回路組立体、回路組立体の組立方法、電気コネクタ
【課題】回路基板への配線基板の実装の自動化を実現可能な回路組立体、回路組立体の組立方法及び電気コネクタを提供する。
【解決手段】回路組立体1は、配線基板2と電気コネクタ3とを備え、電気コネクタ3は、対向して配置される第1側壁部20及び第2側壁部21を有し、第1側壁部20及び第2側壁部21により画成される開放面OSを有するハウジング10と、第1側壁部20と第2側壁部21との間の所定の位置に配列されると共に第1側壁部20及び第2側壁部21に保持され、中央部分45が開放面OSから外方に傾斜しつつ突出する複数の接触子14と、PFC2の嵌合穴7に対応して設けられる基板保持部12a,12bと有し、電気コネクタ3と配線基板2とが結合するときに、基板保持部12がPFC2の嵌合穴7に嵌合する。
【解決手段】回路組立体1は、配線基板2と電気コネクタ3とを備え、電気コネクタ3は、対向して配置される第1側壁部20及び第2側壁部21を有し、第1側壁部20及び第2側壁部21により画成される開放面OSを有するハウジング10と、第1側壁部20と第2側壁部21との間の所定の位置に配列されると共に第1側壁部20及び第2側壁部21に保持され、中央部分45が開放面OSから外方に傾斜しつつ突出する複数の接触子14と、PFC2の嵌合穴7に対応して設けられる基板保持部12a,12bと有し、電気コネクタ3と配線基板2とが結合するときに、基板保持部12がPFC2の嵌合穴7に嵌合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路組立体、回路組立体の組立方法及び電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
基板と基板間を接続するための複数の接触子を有する基板用コネクタから構成される回路組立体には種々のものがあり、例えば以下の特許文献1記載の基板用コネクタ及びそれを有する回路組立体が知られている。
【0003】
特許文献1には、「絶縁基板の少なくとも一方の板面に信号線及びグランド線が形成されているプリント配線板2と、プリント配線板2とFPC10とを電気的に接続するために用いられる基板用コネクタ15と、を備えた回路体接続構造1であって、基板用コネクタ15に収容された信号接触子の基板側電気接触部と電気的に接触する複数対の信号線が、プリント配線板2の板面に固定された基板用コネクタ15の前側に位置し、基板用コネクタ15に収容されたグランド接触子の基板側電気接触部と電気的に接続するグランド線が基板用コネクタ15の後側に位置し、信号線とグランド線とが相互に対峙する回路体接続構造1」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−213998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、各種電気製品の製造工程において、各電子部品・部材(配線基板等)の回路基板への実装は、自動化の著しい進展が達成されつつある。しかしながら、例えば、上記特許文献1記載のような回路組立体においては、回路基板上での配線基板の取り付けが回路基板上に搭載された基板用コネクタを介して行うものである。このとき、配線基板の取り付けが回路基板の略垂直面に配置された基板用コネクタ挿入口から挿入する必要があるため、配線基板の回路基板への実装は、自動化が極めて困難なものとなっている。
【0006】
さらに、特許文献1記載のような回路組立体であって、配線基板の基板用コネクタへの挿着の際、無荷重挿入機能(いわゆるゼロインサーション:Zero Insertion Force socket)を有したZIFコネクタを用いる場合は、スライダ等のZIFロックのコネクタボディーへの挿入作業を行わなくてはならず、この観点からも、配線基板の回路基板への実装は、自動化が極めて困難なものとなっている。
【0007】
本発明の目的は、回路基板への配線基板の実装の自動化を実現可能な回路組立体、回路組立体の組立方法及び電気コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、回路組立体であって、両端部に被固定手段を有する配線基板と、電気コネクタであり、電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、複数の導電性の接触子であり、ハウジングに保持され、その中央部分が開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、ハウジングの両端部において配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を有する電気コネクタと、を備え、電気コネクタと配線基板とが結合するときに、固定手段が配線基板の被固定手段に嵌合する、回路組立体である。
【0009】
一実施形態においては、固定手段は、被固定手段と嵌合したときに、回路基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える。
【0010】
一実施形態においては、配線基板上に配置される押圧部材であり、ハウジングに固定されると共に、配線基板をハウジング側に押圧する、該押圧部材を備える。
【0011】
一実施形態においては、ハウジングは、対向して配置される第1側壁部及び第2側壁部を少なくとも有し、当該第1側壁部及び第2側壁部により開放面が画成されており、接触子は、第1側壁部と第2側壁部との間の所定の位置に配置されると共に第1側壁部及び第2側壁部のいずれか一方、もしくは両方に保持されている。
【0012】
本発明の一側面は、配線基板と電気コネクタとを含む回路組立体の組立方法であって、配線基板は、両端部に被固定手段を有し、電気コネクタは、電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、複数の導電性の接触子であり、ハウジングに保持され、その中央部分が開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、ハウジングの両端部において配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を有しており、電気コネクタのハウジング上に配線基板を載置し、固定手段を配線基板の被固定手段に嵌合させてなる、回路組立体の組立方法である。
【0013】
本発明の一側面は、配線基板と結合する電気コネクタであって、電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、複数の導電性の接触子であり、ハウジングに保持され、その中央部分が開放面から外方に傾斜しつつ突出する、該接触子と、ハウジングの両端部において配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を備え、電気コネクタと配線基板とが結合するときに、固定手段が配線基板の被固定手段に嵌合する、電気コネクタである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線基板、電気コネクタから構成された回路組立体は、配線基板を電気コネクタの上方から配置して配線基板を電気コネクタに固定できるため、配線基板の実装の自動化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。
【図2】図1に示す回路組立体の分解斜視図である。
【図3】(a)は図1に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、(b)は図1に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。
【図4】図1に示す回路組立体の電気コネクタの分解斜視図である。
【図5】電気コネクタの一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】(a)は、配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を示した側面図であり、(b)は、配線基板と電気コネクタとが結合した状態を示す側面図である。
【図7】(a)は配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を一部拡大して示す断面図であり、(b)は配線基板と電気コネクタとが結合した状態を一部拡大して示す断面図である。
【図8】接触子を示す斜視図である。
【図9】図2におけるIX−IX線断面図である。
【図10】回路組立体の組み立て工程を示す図である。
【図11】第1実施形態の他の様態を示す斜視図である。
【図12】第2実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。
【図13】(a)は図12に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、(b)は図12に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。
【図14】(a)は図12に示す回路組立体の電気コネクタを上方から示す斜視図であり、(b)は図12に示す回路組立体の電気コネクタを下方から示す斜視図である。
【図15】電気コネクタと配線基板とが結合した状態を示す斜視図である。
【図16】(a)は図12に示す回路組立体の押圧部材を上方から示す斜視図であり、(b)は図12に示す回路組立体の押圧部材を下方から示す斜視図である。
【図17】第3実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。
【図18】図17におけるA−A線断面図である。
【図19】第4実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。
【図20】図19におけるB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。図2は、図1に示す回路組立体の分解斜視図である。図3(a)は、図1に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、図3(b)は、図1に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。図1及び図2では、図示のとおりX方向、Y方向及びZ方向を定義する。
【0018】
各図に示す回路組立体1は、高速差動信号を受信するデジタル信号受像器(図示しない)などに適用されるものである。回路組立体1は、配線基板2と、電気コネクタ3と、補強部材4とを備えている。電気コネクタ3は、配線基板2をIC(Integrated Circuit)などが搭載された回路基板5に電気的に接続する部品である。
【0019】
最初に、配線基板2について説明する。図3に示すように、配線基板2は、例えば、FPC(Flexibleprinted circuits)などを含む基板であり、ポリイミドなどの材料で構成される厚さ数十μm程度の絶縁基板に配線導体としての信号線及びグランド線6aがプリントされている。絶縁基板の一面の端部には、信号線及びグランド線6aが電気的に接続される複数の端子6が並設されている。配線パターンを構成する配線導体には、厚さ数十μm程度の導電性金属箔、例えば銅箔などを用いることができる。
【0020】
上記の構成を有する配線基板2の先端部2Aは、他の部分よりも幅広に形成されている。配線基板2の先端部2Aは略矩形形状を呈しており、先端部2Aには、嵌合穴(被固定手段)7が形成されている。つまり、被固定手段は、配線基板の両端部に形成された穴である。嵌合穴7は、略矩形形状を呈しており、配線基板2の幅方向(X方向)の両端部に形成されている。嵌合穴7は、配線基板2の長手方向(Y方向)に沿ってそれぞれ複数(ここでは2つ)並設されている。また、先端部2Aには、切欠部8が形成されている。切欠部8は、略矩形形状を呈しており、嵌合穴7,7の間に設けられている。
【0021】
次に、電気コネクタ3について説明する。図4は、図1に示す回路組立体の電気コネクタの分解斜視図である。図4に示すように、電気コネクタ3は、ハウジング10と、基板保持部(固定手段)12a,12bと、接触子14とを備えている。電気コネクタ3の外形寸法は、例えば長さが12.50mm、幅が4.50mm、高さが1.00mm程度となっている。なお、図4では、説明の便宜上、接触子14の図示を一部省略している。
【0022】
ハウジング10は、電気絶縁性を有する材料から形成されている。電気絶縁性を有する材料としては、工業用プラスチック材料、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート:polybutylene terephthalate)、PC(ポリカーボネート:Polycarbonate)、PSS(ポリスチレンスルホン酸:polystyrene sulfonate)、LCP(液晶ポリマー:LiquidCrystal Polymer(Plastic))、ナイロン等の様々な樹脂を使用できる。ハウジング10は、例えば樹脂の射出成形により形成されている。
【0023】
ハウジング10は、第1側壁部20と、第2側壁部21と、第1側壁部20と第2側壁部21とを連結する一対の連結部22,23とから構成されている。第1側壁部20及び第2側壁部21は、断面が略矩形形状を呈する柱状の部材であり、互いに所定の間隔をあけて対向配置されていると共に、互いに略平行に延在している。第1側壁部20及び第2側壁部21のそれぞれの上面20a,21aは、平坦面であり、同じ高さ位置となっている。
【0024】
連結部22,23は、第1側壁部20及び第2側壁部21の長手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられている。連結部22と連結部23とは、同様の構成を有している。ここでは、連結部22を例示して構成を説明する。
【0025】
連結部22は、基部25と、第1〜第3突起部26,27,28とから構成されている。基部25は、第1及び第2側壁部20,21の長手方向の一端部に連設されている。基部25は、板状の部材であり、第1側壁部20と第2側壁部21との対向方向(Y方向)に沿って延在している。基部25には、後述する基板保持部12a,12bを取り付けるための係合溝25aが形成されている。係合溝25aは、第3突起部28を挟んで一対設けられており、第1及び第2側壁部20,21の長手方向に沿って延びている。
【0026】
第1〜第3突起部26〜28は、基部25から上方に突出しており、その先端は、第1側壁部20及び第2側壁部21の上面20a,21aよりも上方に位置している。第1突起部26及び第2突起部27は、基部25の長手方向(ハウジング10の幅方向:Y方向)の両端部に設けられており、互いに対向して配置されている。第3突起部28は、基部25の幅方向(ハウジング10の長手方向:X方向)の中央部分に配置され、基部25の上面から上方に突出している。
【0027】
第1〜第3突起部26〜28の上部には、それぞれガイド面26a,27a,28aが形成されている。ガイド面26a,27a,28aは、ハウジング10の内側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面(テーパー)である。ガイド面26a,27a,28aの下端は、第1及び第2側壁部20,21の上面20a,21aの高さ位置と略同等となっている。このガイド面26a,27a,28aは、ハウジング10に配線基板2が配置される際の位置決め機構として機能する。
【0028】
ハウジング10には、第1側壁部20、第2側壁部21及び連結部22,23により、略矩形形状の開口部Kが画成されている。また、ハウジング10は、第1側壁部20及び第2側壁部21の上面20a,21aにより開放面OSが画成されており、一方向において開口されている。なお、図9に示すように、ハウジング10の底面は、面一となっている。これにより、ハウジング10は、回路基板5に安定的に固定される。
【0029】
図5は、電気コネクタの一部を拡大して示す斜視図である。図6(a)は、配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を示した側面図であり、図6(b)は、配線基板と電気コネクタとが結合した状態を示す側面図である。図7(a)は、配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を一部拡大して示す断面図であり、図7(b)は、配線基板と電気コネクタとが結合した状態を一部拡大して示す断面図である。
【0030】
図5に示す基板保持部12a,12bは、配線基板2をハウジング10に保持固定する手段である。図5に示すように、基板保持部12a,12bは、弾性を有する例えば金属などの材料から形成されている。連結部22に配置される基板保持部12aと連結部23に配置される基板保持部12bとは、同様の構成を有している。ここでは、連結部23に配置される基板保持部12bを例示して構成を説明する。
【0031】
基板保持部12bは、第1側壁部20及び第2側壁部21の長手方向の一端部側、すなわちハウジング10の連結部23に取り付けられている。基板保持部12bは、配線基板の穴に嵌合可能に構成された嵌合部と、嵌合部と連設され、ハウジングに固定される基部とを有している。すなわち、基板保持部12bは、可撓性を有しており、基部30と、嵌合部31と、基部30と嵌合部31とを連結する連結部32とから構成されている。基部30、嵌合部31及び連結部32は、板金により一体に形成されている。
【0032】
基部30は、板状の部材であり、連結部22の長手方向(Y方向)に延在する長尺部分30aと、長尺部分30aの短手方向の側部から一方向に向かって張り出す一対の張出部分30b,30cとを有している(図5参照)。基部30は、連結部22の底面側に配置される。
【0033】
嵌合部31は、配線基板2の嵌合穴7及び後述する補強部材4の嵌合穴9に嵌合する部分である。図6に示すように、嵌合部31は、上面部31aと、上面部31aの一端側に連設された第1側面部31bと、上面部31aと連結部32との間に連設された第2側面部31cとから構成されている。
【0034】
上面部31aは、上から見て略矩形形状を呈しており、配線基板2の嵌合穴7及び補強部材4の嵌合穴9と略同等の寸法を有している。上面部31aには、係止部34が設けられている。係止部34は、配線基板2及び補強部材4を係止する部分であり、上面部31aの側面に設けられている。係止部34は、上面部31aの上面から外側の下方に傾斜する傾斜面を有している。
【0035】
第1側面部31b及び第2側面部31cは、嵌合穴7及び嵌合穴9と当接する部分である。第1側面部31bと第2側面部31cとの幅寸法は、嵌合穴7及び嵌合穴9の径よりも大きくなっている。第1側面部31bの外面には、外側に膨らむ湾曲面が設けられている。また、第1側面部31bの先端と連結部32との間には、隙間Dが設けられている。嵌合部31は、配線基板2が押し込まれる際に押圧されたときに、隙間D分だけ下方に撓むことが可能に設けられている。
【0036】
連結部32は、基部30の一端部と嵌合部31の一端部とを一体的に連結している。連結部32は、略U字状を呈しており、ハウジング10の連結部22,23に形成された係合溝25aに挿入される。これにより、基板保持部12a,12bが連結部22,23に固定される。固定手段は、被固定手段と嵌合したときに、配線基板の中心から横方向に相反する力を配線基板に与える。すなわち、基板保持部12a,12bは、配線基板2の嵌合穴7及び補強部材4の嵌合穴9と嵌合したときに、配線基板2及び補強部材4に対して、中央部(中心)から両端部側(横方向)に向かって相反する方向、つまりX方向の外側に引っ張る張力を与える。また、上面部31aの係止部34により、配線基板2及び補強部材4が係止され、電気コネクタ3に配線基板2及び補強部材4が固定される。
【0037】
続いて、接触子14について説明する。図2に示すように、接触子14は、ハウジング10に複数(ここでは30本)配列されている。接触子14は、ハウジング10において第1側壁部20と第2側壁部21とにより画成される空間Sに配列されており、配線基板2との接点が露出している。接触子14の幅は、例えば0.15mm程度であり、接触子14同士の配列ピッチは、例えば0.15mm程度である。接触子14は、例えば一定板厚のプレートをプレス加工により打ち抜くことにより形成できる。これにより、折り曲げ形状を有する接触子14を容易に、且つ精度良く加工できる。
【0038】
接触子14は、その両端が第1側壁部20と第2側壁部21とに固定されて支持されている。詳細には、接触子14は、例えばハウジング10の射出成形時にハウジング10と一体に形成されて固定されもよいし、ハウジング10に圧入されてハウジング10に固定されてもよい。隣接する接触子14同士は、互いに逆方向に配置されている。これにより、接触子14は、ハウジング10の長手方向において、配線基板2との接点が千鳥状に配列されている。接触子14の具体的な構成について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、接触子を示す斜視図である。図9は、図2におけるIX−IX線断面図である。
【0039】
図8及び図9に示すように、接触子14は、接続端子40と、第1側壁部20の所定の位置に埋め込まれる第1端部41と、第2側壁部21の所定の位置に埋め込まれる第2端部42と、第1端部41側に連設され、第2側壁部21側に延びる第1部分43と、第2端部42側に連設され、第1側壁部20側に延びる第2部分44と、第1部分43と第2部分44とを屈曲部により連結する中央部分45と、を備え、第2部分44は、複数の直線部分と複数の屈曲部分とを有し、複数の直線部分のうちの一の直線部分と第1部分43とは、略平行をなして開放面OSに対して傾斜しており、中央部分45は、電気コネクタ3が配線基板と結合するときに、開放面OSに向かって弾性的に移動する。接続端子40、第1端部41、第2端部42、第1部分43、第2部分44及び中央部分45は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。
【0040】
接続端子40は、接触子14の一端側の部分であり、直線状に構成されている。接続端子40は、回路基板5に設けられた接触部(図示しない)に電気的に接触する。接続端子40は、第1側壁部20の外側面の外側に位置する。
【0041】
第1端部41は、接続端子40と第1部分43との間の部分である。第1端部41は、その一部が第1側壁部20に埋め込まれており、第1側壁部20に支持固定される。第1端部41は、直線状に構成されており、接続端子40よりも上方の位置において接続端子40と略平行に延在している。第2端部42は、その一部が第2側壁部21に埋め込まれており、第2側壁部21に支持固定される。接触子14は、この第2端部42と第1端部41との2箇所でハウジング10に固定されて支持されている。
【0042】
第1部分43は、第1端部41と中央部分45との間の部分である。第1部分43は、第1端部41に連設されており、第1側壁部20の底面側から開放面OS側に向かって傾斜して延在している。第2部分44は、第2端部42と中央部分45との間の部分である。第2部分44は、第1直線部(直線部分)44aと、第2直線部44bと、第3直線部44cと、第1屈曲部(屈曲部分)44dと、第2屈曲部44eとを有している。
【0043】
第1直線部44aと第2直線部44bとは、略V字状を呈する第1屈曲部44dにより連結されている。第1直線部44aは、第2端部42から第1側壁部20側に向かって延在しており、第2側壁部21側から第1側壁部20側に向かって下方に傾斜している。第2直線部44bは、第1屈曲部44dから第1側壁部20側に向かって延在しており、第2側壁部21側から第1側壁部20側に向かって上方に傾斜している。
【0044】
第2直線部44bと第3直線部44cとは、略V字状を呈する第2屈曲部44eにより連結されている。第3直線部44cは、第2屈曲部44eから第2側壁部21側に向かって延在しており、第1側壁部20側から第2側壁部21側に向かって上方に傾斜している。つまり、第3直線部44cは、第2屈曲部44eにより第2直線部44bに対して折り返されている。
【0045】
中央部分45は、U字状に折り曲げられた屈曲部分45aを有しており、第1部分43と第2部分44の第3直線部44cとが所定の間隔をあけて略平行となるように、第1部分43と第2部分44とを連結している。中央部分45の頂部は、配線基板2の端子6との接点である。中央部分45は、第1側壁部20及び第2側壁部21の上面20a,21a、すなわち開放面OSに対して傾斜しつつ、開放面OSよりも上方(外方)に突出している。これにより、接触子14は、上方から載置される配線基板2の端子6と接触可能とされている。
【0046】
なお、上記の接触子14に隣接する接触子14は、上述の構成を左右反転させた構成を有している。すなわち、上述した接触子14に隣接する接触子14では、接続端子40が第2側壁部21の外側に位置しており、第1端部41が第2側壁部21に固定されている。また、第2端部42が第1側壁部20に固定されている。このような構成により、接触子14は、その接点が千鳥状に配列される。
【0047】
このような構成を有する接触子14は、複数の屈曲部を備えることにより弾性を有しており、配線基板2が載置されて下方に押圧されると、開放面OS側に配線基板2を押し上げる方向に移動する弾性的な反力が作用する。また、接触子14は、配線基板2が載置されたときに、下方に撓むことによりその接点が配線基板2の端子6に沿って摺動する。
【0048】
補強部材4は、配線基板2がハウジング10に載置されたときに、配線基板2の固定をサポートする部材である。補強部材4は、略矩形形状を呈しており、配線基板2の先端部2Aと略同形状となっている。補強部材4は、例えば剛性を有する材料であって、例えば、ガラスエポキシ板、紙フェノール板、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルムや金属板等から形成されており、配線基板2の厚みと同等の厚みを有している。補強部材4には、配線基板2の嵌合穴7に対応する位置、すなわちハウジング10における基板保持部12a,12bの嵌合部31に対応する位置に嵌合穴9形成されている。また、また、補強部材4には、切欠部4aが形成されている。切欠部4aは、略矩形形状を呈しており、嵌合穴9の間に設けられている。
【0049】
補強部材4は、配線基板2の一面(端子6が設けられている面の反対の面)に配置され、嵌合穴9がハウジング10の基板保持部12a,12bと嵌合する。これにより、補強部材4には、配線基板2と同様に、この補強部材4を外側に引っ張る張力が与えられる。したがって、補強部材4が配線基板2を下方に押圧し、回路組立体1では、配線基板2の端子6と電気コネクタ3の接触子14との接触がより確実なものとなる。
【0050】
続いて、回路組立体1の組立方法について説明する。図10は、回路組立体の組立手順を示す図である。
【0051】
図10に示すように、まず、電気コネクタ3を回路基板5上に配置する。次に、電気コネクタ3の上方に配線基板2を配置し、配線基板2を電気コネクタ3(ハウジング10)上に載置する。このとき、ハウジング10の第1〜第3突起部26〜28により配線基板2が位置決めされる。詳細には、配線基板2の切欠部8にハウジング10の第3突起部28が係合すると共に、各ガイド面26a,27aにより配線基板2が所定の位置に配置される。そして、配線基板2を押圧し、基板保持部12a,12bの嵌合部31と配線基板2の嵌合穴7とを嵌合させる。このとき、配線基板2が嵌合部31の係止部34により係止され、電気コネクタ3に配線基板2が固定される。
【0052】
配線基板2と電気コネクタ3とが結合すると、基板保持部12a,12bによって配線基板2に張力が与えられる。この張力は、配線基板2の中央から相反する方向(基板保持部12a,12bが設けられている方向)、つまり配線基板2の両端部を互いに外側に引っ張る方向に付与される。これにより、配線基板2の全面に亘って下方に押圧する力が作用し、配線基板2の端子6と電気コネクタ3の接触子14との接続が確保される。
【0053】
続いて、配線基板2の上方に補強部材4を配置し、補強部材4を配線基板2上に載置する。そして、補強部材4を押圧し、基板保持部12a,12bの嵌合部31と補強部材4の嵌合穴9とを嵌合させる。これにより、配線基板2と同様に、補強部材4に張力が付与される。なお、補強部材4は、配線基板2を電気コネクタ3に載置すると同時に配置されてもよい。以上のように、本実施形態では、電気コネクタ3に対して配線基板2及び補強部材4をこの順に積層することにより回路組立体1が組み立てられる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、電気コネクタ3のハウジング10は、第1側壁部20と第2側壁部21とが対向して配置され、この第1側壁部20と第2側壁部21とりにより開放面OSが画成されている。また、接触子14は、第1側壁部20及び第2側壁部21との間に配列されると共に、第1側壁部20及び第2側壁部21に固定されており、その中央部分45(配線基板2との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。また、ハウジング10の両端部には、配線基板2に設けられた嵌合穴7に対応する位置に基板保持部12a,12bが設けられている。
【0055】
このような構成の電気コネクタ3では、接触子14が開放面OSから突出しているため電気コネクタ3に配線基板2を載置することにより、接触子14と配線基板2の端子6とを接続できる。したがって、電気コネクタ3に配線基板2を取り付ける場合には、電気コネクタ3の上方から配線基板2を電気コネクタ3に載置し、配線基板2を上方から押圧する。つまり、本実施形態の回路組立体1では、PFC2を上方から押し込むことにより、配線基板2を電気コネクタ3に実装できる。そのため、従来のように、配線基板2を水平方向から挿し込む作業を必要としない。したがって、回路基板5に搭載される電気コネクタ3に対する配線基板2の実装の自動化を実現できる。
【0056】
また、基板保持部12a,12bは、PFC2の嵌合穴7と嵌合したときに、配線基板2に対して配線基板2を外側に引っ張る張力を与える。したがって、電気コネクタ3に対して配線基板2が載置される構成であっても、ハウジング10と配線基板2とを確実に固定でき、接触子14と端子6との電気的な接続を良好に確保できる。
【0057】
また、接触子14は、複数の屈曲部(折り返し点)を有して構成されている。このような構成により、接触子14の長さを確保できる。また、接触子14は、第1側壁部20及び第2側壁部21に第1端部41及び第2端部42が保持される、いわゆる両持ち構造である。そのため、一端部のみで支持する、いわゆる片持ちの構造である場合に比べて、開放面OS側に移動する力、すなわち配線基板2が載置されたときに与えられる押圧に対する反力(弾性力)を得ることができる。これにより、接触子14と配線基板2の端子6との接触をより確実に行うこと可能となる。
【0058】
また、隣り合う接触子14同士は、その向きが左右反転されて配置されている。そのため、接触子14の中央部分45同士が隣り合わない。これにより、接触子14が押圧されて撓んだ場合であっても、隣接する中央部分45が接触することを防止できる。したがって、接触子14を狭ピッチで配置できる。
【0059】
なお、上記実施形態では、配線基板2と補強部材4とを別部材としているが、配線基板2と補強部材4とが一体に形成されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、接続端子40が第1側壁部20又は第2側壁部21の外側面から面外方向に張り出す構成を例示しているが、接続端子40の構成はこれに限定されない。接続端子40は、回路基板5と電気的な接触が確保される構成であればよく、回路基板5の構成に合わせて適宜設定されればよい。
【0061】
また、上記実施形態に加えて、回路組立体1は、図11に示すような構成であってもよい。図11は、第1実施形態の他の様態を示す分解斜視図である。図11に示すように、回路組立体1Aでは、電気コネクタ3Aにおける第1側壁部20の上面20aにおいて、上面20aから上方に突出する略円柱状の突出部46が設けられる。これに対応して、配線基板2B及び補強部材4Aには、突出部46に対応する位置に切欠部47,48が設けられている。このような構成により、回路組立体1Aでは、配線基板2を電気コネクタ3に載置する際、配線基板2の位置決めを容易に行うことができる。なお、突出部46の位置及び数は図10に示す構成に限定されない。
【0062】
さらには、上記実施形態では、配線基板2及び補強部材4を固定する基板保持部12a,12bをハウジング10の両端部に設けているが、配線基板2などを保持する手段を他の箇所に更に設けてもよい。詳細には、例えば第2側壁部21に固定手段が設けられてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、接触子14を第1側壁部20と第2側壁部21とにより保持しているが、接触子14は、一端のみが保持される構成であってももちろんよい。
【0064】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。図13(a)は、図12に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、図13(b)は、図12に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。図14(a)は、図12に示す回路組立体の電気コネクタを上方から示す斜視図であり、図14(b)は、図12に示す回路組立体の電気コネクタを下方から示す斜視図である。図15は、電気コネクタと配線基板とが結合した状態を示す斜視図である。図12では、図示のとおりX方向、Y方向及びZ方向を定義する。
【0065】
図12〜14に示すように、回路組立体50は、配線基板51と、電気コネクタ52と、押圧部材53とを備えている。電気コネクタ52は、配線基板51をICなどが搭載された回路基板(図示しない)に電気的に接続する部品である。
【0066】
最初に、配線基板51について説明する。図13に示すように、配線基板51は、上記の配線基板2と同様に、ポリイミドなどの材料で構成される厚さ数十μm程度の絶縁基板に配線導体としての信号線及びグランド線54aがプリントされている。絶縁基板の一面の端部には、信号線及びグランド線54aが電気的に接続される複数の端子54が並設されている。
【0067】
上記の構成を有する配線基板51の先端部51Aは、他の部分よりも幅広に形成されている。配線基板51の先端部51Aは略矩形形状を呈しており、先端部51Aには、嵌合穴(被固定手段)55が形成されている。嵌合穴7は、略円形形状を呈しており、配線基板51の幅方向(X方向)の両端部に形成されている。嵌合穴55は、配線基板51の長手方向(Y方向)に沿ってそれぞれ複数(ここでは2つ)並設されている。
【0068】
配線基板51の一面(端子54が設けられている面と反対の面)には、補強部材56が設けられている。補強部材56は、例えばポリイミドなどの材料で形成されており、配線基板51の先端部51Aに配置されている。配線基板51の嵌合穴55は、補強部材56を貫通している。
【0069】
次に、電気コネクタ52について説明する。図14に示すように、電気コネクタ52は、ハウジング60と、押圧部材保持部(固定手段)61a,61bと、接触子14とを備えている。
【0070】
ハウジング60は、第1側壁部63と、第2側壁部64と、第1側壁部63と第2側壁部64とを連結する一対の連結部65,66とから構成されている。第1側壁部63及び第2側壁部64は、断面が略矩形形状を呈する柱状の部材であり、互いに所定の間隔をあけて対向配置されていると共に、互いに略平行に延在している。第1側壁部63及び第2側壁部64のそれぞれの上面63a,64aは、平坦面であり、同じ高さ位置となっている。
【0071】
第2側壁部64には、突設部67が設けられている。突設部67は、断面が略矩形状を呈する部材であり、第2側壁部64の上面64aから突設されている。突設部67は、第2側壁部64の外面に沿って配置されていると共に、第2側壁部64の中央部分において所定の間隔をあけて離間している。突設部67は、配線基板51の位置決め機構として機能する。
【0072】
連結部65,66は、第1側壁部63及び第2側壁部64の長手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられている。連結部65と連結部66とは、同様の構成を有している。ここでは、連結部65を例示して構成を説明する。
【0073】
連結部65には、突起部(固定手段)68a,68bが設けられている。突起部68a,68bは、連結部65においてY方向に沿って所定の間隔をあけて複数(ここでは2つ)配置されている。突起部68a,68bは、連結部65の上面から上方に突出して設けられており、その断面が略半円形形状を呈している。突起部68a,68bは、配線基板51の嵌合穴55が挿入される部分であり、後述する押圧部材保持部61a,61bの係止爪72a,72bとの協働により、配線基板51を保持固定する。
【0074】
ハウジング60には、第1側壁部63、第2側壁部64及び連結部65,66により、矩形形状の開口部Kが画成されている。また、ハウジング60は、第1側壁部63及び第2側壁部64の上面63a,64aにより開放面OSが画成されており、一方向において開口されている。
【0075】
ハウジング60の裏面には、絶縁シートISが設けられている。絶縁シートISは、ハウジング60の裏面側において、第1側壁部63、第2側壁部64及び連結部65,66により画成される開口部Kを閉塞している。絶縁シートISは、回路基板と接触子14とを電気的に絶縁している。
【0076】
押圧部材保持部61a,61bは、押圧部材53をハウジング60に固定する部分である。押圧部材保持部61a,61bは、連結部65,66に配置されている。押圧部材保持部61aと押圧部材保持部61bとは、同様の構成を有している。ここでは、押圧部材保持部61aを例示して構成を説明する。
【0077】
押圧部材保持部61aは、連結部65の上面に沿って配置される基部70と、基部70の両端部(Y方向)に配置される係止部71a,71bとを有している。基部70には、突起部68a,68bに対応する位置に、係止爪72a,72bが設けられている。係止爪72a,72bは、突起部68a,68bに対向して配置されており、基部70の上面から上方に起立して設けられている。係止爪72a,72bは、湾曲形状を呈しており、突起部68a,68bに対して凸状に反っている。この係止爪72a,72bにより、配線基板51及び押圧部材53(後述)をハウジング60の長手方向(X方向)の外側に引っ張る張力が配線基板51及び押圧部材53に与えられ、配線基板51及び押圧部材53がハウジング60に保持固定される。
【0078】
係止部71a,71bには、係止爪73a,73bがそれぞれ設けられている。図14(a)に示すように、係止爪73a(73b)は、ハウジング60の幅方向の外側に向かって下方に傾斜している。
【0079】
接触子14は、第1実施形態と同様の構成を有している。すなわち、接触子14は、その両端が第1側壁部63と第2側壁部64とに固定されて支持されている。隣接する接触子14同士は、互いに逆方向に配置されている。これにより、接触子14は、ハウジング10の長手方向において、配線基板51との接点が千鳥状に配列されている。
【0080】
接触子14は、接続端子40と、第1端部41と、第2端部42と、第1部分43と、第2部分44と、中央部分45とから構成されている。接続端子40、第1端部41、第2端部42、第1部分43、第2部分44及び中央部分45は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。
【0081】
図16(a)は、図12に示す回路組立体の押圧部材を上方から示す斜視図であり、図16(b)は、図12に示す回路組立体の押圧部材を下方から示す斜視図である。図16に示す押圧部材53は、配線基板上に配置される押圧部材であって、ハウジングに固定されると共に、配線基板をハウジング側に押圧する。すなわち、押圧部材53は、配線基板51を電気コネクタ52のハウジング60側に押圧する部材である。押圧部材53は、例えば金属などの材料から形成されており、押圧部75と、側面部76と、一対の係合部77,78とを有している。押圧部75、側面部76及び係合部77,78とは、板金により一体に形成されている。
【0082】
押圧部75は、配線基板51の一面と当接する部分であり、板状をなしている。押圧部75には、配線基板51の嵌合穴55に対応する位置、すなわち電気コネクタ52の突起部68a,68bに対応する位置に、嵌合穴79が設けられている。側面部76は、押圧部75の長手方向の一側面の端部から起立している。側面部76は、押圧部75に沿って設けられている。側面部76の両端部には、押圧部材保持部61a,61bの係止部71a,71bの係止爪73bと係合する係合穴80a,80bがそれぞれ形成されている。
【0083】
係合部77,78は、押圧部75の他側面の両端部にそれぞれ配置されている。係合部77,78は、押圧部75の他側面から押圧部75の面方向に張り出していると共に、その端部から側面部76と同じ方向に起立している。係合部77,78には、押圧部材保持部61a,61bにおける係止部71a,71bの係止爪73aと係合する係合穴81,82が形成されている。図12に示すように、回路組立体50において、一対の係合部77,78の間には、配線基板51が配置される。
【0084】
続いて、回路組立体50の組立方法について説明する。まず、電気コネクタ52を回路基板上に配置する。次に、電気コネクタ52の上方に配線基板51を配置し、配線基板51を電気コネクタ52(ハウジング60)上に載置する。そして、配線基板51を押圧し、ハウジング60の突起部68a,68b及び押圧部材保持部61a,61bの係止爪72a,72bと配線基板51の嵌合穴55とを嵌合させる。このとき、配線基板51が押圧部材保持部61a,61bの係止部71a,71bにより係止され、電気コネクタ52に配線基板51が固定される。
【0085】
配線基板51と電気コネクタ52とを固定した後、配線基板51の上方に押圧部材53を配置し、補強部材56を配線基板51上に載置する。そして、押圧部材53を押圧し、ハウジング60の突起部68a,68b及び押圧部材保持部61a,61bの係止爪72a,72bと押圧部材53の嵌合穴79とを嵌合させる。さらに、押圧部材保持部61a,61bの係止部71a,71bの係止爪73a,73bと押圧部材53の係合穴80a,80b,81,82とを係合させる。
【0086】
これにより、配線基板51に対して、押圧部材53から電気コネクタ52側に一様に押圧する力が付与される。したがって、配線基板51の端子54と電気コネクタ52の接触子14とが確実に接触する。なお、押圧部材53は、配線基板51を電気コネクタ52に載置すると同時に配置されてもよい。以上のように、本実施形態では、電気コネクタ52に対して配線基板51及び押圧部材53をこの順に積層することにより回路組立体50が組み立てられる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態では、電気コネクタ52のハウジング60は、第1側壁部63と第2側壁部64とが対向して配置され、この第1側壁部63と第2側壁部64とりにより開放面OSが画成されている。また、接触子14は、第1側壁部63及び第2側壁部64との間に配列されると共に、第1側壁部63及び第2側壁部64に固定されており、その中央部分45(配線基板2との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。
【0088】
このような構成の電気コネクタ52では、接触子14が開放面OSから突出しているため電気コネクタ52に配線基板51を載置することにより、接触子14と配線基板51の端子54とを接続できる。したがって、電気コネクタ52に配線基板51を取り付ける場合には、電気コネクタ52の上方から配線基板51を電気コネクタ52に載置し、配線基板51を上方から押圧する。つまり、本実施形態の回路組立体50では、配線基板51を上方から押し込むことにより、配線基板51を電気コネクタ52に実装できる。
【0089】
また、押圧部材53により配線基板51がハウジング60側に配線基板51の全面に亘って一様に押圧される。したがって、接触子14と配線基板51の端子54との接続をより確実なものとできる。その結果、回路組立体50の信頼性の向上が図れる。
【0090】
なお、上記実施形態では、押圧部材53により配線基板51を押圧することにより配線基板51の端子54と接触子14との接続を確保しているが、この構成に加えて、配線基板51を外側に引っ張る張力を与える機構(第1実施形態の基板保持部12a,12b)を更に備えていてもよい。
【0091】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。図17は、第3実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。図18は、図17におけるA−A線断面図である。
【0092】
図17及び図18に示すように、電気コネクタ90は、ハウジング91と、基板保持部92a,92bと、接触子93とを有している。ハウジング91は、第1側壁部95と、第2側壁部96と、第3側壁部97と、第1〜第3側壁部95〜97を連結する一対の連結部98,99とから構成されている。
【0093】
第1側壁部95、第2側壁部96及び第3側壁部97は、断面が略矩形形状を呈する柱状の部材であり、互いに所定の間隔をあけて対向配置されていると共に、互いに略平行に延在している。第3側壁部97は、第1側壁部95と第2側壁部96との間に配置されている。第1側壁部95、第2側壁部96及び第3側壁部97のそれぞれの上面95a,96a,97aは、平坦面であり、同じ高さ位置となっている。
【0094】
連結部98,99は、第1〜第3側壁部95〜97の長手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられている。連結部98と連結部99とは、同様の構成を有している。ここでは、連結部98を例示して構成を説明する。
【0095】
連結部98は、基部100と、係止部101a,101bとから構成されている。基部100は、第1〜第3側壁部95〜97の長手方向の一端部に連設されている。基部100は、板状の部材であり、第1〜第3側壁部95〜97の対向方向(Y方向)に沿って延在している。
【0096】
係止部101a,101bは、基部100から上方に突出しており、その先端は、第1〜第3側壁部95〜97の上面95a,96a,97aよりも上方に位置している。係止部101a,101bには、ハウジング91の内側に張り出す係止部102が設けられている。係止部102は、図示しない配線基板を係止する。
【0097】
また、係止部101a,101bの上部には、それぞれガイド面103a,103bが形成されている。ガイド面103a,103bは、ハウジング91の内側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面(テーパー)である。ガイド面103a,103bの下端は、第1及び第2側壁部95,96の上面95a,96aの高さ位置と略同等となっている。このガイド面103a,103bは、ハウジング91に配線基板が配置される際の位置決め機構として機能する。
【0098】
ハウジング91には、第1側壁部95、第2側壁部96、第3側壁部97及び連結部98,99により、矩形形状の開口部K1,K2が画成されている。また、ハウジング91は、第1〜第3側壁部95〜97の上面95a,96a,97aにより開放面OSが画成されており、一方向において開口されている。
【0099】
基板保持部92a,92bは、配線基板をハウジング91に保持固定する手段である。基板保持部92a,92bは、弾性を有する例えば金属などの材料から形成されている。連結部98に配置される基板保持部92aと連結部99に配置される基板保持部92bとは、同様の構成を有している。ここでは、連結部98に配置される基板保持部92aを例示して構成を説明する。なお、基板保持部92a,92bは、射出成形によりハウジング91と一体に形成されている。
【0100】
基板保持部92aは、第1〜第3側壁部95〜97の長手方向の一端部側、すなわちハウジング91の連結部98に取り付けられている。基板保持部92aは、可撓性を有しており、基部110と、嵌合部111とから構成されている。基部110と嵌合部111とは、板金により一体に形成されている。
【0101】
基部110は、板状の部材であり、連結部98の長手方向(Y方向)に延在している。嵌合部111は、配線基板の図示しない嵌合穴に嵌合する部分である。図17に示すように、嵌合部111は、上面部111aと、上面部111aの一端側に連設された第1側面部111bと、上面部111aと基部110との間に連設された第2側面部111cとから構成されている。
【0102】
上面部111aは、上から見て略矩形形状を呈しており、配線基板の嵌合穴と略同等の寸法を有している。第1側面部111b及び第2側面部111cは、配線基板の嵌合穴と当接する部分である。第1側面部111bと第2側面部111cとの幅寸法は、配線基板の嵌合穴の径よりも大きくなっている。基板保持部92a,92bは、配線基板の嵌合穴と嵌合したときに、配線基板に対して、中央部(中心)から両端部側(横方向)に向かって相反する方向、つまりX方向の外側に引っ張る張力を与える。
【0103】
図18に示すように、接触子93は、接続端子120と、第1端部121と、第2端部122と、第1部分123と、第2部分124と、中央部分125とから構成されている。接続端子120、第1端部121、第2端部122、第1部分123、第2部分124及び中央部分125は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。
【0104】
接続端子120は、接触子93の一端側の部分であり、直線状に構成されている。接続端子120は、回路基板に設けられた接触部(図示しない)に電気的に接触する。接続端子120は、第1側壁部95にその一部が埋め込まれていると共に、端部が第1側壁部95の外側面の外側に位置する。
【0105】
第1端部121は、その一部が第3側壁部97に埋め込まれており、第3側壁部97に支持固定される。第1端部121は、直線状に構成されており、接続端子120よりも上方の位置において接続端子120と略平行に延在している。第2端部122は、その一部が第1側壁部95に埋め込まれており、第1側壁部95に支持固定される。接触子93は、この第2端部122と第1端部121との2箇所でハウジング91に固定されて支持されている。
【0106】
第1部分123は、第1端部121と中央部分125との間の部分である。第1部分123は、第1端部121に連設されており、第3側壁部97側から第1側壁部95側に向かいつつ、開放面OS側に向かって傾斜して延在している。第2部分124は、第2端部122と中央部分125との間の部分である。第2部分124は、第1直線部(直線部分)124aと、第2直線部124bと、第3直線部124cと、第1屈曲部(屈曲部分)124dと、第2屈曲部124eとを有している。
【0107】
第1直線部124aと第2直線部124bとは、略V字状を呈する第1屈曲部124dにより連結されている。第1直線部124aは、第2端部122から第3側壁部97側に向かって延在しており、第1側壁部95側から第3側壁部97側に向かって下方に傾斜している。第2直線部124bは、第1屈曲部124dから第3側壁部97側に向かって延在しており、第1側壁部95側から第3側壁部95側に向かって上方に傾斜している。
【0108】
第2直線部124bと第3直線部124cとは、略V字状を呈する第2屈曲部124eにより連結されている。第3直線部124cは、第2屈曲部124eから第1側壁部95側に向かって延在しており、第3側壁部97側から第1側壁部95側に向かって上方に傾斜している。つまり、第3直線部124cは、第2屈曲部124eにより第2直線部124bに対して折り返されている。
【0109】
中央部分125は、U字状に折り曲げられた屈曲部分125aを有しており、第1部分123と第2部分124の第3直線部124cとが所定の間隔をあけて略平行となるように、第1部分123と第2部分124とを連結している。中央部分125の頂部は、配線基板の端子との接点である。中央部分125は、第1〜第3側壁部95〜97の上面95a〜97a、すなわち開放面OSに対して傾斜しつつ、開放面OSよりも上方(外方)に突出している。これにより、接触子93は、上方から載置される配線基板の端子と接触可能とされている。
【0110】
なお、上記の接触子93に隣接する接触子93は、上述の構成を左右反転させた構成を有している。すなわち、上述した接触子93に隣接する接触子93では、接続端子120が第2側壁部96の外側に位置しており、第1端部121が第3側壁部97に固定されている。また、第2端部122が第2側壁部96に固定されている。このような構成により、接触子93は、その接点が千鳥状に配列される。
【0111】
以上説明したように、電気コネクタ90のハウジング91は、第1側壁部95、第2側壁部96及び第3側壁部97とりにより開放面OSが画成されている。また、接触子93は、第1側壁部95と第3側壁部97、第2側壁部96と第3側壁部97との間に配列されると共に、第1側壁部95及び第3側壁部97、第2側壁部96及び第3側壁部96に固定されており、その中央部分125(配線基板との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。
【0112】
このような構成の電気コネクタ90では、接触子93が開放面OSから突出しているため電気コネクタ90に配線基板を載置することにより、接触子93と配線基板の端子とを接続できる。したがって、電気コネクタ90に配線基板を取り付ける場合には、電気コネクタ90の上方から配線基板を電気コネクタ90に載置し、配線基板を上方から押圧する。つまり、本実施形態の電気コネクタ90では、配線基板を上方から押し込むことにより、配線基板を電気コネクタ90に実装できる。
【0113】
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態について説明する。図19は、第4実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。図20は、図19におけるB−B−線断面図である。
【0114】
図19及び図20に示すように、電気コネクタ130は、ハウジング131と、基板保持部92a,92bと、接触子132とを有している。基板保持部92a,92bは、電気コネクタ90と同様の構成を有している。
【0115】
図19に示すハウジング131は、接触子132が配置される接触子保持部134を有している。接触子保持部134は、接触子132の数だけ(ここでは40個)形成されており、接触子132の配列に対応して設けられている。すなわち、接触子保持部134は、ハウジング131の幅方向の両側にそれぞれ設けられており、千鳥状に配置されている。ハウジング131の上面は、平坦面であり、開放面OSとなっている。
【0116】
図20に示すように、接触子132は、接触子保持部134において、その一端部もしくは両端部がハウジング131に保持されている。接触子132は、接続端子140と、第1端部141と、第2端部142と、第1部分143と、第2部分144と、中央部分145とから構成されている。接続端子140、第1端部141、第2端部142、第1部分143、第2部分144及び中央部分145は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。接触子132は、ハウジング131において、接触子保持部134に圧入されている。
【0117】
接続端子140は、接触子132の一端側の部分であり、直線状に構成されている。接続端子140は、回路基板に設けられた接触部(図示しない)に電気的に接触する。接続端子140は、ハウジング131の外側面の外側に位置する。
【0118】
第1端部141は、その一部がハウジング131に圧入されており、ハウジング131に支持固定される。第2端部142は、略U字状を呈しており、ハウジング131に支持固定される。接触子132は、この第2端部142と第1端部141との2箇所でハウジング131に固定されて支持されている。
【0119】
第1部分143は、第1端部141と中央部分145との間の部分である。第1部分143は、第1端部141に連設されており、開放面OS側に向かって傾斜して延在している。第2部分144は、第2端部142と中央部分145との間の部分である。第2部分144は、第1直線部(直線部分)144aと、第2直線部144bと、第3直線部144cと、第1屈曲部(屈曲部分)144dと、第2屈曲部144eとを有している。
【0120】
第1直線部144aと第2直線部144bとは、略V字状を呈する第1屈曲部144dにより連結されている。第1直線部144aは、第2端部142から第1端部141側に向かって延在しており、第2端部142から第1端部141側に向かって下方に傾斜している。第2直線部144bは、第1屈曲部144dから第1端部141側に向かって延在しており、第2端部142側から第1端部141側に向かって上方に傾斜している。
【0121】
第2直線部144bと第3直線部144cとは、略V字状を呈する第2屈曲部144eにより連結されている。第3直線部144cは、第2屈曲部144eから第2端部142に向かって延在しており、第1端部141側から第2端部142側に向かって上方に傾斜している。つまり、第3直線部144cは、第2屈曲部144eにより第2直線部144bに対して折り返されている。
【0122】
中央部分145は、U字状に折り曲げられた屈曲部分145aを有しており、第1部分143と第2部分44の第3直線部144cとが所定の間隔をあけて略平行となるように、第1部分143と第2部分144とを連結している。中央部分145の頂部は、配線基板の端子との接点である。中央部分145は、開放面OSに対して傾斜しつつ、開放面OSよりも上方(外方)に突出している。これにより、接触子132は、上方から載置される配線基板の端子と接触可能とされている。
【0123】
以上説明したように、電気コネクタ130のハウジング131は、開放面OSを有している。また、接触子132は、ハウジング131の接触子保持部134に保持されていると共に、その中央部分145(配線基板との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。
【0124】
このような構成の電気コネクタ130では、接触子132が開放面OSから突出しているため電気コネクタ130に配線基板を載置することにより、接触子132と配線基板の端子とを接続できる。したがって、電気コネクタ130に配線基板を取り付ける場合には、電気コネクタ130の上方から配線基板を電気コネクタ130に載置し、配線基板を上方から押圧する。つまり、本実施形態の電気コネクタ130では、配線基板を上方から押し込むことにより、配線基板を電気コネクタ130に実装できる。
【0125】
1,50…回路組立体、2,51…配線基板(配線基板)、3,52,90,130…電気コネクタ、7…嵌合穴(被固定手段)、10,60,91,131…ハウジング、12a,12b,92a,92b…配線保持部(固定手段)、14,93,132…接触子、20,63,95…第1側壁部、21,64,96…第2側壁部、30…基部、31…嵌合部、41…第1端部、42…第2端部、43…第1部分、44…第2部分、44a〜44c…第1〜第3直線部(直線部分)、44d,44e…第1及び第2屈曲部(屈曲部分)、134…接触子保持部、OS…開放面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路組立体、回路組立体の組立方法及び電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
基板と基板間を接続するための複数の接触子を有する基板用コネクタから構成される回路組立体には種々のものがあり、例えば以下の特許文献1記載の基板用コネクタ及びそれを有する回路組立体が知られている。
【0003】
特許文献1には、「絶縁基板の少なくとも一方の板面に信号線及びグランド線が形成されているプリント配線板2と、プリント配線板2とFPC10とを電気的に接続するために用いられる基板用コネクタ15と、を備えた回路体接続構造1であって、基板用コネクタ15に収容された信号接触子の基板側電気接触部と電気的に接触する複数対の信号線が、プリント配線板2の板面に固定された基板用コネクタ15の前側に位置し、基板用コネクタ15に収容されたグランド接触子の基板側電気接触部と電気的に接続するグランド線が基板用コネクタ15の後側に位置し、信号線とグランド線とが相互に対峙する回路体接続構造1」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−213998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、各種電気製品の製造工程において、各電子部品・部材(配線基板等)の回路基板への実装は、自動化の著しい進展が達成されつつある。しかしながら、例えば、上記特許文献1記載のような回路組立体においては、回路基板上での配線基板の取り付けが回路基板上に搭載された基板用コネクタを介して行うものである。このとき、配線基板の取り付けが回路基板の略垂直面に配置された基板用コネクタ挿入口から挿入する必要があるため、配線基板の回路基板への実装は、自動化が極めて困難なものとなっている。
【0006】
さらに、特許文献1記載のような回路組立体であって、配線基板の基板用コネクタへの挿着の際、無荷重挿入機能(いわゆるゼロインサーション:Zero Insertion Force socket)を有したZIFコネクタを用いる場合は、スライダ等のZIFロックのコネクタボディーへの挿入作業を行わなくてはならず、この観点からも、配線基板の回路基板への実装は、自動化が極めて困難なものとなっている。
【0007】
本発明の目的は、回路基板への配線基板の実装の自動化を実現可能な回路組立体、回路組立体の組立方法及び電気コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、回路組立体であって、両端部に被固定手段を有する配線基板と、電気コネクタであり、電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、複数の導電性の接触子であり、ハウジングに保持され、その中央部分が開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、ハウジングの両端部において配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を有する電気コネクタと、を備え、電気コネクタと配線基板とが結合するときに、固定手段が配線基板の被固定手段に嵌合する、回路組立体である。
【0009】
一実施形態においては、固定手段は、被固定手段と嵌合したときに、回路基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える。
【0010】
一実施形態においては、配線基板上に配置される押圧部材であり、ハウジングに固定されると共に、配線基板をハウジング側に押圧する、該押圧部材を備える。
【0011】
一実施形態においては、ハウジングは、対向して配置される第1側壁部及び第2側壁部を少なくとも有し、当該第1側壁部及び第2側壁部により開放面が画成されており、接触子は、第1側壁部と第2側壁部との間の所定の位置に配置されると共に第1側壁部及び第2側壁部のいずれか一方、もしくは両方に保持されている。
【0012】
本発明の一側面は、配線基板と電気コネクタとを含む回路組立体の組立方法であって、配線基板は、両端部に被固定手段を有し、電気コネクタは、電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、複数の導電性の接触子であり、ハウジングに保持され、その中央部分が開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、ハウジングの両端部において配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を有しており、電気コネクタのハウジング上に配線基板を載置し、固定手段を配線基板の被固定手段に嵌合させてなる、回路組立体の組立方法である。
【0013】
本発明の一側面は、配線基板と結合する電気コネクタであって、電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、複数の導電性の接触子であり、ハウジングに保持され、その中央部分が開放面から外方に傾斜しつつ突出する、該接触子と、ハウジングの両端部において配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を備え、電気コネクタと配線基板とが結合するときに、固定手段が配線基板の被固定手段に嵌合する、電気コネクタである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配線基板、電気コネクタから構成された回路組立体は、配線基板を電気コネクタの上方から配置して配線基板を電気コネクタに固定できるため、配線基板の実装の自動化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。
【図2】図1に示す回路組立体の分解斜視図である。
【図3】(a)は図1に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、(b)は図1に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。
【図4】図1に示す回路組立体の電気コネクタの分解斜視図である。
【図5】電気コネクタの一部を拡大して示す斜視図である。
【図6】(a)は、配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を示した側面図であり、(b)は、配線基板と電気コネクタとが結合した状態を示す側面図である。
【図7】(a)は配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を一部拡大して示す断面図であり、(b)は配線基板と電気コネクタとが結合した状態を一部拡大して示す断面図である。
【図8】接触子を示す斜視図である。
【図9】図2におけるIX−IX線断面図である。
【図10】回路組立体の組み立て工程を示す図である。
【図11】第1実施形態の他の様態を示す斜視図である。
【図12】第2実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。
【図13】(a)は図12に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、(b)は図12に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。
【図14】(a)は図12に示す回路組立体の電気コネクタを上方から示す斜視図であり、(b)は図12に示す回路組立体の電気コネクタを下方から示す斜視図である。
【図15】電気コネクタと配線基板とが結合した状態を示す斜視図である。
【図16】(a)は図12に示す回路組立体の押圧部材を上方から示す斜視図であり、(b)は図12に示す回路組立体の押圧部材を下方から示す斜視図である。
【図17】第3実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。
【図18】図17におけるA−A線断面図である。
【図19】第4実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。
【図20】図19におけるB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。図2は、図1に示す回路組立体の分解斜視図である。図3(a)は、図1に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、図3(b)は、図1に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。図1及び図2では、図示のとおりX方向、Y方向及びZ方向を定義する。
【0018】
各図に示す回路組立体1は、高速差動信号を受信するデジタル信号受像器(図示しない)などに適用されるものである。回路組立体1は、配線基板2と、電気コネクタ3と、補強部材4とを備えている。電気コネクタ3は、配線基板2をIC(Integrated Circuit)などが搭載された回路基板5に電気的に接続する部品である。
【0019】
最初に、配線基板2について説明する。図3に示すように、配線基板2は、例えば、FPC(Flexibleprinted circuits)などを含む基板であり、ポリイミドなどの材料で構成される厚さ数十μm程度の絶縁基板に配線導体としての信号線及びグランド線6aがプリントされている。絶縁基板の一面の端部には、信号線及びグランド線6aが電気的に接続される複数の端子6が並設されている。配線パターンを構成する配線導体には、厚さ数十μm程度の導電性金属箔、例えば銅箔などを用いることができる。
【0020】
上記の構成を有する配線基板2の先端部2Aは、他の部分よりも幅広に形成されている。配線基板2の先端部2Aは略矩形形状を呈しており、先端部2Aには、嵌合穴(被固定手段)7が形成されている。つまり、被固定手段は、配線基板の両端部に形成された穴である。嵌合穴7は、略矩形形状を呈しており、配線基板2の幅方向(X方向)の両端部に形成されている。嵌合穴7は、配線基板2の長手方向(Y方向)に沿ってそれぞれ複数(ここでは2つ)並設されている。また、先端部2Aには、切欠部8が形成されている。切欠部8は、略矩形形状を呈しており、嵌合穴7,7の間に設けられている。
【0021】
次に、電気コネクタ3について説明する。図4は、図1に示す回路組立体の電気コネクタの分解斜視図である。図4に示すように、電気コネクタ3は、ハウジング10と、基板保持部(固定手段)12a,12bと、接触子14とを備えている。電気コネクタ3の外形寸法は、例えば長さが12.50mm、幅が4.50mm、高さが1.00mm程度となっている。なお、図4では、説明の便宜上、接触子14の図示を一部省略している。
【0022】
ハウジング10は、電気絶縁性を有する材料から形成されている。電気絶縁性を有する材料としては、工業用プラスチック材料、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート:polybutylene terephthalate)、PC(ポリカーボネート:Polycarbonate)、PSS(ポリスチレンスルホン酸:polystyrene sulfonate)、LCP(液晶ポリマー:LiquidCrystal Polymer(Plastic))、ナイロン等の様々な樹脂を使用できる。ハウジング10は、例えば樹脂の射出成形により形成されている。
【0023】
ハウジング10は、第1側壁部20と、第2側壁部21と、第1側壁部20と第2側壁部21とを連結する一対の連結部22,23とから構成されている。第1側壁部20及び第2側壁部21は、断面が略矩形形状を呈する柱状の部材であり、互いに所定の間隔をあけて対向配置されていると共に、互いに略平行に延在している。第1側壁部20及び第2側壁部21のそれぞれの上面20a,21aは、平坦面であり、同じ高さ位置となっている。
【0024】
連結部22,23は、第1側壁部20及び第2側壁部21の長手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられている。連結部22と連結部23とは、同様の構成を有している。ここでは、連結部22を例示して構成を説明する。
【0025】
連結部22は、基部25と、第1〜第3突起部26,27,28とから構成されている。基部25は、第1及び第2側壁部20,21の長手方向の一端部に連設されている。基部25は、板状の部材であり、第1側壁部20と第2側壁部21との対向方向(Y方向)に沿って延在している。基部25には、後述する基板保持部12a,12bを取り付けるための係合溝25aが形成されている。係合溝25aは、第3突起部28を挟んで一対設けられており、第1及び第2側壁部20,21の長手方向に沿って延びている。
【0026】
第1〜第3突起部26〜28は、基部25から上方に突出しており、その先端は、第1側壁部20及び第2側壁部21の上面20a,21aよりも上方に位置している。第1突起部26及び第2突起部27は、基部25の長手方向(ハウジング10の幅方向:Y方向)の両端部に設けられており、互いに対向して配置されている。第3突起部28は、基部25の幅方向(ハウジング10の長手方向:X方向)の中央部分に配置され、基部25の上面から上方に突出している。
【0027】
第1〜第3突起部26〜28の上部には、それぞれガイド面26a,27a,28aが形成されている。ガイド面26a,27a,28aは、ハウジング10の内側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面(テーパー)である。ガイド面26a,27a,28aの下端は、第1及び第2側壁部20,21の上面20a,21aの高さ位置と略同等となっている。このガイド面26a,27a,28aは、ハウジング10に配線基板2が配置される際の位置決め機構として機能する。
【0028】
ハウジング10には、第1側壁部20、第2側壁部21及び連結部22,23により、略矩形形状の開口部Kが画成されている。また、ハウジング10は、第1側壁部20及び第2側壁部21の上面20a,21aにより開放面OSが画成されており、一方向において開口されている。なお、図9に示すように、ハウジング10の底面は、面一となっている。これにより、ハウジング10は、回路基板5に安定的に固定される。
【0029】
図5は、電気コネクタの一部を拡大して示す斜視図である。図6(a)は、配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を示した側面図であり、図6(b)は、配線基板と電気コネクタとが結合した状態を示す側面図である。図7(a)は、配線基板と電気コネクタとが結合する前の状態を一部拡大して示す断面図であり、図7(b)は、配線基板と電気コネクタとが結合した状態を一部拡大して示す断面図である。
【0030】
図5に示す基板保持部12a,12bは、配線基板2をハウジング10に保持固定する手段である。図5に示すように、基板保持部12a,12bは、弾性を有する例えば金属などの材料から形成されている。連結部22に配置される基板保持部12aと連結部23に配置される基板保持部12bとは、同様の構成を有している。ここでは、連結部23に配置される基板保持部12bを例示して構成を説明する。
【0031】
基板保持部12bは、第1側壁部20及び第2側壁部21の長手方向の一端部側、すなわちハウジング10の連結部23に取り付けられている。基板保持部12bは、配線基板の穴に嵌合可能に構成された嵌合部と、嵌合部と連設され、ハウジングに固定される基部とを有している。すなわち、基板保持部12bは、可撓性を有しており、基部30と、嵌合部31と、基部30と嵌合部31とを連結する連結部32とから構成されている。基部30、嵌合部31及び連結部32は、板金により一体に形成されている。
【0032】
基部30は、板状の部材であり、連結部22の長手方向(Y方向)に延在する長尺部分30aと、長尺部分30aの短手方向の側部から一方向に向かって張り出す一対の張出部分30b,30cとを有している(図5参照)。基部30は、連結部22の底面側に配置される。
【0033】
嵌合部31は、配線基板2の嵌合穴7及び後述する補強部材4の嵌合穴9に嵌合する部分である。図6に示すように、嵌合部31は、上面部31aと、上面部31aの一端側に連設された第1側面部31bと、上面部31aと連結部32との間に連設された第2側面部31cとから構成されている。
【0034】
上面部31aは、上から見て略矩形形状を呈しており、配線基板2の嵌合穴7及び補強部材4の嵌合穴9と略同等の寸法を有している。上面部31aには、係止部34が設けられている。係止部34は、配線基板2及び補強部材4を係止する部分であり、上面部31aの側面に設けられている。係止部34は、上面部31aの上面から外側の下方に傾斜する傾斜面を有している。
【0035】
第1側面部31b及び第2側面部31cは、嵌合穴7及び嵌合穴9と当接する部分である。第1側面部31bと第2側面部31cとの幅寸法は、嵌合穴7及び嵌合穴9の径よりも大きくなっている。第1側面部31bの外面には、外側に膨らむ湾曲面が設けられている。また、第1側面部31bの先端と連結部32との間には、隙間Dが設けられている。嵌合部31は、配線基板2が押し込まれる際に押圧されたときに、隙間D分だけ下方に撓むことが可能に設けられている。
【0036】
連結部32は、基部30の一端部と嵌合部31の一端部とを一体的に連結している。連結部32は、略U字状を呈しており、ハウジング10の連結部22,23に形成された係合溝25aに挿入される。これにより、基板保持部12a,12bが連結部22,23に固定される。固定手段は、被固定手段と嵌合したときに、配線基板の中心から横方向に相反する力を配線基板に与える。すなわち、基板保持部12a,12bは、配線基板2の嵌合穴7及び補強部材4の嵌合穴9と嵌合したときに、配線基板2及び補強部材4に対して、中央部(中心)から両端部側(横方向)に向かって相反する方向、つまりX方向の外側に引っ張る張力を与える。また、上面部31aの係止部34により、配線基板2及び補強部材4が係止され、電気コネクタ3に配線基板2及び補強部材4が固定される。
【0037】
続いて、接触子14について説明する。図2に示すように、接触子14は、ハウジング10に複数(ここでは30本)配列されている。接触子14は、ハウジング10において第1側壁部20と第2側壁部21とにより画成される空間Sに配列されており、配線基板2との接点が露出している。接触子14の幅は、例えば0.15mm程度であり、接触子14同士の配列ピッチは、例えば0.15mm程度である。接触子14は、例えば一定板厚のプレートをプレス加工により打ち抜くことにより形成できる。これにより、折り曲げ形状を有する接触子14を容易に、且つ精度良く加工できる。
【0038】
接触子14は、その両端が第1側壁部20と第2側壁部21とに固定されて支持されている。詳細には、接触子14は、例えばハウジング10の射出成形時にハウジング10と一体に形成されて固定されもよいし、ハウジング10に圧入されてハウジング10に固定されてもよい。隣接する接触子14同士は、互いに逆方向に配置されている。これにより、接触子14は、ハウジング10の長手方向において、配線基板2との接点が千鳥状に配列されている。接触子14の具体的な構成について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、接触子を示す斜視図である。図9は、図2におけるIX−IX線断面図である。
【0039】
図8及び図9に示すように、接触子14は、接続端子40と、第1側壁部20の所定の位置に埋め込まれる第1端部41と、第2側壁部21の所定の位置に埋め込まれる第2端部42と、第1端部41側に連設され、第2側壁部21側に延びる第1部分43と、第2端部42側に連設され、第1側壁部20側に延びる第2部分44と、第1部分43と第2部分44とを屈曲部により連結する中央部分45と、を備え、第2部分44は、複数の直線部分と複数の屈曲部分とを有し、複数の直線部分のうちの一の直線部分と第1部分43とは、略平行をなして開放面OSに対して傾斜しており、中央部分45は、電気コネクタ3が配線基板と結合するときに、開放面OSに向かって弾性的に移動する。接続端子40、第1端部41、第2端部42、第1部分43、第2部分44及び中央部分45は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。
【0040】
接続端子40は、接触子14の一端側の部分であり、直線状に構成されている。接続端子40は、回路基板5に設けられた接触部(図示しない)に電気的に接触する。接続端子40は、第1側壁部20の外側面の外側に位置する。
【0041】
第1端部41は、接続端子40と第1部分43との間の部分である。第1端部41は、その一部が第1側壁部20に埋め込まれており、第1側壁部20に支持固定される。第1端部41は、直線状に構成されており、接続端子40よりも上方の位置において接続端子40と略平行に延在している。第2端部42は、その一部が第2側壁部21に埋め込まれており、第2側壁部21に支持固定される。接触子14は、この第2端部42と第1端部41との2箇所でハウジング10に固定されて支持されている。
【0042】
第1部分43は、第1端部41と中央部分45との間の部分である。第1部分43は、第1端部41に連設されており、第1側壁部20の底面側から開放面OS側に向かって傾斜して延在している。第2部分44は、第2端部42と中央部分45との間の部分である。第2部分44は、第1直線部(直線部分)44aと、第2直線部44bと、第3直線部44cと、第1屈曲部(屈曲部分)44dと、第2屈曲部44eとを有している。
【0043】
第1直線部44aと第2直線部44bとは、略V字状を呈する第1屈曲部44dにより連結されている。第1直線部44aは、第2端部42から第1側壁部20側に向かって延在しており、第2側壁部21側から第1側壁部20側に向かって下方に傾斜している。第2直線部44bは、第1屈曲部44dから第1側壁部20側に向かって延在しており、第2側壁部21側から第1側壁部20側に向かって上方に傾斜している。
【0044】
第2直線部44bと第3直線部44cとは、略V字状を呈する第2屈曲部44eにより連結されている。第3直線部44cは、第2屈曲部44eから第2側壁部21側に向かって延在しており、第1側壁部20側から第2側壁部21側に向かって上方に傾斜している。つまり、第3直線部44cは、第2屈曲部44eにより第2直線部44bに対して折り返されている。
【0045】
中央部分45は、U字状に折り曲げられた屈曲部分45aを有しており、第1部分43と第2部分44の第3直線部44cとが所定の間隔をあけて略平行となるように、第1部分43と第2部分44とを連結している。中央部分45の頂部は、配線基板2の端子6との接点である。中央部分45は、第1側壁部20及び第2側壁部21の上面20a,21a、すなわち開放面OSに対して傾斜しつつ、開放面OSよりも上方(外方)に突出している。これにより、接触子14は、上方から載置される配線基板2の端子6と接触可能とされている。
【0046】
なお、上記の接触子14に隣接する接触子14は、上述の構成を左右反転させた構成を有している。すなわち、上述した接触子14に隣接する接触子14では、接続端子40が第2側壁部21の外側に位置しており、第1端部41が第2側壁部21に固定されている。また、第2端部42が第1側壁部20に固定されている。このような構成により、接触子14は、その接点が千鳥状に配列される。
【0047】
このような構成を有する接触子14は、複数の屈曲部を備えることにより弾性を有しており、配線基板2が載置されて下方に押圧されると、開放面OS側に配線基板2を押し上げる方向に移動する弾性的な反力が作用する。また、接触子14は、配線基板2が載置されたときに、下方に撓むことによりその接点が配線基板2の端子6に沿って摺動する。
【0048】
補強部材4は、配線基板2がハウジング10に載置されたときに、配線基板2の固定をサポートする部材である。補強部材4は、略矩形形状を呈しており、配線基板2の先端部2Aと略同形状となっている。補強部材4は、例えば剛性を有する材料であって、例えば、ガラスエポキシ板、紙フェノール板、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルムや金属板等から形成されており、配線基板2の厚みと同等の厚みを有している。補強部材4には、配線基板2の嵌合穴7に対応する位置、すなわちハウジング10における基板保持部12a,12bの嵌合部31に対応する位置に嵌合穴9形成されている。また、また、補強部材4には、切欠部4aが形成されている。切欠部4aは、略矩形形状を呈しており、嵌合穴9の間に設けられている。
【0049】
補強部材4は、配線基板2の一面(端子6が設けられている面の反対の面)に配置され、嵌合穴9がハウジング10の基板保持部12a,12bと嵌合する。これにより、補強部材4には、配線基板2と同様に、この補強部材4を外側に引っ張る張力が与えられる。したがって、補強部材4が配線基板2を下方に押圧し、回路組立体1では、配線基板2の端子6と電気コネクタ3の接触子14との接触がより確実なものとなる。
【0050】
続いて、回路組立体1の組立方法について説明する。図10は、回路組立体の組立手順を示す図である。
【0051】
図10に示すように、まず、電気コネクタ3を回路基板5上に配置する。次に、電気コネクタ3の上方に配線基板2を配置し、配線基板2を電気コネクタ3(ハウジング10)上に載置する。このとき、ハウジング10の第1〜第3突起部26〜28により配線基板2が位置決めされる。詳細には、配線基板2の切欠部8にハウジング10の第3突起部28が係合すると共に、各ガイド面26a,27aにより配線基板2が所定の位置に配置される。そして、配線基板2を押圧し、基板保持部12a,12bの嵌合部31と配線基板2の嵌合穴7とを嵌合させる。このとき、配線基板2が嵌合部31の係止部34により係止され、電気コネクタ3に配線基板2が固定される。
【0052】
配線基板2と電気コネクタ3とが結合すると、基板保持部12a,12bによって配線基板2に張力が与えられる。この張力は、配線基板2の中央から相反する方向(基板保持部12a,12bが設けられている方向)、つまり配線基板2の両端部を互いに外側に引っ張る方向に付与される。これにより、配線基板2の全面に亘って下方に押圧する力が作用し、配線基板2の端子6と電気コネクタ3の接触子14との接続が確保される。
【0053】
続いて、配線基板2の上方に補強部材4を配置し、補強部材4を配線基板2上に載置する。そして、補強部材4を押圧し、基板保持部12a,12bの嵌合部31と補強部材4の嵌合穴9とを嵌合させる。これにより、配線基板2と同様に、補強部材4に張力が付与される。なお、補強部材4は、配線基板2を電気コネクタ3に載置すると同時に配置されてもよい。以上のように、本実施形態では、電気コネクタ3に対して配線基板2及び補強部材4をこの順に積層することにより回路組立体1が組み立てられる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態では、電気コネクタ3のハウジング10は、第1側壁部20と第2側壁部21とが対向して配置され、この第1側壁部20と第2側壁部21とりにより開放面OSが画成されている。また、接触子14は、第1側壁部20及び第2側壁部21との間に配列されると共に、第1側壁部20及び第2側壁部21に固定されており、その中央部分45(配線基板2との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。また、ハウジング10の両端部には、配線基板2に設けられた嵌合穴7に対応する位置に基板保持部12a,12bが設けられている。
【0055】
このような構成の電気コネクタ3では、接触子14が開放面OSから突出しているため電気コネクタ3に配線基板2を載置することにより、接触子14と配線基板2の端子6とを接続できる。したがって、電気コネクタ3に配線基板2を取り付ける場合には、電気コネクタ3の上方から配線基板2を電気コネクタ3に載置し、配線基板2を上方から押圧する。つまり、本実施形態の回路組立体1では、PFC2を上方から押し込むことにより、配線基板2を電気コネクタ3に実装できる。そのため、従来のように、配線基板2を水平方向から挿し込む作業を必要としない。したがって、回路基板5に搭載される電気コネクタ3に対する配線基板2の実装の自動化を実現できる。
【0056】
また、基板保持部12a,12bは、PFC2の嵌合穴7と嵌合したときに、配線基板2に対して配線基板2を外側に引っ張る張力を与える。したがって、電気コネクタ3に対して配線基板2が載置される構成であっても、ハウジング10と配線基板2とを確実に固定でき、接触子14と端子6との電気的な接続を良好に確保できる。
【0057】
また、接触子14は、複数の屈曲部(折り返し点)を有して構成されている。このような構成により、接触子14の長さを確保できる。また、接触子14は、第1側壁部20及び第2側壁部21に第1端部41及び第2端部42が保持される、いわゆる両持ち構造である。そのため、一端部のみで支持する、いわゆる片持ちの構造である場合に比べて、開放面OS側に移動する力、すなわち配線基板2が載置されたときに与えられる押圧に対する反力(弾性力)を得ることができる。これにより、接触子14と配線基板2の端子6との接触をより確実に行うこと可能となる。
【0058】
また、隣り合う接触子14同士は、その向きが左右反転されて配置されている。そのため、接触子14の中央部分45同士が隣り合わない。これにより、接触子14が押圧されて撓んだ場合であっても、隣接する中央部分45が接触することを防止できる。したがって、接触子14を狭ピッチで配置できる。
【0059】
なお、上記実施形態では、配線基板2と補強部材4とを別部材としているが、配線基板2と補強部材4とが一体に形成されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、接続端子40が第1側壁部20又は第2側壁部21の外側面から面外方向に張り出す構成を例示しているが、接続端子40の構成はこれに限定されない。接続端子40は、回路基板5と電気的な接触が確保される構成であればよく、回路基板5の構成に合わせて適宜設定されればよい。
【0061】
また、上記実施形態に加えて、回路組立体1は、図11に示すような構成であってもよい。図11は、第1実施形態の他の様態を示す分解斜視図である。図11に示すように、回路組立体1Aでは、電気コネクタ3Aにおける第1側壁部20の上面20aにおいて、上面20aから上方に突出する略円柱状の突出部46が設けられる。これに対応して、配線基板2B及び補強部材4Aには、突出部46に対応する位置に切欠部47,48が設けられている。このような構成により、回路組立体1Aでは、配線基板2を電気コネクタ3に載置する際、配線基板2の位置決めを容易に行うことができる。なお、突出部46の位置及び数は図10に示す構成に限定されない。
【0062】
さらには、上記実施形態では、配線基板2及び補強部材4を固定する基板保持部12a,12bをハウジング10の両端部に設けているが、配線基板2などを保持する手段を他の箇所に更に設けてもよい。詳細には、例えば第2側壁部21に固定手段が設けられてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、接触子14を第1側壁部20と第2側壁部21とにより保持しているが、接触子14は、一端のみが保持される構成であってももちろんよい。
【0064】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に係る回路組立体を示す斜視図である。図13(a)は、図12に示す回路組立体の配線基板を上方から示す斜視図であり、図13(b)は、図12に示す回路組立体の配線基板を下方から示す斜視図である。図14(a)は、図12に示す回路組立体の電気コネクタを上方から示す斜視図であり、図14(b)は、図12に示す回路組立体の電気コネクタを下方から示す斜視図である。図15は、電気コネクタと配線基板とが結合した状態を示す斜視図である。図12では、図示のとおりX方向、Y方向及びZ方向を定義する。
【0065】
図12〜14に示すように、回路組立体50は、配線基板51と、電気コネクタ52と、押圧部材53とを備えている。電気コネクタ52は、配線基板51をICなどが搭載された回路基板(図示しない)に電気的に接続する部品である。
【0066】
最初に、配線基板51について説明する。図13に示すように、配線基板51は、上記の配線基板2と同様に、ポリイミドなどの材料で構成される厚さ数十μm程度の絶縁基板に配線導体としての信号線及びグランド線54aがプリントされている。絶縁基板の一面の端部には、信号線及びグランド線54aが電気的に接続される複数の端子54が並設されている。
【0067】
上記の構成を有する配線基板51の先端部51Aは、他の部分よりも幅広に形成されている。配線基板51の先端部51Aは略矩形形状を呈しており、先端部51Aには、嵌合穴(被固定手段)55が形成されている。嵌合穴7は、略円形形状を呈しており、配線基板51の幅方向(X方向)の両端部に形成されている。嵌合穴55は、配線基板51の長手方向(Y方向)に沿ってそれぞれ複数(ここでは2つ)並設されている。
【0068】
配線基板51の一面(端子54が設けられている面と反対の面)には、補強部材56が設けられている。補強部材56は、例えばポリイミドなどの材料で形成されており、配線基板51の先端部51Aに配置されている。配線基板51の嵌合穴55は、補強部材56を貫通している。
【0069】
次に、電気コネクタ52について説明する。図14に示すように、電気コネクタ52は、ハウジング60と、押圧部材保持部(固定手段)61a,61bと、接触子14とを備えている。
【0070】
ハウジング60は、第1側壁部63と、第2側壁部64と、第1側壁部63と第2側壁部64とを連結する一対の連結部65,66とから構成されている。第1側壁部63及び第2側壁部64は、断面が略矩形形状を呈する柱状の部材であり、互いに所定の間隔をあけて対向配置されていると共に、互いに略平行に延在している。第1側壁部63及び第2側壁部64のそれぞれの上面63a,64aは、平坦面であり、同じ高さ位置となっている。
【0071】
第2側壁部64には、突設部67が設けられている。突設部67は、断面が略矩形状を呈する部材であり、第2側壁部64の上面64aから突設されている。突設部67は、第2側壁部64の外面に沿って配置されていると共に、第2側壁部64の中央部分において所定の間隔をあけて離間している。突設部67は、配線基板51の位置決め機構として機能する。
【0072】
連結部65,66は、第1側壁部63及び第2側壁部64の長手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられている。連結部65と連結部66とは、同様の構成を有している。ここでは、連結部65を例示して構成を説明する。
【0073】
連結部65には、突起部(固定手段)68a,68bが設けられている。突起部68a,68bは、連結部65においてY方向に沿って所定の間隔をあけて複数(ここでは2つ)配置されている。突起部68a,68bは、連結部65の上面から上方に突出して設けられており、その断面が略半円形形状を呈している。突起部68a,68bは、配線基板51の嵌合穴55が挿入される部分であり、後述する押圧部材保持部61a,61bの係止爪72a,72bとの協働により、配線基板51を保持固定する。
【0074】
ハウジング60には、第1側壁部63、第2側壁部64及び連結部65,66により、矩形形状の開口部Kが画成されている。また、ハウジング60は、第1側壁部63及び第2側壁部64の上面63a,64aにより開放面OSが画成されており、一方向において開口されている。
【0075】
ハウジング60の裏面には、絶縁シートISが設けられている。絶縁シートISは、ハウジング60の裏面側において、第1側壁部63、第2側壁部64及び連結部65,66により画成される開口部Kを閉塞している。絶縁シートISは、回路基板と接触子14とを電気的に絶縁している。
【0076】
押圧部材保持部61a,61bは、押圧部材53をハウジング60に固定する部分である。押圧部材保持部61a,61bは、連結部65,66に配置されている。押圧部材保持部61aと押圧部材保持部61bとは、同様の構成を有している。ここでは、押圧部材保持部61aを例示して構成を説明する。
【0077】
押圧部材保持部61aは、連結部65の上面に沿って配置される基部70と、基部70の両端部(Y方向)に配置される係止部71a,71bとを有している。基部70には、突起部68a,68bに対応する位置に、係止爪72a,72bが設けられている。係止爪72a,72bは、突起部68a,68bに対向して配置されており、基部70の上面から上方に起立して設けられている。係止爪72a,72bは、湾曲形状を呈しており、突起部68a,68bに対して凸状に反っている。この係止爪72a,72bにより、配線基板51及び押圧部材53(後述)をハウジング60の長手方向(X方向)の外側に引っ張る張力が配線基板51及び押圧部材53に与えられ、配線基板51及び押圧部材53がハウジング60に保持固定される。
【0078】
係止部71a,71bには、係止爪73a,73bがそれぞれ設けられている。図14(a)に示すように、係止爪73a(73b)は、ハウジング60の幅方向の外側に向かって下方に傾斜している。
【0079】
接触子14は、第1実施形態と同様の構成を有している。すなわち、接触子14は、その両端が第1側壁部63と第2側壁部64とに固定されて支持されている。隣接する接触子14同士は、互いに逆方向に配置されている。これにより、接触子14は、ハウジング10の長手方向において、配線基板51との接点が千鳥状に配列されている。
【0080】
接触子14は、接続端子40と、第1端部41と、第2端部42と、第1部分43と、第2部分44と、中央部分45とから構成されている。接続端子40、第1端部41、第2端部42、第1部分43、第2部分44及び中央部分45は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。
【0081】
図16(a)は、図12に示す回路組立体の押圧部材を上方から示す斜視図であり、図16(b)は、図12に示す回路組立体の押圧部材を下方から示す斜視図である。図16に示す押圧部材53は、配線基板上に配置される押圧部材であって、ハウジングに固定されると共に、配線基板をハウジング側に押圧する。すなわち、押圧部材53は、配線基板51を電気コネクタ52のハウジング60側に押圧する部材である。押圧部材53は、例えば金属などの材料から形成されており、押圧部75と、側面部76と、一対の係合部77,78とを有している。押圧部75、側面部76及び係合部77,78とは、板金により一体に形成されている。
【0082】
押圧部75は、配線基板51の一面と当接する部分であり、板状をなしている。押圧部75には、配線基板51の嵌合穴55に対応する位置、すなわち電気コネクタ52の突起部68a,68bに対応する位置に、嵌合穴79が設けられている。側面部76は、押圧部75の長手方向の一側面の端部から起立している。側面部76は、押圧部75に沿って設けられている。側面部76の両端部には、押圧部材保持部61a,61bの係止部71a,71bの係止爪73bと係合する係合穴80a,80bがそれぞれ形成されている。
【0083】
係合部77,78は、押圧部75の他側面の両端部にそれぞれ配置されている。係合部77,78は、押圧部75の他側面から押圧部75の面方向に張り出していると共に、その端部から側面部76と同じ方向に起立している。係合部77,78には、押圧部材保持部61a,61bにおける係止部71a,71bの係止爪73aと係合する係合穴81,82が形成されている。図12に示すように、回路組立体50において、一対の係合部77,78の間には、配線基板51が配置される。
【0084】
続いて、回路組立体50の組立方法について説明する。まず、電気コネクタ52を回路基板上に配置する。次に、電気コネクタ52の上方に配線基板51を配置し、配線基板51を電気コネクタ52(ハウジング60)上に載置する。そして、配線基板51を押圧し、ハウジング60の突起部68a,68b及び押圧部材保持部61a,61bの係止爪72a,72bと配線基板51の嵌合穴55とを嵌合させる。このとき、配線基板51が押圧部材保持部61a,61bの係止部71a,71bにより係止され、電気コネクタ52に配線基板51が固定される。
【0085】
配線基板51と電気コネクタ52とを固定した後、配線基板51の上方に押圧部材53を配置し、補強部材56を配線基板51上に載置する。そして、押圧部材53を押圧し、ハウジング60の突起部68a,68b及び押圧部材保持部61a,61bの係止爪72a,72bと押圧部材53の嵌合穴79とを嵌合させる。さらに、押圧部材保持部61a,61bの係止部71a,71bの係止爪73a,73bと押圧部材53の係合穴80a,80b,81,82とを係合させる。
【0086】
これにより、配線基板51に対して、押圧部材53から電気コネクタ52側に一様に押圧する力が付与される。したがって、配線基板51の端子54と電気コネクタ52の接触子14とが確実に接触する。なお、押圧部材53は、配線基板51を電気コネクタ52に載置すると同時に配置されてもよい。以上のように、本実施形態では、電気コネクタ52に対して配線基板51及び押圧部材53をこの順に積層することにより回路組立体50が組み立てられる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態では、電気コネクタ52のハウジング60は、第1側壁部63と第2側壁部64とが対向して配置され、この第1側壁部63と第2側壁部64とりにより開放面OSが画成されている。また、接触子14は、第1側壁部63及び第2側壁部64との間に配列されると共に、第1側壁部63及び第2側壁部64に固定されており、その中央部分45(配線基板2との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。
【0088】
このような構成の電気コネクタ52では、接触子14が開放面OSから突出しているため電気コネクタ52に配線基板51を載置することにより、接触子14と配線基板51の端子54とを接続できる。したがって、電気コネクタ52に配線基板51を取り付ける場合には、電気コネクタ52の上方から配線基板51を電気コネクタ52に載置し、配線基板51を上方から押圧する。つまり、本実施形態の回路組立体50では、配線基板51を上方から押し込むことにより、配線基板51を電気コネクタ52に実装できる。
【0089】
また、押圧部材53により配線基板51がハウジング60側に配線基板51の全面に亘って一様に押圧される。したがって、接触子14と配線基板51の端子54との接続をより確実なものとできる。その結果、回路組立体50の信頼性の向上が図れる。
【0090】
なお、上記実施形態では、押圧部材53により配線基板51を押圧することにより配線基板51の端子54と接触子14との接続を確保しているが、この構成に加えて、配線基板51を外側に引っ張る張力を与える機構(第1実施形態の基板保持部12a,12b)を更に備えていてもよい。
【0091】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。図17は、第3実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。図18は、図17におけるA−A線断面図である。
【0092】
図17及び図18に示すように、電気コネクタ90は、ハウジング91と、基板保持部92a,92bと、接触子93とを有している。ハウジング91は、第1側壁部95と、第2側壁部96と、第3側壁部97と、第1〜第3側壁部95〜97を連結する一対の連結部98,99とから構成されている。
【0093】
第1側壁部95、第2側壁部96及び第3側壁部97は、断面が略矩形形状を呈する柱状の部材であり、互いに所定の間隔をあけて対向配置されていると共に、互いに略平行に延在している。第3側壁部97は、第1側壁部95と第2側壁部96との間に配置されている。第1側壁部95、第2側壁部96及び第3側壁部97のそれぞれの上面95a,96a,97aは、平坦面であり、同じ高さ位置となっている。
【0094】
連結部98,99は、第1〜第3側壁部95〜97の長手方向(X方向)の両端部にそれぞれ設けられている。連結部98と連結部99とは、同様の構成を有している。ここでは、連結部98を例示して構成を説明する。
【0095】
連結部98は、基部100と、係止部101a,101bとから構成されている。基部100は、第1〜第3側壁部95〜97の長手方向の一端部に連設されている。基部100は、板状の部材であり、第1〜第3側壁部95〜97の対向方向(Y方向)に沿って延在している。
【0096】
係止部101a,101bは、基部100から上方に突出しており、その先端は、第1〜第3側壁部95〜97の上面95a,96a,97aよりも上方に位置している。係止部101a,101bには、ハウジング91の内側に張り出す係止部102が設けられている。係止部102は、図示しない配線基板を係止する。
【0097】
また、係止部101a,101bの上部には、それぞれガイド面103a,103bが形成されている。ガイド面103a,103bは、ハウジング91の内側に向かって下り勾配で傾斜する傾斜面(テーパー)である。ガイド面103a,103bの下端は、第1及び第2側壁部95,96の上面95a,96aの高さ位置と略同等となっている。このガイド面103a,103bは、ハウジング91に配線基板が配置される際の位置決め機構として機能する。
【0098】
ハウジング91には、第1側壁部95、第2側壁部96、第3側壁部97及び連結部98,99により、矩形形状の開口部K1,K2が画成されている。また、ハウジング91は、第1〜第3側壁部95〜97の上面95a,96a,97aにより開放面OSが画成されており、一方向において開口されている。
【0099】
基板保持部92a,92bは、配線基板をハウジング91に保持固定する手段である。基板保持部92a,92bは、弾性を有する例えば金属などの材料から形成されている。連結部98に配置される基板保持部92aと連結部99に配置される基板保持部92bとは、同様の構成を有している。ここでは、連結部98に配置される基板保持部92aを例示して構成を説明する。なお、基板保持部92a,92bは、射出成形によりハウジング91と一体に形成されている。
【0100】
基板保持部92aは、第1〜第3側壁部95〜97の長手方向の一端部側、すなわちハウジング91の連結部98に取り付けられている。基板保持部92aは、可撓性を有しており、基部110と、嵌合部111とから構成されている。基部110と嵌合部111とは、板金により一体に形成されている。
【0101】
基部110は、板状の部材であり、連結部98の長手方向(Y方向)に延在している。嵌合部111は、配線基板の図示しない嵌合穴に嵌合する部分である。図17に示すように、嵌合部111は、上面部111aと、上面部111aの一端側に連設された第1側面部111bと、上面部111aと基部110との間に連設された第2側面部111cとから構成されている。
【0102】
上面部111aは、上から見て略矩形形状を呈しており、配線基板の嵌合穴と略同等の寸法を有している。第1側面部111b及び第2側面部111cは、配線基板の嵌合穴と当接する部分である。第1側面部111bと第2側面部111cとの幅寸法は、配線基板の嵌合穴の径よりも大きくなっている。基板保持部92a,92bは、配線基板の嵌合穴と嵌合したときに、配線基板に対して、中央部(中心)から両端部側(横方向)に向かって相反する方向、つまりX方向の外側に引っ張る張力を与える。
【0103】
図18に示すように、接触子93は、接続端子120と、第1端部121と、第2端部122と、第1部分123と、第2部分124と、中央部分125とから構成されている。接続端子120、第1端部121、第2端部122、第1部分123、第2部分124及び中央部分125は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。
【0104】
接続端子120は、接触子93の一端側の部分であり、直線状に構成されている。接続端子120は、回路基板に設けられた接触部(図示しない)に電気的に接触する。接続端子120は、第1側壁部95にその一部が埋め込まれていると共に、端部が第1側壁部95の外側面の外側に位置する。
【0105】
第1端部121は、その一部が第3側壁部97に埋め込まれており、第3側壁部97に支持固定される。第1端部121は、直線状に構成されており、接続端子120よりも上方の位置において接続端子120と略平行に延在している。第2端部122は、その一部が第1側壁部95に埋め込まれており、第1側壁部95に支持固定される。接触子93は、この第2端部122と第1端部121との2箇所でハウジング91に固定されて支持されている。
【0106】
第1部分123は、第1端部121と中央部分125との間の部分である。第1部分123は、第1端部121に連設されており、第3側壁部97側から第1側壁部95側に向かいつつ、開放面OS側に向かって傾斜して延在している。第2部分124は、第2端部122と中央部分125との間の部分である。第2部分124は、第1直線部(直線部分)124aと、第2直線部124bと、第3直線部124cと、第1屈曲部(屈曲部分)124dと、第2屈曲部124eとを有している。
【0107】
第1直線部124aと第2直線部124bとは、略V字状を呈する第1屈曲部124dにより連結されている。第1直線部124aは、第2端部122から第3側壁部97側に向かって延在しており、第1側壁部95側から第3側壁部97側に向かって下方に傾斜している。第2直線部124bは、第1屈曲部124dから第3側壁部97側に向かって延在しており、第1側壁部95側から第3側壁部95側に向かって上方に傾斜している。
【0108】
第2直線部124bと第3直線部124cとは、略V字状を呈する第2屈曲部124eにより連結されている。第3直線部124cは、第2屈曲部124eから第1側壁部95側に向かって延在しており、第3側壁部97側から第1側壁部95側に向かって上方に傾斜している。つまり、第3直線部124cは、第2屈曲部124eにより第2直線部124bに対して折り返されている。
【0109】
中央部分125は、U字状に折り曲げられた屈曲部分125aを有しており、第1部分123と第2部分124の第3直線部124cとが所定の間隔をあけて略平行となるように、第1部分123と第2部分124とを連結している。中央部分125の頂部は、配線基板の端子との接点である。中央部分125は、第1〜第3側壁部95〜97の上面95a〜97a、すなわち開放面OSに対して傾斜しつつ、開放面OSよりも上方(外方)に突出している。これにより、接触子93は、上方から載置される配線基板の端子と接触可能とされている。
【0110】
なお、上記の接触子93に隣接する接触子93は、上述の構成を左右反転させた構成を有している。すなわち、上述した接触子93に隣接する接触子93では、接続端子120が第2側壁部96の外側に位置しており、第1端部121が第3側壁部97に固定されている。また、第2端部122が第2側壁部96に固定されている。このような構成により、接触子93は、その接点が千鳥状に配列される。
【0111】
以上説明したように、電気コネクタ90のハウジング91は、第1側壁部95、第2側壁部96及び第3側壁部97とりにより開放面OSが画成されている。また、接触子93は、第1側壁部95と第3側壁部97、第2側壁部96と第3側壁部97との間に配列されると共に、第1側壁部95及び第3側壁部97、第2側壁部96及び第3側壁部96に固定されており、その中央部分125(配線基板との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。
【0112】
このような構成の電気コネクタ90では、接触子93が開放面OSから突出しているため電気コネクタ90に配線基板を載置することにより、接触子93と配線基板の端子とを接続できる。したがって、電気コネクタ90に配線基板を取り付ける場合には、電気コネクタ90の上方から配線基板を電気コネクタ90に載置し、配線基板を上方から押圧する。つまり、本実施形態の電気コネクタ90では、配線基板を上方から押し込むことにより、配線基板を電気コネクタ90に実装できる。
【0113】
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態について説明する。図19は、第4実施形態に係る回路組立体の電気コネクタを示す斜視図である。図20は、図19におけるB−B−線断面図である。
【0114】
図19及び図20に示すように、電気コネクタ130は、ハウジング131と、基板保持部92a,92bと、接触子132とを有している。基板保持部92a,92bは、電気コネクタ90と同様の構成を有している。
【0115】
図19に示すハウジング131は、接触子132が配置される接触子保持部134を有している。接触子保持部134は、接触子132の数だけ(ここでは40個)形成されており、接触子132の配列に対応して設けられている。すなわち、接触子保持部134は、ハウジング131の幅方向の両側にそれぞれ設けられており、千鳥状に配置されている。ハウジング131の上面は、平坦面であり、開放面OSとなっている。
【0116】
図20に示すように、接触子132は、接触子保持部134において、その一端部もしくは両端部がハウジング131に保持されている。接触子132は、接続端子140と、第1端部141と、第2端部142と、第1部分143と、第2部分144と、中央部分145とから構成されている。接続端子140、第1端部141、第2端部142、第1部分143、第2部分144及び中央部分145は、一体に形成されており、同一平面上に位置している。接触子132は、ハウジング131において、接触子保持部134に圧入されている。
【0117】
接続端子140は、接触子132の一端側の部分であり、直線状に構成されている。接続端子140は、回路基板に設けられた接触部(図示しない)に電気的に接触する。接続端子140は、ハウジング131の外側面の外側に位置する。
【0118】
第1端部141は、その一部がハウジング131に圧入されており、ハウジング131に支持固定される。第2端部142は、略U字状を呈しており、ハウジング131に支持固定される。接触子132は、この第2端部142と第1端部141との2箇所でハウジング131に固定されて支持されている。
【0119】
第1部分143は、第1端部141と中央部分145との間の部分である。第1部分143は、第1端部141に連設されており、開放面OS側に向かって傾斜して延在している。第2部分144は、第2端部142と中央部分145との間の部分である。第2部分144は、第1直線部(直線部分)144aと、第2直線部144bと、第3直線部144cと、第1屈曲部(屈曲部分)144dと、第2屈曲部144eとを有している。
【0120】
第1直線部144aと第2直線部144bとは、略V字状を呈する第1屈曲部144dにより連結されている。第1直線部144aは、第2端部142から第1端部141側に向かって延在しており、第2端部142から第1端部141側に向かって下方に傾斜している。第2直線部144bは、第1屈曲部144dから第1端部141側に向かって延在しており、第2端部142側から第1端部141側に向かって上方に傾斜している。
【0121】
第2直線部144bと第3直線部144cとは、略V字状を呈する第2屈曲部144eにより連結されている。第3直線部144cは、第2屈曲部144eから第2端部142に向かって延在しており、第1端部141側から第2端部142側に向かって上方に傾斜している。つまり、第3直線部144cは、第2屈曲部144eにより第2直線部144bに対して折り返されている。
【0122】
中央部分145は、U字状に折り曲げられた屈曲部分145aを有しており、第1部分143と第2部分44の第3直線部144cとが所定の間隔をあけて略平行となるように、第1部分143と第2部分144とを連結している。中央部分145の頂部は、配線基板の端子との接点である。中央部分145は、開放面OSに対して傾斜しつつ、開放面OSよりも上方(外方)に突出している。これにより、接触子132は、上方から載置される配線基板の端子と接触可能とされている。
【0123】
以上説明したように、電気コネクタ130のハウジング131は、開放面OSを有している。また、接触子132は、ハウジング131の接触子保持部134に保持されていると共に、その中央部分145(配線基板との接点)が開放面OSから外方に突出して露出している。
【0124】
このような構成の電気コネクタ130では、接触子132が開放面OSから突出しているため電気コネクタ130に配線基板を載置することにより、接触子132と配線基板の端子とを接続できる。したがって、電気コネクタ130に配線基板を取り付ける場合には、電気コネクタ130の上方から配線基板を電気コネクタ130に載置し、配線基板を上方から押圧する。つまり、本実施形態の電気コネクタ130では、配線基板を上方から押し込むことにより、配線基板を電気コネクタ130に実装できる。
【0125】
1,50…回路組立体、2,51…配線基板(配線基板)、3,52,90,130…電気コネクタ、7…嵌合穴(被固定手段)、10,60,91,131…ハウジング、12a,12b,92a,92b…配線保持部(固定手段)、14,93,132…接触子、20,63,95…第1側壁部、21,64,96…第2側壁部、30…基部、31…嵌合部、41…第1端部、42…第2端部、43…第1部分、44…第2部分、44a〜44c…第1〜第3直線部(直線部分)、44d,44e…第1及び第2屈曲部(屈曲部分)、134…接触子保持部、OS…開放面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路組立体であって、
両端部に被固定手段を有する配線基板と、
電気コネクタであり、
電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、
複数の導電性の接触子であり、前記ハウジングに保持され、その中央部分が前記開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、
前記ハウジングの両端部において前記配線基板の前記被固定手段に対応して設けられた固定手段と、
を有する前記電気コネクタと、を備え、
前記電気コネクタと前記配線基板とが結合するときに、前記固定手段が前記配線基板の前記被固定手段に嵌合する、回路組立体。
【請求項2】
前記固定手段は、前記被固定手段と嵌合したときに、前記配線基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える、請求項1記載の回路組立体。
【請求項3】
前記配線基板上に配置される押圧部材であって、前記ハウジングに固定されると共に、前記配線基板を前記ハウジング側に押圧する該押圧部材を備える、請求項1記載の回路組立体。
【請求項4】
前記配線基板上に配置される押圧部材であり、前記ハウジングに固定されると共に、前記配線基板に対して当該配線基板を前記ハウジング側に押圧する該押圧部材を備え、
前記固定手段は、前記被固定手段と嵌合したときに、前記配線基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える、請求項1記載の回路組立体。
【請求項5】
前記ハウジングは、対向して配置される第1側壁部及び第2側壁部を少なくとも有し、当該第1側壁部及び第2側壁部により前記開放面が画成されており、
前記接触子は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間の所定の位置に配置されると共に前記第1側壁部及び第2側壁部のいずれか一方、もしくは両方に保持されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の回路組立体。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記接触子が配置される接触子保持部を有し、
前記接触子は、前記接触子保持部において、その一端部もしくは両端部が前記ハウジングに保持されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の回路組立体。
【請求項7】
前記接触子は、
前記第1側壁部の所定の位置に埋め込まれる第1端部と、
前記第2側壁部の所定の位置に埋め込まれる第2端部と、
前記第1端部側に連設され、前記第2側壁部側に延びる第1部分と、
前記第2端部側に連設され、前記第1側壁部側に延びる第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを屈曲部により連結する前記中央部分と、を備え、
前記第2部分は、複数の直線部分と複数の屈曲部分とを有し、
前記複数の直線部分のうちの一の直線部分と前記第1部分とは、略平行をなして前記開放面に対して傾斜しており、
前記中央部分は、前記電気コネクタが前記配線基板と結合するときに、前記開放面に向かって弾性的に移動する、請求項5記載の回路組立体。
【請求項8】
前記被固定手段は、前記配線基板の両端部に形成された穴であり、
前記固定手段は、
前記配線基板の前記穴に嵌合可能に構成された嵌合部と、
前記嵌合部と連設され、前記ハウジングに固定される基部と、
を有する、請求項1〜7のいずれか一項記載の回路組立体。
【請求項9】
配線基板と電気コネクタとを含む回路組立体の組立方法であって、
前記配線基板は、両端部に被固定手段を有し、
前記電気コネクタは、
電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、
複数の導電性の接触子であり、前記ハウジングに保持され、その中央部分が前記開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、
前記ハウジングの両端部において前記配線基板の前記被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を有しており、
前記電気コネクタの前記ハウジング上に前記配線基板を載置し、前記固定手段を前記配線基板の被固定手段に嵌合させてなる、回路組立体の組立方法。
【請求項10】
配線基板と結合する電気コネクタであって、
電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、
複数の導電性の接触子であり、前記ハウジングに保持され、その中央部分が前記開放面から外方に傾斜しつつ突出する、該接触子と、
前記ハウジングの両端部において前記配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、
を備え、
前記電気コネクタと前記配線基板とが結合するときに、前記固定手段が前記配線基板の前記被固定手段に嵌合する、電気コネクタ。
【請求項11】
前記固定手段は、前記被固定手段と嵌合したときに、前記配線基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える、請求項10記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記被固定手段は、前記配線基板の両端部に形成された穴であり、
前記固定手段は、
前記配線基板の前記穴に嵌合可能に構成された嵌合部と、
前記嵌合部と連設され、前記ハウジングに固定される基部と、
を有する、請求項10又は11記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記ハウジングは、対向して配置される第1側壁部及び第2側壁部を少なくとも有し、当該第1側壁部及び第2側壁部により前記開放面が画成されており、
前記接触子は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間の所定の位置に配置されると共に前記第1側壁部及び第2側壁部のいずれか一方、もしくは両方に保持されている、請求項10〜12のいずれか一項記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記接触子は、
前記第1側壁部の所定の位置に埋め込まれる第1端部と、
前記第2側壁部の所定の位置に埋め込まれる第2端部と、
前記第1端部側に連設され、前記第2側壁部側に延びる第1部分と、
前記第2端部側に連設され、前記第1側壁部側に延びる第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを屈曲部により連結する前記中央部分と、を備え、
前記第2部分は、複数の直線部分と複数の屈曲部分とを有し、
前記複数の直線部分のうちの一の直線部分と前記第1部分とは、略平行をなして前記開放面に対して傾斜しており、
前記中央部分は、前記電気コネクタが前記配線基板と結合するときに、前記開放面に向かって弾性的に移動する、請求項13記載の電気コネクタ。
【請求項1】
回路組立体であって、
両端部に被固定手段を有する配線基板と、
電気コネクタであり、
電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、
複数の導電性の接触子であり、前記ハウジングに保持され、その中央部分が前記開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、
前記ハウジングの両端部において前記配線基板の前記被固定手段に対応して設けられた固定手段と、
を有する前記電気コネクタと、を備え、
前記電気コネクタと前記配線基板とが結合するときに、前記固定手段が前記配線基板の前記被固定手段に嵌合する、回路組立体。
【請求項2】
前記固定手段は、前記被固定手段と嵌合したときに、前記配線基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える、請求項1記載の回路組立体。
【請求項3】
前記配線基板上に配置される押圧部材であって、前記ハウジングに固定されると共に、前記配線基板を前記ハウジング側に押圧する該押圧部材を備える、請求項1記載の回路組立体。
【請求項4】
前記配線基板上に配置される押圧部材であり、前記ハウジングに固定されると共に、前記配線基板に対して当該配線基板を前記ハウジング側に押圧する該押圧部材を備え、
前記固定手段は、前記被固定手段と嵌合したときに、前記配線基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える、請求項1記載の回路組立体。
【請求項5】
前記ハウジングは、対向して配置される第1側壁部及び第2側壁部を少なくとも有し、当該第1側壁部及び第2側壁部により前記開放面が画成されており、
前記接触子は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間の所定の位置に配置されると共に前記第1側壁部及び第2側壁部のいずれか一方、もしくは両方に保持されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の回路組立体。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記接触子が配置される接触子保持部を有し、
前記接触子は、前記接触子保持部において、その一端部もしくは両端部が前記ハウジングに保持されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の回路組立体。
【請求項7】
前記接触子は、
前記第1側壁部の所定の位置に埋め込まれる第1端部と、
前記第2側壁部の所定の位置に埋め込まれる第2端部と、
前記第1端部側に連設され、前記第2側壁部側に延びる第1部分と、
前記第2端部側に連設され、前記第1側壁部側に延びる第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを屈曲部により連結する前記中央部分と、を備え、
前記第2部分は、複数の直線部分と複数の屈曲部分とを有し、
前記複数の直線部分のうちの一の直線部分と前記第1部分とは、略平行をなして前記開放面に対して傾斜しており、
前記中央部分は、前記電気コネクタが前記配線基板と結合するときに、前記開放面に向かって弾性的に移動する、請求項5記載の回路組立体。
【請求項8】
前記被固定手段は、前記配線基板の両端部に形成された穴であり、
前記固定手段は、
前記配線基板の前記穴に嵌合可能に構成された嵌合部と、
前記嵌合部と連設され、前記ハウジングに固定される基部と、
を有する、請求項1〜7のいずれか一項記載の回路組立体。
【請求項9】
配線基板と電気コネクタとを含む回路組立体の組立方法であって、
前記配線基板は、両端部に被固定手段を有し、
前記電気コネクタは、
電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、
複数の導電性の接触子であり、前記ハウジングに保持され、その中央部分が前記開放面から外方向に傾斜しつつ突出する、該接触子と、
前記ハウジングの両端部において前記配線基板の前記被固定手段に対応して設けられた固定手段と、を有しており、
前記電気コネクタの前記ハウジング上に前記配線基板を載置し、前記固定手段を前記配線基板の被固定手段に嵌合させてなる、回路組立体の組立方法。
【請求項10】
配線基板と結合する電気コネクタであって、
電気絶縁性を有するハウジングであり、開放面を有する該ハウジングと、
複数の導電性の接触子であり、前記ハウジングに保持され、その中央部分が前記開放面から外方に傾斜しつつ突出する、該接触子と、
前記ハウジングの両端部において前記配線基板の被固定手段に対応して設けられた固定手段と、
を備え、
前記電気コネクタと前記配線基板とが結合するときに、前記固定手段が前記配線基板の前記被固定手段に嵌合する、電気コネクタ。
【請求項11】
前記固定手段は、前記被固定手段と嵌合したときに、前記配線基板の中心から横方向に相反する力を当該配線基板に与える、請求項10記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記被固定手段は、前記配線基板の両端部に形成された穴であり、
前記固定手段は、
前記配線基板の前記穴に嵌合可能に構成された嵌合部と、
前記嵌合部と連設され、前記ハウジングに固定される基部と、
を有する、請求項10又は11記載の電気コネクタ。
【請求項13】
前記ハウジングは、対向して配置される第1側壁部及び第2側壁部を少なくとも有し、当該第1側壁部及び第2側壁部により前記開放面が画成されており、
前記接触子は、前記第1側壁部と前記第2側壁部との間の所定の位置に配置されると共に前記第1側壁部及び第2側壁部のいずれか一方、もしくは両方に保持されている、請求項10〜12のいずれか一項記載の電気コネクタ。
【請求項14】
前記接触子は、
前記第1側壁部の所定の位置に埋め込まれる第1端部と、
前記第2側壁部の所定の位置に埋め込まれる第2端部と、
前記第1端部側に連設され、前記第2側壁部側に延びる第1部分と、
前記第2端部側に連設され、前記第1側壁部側に延びる第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを屈曲部により連結する前記中央部分と、を備え、
前記第2部分は、複数の直線部分と複数の屈曲部分とを有し、
前記複数の直線部分のうちの一の直線部分と前記第1部分とは、略平行をなして前記開放面に対して傾斜しており、
前記中央部分は、前記電気コネクタが前記配線基板と結合するときに、前記開放面に向かって弾性的に移動する、請求項13記載の電気コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−84476(P2013−84476A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224276(P2011−224276)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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