説明

商品販売管理システム及びその商品販売管理方法

商品販売管理システムは、複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機1とこれらと通信回線70を介して接続された販売機管理装置80を有する。商品販売機1は、管理する時刻を販売機管理装置80が管理する時刻に一致させる時刻調整管理部64と、払い出された商品の販売数、販売時刻等を含む販売情報を管理する情報管理部63と、販売情報を販売機管理装置80に送信する時刻を設定する送信時刻設定部66と、送信時刻になると販売情報を販売機管理装置80に送信する情報送信部65を有する。情報管理部63は収容部内の温度を検出する温度センサ51の温度情報を管理し、商品の販売価格を販売機管理装置80で設定された販売価格に変更する。情報送信部65は販売情報とともに温度情報も販売機管理装置80に送信する。これにより、商品販売機に収容される商品の品質管理ができ、販売情報に応じて販売価格の変更を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、これらと通信回線を介して接続されて商品販売機を管理する販売機管理装置とからなる商品販売管理システム及びその商品販売管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の商品販売機には、カプセルに収容された玩具、菓子若しくは人形等をばら売りする販売機(以下、「ばら売り販売機」と記す。)が知られている。このばら売り販売機は、商品を内蔵した複数のカプセルを収容する収容部と、収容部よりも下方位置に配設されてカプセルを払い出す商品払出口と、収容部及び商品払出口間に配設されて収容部内のカプセルを商品払出口に払い出すときに回動操作されるハンドルと、購入代金を受け入れる代金投入部等を有して構成される。
【0003】
このばら売り販売機は、設置スペースが小さく、また電力供給を受けずに稼働可能に構成されているものが多いので、ショッピングセンターの余剰スペース、店頭及びばら売り販売機を管理する管理者が常駐しない場所等に設置されている。
【0004】
また、ばら売り販売機は、販売機毎が一つの販売単位となっているので、販売代金も販売機毎に格納され、管理者は販売代金の回収のたびに、それぞれの販売機の金庫を開錠して回収しなければならず、回収作業が煩わしい。このため、複数のばら売り販売機を一つの販売単位とし、購入代金を受け入れる代金投入部を一つに集中し、代金投入部の近傍位置に販売機に対応するスイッチ部を設け、所望する販売機に対応したスイッチ部を操作することで、各販売機に代金を投入した場合と同様の効果を得るように構成されたものもある。
【0005】
これらのばら売り販売機はいずれの場合であっても、所定の回収スケジュールに従って、販売機の管理者が各販売機の販売代金を回収しなければならないので、売り上げが殆ど無い場合でも、管理者は販売代金の回収スケジュールに従って販売代金の回収作業を行なわなければならない。また、回収スケジュール内に繁忙日が含まれている場合には、満杯状態になって販売機が商品の販売をすることが不可能になる虞があるので、販売機の管理者は、より短い回収スケジュールに従って販売代金の回収を行なわなければならず、代金回収作業の作業効率が低くなっている。
【0006】
そこで、代金回収作業を効率的に行なうため、販売機内に携帯電話等の無線通信端末機を設置し、商品在庫数、販売代金等の販売機の各種情報を音声情報として形成し、これらの音声情報を、電話回線を介して無線通信端末機により管理者に通報する自動販売機が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−53903号公報(第2頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の自動販売機では、管理者は販売機の近くに常駐していないので、商品を収容する収容部が故障したり破損等したりすると、収容部内の温度や湿度が変化して商品の品質が劣化する虞が生じることから、品質劣化し難い商品しか収容することができず、収容可能な商品の選択の幅が小さかった。また、従来の自動販売機では、急激な温度等の変化による商品の品質劣化には対応できず、品質劣化した商品を販売してしまう虞があった。さらに、従来の自動販売機では、商品の販売価格の変更時期が商品の補充時や販売代金の回収時に限られるので、商品の品質保持期限を考慮した価格設定をすることが困難であり、顧客の要望を反映した価格設定が難しいという問題が生じる。
【0009】
本発明はこうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、複数の商品販売機と、これらの商品販売機と通信回線を介して接続された販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムにおいて、収容部に収容される商品の品質管理が可能であり、商品の品質を考慮した価格設定を可能にする商品販売管理システム及び商品販売管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、該複数の商品販売機と通信回線を介して接続されてこれら複数の商品販売機を管理する販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムであって、販売機管理装置は、時刻を管理するとともに、管理している時刻情報を複数の商品販売機に送信可能であり、複数の商品販売機のそれぞれには、時刻を管理するとともに、管理している該時刻を販売機管理装置から送信される時刻に一致させる時刻調整管理手段(例えば、実施形態における時刻調整管理部64)と、商品販売機の収容部から払い出された商品の種類、該商品の販売数、販売代金及び販売時刻の少なくともいずれかを含む販売情報を管理する情報管理手段(例えば、実施形態における情報管理部63)と、販売情報を販売機管理装置に送信する時刻を設定する送信時刻設定手段(例えば、実施形態における送信時刻設定部66)と、送信時刻設定手段により設定された時刻になると情報管理手段により管理されている販売情報を販売機管理装置に送信する情報送信手段(例えば、実施形態における情報送信部65)とが設けられ、商品販売機は、該商品販売機の情報送信手段により販売情報を送信するときに、該商品販売機が管理している時刻情報を該販売情報とともに販売機管理装置に送信し、販売機管理装置は、販売情報を受信すると、該販売情報を送信した商品販売機に販売機管理装置が管理している時刻情報を送信し、該時刻情報を受信した商品販売機の時刻調整管理手段は、該時刻調整管理手段が管理する時刻を販売機管理装置から送信された時刻に一致させることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の商品販売管理システムの発明において、複数の商品販売機のそれぞれは、収容部内の温度及び湿度の少なくともいずれかを検出する検出手段(例えば、実施形態における温度センサ51)を有し、情報送信手段により送信される販売情報には、該販売情報が販売機管理装置に送信されるときの少なくとも直前の検出手段により検出された温湿度情報が含まれることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の商品販売管理システムの発明において、販売機管理装置は、複数の商品販売機のそれぞれにより販売される商品の販売価格を設定する価格設定手段(例えば、実施形態における価格設定部82)を有し、販売機管理装置は、商品販売機から送信された販売情報を受信すると、価格設定手段により設定された販売価格の価格情報を、販売情報を送信した商品販売機に送信し、該価格情報を受信した商品販売機の情報管理手段は、自己が管理する販売価格を該価格設定手段により設定された販売価格に変更することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の商品販売管理システムの発明において、商品販売機の収容部は、複数種類の商品を種類毎に収容可能に構成され、商品販売機は、商品の販売代金を受け入れて所望の種類の商品の選択操作に応じて該商品を払い出させる販売管理を行なう販売管理部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、該複数の商品販売機と通信回線を介して接続されてこれら複数の商品販売機を管理する販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムにおいて、複数の商品販売機により販売される商品の販売情報を管理する商品販売管理方法であって、商品販売機の収容部から払い出された商品の種類、該商品の販売数、販売代金及び販売時刻の少なくともいずれかを含む販売情報を、予め設定された送信時刻に販売機管理装置に送信するステップと、該販売機管理装置が、販売情報を受信すると、販売情報を送信した商品販売機に該販売機管理装置が管理する時刻情報を送信するステップと、該商品販売機が自己が管理する時刻情報を受信した該時刻情報に一致させるステップとを有することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、該複数の商品販売機と通信回線を介して接続されてこれら複数の商品販売機を管理する販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムにおいて、複数の商品販売機により販売される商品の販売情報を管理する商品販売管理方法であって、販売機管理装置が、商品販売機から送信された商品の販売情報に応じて該商品の販売価格を設定し、この設定した販売価格を、販売情報を送信した商品販売機に送信するステップと、商品販売機が、自己が管理する商品の販売価格を販売機管理装置から送信された価格情報の販売価格に変更して設定するステップと、販売機管理装置が、商品販売機からの販売価格の変更完了通知を受信すると、変更完了通知を送信した商品販売機に該販売機管理装置が管理する時刻情報を送信するステップと、該商品販売機が自己が管理する時刻情報を受信した該時刻情報に一致させるステップとを有することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の商品販売管理システムにおいて、販売機管理装置から商品販売機に送信される時刻情報の時刻は、該販売機管理装置及び該商品販売機のそれぞれの設置場所との間に時差が有る場合には、商品販売機が設置された設置場所の時差を含んだ時刻情報であることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項5又は6に記載の商品販売管理方法において、販売機管理装置から商品販売機に送信される時刻情報の時刻は、該販売機管理装置及び該商品販売機のそれぞれの設置場所との間に時差が有る場合には、商品販売機が設置された設置場所の時差を含んだ時刻情報であることを特徴とする。
【0018】
請求項1記載の商品販売管理システムによれば、販売機管理装置に複数の商品販売機の販売情報が送信されるので、販売機管理装置に商品の販売情報を集中させることができる。このため、販売情報から商品の販売状況を容易に認識することができる。また、販売情報に商品が販売された販売時刻を含む場合には、収容部に商品が収容された時刻と商品が販売された時刻とから、販売された商品が品質保持期限内にあるか否かの判断をすることができ、商品の品質管理が可能になる。その結果、品質管理が必要な商品を商品販売機に収容することが可能になり、商品販売機に収容可能な商品の選択の幅を拡大することができる。また、販売情報に販売時刻を含ませることで、商品が売れた時刻から商品販売機に収容された商品の売れ行き状況を知ることができ、該商品の販売代金の回収時期の予想が可能になり、所定の回収スケジュールに従って販売代金の回収を行なう場合と比較して、販売代金の回収作業を効率的に行なうことができる。また、商品販売機が管理する時刻を販売機管理装置が管理する時刻に一致させることで、商品販売機から送信される販売情報の送信時刻を正確に設定することができる。このため、複数の商品販売機のそれぞれから販売機管理装置に販売情報が送信されるときのそれぞれの送信時刻をずらして設定した場合、これらの設定した送信時刻がずれて同一時刻に送信される虞を未然に防止することができる。
【0019】
請求項2記載の商品販売管理システムによれば、商品販売機に収容部内の温度及び湿度の少なくともいずれかを検出する検出手段を設け、送信される販売情報に、販売情報が販売機管理装置に送信されるときの少なくとも直前の検出手段により検出された温湿度情報を含ませることで、商品を収容する収容部内の温度や湿度を知ることができる。このため、収容部に収容された商品の品質管理を行なうことが可能になる。
【0020】
請求項3記載の商品販売管理システムによれば、販売機管理装置は商品の販売価格を設定する価格設定手段を有し、販売機管理装置が商品販売機からの販売情報を受信すると、価格設定手段により設定された販売価格の価格情報を商品販売機に送信し、該価格情報を受信した商品販売機は自己が管理する販売価格を該価格情報の販売価格に変更することで、販売情報に応じて商品販売機により販売される商品の販売価格を自由に設定することができる。このため、商品の売り上げが悪いときや商品の品質が劣化したとき等の事情を考慮して、商品の販売価格を設定することができ、また商品の顧客の要望に合った商品価格を設定することができる。
【0021】
請求項4記載の商品販売管理システムによれば、商品販売機の収容部は複数種類の商品を種類毎に収容可能であり、商品販売機は、商品の販売代金を受け入れて所望の種類の商品の選択操作に応じて商品払出手段を介して該商品を払い出させる販売管理を行なう販売管理部を有することで、複数の商品販売機を一つの販売単位として、販売代金の受入口を集中させることができる。このため、商品販売機毎に販売代金の回収をする必要性がなくなり、販売代金の回収業務の労力を軽減することができる。また、商品販売機の代金受入口を一つに集中させることで、商品販売機内に余剰スペースができて、商品販売機の設計の自由度を向上させることができる。
【0022】
請求項5記載の商品販売管理方法によれば、商品販売機から払い出された商品、該商品の販売数、販売代金及び販売時刻の少なくともいずれかを含む販売情報を、予め設定された送信時刻に販売機管理装置に送信し、販売機管理装置が、販売情報を受信すると、販売情報を送信した商品販売機に販売機管理装置が管理する時刻情報を送信し、該時刻情報を受信した商品販売機が、該商品販売機が管理する時刻を該時刻情報の時刻に一致させることで、販売情報から商品の販売状況を正確に認識することができる。また、販売情報に商品が販売された販売時刻を含む場合には、収容部に商品が収容された時刻と商品が販売された時刻とから、販売された商品が品質保持期限内にあるか否かの判断をすることができ、商品の品質管理が可能になる。その結果、品質管理が必要な商品を商品販売機に収容することが可能になり、商品販売機に収容可能な商品の選択の幅を拡大することができる。また、販売情報に販売時刻を含ませることで、商品の販売時刻から商品の売れ行き状況を知ることができ、該商品の販売代金の回収時期の予想が可能になり、所定の回収スケジュールに従って販売代金の回収を行なう場合と比較して、販売代金の回収作業を効率的に行なうことができる。また、商品販売機が管理する時刻を販売機管理装置が管理する時刻に一致させることで、商品販売機から送信される販売情報の送信時刻を正確に設定することができる。このため、複数の商品販売機のそれぞれから販売機管理装置に販売情報が送信されるときのそれぞれの送信時刻をずらして設定した場合、これらの設定した送信時刻がずれて同一時刻に送信される虞を未然に防止することができる。
【0023】
請求項6記載の商品販売管理方法によれば、販売機管理装置が、商品販売機から送信される販売情報に応じて商品の販売価格を設定して、この設定した販売価格を商品販売機に送信し、商品販売機が、自己が管理する商品の販売価格を販売機管理装置からの価格情報の販売価格に変更して設定し、販売機管理装置が、商品販売機からの販売価格の変更完了通知を受信すると、変更完了通知を送信した商品販売機に販売機管理装置が管理する時刻情報を送信し、時刻情報を受信した商品販売機は自らが管理する時刻を時刻情報の時刻に一致させることで、販売情報に応じて、商品販売機により販売される商品の販売価格を自由に設定することができる。このため、商品の売り上げが悪いときや、商品の品質が劣化したとき等の事情を考慮して、商品の販売価格を設定することができ、また商品の顧客の要望に合った商品価格に設定することができる。また商品販売機が管理する時刻を販売機管理装置の管理する時刻と一致させることで、販売情報に含まれる販売時間を正確に認識することができ、商品の販売状況をより正確に把握することが可能になり、その結果として商品の販売価格を販売状況に沿った適切な価格に設定することができる。
【0024】
請求項7又は8記載の商品販売管理システム又は商品販売管理方法によれば、販売機管理装置から商品販売機に送信される時刻情報の時刻は、該販売機管理装置及び該商品販売機のそれぞれの設置場所との間に時差が有る場合には、商品販売機が設置された設置場所の時差を含んだ時刻にすることで、商品販売機から送信される販売情報のうちの販売時刻を商品販売機の設置場所に応じた時刻にすることができる。従って、商品が販売された時が、例えば、午前なのか午後なのかを明確に把握することができ、商品の販売情報の把握をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る商品販売管理システムを表した図である。
【図2】図1に示した商品販売管理システム内の商品販売機の斜視図である。
【図3】この商品販売機のブロック図である。
【図4】本実施形態に係る商品販売管理方法を示したフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る商品販売管理方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本発明に係わる商品販売管理システムの実施形態では、商品を内蔵したカプセルを複数収容したばら売り販売ユニットを複数備えた商品販売機に適用された場合について説明する。先ず、本発明に係わる商品販売管理方法を説明する前に、この商品販売管理方法が適用される商品販売管理システムについて説明する。
【0027】
本発明に係わる商品販売管理システムは、図1に示すように、複数のばら売り販売ユニット10を有してなる複数の商品販売機1と、該複数の商品販売機1と通信回線70を介して接続されてこれら複数の商品販売機1を管理する販売機管理装置80とを有してなる。
【0028】
複数の商品販売機1と販売機管理装置80とを繋ぐ通信回線70は、有線/無線のどちらであってもよく、例えば、公衆回線網、専用線網(LAN等)、PHS/携帯電話網、無線通信ネットワーク等である。
【0029】
商品販売機1は、図2に示すように、中間部に商品の販売代金を受け入れて所望の種類の商品の選択操作に応じて商品を払い出させる販売管理を行なう販売管理部40と、販売管理部40の両側部に配設された8台のばら売り販売ユニット10とを有してなる。ばら売り販売ユニット10は上下2段左右各2列に配設されている。なお、商品販売機1を構成するばら売り販売ユニット10の数は8台に限るものではなく、2台以上であればよい。
【0030】
ばら売り販売ユニット10は、直方体形状であり、上部に配設されて複数の商品を収容する収容部11と、収容部11の下方位置に配設されて収容された商品Sを払い出す商品払出部13とを有してなる。収容部11は前面部11aが透明なパネルで形成されて箱状であり、ばら売り販売ユニット10の前側から前面部11aを介して収容部11内が視認可能である。収容部11内に収容される商品Sは分割可能で透明材料製のカプセルC内に収容されている。このため、顧客(図示せず)は前面部11aを介してカプセルC内の商品Sを視認することができる。商品SはカプセルCに収容可能な玩具、菓子若しくは人形等である。なお、商品Sは食物や花等の品質管理が必要なものでもよい。
【0031】
商品払出部13は、収容部11の下方位置であって前側に開口する商品取り出し口15と、収容部11に収容された商品Sを収容部11から払い出させるときに回転操作されるハンドル17を有してなる。詳細については後述するが、ハンドル17は、図示しないロック機構によりハンドル17の回転動が規制され及び許容されるようになっている。また、ハンドル17は、これが回されると収容部11内のカプセルCを商品取り出し口15に連通する連通路(図示せず)に払い出させるようになっている。さらに、ハンドル17には、これが回されたことを検出する回転検出スイッチが設けられている。つまり、ハンドル17の回転が検知されると、カプセルC(商品)が収容部11から払い出されたことになる。
【0032】
商品取り出し口15には上部が枢結されて下方へ延びて上下方向に揺動自在な板状の蓋部19が設けられている。この蓋部19は、非操作時において下方へ延びて商品取り出し口15を覆い、上方へ引き上げ操作されると商品取り出し口15を露出させてカプセルC(商品S)の取り出しを可能にする。収容部11よりも上方のばら売り販売ユニット10の前面には選択ランプ21が設置されている。選択ランプ21の詳細な作動については後述するが、販売管理部40により購入したい商品を収容したばら売り販売ユニット10が選択操作されると、この選択されたユニットの選択ランプ21が点滅動作するようになっている。
【0033】
販売管理部40は、商品Sの販売代金を受け入れる代金投入口41と、投入された代金(硬貨)を収容する金庫43と、購入したい商品を収容したばら売り販売ユニット10を選択操作する商品選択操作スイッチ47と、投入された代金の金額を表示する金額表示部50とを有する。代金投入口41は硬貨が投入可能に構成されているが、紙幣を投入可能に構成されてもよい。金庫43にはその前面部に前後方向に揺動自在に取り付けられた前扉44が設けられ、前扉44には鍵45が取り付けられている。商品選択操作スイッチ47は押圧操作が可能な複数の操作ボタン48を備え、これら操作ボタン48のそれぞれには異なる自然数の番号(1、2、3・・・9)が刻印されている。一方、複数のばら売り販売ユニット10のそれぞれにも異なる自然数の番号が付与されており、ばら売り販売ユニット10に付与された番号は、図示は省略するが、顧客が容易に視認可能に各販売ユニットや商品選択操作スイッチ47の近傍位置等に表示されている。このため、顧客は、所望の商品を収容したばら売り販売ユニット10の番号に対応した操作ボタン48を押圧操作することで、購入したい商品を収容したばら売り販売ユニット10の指定が可能である。
【0034】
また、販売管理部40は、図3に示すように、収容部11内の温度を検出する温度センサ51と、投入された硬貨の数を数えるコインカウンター52と、代金投入口41に使用できない硬貨が投入されたときや、金庫に硬貨が満杯状態になったことを検知するコインセレクター53と、ばら売り販売ユニット10の収容部11の容積の大きさに応じてその収容部11に商品を収容可能な最大数を設定する商品数設定スイッチ56と、詳細については後述するコントローラ60とを有する。コインセレクター53は、使用不可能な硬貨が投入されたり金庫が満杯状態になったりすると、コインセレクター53に設けられたセレクターランプ54が点灯するように構成されている。商品数設定スイッチ56は、複数のばら売り販売ユニット10のそれぞれの収容部11毎に収容される商品の最大数を選択操作する設定ボタン57と、収容部11から払い出された商品の数をリセット状態(即ち、ゼロの状態)に設定するリセットボタン58と、これら選択及び設定した数を表示する設定表示部59とを有する。なお、温度センサ51の代わりに湿度センサを設けたり、温度センサ51とともに湿度センサを設けたりしてもよい。これら温度センサ51、コインカウンター52、コインセレクター53、商品数設定スイッチ56及びコントローラ60は、販売管理部40内に収容されている。
【0035】
コントローラ60は、通信回線70を介して販売機管理装置80との間で情報交換を行なうとともに、所望の商品をばら売り販売ユニット10から払い出させる機能を有し、作動制御部61、商品数設定部62、情報管理部63、時刻調整管理部64、情報送信部65及び送信時刻設定部66を備えてなる。商品数設定部62は記憶装置であり、商品数設定スイッチ56の設定ボタン57により選択操作された選択値を設定する。時刻調整管理部64は、時刻を管理するとともに、この管理している時刻を販売機管理装置80から送信される時刻に一致させる機能を有する。また時刻調整管理部64は、販売機管理装置80及び商品販売機1のそれぞれの設置場所との間に時差が有る場合、商品販売機1が設置された設置場所の時差を含んだ時刻情報が販売機管理装置80から送信されると、自己が管理する時刻を時差が含まれた時刻に一致させる。なお、時刻調整管理部64の管理する時刻情報は、時刻のみに限るものではなく、時刻と日付を併せた情報でもよい。
【0036】
情報送信部65は、通信回線70を介して販売機管理装置80にダイヤル発信を行ない、商品販売機1に割り当てられた端末番号を販売機管理装置80に送信し、且つ詳細については後述するが、送信時刻設定部66により設定された時刻になると情報管理部63により管理されている販売情報を販売機管理装置80に送信する。また、情報送信部65は、販売機管理装置80からの販売情報を受信した旨の応答信号を受信すると、販売機管理装置80が管理する時刻情報の送信を要求する。なお、端末番号は、商品販売機1を販売場所に設置した後に通信回線70を介して販売機管理装置80から割り当てられたり、商品販売機1の設置前に予め割り当てられたりしてもよい。
【0037】
送信時刻設定部66は、複数の商品販売機1のそれぞれの販売情報が各商品販売機1から販売機管理装置80に送信される時刻(以下、「送信時刻」と記す。)を設定する。この送信時刻は、販売機管理装置80により商品販売機1に付与される端末番号とともに各商品販売機1に送信される。なお、送信時刻は、商品販売機1の製造時に商品販売機1の送信時刻設定部66に設定されてもよい。
【0038】
情報管理部63は、商品販売機1の収容部11から払い出された商品S、該商品Sの販売数、販売代金、販売時刻、販売価格及びリセットボタン58によりリセット状態にされた時刻等を含む販売情報を管理するとともに、詳細については後述するが、自己が管理する販売価格を販売機管理装置80により設定された商品の販売価格に変更する。なお、商品Sの販売数は、商品数設定スイッチ56のリセットボタン58によりリセット状態にされたときから払い出された商品Sの数を計数することで求められる。販売代金は、計数された商品Sの販売数と販売価格を乗算することで求められる。販売時刻は、ハンドル回転検出スイッチ25によりハンドル17が回された旨のON信号が出力されたときの時刻を管理することで特定される。
【0039】
作動制御部61は、コインカウンター52により計数された計数値に応じて金額表示部50に金額を表示させる制御を行ない、商品選択操作スイッチ47の操作ボタン48の押圧操作に対応したばら売り販売ユニット10の選択ランプ21を点滅動作させる制御を行なう。なお、作動制御部61は、操作ボタン48の押圧操作により選択された選択ランプ21を点灯動作させてもよい。また、作動制御部61は、商品選択操作スイッチ47により所望のばら売り販売ユニット10が選択され、且つ投入された代金が選択されたばら売り販売ユニット10に収容されている商品の価格以上の金額であるときに、この選択されたばら売り販売ユニット10に内蔵されたロック機構の一部を構成するソレノイド23への電力供給を制御してハンドル17のロック状態を解除して、ハンドル17の回転動作を許容する。
【0040】
さらに、作動制御部61は、ばら売り販売ユニット10毎に、商品数設定スイッチ56のリセットボタン58により商品の数がリセット状態にされたときから払い出された商品の数を情報管理部63に計数させる。また、作動制御部61は、ばら売り販売ユニット10が商品数設定スイッチ56のリセットボタン58によりリセット状態にされたときの時刻を情報管理部63に記憶させるとともに、ばら売り販売ユニット10毎に商品数設定スイッチ56の設定ボタン57により選択操作された選択値を商品数設定部62に設定させる
【0041】
さらに、作動制御部61は、販売機管理装置80が管理する時刻情報を情報送信部65が受信すると、時刻調整管理部64が管理する時刻を販売機管理装置80が管理する時刻に一致させるように時刻調整管理部64を作動させる。また、作動制御部61は、送信時刻設定部66に設定された時刻になると、情報管理部63に管理されている販売情報、時刻調整管理部64が管理している時刻情報及び温度センサ51により検出された収容部11の温度情報が販売機管理装置80に送信されるように、情報送信部65を作動させる。なお、温度情報は、販売情報が販売機管理装置80に送信されるときの直前の温度センサ51により検出された温度の温度情報を少なくとも含み、商品が販売された時毎の温度や商品が収容部11に収容されたときから所定時間毎の温度を含んでもよい。このように、販売情報の販売機管理装置80への送信は、商品販売機1の発呼により行なわれる。
【0042】
また、作動制御部61は、販売機管理装置80から商品の販売価格の価格情報を受信すると、自己が管理する商品の販売価格が販売機管理装置80から送信された販売価格に変更されるように、情報管理部63を作動させる。
【0043】
一方、商品販売機1と通信回線70を介して接続される販売機管理装置80は、商品販売機1から送信された販売情報及び商品販売機1が管理する時刻情報を内部の記憶装置に記憶し、必要に応じて表示する。また、販売機管理装置80は、商品販売機1から販売情報を受信すると、これを受信した旨の応答信号を商品販売機1に発信する応答部81と、複数の商品販売機1のそれぞれにより販売される商品の販売価格を設定する価格設定部82を有する。更に、販売機管理装置80は、時刻を管理するとともに、商品販売機1からの時刻情報の要求に応じて自己が管理する時刻情報を商品販売機1に送信する。なお、販売機管理装置80の管理する時刻情報は、時刻のみに限るものではなく、時刻と日付を併せた情報でもよい。
【0044】
次に、前述した商品販売管理システムによる商品販売管理方法について説明する。図2に示すように、先ず、商品販売機1を初期状態にセットする。即ち、商品販売機1の図示しない管理者が複数の商品販売ユニット10のそれぞれの収容部11に商品を満杯状態に収容し、且つ図3に示すように、管理者が販売管理部40の商品数設定スイッチ56の設定ボタン57を選択操作して複数の商品販売ユニット10のそれぞれの収容部11に収容される商品の最大数を設定するとともに、リセットボタン58を操作して収容部11から払い出された商品の数をゼロの状態にする。なお、リセットボタン58を備えた商品数設定スイッチ56は、リセットボタン58が押圧操作されると、作動制御部61を介して、収容部11から払い出された後の商品の残数を設定表示部59に表示させるとともに、商品数設定部62にこの商品の残数を設定させるように構成されてもよい。
【0045】
そして、顧客は、図2に示す代金投入口41に代金を投入し、購入したい商品を収容したばら売り販売ユニット10を選択するため商品選択操作スイッチ47の操作ボタン48を押圧操作する。代金が投入されると、コインカウンター52が硬貨の数を計数し、この計数値に応じた金額がコントローラ60の作動制御部61により金額表示部50に表示される。また操作ボタン48が押圧操作されると、押圧操作された操作ボタン48に対応したばら売り販売ユニット10の選択ランプ21が点滅動作する。その結果、顧客は、点滅している選択ランプ21のばら売り販売ユニット10を目視することで、操作ボタン48の選択操作が正しいか否かを確認することができる。
【0046】
そして、投入された代金が購入したい商品の価格以上の金額であると、作動制御部61がソレノイド23への電力供給を制御してロック機構によるハンドル17のロック状態を解除し、顧客はハンドル17を回転動して所望の商品を収容部11から払い出させる。ここで、ハンドル17が回転すると、ハンドル回転検出スイッチ25がON作動して、コントローラ60の情報管理部63が商品の払い出し数を1にカウントする。このようにして商品が購入されて、商品が収容部11から順次払い出される。ここで、情報管理部63は、ばら売り販売ユニット10から払い出された商品の払出し商品数をばら売り販売ユニット10毎に、1・2・3・・・のようにカウントする。また、情報管理部63は、ハンドル回転検出スイッチ25がON作動する毎に、時刻調整管理部64が管理する時刻を商品の払い出し数に対応させて記憶するとともに、払い出された商品数に応じた販売代金を算出して、これら払い出された商品、該商品の販売数、販売代金及び販売時刻を販売情報として管理する。
【0047】
そして、送信時刻設定部66により設定された時刻になると、作動制御部61は、情報管理部63により管理されている販売情報が販売機管理装置80に送信されるように、情報送信部65を作動させる。さらに詳細には、情報送信部65は、販売情報を送信する旨の指令を受けると、図4に示すように、通信回線70を介して販売機管理装置80にダイヤル発信を行なう(ステップ100)。そして、販売機管理装置80が通信回線70を介して商品販売機1に接続されると、販売機管理装置80は着信応答信号を商品販売機1に送信する(ステップ101)。商品販売機1の情報送信部65は着信応答信号を受信すると、商品販売機1に割り当てられている端末番号のデータを販売機管理装置80に送信する(ステップ102)。なお、端末番号は、これが第三者に知られて書き換えられると、販売機管理装置80に送信される情報の信頼性を著しく低下させるので、暗号化されて送信されることが好ましい。販売機管理装置80が端末番号のデータを受信すると、販売機管理装置80は端末番号の確認を行ない、認証すると、認証通知を商品販売機1に通知する(ステップ103)。
【0048】
そして、商品販売機1は、販売機管理装置80から端末番号の認証通知を受信すると、商品の販売情報を販売機管理装置80に送信する(ステップ104)。ここで、商品の販売情報が販売機管理装置80に送信されるとき、商品販売機1の図3に示す時刻調整管理部64が管理する時刻情報及び図3に示す温度センサ51が検出した温度情報も販売情報とともに送信される。このため、販売情報に含まれる商品の販売数や販売時刻から商品の売り上げ状況を把握でき、また商品が収容された時から該商品が販売された時までの時間から商品の品質保持期限を管理することができ、さらに、収容部11内の温度情報から商品の品質管理を行なうことができる。その結果、品質管理が必要な商品を商品販売機1に収容することが可能になり、商品販売機1に収容可能な商品の選択の幅を拡大することができる。また、販売情報に販売額と販売時刻が含まれるので、該商品の販売代金の回収時期の予想が可能になり、販売代金の回収作業を効率的に行なうことができる。また、商品販売機1が管理する時刻を販売機管理装置80が管理する時刻に一致させることで、商品販売機1から送信される販売情報の販売時刻や販売情報の送信時刻を正確にすることができる。このため、複数の商品販売機1から販売機管理装置80に販売情報が送信されるときのそれぞれの送信時刻を少しづつずらした状態で設定した場合、これらの設定した送信時刻がずれて同一時刻に送信される事態を未然に防止することができる。
【0049】
さて、商品の販売情報を受信した販売機管理装置80は、該販売情報を受信した旨の受信完了通知(応答信号)が商品販売機1に送信されるように、図3に示す応答部81を作動させる(ステップ105)。そして、商品販売機1は、販売情報の受信完了通知を受信すると、販売機管理装置80が管理する時刻情報のデータを要求し(ステップ106)、販売機管理装置80は、この時刻情報のデータを要求に応じて自己が管理する時刻情報を商品販売機1に送信する(ステップ107)。時刻情報を受信した商品販売機1は該商品販売機1の図3に示す時刻調整管理部64を作動させて、時刻調整管理部64は、自己が管理する時刻を受信した時刻情報の時刻に一致させる。従って、商品販売機1が管理する時刻が販売機管理装置80の管理する時刻と略同一時刻になり、販売情報に含まれる販売時刻を正確にすることができ、商品の売れ行き状況をより正確に把握することが可能になる。
【0050】
商品販売機1は販売機管理装置80から時計データを受信すると、販売機管理装置80との間の通信を切断する(ステップ108)。このように、商品販売機1は、販売機管理装置80との間の通信において、販売機管理装置80からの販売情報の受信完了通知を受信すると、販売機管理装置80が管理する時刻情報を受信することを条件として、販売機管理装置80との間の通信を切断する。このため、商品販売機1は、販売情報が販売機管理装置80に送信されたことを明確に認識することができるとともに、販売情報の販売機管理装置80への送信時間を短縮化することができる。
【0051】
次に、商品の販売価格を変更する場合について説明する。商品の販売価格を変更する場合には、図5に示すように、販売機管理装置80は、通信回線70を介して販売価格を変更したい商品を販売する商品販売機1にダイヤル発信を行なう(ステップ120)。つまり、販売価格の変更は販売機管理装置80の発呼により行なわれる。そして、販売機管理装置80が通信回線70を介して商品販売機1に接続されると、商品販売機1は着信応答信号を販売機管理装置80に送信する(ステップ121)。なお、販売機管理装置80と商品販売機1が接続されたときに、商品販売機1が商品の販売を行なっているときは、商品販売機1は商品の販売中である旨の信号を販売機管理装置80に送信して、販売機管理装置80はダイヤル発信をしたときから所定時間経過後に再び商品販売機1にダイヤル発信を行なうようにしてもよい。
【0052】
販売機管理装置80は商品販売機1からの着信応答信号を受信すると、商品販売機1に割り当てられている端末番号の通知を要求する(ステップ122)。そして、商品販売機1が端末番号の要求通知を受信すると、商品販売機1は、自己の端末番号を販売機管理装置80に通知する(ステップ123)。なお、端末番号の通知は、前述したように暗号化されて送信されることが好ましい。
【0053】
販売機管理装置80が端末番号のデータを受信すると、販売機管理装置80は端末番号の確認を行なって認証すると、認証通知及び販売価格の設定データを商品販売機1に通知する(ステップ124)。販売価格は販売情報に応じて設定されるが、この設定は管理者が行なってもよく、販売機管理装置80に設定された販売価格設定専用のプログラムが自動設定してもよい。
【0054】
そして、商品販売機1が販売価格の設定データを受信すると、図3に示す作動制御部61の指令に応じて、商品販売機1の情報管理部63が、自己が管理する商品の販売価格を販売機管理装置80から送信されてきた販売価格に変更する。その結果、商品は、販売価格が変更されたときから、この変更された販売価格により販売されることになる。このように、商品の販売情報に応じて商品の販売価格を自由に設定変更することができるので、例えば、商品の売り上げが悪いときや、商品の品質が劣化したとき等の事情を考慮して、商品の販売価格を設定することができる。このため、商品の顧客の要望に合った商品価格に設定することができ、商品の売り上げをより向上させることが可能になる。
【0055】
さて、販売機管理装置80が、商品販売機1からの商品販売価格の変更完了通知を受信すると、販売機管理装置80は自己が管理する時刻情報を商品販売機1に送信する(ステップ126)。時刻情報を受信した商品販売機1は、該商品販売機1の図3に示す時刻調整管理部64を作動させて、時刻調整管理部64は自己が管理する時刻を受信した時刻情報の時刻に一致させる。そして、商品販売機1が時刻を補正した旨の通知を販売機管理装置80に送信し(ステップ127)、販売機管理装置80が商品販売機1から時刻を補正した旨の通知を受信すると、商品販売機1との間の通信を切断する(ステップ128)。
【0056】
このように、商品の販売価格の変更を行なった後に、商品販売機1が管理する時刻を販売機管理装置80の管理する時刻に一致させることで、販売情報に含まれる販売時間をより正確にすることができ、商品の販売状況をより正確に把握することが可能になり、その結果として商品の販売価格を販売状況に沿ったより適切な価格に設定することができる。
【0057】
また、本発明に係わる商品販売管理システム及び商品販売管理方法によれば、前述したように、販売時刻や収容部11内の温度情報を含んだ販売情報から、商品の売れ行き状況を正確に把握し、且つ商品の品質を管理することができるので、商品販売機1が設置される範囲が極めて広範囲に及ぶ場合でも、各商品販売機1に収容された商品の品質管理を容易に行なうことができるとともに、商品の価格設定を容易に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
各種缶ジュース等の飲料商品や本・雑誌等の書物を販売する通常の自動販売機にも、本発明は適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、該複数の商品販売機と通信回線を介して接続されてこれら複数の商品販売機を管理する販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムであって、
前記販売機管理装置は、時刻を管理するとともに、管理している時刻情報を前記複数の商品販売機に送信可能であり、
前記複数の商品販売機のそれぞれには、時刻を管理するとともに、管理している該時刻を前記販売機管理装置から送信される時刻に一致させる時刻調整管理手段と、商品販売機の前記収容部から払い出された商品の種類、該商品の販売数、販売代金及び販売時刻の少なくともいずれかを含む販売情報を管理する情報管理手段と、前記販売情報を前記販売機管理装置に送信する時刻を設定する送信時刻設定手段と、前記送信時刻設定手段により設定された時刻になると前記情報管理手段により管理されている前記販売情報を前記販売機管理装置に送信する情報送信手段とが設けられ、
商品販売機は、該商品販売機の前記情報送信手段により前記販売情報を送信するときに、前記商品販売機が管理している時刻情報を該販売情報とともに前記販売機管理装置に送信し、
前記販売機管理装置は、前記販売情報を受信すると、該販売情報を送信した商品販売機に前記販売機管理装置が管理している時刻情報を送信し、
該時刻情報を受信した前記商品販売機の前記時刻調整管理手段は、該時刻調整管理手段が管理する時刻を前記販売機管理装置から送信された時刻に一致させることを特徴とする商品販売管理システム。
【請求項2】
前記複数の商品販売機のそれぞれは、前記収容部内の温度及び湿度の少なくともいずれかを検出する検出手段を有し、
前記情報送信手段により送信される前記販売情報には、該販売情報が前記販売機管理装置に送信されるときの少なくとも直前の前記検出手段により検出された温湿度情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の商品販売管理システム。
【請求項3】
前記販売機管理装置は、前記複数の商品販売機のそれぞれにより販売される商品の販売価格を設定する価格設定手段を有し、
前記販売機管理装置は、商品販売機から送信された前記販売情報を受信すると、前記価格設定手段により設定された販売価格の価格情報を、前記販売情報を送信した商品販売機に送信し、
該価格情報を受信した前記商品販売機の情報管理手段は、自己が管理する販売価格を該価格設定手段により設定された販売価格に変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売管理システム。
【請求項4】
前記商品販売機の前記収容部は、複数種類の商品を種類毎に収容可能に構成され、
前記商品販売機は、商品の販売代金を受け入れて所望の種類の商品の選択操作に応じて該商品を払い出させる販売管理を行なう販売管理部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の商品販売管理システム。
【請求項5】
複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、該複数の商品販売機と通信回線を介して接続されてこれら複数の商品販売機を管理する販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムにおいて、前記複数の商品販売機により販売される商品の販売情報を管理する商品販売管理方法であって、
前記商品販売機の前記収容部から払い出された商品の種類、該商品の販売数、販売代金及び販売時刻の少なくともいずれかを含む販売情報を、予め設定された送信時刻に前記販売機管理装置に送信するステップと、
該販売機管理装置が、前記販売情報を受信すると、前記販売情報を送信した商品販売機に該販売機管理装置が管理する時刻情報を送信するステップと、
前記商品販売機が、自己が管理する時刻情報を受信した該時刻情報に一致させるステップと
を有することを特徴とする商品販売管理方法。
【請求項6】
複数の商品を収容可能な収容部を備えた複数の商品販売機と、該複数の商品販売機と通信回線を介して接続されてこれら複数の商品販売機を管理する販売機管理装置とを有してなる商品販売管理システムにおいて、前記複数の商品販売機により販売される商品の販売情報を管理する商品販売管理方法であって、
前記販売機管理装置が、前記商品販売機から送信された商品の販売情報に応じて該商品の販売価格を設定し、この設定した販売価格を、前記販売情報を送信した前記商品販売機に送信するステップと、
前記商品販売機が、自己が管理する商品の販売価格を前記販売機管理装置から送信された前記価格情報の販売価格に変更して設定するステップと、
前記販売機管理装置が、前記商品販売機からの販売価格の変更完了通知を受信すると、前記変更完了通知を送信した商品販売機に該販売機管理装置が管理する時刻情報を送信するステップと、
前記商品販売機が、自己が管理する時刻情報を受信した該時刻情報に一致させるステップと
を有することを特徴とする商品販売管理方法。
【請求項7】
前記販売機管理装置から前記商品販売機に送信される前記時刻情報は、該販売機管理装置及び該商品販売機のそれぞれの設置場所との間に時差が有る場合には、前記商品販売機が設置された設置場所の時差を含んだ時刻情報であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の商品販売管理システム。
【請求項8】
前記販売機管理装置から前記商品販売機に送信される前記時刻情報は、該販売機管理装置及び該商品販売機のそれぞれの設置場所との間に時差が有る場合には、前記商品販売機が設置された設置場所の時差を含んだ時刻情報であることを特徴とする請求項5又は6に記載の商品販売管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/024737
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513608(P2005−513608)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011172
【国際出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】