説明

回転ジェットを備えたノズル

【課題】中圧力で流体を供給することができる回転ジェットを備えたノズルを提供する。
【解決手段】回転ジェットを備えたノズル(1)は、インジェクタ(2C)を収容する開口した空洞(2B)を区画している本体(2A)を含む。インジェクタ(2C)の一端は、インジェクタ(2C)に作用する接線方向の水流圧の影響で本体(2A)のピボット(2D)の周りを環状運動するように駆動され、インジェクタ(2C)の他端には、インジェクタ(2C)の摂動運動を許容する凹状座(2F)形態の空洞(2B)の開口内に配置されたスプレイノズル(2E)が配設されている。スプレイノズル(2E)の内径(d1)は2.8乃至6mmであり、一方座(2F)の最小径(d2)は4乃至11.5mmであり、座(2F)の最小径(d2)はスプレイノズル(2E)の内径(d1)の1.7倍±10%の大きさであって、中圧供給が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インジェクタを収容する開口された空洞を区画する本体を含む型の回転ジェットを備えたノズルに関する。
【0002】
更に詳細には、本発明は、インジェクタの一端は、インジェクタに作用する接線方向の水流圧の影響で本体のピボットの周りを環状運動するように駆動され、インジェクタの他端には、インジェクタの摂動運動を許容する凹状座形態の空洞の開口内に配置されたスプレイノズルが配設されている型の、回転ジェットを備えたノズルに関する。
【背景技術】
【0003】
上記ノズルは特にスプレイ設備の場合に利用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したとおり回転ジェットを備えたノズルは、これまで、ノズルの寸法特性に起因して中圧流体を供給することができなかった。
【0005】
従って、本発明の目的は、中圧力、即ち概ね20乃至60barの圧力、で流体を供給することを許容する寸法特性を有するノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的のために、本発明のノズルは、スプレイノズルの内径は2.8乃至6mmであり、一方座の最小径は4乃至11.5mmであり、座の最小径はスプレイノズルの内径の1.7倍±10%の大きさであって、中圧供給が可能であることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、本発明に従うノズルの断面図である単一の図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載からより一層理解されるであろう。
【0008】
上述したとおり、本発明に従う全体を番号1で示す、回転ジェットを備えたロータノズルと称されるノズルは、中圧ポンプ設備に装備するのに特に適している。このノズルは、インジェクタ2Cを受け入れる開口された空洞2Bを区画している、全体として裁頭円錐台形状の静止本体2Aを具備している。インジェクタ2Cは、基本的には、軸線方向貫通路を有する円筒形状である。インジェクタ2Cの一端は、インジェクタ2Cに作用する接線方向の水流による力に駆動されて、本体2Aのピボット2Dの周りを環状運動する。インジェクタ2Cの他端には、スプレイノズル2Eが配設されている。このスプレイノズル2Eは、軸線方向貫通路を有する管形状である。スプレイノズル2Eの一端は拡大されていて、凸状スプレイノズルヘッドを形成している。かかる拡大部の基端面は、インジェクタ2Cの軸線方向貫通路内にスプレイノズル2Eを嵌合する際の軸線方向当接面を構成する。凸状スプレイヘッドを有するスプレイノズル2Eが配設された、インジェクタ2Cの一端は、空洞2Bの開口部における摂動運動を許容する凹状座2F上に配置されている。
【0009】
凹状座2Fの壁面に支持されるスプレイノズル2Eのスプレイヘッドは概ね半球状で丸みを帯びた部分にされているので、座2F内でのスプレイノズル2Eの動きが助長される。
【0010】
本発明の特徴として、スプレイノズル2Eの内径d1は、2.8乃至6mmで、一方座2Fの最小内径は4乃至11.5mmである。従って、座2Fの最小内径d2は、スプレイノズルの内径d1の1.7倍±10%の大きさであり、ノズルの中圧供給を可能にする。
【0011】
座2Fは、ジェットの出力オリフィスを構成する空洞2Bの開口部に接続された部材によって形成されている。座2Fは半球カップ状であり、その基部には流体流の出口路を区画する開口が形成され、座の流体流のための出口路の直径は上述した最小内径d2に対応している。
【0012】
図示した実施例においては、座2Fは半球カップ状をしており、この半球カップの底部は概ね半球状の第二の空洞へ通じており、その半球の基部に接して漏刻形状(砂時計形状)の通路が区画されている。
【0013】
スプレイノズル2E及び座2Fは、磨耗を軽減するために、ノズルの本体2A及びインジェクタ2Cを構成する材料よりも高い硬度を有するカーバイドの如き材料から形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明に従って構成されたノズルの断面図。
【符号の説明】
【0015】
1:ノズル
2A:本体
2B:空洞
2C:インジェクタ
2D:ピボット
2E:スプレイノズル
2F::座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インジェクタ(2C)を収容する開口した空洞(2B)を区画している本体(2A)を含み、該インジェクタ(2C)の一端は、該インジェクタ(2C)に作用する接線方向の水流圧の影響で本体(2A)のピボット(2D)の周りを環状運動するように駆動され、該インジェクタ(2C)の他端には、該インジェクタ(2C)の摂動運動を許容する凹状座(2F)形態の空洞(2B)の開口内に配置されたスプレイノズル(2E)が配設されている、回転ジェットを備えたノズル(1)において、該スプレイノズル(2E)の内径(d1)は2.8乃至6mmであり、一方該座(2F)の最小径(d2)は4乃至11.5mmであり、該座(2F)の最小径(d2)は該スプレイノズル(2E)の内径(d1)の1.7倍±10%の大きさであって、中圧供給が可能である、ことを特徴とするノズル(1)。
【請求項2】
該スプレイノズル(2E)及び該座(2F)は、磨耗を軽減するために、ノズルの該本体(2A)及び該インジェクタ(2C)を構成する材料よりも高硬度の、カーバイドの如き材料から形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の回転ジェットを備えたノズル(1)。
【請求項3】
該座(2F)は基部に流体竜出口路を区画する開口を有する半球カップ状であり、該出口路の直径は4乃至11.5mmの最小内径(d2)に対応している、請求項1又は2記載の回転ジェットを備えたノズル(1)。
【請求項4】
該座(2F)は該空洞(2B)の開口内に接続された部材によって形成されており、該空洞(2B)の該開口はノズルの中圧ジェットの出口開口を構成している、ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の回転ジェットを備えたノズル(1)。

【図1】
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【公表番号】特表2007−502202(P2007−502202A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523034(P2006−523034)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002132
【国際公開番号】WO2005/018822
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506049633)
【Fターム(参考)】