説明

咽頭の不快感の処置のための組成物および方法

生理的冷感剤N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、とりわけ糖菓の形態で消費されるときに、口腔の冷感よりも咽頭の冷感に対して驚くべき選択性を呈する。N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを使用する咽頭の不快感を処置する方法が記載される。N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを組み込んだ、ハードキャンディー糖菓、ソフトキャンディー糖菓、および中心充填糖菓を含めた種々の糖菓も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを使用する咽頭の不快感を処置する方法、ならびにN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを組み込んだ、ハードキャンディー糖菓、ソフトキャンディー糖菓、および中心充填糖菓を含めた種々の糖菓に関する。
【背景技術】
【0002】
咽頭痛および咽頭の刺激を含めた咽頭の不快感は、ウイルス感染および細菌感染、アレルギー、汚染された空気を吸うこと、ならびに喫煙の一般的な症候である。のど飴は、咽頭の不快感に対する処方箋なしで購入できる処置剤の1つのカテゴリーを構成する。このようなトローチ剤における最も一般的な有効成分はメントールであり、メントールはユーカリ油と組み合わせて使用されることがある。メントールは、ただれた咽頭を無痛化することができる生理的冷感効果をもたらす。しかしながら、のど飴でメントールを使用することには2つの重大な欠点がある。第一に、咽頭の鎮痛のために有効であるメントールの濃度は、多くの人々が不快感を覚える苦味も伴う。第二に、メントール含有トローチ剤の生理的冷感効果は、咽頭よりはむしろ主に口腔中で感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえ、軽減された苦味、および口腔よりはむしろ咽頭の中での冷感についての高められた選択性を呈するのど飴組成物に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態は、咽頭の不快感を処置する方法であって、必要とする対象に、有効量のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを投与することを含む方法である。
【0005】
別の実施形態は、糖菓であって、少なくとも80重量%の菓子ベースと、約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドとを含み、すべての重量%はこの糖菓の総重量に基づく、糖菓である。
【0006】
これらの実施形態および他の実施形態は、以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】中心充填糖菓の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは咽頭の鎮痛のために特に有効であるということを観察した。治療上有効な用量で、これは、メントールよりもはるかに苦味が小さい。さらに、これは、口腔の冷感よりも咽頭の冷感について選択性を呈する。咽頭の冷感についてのこの選択性は、非常に近い類似化合物であるN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミドは、咽頭よりはむしろ主に口腔中でその冷感効果をもたらすということを踏まえると、特に驚くべきことである。2つのメチレン(−CH−)基しか異ならない、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよびN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミドの構造を下に示す。
【化1】

【0009】
1つの実施形態は、咽頭の不快感を処置する方法であって、処置を必要とする対象に、有効量のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを(例えば、口腔を介して)投与することを含む、方法である。N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは公知の化合物であり、Rowsellらの英国特許第1,421,744号明細書に記載されている。この引用文献で、これは、生理的冷感活性を呈するとして特徴付けられている一群の非環状カルボキシアミドのうちの1つである。特に、この一群の化合物は、「皮膚に対しておよび身体の粘膜に対して、特に鼻および気道の粘膜に対して生理的冷感効果を有する」と特徴付けられている。Rowsellらの英国特許第1,421,744号明細書、第1頁、第12〜15行。このRowsellの特許は、各化合物の「冷感活性」が1〜5の星印の尺度で示されている表を含んでいるが、冷感活性が評価された手順は提示されておらず、咽頭冷感活性の具体的な表示はない。
【0010】
咽頭の不快感の処置のために、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、ハードキャンディー、ソフトキャンディー、中心充填糖菓、ゼリー、およびフィルムを含めた様々な菓子の形態で、口腔に投与することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドの有効量は、約2〜約10グラムの質量を有し、かつ糖菓の重量に基づき約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む糖菓の形態で投与される。約2〜約10グラムの範囲内で、糖菓の重量は約3〜約8グラム、特定すれば約4〜約6グラムであることができる。約0.03〜約0.4重量%の範囲内で、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドの濃度は約0.05〜約0.25重量%、特定すれば約0.06〜約0.12重量%であることができる。
【0012】
このN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドに加えて、当該糖菓は菓子ベースを含む。本願明細書で使用する場合、用語「菓子ベース」は、菓子組成物の大部分を占め、かつその菓子組成物にその構造上の完全性を与え、かつ他の成分の添加の対象になるいずれかの成分または成分群を包含する。菓子ベースの例としては、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、乳糖、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分的に加水分解したデンプン、コーンシロップ固形物(例えば、高フルクトースコーンシロップの形態の)、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、多糖ポリオール、マルチトールシロップ、水素化デンプン加水分解物、ポリデキストロース、およびこれらの組み合わせが挙げられる。さらに他の例は、スクロース、コーンシロップおよび硬化植物油と混合された低粘度変性デンプン(thin boiling starch)を含むベースまたはペクチン、スクロース、およびコーンシロップを含むベースにおけるように、脂肪および親水コロイドを取り込むことができる。用語「菓子ベース」は、チューインガムの配合物の中で使用されるガムベースを包含しない。
【0013】
この糖菓では、菓子ベースの濃度は、当該糖菓の総重量の少なくとも80重量%、特定すれば少なくとも85重量%、より特定すれば少なくとも90重量%、さらにより特定すれば少なくとも95重量%であることができる。
【0014】
口腔の冷感よりも咽頭の冷感を強調するために、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、単独のまたは主要な生理的冷感剤として使用することができる。あるいは、例えば、口腔の冷感および咽頭の冷感の組み合わせが所望されるとき、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、他の生理的冷感剤と組み合わせて使用することができる。一般に、ガムおよび糖菓の中で冷感剤を使用すると、異なる配合の課題が生じるということに留意されたい。ガムでは、冷感剤の放出は、ガムベースと口腔の本質的に水性の環境との間の当該冷感剤の分配によって影響される。対照的に、糖菓からの冷感剤の放出は、ハードキャンディーの表面積および溶解速度によってほぼ制御される。それゆえ、異なる水溶性を有する複数の冷感剤を使用することによりガムの中で持続する冷却感覚を達成するための戦略は、糖菓において同じ効果を達成しない可能性が高い。
【0015】
本発明の糖菓では、口腔の冷感と咽頭の冷感との望ましいバランスは、糖菓が、当該糖菓の総重量に基づき、約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよび約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせを含むときに、達成することができる。約0.005〜約0.5重量%の範囲内で、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドの量は、約0.02〜約0.3重量%、特定すれば約0.04〜約0.2重量%、より特定すれば約0.08〜約0.16重量%であることができる。
【0016】
N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと他の生理的冷感剤との組み合わせが可能である。グルタル酸モノメンチルおよびN−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドの他に、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと組み合わせることができる他の生理的冷感剤としては、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−イソプロピル−2,3−ジメチルブタンアミド、N−(3−エトキシプロピル)−2−イソプロピル−2,3−ジメチルブタンアミド、N−(3−プロポキシプロピル)−2−イソプロピル−2,3−ジメチルブタンアミド、N−(3−ブトキシプロピル)−2−イソプロピル−2,3−ジメチルブタンアミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステル(3−(p−メンタン−3−カルボキシアミド)酢酸エチル;WS−5)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジエチルブタンアミド、イソプレゴール、3−(L−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(L−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、メンタンジオール類(p−メンタン−2,3−ジオールおよびp−メンタン−3,8−ジオールなど)、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチルおよびそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキシアミド、和種はっか油、ペパーミント油、メントン、イソメントン、メントングリセロールケタール、乳酸メンチル、3−(L−メントキシ)エタン−1−オール、3−(L−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(L−メントキシ)ブタン−1−オール、L−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸L−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸L−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、N−エチル−trans−2−cis−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、メンチルピロリドンカルボキシレート、キシリトール、エリスリトール、メンタン、メントンケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキシアミド、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキシアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロデカノン、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノール、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、イシリン、ショウノウ、ボルネオール、ユーカリ油、ペパーミント油、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビエキス、セイヨウワサビエキス、3,l−メントキシプロパン 1,2−ジオールなど、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。これらおよび他の適切な冷感剤は、例えばRowsellらの米国特許第4,032,661号明細書および米国特許第4,230,688号明細書、Amanoらの米国特許第4,459,425号明細書、Watsonらの米国特許第4,136,163号明細書、Grubらの米国特許第5,266,592号明細書、Wolfらの米国特許第6,627,233号明細書、およびSunの米国特許第7,030,273号明細書にさらに記載されている。
【0017】
当該糖菓は、任意に、この糖菓の総重量に基づき約0.01〜約0.2重量%、特定すれば約0.02〜約0.15重量%、より特定すれば約0.05〜約0.13重量%の量のメントールをさらに含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、この糖菓は、この糖菓の総重量に基づき約0.001〜約0.02重量%、特定すれば約0.002〜約0.015重量%、より特定すれば約0.003〜約0.01重量%の量のユーカリ油をさらに含む。
【0019】
別の実施形態は、すべての重量%は当該糖菓の総重量に基づき、少なくとも80重量%の菓子ベースと、約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドとを含む糖菓である。少なくとも80重量%という制限の中で、菓子ベースの量は、少なくとも85重量%、特定すれば少なくとも90重量%、より特定すれば少なくとも95重量%であることができる。約0.005〜約0.5重量%の範囲内で、グルタル酸モノメンチルおよび/またはN−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドの量は、約0.02〜約0.3重量%、特定すれば約0.04〜約0.2重量%、より特定すれば約0.08〜約0.16重量%であることができる。約0.03〜約0.4重量%の範囲内で、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドの量は、約0.05〜約0.25、特定すれば約0.06〜約0.12重量%であることができる。この糖菓は、ハードキャンディー糖菓、ソフトキャンディー糖菓、中心充填糖菓、ゼリー、またはフィルムであることができる。本願明細書で使用する場合、用語「ハードキャンディー」は「ハードボイルドキャンディー」および「ハイボイルドキャンディー(high boiled candy)」と同義であり、これは、糖成分がその水分のほとんどを除去するのに十分高い温度まで加熱されるか、または完成した製品の水分含量が5重量%以下であるように、糖成分が加熱調理することなくブレンドされるすべての菓子組成物を包含する。
【0020】
この糖菓は、任意に、メントールおよび/またはユーカリ油をさらに含むことができる。存在する場合、メントールの量は約0.01〜約0.2重量%、特定すれば約0.02〜約0.15重量%、より特定すれば約0.05〜約0.13重量%である。存在する場合、ユーカリ油の量は約0.001〜約0.02重量%、特定すれば約0.002〜約0.015重量%、特定すれば約0.003〜約0.01重量%である。
【0021】
この糖菓は、均一な組成の固体の塊であることができる。あるいは、この糖菓は、中心フィリングを取り囲むキャンディーシェルよりも柔らかい中心フィリングを含むことができる。例えば当該糖菓は、シェルおよびこのシェルによって部分的にまたは完全に取り囲まれるフィリングを含む中心充填糖菓であることができる。代表的な中心充填糖菓の断面図が図に示されており、この図で中心充填糖菓1は、中心フィリング3を取り囲むシェル2を含む。いくつかの実施形態では、この糖菓は、約60〜約95重量%、特定すれば約70〜約92重量%のシェル、および約5〜約40重量%、特定すれば約8〜約30重量%の中心フィリングを含む。当該N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、シェル、中心フィリング、またはそれらの両方に含まれてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態は、中心充填キャンディーなどの中心充填製品に関する。このような製品は、一般に、中心充填領域と、この中心充填領域を少なくとも部分的に取り囲む領域とを含む。この中心充填領域を少なくとも部分的に取り囲む領域は、ハードキャンディーまたはソフトキャンディー組成物であることができる。適切なキャンディー組成物、または菓子組成物は、後述される。
【0023】
この中心充填領域は、いくつかの実施形態では、液体、固体または半固体、気体などであることができる。例えば、いくつかの実施形態では、この中心充填領域は、粉末菓子組成物であることができる。中心充填組成物は、上記の甘味料、香料、冷感剤、着色剤などのいずれも含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、この中心充填領域は、液体、固体、半固体または気体状の中心充填組成物で実質的にまたは完全に満たされていてもよい。いくつかの他の実施形態では、この中心充填領域は、液体、固体、半固体または気体状の中心充填組成物で部分的にのみ満たされていてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、この中心充填領域は、2以上の中心充填組成物を含むことができる。この2以上の中心充填組成物は、同じまたは異なる形態にあってもよい。例えば、いくつかの実施形態は、2以上の別個の液体の混合物を含有することができる。同様に、いくつかの実施形態は、2以上の別個の固体、半固体、または気体を中心充填領域の中に含有することができる。異なる中心充填形態の混合物も、いくつかの実施形態では、含まれうる。例えば、液体および固体が中心充填領域に含まれてもよい。この中心充填領域の中で用いられる2以上の液体、固体、半固体および/または気体は、同じまたは異なる量で含まれてよく、類似のまたは別個の特徴を有することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、この2以上の中心充填組成物は、様々な特徴、例えば粘度、色、香味、食味、食感、感覚、成分要素、官能性構成成分、甘味料などが異なっていてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、当該中心充填組成物は粘度調整剤を含むことができる。適切な粘度調整剤としては、例えば、グリセリン、レシチン、中鎖トリグリセリド、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
いくつかの実施形態では、この中心充填組成物は、非液体成分、例えば香料ビーズ、果実粒子、ナッツ粒子、香料粒子、ゼラチンビーズまたはゼラチン部分なども含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む感覚剤組成物は、中心充填領域、この中心充填領域を少なくとも部分的に取り囲むシェル領域、またはこれらの両方の領域に存在することができる。いくつかの実施形態は、第1の冷感組成物を中心充填領域の中に、および第2の冷感組成物をキャンディーまたはガム領域の中に含むことができる。この第2の冷感組成物は、第1の冷感組成物と同じであってもよいし、または異なっていてもよい。
【0029】
いくつかの中心充填実施形態は、任意に第3の領域、またはコーティング領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、このコーティングは、製品の「最外領域」と呼ぶこともできる。このコーティングは、シェル領域を少なくとも部分的に取り囲むことができる。このコーティングは、この中心充填製品上の外部表面を形成するいずれの従来のシュガーコーティングまたはシュガーレスコーティングであってもよい。
【0030】
様々なコーティングプロセスは公知である。いくつかの実施形態では、ハードコーティングは、適切な均一にコーティングされて仕上げられた品質の表面を製品上に形成するために、物質の数多くの薄層として付与される。砂糖、マルチトール、ソルビトール、またはいずれかの他のポリオール(本願明細書に記載されるものが挙げられる)、および任意に香味物質を含むことができるコーティング物質は、キャンディーピースがコーティング機構またはコーティングトンネルを通過し、その中で混転され回転されるにつれて、キャンディーピースの上へと噴霧される。加えて、形成された製品上の連続的なコーティング層の各々を乾燥させるために、状態調節された空気が、コーティングトンネルまたはコーティング機構の中へと循環され、または強制的に送り込まれる。いくつかの実施形態では、このコーティング、すなわち最外領域は、積層、二重または多重押出、または最外領域を作り出すいずれかの他のプロセスによって形成されてもよい。
【0031】
ハードコーティングに加えて、他の種類のコーティングとしては、ガミング(gumming)または艶出し、ソフトコーティング、平滑化、フロスティング、サンディング、および湿式結晶化を挙げることができる。これらのコーティングプロセスは、Serpelloniらの米国特許第5,527,542号明細書により詳細に記載されている。さらには、外部または最外領域は、油などの脂質物質であることができる。この脂質物質は、いずれの適切な手段によっても当該製品へと付与することができる。
【0032】
中心充填は、粉末中心フィリングであることができる。例えば、いくつかの実施形態では、当該シェルは、糖菓組成物の総重量に基づき、少なくとも80重量%の菓子ベース;約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせ;ならびに約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含むハードキャンディーシェル組成物を含み;当該中心フィリングは、液体中心フィリング組成物の総重量に基づき、約90〜約99.99重量%の粉末菓子ベース;約0.5〜約25重量%の、粉末セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パラフィンおよび微結晶性ワックス、ポリエチレンワックス、鉱油および他の潤滑油、タルク、シリコーンジオキシド、乳糖、クエン酸カルシウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される粉末流動化剤;約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせ;ならびに約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む粉末中心フィリング組成物を含む。いくつかの実施形態では、当該ハードキャンディー組成物、液体中心フィリング組成物、またはこれらの両方は、グルタル酸モノメンチルを含む。いくつかの実施形態では、当該ハードキャンディー組成物、液体中心フィリング組成物、またはこれらの両方は、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、中心充填は、シェルよりも柔らかい液体中心フィリングであり、それは室温で流れるのに十分柔らかくありうる。例えば、いくつかの実施形態では、液体中心フィリングは、25℃で約10〜約200,000センチポアズ、特定すれば約100〜約50,000センチポアズの粘度を有する。この液体中心フィリング組成物は、典型的には、液体中心フィリング組成物の重量に基づき約7〜13重量%の水分含量を有する。またこの液体中心フィリング組成物は、約5〜約20重量%の、グリセリン、レシチン、中鎖トリグリセリド、およびこれらの混合物などの粘度調整剤を有することができる。
【0034】
当該中心充填糖菓のいくつかの実施形態では、シェルは、この糖菓組成物の総重量に基づき、少なくとも80重量%(特定すれば少なくとも85重量%、より特定すれば少なくとも90重量%、さらにより特定すれば少なくとも95重量%)の菓子ベース;約0.005〜約0.5重量%(特定すれば約0.02〜約0.3重量%、より特定すれば約0.04〜約0.2重量%、さらにより特定すれば約0.08〜約0.16重量%)のグルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせ;ならびに約0.03〜約0.4重量%(特定すれば約0.05〜約0.25重量%、より特定すれば約0.06〜約0.12重量%)のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含むハードキャンディーシェル組成物を含み;中心フィリングは、液体中心フィリング組成物の総重量に基づき、約70〜約95重量%の菓子ベース;約5〜約20重量%の、グリセリン、レシチン、中鎖トリグリセリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される粘度調整剤;約0.005〜約0.5重量%(特定すれば約0.02〜約0.3重量%、より特定すれば約0.04〜約0.2重量%、さらにより特定すれば約0.08〜約0.16重量%)のグルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせ;ならびに約0.03〜約0.4重量%(特定すれば約0.05〜約0.25重量%、より特定すれば約0.06〜約0.12重量%)のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む液体中心フィリング組成物を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、当該ハードキャンディー組成物、液体中心フィリング組成物、またはこれらの両方は、グルタル酸モノメンチルを含む。いくつかの実施形態では、当該ハードキャンディー組成物、液体中心フィリング組成物、またはこれらの両方は、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドを含む。
【0036】
中心充填糖菓のまさに特定の実施形態では、中心充填糖菓は、中心充填糖菓の総重量に基づき、約70〜約95重量%のハードキャンディーシェルおよび約5〜約30重量%の液体中心フィリングを含み;ハードキャンディーシェル組成物は、ハードキャンディーシェル組成物の総重量に基づき、約90〜約99.5重量%の菓子ベース、約0.08〜約0.16重量%のグルタル酸モノメンチル、約0.06〜約0.12重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、および約0.05〜約0.13重量%のメントールを含み;液体中心フィリングは、液体中心フィリングの総重量に基づき、約75〜約90重量%の菓子ベース、約10〜約17重量%のグリセリン、約0.08〜約0.16重量%のグルタル酸モノメンチル、約0.06〜約0.12重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、および約0.02〜約0.07重量%のメントールを含む液体中心フィリング組成物を含む。
【0037】
当該糖菓は、任意に、食味増強剤をさらに含むことができる。食味増強剤は、食用物質の中の望ましくない食味を低下させることまたは解消することができる物質である。食味増強剤は、甘味強度を増大させる甘味増強剤など、食用物質の中の望ましい食味を増強するように働く可能性もある。冷感剤に関しては、食味増強剤は、苦味、望まれないミント味、または他の望まれない食味を低下させるまたは解消するのに有効である可能性がある。この食味増強剤組成物は、制御放出特性を有することができる。食味増強剤は、冷感剤と相乗的に作用して、その冷感剤の知覚を増大させることができる。いくつかの実施形態では、食味増強剤と組み合わせた甘味料の送達は、組成物の消費の際に甘味を増大させることができる。それゆえ、この増強剤の組み込みによって、当該組成物によってもたらされる冷感および甘味のレベルを損なうことなく冷感剤および/または甘味料の量の減少が可能になる可能性がある。
【0038】
食味増強剤として機能する様々な物質のいずれも、用いることができる。例えば、適切な食味増強剤としては、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、クロロゲン酸、アラピリダイン、シナリン、ミラクリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタミン酸塩(グルタミン酸一ナトリウムおよびグルタミン酸一カリウム)、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩(塩化ナトリウム、グリチルリジン酸モノアンモニウムなど)、バニラエキス(エチルアルコール溶液)、水溶性の糖酸、塩化カリウム、硫酸水素ナトリウム、水溶性の加水分解植物性タンパク質、水溶性の加水分解動物性タンパク質、水溶性の酵母エキス、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、水溶性のヌクレオチド(イノシン一リン酸、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸など)、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、2−ヒドロキシ安息香酸(2−HB)、3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)、4−ヒドロキシ安息香酸(4−HB)、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3−DHB)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4−DHB)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(2,6−DHB)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−DHB)、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸(2,3,4−THB)、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸(2,4,6−THB)、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5−THB)、4−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、3−ヒドロキシケイ皮酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−メトキシサリチル酸、およびこれらの組み合わせなどの水溶性の食味増強剤が挙げられる。
【0039】
他の適切な食味増強剤は、実質的にまたは完全に水に不溶であり、その例としてはシトラスアウランチウム、バニラオレオレジン、水不溶性の糖酸、水不溶性の加水分解植物性タンパク質、水不溶性の加水分解動物性タンパク質、水不溶性の酵母エキス、不溶性のヌクレオチド、サトウキビ葉エッセンス、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの他の適切な食味増強剤としては、わずかに水に可溶である物質、例えばマルトール、エチルマルトール、バニリン、わずかに水溶性の糖酸、わずかに水溶性の加水分解植物性タンパク質、わずかに水溶性の加水分解動物性タンパク質、わずかに水溶性の酵母エキス、わずかに水溶性のヌクレオチドおよびこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0040】
上で触れたように、食味増強剤の一種である甘味料増強剤は、甘味の食味を増大させる。例示となる甘味料増強剤としては、グリチルリジン酸モノアンモニウム、カンゾウグリチルリジン酸、シトラスアウランチウム、アラピリダイン、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、甜菜エキス、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラエキス、バニラオレオレジン、バニリン、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、Gタンパク質共役型受容体(T2RおよびT1R)に反応する化合物、2−ヒドロキシ安息香酸(2−HB)、3−ヒドロキシ安息香酸(3−HB)、4−ヒドロキシ安息香酸(4−HB)、2,3−ジヒドロキシ安息香酸(2,3−DHB)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸(2,4−DHB)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸(2,6−DHB)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(3,4−DHB)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸(3,5−DHB)、2,3,4−トリヒドロキシ安息香酸(2,3,4−THB)、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸(2,4,6−THB)、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(3,4,5−THB)、4−ヒドロキシフェニル酢酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、3−ヒドロキシケイ皮酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−メトキシサリチル酸およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
温感または冷感効果の感覚は、Johnsonらの米国特許出願公開第2003/0072842(A1)号明細書に記載されている疎水性甘味料の使用によって、長期化することもできる。例えば、このような疎水性甘味料としては、下に示される式I〜XIの疎水性甘味料が挙げられる:
【化2】

(式中、X、YおよびZは、現れるごとに独立に、CH、OおよびSからなる群から選択される);
【化3】

(式中、XおよびYは、現れるごとに独立に、SおよびOからなる群から選択される);
【化4】

(式中、XはSまたはOであり;YはOまたはCHであり;ZはCH、SOまたはSであり;RはOCH、OHまたはHであり;RはSHまたはOHであり、RはHまたはOHである);
【化5】

(式中、XはCまたはSであり;RはOHまたはHであり、RはOCHまたはOHである);
【化6】

(式中、R、RおよびRはOHまたはHであり、RはHまたはCOOHである);
【化7】

(式中、XはOまたはCHであり、RはCOOHまたはHである);
【化8】

(式中、RはCHCH、OH、N(CHまたはClである);
【化9】

【0042】
ペリラルチンも、Johnsonらの米国特許第6,159,509号明細書に記載されているように、加えることができる。
【0043】
上に列挙した食味増強剤のいずれもが、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0044】
いくつかの実施形態は、互いに相乗的に作用する2以上の食味増強剤を含む。例えば、いくつかの実施形態では、互いに相乗的に作用する2以上の甘味料増強剤を含む甘味料増強剤組成物が、準備されてもよい。この甘味料増強剤組成物は、甘味料増強剤組成物が組み込まれる製品の甘味を、スクロースと等価の甘味強度を与えるために必要とされるスクロースの量を低下させることによって増強することができる。甘味料増強剤の組み合わせのこの甘味増強効果は、個々に使用されるいずれの化合物の効果よりも大きくなることがある。
【0045】
さらなる食味増強剤としては、例えばKurtzらの米国特許第5,631,038号明細書および同第6,008,250号明細書に記載されているものが挙げられる。いくつかの実施形態では、この食味増強剤は、3−ヒドロキシ安息香酸および2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるジヒドロキシ安息香酸を含むことができる。ナトリウム、カリウム塩、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム塩などの可食の塩が、これらの増強剤の組み合わせにおいて、遊離酸の代わりに用いられてもよい。
【0046】
菓子ベースは、典型的には、甘味を糖菓にもたらす。さらなる甘味料、具体的には高甘味度甘味料も使用することができる。高甘味度甘味料としては、例えば、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル、スクロースの塩素化誘導体、タウマチン、モナチン、モグロシド、レバウディオシド(rebaudioside)(レバウディオシドAが挙げられる)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
当該糖菓は、任意に、香料をさらに含むことができる。適切な香料としては、当該技術分野で公知の人工香料または天然香料、例えば合成香味油、天然の香味のある香味物質および/または油、オレオレジン、植物、葉、花、果実など由来のエキス、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。限定を意図しない代表的な香料としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、ケイヒ油、柑橘油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツが挙げられる)、バニラ、フルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤが挙げられる)、およびハチミツレモンエッセンスなど、ならびにこれらの組み合わせなどの油が挙げられる。他の種類の香料としては、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(methylamisol)、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわち、α−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、β−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの種類)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわち、trans−2−ヘキセナール(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、および2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)などの種々のアルデヒドおよびエステルを挙げることができる。香料は、液体または固体形態で使用することができる。固体(乾燥)形態で使用される場合、油を噴霧乾燥するなどの適切な乾燥手段を使用することができる。
【0048】
当該糖菓では、当該生理的冷感剤は、任意に、温感剤と組み合わせることができる。温感剤としては、使用者に温感の感覚信号を与えることが知られている実に様々な化合物が挙げられる。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認知する感覚を与え、香料、甘味料および他の感覚受容性成分の知覚を増強することが多い。適切な温感剤としては、高砂香料工業株式会社、日本、東京により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、温感剤および冷感剤は、糖菓の空間的に別個の領域の中へと組み込まれてもよい。
【0049】
当該糖菓は、任意に、呼気清涼化剤をさらに含むことができる。呼気清涼化剤としては、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸亜鉛アンモニウム、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、酵素(ラッカーゼなど)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。呼気清涼化剤は、精油ならびに種々のアルデヒドおよびアルコールを含むことができる。呼気清涼化剤として使用される精油としては、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボクエキス、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジのオイル、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。ケイ皮酸アルデヒドおよびサリチルアルデヒドなどのアルデヒドを使用することができる。加えて、カルボン、イソ−ガリゴール(iso−garrigol)、およびアネトールなどの化学物質は、呼気清涼化剤として機能する可能性がある。
【0050】
当該糖菓は、任意に、口内湿潤化剤をさらに含むことができる。適切な口内湿潤化剤としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、および酒石酸を含めた酸および塩などの唾液刺激剤を挙げることができる。口内湿潤化剤として、水和して、そして口腔表面に付着し、口内湿潤化の感覚をもたらすことができる親水コロイド物質も挙げることができる。親水コロイド物質としては、植物滲出液、種子ガム、および海藻エキスなどの天然に存在する物質を挙げることができるし、または親水コロイド物質は、セルロース、デンプン、もしくは天然ガム誘導体などの化学的に修飾された物質であってもよい。さらには、親水コロイド物質としては、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸の塩もしくはエステル、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、および細菌ガムを挙げることができる。口内湿潤化剤としては、プロピレングリコールアルギネート、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、およびこれらの組み合わせなどの変性天然ガムを挙げることができる。変性セルロースとしては、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、およびこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
【0051】
着色剤は、糖菓のために所望の色を生成するために使用することができる。適切な着色剤としては、食品、薬物、および化粧品用途に適した色素および天然食品着色料および染料が挙げられる。適切な食用染料としては、アナットーエキス(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、カラメル(E150(a−d))、β−アポ−8−カロテナール(E160e)、カロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8−カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120)、カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成した部分的に脱脂した調理綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエ(haematococcus algae)粗粉、合成酸化鉄、鉄酸化物および水酸化物(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥藻類粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉およびエキス、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、パフィア(phaffia)酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&C ブルー#1、FD&C ブルー#2、FD&C グリーン#3、FD&C レッド#3、FD&C レッド#40、FD&C イエロー#5およびFD&C イエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、紅色(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビン BK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、認定着色料としては、FD&Cアルミニウムレーキ、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0052】
当該糖菓は、任意に、酸味料をさらに含むことができる。適切な酸味料としては、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩化水素酸、乳酸、および硝酸、ならびにクエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムおよび酸化マグネシウム、メタリン酸カリウム、酢酸ナトリウム、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0053】
当該糖菓は、任意に、緩衝剤をさらに含むことができる。例示となる緩衝剤としては、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、スズ酸ナトリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、塩酸、クエン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0054】
当該糖菓は、任意に、抗酸化物質をさらに含むことができる。抗酸化物質としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
当該糖菓は、任意に、栄養補助食品をさらに含むことができる。適切な栄養補助食品としては、アロエ、ビルベリー、赤根草、キンセンカ、トウガラシ、カモミール、キャッツクロー、エキナセア、ニンニク、ショウガ、イチョウ、ヒドラスチス、種々の朝鮮人参、緑茶、ガラナ、カバカバ、ルテイン、イラクサ、トケイソウ、ローズマリー、ノコギリヤシ、セイヨウオトギリソウ、タイム、およびカノコソウなどのハーブ類および植物性物質が挙げられる。カルシウム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、亜鉛、およびセレンなどのミネラルサプリメントも挙げられる。他の栄養補助食品としては、フラクトオリゴ糖、グルコサミン、ブドウ種子エキス、コーラエキス、ガラナ、エフェドラ、イヌリン、植物ステロール、植生化学物質、カテキン類、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、イソフラボン、レシチン、リコピン、オリゴフルクトース、ポリフェノール、フラバノイド、フラバノール、フラボノール、およびオオバコ(サイリウム)、ならびにピコリン酸クロムおよびフェニルプロパノールアミンなどの体重減少薬を挙げることができる。例示となるビタミンおよび補酵素としては、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、ピリドキシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、フラビン、コリン、イノシトールおよびpara−アミノ安息香酸、カルニチン、ビタミンC、ビタミンDおよびその類似体、ビタミンAおよびカロテノイド、レチノイン酸、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB、およびビタミンB12などの水溶性または脂溶性のビタミンが挙げられる。上記の栄養補助食品の組み合わせを使用することができる。
【0056】
当該糖菓は、任意に、医薬をさらに含むことができる。適切な医薬としては、口腔ケア剤、咽頭ケア剤、アレルギー緩和薬、および一般診療薬を挙げることができる。
【0057】
適切な口腔ケア剤としては、呼気清涼化剤、歯の白色化剤、抗菌薬、歯の鉱化剤、虫歯予防薬、局所麻酔薬、粘膜保護剤、汚れ除去剤、口腔洗浄剤、漂白剤、減感剤、歯科再石灰化剤、抗菌剤、虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤、および歯石予防剤、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。このような成分の例としては、加水分解剤(タンパク質分解酵素など)、研磨剤(水和シリカ、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびアルミナなど)、他の活性汚れ除去成分(ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤が挙げられる表面活性剤、および歯石コントロール成分として典型的に用いられるポリリン酸塩などのキレート剤など)が挙げられる。口腔ケア剤としては、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリ−ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウム、過酸化物(過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、およびペルオキシジホスフェートなど)も挙げられる。
【0058】
加えて、口腔ケア成分としては、トリクロサンを含む抗菌剤、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、塩化セチルピリジニウム、およびこれらの組み合わせも挙げられる。
【0059】
虫歯予防剤としては、フッ化物イオン、フッ素を与える成分(例えば、無機のフッ化物塩)、可溶性アルカリ金属塩(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム)、およびフッ化スズ、(例えば、フッ化第一スズおよび塩化第一スズ、フッ化第一スズカリウム(SnF−KF)、ヘキサフルオロ第二スズ酸ナトリウム、塩化フッ化第一スズ)、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0060】
例えばハードキャンディー実施形態などのいくつかの実施形態では、食品の滑らかさを改善するために滑沢剤も加えることができる。滑らかさは、消費の際に口腔湿潤化の知覚の増大を導く特徴でもある。適切な滑沢剤としては、例えば、脂肪、油、アロエベラ、ペクチンなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
同様に、いくつかの実施形態では、この食品は、滑らかなエッジを有することができる。このような実施形態では、当該食品は正方形、円形またはダイアモンド形状などいずれの形状も有することができるが、しかしながら、エッジは、滑らかな食品を提供するため丸められている。食品に滑らかさを与える別の方法は、製造プロセスの間、当該食品組成物を型の中に堆積すること(deposit)である。従って、いくつかの実施形態では、この食品は、より詳細に後述されるように、堆積される(deposited)。
【0062】
ハードキャンディー菓子組成物は、直火調理器、真空調理器、および削り表面調理器具(scraped−surface cooker)(高速大気調理器具(high speed atmospheric cooker)とも呼ばれる)などの従来の方法および設備を使用して調製することができる。直火調理器を使用する場合、菓子ベースが溶解するまで、成分をケトルの中で加熱することにより、所望の量の菓子ベースが水に溶解される。次いでさらなる菓子ベースが加えられてもよく、例えば、145℃〜156℃の最終温度が達成されるまで加熱調理が継続される。次いでこのバッチは冷却され、別々にまたは1以上の濃縮物またはプレミックスの形態で添加剤を組み込むためにプラスチック様の塊として作業される。
【0063】
中心フィリング組成物は、任意に熱の存在下で、成分をブレンドして、十分に混ざったブレンドを形成することによって調製することができる。
【0064】
均一な組成の糖菓を形成する方法は当該技術分野で公知であり、その方法は、上記のプラスチックのような塊のロープを形成する工程と、このロープを所望の形状および重量の個々の糖菓へと分割する工程とを含む。
【0065】
中心充填糖菓を形成する方法は当該技術分野で公知であり、その例としては、Aldrichの米国特許第4,517,205号明細書に記載されている同時堆積(co−deposition)技術が挙げられる。
【0066】
本発明は、以下の限定を意図しない実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0067】
実施例1および2
これらの実験は、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよびN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミドによってもたらされる冷感の位置選択性の驚くべき差異を説明する。これらの差異は、上で示したように、それぞれの化学構造の小さい差異を踏まえると、特に驚くべきことである。
【0068】
冷感剤N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよびN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミドを、0.03、0.06、および0.09重量%の濃度で、フォンダンにおいて評価した。フォンダンベースは、85重量%の6Xフォンダンシュガーおよび15重量%の脱イオン水からなっていた。
【0069】
冷感剤含有フォンダンの官能評価は、6人の評価者によって行われた。評価者は、フォンダンを口腔中で溶解させることによりおよそ0.5グラムのフォンダンを味見したときの、冷却感覚の場所、強度、および開始速度を観察した。結果を表1に要約する。これらの結果は、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミドと比べて、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、キャンディー系で使用するとき、より優れかつ予想外の咽頭の冷感をもたらすということを示す。
【表1】

【0070】
実施例3〜6
これらの実施例は、咽頭の鎮痛のための中心充填糖菓の配合物を説明する。この糖菓は、ハードキャンディーシェルおよび液体中心フィリングからなっていた。
【0071】
2つのハードキャンディーシェル組成物についての代表的な組成物を表2に提示する。表2では、すべての成分量は、全ハードキャンディーシェル組成物に対する重量%で表されている。
【0072】
ハードキャンディーシェル組成物を、混合容器の中で甘味料(例えば、増量甘味料)と溶媒(例えば、水)とを約4〜約10分間合わせ、スラリーを形成することにより調製する。このスラリーを約70℃〜120℃に加熱して、あらゆる甘味料の結晶または粒子を溶解させて水溶液を形成する。溶解すると、約135℃〜160℃の温度の熱および真空を加え、このバッチを加熱調理し、約4%未満の残留水分が達成されるまで水を煮沸して飛ばす。バッチは結晶性から非晶相へと変わる。次いで香料、食品等級の酸組成物および任意に冷感剤を、いずれの他の任意の添加剤(着色剤など)とともに、機械的混合操作によってこのバッチに混合する。
【0073】
次いでこのバッチを約100℃〜20℃に冷却し、半固体またはプラスチックのような粘稠度を得る。キャンディー塊の粗熱どりが適正に完結すると、キャンディー塊は、適当な重量および寸法を有する所望のハードキャンディーシェル形状へと成形する用意が調う。
【0074】
実施例3および4が説明するスクロース/グルコース混合物は、水素化されたイソマルチュロース、マルチトール、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの混合物で部分的にまたは完全に置き換えることができる。
【表2】

【0075】
2つの液体中心フィリング組成物についての代表的な組成物を表3に提示する。表3では、すべての成分量は、全液体中心フィリング組成物に対する重量%で表されている。この液体中心フィリング組成物は、すべての成分をブレンドして、十分に混ざったブレンドを形成することによって調製される。
【表3】

【0076】
完成した中心充填糖菓は、約83〜約93重量%の、表2の組成物のうちの1つに係るハードキャンディーシェル、および約7〜約17重量%の、表3の組成物のうちの1つに係る液体中心フィリングからなる。
【0077】
実施例7〜21
これらの実施例は、脂肪担体(表4;実施例7〜10)を有する種々の中心充填組成物、シェル組成物(表5;実施例11〜17)、およびコーティング組成物(表6;実施例18〜21)を説明する。合わせると、これらの実施例は、複数領域菓子組成物を形成するために使用することができる。表4〜6では、成分量は、組成物の総重量に対する重量%で表されている。
【0078】
フィリング領域、シェル領域、および任意にコーティング領域を含む複数領域チューイー菓子組成物を、表4〜6の組成物に従って調製する。各領域は、実施例5〜19について対応する成分に従う。
【0079】
フィリング組成物を調製するために、粉末成分を混合容器の中で合わせ、均一になるまで混合する。次に、脂肪および乳化剤を一緒に融解させる。N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよびいずれの他の冷感化合物も、香料の中で溶解させ、酸とともに融解した脂肪/乳化剤ブレンドへと加える。この脂肪混合物が均一に混合されると、粉末を、均一に分散するまで混合する。
【0080】
シェル領域を調製するために、スクロースをコーンシロップおよび水またはポリオール(マルチトール)および水と混合して、均一な混合物を作成し、この混合物を約130℃まで加熱調理する。別々に、ゼラチンを少量の水と混合することにより水和させる。加熱調理した混合物が約90℃に到達すると、水和したゼラチンを脂肪、乳化剤、着色料、高甘味度甘味料および酸とともに加え、十分に混合する。次いでこの混合物を冷却台の上に置き、ここで香料(この香料に溶解させたN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよびいずれの他の冷感化合物を含む)および酸を加える。次いでこの混合物を所望の粘稠度まで引き伸ばし、その後、複数領域チューイー菓子製品を形成するためのプロセスへと供給する。
【0081】
次いでこのシェルおよびフィリング組成物を一緒に押出して、いずれかの所望の形状の構成へと成形する。表6に示す任意のコーティング組成物は、コーティング領域を説明する節で上記したようにして付与することができる。この菓子ピースは、各々、およそ2〜10グラムの総重量を有することができる。最終の菓子ピースでは、菓子領域は約40〜65重量%であり、フィリングは約5〜45重量%であり、コーティングは約0〜50重量%である。
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【0082】
実施例22〜25
これらの実施例は、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む粉末フィリング組成物を説明する。粉末フィリング組成物を表7に要約する。表7では、すべての量は粉末フィリング組成物の総重量に対する重量部単位である。フィリング組成物を調製するために、粉末成分を混合容器の中で合わせ、均一になるまで混合した。この粉末フィリング組成物は、表5の菓子シェル組成物、および、任意に、表6の菓子コーティング組成物と合わせて中心充填糖菓を形成することができる。最終の菓子ピースでは、シェル領域は約40〜65重量%であり、フィリングは約5〜45重量%であり、コーティングは約0〜50重量%である。
【表8】

【0083】
実施例26〜29
これらの実施例は、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドおよび水性担体を含む中心充填組成物を説明する。この中心充填組成物を表8に要約する。表8では、すべての量は、粉末フィリング組成物の総重量に対する重量部単位である。中心充填組成物を調製するために、水素化デンプン加水分解物および/またはコーンシロップを、すべてのグリセリンと一緒に、均一になるまで混合する。次いで粉末成分、香料、酸、着色料、冷感剤、および乳化剤をこの液体ブレンドの中に合わせ、均一になるまで混合する。この粉末フィリング組成物は、表5の菓子シェル組成物、および、任意に、表6の菓子コーティング組成物と合わせて中心充填糖菓を形成することができる。最終の菓子ピースでは、シェル領域は約40〜65重量%であり、フィリングは約5〜45重量%であり、コーティングは約0〜50重量%である。
【表9】

【0084】
この書面による説明は、本発明を開示するため、またいずれの当業者も本発明を製造および使用することができるようにするための例(最良の態様を含む)を使用する。本発明の特許を受けることができる範囲は特許請求の範囲によって画定され、そして当業者に思い浮かぶ他の実施例を包含しうる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造的要素を有する場合、またはこのような他の実施例が、特許請求の範囲の文字通りの文言からごくわずかな差異しか有しない均等な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。
【0085】
すべての引用された特許、特許出願、および他の参考文献は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。しかしながら、本願の用語が援用された参考文献の用語と相反するかまたは矛盾する場合、援用された参考文献からの矛盾する用語よりも本願からの用語が優先する。
【0086】
本願明細書に開示されるすべての範囲は終点を包含し、終点は、独立に、互いに組み合わせることができる。
【0087】
本発明を記載することに関する(とりわけ添付の特許請求の範囲に関する)、用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」および類似の指示語の使用は、本願明細書に特段の記載がない限り、または文脈と明らかに相反しない限り、単数および複数の両方を包含するというように解釈されたい。さらには、用語「第1の」、「第2の」などは、本願明細書では、順序、品質、または重要性を何ら表さず、むしろ1つの要素を別の要素から区別するために使用されるということにさらに留意されたい。量に関連して使用される修飾語句「約」は、明記された値を含み、文脈によって明らかに理解される意味を有する(例えば、明記された量は、特定の量の測定に伴う誤差の程度を含む)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
咽頭の不快感を処置する方法であって、必要とする対象に、有効量のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記有効量のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドは、約2〜約10グラムの質量を有し、かつ前記糖菓の重量に基づき約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドを含む糖菓の形態で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記糖菓は、少なくとも80重量%の菓子ベースをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記糖菓はハードキャンディー糖菓である、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記糖菓は、約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせをさらに含む、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記糖菓はグルタル酸モノメンチルを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記糖菓はN−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記糖菓は、約0.01〜約0.2重量%のメントールをさらに含む、請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記糖菓は、約0.001〜約0.02重量%のユーカリ油をさらに含む、請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
糖菓であって、
少なくとも80重量%の菓子ベースと、
約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、
約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと
を含み、すべての重量%は前記糖菓の総重量に基づく、糖菓。
【請求項11】
前記糖菓はハードキャンディー糖菓である、請求項10に記載の糖菓。
【請求項12】
前記糖菓はソフトキャンディー糖菓である、請求項10に記載の糖菓。
【請求項13】
グルタル酸モノメンチルを含む、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の糖菓。
【請求項14】
N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドを含む、請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の糖菓。
【請求項15】
約0.01〜約0.2重量%のメントールをさらに含む、請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の糖菓。
【請求項16】
約0.001〜約0.02重量%のユーカリ油をさらに含む、請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の糖菓。
【請求項17】
前記糖菓は、シェルおよび中心フィリングを含む中心充填糖菓である、請求項10から請求項16のいずれか1項に記載の糖菓。
【請求項18】
前記シェルは、前記糖菓組成物の総重量に基づき、
少なくとも80重量%の菓子ベースと、
約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、
約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと
を含むハードキャンディーシェル組成物を含み、
前記中心フィリングは、液体中心フィリング組成物の総重量に基づき、
約90〜約99.99重量%の粉末菓子ベースと、
約0.5〜約25重量%の、粉末セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パラフィンおよび微結晶性ワックス、ポリエチレンワックス、鉱油および他の潤滑油、タルク、シリコーンジオキシド、乳糖、クエン酸カルシウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される粉末流動化剤と、
約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、
約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと
を含む粉末中心フィリング組成物を含む、請求項17に記載の糖菓。
【請求項19】
前記シェルは、前記糖菓組成物の総重量に基づき、
少なくとも80重量%の菓子ベースと、
約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、
約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと
を含むハードキャンディーシェル組成物を含み、
前記中心フィリングは、液体中心フィリング組成物の総重量に基づき、
約70〜約95重量%の菓子ベースと、
約5〜約20重量%の、グリセリン、レシチン、中鎖トリグリセリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される粘度調整剤と、
約0.005〜約0.5重量%の、グルタル酸モノメンチル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、またはこれらの組み合わせと、
約0.03〜約0.4重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと
を含む液体中心フィリング組成物を含む、請求項17に記載の糖菓。
【請求項20】
前記シェル、前記中心フィリング、またはこれらの両方は、グルタル酸モノメンチルを含む、請求項17に記載の糖菓。
【請求項21】
前記シェル、前記中心フィリング、またはこれらの両方は、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミドを含む、請求項17に記載の糖菓。
【請求項22】
前記中心充填糖菓は、前記中心充填糖菓の総重量に基づき、約70〜約95重量%の前記ハードキャンディーシェル組成物および約5〜約30重量%の前記液体中心フィリング組成物を含み、
前記ハードキャンディーシェル組成物は、前記ハードキャンディーシェル組成物の総重量に基づき、
約90〜約99.5重量%の前記菓子ベースと、
約0.08〜約0.16重量%のグルタル酸モノメンチルと、
約0.06〜約0.12重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと、
約0.05〜約0.13重量%のメントールと
を含み、
前記液体中心フィリングは、前記液体中心フィリングの総重量に基づき、
約75〜約90重量%の菓子ベースと、
約10〜約17重量%のグリセリンと、
約0.08〜約0.16重量%のグルタル酸モノメンチルと、
約0.06〜約0.12重量%のN−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミドと、
約0.02〜約0.07重量%のメントールと
を含む液体中心フィリング組成物を含む、請求項19に記載の糖菓。

【図1】
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【公表番号】特表2012−515000(P2012−515000A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546291(P2011−546291)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/020685
【国際公開番号】WO2010/083133
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(508351303)クラフト・フーズ・グローバル・ブランズ・エルエルシー (28)
【Fターム(参考)】