説明

回胴式遊技機

【課題】専用の表示装置を設けることなく、大役遊技状態に関する情報を遊技者に知らせることができる回胴式遊技機を提供する。
【解決手段】払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示する。主制御基板70のCPU74は、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、ゲームが終了する度に、当該ボーナス遊技状態中に払い出されたメダルの累積払出枚数に基づいて当該ボーナス遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各ゲームにおいて払出数表示部22がその算出された残り入賞可能回数と払出枚数とを所定のタイミングで切り替えて表示するように払出数表示部22を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の結果が大役の入賞となったときに遊技状態を大役遊技状態に移行して多量の遊技媒体を獲得可能な機会を遊技者に与える回胴式遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記の回胴式遊技機は、一般に、複数の図柄が記された三つの回胴リールと、三つの回胴リールの回転開始を指示するためのスタートレバーと、各回胴リールの回転停止を指示するための三つの停止ボタンと、演出手段と、主制御基板と、演出制御基板とを備えている。遊技者がスタートレバーを操作すると、三つの回胴リールの駆動が開始し、各停止ボタンを押下すると、当該停止ボタンに対応する回胴リールの駆動が停止する。そして、三つの回胴リールが停止したときに、各種の役に対応する図柄の組合せが表示されると、遊技(ゲーム)の結果が当該役の入賞となる。主制御基板は、回胴リールの制御等、遊技内容の制御を行うものである。演出手段は、遊技の状況に応じて各種の遊技の演出、例えば所定の役に入賞したことを報知するための入賞役報知演出等を行う。演出制御基板は、演出手段を制御するものである。
【0003】
また、主制御基板は、スタートレバーの押下時に乱数値を取得し、その取得した乱数値に基づいて役の抽選処理を行う。この役の抽選処理においては、主制御基板は、当該乱数値が予め定められた当たり値に該当するか否かを判定することにより、大役(ボーナス)、小役を含む複数種類の役のうちいずれかの役に当選したか、いずれの役にも当選しなかったかを決定する。主制御基板は、各ゲームにおいて、当該ゲームの結果が役抽選で決定された役の入賞となることを許可するように各回胴リールの停止動作を制御する。また、ゲームの結果が大役の入賞となると、主制御基板は、遊技状態を、ゲームにおける小役入賞の可能性を高めた大役遊技状態に移行させる。このため、遊技者は大役遊技状態中に多量の遊技媒体(メダル)を獲得することができる。ここで、大役遊技状態は、当該大役遊技状態中に払い出されたメダルの累積払出枚数が所定の枚数を超えたとき等、所定の条件が満たされたときに終了する。
【0004】
特に、最近では、遊技状態が大役遊技状態である場合にその大役遊技状態がどれだけ進行したか等、大役遊技状態に関する各種の情報を表示するための専用の表示装置を複数設けた回胴式遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる専用の表示装置は主制御基板によって制御される。このような回胴式遊技機では、遊技者は、大役遊技状態の期間中、各表示装置の表示内容から当該大役遊技状態に関する各種の情報を得ることができるので、大役遊技状態があとどれくらいで終了するのか等を把握しながら、ゲームを行うことができる。
【0005】
【特許文献1】特開平6−261970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示された従来技術を適用した回胴式遊技機では、大役遊技状態に関する各種の情報を表示するための専用の表示装置を複数設けているので、製造コストが高くなるという問題がある。しかも、それらの表示装置を狭いスペースに配置しなければならず、その配置設計が容易でないという問題もある。このため、このような専用の表示装置を設けることなく、大役遊技状態に関する情報を遊技者に知らせることができる回胴式遊技機の実現が望まれている。
【0007】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、専用の表示装置を設けることなく、大役遊技状態に関する情報を遊技者に知らせることができる回胴式遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な複数の図柄表示手段を有し、前記複数の図柄表示手段が変動表示を開始した後にその変動表示が停止したときに、前記複数の図柄表示手段の停止表示が大役、小役を含む複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せを示せば遊技の結果が当該役の入賞となる回胴式遊技機において、遊技の結果が大役の入賞となると、遊技状態を遊技における小役入賞の可能性を高めた大役遊技状態に移行し、且つ、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、遊技の結果が小役の入賞であるときに一定数量の遊技媒体を払い出し、当該大役遊技状態中に払い出された遊技媒体の累積払出数量が所定の数量を超えたときに当該大役遊技状態を終了させる遊技制御手段と、各遊技においてその遊技の結果に応じて払い出される遊技媒体の払出数量を表示する払出数量表示手段と、を備え、前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、遊技が終了する度に、当該大役遊技状態中に払い出された遊技媒体の累積払出数量に基づいて当該大役遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各遊技において前記払出数量表示手段がその算出された前記残り入賞可能回数と前記払出数量とを所定のタイミングで切り替えて表示するように前記払出数量表示手段を制御することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回胴式遊技機において、前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、各遊技において、一回の遊技を行うのに必要な数量の遊技媒体が投入されたとき又は遊技を行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記払出数量の表示から前記残り入賞可能回数の表示に切り替え、前記複数の図柄表示手段が停止表示したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記残り入賞可能回数の表示から前記払出数量の表示に切り替えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の回胴式遊技機において、前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、各遊技において、前記複数の図柄表示手段が変動表示を開始したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記払出数量の表示から前記残り入賞可能回数の表示に切り替え、前記複数の図柄表示手段が停止表示したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記残り入賞可能回数の表示から前記払出数量の表示に切り替えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の回胴式遊技機において、前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、各遊技において、一回の遊技を行うのに必要な数量の遊技媒体が投入されたとき又は遊技を行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに、前記払出数量表示手段による表示内容を消去し、前記複数の図柄表示手段が変動表示を開始したときに、前記払出数量表示手段による表示内容として前記残り入賞可能回数を表示し、前記複数の図柄表示手段が停止表示したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記残り入賞可能回数の表示から前記払出数量の表示に切り替えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の回胴式遊技機において、前記遊技制御手段は、前記残り入賞可能回数の表示態様と前記払出数量の表示態様とが異なるように前記払出数量表示手段を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明では、遊技制御手段は、遊技状態が大役遊技状態である場合、遊技が終了する度に、当該大役遊技状態中に払い出された遊技媒体の累積払出数量に基づいて当該大役遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各遊技において払出数量表示手段がその算出された残り入賞可能回数と払出数量とを所定のタイミングで切り替えて表示するように払出数量表示手段を制御する。ここで、小役の残り入賞可能回数は、遊技者にとって最も関心のある、大役遊技状態に関する情報である。これにより、遊技状態が大役遊技状態である場合には、払出数量表示手段は、払出数量だけでなく、小役の残り入賞可能回数をも表示することができる。このため、小役の残り入賞可能回数を表示するための専用の表示装置を設けることなく、既存の払出数量表示手段を利用して、小役の残り入賞可能回数を遊技者に知らせることができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、遊技制御手段は、遊技状態が大役遊技状態である場合、各遊技において、一回の遊技を行うのに必要な数量の遊技媒体が投入されたとき又は遊技を行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに、払出数量表示手段による表示内容を払出数量の表示から残り入賞可能回数の表示に切り替え、複数の図柄表示手段が停止表示したときに、払出数量表示手段による表示内容を残り入賞可能回数の表示から払出数量の表示に切り替える。これにより、払出数量表示手段の表示内容を遊技の進行状況に合わせて適切に切り替えることができるので、遊技者は、現在、払出数量表示手段が表示している内容の意味を容易に理解することができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、遊技制御手段は、遊技状態が大役遊技状態である場合、各遊技において、複数の図柄表示手段が変動表示を開始したときに、払出数量表示手段による表示内容を払出数量の表示から残り入賞可能回数の表示に切り替え、複数の図柄表示手段が停止表示したときに、払出数量表示手段による表示内容を残り入賞可能回数の表示から払出数量の表示に切り替える。これにより、払出数量表示手段の表示内容を遊技の進行状況に合わせて適切に切り替えることができるので、遊技者は、現在、払出数量表示手段が表示している内容の意味を容易に理解することができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、遊技制御手段は、遊技状態が大役遊技状態である場合、各遊技において、一回の遊技を行うのに必要な数量の遊技媒体が投入されたとき又は遊技を行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに、払出数量表示手段による表示内容を消去し、複数の図柄表示手段が変動表示を開始したときに、払出数量表示手段による表示内容として残り入賞可能回数を表示し、複数の図柄表示手段が停止表示したときに、払出数量表示手段による表示内容を残り入賞可能回数の表示から払出数量の表示に切り替える。これにより、払出数量表示手段の表示内容を遊技の進行状況に合わせて適切に切り替えることができるので、遊技者は、現在、払出数量表示手段が表示している内容の意味を容易に理解することができる。
【0017】
請求項5記載の発明では、遊技制御手段は、残り入賞可能回数の表示態様と払出数量の表示態様とが異なるように払出数量表示手段を制御する。これにより、遊技者は、現在、払出数量表示手段が表示している内容が、残り入賞可能回数及び払出数量のうちのいずれであるかを、その表示態様に基づいて簡単に判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である回胴式遊技機の概略正面図、図2はその回胴式遊技機の概略ブロック図である。
【0019】
本実施形態の回胴式遊技機は、図1及び図2に示すように、左側回胴リール11a,中央回胴リール11b,右側回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、スタートレバー18と、左側停止ボタン19a,中央停止ボタン19b,右側停止ボタン19cと、清算ボタン21と、払出数表示部(払出数量表示手段)22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、左側停止ボタン操作検出センサ65a,中央停止ボタン操作検出センサ65b,右側停止ボタン操作検出センサ65cと、左側回胴リール駆動手段66a,中央回胴リール駆動手段66b,右側回胴リール駆動手段66cと、主制御基板70と、演出制御基板80とを備える。
【0020】
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、左側回胴リール11a、中央回胴リール11b、右側回胴リール11cが並べて配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。左側回胴リール11aは左側回胴リール駆動手段66aにより駆動され、中央回胴リール11bは中央回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、右側回胴リール11cは右側回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板70により行われる。尚、主制御基板70は各回胴リール11a,11b,11cが表示窓12内の所定の位置に表示している図柄をステッピングモータのステップ数で把握することが可能であり、かかる表示図柄の把握には公知の方法が用いられる。
【0021】
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、バー図柄、リプレイ図柄、ベル図柄、チェリー図柄、スイカ図柄、ブランク図柄等がある。本実施形態では、各回胴リール11a,11b,11cの外周に、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。尚、各回胴リール11a,11b,11cにおいて、各図柄には識別番号としての図柄番号が付与されている。
【0022】
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。この表示窓12は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に回胴リールの回転方向に沿って三つの図柄を、その回転方向に直交する方向に沿って三つの図柄を表示することができる。すなわち、遊技者は、図1に示すように、左側回胴リール11a、中央回胴リール11b、右側回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄(合計九つの図柄)を目視することができる。
【0023】
回胴式遊技機では、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるというゲーム(遊技)が行われる。すなわち、三つの回胴リール11a,11b,11cが回転を開始した後に三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが表示窓12に停止表示されれば、ゲームの結果は当該役の入賞となる。
【0024】
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板70に送られる。主制御基板70は、かかる投入メダル検出センサ61からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
【0025】
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。具体的に、このクレジット数表示部14は二つの7セグメントの表示装置から構成されている。主制御基板70は、ゲームの結果が所定の役の入賞になると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
【0026】
本実施形態の回胴式遊技機では、メダルを2枚又は3枚投入することにより、一回のゲームを行うことができる。2枚のメダル又は3枚のメダルを投入することは、ゲームを行うための条件である。このため、遊技者は、ゲームを行う際に、2枚又は3枚のメダルをメダル投入口13から投入するか、或いは、現在のメダルのクレジット数からメダル2枚分又はメダル3枚分のクレジット数を使用しなければならない。
【0027】
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、クレジットされているメダルの中から2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、クレジットされているメダルの中から2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、クレジットされているメダルの中から2枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。
【0028】
MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各ボタン操作検出センサ62,63からの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、かかる検出信号を受けると、何枚のメダルを使用してゲームを行うのかを認識すると共に、現在のクレジット数からその認識したメダル枚数分のクレジット数を減算し、その減算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
【0029】
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作若しくは一枚投入ボタン16の二回若しくは三回の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板70に送る。主制御基板70は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号が送られて、ゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されていることを認識しているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板70は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。このように、スタートレバー18は、三つの回胴リール11a,11b,11cの変動表示動作を開始する契機を与える変動指示手段としての役割を果たしている。
【0030】
左側停止ボタン19aは左側回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、中央停止ボタン19bは中央回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、右側停止ボタン19cは右側回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。すなわち、各停止ボタン19a,19b,19cは、当該回胴リールが停止表示する契機を与える停止指示手段としての役割を果たす。また、左側停止ボタン操作検出センサ65aは左側停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、中央停止ボタン操作検出センサ65bは中央停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、右側停止ボタン操作検出センサ65cは右側停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板70に送られる。主制御基板70は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。
【0031】
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄の組合せを揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右下に向かって延びるラインとである。2枚のメダルを使用してゲームを行う場合、3枚のメダルを使用してゲームを行う場合のいずれであっても、上記五つの入賞ラインがすべて有効な入賞ラインである。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうちいずれかの入賞ライン上に所定の図柄の組合せが揃えば、ゲームの結果はその組合せに対応する役の入賞となる。
【0032】
いま、役の種類について説明する。図3は各役の入賞となる図柄の組合せを説明するための図である。本実施形態では、図3に示すように、ビッグボーナス(BB)、チャレンジタイムビッグボーナス(CT)、リプレイ役(再遊技役)、ベル小役、チェリー小役、スイカ小役の合計六種類の役が定義されている。BBの入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配された赤7図柄が入賞ライン上に揃うことであり、CTの入賞条件は、回胴リール11a,11bの各々に配された赤7図柄と回胴リール11cに配されたバー図柄とが入賞ライン上に揃うことである。リプレイ役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたリプレイ図柄が入賞ライン上に揃うことである。ベル小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたベル図柄が入賞ライン上に揃うことであり、スイカ小役の入賞条件は、三つの回胴リール11a,11b,11cの各々に配されたスイカ図柄が入賞ライン上に揃うことである。そして、チェリー小役の入賞条件は、左側回胴リール11aに配されたチェリー図柄が表示窓12内のいずれかの位置に停止表示されることである。
【0033】
これら六種類の役のうち、ベル小役、チェリー小役及びスイカ小役は、小当りである小役と称されるものである。主制御基板70による役の抽選処理によりベル小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのベル図柄を入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのベル図柄が入賞ライン上に揃うと、ベル小役の入賞となる。ベル小役に入賞すると、今回のゲームが3枚のメダルを使用したゲーム(3枚掛けゲーム)であれば10枚のメダルが払い出され、今回のゲームが2枚のメダルを使用したゲーム(2枚掛けゲーム)であれば15枚のメダルが払い出される。また、主制御基板70による役の抽選処理によりチェリー小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて左側回胴リール11aに配されたチェリー図柄を表示窓12内のいずれかの位置に停止表示させることが可能になる。そして、左側回胴リール11aに配されたチェリー図柄が表示窓12内のいずれかの位置に停止表示されると、チェリー小役の入賞となる。チェリー小役に入賞すると、今回のゲームが3枚掛けゲームであれば2枚のメダルが払い出され、今回のゲームが2枚掛けゲームであれば15枚のメダルが払い出される。更に、主制御基板70による役の抽選処理によりスイカ小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのスイカ図柄を入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのスイカ図柄が入賞ライン上に揃うと、スイカ小役の入賞となる。スイカ小役に入賞すると、今回のゲームが3枚掛けゲームであれば5枚のメダルが払い出され、今回のゲームが2枚掛けゲームであれば15枚のメダルが払い出される。
【0034】
また、主制御基板70による役の抽選処理によりリプレイ役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのリプレイ図柄を入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのリプレイ図柄が入賞ライン上に揃うと、リプレイ役の入賞となる。リプレイ役に入賞すると、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームで使用したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入され、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイ役はメダルの払出しがないことから、リプレイ役を小役に含めていないが、次のゲームのための新たなメダルの投入操作が不要なので、そのゲームに使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイ役を小役として取扱うことも可能である。
【0035】
BB及びCTは、いわゆるボーナスと称される大役である。主制御基板70による役の抽選処理によりBBに当選すると、遊技者は、三つの赤7図柄を入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄が入賞ライン上に揃うと、BBの入賞となる。BBに入賞すると、回胴式遊技機では、BBゲームが実行される。BBゲームでは、小役の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板70による役の抽選処理によりCTに当選すると、遊技者は、赤7図柄、赤7図柄、バー図柄という図柄の組合せを入賞ライン上に揃えることができるようになる。この図柄の組合せが入賞ライン上に揃うと、CTの入賞となる。CTに入賞すると、回胴式遊技機では、CTゲームが実行される。CTゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも入賞ライン上に揃えることができるようになる。このCTゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば150枚を超えたときに終了する。尚、BBゲーム、CTゲームでは、2枚掛けゲームが行われる。したがって、BBゲーム、CTゲームにおいて小役に入賞すると、小役の種類にかかわらず、15枚のメダルが払い出される。
【0036】
払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。具体的に、払出数表示部22は二つの7セグメントの表示装置から構成されている。特に、本実施形態では、払出数表示部22は、BBゲーム又はCTゲームの実行中、各ゲームにおいて、払出枚数と当該BBゲーム又はCTゲームが終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数とを切り替えて表示する。この点については後に詳述する。かかる払出数表示部22の制御は主制御基板70により行われる。
【0037】
メダル放出口23からは、例えば、遊技者が清算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構(不図示)を利用してメダルを1枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板70により制御される。
【0038】
電飾表示部40は、複数の表示用ランプを点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode)を用いている。この電飾表示部40の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかる電飾表示部40は、図1に示すように、前扉の裏側であってその外周の各部に設けられている。
【0039】
スピーカ部50は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板70からのコマンドに基づいて演出制御基板80により行われる。かかるスピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の裏側上部の左側、右側に設けられている。すなわち、図1において、前扉上部に点線で描いた円の部分が第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52である。また、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
【0040】
尚、本実施形態の回胴式遊技機では、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を変動表示することにより役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行うための画像表示部を設けていない。通常、画像表示部は表示窓の上側中央に設けられるが、本実施形態では、画像表示部を設けていないので、表示窓12の上側中央の部分にはスペック表や各種の役に対するメダルの払出枚数等が記載されている。
【0041】
次に、主制御基板70について説明する。主制御基板70は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板70は、図2に示すように、乱数発生手段71と、ROM72と、RAM73と、CPU(遊技制御手段)74とを備えている。ROM72には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM73は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
【0042】
CPU74は、ROM72に格納されたプログラムを実行することにより、遊技内容の制御を行ったり、演出制御基板80を制御することによって演出の制御を行ったりする。具体的に、CPU74は、スタートレバー18が操作されてゲームが開始される度に各種の役の中から入賞可能な役を抽選で決定する役抽選処理、遊技状態の管理、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、演出制御基板80へのコマンドの送信処理、払出数表示部22の表示制御等を行う。
【0043】
まず、遊技状態の管理について説明する。CPU74は、ゲームが開始されたときに行われる役抽選の結果やそのゲームの結果等に基づいて遊技状態の移行を制御する。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技状態として、「一般遊技状態」、「BB内部中状態」、「CT内部中状態」、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。「一般遊技状態」とは、通常のゲームを行う通常の遊技状態のことである。かかる通常のゲームでは、役抽選により小役に当選し、そのゲームにおいて当該小役に入賞すると、メダルの獲得が可能である。遊技機が一般遊技状態にある場合、乱数値に基づく役抽選によりBBに当選すると、CPU74は直ちに遊技状態を一般遊技状態からBB内部中状態に移行させ、また、CTに当選すると、CPU74は直ちに遊技状態を一般遊技状態からCT内部中状態に移行させる。
【0044】
「BB内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つの赤7図柄を入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、BB内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つの赤7図柄を入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技機がBB内部中状態にある場合、三つの赤7図柄が入賞ライン上に揃うと、CPU74は直ちに遊技状態をBB内部中状態からBB遊技状態に移行させる。したがって、「BB内部中状態」とは、役抽選によりBBの当選という結果が得られたときからBBに入賞するまでの期間における遊技状態のことである。また、「CT内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により赤7図柄、赤7図柄、バー図柄という図柄の組合せを入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、CT内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、上記図柄の組合せを入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技機がCT内部中状態にある場合、上記図柄の組合せが入賞ライン上に揃うと、CPU74は直ちに遊技状態をCT内部中状態からCT遊技状態に移行させる。したがって、「CT内部中状態」とは、役抽選によりCTの当選という結果が得られたときからCTに入賞するまでの期間における遊技状態のことである。以下では、「BB内部中状態」、「CT内部中状態」のことを、「ボーナス内部中状態」とも称することにする。
【0045】
「BB遊技状態」は、小役の当選確率が飛躍的に向上したBBゲームが行われることにより遊技者が最も多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。BBゲームは、メダルの累積払出枚数が345枚を超えたときに終了する。そして、BBゲームが終了すると、CPU74は直ちに遊技状態をBB遊技状態から一般遊技状態に移行させる。また、「CT遊技状態」は、CTゲームが行われることによりBB遊技状態に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能な遊技状態である。CTゲームは、メダルの累積払出枚数が150枚を超えたときに終了する。そして、CTゲームが終了すると、CPU74は直ちに遊技状態をCT遊技状態から一般遊技状態に移行させる。以下では、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」のことを、「ボーナス遊技状態」とも称することにする。このように回胴式遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
【0046】
次に、乱数値に基づく役の抽選処理を説明する。乱数発生手段71は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU74に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段71として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段71の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。かかる乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号を受けたときに、乱数値を取得する。その乱数値はCPU74に送られ、CPU74はその送られた乱数値に基づいて役の抽選処理を行う。
【0047】
役の抽選処理は所定の役抽選テーブルを用いて行われる。かかる役抽選テーブルは、各種の役に対応する乱数値の範囲を当該役の抽選確率に応じて定めたものであり、メダルの投入枚数毎、遊技状態毎に設けられている。各役抽選テーブルはROM72に格納されている。各役抽選テーブルにおいては、0から65535までの合計65536個の全数値データが、各種の役や、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に振り分けられている。CPU74は、乱数発生手段71から送られた乱数値が、役抽選テーブルにおいていずれの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。CPU74は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板80に送ったりする。
【0048】
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理を説明する。CPU74は、遊技の制御の一つとして、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU74のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御がある。リールの駆動開始制御とは、2枚又は3枚のメダルが投入されることを条件に、スタートレバー18が押されたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動動作を開始するように制御することをいう。具体的に、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63から信号が送られて、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことを認識したことを条件として、その後、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動を開始する。
【0049】
リールの駆動停止制御とは、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押されたときに、当該回胴リールの駆動を停止するように制御することをいう。具体的に、CPU74は、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押され、その停止ボタンに対する停止ボタン操作検出センサから当該停止ボタンが押された旨の信号を受けたときに、当該回胴リールの駆動を停止する。このとき、CPU74は、役抽選により決定された入賞可能な役に応じて当該停止ボタンに対する回胴リールの停止動作を制御する。具体的に、CPU74は、各回のゲームにおいて、そのゲームの結果がそのゲームの開始の際に役抽選により決定された役の入賞となることを許可するように、リールの駆動停止制御を行う。すなわち、当該ゲームの結果は、当該役が成立するか、又は、ボーナス、リプレイ役、小役のいずれの役に対応する図柄も揃わない、いわゆる「はずれ」となるかである。但し、役抽選によりボーナス(BB又はCT)が決定された場合には、その決定が行われたときから当該ボーナスに入賞するまでの期間中(遊技機がボーナス内部中状態にある期間中)、CPU74は、ゲームの結果が当該ボーナスの入賞となることをも許可するように、リールの駆動停止制御を行う。
【0050】
また、リールの駆動停止制御には、ボーナス、リプレイ役、小役のいずれかの役に当選した場合に行われるリール引込み制御、不当選に当選した場合に行われるはずれ制御等が含まれる。はずれ制御とは、入賞ラインにはボーナス、リプレイ役、小役のいずれの役も揃わないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が所望の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役にも入賞せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
【0051】
リール引込み制御とは、役抽選によりボーナス、リプレイ役、小役のいずれかの役に当選した場合、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで入賞ライン上に表示されている図柄を含めてその図柄から5コマの範囲内に当選役を構成する図柄が存在すれば、その図柄を当該入賞ライン上に引き込むように当該停止ボタンに対する回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は入賞ライン上に揃わず、当該役に入賞することはない。
【0052】
次に、演出制御基板80へのコマンド送信処理について説明する。CPU74から演出制御基板80に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、抽選結果コマンド、操作コマンド、停止位置コマンド、回胴停止後コマンド等がある。CPU74は、これらのコマンドを演出制御基板80に送信することにより、演出制御基板80に様々な情報を伝えて、演出制御基板80を制御している。
【0053】
抽選結果コマンドは、役抽選の結果に基づいて作成される指令信号である。この抽選結果コマンドには、当選番号コマンドと遊技状態コマンドとが含まれている。CPU74は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の役抽選処理を行うと共に、その役抽選により当選した役の種類を示す当選番号コマンドを作成する。また、CPU74は、その役抽選時における遊技状態を示す遊技状態コマンドを作成する。ここで、CPU74は役抽選の結果に基づいて遊技状態の移行を制御するが、遊技状態が移行された場合、CPU74によって作成される遊技状態コマンドは、移行後の遊技状態を示すものではなく、移行前の遊技状態を示すものである。こうして作成された当選番号コマンド及び遊技状態コマンドは、抽選結果コマンドとして演出制御手段80に出力される。
【0054】
操作コマンドは、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成される指令信号である。CPU74は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを作成し、その作成した操作コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、左側停止ボタン19aの押下時、中央停止ボタン19bの押下時、右側停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが作成される。すなわち、スタートレバー18の押下時には、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドが作成される。左側停止ボタン19aの押下時には、左側停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドが作成され、中央停止ボタン19bの押下時には、中央停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、右側停止ボタン19cの押下時には、右側停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドが作成される。また、メダルの投入時には、メダル投入口13からメダルが所定枚数投入された旨の操作コマンドが作成され、MAXベットボタン15の押下時には、MAXベットボタン15が押下された旨の操作コマンドが作成され、そして、一枚投入ボタン16の押下時には、一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドが作成される。実際には、CPU74は、メダルの投入時、MAXベットボタン15の押下時、一枚投入ボタン16の押下時にあっては、いずれも全く同じ内容の操作コマンドを作成することにしている。尚、メダル投入時に作成される操作コマンドには、メダルの投入枚数を示す情報も含まれている。
【0055】
停止位置コマンドは、各回胴リール11a,11b,11cの停止位置を示す指令信号である。CPU74は、各回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、当該回胴リールの停止位置に基づいて停止位置コマンドを作成し、その作成した停止位置コマンドを演出制御基板80に出力する。具体的に、停止位置コマンドの内容としては、当該回胴リールが停止したときに当該回胴リールが所定の基準位置(例えば表示窓12内における上段の位置)に表示している図柄の図柄番号が用いられる。また、回胴回転停止コマンドは、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止したときに作成される指令信号である。CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止したときに、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止した旨の回胴回転停止コマンドを作成し、演出制御基板80に出力する。
【0056】
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU74は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU74が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63から信号が送られて、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことをすでに認識していれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
【0057】
次に、払出数表示部22の表示制御について説明する。CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて停止したときに、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止表示している図柄に基づいて、今回のゲームの結果が小役の入賞であるかどうかを判定する。CPU74は、今回のゲームの結果が小役の入賞であると判定すると、当該小役の入賞に対するメダルの払出枚数を決定し、払出数表示部22がその決定された枚数を表示するように払出数表示部22を制御する。具体的に、CPU74は、「1」からその決定した枚数まで順にカウントアップする表示態様で払出枚数を払出数表示部22に表示させる。一方、CPU74は、今回のゲームの結果が小役の入賞でないと判定すると、そのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数がゼロであることを認識し、払出枚数として「0」を払出数表示部22に表示させる。
【0058】
特に、本実施形態では、CPU74は、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、ゲームが終了する度に、当該ボーナス遊技状態中に払い出されたメダルの累積払出枚数に基づいて当該ボーナス遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各ゲームにおいて払出数表示部22がその算出された残り入賞可能回数と払出枚数とを所定のタイミングで切り替えて表示するように払出数表示部22を制御する。ここで、小役の残り入賞可能回数は、遊技者にとって最も関心のある、ボーナス遊技状態に関する情報である。また、CPU74は、当該ボーナス遊技状態中に払い出されたメダルの累積払出枚数を管理している。
【0059】
いま、残り入賞可能回数の算出の仕方を説明する。ボーナス遊技状態においてゲームの結果が小役の入賞であるときには、小役の種類にかかわらず15枚のメダルが払い出され、また、ボーナス遊技状態は、当該ボーナス遊技状態中に払い出されたメダルの累積払出枚数が所定の枚数N(BB遊技状態の場合には345枚、CT遊技状態の場合には150枚)を超えたときに終了するので、現在のメダルの累積払出枚数をGmとすると、残り入賞可能回数は、(N−Gm)÷15を計算し、その計算結果の整数部分に「1」を加えることにより、求められる。例えば、遊技状態がBB内部中状態からBB遊技状態に移行した直後では、累積払出枚数Gmはゼロであるので、345÷15+1=24より、小役の残り入賞可能回数は24回である。すなわち、23回小役に入賞すると、345枚のメダルが払い出されることになるが、BB遊技状態の終了条件は345枚を「超える」メダルが払い出されたことであるので、あと1回小役に入賞することができる。したがって、BB遊技状態に移行した直後では、小役の残り入賞可能回数は24回である。同様に、CT遊技状態に移行した直後では、小役の残り入賞可能回数は11回である。CPU74は、遊技状態がボーナス内部中状態からボーナス遊技状態に移行した直後に、及び、ボーナス遊技状態の期間中にあってはゲームが終了する度に、上記の方法で小役の残り入賞可能回数を算出し、その算出した残り入賞可能回数をRAM73に一時記憶する。
【0060】
尚、ボーナス遊技状態中における小役入賞時のメダルの払出枚数が15枚以外の枚数に設定されている場合であっても、CPU74は、上記と同様の方法で残り入賞可能回数を算出することができる。また、ボーナス遊技状態中における小役入賞時のメダルの払出枚数が小役の種類に応じて異なっていると、上記の算出方法は適用できない。この場合には、そもそも残り入賞可能回数という概念が意味を持たなくなる。このため、本実施形態では、ボーナス遊技状態中における小役入賞時のメダルの払出枚数を小役の種類に関係なく、一定枚数に設定しているのである。
【0061】
また、遊技状態がボーナス遊技状態である場合に払出数表示部22が各ゲームにおいて残り入賞可能回数の表示と払出枚数の表示とを切り替えるタイミングとしては、さまざまなタイミングを考えることができる。特に、本実施形態では、次のようなタイミングで表示の切り替えを行うことにしている。すなわち、CPU74は、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、各ゲームにおいて、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかからの信号を受け取ったときに(一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されたとき又はゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに)、払出数表示部22による表示内容を払出枚数の表示から残り入賞可能回数の表示に切り替え、また、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号をすべて受け取ったときに(三つの回胴リール11a,11b,11cが停止表示したときに)、払出数表示部22による表示内容を残り入賞可能回数の表示から払出枚数の表示に切り替える。但し、遊技状態がボーナス内部中状態からボーナス遊技状態に移行した直後には、CPU74は、直ちに払出数表示部22による表示内容を払出枚数の表示から残り入賞可能回数の表示に切り替えることにしている。このような切り替えタイミングを採用することにより、払出数表示部22の表示内容をゲームの進行状況に合わせて適切に切り替えることができるので、遊技者は、現在、払出数表示部22が表示している数字の意味を容易に理解することができる。
【0062】
更に、本実施形態では、CPU74は、残り入賞可能回数の表示態様と払出枚数の表示態様とが異なるように払出数表示部22を制御する。具体的に、CPU74は、払出数表示部22が残り入賞可能回数については点滅表示を行い、払出枚数については点灯表示を行うように払出数表示部22を制御している。これにより、遊技者は、現在、払出数表示部22が表示している内容が、残り入賞可能回数及び払出枚数のうちのいずれであるかを、その表示態様に基づいて簡単に判別することができる。
【0063】
次に、演出制御基板80について説明する。演出制御基板80は、主制御基板70と通信ケーブル線を介して接続されている。かかる演出制御基板80は、主に遊技演出に関わる機能を実現する。演出制御基板80は、図2に示すように、ROM81と、RAM82と、CPU83とを有する。ROM81には、遊技の演出に関する各種のプログラムが格納されている。RAM82は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。CPU83は、ROM81に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行う。すなわち、CPU83は、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する演出制御手段としての役割を果たす。
【0064】
CPU83は、主制御基板70から各種のコマンドを受信したときに、その受信したコマンドの内容をRAM82に一時記憶する。例えば、CPU83は、主制御基板70から抽選結果コマンドが送られたときに、その抽選結果コマンドに基づいて今回のゲームにおける役抽選の結果及び役抽選時における遊技状態を認識し、その認識した内容をRAM82に一時記憶する。このとき、その役抽選の結果及び役抽選時における遊技状態に基づいて現在の遊技状態を認識し、その認識した現在の遊技状態もRAM82に一時記憶する。また、CPU83は、主制御基板70から各回胴リールに対する停止位置コマンドが送られる度に、その停止位置コマンドに基づいて当該回胴リールが表示窓12内で停止表示している図柄(停止出目)を認識し、その認識した停止出目をRAM82に一時記憶する。更に、CPU83は、主制御基板70から回胴回転停止コマンドが送られると、RAM82に記憶されている三つの回胴リール11a,11b,11cの停止出目に基づいて、今回のゲームにおいていずれかの役を構成する図柄が入賞ライン上に揃ったかどうかを判断する。その判断結果はRAM82に一時記憶される。
【0065】
ROM81には、プログラムの他に、各種のデータが格納されている。例えば、電飾表示部40を制御するための複数の電飾演出用パターンデータ、スピーカ部50を制御するための複数の音声演出用パターンデータ等がROM81に格納されている。
【0066】
CPU83が電飾表示部40及びスピーカ部50に実行させる演出の内容としては、例えば、入賞役報知演出がある。入賞役報知演出とは、今回のゲームの結果が所定の役の入賞であるときに、当該役に入賞したことを遊技者に報知するための演出である。例えば、現在の遊技状態が一般遊技状態である場合には、入賞した役がリプレイ役又は小役であれば、かかる入賞役報知演出が行われる。
【0067】
いま、入賞役報知演出について詳しく説明する。CPU83は、現在の遊技状態が一般遊技状態である場合に、主制御基板70から回胴回転停止コマンドが送られると、RAM82に記憶されている三つの回胴リール11a,11b,11cの停止出目に基づいて、リプレイ役及び小役のうちのいずれかの役を構成する図柄が入賞ライン上に揃ったかどうかを判断する。CPU83は、リプレイ役及び小役のうちいずれかの役を構成する図柄が入賞ライン上に揃ったと判断すると、当該役に入賞したことを遊技者に報知する入賞役報知演出を実行する。具体的に、CPU83は、当該役の入賞に応じた所定の電飾演出用パターンデータ及び所定の音声演出用パターンデータをROM81から取得し、その取得した電飾演出用パターンデータに基づいて電飾表示部40を制御すると共に、その取得した音声演出用パターンデータに基づいてスピーカ部50を制御する。
【0068】
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板70が行う処理の手順について説明する。図4は主制御基板70が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0069】
まず、主制御基板70のCPU74は、メダル投入操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号が送られてくるのを待つ。そして、CPU74は、かかる検出信号を受け取り、2枚又は3枚のメダルが投入されたことを認識すると、メダル投入口13からメダルが所定枚数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。また、現在の遊技状態がボーナス遊技状態である場合には、CPU74は、RAM73に記憶されている残り入賞可能回数を読み出し、払出数表示部22を制御して、払出数表示部22の表示内容を払出枚数の表示からその読み出した残り入賞可能回数の表示に切り替える。
【0070】
次に、CPU74は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU74は、スタートレバー操作検出センサ64から検出信号が送られてくるのを待つ。CPU74は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。そして、CPU74は、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板80に送信する。
【0071】
こうしてゲームが開始されると、CPU74は、乱数値に基づく役抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御基板70の乱数発生手段71は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU74に送る。CPU74は、今回のゲームで投入されたメダルの枚数及び現在の遊技状態に基づいて所定の役抽選テーブルを特定した後、その特定した役抽選テーブルに基づいて、当該取得された乱数値がどの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。また、現在の遊技状態が一般遊技状態である場合、役抽選処理で決定された当選役が「BB」又は「CT」であれば、CPU74は現在の遊技状態を一般遊技状態からBB内部中状態又はCT内部中状態に移行させる。
【0072】
その後、CPU74は、ステップS3における役抽選処理により決定した結果に基づいて当選番号コマンドを作成すると共に、その役抽選時における遊技状態に基づいて遊技状態コマンドを作成する(S4)。すなわち、ここでは、当該役抽選の結果に基づいて遊技状態が移行されたとしても、その移行前の遊技状態を示す遊技状態コマンドを作成する。そして、CPU74は、その作成した当選番号コマンド及び遊技状態コマンドを抽選結果コマンドとして演出制御基板80に送信する。
【0073】
次に、CPU74は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ(S5)。そして、4.1秒経過すると、CPU74は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cを制御して、三つの回胴リール11a,11b,11cを回転させる(S6)。
【0074】
次に、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S7)。すなわち、CPU74は、左側停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたときに、左側回胴リール駆動手段66aを制御して、左側回胴リール11aを停止させる。そして、左側停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドと左側回胴リール11aの停止位置を示す停止位置コマンドとを作成し、演出制御基板80に送信する。また、CPU74は、中央停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたときに、中央回胴リール駆動手段66bを制御して、中央回胴リール11bを停止させる。そして、中央停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドと中央回胴リール11bの停止位置を示す停止位置コマンドとを作成し、演出制御基板80に送信する。更に、CPU74は、右側停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたときに、右側回胴リール駆動手段66cを制御して、右側回胴リール11cを停止させる。そして、右側停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドと右側回胴リール11cの停止位置を示す停止位置コマンドとを作成し、演出制御基板80に送信する。
【0075】
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて停止すると、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて回転を停止したことを示す回胴回転停止コマンドを作成し、演出制御基板80に出力する。また、CPU74は、三つの回胴リール11a,11b,11cが停止表示している図柄に基づいて、所定の図柄の組合せが入賞ライン上に揃っているかどうか、すなわち今回のゲームの結果が所定の役の入賞であるかどうかを判定する入賞判定処理を行う(S8)。
【0076】
次に、CPU74は、ステップS8の入賞判定処理の結果に応じた処理である判定結果処理を行う(S9)。例えば、今回のゲームの結果が小役の入賞である場合には、CPU74は、当該小役の入賞に対するメダルの払出枚数を決定し、その決定した枚数のメダルを払い出すと共に、払出数表示部22にその払出枚数を表示させる。これにより、現在の遊技状態がボーナス遊技状態であると、払出数表示部22の表示内容は残り入賞可能回数の表示から当該払出枚数の表示に切り替わることになる。そして、現在の遊技状態がボーナス遊技状態であるときには、CPU74は、さらに、当該ボーナス遊技状態中において現時点までに払い出されたメダルの累積払出枚数を求め、その求めた累積払出枚数に基づいて小役の残り入賞可能回数を算出する。この算出された小役の残り入賞可能回数はRAM73に一時記憶される。
【0077】
また、今回のゲームの結果がいずれの役の入賞でもない場合には、CPU74は、払出数表示部22が払出枚数として「0」を表示するように払出数表示部22を制御する。これにより、現在の遊技状態がボーナス遊技状態であれば、払出数表示部22の表示内容は残り入賞可能回数の表示から当該払出枚数の表示「0」に切り替わることになる。そして、現在の遊技状態がボーナス遊技状態であるときには、CPU74は、さらに、上記と同様に、当該ボーナス遊技状態中において現時点までに払い出されたメダルの累積払出枚数に基づいて小役の残り入賞可能回数を算出し、RAM73に一時記憶する。
【0078】
更に、今回のゲームの結果が大役の入賞である場合には、CPU74は、遊技状態を直ちにボーナス遊技状態に移行させる。そして、小役の残り入賞可能回数を算出すると共に、払出数表示部22がその算出した残り入賞可能回数を表示するように払出数表示部22を制御する。例えば、今回のゲームの結果がBBの入賞であれば、払出数表示部22には、残り入賞可能回数として「24」が表示され、今回のゲームの結果がCTの入賞であれば、払出数表示部22には、残り入賞可能回数として「11」が表示される。
【0079】
以上で、図4に示す処理フローが終了するが、その後、CPU74は、再びステップS1から処理を開始する。
【0080】
次に、遊技状態がボーナス遊技状態である場合に払出表示部22の表示内容が切り替わるタイミングを具体的に説明する。図5は遊技状態がボーナス遊技状態である場合に払出表示部22の表示内容が切り替わるタイミングを説明するための図である。
【0081】
まず、今回のゲームにおいて遊技者が三つの停止ボタン19a,19b,19cをすべて押下し、三つの回胴リール駆動手段66a,66b,66cがすべて駆動停止したときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止表示がBBに対応する図柄の組合せを示すことによりゲームの結果がBBの入賞となると、遊技状態は直ちにBB内部中状態からBB遊技状態に移行し、BBゲームが実行される。このとき、払出数表示部22には、図5に示すように、「24」が点滅表示される。この点滅表示は、当該BB遊技状態が終了するまでに小役に入賞することができる残り入賞可能回数を表している。
【0082】
次に、遊技者は、メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルを投入し、又は、既に一回のゲームに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作若しくは一枚投入ボタン16の二回若しくは三回の操作のうちいずれかの操作を行うが、このとき、払出数表示部22の表示内容は「24」のままである。その後、遊技者が、スタートレバー18を押下しても、払出数表示部22の表示内容は「24」のままである。そして、遊技者が三つの停止ボタン19a,19b,19cをすべて押下したときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止表示が小役に対応する図柄の組合せを示すことによりゲームの結果が当該小役の入賞となると、払出数表示部22には、「1」から「15」までの各数字が順にカウントアップ表示され、図5に示すように、「15」が点灯表示される。この点灯表示は今回のゲームにおいて払い出されたメダルの払出枚数を表している。
【0083】
次に、遊技者が、メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルを投入し、又は、既に一回のゲームに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作若しくは一枚投入ボタン16の二回若しくは三回の操作のうちいずれかの操作を行うと、払出数表示部22には、図5に示すように、「23」が点滅表示される。この点滅表示は、現時点において当該BB遊技状態が終了するまでに小役に入賞することができる残り入賞可能回数を表す。その後、遊技者がスタートレバー18を押下しても、払出数表示部22の表示内容は「23」のままである。そして、遊技者が三つの停止ボタン19a,19b,19cをすべて押下したときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止表示が小役に対応する図柄の組合せを示すことによりゲームの結果が当該小役の入賞となると、払出数表示部22には、「1」から「15」までの各数字が順にカウントアップ表示され、図5に示すように、今回のゲームにおいて払い出されたメダルの払出枚数である「15」が点灯表示される。このような払出数表示部22の切り替え表示は、BBゲームが終了するまで繰り返される。
【0084】
尚、当然のことであるが、BBゲームにおいて小役に入賞しなかった場合には、払出数表示部22に、払出枚数として「0」が表示され、その後に切り替わる残り入賞可能回数としては前回のゲーム時における残り入賞可能回数と同じ回数が表示される。
【0085】
本実施形態の回胴式遊技機では、主制御基板のCPUは、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、ゲームが終了する度に、当該ボーナス遊技状態中に払い出されたメダルの累積払出枚数に基づいて当該ボーナス遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各ゲームにおいて払出数表示部がその算出された残り入賞可能回数と払出枚数とを所定のタイミングで切り替えて表示するように払出数表示部を制御する。これにより、遊技状態がボーナス遊技状態である場合には、払出数表示部は、払出枚数だけでなく、小役の残り入賞可能回数をも表示することができる。このため、小役の残り入賞可能回数を表示するための専用の表示装置を設けることなく、既存の払出数表示部を利用して、小役の残り入賞可能回数を遊技者に知らせることができる。また、本実施形態では、主制御基板のCPUが小役の残り入賞可能回数の表示制御を行っているので、演出制御基板のCPUがその表示制御を行う場合に比べて信頼性が高いという利点もある。
【0086】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0087】
上記の実施形態では、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、主制御基板のCPUが、各ゲームにおいて払出数表示部が小役の残り入賞可能回数と払出枚数とを図5に示すタイミングで切り替えて表示するように払出数表示部を制御する場合について説明したが、かかる表示の切り替えタイミングとしては、他のタイミングを採用することができる。図6は遊技状態がボーナス遊技状態である場合に払出表示部の表示内容が切り替わるタイミングの他の例を説明するための図である。この図6に示す例では、主制御基板のCPUは、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、各ゲームにおいて、スタートレバー操作検出センサからの信号を受け取ったときに(三つの回胴リールが変動表示を開始したときに)、払出数表示部による表示内容を払出枚数の表示から残り入賞可能回数の表示に切り替え、また、三つの停止ボタン操作検出センサからの検出信号をすべて受け取ったときに(三つの回胴リールが停止表示したときに)、払出数表示部による表示内容を残り入賞可能回数の表示から払出枚数の表示に切り替える。但し、遊技状態がボーナス内部中状態からボーナス遊技状態に移行した直後には、主制御基板のCPUは、直ちに払出数表示部による表示内容を払出枚数の表示から残り入賞可能回数の表示に切り替えることにしている。このような切り替えタイミングを採用した場合であっても、上記の実施形態と同様に、払出数表示部の表示内容をゲームの進行状況に合わせて適切に切り替えることができるので、遊技者は、現在、払出数表示部が表示している数字の意味を容易に理解することができる。
【0088】
また、図6に示す表示の切り替えタイミングの変形例として、次のようなタイミングを採用してもよい。すなわち、主制御基板のCPUは、遊技状態がボーナス遊技状態である場合、各ゲームにおいて、投入メダル検出センサ、MAXベットボタン操作検出センサ、一枚投入ボタン操作検出センサのいずれかから信号を受け取ったときに(一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されたとき又はゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに)、払出数表示部による表示内容を消去し、スタートレバー操作検出センサからの信号を受け取ったときに(三つの回胴リールが変動表示を開始したときに)、払出数表示部による表示内容として残り入賞可能回数を表示し、三つの停止ボタン操作検出センサからの検出信号をすべて受け取ったときに(三つの回胴リールが停止表示したときに)、払出数表示部による表示内容を残り入賞可能回数の表示から払出枚数の表示に切り替える。この場合も、払出数表示部の表示内容をゲームの進行状況に合わせて適切に切り替えることができるので、遊技者は、現在、払出数表示部が表示している数字の意味を容易に理解することができる。
【0089】
また、上記の実施形態では、主制御基板のCPUが、払出数表示部が残り入賞可能回数については点滅表示を行い、払出枚数については点灯表示を行うように払出数表示部を制御する場合について説明したが、例えば、主制御基板のCPUは、残り入賞可能回数の表示色と払出枚数の表示色とが異なるように払出数表示部を制御してもよい。この場合も、遊技者は、現在、払出数表示部が表示している内容が、残り入賞可能回数及び払出枚数のうちのいずれであるかを、その表示色に基づいて簡単に判別することができる。
【0090】
更に、上記の実施形態では、遊技状態がボーナス遊技状態である場合に、払出数表示部が各ゲームにおいて残り入賞可能回数と払出枚数とを切り替えて表示する場合について説明したが、払出数表示部に小役の残り入賞可能回数を表示させる代わりに、例えば、クレジット数表示部に、残り入賞可能回数とクレジット数とを切り替えて表示させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上説明したように、本発明の回胴式遊技機では、遊技制御手段は、遊技状態が大役遊技状態である場合、遊技が終了する度に、当該大役遊技状態中に払い出された遊技媒体の累積払出数量に基づいて当該大役遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各遊技において払出数量表示手段がその算出された残り入賞可能回数と払出数量とを所定のタイミングで切り替えて表示するように払出数量表示手段を制御する。これにより、遊技状態が大役遊技状態である場合には、払出数量表示手段は、払出数量だけでなく、小役の残り入賞可能回数をも表示することができる。このため、小役の残り入賞可能回数を表示するための専用の表示装置を設けることなく、既存の払出数量表示手段を利用して、小役の残り入賞可能回数を遊技者に知らせることができる。したがって、本発明は、遊技の結果が大役の入賞となったときに遊技状態を大役遊技状態に移行して多量の遊技媒体を獲得可能な機会を遊技者に与える回胴式遊技機遊技に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施形態である回胴式遊技機の概略正面図である。
【図2】その回胴式遊技機の概略ブロック図である。
【図3】各役の入賞となる図柄の組合せを説明するための図である。
【図4】主制御基板が行う処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】遊技状態がボーナス遊技状態である場合に払出表示部の表示内容が切り替わるタイミングを説明するための図である。
【図6】遊技状態がボーナス遊技状態である場合に払出表示部の表示内容が切り替わるタイミングの他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0093】
11a 左側回胴リール(図柄表示手段)
11b 中央回胴リール(図柄表示手段)
11c 右側回胴リール(図柄表示手段)
12 表示窓
13 メダル投入口
14 クレジット数表示部
15 MAXベットボタン(遊技指示手段)
16 一枚投入ボタン(遊技指示手段)
18 スタートレバー
19a 左側停止ボタン
19b 中央停止ボタン
19c 右側停止ボタン
21 清算ボタン
22 払出数表示部(払出数量表示手段)
23 メダル放出口
24 メダル受皿
25 払出装置
40 電飾表示部
41 トップランプユニット
42 左サイドランプユニット
43 右サイドランプユニット
44 左パネルランプユニット
45 右パネルランプユニット
50 スピーカ部
51 第一ドアスピーカ
52 第二ドアスピーカ
53 背面スピーカ
61 投入メダル検出センサ
62 MAXベットボタン操作検出センサ
63 一枚投入ボタン操作検出センサ
64 スタートレバー操作検出センサ
65a 左側停止ボタン操作検出センサ
65b 中央停止ボタン操作検出センサ
65c 右側停止ボタン操作検出センサ
66a 左側回胴リール駆動手段
66b 中央回胴リール駆動手段
66c 右側回胴リール駆動手段
70 主制御基板
71 乱数発生手段
72 ROM
73 RAM
74 CPU(遊技制御手段)
80 演出制御基板
81 ROM
82 RAM
83 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な複数の図柄表示手段を有し、前記複数の図柄表示手段が変動表示を開始した後にその変動表示が停止したときに、前記複数の図柄表示手段の停止表示が大役、小役を含む複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せを示せば遊技の結果が当該役の入賞となる回胴式遊技機において、
遊技の結果が大役の入賞となると、遊技状態を遊技における小役入賞の可能性を高めた大役遊技状態に移行し、且つ、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、遊技の結果が小役の入賞であるときに一定数量の遊技媒体を払い出し、当該大役遊技状態中に払い出された遊技媒体の累積払出数量が所定の数量を超えたときに当該大役遊技状態を終了させる遊技制御手段と、
各遊技においてその遊技の結果に応じて払い出される遊技媒体の払出数量を表示する払出数量表示手段と、
を備え、
前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、遊技が終了する度に、当該大役遊技状態中に払い出された遊技媒体の累積払出数量に基づいて当該大役遊技状態が終了するまでに小役に入賞することが可能な残り入賞可能回数を算出すると共に、各遊技において前記払出数量表示手段がその算出された前記残り入賞可能回数と前記払出数量とを所定のタイミングで切り替えて表示するように前記払出数量表示手段を制御することを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項2】
前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、各遊技において、一回の遊技を行うのに必要な数量の遊技媒体が投入されたとき又は遊技を行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記払出数量の表示から前記残り入賞可能回数の表示に切り替え、前記複数の図柄表示手段が停止表示したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記残り入賞可能回数の表示から前記払出数量の表示に切り替えることを特徴とする請求項1記載の回胴式遊技機。
【請求項3】
前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、各遊技において、前記複数の図柄表示手段が変動表示を開始したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記払出数量の表示から前記残り入賞可能回数の表示に切り替え、前記複数の図柄表示手段が停止表示したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記残り入賞可能回数の表示から前記払出数量の表示に切り替えることを特徴とする請求項1記載の回胴式遊技機。
【請求項4】
前記遊技制御手段は、遊技状態が前記大役遊技状態である場合、各遊技において、一回の遊技を行うのに必要な数量の遊技媒体が投入されたとき又は遊技を行う旨を指示するための遊技指示手段が操作されたときに、前記払出数量表示手段による表示内容を消去し、前記複数の図柄表示手段が変動表示を開始したときに、前記払出数量表示手段による表示内容として前記残り入賞可能回数を表示し、前記複数の図柄表示手段が停止表示したときに、前記払出数量表示手段による表示内容を前記残り入賞可能回数の表示から前記払出数量の表示に切り替えることを特徴とする請求項1記載の回胴式遊技機。
【請求項5】
前記遊技制御手段は、前記残り入賞可能回数の表示態様と前記払出数量の表示態様とが異なるように前記払出数量表示手段を制御することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の回胴式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−119180(P2008−119180A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305083(P2006−305083)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)