説明

回転体速度/加速度の計測・制御装置

【課題】軸結合される2慣性系または3慣性系以上の多慣性系の回転体における結合軸の捻り振動による計測・制御への影響を取り除く。
【解決手段】供試車両の駆動輪で駆動されるローラと、これに軸結合されたダイナモメータとした2慣性系のダイナモメータシステムにおいて、ローラとダイナモメータの速度N1とN2を速度検出器271,272で速度検出し、加速度検出器17で加速度検出し、これら速度と加速度から駆動力オブザーバを使ってトルク制御するときに、速度加重平均演算部25は、ローラとダイナモメータの各慣性値(J1,J2)と速度(N1,N2)または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行ってダイナモメータの速度検出値または加速度検出値として求める。
なお、3慣性系以上のダイナモメータシステムにおいても同じ手法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸結合された2慣性系や3慣性系以上の多慣性系の1つの回転体の速度や加速度を計測、さらには回転体の速度やトルクを制御する回転体速度/加速度の計測・制御装置に係り、特に結合軸(カップリング)の捻り振動による計測・制御への影響を取り除いた計測・制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転体の速度や加速度を計測、さらには制御する装置としては、例えば、供試車両で駆動されるローラにダイナモメータを軸結合し、ダイナモメータの速度・加速度を検出してその速度やトルクを制御するダイナモメータシステムがある。
【0003】
このダイナモメータシステムは、例えば図5に示すシステム構成にされる。同図において、供試車両1の駆動輪1Aによってローラ2を駆動し、ローラ2に軸結合されたダイナモメータ3はトルクコントローラ4によってトルク制御される。このトルク制御は、車速検出を基にした供試車両の走行抵抗設定器5で設定する走行抵抗分とされ、さらには検出車速から求めた加速度を用いて電気慣性設定回路6で設定する電気慣性分を加算したものにされる。
【0004】
車速制御系は、車速指令と速度検出器7の検出速度との偏差を基に速度コントローラ8に加減速指令を求め、この出力の正負で切替部9が加速制御指令と減速制御指令に切り替え、加速制御指令には供試車両1のエンジンアクセル(スロットル)開度を制御し、減速制御指令には供試車両1のブレーキペダルの踏力を制御する。
【0005】
ここで、車両の走行抵抗は、車速を変数とするタイヤ転り抵抗と空気抵抗からなる平坦路定常走行抵抗に登降坂抵抗を加え合わせたものになる。この走行抵抗のうち、慣性抵抗は実車と等価な慣性分に設定されるフライホイール10を使用することがあるが、フライホイールは設置スペースが大きくなることや高価になることから、電気慣性設定回路6によりダイナモメータ3の吸収トルク分として設定し、トルク制御する。さらに、フライホイールで慣性分を大まかに設定し、設定しようとする慣性分との差分を電気慣性制御する併用方式もある。
【0006】
トルクコントローラ4による従来の電気慣性制御は、例えば、図6に示す等価ブロック構成にされる(特許文献1参照)。図中、11〜14は、マイナループに電流制御系を持つダイナモメータのトルク制御系であり、吸収トルク指令Fmsとトルク検出部14の検出トルクとの偏差をトルク制御アンプ11で比例積分演算し、この演算結果を電流制御系(電力変換器としてインバータを使用する)12の電流指令とし、この電流制御系12の出力電流Ioによってダイナモメータ(誘導電動機)13に吸収トルクFMの機械出力として取り出される。
【0007】
Rは、供試車両1のエンジンからクラッチ及び変速機を介したエンジン駆動トルクであり、ダイナモメータの吸収トルクFMとの差分Fα(=FR−FM)がローラとダイナモメータの加速力になる。
【0008】
この加速力になるトルクは、ローラやダイナモメータ等が持つ機械慣性J0の積分になる積分要素15を通して速度N0として表れる。
【0009】
速度検出器16はダイナモメータの速度N0を検出速度Nとして検出し、加速度検出器17は速度検出器16の検出速度Nの微分により加速度dN/dtを検出する。
【0010】
走行抵抗設定器18(図5の5)は、車両の走行抵抗から慣性抵抗を除いた走行抵抗FRLを検出速度Nに応じて求める。電気慣性設定器19(図5の6)は車両の重量に相当する慣性Jから機械慣性J0を差し引いた電気慣性JE(=J−J0)を設定し、掛算器20は検出加速度dN/dtに電気慣性JEを掛算することで慣性抵抗(JE×dN/dt)を求める。これら走行抵抗FRLと慣性抵抗(JE×dN/dt)を加算して上記の吸収トルク指令Fmsを得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3687305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記のダイナモメータシステムにおける供試車両の動力伝達系の試験において、駆動輪1で駆動されるローラ2からダイナモメータ3には比較的長い結合軸を通して動力伝達され、さらにローラ2からフライホイール10には比較的長い結合軸を通して動力伝達される。
【0013】
これらローラ2,ダイナモメータ3およびフライホイール10は大重量で慣性も大きく、しかも駆動トルクも大きくなるため、これらを結合する軸には捻り振動が発生し易い。この捻り振動の発生は、図6の速度検出器16による検出速度や加速度検出器17による検出加速度の波形がシステムの固有振動周波数を持った速度、加速度検出値になり、さらにこれら速度や加速度等の検出値を使った速度制御やトルク制御の精度低下や不安定にする要因となり、高い精度の計測と安定した制御を難しくすることになる。
【0014】
このダイナモメータシステムにおける結合軸の捻り振動を抑制する手法として、以下の手法が考えられるが、いずれの手法も結合軸の大型化、コストアップ、検出遅れによる応答性の低下などの問題が発生する。
【0015】
(a)シャフトの剛性を高くする(材料の変更)。
【0016】
(b)軸径の拡大と軸長の短縮。
【0017】
(c)カップリングの剛性アップ
(d)カップリングを使わない構成にする。例えば、48インチオーバーハングシャシーダイナモメータのようにする。
【0018】
(e)ノイズフィルタにより検出信号から高周波振動成分やノイズ成分を除去する。
【0019】
以上のような課題は、ダイナモメータシステムにおいて軸結合されるローラとダイナモメータおよびフライホイールの速度/加速度の計測・制御に限らず、例えば精密工作機械やロボットなど、軸結合された2慣性系または3慣性系の回転体を装備する計測・制御装置にも存在する。
【0020】
本発明の目的は、軸結合される2慣性系または3慣性系以上の多慣性系の回転体における結合軸の捻り振動による計測・制御への影響を取り除くことができる回転体速度/加速度の計測・制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、前記の課題を解決するため、結合軸の捻り振動による速度や加速度の検出波形への影響は、結合軸で結合された回転体が持つ慣性値の相対的な違いによって大きく変化することに着目し、軸結合される回転体の各慣性値と速度または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行って回転体の速度または加速度を計測し、これら速度または加速度の計測値により回転体の速度やトルクを制御するようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【0022】
(1)軸結合された2慣性系または3慣性系以上の1つの回転体の速度または加速度を計測し、これら速度または加速度の計測値を使って回転体の速度やトルクを制御する計測・制御装置であって、
前記軸結合された複数の回転体の各慣性値と速度または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行って1つの回転体の速度検出値または加速度検出値を求める加重平均処理手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
(2)前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体が軸結合された2慣性系の回転体の速度の加重平均は、
(J1・N1+J2・N2)/(J1+J2)
ただし、J1,J2は第1,第2の回転体の慣性値、
N1,N2は第1,第2の回転体の速度、
の演算で求めることを特徴とする。
【0024】
(3)前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体が軸結合された2慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt)/(J1+J2)
ただし、J1,J2は第1,第2の回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dtは第1,第2の回転体の加速度、
の演算で求めることを特徴とする。
【0025】
(4)前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体と第3の回転体が軸結合された3慣性系の回転体の速度の加重平均は、
(J1・N1+J2/N2+J3/N3)/(J1+J2+J3)
ただし、J1,J2,J3は第1,第2,第3の回転体の慣性値、
N1,N2,N3は第1,第2,第3の回転体の速度、
の演算で求めることを特徴とする。
【0026】
(5)前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体と第3の回転体が軸結合された3慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt+J3・dN3/dt)/(J1+J2+J3)
ただし、J1,J2,J3は第1,第2,第3の回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dt,dN3/dtは第1,第2,第3の回転体の加速度、
の演算で求めることを特徴とする。
【0027】
(6)前記加重平均処理手段は、第1の回転体〜第Pの回転体が軸結合されたP慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt+…+JP・dNP/dt)/(J1+J2+…+JP)
ただし、J1,J2,…,JPは第1〜第Pの回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dt,…,dNP/dtは第1〜第Pの回転体の加速度、
の演算で求めることを特徴とする。
【0028】
(7)供試車両の駆動輪で駆動されるローラを前記第1の回転体とし、この第1の回転体に軸結合されたダイナモメータを前記第2の回転体とした2慣性系のダイナモメータシステム、さらにローラに軸結合されたフライホイールを前記第3の回転体とした3慣性系のダイナモメータシステムとし、供試車両の慣性抵抗分の一部または全部をダイナモメータが発生するトルクで制御する制御装置とし、
前記加重平均処理手段は、前記ローラとダイナモメータおよびフライホイールの各慣性値と速度または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行ってダイナモメータの速度検出値または加速度検出値として求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
以上のとおり、本発明によれば、軸結合される回転体の各慣性値と速度または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行って回転体の速度または加速度を計測し、これら速度または加速度の計測値により回転体の速度やトルクを制御するようにしたため、軸結合される2慣性系または3慣性系以上の多慣性系の回転体における結合軸の捻り振動による計測・制御への影響を取り除くことができる。
【0030】
これにより、ダイナモメータにおける速度や加速度等の検出値を使った速度制御やトルク制御の精度低下や不安定にすることがなくなり、高い精度の計測と安定した制御を容易にする。
【0031】
また、速度又は加速度の加重平均処理により、結合軸の捻り振動による計測・制御への影響を取り除くことができ、結合軸の剛性を高くするなどに比べて演算処理のみで簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態1のダイナモメータの電気慣性制御装置のブロック図。
【図2】2慣性系での加速度の慣性値加重平均処理の演算ブロック。
【図3】2慣性系で慣性値加重平均処理が無い場合と有る場合の波形図。
【図4】3慣性系での加速度の慣性値加重平均処理の演算ブロック。
【図5】ダイナモメータシステムの構成例。
【図6】トルクコントローラの電気慣性制御の等価ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態を示すダイナモメータの電気慣性制御装置のブロック図であり、駆動力オブザーバにより加速度検出値などから車両発生駆動力FR*を推定し、この推定した駆動力FR*を使って電気慣性制御を行うシステムであり、図6と同等の部分は同一符号で示す。
【0034】
図5に示すシステムで、フライホイール10による慣性抵抗分の全てを電気慣性制御するローラ2とダイナモメータ3の2慣性系システムにおいて、推定する車両発生駆動力FR*は、ローラ2が駆動輪1Aで駆動される駆動トルクであり、ローラ2とダイナモメータ3の機械慣性トルクとダイナモメータの制動トルクとの和としてオブザーバが推定するもので、このうち制動トルクはトルク検出器14による検出トルクFM*となり、機械慣性トルクは加速度検出器17で検出する加速度dN/dtに設定器21で設定するローラ2とダイナモメータ3の機械慣性分J0を掛算器22で乗じることで求める。電気慣性分トルクFEは、車両発生駆動力FR*から走行抵抗FRLを差し引いた値Fα(設定慣性加速トルク)に、設定器23で設定する電気慣性JEと設定慣性Jの比(JE/J)を掛算器24で乗じることで求める。
【0035】
これら演算によって電気慣性トルク分が求められるのは、実車の走行運動とダイナモメータ上の運動が等しいとする関係式(FR−FRL)/J=(FR−FM)/J0を変形したFM=(J−J0)/J×FR+J0/J×FRLとなる。
【0036】
ここで、J0/J×FRL=−FRL+J0/J×FRL+FRLとすると、上記のFMはFM=JE/J×(FR−FRL)+FRLの関係になる。
【0037】
以上の構成になる駆動力オブザーバによるダイナモメータの電気慣性制御装置において、本実施形態では、ダイナモメータ3とローラ2の慣性値を使った速度加重平均処理によって速度検出を行い、さらにはこの検出速度から加速度を求めることで、ダイナモメータ3とローラ2の結合軸の捻り振動による速度、加速度検出への影響を取り除き、さらにはダイナモメータの安定したトルク制御を実現する。
【0038】
速度加重平均処理は、速度加重平均演算部25によって演算し、この演算に必要なダイナモメータの慣性J1とローラの慣性J2は2慣性系26がもつ慣性値として設定し、ダイナモメータの速度N1およびローラ速度N2は2慣性系26のダイナモメータまたはローラの近くに設けた速度検出器271,272の検出値として取り込む。速度加重平均演算部25の演算は、(J1・N1+J2・N2)/(J1+J2)となる。
【0039】
以上の速度加重平均処理によって、速度Nの検出波形、さらにはこの速度検出波形から得る加速度dN/dtの検出波形にはダイナモメータ3とローラ2の結合軸の捻り振動による高周波成分およびノイズ成分を縮減した検出値を得ることができる。
【0040】
(実施形態2)
上記の速度加重平均処理は2慣性系のダイナモメータシステムでの結合軸の捻り振動による計測・制御への影響を取り除く場合を示すが、慣性分の一部をフライホイール10で設定する3慣性系の電気慣性制御装置(例えば図5の構成)に適用して同等の効果を得ることができる。
【0041】
この3慣性系での速度加重平均処理は、フライホイール10の慣性J3と速度検出値N3を加えた、(J1・N1+J2・N2+J3・N3)/(J1+J2+J3)となる。
【0042】
(実施形態3)
図1では、速度加重平均処理によって結合軸の捻り振動による影響を取り除く場合を示すが、加速度の加重平均処理により結合軸の捻り振動による加速度検出波形への影響を取り除くことができる。
【0043】
この加速度加重平均処理は、2慣性系では、図2に加速度の慣性値加重平均処理演算を示すように、ダイナモメータ3の慣性をJ1,加速度検出値をdN1/dtとし、ローラ2の慣性をJ2、加速度検出値をdN2/dtとすると、下記式の演算で求められる。
【0044】
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt)/(J1+J2)
図3は、その(a)に2慣性系での加速度加重平均処理を設けていない場合の速度検出波形と加速度検出波形を示し、(b)に2慣性系での加速度加重平均処理を設けた場合の速度検出波形と加速度検出波形波形を示す。これら波形図からも明らかなように、加速度加重平均処理を設けていない場合には速度検出波形には高周波振動波形が重畳して検出されるのに対し、加速度加重平均処理を行うことで振動振幅および脈動が極めて小さくなる。
【0045】
具体的には、図3の(a)と(b)とでは、加速度検出は共振点で1.3m/s2→0.3m/s2まで低減し、減速時は1.4m/s2→0.2m/s2まで減らすことができた。
【0046】
同様にして、3慣性系での加速度加重平均処理は、図4に加速度の慣性値加重平均処理演算を示すように、フライホイール10の慣性をJ3,加速度検出値をdN3/dtとすると、下記式の演算で求められる。
【0047】
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt+J3・dN3/dt)/(J1+J2+J3)
この3慣性系での加速度加重平均処理によって振動振幅および脈動が一層小さくなる。実験によれば、3慣性系での加速度加重平均処理を設けていない場合と加速度加重平均処理を設けた場合の加速時および減速時に振動振幅および脈動を低減することができた。
【0048】
なお、上記までの2慣性系、3慣性系以上の多慣性系についても理論上は上記と同様に慣性値の加重平均処理を行うことにより、捻り振動の影響のない速度・加速度検出および制御を得ることができる。例えば、加重平均処理手段は、第1の回転体〜第Pの回転体が軸結合されたP慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt+…+JP・dNP/dt)/(J1+J2+…+JP)
ただし、J1,J2,…,JPは第1〜第Pの回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dt,…,dNP/dtは第1〜第Pの回転体の加速度、
の演算で求める。
【符号の説明】
【0049】
1 供試車両
2 ローラ
3 ダイナモメータ
4 トルクコントローラ
10 フライホイール
16 速度検出器
17 加速度検出器
18 走行抵抗設定器
25 速度加重平均演算部
26 2慣性系
271、272 速度検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸結合された2慣性系または3慣性系以上の1つの回転体の速度または加速度を計測し、これら速度または加速度の計測値を使って回転体の速度やトルクを制御する計測・制御装置であって、
前記軸結合された複数の回転体の各慣性値と速度または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行って1つの回転体の速度検出値または加速度検出値を求める加重平均処理手段を備えたことを特徴とする回転体速度/加速度の計測・制御装置。
【請求項2】
前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体が軸結合された2慣性系の回転体の速度の加重平均は、
(J1・N1+J2・N2)/(J1+J2)
ただし、J1,J2は第1,第2の回転体の慣性値、
N1,N2は第1,第2の回転体の速度、
の演算で求めることを特徴とする請求項1に記載の回転体速度/加速度の計測・制御装置。
【請求項3】
前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体が軸結合された2慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt)/(J1+J2)
ただし、J1,J2は第1,第2の回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dtは第1,第2の回転体の加速度、
の演算で求めることを特徴とする請求項1に記載の回転体速度/加速度の計測・制御装置。
【請求項4】
前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体と第3の回転体が軸結合された3慣性系の回転体の速度の加重平均は、
(J1・N1+J2/N2+J3/N3)/(J1+J2+J3)
ただし、J1,J2,J3は第1,第2,第3の回転体の慣性値、
N1,N2,N3は第1,第2,第3の回転体の速度、
の演算で求めることを特徴とする請求項1に記載の回転体速度/加速度の計測・制御装置。
【請求項5】
前記加重平均処理手段は、第1の回転体と第2の回転体と第3の回転体が軸結合された3慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt+J3・dN3/dt)/(J1+J2+J3)
ただし、J1,J2,J3は第1,第2,第3の回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dt,dN3/dtは第1,第2,第3の回転体の加速度、
の演算で求めることを特徴とする請求項1に記載の回転体速度/加速度の計測・制御装置。
【請求項6】
前記加重平均処理手段は、第1の回転体〜第Pの回転体が軸結合されたP慣性系の回転体の加速度の加重平均は、
(J1・dN1/dt+J2・dN2/dt+…+JP・dNP/dt)/(J1+J2+…+JP)
ただし、J1,J2,…,JPは第1〜第Pの回転体の慣性値、
dN1/dt,dN2/dt,…,dNP/dtは第1〜第Pの回転体の加速度、
の演算で求めることを特徴とする請求項1に記載の回転体速度/加速度の計測・制御装置。
【請求項7】
供試車両の駆動輪で駆動されるローラを前記第1の回転体とし、この第1の回転体に軸結合されたダイナモメータを前記第2の回転体とした2慣性系のダイナモメータシステム、さらにローラに軸結合されたフライホイールを前記第3の回転体とした3慣性系のダイナモメータシステムとし、供試車両の慣性抵抗分の一部または全部をダイナモメータが発生するトルクで制御する制御装置とし、
前記加重平均処理手段は、前記ローラとダイナモメータおよびフライホイールの各慣性値と速度または加速度の各検出値を使って、速度または加速度の加重平均処理を行ってダイナモメータの速度検出値または加速度検出値として求めることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転体速度/加速度の計測・制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−167974(P2012−167974A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28120(P2011−28120)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)