説明

噴霧可能な創傷処置材料を適用するための外科用装置および構造体

【課題】患者が被る外傷を減少させ、個々のステープル部位における間隙の数を減少し、液体の漏出を減少させ、出血を減少させ、または隣接する生体組織の間に比較的強い結合を作製する、外科用ステープラー器具を提供すること。
【解決手段】組織の近接する切片の間に吻合を形成するための装置であって:本体部分;該本体部分の近位端に作動可能に支持された作動アセンブリ;該本体部分に向かう、そして該本体部分から遠ざかる移動のために、該本体部分の遠位端に移動可能に設置されたアンビルアセンブリ;該管状の本体部分に向かって、そして、該本体部分から遠ざかってアンビルを移動するために、該本体部分と該アンビルアセンブリとの間に延びる近置アセンブリ;該近置アセンブリに作動可能に装着された分配アセンブリ;ならびに創傷処置材料を該分配アセンブリに導くための、少なくとも1つの導管を備える、装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本開示は、米国特許仮出願番号60/620,168(2004年10月18日出願)、米国特許仮出願番号60/620,151(2004年10月18日出願)、および米国特許仮出願番号60/620,171(2004年10月18日出願)に対する利益および優先権を主張する。これらの特許仮出願の各々の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科用ステープルによって修復または結合された組織の特性を増強するための、外科用装置および方法に関する。より詳細には、外科用機械式ファスナーおよび/または非機械式で生体適合性の創傷処置材料を適用し、標的の外科手術部位における修復された組織または隣接する組織の特性を増強するために構成された、外科用装置ならびに構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の考察)
何年にもわたり、医療分野は、生体組織を一緒に結合または接着するための試みにおいて、種々の技術を利用してきた。歴史的に、縫合は、切断された組織を再結合するためおよび創傷を閉鎖するための、一般に認められた技術であった。縫合は、歴史的に、外科用針および縫合糸により達成され、より最近では、以下で考察されるような、種々のポリマーステープルもしくは金属製ステープルにより達成される。縫合糸の意図される機能は、治癒プロセスの間に創傷もしくは組織の縁を互いに対して保持し、それによって、不快感、疼痛、瘢痕化および治癒に必要な時間を減少することである。
【0004】
最近、過去においては従来の縫合を必要とした多くの手順が、ステープル縫合によって置き換えられている。このステープル縫合は、外科用ステープラーの使用による、創傷もしくは組織の縁へのステープルの適用を包含する。外科用ステープラーは、隣接する組織を結合するため、隣接する組織の止血を提供するため、および隣接する組織の切断と同時に止血を提供するために、開発されてきた。このような外科用ステープラーとしては、直線型構造体および環状型構造体の両方が挙げられる。代表的直線型ステープラーおよびカッターは、スロットを有するステープルの平行な列を備え、切断手段が、そのステープルの列の間を移動する。
【0005】
代表的直線型ステープラーは、同一人に譲渡された、McKeanらへの米国特許第6,045,560号(特許文献1)、およびMastriらへの米国特許第6,032,849号(特許文献2)、Robertsonへの米国特許第5,964,394号(特許文献3)に開示される。これらの特許の各々の全内容は、本明細書において参考として援用される。代表的な環状ステープラーおよびカッターとしては複数の環状のステープルの列(代表的に、2列)、およびこのステープルの列の内部に配置された環状の刃が挙げられ、この環状ステープラーおよびカッターは、同一人に譲渡された、Robertsonらへの米国特許第5,799,857号(特許文献4)およびViolaらへの米国特許第5,915,616号(特許文献5)に開示される。これらの特許の各々の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0006】
これらの型の外科用ステープラーは、切断の改善のため、隣接する生体組織を固定し、組織の層を互いに結合し、そして切断手段が平行する列または環状の列の間を切断する場合、周辺組織に対してステープルの平行する列もしくは環状の列を適用することによって止血を提供する。したがって、外科医がこれら作業の全てを同時に行うことを可能にすることによって、外科用ステープラーは、組織を一緒に締め付けるのに要する時間量を減少させるのに有効であった。ステープラーが、高度に脈管が発達した組織において使用される場合、結合および止血をさらに促進するため、複数のステープルの列を有する外科用ステープラーが、高い成功度で使用されてきた。
【0007】
他の外科手術手順は、外科用綿撤糸、バットレスまたは他の型の増強材料および構造体を利用する。これらのバットレスは、代表的に、外科用ステープリング器具のアンビル表面に接触する組織上および/またはカートリッジ表面に接触する組織上に置かれて、外科用ステープリング器具の発射の間、標的組織に対して固定される。外科用ステープリング器具と組み合わせた支持体の使用のより詳細な考察については、参照は、米国特許第5,542,594号(特許文献6)に対してなされ得る。この特許の全体の内容は、本明細書において参考として援用される。
【0008】
さらに他の外科手術手順は、外科手術のステープリング手順に続いて、標的外科手術部位の外部表面に接着材料および/または封止材料を(例えば、噴霧、ブラッシングなどによって)塗布する工程に関する。
【0009】
開発されてきた別の手順は、近年開発された、組織修復および吻合作製のための、生物組織接着剤の使用を包含する。一般的に、生物接着剤は、離れた組織を一緒に結合して、治癒プロセスを補助し、かつ組織強度を増強する。このような接着剤は、縫合およびステープリングの代わりに、例えば、組織修復または吻合作製のための外科手術手順において、使用され得る。
適切な生体適合性接着剤の塗布は、患者および外科医に、多くの利点(例えば、針および/またはステープルによる組織の貫入の回避、および処置される組織の即時の封鎖)を提供する。さらに、生体適合性接着剤の使用は、異物反応および瘢痕化を最低限にする傾向がある。しかし、これらの利点にもかかわらず、組織の継ぎ目に沿った脆弱性は、生体適合性接着剤の使用の主な欠点として残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,045,560号明細書
【特許文献2】米国特許第6,032,849号明細書
【特許文献3】米国特許第5,964,394号明細書
【特許文献4】米国特許第5,799,857号明細書
【特許文献5】米国特許第5,915,616号明細書
【特許文献6】米国特許第5,542,594号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、患者が被る外傷を減少させ、個々のステープル部位の間かもしくは個々のステープル部位における間隙の数を減少し、液体の漏出を減少させ、出血を減少させ、ならびに/または隣接する生体組織の間に(例えば、ステープルのラインおよび組織の継ぎ目に沿って)比較的強い結合を作製する、外科用ステープラー器具(例えば、外科用ファスナーまたはステープラー)に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本開示は、修復または結合されるべき組織の特性を増強するための、外科用器具、構造体、装置および方法に関係する。
【0013】
本開示の一局面に従って、隣接する組織切断部の間で吻合を形成するための装置が提供される。この装置は、以下を備える:本体部分;この本体部分の近位端に作動可能に支持された、作動アセンブリ;この本体部分に向かう動きおよびこの本体部分から離れる動きのための、この本体部分の遠位端に移動可能に取り付けられた、アンビルアセンブリ;このアンビルを管状本体部分に近づけるためおよびこのアンビルを管状本体部分から離すための、本体部分とアンビルアセンブリとの間に延びた、近置アセンブリ;この近置アセンブリと作動可能に結合する、分配アセンブリ(この分配アセンブリは、アンビルアセンブリと本体部分との間におかれた少なくとも一つのチャネルを規定し、かつこのチャネルから流体を分配するように構成される、少なくとも一つの角度をつけた表面を備える);ならびに、創傷処置材料をこの分配アセンブリに導く、少なくとも1つの導管。
【0014】
上記分配アセンブリは、マニホルドを備え得る。このマニホルドは、創傷処置材料を分配するための複数の排出ポートを備え、上記チャネルは、この排出ポートを横切って流体を流す。
【0015】
排出ポートは、以下を備え得る:第1の創傷処置材料を分配するための、この排出ポート内に形成された複数の第1の排出ポート;および、第1の創傷処置材料と異なる第2の創傷処置材料を分配するための、この排出ポート内に形成された複数の第2の排出ポート。上記複数の第1の排出ポートおよび上記複数の第2の排出ポートは、どちらも、上記マニホルドの対向する側面に提供される。複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートは、放射状に配向され得る。
【0016】
少なくとも一つの導管は、以下を備え得る:上記マニホルド内に形成された複数の第1の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第1の導管;および、このマニホルド内に形成された複数の第2の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第2の導管。上記マニホルドの遠位端部分が、上記本体部分の長軸方向軸に対してある角度でテーパ状であることが、想定され得る。上記複数の第1の排出ポートおよび上記複数の第2の排出ポートが、上記マニホルドの遠位端部分に配置され得ることが、さらに想定される。
【0017】
分配アセンブリは、キャップをさらに備え得、このキャップは、このマニホルドの遠位端部分の外部表面とこのキャップの内部表面との間にチャネルを規定するような様式で、上記マニホルドの遠位端に作動可能に接続される。少なくとも一つの排出ポートは、上記マニホルドの遠位端部分の外部表面と上記キャップの内部表面との間に規定されたチャネルと連絡する、少なくとも一つの第3の排出ポートを備え得る。上記装置は、上記第3の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する第3の導管を、さらに備え得る。
【0018】
上記第1の導管は、第1の流体供給源に接続可能であり得、上記第2の導管は、第2の流体供給源に接続可能であり得、そして上記第3の導管は、第3の流体供給源に接続可能であり得る。上記第1の流体供給源は、複数成分の創傷処置材料の第1の成分を含み得、上記第2の流体供給源は、この複数成分の創傷処置材料の第2の成分を含み得る。この複数成分の創傷処置材料は、封止剤である。上記第3の流体供給源は、流体を含み得る。
【0019】
上記マニホルドのキャップおよび遠位端部分は、上記チャネルが流体を実質的に近位方向に流すような形状であり得る。したがって、このチャネルから排出される流体は、上記複数成分の創傷処置材料の第1の成分と第2の成分とを混合させる。
【0020】
上記作動アセンブリは、本体部分に接続された少なくとも一つのハンドルを備え得る。上記近置アセンブリは、以下を備え得る:少なくとも一つのハンドルに螺合されたねじ切りされた棒部材;および、このねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続されたノブ部材。分配アセンブリは、このねじ切りされた棒部材の遠位端に作動可能に結合され得る。このねじ切りされた棒部材は、その対向する側面に形成される窓を備え得る。この窓は、少なくとも一つの排出ポートに位置合わせされ得る。
【0021】
上記ねじ切りされた棒部材の遠位端は、上記窓を規定する接続部材を備え得る。上記接続部材の遠位端は、アンビルアセンブリのステムに選択的に係合するように構成され得る。
【0022】
本開示のさらなる局面に従って、外科的吻合手順を行う方法が提供される。この方法は、本体部分に対して移動可能に取り付けられたアンビルアセンブリ、およびこのアンビルアセンブリと本体部分との間に配置された標的手術部位上に創傷処置材料を分配するための創傷処置材料分配システム、を有する外科用吻合装置を提供する工程を包含する。この創傷処置材料分配装置は、以下を備える:少なくとも一つの流体を分配するように構成された、少なくとも一つの排出ポート;および、創傷処置材料をこの創傷処置材料分配装置に導くための、少なくとも一つの導管。
【0023】
上記方法は、以下の工程をさらに包含する:アンビルアセンブリを第1の腸切片内に配置して、この第1の腸切片をこのアンビルアセンブリに固定する工程;上記本体部分を第2の腸切片に配置して、この第2の腸切片をこの本体部分に固定する工程;上記創傷処置材料分配装置を作動させて、少なくとも一つの第1の腸切片および第2の腸切片に創傷処置材料を分配する工程;ならびに、上記アンビルアセンブリを上記管状本体部分に向かって接近させる工程。
【0024】
上記方法は、以下の工程をさらに包含する:上記創傷処置材料分散装置内に形成された排出ポートの第1のセットから、上記複数成分の創傷処置材料の第1成分を分配する工程;および、この創傷処置材料分散装置内に形成された排出ポートの第2のセットから、この複数成分の創傷処置材料の第2成分を分配する工程。
【0025】
上記方法は、上記複数成分の創傷処置材料の第1成分と第2成分とを混合する工程を、さらに包含する。上記複数成分の創傷処置材料の第1成分および第2成分は、外方向に向けて放射状に分配されることが想定される。
【0026】
上記方法は、上記創傷処置材料分配装置から、この創傷処置材料の第1の成分および第2の成分の分配路と反対方向に流体を分配する工程をさらに包含し得る。この創傷処置材料分配装置から、実質的に近位方向に上記流体が分配され得ることが、企図される。
【0027】
上記方法は、以下の工程をさらに包含し得る:排出ポートの近位のセットから第1の流体を排出する工程;および、排出ポートの遠位のセットから第2の流体を排出する工程。
【0028】
上記方法は、さらになお、以下の工程を包含し得る:上記第1の流体の第1の供給源から、第1の導管を通じて、上記排出ポートの第1のセットへこの第1の流体を送達する工程;および第2の流体の第2の供給源から、第2の導管を通じて、上記排出ポートの第2一のセットへこの第2の流体を送達する工程。
【0029】
上記複数成分の創傷処置材料が、2成分の生体接着剤および2成分の封止剤からなる群より選択され得ることが、想定される。
【0030】
近置アセンブリは、以下を備え得る:その中を通じて管腔を規定する、内部棒部材;この内部棒部材の近位端に作動可能に結合されたねじ切りされた棒部材(ここで、このねじ切りされた棒部材は、固定されたハンドル部材に螺合される);このねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続された、ノブ部材;および、上記内部棒部材の遠位端に近置して作動可能に接続された、接続部材。
【0031】
上記創傷処置材料分配装置は、上記内部棒部材の遠位端に作動可能に結合され得る。接続部材は、その対向する側面に形成された窓を備え得る。この接続部材の窓は、上記マニホルドの上記複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートに位置合わせされ得る。
【0032】
本開示の一局面に従って、環状外科用ステープリング装置が提供される。この外科ステープリング装置は、以下を備える:アクチュエータを有する管状本体部分;この管状本体部分の遠位端に作動可能に配置され、そして上記アクチュエータに作動可能に接続された、この管状本体部分からステープルの環状アレイを押し出すための、ステープルプッシャー部材;この管状本体部分に向かう動きおよびこの管状本体部分から離れる動きのための、この管状本体部分の遠位端に移動可能に取り付けられた、アンビルアセンブリ;このアンビルを管状本体部分に近づけるためおよびこのアンビルを管状本体部分から離すための、管状本体部分とアンビルアセンブリとの間に延びた、近置アセンブリ;この近置アセンブリに作動可能に結合されたノズル(このノズルは、上記アンブルアセンブリと管状本体部分との間に配置された少なくとも一つの排出ポートを備え、そして少なくとも一つの流体を分配するように構成される);ならびに、上記ノズルに創傷処置材料を導くための、少なくとも一つの導管。
【0033】
上記ノズルは、マニホルドを備え得る。このマニホルドは、以下を備える:第1の創傷処置材料を分配するための、このマニホルド内に形成された複数の第1の排出ポート;および、この第1の創傷処置材料とは異なる第2の創傷処置材料を分配するための、このマニホルド内に形成された複数の第2の排出ポート。上記複数の第1の排出ポートおよび上記複数の第2の排出ポートは、どちらも、上記マニホルドの対向する側面上に提供され得る。複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートは、放射状に配向され得る。
【0034】
少なくとも一つの導管は、以下を備え得る:上記マニホルド内に形成された上記複数の第1の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第1の導管;および、このマニホルド内に形成された複数の第2の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第2の導管。上記マニホルドの遠位端部分は、長軸方向軸に対してある角度でテーパ状であり得、そして上記複数の第1の排出ポートおよび上記複数の第2の排出ポートは、このマニホルドの遠位端部分に配置され得る。
【0035】
上記ノズルは、キャップをさらに備え、このキャップは、上記マニホルドの遠位端部分の外部表面とこのキャップの内部表面との間にチャネルを規定するような様式で、このマニホルドの遠位端部分に作動可能に接続される。少なくとも一つの排出ポートは、上記チャネルと連絡する、少なくとも一つの第3の排出ポートを備え得る。
【0036】
上記装置は、上記第3の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する第3の導管を、さらに備え得る。したがって、上記第1の導管は、第1の流体供給源に接続可能であり得、上記第2の導管は、第2の流体供給源に接続可能であり得、そして上記第3の導管は、第3の流体供給源に接続可能であり得る。上記第1の流体供給源は、2成分の創傷処置材料の第1の成分を含み得、上記第2の流体供給源は、この2成分の創傷処置材料の第2の成分を含み得る。この2成分の創傷処置材料は、生体接着剤であり得る。上記第3の流体供給源は、圧縮流体を含み得る。
【0037】
上記マニホルドのキャップおよび遠位端部分は、上記チャネルが流体を実質的に近位方向に流すような形状であり得る。したがって、使用中、このチャネルから排出される流体は、上記2成分の創傷処置材料の第1の成分と第2の成分とを混合させる。
【0038】
上記アクチュエータは、管状本体部分に接続された少なくとも一つのハンドルを備える。上記近置アセンブリは、以下を備える:少なくとも一つのハンドルに螺合されたねじ切りされた棒部材;および、このねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続されたノブ部材。上記創傷処置材料分配システムのノズルは、このねじ切りされた棒部材の遠位端に作動可能に結合され得る。このねじ切りされた棒部材は、その対向する側面に形成された窓を備え得る。この窓は、少なくとも一つの排出ポートに位置合わせされ得る。上記ねじ切りされた棒部材の遠位端は、この窓を規定する接続部材を備え得、そしてこの接続部材の遠位端は、上記アンビルアセンブリのステムを選択的に係合するように構成され得る。
【0039】
本開示の別の局面に従って、外科的吻合手順を行う方法が、提供される。この方法は、管状本体部分に対して移動可能に取り付けられたアンビルアセンブリ、および標的手術部位上に創傷処置材料を分配するための創傷処置材料分配システム、を有する環状外科用ステープリング装置を提供する工程を包含する。この創傷処置材料分配システムは、以下を備える:アンビルアセンブリと管状本体部分との間に配置されたノズル(このノズルは、少なくとも一つの流体を分配するように構成された少なくとも一つの排出ポートを備える);および、創傷処置材料をこのノズルに導くための、少なくとも一つの導管。
【0040】
本方法は、以下の工程をさらに包含する:アンビルアセンブリを第1の腸切片内に配置する工程;上記外科用ステープリング装置の遠位端を第2の腸切片に配置する工程;上記創傷処置材料分配システムを作動させて、この第1の腸切片および第2の腸切片の少なくとも一つに創傷処置材料を分配する工程;ならびに、上記アンビルアセンブリを上記管状本体部分に向かって接近させる工程。
【0041】
上記方法は、以下の工程をさらに包含し得る:上記創傷処置材料分散システムのノズル内に形成された排出ポートの第1のセットから、2成分の創傷処置材料の第1成分を分配する工程;および、この創傷処置材料分散システムのノズル内に形成された排出ポートの第2のセットから、この2成分の創傷処置材料の第2成分を分配する工程。上記方法は、上記2成分の創傷処置材料の第1成分と第2成分とを混合する工程を、さらに包含し得る。上記2成分の創傷処置材料の第1成分および第2成分は、外方向に向けて放射状に分配され得る。
【0042】
この方法は、流体を、創傷処置材料分配システムのノズルから、創傷処置材料の第1の成分および第2の成分の分配の経路に対して横断方向に分配する工程を、さらに包含し得る。この流体は、実質的に近位への方向で、このノズルから分配され得る。
【0043】
この方法は、第1の流体を、排出ポートの近位セットから排出する工程;および第2の流体を、排出ポートの遠位セットから排出する工程をさらに包含し得る。この方法は、第1の流体を、第1の流体の第1の供給源から、第1の導管に通して排出ポートの第1のセットへと送達する工程;および第2の流体を、第2の流体の第2の供給源から、第2の導管に通して排出ポートの第2のセットへと送達する工程を、さらに包含し得る。
【0044】
2成分の創傷処置材料は、2成分の生体接着剤および2成分の封止剤からなる群より選択され得る。
【0045】
近置アセンブリは、それを通じて管腔を規定する内側棒部材;この内側棒部材の近位端に作動可能に関連する、ねじ切りされた棒部材であって、このねじ切りされた棒部材は、固定されたハンドル部材と螺合係合する、ねじ切りされた棒部材;このねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続された、ノブ部材;およびこの内側棒部材の遠位端の近位に作動可能に接続された、接続部材を備え得る。上記創傷処置材料分配システムのノズルは、この内側棒部材の遠位端に作動可能に関連し得る。
【0046】
この接続部材は、その反対側に形成された窓を備え得る。この接続部材の窓は、マニホルドの複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートと位置合わせされ得る。
【0047】
本開示の別の局面によれば、創傷処置材料を標的手術部位に分配するための、外科用ステープリング装置が提供される。この装置は、ハンドルアセンブリ;このハンドルアセンブリに接続された、少なくとも1つの旋回作動ハンドル部材;このハンドルアセンブリから延びる管状本体部分;ステムおよびこのステムの一端に支持されたアンビル部材を備えるアンビルアセンブリ;この管状本体部分の遠位端に作動可能に支持された、ステープルプッシャー部材;管状本体部分内に作動可能に配置された接続手段であって、この接続手段は、このステムの第2の端部に作動可能に係合するように構成および適合されている、接続手段;ならびにこの接続手段内に作動可能に配置されたアンプルを備える。このアンプルは、複数の創傷処置材料をその内部に含み、そして外科手順の間、この創傷処置材料が、このアンプルから分配される。
【0048】
このアンプルは、創傷処置材料を保持するための管腔を規定する本体部分、およびこの管腔内にスライド可能に配置されるプランジャーを備え得る。従って、使用の際に、このプランジャーがこの管腔を通して軸方向に移動されるにつれて、この管腔内に収容された創傷処置材料が、この本体部分に形成された開口部分から分配される。
【0049】
上記接続手段は、内部に空洞を規定するトロカールを備え得、この空洞は、その内部にアンプルを受容するような構成および寸法にされる。このトロカールは、このアンプルの本体部分の開口部分と流体連絡する、少なくとも1つのポートを規定する。従って、使用の際に、この創傷処置材料が本体部分の開口部分から分配されるにつれて、この創傷処置材料は、このトロカールの少なくとも1つのポートを通して導かれる。各ポートは、近位の方向に角度を付けられ得る。
【0050】
上記外科用ステープリング装置は、この外科用ステープリング装置を通って延び、そして上記アンプルのプランジャーと係合する、駆動ケーブルをさらに備え得る。使用の際に、この駆動ケーブルの、遠位方向への移動は、このプランジャーの遠位方向への移動を引き起こし、創傷処置材料をそこから分配する。
【0051】
本開示のなお別の局面によれば、ステープルの環状アレイ、および創傷処置材料または創傷処置材料の少なくとも1つの成分を適用するための、外科用ステープリング装置が提供される。この外科用ステープリング装置は、このステープリング装置の遠位端に位置決め可能なアンビル部材;およびこのステープリング装置の遠位端に隣接して位置決めされるファスナーアセンブリを備え、このアンビル部材は、このアンビル部材をこのステープリング装置の遠位端に接続するために適合されたアンビルステムを備え、このアンビルステムは、そこを通って延びる管腔を備え、そして少なくとも1つの穴が、このアンビルステムの外側表面に形成されており、そしてこの管腔と流体連絡しており、そしてこのファスナーアセンブリとアンビル部材とは、互いに対して並列し得る。このファスナーアセンブリは、このファスナーアセンブリ内に提供されたステープルスロット内に個々に配置された複数の外科用ステープル;およびこれらの外科用ステープルを個々のステープルスロットからアンビル部材に対して発射させるためのステープルプッシャー部材を備える。この外科用ステープラー装置は、このステープラー装置と作動可能に関連した、創傷処置材料アプリケータアセンブリをさらに備え得る。
【0052】
このアプリケータアセンブリは、創傷処置材料または創傷処置材料の少なくとも1つの成分を貯蔵するための、少なくとも1つのリザーバー;およびこの少なくとも1つのリザーバーとアンビル部材のアンビルステムとの間に流体連絡を提供する導管システムを備え、ここで、この創傷処置材料またはその少なくとも1つの成分は、この少なくとも1つのリザーバーからこの導管システムおよびアンビルステムの管腔を通って流れ、そしてこのアンビルステムに形成された少なくとも1つの穴を通って、実質的にアンビル部材とファスナーアセンブリとの間の領域へと分配される。
【0053】
この導管システムは、接続手段を備え得、ここで、この接続手段は、この接続手段を通ってボアを規定し、このアンビル部材のアンビルステムと係合するように適合されており、その結果、そのボアは、このアンビルステムの管腔と流体連絡する。
【0054】
上記少なくとも1つのリザーバーは、圧縮可能であり得る。この少なくとも1つのリザーバーは、外科用ステープリング装置の発射の前、発射の間または発射の後に圧縮されて、創傷処置材料をそこから押し出し得る。この外科用ステープリング装置は、この少なくとも1つのリザーバーに収容される、創傷処置材料をさらに備える。
【0055】
この外科用ステープリング装置は、管状本体部分であって、この本体部分の遠位端において上記ファスナーアセンブリが位置決めされる、管状本体部分、およびこのファスナーアセンブリを作動させて、そこからステープルの環状アレイを押し出すための手段をさらに備え得る。
【0056】
このアンビル部材は、本体部分の遠位端に配置され得、そしてファスナーアセンブリの反対側に位置決めされ得る。このアンビル部材は、ステープルの押し出しの際に、組織にこれらのステープルを締め付けるように適合され得る。
【0057】
この外科用ステープリング装置は、上記ステープルプッシャー部材および上記アンビル部材のうちの少なくとも1つを、これらの部材のうちの他方から離れた伸長位置から、他方の部材に隣接する位置まで進めるための手段をさらに備え得る。この外科用ステープリング装置は、管状本体部分内に同軸に位置決めされた可撓性部材をなおさらに備え得、この可撓性部材は、上記進める手段の近位端および上記少なくとも1つの部材の遠位端に作動可能に連結される。上記ファスナーアセンブリは、管状本体部分の遠位端に位置決めされ得、そして進める手段は、アンビル部材を、ステープルプッシャー部材から離れた伸長位置から、ファスナーアセンブリに隣接する位置へと移動させ得る。
【0058】
進める手段は、上記装置の近位端に位置決めされたグリップ部材を備え得る。上記導管システムは、ボアを規定する接続手段を備え得る。この接続手段は、アンビル部材のアンビルステムと係合するように適合され得、その結果、そのボアが、このアンビルステムの管腔と流体連絡する。
【0059】
上記少なくとも1つのリザーバーは、圧縮可能であり得ることが予測される。この少なくとも1つのリザーバーは、外科用ステープリング装置の発射の前、発射の間または発射の後に圧縮されて、創傷処置材料をそこから押し出し得る。この外科用ステープリング装置は、この少なくとも1つのリザーバーに収容される、創傷処置材料をさらに備え得る。このリザーバーは、望ましくは、作動手段とグリップ部材との間に配置される。従って、この作動手段の、グリップ部材の方への移動は、このリザーバーの圧縮を生じる。
【0060】
本発明により、以下が提供される:
(項目1)
組織の近接する切片の間に吻合を形成するための装置であって、以下:
本体部分;
該本体部分の近位端に作動可能に支持された作動アセンブリ;
該本体部分に向かう、そして該本体部分から遠ざかる移動のために、該本体部分の遠位端に移動可能に設置されたアンビルアセンブリ;
該管状の本体部分に向かって、そして、該本体部分から遠ざかってアンビルを移動するために、該本体部分と該アンビルアセンブリとの間に延びる近置アセンブリ;
該近置アセンブリに作動可能に装着された分配アセンブリであって、該分配アセンブリは、該アンビルアセンブリと該本体部分との間に置かれた少なくとも1つのチャネルを規定する少なくとも1つの角をなす表面を備え、そこから流体を分散するように構成されている、分配アセンブリ;ならびに
創傷処置材料を該分配アセンブリに導くための、少なくとも1つの導管
を備える、装置。
(項目2)
前記分配アセンブリがマニホルドを備え、該マニホルドが、前記創傷処置材料を分散するための複数の排出ポートを備え、前記チャネルが、該排出ポートを通して前記流体を方向付ける、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記排出ポートが、以下:
第1の創傷処置材料を分散するために、その内部に形成された複数の第1の排出ポート;および
該第1の創傷処置材料とは異なる第2の創傷処置材料を分散するために、その内部に形成された複数の第2の排出ポート
を含む、項目2に記載の装置。
(項目4)
前記複数の第1の排出ポートおよび前記複数の第2の排出ポートが、ともに、前記マニホルドの反対側の側面上に備え付けられる、項目3に記載の装置。
(項目5)
複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートが、放射状に配向される、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記少なくとも1つの導管が、以下:
前記マニホルド内に形成された前記複数の第1の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第1の導管;および
該マニホルド内に形成された前記複数の第2の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第2の導管
を含む、項目5に記載の装置。
(項目7)
前記マニホルドの遠位端部分が、前記本体部分の長手軸に関してある角度でテーパが付けられ、前記複数の第1の排出ポートおよび前記複数の第2の排出ポートが、該マニホルドの遠位部分に配置される、項目6に記載の装置。
(項目8)
前記分配アセンブリがさらに、以下:
前記マニホルドの前記遠位端部分の外側表面と、キャップの内側表面との間にチャネルを規定するような様式で、該マニホルドの遠位端に作動可能に接続された、キャップ
を備える、項目7に記載の装置。
(項目9)
前記少なくとも1つの排出ポートが、前記マニホルドの前記遠位端部分の前記外側表面と前記キャップの前記内側表面との間に規定された前記チャネルと連絡する、少なくとも1つの第3の排出ポートを備える、項目8に記載の装置。
(項目10)
さらに、以下:
前記第3の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第3の導管
を備える、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記第1の導管が、第1の流体供給源に接続可能であり、前記第2の導管が、第2の流体供給源に接続可能であり、そして、前記第3の導管が、第3の流体供給源に接続可能である、項目10に記載の装置。
(項目12)
前記第1の流体供給源が、複数成分の創傷処置材料のうちの第1の部分を含み、そして、前記第2の流体供給源が、該複数成分の創傷処置材料のうちの第2の部分を含む、項目11に記載の装置。
(項目13)
前記複数成分の創傷処置材料が封止剤である、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記第3の供給源が流体を含む、項目13に記載の装置。
(項目15)
前記キャップおよび前記マニホルドの前記遠位端部分は、前記チャネルが前記流体を実質的に近位方向に方向付けるような形状である、項目14に記載の装置。
(項目16)
前記チャネルから排出される前記流体が、前記複数成分の創傷処置材料の前記第1の部分および前記第2の部分を混合させる、項目15に記載の装置。
(項目17)
前記作動アセンブリが、前記本体部分に接続された少なくとも1つのハンドルを備える、項目1に記載の装置。
(項目18)
前記近置アセンブリが、以下:
前記少なくとも1つのハンドルを螺合係合する、ねじ切りされた棒部材;および
該ねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続されたノブ部材
を備える、項目17に記載の装置。
(項目19)
前記分配アセンブリが、前記ねじ切りされた棒部材の前記遠位端と作動可能に連結している、項目18に記載の装置。
(項目20)
前記ねじ切りされた棒部材が、その反対側の側面に形成された窓を備え、該窓は、前記少なくとも1つの排出ポートと位置合わせされている、項目19に記載の装置。
(項目21)
前記ねじ切りされた棒部材の前記遠位端が、前記窓を規定する接続部材を備え、該接続部材の遠位端が、アンビルアセンブリのステムを選択的に係合するように構成されている、項目20に記載の装置。
(項目22)
外科的吻合手順を実施するためのシステムであって、以下:
本体部分に関して移動可能に設置されたアンビルアセンブリ、および、創傷治療材料を標的外科部位に分散するための、該アンビルアセンブリと該本体部分との間に配置された創傷処置材料分散システムを有する外科用吻合装置であって、該創傷処置材料分散装置は、以下:
少なくとも1つの流体を分散するように構成された少なくとも1つの排出ポート;および
創傷処置材料を該創傷処置材料分散装置に導くための少なくとも1つの導管
を備える、外科用吻合装置;
アンビルアセンブリを第1の腸切片に配置し、該第1の腸切片を該アンビルアセンブリに固定するための手段;
該本体部分を第2の腸切片に配置し、該第2の腸切片を該本体部分に固定するための手段;
該創傷処置材料分散装置を作動させて、創傷処置材料を、該第1の腸切片および該第2の腸切片のうちの少なくとも1つに分散するための手段;ならびに
該管状の本体部分に向かって該アンビルアセンブリを接近させるための手段
を備える、システム。
(項目23)
さらに、以下:
前記創傷処置材料分散装置内に形成された第1セットの排出ポートから複数成分の創傷処置材料のうちの第1の部分を分散するための手段;および
該創傷処置材料分散装置内に形成された第2セットの排出ポートから該複数成分の創傷処置材料のうちの第2の部分を分散するための手段
を備える、項目22に記載のシステム。
(項目24)
さらに、以下:
前記複数成分の創傷処置材料のうちの前記第1の部分および前記第2の部分を混合するための手段
を備える、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記複数成分の創傷処置材料のうちの前記第1の部分および前記第2の部分が、放射状に外向きの方向に分散される、項目23に記載のシステム。
(項目26)
さらに、以下:
前記創傷処置材料分散装置から、流体を、前記創傷処置材料のうちの前記第1の部分および前記第2の部分の分散の経路を横切る方向に分散するための手段
を備える、項目24に記載のシステム。
(項目27)
前記流体が、前記創傷処置材料分散装置から、実質的に近位方向に分散される、項目22に記載のシステム。
(項目28)
さらに、以下:
排出ポートの近位セットから第1の流体を排出するための手段;および
排出ポートの遠位セットから第2の流体を排出するための手段
を備える、項目22に記載のシステム。
(項目29)
さらに、以下:
前記第1の流体を、該第1の流体の第1の供給源から、第1の導管を通して前記第1セットの排出ポートへと送達するための手段;および
前記第2の流体を、該第2の流体の第2の供給源から、第2の導管を通して前記第2セットの排出ポートへと送達するための手段
を備える、項目28に記載のシステム。
(項目30)
前記複数成分の創傷処置材料が、2成分の生物接着剤および2部の封止剤からなる群より選択される、項目23に記載のシステム。
(項目31)
前記近置アセンブリが、以下:
そこを通る管腔を規定する、内側棒部材;
該内側棒部材の近位端と作動可能に連結された、ねじ切りされた棒部材であって、該ねじ切りされた棒部材は、固定されたハンドル部材を螺合係合する、ねじ切りされた部材;
該ねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続された、ノブ部材;および
該内側棒部材の遠位端に近接して作動可能に接続された、接続部材
を備える、項目23に記載のシステム。
(項目32)
前記創傷処置材料分散装置が、前記内側棒部材の前記遠位端と作動可能に連結している、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記接続部材が、その反対側の側面に形成された窓を備え、該接続部材の該窓は、前記マニホルドの前記複数の近位排出部分および前記複数の遠位排出部分と位置合わせされている、項目32に記載のシステム。
(項目34)
環状外科用ステープル装置であって、以下:
アクチュエータを有する管状本体部分;
該管状本体部分の遠位端に作動可能に配置され、該管状本体部分からステープルの環状アレイを発射するために、該アクチュエータに作動可能に接続されている、ステープル押出部材;
該管状本体部分に向かって、そして該本体部分から離れる移動のために、該管状本体部分の該遠位端に移動可能に設置された、アンビルアセンブリ;
アンビルを、該管状本体部分に向けて、そして該本体部分から離して移動させるために、該管状本体部分と該アンビルアセンブリとの間に延びる、近置アセンブリ;
該近置アセンブリと作動可能に連結したノズルであって、該ノズルは、該アンビルアセンブリと該管状の本体部分との間に配置され、少なくとも1つの流体を分散するように構成されている、少なくとも1つの排出ポートを備える、ノズル;および
創傷処置材料を該ノズルに導くための、少なくとも1つの導管
を備える、装置。
(項目35)
前記ノズルが、マニホルドを備え、該マニホルドが、以下:
第1の創傷処置材料を分散するための、その中に形成された複数の第1の排出ポート;および
該第1の創傷処置材料とは異なる第2の創傷処置材料を分散するための、その中に形成された複数の第2の排出ポート
を備える、項目34に記載の装置。
(項目36)
前記複数の第1の排出ポートおよび前記複数の第2の排出ポートが、ともに、前記マニホルドの反対側の側面上に備え付けられる、項目35に記載の装置。
(項目37)
複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートが、放射状に配向される、項目36に記載の装置。
(項目38)
前記少なくとも1つの導管が、以下:
前記マニホルド内に形成された前記複数の第1の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第1の導管;および
該マニホルド内に形成された前記複数の第2の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第2の導管
を備える、項目37に記載の装置。
(項目39)
前記マニホルドの遠位端部分が、長手軸に関してある角度でテーパが付けられ、前記複数の第1の排出ポートおよび前記第2の排出ポートが、該マニホルドの該遠位端部分に配置される、項目38に記載の装置。
(項目40)
前記ノズルがさらに、以下:
前記マニホルドの前記遠位端部分の外側表面と、キャップの内側表面との間にチャネルを規定するような様式で、該マニホルドの該遠位端に作動可能に接続された、キャップ
を備える、項目39に記載の装置。
(項目41)
前記少なくとも1つの排出ポートが、前記チャネルと連絡する少なくとも1つの第3の排出ポートを備える、項目40に記載の装置。
(項目42)
さらに、以下:
前記第3の排出ポートと流体連絡する遠位端を有する、第3の導管
を備える、項目41に記載の装置。
(項目43)
前記第1の導管が、第1の流体供給源に接続可能であり、前記第2の導管が、第2の流体供給源に接続可能であり、そして、前記第3の導管が、第3の流体供給源に接続可能である、項目42に記載の装置。
(項目44)
前記第1の流体供給源は、2成分の創傷処置材料のうちの第1の成分を含み、前記第2の流体供給源は、2成分の創傷処置材料のうちの第2の成分を含む、項目43に記載の装置。
(項目45)
前記2部の創傷処置材料が、生物接着剤である、項目44に記載の装置。
(項目46)
前記第3の流体供給源が、圧縮流体を含む、項目45に記載の装置。
(項目47)
前記キャップおよび前記マニホルドの前記遠位端部分は、前記チャネルが前記流体を実質的に近位方向に方向付けるような形状である、項目46に記載の装置。
(項目48)
前記チャネルから排出された前記流体が、前記2部の創傷処置材料のうちの前記第1の部分および前記第2の部分を混合させる、項目47に記載の装置。
(項目49)
前記アクチュエータが、前記管状の本体部分に接続された少なくとも1つのハンドルを備える、項目34に記載の装置。
(項目50)
前記近置アセンブリが、以下:
前記少なくとも1つのハンドルを螺合係合する、ねじ切りされた棒部材;および
該ねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続された、ノブ部材
を備える、項目49に記載の装置。
(項目51)
前記創傷処置材料分散システムの前記ノズルが、前記ねじ切りされた棒部材の前記遠位端に作動可能に連結されている、項目50に記載の装置。
(項目52)
前記ねじ切りされた棒部材が、その反対側の側面上に形成された窓を備え、該窓は、前記少なくとも1つの排出ポートと位置合わせされている、項目51に記載の装置。
(項目53)
前記ねじ切りされた棒部材の遠位端が前記窓を規定する接続部材を備え、該接続部材の遠位端が、アンビルアセンブリのステムを選択的に係合するように構成されている、項目52に記載の装置。
(項目54)
外科的吻合手順を行うためのシステムであって、該システムは、以下:
管状本体部分に対して移動可能に取り付けられたアンビルアセンブリおよび標的外科手術部位に創傷処置材料を分配するための創傷処置材料分配システムを有する環状外科用ステープリング装置であって、該創傷処置材料分配システムは、以下:
該アンビルアセンブリと該管状本体部分との間に配置されているノズルであって、該ノズルは、少なくとも1つの流体を分配するように構成された少なくとも1つの排出ポートを備える、ノズル;および
該ノズルに創傷処置材料を導くための少なくとも1つの導管;
を備える、環状外科用ステープリング装置;
アンビルアセンブリを第1の腸切片に配置するための手段;
該外科用ステープリング装置の遠位端部を第2の腸切片に配置するための手段;
該創傷処置材料分配システムを作動して、創傷処置材料を該第1および第2の腸切片のうちの少なくとも一方に分配するための手段;ならびに
該アンビルアセンブリを該管状本体部分に向けて近置させるための手段、
を備える、システム。
(項目55)
以下:
前記創傷処置材料分配システムの前記ノズルに形成された排出ポートの第1のセットから2成分創傷処置材料の第1の成分を分配するための手段;ならびに
該創傷処置材料分配システムの該ノズルに形成された排出ポートの第2のセットから該2成分創傷処置材料の第2の成分を分配するための手段、
をさらに備える、項目54に記載のシステム。
(項目56)
前記2成分創傷処置材料の前記第1の成分と第2の成分とを混合するための手段をさらに備える、項目55に記載のシステム。
(項目57)
前記2成分創傷処置材料の前記第1の成分および第2の成分は、半径方向に外側の方向に分配される、項目55に記載のシステム。
(項目58)
前記創傷処置材料分配システムの前記ノズルから、前記創傷処置材料の前記第1の成分および第2の成分の分配経路に対して横断する方向に、流体を分配するための手段をさらに備える、項目56に記載のシステム。
(項目59)
前記流体は、実質的に近位方向において前記ノズルから分配される、項目54に記載のシステム。
(項目60)
以下:
排出ポートの近位セットから第1の流体を排出するための手段;および
排出ポートの遠位セットから第2の流体を排出するための手段、
をさらに備える、項目54に記載のシステム。
(項目61)
以下:
前記第1の流体の第1の供給源から、該第1の流体を第1の導管を通って排出ポートの前記第1のセットへと送達するための手段;ならびに
前記第2の流体の第2の供給源から、該第2の流体を第2の導管を通って排出ポートの前記第2のセットへと送達するための手段、
をさらに備える、項目60に記載のシステム。
(項目62)
前記2成分創傷処置材料は、2成分生体接着剤および2成分封止剤からなる群より選択される、項目55に記載のシステム。
(項目63)
前記近置させるための手段は、前記アンビルアセンブリを前記管状本体部分に向かって近置させるための近置アセンブリを備え、該近置アセンブリは、以下:
中を貫通する管腔を規定する内部棒部材;
該内部棒部材の近位端部と作動可能に関連づけられたねじ切り棒部材であって、該ねじ切り棒部材は、固定されたハンドル部材を螺合係合する、ねじ切り棒部材;
該ねじ切り棒部材の近位端部に作動可能に接続されたノブ部材;ならびに
該内部棒部材の遠位端に対して近位に作動可能に接続された接続部材、
を備える、項目54に記載のシステム。
(項目64)
前記創傷処置材料分配システムの前記ノズルは、前記内部棒部材の前記遠位端部と作動可能に関連づけられている、項目63に記載のシステム。
(項目65)
前記接続部材は、その反対側に形成された窓を備え、該接続部材の該窓は、マニホルドの複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートと位置合わせ状態にある、項目64に記載のシステム。
(項目66)
標的外科手術部位に創傷処置材料を分配するための外科用ステープリング装置であって、該装置は、以下:
ハンドルアセンブリ;
該ハンドルアセンブリに接続された少なくとも1つの旋回可能な作動ハンドル部材;
該ハンドルアセンブリから延びている管状本体部分;
ステムおよび該ステムの一方の端部に支持されたアンビル部材を備える、アンビルアセンブリ;
該管状本体部分の遠位端部に作動可能に支持されたステープルプッシャー部材;
該管状本体部分内に作動可能に配置された接続手段であって、該接続手段は、該ステムの第2の端部を作動可能に係合するように構成され適合された、接続手段;ならびに
該接続手段内に作動可能に配置されたアンプルであって、該アンプルは、その中にある量の創傷処置材料を含み、外科手術手順の間に該創傷処置材料は、該アンプルから分配される、アンプル、
を備える、外科用ステープリング装置。
(項目67)
前記アンプルは、前記創傷処置材料を保持するための管腔を規定する本体部分、および該管腔内にスライド可能に配置されるプランジャーを備え、該プランジャーが、該管腔を通って軸方向にずらされると、該管腔に含まれる該創傷処置材料は、該本体部分に形成される開口部分を通って分配される、項目66に記載の外科用ステープリング装置。
(項目68)
前記接続手段は、キャビティーを規定するトロカールを備え、該キャビティーは、前記アンプルをそこに受容するように構成され、かつそのような寸法にされており、該トロカールは、該アンプルの前記本体部分の前記開口部分と流体連絡状態において少なくとも1つのポートを規定し、前記創傷処置材料が、該本体部分の該開口部分から分配されると、該創傷処置材料は、該トロカールの少なくとも1つのポートを通って運ばれる、項目67に記載の外科用ステープリング装置。
(項目69)
各ポートは、近位方向において角度付けされる、項目68に記載の外科用ステープリング装置。
(項目70)
前記外科用ステープリング装置を通って延び、前記アンプルの前記プランジャーを係合する駆動ケーブルをさらに備え、遠位方向における駆動ケーブルの移動は、該遠位方向において該プランジャーを移動して、該アンプルから前記創傷処置材料を分配する、項目69に記載の外科用ステープリング装置。
(項目71)
ステープルの環状アレイ、および創傷処置材料または創傷処置材料の少なくとも1つの成分を付与するための外科用ステープリング装置であって、該外科用ステープリング装置は、以下:
該ステープリング装置の遠位端部に配置可能なアンビル部材であって、該アンビル部材は、該アンビル部材を該ステープリング装置の該遠位端部に接続するために適合したアンビルステムを備え、該アンビルステムは、該アンビルステムを貫通して延びる管腔、およびその外側表面に形成される少なくとも1つの穴を備え、該管腔と流体連絡状態にある、アンビル部材;
該ステープリング装置の遠位端部に隣接して配置されたファスナーアセンブリであって、該ファスナーアセンブリおよびアンビル部材は、互いに対して並置可能であり、該ファスナーアセンブリは、以下:
該ファスナーアセンブリに設けられたステープルスロット内に個々に配置された複数の外科用ステープル;および
該個々のステープルスロットから、該アンビル部材に対して該外科用ステープルを発射するためのステープルプッシャー部材;
を備える、ファスナーアセンブリ、ならびに
該ステープラー装置と作動可能に関連づけられた創傷処置材料アプリケータアセンブリであって、該創傷処置材料アプリケータアセンブリは、以下:
創傷処置材料または創傷処置材料の少なくとも1つの成分を格納するための少なくとも1つのリザーバー;および
該少なくとも1つのリザーバーと該アンビル部材の該アンビルステムとの間に流体連絡を提供する導管システムであって、ここで該創傷処置材料または該創傷処置材料の少なくとも1つの成分は、該少なくとも1つのリザーバーから該導管システム、該アンビルステムの該管腔を通って流れ、該アンビルステムに形成された少なくとも1つの穴を通って、実質的に該アンビル部材と該ファスナーアセンブリとの間にある領域へと分配される、導管システム、
を備える、創傷処置材料アプリケータアセンブリ、
を備える、外科用ステープリング装置。
(項目72)
前記導管システムは、貫通する穴を規定する接続手段を備え、ここで該接続手段は、前記アンビル部材の前記アンビルステムを係合するように適合され、その結果、該接続手段の穴は、該アンビルステムの前記管腔と流体連絡状態にある、項目71に記載の外科用ステープリング装置。
(項目73)
前記少なくとも1つのリザーバーは、圧縮可能である、項目72に記載の外科用ステープリング装置。
(項目74)
前記少なくとも1つのリザーバーは、前記外科用ステープリング装置を発射して、該装置から前記創傷処置材料を排出する前、その間またはその後に圧縮される、項目73に記載の外科用ステープリング装置。
(項目75)
前記少なくとも1つのリザーバー内に含まれる創傷処置材料をさらに備える、項目71に記載の外科用ステープリング装置。
(項目76)
管状本体部分であって、前記ファスナーアセンブリは、前記本体部分の遠位端部に配置される、管状本体部分;および
該ファスナーアセンブリを作動して、ステープルの前記環状アレイを該ファスナーアセンブリから発射するための手段、
をさらに備える、項目71に記載の外科用ステープリング装置。
(項目77)
前記アンビル部材は、前記本体部分の遠位端部に配置され、前記ファスナーアセンブリの向かい側に位置し、該アンビル部材は、前記ステープルの放出の際に、該ステープルを組織に留まるように適合される、項目76に記載の外科用ステープリング装置。
(項目78)
さらに以下:
前記ステープルプッシャー部材および前記アンビル部材のうちの少なくとも一方を、該ステープルプッシャー部材および該アンビル部材のうちの他方から離れて延びた位置から、該他方の部材に隣接する位置に進めるための手段
を備える、項目77に記載の外科用ステープリング装置。
(項目79)
さらに以下:
前記管状本体部分内に同軸になるように位置した可撓性部材であって、該可撓性部材は、前記進める手段に対して近位端部で、前記少なくとも一方の部材に遠位端部で作動可能に連結されている、可撓性部材、
を備える、項目78に記載の外科用ステープリング装置。
(項目80)
前記ファスナーアセンブリは、前記管状本体部分の前記遠位端部に位置し、前記進める手段は、前記アンビル部材を、前記ステープルプッシャー部材から離れて前記延びた位置から、前記ファスナーアセンブリに隣接する位置に動かす、項目79に記載の外科用ステープリング装置。
(項目81)
前記進める手段は、前記装置の近位端部に位置したグリップ部材を備える、項目80に記載の外科用ステープリング装置。
(項目82)
前記導管システムは、該導管システムを貫通して穴を規定する接続手段を備え、該接続手段は、前記アンビル部材の前記アンビルステムを係合するように適合され、その結果、該穴は、該アンビルステムの前記管腔と流体連絡状態にある、項目81に記載の外科用ステープリング装置。
(項目83)
前記少なくとも1つのリザーバーは、圧縮可能である、項目82に記載の外科用ステープリング装置。
(項目84)
前記少なくとも1つのリザーバーは、前記外科用ステープリング装置を発射して、前記創傷処置材料を該装置から排出する前、その間またはその後に圧縮される、項目83に記載の外科用ステープリング装置。
(項目85)
さらに以下:
前記少なくとも1つのリザーバー内に含まれる創傷処置材料、
を備える、項目84に記載の外科用ステープリング装置。
(項目86)
前記リザーバーは、前記作動する手段と前記グリップ部材との間に配置され、該作動手段を該グリップ部材に向かって動かすと、該リザーバーが圧縮される、項目85に記載の外科用ステープリング装置。
(項目87)
外科的吻合手順を実施する方法であって、以下:
本体部分に関して移動可能に設置されたアンビルアセンブリ、および、創傷治療材料を標的外科部位に分散するための、該アンビルアセンブリと該本体部分との間に配置された創傷処置物質分散システムを有する外科用吻合装置を提供する工程であって、該創傷処置物質分散装置は、以下:
少なくとも1つの流体を分散するように構成された少なくとも1つの排出ポート;および
創傷処置物質を該創傷処置物質分散装置に導くための少なくとも1つの導管
を備える、工程;
アンビルアセンブリを第1の腸切片に配置し、該第1の腸切片を該アンビルアセンブリに固定する工程;
該本体部分を第2の腸切片に配置し、該第2の腸切片を該本体部分に固定する工程;
該創傷処置物質分散装置を作動させて、創傷処置物質を、該第1の腸切片および該第2の腸切片のうちの少なくとも1つに分散する工程;ならびに
該管状の本体部分に向かって該アンビルアセンブリを接近させる工程
を包含する、方法。
(項目88)
さらに、以下:
前記創傷処置物質分散装置内に形成された第1セットの排出ポートから複数成分の創傷処置物質のうちの第1の部分を分散する工程;および
該創傷処置物質分散装置内に形成された第2セットの排出ポートから該複数成分の創傷処置物質のうちの第2の部分を分散する工程
を包含する、上記方法。
(項目89)
さらに、以下:
前記複数成分の創傷処置物質のうちの前記第1の部分および前記第2の部分を混合する工程
を包含する、上記方法。
(項目90)
前記複数成分の創傷処置物質のうちの前記第1の部分および前記第2の部分が、放射状に外向きの方向に分散される、上記方法。
(項目91)
さらに、以下:
前記創傷処置物質分散装置から、流体を、前記創傷処置物質のうちの前記第1の部分および前記第2の部分の分散の経路を横切る方向に分散する工程
を包含する、上記方法。
(項目92)
前記流体が、前記創傷処置物質分散装置から、実質的に近位方向に分散される、上記方法。
(項目93)
さらに、以下:
排出ポートの近位セットから第1の流体を排出する工程;および
排出ポートの遠位セットから第2の流体を排出する工程
を包含する、上記方法。
(項目94)
さらに、以下:
前記第1の流体を、該第1の流体の第1の供給源から、第1の導管を通して前記第1セットの排出ポートへと送達する工程;および
前記第2の流体を、該第2の流体の第2の供給源から、第2の導管を通して前記第2セットの排出ポートへと送達する工程
を包含する、上記方法。
(項目95)
前記複数成分の創傷処置物質が、2成分の生物接着剤および2部の封止剤からなる群より選択される、上記方法。
(項目96)
前記近置アセンブリが、以下:
そこを通る管腔を規定する、内側棒部材;
該内側棒部材の近位端と作動可能に連結された、ねじ切りされた棒部材であって、該ねじ切りされた棒部材は、固定されたハンドル部材を螺合係合する、ねじ切りされた部材;
該ねじ切りされた棒部材の近位端に作動可能に接続された、ノブ部材;および
該内側棒部材の遠位端に近接して作動可能に接続された、接続部材
を備える、上記方法。
(項目97)
前記創傷処置物質分散装置が、前記内側棒部材の前記遠位端と作動可能に連結している、上記方法。
(項目98)
前記接続部材が、その反対側の側面に形成された窓を備え、該接続部材の該窓は、前記マニホルドの前記複数の近位排出部分および前記複数の遠位排出部分と位置合わせされている、上記方法。
(項目99)
外科的吻合手順を行う方法であって、該方法は、以下の工程:
管状本体部分に対して移動可能に取り付けられたアンビルアセンブリおよび標的外科手術部位に創傷処置材料を分配するための創傷処置材料分配システムを有する環状外科用ステープリング装置を提供する工程であって、該創傷処置材料分配システムは、以下:
該アンビルアセンブリと該管状本体部分との間に配置されているノズルであって、該ノズルは、少なくとも1つの流体を分配するように構成された少なくとも1つの排出ポートを備える、ノズル;および
該ノズルに創傷処置材料を導くための少なくとも1つの導管;
を備える、工程;
アンビルアセンブリを第1の腸切片に配置する工程;
該外科用ステープリング装置の遠位端部を第2の腸切片に配置する工程;
該創傷処置材料分配システムを作動して、創傷処置材料を該第1および第2の腸切片のうちの少なくとも一方に分配する工程;ならびに
該アンビルアセンブリを該管状本体部分に向けて近置させる工程、
を包含する、方法。
(項目100)
以下:
前記創傷処置材料分配システムの前記ノズルに形成された排出ポートの第1のセットから2成分創傷処置材料の第1の成分を分配する工程;ならびに
該創傷処置材料分配システムの該ノズルに形成された排出ポートの第2のセットから該2成分創傷処置材料の第2の成分を分配する工程、
をさらに包含する、上記方法。
(項目101)
前記2成分創傷処置材料の前記第1の成分と第2の成分とを混合する工程をさらに包含する、上記方法。
(項目102)
前記2成分創傷処置材料の前記第1の成分および第2の成分は、半径方向に外側の方向に分配される、上記方法。
(項目103)
前記創傷処置材料分配システムの前記ノズルから、前記創傷処置材料の前記第1の成分および第2の成分の分配経路に対して横断する方向に、流体を分配する工程をさらに包含する、上記方法。
(項目104)
前記流体は、実質的に近位方向において前記ノズルから分配される、上記方法。
(項目105)
以下の工程:
排出ポートの近位セットから第1の流体を排出する工程;および
排出ポートの遠位セットから第2の流体を排出する工程、
をさらに包含する、上記方法。
(項目106)
以下の工程:
前記第1の流体の第1の供給源から、該第1の流体を第1の導管を通って排出ポートの前記第1のセットへと送達する工程;ならびに
前記第2の流体の第2の供給源から、該第2の流体を第2の導管を通って排出ポートの前記第2のセットへと送達する工程、
をさらに包含する、上記方法。
(項目107)
前記2成分創傷処置材料は、2成分成体接着剤および2成分封止剤からなる群より選択される、上記方法。
(項目108)
前記外科用ステープリング装置は、前記アンビルアセンブリを前記管状本体部分に向かって近置させるための近置アセンブリを備え、該近置アセンブリは、以下:
中を貫通する管腔を規定する内部棒部材;
該内部棒部材の近位端部と作動可能に関連づけられたねじ切り棒部材であって、該ねじ切り棒部材は、固定されたハンドル部材を螺合係合する、ねじ切り棒部材;
該ねじ切り棒部材の近位端部に作動可能に接続されたノブ部材;ならびに
該内部棒部材の遠位端に対して近位に作動可能に接続された接続部材、
を備える、上記方法。
(項目109)
前記創傷処置材料分配システムの前記ノズルは、前記内部棒部材の前記遠位端部と作動可能に関連づけられている、上記方法。
(項目110)
前記接続部材は、その反対側に形成されたウィンドウを備え、該接続部材の該ウィンドウは、マニホルドの複数の近位排出ポートおよび複数の遠位排出ポートと位置合わせ状態にある、上記方法。
【0061】
本開示の1つの局面に従って、組織の近接する切片の間で吻合を形成するための装置が提供される。この装置は、本体部分;作動アセンブリ;アンビルアセンブリ;近置アセンブリ;分配アセンブリ;および少なくとも1つの導管を備え、この装置において、作動アセンブリは本体部分の近位端に作動可能に支持されており、アンビルアセンブリは、本体部分に向かう、そして本体部分から離れる移動のために、本体部分の遠位端に移動可能に設置されており、近置アセンブリは、管状の本体部分に向かって、そして本体部分から離してアンビルを移動させるために、本体部分とアンビルアセンブリとの間を延び、分配アセンブリは、近置アセンブリと作動可能に連結されており、かつ、アンビルアセンブリと本体部分との間に置かれた少なくとも1つのチャネルを規定する少なくとも1つの角を成す表面を備え、そこから流体を分散するように構成されており、少なくとも1つの導管は、創傷処置材料を分配アセンブリに導くためのものである。
本開示の上記特徴は、以下の外科用器具、装置または構造体の図示される実施形態の詳細な説明を、添付の図面と組み合わせて考慮して参照することによって、より容易に明らかになり、そして理解され得る。
【発明の効果】
【0062】
本発明により、患者が被る外傷を減少させ、個々のステープル部位の間かもしくは個々のステープル部位における間隙の数を減少し、液体の漏出を減少させ、出血を減少させ、ならびに/または隣接する生体組織の間に(例えば、ステープルのラインおよび組織の継ぎ目に沿って)比較的強い結合を作製する、外科用ステープラー器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本開示の実施形態による外科用ステープリング装置の斜視図を図示する。
【図2】図2は、図1の外科用ステープリング装置の長手軸方向断面図である。
【図3】図3は、図1および図2の外科用ステープリング装置の近置アセンブリの側面図である。
【図4】図4は、図1〜3の外科用ステープリング装置の駆動アセンブリの斜視図である。
【図5】図5は、図1の細部の示された領域の拡大斜視図である。
【図6】図6は、図5の細部の示された領域の拡大斜視図である。
【図7】図7は、図1〜6の外科用ステープリング装置の噴霧器先端アセンブリの斜視図である。
【図8】図8は、図7の噴霧器先端アセンブリの遠位端面図である。
【図9】図9は、図8の線9−9を通って見た場合の、図7および8の噴霧器先端アセンブリの断面図である。
【図10】図10は、図1〜9の外科用ステープリング装置の標的手術部位への位置決めを図示する、この外科用ステープリング装置の遠位端の概略斜視図である。
【図11】図11は、図1〜10の外科用ステープリング装置からの創傷処置材料の分配を図示する、この外科用ステープリング装置の遠位端の概略斜視図である。
【図12】図12は、本開示の別の実施形態による外科用ステープリング装置の斜視図を図示する。
【図13】図13は、図12の外科用ステープリング装置の遠位端の分解斜視図である。
【図14】図14は、図13の外科用ステープリング装置の遠位端の長手軸方向断面図である。
【図15】図15は、本開示による創傷処置材料分配システムの概略表現の斜視図である。
【図16】図16は、図15の創傷処置材料分配システムのプランジャーが第1の位置にある、この創傷処置材料分配システムの長手軸方向断面図である。
【図17】図17は、図15および図16の創傷処置材料分配システムの長手軸方向断面図であり、この創傷処置材料分配システムのプランジャーが、第2の位置にあり、そしてこの創傷処置材料分配システムからの創傷処置材料の分配を図示する。
【図18】図18は、図12の外科用ステープリング装置の遠位端の概略表現であり、この外科用ステープリング装置に作動可能に関連している図15〜図17の創傷処置材料分配システムを備え、本開示の方法に従う、この創傷処置材料分配システムからの創傷処置材料の分配を図示する。
【図19】図19は、図14の外科用ステープリング装置の遠位端の長手軸方向断面図であり、創傷処置材料分配システムから創傷処置材料を分配し得る、駆動ケーブルの移動を図示する。
【図20】図20は、図12の外科用ステープリング装置の遠位端の概略表現であり、図12の外科用ステープリング装置の遠位端からの、図15〜17の創傷処置材料分配システムの取り外しを図示する。
【図21】図21は、本開示の代替的な実施形態による外科用ステープリング装置の斜視図を図示する。
【図22】図22は、図21の外科用ステープリング装置の斜視図であり、アンビルアセンブリのステムからの創傷処置材料の分配の例示的な方法を図示する。
【図23】図23は、図21および図22の外科用ステープリング装置の概略表現であり、アンビルアセンブリのステムからの創傷処置材料の分配を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0064】
(実施形態の詳細な説明)
本明細書中で開示される外科用ステープリング装置の実施形態が、ここで、図面を参照して詳細に記載される。図面において、類似の参照番号は、類似かまたは同一の要素を同定する。本明細書中において使用される場合、そして伝統的に、用語「遠位」とは、使用者から最も遠い部分をいい、そして用語「近位」とは、使用者により近い部分をいう。
【0065】
図1および図2を参照すると、外科用ステープリング装置10は、管状本体部分20およびアクチュエータを備え、このアクチュエータは、望ましくは、アクチュエータアセンブリまたはハンドルアセンブリ12を備える。示される実施形態において、ハンドルアセンブリ12は、固定されたハンドル部材14および旋回可能なハンドル部材16を有する。特定の実施形態において、管状本体部分20は、望ましくは、その長さに少なくとも部分的に沿って、まっすぐな形状を有するように構成される。管状本体部分20は、その長さの少なくとも一部に沿って湾曲するように構成され得ること、または他の実施形態において、管状本体部分20は、任意の構成に屈曲するように可撓性であり得ることがまた、予測される。本体部分20は、ステープルプッシャー部材22を収容する。本体部分20は、ステープルポケット24の環状アレイ(図5に最もよく見られる)を備え、これらのポケットは、ステープル(図示せず)を内部に保持するために、ステープルカートリッジに収容され得る。
【0066】
ステープルプッシャー部材22は、当該分野において公知であるような、本体部分20に移動可能に設置される部材を備える。ステープルプッシャー部材22は、カートリッジ内のステープルと整列して軸方向に延びるフィンガーを備え得る。本体部分20はまた、望ましくは、刃を収容し、この刃は、好ましくは、環状の形状を有する。本体部分20に対向して、アンビルアセンブリ26が位置決め可能であり、このアンビルアセンブリは、アンビル部材26a、およびアンビル部材26aから延びるステム26bを備え、このステムは、近置アセンブリ30の接続部材32に取り外し可能に接続される。ステープリング装置10とともに使用するための、例示的なアンビルアセンブリ26は、同一人に譲渡された米国特許第5,119,983号(1992年6月9日発行)、および米国特許第5,718,360号の特定の実施形態に開示されており、これらの米国特許は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。他の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、接続部材32から取り外し可能ではない。
【0067】
アンビルアセンブリ26は、管状本体部分20に向かう移動および管状本体部分20から離れる移動のために、管状本体部分20に対向して位置決め可能である。しかし、もちろん、アンビルアセンブリ26は、管状本体部分20の遠位端に位置決めされ得、そしてステープルプッシャー部材22およびステープルのアレイが、アンビルアセンブリ26に向かう移動およびアンビルアセンブリ26から離れる移動のために、対向するアンビルアセンブリ26に位置決めされ得ることが、期待される。このような構成は、本開示の範囲内であるとみなされるべきである。
【0068】
ステープリング装置10は、アンビルアセンブリ26を管状本体部分20の方へおよび管状本体部分20から離して移動させるための、近置アセンブリ30を備える。図3に見られるように、近置アセンブリ30は、接続部材32、内側棒部材40、ねじ切りされた棒部材42、およびノブ部材18を備える。接続部材32は、遠位端32aを備え、この遠位端は、アンビルアセンブリ26のステム26b(図2を参照のこと)と解放可能に係合するように構成および適合されている。接続部材32は、内側棒部材40と一体的に形成されても、図3に示されるように、内側棒部材40の遠位端40aに作動可能に接続された近位端32bを有してもよい。接続部材32の近位部分32bは、そのいずれかの面に形成された窓34a、34bを備える。内側棒部材40は、近位端40bを備え、この近位端は、ねじ切りされた棒部材42の遠位端42aに作動可能に接続され得るか、代替において、ねじ切りされた棒部材42を通って完全に延びる。ノブ部材18は、望ましくは、ねじ切りされた棒部材42の近位端42bに固定される。
【0069】
図4に示されるように、外科用ステープリング装置10は、駆動アセンブリ50を備える。駆動アセンブリ50は、管腔53(想像で示される)を規定するブッシュ52、ブッシュ52から半径方向に延びる1対の対向するステム54a、54b、およびブッシュ52から半径方向に延びるナブ56を備える。望ましくは、ステム54aおよび54bは、固定されたハンドル部材14に形成されたそれぞれの細長スロット14a、14b(図1および図2を参照のこと)とスライド可能に係合する。駆動アセンブリ50は、ブッシュ52に作動可能に接続されてそこから軸方向に延びる、1対の駆動アーム58a、58bをさらに備える。近置アセンブリ30のねじ切りされた棒部材42および/または内側棒部材40は、ブッシュ52の管腔53を通ってスライド可能に延びる。
【0070】
以下にさらに詳細に記載されるように、作動ハンドル部材16の近位端部分から延びるステム16aは、ブッシュ52のナブ56に作動可能に係合する。これは、図1および図2に最もよく見られる。この様式で、作動ハンドル部材16が、固定されたハンドル部材14の方へと絞られるかまたは接近させられるにつれて、作動ハンドル部材16のステム16aは、ブッシュ52のナブ56に対して係合またはプレスし、駆動アセンブリ50を遠位方向に移動させるか、または押し付ける。駆動アセンブリ50は、固定されたハンドル部材14の細長スロット14a、14bにおけるブッシュ52の対向するステム54aと54bとのスライド係合に起因して、実質的に線状の経路内に維持される。駆動アセンブリ50の遠位方向への移動は、駆動アーム58a、58bの遠位端59a、59bに、ステープルプッシャー部材22を作動させ、これによって、その中に保持されたステープルを外側に駆動する。ステープルを駆動するための他の機構(例えば、液圧、連結、ケーブルなど)が使用され得る。
【0071】
望ましくは、図1および図2に示されるように、外科用ステープリング装置10は、望ましくは、駆動アセンブリ50および/または作動ハンドル部材16を、作動前位置または発射前位置へと戻すための、付勢部材60を備える。付勢部材60は、固定されたハンドル部材14の近位に面する面と、ブッシュ52の遠位に面する面52a(図4を参照のこと)との間に配置された、圧縮ばねを備え得る。この様式で、作動ハンドル部材16が絞られる場合、ブッシュ52は、遠位に移動され、そして付勢部材60は、圧縮または付勢される。従って、作動ハンドル部材16が解放される場合、付勢部材60が拡張し、そしてブッシュ52を近位方向に移動させ、この移動が次に、作動ハンドル部材16を、絞られていない状態に戻す。
【0072】
作動の代表的な方法において、装置10は、患者の身体の管状器官内に位置決めされ、そして接合されるべき器官の端部が、管状本体部分20とアンビルアセンブリ26との間の空隙に位置決めされる。従来どおりに、器官の端部は、巾着縫合によって、アンビルアセンブリ26および管状本体部分20を覆って固定され得、その後、アンビルアセンブリ26が、管状本体部分20に対して接近される(図11を参照のこと)。取り外し可能なアンビルアセンブリを有する実施形態において、管状本体部分20およびアンビルアセンブリ26は、管状器官の端部内に別々に位置決めされ、そして巾着縫合が適用された後に、再度接続される。
【0073】
アンビルアセンブリ26を管状本体部分20の方へと接近させる目的で、ノブ部材18が回転されて、近置アセンブリ30を、ハンドルアセンブリ12に対して近位の方向に配置する。これによって、アンビルアセンブリ26が、管状本体部分20に隣接する位置まで引かれ、そしてこれらの2つの部材の間に、組織の端部を配置する。一旦、適切な距離が、アンビルアセンブリ26と管状本体部分20との間に設定されると、作動ハンドル部材16は、旋回されるかまたは絞られて、駆動アセンブリ50を遠位方向に移動させ、ステープルプッシャー部材22を作動させ、そしてステープルを駆動して組織に通す。これらのステープルは、アンビルアセンブリ26のアンビル部材26aに対して駆動され、そしてこのステープルの内側に配置された組織が、刃によって望ましく切断されて、管状器官の円形吻合が完了する。
【0074】
ここで図5〜9に戻ると、外科用ステープリング装置10は、創傷処置材料「W」を組織「T」の表面上への分散(例えば、噴霧、射出、圧迫、分配など)するように構成された、創傷処置材料分散システム100を備える。創傷処置材料分散システム100は、ステープリング装置10を通して流体を分散ヘッドまたはノズル110へと伝達するために、少なくとも1つの導管(例えば、第1導管102、第2導管104、および第3導管106)を備える(図1、図2および図7〜9)。望ましくは、ノズル110は、近置アセンブリ30に作動可能に結合される。例えば、図5および図6において示されるように、ノズル110は、接続部材32中に配置される。ノズル110は、マニホルド112を備え、このマニホルドは、導管102、導管104、および導管106からそのマニホルドへと連絡された流体を受容して分配するように構成され適合されている。
【0075】
導管102、導管104、および導管106は、内部棒部材40の管腔を通って延び、外科用ステープリング装置10の近位端へと延びてそこから出ている。各導管102、104および106の近位端は、望ましくは、少なくとも1つの流体源に流体接続される。特定の好ましい実施形態において、各導管102、104および106は、個々の流体源「S1、S2およびS3」に流体接続される(図2参照)。流体源「S1」は、導管102に接続され、流体源「S2」は、導管104に接続され、流体源「S3」は、導管106に接続される。他の実施形態において、3つよりも少ないかまたは3つよりも多い、導管および/もしくは供給源が、使用される。他の実施形態において、上記流体源のうちの1つ以上が、静止ハンドル14または管状本体部分20内に収容される。上記流体源はまた、静止ハンドル14または管状本体部分20に接続可能な別個のリザーバーを含み得る。
【0076】
マニホルド112は、マニホルド112の少なくとも2つの対向する側面上に好ましくは形成された、複数の近位排出ポート114を備える。第1導管102の遠位端は、排出ポート114の近位アレイと流体連絡する。この様式で、以下により詳細に記載されるように、第1流体源「S1」から第1導管102を通って伝達される流体は、排出ポート114の近位アレイから分配可能または排出可能である。
【0077】
マニホルド112は、マニホルド112の少なくとも2つの対向する側面上に好ましくは形成され、上記近位排出ポート114に近接する、複数の遠位排出ポート116をさらに備える。第2導管104の遠位端は、排出ポート116の遠位アレイと流体連絡する。この様式で、以下により詳細に記載されるように、第2流体源「S2」から伝達される流体は、第2導管104を通って導かれ、排出ポート116の遠位アレイから分配可能または排出可能である。他の実施形態において、1つ以上の流体源が、同じ排出ポートまたは排出部分と連絡する。
【0078】
マニホルド112の遠位端部分115は、図9において最も良く観察されるように、一対の角度をなした表面115aを規定するような角度を有する。マニホルド112の遠位端部分115の角度をなした表面115a各々は、望ましくは、長手方向「X」軸に対して約1°〜約90°の角度を有し、望ましくは、長手方向「X」軸に対して約15°の角度を有する。
【0079】
ノズル110は、マニホルド112の遠位端に作動可能に接続されたキャップ120をさらに備える。キャップ120は、キャップ120の近位に面する内側表面120aと、マニホルド112の最も遠位の表面112aとの間にチャネルまたは空間122を規定するような様式で、マニホルド112に作動可能に接続される。さらに、キャップ120は、内側表面120aから近位に延びる、一対の角度をなした内側表面121a、121bを備える。角度をなした内側表面121a、121bは、マニホルド112の一対の角度をなした表面115aと相補する。好ましくは、チャネル122は、角度をなした環状内側表面121a、121bへと下方に延び、そしてマニホルド112の遠位端部分115の一対の角度をなした表面115aへと下方に延びる。
【0080】
第3導管106は、マニホルド112を通って延び、この導管は、チャネル122と流体連絡している遠位端を備える。この様式で、以下により詳細に記載されるように、第3流体源「S3」から第3導管106を通って伝達される流体は、キャップ120の内側表面121aと、マニホルド112の外側表面115aとの間に配置されたチャネル122から、分配可能または排出可能である。ノズル110は、排出ポート114および116ならびにキャップ120の近位端が、窓34a、34b中に配置されるように、接続部材32中に配置される。
【0081】
使用時には、以下により詳細に記載されるように、第1流体が複数の近位排出ポート114から分配され、第2流体が、複数の遠位排出ポート116から分配された場合に、その第1流体および第2流体は、チャネル122から分配された第3流体によってともに混合される。このチャネル122は、第2流体の分散経路を、第1流体の分散経路中に入ってこれを越えるように方向付けしなおす。他の実施形態において、このチャネル122は、排除され得、上記分散システムの表面が、上記流体を混合するようにその流体を方向付けるか、または流体を混合するための部材が、上記分散システムの遠位端に移動可能に取り付けられる。
【0082】
第1供給源「S1」は、第1流体「W1」(例えば、複数成分の創傷処置材料「W」の第1成分)を、第1導管102を通して近位排出ポート114へと送達する。第2供給源「S2」は、第2流体「W2」(例えば、複数成分の創傷処置材料「W」の第2成分「W2」)を、第2導管104を通して遠位排出ポート116へと送達する。第3供給源「S3」は、第3流体(これは、気体「F」(例えば、空気、COなど)を含み得る)を、第3導管106を通してチャネル122へと送達する。以下により詳細に記載されるように、第3流体「F」は、上記創傷処置材料「W」の第1成分「W1」を第2成分「W2」と混合するように機能し、かつまた、上記創傷治癒材料「W」を標的組織へと方向付けるように機能する。特定の好ましい実施形態において、上記流体源のうちの1つ以上は、上記ハンドルアセンブリに取り外し可能に接続されたカートリッジを供え、そしてこれらのカートリッジは、上記流体を収容する。上記カートリッジは、上記ハンドルアセンブリ内に配置され得る。
【0083】
上記創傷処置材料「W1、W2およびW3」の送達は、導管102、104および/または106中の1つ以上のプランジャー、気体圧力、バルーン、または導管102、104、106を圧迫するための圧力部材を利用してその創傷処置材料を分配して、達成され得る。上記ハンドルアセンブリは、上記創傷処置材料の送達を作動するための、ボタン、トリガー、またはレバーを備える。
【0084】
上記創傷処置材料「W」は、標的組織を結合、治癒、シール、または他の方法で処理するための、任意の材料であることが、企図される。好ましい実施形態において、上記創傷処置材料は、生体適合性封止剤であり、これには、組織と接触すると硬化する封止剤、紫外(UV)光に暴露されると硬化する封止剤、互いから分離している状態が維持されて組み合わされる複数成分の系(例えば、二成分系)である封止剤、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。任意の公知の適切な接着剤が、使用され得る。一実施形態において、そのような封止剤および/または接着剤は、硬化性であることが、企図される。例えば、約10秒間〜15秒間の硬化時間を有し得る封止剤が、使用され得る。好ましい実施形態において、この封止剤および/または接着剤は、生体吸収性および/または生体再吸収性の材料である。別の実施形態において、約30秒間の硬化時間を有する封止剤および/または接着剤が、使用され得ることが、企図される。創傷処置材料「W」は、予め硬化された接着剤または封止剤であり得ることが、さらに企図される。この予め硬化された接着剤または封止剤は、身体組織の水分および/または熱と反応し得、それにより、その封止剤または接着剤のシール特性および/または接着特性を活性化し得る。
【0085】
特定の好ましい実施形態において、上記創傷処置材料は、封止剤を含む。そのような封止剤は、望ましくは、PEGベースの材料である。上記の封止剤および/または接着剤として有用な材料の種類の例としては、生体適合性光開始剤の存在下でのアクリレート官能性ヒドロゲルもしくはメタクリレート官能性ヒドロゲル、アルキル−シアノアクリレート、アミン官能性マクロマーを伴うイソシアネート官能性マクロマー、アミン官能性マクロマーを伴わないイソシアネート官能性マクロマー、アミン官能性マクロマーを伴うスクシンイミジルエステル官能性マクロマー、スルフヒドリル官能性マクロマーを伴うスクシンイミジルエステル官能性マクロマー、アミン官能性マクロマーを伴うエポキシ官能性マクロマー、アルデヒド架橋剤の存在下でのタンパク質混合物、アルデヒド架橋剤の存在下でのポリペプチド混合物、ゲニピン(Genipin)、または水溶性カルボジイミド、多価カチオンの存在下でのアニオン性多糖類などが挙げられる。
【0086】
利用され得るいくつかの特定の材料としては、有機ポリイソシアネートとオキシエチレンベースのジオールもしくはポリオールとから誘導したイソシアネート末端化親水性ウレタンプレポリマー(米国特許第6,702,731号および同第6,296,607号、および米国公開特許出願番号2004/0068078に開示されるものが挙げられる);α−シアノアクリレートベースの接着剤(米国特許第6,565,840号に開示されるものが挙げられる);アルキルエステルベースのシアノアクリレート接着剤(米国特許第6,620,846号に開示されるものが挙げられる);インサイチュで反応して架橋することが可能な求電子基と求核基とを有する水溶性前駆体から形成される生体適合性架橋ポリマーをベースとする接着剤(米国特許第6,566,406号に開示されるものが挙げられる);二成分接着剤システム(1つ以上のイソシアネート基で置換されたポリアルキレンオキシド骨格に基づき、生体吸収性ジアミン化合物と組み合わされているもの、または1つ以上のアミン基で置換されたポリアルキレンオキシド骨格に基づき、生体吸収性ジイソシアネート化合物と組み合わされているもの(米国公開特許出願番号2003/0032734(その内容は、本明細書中に参考として援用される)に開示される)を含む);および芳香族ジイソシアネートとポリオールとから誘導されたイソシアネート末端化親水性ウレタンプレポリマー(米国公開特許出願番号2004/0115229(その内容は、本明細書中で参考として援用される)に開示される)が挙げられる。
【0087】
創傷処置材料「W」は、接着剤、止血剤、封止剤、または他の任意の組織処置材料もしくは創傷処置材料のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含み得ることが、想定され、本開示の範囲内にある。外科用生体適合性創傷処置材料「W」は、本開示に従って使用され得、これには、その機能が器官、組織もしくは構造体を付着もしくは保持することである接着剤;流体漏出を防止するための封止剤;ならびに出血を停止もしくは防止するための止血剤が挙げられる。使用され得る接着剤の例としては、タンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料(例えば、Cryolife,Inc.によって商標名BioGlueTMの下で販売される市販のアルブミン/グルタルアルデヒド材料)、およびシアノアクリレートベースの材料(Tyco Healthcare Group,LPおよびEthicon Endosurgery,Inc.によってそれぞれ商標名IndermilTMおよびDerma BondTMの下で販売される)が挙げられる。使用され得る封止剤の例としては、フィブリン封止剤およびコラーゲンベースの組織封止剤および合成ポリマーベースの組織封止剤が挙げられる。市販の封止剤の例は、合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル材料(Cohesion TechnologiesおよびBaxter International,Inc.によって商標名CoSealTMに下で販売される)が挙げられる。使用され得る止血材料の例としては、フィブリンベースの止血剤、コラーゲンベースの止血剤、酸化再生セルロースベースの止血剤、およびゼラチンベースの局所止血剤が挙げられる。市販の止血材料の例は、Tyco Healthcare Group,LPによって商標名CoStasisTMの下で販売されるフィブリノーゲン−トロンビン併用材料、およびBaxter International,Inc.によって販売されるTisselTMである。本明細書中の止血剤は、収斂剤(例えば、硫酸アルミニウム)および凝固剤を包含する。
【0088】
上記医薬としては、1種以上の医学的および/または外科的に有用な物質(例えば、薬物、酵素、増殖因子、ペプチド、タンパク質、色素、診断剤もしくは止血剤、モノクローナル抗体、または狭窄の予防において使用される他の任意の薬剤)が挙げられ得る。
【0089】
創傷処置材料「W」は、粘弾性フィルム形成材料、架橋性反応剤、およびエネルギー硬化性接着剤を含み得る。創傷処置材料「W」、特に接着剤は、水および/またはグリセリンが適用されると硬化し得ることが想定される。この様式で、その水および/またはグリセリンは、その接着剤を硬化させ、創傷を水和する。
【0090】
創傷処置材料「W」は、その創傷処置材料「W」が、第1導管102および第2導管104を通って自由に流動して、マニホルド112の近位排出ポート114および遠位排出ポート116を通って外に出るような、比較的低い粘性の流体または液体であり得ることが想定される。創傷処置材料「W」は、特定材料の微細粉末を含み得ることがさらに想定される。
【0091】
創傷処置材料「W」は、例えば、組成物および/または化合物を含み得、この組成物および/または化合物は、その組成物および/または化合物の粒子が外科修復部位に適用または暴露された場合に治癒プロセスを加速するかまたは有利に改変するものであることが、さらに企図される。例えば、上記創傷処置材料「W」は、その修復部位に配置される治療剤であり得る。その治療剤は、その抗菌特性、修復もしくは再構築および/または新規組織増殖を促進する能力について、選択され得る。組織中にゆっくり放出される抗菌剤(例えば、広いスペクトルの抗生物質(硫酸ゲンタマイシン、エリスロマイシン、または誘導体化糖ペプチド)が、組織修復部位中で臨床的感染症および無症状性感染症と闘うのを補助するために、この様式で適用され得る。修復および/または組織増殖を促進するために、創傷処置材料「W」は、1種または数種の増殖促進因子(例えば、線維芽細胞増殖因子、骨増殖因子、上皮増殖因子、血小板由来増殖因子、マクロファージ由来増殖因子、肺胞由来増殖因子、単球由来増殖因子、マガイニンなど)を含み得る。そのような治療適用は、血栓症を引き起こすために組織プラミノゲンアクチベーターもしくは腎臓プラミノゲンアクチベーターを伴うグリセロール;組織損傷フリーラジカルを除去するスーパーオキシドジスムターゼ;癌治療のための腫瘍壊死因子またはコロニー刺激因子、および免疫系を増強するためのインターフェロン、インターロイキン2もしくは他のリンホカインである。
【0092】
図1〜10(特に図10)を参照すると、外科用ステープリング装置10を使用および操作するための例示的方法が、示されて記載されている。操作時には、アンビルアセンブリ26が、手術部位に導入され、そして結合または吻合されるべき第1の器官もしくは組織が、巾着縫合によって、アンビルアセンブリ26の周囲に縫合される。次いで、図10において観察されるように、外科用ステープリング装置10の遠位端が、その手術部位に導入され、そして巾着縫合「P」によって、第2の器官もしくは組織「T」に縫合される。この第2の器官もしくは組織は、第1の器官もしくは組織に結合または吻合されるべきである。望ましくは、第2の器官もしくは組織「T」は、その巾着縫合「P」がノズル100の近位に位置するように、内部棒部材40の周囲に縫合される。
【0093】
アンビルアセンブリ26および外科用ステープリング装置10の遠位端が適所に縫合されると、アンビルアセンブリ26のステム26bが、外科用ステープリング装置10の接続部材32に接続される。アンビルアセンブリ26のステム26bを外科用ステープリング装置10の接続部材32に接続する前または接続した後のいずれかに、創傷処置材料分配システム100は、ハンドルアセンブリ12上のボタン、レバー、またはトリガーを操作することによって、創傷処置材料「W」を第2の器官もしくは組織「T」上に分配するように起動される。
【0094】
特に、図9および図10において観察されるように、複数成分の創傷処置材料「W」の第1成分「W1」は、第1流体源「S1」から、第1導管102を通って、マニホルド112の複数の近位排出部分114から分散および/または排出するために誘導される。上記複数成分の創傷処置材料「W」の第2成分「W2」は、第2流体源「S2」から、第2導管104を通って、マニホルド112の複数の遠位排出部分116からの分散および/または排出のために、誘導される。図9において観察されるように、第3流体「F」(例えば、空気、COなど)は、第3流体源「S3」から、第3導管106を通って、チャネル122からの分配および/または排出のために、誘導される。第3流体「F」は、創傷処置材料「W」の第2成分「W2」の分散経路を、創傷処置材料「W」の第1成分「W1」の分散経路中に入ってそれを越えるように再方向付けするように機能する。第3流体「F」はまた、創傷処置材料「W」の第2成分「W2」を、創傷処置材料「W」の第1成分「W1」と混合するように機能する。第3流体「F」は、その混合された創傷処置材料「W1、W2」を、第2の器官もしくは組織「T」に対して実質的に近位方向に方向付ける。望ましくは、流体「W1、W2」および「F」は、その個々の導管を通ってほぼ同時に分配される。
【0095】
望ましくは、創傷処置材料「W」の第1成分「W1」は、複数成分の封止剤の第1成分であり、創傷処置材料「W」の第2成分「W2」は、その複数成分の封止剤の第2成分である。その封止剤の活性化は、上記第1成分と第2成分とを、外科手術手順の間の望ましい時期および/または適切な時期に一緒に混合した際に達成される。上記二成分封止剤の第1成分と第2成分とを不完全に混合すると、外科用ステープリング装置10の構成要素の不完全な硬化、詰まり、または狂いなどが生じ得る。従って、創傷処置材料分散システム100は、上記二成分封止剤の第1成分および第2成分を、その第1成分および第2成分がノズル110から排出されるまで互いから離れたまま維持する。
【0096】
上記第2の器官もしくは組織「T」上に創傷処置材料「W」が分配され、そしてアンビルアセンブリ26のステム26bが、外科用ステープリング装置10の接続部材32に接続されると、アンビルアセンブリ26は、ノブ材料18を回転することによって、ステープルプッシャー部材22の方へ近づく。第1方向でのノブ材料18の回転によって、近置アセンブリ30は、近位方向へと移動され、それによって、アンビルアセンブリ26のアンビル部材26aは、ステープルプッシャー部材22に近接する位置へと引き出され、そして上記組織の端部は、これらの2つの部材の間に位置させられる。ノブ部材18は、アンビル部材26aとステープルプッシャー部材22との間の望ましくかつ/または必要な距離が達成されるまで、回転される。望ましくは、これらの2つの対向する組織は、互いに接触させられる。
【0097】
一旦、適切な距離が、アンビルアセンブリ26のアンビル部材26aと、ステープルプッシャー部材22との間に設定されると、外科用ステープリング装置10は、作動ハンドル部材16を固定ハンドル部材14の方向へ圧迫(例えば、旋回)することによって、発射される(図1および図2を参照のこと)。そのようにする際、作動ハンドル部材16のステム16aは、駆動アセンブリ50のブッシュ52のナブ56に対する方向に押し、駆動アセンブリ50を、遠位方向に移動させる。上記に考察されるように、遠位方向での駆動アセンブリ50の移動は、付勢部材60の圧縮と、遠位方向での駆動アーム58の移動をもたらして、ステープルプッシャー部材22を作動する。結果として、ステープルが、本体部分20から出て、上記組織もしくは器官を通って、上記アンビル部材26aに対する方向に駆動または排出されて、管状器官の環状吻合を完成させる。
【0098】
外科用ステープリング装置10の発射後に、作動ハンドル部材16は、開放され得る。作動ハンドル部材16の開放によって、付勢部材60が拡張し、それによって駆動アセンブリ50(特に、ブッシュ52)を、近位方向に移動することが可能になる。ブッシュ52が近位方向に移動すると、そのナブ56は、作動ハンドル部材16のステム16aに対する方向に押し込んで、作動ハンドル部材16を、圧迫されていない状態または近置されていない状態へと戻す。
【0099】
望ましくは、創傷処置材料「W」を吻合部位に適用すると、その吻合の器官および/または組織の表面を互いに対してシールすることによって、吻合漏出の発生を減少させることが補助され得る。創傷処置材料「W」を吻合部位に適用すると、その器官および/または組織の吻合端部を互いに対して付着することが補助され得ることが、さらに想定される。
【0100】
望ましくは、本開示の実施形態に従って、外科用ステープリング装置10は、それに作動可能に接続された環状ナイフブレード(示さず)を備え得る。望ましくは、上記環状ナイフブレードは、ステープルポケット24の環状アレイから半径方向内向きに配置されるが、内側棒部材40から外向きに配置される。上記環状ナイフブレードの遠位端は、その環状ナイフブレードから半径方向内向きに位置する組織を、その環状ナイフブレードから半径方向外向きに位置する組織から、切断するための切断エッジを備える。望ましくは、操作時に、外科用ステープリング装置10が、組織層を通るようにステープルを駆動するように発射された場合に、上記環状ナイフブレードは、同時に、その環状ナイフブレードから半径方向内向きに配置された組織の部分を残りの組織から切断するように前進される。
【0101】
さらなる実施形態において、上記マニホルド112は、流体源「S1」と連絡している一群のポートを備える。上記チャネル122と、角度をなした表面121aおよび121bとが、供給源「S2」から第2流体を分配するために利用される。あるいは、一部分材料が、上記ポート群およびチャネル122を通って分配され、そして角度をなした表面121aおよび121bが、そのポート群を通って分配される流体を方向付けるために流体「F」(例えば、CO気体または空気)を分配するために利用される。さらなる実施形態において、上記マニホルド112は、ポート群および上記チャネル122を備えず、角度をなした表面121aおよび121bが、一部分材料を分配するために使用される。
【0102】
さらなる実施形態において、創傷処置材料分配システム100は、管状本体部分およびアンビルアセンブリを有するが、ステープルを配置しないデバイス内に組み込まれる。創傷処置材料は、ほぼ管状の器官部分を接合するために頼られる。
【0103】
ここで、図12を特に詳細に参照して、本開示の代替の実施形態に従う分散可能創傷処置材料を適用するための構造を利用する外科用ステープリング装置が、一般的に200として示される。装置200は、少なくとも1つの旋回可能作動ハンドル部材204を有するハンドルアセンブリ202を備え、さらに、回転可能グリップ部材209を有する前進部材206を備える。
【0104】
ハンドルアセンブリ202から延びると、その長さの少なくとも一部に沿って湾曲した形状を有するように構築され得る管状本体部分208が提供される。管状本体部分208はまた、直線状であり得るか、他の実施形態において、管状本体部分208は、任意の構成に曲げられるように可撓性であり得る。本体部分208は、ステープルプッシャー部材210で終わる。ステープルプッシャー部材210は、ステープルの環状アレイ214を備える。ステープルプッシャー部材210の反対に配置されて、接続手段240においてステム228によって装置200に接続されるアンビル部材230を備えるアンビルアセンブリ226が提供される。アンビルアセンブリ226およびステープルプッシャー部材210は、1992年6月9日に発行された、同一人に譲渡された米国特許番号5,119,983(本明細書中において参考として援用される)に開示される。
【0105】
装置200は、管状本体部分に配置されるステープルの環状アレイを有するステープルプッシャー部材を利用すること、およびこのステープルプッシャー部材に向かい離れる動きのためにこのステープルプッシャー部材の反対に配置されるアンビル部材を有することが示され、記載されるものの、もちろん、アンビル部材が管状本体部分およびステープルプッシャー部材上に配置され得、そしてステープルのアレイが、アンビル部材に向かい離れる動きのためにアンビル部材の反対に配置され得ることが企図される。このような構成は、本開示の範囲内であると考えられるべきである。
【0106】
作動において、装置200が、患者の身体の内の管状器官内に配置され、そして接合されるべき器官の端部が、ステープルプッシャー部材210とアンビルアセンブリ226との間の間隙に配置され、その結果アンビルアセンブリ226が完全に延びる。慣例通りに、器官の端部が、ステープルプッシャー部材210に関してアンビルアセンブリ226を近置する前に、巾着縫合によって、アンビルアセンブリ226およびステープルプッシャー部材210の上で固定され得る。アンビルアセンブリ226およびステープルプッシャー部材210を巾着縫合し、アンビルアセンブリ226のステム228をステープルプッシャー部材210内に配置される接続手段240に連結する。
【0107】
ステープルプッシャー部材210に向かってアンビルアセンブリ226を近置するために、グリップ部材209を、内側棒部材(図示せず)を近位方向に配置するように回転させる。これは、アンビルアセンブリ226をステープルプッシャー部材210に隣接する位置に引っ張り、これらの2つの部材間に組織の端部を位置付ける。
【0108】
一旦、適切な距離がアンビルアセンブリ226とステープルプッシャー部材210との間に設定されると、インターロック部材232が解放され得、そして作動ハンドル204が旋回して、ステープルを組織を通してアンビル部材230に駆動し得、管状器官の環状吻合を完了する。米国特許第5,119,983号(外科用ステープリング装置200の構造および作動のより詳細な説明および考察について、以前に本明細書中において参考として援用された)に対して参照がなされ得る。
【0109】
図13および14を参照して、外科用ステープリング装置200のステープルプッシャー部材210が示され、記載される。本明細書中において示しも考察もしないが、接続手段240は、近置機構に接続され、そしてプッシャー224は、外科用ステープリング装置の発射機構(例えば、旋回可能作動ハンドル部材204)に接続される(図1を参照のこと)。
【0110】
ステープルプッシャー部材210は、ハウジング220、プッシャー212、管状ナイフブレード(図示せず)、ステープルガイド214、および複数のステープル216を備える。図14に示されるように、ハウジング220は、外側ハウジング部分220aおよび内側ハウジング部分220bを備える。ステープルガイド214は、外側ハウジング部分220aの遠位端に支持され、ステープル216を収容するためにステープル受容ポケットの環状アレイ218を備える。プッシャー212は、外側ハウジング部分220aと内側ハウジング部分220bとの間でハウジング220内でスライド可能に支持され、後退位置と前進位置との間でスライド可能である。
【0111】
細長中空ブッシュ246は、ハウジング220の内側ハウジング部分220b内に固定して保持される。ブッシュ246は、管腔を規定し、この管腔を通って、接続手段240が、ステープルアンビルアセンブリ226およびステープルプッシャー部材224の近置および分離の間、往復運動する。
【0112】
接続手段240は、長手貫通ボア242aを規定する本体部分242および本体部分242の長手貫通ボア242a内でスライド可能に受容されるトロカール244を有する二部分トロカールアセンブリを備える。望ましくは、長手貫通ボア242aは、段のある部分またはショルダー236を備える(図14を参照のこと)。
【0113】
トロカール244は、その一端の先端218およびその他端の環状フランジ241を備える。トロカール244の先端248は、トロカールアセンブリの本体部分242の遠位端から延び、前進位置から後退位置に移動可能である。望ましくは、先端248は、鋭利であり、それによって先端248が組織などを貫通し得る。付勢部材(好ましくは、コイルバネ252)は、トロカール244の環状フランジ241とショルダー236との間に配置され、トロカール244をその後退位置に押しやる。
【0114】
ここで、図15〜17を参照して、トロカール244は、本開示の実施形態に従って、創傷処置材料分配システムの一部を形成する。トロカール244は、好ましくは、中空であり、その中にアンプル260などを受容するような大きさである。アンプル260は、そこから軸方向に延びるナブ263を有し、本体部分262およびナブ263のそれぞれを通る管腔262aを規定する、本体部分262を備える。ナブ263は、本体部分262よりも小さな断面寸法を有し、ショルダー263aを規定する。アンプル260は、さらに、管腔262a内にスライド可能に配置されるプランジャー264を備える。プランジャー264は、本体部分262の内側表面と流体密なシールを形成する。望ましくは、創傷処置材料「W」は、アンプル260の管腔262a内に保持される。
【0115】
図15〜17に示されるように、トロカール244は、その中にアンプル260を選択的に受容するためのキャビティー229を規定する。キャビティー229の遠位端は、その中にアンプル260のナブ263を受容するように構成される遠位ポケット229aを規定する。ポケット229aは、アンプル260のショルダー263aが、キャビティー229内に形成される対応するショルダー229bに接触するかまたは係合するような寸法である。
【0116】
トロカール244は、さらに、遠位ポケット229aから延び、先端248の周りに放射状に形成される一連のポート245bに枝を出す、チャネル245aを備える。好ましくは、ポート245bは、近位方向に角度をつけられる。好ましくは、トロカール244は、最も遠位の円錐形先端248aおよび最も近位の円錐形先端248bを有する二段階先端248を備える。望ましくは、ポート235bは、最も遠位の円錐形先端248aと最も近位の円錐形先端248bとの間で、ポート235bが最も遠位の円錐形先端248aの近位表面に形成されるように形成される。この様式において、アンプル260がトロカール244のキャビティー229内に配置される場合、アンプル260の管腔262aは、ポート235bと流体連絡する。図15に示されるように、ポート235bは、創傷処置材料「W」の分散をトロカール244の周りの異なる半径セグメントに分割するためのマニホルドのように作用する。
【0117】
作動において、図17に示され、以下により詳細に記載されるように、アンプル260の管腔262aを通るプランジャー264の遠位方向の前進(矢印「A」の方向)の際に、創傷処置材料「W」は、ナブ263を通って、遠位ポケット229aへと、そしてポート245bを通って外へ押しやられる。ピストン、棒あるいはなんらかの他のデバイスまたは方法(例えば、空気式)が、プランジャー264を、管腔262aを通して遠位に前進させるために使用され得る。
【0118】
好ましくは、図14および19に示されるように、外科用ステープリング装置200は、それらの外科用ステープリング装置を通って延びるピストンまたは駆動ケーブル「C」を備える。駆動ケーブル「C」は、アンプル260のプランジャー264と接触および/または係合するか、あるいは作動可能に係合される遠位端を備える。望ましくは、ケーブル「C」は、外科用ステープリング装置200を通って撓み(bend)かつ曲がる(flex)ように十分に可撓性であり、その長さに沿って力を伝達するように十分に剛性である。この様式において、以下により詳細に考察されるように、駆動ケーブル「C」の遠位端がプランジャー264と作動可能に係合し、駆動ケーブル「C」が外科用ステープリング装置200を通って遠位に前進する場合、駆動ケーブル「C」は、アンプル260の管腔262aを通ってプランジャー264を前進させて、それによって、そこから創傷処置材料「W」を押しやる。
【0119】
図18および19をここで参照して、外科用ステープリング装置200とともに、図13〜17の、トロカール244を含む創傷処置材料分配システムの使用が図示され、記載される。作動において、アンビルアセンブリ226は、手術部位内に導入され、巾着縫合によって接合または吻合される第1の器官または組織に縫合される。次に、アンプル260がトロカール244内に配置され、外科用ステープリング装置200の遠位端が、手術部位内に導入され、第1の器官または組織に接合または吻合される第2の器官または組織に、巾着縫合「P」によって縫合される。望ましくは、第2の器官または組織は、巾着縫合「P」がポート245bの近位に配置されるように、トロカール244および/または接続手段240に縫合される。
【0120】
アンビルアセンブリ226およびステープルプッシャー部材210が適所に縫合されると、図19に示されるように、接続手段240のピストンまたは駆動ケーブル「C」は、遠位方向(例えば、矢印「A」の方向)に前進して、プランジャー264を、アンプル260の管腔262aを通して駆動し、その中に含まれる創傷処置材料「W」をトロカール244のチャネル245aを通して外に、次いでポート245bを通して外に、押しやる。ポート245bが近位方向に角度をつけているので、創傷処置材料「W」は、吻合される第2の器官または組織上に分与される。
【0121】
第2の器官または組織が創傷処置材料「W」で少なくとも部分的にコーティングされ、アンビルアセンブリ226のステム228は、ステープルプッシャー部材210の接続手段240に接続される。次いで、アンビルアセンブリ226は、グリップ部材218を回転させることによってステープルプッシャー部材210の方へ近置され、それによって、アンビルアセンブリ226をステープルプッシャー部材210に隣接した位置に引っ張り、そしてこれら2つの部材間に組織の端部を配置する。
【0122】
一旦、適切な距離が、アンビル部材230とステープルプッシャー部材210との間に設定されると、作動ハンドル204は、ステープルを組織または器官を通して、アンビル部材230へと駆動するように旋回して、管状器官の円形吻合を完了し得る。米国特許第5,119,983号(外科用ステープリング装置200の作動のより詳細な説明および考察について、その全体の内容が、本明細書中において参考として援用される)に対して参照がなされ得る。
【0123】
図20に示されるように、別の使用方法に従って、創傷処置材料「W」の第2の器官または組織上に分与されることに続いて、トロカール244は、接続手段240から除去され、アンビルアセンブリ226のステム228が、その接続手段に作動可能に接続またはそれ以外でドッキングされる。アンビルアセンブリ226を接続手段240に作動可能に接続して、アンビルアセンブリ226を、ステープルプッシャー部材210に向かって近置し、そして外科用ステープリング装置200を、上記のように発射する。
【0124】
望ましくは、吻合部位への創傷処置材料「W」の適用は、吻合の器官および/または組織の表面を互いにシールすることによって、吻合漏れの発生を減少させるのに役立ち得る。創傷処置材料「W」の吻合部位への適用は、器官および/または組織の吻合端部を互いに接着するのに役立ち得ることをさらに想定する。
【0125】
創傷処置材料「W」がトロカール244のポート245bから自由に流れ得るように、創傷処置材料「W」は、実質的に非粘性の流体または液体であり得ることが想定される。
【0126】
多くの異なる損傷処置材料「W」が、創傷処置材料アプリケータアセンブリのトロカール244によって分与され得ることが提供される。創傷処置材料アプリケータアセンブリによって分与される創傷処置材料は、例えば、上で開示される任意および/または全ての創傷処置材料を含み得る。
【0127】
図21および22に示されるように、本開示の代替の実施形態に従って、外科用ステープリング装置200は、さらに、創傷処置材料「W」を標的組織「T」(図23を参照のこと)に適用するための創傷処置材料アプリケータアセンブリ270を備える。創傷処置材料「W」としては、少なくとも一種の生物学的および/または合成の生体適合性シーラント、止血剤、接着剤、およびこれらの組合せが挙げられ得るが、これらに限定されない。創傷処置材料「W」は、ステープル216の環状アレイ(図13を参照のこと)の発射の前、発射の間、または発射後のいずれかで、標的組織「T」に適用され得る。創傷処置材料「W」のナイフ切断線およびステープル線への適用は、短い(すなわち、一時的な)および長期(すなわち、永久的な)止血およびシーリングを提供し得、ナイフ切断線および/またはステープル線に沿った出血を減少または防止し、一方、ステープリング特徴は、短いおよび長期の組織強度および止血を提供する。
【0128】
ステープル216無しで使用される場合、外科用ステープリング装置200は、より大きな弾性を可能にする吻合を提供し、その部位での狭窄の可能性をより低くする。ステープルを使用する場合、外科用ステープリング装置200は、より大きな初期強度を提供し、腸内容物の漏れの可能性をより低くする。さらに、ナイフ切断線および/またはステープル線からの出血が減少または防止されるので、本発明の外科用ステープリング装置200によって、より薄いステープルまたはより厚いステープルを含むように、特定のステープルサイズの適用可能範囲を拡張することが可能である。
【0129】
図21および22に示されるように、創傷処置材料アプリケータアセンブリ270は、接続手段240に形成される通路228b(図23を参照のこと)に流体接続可能であるかたまたは接続された少なくとも1つのリザーバー272を備える。望ましくは、リザーバー272は、圧縮可能であり、旋回可能作動ハンドル部材204に付着されるかまたは取り付けられるか、あるいは作動ハンドル部材204とグリップ部材209との間に配置される。リザーバー272は、リザーバー272をステム228の通路228bに流体接続するコンジット274を介して、アンビルアセンブリ226のステム228と流体連絡し得る。
【0130】
使用において、創傷処置材料アプリケータアセンブリ270は、ハンドル部材204とグリップ部材209との間でリザーバー272を圧縮する際に、創傷処置材料「W」またはその成分を標的外科部位に供給する。1つの例示的な実施形態において、図21および22に示されるように、矢印「A」によって示されるように、旋回可能作動ハンドル部材204をグリップ部材209に移動させることによって、リザーバー272は、それらの間で圧搾または圧縮される。
【0131】
リザーバー272の圧縮によって、その中に含まれる創傷処置材料「W」が、コンジット274を通って押しやられ、アンビルステム228の穴228aを介して分与される。図23に示されるように、創傷処置材料「W」は、創傷処置材料「W」がステープル線の長さおよび/または環状ナイフ切断線に沿って、そして互いに接触される標的組織「T」の表面に沿って分与されるように、ステープル発射手順の前またはその間に分与され得る。アンビルステム228からの創傷処置材料「W」の分与を開始する他の方法が想定され、例えば、環状ナイフの作動の際の創傷処置材料「W」の分与、アンビルアセンブリ部材226のファスナーアセンブリへの移動などがある。
【0132】
分与の間、創傷処置材料「W」は、移動可能アンビル部材230とステープルプッシャー部材210との間でクランプされる組織表面の間の空間内または空間上に排出される。創傷処置材料「W」の排出は、噴霧、噴出および/または発泡によって生じる。創傷処置材料「W」の排出の間、アンビルステム228は、創傷処置材料「W」がクランプされる組織表面の上に沿って半径方向に広がるように回転することが好ましい。
【0133】
創傷処置材料「W」を含むための1つのリザーバー272が示され、記載されるものの、任意の数のリザーバーがステム228の通路228bに流体接続されることが想定され、本開示の範囲内である。このような実施形態において、1つまたは第1のリザーバーは、創傷処置材料「W」の1つの成分を保存し得、そして別のまたは第2のリザーバーが、創傷処置材料「W」の第2の成分を保存し得る。好ましくは、第1のリザーバーおよび第2のリザーバーは、同一であり、創傷処置材料「W」の第1の成分対創傷処置材料「W」の第2の成分の所定の所望の比(代表的には、1:1の比)を維持するために、創傷処置材料「W」のそれぞれの成分の等しい容量または適切な容量を入れるかまたは保存する。
【0134】
好ましくは、二成分によって形成される創傷処置材料「W」は、フィブリン接着剤またはフィブリンシーラントであり、これらは、止血剤および組織接着剤として作用する。フィブリンシーラントは、迅速な重合プロセス(これは、プロテオーム凝集因子(例えば、フィブリノゲン)の溶液がプロテオーム触媒(例えば、トロンビン)の溶液と接触する場合に生じる)によって形成される。この迅速な重合は、代表的に、溶液が最初に互いに接触した後、2秒以内に開始し、接触の10秒以内に柔らかい硬化を達成する。フィブリノーゲンとトロンビンの親密な相互作用における迅速な重合に起因して、適用部位に適用されるまで、2つの血液タンパク質を分離されて維持されることが重要であり、好ましい。従って、代替の実施形態において、創傷処置材料アプリケータアセンブリ270は、各タンパク質について別のコンジットを使用することによって他の血液タンパク質から分離して各血液タンパク質を供給する。
【0135】
アプリケータアセンブリ270のリザーバー272は、上に開示される創傷処置材料「W」の任意の1つまたは任意の組合せを含み得ることが想定される。
【0136】
創傷処置材料「W」の分与が任意の適切な容量の流体噴霧(ミストを含む)であり得、一時的、連続的または継続的に適用され得ることが理解されるべきである。特定の材料(例えば、微粉末)は、本開示の範囲内で流体であることが企図される。
【0137】
創傷処置材料「W」が、エアロゾル形態で、外科用ステープリング装置100、200のいずれかから分与されることが、想定され、本開示の範囲内である。例えば、図2を参照して、第3の供給源「S3」は、中に噴射剤(例えば、圧縮気体、COなど)を含むエアロゾル缶である。この噴射剤は、創傷処置材料「W」を標的組織に分与する間、創傷処置材料「W」を霧状にするために使用される。
【0138】
さらなる実施形態において、コンジット274は、管状本体部分208内に組み込まれ、そして/またはリザーバー272は、グリップ部材206内に組み込まれる。図22に示されるコンジット274は、コンジット274が患者または患者の器官内へのデバイスの挿入を妨害しないように、ハンドルアセンブリ202により近い管状本体部分208に接続され得る。
【0139】
種々の改変が、上記の本開示の外科用ステープリング装置および創傷処置材料分配システムの実施形態に対してなされ得ることが理解される。従って、上記記載は、限定として解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および精神において他の改変を想定する。
【符号の説明】
【0140】
20 本体部分
26 アンビルアセンブリ
30 近置アセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書または図面に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−139544(P2012−139544A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92222(P2012−92222)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【分割の表示】特願2008−289300(P2008−289300)の分割
【原出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】