説明

噴流浴システム

【課題】切替弁によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み、電力消費を抑えることができる噴流浴システムを提供する。
【解決手段】浴槽と、ポンプ7と、ポンプの吐出管路に対して複数に分岐して設けられ、ポンプから吐出された加圧浴槽水を浴槽の内部に噴出可能なノズル12、16を各々が少なくとも1つ有する複数の噴流供給系統と、ポンプが駆動しているときは複数の噴流供給系統のうちの1系統のみを前記ポンプと連通させる切替弁9と、制御部21と、を備えた噴流浴システムであって、噴流浴の運転を開始する際には、切替弁を所定の位置に切替えた後に、ポンプを駆動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽内に噴流を噴出させる構成を有する噴流浴システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽壁にノズルを設けて、そのノズルから噴流を浴槽内に噴出させるものがある。例えば、特許文献1には、一つのポンプを用いて、背側と脚側のそれぞれに設けたノズルから噴流を噴出させる構成が開示されている。
【特許文献1】特開平6−233798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一つのポンプを背側と脚側のノズルで兼用するにあたっては、ポンプを極力コンパクトにすべく、背側のノズルと脚側のノズルとを両方同時に運転させないようにすることが望ましい。しかし、このような構成においては、切替弁によって流路を切り替える際に、大きなトルクを要し、消費電力が大きく必要となるという問題があった。本発明は、上述したような運転を行う噴流浴システムにおいて、切替弁によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み、電力消費を抑えることができる噴流浴システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、浴槽水を貯留可能であると共に、前記浴槽水を吸い込むための吸込口を有する浴槽と、前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、前記ポンプの吐出管路に対して複数に分岐して設けられ、前記ポンプから吐出された加圧浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルを各々が少なくとも1つ有する複数の噴流供給系統と、前記ポンプが駆動しているときは前記複数の噴流供給系統のうちの1系統のみを前記ポンプと連通させる切替弁と、前記ポンプと、前記切替弁とを制御する制御部と、を備えた噴流浴システムであって、噴流浴の運転を開始する際には、前記制御部によって、前記切替弁を所定の位置に切替えた後に、前記ポンプを駆動する噴流浴システムが提供される。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、切替弁によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み、電力消費を抑えることができる噴流浴システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0007】
図1は、本発明の実施形態に係る噴流浴システムの構成を示す概略図である。
図2は、同噴流浴システムを平面方向から見た模式図である。
図3は、同噴流浴システムを側面方向から見た模式図である。
【0008】
本実施形態に係る噴流浴システムは、主として、浴槽1と、浴槽1内の浴槽水を吸入しノズル12、16から再び浴槽水中に噴出させるための噴流噴出手段と、ノズル12、16から噴出される噴流に気泡を混入可能にするエア供給手段とを備える。
【0009】
浴槽1は、浴槽水(湯も含む)を貯留可能であると共に、貯留された浴槽水を吸い込むための吸込口5を有する。吸込口5は浴槽1における長辺側浴槽壁に形成され、吸込口5は吸込配管6を介してポンプ7の吸入口に接続されている。ポンプ7が駆動されると、浴槽1内に貯留された浴槽水は吸込口5から吸込配管6へと吸い込まれる。
【0010】
対向する一対の長辺側浴槽壁と、対向する一対の短辺側浴槽壁とを有する通常の浴槽を考えた場合、一般に、入浴者は、一対の短辺側浴槽壁の一方に背をもたれかけて他方の短辺側浴槽壁に足を向けた姿勢で入浴するため、吸込口5を短辺側浴槽壁に形成した場合には、入浴者の背中や足裏で吸込口5がふさがれポンプ7に過剰の負荷がかかることが懸念される。したがって、吸込口5は、入浴者の身体の一部等によってふさがれにくい長辺側浴槽壁に形成するのが望ましい。
【0011】
ポンプ7の吐出口には吐出管路8が接続され、その吐出管路8には、本実施形態における切替弁としての三方弁9を介して2系統の噴流供給系統が接続されている。これら2系統の噴流供給系統は吐出管路8に対して2つに分岐して設けられ、各系統は他の系統とはつながっておらずそれぞれ独立して噴流噴出動作を行うことができる。一方の噴流供給系統は、三方弁9を介して吐出管路8に接続された配管11と、ポンプ7から吐出されて吐出管路8及び配管11に導かれた加圧浴槽水を浴槽1の内部に噴出可能な第1のノズル12とを有する。配管11は、その下流側が2つに分岐しており、その分岐先にそれぞれ第1のノズル12が接続されている。すなわち、配管11と2つの第1のノズル12とから第1の噴流供給系統が構成される。他方の噴流供給系統は、三方弁9を介して吐出管路8に接続された配管15と、ポンプ7から吐出されて吐出管路8及び配管15に導かれた加圧浴槽水を浴槽1の内部に噴出可能な第2のノズル16とを有する。配管15は、その下流側が2つに分岐しており、その分岐先にそれぞれ第2のノズル16が接続されている。すなわち、配管15と2つの第2のノズル16とから第2の噴流供給系統が構成される。なお、各系統が有するノズルは1つでもよく、その場合各配管11、15は先を分岐させる必要はない。あるいは、各系統は3つ以上のノズルをそれぞれ有する構成であってもよい。
【0012】
ポンプ7は、吸込口5から吸い込んだ浴槽水を加圧して、配管11、15に供給可能であり、配管11を導かれた加圧浴槽水は第1のノズル12から浴槽水中に噴出され、配管15を導かれた加圧浴槽水は第2のノズル16から浴槽水中に噴出される。
【0013】
本実施形態では、例えば2つの第1のノズル12が一方の短辺側浴槽壁2aに取り付けられ、その短辺側浴槽壁2aに対向する他方の短辺側浴槽壁2bには例えば2つの第2のノズル16が取り付けられている。
【0014】
次に、図1及び図2を参照してエア供給手段について説明する。
エア供給手段は、大気中のエアを第1のノズル12、第2のノズル16に導くエア配管32、33、35と、エア配管32の途中に設けられエア配管32のエア流路を開閉する電磁弁31とを有する。
【0015】
浴槽1の内槽の上縁部の周囲に設けられた浴槽リム3において、吸込口5が形成された長辺側浴槽壁と第1のノズル12が設けられた短辺側浴槽壁2aとの角部近傍に、エア取り込み口41が形成されている。エア配管32の上流端は、そのエア取り込み口41に接続され大気に連通している。
【0016】
エア配管32における電磁弁31よりも下流側は、2系統のエア配管33、35に分岐し、エア配管33は第1のノズル12に接続され、エア配管35は第2のノズル16に接続されている。エア配管33、35には、それぞれ、第1のノズル12、第2のノズル16側からエア配管上流側への湯水の浸入を防止するための逆止弁34、36が設けられている。
【0017】
ポンプ7、三方弁9、電磁弁31は、使用者による操作部22の操作を受けて、制御部21からの信号に基づいて制御される。
【0018】
第1のノズル12と第2のノズル16とは、その構造が異なり、異なるモードの噴流噴出を行う。
【0019】
まず、第1のノズル12について図4を参照して説明すると、第1のノズル12は、一端(上流端)に配管11と連通される流水導入口51が設けられ、他端(下流端)に噴出口58が設けられた略円筒状の筒体50を有する。
【0020】
筒体50は、噴出口58を浴槽1の内部に臨ませて、一方の短辺側浴槽壁2aに保持されている。流水導入口51と噴出口58との間の筒体50の内部には、上流側(流水導入口51側)から順に、流水導入部52、流路断面収縮部53、チャンバー55が設けられ、これらを介して流水導入口51と噴出口58との間は連通している。
【0021】
流水導入部52は、流水導入口51と流路断面収縮部53との間に設けられ、その流路断面は流水導入口51から流路断面収縮部53に向かうにしたがって徐々に狭められている。流路断面収縮部53は、筒体50の軸中心に位置し、流水導入口51及び流水導入部52に対して流路断面が縮小されている。
【0022】
流路断面収縮部53の下流側には、流路断面収縮部53に対して流路断面が急拡大された流路断面急拡大部54を一端部(上流側端部)に有するチャンバー55が設けられている。チャンバー55の上流側端部が流路断面急拡大部54として機能し、チャンバー55の下流側端部が噴出口58として機能する。
【0023】
流路断面収縮部53から流路断面急拡大部54にかけての筒体50内の空間を囲む壁面53a、54aは略垂直に変化している。すなわち、流路断面収縮部53の周囲の壁面53aは筒体50の軸方向に対して略平行であるのに対して、流路断面急拡大部54として機能するチャンバー55の上流側端部の壁面54aは、壁面53aに対して略垂直に続いて径外方に広がって形成されている。この流路壁面の急変化により、後述するように流路断面急拡大部54にて壁面からの流れの剥離が生じる。
【0024】
チャンバー55の内壁面は、流路断面急拡大部54から、噴出口58の近傍に至るまでは筒体50の軸中心Cに対して略平行に延在している。チャンバー55の下流側において噴出口58へと続く内壁面は、筒体50の軸中心Cに向けて傾斜された環状の傾斜面57となっている。
【0025】
噴出口58の近傍のチャンバー55内には、噴出口58へと通じるチャンバー55内流路の一部を遮る遮蔽体56が設けられている。遮蔽体56は例えば円盤状に形成され、その中心を筒体50の軸中心Cに一致させてチャンバー55の内部に設けられている。遮蔽体56はチャンバー55内流路のすべてを遮蔽しておらず、遮蔽体56の外周面とチャンバー55の内壁面との間には、チャンバー55から噴出口58への流水の流れを許容する流路が確保されている。
【0026】
遮蔽体56は、遮蔽体56とチャンバー55の内壁面との間に放射状に設けられた図示しない複数本の支持部材を介して筒体50に対して保持されている。遮蔽体56は、流水導入口51から導入されチャンバー55を経て噴出口58へと流れる加圧浴槽水の圧力(動圧)を受けるため、支持部材が1本だけであると前記圧力に耐え得る十分な強度が得られず遮蔽体56が外れてしまう可能性があり、支持部材が2本だけであると遮蔽体56表面に作用する前記圧力が軸中心Cに対して非軸対称分布になることにより生じる支持部材周りのモーメントの影響を受け、遮蔽体56が回転してしまう可能性がある。したがって、遮蔽体56を保持する支持部材は3本以上設けるのが望ましい。
【0027】
以上のように構成される第1のノズル12からは旋回した噴流が噴出される。
図5(a)〜(d)は、第1のノズル12にて旋回噴流が形成される作用を説明するための模式図である。
【0028】
流水導入口51から導入された加圧浴槽水は、流水導入部52、流路断面収縮部53および流路断面急拡大部54を順に経てチャンバー55内に噴流となって流入する。加圧浴槽水が、流路断面収縮部53からチャンバー55内に流入する際、流路断面の急拡大により、内壁面に沿って流れることができなくなり、すなわち流路内壁面に対して流れの剥離が生じる。
【0029】
一般的に、噴流は、外部流体との運動量交換により外部流体を加速し、噴流内部に巻き込む。このとき、噴流近傍に壁面が存在すると、外部流体を内部に引き込むように作用する引きつけ力の反作用により、噴流自身が壁面に向かって曲げられ、再び流れが壁面に沿うようになる。つまり、チャンバー55の内壁面の周の一部に流れが再付着する。
【0030】
チャンバー55の内壁面に付着した主流は、そのままチャンバー55の内壁面に沿い、遮蔽体56の外周面とチャンバー55内壁面との間を噴出口58に向かって流れ、噴出口58の手前(上流側)で軸中心Cに向かうように傾斜して形成された傾斜面57に沿って軸中心Cに対して傾斜した噴流として噴出口58から浴槽1内に噴出する。このようにして、第1のノズル12の内部に、図5(a)において太線矢印aで表す主流が形成される。
【0031】
流路断面収縮部53に比べて噴出口58の流路断面が大きく、流れは下流に向かって減速、すなわち、チャンバー55内部では下流に向かって静圧が増加する逆圧力勾配が形成されること、さらにチャンバー55内に流路の一部を遮るように遮蔽体56が設けられていることによって、前述した主流の一部は、噴出口58から噴出されず、図5(b)において矢印bで表すように、チャンバー55の上流側に戻される。
【0032】
その上流側に戻された流れが、図5(c)に表すように、流路断面急拡大部54付近にて主流が剥離したよどみ領域に流れ込むことで、図5(d)に表すように、流路断面急拡大部54付近で中心軸Cまわりに旋回流が形成され、これにより、主流の内壁面に対する再付着位置が周方向で不規則に変化し、噴出口58からは中心軸Cまわりに不規則に旋回した噴流が噴出される。
【0033】
噴出流に気泡を混入させて噴出流を可視化した状態で、第1のノズル12から旋回噴流を噴出させた様子を、図6(a)〜(d)の写真図に表す。
【0034】
第1のノズル12が設けられた短辺側浴槽壁2a側に背を向けた入浴者は、第1のノズル12から噴出される旋回噴流を、腰、背、肩等の身体の一部に受けることによりマッサージ効果を得ることができる。第1のノズル12から噴出される噴流は、一般的に広く知られる気泡浴装置による細く強い直線的な噴流とは異なり、太くやわらかい旋回噴流であるため、腰を包み込む、背中や腰全体を押すようにもみほぐすなど、局所的に強い刺激感ではなく、広範囲をもみほぐすような手もみに近いマッサージ感を得ることができ、長時間入浴していても飽きがなくゆったりとリラックスできる。また、噴流の旋回周波数が一定ではなく不規則に変化するので自然なマッサージ感が得られる。
【0035】
また、図4に示すように、第1のノズル12の筒体50には、チャンバー55内に通じるエア吸入口59が形成されており、このエア吸入口59は、図1に示す前述したエア配管33に接続されている。電磁弁31を「開」にすることで、浴槽リム3に設けたエア取り込み口41(図2参照)、エア配管32、33、エア吸入口59を介して、第1のノズル12内に大気中のエアを混入させ、気泡入り噴流を噴出させることができる。チャンバー55内は、噴出口58付近に比べ圧力が低く負圧になり、エジェクター効果によって、エア吸入口59からチャンバー55内にエアを自給させることができる。電磁弁31を閉じれば、第1のノズル12内へのエアの供給は遮断され、第1のノズル12からは気泡なしの噴流が噴出される。
【0036】
第1のノズル12に接続されたエア配管33には逆止弁34が設けられているため、その逆止弁34より上流側のエア配管内への湯水の浸入を防止でき、垢などの汚れがエア配管内に付着堆積しにくい。
【0037】
次に、図7を参照して、第2のノズル16について説明する。
【0038】
第2のノズル16は、配管15と連通される流路64aが内部に形成された固定部64と、一端側が流路64aに連通し、他端側が浴槽1内に臨む噴出孔62が内部に形成された可動部61とを有する。
【0039】
固定部64は、第1のノズル12が設けられた短辺側浴槽壁2aに対向する他方の短辺側浴槽壁2bに保持されている。可動部61は、固定部64の流路64aの出口付近に、Oリング63を介して回動または揺動自在に保持され、噴流噴出方向の調整が可能となっている。
【0040】
固定部64には、流路64a内に通じるエア吸入路65が設けられており、このエア吸入路65は、図1に示す前述したエア配管35に接続されている。電磁弁31を「開」にすることで、浴槽リム3に設けたエア取り込み口41(図2参照)、エア配管32、35、エア吸入路65を介して、第2のノズル16内に大気中のエアを混入させ、気泡入り噴流を噴出させることができる。流路64a内は、噴出口付近に比べ圧力が低く負圧になり、エジェクター効果によって、エア吸入路65から流路64a内にエアを自給させることができる。電磁弁31を閉じれば、第2のノズル16内へのエアの供給は遮断され、第2のノズル16からは気泡なしの噴流が噴出される。
【0041】
第2のノズル16に接続されたエア配管35には逆止弁36が設けられているため、その逆止弁36より上流側のエア配管内への湯水の浸入を防止でき、垢などの汚れがエア配管内に付着堆積しにくい。
【0042】
第2のノズル16においては、気泡を混入させなかった場合には「リラックスモード」の噴流噴出を実行可能であり、気泡を混入させた場合には「パワーブローモード」の噴流噴出を実行可能である。
【0043】
第2のノズル16が取り付けられた短辺側浴槽壁2bに体の前面側を向け、反対側の短辺側浴槽壁2aに背をもたれかけた入浴者にとって、第2のノズル16と胴体との距離が比較的長いことから、気泡無しで且つ比較的流量が少なめの「リラックスモード」の運転においては、第2のノズル16からまっすぐに噴出された噴流が途中から乱流になり、入浴者の胸から腹や背中に回り込んだり、あるいは、下向きに噴流を噴出させて浴槽底面に衝突させ乱流を形成して入浴者の臀部近傍から背後に回り込ませたりするなど、浴槽内の広範囲にゆるやかな流れが形成される。これにより、入浴者は、水の流れでやさしく体を包まれる感じを体感でき、心をリラックスできる。
【0044】
「パワーブローモード」では、気泡入りで且つ「リラックスモード」よりも流量の多いパワフルな噴流を噴出することで、入浴者の例えば下肢などを局所的に刺激する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る噴流浴システムによれば、第1のノズル12による「もみ湯モード」、第2のノズル16による「リラックスモード」及び「パワーブローモード」の3つの異なる噴流噴出モードを実行可能である。
【0046】
図1に示す操作部22のメインスイッチ23を押すと、例えば「もみ湯モード」が開始される。ただし、ユーザー設定にて、メインスイッチ23を押した場合に開始するモードを「リラックスモード」や「パワーブローモード」に変更可能である。
【0047】
「もみ湯モード」は、まず、80(リットル/分)の吐出量でエア混入無しの「エア無し−強」運転から開始され、操作部22のもみ湯スイッチ24を押すごとに、60(リットル/分)の吐出量でエア混入無しの「エア無し−弱」、80(リットル/分)の吐出量でエア混入有りの「エア有り−強」、60(リットル/分)の吐出量でエア混入有りの「エア有り−弱」、再び「エア無し−強」、・・・というように順次切り替わっていく。
【0048】
気泡を混入させない「リラックスモード」は、まず、25〜50(リットル/分)の範囲で吐出量が変化する「ウェーブ」運転から開始され、操作部22のリラックススイッチ26を押すごとに、一定の吐出量50(リットル/分)で吐出する「連続」、再び「ウェーブ」、・・・というように順次切り替わっていく。
【0049】
気泡を混入させる「パワーブローモード」は、まず、吐出量が80(リットル/分)の「強」運転から開始され、操作部22のパワーブロースイッチ25を押すごとに、吐出量が60(リットル/分)の「弱」、再び「強」、・・・というように順次切り替わっていく。
【0050】
なお、特に集合住宅の場合などで周囲への騒音が気になる環境下の使用者や、エア混入時の騒音が嫌いな使用者のために、上述したエアを混入させる運転において、ユーザー設定により、強制的にエア無しに設定可能である。
【0051】
ポンプ7を駆動させて「もみ湯モード」を実行する時には、三方弁9は、ポンプ7の吐出口に接続された吐出管路8と、第1のノズル12に接続された配管11とを連通させ、第2のノズル16に接続された配管15と吐出管路8とを遮断する「第1の位置」に切り替わる。
【0052】
ポンプ7を実行させて「リラックスモード」または「パワーブローモード」を実行する時には、三方弁9は、吐出管路8と、第2のノズル16に接続された配管15とを連通させ、第1のノズル12に接続された配管11と吐出管路8とを遮断する「第2の位置」に切り替わる。
【0053】
すなわち、ポンプ7の駆動時、第1のノズル12を有する第1の噴流供給系統と、第2のノズル16を有する第2の噴流供給系統とは同時にはポンプ7の吐出側に連通せず、いずれか1つの系統のみがポンプ7の吐出側に連通して、第1のノズル12と第2のノズル16のいずれか一方のみから噴流が噴出される。
【0054】
したがって、ポンプ7は1つでよく、また、その1つのポンプ7を2系統で兼用するにあたって、両系統に同時に加圧浴槽水を供給しなくてよいため、ポンプ7にはそれほど大きな能力は要求されずポンプ7の小型化が図れ、コストやポンプ駆動音の低減が図れる。
【0055】
また、第1のノズル12と第2のノズル16の両方から同時に噴流が噴出されると、それら各ノズル12、16からの噴流もしくはその噴流によって形成される浴槽内の流れが相互に干渉して、上述した各モード特有の効果が得られない、もしくは効果が低減する。しかし、本実施形態では、第1のノズル12から噴流噴出を行っているときは第2のノズル16からの噴流噴出は行わず、第2のノズル16から噴流噴出を行っているときは第1のノズル12からの噴流噴出は行わないので、上述した各モードが単独で実行され、各モード特有の効果が確実に得られる。
【0056】
ポンプ7の駆動時においては、三方弁9は、上述した「第1の位置」または「第2の位置」をとり、配管11と配管15とは相互に連通しない。しかし、ポンプ7の駆動が停止され噴流噴出を行っていないときには、三方弁9は、配管11と配管15とを相互に連通させる「第3の位置」に切り替わる。なお、この「第3の位置」において、ポンプ7の吐出口に接続された吐出管路8は、配管11及び配管15に対して、連通していても遮断していてもどちらでもよい。
【0057】
配管の一端が閉ざされている場合、特に配管の管路径が小さいと、配管内に残留した水が抜けにくくなる。しかし、本実施形態では、ポンプ7の停止時、三方弁9が上記「第3の位置」をとることで、配管11と配管15とが三方弁9を介して相互に連通し、これら配管11、15をまとめて一つの配管としてとらえた場合、その配管の両端は、各ノズル12、16の噴出口58、62を介して、浴槽水が貯留されず空になった浴槽1内に連通し、すなわち配管の両端が大気に開放された状態となる。これにより、使用していないときに、配管11、15内に残留した水を各ノズル12、16の噴出口58、62を通じて配管外に排出することができ、衛生的である。
【0058】
また、配管11、15内の残留水を抜きやすくするために、本実施形態では、図3に示すように、ノズル12、16よりも三方弁9を高い位置に設け、三方弁9と各ノズル12、16の噴出口58、62との間に高低差を生じさせている。
【0059】
同様に、吸入配管6及びポンプ7内の残留水を吸込口5を介して抜きやすくするために、ポンプ7及び三方弁9を吸込口5よりも高い位置に設けている。
【0060】
流路の途中に流路断面収縮部53や遮蔽体56を有する第1のノズル12は第2のノズル16よりも圧力損失が生じやすい。そこで、本実施形態では、ポンプ7を、第1のノズル12が取り付けられた短辺側浴槽壁2aの近傍に設け、圧力損失のより大きい第1のノズル12の方が第2のノズル16よりもポンプ7との間の配管経路が短くなるようにしている。なお、ポンプ7は、短辺側浴槽壁2a側の浴槽リム3の下方で、図示しない防振部材や架台等を介して、例えば防水パン上に設けられている。
【0061】
次に、前述した各モードの開始時、各モード間の切り替わり時、エア混入有無の切り替え時における、ポンプ7、三方弁9、エア用の電磁弁31の動作タイミングについて説明する。
【0062】
「もみ湯モード」中に、エア混入無しの状態からエアを混入させる場合には、ポンプ7の回転数を、そのときのエア混入無し駆動状態での回転数よりも低下させ、予め設定された目標回転数以下になってから、電磁弁31を「閉」から「開」に切り替える。
【0063】
ポンプ7の回転数を低下させることで、エジェクタ効果による第1のノズル12内の負圧が小さくなり(大気と第1のノズル12内との圧力差が小さくなり)、エアの吸引開示時に生じる音を小さくできる。
【0064】
また、エア配管32内の負圧は、電磁弁31の弁体が「閉」位置から「開」位置へと移動する際の抵抗として作用し、ポンプ7の回転数の低下によりエア配管32内の負圧が小さくなれば電磁弁31を開ける動力が小さくて済み、電力消費を抑えることができる。
【0065】
なお、ポンプ7の回転数を先に低下させてから電磁弁31を「閉」から「開」に切り替えることに限らず、ポンプ7の回転数の低下と電磁弁31の「閉」から「開」への切り替えとを同時に行ってもよい。いずれにしても電磁弁31が「開」へと切り替わり所定時間が経過すると、ポンプ7の回転数はそのときの運転モードに応じて設定された所望の回転数にされる。
【0066】
「もみ湯モード」中に、リラックススイッチ26が押されると、まずポンプ7の駆動が停止され、ポンプ7の停止後、電磁弁31が開いている場合は閉じ、三方弁9を「第1の位置」から「第2の位置」へと切り替え、そして再びポンプ7を駆動させて「リラックスモード」に移行する。
【0067】
「もみ湯モード」中に、パワーブロースイッチ25が押されると、まずポンプ7の駆動が停止され、ポンプ7の停止後、電磁弁31が開いている場合は閉じ、三方弁9を「第1の位置」から「第2の位置」へと切り替え、そして再びポンプ7を駆動させて「パワーブローモード」に移行する。
【0068】
上述したように、三方弁9が「第1の位置」から「第2の位置」に切り替わるときにポンプ7が停止していることで、配管11と配管15とが瞬間的に連通状態になり第1のノズル12と第2のノズル16の両方から同時に噴流が噴出されてしまうのを確実に防ぐことができる。また、三方弁9にはポンプ7からの吐出圧力が作用しないので、三方弁9の切り替えに大きなトルクを要しなくて済み、電力消費を抑えることができる。
【0069】
「リラックスモード」中に、もみ湯スイッチ24が押されると、まずポンプ7の駆動が停止され、ポンプ7の停止後、三方弁9を「第2の位置」から「第1の位置」へと切り替え、そして再びポンプ7を駆動させて「もみ湯モード」に移行する。
【0070】
このように、三方弁9が「第2の位置」から「第1の位置」に切り替わるときにもポンプ7が停止していることで、配管11と配管15とが瞬間的に連通状態になり第1のノズル12と第2のノズル16の両方から同時に噴流が噴出されてしまうのを確実に防ぐことができる。また、三方弁9にはポンプ7からの吐出圧力が作用しないので、三方弁9の切り替えに大きなトルクを要しなくて済み、電力消費を抑えることができる。
【0071】
エア混入無しの「リラックスモード」中に、パワーブロースイッチ25が押されると、ポンプ7の回転数をそのときの駆動状態での回転数よりも低下させ、予め設定された目標回転数以下になってから電磁弁31を「閉」から「開」に切り替え、その後、ポンプ7を「パワーブローモード」の回転数で駆動させて「パワーブローモード」に移行する。なお、「リラックスモード」と「パワーブローモード」は、同じ第2のノズル16を用いた噴流噴出であるので、これら両モード間の移行時には三方弁9は切り替わらない。
【0072】
この場合でも、電磁弁31の「閉」から「開」への切り替え時に、ポンプ7の回転数を低下させることで、エジェクタ効果による第2のノズル16内の負圧が小さくなり(大気と第2のノズル16内との圧力差が小さくなり)、エアの吸引開示時に生じる音を小さくでき、また、電磁弁31を開ける動力が小さくて済み、電力消費を抑えることができる。
【0073】
「パワーブローモード」中に、もみ湯スイッチ24が押されると、まずポンプ7の駆動が停止され、ポンプ7の停止後、電磁弁31が閉じられ、三方弁9を「第2の位置」から「第1の位置」へと切り替え、そして再びポンプ7を駆動させて「もみ湯モード」に移行する。
【0074】
「パワーブローモード」中に、リラックススイッチ26が押されると、ポンプ7の回転数をそのときの駆動状態での回転数よりも低下させ、予め設定された目標回転数以下になってから電磁弁31を「開」から「閉」に切り替え、その後、ポンプ7を「リラックスモード」の回転数で駆動させて「リラックスモード」に移行する。
【0075】
電磁弁31の「開」から「閉」への切り替え時においても、ポンプ7の回転数を低下させることで、エジェクタ効果によるエア配管32内の負圧を小さくすることができる。エア配管32内の負圧は、電磁弁31の弁体が「開」から「閉」位置へと移動する際に勢いを与える力として作用し、ポンプ7の回転数の低下によりエア配管32内の負圧が小さくなれば電磁弁31が勢いよく閉じてしまうことによって生じる騒音を低減できる。
【0076】
ポンプ7の駆動開始とエア混入開始とが同時に起こると、両動作に伴う音が合わさって大きな騒音になりやすので、運転初期やモード切り替え時などポンプ7が停止した状態から駆動を開始するときには、電磁弁31を「閉」にしておいて、各モードがエア混入無しの状態から開始されるようにするのが望ましい。
【0077】
次に、図8を参照して、浴槽水の吸込口5について具体的に説明する。
【0078】
長辺側浴槽壁4には開口4aが形成され、その開口4aにパッキンを介して筒状部材82が嵌め込まれている。筒状部材82において、長辺側浴槽壁4より内側の端部は複数の通水孔5aが形成された網状に形成され、長辺側浴槽壁4の外側に位置する端部はエルボ部材85を介して吸込配管6に接続されている。
【0079】
また、筒状部材82において通水孔5aが形成された端部にはカバー83が着脱自在に設けられ、このカバー83にも複数の通水孔5bが形成されている。通水孔5bは、カバー83における主面部83aだけでなく、この主面部83aに対して略垂直な側面部83bにも形成されている。
【0080】
通水孔5a、5bは浴槽水を吸い込むための吸込口5として機能し、これら通水孔5a、5bから吸い込まれた浴槽水は、筒状部材82の内部及びエルボ部材85の内部を通って、吸込配管6に導かれる。
【0081】
筒状部材82に形成された通水孔5aの孔径より、カバー83に形成された通水孔5bの孔径の方が小さい。孔径が小さいと異物の侵入防止効果が高い反面目詰まりしやすいが、カバー83はユーザーの手で簡単に着脱できるので、清掃やメンテナンスを容易に行える。また、筒状部材82にも通水孔5aを形成することで、カバー83を外した際にも、異物が吸込配管6及びポンプ7内に侵入することを防げる。ただし、筒状部材82は浴槽壁4に固定されているので、その筒状部材82に形成した通水孔5aの孔径は清掃性を考慮してカバー83の通水孔5bより大きくしている。
【0082】
エルボ部材85にはその内部に連通するエア吸引孔81が設けられ、このエア吸引孔81は、図1に示すエア配管37を介して、ノズル12、16にエアを混入させるためのエア配管と共通のエア取り込み口41(図2、3参照)に連通している。
【0083】
通水孔5bまたは5aが入浴者の体の一部や髪の毛などによって閉塞され、筒状部材82及びエルボ部材85の内部の負圧が高まると、エジェクタ効果によりそれら内部にエア吸引孔81を介してエアが取り込まれ、ポンプ7はそのエアを吸い込むことで能力が低下または停止する。これにより、浴槽水が吸い込まれない状況でのポンプ7の無駄な駆動を回避でき、また、通水孔5b、5aにおける吸引力が弱まり、入浴者の体の一部や髪の毛などをそれら通水孔5b、5aから容易に離すことができる。
【0084】
エア取り込み口41の下流側は、図9に示すように、ノズル12、16へのエア供給ポート75と、吸込口5へのエア供給ポート76との2系統に分かれている。これらエア供給ポート75、76を形成したエア取り込み部材74は、浴槽リム3に形成された開口に、パッキンを介して嵌め込まれている。
【0085】
エア供給ポート75は、図1に示す前述した電磁弁31を介して、エア配管32、33、35に接続されている。エア供給ポート76は、図1に示すエア配管37を介して、図8に示すエア吸引孔81に接続されている。
【0086】
前述したように、エア配管33、35には逆止弁34、36が設けられているため、浴槽水が、逆止弁34、36より上流側のエア配管、エア供給ポート75およびその上部の空洞部75に浸入してくることがない。
【0087】
しかし、吸込口5に接続されたエア配管37には逆止弁を設けていない。これは、吸込口5用のエア吸引系統が使用されるのは前述したように非常時だけであり、使用頻度がそう多くないことからコストをかけて逆止弁を設ける必要性に乏しいからである。
【0088】
そこで、吸込口5用のエア吸引系統については、図9に示すように、エア供給ポート76の上端開口が、浴槽リム3の上面よりも高い位置になるようにしている。これにより、浴槽リム3の上面までいっぱいに浴槽水が貯留されたとしても、エア供給ポート76の上端開口は浴槽水に浸からず、エアの取り込みが妨げられない。
【0089】
なお、ノズル用のエア供給ポート75の上部(上流側)に、より横方向の内寸が大きな空洞部72を設けることで、エア取り込み時の風切り音を低減することができる。
【0090】
また、体裁的な面や、異物侵入を防ぐ観点から、空洞部72及びエア供給ポート76の上端開口を覆うキャップ71が着脱自在に設けられ、そのキャップ71の側面側に設けられたエア吸引口73を介して、エア供給ポート75、76内に大気中のエアを導入可能となっている。
【0091】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0092】
前述した実施形態では、ポンプ7の吐出側と配管11と配管15との間を開閉する切替弁として1つの三方弁9を用いたが、図10に示すように、吐出管路8、配管11、配管15のそれぞれに切替弁91、92、93を設けてもよい。
【0093】
この構成の場合でも、ポンプ7の駆動時(切替弁91が「開」)においては、切替弁92と切替弁93の両方が同時に「開」になることはなく、どちらか一方のみが「開」で他方は「閉」となることで、配管11と配管15とは相互に連通しない。しかし、ポンプ7の駆動が停止され噴流噴出を行っていないときには、切替弁92と切替弁93とは両方とも「開」となり、配管11と配管15とを相互に連通させる。これにより、ポンプ7の停止時、配管11、15をまとめて一つの配管としてとらえた場合、その配管の両端は、各ノズル12、16の噴出口58、62を介して、浴槽水が貯留されず空になった浴槽1内に連通し、すなわち配管の両端が大気に開放された状態となる。この結果、使用していないときに、配管11、15内に残留した水を各ノズル12、16の噴出口58、62を通じて配管外に排出することができ、衛生的である。
【0094】
また、例えば長辺側浴槽壁に沿うような水流を形成する第3のノズルを取り付け、その第3のノズルを、配管11、15とは異なる配管を介してポンプ7の吐出側に接続させてもよい。すなわち、第3の噴流供給系統を設けてよい。この場合でも、ポンプ7の駆動時は3系統の噴流供給系統のうちいずれか1系統のみがポンプ7の吐出側に連通し、ポンプ7の停止時は、すべての噴流供給系統が相互に連通して、ノズルを介して各噴流供給系統の配管の端が大気に開放されるようにする。もちろん、噴流供給系統は4系統以上設けてもよい。
【0095】
また、噴流浴の運転を開始する際には、制御部によって、切替弁9を所定の位置に切替えた後に、前記ポンプを駆動することが好ましい。
例えば、運転を停止している状態から「もみ湯モード」を開始する際には、三方弁9を
配管11と配管15とを相互に連通させる「第3の位置」から、ポンプ7の吐出口に接続された吐出管路8と、第1のノズル12に接続された配管11とが連通した状態(第2のノズル16に接続された配管15と吐出管路8とを遮断する)である「第1の位置」に切り替えてから、ポンプ7を駆動させる。このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み(激しい水流ではないため)、電力消費を抑えることができる。
更に、運転を停止している状態から「リラックスモード」または「パワーブローモード」を開始する際には、三方弁9を配管11と配管15とを相互に連通させる「第3の位置」から、吐出管路8と、第2のノズル16に接続された配管15とを連通させ、第1のノズル12に接続された配管11と吐出管路8とを遮断する「第2の位置」に切り替えてから、ポンプ7を駆動させる。このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み、電力消費を抑えることができる。
【0096】
また、噴流浴の運転を終了する際には、制御部によって、ポンプ7の駆動を停止させた後に前記切替弁9を所定の位置に切替えることが好ましい。
例えば、「もみ湯モード」を実行している状態から停止する際には、ポンプを停止させた後に、三方弁9を、ポンプ7の吐出口に接続された吐出管路8と、第1のノズル12に接続された配管11とが連通した状態(第2のノズル16に接続された配管15と吐出管路8とを遮断する)である「第1の位置」から配管11と配管15とを相互に連通させる「第3の位置」に切り替える。このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み(激しい水流ではないため)、電力消費を抑えることができる。
「リラックスモード」または「パワーブローモード」の場合も同様である。
【0097】
また、第1のノズル12から噴流噴出を行う第1のモード(気泡混入なし)から、第2のノズル16から噴流噴出を行う第2のモード(気泡混入なし)に切り替える際、制御部21は、ポンプ7の回転数を低下または停止させた後に、切替弁9を第2の噴流供給系統とポンプ7が連通するように切替え、切替弁9を切替えた後に、ポンプ7を所定の回転数に上げて駆動させることが好ましい。例えば、気泡混入なしの「もみ湯モード」から、気泡混入なしの「リラックスモード」に切り替える際、ポンプ7の回転数を低下または停止させた後に、三方弁9を吐出管路8と、第2のノズル16に接続された配管15とを連通させ、第1のノズル12に接続された配管11と吐出管路8とを遮断する「第2の位置」に切り替え、三方弁の切替えが終了したらポンプ9の回転数を上げて「リラックスモード」を行うことが好ましい。
このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み(激しい水流ではないため)、電力消費を抑えることができる。
【0098】
また、第1のノズル12から噴流噴出を行う第1のモード(気泡混入あり)から、第2のノズル16から噴流噴出を行う第2のモード(気泡混入あり)に切り替える際、制御部21は、ポンプ7の回転数を低下または停止させた後に、切替弁9を第2の噴流供給系統とポンプ7が連通するように切替え、切替弁9を切替えた後に、ポンプ7を所定の回転数に上げて駆動させることが好ましい。例えば、気泡混入ありの「もみ湯モード」から、気泡混入ありの「リラックスモード」に切り替える際、ポンプ7の回転数を低下または停止させた後に、三方弁9を吐出管路8と、第2のノズル16に接続された配管15とを連通させ、第1のノズル12に接続された配管11と吐出管路8とを遮断する「第2の位置」に切り替え、三方弁の切替えが終了したらポンプ9の回転数を上げて「リラックスモード」を行うことが好ましい。尚、この時、電磁弁31は開いたままでよい。
このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み(激しい水流ではないため)、電力消費を抑えることができる。
【0099】
また、第1のノズル12から噴流噴出を行う第1のモード(気泡混入なし)から、第2のノズル16から噴流噴出を行う第2のモード(気泡混入あり)に切り替える際、制御部21は、ポンプ7の回転数を低下または停止させた後に、電磁弁31を開くと共に、切替弁9を第2の噴流供給系統とポンプ7が連通するように切替え、電磁弁31および切替弁9を切替えた後に、ポンプ7を所定の回転数に上げて駆動させることが好ましい。
例えば、気泡混入なしの「もみ湯モード」から気泡混入ある「パワーブローモード」に切替える際などはこのような動作を行う。このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み(激しい水流ではないため)、電力消費を抑えることができる。また、気泡混入初期に発生する気泡混入の騒音も抑制することができる。
【0100】
また、第2のノズル16から気泡混入状態の噴流噴出を行う第2のモードから、第1のノズル12から気泡混入がない状態の噴流噴出を行う第1のモードに切り替える際に、制御部21は、ポンプ7の回転数を低下または停止させた後に、電磁弁31を閉じると共に、切替弁9を第1の噴流供給系統とポンプ7が連通するように切替え、電磁弁31および切替弁9を切替えた後に、ポンプ7を所定の回転数に上げて駆動させることが好ましい。
例えば、気泡混入ある「パワーブローモード」から気泡混入なしの「もみ湯モード」に切替える際などはこのような動作を行う。このようにすることで、切替弁9によって流路を切り替える際に大きなトルクを要しなくて済み(激しい水流ではないため)、電力消費を抑えることができる。また、電磁弁を「開」から「閉」にしてエアの取り込みを停止する際に電磁弁が勢いよく閉じてしまうことによって起こる騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態に係る噴流浴システムの構成を示す概略図。
【図2】同噴流浴システムを平面方向から見た模式図。
【図3】同噴流浴システムを側面方向から見た模式図。
【図4】同噴流浴システムにおける第1のノズルの模式断面図。
【図5】同第1のノズルにて旋回噴流が形成される様子を説明するための模式図。
【図6】同第1のノズルから旋回噴流を噴出させた様子を表す写真図。
【図7】同噴流浴システムにおける第2のノズルの模式断面図。
【図8】本発明の実施形態に係る噴流浴システムにおける浴槽水の吸込口付近の模式断面図。
【図9】本発明の実施形態に係る噴流浴システムにおけるエアの取り込み口付近の模式断面図。
【図10】本発明の他の実施形態に係る噴流浴システムの構成を示す概略図。
【符号の説明】
【0102】
1…浴槽、5…吸込口、7…ポンプ、9,91〜93…切替弁、12…第1のノズル、16…第2のノズル、32,35,37…エア配管、31…電磁弁、34,36…逆止弁、41…エア取り込み口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽水を貯留可能であると共に、前記浴槽水を吸い込むための吸込口を有する浴槽と、
前記吸込口から浴槽水を吸入し加圧して吐出するポンプと、
前記ポンプの吐出管路に対して複数に分岐して設けられ、前記ポンプから吐出された加圧浴槽水を前記浴槽の内部に噴出可能なノズルを各々が少なくとも1つ有する複数の噴流供給系統と、
前記ポンプが駆動しているときは前記複数の噴流供給系統のうちの1系統のみを前記ポンプと連通させる切替弁と、
前記ポンプと、前記切替弁とを制御する制御部と、を備えた噴流浴システムであって、
噴流浴の運転を開始する際には、前記制御部によって、前記切替弁を所定の位置に切替えた後に、前記ポンプを駆動することを特徴とする噴流浴システム。
【請求項2】
前記噴流供給系統は、
第1のノズルを有する第1の噴流供給系統と、
前記第1のノズルとは異なるモードの噴流噴出を行う第2のノズルを有する第2の噴流供給系統と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の噴流浴システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−178464(P2009−178464A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22074(P2008−22074)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】