説明

商品陳列棚

【課題】 簡単な構造で、棚板が支柱まわりでぐらつくのを防止するようにした商品陳列棚を提供する。
【解決手段】ブラケット4と棚板13との間に、中央に設けた嵌合孔8を支柱2に嵌合させた固定部材7を設け、この固定部材7より垂下する1対の挟持片11、11をもって、各ブラケット4の両側面を挟持するとともに、固定部材7より起立する1対の係合片10、10により、棚板13の下面の補強杆15を挟持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板を、支柱を中心として、その周りを取り囲むようにして配設した商品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の商品陳列棚として、下端に水平のベース脚を設けた側面視L字状の4個の支柱を、平面視十字状に互いに連結し、各支柱の外周面に設けた係合孔に、棚板支持用のブラケットの基端に設けた下向き鉤状の係止片を係止することにより、複数のブラケットを支柱より放射状に支持し、これらのブラケットをもって、1個の円板状または複数の扇形の棚板を、支柱群を中心として、その周りを取り囲むように支持したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものにおいては、各ブラケットの先端部が側方に揺動するため、互いに隣接するブラケットの先端部同士を、平面視円弧状の連結杆をもって互いに連結している。
【特許文献1】特開2002−300943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような従来の技術では、構造が複雑であるだけでなく、ブラケットの先端部同士を連結杆をもって連結しただけでは、支柱に対する各ブラケットのがたつきや、側方へのぐらつき等を防止するには十分でない。
特に、支柱が中心に1本だけで、その周りを囲むようにした商品陳列棚にあっては、支柱周りでぐらつきを生じやすく、簡単な構造で周方向のぐらつきを防止することが困難であった。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、簡単な構造で、棚板が支柱まわりでぐらつくのを防止することができるようにした商品陳列棚を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 支柱の外周面に設けた係合孔に、ブラケットの基端に設けた係止片を係合することにより、複数のブラケットを支柱から放射方向に延出するように取り付け、前記ブラケットに棚板を、前記支柱を囲むようにして支持させてなる商品陳列棚において、前記ブラケットと棚板との間に、中央に設けた嵌合孔を前記支柱に嵌合させた固定部材を設け、この固定部材より垂下する1対の挟持片をもって、前記各ブラケットの両側面を挟持するようにする。
【0007】
(2)支柱の外周面に設けた係合孔に、ブラケットの基端に設けた係止片を係合することにより、複数のブラケットを支柱から放射方向に延出するように取り付け、このブラケットに棚板を、前記支柱を囲むようにして支持させてなる商品陳列棚において、前記ブラケットと棚板との間に、中央に設けた嵌合孔を前記支柱に嵌合させた固定部材を設け、この固定部材より起立する1対の係合片により、前記棚板の裏面に設けた補強杆の両側面を挟持するようにする。
【0008】
(3)支柱の外周面に設けた係合孔に、ブラケットの基端に設けた係止片を係合することにより、複数のブラケットを支柱から放射方向に延出するように取り付け、前記ブラケットに棚板を、前記支柱を囲むようにして、支持させてなる商品陳列棚において、前記ブラケットと棚板との間に、中央に設けた嵌合孔を前記支柱に嵌合させた固定部材を設け、この固定部材より垂下する1対の挟持片をもって、前記各ブラケットの両側面を挟持し、かつ、前記固定部材より起立する1対の係合片により、前記棚板の裏面に設けた補強杆の両側面を挟持するようにする。
【0009】
(4)上記(1)または(3)項において、支柱の平面形を非円形とし、かつ固定部材の嵌合孔を、この支柱に補形をなす非円形のものとする。
【0010】
(5)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、支柱の平面形を円形とし、かつ固定部材の嵌合孔を、この支柱に補形をなす円形のものとする。
【0011】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、固定部材を、板状の本体の外周縁の一部を、下方に折曲して挟持片を形成し、かつ上方に折曲して係合片を形成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、ブラケットと棚板との間に装着された固定部材の挟持片をもって、各ブラケットの両側面を挟持することにより、ブラケット相互間が固定部材により、支柱を中心とする円周方向に互いに連結され、各ブラケットのぐらつきが確実に防止される。
【0013】
(b)請求項2記載の発明によると、ブラケットと棚板との間に装着された固定部材の係合片をもって、棚板の裏面に設けられた補強杆の両側面を挟持することにより、棚板が支柱に対してがたつくのを確実に防止することができる。
【0014】
(c)請求項3記載の発明によると、ブラケットと棚板との間に装着された固定部材の挟持片により、支柱を中心とする円周方向へのブラケットの相互のぐらつきが防止されるとともに、固定部材の係合片をもって、棚板の裏面の補強杆の両側面を挟持することにより、棚板とブラケットの相互のがたつきを防止することができる。
【0015】
(d)請求項4記載の発明によると、固定部材が支柱に対して回り止めされるので、ブラケット(請求項1および3)や棚板(請求項2および3)も支柱に対して回り止めされ、それらが支柱に対して回転したり、がたつくことを確実に防止することができる。
【0016】
(e)請求項5記載の発明によると、円形支柱の美麗な外観の商品陳列棚を提供することができるとともに、支柱が円形であっても、複数のブラケットが固定部材に挟持されているため(請求項1および3)、各ブラケットが互いに共同して動きを止め、がたつきを確実に防止することができる。
【0017】
(f)請求項6記載の発明によると、固定部材を、板材を折曲して、簡単に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の商品陳列棚の斜視図である。
この商品陳列棚は、平面視円形の中空をなす台(1)の中央に立設された正方形断面の角管状の支柱(2)を備えている。台(1)の内部における支柱(2)の下端には、複数の水平杆(図示せず)が十字状に連結され、支柱(2)が床上に安定して起立するようになっている。
【0019】
図2は、商品陳列棚の分解斜視図である。支柱(2)の各側面の中央には、複数の係合孔(3)が上下方向に等間隔をもって形成されており、支柱(2)の各側面における等高の任意の係合孔(3)に、棚板支持用のブラケット(4)の後端に設けられた下向き鉤状の複数の係止片(5)を係止することにより、4個のブラケット(4)が、支柱(2)を中心とする等高の放射状をなすように、支柱(2)に取り付けられている。各ブラケット(4)の先端部には、上向き突片(6)が突設されている。支柱(2)に、ブラケット(4)を固定する固定部材(7)が装着される。
【0020】
図3は、固定部材の装着状態を示す斜視図、図4は、棚板の裏面の斜視図である。
図2〜図4に示すように、ブラケット(4)上には、支柱に嵌合された固定部材(7)がセットされている。この固定部材(7)は、中央に支柱(2)と補形をなす嵌合孔(8)が形成されている四角形の本体部(9)を有し、この本体部(9)の相対向する2辺の外側縁に、上向きに折曲された係合片(10)(10)が間隔を置いて2個づつ形成され、かつ、4辺の中央部には、下向きに折曲され、中間にスリット(11)を有する挟持片(12)(12)が形成されたものである。
【0021】
図3に示すように、固定部材(7)の嵌合孔(8)を支柱(2)に嵌合させ、各対の挟持片(12)(12)間のスリット(11)を、各ブラケット(4)の上縁に係合させることにより、ブラケット(4)は横方向のぐらつきが防止される。
【0022】
図4は、固定部材(7)上に、棚板(13)を取り付けた状態を、下からみた斜視図である。
棚板(13)は、中心に角孔(14)を有する円板状のもので、下面には断面上向きほぼコ字状をなす補強杆(15)が、角孔(14)の部分を除いて十字状に取り付けられている。棚板(13)の角孔(14)を支柱(2)に挿入し、支柱(2)に沿って下降させて、補強杆(15)がブラケット(4)上に位置するように配置する。図4に示すように、補強杆(15)に形成されている孔(16)に、ブラケット(4)の先端の上向き突片(6)が嵌合するとともに、補強杆(15)は、固定部材(7)の係合片(10)(10)の間に入り込み、両係合片(10)(10)で挟持される。これにより、棚板(13)は、支柱(2)周りでのがたつきが防止される。
【0023】
上記実施形態では、支柱(2)を平面視正方形のものとしているが、平面視円形のもの、あるいは楕円、多角形等の非円形のものとして、多様な外観の商品陳列棚とすることも可能である。なお、複数のブラケット(4)と固定部材(7)の挟持片(12)が係合しているため、円形の支柱(2)であっても、固定部材(7)が回転したり、がたついたりすることはない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の商品陳列棚の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同じく、商品陳列棚の要部の分解斜視図である。
【図3】同じく、固定部材の装着状態を示す要部の斜視図である。
【図4】同じく、棚板を下方より見た斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
(1)台
(2)支柱
(3)係合孔
(4)ブラケット
(5)係止片
(6)突片
(7)固定部材
(8)嵌合孔
(9)本体部
(10)係合片
(11)スリット
(12)挟持片
(13)棚板
(14)角孔
(15)補強杆
(16)孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱の外周面に設けた係合孔に、ブラケットの基端に設けた係止片を係合することにより、複数のブラケットを支柱から放射方向に延出するように取り付け、前記ブラケットに棚板を、前記支柱を囲むようにして支持させてなる商品陳列棚において、
前記ブラケットと棚板との間に、中央に設けた嵌合孔を前記支柱に嵌合させた固定部材を設け、この固定部材より垂下する1対の挟持片をもって、前記各ブラケットの両側面を挟持するようにしたことを特徴とする商品陳列棚。
【請求項2】
支柱の外周面に設けた係合孔に、ブラケットの基端に設けた係止片を係合することにより、複数のブラケットを支柱から放射方向に延出するように取り付け、このブラケットに棚板を、前記支柱を囲むようにして支持させてなる商品陳列棚において、
前記ブラケットと棚板との間に、中央に設けた嵌合孔を前記支柱に嵌合させた固定部材を設け、この固定部材より起立する1対の係合片により、前記棚板の裏面に設けた補強杆の両側面を挟持するようにしたことを特徴とする商品陳列棚。
【請求項3】
支柱の外周面に設けた係合孔に、ブラケットの基端に設けた係止片を係合することにより、複数のブラケットを支柱から放射方向に延出するように取り付け、前記ブラケットに棚板を、前記支柱を囲むようにして、支持させてなる商品陳列棚において、
前記ブラケットと棚板との間に、中央に設けた嵌合孔を前記支柱に嵌合させた固定部材を設け、この固定部材より垂下する1対の挟持片をもって、前記各ブラケットの両側面を挟持し、かつ、前記固定部材より起立する1対の係合片により、前記棚板の裏面に設けた補強杆の両側面を挟持するようにしたことを特徴とする商品陳列棚。
【請求項4】
支柱の平面形を非円形とし、かつ固定部材の嵌合孔を、この支柱に補形をなす非円形のものとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の商品陳列棚。
【請求項5】
支柱の平面形を円形とし、かつ固定部材の嵌合孔を、この支柱に補形をなす円形のものとしたことを特徴とする請求項1または3記載の商品陳列棚。
【請求項6】
固定部材を、板状の本体の外周縁の一部を、下方に折曲して挟持片を形成し、かつ上方に折曲して係合片を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の商品陳列棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−129918(P2006−129918A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319033(P2004−319033)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】