説明

商品の需要、供給および関連の収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品

商品の需要、供給および関連の収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品。一方法に従うと、価格敏感度分布が決定され、その後、ある単位数の当該商品の市場潜在性分布が決定される。次に、予測された市場が、当該市場潜在性分布に基づいてモンテカルロ法に従って選択され、当該予測された市場は、予め規定された単位数の商品を含む。次に、当該予測された市場における当該商品についての需要および/または供給が、当該価格敏感度分布および予測された市場において予め規定された単位数に基づいてモデル化される。需要および/または供給をこのようにモデル化することによって、当該方法は、購入される当該商品の単位数およびこれら単位が購入および/または生産される価格によって規定されるように、当該商品についての市場における不確定性を説明することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、一般的に、商品の需要のモデル化に関するものであり、より特定的には、変動し得る市場サイズのモデル、消費者により支払われる価格およびコストに基づいて、商品の需要、供給および関連の収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
古典経済学では、経済学者によって伝統的に供給および需要が調べられ、市場が、取引される商品の価格および量をどのように生じさせるかが説明されてきた。一般的に、取引される商品の価格および量を市場が生じさせることを観察する際には、製造業者が所与の価格で販売を予想する所与の商品の量(すなわち供給)と、消費者が購入したいと思う当該商品の量(すなわち需要)とを相関付ける。供給とは、製造業者が異なる価格で供給しようとする或る商品についての変動する量のことを指す。一般的には、価格が上昇すれば供給は大きくなることから、供給はしばしば、特定の期間中の価格対量のグラフにおける上方へと傾斜する曲線によって示される。これに対して、需要は、所与の価格で消費者により求められる商品の量のことを指す。この事について、需要は一般的に価格が上昇するのに伴って減少することから、需要はしばしば、特定の期間にわたる価格対量のグラフにおける下方へと傾斜する曲線によって示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
製造業者にとって、供給曲線および需要曲線は、所与の商品の収益性をモデル化することを支援できる有用な手段であり得る。従来、製造業者によって用いられる需要曲線は、歴史的データおよび推定値に基づくものである。しかし、多くの業界において適当な歴史的データおよび推定値はしばしば欠けているため、需要曲線は所与の商品についての収益性のモデル化にはほとんど用いられていない。さらに、需要曲線は、その利用の妨げに拍車をかけるかのように、所与の商品についての市場サイズや消費者により支払われる価格といった変動し得る要因の統合にしばしば不適当である。さらに、需要曲線は、販売される所与の商品の数に対する価格の関係における変動の影響を考慮しないことが一般的である。
【0004】
発明の概要
上述の背景に鑑み、この発明は、商品の需要、供給および関連の収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。この発明のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品の現在および将来の価格および量に関する希薄な歴史的データまたは推定値に基づいて需要、供給および関連の収益性をモデル化することが可能であるという利点を有する。さらに、この発明は、需要、供給およびこれに従い収益性を、商品が販売される市場のサイズの関数として、従来の需要モデル化方法よりも適当にモデル化することが可能である。加えて、このシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品の価格と購入される商品の単位数との関係における変動をよりよく説明しながら需要、供給および関連の収益性をモデル化する。
【0005】
商品の価格と、購入される商品の単位数との関係における変動を説明することによって、この発明の或る実施例は、商品の価格と購入される商品の単位数とにおける不確定性を
説明しながら需要、供給および関連の収益性をモデル化することが可能である。このようなモデル化は、商取引という状況といったいくつかの異なる状況下で有利である。この事について、商品の将来の販売のための計画は、特にそれが商品についての市場に関係することから関連の不確定性を内在的に有している。市場は典型的に、購入される商品の数と商品の各単位が購入される価格とによって規定される。そこで、この発明の或る実施例に従うと、商品の需要、供給および関連の収益性は、特に購入される商品の価格および単位数に関するデータが希薄であるときに、不確定である将来の市場についての理解を導き出すことを容易にする態様でモデル化され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一局面に従うと、商品の単位購入の価格敏感度分布と、市場における上記商品の単位数の市場潜在性分布とに基づいて、商品についての需要および/または供給をモデル化するステップを含む方法が提供される。この方法に従うと、商品の単位購入の価格敏感度分布が決定可能である。たとえば、需要のモデル化の際、価格敏感度分布は、所定の価格での単位購入の価格敏感度分布を決定してから逆累積形式で価格敏感度分布を計算し直すことによって決定可能である。同様に、たとえば、供給のモデル化の際、価格敏感度分布は、所定の価格での単位購入の価格敏感度分布を決定してから累積形式で価格敏感度分布を計算し直すことによって決定可能である。この事について、価格敏感度分布は、対数正規価格敏感度分布を含むことがあり、単位が購入される平均価格と、関連の標準偏差とに基づいて決定可能である。同様に、市場潜在性分布は、対数正規市場潜在性分布を含むことがあり、商品が市場で求められかつ/または供給される平均単位数と関連の標準偏差とに基づいて決定可能である。価格敏感度および市場潜在性の両方は、経済的な市場の現実またはデータの限界を最もよく表わすように、対数正規分布以外の分布によって表わされ得る。価格敏感度および市場潜在性を対数正規分布として表わすことによって、価格敏感度および市場潜在性分布は、商品の価格が変わることで、消費者がその商品を購入するか否か、および製造業者がその商品を生産するか否かがどのように変わるかをより正確に表わすことができる。
【0007】
需要および/または供給のモデル化の前に、たとえばモンテカルロ法に従って、市場潜在性分布に基づいて商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測することができる。モンテカルロ法に従い、予測された市場を選択することによって、この方法は、需要および/または供給ならびにこれに従い収益性を、商品が販売される市場のサイズの関数として、従来の需要または供給モデル化方法よりも高い信頼性をもってモデル化することが可能である。そして、予測された市場の選択後、予測された市場における予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす、商品についての異なる単位数に基づいて市場浸透度分布が決定可能である。
【0008】
予測された市場の選択後、または市場浸透度分布の決定後、単位購入の分布と、予測された市場における予め規定された単位数とに基づいて、予測された市場における商品についての需要および/または供給がモデル化可能である。たとえば、複数の単位当り価格と、予測された市場における予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす、商品についての異なる単位数との関係を決定することによって、需要および/または供給がモデル化可能である。市場浸透度分布を含む実施例においては、価格敏感度分布および市場浸透度分布に基づいて需要および/または供給がモデル化可能である。別の実施例では、異なる予測された市場が繰返し選択され、各々の予測された市場は、予め規定された単位数の商品を含む。この実施例では、需要および/または供給は、選択された各々の予測された市場につきモデル化可能である。
【0009】
差別化された市場における商品についての需要、供給および/または関連の収益性をモデル化するために特に適した、この発明の別の局面に従うと、この方法はさらに、少なく
とも1つの予め規定された数の契約についての少なくとも1つの契約購入集合を決定するステップを含み、各々の契約は、所定の単位当り価格での或る単位数の商品を含む。たとえば、契約購入集合は、契約当り単位の分布、および、単位購入の分布と契約当り単位の分布との相関に基づいて決定可能である。この事について、契約購入集合は、たとえばモンテカルロ法に従って、契約当り単位の分布に基づいて予め規定された数の契約の各々に含まれた単位数を決定することによって決定可能である。一実施例に従うと、各々の契約における単位数は、各々の契約に含まれた単位数の合計が、予測された市場における予め規定された単位数のパーセンテージに等しくなるように決定され、ここでパーセンテージは市場占有率を表わす。各々の契約における単位数の決定後、予め規定された数の契約の各々に含まれた単位についての単位当り価格が、各々の契約に含まれた単位数、および、或る単位を購入する消費者の分布と契約当り単位の分布との相関に基づいて決定可能である。
【0010】
契約購入集合の決定後、商品についての需要および/または供給は、契約購入集合および市場潜在性分布または、より具体的には、市場潜在性分布から選択された予測された市場に基づいてモデル化可能である。たとえば、需要をモデル化するには、各々の異なる単位当り価格についての累積単位数を算出し、これは、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計することによって決定され、その後各々の異なる単位当り価格およびそれぞれの累積単位数に基づいて商品についての需要をモデル化する場合がある。同様に、たとえば、供給をモデル化するには、各々の異なる単位当り価格についての累積単位数を算出し、これは、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計することによって決定され、その後各々の異なる単位当り価格およびそれぞれの累積単位数に基づいて商品についての供給をモデル化する場合がある。これに代えて、需要のモデル化の際、累積単位数は、予測された市場における予め規定された単位数と、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計との差を含み得る。これに代えて、供給のモデル化の際、累積単位数は、予測された市場における予め規定された単位数と、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計との差を含み得る。理解されるであろうように、契約購入集合を決定し、契約購入集合に基づき需要をモデル化することによって、この発明のこの局面は、商品が契約に従って購入されその各々が異なる単位数および/または異なる単位当り価格を含み得る、差別化された市場における商品についての需要および/または供給をモデル化するのに特に適している。
【0011】
この発明の追加の局面に従うと、この方法は、需要とともに商品のコストをモデル化するステップを含み得る。その場合、商品の収益性は、コストモデルおよび需要モデルに基づいてモデル化可能である。この局面に従うと、コストは、異なる単位数についての平均の単位当りコストをモデル化することによってモデル化可能である。その場合、たとえば、収益性は、異なる単位数についての平均の単位当りコストを、それぞれの異なる単位数についての単位当り価格から減じることによってモデル化可能である。或る単位数および価格の対応関係について最高利益が決定可能である。異なる市場が繰返し予測される一実施例においては、需要、コストおよび収益性が各々の予測された市場につきモデル化可能である。
【0012】
差別化された市場における商品に特に適した、この発明のさらに別の局面に従うと、予測された市場における商品についてのコストは、予測された市場における予め規定された単位数および予め規定された契約数に基づいてモデル化可能である。たとえば、コストは、異なる単位当り価格に関連する各々の累積単位数についての平均の単位当りコストをモデル化してから、最低の単位当りコストを選択することによってモデル化可能である。そして、予測された市場における商品の収益性は、たとえば、最低の単位当りコストを、各々の累積単位数に関連する単位当り価格から減じることによってモデル化可能である。
【0013】
したがって、この発明のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、或る将来の市場における商品についての需要および/または供給についての理解を容易にすることが可能であり、ここで需要および/または供給は、或る単位当り価格で購入される商品の単位数に基づいて規定可能である。このシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品の価格および量に関する希薄な歴史的データまたは推定値に基づいて需要、供給および関連の収益性をモデル化することが可能であるという利点を有する。さらに、市場の未知のサイズを、市場潜在性分布の形で組込むことによって、かつモンテカルロ法に従い、予測された市場を選択することによって、この発明は、需要、供給およびこれに従い収益性を、商品が販売される市場のサイズの関数として、従来の需要および供給のモデル化方法よりも適当にモデル化することが可能である。これに加え、対数正規価格敏感度分布を含めることによって、このシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品の価格が変わると、購入される商品の単位数がどのように変わるかをより良好に説明しながら、需要、供給および関連の収益性をモデル化する。
【0014】
以上、この発明について一般的な観点から説明した。以下においては添付の図面が参照される。図面は必ずしも一定の縮尺で描いたものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
発明の詳細な説明
以下、この発明について、この発明の好ましい実施例が示される添付の図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態で実施可能であり、ここに記載の各実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろこれら実施例は、この開示が詳細かつ完全となって当業者にこの発明の範囲を完全に伝えるように設けたものである。各図を通じて、同様の番号は同様の要素を指す。
【0016】
I.商品についての需要および/または供給のモデル化
この発明の一局面に従うと、商品についての需要および/または供給をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品が提供される。経済においては、生産物は、一般的に2種類の市場、すなわち差別化されない市場または差別化された市場のいずれか1つに分類可能である。差別化されない市場、たとえばコモディティ市場においては、すべての競合商品は単一の価格で提供される。たとえば、小麦粉、綿、銀および石油は、すべて典型的に単一価格で提供される商品である。これに対し、差別化された市場においては、競合する商品同士の価格は、それぞれの商品を特徴付ける特徴における知覚される価値によって差別化され得る。したがって、差別化された市場では、供給者と消費者との間の私的な交渉の中で、差異をもたらす各特徴の価値が明らかにされ決定される。価格の交渉結果は私的なものに留まるため、このプロセスによって、異なる量の商品が異なる価格で販売されることがあり得る。たとえば、卸売りの自動車および航空機は、ともに、異なる特徴に起因して異なる価格で異なる量だけ販売され得る商品である。差別化された市場のもう1つの種類としては、購買者の好みにおける小さな差異を利用した高度な価格付けシステムが存在するものがあり、これには、たとえば航空機の座席、旅行およびコンサートの座席の予約システムや、百貨店での会員割引と組合せた商品の価格付けなどがある。
【0017】
差別化されない市場においては、すべての商品は典型的には、商品の各単位につき単一の価格に従って販売および購入される。しかし差別化された市場では、商品は価格において変動し得る。この事について、差別化された市場での商品は、典型的に、各単位についての所定の価格で、商品の所定の単位数についての契約に従って販売される。そこで、この発明は、差別化されない市場および差別化された市場における商品についての需要および/または供給をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品
を提供する。以下の記載においては、商品についての需要のモデル化について説明する。この事について、別段の記載がある場合を除き、以下の記載は商品についての供給のモデル化にも等しく当てはまることが理解されるであろう。
【0018】
A.差別化されない市場における商品
差別化されない市場における商品についての需要は、一般的に、商品の単位当り価格と、市場における商品の総単位数という観点での市場のサイズとの関数であり、その両方が商品に依存して異なってくる。この事について、将来における或る後の時点についての需要のモデル化の際、商品の価格も市場のサイズも或る程度の不確定性を含むため特定不可能である。したがって、単位当り価格および/または市場のサイズにおける不確定性を取込むように商品についての需要を最も正確にモデル化するために、需要は典型的には、商品が販売され得る可能な価格の分布と、商品が販売され得る市場の可能なサイズの分布とに基づいてモデル化される。
【0019】
図1を参照して、差別化されない市場における商品についての需要のモデル化は、一般的に、商品の単位当り価格における不確定性を評価することから始まり、これのためには、消費者が当該商品を購入するか否かに商品の価格がどのような影響を及ぼすか、または供給のモデル化の場合には、製造業者が商品を生産するか否かに商品の価格がどのような影響を及ぼすかを決定する。この事について、商品の各単位の購入価格における不確定性は、典型的には、ブロック10に示すように、所定の価格での商品の単位購入の価格敏感度分布において表現される。価格敏感度分布は、一般的に、単位購入の或る確率を、消費者がこの単位を購入するであろうそれぞれの各価格に割当てる。有利には、価格敏感度分布は、たとえば歴史的販売数または市場調査のように、いくつかの異なる方法のいずれかに従って作成された、それぞれの単位当り価格での商品の少なくとも1単位の実際または仮定の消費者購入の希薄データから作成され得る。価格敏感度分布は、わずか2つのそのような消費者購入で作成可能であるが、購入数は典型的には30以上である。
【0020】
有利には、かつ特に実際または仮定の消費者購入のデータが希薄である場合には、商品の価格における不確定性または価格敏感度分布は、商品に関連する技術の開発状態に基づいて規定可能である。この事について、多くの業界では、或る商品の製造および販売の企画についての決定では、製造業者は、その企画についての成功の確率および投資レベルを正確に決定する、すなわちリスクおよび収益の確率を判定するために、企画の開発状態に関連する技術的リスクまたは技術的成熟度を評価することが必要である。この事について、企画の開発は、1つ以上の異なる技術を含む場合があり、開発段階が異なれば技術も異なる。
【0021】
技術的リスクに関する情報は製造業者にとって有用であり得る一方、このような情報はしばしば質的なものである。たとえば、このような質的な技術的リスクまたは技術的成熟度の測度の1群に、米国航空宇宙局(NASA)により開発された技術成熟度(Technology Readiness Levels:TRL)がある。関連する技術の開発状態を説明するために、商品に関連した各々の技術は、成熟度の質的な測度と関連付けられ、成熟度のついての各々の質的な測度は或る分布に関連付けられる。したがって、各々の技術は、成熟度についてのそれぞれの質的な測度の分布に関連付けられる。
【0022】
各々の技術を、成熟度のついてのそれぞれの質的な測度の分布に関連付けた後、価格点、またはより典型的には最も見込みの高い価格、が各々の技術につき選択される。そして、価格分布は、成熟度についてのそれぞれの質的な測度およびそれぞれの最も見込みの高い価格に関連付けられた分布に基づいて各々の技術について規定され得る。各々の技術についての価格を、たとえばモンテカルロ法に従って価格分布から選択してから合計して、商品についての1つの可能な合計価格を得ることができる。次に、各々の技術についての
いくつかの他の価格を同様に選択および合計していくつかの他の可能な合計価格を得ることができる。これら合計価格すべてから、平均偏差および標準偏差を決定することによって価格敏感度分布を規定することができる。価格敏感度分布を決定するこのような方法についてのより詳細な情報については、同時出願され、その内容がこれによりその全体において引用により援用される、「技術成熟度に基づく商品についての金銭的な測度をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品(Systems, Methods and
Computer Program Products for Modeling a Monetary Measure for A Good Based Upon
Technology Maturity Levels)」と題された米国特許出願第 号を参照されたい。
【0023】
価格敏感度分布は、正規分布、三角分布または一様分布といったいくつかの異なる確率分布の種類のいずれに従っても表現可能である。しかし、経済は典型的に対数正規型に機能することから、好ましい実施例では、価格敏感度分布は対数正規確率分布として表現される。また、価格敏感度分布は、歴史的販売の平均偏差および標準偏差といったいくつかの異なるパラメータのいずれかに従って規定され得る。たとえば、図2に示す価格敏感度分布は、$92,252(1000ドル)の平均値に従って規定されており、関連の標準偏差は$7,800である。
【0024】
商品の価格における不確定性を商品についての需要に繰込むことに加え、需要は、有利には、商品が購入される市場のサイズの関数としてモデル化可能であり、その場合、市場のサイズにおける不確定性が説明される。この事について、市場のサイズにおける不確定性は、典型的には、図1のブロック12に示すように、価格も含めて消費者の要求すべてが満たされたと仮定して消費者が購入するであろう商品の総単位数を指す市場潜在性として表現される。市場潜在性は、典型的には、商品の所定の単位数を購入する消費者の分布として表現される。市場潜在性分布は、一般的に、消費者の要求すべてが満たされたと仮定して消費者が購入するであろう商品のそれぞれの各単位数に或る確率を割当てる。
【0025】
有利には、市場潜在性分布は、市場調査またはその他当業者に公知の無数の要因といったいくつかの異なる源のうちのいずれかからの希薄データから作成されてもよい。市場潜在性分布は、正規分布、三角分布または一様分布といったいくつかの異なる確率分布の種類のいずれに従って表現してもよいが、市場敏感度分布と同様、市場潜在性分布は、好ましくは対数正規確率分布として表現される。また、市場敏感度分布と同様、市場潜在性分布は、市場潜在性分布を作成するために用いられるデータの平均偏差および標準偏差といったいくつかの異なるパラメータのいずれかに従って規定され得る。たとえば、図3に示す市場潜在性分布は、700単位の平均値に従って規定されており、関連の標準偏差は400単位である。
【0026】
上述のように、商品についての需要は、商品が販売される市場のサイズの関数としてモデル化される。したがって、商品についての需要をモデル化するために、予め規定された総単位数の商品からなる予測された市場が市場潜在性分布から選択される。有利には、予測された市場における単位数は、モンテカルロ法といった予め規定された単位数の商品をランダムに選択するための方法に従って選択される。当業者には公知のように、モンテカルロ法は、モデルをシミュレートするために不確定の変数についての値をランダムに生成する方法である。この事について、図1のブロック14に示すように、予測された市場における予め規定された単位数の商品を選択するためにモンテカルロ法が市場潜在性分布に適用される。そして、以下に述べるように、異なる予測された市場を繰返し選択することによって、商品に対する対応の需要を各々の予測された将来の市場につきモデル化することができ、その場合、市場サイズの異なりが商品についての需要にどのような影響を及ぼすかについての理解が容易になる。
【0027】
製造業者は典型的には或る商品についての市場のすべて(すなわち100%)を獲得することはできないので、商品に対する需要は、或る製造業者が獲得し得る市場の異なる割合を説明するようにモデル化され得る。したがって、選択された予測された市場から、ブロック16に示すように、予測された市場の対応のパーセンテージを表わす異なる単位数に基づいて市場浸透度分布が決定され得る。たとえば、図5に示すように、市場サイズが700単位の商品である場合、350単位の販売は50%の市場浸透度に関連付けられる。これに代わる市場浸透度分布においては、図5の点線で表わすように、市場サイズが700単位の商品の場合、200単位の販売は50%の市場浸透度に関連付けられる。市場浸透度分布が一旦決定されると、価格敏感度分布および市場浸透度分布に基づいて需要がモデル化され得る。需要をモデル化する際、価格敏感度分布と市場浸透度分布とを組合せるために、価格敏感度分布は典型的にはまず図4Aに示すように逆累積形式で計算し直される(図1、ブロック18を参照)。明らかであろうように、逆累積分布は、所与の値以上の値の数、割合またはパーセンテージを示す。この事について、価格敏感度分布の逆累積は、少なくとも所定の価格、すなわち所定の価格以上についての商品の単位購入の分布を表わす。
【0028】
同様に、供給をモデル化する際、価格敏感度分布と市場浸透度分布とを組合せるために、価格敏感度分布は典型的にはまず図4Bに示すように累積形式で計算し直される。明らかであろうように、累積分布は、所与の値以下の値の数、割合またはパーセンテージを表わす。この事について、価格敏感度分布の累積は、商品についての市場価格が少なくとも所定の価格である、すなわち所定の価格以上であるときに製造された単位の分布を表わす。
【0029】
価格敏感度分布が一旦計算し直されると、予測された市場についての生産物についての需要は、図1のブロック20に示すように価格敏感度分布および市場浸透度分布の逆累積に基づいてモデル化可能である。この事について、予測された市場について、需要は、少なくとも所与の価格について、すなわち所与の価格以上で消費者が購入するであろう単位数を表わす。需要をモデル化するために、価格敏感度分布の逆累積の各確率パーセントは、市場浸透度分布からの予測された市場の対応のパーセンテージに関連付けられる。したがって、市場浸透度分布からの商品の、複数の異なる単位数の各々は、それぞれの単位数についての市場浸透度パーセントに等しい確率パーセントを有する逆累積価格敏感度分布からの最低の単位当り価格にリンクされる。したがって、需要モデルは、予測された市場における販売される複数の異なる単位数として考えることができ、各々の単位数は、消費者がそれぞれの単位数を購入するであろう対応の最低価格を有する。たとえば、合計の商品の数が700であり市場浸透度が100%の場合は、100%の確率パーセントを有するおよそ$7,700万ドルの単位当り価格にリンクされる。こうして、需要モデルに従うと、700単位の商品が少なくとも$7,700万ドルで販売されることになる。需要モデルは、いくつかの態様のうちのいずれで表現してもよいが、一実施例では、需要モデルは、図6に示すように、消費者が商品のために単位当りで支払うであろう最低価格に対して、予測された市場において販売される異なる単位数をプロットすることによる需要曲線として表現される。
【0030】
需要のモデル化と同様、予測された市場についての生産物についての供給も、価格敏感度分布および市場浸透度分布の累積に基づいてモデル化可能である。そして、予測された市場について、供給は、商品についての市場価格が少なくとも所与の価格である、すなわち所与の価格以上であるときに製造業者が生産するであろう単位数を表わす。供給をモデル化するためには、価格敏感度分布の累積の各確率パーセントは、市場浸透度分布からの予測された市場の対応のパーセンテージに関連付けられる。したがって、市場浸透度分布からの商品についての複数の異なる単位数の各々は、それぞれの単位数についての市場浸透度パーセントに等しい確率パーセントを有する累積価格敏感度分布からの最高の単位当
り価格にリンクされる。したがって、供給モデルは、予測された市場において生産される複数の異なる単位数として考えることができ、各々の単位数は、対応の最高市場価格を有する。需要モデルと同様、供給モデルは、いくつかの態様のうちのいずれで表現してもよい。一実施例では、たとえば、供給モデルは、図6Bに示すように、商品の最高市場価格に対して、予測された市場において生産される異なる単位数をプロットすることによる供給曲線として表現される。
【0031】
上述のように,商品についての需要は、価格敏感度分布および市場浸透度分布の逆累積に基づき、商品についての供給は、価格敏感度分布および市場分布の累積に基づく。この事について、価格敏感度分布および市場浸透度分布の逆累積(または累積)の決定における各ステップは、この発明の意味および範囲から逸脱することなしに互いに対して任意の順序で実行可能であることが理解されるであろう。たとえば、価格敏感度分布は、市場潜在性分布からの市場浸透度分布の決定におけるステップのいずれかまたはすべての前に逆累積形式で書換えることができる。
【0032】
また、モンテカルロ法に従って選択された、予測された市場における異なる単位数について、異なる市場浸透度分布およびこれに従い異なる需要モデルが図7に示すように決定されることになることが理解されるであろう。したがって、需要モデルは、商品についての需要に影響を及ぼす市場のサイズにおける不確定性を説明することができる。この事について、異なる予測された市場を繰返し選択してこの方法を繰返すことによって、各々の予測された市場における商品についての需要を確率論的にモデル化することができる。以下に述べるように、商品についての需要のモデル化をコストモデルで利用することができ、これにより予測された市場における商品についての収益性をモデル化し、これは、最適な単位当り価格および販売される単位数といった、予測された市場に関する結論を決定するために使用可能である。そして、異なる予測された市場につきこの方法を繰返すことによって、収益性が各々の予測された市場につきモデル化可能であり、結論が各々の予測された市場につき決定可能である。そして、たとえば製造業者によって、予測された市場についての結論を用いて、商品の価格および市場における単位数における不確定性が商品についての需要にどのような影響を及ぼすかについての理解を容易にすることができる。このような理解をもって、製造業者は、商品の各単位を販売すべき価格と、生産されるべき商品の単位数とを選択するのによりよい立場に立つことができる。
【0033】
B.差別化された市場における商品
差別化されない市場の場合と同様、不確定な市場における商品についての需要および/または供給を最も正確にモデル化するために、需要は好ましくは、商品が販売され得る可能な価格の分布と、商品が販売および/または生産され得る市場の可能なサイズの分布とに基づいてモデル化される。しかしながら、差別化された市場における商品は、商品の単位当り価格が市場にわたって一様ではない点で、差別化されない市場における商品と異なる。この事について、商品の単位当り価格は、市場を形成する商品の単位を含む複数の契約の各々の中で一様であり得る。これに加え、またはこれに代えて、商品の単位当り価格は、契約の所与の数の商品の中で一様であり得る。たとえば契約は、$7,500万で商品の1〜100単位、$7,000万で101〜200単位、$6,500万で201〜300単位などを含む。したがって、差別化された市場において購入される商品についての需要を最も正確にモデル化するために、各々の契約における商品の単位数を考慮することが有利である。そして、各々の契約における単位数は異なり得ることから、契約当り単位数は好ましくは他の分布とともに利用される。
【0034】
ここで図8を参照して、差別化された市場における商品についての需要のモデル化は、一般的に、差別化されない市場における需要のモデル化と同様に始まり、すなわち、商品の価格によって、消費者が商品を購入するか否かにどのような影響が及ぼされるかを決定
することによって商品の単位当り価格における不確定性を評価する。同様に、差別化されない市場における供給のモデル化も、一般的に、商品の価格によって、製造業者が商品を生産するか否かにどのような影響が及ぼされるかを決定することから始まる。商品の価格敏感度は、典型的に、上述のように、ブロック22および図2に示すように価格敏感度分布で表現される。市場潜在性も同様に、上述のように、図8のブロック24および図3に示すように、商品の所定の単位数を購入する消費者の市場潜在性分布によって表現され得る。また、上述のように、需要は、商品が販売される市場のサイズの関数としてモデル化され、こうして市場のサイズにおける不確定性を説明する。したがって、予測された市場に基づいて生産物についての需要をモデル化するために、予測された市場における商品の予め規定された単位数は、ブロック26に示すように、モンテカルロ法に従う市場潜在性分布から選択される。差別化されない市場の場合と同様、かつ以下に述べるように、異なる予測された市場を繰返し選択することによって、差別化された市場において購入される商品についての対応の需要が、各々の予測された市場についてモデル化され得る。
【0035】
上述のように、差別化されない市場における商品は、個々の単位に基づき価格が異なるのではなく一様の価格ですべて販売および購入される点で、差別化されない市場は差別化された市場と異なる。差別化された市場では、商品は契約に従って販売され、契約はその各々が、各々の単位についての所定の価格での商品の所定の単位数を特定する。したがって、商品の価格は市場のサイズとともに変化するだけでなく、市場のサイズ内で各々の契約ごとに変化する。したがって、差別化された市場については、商品についての需要のモデル化はさらに、市場における契約の数における不確定性と、各々の契約における商品の所定の単位数および各々の契約での各々の単位が購入される所定の単位当り価格における不確定性とを評価するステップを含む。この事について、各々の契約における単位数の不確定性は、図9および図8のブロック28に示すように、契約当り単位の分布を決定することによって評価可能である。
【0036】
価格敏感度分布および市場潜在性分布と同様、契約当り単位の分布は、典型的に、各々の契約に含まれる商品の単位の分布として表わされる。契約当り単位の分布は、一般的に、特定の契約に含まれ得るそれぞれの各単位数に或る確率を割当てる。価格敏感度分布および市場潜在性分布の場合と同様、契約当り単位の分布は、或る単位数の商品を含む或る数の歴史的契約といった希薄な歴史的データから作成され得る。契約当り単位の分布は、わずか2つの歴史的契約で作成され得るが、典型的には歴史的契約の数は30以上となる。
【0037】
契約当り単位の分布は、正規分布、三角分布または一様分布といったいくつかの異なる確率分布の種類のいずれに従って表現してもよいが、上と同様、好ましい実施例では、契約当り単位の分布は対数正規確率分布として表現される。また、契約当り単位の分布は、公知のように10%および90%の値といったいくつかの異なるパラメータのいずれに従って規定してもよい。さらに、契約当り単位の分布は、分布の上限を設定する最大値を含み得る。たとえば、図9に示す価格敏感度分布は、契約当り2単位の10%値、契約当り40単位の90%値および契約当り70単位の最大値に従って規定される。
【0038】
価格敏感度分布および契約当り単位の分布では、各々が或る単位数の商品および関連の単位当り価格を有する或る数の契約を含むように契約購入集合を決定することができる。契約購入集合の決定前に、たとえばモンテカルロ法に従って、予測された市場を選択することができ、こうして契約購入集合内に含まれる契約のすべてにおける総単位数は、予測された市場に基づき得る。当該製造業者によって予測された市場全体が獲得されている(すなわち全市場における単位すべてを販売する)と仮定すると、契約のすべてにおける総単位数は、予測された市場における単位数に等しく設定され得る。しかし、予測された市場全体未満の獲得を仮定した場合、契約のすべてにおける総単位数は、予測された市場に
おける単位数の或るパーセンテージに等しく設定され得る。以下に記載のこの発明の方法は予測された市場に関するものであるが、予測された市場の全体未満の獲得が仮定される例においては、予測された市場における単位数の代わりに、予測された市場の仮定された獲得が利用されるのが好ましいことが理解されるべきである。
【0039】
契約購入の分布(すなわち契約購入集合)を正確に決定するために、当業者には公知のように、典型的にまず価格敏感度分布と契約当り単位の分布との関係が、たとえば相関係数などを介して確立される(図8、ブロック30を参照)。相関係数はいくつかの態様のうちのいずれで選択してもよいが、典型的には相関係数は正でない数であり、このため所与の契約における単位当り価格は増加し、契約における単位数は減少し、さらにその逆もある。一実施例では、たとえば、相関係数は、当該商品または類似の商品のいくつかの歴史的な契約販売に基づき従来の技術に従って決定され、各々の販売は、単位当り価格での或る単位数の商品を含む。この事について、商品の単位当り価格が高すぎるとき、契約当りで販売される商品の単位は少なくなる。そして、単位当り価格が低いときにはより多くの単位が販売される。しかしながら、相関は価格と販売される単位との因果関係を意味するのではないことが理解されるであろう。単位価格と契約当り単位とが相関関係にあることは必ずしも、単位価格の変化が契約当り単位の変化を引起す、およびその逆となることを意味するわけではない。したがって、高い価格が、多数の単位を含む契約に関連付けられ得る、または低い価格が、少数の単位を含む契約に関連付けられ得る可能性は残る。
【0040】
価格敏感度分布が契約当り単位の分布に一旦関係付けられると、契約購入集合は、まずブロック32に示すように各々の契約における単位数を決定することによって決定され得る。予測された市場と同様、予め規定された契約数および各々の契約における単位数が、契約当り単位の分布に基づいてモンテカルロ法に従って決定されることが好ましい。予測された市場は、市場における予め規定された単位数の商品を含むように規定されていることから、予測された市場内の各々の契約における単位数の総計は、予測された市場における予め規定された単位数となる、または、これに代えて、予測された市場の全体未満の市場の獲得が仮定される場合には予め規定された単位数の或るパーセンテージとなる。この事について、モンテカルロ法を用いて、異なる数の契約および各々の契約における異なる単位数を繰返し選択することができ、これは予測された市場内の各々の契約における単位数の総計が、予測された市場における予め規定された単位数(または予め規定された数のパーセンテージ)を超過しない限り可能である。異なる契約数および各々の契約における異なる単位数を繰返し選択することによって、予測された市場について多くの異なる契約購入集合が決定可能である。
【0041】
各々の契約における単位数が決定される際、または単位数が決定された後、各々の契約における単位の関連の単位当り価格は、ブロック34に示すように、それぞれの契約における単位数、価格敏感度分布、および、契約当り単位の分布と価格敏感度分布との相関に基づいて決定される。契約当り単位数と、各々の契約における単位の関連の単位当り価格とによって、予測された市場についての契約購入集合は、ブロック36に示すように、複数の契約として決定可能であり、各々の契約は、所与の単位当り価格における関連の単位数の商品を有する。契約購入集合はいくつかの態様のうちのいずれで表現してもよいが、一実施例では、契約購入集合は、図10に示すように、対応の単位当り価格での各々の契約における単位の散布図として表わされ、ここでは予測される市場は681単位を有し、仮定される市場獲得は60%(すなわち409単位)である。
【0042】
上述のように、契約購入集合は、価格敏感度分布と契約当り単位の分布との間の相関を決定し、モンテカルロ法に従って或る契約数および各々の契約における或る単位数を選択し、それから単位契約当り価格を決定することによって決定され得る。しかしながら、契約購入集合は、いくつかの異なる態様のいずれで決定してもよいことが理解されるであろ
う。たとえば、契約購入集合は、相関を決定してから、或る数の契約を選択する、たとえば或る規定された数の契約(たとえば100契約)をランダムに選択することによって決定可能である。そして、この数の契約を用いて、各々の契約について価格敏感度分布および契約当り単位の分布が規定可能であり、分布は1つ以上の契約間で異なることも、または規定された数の契約のすべてにわたって同じであり続けることもある。分布が1つ以上の契約間で異なる場合、相関は同様に異なり得るが、分布が契約すべてにわたって同じであり続けるときには、相関は好ましくは契約すべてにわたって同じである。
【0043】
それから、規定された契約の各々につき、それぞれの契約における単位数が、たとえばモンテカルロ法に従い契約当り単位の分布などから決定され得る。そして、それぞれの契約における単位数、それぞれの価格敏感度分布、および、契約当り単位の分布と価格敏感度分布との相関に基づいて、規定された契約の各々についての関連の単位当り価格が決定され得る。その後、上と同様に、契約当り単位数と、各々の契約における単位の関連の単位当り価格とを用いて、契約購入集合が複数の契約として決定可能であり、各々の契約は、所与の単位当り価格での関連の単位数の商品を有する。
【0044】
上と同様、予測された市場における商品についての需要は、少なくとも所与の価格で消費者が購入し得る単位数を表わす。この事について、需要のモデル化の際、各々の契約の単位当り価格は、最高の単位当り価格から降順でランク付け可能である。そして、図8のブロック38に示すように、各々の異なる単位当り価格についての累積単位数が算出可能である。そのとき、各々の価格についての累積単位数は、それぞれの価格以上の単位当り価格で販売される契約のすべてにわたる累積単位数に等しくなる。たとえば、最高の単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、最高の単位当り価格を有する各々の契約における単位数に等しくなる。そして、2番目に高い単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、2番目に高い単位当り価格を有する各々の契約における単位数に、最高の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を加えたものに等しくなる。
【0045】
同様に、上述のように、予測された市場における商品についての供給は、所与の市場価格以下で製造業者が生産し得る単位数を表わす。この事について、供給のモデル化の際、各々の契約の単位当り価格は、最低の単位当り価格から昇順でランク付けされ得る。そして、各々の異なる単位当り価格についての累積単位数が、それぞれの価格以下の単位当り価格で販売される契約のすべてにわたる累積単位数として算出され得る。たとえば、最低の単位当り価格に関連付けられる累積単位数は、最低の単位当り価格を有する各々の契約における単位数に等しくなる。そして、2番目に低い単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、2番目に低い単位当り価格を有する各々の契約における単位数に、最低の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を加えたものに等しくなる。
【0046】
理解されるであろうように、需要のモデル化の際には、各々の契約の単位当り価格もやはり最低の単位当り価格から昇順でランク付け可能である。そのような場合、各々の価格についての累積単位数は、予測された市場における総単位数から、それぞれの価格よりも低い単位当り価格での各々の契約における単位数を減じたものに等しくなる。たとえば、最低の単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、予測された市場における単位数か、またはこれに代えて、予測された市場のパーセンテージに等しくなる。そして、2番目に低い単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、予測された市場における単位数から、最低の単位当り価格での各々の契約における単位数を減じたものに等しくなる。
【0047】
需要のモデル化の際に単位当り価格が昇順でランク付けされ得るのと同様、供給のモデル化の際には、各々の契約の単位当り価格もやはり、最高の単位当り価格から降順でランク付け可能である。そのような場合、各々の価格についての累積単位数は、予測された市場における総単位数から、それぞれの価格よりも高い単位当り価格での各々の契約におけ
る単位数を減じたものに等しくなる。たとえば、最高の単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、予測された市場における単位数か、またはこれに代えて、予測された市場のパーセンテージに等しくなる。2番目に高い単位当り価格に関連付けられた累積単位数は、予測された市場における単位数から、最高の単位当り価格での各々の契約における単位数を減じたものに等しくなる。
【0048】
各々の異なる単位当り価格および関連の累積単位数を用いて、図8のブロック40に示すように、契約の各々の単位当り価格と、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格で販売される累積単位数とに基づいて、予測された市場における商品についての需要、または予測された市場のパーセンテージがモデル化され得る。この事について、差別化されない市場における商品についての需要モデルの場合と同様、差別化された市場における商品についての需要モデルは、少なくとも所与の価格で消費者が購入し得る単位数を表わす。したがって、需要モデルは、予測された市場において販売される複数の異なる単位数として考えることができ、各々の単位数は、消費者がそれぞれの単位数を購入する対応の最低価格を有する。同様に、差別化された市場における商品についての供給モデルは、市場価格が所与の価格以下であるときに製造業者が生産し得る単位数を表わす。したがって、供給モデルは、予測された市場において生産される複数の異なる単位数として考えることができ、各々の単位数は、商品についての対応の最高市場価格を有する。
【0049】
需要モデルは、いくつかの態様のうちのいずれで表現してもよいが、差別化されない市場についてのモデルの場合と同様、一実施例では、需要モデルは、図11に示すように、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格で販売される累積単位数に対して異なる単位当り価格をプロットすることによる需要曲線として表わされ、ここでは予測された市場は681単位であり、仮定される市場獲得は409単位である。需要モデルと同様、供給モデルは、いくつかの態様のうちのいずれで表現してもよいが、一実施例では、供給モデルは、商品がそれぞれの単位当り価格以下の単位当り市場価格を有するときに生産される累積単位数に対して異なる単位当り価格をプロットすることによる供給曲線として表わされる。たとえば図11に示すように、需要および供給の各モデルは典型的には、差別化されない市場の場合における需要および供給の各モデルほど滑らかには現われない。差別化された市場についての需要および供給の各モデルが粗くなるのは、差別化されない市場が全体で1つの契約販売として考えられるのに対して、モデルが別個の契約販売を用いていることに起因している。
【0050】
差別化されない市場または差別化された市場のいずれの場合でも、需要モデルについて、予測された市場における総単位数がモンテカルロ法に従って変化するのに伴ない、需要モデルは商品の総単位数を当てはめるように変化することが理解されるであろう。さらに、モンテカルロ法に従って選択された、予測された市場における異なる単位数につき、差別化された市場および差別化されない市場における商品についてそれぞれ、異なる市場浸透度分布および異なる契約購入集合が決定されることになることが理解されるであろう。さらに、異なる市場浸透度分布および異なる契約購入集合では、各々の予測された市場について異なる需要モデルが決定されることになる。したがって、それぞれの需要モデルは、商品についての需要に影響を及ぼすような市場のサイズにおける不確定性を説明することができる。この事について、異なる予測された市場を繰返し選択してこの方法を繰返すことによって、各々の予測された市場における商品についての需要がモデル化可能である。
【0051】
以下に述べるように、商品についての需要のモデル化をコストモデルで利用することができ、その場合、予測された市場における商品の収益性がモデル化され、これは、最適な単位当り価格および販売される単位数といった予測された市場に関する結論を決定するために使用可能である。さらに、異なる予測された市場につきこの方法を繰返すことによっ
て、各々の予測された市場について収益性をモデル化することができ、各々の予測された市場について結論を決定することができる。そして、予測された市場についての結論たとえば製造業者によって使用可能であり、こうして、商品の価格、単位数および/または契約数、ならびに契約における商品の単位当り価格における不確定性が商品についての需要にどのような影響を及ぼすかについての理解が容易になる。そして、このような理解をもって、製造業者は、商品の各単位を販売すべき価格および製造されるべき商品の単位数を選択するのによりよい立場に立つことができる。
【0052】
II.商品の収益性のモデル化
この発明に従いモデル化された、商品についての需要を利用することによって、商品の収益性をモデル化することができ、その場合、商品についての需要における不確定性、および商品の生産コストにおける不確定性が収益性にどのような影響を及ぼし得るかについての理解が容易になる。この事について、商品が差別化されない市場にあるか差別化された市場にあるかに依存して需要モデルが異なるのと同様、商品の収益性もまた市場の種類に依存して異なる。したがって、この発明は、差別化されない市場および差別化された市場の両方における商品についての、商品の収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。
【0053】
A.差別化されない市場における商品
差別化されない市場における商品の収益性のモデル化は、一般的に、たとえば図1〜6を参照して上述したこの発明の実施例に従い、商品についての需要をモデル化することから始まる。商品についての需要のモデル化とともに、商品の生産コストもまたモデル化される。この事について、コストモデルは、典型的に、商品を生産するための平均の単位当りコストおよび生産または販売される単位数に基づく。この事について、コストモデルは、需要モデルと同様に市場のサイズにおける不確定性を説明する。さらに、商品の生産コストはいくつかの態様のいずれにおいてもモデル化できるが、コストは、生産または販売される単位数が商品の各単位の生産にかかるコストに対して及ぼす影響を考慮することが好ましい。この事について、多くの市場において商品の生産に関連するコストは、製造業者がその生産で経験を重ねるのに伴って減少する傾向にある。
【0054】
商品の各単位の生産コストは一定にとどまるものと考えられがちであるが、商品の各単位の生産コストは典型的には、最初に生産された単位については、各単位の生産にかかる予想コストを上回る。そして、生産される単位数が増加するのに伴って製造業者は典型的に経験を重ね、各単位を製造するコストは予想コストにそしてそれ以下へと下がり、その後最終的には各単位の生産の最適コストで水平になる。各単位の生産コストの変化は、一般的に、製造業者において商品の製造の際に見られる「学習曲線」によるものと考えることができる。学習曲線を説明するコストモデルはいくつかの異なる態様のうちのいずれで表現してもよいが、一実施例では、コストモデルは、図12に示すように、それぞれの単位当りコストで生産される累積単位数に対して異なる単位当りコストをプロットすることによる逆累積コスト曲線として表わされる。差別化されない市場における商品の各単位の生産コストをモデル化するための方法の一例としては、同時出願され、その内容がこれによりその全体において引用により援用される、「商品の学習曲線値を決定し関連の収益性およびコストをモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品(Systems, Methods and Computer Program Products for Determining A Learning Curve Value and Modeling Associated Profitability and Costs of A Good)」と題された米国特許出願第 号を参照されたい。
【0055】
予測された市場について需要およびコストが一旦モデル化されると、予測された市場についての商品についての収益性がモデル化可能である。この事について、収益性は、単位当り価格から単位当りコストを減じて、その差を、予測された市場の対応の分数について
販売される単位数によって乗じた結果として表わすことができる。グラフで表わすと、図13に示すように、予測された市場について需要曲線およびコスト曲線を同時にプロットすることによって、収益性は2本の曲線間の差に直接関係するものとして見ることができる。需要モデルおよびコストモデルと同様、収益性モデルは、いくつかの異なる態様のうちのいずれで表わしてもよい。一実施例では、図14に示すように、収益性モデルは、少なくとも所与の利益を達成するために販売されなければならない単位数をプロットすることによる収益性曲線として表わすことができる。
【0056】
収益性モデルならびに需要およびコストの各モデルから、予測された市場についての需要、コストおよび収益性を集合的にモデル化することから、予測された市場に関する結論を引出すことができる。たとえば、予測された市場における商品についての最高利益は、価格がコストを最大の量だけ超過する点として見ることができる。最高利益を決定することによって、予測された市場における、商品の各単位についての最適価格および販売される最適な単位数(すなわち市場にある商品の数の分数)、ならびに、予測された市場における最適価格および販売される単位数に関連した対応のコストが決定可能である。異なる予測された市場および異なる需要モデル(図7に示す)についての最適価格をプロットすることによって、結果として得られる、需要モデルの範囲にわたる最適価格のプロットは、典型的には、図3に示すように、市場潜在性分布に類似の分布を呈することが理解されるであろう。異なる需要モデルをプロットすることによって、市場のサイズにおける不確定性は、予測された市場において選択された単位数に依存して需要モデルが変化するのに伴って示され得る。
【0057】
これに加え、またはこれに代えて、最高利益、最適価格、単位数およびコストについての他の結論を決定することができる。たとえば、予測された市場についての最高利益マージンは、最適価格と関連のコストとの差を最低価格で割ることによって決定してから記録することができる。さらに、予測された市場が一掃できる単位当り価格および単位数は、収益性がゼロとなる点(または需要モデルがコストモデルと交差する点)から決定することができる。
【0058】
この箇所までは、需要およびコストの各モデルならびに収益性モデルはすべて、モンテカルロ法といった、予め規定された単位数の商品をランダムに選択するための方法に従って選択された予め規定された数の商品の、1つの予測された市場に結び付けられていることをこの箇所で明らかにしておく。したがって、予測された市場に関する結論、たとえば最適な商品数および対応の単位当り価格ならびに最高利益、を決定した後、この結論を記録することができ、それからこの方法を、モンテカルロ法に従って選択された異なる予測された市場について複数回繰返すことができ、その際結論は各々の予測された市場につき記録される。
【0059】
予測された市場のすべてについての結論もまたそれぞれの分布へと編成することができる。そして、これら分布は、たとえば曲線の種類ならびに平均偏差および関連の標準偏差によって規定され得る。そして、多種多様な結論およびその他の変数を互いに対してプロットすることができ、その際たとえば、図15に示すように、最適価格および経常コストについての分布に対して価格敏感度分布をプロットする。経常コスト分布の右側の尾はプロットから切捨てられていることが注目されるであろう。そのような場合、経常コストが価格を超過しているため、製造業者は粗利益を実現できず、したがってそのような場合、製造業者は実質的な選択の原理によってこの商品の販売を終わらせる見込みが高い。成功した事業事例の「実例」についてのデータのみが記入されており、その結果、モデル化された市場で成功を収めるために必要な目標価格またはコストを示す統計情報(平均偏差、多くは標準偏差など)となっている。
【0060】
これらの分布からはまた、商品についての事業事例を作成することができる。たとえば、事業事例は、最高利益(たとえば粗利益)についての分布を受けることができ、これは各単位についての最適価格および対応の最適商品数に基づいて決定され得る。そして、分布に基づいて、図16に示すように、企画の市場価値を決定して時間の経過に沿ってプロットすることができる。図示のように、この事業事例は、企画に関連した非経常コスト(3年目から5年目にかけてゼロ以下で示す)をプロットすることができる。これに加え、この事業事例は、粗利益と経常コストとの差(6年目から14年目にかけてゼロの上に示す)で決定されるような、企画に関連した利益をプロットすることができる。市場価値および非経常コストは、いくつかの異なる技術のうちのいずれかに従って時間の経過に沿ってプロットすることができる。しかし、有利な一技術に従うと、市場価値および非経常コストは、商品に関連したリスクおよび収益における不確定性の測度に基づき、さらにこの不確定性が時間の経過に伴ってどのように変動し得るかに基づいて、時間の経過に沿ってプロットされる。このような技術についてのさらに詳細な情報については、同時出願され、その内容がこれによりその全体において引用により援用される、「不確定な将来の利益をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品(Systems, Methods and Computer Program Products for Modeling Uncertain Future Benefits)」と題された米国特許出願第 号を参照されたい。
【0061】
B.差別化された市場における商品
差別化された市場においては、収益性のモデル化もまた一般的に、単位数および関連の単位当り価格を含めて商品についての或る数の契約についての需要をモデル化することから始まる。この事について、商品についての需要は、図2,3および図8〜11を参照して上述したように、この発明に従いモデル化されるのが有利である。需要のモデル化に加え、商品の生産コストが、商品を生産するための平均の単位当りコストおよび生産または販売される単位数に基づいてモデル化され得る。商品の生産コストは、たとえば上述の方法に従って、いくつかの態様のうちのいずれにおいてモデル化してもよい。予測された市場における商品についての需要は、少なくとも所与の価格で消費者が購入し得る単位数を表わすことから、コストのモデル化に用いられる学習曲線は、差別化された市場における商品についての需要のモデル化に関連して上述したように、各々の単位当り価格に関連した累積単位数の関数である。図17に示すように、差別化された市場についての需要が複数の繋がった契約販売として粗く現われるように、コスト曲線もまた同様に、各々の単位当り価格についてそれぞれの累積単位数を生産するための複数の繋がったコストとして現われる。
【0062】
差別化された市場においては、収益性は、差別化されない市場と類似の態様で表現可能である。すなわち、収益性は、各々の契約につき、それぞれの単位当り価格とそれぞれの単位当りコストとの差を、それぞれの契約につき販売される単位数によって乗じたものとして表現可能である。明らかであろうように、差別化された市場という状況における商品についての需要モデルは個々の契約販売を記述し、かつ、コストモデルは平均コストを記述し販売される単位数に基づくことから、販売される単位数は、予測された市場についての商品の収益性をモデル化するように選択されなければならない。契約数または1つ以上の契約における単位数が変化する場合、または、市場の仮定されたパーセンテージ獲得における単位数が変化する場合、各々の契約についての単位を製造する平均コストも同様に変化し、こうして収益性のモデルを変化させる。
【0063】
各々の契約における単位数についてのすべての確率についての収益性をモデル化することは、不必要に長い時間がかかる。しかし、すべての確率についての収益性をモデル化する必要はない。この事について、差別化された市場においては、可能な限り多くの単位を販売およびこれに従い生産することは常に最高の利益を達成することがわかっている。したがって、収益性のモデル化の際、コストモデルの代わりに、それぞれの予測された市場
についての最低コスト値(図17の破線で示す)、または予測された市場のパーセント獲得についてのそれを用いることができる。このようにコストモデルの代わりに他のものを用いることができるのは、最低コスト値は常に、予測された市場の市場占有率の獲得、およびこれに従い、製造業者が生産する商品の単位すべての販売に対応するからである。したがって、収益性は、予測された市場内の各々の契約販売の収益性に基づいて、(市場すべてが獲得されていると仮定して)予測された市場の収益性によって測ることができる。
【0064】
したがって、需要モデルから、各々の契約販売の収益性は、契約における単位の単位当り価格から、契約における単位数を生産するための最低平均コストを減じ、その差を契約における単位数によって乗じることによって決定可能である。そして、予測された市場の収益性は、各々の契約販売での累積収益性を決定することでモデル化可能である。この事について、各々の単位当り価格についての予測された市場の収益性は、それぞれの単位当り価格を有する契約販売についての利益と、需要のモデル化の関連で規定されるような単位当り価格に関連した累積単位数をなす単位での他の契約販売についての利益とを加算することによって決定可能であり、これはすなわち、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する契約販売からの利益である。
【0065】
たとえば、最高の単位当り価格での予測された市場の収益性は、最高の単位当り価格を有する契約販売からの利益のみに等しい。最高の単位当り価格での収益性がこのように等しい関係にあるのは、最高の単位当り価格に関連した累積単位数は、最高の単位当り価格を有する契約における単位数のみを含むからである。これに対し、2番目に高い単位当り価格での収益性は、2番目に高い単位当り価格を有する契約販売からの利益に、最高の単位当り価格を有する契約販売からの利益を加えたものに等しい。この事について、2番目に高い単位当り価格に関連した累積単位は、2番目に高い単位当り価格を有する各々の契約における単位数に、最高の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を加えたものに等しい。
【0066】
予測された市場についての収益性モデルは誤解を招く恐れがあることをここで指摘しておく。というのも、収益性モデルは、予測された市場における単位数の増加がより利益を最大限にするかのように見えることがあるためである。この誤解は、予測された市場における予め規定された単位数または予測された市場の仮定された獲得を増加させることによって、単位を生産するための最低平均コストが減少することによって引起される。しかしながら、商品の1製造業者は、市場における規定された占有率しか獲得できないことに注目すべきである。この事について、生産される単位数の増加は、それぞれの製造業者によって獲得される市場の占有率を必ずしも増加させるわけではない。したがって、商品のより多くの単位を生産することは、その商品の製造業者が、それぞれの製造業者の市場占有率を上回って追加の単位を販売できることになることを必ずしも意味しない。
【0067】
差別化されない市場における商品の場合と同様、差別化された市場において、予測された市場についての需要、コスト(または最低コスト値)および収益性を集合的にモデル化することから、予測された市場に関する結論を引出すことができる。たとえば、最高利益は、可能な限り多くの単位を販売することに対応するので、予測された市場(または予測された市場のパーセント獲得)における商品についての最高利益は、市場、または市場のパーセント獲得、のいずれかにおける商品の単位のすべてが販売された点として見ることができる。また、たとえば、最高利益を達成するための価格が、予測された市場(または獲得されたパーセンテージ)における契約販売のすべてからの重み付けられた平均の単位当り価格を決定することなどによって決定可能である。その他の結論には、予測された市場における単位数、予測された市場の仮定された獲得における販売される単位数(獲得全体未満の場合)、予測された市場において当該製造業者により販売されない単位数(やはり獲得全体未満を仮定した場合)、および予測された市場(または獲得されたパーセンテ
ージ)についての最高利益マージンが含まれ得る。
【0068】
また、差別化されない市場の場合と同様、差別化された市場についての商品の需要およびコストならびに収益性はすべて、この箇所までは、モンテカルロ法に従い選択された商品の予め規定された数の予測された市場に結び付けられている。予測された市場に関する結論、たとえば最高利益、重み付けられた平均価格、単位数およびコスト、などを決定した後、結論を記録することができる。結論が一旦記録されると、この方法を、モンテカルロ法に従い選択された異なる予測された市場につき複数回繰返すことができ、結論は各々の予測された市場につき記録される。次に、予測された市場のすべてについての結論を、それぞれの分布に組織付けることができる。次に、これら分布は、曲線の種類ならびに平均偏差および関連の標準偏差などによって規定することができる。そして、これら分布から、図16に示しかつ「不確定な将来の利益をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」と題された米国特許出願第 号に記載のものと類似の態様などで商品についての事業事例が生成可能である。
【0069】
図14に示すように、販売される単位の或る量については、収益性モデルは実際に負の収益性または商品の販売についての損失を表わす。したがって、企画を開始または継続させるか否かなど、条件付請求権を行使する前に商品の収益性が正であるか否かを判断することがしばしば望ましい。これに代えて、条件付請求権の行使前に、商品の収益性が所定のしきい値を上回るか否かを判断することが望ましい。条件付請求権はしばしば買付選択権の形でなされることになり、ここでは製造業者は、或る金額または追加の金額を投資することによって商品の生産を開始または継続するオプションを有する。したがって、商品の生産および販売の初期段階が不成功であるとわかった場合および/または商品の収益性についての将来の見通しが暗い場合、製造業者は上記金額または追加の金額の投資を断る見込みが高く、こうして買付選択権の行使を見合わせ、したがって商品の生産を断るまたは商品の生産を終了させることになる。これに代えて、商品の生産および販売の初期段階が成功している場合および/または商品の収益性の見通しが明るい場合、製造業者は必要な投資を行なって商品の生産を開始または継続させる見込みが高い。
【0070】
条件付請求権の種類に関わらず、商品および特に現時点での条件付請求権の価値を決定することが望ましい。条件付請求権の価値を決定することによって、製造業者は、条件付請求権の過大評価の結果として商品の生産に支払いすぎることを回避することができる。逆に、製造業者は、条件付請求権の価値が過小評価されている商品を特定することができ、こうしてこの商品の生産への投資を真剣に考慮することができるが、それはこれがそれに見合う投資の機会である見込みが高いからである。したがって、商品の需要およびコストならびにこれに従い商品の収益性をモデル化することによって、この発明のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品および特に現時点での条件付請求権の価値の決定を容易にすることができる。企画の価値の決定に関するさらに詳細な情報については、その内容がこれによりその全体において引用により援用される「一般化された条件付請求権評価を実行するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品(Systems, Methods and Computer Program Products for Performing a Generalized Contingent Claim Valuation)」と題された米国特許出願第09/902,021号を参照されたい。
【0071】
したがって、この発明のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品の価格および量に関する希薄な歴史的データまたは推定値に基づいて需要、供給および関連の収益性をモデル化することができる。市場潜在性分布に基づいてモンテカルロ法に従い予測された市場を選択することによって、この発明は、需要、供給およびこれに従い収益性を、商品が販売される市場のサイズの関数として、従来の需要モデル化方法よりも適当にモデル化することが可能である。さらに、対数正規価格敏感度分布を含めることによっ
て、この発明は、商品の価格が変わることで、購入される商品の単位数がどのように変わるかをよりよく説明しながら、需要、供給および関連の収益性をモデル化することが可能である。
【0072】
商品の価格および購入される商品の単位数における変動性または不確定性を説明することによって、この発明の或る実施例は、市場における不確定性が需要、供給および収益性にどのような影響を及ぼすかについての理解を容易にするように需要、供給および関連の収益性をモデル化することが可能である。この事について、このような理解は、商取引という状況などにおいて、商品の製造、販売および購入に関わる者に有利であり得る。この事について、商品の将来の販売のための計画は、特にそれが商品についての市場に関係することから関連の不確定性を内在的に有している。市場は典型的に、購入される商品の数と商品の各単位が購入される価格とによって規定される。この発明の或る実施例に従うと、たとえば、製造業者が、商品を市場に出すか否かを判断するだけでなく、商品の各単位を販売する価格および生産されるべき商品の単位数を選択するのによりよい立場に立つことができるように、商品の需要、供給および関連の収益性をモデル化することができる。
【0073】
図18に示すように、この発明のシステムは、典型的に処理要素および関連の記憶装置によって実現され、その両方はコンピュータ40などによって共通に含まれる。この事について、上述のように、この発明の或る実施例の方法は、いくつかの市場入手可能なコンピュータソフトウェアプログラムのいずれかによって、記憶装置に記憶されたデータを処理要素が操作することによって実行され得る。一実施例では、この方法は、スプレッドシートの形で操作および/または提示され得るデータで実行可能である。たとえば、この方法は、コロラド州デンバー(Denver, Colorado)のデシジョニアリング・インコーポレイテッド(Decisioneering, Inc.)により配布されるモンテカルロ法シミュレーションソフトウェアプログラムであるクリスタルボール(Crystal Ball)を含む、ワシントン州レッドモンド(Redmond, Washington)のマイクロソフト・コーポレーション(Microsoft Corporation)により配布されるスプレッドシートソフトウェアプログラムであるエクセル(Excel)(登録商標)によって、記憶装置によって記憶されたデータを処理要素が操作することによって実行可能である。コンピュータは、この発明の方法の実施例の実行に関する情報を提示するためのディスプレイ42を含むことができ、この情報は、この発明の実施例に従って決定されるさまざまな分布、モデルおよび/または結論を含む。この発明の方法の実施例の実行に関する情報をプロットするために、コンピュータはさらにプリンタ44を含むことができる。また、コンピュータ40は、この発明の方法の実施例の実行に関する情報をローカルまたは遠隔に転送するための手段を含むことができる。たとえば、コンピュータは、情報を他のファクシミリマシンまたはコンピュータなどに転送するためのファクシミリマシン46を含むことができる。これに加え、またはこれに代えて、コンピュータは、他のコンピュータなどに情報を転送するためのモデム48を含むことができる。さらに、コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはワイドエリアネットワーク(WAN)といったネットワークへのインターフェイス(図示せず)を含むことができる。たとえば、コンピュータは、情報をLANやWANなどに送信およびそこから受信するように構成されたPCMCIA(Ethernet(登録商標) Personal
Computer Memory Card International Association)カードを含むことができる。
【0074】
この発明の或る実施例に適用可能な1つの有利な技術においては、この発明の或る実施例に従う方法は、エクセル(登録商標)といったスプレッドシートソフトウェアプログラム内で操作またはその他で実行可能な、ソフトウェアまたはデータモジュール、コンポーネント、ポートフォリオなどで実施可能である。このような技術は、金融モデル化および分析という状況におけるなどいくつかの異なる状況で有利であり得る。この事について、さまざまな金融モデル化機能を実行するモジュール、コンポーネントおよび/またはポートフォリオが、或る金融状況についてのより完全な理解を得るために組合せられ得る。こ
の発明に適用可能なそのような技術の簡単な説明を以下に記載する。
【0075】
このような技術に従うと、この発明の方法の少なくとも一部を実行するために操作可能なデータはモジュールにおいて実施可能であり、これはその後、コンポーネントを構成するように、他のモジュールで実施されるこの発明の方法の他の部分とリンクまたはその他で関連付けられ得る。そして、所望であれば、コンポーネントは、ポートフォリオを形成するように、他の関係する方法を実行することのできる他のコンポーネントとリンクまたはその他で関連付けられ得る。たとえば、この発明の実施例に従う需要のモデル化方法が1つのモジュールで実施される一方、この発明の実施例に従うコストのモデル化方法が別のモジュールで実施されるようにすることができる。次に、これら2つのモジュール同士を互いにリンクまたはその他で関連付けることによって、需要およびコストの各モデルに基づき収益性をモデル化することのできるコンポーネントを構成することができる。そして、所望であれば、収益性をモデル化するためのコンポーネントは、別の機能を実行するように別のコンポーネントとリンクまたはその他で関連付けることができる。たとえば、収益性をモデル化するためのコンポーネントは、或る時間にわたって収入を予測することのできるコンポーネントとリンクまたはその他で関連付けることで商品についての事業事例を作成することができる。この事について、或る時間にわたって収入を予測することのできるこのようなコンポーネントは、「不確定な将来の利益をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」と題された米国特許出願第
号に従い動作可能である。
【0076】
この発明の一局面に従うと、この発明のシステムは一般的にコンピュータプログラム製品の制御下で作動する。この発明の実施例の方法を実行するためのコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能記憶媒体、たとえば不揮発性記憶媒体、および、コンピュータ読取可能記憶媒体において実施されるコンピュータ読取可能プログラムコード部分、たとえば一連のコンピュータ命令、を含む。
【0077】
この事について、図1および図7は、この発明に従う方法、システムおよびプログラム製品のフローチャートである。フローチャートにおける各々のブロックまたはステップ、およびフローチャートにおけるブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実現可能であることが理解されるであろう。これらコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置にロードされてマシンとなることができ、こうしてコンピュータまたはその他のプログラム可能装置で実行される命令は、フローチャートブロックまたはステップで特定される機能を実現するための手段をもたらす。これらコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置に特定の態様で機能するよう指示することのできるコンピュータ読取可能メモリに記憶可能であり、こうしてコンピュータ読取可能メモリに格納された命令は、フローチャートブロックまたはステップに特定される機能を実現する命令手段を含む1製造品目となる。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置にロードされて、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置において一連の動作ステップが実行されることを引起して、コンピュータにより実現されるプロセスを生成することができ、こうしてコンピュータまたはその他のプログラム可能装置で実行される命令は、フローチャートブロックまたはステップで特定される機能を実現するためのステップをもたらす。
【0078】
したがって、フローチャートのブロックまたはステップは、特定された機能を実行するための手段の組合せ、特定された機能を実行するためのステップの組合せ、および特定された機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。フローチャートにおける各々のブロックまたはステップおよびフローチャートにおけるブロックまたはステップの組合せは、特定された機能またはステップを実行する特定用途向けのハードウェアベース
のコンピュータシステム、または特定用途向けハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せによって実現可能であることが理解されるであろう。
【0079】
以上の説明および関連の図面で提示された教示の利益を有する、この発明の属する技術に関する当業者であれば、この発明の多くの変形例および他の実施例に想到するであろう。したがって、この発明は開示された特定の実施例に限定されるべきではなく、変形例およびその他の実施例が前掲の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図することが理解されるべきである。本願明細書では特定の用語を用いているが、これらは一般的で記述的な意味でのみ用いられるものであり、限定の目的に用いられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】この発明の一実施例に従う、差別化されない市場において購入される商品についての需要をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品におけるさまざまなステップを含むフローチャートである。
【図2】この発明の一実施例のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる価格敏感度分布のグラフである。
【図3】この発明の一実施例のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる市場潜在性分布のグラフである。
【図4A】この発明の一実施例に従う、需要をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる逆累積形式で計算し直された価格敏感度分布の概略図である。
【図4B】この発明の一実施例に従う、供給をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる累積形式で計算し直された価格敏感度分布の概略図である。
【図5】この発明の一実施例のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる、予測された市場についての市場浸透度分布の概略図である。
【図6A】差別化されない市場において購入される商品の状況における、この発明の一実施例に従う、予測された市場についての需要曲線の概略図である。
【図6B】差別化されない市場において購入される商品の状況における、この発明の一実施例に従う、予測された市場についての供給曲線の概略図である。
【図7】購入される市場の状況におけるこの発明の一実施例に従う多数の予測された市場についての多数の需要曲線の概略図である。
【図8】この発明の一実施例に従う、差別化された市場において購入される商品についての需要をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品におけるさまざまなステップを含むフローチャートである。
【図9】この発明の一実施例のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる契約当り単位の分布のグラフである。
【図10】この発明の一実施例のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられる契約購入集合を例示するグラフである。
【図11】差別化された市場において購入される商品の状況における、この発明の一実施例に従う予測された市場についての需要曲線の概略図である。
【図12】差別化されない市場において購入される商品の状況における、この発明の一局面のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられるコスト曲線の概略図である。
【図13】図6の需要曲線を図12のコスト曲線と比較する概略図である。
【図14】この発明の一実施例に従う収益性曲線の概略図である。
【図15】最適価格の分布および関連のコスト分布に対してプロットされた価格敏感度分布の概略図である。
【図16】この発明の一実施例に従い決定される、或る時間にわたり商品を販売する企画の市場価値の概略図である。
【図17】差別化された市場において購入される商品の状況における、この発明の一実施例のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の動作中に用いられるコスト曲線の概略図である。
【図18】コンピュータによって実施されたこの発明の一実施例のシステムの概略的なブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の単位購入の価格敏感度分布と、前記商品に関連する市場における前記商品の単位数の市場潜在性分布とに基づいて、前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記価格敏感度分布を決定するステップをさらに含み、前記価格敏感度分布を決定するステップは、
予め定められた価格での単位購入の前記価格敏感度分布を決定するステップと、
前記価格敏感度分布を計算し直すステップとを含み、前記価格敏感度分布を計算し直すステップは、需要のモデル化の際に、逆累積形式で前記価格敏感度分布を計算し直すステップを含み、前記価格敏感度分布を計算し直すステップは、供給のモデル化の際に、累積形式で前記価格敏感度分布を計算し直すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記価格敏感度分布を決定するステップは、対数正規価格敏感度分布を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記対数正規価格敏感度分布を決定するステップは、平均購入価格および関連の標準偏差に基づいて前記対数正規価格敏感度分布を決定するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記商品の単位購入の前記分布を決定するステップは、前記商品の単位購入の対数正規分布を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するステップをさらに含み、前記市場を予測するステップは、需要および供給の少なくとも一方のモデル化の前に行なわれ、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、前記価格敏感度分布および前記予測された市場に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、複数の単位当り価格と、前記予測された市場における前記予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす、前記商品についての異なる単位数との関係を決定するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記市場を予測するステップは、前記市場を予測するステップと、その後に、前記予測された市場における前記予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす、商品についての異なる単位数に基づいて市場浸透度分布を決定するステップとを含み、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、前記価格敏感度分布および前記市場浸透度分布に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
市場を予測するステップは、モンテカルロ法に従って市場を予測するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
市場を予測するステップは、異なる市場を繰返し予測するステップを含み、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々につき需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記商品のコストをモデル化するステップと、
需要モデルおよびコストモデルに基づいて前記商品の収益性をモデル化するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記コストをモデル化するステップは、前記異なる単位数について平均の単位当りコストをモデル化するステップを含み、前記収益性をモデル化するステップは、前記異なる単位数についての前記平均の単位当りコストを、前記それぞれの異なる単位数についての前記単位当り価格から減じるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するステップをさらに含み、前記市場を予測するステップは、前記需要のモデル化および前記コストのモデル化の前に行なわれ、前記需要をモデル化するステップは、前記価格敏感度分布および前記予測された市場に基づいて前記需要をモデル化するステップを含み、前記コストをモデル化するステップは、前記予測された市場に基づいて前記コストをモデル化するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記市場を予測するステップは、異なる市場を繰返し予測するステップを含み、各々の予測された市場は、予め規定された単位数の前記商品を含み、前記需要をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々について前記需要をモデル化するステップを含み、前記コストをモデル化するステップは、前記予測された市場の各々について前記コストをモデル化するステップを含み、前記収益性をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々について前記収益性をモデル化するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
契約当り単位の分布、および、単位購入の分布と前記契約当り単位の分布との相関、に基づいて少なくとも1つの予め規定された数の契約について少なくとも1つの契約購入集合を決定するステップをさらに含み、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記市場潜在性分布に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
各々の契約購入集合を決定するステップは、
前記契約当り単位の分布に基づいて予め規定された数の契約の各々に含まれた単位の数を決定するステップと、
前記予め規定された数の契約の各々に含まれた前記単位についての単位当り価格を決定するステップとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、
各々の異なる単位当り価格について少なくとも1つの累積単位数を算出するステップを含み、前記累積単位数を算出するステップは、需要のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計するステップを含み、前記累積単位数を算出するステップは、供給のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における前記単位数を合計するステップを含み、前記需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップはさらに、
各々の異なる単位当り価格と、前記少なくとも1つの契約購入集合についてのそれぞれの累積単位数とに基づいて、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、
各々の異なる単位当り価格について少なくとも1つの累積単位数を算出するステップを含み、前記累積単位数を算出するステップは、前記予測された市場における前記予め規定
された単位数と、需要のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計との差を決定するステップを含み、前記累積単位数を算出するステップは、前記予測された市場における前記予め規定された単位数と、供給のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計との差を決定するステップを含み、前記需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップはさらに、
各々の異なる単位当り価格と、前記少なくとも1つの契約購入集合についてのそれぞれの累積単位数とに基づいて需要および供給のいずれか一方をモデル化するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
各々の契約に含まれた単位数を決定するステップは、各々の契約に含まれた単位数の合計が、前記予測された市場における前記予め定められた単位数の或るパーセンテージに等しくなるように、各々の契約における単位数を決定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
各々の契約購入集合は、各々が或る数の単位および単位当り価格を有する、予め規定された数の契約を含み、前記方法はさらに、モンテカルロ法に従って各々の契約に含まれた単位数を決定するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するステップをさらに含み、市場を予測するステップは、需要および供給の少なくとも一方のモデル化の前に行なわれ、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記予測された市場に基づいて前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
市場を予測するステップは、異なる市場を繰返し予測するステップを含み、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、少なくとも1つの契約購入集合を決定するステップは、前記予測された市場の各々につき少なくとも1つの契約購入集合を決定するステップを含み、需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々につき前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記商品についてのコストをモデル化するステップと、
需要モデルおよびコストモデルに基づいて前記商品の収益性をモデル化するステップとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するステップをさらに含み、前記市場を予測するステップは、前記需要のモデル化および前記コストのモデル化の前に行なわれ、前記需要をモデル化するステップは、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記予測された市場に基づいて前記需要をモデル化するステップを含み、前記コストをモデル化するステップは、前記予測された市場に基づいて前記コストをモデル化するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
市場を予測するステップは、異なる市場を繰返し予測するステップを含み、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、需要をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々につき前記需要をモデル化するステップを含み、コストをモデル化するステップは、前記予測された市場の各々につき前記コストをモデル化するステップを含み、前記収益性をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々に
つき前記収益性をモデル化するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
各々の契約購入集合を決定するステップは、予め規定された数の契約の各々に含まれた単位数について単位当り価格を決定するステップを含み、各々の異なる単位当り価格は、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計を含む関連の累積単位数を有し、前記商品についてのコストをモデル化するステップは、前記異なる単位当り価格に関連する各々の累積単位数についての平均の単位当りコストをモデル化するステップと、その後に、最低の単位当りコストを選択するステップとを含み、前記収益性をモデル化するステップは、前記各々の累積単位数に関連する前記単位当り価格から前記最低の単位当りコストを減じるステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップは、スプレッドシートソフトウェアを実行する処理要素によって需要および供給の少なくとも一方をモデル化するステップを含み、前記方法はさらに、前記処理要素に結合されたディスプレイにおいて需要モデルおよび供給モデルの少なくとも一方の表示を提示するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記需要モデルの表示を提示するステップは、前記需要モデルを、前記商品についての異なる単位数および関連の逆累積価格のプロットとして提示するステップを含み、前記供給モデルの表示を提示するステップは、前記供給モデルを、前記商品についての異なる単位数および関連の累積価格のプロットとして提示するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
商品の単位購入の価格敏感度分布と、前記商品に関連する市場における前記商品の単位数の市場潜在性分布とに基づいて、前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化することの可能な処理要素を含む、システム。
【請求項30】
前記処理要素は、
予め定められた価格での単位購入の前記価格敏感度分布を決定して、
前記価格敏感度分布を計算し直すことによって、前記価格敏感度分布を決定することがさらに可能であり、前記処理要素は、需要のモデル化の際に、逆累積形式で前記価格敏感度分布を計算し直すことが可能であり、前記処理要素は、需要のモデル化の際に、累積形式で前記価格敏感度分布を計算し直すことが可能である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記処理要素によって決定される前記価格敏感度分布は、対数正規価格敏感度分布を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記処理要素は、平均購入価格および関連の標準偏差に基づいて対数正規価格敏感度分布を決定することが可能である、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記処理要素によって決定される前記商品の単位購入の分布は、前記商品の単位購入の対数正規分布を含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記処理要素は、前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測することがさらに可能であり、前記処理要素は、前記価格敏感度分布および前記予測された市場に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
前記処理要素は、複数の単位当り価格と、前記予測された市場における前記予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす前記商品についての異なる単位数との関係を
決定することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記処理要素は、前記市場を予測してから、前記予測された市場における前記予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす、前記商品についての異なる単位数に基づいて市場浸透度分布を決定することが可能であり、前記処理要素は、前記価格敏感度分布および前記市場浸透度分布に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記処理要素は、モンテカルロ法に従って前記市場を予測することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記処理要素は、異なる市場を繰返し予測することが可能であり、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、前記処理要素は、前記予測された市場の各々についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項39】
前記処理要素は、前記商品のコストをモデル化することがさらに可能であり、前記処理要素は、需要モデルおよびコストモデルに基づいて前記商品の収益性をモデル化することが追加的に可能である、請求項29に記載のシステム。
【請求項40】
前記処理要素は、異なる単位数につき平均の単位当りコストをモデル化することによって前記コストをモデル化することが可能であり、前記処理要素は、異なる単位数についての平均の単位当りコストを、それぞれの異なる単位数についての単位当り価格から減じることによって前記収益性をモデル化することが可能である、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記処理要素は、前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測することがさらに可能であり、前記処理要素は、前記価格敏感度分布および前記予測された市場に基づいて前記需要をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場に基づいて前記コストをモデル化することが可能である、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
前記処理要素は、異なる市場を繰返し予測することが可能であり、各々の予測された市場は、予め規定された単位数の前記商品を含み、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記需要をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記コストをモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記収益性をモデル化することが可能である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記処理要素は、契約当り単位の分布、および、単位契約の分布と前記契約当り単位の分布との相関、に基づいて少なくとも1つの予め規定された数の契約についての少なくとも1つの契約購入集合を決定することがさらに可能であり、前記処理要素は、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記市場潜在性分布に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項29に記載のシステム。
【請求項44】
前記処理要素は、
前記契約当り単位の分布に基づいて予め規定された数の契約の各々に含まれた単位数を決定し、
前記予め規定された数の契約の各々に含まれた前記単位についての単位当り価格を決定
することによって、各々の契約購入を決定することが可能である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記処理要素は、
各々の異なる単位当り価格につき少なくとも1つの累積単位数を算出することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、需要のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計することによって前記累積単位数を算出し、前記処理要素は、供給のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計することによって前記累積単位数を算出し、前記処理要素はさらに、
各々の異なる単位当り価格と、前記少なくとも1つの契約購入集合についてのそれぞれの累積単位数とに基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記処理要素は、
各々の異なる単位当り価格についての少なくとも1つの累積単位数を算出することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、需要のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計から、前記予測された市場における前記予め規定された単位数を減じることによって前記累積単位数を算出することが可能であり、前記処理要素は、供給のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計から、前記予測された市場における前記予め規定された単位数を減じることによって前記累積単位数を算出することが可能であり、前記処理要素はさらに、
各々の異なる単位当り価格と、前記少なくとも1つの契約購入集合についてのそれぞれの累積単位数とに基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記処理要素は、各々の契約に含まれた単位数の合計が、前記予測された市場における前記予め規定された単位数のパーセンテージに等しくなるように、各々の契約に含まれた単位数を決定することが可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項48】
各々の契約購入集合は、各々が或る数の単位および単位当り価格を有する予め規定された数の契約を含み、前記処理要素は、モンテカルロ法に従って各々の契約に含まれた単位数を決定することが可能である、請求項43に記載のシステム。
【請求項49】
前記処理要素は、市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測することがさらに可能であり、前記処理要素は、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記予測された市場に基づいて前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項43に記載のシステム。
【請求項50】
前記処理要素は、異なる市場を繰返し予測することが可能であり、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき少なくとも1つの契約購入集合を決定することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能である、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記処理要素は、前記商品についてのコストをモデル化することがさらに可能であり、
前記処理要素は、需要モデルおよびコストモデルに基づいて前記商品の前記収益性をモデル化することが追加的に可能である、請求項43に記載のシステム。
【請求項52】
前記処理要素は、前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測することがさらに可能であり、前記処理要素は、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記予測された市場に基づいて前記需要をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場に基づいて前記コストをモデル化することが可能である、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記処理要素は、異なる市場を繰返し予測することが可能であり、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記需要をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記コストをモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々につき前記収益性をモデル化することが可能である、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記処理要素は、予め規定された数の契約の各々に含まれた或る数の単位についての単位当り価格を決定することによって、各々の契約購入集合を決定することが可能であり、各々の異なる単位当り価格は、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計を含む関連の累積単位数を有し、前記処理要素は、前記異なる単位当り価格に関連した各々の累積単位数につき平均の単位当りコストをモデル化してから最低の単位当りコストを選択することによって前記商品についての前記コストをモデル化することが可能であり、前記処理要素は、各々の累積単位数に関連する前記単位当り価格から前記最低の単位当りコストを減じることによって前記収益性をモデル化することが可能である、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記処理要素は、スプレッドシートソフトウェアプログラムを実行することによって需要および供給の少なくとも一方をモデル化することが可能であり、前記システムは、
前記処理要素に結合されたディスプレイをさらに含み、前記ディスプレイは、需要モデルおよび供給モデルの少なくとも一方を提示することが可能である、請求項29に記載のシステム。
【請求項56】
前記ディスプレイは、前記商品についての異なる単位数および関連の逆累積価格のプロットとして前記需要モデルを提示することが可能であり、前記ディスプレイは、前記商品についての異なる単位数および関連の累積価格のプロットとして前記供給モデルを提示することが可能である、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
コンピュータ読取可能プログラムコード部分が中に記憶されたコンピュータ読取可能記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ読取可能プログラム部分は、
商品に関係する市場における或る単位数の前記商品の価格敏感度分布および市場潜在性分布に基づいて前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化するための第1の実行可能部分を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項58】
前記価格敏感度分布を決定するための第2の実行可能部分をさらに含み、前記第2の実行可能部分は、
予め定められた価格での単位購入の前記価格敏感度分布を決定して、
前記価格敏感度分布を計算し直すことによって、前記価格敏感度分布を決定し、前記第2の実行可能部分は、前記第1の実行可能部分が需要をモデル化する際に、逆累積形式で前記価格敏感度分布を計算し直し、前記第2の実行可能部分は、前記第1の実行可能部分
が供給をモデル化する際に、累積形式で前記価格敏感度分布を計算し直す、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項59】
前記第2の実行可能部分は、対数正規価格敏感度分布を決定することによって前記価格敏感度分布を決定する、請求項58に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項60】
前記第2の実行可能部分は、平均購入価格および関連の標準偏差に基づいて、前記対数正規価格敏感度分布を決定する、請求項59に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項61】
前記第2の実行可能部分は、前記商品の単位購入の対数正規分布を決定することによって、前記商品の単位購入の前記分布を決定する、請求項58に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項62】
前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するための第2の実行可能部分をさらに含み、前記第1の実行可能部分は、前記価格敏感度分布および前記予測された市場に基づいて需要の少なくとも一方をモデル化する、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項63】
前記第1の実行可能部分は、複数の単位当り価格と、前記予測された市場における前記予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす、前記商品についての異なる単位数との関係を決定することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項62に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項64】
前記第2の実行可能部分は、前記市場を予測してから、前記予測された市場における前記予め規定された単位数の対応のパーセンテージを表わす前記商品についての異なる単位数に基づいて市場浸透度分布を決定し、前記第1の実行可能部分は、単位購入の分布および前記市場浸透度分布に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項62に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項65】
前記第2の実行可能部分は、モンテカルロ法に従って前記市場を予測する、請求項62に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項66】
前記第2の実行可能部分は、異なる市場を繰返し予測し、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、前記第1の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項62に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項67】
前記商品のコストをモデル化するための第2の実行可能部分と、
需要モデルおよびコストモデルに基づいて前記商品の収益性をモデル化するための第3の実行可能部分とをさらに含む、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項68】
前記第2の実行可能部分は、前記異なる単位数についての平均の単位当りコストをモデル化することによって前記コストをモデル化し、前記第3の実行可能部分は、前記異なる単位数についての前記平均の単位当りコストを、それぞれの異なる単位数についての前記単位当り価格から減じることによって前記収益性をモデル化する、請求項67に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項69】
前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するための第4の実行可能部分をさらに含み、前記第1の実行可能部分は、前記価格敏感度分布および前記予測された市場に基づいて前記需要をモデル化
し、前記第2の実行可能部分は、前記予測された市場に基づいて前記コストをモデル化する、請求項67に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項70】
前記第4の実行可能部分は、異なる市場を繰返し予測し、各々の予測された市場は、予め規定された単位数の前記商品を含み、前記第1の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記需要をモデル化し、前記第2の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記コストをモデル化し、前記第3の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記収益性をモデル化する、請求項69に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項71】
契約当り単位の分布、および、単位購入の分布と前記契約当り単位の分布との相関、に基づいて少なくとも1つの予め規定された数の契約についての少なくとも1つの契約購入集合を決定するための第2の実行可能部分をさらに含み、前記第1の実行可能部分は、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記市場潜在性分布に基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項72】
前記第2の実行可能部分は、
前記契約当り単位の分布に基づいて、予め規定された数の契約の各々に含まれた単位数を決定して、
前記予め規定された数の契約の各々に含まれた前記単位についての単位当り価格を決定することによって、各々の契約購入集合を決定する、請求項71に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項73】
前記第1の実行可能部分は、各々の異なる単位当り価格につき少なくとも1つの累積単位数を算出することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化し、前記第1の実行可能部分は、需要のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計することによって前記累積単位数を算出し、前記第1の実行可能部分は、供給のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数を合計することによって前記累積単位数を算出し、第1の実行可能部分はさらに、
各々の異なる単位当り価格と、前記少なくとも1つの契約購入集合についてのそれぞれの累積単位数とに基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項72に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項74】
前記第1の実行可能部分は、
各々の異なる単位当り価格についての少なくとも1つの累積単位数を算出することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化し、前記第1の実行可能部分は、前記予測された市場における前記予め規定された単位数と、需要のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以下の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計との差を決定することによって、前記累積単位数を算出し、前記第1の実行可能部分は、前記予測された市場における前記予め規定された単位数と、供給のモデル化の際に、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計との差を決定することによって前記累積単位数を算出し、前記第1の実行可能部分はさらに、
各々の異なる単位当り価格と、前記少なくとも1つの契約購入集合についてのそれぞれの累積単位数とに基づいて需要および供給の少なくとも一方をモデル化することによって、需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項72に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項75】
前記第2の実行可能部分は、各々の契約に含まれた単位数の合計が、前記予測された市
場における前記予め規定された単位数の或るパーセンテージに等しくなるように、各々の契約における単位数を決定する、請求項72に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項76】
各々の契約購入集合は、各々が或る単位数および単位当り価格を有する予め規定された数の契約を含み、前記コンピュータプログラム製品はさらに、モンテカルロ法に従って、各々の契約に含まれた単位数を決定するための第3の実行可能部分を含む、請求項71に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項77】
市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するための第3の実行可能部分をさらに含み、前記第1の実行可能部分は、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記予測された市場に基づいて前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項71に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項78】
前記第3の実行可能部分は、異なる市場を繰返し予測し、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、前記第2の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき少なくとも1つの契約購入集合を決定し、前記第1の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記商品についての需要および供給の少なくとも一方をモデル化する、請求項77に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項79】
前記商品についてのコストをモデル化するための第3の実行可能部分と、
需要モデルおよびコストモデルに基づいて前記商品の前記収益性をモデル化するための第4の実行可能部分とをさらに含む、請求項71に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項80】
前記市場潜在性分布に基づいて前記商品の予め規定された単位数をランダムに選択することによって市場を予測するための第5の実行可能部分をさらに含み、前記第1の実行可能部分は、前記少なくとも1つの契約購入集合および前記予測された市場に基づいて前記需要をモデル化し、前記第3の実行可能部分は、前記予測された市場に基づいて前記コストをモデル化する、請求項79に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項81】
前記第5の実行可能部分は、異なる市場を繰返し予測し、各々の予測された市場は、異なる予め規定された単位数の前記商品を含み、前記第1の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記需要をモデル化し、前記第3の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記コストをモデル化し、前記第4の実行可能部分は、前記予測された市場の各々につき前記収益性をモデル化する、請求項80に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項82】
前記第2の実行可能部分は、予め規定された数の契約の各々に含まれた数の単位について単位当り価格を決定することによって各々の契約購入集合を決定し、各々の異なる単位当り価格は、それぞれの単位当り価格以上の単位当り価格を有する各々の契約における単位数の合計を含む関連の累積単位数を有し、前記第3の実行可能部分は、前記異なる単位当り価格に関連する各々の累積単位数についての平均の単位当りコストをモデル化してから最低の単位当りコストを選択することによって、前記商品についての前記コストをモデル化し、前記第4の実行可能部分は、前記各々の累積単位数に関連する前記単位当り価格から前記最低の単位当りコストを減じることによって前記収益性をモデル化する、請求項79に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項83】
需要モデルおよび供給モデルの少なくとも一方の表示を生成することの可能な第2の実行可能部分をさらに含む、請求項57に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項84】
前記第2の実行可能部分は、前記商品についての異なる単位数および関連の逆累積価格のプロットを含む前記需要モデルの表示を生成し、前記第2の実行可能部分は、前記商品についての異なる単位数および関連の累積価格のプロットを含む前記供給モデルの表示を生成する、請求項83に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−526858(P2006−526858A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515132(P2006−515132)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017511
【国際公開番号】WO2004/109465
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company