喫煙品
【課題】喫煙材を含む第1部分と、この第1部分に対して可動に構成された端部を少なくとも有する第2部分とを含む喫煙品であって、この第2部分がフィルターを含み、第2部分に対する第1部分の位置によって喫煙品のフィルターの特性が決まるように構成された喫煙品を提供する。
【解決手段】喫煙材とこの喫煙材に対して可動に構成されたスリーブ53とを含む喫煙品50。フィルター54がスリーブに連結されている。この喫煙品は、喫煙材に対するスリーブ53の位置によってフィルター54の特性が決まるように構成されている。タバコユニットを動かすことによってフィルター54をスリーブの端部から引き離し、窪み56を形成する。空気が延伸セクション58、59の周囲またはこれらを介して通過し、フィルターの実効特性を変える互い違いの流路を形成する。
【解決手段】喫煙材とこの喫煙材に対して可動に構成されたスリーブ53とを含む喫煙品50。フィルター54がスリーブに連結されている。この喫煙品は、喫煙材に対するスリーブ53の位置によってフィルター54の特性が決まるように構成されている。タバコユニットを動かすことによってフィルター54をスリーブの端部から引き離し、窪み56を形成する。空気が延伸セクション58、59の周囲またはこれらを介して通過し、フィルターの実効特性を変える互い違いの流路を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品に関する。特に本発明は、可変フィルターを有する喫煙品に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1から延伸可能な紙巻きタバコが知られている。この紙巻きタバコは、吸い口端にフィルターを有する管内で摺動自在なタバコロッドによってスライド自在になっている。このタバコロッドは、内部チェンバーの大きさを変えるために管内でスライドすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第2,820,462号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、構造を変えることができるフィルターを有する喫煙品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、喫煙材を含む第1部分と、この第1部分に対して可動に構成された端部を少なくとも有する第2部分とを含む喫煙品であって、この第2部分がフィルターを含み、第2部分に対する第1部分の位置によって喫煙品のフィルターの特性が決まるように構成された喫煙品を提供する。
【0006】
従って本発明の喫煙品は、ユーザーが構造を変えることができるフィルターを有する。
【0007】
あくまでも例示を目的として、本発明の態様を添付の図面を参照し以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の態様の喫煙品の斜視図である。
【図2】格納された状態の図1の喫煙品の側断面図である。
【図3】延伸された状態の図1の喫煙品の側断面図である。
【図4】不完全な状態で形成された本発明による第2の態様の喫煙品の斜視図である。
【図5】第3の態様の喫煙品の側断面図である。
【図6a】格納された状態の第4の態様の喫煙品の略式斜視図である。
【図6b】延伸された状態の図6aの喫煙品の略式斜視図である。
【図7a】格納された状態の第1の態様の喫煙品のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図7b】不完全な延伸状態にある図7aのフィルター設定機構の略式側面図である。
【図7c】延伸された状態の図7aのフィルター設定機構の略式側面図である。
【図8a】格納された状態の第1の態様の図7aのフィルター設定機構の斜視図である。
【図8b】延伸された状態の第1の態様の図7aのフィルター設定機構の斜視図である。
【図9a】格納された状態の第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図9b】不完全な延伸状態にある第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図9c】延伸された状態の第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図10a】格納された状態の図9aの第2の態様のフィルター設定機構の斜視図である。
【図10b】延伸された状態の図9aの第2の態様のフィルター設定機構の斜視図である。
【図11】格納された状態の第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図12a】格納された状態の第3の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図12b】延伸された状態の第3の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から3は第1の態様の喫煙品10を示す。この喫煙品は、紙巻きタバコ、シガーまたはシガリロなどの喫煙品であってもよい。便宜上、これらを本明細書中では「喫煙品」とする。喫煙品10は、第1フィルターセクション12が装着されたタバコロッド11形状の喫煙材を含む第1部分を含む。タバコロッド11は、第1フィルターセクション12に好ましくはチッピング紙であるカバー層によって装着されている。
【0010】
喫煙品の第2部分は、タバコロッド11および/または第1フィルターセクション12の周囲に延びた円筒状のスリーブ13を含む。タバコロッド11と第1フィルターセクション12は、スリーブ13内をユニットとして長手方向に摺動するような大きさに構成されている。タバコロッド11および第1フィルターセクション12をタバコユニットとする場合もある。
【0011】
第2フィルターセクション14が第1フィルターセクション12から離れたスリーブ13の吸い口端に位置している。第2フィルターセクション14は、スリーブ13内に強固に固定されている。第1および/または第2フィルターセクション12、14は、好ましくは従来から使用されているセルロースアセテートトウで作製される。
【0012】
チャンバー15が第1フィルターセクション12と第2フィルターセクション間でスリーブ13内に形成されている。チェンバー15は、第1フィルターセクションが円筒状のスリーブ13内を軸方向に摺動することによって、長さおよび従って容積が変化する。チェンバー15の長さは、ゼロから所定の最大長まで変化する。従って喫煙材より遠位のスリーブ13の端部は、喫煙材に対して可動である。
【0013】
第1部分と第2部分、即ちスリーブ13とタバコロッド11の相対移動は、上記最大長を越えないように制限手段、好ましくはタバコロッド11とスリーブ13上またはこれらに隣接する当接面によって制限される。特にこの制限手段は、スリーブ13から半径方向内方に延びた第1係合面を含み、この第1係合面は、タバコユニットから半径方向外方に延びた第2係合面と係合可能である。第2係合面は、タバコユニットに巻かれたシート材、特にタバコロッドと第1フィルターを接続する材料(例えばチッピング紙)によって形成してもよい。
【0014】
図2はタバコロッド11と第1フィルターセクション12が第2フィルターセクション14まで移動した格納状態にある喫煙品10を示している。この時チェンバー15の長さは、ゼロになっている。即ち喫煙品10の長さは、最も短くなっている。喫煙品10は、使用前にはこの格納状態でパッケージに入れてもよい。喫煙品10は、タバコロッド11が部分的にまたは完全に燃焼したら、使用後に格納状態に戻してもよい。
【0015】
図3はタバコロッド11と第1フィルターセクション12が可能な限り第2フィルターセクション14から離れて移動した延伸状態にある喫煙品10を示している。チェンバー15の長さは、最大まで広がっている。そして喫煙品10の長さは、最も長くなっている。喫煙品10は、使用されている間、延伸状態にあってもよい。タバコロッド11と第1フィルターセクション12は、その格納状態と延伸状態の間の途中の不完全に延びた位置を取るようにスリーブ13内で連続的に位置することが可能である。
【0016】
図4は第2の態様の喫煙品20を示す。喫煙品20は、タバコロッドを形成するためにスリーブ23に囲まれ、取り付けられる筒状のタバコ21を含む。筒状のタバコ21は、スリーブに対して移動しない。スリーブ23は、タバコ21の後方に延びたセクション23aを有する。フィルター24はスリーブセクション23a内を長手方向に摺動することができる。チェンバー25がこの管状のセクション23aによってタバコ21とフィルター24の間に形成されている。
【0017】
喫煙品20は、喫煙品10と同じように機能する。喫煙品20は、チェンバー25を形成するスリーブがマウスピースフィルター24ではなく、タバコロッドに取り付けられてる点で異なる。また喫煙品20は、タバコ21に直接フィルター12が取り付けられていない点でも異なる。本発明の別の態様は、これらの特徴または違いを1つだけ有するものであってもよい。
【0018】
スリーブ23とフィルター24の相対移動は、最大長を超えないように制限手段によって妨げられる。好ましくは制限手段は、それぞれスリーブ23aおよびフィルター24に、またはこれらに隣接して位置する第1および第2係合面を含む。
【0019】
図5は第3の態様の喫煙品30を示す。喫煙品30は、フィルター32に取り付けられたタバコロッド31を有する図1から3の態様に類似した構造を有する。タバコロッド31とフィルター32は、円筒状の管として形成されたスリーブ33内で摺動可能である。スリーブ33の吸い口端には第2フィルターの代わりにステインバインダー36が設けられている。ステインバインダー36は、染みの原因となる物質を取り除くものである。長さを変えられるチェンバー35がフィルター32とステインバインダー36の間に形成されている。
【0020】
図6aおよび6bは、第4の態様の延伸自在な喫煙品40を示している。喫煙品40は、第1フィルターセクション42に装着されたタバコロッド(図示せず)を含む。スリーブ43が第1フィルターセクション42に装着されている。スリーブ43の遠位端には吸い口端を形成する第2フィルターセクション44が位置している。チェンバー45が第1および第2フィルターセクション42、44の間のスリーブ43内に形成されている。
【0021】
スリーブ43はスリーブ43とチェンバー45の長さを変えるために蛇腹式に折り重なることができる。スリーブ43は、折り畳み線がスリーブ43の周囲に最大および最小径の線で形成されるように複数の径が異なるセクションを有する。
【0022】
図6aに示す格納された状態では、第1および第2フィルターセクション42、44は、スリーブが圧縮されるように互いに押し合わされている。スリーブ43のスリーブ線は、角度が増し、折り畳み線の間のスリーブ43のセグメントは、喫煙品の長手方向軸に対して垂直な面の方に配向される。チェンバー45の長さは、相対的に短くなる。
【0023】
図6bに示す延伸された状態では、第1および第2フィルターセクション42、44は、スリーブ43の折り畳み線の角度が減少し、折り畳み線の間のスリーブ43のセグメントは、喫煙品の長手方向軸に対して平行な面へと配向されるように離されている。チェンバー45の長さは、相対的に長くなる。
【0024】
従ってこの蛇腹式のスリーブ43によって互いにスライドし合う部分を必要とせずにチェンバー45の長さを変えることができる。従って喫煙材に対して遠位に位置するスリーブ43の端部は、喫煙材に対して可動である。
【0025】
また図6bに示すように蛇腹式のスリーブ43によって喫煙品40の曲げ具合を調整することができる。スリーブ43は、スリーブ43の折り畳み線の1本以上が円周に沿って均一に延びないように長手方向軸に対して角度を持ってまたは垂直になるようにしてもよい。スリーブ43の円周に沿った延伸度合いを変えることによってスリーブ43を曲げることができる。第1フィルターセクション42の長手方向軸は、スリーブ43が曲げられているときには第2フィルターセクション44の長手方向軸と同軸ではない。
【0026】
タバコロッドとそれに装着されたフィルターは、チッピング紙で接続されるものとして説明してきた。チッピング紙は、標準的なチッピング紙、比較的厚みのある凹部が設けられたチッピング紙または厚紙型のチッピング紙であってもよい。また別の材料で形成された管を喫煙材にフィルター材を装着するために使用してもよい。特に当該管は、例えばコーンスターチからなるプラスチックなどのプラスチック材からなるものであってもよい。また管は、セラミック材からなるものであってもよい。また管は、箔、金属、金属加工されたペーパーであってもよい。
【0027】
上記の態様は、いずれもタバコロッドに隣接する吸い口端にフィルターセクションを有するものとして説明してきた。これとは別に本発明の喫煙品は、フィルターセクションを含まないものであってもよい。
【0028】
これらフィルターセクションの1つ以上をフィルター材の単独のセグメントまたは複数のセグメントで形成してもよい。複数のセグメントで形成されたフィルターセクションは、異なる材料または異なるろ過性能を有する材料からなるセグメントを含んでもよい。特にフィルターセクションは、セルロースアセテートトウからなる標準的なセグメントとチャコールを含むろ過材料からなる別のセグメントを含んでもよい。これとは別にフィルターセクションは、チャコールが組み込まれた単独のセグメントからなるものであってもよい。
【0029】
第2フィルターは、好ましくは吸引力を補助するまたは知覚および着色パターンに関連する他の利点を提供するように形成される。フィルターは、プレス、成型または押し出しされたアセテートであってもよい。
【0030】
別の態様の喫煙品では、チェンバーはバラの状態のろ過材を含んでもよく、このろ過材は、チェンバーから出ないように第2フィルターまたは好適な手段で保持される。このようなバラの状態のろ過材としては、チェンバー内でバラの状態のカーボン粒子となるような顆粒カーボンであることが好ましい。
【0031】
図7から12bは、フィルター構造を変えるための喫煙品フィルター設定機構の3つの態様を示す。特にこれらの態様は、第2部分に対する第1部分の位置、即ち喫煙材に対するスリーブの位置によって決まるフィルター特性を有する。特にこのようにして決まるフィルター特性は、有効フィルター長、フィルター強度またはスリーブ内のフィルター位置である。これらフィルター設定機構の態様のいずれも特に明記しない限り図1から6で説明した態様の喫煙品のすべてに使用してもよい。
【0032】
図7aから8bは、第1の態様の喫煙品50におけるフィルター設定機構を示している。喫煙品50は、実質的に上記態様のいずれかで説明したように長さが変わるチェンバー55を含む。喫煙品50は、図1から3または5から6bで説明したようにタバコロッドと第1フィルターまたは図4で説明したようにタバコロッドのみを含むタバコユニット51を含む。タバコロッド51は、少なくともスリーブ53の吸い口端に対して移動可能である。チェンバー55は、タバコユニット51とフィルターまたはステインバインダー54の間に形成されている。フィルターまたはステインバインダー54は、フィルター54とする。
【0033】
フィルター54は、長さが変わる集合体58、59によってスリーブ53に接続されている。集合体58、59は、スリーブ53に対してフィルター54を長手方向に移動させる。また集合体58、59は、フィルター54とスリーブ53の吸い口端を封止する。
【0034】
集合体58、59は、延伸自在であることが好ましく、特に第1および第2延伸セクション58、59を含む。第1延伸セクション58は、スリーブ53の吸い口端に隣接する内面に取り付けられている。第1延伸セクション58は円筒形状である。第2延伸セクション59は、第1延伸セクション58内を摺動する。第2延伸セクション59は、第1延伸セクション58より径の小さい円筒形状である。
【0035】
第1および第2延伸セクション58、59にはこれらの相対移動を制限する手段が設けられており、第2延伸セクション59と第1延伸セクション58との接合を維持している。第1延伸セクション58は、吸い口端から離れた方の端部に隣接した半径方向内方に延びたフランジを含む。第2延伸セクション59は、吸い口端に近い方の端部に隣接して半径方向外方に延びたフランジを含む。これらフランジは互いに係合して第1および第2延伸セクション58、59を共に保持する。
【0036】
フィルター54は、第2延伸セクション59内で長手方向に摺動自在である。第2延伸セクション59とフィルター54にはこれらの相対移動を制限するための手段が設けられており、フィルター54と第2延伸セクション59との接合を維持している。第2延伸セクション59は、吸い口端から離れた方の端部に隣接した半径方向内方に延びたフランジを含む。フィルター54は、吸い口端に近い方の端部に隣接して半径方向外方に延びたフランジを含む。これらフランジは互いに係合してフィルター54および第2延伸セクション59を伴に保持する。
【0037】
第1および第2延伸セクション58、59は透過性材で形成されるのが好ましい。これらセクションが不完全または完全に延伸した状態では、煙または空気が第1および第2延伸セクション58、59を通過し、フィルター54を迂回する。この空気透過性材は、アセテートであってもよく、比較的多量の可塑剤によってマンドレルの周囲に形成することができる。
【0038】
弾性を有する長尺の支持体57がチェンバー55内に位置している。支持体57は、タバコユニット51に取り付けられる第1端部を有する。また支持体57はフィルター54に取り付けられた第2端部を有する。支持体57は、糸状のものであるのが好ましい。
【0039】
タバコユニット53は、図7aに示す格納された状態から、図7bに示す不完全に延伸された状態、そして図7cに示す延伸された状態へとスリーブ53の吸い口端から離れるように移動することができる。図示した態様ではスリーブ53は、タバコユニット51の周囲で摺動することができる管である。
【0040】
フィルター54は、基材57によってタバコユニット51に装着されている。支持体57は、喫煙品が格納状態にあるとき、弛んだ状態にある。喫煙品が延伸されると、フィルター54がスリーブ53の吸い口端から離れるように支持体57によって引っ張られる。フィルター54がタバコユニット51によって引っ張られると、スリーブ53の吸い口端に窪み56が形成される。この窪み56は、このような窪み56がないときと比較して使用時に喫煙品に異なる特徴を付与する。従って、スリーブ内のフィルター位置の特性は、喫煙材とスリーブ間の相対位置によって決まる。
【0041】
図7bは支持体57が引っ張られた状態になると、フィルター54と第2の延伸セクション59が一緒に第1延伸セクション58内で移動する。第2延伸セクション59が第1延伸セクション59内の最大延伸位置に到達すると、フィルター54は第2延伸セクション59から望遠鏡のように摺動する。これとは別にフィルター54は、最初に第2延伸セクション59内で移動し、その後第2延伸セクション59が第1延伸セクション58内を移動してもよい。またこれとは別にフィルター54、第1および第2延伸セクション58、59が全て同時に摺動するようにしてもよい。フィルター54がその最大長手方向延伸位置に到達すると、支持体57がタバコユニット51がスリーブ53に対してさらに移動するのを防ぐ。
【0042】
図8aは格納された状態にある喫煙品50を示している。第1および第2延伸セクション58、59およびフィルター54は、スリーブ53の吸い口端に位置合わせされている。図8bは延伸された状態にある喫煙品50を示している。タバコユニット51を動かすことによってフィルター54をスリーブの端部から引き離し、窪み56を形成する。空気が延伸セクション58、59の周囲またはこれらを介して通過し、フィルターの実効特性を変える互い違いの流路を形成する。
【0043】
図9aから11は、第2の態様の喫煙品70のフィルター設定機構を示している。喫煙品70は、図1から3または5から6bを参照して説明したようにタバコロッドと第1フィルター74とを含むタバコユニット71を含んでいる。タバコロッド71は、スリーブ73に対して移動可能である。喫煙品70はチェンバーを形成するための第2フィルター長手方向に間隙をおいて位置するさらなるフィルターを含まない。
【0044】
喫煙品70はフィルター74を含むタバコユニット71を含む。フィルター74は、それが取り付けられているタバコロッドより小さい径を有する。フィルター74は、タバコロッドに堅く接合されたまたは装着された単独のフィルターユニットである。
【0045】
スリーブ73は、環状のリング77を含んでいる。このリング77は、フィルター材で作製したものでもよく、または中実の無孔材で作製したものでもよい。リング77は、フィルター74を囲み、好ましくはフィルター74の周囲に滑り嵌めを形成する。
【0046】
図9aは、格納状態にある喫煙品70を示している。リング77はタバコロッドに当接している。タバコロッドとスリーブ73の吸い口端の間に代替経路がないので、フィルター74の有効長は、その全長になる。
【0047】
スリーブ73は、目印手段の一部を形成するリブ79aを含む。この目印手段については図11を参照して詳しく説明する。
【0048】
図9bは不完全に延伸された状態にある喫煙品70を示している。フィルター74は、部分的にリング77から突出している。環状の経路78がリング77から長手方向に突出したフィルター74部分の周囲に形成されている。この環状経路78によって物質が自由に流れる。凹部76がスリーブ77の吸い口端に形成されている。フィルター74の有効長は、格納された状態より短い。この状態にあるときフィルターの一部を迂回するタバコロッドから経路78を介してスリーブの端部への代替経路が形成される。通常、空気はフィルター74に入る前に経路78の全長に沿って流れ、窪み76内へと流れ込む。
【0049】
図9cは延伸された状態にある喫煙品70を示している。フィルター74は、その長さの大半がリング77から突出している。しかしながら、フィルターの一部は、リング内に留まっている。経路78と窪み76は、両方とも長さが最大になっている。経路78がフィルター74の大半を迂回する代替経路を供するので、フィルター74の有効長は、最も短くなっている。
【0050】
喫煙品70は、有効長を変えることができるフィルター74を提供する。スリーブ73内でタバコユニット71が長手方向に移動することによりフィルター74を囲んでいる経路78の長さが変化する。喫煙品の長さの変化によってフィルター74の有効長が調整され、これはユーザーによって行われる。フィルター74の有効長によって喫煙品の強度が決まる。
【0051】
図10aおよび10bは、格納状態および延伸状態にある喫煙品をそれぞれ示している。格納状態ではフィルター74は喫煙品の端部まで延びている。延伸状態ではフィルター74はスリーブに対して移動しており、窪み76を形成している。
【0052】
喫煙品70は、有効長が変化するフィルターを含んでいる。フィルターセクション74は、径の小さいセクション内で位置決めすることが可能であり、これによりこの径の小さいセクション内の部分がフィルターの有効長に関与する。フィルターセクション74は、径の大きいセクションへと移動可能であり、この径の大きいセクション内の部分はフィルターの有効長に関与しない。径の小さいセクションから径の大きいセクションへのフィルターセクションの移動は、喫煙品70の延伸に直結している。径の小さいセクションは、スリーブの吸い口端に隣接しており、径の大きいセクションは径の小さいセクションとタバコユニットの間に位置している。有効長は喫煙品70を延ばすことによって変わる(短くなる)。従ってフィルターの有効長の特性は、喫煙材とスリーブ間の相対位置によって決まる。ユーザーは、喫煙品の延伸度合いを選択することによって、従ってフィルター有効長を選択することによって喫煙品の味の強度を調整することができる。
【0053】
図11は喫煙品の目印手段を示している。この目印手段によって喫煙品の長手方向の所定の延伸度合いを選択することができる。
【0054】
スリーブ73には複数のリブ79aが設けられている。好ましくはスリーブは、3つのリブ79aを含む。これらリブ79aは、環状であってもよく、またはスリーブ73の円周の一部に亘ってのみ延びてもよい。リブ79aは、それぞれスリーブ73の内面に凹みを形成している。
【0055】
タバコユニット71には突起79bが設けられている。この突起79bはタバコユニットの円周に沿って延びていてもよく、または円周の一部に沿ってのみ延びていてもよい。突起79bは、目印手段を形成するためにリブ79aの窪みに係合するように構成されている。突起79bは、図示した格納状態、不完全な延伸状態および延伸状態に対応する喫煙品70の3つの延伸段階で窪みに係合する。
【0056】
突起79bおよび/またはスリーブ73は、リブ79aの窪みの間を突起79が移動できるように弾性変形可能である。突起79bは、選択された窪み内に延び、これにより突起のさらなる移動が妨げられ、目印となる位置に到達したことを示す。
【0057】
リブ79aおよび/または突起79bには突起79bの位置、従って喫煙品の強度を表すための何らかの印を設けてもよい。特にリブ79aは、それぞれ窓を形成し、突起は対応する窓から視認できる色のついたマークを有してもよい。
【0058】
当然のことながら他の種類の目印手段も使用可能であり、喫煙品70は、目印手段を有さなくてもよい。特に目印手段は複数のリブ79aおよび複数の突起79bを含んでもよく、または1つのリブ79aおよび複数の突起79bを含んでもよい。これとは別に突起79bをスリーブの内面に形成してもよく、タバコユニットに1つ以上の窪みを設けてもよい。
【0059】
図12aおよび12bは第3の態様の喫煙品80のフィルター設定機構を示している。喫煙品80は、実質的に上記態様のいずれかで説明したように長さが変わるチェンバー85を含む。喫煙品80は、図1から3または5から6bで説明したようにタバコロッドと第1フィルターまたは図4で説明したようにタバコロッドのみを含むタバコユニット51を含む。タバコロッド81は、少なくともスリーブ83の吸い口端に対して移動可能である。チェンバー85は、タバコユニット81とフィルター集合体84の間に形成されている。
【0060】
フィルター84は、複数のフィルターセグメント89a、89b、89cを含む。フィルターセグメント89a、89b、89cは、好ましくは糸状の長尺の弾性支持体88によって接続されている。弾性支持体は、タバコユニット81に接続されている。弾性支持体の一部は、フィルターセグメント89a、89b、89cが互いに長手方向に間隔をおいて位置し、これらフィルターセグメント89a、89b、89cの間に空間が形成されるようにフィルターセグメント89a、89b、89cの間を延びている。これらのセグメントは、長尺の弾性支持体によって喫煙材に伴に連結されている。
【0061】
さらにスリーブ83は、吸い口端に隣接する内面に環状のリング87を含む。このリング87は、ろ過材で作製されてもよく、または中実の無孔材で作製したものでもよい。リング87は、フィルター集合体84を囲み、リング87の内面は、フィルター集合体84の周囲で滑り嵌めを形成している。
【0062】
チェンバー85は、リング87の内面より大きい径を有する。従ってチェンバー85は、フィルターセグメント89a、89b、89cより大きい径を有する。
【0063】
図12aは格納または不完全に延伸された状態の喫煙品80を示している。フィルターセグメント89a、89b、89cは、全てリング87内に位置している。従ってフィルター84の有効長は、フィルターを形成する全てのフィルターセグメント89a、89b、89cを足した長さになる。好ましくは支持体88は、リング87内でフィルターセグメント89a、89b、89cが間隔をおいて位置するようにフィルターセグメント89a、89b、89c間で引っ張られた状態にある。これとは別にフィルターセグメント89a、89b、89cは、最初はリング87内で互いに当接してもよい。フィルターセグメント89a、89b、89cを接続する支持体88は、弛んでいてもよい。
【0064】
図12bはさらに延伸された状態の喫煙品80を示している。タバコユニット81はスリーブ83の吸い口端から離れるように長手方向に摺動している。タバコユニット81に接続されている支持体88は、スリーブ83の吸い口端から離れるように前方へ引っ張っている。タバコユニット81に近い方のフィルターセグメント89aは、リング87の外側のチェンバー85内に位置している。フィルターセグメント89b、89cは、まだリング87内にある。
【0065】
フィルター84の有効長は、リング87内にあるフィルターセグメント89b、89cの長さである。リング87の外側にあるフィルターセグメント89aは、空気がチェンバー85内のフィルターセグメント89aの周囲を流れることができるので、フィルターの有効長には関与しない。引っ張られた支持体88は、チェンバーの壁から離れた状態でフィルターセグメント89aを吊しており、フィルターセクション89aの周囲に経路を形成している。
【0066】
喫煙品80は、フィルターセグメント89c、1つだけがリング内に留まるようにさらに延伸することができる。この場合フィルターの有効長は、フィルターセグメント89cの長さだけになる。任意ではあるが喫煙品をさらに延伸して、フィルターセグメント89a、89b、89cがいずれもリング内に留まらず、従ってフィルター84の効果がない状態にしてもよい。
【0067】
喫煙品80は、有効長を変えることができるフィルターを含む。個々のフィルターセグメント89a、89b、89cは、これらフィルターセグメントがフィルターの有効長に関与するように半径の小さいセクション内に位置することができる。これらのフィルターセグメントは、これらがフィルターの有効長に関与するように大きい径のセクション内に移動することができる。径の小さいセクションから径の大きいセクションへのフィルターセグメントの移動は、喫煙品80の延伸と連動している。径の小さいセクションは、スリーブの吸い口端に隣接し、径の大きいセクションは、径の小さいセクションとタバコユニットの間に位置している。フィルターの有効長は、喫煙品80を延伸させることによって変える(短くする)ことができる。
【0068】
従ってフィルターの有効長の特性は、喫煙材とスリーブとの相対位置によって決まる。ユーザーは、延伸の度合い、従ってフィルターの有効長を選択することによって喫煙品の強度を調整することができる。
【0069】
本明細書中の「径」なる用語は、喫煙品の種々の態様の外観の横方向の範囲を表すために用いられている。好ましくは本発明の喫煙品は、「径」なる用語が適切な円形の断面を有する。これとは別に本発明により喫煙品の外観は、例えば楕円または矩形などの非円形の断面を有してもよい。「径」と言った場合には必要に応じて横方向の範囲として解釈すべきである。
【0070】
上述の経路は、フィルターセクションまたはセグメントの円周全体に沿って、または円周の一部に沿ってのみ延びていてもよい。
【0071】
上記いずれの態様による喫煙品は、さらに風味剤源を含んでもよい。この場合風味は、第1部分が第2部分に対して移動する際に放出されてもよく、または別の作用によって放出されるようにしてもよい。風味剤源は、あらゆる風味、例えばメンソールであってもよい。風味源はフィルター内にあってもよい。本発明の喫煙品は、フィルター特性を変えられる(特にフィルター有効長)。風味のレベルまたは強度は、このフィルター特性を変えることによって変化するようにしてもよい。
【0072】
使用の際には上述のすべての態様の喫煙品は、格納された状態でパッケージ化されるのが好ましい。使用する際にはユーザーは、少なくとも長手方向にスリーブとタバコユニット強制的に引き離して喫煙品を延伸する。そしてユーザーは、従来通りタバコに火をつける。チェンバーの長さおよび/または延伸の度合いは、喫煙品の特性を変えるために利用される。
【0073】
喫煙品を消火するためにユーザーは、あらゆる好適な消火面に火のついたタバコ端部を押しつけるだけでよい。ユーザーが紙巻きタバコを消火するためにスリーブを持った場合、タバコユニットは、残りのタバコユニットがスリーブによって隠れるまで、長手方向軸に沿ってスリーブ内に押し込まれる。従って燃えたタバコロッドは、消火された喫煙品の側面からは見えない。
【0074】
上述のすべての態様のすべての特徴は、他の態様の特徴と組み合わせることができる。特に喫煙品のあらゆる態様は、タバコ筒に隣接してフィルターセクションを含んでも、含まなくてもよい。
【0075】
本発明の喫煙品は、延伸自在なものとして説明してきた。これとは別に喫煙品は、全長が固定されてもよい。第1部分は、第2部分に対してのみ回転自在であってもよい。フィルターの特性は、喫煙品の長さを変えずにスリーブを回転させて選択するようにしてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙品に関する。特に本発明は、可変フィルターを有する喫煙品に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1から延伸可能な紙巻きタバコが知られている。この紙巻きタバコは、吸い口端にフィルターを有する管内で摺動自在なタバコロッドによってスライド自在になっている。このタバコロッドは、内部チェンバーの大きさを変えるために管内でスライドすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第2,820,462号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、構造を変えることができるフィルターを有する喫煙品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、喫煙材を含む第1部分と、この第1部分に対して可動に構成された端部を少なくとも有する第2部分とを含む喫煙品であって、この第2部分がフィルターを含み、第2部分に対する第1部分の位置によって喫煙品のフィルターの特性が決まるように構成された喫煙品を提供する。
【0006】
従って本発明の喫煙品は、ユーザーが構造を変えることができるフィルターを有する。
【0007】
あくまでも例示を目的として、本発明の態様を添付の図面を参照し以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の態様の喫煙品の斜視図である。
【図2】格納された状態の図1の喫煙品の側断面図である。
【図3】延伸された状態の図1の喫煙品の側断面図である。
【図4】不完全な状態で形成された本発明による第2の態様の喫煙品の斜視図である。
【図5】第3の態様の喫煙品の側断面図である。
【図6a】格納された状態の第4の態様の喫煙品の略式斜視図である。
【図6b】延伸された状態の図6aの喫煙品の略式斜視図である。
【図7a】格納された状態の第1の態様の喫煙品のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図7b】不完全な延伸状態にある図7aのフィルター設定機構の略式側面図である。
【図7c】延伸された状態の図7aのフィルター設定機構の略式側面図である。
【図8a】格納された状態の第1の態様の図7aのフィルター設定機構の斜視図である。
【図8b】延伸された状態の第1の態様の図7aのフィルター設定機構の斜視図である。
【図9a】格納された状態の第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図9b】不完全な延伸状態にある第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図9c】延伸された状態の第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図10a】格納された状態の図9aの第2の態様のフィルター設定機構の斜視図である。
【図10b】延伸された状態の図9aの第2の態様のフィルター設定機構の斜視図である。
【図11】格納された状態の第2の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図12a】格納された状態の第3の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【図12b】延伸された状態の第3の態様のフィルター設定機構の略式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から3は第1の態様の喫煙品10を示す。この喫煙品は、紙巻きタバコ、シガーまたはシガリロなどの喫煙品であってもよい。便宜上、これらを本明細書中では「喫煙品」とする。喫煙品10は、第1フィルターセクション12が装着されたタバコロッド11形状の喫煙材を含む第1部分を含む。タバコロッド11は、第1フィルターセクション12に好ましくはチッピング紙であるカバー層によって装着されている。
【0010】
喫煙品の第2部分は、タバコロッド11および/または第1フィルターセクション12の周囲に延びた円筒状のスリーブ13を含む。タバコロッド11と第1フィルターセクション12は、スリーブ13内をユニットとして長手方向に摺動するような大きさに構成されている。タバコロッド11および第1フィルターセクション12をタバコユニットとする場合もある。
【0011】
第2フィルターセクション14が第1フィルターセクション12から離れたスリーブ13の吸い口端に位置している。第2フィルターセクション14は、スリーブ13内に強固に固定されている。第1および/または第2フィルターセクション12、14は、好ましくは従来から使用されているセルロースアセテートトウで作製される。
【0012】
チャンバー15が第1フィルターセクション12と第2フィルターセクション間でスリーブ13内に形成されている。チェンバー15は、第1フィルターセクションが円筒状のスリーブ13内を軸方向に摺動することによって、長さおよび従って容積が変化する。チェンバー15の長さは、ゼロから所定の最大長まで変化する。従って喫煙材より遠位のスリーブ13の端部は、喫煙材に対して可動である。
【0013】
第1部分と第2部分、即ちスリーブ13とタバコロッド11の相対移動は、上記最大長を越えないように制限手段、好ましくはタバコロッド11とスリーブ13上またはこれらに隣接する当接面によって制限される。特にこの制限手段は、スリーブ13から半径方向内方に延びた第1係合面を含み、この第1係合面は、タバコユニットから半径方向外方に延びた第2係合面と係合可能である。第2係合面は、タバコユニットに巻かれたシート材、特にタバコロッドと第1フィルターを接続する材料(例えばチッピング紙)によって形成してもよい。
【0014】
図2はタバコロッド11と第1フィルターセクション12が第2フィルターセクション14まで移動した格納状態にある喫煙品10を示している。この時チェンバー15の長さは、ゼロになっている。即ち喫煙品10の長さは、最も短くなっている。喫煙品10は、使用前にはこの格納状態でパッケージに入れてもよい。喫煙品10は、タバコロッド11が部分的にまたは完全に燃焼したら、使用後に格納状態に戻してもよい。
【0015】
図3はタバコロッド11と第1フィルターセクション12が可能な限り第2フィルターセクション14から離れて移動した延伸状態にある喫煙品10を示している。チェンバー15の長さは、最大まで広がっている。そして喫煙品10の長さは、最も長くなっている。喫煙品10は、使用されている間、延伸状態にあってもよい。タバコロッド11と第1フィルターセクション12は、その格納状態と延伸状態の間の途中の不完全に延びた位置を取るようにスリーブ13内で連続的に位置することが可能である。
【0016】
図4は第2の態様の喫煙品20を示す。喫煙品20は、タバコロッドを形成するためにスリーブ23に囲まれ、取り付けられる筒状のタバコ21を含む。筒状のタバコ21は、スリーブに対して移動しない。スリーブ23は、タバコ21の後方に延びたセクション23aを有する。フィルター24はスリーブセクション23a内を長手方向に摺動することができる。チェンバー25がこの管状のセクション23aによってタバコ21とフィルター24の間に形成されている。
【0017】
喫煙品20は、喫煙品10と同じように機能する。喫煙品20は、チェンバー25を形成するスリーブがマウスピースフィルター24ではなく、タバコロッドに取り付けられてる点で異なる。また喫煙品20は、タバコ21に直接フィルター12が取り付けられていない点でも異なる。本発明の別の態様は、これらの特徴または違いを1つだけ有するものであってもよい。
【0018】
スリーブ23とフィルター24の相対移動は、最大長を超えないように制限手段によって妨げられる。好ましくは制限手段は、それぞれスリーブ23aおよびフィルター24に、またはこれらに隣接して位置する第1および第2係合面を含む。
【0019】
図5は第3の態様の喫煙品30を示す。喫煙品30は、フィルター32に取り付けられたタバコロッド31を有する図1から3の態様に類似した構造を有する。タバコロッド31とフィルター32は、円筒状の管として形成されたスリーブ33内で摺動可能である。スリーブ33の吸い口端には第2フィルターの代わりにステインバインダー36が設けられている。ステインバインダー36は、染みの原因となる物質を取り除くものである。長さを変えられるチェンバー35がフィルター32とステインバインダー36の間に形成されている。
【0020】
図6aおよび6bは、第4の態様の延伸自在な喫煙品40を示している。喫煙品40は、第1フィルターセクション42に装着されたタバコロッド(図示せず)を含む。スリーブ43が第1フィルターセクション42に装着されている。スリーブ43の遠位端には吸い口端を形成する第2フィルターセクション44が位置している。チェンバー45が第1および第2フィルターセクション42、44の間のスリーブ43内に形成されている。
【0021】
スリーブ43はスリーブ43とチェンバー45の長さを変えるために蛇腹式に折り重なることができる。スリーブ43は、折り畳み線がスリーブ43の周囲に最大および最小径の線で形成されるように複数の径が異なるセクションを有する。
【0022】
図6aに示す格納された状態では、第1および第2フィルターセクション42、44は、スリーブが圧縮されるように互いに押し合わされている。スリーブ43のスリーブ線は、角度が増し、折り畳み線の間のスリーブ43のセグメントは、喫煙品の長手方向軸に対して垂直な面の方に配向される。チェンバー45の長さは、相対的に短くなる。
【0023】
図6bに示す延伸された状態では、第1および第2フィルターセクション42、44は、スリーブ43の折り畳み線の角度が減少し、折り畳み線の間のスリーブ43のセグメントは、喫煙品の長手方向軸に対して平行な面へと配向されるように離されている。チェンバー45の長さは、相対的に長くなる。
【0024】
従ってこの蛇腹式のスリーブ43によって互いにスライドし合う部分を必要とせずにチェンバー45の長さを変えることができる。従って喫煙材に対して遠位に位置するスリーブ43の端部は、喫煙材に対して可動である。
【0025】
また図6bに示すように蛇腹式のスリーブ43によって喫煙品40の曲げ具合を調整することができる。スリーブ43は、スリーブ43の折り畳み線の1本以上が円周に沿って均一に延びないように長手方向軸に対して角度を持ってまたは垂直になるようにしてもよい。スリーブ43の円周に沿った延伸度合いを変えることによってスリーブ43を曲げることができる。第1フィルターセクション42の長手方向軸は、スリーブ43が曲げられているときには第2フィルターセクション44の長手方向軸と同軸ではない。
【0026】
タバコロッドとそれに装着されたフィルターは、チッピング紙で接続されるものとして説明してきた。チッピング紙は、標準的なチッピング紙、比較的厚みのある凹部が設けられたチッピング紙または厚紙型のチッピング紙であってもよい。また別の材料で形成された管を喫煙材にフィルター材を装着するために使用してもよい。特に当該管は、例えばコーンスターチからなるプラスチックなどのプラスチック材からなるものであってもよい。また管は、セラミック材からなるものであってもよい。また管は、箔、金属、金属加工されたペーパーであってもよい。
【0027】
上記の態様は、いずれもタバコロッドに隣接する吸い口端にフィルターセクションを有するものとして説明してきた。これとは別に本発明の喫煙品は、フィルターセクションを含まないものであってもよい。
【0028】
これらフィルターセクションの1つ以上をフィルター材の単独のセグメントまたは複数のセグメントで形成してもよい。複数のセグメントで形成されたフィルターセクションは、異なる材料または異なるろ過性能を有する材料からなるセグメントを含んでもよい。特にフィルターセクションは、セルロースアセテートトウからなる標準的なセグメントとチャコールを含むろ過材料からなる別のセグメントを含んでもよい。これとは別にフィルターセクションは、チャコールが組み込まれた単独のセグメントからなるものであってもよい。
【0029】
第2フィルターは、好ましくは吸引力を補助するまたは知覚および着色パターンに関連する他の利点を提供するように形成される。フィルターは、プレス、成型または押し出しされたアセテートであってもよい。
【0030】
別の態様の喫煙品では、チェンバーはバラの状態のろ過材を含んでもよく、このろ過材は、チェンバーから出ないように第2フィルターまたは好適な手段で保持される。このようなバラの状態のろ過材としては、チェンバー内でバラの状態のカーボン粒子となるような顆粒カーボンであることが好ましい。
【0031】
図7から12bは、フィルター構造を変えるための喫煙品フィルター設定機構の3つの態様を示す。特にこれらの態様は、第2部分に対する第1部分の位置、即ち喫煙材に対するスリーブの位置によって決まるフィルター特性を有する。特にこのようにして決まるフィルター特性は、有効フィルター長、フィルター強度またはスリーブ内のフィルター位置である。これらフィルター設定機構の態様のいずれも特に明記しない限り図1から6で説明した態様の喫煙品のすべてに使用してもよい。
【0032】
図7aから8bは、第1の態様の喫煙品50におけるフィルター設定機構を示している。喫煙品50は、実質的に上記態様のいずれかで説明したように長さが変わるチェンバー55を含む。喫煙品50は、図1から3または5から6bで説明したようにタバコロッドと第1フィルターまたは図4で説明したようにタバコロッドのみを含むタバコユニット51を含む。タバコロッド51は、少なくともスリーブ53の吸い口端に対して移動可能である。チェンバー55は、タバコユニット51とフィルターまたはステインバインダー54の間に形成されている。フィルターまたはステインバインダー54は、フィルター54とする。
【0033】
フィルター54は、長さが変わる集合体58、59によってスリーブ53に接続されている。集合体58、59は、スリーブ53に対してフィルター54を長手方向に移動させる。また集合体58、59は、フィルター54とスリーブ53の吸い口端を封止する。
【0034】
集合体58、59は、延伸自在であることが好ましく、特に第1および第2延伸セクション58、59を含む。第1延伸セクション58は、スリーブ53の吸い口端に隣接する内面に取り付けられている。第1延伸セクション58は円筒形状である。第2延伸セクション59は、第1延伸セクション58内を摺動する。第2延伸セクション59は、第1延伸セクション58より径の小さい円筒形状である。
【0035】
第1および第2延伸セクション58、59にはこれらの相対移動を制限する手段が設けられており、第2延伸セクション59と第1延伸セクション58との接合を維持している。第1延伸セクション58は、吸い口端から離れた方の端部に隣接した半径方向内方に延びたフランジを含む。第2延伸セクション59は、吸い口端に近い方の端部に隣接して半径方向外方に延びたフランジを含む。これらフランジは互いに係合して第1および第2延伸セクション58、59を共に保持する。
【0036】
フィルター54は、第2延伸セクション59内で長手方向に摺動自在である。第2延伸セクション59とフィルター54にはこれらの相対移動を制限するための手段が設けられており、フィルター54と第2延伸セクション59との接合を維持している。第2延伸セクション59は、吸い口端から離れた方の端部に隣接した半径方向内方に延びたフランジを含む。フィルター54は、吸い口端に近い方の端部に隣接して半径方向外方に延びたフランジを含む。これらフランジは互いに係合してフィルター54および第2延伸セクション59を伴に保持する。
【0037】
第1および第2延伸セクション58、59は透過性材で形成されるのが好ましい。これらセクションが不完全または完全に延伸した状態では、煙または空気が第1および第2延伸セクション58、59を通過し、フィルター54を迂回する。この空気透過性材は、アセテートであってもよく、比較的多量の可塑剤によってマンドレルの周囲に形成することができる。
【0038】
弾性を有する長尺の支持体57がチェンバー55内に位置している。支持体57は、タバコユニット51に取り付けられる第1端部を有する。また支持体57はフィルター54に取り付けられた第2端部を有する。支持体57は、糸状のものであるのが好ましい。
【0039】
タバコユニット53は、図7aに示す格納された状態から、図7bに示す不完全に延伸された状態、そして図7cに示す延伸された状態へとスリーブ53の吸い口端から離れるように移動することができる。図示した態様ではスリーブ53は、タバコユニット51の周囲で摺動することができる管である。
【0040】
フィルター54は、基材57によってタバコユニット51に装着されている。支持体57は、喫煙品が格納状態にあるとき、弛んだ状態にある。喫煙品が延伸されると、フィルター54がスリーブ53の吸い口端から離れるように支持体57によって引っ張られる。フィルター54がタバコユニット51によって引っ張られると、スリーブ53の吸い口端に窪み56が形成される。この窪み56は、このような窪み56がないときと比較して使用時に喫煙品に異なる特徴を付与する。従って、スリーブ内のフィルター位置の特性は、喫煙材とスリーブ間の相対位置によって決まる。
【0041】
図7bは支持体57が引っ張られた状態になると、フィルター54と第2の延伸セクション59が一緒に第1延伸セクション58内で移動する。第2延伸セクション59が第1延伸セクション59内の最大延伸位置に到達すると、フィルター54は第2延伸セクション59から望遠鏡のように摺動する。これとは別にフィルター54は、最初に第2延伸セクション59内で移動し、その後第2延伸セクション59が第1延伸セクション58内を移動してもよい。またこれとは別にフィルター54、第1および第2延伸セクション58、59が全て同時に摺動するようにしてもよい。フィルター54がその最大長手方向延伸位置に到達すると、支持体57がタバコユニット51がスリーブ53に対してさらに移動するのを防ぐ。
【0042】
図8aは格納された状態にある喫煙品50を示している。第1および第2延伸セクション58、59およびフィルター54は、スリーブ53の吸い口端に位置合わせされている。図8bは延伸された状態にある喫煙品50を示している。タバコユニット51を動かすことによってフィルター54をスリーブの端部から引き離し、窪み56を形成する。空気が延伸セクション58、59の周囲またはこれらを介して通過し、フィルターの実効特性を変える互い違いの流路を形成する。
【0043】
図9aから11は、第2の態様の喫煙品70のフィルター設定機構を示している。喫煙品70は、図1から3または5から6bを参照して説明したようにタバコロッドと第1フィルター74とを含むタバコユニット71を含んでいる。タバコロッド71は、スリーブ73に対して移動可能である。喫煙品70はチェンバーを形成するための第2フィルター長手方向に間隙をおいて位置するさらなるフィルターを含まない。
【0044】
喫煙品70はフィルター74を含むタバコユニット71を含む。フィルター74は、それが取り付けられているタバコロッドより小さい径を有する。フィルター74は、タバコロッドに堅く接合されたまたは装着された単独のフィルターユニットである。
【0045】
スリーブ73は、環状のリング77を含んでいる。このリング77は、フィルター材で作製したものでもよく、または中実の無孔材で作製したものでもよい。リング77は、フィルター74を囲み、好ましくはフィルター74の周囲に滑り嵌めを形成する。
【0046】
図9aは、格納状態にある喫煙品70を示している。リング77はタバコロッドに当接している。タバコロッドとスリーブ73の吸い口端の間に代替経路がないので、フィルター74の有効長は、その全長になる。
【0047】
スリーブ73は、目印手段の一部を形成するリブ79aを含む。この目印手段については図11を参照して詳しく説明する。
【0048】
図9bは不完全に延伸された状態にある喫煙品70を示している。フィルター74は、部分的にリング77から突出している。環状の経路78がリング77から長手方向に突出したフィルター74部分の周囲に形成されている。この環状経路78によって物質が自由に流れる。凹部76がスリーブ77の吸い口端に形成されている。フィルター74の有効長は、格納された状態より短い。この状態にあるときフィルターの一部を迂回するタバコロッドから経路78を介してスリーブの端部への代替経路が形成される。通常、空気はフィルター74に入る前に経路78の全長に沿って流れ、窪み76内へと流れ込む。
【0049】
図9cは延伸された状態にある喫煙品70を示している。フィルター74は、その長さの大半がリング77から突出している。しかしながら、フィルターの一部は、リング内に留まっている。経路78と窪み76は、両方とも長さが最大になっている。経路78がフィルター74の大半を迂回する代替経路を供するので、フィルター74の有効長は、最も短くなっている。
【0050】
喫煙品70は、有効長を変えることができるフィルター74を提供する。スリーブ73内でタバコユニット71が長手方向に移動することによりフィルター74を囲んでいる経路78の長さが変化する。喫煙品の長さの変化によってフィルター74の有効長が調整され、これはユーザーによって行われる。フィルター74の有効長によって喫煙品の強度が決まる。
【0051】
図10aおよび10bは、格納状態および延伸状態にある喫煙品をそれぞれ示している。格納状態ではフィルター74は喫煙品の端部まで延びている。延伸状態ではフィルター74はスリーブに対して移動しており、窪み76を形成している。
【0052】
喫煙品70は、有効長が変化するフィルターを含んでいる。フィルターセクション74は、径の小さいセクション内で位置決めすることが可能であり、これによりこの径の小さいセクション内の部分がフィルターの有効長に関与する。フィルターセクション74は、径の大きいセクションへと移動可能であり、この径の大きいセクション内の部分はフィルターの有効長に関与しない。径の小さいセクションから径の大きいセクションへのフィルターセクションの移動は、喫煙品70の延伸に直結している。径の小さいセクションは、スリーブの吸い口端に隣接しており、径の大きいセクションは径の小さいセクションとタバコユニットの間に位置している。有効長は喫煙品70を延ばすことによって変わる(短くなる)。従ってフィルターの有効長の特性は、喫煙材とスリーブ間の相対位置によって決まる。ユーザーは、喫煙品の延伸度合いを選択することによって、従ってフィルター有効長を選択することによって喫煙品の味の強度を調整することができる。
【0053】
図11は喫煙品の目印手段を示している。この目印手段によって喫煙品の長手方向の所定の延伸度合いを選択することができる。
【0054】
スリーブ73には複数のリブ79aが設けられている。好ましくはスリーブは、3つのリブ79aを含む。これらリブ79aは、環状であってもよく、またはスリーブ73の円周の一部に亘ってのみ延びてもよい。リブ79aは、それぞれスリーブ73の内面に凹みを形成している。
【0055】
タバコユニット71には突起79bが設けられている。この突起79bはタバコユニットの円周に沿って延びていてもよく、または円周の一部に沿ってのみ延びていてもよい。突起79bは、目印手段を形成するためにリブ79aの窪みに係合するように構成されている。突起79bは、図示した格納状態、不完全な延伸状態および延伸状態に対応する喫煙品70の3つの延伸段階で窪みに係合する。
【0056】
突起79bおよび/またはスリーブ73は、リブ79aの窪みの間を突起79が移動できるように弾性変形可能である。突起79bは、選択された窪み内に延び、これにより突起のさらなる移動が妨げられ、目印となる位置に到達したことを示す。
【0057】
リブ79aおよび/または突起79bには突起79bの位置、従って喫煙品の強度を表すための何らかの印を設けてもよい。特にリブ79aは、それぞれ窓を形成し、突起は対応する窓から視認できる色のついたマークを有してもよい。
【0058】
当然のことながら他の種類の目印手段も使用可能であり、喫煙品70は、目印手段を有さなくてもよい。特に目印手段は複数のリブ79aおよび複数の突起79bを含んでもよく、または1つのリブ79aおよび複数の突起79bを含んでもよい。これとは別に突起79bをスリーブの内面に形成してもよく、タバコユニットに1つ以上の窪みを設けてもよい。
【0059】
図12aおよび12bは第3の態様の喫煙品80のフィルター設定機構を示している。喫煙品80は、実質的に上記態様のいずれかで説明したように長さが変わるチェンバー85を含む。喫煙品80は、図1から3または5から6bで説明したようにタバコロッドと第1フィルターまたは図4で説明したようにタバコロッドのみを含むタバコユニット51を含む。タバコロッド81は、少なくともスリーブ83の吸い口端に対して移動可能である。チェンバー85は、タバコユニット81とフィルター集合体84の間に形成されている。
【0060】
フィルター84は、複数のフィルターセグメント89a、89b、89cを含む。フィルターセグメント89a、89b、89cは、好ましくは糸状の長尺の弾性支持体88によって接続されている。弾性支持体は、タバコユニット81に接続されている。弾性支持体の一部は、フィルターセグメント89a、89b、89cが互いに長手方向に間隔をおいて位置し、これらフィルターセグメント89a、89b、89cの間に空間が形成されるようにフィルターセグメント89a、89b、89cの間を延びている。これらのセグメントは、長尺の弾性支持体によって喫煙材に伴に連結されている。
【0061】
さらにスリーブ83は、吸い口端に隣接する内面に環状のリング87を含む。このリング87は、ろ過材で作製されてもよく、または中実の無孔材で作製したものでもよい。リング87は、フィルター集合体84を囲み、リング87の内面は、フィルター集合体84の周囲で滑り嵌めを形成している。
【0062】
チェンバー85は、リング87の内面より大きい径を有する。従ってチェンバー85は、フィルターセグメント89a、89b、89cより大きい径を有する。
【0063】
図12aは格納または不完全に延伸された状態の喫煙品80を示している。フィルターセグメント89a、89b、89cは、全てリング87内に位置している。従ってフィルター84の有効長は、フィルターを形成する全てのフィルターセグメント89a、89b、89cを足した長さになる。好ましくは支持体88は、リング87内でフィルターセグメント89a、89b、89cが間隔をおいて位置するようにフィルターセグメント89a、89b、89c間で引っ張られた状態にある。これとは別にフィルターセグメント89a、89b、89cは、最初はリング87内で互いに当接してもよい。フィルターセグメント89a、89b、89cを接続する支持体88は、弛んでいてもよい。
【0064】
図12bはさらに延伸された状態の喫煙品80を示している。タバコユニット81はスリーブ83の吸い口端から離れるように長手方向に摺動している。タバコユニット81に接続されている支持体88は、スリーブ83の吸い口端から離れるように前方へ引っ張っている。タバコユニット81に近い方のフィルターセグメント89aは、リング87の外側のチェンバー85内に位置している。フィルターセグメント89b、89cは、まだリング87内にある。
【0065】
フィルター84の有効長は、リング87内にあるフィルターセグメント89b、89cの長さである。リング87の外側にあるフィルターセグメント89aは、空気がチェンバー85内のフィルターセグメント89aの周囲を流れることができるので、フィルターの有効長には関与しない。引っ張られた支持体88は、チェンバーの壁から離れた状態でフィルターセグメント89aを吊しており、フィルターセクション89aの周囲に経路を形成している。
【0066】
喫煙品80は、フィルターセグメント89c、1つだけがリング内に留まるようにさらに延伸することができる。この場合フィルターの有効長は、フィルターセグメント89cの長さだけになる。任意ではあるが喫煙品をさらに延伸して、フィルターセグメント89a、89b、89cがいずれもリング内に留まらず、従ってフィルター84の効果がない状態にしてもよい。
【0067】
喫煙品80は、有効長を変えることができるフィルターを含む。個々のフィルターセグメント89a、89b、89cは、これらフィルターセグメントがフィルターの有効長に関与するように半径の小さいセクション内に位置することができる。これらのフィルターセグメントは、これらがフィルターの有効長に関与するように大きい径のセクション内に移動することができる。径の小さいセクションから径の大きいセクションへのフィルターセグメントの移動は、喫煙品80の延伸と連動している。径の小さいセクションは、スリーブの吸い口端に隣接し、径の大きいセクションは、径の小さいセクションとタバコユニットの間に位置している。フィルターの有効長は、喫煙品80を延伸させることによって変える(短くする)ことができる。
【0068】
従ってフィルターの有効長の特性は、喫煙材とスリーブとの相対位置によって決まる。ユーザーは、延伸の度合い、従ってフィルターの有効長を選択することによって喫煙品の強度を調整することができる。
【0069】
本明細書中の「径」なる用語は、喫煙品の種々の態様の外観の横方向の範囲を表すために用いられている。好ましくは本発明の喫煙品は、「径」なる用語が適切な円形の断面を有する。これとは別に本発明により喫煙品の外観は、例えば楕円または矩形などの非円形の断面を有してもよい。「径」と言った場合には必要に応じて横方向の範囲として解釈すべきである。
【0070】
上述の経路は、フィルターセクションまたはセグメントの円周全体に沿って、または円周の一部に沿ってのみ延びていてもよい。
【0071】
上記いずれの態様による喫煙品は、さらに風味剤源を含んでもよい。この場合風味は、第1部分が第2部分に対して移動する際に放出されてもよく、または別の作用によって放出されるようにしてもよい。風味剤源は、あらゆる風味、例えばメンソールであってもよい。風味源はフィルター内にあってもよい。本発明の喫煙品は、フィルター特性を変えられる(特にフィルター有効長)。風味のレベルまたは強度は、このフィルター特性を変えることによって変化するようにしてもよい。
【0072】
使用の際には上述のすべての態様の喫煙品は、格納された状態でパッケージ化されるのが好ましい。使用する際にはユーザーは、少なくとも長手方向にスリーブとタバコユニット強制的に引き離して喫煙品を延伸する。そしてユーザーは、従来通りタバコに火をつける。チェンバーの長さおよび/または延伸の度合いは、喫煙品の特性を変えるために利用される。
【0073】
喫煙品を消火するためにユーザーは、あらゆる好適な消火面に火のついたタバコ端部を押しつけるだけでよい。ユーザーが紙巻きタバコを消火するためにスリーブを持った場合、タバコユニットは、残りのタバコユニットがスリーブによって隠れるまで、長手方向軸に沿ってスリーブ内に押し込まれる。従って燃えたタバコロッドは、消火された喫煙品の側面からは見えない。
【0074】
上述のすべての態様のすべての特徴は、他の態様の特徴と組み合わせることができる。特に喫煙品のあらゆる態様は、タバコ筒に隣接してフィルターセクションを含んでも、含まなくてもよい。
【0075】
本発明の喫煙品は、延伸自在なものとして説明してきた。これとは別に喫煙品は、全長が固定されてもよい。第1部分は、第2部分に対してのみ回転自在であってもよい。フィルターの特性は、喫煙品の長さを変えずにスリーブを回転させて選択するようにしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙材を含む第1部分と、
第1部分に対して可動に構成された少なくともひとつの端部を有する第2部分とを含む喫煙品であって、
前記第2部分がフィルターを含み、
第2部分に対する第1部分の位置によって喫煙品のフィルターの特性が決まるように構成された喫煙品。
【請求項2】
前記第2部分がスリーブを含み、前記フィルターがこのスリーブに連結されている、または前記第1部分がスリーブを含み、前記第2部分このスリーブに対して可動な前記フィルターを含むことを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項3】
前記喫煙品が延伸自在であって、前記第2部分が前記第1部分に対して長手方向に移動するように構成された遠位端を有することを特徴とする請求項1または2記載の喫煙品。
【請求項4】
フィルターの実効長が前記第1部分の前記第2部分に対する位置によって決まることを特徴とする請求項1、2または3記載の喫煙品。
【請求項5】
フィルターの選択された部分の周囲を空気が流れるようにする経路を形成し、この選択された部分は、フィルターの実効長に関与しないことを特徴とする請求項4記載の喫煙品。
【請求項6】
前記スリーブが第1の断面領域を有する第1セクションおよびこの第1の断面領域より大きい第2の断面領域を有する第2セクションを形成し、第1セクション内を延びたフィルターが第1断面領域内に嵌り、経路が第2セクション内のフィルターの一部の周囲に形成されることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項7】
前記第1セクションが前記フィルターと実質的に同じ長さを有することを特徴とする請求項6記載の喫煙品。
【請求項8】
前記フィルターが前記喫煙材に強固に連結されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項9】
前記フィルターが複数の分離可能なセグメントを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項10】
前記複数のフィルターセグメントが可撓性の長尺の支持体によって互いに間隔をおいて接続されていることを特徴とする請求項9記載の喫煙品。
【請求項11】
前記フィルターが延伸自在な集合体によって前記第2部分に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項12】
前記延伸自在な集合体が透過性材で形成された延伸セクションを含むことを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
【請求項13】
前記フィルターが前記第2部分に対する前記第1部分の移動範囲の少なくとも1部に亘って前記第1部分と伴に移動できるように前記第1部分に連結されていることを特徴とする請求項9乃至12いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項14】
前記フィルターが長尺の可撓性支持体によって前記第1部分に連結されていることを特徴とする請求項9乃至12いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項15】
前記第1部分と第2部分を予め定められた複数の相対位置に解除自在に固定するための目印手段を含むことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項16】
前記第2部分がスリーブを含み、このスリーブが円筒状に形成され、前記喫煙材の周囲を長手方向に摺動自在であることを特徴とする請求項2記載の喫煙品。
【請求項17】
前記第2部分がスリーブを含み、このスリーブは蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の喫煙品。
【請求項18】
さらに風味源を含み、そのレベルは喫煙品のろ過レベルに依存していることを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項1】
喫煙材を含む第1部分と、
第1部分に対して可動に構成された少なくともひとつの端部を有する第2部分とを含む喫煙品であって、
前記第2部分がフィルターを含み、
第2部分に対する第1部分の位置によって喫煙品のフィルターの特性が決まるように構成された喫煙品。
【請求項2】
前記第2部分がスリーブを含み、前記フィルターがこのスリーブに連結されている、または前記第1部分がスリーブを含み、前記第2部分このスリーブに対して可動な前記フィルターを含むことを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項3】
前記喫煙品が延伸自在であって、前記第2部分が前記第1部分に対して長手方向に移動するように構成された遠位端を有することを特徴とする請求項1または2記載の喫煙品。
【請求項4】
フィルターの実効長が前記第1部分の前記第2部分に対する位置によって決まることを特徴とする請求項1、2または3記載の喫煙品。
【請求項5】
フィルターの選択された部分の周囲を空気が流れるようにする経路を形成し、この選択された部分は、フィルターの実効長に関与しないことを特徴とする請求項4記載の喫煙品。
【請求項6】
前記スリーブが第1の断面領域を有する第1セクションおよびこの第1の断面領域より大きい第2の断面領域を有する第2セクションを形成し、第1セクション内を延びたフィルターが第1断面領域内に嵌り、経路が第2セクション内のフィルターの一部の周囲に形成されることを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項7】
前記第1セクションが前記フィルターと実質的に同じ長さを有することを特徴とする請求項6記載の喫煙品。
【請求項8】
前記フィルターが前記喫煙材に強固に連結されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項9】
前記フィルターが複数の分離可能なセグメントを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項10】
前記複数のフィルターセグメントが可撓性の長尺の支持体によって互いに間隔をおいて接続されていることを特徴とする請求項9記載の喫煙品。
【請求項11】
前記フィルターが延伸自在な集合体によって前記第2部分に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項12】
前記延伸自在な集合体が透過性材で形成された延伸セクションを含むことを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
【請求項13】
前記フィルターが前記第2部分に対する前記第1部分の移動範囲の少なくとも1部に亘って前記第1部分と伴に移動できるように前記第1部分に連結されていることを特徴とする請求項9乃至12いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項14】
前記フィルターが長尺の可撓性支持体によって前記第1部分に連結されていることを特徴とする請求項9乃至12いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項15】
前記第1部分と第2部分を予め定められた複数の相対位置に解除自在に固定するための目印手段を含むことを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項16】
前記第2部分がスリーブを含み、このスリーブが円筒状に形成され、前記喫煙材の周囲を長手方向に摺動自在であることを特徴とする請求項2記載の喫煙品。
【請求項17】
前記第2部分がスリーブを含み、このスリーブは蛇腹状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の喫煙品。
【請求項18】
さらに風味源を含み、そのレベルは喫煙品のろ過レベルに依存していることを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載の喫煙品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【公開番号】特開2011−205915(P2011−205915A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−74232(P2010−74232)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【出願人】(509143321)ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74232(P2010−74232)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(500252844)ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド (111)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
【出願人】(509143321)ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社 (9)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]