説明

噛合チェーン式昇降装置

【課題】昇降駆動用噛合チェーンの傾斜や座屈を抑制してチェーン耐久性を向上するとともに摩耗粉の発生量を低減し、昇降テーブルの低床化を達成する噛合チェーン式昇降装置を提供すること。
【解決手段】昇降テーブル110と昇降用スプロケット140と昇降駆動用噛合チェーン150と駆動源160とチェーン誘導プレート170とチェーンガイド機構180とを備え、チェーンガイド機構180が、昇降駆動用噛合チェーン150に対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられるチェーンガイド用ローラ181と、チェーンガイド用ローラ181を接触状態で垂直方向に向けて昇降させるチェーンガイド用レール182とから構成されている噛合チェーン式昇降装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種製造分野の製造設備、運輸分野の移送設備、医療福祉分野の介護設備、芸術分野の舞台設備などに用いて被昇降物を設置面に対して平行に進退動させる駆動装置であって、特に、噛合チェーンを進退動作の駆動媒体として採用した噛合チェーン式駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降装置として、スプロケットにより相互に噛み合って一体的に昇降する一対の噛合チェーン、所謂、チャックチェーンを用いて重量物などの被昇降物を昇降移動させる昇降装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、被昇降物をその上面に搭載する荷重支持部材が、一対の噛合チェーンの上端に連結されている。
【特許文献1】特許第3370928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の昇降装置では、被昇降物が荷重支持部材に偏在した状態で搭載された場合などに一対の噛合チェーンに対して偏荷重が負荷されて、一対の噛合チェーンが垂直状態から傾斜状態になることがあるため、このように噛合チェーンが傾斜した状態で噛合チェーンのローラとスプロケットのスプロケット歯とが接触して噛合チェーンのローラに対して局部的に過大な圧力が及ぼされ、噛合チェーンのチェーン耐久性が損なわれる虞れがあるという問題があった。
【0004】
また、前述したように一対の噛合チェーンが垂直状態から傾斜状態となる結果として、噛合チェーンが座屈し易くなってチェーン耐久性を損なうとともに、噛合いチェーンの横揺れに起因する不安定な昇降動作を生じる虞れがあるという昇降操作上の問題があった。
【0005】
また、前述したように噛合チェーンの座屈などに起因してチェーン耐久性が損なわれる結果、噛合チェーンに対して潤滑油を頻繁に給脂する必要が生じて作業負担が増大するなどの保守メンテナンス上の問題があり、また、昇降装置の主要部材である噛合チェーンのチェーン耐久性が低減するため、昇降装置の装置寿命が短くなるという問題があった。
【0006】
そして、前述したような噛合チェーン550の傾斜や横揺れに対する対策として、図10及び図11に示すように、自立状態を呈した一対の噛合チェーン550に対して隣接状態で垂設されて噛合チェーン550の基本的なチェーン構成部材であるローラ554をプレート高さ方向(図10における横方向)の両側から挟み込むことで噛合チェーン550を垂直方向に向けて誘導案内するチェーンガイド部材582が提案されている。
しかしながら、このようなチェーンガイド部材582を用いた場合、図11に示すように、チェーン長手方向に多数配置されたローラ554の多くがチェーンガイド部材582のガイド部582aに接触した状態で噛合チェーン550が昇降駆動するため、この多数のローラ554とガイド部582aとの間における接触に起因して多量の摩耗粉が発生するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、昇降駆動用噛合チェーンの傾斜や座屈を抑制してチェーン耐久性を向上するとともに摩耗粉の発生量を低減し、しかも、昇降テーブルの低床化を達成する噛合チェーン式昇降装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明は、設置面に対して平行に併置された一対の回転軸を中心に同一面内で相互に対向して反対方向に正逆回転する一対の昇降用スプロケットと、該一対の昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに前記一対の昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて分岐する一対の昇降駆動用噛合チェーンと、該昇降駆動用噛合チェーンの上端に設置されて一体に昇降する昇降テーブルと、前記一対の昇降用スプロケットを駆動する駆動源と、前記昇降用スプロケットにより相互に噛み合った一対の昇降駆動用噛合チェーンを垂直方向に誘導案内するチェーンガイド機構とを備えている噛合チェーン式昇降装置であって、前記チェーンガイド機構が、前記昇降駆動用噛合チェーンに対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられるチェーンガイド用ローラと該チェーンガイド用ローラを接触状態で垂直方向に向けて昇降させるチェーンガイド用垂直レールとから構成されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0009】
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の構成に加えて、前記チェーンガイド用ローラが、前記昇降駆動用噛合チェーンの最外側に配置された外歯プレートの外側面から一部突出する連結ピンの端部に取り付けられていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0010】
請求項3に係る本発明は、請求項1または請求項2記載の構成に加えて、前記昇降テーブルの昇降動作をガイドする昇降補助ガイド手段が、前記昇降テーブルと設置面との間に伸縮自在に設けられたパンタグラフからなることにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
そこで、本発明の噛合チェーン式昇降装置は、設置面に対して平行に併置された一対の回転軸を中心に同一面内で相互に対向して反対方向に正逆回転する一対の昇降用スプロケットと、一対の昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに一対の昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて分岐する一対の昇降駆動用噛合チェーンと、昇降駆動用噛合チェーンの上端に設置されて一体に昇降する昇降テーブルと、一対の昇降用スプロケットを駆動する駆動源とを備えていることにより、昇降テーブルが昇降位置に関係なく昇降用スプロケットの正逆回転に合わせて昇降可能であるので、昇降テーブルの昇降動作を等速かつ迅速に達成できるとともにチェーン収納手段と駆動部分の高い設計自由度を実現でき、加えて、以下のような特有の構成に対応した格別の効果を奏することができる。
【0012】
請求項1に係る本発明の噛合チェーン式昇降装置によれば、チェーンガイド機構が、昇降駆動用噛合チェーンに対して取り付けられるチェーンガイド用ローラとチェーンガイド用垂直レールとから構成されていることにより、チェーンガイド用垂直レールでチェーンガイド用ローラを接触状態で垂直方向に向けて昇降させることで昇降駆動用噛合チェーンを誘導案内するため、昇降テーブルに偏在した状態で搭載された被昇降物の重量などに起因して昇降駆動用噛合チェーンに対して偏荷重が負荷された際に昇降駆動用噛合チェーンに生じがちな傾斜や座屈を確実に抑制して優れたチェーン耐久性を実現できる。
【0013】
また、前述したように昇降駆動用噛合チェーンの傾斜を抑制することで、昇降駆動用噛合チェーンが傾斜した状態で昇降駆動用噛合チェーンのローラと昇降用スプロケットのスプロケット歯とが接触して昇降駆動用噛合チェーンのローラに対して局部的に過大な圧力が及ぼされる事態を回避するため、チェーン耐久性を著しく向上できる。
【0014】
また、噛合チェーン式昇降装置の主要部材である昇降駆動用噛合チェーンのチェーン耐久性を向上させることで、噛合チェーン式昇降装置の長期に亘る装置寿命を確保でき、そして、昇降駆動用噛合チェーンに対する潤滑油の給脂間隔を延長できるなど保守メンテナンスにおける作業負担を軽減できる。
【0015】
また、前述したように昇降駆動用噛合チェーンに対して偏荷重が負荷された際にも昇降駆動用噛合チェーンに傾斜や座屈が生じることを抑制することで、昇降テーブルの積載面を水平な状態に保持して安定感のある昇降動作を達成できる。
【0016】
そして、チェーンガイド用ローラが昇降駆動用噛合チェーンに対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられていることにより、基本的なチェーン構成部材でありチェーン長手方向に多数配置されたローラの多くがチェーンガイド部材に接触した状態で昇降駆動する従来の昇降装置と比べて、チェーンガイド用垂直レールに接触するローラ数量が著しく低減するため、チェーンガイド用垂直レールとの接触に起因する摩耗粉の発生量を低減できる。
【0017】
請求項2に係る本発明の噛合チェーン式昇降装置によれば、請求項1記載の噛合チェーン式昇降装置が奏する効果に加えて、チェーンガイド用ローラが、昇降駆動用噛合チェーンの最外側に配置された外歯プレートの外側面から一部突出する連結ピンの端部に取り付けられていることにより、基本的なチェーン構成部材でありチェーン外部に露呈する連結ピンを利用してチェーンガイド用ローラの取り付けを達成するため、昇降駆動用噛合チェーンの構造を複雑にすることなくチェーン組み付けを簡便に達成でき、また、噛合チェーン式昇降装置の実施態様に応じてチェーンガイド用ローラの取り付け位置や取り付け間隔などの設計変更を容易に達成できる。
【0018】
請求項3に係る本発明の噛合チェーン式昇降装置によれば、請求項1または請求項2記載の噛合チェーン式昇降装置が奏する効果に加えて、昇降補助ガイド手段が昇降テーブルと設置面との間に伸縮自在に設けられたパンタグラフからなることにより、昇降テーブルの昇降動作に応じてパンタグラフを構成する各リンクが折り畳まれて、昇降テーブルの最下降位置を低くすること、すなわち、昇降テーブルの低床化が可能となるため、昇降テーブルに対して被昇降物を搬出搬入する作業負担が大幅に軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の噛合チェーン式昇降装置は、設置面に対して平行に併置された一対の回転軸を中心に同一面内で相互に対向して反対方向に正逆回転する一対の昇降用スプロケットと、一対の昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに前記一対の昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて分岐する一対の昇降駆動用噛合チェーンと、昇降駆動用噛合チェーンの上端に設置されて一体に昇降する昇降テーブルと、一対の昇降用スプロケットを駆動する駆動源と、昇降用スプロケットにより相互に噛み合った一対の昇降駆動用噛合チェーンを垂直方向に誘導案内するチェーンガイド機構とを備え、チェーンガイド機構が、昇降駆動用噛合チェーンに対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられるチェーンガイド用ローラとチェーンガイド用ローラを接触状態で垂直方向に向けて昇降させるチェーンガイド用垂直レールとから構成されて、昇降駆動用噛合チェーンの傾斜や座屈を抑制してチェーン耐久性を向上するとともに摩耗粉の発生量を低減し、昇降テーブルの低床化を達成するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0020】
たとえば、本発明の噛合チェーン式昇降装置で昇降テーブルにそれぞれ配置する2組の昇降駆動用噛合チェーンは、所謂、チャックチェーンと称するものであって、一対の昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向への偏向駆動直後に相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに一対の昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向駆動時に相互に噛み外れて分岐するものであれば、その具体的なチェーン形態は如何なるものであっても良く、例えば、ローラを有するもの、ローラを有していないもの、すなわち、ブシュのみを有するもの、チェーン幅方向に1列の単列であるもの、チェーン幅方向に2列以上の複列であるもの、あるいは、これらの組み合わせによるものなど何れであっても構わないが、チェーン幅方向に2列以上の複列であるものを採用する場合には、一対の昇降駆動用噛合チェーンの一方を構成する外歯プレートと内歯プレートが、これに対向する他方の昇降駆動用噛合チェーンを構成する外歯プレートと内歯プレートに対してチェーン幅方向の複列に亙ってそれぞれフック状、所謂、チャック状に多重かつ強固に噛み合うため、昇降駆動用噛合チェーンのチェーン幅方向に生じがちな座屈を確実に抑制して優れたチェーン耐久性を実現できるので、より好ましい。
【0021】
また、前述した昇降駆動用噛合チェーンでは、内歯プレートに圧入嵌合するプレート側圧入部とプレート側圧入部より大径のスプロケット噛合部とを一体に備えたブシュを採用しても良く、このようなブシュを採用した場合には、ブシュと一体に成形されたスプロケット噛合部の特定された外周面で昇降用スプロケットと安定して接触するので、ローラ及びブシュを用いたチェーンのように昇降用スプロケットとの噛み合い時に連結ピンもしくはブシュの中心に対してローラの中心が偏在して昇降用スプロケットとの間で噛合振動や噛合騒音が発生することを防止でき、また、このようにしてブシュと昇降用スプロケットとの間での噛合振動の発生を防止することで、チェーン相互間における噛合タイミングにズレが生じることを回避できるので、このような噛合タイミングのズレに起因して発生する振動を被昇降物に与えることなく安定した昇降動作を実現できるとともに、昇降用スプロケットの回転力を効率良く昇降駆動用噛合チェーンに伝達することができる。
【0022】
さらに、昇降駆動用噛合チェーンでは、内歯プレートのブシュ間ピッチが昇降用スプロケットによる上昇駆動時に先行する内歯プレートの下方側に圧入嵌合されたブシュの中心と内歯プレートに後続する内歯プレートの上方側に圧入嵌合されたブシュの中心との相互間隔に等しくなるように設定する、すなわち、外歯プレートのピン間ピッチが内歯プレートのブシュ間ピッチにブシュの内周と連結ピンの外周との径差を加えた長さに等しくなるように設定しても良く、このようにピン間ピッチとブシュ間ピッチとを設定した場合には、被昇降物などの荷重に起因して連結ピンがブシュに対して各内歯プレート内におけるチェーン長手方向内側に偏在した際においても、チェーン長手方向に亘る各ブシュの相互間隔がそれぞれ等しくなるので、各ブシュの相互間隔が不均等である場合に昇降用スプロケットとの間で生じがちなガタツキを抑制して、昇降用スプロケットとの円滑な噛合状態を実現でき、また、前述したように上昇駆動時における各ブシュの相互間隔をそれぞれ等しくすることで、一対の昇降駆動用噛合チェーンの一方を構成する外歯プレート及び内歯プレートと他方の昇降駆動用噛合チェーンを構成する外歯プレート及び内歯プレートとの相互間におけるチェーン長手方向の位置関係、すなわち、高さ関係を半ピッチずらした状態で適切に調整できるので、チェーン相互間における円滑な噛合タイミングを実現できる。
【0023】
さらに、本発明の噛合チェーン式昇降装置は、被昇降物を昇降させる昇降テーブルが昇降駆動用噛合チェーンの駆動力によって昇降するものであるが、この昇降テーブルの安定した昇降動作をガイドするために昇降テーブルと設置床面側との間に昇降補助ガイド手段を介在させることが望ましく、この昇降補助ガイド手段の具体的な形態については、シザーリフタ等に用いられているパンタグラフであっても良く、ガイドポストリフタ等に用いられているテレスコパイプであっても良いが、特に、パンタグラフを採用した場合には、昇降テーブルの昇降動作に応じてパンタグラフを構成する各リンクが折り畳まれて、昇降テーブルの最下降位置を低くすること、すなわち、昇降テーブルの低床化が可能となるため、昇降テーブルに対して被昇降物を搬出搬入する作業負担が大幅に軽減できる。
【0024】
そして、本発明の噛合チェーン式昇降装置は、設置面が据え置き設置形態となる床面であっても、吊り下げ設置形態となる天井面であっても昇降動作に何ら支障はなく、さらには、片持ち支持形態となる垂直壁面であっても前述した昇降動作に相当する進退動作に何ら支障はない。
また、前述した吊り下げ設置形態、片持ち支持形態を採用した場合には、据え置き設置形態を採用した場合に用いられる昇降テーブルは必須の構成要素ではなく、他の手段を用いて被昇降物を昇降駆動用噛合チェーンの端部に直接的または間接的に取り付ければ良い。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置100を図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置の全体斜視図であり、図2は、図1からケーシングなどを除いた状態の斜視図であり、図3は、図2に示す昇降用スプロケット近傍の一部拡大図であり、図4は、昇降駆動用噛合チェーンの分解組み立て状態と噛み外れ状態を示す斜視図であり、図5は、チェーンガイド機構を示す斜視図であり、図6は、チェーンガイド機構を示す断面図である。
【0026】
まず、本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置100は、図1に示すように
、重量物(図示していない)を搭載する昇降テーブル110を設置床面に対して平行に昇
降させるために設置するものである。
【0027】
そして、本実施例の噛合チェーン式昇降装置100は、図1乃至図3に示すように、前述した昇降テーブル110が平行に昇降する設置床面に据え付けたベースプレート120と、このベースプレート120に対して平行に併置された一対の回転軸130を中心に同一面内で相互に対向して反対方向に正逆回転する一対の昇降用スプロケット140と、これらの一対の昇降用スプロケット140と噛み外れることによって昇降テーブル110を昇降する一対の昇降駆動用噛合チェーン150と、この昇降駆動用噛合チェーン150の上端に設置されて一体に昇降する前述した昇降テーブル110と、前記一対の昇降用スプロケット140を回転させる同期ギア群163に動力を伝達する動力伝達チェーン162と、この動力伝達チェーン162を駆動する駆動モータ160と、一対の昇降用スプロケット140の対向する股間領域に設けられて一対の昇降駆動用噛合チェーン150を誘導移動させるチェーン誘導プレート170と、昇降用スプロケット140により相互に噛み合った一対の昇降駆動用噛合チェーン150を垂直方向に誘導案内するチェーンガイド機構180とを基本的な装置構成として備えている。
なお、図1に示す符号141は、昇降用スプロケット140や昇降駆動用噛合チェーン150などを装置下部領域で外筐するケーシングである。
【0028】
そして、前述した一対の昇降駆動用噛合チェーン150は、昇降テーブル110に対して左右2組配置され、所謂、2本突き状態になっている。
これにより、被昇降物が昇降テーブル110上に偏在した状態で搭載されている場合や昇降テーブル110の最上昇位置近傍において昇降テーブル110の幅方向に生じがちな横揺れの虞れがある場合であっても、昇降テーブル110の左右両側にそれぞれ配置された一対の昇降駆動用噛合チェーン150が、搭載された被昇降物を含めた全荷重を二分してその負荷を分担軽減した自立状態で昇降するようになっている。
しかも、たとえ、2組配置された一対の昇降駆動用噛合チェーン150の一方が切断しても他方の一対の昇降駆動用噛合チェーン150が昇降テーブル110を落下しないように支持するようになっている。
【0029】
また、前述した動力伝達チェーン162は、駆動側スプロケット161から同期ギア群163の従動側スプロケットへ動力伝達するための2組のローラチェーンからなるものであって、所謂、2本掛け状態になっている。
これにより、駆動側スプロケット161から従動側スプロケットへ伝達する動力を二分して伝動負荷を軽減している。
しかも、2組配置された動力伝達チェーン162の一方が切断しても他方の動力伝達チェーン162が昇降テーブル110を落下しないように動力伝達するようになっている。
【0030】
さらに、前述した駆動モータ160は、公知のウォームとウォーム歯車(図示しない)
で構成された減速機構を備えている。
これにより、駆動障害が生じてもウォームとウォーム歯車との間で相互の噛み合い抵抗、所謂、セルフロック機能が働くようになっている。
【0031】
なお、図2に示す符号161は、減速機構を備えた駆動モータ160の出力軸側に同軸配置した一対の駆動側スプロケット161であり、図3に示す符号163は、一対の動力伝達チェーン162から一対の昇降用スプロケット140へ相互に反対方向に正逆回転するように動力伝達するための同期ギア群である。
【0032】
そして、本実施例の噛合チェーン式昇降装置100では、図3に示すように、一対の昇降駆動用噛合チェーン150を誘導移動させるチェーン誘導プレート170が、一対の昇降用スプロケット140の対向する股間領域に設けられており、上昇駆動時に一対の昇降駆動用噛合チェーン150を相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇させるとともに、一対の昇降駆動用噛合チェーン150を相互に噛み外して分岐させるようになっている。
【0033】
さらに、前述したような減速機構を備えた駆動モータ160は、図2に示すように、昇降テーブル110の最下降位置の周辺域、すなわち、昇降テーブル110の投影傘下の領域外に離間配置されている。
【0034】
また、前述したチェーン収納手段190も、図2に示すように、駆動モータ160と同
様に、昇降テーブル110の最下降位置の周辺域、すなわち、昇降テーブル110の投影
傘下の領域外に離間配置されている。
すなわち、相互に噛み外れて分岐した一対の昇降駆動用噛合チェーン150の一方は、駆動モータ160側に配置した巻き取り型のチェーン収納ボックス191からなるチェーン収納手段190内に収納されるとともに、一対の昇降駆動用噛合チェーン150の他方は、駆動モータ160と対向する反対側に配置した直線状収納レール192からなるチェーン収納手段190内に収納されるように構成されている。
【0035】
したがって、これらの駆動モータ160やチェーン収納手段190の高さ寸法分に配慮することなく、昇降テーブル110の最下降位置を低くすること、すなわち、昇降テーブル110の低床化が可能となるため、昇降テーブル110に対して被昇降物を搬出搬入する作業負担が大幅に軽減され、昇降機構の保守メンテナンスの際に駆動モータ160やチェーン収納手段190が作業障害要因にならず安全且つ簡便なメンテナンス作業が行えるようになっている。
【0036】
また、図1に示すように、昇降テーブル110と設置床面側のベースプレート120と
の間にX字状のパンタアームと称するインナーアーム194とアウターアーム195から
なる上下2段連結形態を呈したパンタグラフ状の昇降補助ガイド手段193を介在させることにより、昇降テーブル110の安定した昇降動作をガイドするように構成されている。
なお、図1などに示す符号196は、インナーアーム194の下端を昇降動作に応じて
摺動させるためのスライドレールである。
【0037】
さらに、本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置100で用いた一対の昇降駆動用噛合チェーン150は、所謂、チャックチェーンと称するものであって、図4で示すように、フック部を有する内歯プレート151と、この内歯プレート151に対してチェーン長手方向に半ピッチ分ずらして重なり合うとともにフック部を有する外歯プレート152と、前記内歯プレート151同士をチェーン幅方向に連結固定するブシュ153と、このブシュ153に外嵌されるローラ154と、前記外歯プレート152同士をチェーン幅方向に連結固定する連結ピン155とを備えており、前述したチェーン誘導プレート170に沿って水平方向から垂直方向への偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに一対の昇降用スプロケット140により垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて分岐するように配置されている。
なお、外歯プレート152の外側面から一部突出する連結ピン155の端部には、後述するチェーンガイド用ローラ181が取り付けられている。
【0038】
そして、一対の昇降駆動用噛合チェーン150の一方を構成する内歯プレート151と外歯プレート152とが、これに対向する他方の昇降駆動用噛合チェーン150を構成する内歯プレート151と外歯プレート152とに対してチェーン幅方向の複列に亙ってそれぞれフック状、所謂、チャック状に多重かつ強固に噛み合うようになっており、搭載された被昇降物を含めた全荷重を支持しながら自立状態で昇降する昇降駆動用噛合チェーン150にチェーン幅方向の片側に偏荷重が負荷された場合であっても過負荷状態の昇降駆動用噛合チェーン150のチェーン幅方向に生じがちな座屈を確実に抑制して優れたチェーン耐久性を確保して不慮のチェーン切断を回避している。
【0039】
そこで、本実施例の噛合チェーン式昇降装置100が最も特徴とするチェーンガイド機構180について、図1及び図4乃至図6により詳しく説明する。
まず、チェーンガイド機構180は、図1及び図4乃至図6に示すように、昇降駆動用噛合チェーン150に対して取り付けられるチェーンガイド用ローラ181と、チェーンガイド用ローラ181を接触状態で垂直方向に向けて昇降させるチェーンガイド用垂直レール182とから構成されている。
【0040】
チェーンガイド用ローラ181は、図5に示すように、チェーン長手方向の一定間隔おきに配置されて、図4乃至図6に示すように、外歯プレート152の外側面から一部突出する連結ピン155の端部に軸支されており、後述するチェーンガイド用垂直レール182のガイド部182aをプレート高さ方向(図6における横方向)の両側から挟み込んで昇降駆動用噛合チェーン150のプレート高さ方向への傾斜や横揺れを抑制するようになっている。
なお、図4乃至図6に示す符号181aは、チェーンガイド用ローラ181に形成されたフランジ部であり、チェーンガイド用垂直レール182のガイド部182aに接触して昇降駆動用噛合チェーン150のチェーン幅方向(図6における縦方向)への傾斜や揺れを防止するようになっている。
【0041】
チェーンガイド用垂直レール182は、図1及び図5及び図6に示すように、装置下部領域に配置されたケーシング141に下端を取り付けられて、自立状態を呈した一対の昇降駆動用噛合チェーン150に対して隣接した状態で垂設されている。
なお、図5及び図6に示す符号182aは、チェーンガイド用垂直レール182の本体部に固着されてチェーンガイド用ローラ181を垂直方向に向けて誘導案内するガイド部である。
【0042】
つぎに、本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置100の昇降動作について図1に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、昇降テーブル110が最上昇位置に達する場合は、一対の昇降駆動用噛合チェーン150が一対の昇降用スプロケット140によってチェーン収納ボックス191と直線状収納レール192からなるチェーン収納手段190からそれぞれ繰り出され、この一対の昇降駆動用噛合チェーン150が重量物からなる被昇降物(図示していない)を搭載する昇降テーブル110の全重量を支えながら減速機構を備えた駆動モータ160の出力に応じて2本掛けされた動力伝達チェーン162により等速かつ迅速に上昇するようになっている。
なお、このとき、前述したX字状のパンタアームと称するインナーアーム194とアウターアーム195からなる上下2段連結形態の昇降補助ガイド手段193が、昇降テーブル110の安定した上昇動作をガイドするようになっている。
【0043】
一方、昇降テーブル110が最下降位置に達する場合は、一対の昇降駆動用噛合チェーン150が一対の昇降用スプロケット140によってチェーン収納ボックス191と直線状収納レール192からなるチェーン収納手段190へそれぞれ分岐しながら引き込まれ、一対の昇降駆動用噛合チェーン150が重量物(図示していない)を搭載する昇降テーブル110の全重量を支えながら減速機構を備えた駆動モータ160の出力に応じて2本掛けされた動力伝達チェーン162により等速かつ迅速に下降するようになっている。
なお、このとき、前述したX字状のインナーアーム194とアウターアーム195からなる上下2段連結形態の昇降補助ガイド手段193が、折り畳まれながら昇降テーブル110の安定した下降動作をガイドするようになっている。
【0044】
このようにして得られた本実施例の噛合チェーン式昇降装置100は、チェーンガイド機構180が、昇降駆動用噛合チェーン150に対して取り付けられるチェーンガイド用ローラ181とチェーンガイド用垂直レール182とから構成されている。
したがって、チェーンガイド用垂直レール182でチェーンガイド用ローラ181を接触状態で垂直方向に向けて昇降させることで昇降駆動用噛合チェーン150を誘導案内するため、昇降テーブル110に偏在した状態で搭載された被昇降物の重量などに起因して昇降駆動用噛合チェーン150に対して偏荷重が負荷された際に昇降駆動用噛合チェーン150に生じがちな傾斜や座屈をチェーン幅方向及びプレート高さ方向の両方向において確実に抑制して優れたチェーン耐久性を実現できる。
【0045】
また、前述したように昇降駆動用噛合チェーン150の傾斜を抑制することで、昇降駆動用噛合チェーン150が傾斜した状態で昇降駆動用噛合チェーン150のローラ154と昇降用スプロケット140のスプロケット歯とが接触して昇降駆動用噛合チェーン150のローラ154に対して局部的に過大な圧力が及ぼされる事態を回避するため、チェーン耐久性を著しく向上できる。
【0046】
また、噛合チェーン式昇降装置100の主要部材である昇降駆動用噛合チェーン150のチェーン耐久性を向上させることで、噛合チェーン式昇降装置100の長期に亘る装置寿命を確保でき、そして、昇降駆動用噛合チェーン150に対する潤滑油の給脂間隔を延長できるなど保守メンテナンスにおける作業負担を軽減できる。
【0047】
また、前述したように昇降駆動用噛合チェーン150に対して偏荷重が負荷された際にも昇降駆動用噛合チェーン150に傾斜や座屈が生じることを抑制することで、昇降テーブル110の積載面を水平な状態に保持して安定感のある昇降動作を達成できる。
【0048】
また、チェーンガイド用ローラ181が、昇降駆動用噛合チェーン150に対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられている。
したがって、図10及び図11に示すように、基本的なチェーン構成部材でありチェーン長手方向に多数配置されたローラ554の多くがチェーンガイド部材582のガイド部582aに接触した状態で昇降駆動する従来の昇降装置500と比べて、チェーンガイド用垂直レール182に接触するローラ数量が著しく低減するため、チェーンガイド用垂直レール182との接触に起因する摩耗粉の発生量を低減できる。
【0049】
また、チェーンガイド用ローラ181が、昇降駆動用噛合チェーン150の最外側に配置された外歯プレート152の外側面から一部突出する連結ピン155の端部に取り付けられている。
したがって、基本的なチェーン構成部材でありチェーン外部に露呈する連結ピン155を利用してチェーンガイド用ローラ181の取り付けを達成するため、昇降駆動用噛合チェーン150の構造を複雑にすることなくチェーン組み付けを簡便に達成でき、また、噛合チェーン式昇降装置100の実施態様に応じてチェーンガイド用ローラ181の取り付け位置や取り付け間隔などの設計変更を容易に達成できる。
【0050】
そして、昇降補助ガイド手段193が昇降テーブル110と設置面との間に伸縮自在に設けられたパンタグラフからなることにより、昇降テーブル110の昇降動作に応じてパンタグラフを構成する各リンク、すなわち、インナーアーム194及びアウターアーム195が折り畳まれて、昇降テーブル110の最下降位置を低くすること、すなわち、昇降テーブル110の低床化が可能となるため、昇降テーブル110に対して被昇降物を搬出搬入する作業負担が大幅に軽減できるなど、その効果は甚大である。
【0051】
つぎに、本発明の第2実施例である噛合チェーン式昇降装置200について、図7及び図9に基づいて以下に説明する。
ここで、本発明の第2実施例である噛合チェーン式昇降装置200におけるチェーンガイド機構280以外の構成は、前述した第1実施例の噛合チェーン式昇降装置100と全く同じであるため、第1実施例の噛合チェーン式昇降装置100に関する明細書、及び、図1乃至図6に示す100番台の符号を200番台の符号に読み替えることによって、チェーンガイド機構280以外の構成についてはその説明を省略する。
【0052】
そこで、本実施例の噛合チェーン式昇降装置200が最も特徴とするチェーンガイド手段としてのチェーンガイド機構280の具体的な形態について詳しく説明する。
まず、チェーンガイド機構280は、図7乃至図9に示すように、昇降駆動用噛合チェーン250に対して取り付けられるチェーンガイド用ローラ281と、チェーンガイド用ローラ281を接触状態で垂直方向に向けて昇降させるチェーンガイド用垂直レール282とから構成されている。
【0053】
チェーンガイド用ローラ281は、図8に示すように、チェーン長手方向の一定間隔おきに配置されて、図7乃至図9に示すように、外歯プレート252の外側面から一部突出する前後一対の連結ピン255の端部に跨った状態で取り付けられている。
そして、このようにチェーンガイド用ローラ281を取り付けた一対の昇降駆動用噛合チェーン250は、後述するチェーンガイド用垂直レール282のガイド部282aによってチェーン幅方向(図9における縦方向)の両側から挟み込まれて、チェーン幅方向への傾斜や横振れを抑制されている。
なお、図7及び図9に示す符号281aは、チェーンガイド用ローラ281に形成されたフランジ部であり、チェーンガイド用垂直レール282のガイド部282aをプレート高さ方向(図9における横方向)の両側から挟み込んで昇降駆動用噛合チェーン250のプレート高さ方向への傾斜や揺れを防止するようになっている。
また、図7及び図9に示す符号281bは、外歯プレート252の外側面から一部突出する前後一対の連結ピン255の端部に取り付けられて、チェーンガイド用ローラ281を軸支するローラ取り付け用ブラケットである。
【0054】
チェーンガイド用垂直レール282は、図8及び図9に示すように、装置下部領域に配置されたケーシング241に下端を取り付けられて、自立状態を呈した一対の昇降駆動用噛合チェーン250に対して隣接した状態で垂設されている。
なお、図8及び図9に示す符号282aは、チェーンガイド用垂直レール282の本体部に固着されてチェーンガイド用ローラ281を垂直方向に向けて誘導案内するガイド部である。
【0055】
このようにして得られた本実施例の噛合チェーン式昇降装置200は、チェーンガイド機構280が、昇降駆動用噛合チェーン250に対して取り付けられるチェーンガイド用ローラ281とチェーンガイド用垂直レール282とから構成されている。
したがって、チェーンガイド用垂直レール282でチェーンガイド用ローラ281を接触状態で垂直方向に向けて昇降させることで昇降駆動用噛合チェーン250を誘導案内するため、昇降テーブル210に偏在した状態で搭載された被昇降物の重量などに起因して昇降駆動用噛合チェーン250に対して偏荷重が負荷された際に昇降駆動用噛合チェーン250に生じがちな傾斜や座屈をチェーン幅方向及びプレート高さ方向の両方向において確実に抑制して優れたチェーン耐久性を実現できる。
【0056】
また、前述したように昇降駆動用噛合チェーン250の傾斜を抑制することで、昇降駆動用噛合チェーン250が傾斜した状態で昇降駆動用噛合チェーン250のローラ254と昇降用スプロケット240のスプロケット歯とが接触して昇降駆動用噛合チェーン250のローラ254に対して局部的に過大な圧力が及ぼされる事態を回避するため、チェーン耐久性を著しく向上できる。
【0057】
また、噛合チェーン式昇降装置200の主要部材である昇降駆動用噛合チェーン250のチェーン耐久性を向上させることで、噛合チェーン式昇降装置200の長期に亘る装置寿命を確保でき、そして、昇降駆動用噛合チェーン250に対する潤滑油の給脂間隔を延長できるなど保守メンテナンスにおける作業負担を軽減できる。
【0058】
また、前述したように昇降駆動用噛合チェーン250に対して偏荷重が負荷された際にも昇降駆動用噛合チェーン250に傾斜や座屈が生じることを抑制することで、昇降テーブル210の積載面を水平な状態に保持して安定感のある昇降動作を達成できる。
【0059】
また、チェーンガイド用ローラ281が、昇降駆動用噛合チェーン250に対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられている。
したがって、図10及び図11に示すように、基本的なチェーン構成部材でありチェーン長手方向に多数配置されたローラ554の多くがチェーンガイド部材582のガイド部582aに接触した状態で昇降駆動する従来の昇降装置500と比べて、チェーンガイド用垂直レール282に接触するローラ数量が著しく低減するため、チェーンガイド用垂直レール282との接触に起因する摩耗粉の発生量を低減できる。
【0060】
また、チェーンガイド用ローラ281が、昇降駆動用噛合チェーン250の最外側に配置された外歯プレート252の外側面から一部突出する連結ピン255の端部に取り付けられている。
したがって、基本的なチェーン構成部材でありチェーン外部に露呈する連結ピン255を利用してチェーンガイド用ローラ281の取り付けを達成するため、昇降駆動用噛合チェーン250の構造を複雑にすることなくチェーン組み付けを簡便に達成でき、また、噛合チェーン式昇降装置200の実施態様に応じてチェーンガイド用ローラ281の取り付け位置や取り付け間隔などの設計変更を容易に達成できるなど、その効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施例である噛合チェーン式昇降装置の全体斜視図。
【図2】図1からケーシングなどを除いた状態の斜視図。
【図3】図2に示す昇降用スプロケット近傍の一部拡大図。
【図4】昇降駆動用噛合チェーンの分解組み立て状態と噛み外れ状態を示す斜視図。
【図5】チェーンガイド機構を示す斜視図。
【図6】チェーンガイド機構を示す断面図。
【図7】本発明の第2実施例である噛合チェーン式昇降装置の昇降駆動用噛合チェーンを示す斜視図。
【図8】本発明の第2実施例である噛合チェーン式昇降装置のチェーンガイド機構を示す斜視図。
【図9】本発明の第2実施例である噛合チェーン式昇降装置のチェーンガイド機構を示す断面図。
【図10】従来の昇降装置で用いられるチェーンガイド部材と噛合チェーンの断面図。
【図11】従来の昇降装置で用いられるチェーンガイド部材と噛合チェーンのローラとのチェーン長手方向に亘る接触状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0062】
100、200 ・・・ 噛合チェーン式昇降装置
110、210 ・・・ 昇降テーブル
120、220 ・・・ ベースプレート
130、230 ・・・ 回転軸
140、240 ・・・ 昇降用スプロケット
141、241 ・・・ ケーシング
150、250 ・・・ 昇降駆動用噛合チェーン
151、251 ・・・ 内歯プレート
152、252 ・・・ 外歯プレート
153、253 ・・・ ブシュ
154、254 ・・・ ローラ
155、255 ・・・ 連結ピン
160、260 ・・・ 駆動モータ
161、261 ・・・ 駆動側スプロケット
162、262 ・・・ 動力伝達チェーン
163、263 ・・・ 同期ギア群
170、270 ・・・ チェーン誘導プレート
180、280 ・・・ チェーンガイド機構
181、281 ・・・ チェーンガイド用ローラ
181a、281a ・・・ チェーンガイド用ローラのフランジ部
281b ・・・ ローラ取り付け用ブラケット
182、282 ・・・ チェーンガイド用垂直レール
182a、282a ・・・ ガイド部
190、290 ・・・ チェーン収納手段
191、291 ・・・ 巻き取り型のチェーン収納ボックス
192、292 ・・・ 直線状収納レール
193、293 ・・・ 昇降補助ガイド手段
194、294 ・・・ インナーアーム
195、295 ・・・ アウターアーム
196、296 ・・・ スライドレール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に対して平行に併置された一対の回転軸を中心に同一面内で相互に対向して反対方向に正逆回転する一対の昇降用スプロケットと、該一対の昇降用スプロケットにより水平方向から垂直方向へ偏向しながら相互に噛み合わせて一体に自立状態で上昇するとともに前記一対の昇降用スプロケットにより垂直方向から水平方向へ偏向しながら相互に噛み外れて分岐する一対の昇降駆動用噛合チェーンと、該昇降駆動用噛合チェーンの上端に設置されて一体に昇降する昇降テーブルと、前記一対の昇降用スプロケットを駆動する駆動源と、前記昇降用スプロケットにより相互に噛み合った一対の昇降駆動用噛合チェーンを垂直方向に誘導案内するチェーンガイド機構とを備えている噛合チェーン式昇降装置であって、
前記チェーンガイド機構が、前記昇降駆動用噛合チェーンに対してチェーン長手方向の一定間隔おきに取り付けられるチェーンガイド用ローラと該チェーンガイド用ローラを接触状態で垂直方向に向けて昇降させるチェーンガイド用垂直レールとから構成されていることを特徴とする噛合チェーン式昇降装置。
【請求項2】
前記チェーンガイド用ローラが、前記昇降駆動用噛合チェーンの最外側に配置された外歯プレートの外側面から一部突出する連結ピンの端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の噛合チェーン式昇降装置。
【請求項3】
前記昇降テーブルの昇降動作をガイドする昇降補助ガイド手段が、前記昇降テーブルと設置面との間に伸縮自在に設けられたパンタグラフからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の噛合チェーン式昇降装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−280365(P2009−280365A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135213(P2008−135213)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)