説明

嘔吐物収容マスク

【課題】日常生活の通常時より簡単に装着、かつ簡潔に後処理できる嘔吐物収容マスクを提供する。
【解決手段】マスク本体10とマスク付属部20から構成され、マスク付属部20は、上部の呼吸補助部21と下部の受け止め袋22に分かれ、呼吸補助部21は柔軟性かつ通気性があり、頬と鼻の間に隙間ができる素材を使用し、前記口鼻開口部11を覆い呼吸を可能にする呼吸補助部21を有する事で通常より装着でき、下部の受け止め袋22は嘔吐物を受け止める為の伸縮性のある袋を有し、呼吸補助部21と受け止め袋22は接合されておりマスク本体10とマスク付属部20は鼻の上縁を除いて接合されている。マスク本体10の口鼻開口部11下縁半分に紐通し部30を設け、呼吸補助部21と受け止め袋22の接合部にも紐通し部30を設け、絞り紐31を通し嘔吐後、絞り紐31を引く事で嘔吐物を簡潔に処理する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は嘔吐物を受け止め、後処理を簡潔にする事ができるマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な嘔吐には、乗り物酔いやアルコール摂取による嘔吐と病気による嘔吐があり、いずれも突発的な嘔吐がみられ、従来は袋や容器では間わず周囲を汚すため後処理に大変苦労するという課題がある。

【0003】
また、病気による嘔吐には二次感染を引き起こすものもあり、特に近年増加傾向ある感染性腸炎は、嘔吐や下痢を主症状とし、感染力が非常に強いため処理には十分な注意が必要とされている。

【0004】
本発明は突発的な嘔吐に対処する為、嘔吐前から口元に袋や容器を固定できる物はないか、試行錯誤の結果、通常時より装着出来るマスクに着目したが、従来のマスクは外気中のほこりや花粉、病原菌を侵入させない不織布かガーゼといった浸透性のあるものが主流であり嘔吐に対する物ではない。

【0005】
嘔吐物を受け止める装置として下記特許文献1の生命維持服ヘルメット用のスキャンベンジング装置が開示されているが、外宇宙での生命維持に付属される装置のため一般では使えない。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特公 平5−37879

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記特許文献に開示する生命維持服ヘルメット用のスキャンベンジング装置は外宇宙で使用する生命維持服に付属される装置であり一般的な嘔吐には対応できない。本発明は、日常生活の通常時より簡単に装着、かつ簡潔に後処理出来る嘔吐物収容マスクを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも口を覆う部分と頭部に取り付ける部分を有し、口を覆う部分には嘔吐物を受け止める袋を有する、嘔吐物収容マスクである。
上記課題を解決するべく日常生活時の突発的な嘔吐に対応でき、通常時より装着出来る事が好ましい。
【0009】
本発明は、マスク本体とマスク付属部から構成され、
マスク本体は柔軟性かつ伸縮性があり、かつ水分を通さない素材を使用しており目の下から顎にかけて顔を覆い、鼻と口の部分に開口部を設け、
マスク本体の両端を頭部でとめ固定させるようにし、
マスク付属部は上部と下部に分かれ上部は柔軟性かつ通気性があり
マスク付属部と鼻の間に隙間が出来る素材を使用し、前記開口部を覆い
呼吸を可能にする呼吸補助部を有し、下部は嘔吐物を受け止める為
伸縮性のある袋を有し上部と下部は接合されており
マスク本体とマスク付属部は鼻の上辺を除いて接合された、嘔吐物収容マスクにおいて、
上記課題を解決する為装着時に呼吸を可能にし、呼吸補助部は通気性のある素材を使用し、付属部と、鼻と頬の間に隙間をもたせ通気部を設けることで通常持より使用できることを特徴とする。
【0010】
上記発明の嘔吐物収容マスクにおいて、
受け止め袋の上部に紐通し部を設け、絞り紐を通し絞るようにした方が好ましい。
【発明の効果】
【0011】
(1)本発明によれば日常生活で通常持より装着することで突発的な嘔吐に対応でき、簡潔に後処理がする事が出来る。
これにしたがって、嘔吐物を封じ込め、的確に処理する事で、家族間や集団生活の場において二次感染を防ぐことが出来る、嘔吐物収容マスクを提供できる。
【0012】
(2)マスク本体とマスク付属部から構成され、マスク本体は柔軟性かつ伸縮性があり、かつ水分を通さない素材を使用しており、目の下から顎にかけて顔を覆い、鼻と口の部分に開口部を設け、マスク本体の両端を頭部でとめ固定させるようにし、
マスク付属部は上部と下部に分れ、上部は柔軟性かつ通気性があり
マスク付属部と鼻の間に隙間が出来る素材を使用し、前記開口部を覆い呼吸を可能にする呼吸補助部を有し、下部は嘔吐物を受け止める為の伸縮性のある袋を有し上部と下部は接合されており、マスク本体とマスク付属部は鼻の上辺を除いて接合された嘔吐物収容マスクによれば、
マスク本体とマスク付属部から構成され、マスク本体は柔軟性かつ伸縮性があり、かつ水分を通さない素材を使用しており、目の下から顎にかけて顔を覆い、鼻と口の部分に開口部を設けマスク本体の両端を頭部で止め固定することで、顔面にフィットさせ嘔吐時の口の動きに対応することで、側臥位でも嘔吐物を受け止めることが出来る。
その結果、通常持より装着し突発的な嘔吐の飛散を防ぎ、衣類や寝具を汚す事なく的確に受け止める事が出来る。
例えば通院や移動中の車中など、いかなる状況でも嘔吐物を受け止める事ができる。
また、下部は嘔吐物を受けとめる為の伸縮性のある袋を有する事で、嘔吐後にたわみ、吐いた事が目認できすばやく対処出来る嘔吐物収容マスクを提供できる。
【0013】
(3)請求項3に記載の嘔吐物収容マスクにおいて、マスク本体の開口部の縁下半分に紐通し部を設け、マスク付属部の呼吸補助部と受け止め袋の接合部にも紐通し部を設け、絞り紐を通し絞るようにした、嘔吐物収容マスクによれば、
上記効果を加えた嘔吐物収容マスクにおいて、マスク本体の開口部の縁下半分に紐通し部を設け、マスク付属部の呼吸補助部と受け止め袋の接合部にも紐通し部を設け、絞り紐を通し、嘔吐後絞り紐を絞る事により、嘔吐物を封じ込め的確に処理する事で家族間や集団生活の場において二次感染を防ぐことができる嘔吐物収容マスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本発明のマスクの全体を示した側面から見た説明図
【図2】図2は本発明のマスクの全体を示した正面から見た説明図
【図3】図3は本発明の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の形態にかかる嘔吐物収容マスクを図面に基づいて説明する。
嘔吐物収容マスクはマスク本体10とマスク付属部20から構成され、マスク本体10は目から下方を覆う物で伸縮性があり、かつ水分を通さない素材を使用する。
例えば、合成ゴムや合成樹脂などが挙げられ、一枚の合成ゴムシートから外縁を口鼻開口部11と耳開口部12をくり抜き、もしくはうち抜き、外縁の両端となる固定部13、すなわち後頭部側に面ファスナーや両面テープなどを取り付け固定する様にしている。装着時には口鼻開口部11から口と鼻を出し又、耳開口部12から、耳を出し後頭部で両端を合わせながら固定部13で後頭部に固定させる。
【0016】
マスク付属部20は、上部の呼吸補助部21と下部の受け止め袋22に分かれる。呼吸補助部21は柔軟性かつ通気性があり、例えば幾重に織った不織布などが挙げられる。鼻と頬に呼吸補助部21をあてた時にできた隙間が通気部23となる。
【0017】
呼吸補助部21の下に設けてある受け止め袋22は嘔吐物を受け止める為に、伸縮性があり水分を通さない素材で、例えば合成ゴムや合成樹脂などでできた袋である。
呼吸補助部21と受け止め袋22は接着剤やミシン等で接合される。
【0018】
マスク本体10とマスク付属部20は鼻の上縁の通気部23を除いて接着剤やミシンなどで嘔吐物がもれないように接合されている。
【0019】
マスク本体10の口鼻開口部21の下縁半分に、折り返しもしくは、同じ布地をあて、ミシンか接着剤で紐が通せるような筒状部を作る。
さらに、呼吸補助部21と受け止め袋22の合わせ重なる接合部分にミシンか接着部分に二重に接着する事で紐が通せる筒状部を作る。
2ヶ所の筒状が絞り紐31を通す、紐通し部30となる。
【0020】
マスク本体10と、マスク付属部20を接合した時に、少なくとも1本の絞り紐31を紐通し部30に通す事で嘔吐後、嘔吐物を漏らさないように絞る事ができる。
【0021】
本発明の嘔吐物収容マスクは、病気や乗り物酔い、アルコール摂取による吐き気をもよおす時から着用でき、
例えば、感染性胃腸炎などにかかった小さな子供など、食欲が減り口数が少なくなって、嗚咽をするようになった時に着用する。
頻繁に嘔吐を繰り返したり、突発的な嘔吐に対応できるので通院時や、集団生活の場において飛散による二次感染を防ぐことが出来る。
嘔吐物が付着した衣類や寝具は汚染されている為、通常の洗濯物とは一緒には洗えないので処理にも手間がかかる。
広範囲に嘔吐物が飛散するので、シーツや衣類タオルなど汚れのひどい場合は処分する事もあるが、嘔吐物収容マスクを着用する事でこれらの負担を軽減する事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0022】
マスクの分野に利用できる。
【符号の説明】
【0023】
10 マスク本体
11 口鼻開口部
12 耳開口部
13 固定部
20 マスク付属部
21 呼吸補助部
22 受け止め袋
23 通気部
30 紐通し部
31 絞り紐



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも口を覆う部分と頭部に取り付ける部分を有し、口を覆う部分には嘔吐物を受け止める袋を有する、嘔吐物収容マスク。

【請求項2】
請求項1に記載の嘔吐物収容マスクにおいて、受け止め袋の上部に紐通し部を設け絞り紐を通し絞るようにした、嘔吐物収容マスク。

【請求項3】
マスク本体とマスク付属部から構成され、
マスク本体は柔軟性かつ伸縮性があり、かつ水分を通さない素材を使用しており、目の下から顎にかけて顔を覆い、鼻と口の部分に開口部を設け、マスク本体の両端を頭部で止め固定させるようにし、
マスク付属部は上部と下部に分かれ、上部は柔軟性かつ通気性がありマスク付属部と鼻の間に隙間ができる素材を使用し、前記開口部を覆い呼吸を可能にする呼吸補助部を有し、下部は嘔吐物を受け止める為の伸縮性のある袋を有し上部と下部は接合されており、マスク本体とマスク付属部は鼻の上縁を除いて嘔吐物が漏れない様に接合された、嘔吐物収容マスク。

【請求項4】
請求項3に記載の嘔吐物収容マスクにおいて、マスク本体の口鼻開口部の下縁半分に紐通し部を設け、マスク付属部の呼吸補助部と受け止め袋の接合部にも紐通し部を設け、絞り紐を通し絞るようにした、嘔吐物収容マスク。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−83317(P2011−83317A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236307(P2009−236307)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【特許番号】特許第4632160号(P4632160)
【特許公報発行日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(309011550)
【出願人】(309011572)
【出願人】(309012557)
【Fターム(参考)】