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記駆動機構は第1及び第2のローブ体を含む請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジングは前記第1のチャンバに隣接した第2のチャンバを更に含み、前記ローブ体が前記第2のチャンバ内に保持されている請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のチャンバと第2のチャンバは開口を介して流体的に接続され、前記ローブ体の回転により、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ流体が流れる請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のチャンバは、前記排気口に流体的に接続された排出側開口部を形成する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングは前記制御ポートからは離間して前記第1のチャンバ内に配置されたレリーフポートを更に形成し、前記装置は該レリーフポート構成を介して流れる流体を制御するバルブ構造を更に有し、前記第1のチャンバ内の流体圧力が所定レベルを超えたとき、前記バルブ構造は前記レリーフポート構成を流体的に開状態にする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記排気口を画定するとともに、前記レリーフポート構成を介して前記第1のチャンバと流体的に接続された排気チャンバを更に形成している請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記排気チャンバは排出側開口部を介して前記第2のチャンバに流体接続されている請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の圧力流体吸入口は前記第1のチャンバに流体的に接続されている請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、入口側が前記第1の圧力流体吸入口に流体的に開口するとともに、排出側が前記制御ポートに流体的に開口しているノズルを更に含み、前記バルブ体は該ノズルの排出側と前記制御ポート間を移動可能であり、該ノズルの排出側から前記制御ポートへの流体の流れを選択的に遮断する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記インタラプタバルブ組立体は前記バルブ体を搬送する駆動軸と該駆動軸を回転させる駆動機構を更に含み、該駆動軸の回転により前記バルブ体は前記制御ポートを選択的に覆うように構成された請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記駆動機構の少なくとも一部を内部に保持している第2のチャンバを更に形成し、第2の圧力流体供給吸入口は圧力流体供給源に流体的に接続可能であり、更に装置内において、前記能動モードでは、前記第2の圧力流体供給吸入口から前記第2のチャンバへ流体が流れることにより前記駆動機構を駆動するように構成された請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記駆動機構は、前記第2のチャンバ内に保持された第1及び第2のローブ体を含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1と第2のチャンバ間に配置され、該第1と第2のチャンバを流体接続する通路を形成しているプレートと、
前記通路と連関して、前記通路を選択的に開閉するための制御手段と、を更に有する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記受動モードにおいては、前記振動性の呼気陽圧作用のレベルが患者の呼吸作用力の関数であり、
前記能動モードにおいては、前記高周波振動作用のレベルが患者の呼吸作用力とは独立している、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記ハウジングは更に吸入レリーフポート構成を形成し、前記装置は、更に、前記吸入レリーフポート構成に取り付けられた一方向バルブ構造を含み、吸気相の間は患者吸入口内に大気が流れることを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記インタラプタバルブ組立体は更にロック機構を含み、前記圧力流体供給吸入口への陽圧流体の流れが起こることで、持続的気道陽圧作用をもたらす第3の持続的モードにおいて装置が動作可能となるように、制御ポートが開状態となる開位置に前記バルブ体を選択的にロックする、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記インタラプタバルブ組立体は更に片持ち梁を有する駆動機構を含み、前記制御ポートに関する前記バルブ体の位置を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記駆動機構は、更に、前記片持ち梁の先端部に装着された振動モータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
吸気相と呼気相を含む少なくとも患者の呼吸サイクルの間、患者に呼吸療法を施すための方法であって、
患者吸入口と排気口と圧力流体供給口とを含むハウジングと、前記患者吸入口への流体の流れまたは前記患者吸入口からの流体の流れを選択的に遮断するためのインタラプタバルブ組立体と、を備えた呼吸療法装置を装備する工程と、
圧力流体供給源を前記圧力流体供給口に流体的に連結する工程と、
能動モードの動作の間、前記呼吸療法装置を介して患者に持続的な高周波振動を与える工程と、
前記圧力流体供給源から前記圧力流体供給口への流体の流れを中断する工程と、
患者の呼吸周期を繰り返し行うように患者を促す工程と、
受動モードの動作の間、前記装置を介して患者に振動性の呼気陽圧療法を施す工程と、を有する方法。
【請求項24】
前記受動モードの動作は、前記振動性の呼気陽圧療法のレベルが患者の呼吸作用力の関数であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記能動モードの動作は、前記持続的な高周波振動を与える療法のレベルが患者の呼吸作用とは独立していることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記インタラプタバルブ組立体は、前記患者吸入口とチャンバを流体的に接続する少なくとも1つの制御ポートと、前記制御ポートを選択的に遮断するバルブ体と、前記制御ポートに対する前記バルブ体の位置を調整する駆動機構を備え、更に、前記振動性の呼気陽圧療法を施す工程は、患者からの呼気気流に応じて前記駆動機構を作動することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記駆動機構は第1及び第2のローブ体を含み、該第1のローブ体は前記バルブ体を保持し、更に、前記振動性の呼気陽圧療法を施す工程は、患者からの呼気気流により前記ローブ体を回転させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記圧力流体供給口は前記インタラプタバルブ組立体に流体的に接続され、前記インタラプタバルブ組立体は、前記患者吸入口とチャンバを流体的に接続する少なくとも1つの制御ポートと、前記制御ポートを選択的に遮断するバルブ体と、前記制御ポートに対する前記バルブ体の位置を調整する駆動機構を含み、更に、前記持続的な高周波振動を与える療法を施す工程は、前記圧力流体供給源からの流体が前記駆動機構を作動することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
療法を施す前に前記装置の動作モードを選択する工程をさらに有する、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記装置は、前記患者吸入口と前記排気口との間に流体導通可能に介在するアパーチャを選択的に開閉する制御タブを更に有し、動作モードを選択する工程は前記アパーチャに対する前記制御タブの位置を変えることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
開状態において、前記インタラプタバルブ組立体をロックする工程と、
前記圧力流体源を前記圧力流体供給口に流体的に連結する工程と、
持続的気道陽圧(CPAP)動作モードにおいて、前記装置を介して患者に持続的気道陽圧療法を施す工程と、を更に有する、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記持続的気道陽圧動作モードは、前記インタラプタバルブ組立体が静止状態を維持していることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記装置は、前記患者吸入口の吸入端部と前記インタラプタバルブ組立体との間に流体通過可能に介在する前記患者吸入口に流体的に連結されたネブライザポートを更に含み、
ネブライザを前記ネブライザポートに流体的に連結する工程と、
前記能動動作モードと受動動作モードの少なくとも一方の間は、患者にエアロゾル化流体を与える工程とを有する、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【公表番号】特表2010−509004(P2010−509004A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536533(P2009−536533)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/084448
【国際公開番号】WO2008/063966
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(397037834)アレジアンス、コーポレイション (21)
【住所又は居所原語表記】1430 Waukegan Road, Waukegan, Illinois 60085 United States of America