説明

商品販売データ処理装置

【課題】本体に対してディスプレイが回転自在に接続された商品販売データ処理装置におけるさらなる省電力化を図ることが可能な商品販売データ処理装置を提供する。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、本体10と、ディスプレイ12と、加速度センサ19と、CPUと、を備える。ディスプレイ12は、本体10に対して回転自在に支持され、画像を表示するための表示面を有している。加速度センサ19は、ディスプレイ12が第1の回転位置(a)と第1の回転位置(a)以外の回転位置との何れにあるかを検出する。CPUは、ディスプレイ12が第1の回転位置(a)にある場合の表示面の輝度を、ディスプレイ12が第1の回転位置(a)以外の回転位置にある場合の表示面の輝度よりも低くするように、ディスプレイ12の表示面の輝度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商取引を決済処理するPOS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の商品販売データ処理装置(例えば電子式キャッシュレジスタ,POS端末)において、処理装置の本体とディスプレイとをヒンジを介して回転自在に接続したものが知られている。このような商品販売データ処理装置では、客とオペレータの両者がディスプレイに表示された画面を容易に見ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−43978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、商品販売データ処理装置において、バッテリ駆動可能なものが知られてきている。このような商品販売データ処理装置は、屋外等の容易に電源を確保できない場所でも使用可能である。しかしながら、商品販売データ処理装置で用いられるバッテリでは、長時間の駆動は困難である。このため、商品販売データ処理装置におけるさらなる省電力化が求められている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、本体に対してディスプレイが回転自在に接続された商品販売データ処理装置におけるさらなる省電力化を図ることが可能な商品販売データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、商品販売データ処理装置は、本体と、表示部と、検出部と、制御部と、を備える。表示部は、本体に対して回転自在に支持され、画像を表示するための表示面を有している。検出部は、表示部が第1の回転位置と該第1の回転位置以外の回転位置との何れにあるかを検出する。制御部は、表示部が第1の回転位置にある場合の表示面の輝度を、表示部が第1の回転位置以外の回転位置にある場合の表示面の輝度よりも低くするように、表示面の輝度を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係るPOS端末の外観斜視図である。
【図2】本体に対するディスプレイの回転について説明するための図である。
【図3】本実施形態に係るPOS端末のシステム構成例を表すブロック図である。
【図4】POS端末のCPUによって制御される登録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、例えば店舗や屋外等で利用されるPOS端末を例にして、商品販売データ処理装置の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るPOS端末の外観斜視図である。図1に示すように、POS端末1は、後述する各構成部材が収容された本体10と、本体10上に配設されたディスプレイ12と、を有している。本実施形態において、ディスプレイ12は、本体10に対して略90度の範囲で回転自在なように、例えばヒンジを介して本体10に支持されている。このような構成により、ディスプレイ12は、図2(a)に示す第1の回転位置と、図2(b)に示す第2の回転位置との間で、ヒンジ10aを軸として回転される。
【0009】
ここで、第1の回転位置は、本体10の上面にディスプレイ12が接触する位置である。図2(a)に示すように、本体10の上面は、地表に対して傾斜を持つように構成されている。したがって、ディスプレイ12が第1の回転位置にある状態では、ディスプレイ12も地表に対して傾斜した状態となる。このようなディスプレイ12が第1の回転位置にある状態は、ディスプレイ12の表示面がオペレータ(店員)によって見られることを想定した状態である。このため、ディスプレイ12が第1の回転位置にある状態では、オペレータ用の画面を表示させるようにしても良い。
【0010】
一方、第1の回転位置以外の回転位置の一例としての第2の回転位置は、図2(b)に示すように、本体10の上面からディスプレイ12が離れる位置である。ディスプレイ12が第2の回転位置にある状態では、ディスプレイ12が地表に対して略垂直な状態となる。このようなディスプレイ12が第2の回転位置にある状態は、ディスプレイ12の表示面が客によって見られることを想定した状態である。このため、ディスプレイ12が第2の回転位置にある状態では、客用の画面を表示させるようにしても良い。
【0011】
ここで、ディスプレイ12が第1の回転位置と第1の回転位置以外の回転位置の何れにあるのかは、例えばディスプレイ12に設けられた加速度センサ19によって検出する。加速度センサ19は、ディスプレイ12が、図2(a)に示す第1の回転位置にある状態で重力加速度(約9.8m/s)を示すように構成されている。この状態から、ディスプレイ12が、図2(b)に示す第2の回転位置になると、加速度センサ19の出力が重力加速度から変化する。この加速度の変化によって、ディスプレイ12が第1の回転位置と第1の回転位置以外の回転位置の何れにあるのを検出することが可能である。なお、加速度センサ19の出力から、本体10の上面に対するディスプレイ12の回転角度θを検出することも可能である。
【0012】
図3は、本実施形態に係るPOS端末のシステム構成例を表すブロック図である。図3に示すように、本体10は、電源回路101と、充放電回路103と、バッテリ105と、電源スイッチ107と、CPU109と、クロック発振器109cと、入出力(I/O)コントローラ111と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)115と、通信インターフェイス(I/F)117と、HDD(Hard Disc Drive)119と、プリンタ121と、を有している。この他、図3に示すように、本体10には、現金等を収容するためのドロワ16と、買物客に対して商品販売データや取引に係る合計金額等を表示するための客用ディスプレイ17と、商品に付与されたバーコード等を読み取るためのスキャナ18と、がそれぞれ取り付けられている。
【0013】
また、ディスプレイ12は、タッチパネル12−1と、LCD(Liquid Crystal Display)12−2と、加速度センサ19と、を有している。
【0014】
電源スイッチ107は、POS端末1の主電源スイッチである。電源スイッチ107は、ON状態では充放電回路103と電源回路101とを接続する。充放電回路103には、バッテリ105が接続されている。バッテリ105は、商用電源を用いずにPOS端末1を動作させるためのバッテリである。このバッテリ105は、例えば屋外等の商用電源の確保が困難な場合に利用する駆動電源として機能する。また、充放電回路103は、商用電源にも接続できるように構成されている。充放電回路103は、商用電源の使用時に電源スイッチ107がON状態にされたら、商用電源の電力を電源回路101に供給する。また、充放電回路103は、バッテリ105の充電時には商用電源の電圧をバッテリ105に印加してバッテリ105を充電し、バッテリ105の放電時には充電されたバッテリ105の放電電力を電源回路101に供給する。電源回路101は、電源スイッチ107がON状態にされ、充放電回路103から電力が供給された際、バッテリ105又は商用電源の電圧をPOS端末1の各部に印加し、本体10の各部を駆動するための電力を供給する。
【0015】
CPU109は、POS端末1の各部を統括的に制御する制御部である。CPU109は、ROM113及びHDD119に格納された各種プログラムを読み出してそれを実行することで動作する。クロック発振器109cは、CPU109にクロック信号を供給する。クロック信号の供給は、制御信号の送受信に用いられるバスではなく、クロック信号を送信するためのラインCLKを介して行われる。CPU109は、クロック発振器109cから供給されたクロック信号に同期して動作する。
【0016】
ROM113は、CPU109が実行する各種プログラムや各種データテーブル等を記憶している。ここで、本実施形態のROM113は、各種データテーブルの1つとして、ディスプレイ12の回転角度とディスプレイ12の表示面の輝度(バックライト12bの輝度)とを対応付けたテーブルを記憶している。ここで、本実施形態では、ディスプレイ12の回転角度θがオペレータ側に近い回転角度である場合の輝度よりも、ディスプレイ12の回転角度θが客側に近い回転角度である場合の輝度のほうが相対的に低くなるように、回転角度θと輝度との対応付けがなされている。なお、このテーブルは、後述するHDD119や調光回路12mに記憶させておくようにしても良い。
【0017】
RAM115は、CPU109が各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するメモリである。RAM115は、商品の販売記録を示す商品販売データを記憶する取引メモリと、ディスプレイ12や客用ディスプレイ17に表示する各種の画面表示データを記憶する表示データメモリとを少なくとも備えている。
【0018】
I/Oコントローラ111は、データバスによってCPU109及び各I/O機器に接続されているコントローラである。CPU109は、I/Oコントローラ111を介してPOS端末1のシステム全体を制御する。通信I/F117は、POS端末1のホストサーバや管理センタとの無線通信/有線通信を制御するための通信インターフェイスである。
【0019】
HDD119は、各種情報を記憶する記憶媒体であり、例えば商品データファイルを記憶している。商品データファイルは、例えば各商品を識別する商品識別コード(以下、商品コードと略称する)に対応して、商品名及び単価等の商品データがプリセットされているデータファイルである。CPU109は、商品コードがPOS端末1に入力されると、HDD119に記憶された商品データファイルを検索してその商品コードに対応する商品データを取り込み、この商品データに基づいて商品販売データについて登録処理を実行する。なお、HDD119には、上述の商品データファイルの他、例えば後述する会計毎の売上データ等を記憶させても良い。
【0020】
商品コードは、POS端末1を操作するキャッシャと称されるオペレータが、例えばスキャナ18でバーコードを読み取ったり、タッチパネル12−1又は図示しないキーボードを用いて入力したりすることで入力される。商品コードの入力方式は、本実施形態の特徴部に係るものではないので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0021】
タッチパネル12−1は、例えば抵抗膜方式のタッチパネルである。タッチパネル12−1は、ユーザが指先やタッチペンで触れる接触操作を行った位置に応じた電気信号を出力する。I/Oコントローラ111は、タッチパネル12−1から出力される電気信号に基づいて接触位置の座標を算出してCPU109に通知する。
【0022】
LCD12−2は、液晶ディスプレイからなる表示部であって、画像を表示するための表示面を有している。また、このLCD12−2は、バックライト12bと調光回路12mとを有する。バックライト12bは、液晶ディスプレイの表示面の裏面に配設され、当該表示面を裏面側から照明する。調光回路12mは、CPU109から受信した制御信号に基づいて、バックライト12bの輝度の高低、及び点灯/消灯を制御する。調光回路12mによる輝度制御は、上述のROM113に記憶されているテーブルに従って行われる。
【0023】
検出部の一例としての加速度センサ19は、ディスプレイ12が第1の回転位置にあるときに重力加速度を出力するようにその向きが設定された加速度センサである。CPU109は、重力加速度からの加速度変化から、ディスプレイ12の回転角度θを検出する。なお、加速度センサ19の出力は、I/Oコントローラ111を介してCPU109に通知される。
【0024】
商品販売における本実施形態に係るPOS端末1の動作を、図4を参照して説明する。図4は、POS端末1のCPU109によって制御される登録処理を示すフローチャートである。この登録処理は、キャッシャが、POS端末1の例えばタッチパネル12−1を操作して商品登録業務を選択すると開始される。
【0025】
S1において、CPU109は、加速度センサ19の出力から、ディスプレイ12の回転角度θを検出する。そして、S2において、CPU109は、ディスプレイ12の回転角度θが変化したか否か(即ち加速度が変化したか否か)を判定する。S2において、ディスプレイ12の回転角度θが変化していない(NO)と判定した場合に、CPU109は、処理をS6に移行させる。
【0026】
また、S2において、ディスプレイ12の回転角度θが変化した(YES)と判定した場合に、S3において、CPU109は、ディスプレイ12の回転角度θが客側に近い回転角度、即ち第2の回転位置に近い回転角度であるか否かを判定する。第2の回転位置に近い回転角度であるか否かの判定は、例えば回転角度θが所定の閾値を超えているか否かを判定することによって行う。
【0027】
S3において、ディスプレイ12の回転角度θが客側に近い回転角度である(YES)と判定した場合に、S4において、CPU109は、バックライト12bの輝度を制御するように調光回路12mに指示を出力する。上述したように、ROM113には、ディスプレイ12の回転角度θとディスプレイ12の表示面の輝度(バックライト12bの輝度)とを対応付けたテーブルが記憶されている。CPU109は、ROM113からこのテーブルを読み出し、回転角度θに応じて最適に設定された輝度の指示値を調光回路12mに出力する。本実施形態では、ディスプレイ12の回転角度θがオペレータ側に近い回転角度である場合の輝度よりも、ディスプレイ12の回転角度θが客側に近い回転角度である場合の輝度のほうが相対的に低くなるように、回転角度θと輝度との対応付けがなされている。したがって、S4においては、調光回路12mによって、バックライト12bの輝度が相対的には高くなる。実際には、バックライト12bの輝度を相対的に高くしつつ、回転角度θに応じた最適な輝度でバックライト12bを点灯させることが好ましい。
【0028】
また、ディスプレイ12の位置が第1の回転位置から第2の回転位置に切り替わる際、ディスプレイ12の表示面にそれまで表示されていた画像は、その上下が逆転することになる。このため、回転角度θが変化したと判定した場合には、ディスプレイ12に表示中の画像の上下を逆転させるようにすることが好ましい。
【0029】
S3において、ディスプレイ12の回転角度θが客側に近い回転角度でない(NO)と判定した場合に、S5において、CPU109は、バックライト12bの輝度を制御するように調光回路12mに指示を出力する。上述したように、本実施形態では、ディスプレイ12の回転角度θがオペレータ側に近い回転角度である場合の輝度よりも、ディスプレイ12の回転角度θが客側に近い回転角度である場合の輝度のほうが相対的に低くなるように、回転角度θと輝度との対応付けがなされている。したがって、S5においては、調光回路12mによって、バックライト12bの輝度が相対的には低くなる。実際には、バックライト12bの輝度を相対的に低くしつつ、回転角度θに応じた最適な輝度でバックライト12bを点灯させることが好ましい。
【0030】
S4又はS5の後、CPU109は、処理をS6に移行させる。S6において、CPU109は、入力がなされたか否かを判定する。ここで入力とは、例えば、キャッシャによってタッチパネル12−1又はスキャナ18が操作されたこと等を意味する。S6において、入力がなされていない(NO)と判定した場合、即ちキャッシャがPOS端末1を操作していない場合、CPU109は、処理をS1に戻す。即ち、入力がなされるまでは、回転角度θに応じたディスプレイ12の表示面の輝度制御が繰り返される。
【0031】
S6において、入力がなされた(YES)と判定した場合、S7において、CPU109は、商品コードが入力されたか否かを判定する。S7において、商品コードが入力されていない(NO)と判定した場合に、CPU109は、処理をS7に戻す。即ち、商品コードが入力されるまで、処理は待機状態となる。
【0032】
S7において、商品コードが入力された(YES)と判定した場合、S8において、CPU109は、入力された商品コードについて、HDD119に記憶された商品データファイルを検索し、当該商品コードに対応して記憶されている商品名、単価等の商品情報を検出して取り込む。S9において、CPU109は、S8において取得した商品情報と例えばタッチパネル12−1を用いてキャッシャにより入力された販売点数とに基づいて、商品販売データを生成し、RAM115の取引メモリに登録する。ここで、商品販売データは、例えば、販売商品の商品コード、販売点数、及び販売金額(単価×販売点数)を少なくとも含む。S10においてCPU109は、ディスプレイ12及び客用ディスプレイ17に、S9で登録した商品販売データを表示させる。
【0033】
S11においてCPU109は、小計キーの入力がなされたか否か、すなわち“小計指示”がなされたか否かを判定する。ここで“小計指示”は、キャッシャが例えばディスプレイ12に表示された“小計キー”を接触操作すること等によりなされる指示であり、“当該取引を締めるための指示”である。S11において、小計キーの入力がない(NO)と判定した場合、即ち“小計指示”がなされていない場合、CPU109は、処理をS7に戻す。このとき、CPU109は、次の商品コードの入力を待つ。
【0034】
S11において、小計キーの入力がある(YES)と判定した場合、即ち“小計指示”がなされた場合、S12において、CPU109は、当該取引に係る合計金額(商品代金)を算出し、それをディスプレイ12及び客用ディスプレイ17に表示させる。S13において、CPU109は、“現計キー”が入力されたか否か、即ち“現計操作”がなされたか否かを判定する。ここで、“現計操作”は、キャッシャが例えばディスプレイ12に表示された“現計キー”を接触操作すること等によりなされる操作であり、“客からの預かり金額を入力した後に決済処理するための操作”である。S13において、“現計キー”が入力されていない(NO)と判定した場合、CPU109は、処理をS13に戻す。即ち、処理は、代金支払いを待つ待機状態となる。
【0035】
S13において、“現計キー”の入力がなされた(YES)と判定した場合、S14において、CPU109は、“客からの預かり金額”から“当該取引に係る合計金額(商品代金)”を差し引いて“釣り銭額”を算出し、ディスプレイ12及び客用ディスプレイ17に表示させる。S15において、CPU109は、プリンタ121にレシートを印字させるためのレシート印字コマンドを送信する。その結果、プリンタ121は、当該取引の詳細情報を記載したレシートの印字を開始する。
【0036】
S16においてCPU109は、ドロワ16に対して、ドロワ開放コマンドを送信する。キャッシャは、開放されたドロワ16に“預かり金”を収容するとともに“釣り銭”を取り出す。S17において、CPU109は、当該取引の詳細情報を示す売上データを、通信I/F117を介して図示しないホストサーバに送信する。
【0037】
S18において、CPU109は、プリンタ121からレシートの印字を終了した旨の信号が入力されたか否かを判定する。S18において、印字終了の入力がない(NO)と判定した場合に、CPU109は、処理をS18に戻す。即ち、印字終了まで処理は待機状態となる。
【0038】
S18において、印字終了の入力がある(YES)と判定した場合、S19において、CPU109は、本登録処理の終了の指示が入力されたか否かを判定する。S19において、終了の指示が入力されていない(NO)と判定した場合、CPU109は、処理をS1に戻す。この場合、例えばキャッシャによる次の客の対応まで、処理はS1で待機状態となる。S19において、終了の指示が入力された(YES)と判定した場合、CPU109は、処理を終了させる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、ディスプレイ12がオペレータ側である第1の回転位置にあるときの表示面の輝度を相対的に低くすることにより、省電力化を図ることが可能である。一方、ディスプレイ12が客側である第1の回転位置以外の回転位置(例では第2の回転位置)にあるときの表示面の輝度を相対的に高くすることにより、明るく鮮明な表示を行うことが可能である。このように、本実施形態によれば、省電力化を図りつつ、ディスプレイ12の回転角度に応じた最適な輝度での表示を行うことが可能である。このため、POS端末1がバッテリ駆動された場合のさらなる長時間の駆動が可能となる。
【0040】
ここで、本実施形態では、検出部の一例として加速度センサを示したが、検出部として角速度センサを用いるようにしても良い。この他、ヒンジ10aの回転量を、エンコーダ等を用いて検出するようにしても良い。
【0041】
また、本実施形態では、表示部の一例として液晶ディスプレイ(LCD)を示したが、有機ELディスプレイ等の表示面の輝度を変更できる各種のディスプレイを表示部として用いることが可能である。
【0042】
なお、前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROM113に発明の機能を実現させる制御プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされても良い。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされても良い。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであっても良い。
【0043】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1…POS端末、10…本体、12…ディスプレイ、12−1…タッチパネル、12−2…LCD、12b…バックライト、12m…調光回路、16…ドロワ、17…客用ディスプレイ、17…客用ディスプレイ、18…スキャナ、19…加速度センサ、101…電源回路、103…充放電回路、105…バッテリ、107…電源スイッチ、109…CPU、109c…クロック発振器、111…I/Oコントローラ、113…ROM、115…RAM、119…HDD、121…プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該商品販売データ処理装置の本体と、
前記本体に対して回転自在に支持され、画像を表示するための表示面を有する表示部と、
前記表示部が第1の回転位置と該第1の回転位置以外の回転位置との何れにあるかを検出する検出部と、
前記表示部が前記第1の回転位置にある場合の前記表示面の輝度を、前記表示部が前記第1の回転位置以外の回転位置にある場合の前記表示面の輝度よりも低くするように、前記表示面の輝度を制御する制御部と、
を具備することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記第1の回転位置は、前記表示面がオペレータの側を向く位置であり、前記第1の回転位置以外の回転位置は、前記表示面が客の側を向く位置であることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記表示部に発生した加速度の変化に応じて、前記表示部が第1の回転位置と前記第1の回転位置以外の回転位置との何れにあるかを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
バッテリをさらに具備し、
前記バッテリを駆動電源として駆動されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−58097(P2013−58097A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196316(P2011−196316)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】