説明

商品情報表示用タグ

【課題】第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を折曲げ部32の部分で180度まで比較的容易に折り曲げることができるようにし、折曲げ部32の部分で折り曲げた結果、はがれ(デザイン割れ)などが発生しないようにしてデザイン表示体裁上も好ましいものとすることができる商品情報表示用タグを提供すること。
【解決手段】折曲げ部32を二本の折り目線(ハーフカット16)から形成することに着目したもので、折曲げ部32を境にして二つ折りに折り曲げ可能な第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を有するとともに、折り曲げた状態で取付け具を用いて商品に取り付けることにより、商品に関する商品情報を表示するための商品情報表示用タグであって、折曲げ部32はこれを、互いに接近した二本の折り目線16によるものとしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品情報表示用タグにかかるもので、とくに衣料品その他の商品に取り付けて商品情報を表示するための商品情報表示用タグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の商品情報表示用タグとして、たとえば衣料品などの商品については、その価格やバーコードその他商品の詳細データはもちろん、その製造販売元ないしはアパレルメーカーやそのブランドなどの商品情報を表示する必要があり、タグの表裏面を有効に活用するために、たとえばその表面側にブランドなどのデザインを印刷表示し、その裏面側に価格やバーコードなどを印字表示している。
【0003】
図4は、商品情報表示用タグを複数枚連続して形成したタグ連続体1として示したもので、図4(1)は、その裏面側を示す平面図、図4(2)は、その表面側を示す平面図、図5は、図4(1)のV−V線断面図である。
タグ連続体1は、商品情報表示用タグ2を複数枚連続して帯状にこれを形成しており、所定のプリンター(図示せず)にこれを装填して、商品情報を印字したのち、カッター装置(図示せず)を用いて所定の切断線3において切断することにより、それぞれの商品情報表示用タグ2を作成することができる。
【0004】
図6は、切断して単葉状態とした商品情報表示用タグ2の平面図(裏面図)であって、商品情報表示用タグ2は、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を有するとともに、その境界部の折曲げ部6を境にして折り曲げる(折り畳む)ことができるようになっている。
図4(1)に示すように、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5の裏面領域7には、商品の番号、材料、価格やバーコードなどの商品情報を表示する。
第1のタグ本体4の裏面領域7には、たとえば、商品の番号8、材料9、製造アパレルメーカーの名称10などを印字し、第2のタグ本体5の裏面領域7には、小売店が利用するバーコード11、製造アパレルメーカーが利用するバーコード12および価格13などの商品情報を上記プリンターに装填して印字する。
図4(2)に示すように、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5の表面領域14(第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を折曲げ部6で折り曲げて表面側に位置する表面領域)には、商品情報の一部として商品に関するブランドその他を描いた販売用デザイン15を表示する。この販売用デザイン15は、タグ連続体1の製造時にあらかじめ多色印刷などにより販売促進に適したデザインを印刷する。
【0005】
折曲げ部6は、所定の歯を押し付けて形成する一般的な折り目線によるものか、あるいは、折り目線の一種として切断刃を利用して形成するハーフカット(図5に図示の例では、商品情報表示用タグ2の厚さ方向に所定深さまで切り込んだハーフカット16としている)などによるものからこれを形成する。
【0006】
一本のハーフカット16による折曲げ部6を境にして第1のタグ本体4および第2のタグ本体5の互いに対称な位置に、当該商品情報表示用タグ2の位置決め用の丸パンチ孔17および取付け孔部18を形成している。
位置決め用の丸パンチ孔17は、商品情報表示用タグ2をタグ連続体1としてプリンターに装填した際の商品情報表示用タグ2の位置決め用の貫通孔である。
取付け孔部18は、商品情報表示用タグ2を折曲げ部6の部分で折り曲げた状態でナイロンピンその他の取付け具19(図7)を用いて商品Mに取り付ける際に、位置決め用の丸パンチ孔17とともに、取付け具19を挿通するもので、この取り付けにより、商品M(図7)に関する商品情報を表示する。
ただし、取付け孔部18は、貫通カット部18Aと、この貫通カット部18Aにつながる貫通していないもろい部分18Bと、からなる。
取付け孔部18は、タグ連続体1をプリンターに装填した際には、貫通状態にはなく、位置決め用の丸パンチ孔17のみを位置検出用として利用することができるようにし、商品情報表示用タグ2の状態で折曲げ部6を境に折り曲げた際に、位置決め用の丸パンチ孔17にとおした取付け具19により取付け孔部18をあけるようにしている。
【0007】
なお、たとえば第2のタグ本体5には、商品Mを購入した顧客が製造アパレルメーカーが利用するバーコード12あるいは価格13部分を切り取ることができるように、一本あるいは二本のミシン目20を形成しておくことができる。
【0008】
図7は、商品Mに商品情報表示用タグ2を取り付けた状態を示す斜視図であって、折り曲げた第1のタグ本体4および第2のタグ本体5により商品Mを挟むようにした状態で、取付け具19を位置決め用の丸パンチ孔17、商品Mおよび取付け孔部18に挿通し、商品情報表示用タグ2を商品Mに取り付けて、必要な商品情報を表示する。
【0009】
しかしながら、こうした構成の商品情報表示用タグ2(タグ連続体1)において、とくに図5に仮想線で示すように、ハーフカット16が一本であるため、折曲げ部6の部分で第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を折り曲げようとしても、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を90度以上折り曲げづらいという問題がある。
したがって、無理に折り曲げようとすると、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5の折曲げ部6に沿った表面領域14部分に割れが生じて、はがれ21(デザイン割れ)が発生し、材料である紙材などの白地が見えてしまって、デザイン表示体裁上好ましくないという問題がある。
【0010】
【特許文献1】特開2004−50675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、折曲げ部の部分で折り曲げ可能とするとともに、第1のタグ本体および第2のタグ本体の表裏面に各種の商品情報を表示可能な商品情報表示用タグを提供することを課題とする。
【0012】
また本発明は、折曲げ部の部分での折曲げ(折畳み)を180度まで比較的容易に行うことができるようにした商品情報表示用タグを提供することを課題とする。
【0013】
また本発明は、折曲げ部の部分で折り曲げた結果、はがれ(デザイン割れ)などが発生しないようにしてデザイン表示体裁上も好ましいものとすることができる商品情報表示用タグを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち本発明は、折曲げ部を二本の折り目線から形成することに着目したもので、折曲げ部を境にして二つ折りに折り曲げ可能な第1のタグ本体および第2のタグ本体を有するとともに、折り曲げた状態で取付け具を用いて商品に取り付けることにより、この商品に関する商品情報を表示するための商品情報表示用タグであって、上記折曲げ部はこれを、互いに接近した二本の折り目線によるものとしたことを特徴とする商品情報表示用タグである。
【0015】
上記折曲げ部を境にして互いに対称な位置に、当該商品情報表示用タグの位置決め用の丸パンチ孔および上記取付け具用の取付け孔部を形成していることができる。
【0016】
上記第1のタグ本体および上記第2のタグ本体を上記折曲げ部で折り曲げて表面側に位置する表面領域に上記商品の販売用デザインを表示することができる。
【0017】
上記折り目線は、これをハーフカットから形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による商品情報表示用タグにおいては、折曲げ部を二本の折り目線から形成するようにしたので、折り目自体が180度まで折りやすくすることが可能となり、したがって、折ったあとの、印刷面(表面領域)のはがれやデザイン割れの発生を抑制し、商品情報表示用タグとしての価値の低下を防止可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、折曲げ部はこれを、互いに接近した二本の折り目線によるものとしたので、折曲げ部の表面部分における白く割れたはがれやデザイン割れなどの不体裁部分の発生を回避可能な商品情報表示用タグを実現した。
【実施例】
【0020】
つぎに本発明の実施例による商品情報表示用タグを図1ないし図3にもとづき説明する。ただし、図4ないし図7と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、商品情報表示用タグを複数枚連続して形成したタグ連続体30として示したもので、図1(1)は、その裏面側を示す平面図、図1(2)は、その表面側を示す平面図、図2は、図1(1)のII−II線断面図である。
タグ連続体30は、前述した従来のタグ連続体1と同様に、商品情報表示用タグ31を複数枚連続して帯状に形成しており、所定のプリンター(図示せず)にこれを装填して、商品情報を印字したのち、カッター装置(図示せず)を用いて所定の切断線3において切断することにより、それぞれの商品情報表示用タグ31を作成することができる。
【0021】
図3は、切断して単葉状態とした商品情報表示用タグ31の平面図(裏面図)であって、商品情報表示用タグ31は、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を有するとともに、その境界部の折曲げ部32を境にして折り曲げる(折り畳む)ことができるようになっている。
【0022】
折曲げ部32は、所定の歯を押し付けて形成する一般的な折り目線によるものか、あるいは、折り目線の一種として切断刃を利用して形成するハーフカット(図3に図示の例では、商品情報表示用タグ31の厚さ方向に所定深さまで切り込んだハーフカット16としている)などによるものからこれを形成する。
ただし、折曲げ部32はこれを、互いに接近した二本の折り目線(たとえば前記ハーフカット16)によるものとしている。このハーフカット16の互いの間の間隔は、タグ材料の厚さや材質に応じて、任意に設計可能であるが、少なくとも第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を180度まで容易に折り曲げることができるような間隔とする。
【0023】
こうした構成の商品情報表示用タグ31(タグ連続体30)において、折曲げ部32が二本のハーフカット16から構成されているので、図2に仮想線で示すように、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を折曲げ部32の部分で折り曲げる際に、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5を180度まで折り曲げることが可能となる。
【0024】
したがって、商品情報表示用タグ31としてその間に商品Mを挟んで折り畳む際に無理が生じないため、図7や図5に示した従来の商品情報表示用タグ2の場合のような、はがれ21が発生することなく、第1のタグ本体4および第2のタグ本体5のとくに折曲げ部32両側の表面領域14のデザインを良好に保持可能であって、商品Mの販売促進に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例による商品情報表示用タグ31を複数枚連続して形成したタグ連続体30として示したもので、図1(1)は、その裏面側を示す平面図、図1(2)は、その表面側を示す平面図である。
【図2】同、図1(1)のII−II線断面図である。
【図3】同、切断して単葉状態とした商品情報表示用タグ31の平面図(裏面図)である。
【図4】従来の商品情報表示用タグ2を複数枚連続して形成したタグ連続体1として示したもので、図4(1)は、その裏面側を示す平面図、図4(2)は、その表面側を示す平面図である。
【図5】同、図4(1)のV−V線断面図である。
【図6】同、切断して単葉状態とした商品情報表示用タグ2の平面図(裏面図)である。
【図7】同、商品Mに商品情報表示用タグ2を取り付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 商品情報表示用タグ2のタグ連続体
2 商品情報表示用タグ(従来、図4)
3 切断線
4 第1のタグ本体
5 第2のタグ本体
6 折曲げ部
7 第1のタグ本体4および第2のタグ本体5の裏面領域
8 商品の番号
9 商品の材料
10 製造アパレルメーカーの名称
11 小売店が利用するバーコード
12 製造アパレルメーカーが利用するバーコード
13 価格
14 第1のタグ本体4および第2のタグ本体5の表面領域
15 商品に関するブランドその他を描いた販売用デザイン
16 ハーフカット(折り目線)
17 位置決め用の丸パンチ孔
18 ナイロンピンその他の取付け具19用の取付け孔部
18A 取付け孔部18の貫通カット部
18B 取付け孔部18のもろい部分
19 ナイロンピンその他の取付け具(図7)
20 ミシン目
21 はがれ(図5、図7)
30 商品情報表示用タグ31のタグ連続体
31 商品情報表示用タグ(実施例、図1)
32 折曲げ部
M 商品(図7)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折曲げ部を境にして二つ折りに折り曲げ可能な第1のタグ本体および第2のタグ本体を有するとともに、
折り曲げた状態で取付け具を用いて商品に取り付けることにより、この商品に関する商品情報を表示するための商品情報表示用タグであって、
前記折曲げ部はこれを、互いに接近した二本の折り目線によるものとしたことを特徴とする商品情報表示用タグ。
【請求項2】
前記折曲げ部を境にして互いに対称な位置に、当該商品情報表示用タグの位置決め用の丸パンチ孔および前記取付け具用の取付け孔部を形成していることを特徴とする請求項1記載の商品情報表示用タグ。
【請求項3】
前記第1のタグ本体および前記第2のタグ本体を前記折曲げ部で折り曲げて表面側に位置する表面領域に前記商品の販売用デザインを表示することを特徴とする請求項1記載の商品情報表示用タグ。
【請求項4】
前記折り目線は、これをハーフカットから形成したことを特徴とする請求項1記載の商品情報表示用タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−49104(P2010−49104A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214493(P2008−214493)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)