説明

呼吸補助装置

本発明は交互の吸気相と呼気相とで動作することができる呼吸補助装置に関し、装置の制御手段は、圧力パラメータまたは流量パラメータを選択してガス供給源のための基準値を画成することができる選択手段(152)を備え、該選択手段は自動制御ユニット(51)により制御され、該制御ユニットは、I)基準値パラメータを選択するための直接閉調整ループを形成するために吸気ダクトに配置された圧力および流量のセンサーに接続され、II)圧力または流量の信号からリアルタイムで選択を行うことを可能にするプログラムに連係されていて、基準値パラメータの選択のための直接閉調整回路と比例動作を可能にするバルブとの連係が、吸気相と呼気相との間で、そしてこれらの相の最中に、装置の気圧動作モードおよび体積動作モードのリアルタイム制御を可能にするようになっている。本発明はまた、関連する動作方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交互の吸気相と呼気相とで動作することができ、下記を備える呼吸補助装置に関する:
・加圧呼吸ガス供給源、
・該ガス供給源に、ガスに関係するパラメーターの基準値を伝達することができる制御手段、
・該ガスをガス供給源から患者に供給するための吸気ダクト、
・患者の呼気ガス用の呼気ダクト、
・吸気ダクトに設けたバルブであって、比例動作を可能にするようにガスを通過させる手段を備え、加圧ガス供給源とは別個の手段により制御されるバルブ、
・PEPを確保するよう助けるための、該呼気ガス用ダクトに設けたバルブ、
・吸気ダクトに設けた、それぞれ圧力および流れのセンサー。
【0002】
PEP(呼気陽圧、Positive Expiratory Pressure)については後で定義することを指摘しておく。
上述した種類の装置は既知である。
【0003】
例えば、このような装置の説明は文書FR2812203(例えば、この文書の図15を参照)に見られる。
図1は、公知の装置10の概略図を示す。
【0004】
装置10は、吸気ダクト110の第1端部に接続された、加圧呼吸ガスの供給源100を備え、該ダクトの第2端部は、吸気相の間に供給源100からのガスを患者に供給するために患者に接触している。
【0005】
この第2端部は、本例では呼吸用マスク120により示されている。この種の装置を「侵襲性」モードで使用することも構想することができ、その場合には、患者にはこのダクトの第2端部が挿管される。
【0006】
マスクは呼吸用マスクからの漏れのためのベント(ガス抜き口)を有していてもよい。
装置10はまた、呼気ダクト130も備えており、その第1端部は患者が吐き出したガスを排出するために自由空気に開放されており、その第2端部は患者に接続されていて、吸気ダクトの第2端部とつながっている。
【0007】
吸気ダクト110には次の2つのセンサーを見ることができる:
・ダクト内の呼吸ガスの圧力センサー111、
・この同じガスの流量センサー112。
【0008】
それぞれのダクト110および130を選択的に閉じるためにバルブ類が設けられている。
即ち、バルブ113がダクト110に配置され、バルブ133がダクト130に配置されている。
【0009】
吸気ダクトに配置されているバルブ113は、バルブのガスを通過させる手段が比例動作(proportional operation)を可能にする少なくとも1つの部品を備える種類のものである。
【0010】
典型的には、これはガス通過手段が回転で動かすことができるコックを備えるバルブに関する。
比例的に動作することができるそのようなバルブの動作は、有利な特定の形態(文書FR2812203に提案されている)に対応する。
【0011】
呼気ダクトに配置されているバルブ133は別の種類のバルブである。
このバルブは、このバルブが配置されるダクトを封鎖することができる膨張可能なブラダー(袋)型のシール要素からなり、空気圧により(pneumatically)制御される。
【0012】
バルブ113は専用の電気モーター(図示せず)により制御される。
バルブ133は空気圧により制御される。
より正確には、バルブ133は、このバルブがバルブを制御する圧力ライン選択手段に接続されていて、2つの異なる圧力ラインにより選択的に制御されうる。
【0013】
これら2つの圧力ラインは次の通りである:
・圧力供給源100に接続されているライン1331
・補助圧力供給源140に接続されているライン1332。
【0014】
装置10はまた、装置の動作を制御する手段に対応する、参照番号50によりまとめて示されるアセンブリをさらに備える。
この制御手段50は、ガス供給源100に対する基準動作値を画成して、それを結線1510により伝達することができる。
【0015】
この基準動作値は、例えば、圧力供給源100がタービンである場合、毎分の回転数で表される。それは、例えば、加圧ガス供給源からの圧力出力基準値といった、異なる種類の基準値であってもよい。
【0016】
この基準値はリアルタイムの基準値であり、制御手段50により常時適応されている。
かかる装置は、次の2つの交互リズムに従って動作する:
・バルブ113が開放位置にあり、バルブ133が閉鎖位置にある吸気相。
【0017】
・バルブ113が閉鎖位置にあり、バルブ133が次のいずれかである、呼気相:
◇開放位置にあるか、または
◇呼気ダクトにカウンター陽圧(PEP)を確立するような状態で閉鎖位置にある、これは患者が呼気相にある時に該患者の肺の過剰残留圧力をバランスさせるように設計されている。この場合、バルブ133をシールするための特別の制御がなされる。
【0018】
加圧ガス供給源100に伝達される、制御手段50により画成された基準値は、装置の動作を表示するパラメータに従って構成される。これについては、本発明の説明の一部として再び触れる。
【0019】
また、この基準値をガス供給源のために画成(規定)するのに求められる装置の動作を代表するパラメータの性質に応じて、装置を異なる動作モードで動作させてもよい。
具体的には、この装置は気圧(barometric)モードまたは体積(volumetric)モードで動作させることができる。
【0020】
気圧モードでは、装置は吸気ダクト内の圧力に応じて制御される。この動作モードでは、目的は患者に各吸気相中に所望の圧力を供給することである(FR2182203,19頁を参照)。
【0021】
この動作モードでは、その結果として供給源100のために基準値を画成するのに使われるのは圧力パラメータである。吸気ダクト内の流量は圧力コントロールから生ずる値である。
【0022】
体積モードでは、装置は吸気ダクト内の流量に応じて制御される。この動作モードでは、目的は患者に各吸気相中に所望のガス量を供給することである(FR2182203,18頁を参照)。
【0023】
より正確には、体積モードでは、FR2812203の装置は、所望量のガスを患者に供給するために次のように制御される。
FR2812203の装置は回転要素を備えた吸気バルブを含んでおり、該要素の回転は、患者に望まれる量(体積)に対応する大きさを有する通路セクションを吸気バルブ内に形成するように制御される。
【0024】
従って、吸気バルブの回転要素の角度位置は、患者に送給すべき量に対応する値にセットされる。
患者に送給すべき所望の量の値を選択してしまうと、この回転要素はその値に対応する角度位置に合わせられる。
【0025】
さらに、FR28112203の装置の体積モードでは、吸気バルブの上流側部分と下流側部分との間の圧力差が、装置のガス供給源の出口での圧力の制御により一定に保持される。
【0026】
従って、体積モードではFR2812203の装置は次の2つの制御を受ける:
・患者に送給されたガスの量(体積)の制御。これは、吸気バルブの回転要素の角度位置の制御により達成される。このためには、該回転要素の角度位置は、所望のガス量に対応する通路を吸気バルブ内に画成する位置に合わせられる、
・吸気バルブの上流側部分と下流側部分との間の圧力差の制御。このためには、タービンが装置の制御回路により制御される。この圧力差は、患者に求められる所望の体積(流量)が何であろうと、一定値を保持するように制御される。
【0027】
吸気バルブの上流側部分と下流側部分との間の圧力差が一定レベル(例、10mbar)に保持されると、吸気バルブを直線的に動作させることが可能になり、例えば、回転要素の孔により画成された通路の寸法が、バルブを通って流れるガス流量に比例することになる。
【0028】
FR2812203の装置の一般的な特徴に戻ると、装置を制御する手段が下記を同時に適合させるために提供される:
・動作モード(気圧または体積)。このためには、オペレータがこのタスクのために設けられたインターフェイス(例えば、装置のキーボード)を命令することにより、所望の動作モードの手動選択を準備することが可能である。
【0029】
・そして、下記に依存してガス供給源のための基準値を画成するのに使用される装置の動作を表示するパラメータの値:
◇使用する動作モード(気圧または体積、これは特に使用すべきパラメータの性質を決める)および
◇装置が当面している相(吸気相または呼気相)。
【0030】
PEPを使用すべきなら、呼気バルブ133のブラダーを膨らませるのに用いる空気圧(制御圧力)を正確にコントロールしなければならないことを指摘しておく。
実際、PEPをマスク120内に(より一般的には患者内に、本書では、従来技術の説明と本発明の説明のいずれを意図しているかにかかわらず、マスクでの形態と侵襲性の形態とを等しいとして考える)を確立すべき時には、バルブ133を過大な制御圧力によりシールするのではなく、患者のレベルに望まれるPEPを生起するのに適当なカウンター圧力によりシールしなければならない。
【0031】
そのために、このバルブ133に下記の2つの制御ラインを設ける:
ライン1331は、特に吸気相中に、ダクト内のカウンター圧力とのバランスについて全く心配する必要なしにバルブ133をシールすることを可能にする、
コンプレッサー140に接続されているライン1332は、呼気相中の患者の呼息中に所望のPEPを確保するために、較正された制御圧力をバルブ133に伝えることを可能にする。
【0032】
バルブ133は、ライン1331またはライン1332を選択するための選択手段(図示せず)に接続されていることを指摘しておく。
図1の公知の装置は有利である。
【0033】
特に、このような装置の吸気バルブは異なる動作モードを管理することを含めて、吸気ダクト内の呼吸ガスの正確な制御を可能にする。
しかし、このような装置をさらに改善することを構想することができる。
【0034】
まず、装置の動作をその各種の動作モードにおいて正確に制御することを可能にする、装置を制御するための手段を持つことが有利であろう。
特に、体積モードで動作している場合、ダクト110内の流量値の非常に正確な制御が困難であることが考えられる。
【0035】
これは、圧力源がタービンである場合に特にそうである。
この場合、実際、タービンの荷重の変動により、或る種の条件ではダクト110内の呼吸ガス流量の制御の正確さが破壊される可能性が高い。
【0036】
この可能性は、吸気ガス流量を広範囲の可能な値、例えば、1〜180L/min、にわたって制御すべき場合にはさらに高まる。
このような範囲の流量は、さまざまな種類の病状および病気の治療を可能にするために望ましいことがある。
【0037】
第二に、基本流量を最小にすることが困難であることがある。
一般に、特に供給源100から出るガスと混合することができる酸素のような二次ガスを無駄にするのを避けるため、呼気相中はこの基本流量を最小にすることが好ましい。
【0038】
従って、基本流量の値は装置の漏れ(例えば、マスク120での漏れ)にちょうど対応することが望ましい。
この側面は、一面では、特に非常に低い基準値に対して流量の正確な制御を必要とする。
【0039】
本発明の1目的は、上記の点について改善することである。
本発明の別の目的は、とりわけ接続流量とPEPとを別個に正確に管理する(基準値の設定、調整など)ことを可能にすることである。
【0040】
本発明のさらに別の目的は、患者に接続されている装置の末端がマスクである場合でも装置の漏れの緊密な制御をなすことを可能にすることである。別の目的は、新たな吸気相をこの制御に基づいて自動的に起動することを可能にすることである。
【0041】
本発明のさらに別の目的は、体積モードでの装置の動作を制御するための効率的かつ信頼できる手段を提供することである。特に、患者に送給すべき小さな目標値のガス量(ガス体積)を精密に制御することが有利であろう。
【0042】
最後に、本発明の別の目的は、吸気バルブが比例的に動作することができる形態の利点を最大源にすることを可能にすることである。
これらの目的を達成するため、本発明は、交互の吸気相と呼気相とで動作することができる呼吸補助装置であって、
・加圧呼吸ガス供給源、
・該ガス供給源に、ガスに関係するパラメーターの基準値を伝達することができる制御手段、
・該ガスをガス供給源から患者に供給するための吸気ダクト、
・患者の呼気ガス用の呼気ダクト、
・吸気ダクトに設けたバルブであって、比例動作を可能にするようにガスを通過させる手段を備え、加圧ガス供給源とは別個の手段により制御されるバルブ、
・PEPを確保するように助けるための、該呼気ダクトに設けたバルブ、
・吸気ダクトに設けた、それぞれ圧力および流量のセンサー、
を備える呼吸補助装置を提案し、
本発明の装置は下記の点を特徴とする:
・該制御手段がガス供給源のための該基準値を画成するために圧力パラメータまたは流量パラメータを選択することができる選択手段を備え、
・該選択手段は自動制御ユニットにより制御され、該制御ユニットは、
◇ある基準値パラメータを選択するための直接閉調整回路(direct closed regulation circuit)を形成するために、吸気ダクトに配置された圧力および流量の各センサーに接続されていて、かつ
◇圧力または流量の信号からリアルタイムで選択を行うことを可能にするプログラムに連係されており、
基準値パラメータの選択のための直接閉調整ループと、比例動作を可能にするバルブとの連係によって、吸気相と呼気相との間で、そしてこれらの相の最中に、装置の気圧動作モードおよび体積動作モードのリアルタイム制御が可能になっている。
【0043】
この装置の好ましいが制限を意図しない特色は次の通りである。
・装置の呼気相中に、吸気バルブが漏れを補償するために漏れ流量を独力で発生させることができ、吸気バルブに漏れ用結線が付設されていない。
【0044】
・加圧ガス供給源が軸方向の吸気口と周方向の出口とを備えた遠心ファン型タービンであり、その慣性値が約150gcm2より小さい。
・呼気ダクトに第2の流量センサーが付設されていて、吸気ダクトと呼気ダクトの該流量センサーが吸気ダクトおよび呼気ダクト内のそれぞれの流量を比較するための比較手段に接続されている。
【0045】
・該比較手段が該それぞれの流量間の差をリアルタイムでフィルタリングすることができる処理手段に連係されている。
・該処理手段が該制御ユニットに接続され、この処理手段が該フィルタリングされた差が所定の閾値より高い場合に新たな吸気相を起動させるようにプログラミングされているメモリーおよびプロセッサに接続されている。
【0046】
・吸気バルブが下記を備える:
◇吸気ダクトに接続されたオリフィスを有するバルブ本体、および
◇該オリフィスを閉鎖位置にブロックすることができ、かつ開放位置ではこのオリフィスを少なくとも部分的に自由にする移動要素、この移動要素は、ガス供給源からのガスが吸気ダクトを通過するのを可能にするため、バルブ本体の該オリフィスと整列させることができる凹部を形作っており、この凹部は下記の第1部分と第2部分とを含み、
△第1部分は、その幾何学的形状が、該第1部分を該オリフィスと整列させた時に吸気バルブの比例動作に対応するものであり、
△第2部分は、その幾何学的形状は、該第2部分を該オリフィスと整列させた時に吸気バルブのオール・オア・ナシング(all or nothing)動作に対応するものである。
【0047】
・該凹部の形状は、吸気バルブをその閉鎖位置からその開放位置に移動させるように該移動要素が動く時に、該凹部の第1部分がまず凹部と整列し、次いでこの移動が継続する場合には該第2部分が該凹部と整列するような形状である。
【0048】
・該凹部は、
◇凹部の該第1部分が三角形に近く、
◇凹部の該第2部分は矩形に近い形状を有し、そして凹部の第1部分の三角形の底辺が凹部の第2部分の矩形の一辺と平行である。
【0049】
・PEPを制御するために、呼気バルブをマイクロタービンにより制御する。
・マイクロタービンが呼気バルブに直接接続され、マイクロタービンと呼気バルブとの間に中間要素が何も介在しない。
【0050】
本発明はまた、呼気相中にPEPを確立するために呼気バルブの閉鎖をマイクロタービンにより制御することを特徴とする、上記装置の動作制御方法にも関する。
この方法では、装置の動作時に、マイクロタービンは常時動作することができ、呼気バルブの制御は、該バルブの空気圧制御ラインとマイクロタービンとの選択的接続により行うことができる。
【0051】
最後に、本発明は、体積モードが選択されている時に、患者に送給されるガス体積の制御が、吸気ダクトの測定された圧力パラメータに基づくガス供給源の制御により行われることを特徴とする、上記装置の体積モードでの動作方法にも関する。
【0052】
この方法の、好ましいが制限を意図しない特色は次の通りである。
・吸気バルブの上流側部分と下流側部分との間の差圧を使用しない。
・該ガス供給源の制御が、該ガス供給源のローターの回転速度の制御により行われる。
【0053】
他の特色、目的および利点は、添付図面を参照した以下の本発明の説明を読むとより明らかとなろう。
【0054】
図2を参照すると、本発明の第1の態様が示されている。
この図では、図4も同様であるが、図示の装置は、図1を参照してすでに述べた要素を備えている。これらの要素は前と同一の参照番号で示されている。
【0055】
従って、この図には、図1の装置を構成する全ての要素が見られる。
具体的には、加圧ガス供給源100が見られる。
本発明の範囲内では、この供給源は、軸方向吸気口(換言すると、その空気入口がタービンの回転部分のスピンドル(回転軸)にほぼ整列している)を備えた、遠心ファン型タービン(換言すると、その出口が、例えば、接線方向マニホルドパイプを介して回転要素の側面上にある)である。
【0056】
また、このガス供給源は、約150gcm2前後の特に低い慣性を有する。
さらに、比例的に動作することができる吸気バルブ113が見られる。
より正確には、このバルブは、「オール・オア・ナシング」または「比例」動作を可能にするように、管体内での回転で制御することができるコックを備えることが好ましい。この特色については後で説明する。
【0057】
この図では、ダクト110の末端120がマスクの形態で示されていることもにも気づくことができる。
実際は、本発明は、そのダクト110の末端がマスクに対応するモード(非侵襲性モード)または侵襲性モード(例えば、患者へのダクトの挿管)のいずれでも使用することができる。
【0058】
この末端120がマスクの形態である場合、本発明は、後で見るように、このマスクに付随する漏れを正確に制御することが可能である。
装置の制御手段50が特別の構造を有することが図2に見られる。
【0059】
より正確には、この制御手段は下記を備える。
・結線1510を経て加圧ガス供給源に伝達すべき動作基準値を画成するためのコンパレータ(比較器)151。この比較器151は、下記2つの入力を有する:
◇1または2以上のための基準値のための入力1511。これらの基準値は制御手段50のメモリー内に格納することができる。従って、1または2以上の基準値は特に、
圧力パラメータ、および
流量パラメータ、
として、このように格納することができる。
【0060】
◇装置の代表的動作値のための入力1512。この値は圧力または流量値である。後で見るように、この値は、
圧力値のための圧力センサー111、
流量値のための流量センサー112、または流量測定処理ユニット、
から取得される。
【0061】
・比較器151の入力1512を圧力センサー111または流量センサー112に選択的に接続することができるスイッチ152。このスイッチは、従って選択手段に対応する。スイッチの位置に応じて、比較器の入力1512に送られる値と同じ性質(圧力または流量)の基準値をこの比較器の入力1511に供給するための手段が、比較器151に付設されていることを指摘しておく。
【0062】
・結線510によりスイッチ152の動作を制御することができる制御ユニット51。この制御ユニットはまた下記にも接続されている:
◇センサー111および112、それらから該ユニットはリアルタイムで測定値を受信する、
◇バルブ113の動作を制御するための、該バルブを制御するモーター。実際には、このバルブ・コックの開放(開き具合)は、
体積モードでは所望の流量に、
気圧モードでは所望の圧力傾斜(pressure ramp)に、
正比例しなければならない。
【0063】
このスイッチ制御により、圧力供給源の動作を圧力測定値(気圧モード)または流量測定値(体積モード)に基づいて調整することが可能になる。
また、装置の動作モード(気圧または体積)を決めるスイッチ152の位置に応じて、適合した基準値(圧力または流量)が上述したように基準値入力1511に付与される。
【0064】
スイッチ152により入力1512が圧力センサー111の出力に接続されている時は、装置は気圧モードに設定されている。
一方、スイッチ152により入力1512が流量センサー112の出力に接続されている時は、装置は体積モードに設定されている。
【0065】
従って、制御手段50は、装置の動作をリアルタイムかつ連続的に特徴づけるセンサー111および112と加圧ガス供給源100との間で直接閉調整回路を構成している。
この直接閉調整回路により、供給源100に送るべき基準値をリアルタイムで調整することが可能になる。
【0066】
これはまた、次のように動作モードをリアルタイムで変更することも可能にする:
・スイッチを用いたセンサー111の選択は気圧モードに対応し、
・スイッチを用いたセンサー112の選択は体積モードに対応する。
【0067】
より正確には、この調整回路により、供給源100の動作基準値を画成するパラメータの性質(圧力または流量)を、ある相(吸気または呼気)内で変更することが可能となる。
【0068】
さらにより正確には、下記の要素からなる本発明に従った特定の組み合わせが特に有利である:
・軸方向に吸気口を持つ低慣性の遠心ファン型タービン、
・比例的に動作することができる吸気バルブ、
・制御ユニット51により自動的かつリアルタイムで制御される、パラメータの性質(流量または圧力)を選択するための手段を用いた直接閉調整ループ。
【0069】
この組み合わせにより、実際、装置の動作をリアルタイムで精度よく制御することが可能になる。この利点は本書の導入部において触れたように、広範囲の流量の制御に及ぶ。
この組み合わせはまた、特に本書で既に述べた本発明の目的の観点からは、供給源100を精度よく制御することを可能にするものである。
【0070】
従って、装置の動作および制御ユニットに接続された手段50のメモリー内に格納されたパラメータの監視に基づいて、動作モードをリアルタイムで変更することを可能にするこの形態は、非常にフレキシブルな使用を与える。
【0071】
その別の変更例では、本発明に係る装置は特に体積モードで動作させることができる。
その場合、装置の動作は、FR2812203に開示されている装置の動作とは異なる。
【0072】
実際、本発明の場合には、体積モードはガス供給源の制御に基づいて動作される。
より正確には、ガス供給源は患者に送給すべき望ましいガス流量(即ち、体積)の関数として永久に(結線1510を介して)制御される。
【0073】
さらにより正確には、体積モードでは、流量が永久に流れセンサー112により測定され、ガス供給源100の動作を制御するために制御手段50により利用される。
体積モードでは、吸気バルブ113の回転要素はそれがある位置をとるように各吸息サイクルの始めに制御されることを明記しておく。
【0074】
その後、吸気サイクル中、この回転要素の位置はそれ以上には変化しない。
上述した「ある位置」とは、バルブを通過する流量の値が患者に望まれる値に実質的に等しくなるようにする吸気バルブの開き具合に対応する。
【0075】
しかし、本発明の場合には、その後は、吸気バルブの上流側部分と下流側部分との間の差圧を保持するよう装置の制御を行う(FR2812203の装置のように)ことはない。
【0076】
代わりに、永久に制御されるのは、ガス供給源それ自体の動作である。
ガス供給源の制御は、ガス供給源のコンプレッサのローターの回転速度の制御であることが好ましい(タービン型−すなわち、コンプレッサ(これらの2つの用語は本書では均等であると見なされる)のガス供給源の場合)。
【0077】
また、本発明の場合、ダクト110で測定された流量はガス供給源の制御に利用される。
上述したように、上に提示した形態は、とりわけ、異なるモード(および、ある呼吸気サイクル内でのリアルタイムでの呼吸息モードの変更)に応じた動作を可能にする。
【0078】
例えば、装置をリアルタイムでVAPS(体積保証圧力サポート、Volume Assured Pressure Support)モードで動作させることが可能である。
この種のモードは気圧モードを使用し、同じ吸気または呼気サイクル内の場合を含めて、リアルタイムで体積モードへとモードを移行させることができる。
【0079】
より正確には、このモードでは、吸気相は下記を含む:
・最初の気圧モードでの動作。
・次に、あるアルゴリズムが、一定の基準で患者に供給された呼吸ガスの体積を監視し、吸気相中に既に供給された体積を外挿してある所定時間内に所定の目標体積がこの相中に実際に患者に供給されるか否かを決定する。
【0080】
・該アルゴリズムが、これが否であると決定した場合には、装置の動作を体積モードに強制的に切り換えて、この目標を満たすことができる体積を患者に供給する。
そのようなモードでは、スイッチ152が重要な役割を果たす(特に上述した強制的なモード切り換えに対して)ことは明らかである。
【0081】
また、上述した特定の組み合わせはこのモードを適用するのに特に有利である。
同様に、本発明は、他のモード、たとえば、SIMV(同期性間欠的強制換気、Synchronous Intermittent Mandatory Ventilation)モードの適用も著しく容易にする。
【0082】
図2に、呼気バルブの圧力ライン1332を制御する補助圧力供給源140が、中間要素を全く介在させずに、このバルブに直接接続されていることを見ることができる。
この手法は、補助圧力供給源140にマイクロタービンを使用することにより可能となる。
【0083】
実際、マイクロタービンは、そのフラップが交互の後退・前進移動により制御されるコンプレッサのような従来の補助圧力供給源で見られる望ましくない副作用(振動、動作異常など)を発生させない。
【0084】
そのため、補助圧力供給源と呼気バルブとの間に、このバルブを望ましくない副作用から守るために通常は配置されていた追加手段(フィルターなど)を不要にすることができる。
【0085】
マイクロタービン140は、その動作を調節することを必要とせずに連続的に動作することができる。
この場合、呼気バルブは、呼気バルブの制御ライン1332とマイクロタービンとの選択的接続により制御される。
【0086】
この選択的接続は、バルブ133に付属する選択手段(図示せず)により与えられる。
呼気ダクトの末端120には圧力センサーが取り付けられ、呼気相中に患者における圧力を監視して、コンプレッサ140の調整回路(図示せず)を用いた制御ユニット51による制御のために、この圧力をリアルタイムで該制御ユニットに伝える。
【0087】
吸気バルブ113は比例的に動作することができることは既に述べた。
より正確には、本発明の1態様では、このバルブは下記を備える:
・吸気ダクトに接続されたオリフィスを有するバルブ本体、および
・該オリフィスを閉鎖位置にブロックすることができ、かつ開放位置ではこのオリフィスを少なくとも部分的に自由にすることができる、コックのような移動(回転)要素。
【0088】
この移動要素は、ガス供給源からのガスが吸気ダクトを通過するのを可能にするため、バルブ本体の該オリフィスと整列させることができる凹部を形作っており、この凹部は、下記の第1部分と第2部分とを含んでいる:
・第1部分は、その幾何学的形状が、該第1部分を該オリフィスと整列させた時に吸気バルブの比例動作に対応するものであり、
・第2部分は、その幾何学的形状が、該第2部分を該オリフィスと整列させた時に吸気バルブのオール・オア・ナシング動作に対応するものである。
【0089】
コックの凹部の形状は、吸気バルブをその閉鎖位置からその開放位置に移動させるように該コックが動いた時に、まず該第1部分がオリフィスと整列し、次いでこの移動が継続する場合には該第2部分が該オリフィスと整列するような形状である。
【0090】
このようにして、吸気バルブを開放する命令は、まず漸進的な開放(バルブの比例動作に対応する)を引き起し、次いでバルブの開放が進むとオール・オア・ナシングモードに移行する。
【0091】
図3は、バルブの本体のオリフィス1130とコックの凹部1131を展開図で略式に示す。
オリフィス1130は矩形である。
【0092】
凹部1131は、ほぼ三角形の第1部分11311とほぼ矩形の第2部分11312により形成された輪郭を有する。
凹部の第1部分の三角形の底辺は凹部の第2部分の矩形の一辺と平行である。
【0093】
この形状はバルブ113の迅速な開放と非常に良好な制御の両方を可能にする。
特に、体積モードでは、所望の流量値が小さい場合でも精細な制御を達成することができ、所望の流量値が大きい場合でもすばやい動作を達成することができる。
【0094】
実際、体積モードにおいて患者に小さい体積が望まれる場合、バルブのコックは、バルブの閉鎖位置と目標の角度位置との間の小さな角移動をなすように制御される。
この目標角度位置は、典型的には、凹部(開き)1131の「比例」部分11311とのガスの流れのための通路を画成することになろう。
【0095】
これは、バルブの通路を通って流れる体積を精細に規定するのを可能にする。
それにより、体積モードにおいて4L/minといった小さな流量値の制御が可能となる。これに対し、従来の装置では一般に約20L/minより大きな流量値の制御しか可能ではなかった。
【0096】
所望の流量値がより大きい場合、場合により開き1131の第2部分11312の寄与によりガス流れのための新たな通路を画成することができる。
開口のこの部分では、コックの回転により、大きな所望の流量値に対応する角度位置によりすばやく到達することが可能となる。
【0097】
しかし、本発明の好適態様においては、コックの開口1311は、体積モードがこの開口の第1部分13111だけを使用するように設計されよう。
この好適態様では、開口のもう1つの部分13112は、気圧モードに対して使用されるコックの角度位置に対応することになる。
【0098】
このような気圧モードでは、実際、コックは典型的には、吸気サイクルの初期から広く開くように制御することができ、圧力パラメータに基づいて装置の動作を制御するために、バルブを通る大きな通路が望まれる。これは、凹部1131の第1部分11311が、バルブ本体に対するコックの移動方向Xに対して角度を持つ2つの縁部113111および113112を有することにより得られる。
【0099】
図4は、本発明の態様の変更例を示す。
この態様では、別の流れセンサー132が呼気ダクト130に配置される。
制御手段50は、とりわけ、流量センサー112および132に接続された(それぞれ結線1120および結線1320により)比較・処理手段52を含んでいる。
【0100】
この手段52は、吸気ダクト110および呼気ダクト130のそれぞれの流量をリアルタイムで監視および比較することができる。
この手段はまた、該それぞれの流量間の差をリアルタイムでフィルタリングすることができる処理手段に連係している。
【0101】
この手段52は、従って、吸気ダクトと呼気ダクトとの間の流量差をリアルタイムで監視する。
該処理手段は制御ユニット51に接続されている。
【0102】
該手段は、とりわけ、該フィルタリングされた差が所定の閾値より高い場合に制御ユニット51を介して新たな吸気相を起動させるようにプログラミングされているプロセッサとメモリーとを備えている。
【0103】
より正確には、呼気相中に、体積モードを選択している場合には、この手段52が吸気ダクトと呼気ダクト間のそれぞれの流量の間の差(流量の差に対応する差異)の変化を常に監視する。
【0104】
この手段52はメモリーにも接続されており、一緒になってそれらは、呼気相中に流量差が次のいずれに対応するかを決定することができる:
・流量差の値が記憶させた閾値を下回ったままであるなら、単に吸気ダクトの末端120での漏れに対応する、または
・流量差の値がこの記憶させた閾値を超えている場合には、患者からの新たな吸気相に対する要求のスタートに伴って、より大きな流量差に対応する−この場合、比較器151に送られた基準値を適応させて新たな吸気相を起動させるために、手段52は特定の信号を制御ユニット51に伝達する。
【0105】
従って、上の説明を読めば、本発明の装置が有利であることは明らかであろう。
実際、かかる装置は気圧モードと体積モードとを組み合わせることを可能にする。
それはまた、広い流量範囲にわたって高精度での制御を可能にする。
【0106】
さらに、上で見てきたように、体積モードでは、呼気相中に、吸気回路と呼気回路との間の流量の差を監視し、監視データに応じて自動的に新たな吸気相を起動させることができる。
【0107】
本発明の場合には、一方で漏れ流量の制御が、他方でPEPの制御が、別々に行われることも注目されうる。
「漏れ流量」とは、呼気相中にも吸気ダクト内に確立されうる流量に対応することを指摘しておく。
【0108】
この漏れ流量はフローバイ(flow-by)流量に対応する。
このような漏れ流量は、特に非侵襲性換気(換言すると、吸気ダクトの末端120がマスクの形態である場合)の部分として使用され、知られている
本発明の場合の漏れ流量の制御は、吸気バルブ113により行われる。
【0109】
このバルブの比例的開き(開放)の選択的な制御により、この漏れ流量の値を正確に制御することが可能となる。
吸気バルブが本発明で使用している特定のバルブではない装置(例えば、この吸気バルブが呼気バルブと同様のブラダー(袋)型のバルブである装置)であると、吸気バルブが閉じている時でも吸気回路110にある程度の圧力を確保するために、漏れの結線を吸気バルブに並列に取り付ける必要がある。
【0110】
比較例動作が可能な吸気バルブを使用することにより、この結線を省略することが可能となる。
こうして、PEPはマイクロタービン140および呼気バルブにより制御されると同時に、漏れ流量は吸気バルブの制御された開放(開き具合)により制御される。
【0111】
この配置は、上述した例の呼気バルブ133と同じ種類の吸気バルブを備える既存技術の装置に対して有利である。
このような公知の装置の場合、新たな吸気相がスタートすると、圧力供給源が吸気バルブの開き具合を空気圧により制御し、そうなると吸気バルブの閉鎖位置から開放位置への突然の変化が起こる。
【0112】
この空気圧制御は、圧力供給源と呼気バルブとの間を直接つなぐ空気圧接続ライン(添付図面に示されている呼気バルブを制御する接続ライン1331に類似の接続ライン)により行われる。
【0113】
従って、吸気バルブは「オール・オア・ナシング」バルブと同様に作用する。
吸気ダクトには一時的に過大な圧力を生ずることがあり、それが患者に不快を与える原因となる。
【0114】
これは、圧力供給源がタービンであり、PEPを呼気相中に使用することになっている場合に特にそうである。
実際、この場合、PEPの値がタービンの回転速度に依存することを考慮すると、その回転速度に対して適当な基準値を付与しなければならない(加圧ガス供給源への制御ユニットの接続により付与された基準値は、そうなると典型的には回転速度基準値となる)。
【0115】
タービンの回転速度は、次いで漏れ用結線によって所望の値のPEPを維持するように適合される。
しかし、新たな吸気相がスタートすると、この回転速度は開いた吸気バルブにより自由になっている吸気ダクト内に過大な圧力を生ずることがある。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】公知の呼吸補助装置の概略図。
【図2】本発明の第1の態様の概略図。
【図3】本発明に係る装置に使用する吸気バルブの部分の概略図。
【図4】本発明の第2の態様の概略図。
【符号の説明】
【0117】
10:呼気補助装置、50:制御手段、51:制御ユニット、52:比較・処理手段、100:加圧ガス供給源、110:吸気ダクト、111:圧力センサー、112:流量センサー、113:吸気バルブ、120:マスク、130:呼気ダクト、132:流量センサー、133:呼気バルブ、140:補助圧力供給源、152:スイッチ、1130:バルブ本体のオリフィス、1131:コック凹部、11311:第1部分、11312:第2部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・加圧呼吸ガス供給源、
・該ガス供給源に、ガスに関係するパラメーターの基準値を伝達することができる制御手段、
・該ガスをガス供給源から患者に供給するための吸気ダクト、
・患者の呼気ガス用の呼気ダクト、
・吸気ダクトに設けたバルブであって、比例動作を可能にするようにガスを通過させる手段を備え、加圧ガス供給源とは別個の手段により制御されるバルブ、
・PEPを確保するよう助けるための、該呼気ダクトに設けたバルブ、
・吸気ダクトに設けた圧力センサー(111)および流量センサー(112)、
を備える、交互の吸気相と呼気相とで動作することができる呼吸補助装置であって、
・該制御手段がガス供給源のための該基準値を画成するために圧力パラメータまたは流量パラメータを選択することができる選択手段(152)を備え、
・該選択手段は自動制御ユニット(51)により制御され、該制御ユニットは、
◇ある基準値パラメータを選択するための直接閉調整回路を形成するために、吸気ダクトに配置された圧力および流量の各センサーに接続されていて、かつ
◇圧力または流量の信号からリアルタイムで選択を行うことを可能にするプログラムに連係されており、
・基準値パラメータの選択のための直接閉調整ループと、比例動作を可能にするバルブとの連係によって、吸気相と呼気相との間で、そしてこれらの相の最中に、装置の気圧動作モードおよび体積動作モードのリアルタイム制御が可能になっている、
ことを特徴とする呼吸補助装置。
【請求項2】
装置の呼気相中に、吸気バルブが漏れを補償するために漏れ流量を独力で発生させることができ、吸気バルブに漏れ用結線が付設されていないことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
加圧ガス供給源が軸方向の吸気口と周方向の出口とを備えた遠心ファン型タービンであり、その慣性値が約150gcm2より小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
・呼気ダクトに第2の流量センサーが付設され、そして
・吸気ダクトと呼気ダクトの該流量センサーが吸気ダクトおよび呼気ダクト内のそれぞれの流量を比較するための比較手段に接続されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
該比較手段が該それぞれの流量間の差をリアルタイムでフィルタリングすることができる処理手段に連係されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
該処理手段が該制御ユニットに接続され、この処理手段が該フィルタリングされた差が所定の閾値より高い場合に新たな吸気相を起動させるようにプログラミングされているプロセッサおよびメモリーに接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
吸気バルブが下記を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の装置:
・吸気ダクトに接続されたオリフィスを有するバルブ本体、および
・該オリフィスを閉鎖位置にブロックすることができ、かつ開放位置ではこのオリフィスを少なくとも部分的に自由にする移動要素、この移動要素は、ガス供給源からのガスが吸気ダクトを通過するのを可能にするため、バルブ本体の該オリフィスと整列させることができる凹部を形作っており、この凹部は、
◇その幾何学的形状が、これを該オリフィスと整列させた時に吸気バルブの比例動作に対応する第1部分と、
◇その幾何学的形状が、これを該オリフィスと整列させた時に吸気バルブのオール・オア・ナシング動作に対応する第2部分、
とを備える。
【請求項8】
該凹部の形状が、吸気バルブをその閉鎖位置からその開放位置に移動させるように該移動要素が動く時に、該凹部の第1部分がまずオリフィスと整列し、次いでこの移動が継続する場合には該第2部分が該オリフィスと整列するような形状であることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
・該凹部は、
◇凹部の該第1部分がほぼ三角形であって、
◇凹部の該第2部分はほぼ矩形であり、
・凹部の第1部分の三角形の底辺が凹部の第2部分の矩形の一辺と平行である、
ことを特徴とする、請求項8記載の装置。
【請求項10】
PEPを制御するために、呼気バルブがマイクロタービンにより制御されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
マイクロタービンが呼気バルブに直接接続され、マイクロタービンと呼気バルブとの間に中間要素が何も介在しないことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
呼気相中にPEPを確立するために呼気バルブの閉鎖をマイクロタービンにより制御することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の装置の動作制御方法。
【請求項13】
装置の動作時に、マイクロタービンが常時動作し、該バルブの制御が、該バルブの気圧制御ラインとマイクロタービンとの選択的接続により行われることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
体積モードが選択されている時に、患者に送給される体積の制御が、吸気ダクトの測定された圧力パラメータに基づくガス供給源の制御により行われることを特徴とする、体積モードにおける請求項1〜11のいずれかに記載の装置の動作方法。
【請求項15】
吸気バルブの上流側部分と下流側部分との間の差圧を使用しないことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該ガス供給源の制御が該ガス供給源のローターの回転速度の制御により行われることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−521152(P2006−521152A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506542(P2006−506542)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001298
【国際公開番号】WO2004/084982
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505356022)ソシエテ・ダプリカシオン・アンデュストリエル・メディカル・エ・エレクトロニク(エス・ア・イ・エム・エ) (3)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’APPLICATIONS INDUSTRIELLES MEDICALES ET ELECTRONIQUES(SAIME)