説明

回転型画像表示装置

【課題】人の興味を引くような特異な画像を表示することが可能な回転型画像表示装置を提供する。
【解決手段】ケース外表示用発光素子からの光を反射するケース外表示用ミラー9Aと、ケース部材7に形成されたケース外表示用開口10Aとを有し、ケース外表示用ミラー9Aは、ケース外表示用発光素子からの光がケース外表示用ミラー9Aに反射されてケース外表示用開口10Aから出射するまでの光路長がケース部材7の平面形状における直径寸法よりも長くなる位置に配置され、ケース外表示用ミラー9Aによって反射した反射光を開口10Aから出射し、この反射光により画像をケース部材7の外側に結像されたように表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を回転させて文字や図形等の画像を表示する回転型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の発熱素子を回転させながら前記各発光素子の発光を制御して、文字や図形等の所望の画像を表示する回転型画像表示装置が考えられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
この回転型画像表示装置は、複数の発光素子と、回転可能な支持体とを有し、各発光素子は、支持体における回転方向と交差する方向に並列配置されている。そして、回転型画像表示装置は、支持体とともに回転する各発光素子の発光を回転軌道上の位置に応じて制御することにより、網膜の残像効果を利用して文字や図形等の所望の画像を表示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−250445号公報
【特許文献2】特開2004−045694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の回転型画像表示装置において、近年、単なる平面的または立体的な画像の表示ではなく、人の興味を引くような特異な画像の表示が求められている。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、特異な画像の表示を行うことが可能な回転型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る回転型画像表示装置の特徴は、発光素子と、前記発光素子を支持する支持体と、前記支持体を回転させる回転駆動装置と、前記発光素子の発光を制御する制御装置とを備え、前記制御装置の制御に基づいて発光された前記発光素子からの光を用いて画像を表示する画像表示装置であって、前記支持体を被覆し、前記回転駆動装置の駆動によって前記支持体とともに回転する前記ケース部材と、前記ケース部材の内部に配置され、前記発光素子から発光された光を反射するミラーと、前記ケース部材に形成された開口とを有し、前記発光素子からの光を前記ミラーによって反射し、この反射光を前記開口を介して前記ケース部材の外部に出射し、この反射光により画像を表示する点にある。
【0008】
この本発明に係る回転型画像表示装置によれば、発光素子からの光を、ミラーによって反射し、この反射光によって画像を表示することにより、網膜の残像効果を利用しながら、単に発光素子からの光によって画像を表示することとは異なる特異な画像の表示を行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る回転型画像表示装置において、前記ミラーを、前記発光素子から発光された光が前記開口に到達するまでの光路長が、前記ケース部材の平面形状における直径寸法よりも長くなる位置に配置されるケース外表示用ミラーとし、前記ケース外表示用ミラーによって反射した反射光によって、画像を前記ケース部材の外側に結像されたように表示するとよい。このような構成を採用することにより、本発明に係る回転型画像表示装置は、ケース外表示用発光素子から発光された光が開口に到達するまでの光路長が、ケース部材の平面形状における直径寸法よりも長くなるので、ケース外表示用ミラーによる反射光によって表示される画像を、ケース部材の外側に結像されたように表示することができ、人の興味を引くような特異な画像の表示を行うことができる。
【0010】
さらに、本発明に係る回転型画像表示装置において、前記ミラーを、前記発光素子を頂点として前記ケース部材の方向に広がるようにテーパード状に配置されて前記発光素子からの光を再帰反射する再帰反射表示用ミラーとし、この再帰反射した反射光によって画像を表示するとよい。このような構成を採用することにより、本発明に係る回転型画像表示装置は、再帰反射光によって万華鏡のような画像を表示することができ、人の興味を引くような特異な画像を表示することができる。
【0011】
さらにまた、本発明に係る回転型画像表示装置において、前記ミラーとして、前記支持体の一方の面に対向し、前記発光素子から発光された光が前記ミラーに反射されて前記開口から出射するまでの光路長が、前記ケース部材の平面形状における直径寸法よりも長くなる位置に配置されるケース外表示用ミラー、および前記支持体の他方の面側に位置し、前記発光素子を頂点として前記ケース部材の方向に広がるようにテーパード状に配置されて前記発光素子からの光を再帰反射する再帰反射表示用ミラーを有し、前記発光素子として、前記ケース外表示用ミラーに光を照射するケース外表示用発光素子、および前記再帰反射表示用ミラーに光を照射する再帰反射表示用発光素子を有し、前記ケース外表示用発光素子から発光され、前記ケース外表示用ミラーによって反射した反射光によって、画像を前記ケース部材の外側に結像されたように表示するとともに、前記再帰反射表示用発光素子から発光され、前記再帰反射表示用ミラーによって再帰反射した反射光によって画像を表示するとよい。このような構成を採用することにより、本発明に係る回転型画像表示装置は、ケース外表示用発光素子から発光された光が開口に到達するまでの光路長が、ケース部材の平面形状における直径寸法よりも長くなるので、ケース外表示用ミラーによる反射光によって表示される画像を、ケース部材の外側に結像されたように表示するとともに、再帰反射光によって万華鏡のような画像を表示することができる。これにより、本発明に係る回転型画像表示装置は、人の興味を引くような特異な画像を表示することができる。
【0012】
また、本発明に係る回転型画像表示装置は、前記制御装置が、前記ケース部材の回転にともなう前記開口の位置の移動によって、前記開口を介して表示される画像が前記開口の各位置によって異なるように前記発光素子の発光を制御するようにしてもよい。このような構成を採用することにより、本発明に係る回転型画像表示装置は、開口の各位置によって異なる画像を表示することができ、視認者は、視認角度によって異なる表示を視認することができる。
【0013】
さらにまた、本発明に係る回転型画像表示装置は、外部からの情報データを受信する受信装置を備え、前記制御装置が、前記受信装置によって受信された前記情報データの信号に基づき前記発光素子の回転軌道上の位置に応じて前記発光素子の発光を制御するようにしてもよい。このような構成を採用することにより、本発明に係る回転型画像表示装置は、ニュース等の新規な情報を表示することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように、本発明に係る回転型画像表示装置によれば、ミラーによって反射した反射光によって画像の表示を行うことにより、人の興味を引くような特異な画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る回転型画像表示装置の一実施形態を示す斜視図
【図2】図1の回転型画像表示装置の分解斜視図
【図3】図1の回転型画像表示装置の支持体の一面を示す正面図
【図4】図1の回転型画像表示装置のケース外表示用発熱素子、各ケース外表示用ミラーおよびケース外表示用開口の配置を示す平面概説図
【図5】(a)〜(b)は、図4の回転画像表示装置の回転によりケース外表示用開口から視認される画像を示す平面概説図
【図6】図1の回転型画像表示装置の支持体の他面を示す背面図
【図7】図1の回転型画像表示装置の各再帰反射表示用ミラーの配置を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る回転型画像表示装置の一実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る回転型画像表示装置を示す斜視図、図2は、図1の回転型画像表示装置の分解斜視図である。図1および図2に示すように、本実施形態に係る回転型画像表示装置1は、発光素子2と、発光素子2を支持する支持体3と、支持体3を回転させる回転駆動装置5と、発光素子2の発光を制御する発光制御装置6と、支持体3を被覆し、回転駆動装置5によって支持体3とともに回転するケース部材7とを有している。また、回転型画像表示装置1は、ケース部材7の内部に配置され、発光素子2から発光された光を反射するミラー9と、ケース部材7に形成され、ミラー9に反射した反射光をケース部材7の外側に出射する開口10とを有している。そして、回転型画像表示装置1は、発光素子2が支持される支持体3を回転するとともに、発光素子2からの光をミラー9によって反射し、開口10を介してケース部材7の外部に出射した反射光によって、網膜の残像効果を利用して画像を表示するようになっている。
【0018】
支持体3は、円盤状のプリント基板からなり、一部分(図2における下部分)に切欠部3aが形成され、切欠部3aには、前記回転駆動装置5としてのモータ5が取り付けられるようになっており、発光制御装置6は、支持体3に支持されている。なお、本実施形態において支持体3は円盤状であるが、本発明はこれに限定されず、回転型画像表示装置1の全体の形状に即して種々の形状とすることができる。
【0019】
モータ5は、モータブラケット12を介してプリント基板13に実装されており、モータ5の駆動軸5aが露出するようにプリント基板13とともに上ケース15Aおよび下ケース15Bからなるモータ用ケース15の内部に配置されている。モータ5の駆動軸5aの先端部には、回転可能な支持体3に対してプリント基板13からの制御信号および電力を伝達するスリップリング16が固定用ねじ17によって取り付けられており、このスリップリング16は、支持体3に固定して取り付けられている。これにより、モータ5は、駆動軸5aの先端部が支持体3の中央部分に位置するようにスリップリング16を介して支持体3に固定して取り付けられている。
【0020】
また、スリップリング16は、支持体用電極16a、およびモータ5の駆動軸5aに対して同心円状に配置されて支持体用電極16aに電気的に接続されたスリップリング電極16bを有している。支持体用電極16aは、支持体3の図示しない電極に電気的に接続されており、スリップリング電極16bは、モータ用ケース15の上に配置されたスリップリング接触子18に電気的に接続されている。また、スリップリング電極16bは、支持体3の一面側および他面側に配置される一対の電極カバー19によって被覆されており、両電極カバー19は、支持体3の図2における下部分に固定して取り付けられている。これにより、スリップリング16は、支持体3に対してプリント基板13からの制御信号および電力を伝達するようになっている。
【0021】
また、プリント基板13には、回転型画像表示装置1を単体で動作させる際に支持体3の回転数や各発光素子2の輝度を設定する設定エンコーダ21、および表示される画像の種類を切り替えるモード切替ボタン22が実装されている。設定エンコーダ21は、モータ用ケース15から露出されているとともにエンコーダ用カバー20に被覆され、エンコーダ用カバー20の上から操作可能とされている。また、モード切替ボタン22は、先端部がモータ用ケース15から露出されて配置され、操作可能とされている。さらに、プリント基板13には、外部から電力を供給するために電源コード(図示せず)が接続される電源コネクタ23、および外部からデータを入力するためにUSB機器(図示せず)が接続されるUSBコネクタ25が実装されている。電源コネクタ23およびUSBコネクタ25は、それぞれの接続部がモータ用ケース15の上ケース15Aから露出されており、これにより、電源コードやUSB機器が接続可能とされている。
【0022】
そして、回転型画像表示装置1は、モータ5を駆動することにより、モータ5の駆動軸5aを回転軸として支持体3を回転するようになっている。また、回転型画像表示装置1は、単体で動作可能であるとともに、USBコネクタ25に接続されたUSB機器から入力するコマンドデータに基づいて、支持体3の回転数や発光素子2の輝度の設定を切り替えたり、前記USB機器から表示される文字や図形等の画像のデータを読み込んで図示しないメモリに記憶し、さらに、表示される画像の種類を切り替えることができるようにしてもよい。
【0023】
ケース部材7は、支持体3の一面側を被覆する第1ケース7Aおよび支持体3の他面側を被覆する第2ケース7Bを有している。第1ケース7Aおよび第2ケース7Bは、支持体3を間に挟持しながら相互に嵌合してほぼ球状とされており、これにより、ケース部材7は、支持体3とともに回転するようになっている。
【0024】
また、ケース部材7は、透明材料からなるほぼ球状の風防カバー26によって被覆されていることが好ましい。風防カバー26は、第1ケース7Aを被覆する第1カバー26Aおよび第2ケース7Bを被覆する第2カバー26Bを有しており、第1カバー26Aおよび第2カバー26Bを相互に嵌合して球状とするとともに、風防用ブラケット27を介してモータ用ケース15に取り付けられている。
【0025】
本実施形態における回転型画像表示装置1は、発光素子2として、図3に示すような支持体3における一方の面である第1面3Aに支持されるLED等からなる複数のケース外表示用発光素子2Aを有している。各ケース外表示用発光素子2Aは、支持体3の第1面3Aであって図3における左部分に、支持体3の回転方向に交差する方向に並列配置して実装されている。
【0026】
また、回転型画像表示装置1は、ミラー9として、図4に示すように、ケース部材7内における支持体3の第1面3Aに対向して配置される3枚の平板状のケース外表示用ミラー9A(9Aa、9Ab、9Ac)を有しているとともに、開口10として、ケース部材7のうち第1ケース7Aに形成され、ケース外表示用ミラー9Aに反射した光をケース部材7の外部に出射するケース外表示用開口10Aを有している。
【0027】
各ケース外表示用ミラー9Aは、ケース外表示用発光素子2Aから発光された光が各ケース外表示用ミラー9Aに反射してケース外表示用開口10Aから出射するまでの光路長L1が、ケース部材7の平面形状における直径寸法L2よりも長くなるように配置されている。本実施形態においては、図4に示すように、各ケース外表示用ミラー9Aのうち第1ケース外表示用ミラー9Aaは、各ケース外表示用発光素子2Aに平面形状において所定の角度をもって対向して配置され、第1ケース7Aに固定して取り付けられ、各ケース外表示用発光素子2Aから発光した光を反射するようになっている。また、第2ケース外表示用ミラー9Abは、第1ケース外表示用ミラー9Aaに平面形状において所定の角度をもって対向して配置され、第1ケース7Aに固定して取り付けられ、第1ケース外表示用ミラー9Aaによって反射された反射光をさらに反射するようになっている。さらに、第3ケース外表示用ミラー9Acは、第2ケース外表示用ミラー9Abに対向して配置され、第2ケース外表示用ミラー9Abによって反射された反射光をさらにまた反射し、ケース外表示用開口10Aを介してケース部材7の外部に出射するようになっている。この第3ケース外表示用ミラー9Acは、第1ケース7Aに取り付けられたミラー用ブラケット29に固定して取り付けられている。
【0028】
なお、本発明に係る回転型画像表示装置1における各ケース外表示用ミラー9Aは、ケース外表示用発光素子2Aから発光された光がケース外表示用開口10Aに到達するまでの光路長L1が、ケース部材7の平面形状における直径寸法L2よりも長くなる位置に配置されるものであれば、各ケース外表示用ミラー9Aの数および配置位置は、本実施形態に限定されるものではない。
【0029】
さらに、支持体3の一面には、各ケース外表示用発光素子2Aの発光を制御する発光制御装置6として作用する第1発光制御用IC6Aが実装されている。
【0030】
そして、回転型画像表示装置1は、第1発光制御用IC6Aの制御に基づいて発光された各ケース外表示用発光素子2Aからの光を、各ケース外表示用ミラー9Aによって反射し、この反射光をケース外表示用開口10Aを介してケース部材7の外部に出射し、この反射光によって画像をケース部材7の外側に結像されたように表示するようになっている。
【0031】
また、図5に示すように、回転型画像表示装置1は、第1発光制御用IC6Aにより、ケース部材7の回転に伴うケース外表示用開口10Aの位置の移動によってケース外表示用開口10Aを介して表示される画像がケース外表示用開口10Aの各位置によって異なるように、各ケース外表示用発光素子2Aの発光を制御することが好ましい。これにより、視認者の視認角度によって異なる表示を視認することができる。
【0032】
また、本実施形態における回転型画像表示装置1は、発光素子2として、図6に示すような支持体3における他方の面である第2面3Bに支持されるLED等からなる複数の再帰反射表示用発光素子2Bを有している。さらに、回転型画像表示装置1は、ミラー9として、図7に示すように、ケース部材7内における支持体3の第2面3B側に位置し、再帰反射表示用発光素子2Bを頂点としてケース部材7の方向に広がるようにテーパード状(本実施形態においては三角錐状)に配置されて再帰反射表示用発光素子2Bからの光を再帰反射するする3つの再帰反射表示用ミラー9B(9Ba、9Bb、9Bc)を有している。さらにまた、回転型画像表示装置1は、開口10として、ケース部材7のうち第2ケース7Bにおける再帰反射表示用ミラー9Bに対向する位置に形成され、再帰反射表示用ミラー9Bに再帰反射した光をケース部材7の外部に出射する再帰反射表示用開口10Bを有している。
【0033】
3つの再帰反射表示用ミラー9Bの頂点に対向して配置される各再帰反射表示用発光素子2Bのうち、第1、第2再帰反射表示用ミラー9Ba、9Bbの頂点に対向して配置される再帰反射表示用発光素子2Bは、支持体3の第2面3Bであって図6における上部分に、左右対称の位置に1つずつ実装されている。また、第3再帰反射表示用ミラー9Bcの頂点に対向して配置される再帰反射表示用発光素子2Bは、支持体3の第2面3Bにおける中央部分に複数個実装されている。
【0034】
図7に示すように、各再帰反射表示用ミラー9Bは、それぞれ三角形状の3枚のハーフミラー等からなるミラー部材30を三角錐状に配置することにより構成されている。そして、各再帰反射表示用ミラー9Bは、各再帰反射表示用発光素子2Bからの光が頂点から各ミラー部材30の相互に対向する内面に照射されることにより、各ミラー部材30の内面において再帰反射するようになっている。また、第3再帰反射表示用ミラー9Bの頂点側の外周には、各ミラー部材30に対応して3枚のプリズム板31が配置されることが好ましい。このプリズム板31は、各再帰反射表示用発光素子2Bからの光を反射しつつ、分散しながら、第3再帰反射表示用ミラー9Bの内面に導くようになっている。
【0035】
なお、本発明に係る回転型画像表示装置1における各再帰反射表示用ミラー9Bは、再帰反射表示用発光素子2Bを頂点としてケース部材7の方向に広がるようにテーパード状に配置されて再帰反射表示用発光素子2Bからの光を再帰反射するものであれば、再帰反射表示用ミラー9Bの数および配置位置は、本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態において、各再帰反射表示用ミラー9Bを構成するミラー部材30としてハーフミラーを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部のミラー部材30にハーフミラーを用いてもよいし、すべてのミラー部材30を全反射ミラーとしてもよい。
【0036】
各再帰反射表示用開口10Bは、再帰反射表示用ミラー9Bの底辺に対向して三角形状に形成されており、各再帰反射表示用ミラー9Bのミラー部材30は、各再帰反射表示用開口10Bによって支持されることにより、第2ケース7Bに固定して取り付けられている。なお、本実施形態においては、各再帰反射表示用開口10Bが再帰反射表示用ミラー9Bの底辺に対応した形状に形成され、再帰反射表示用ミラー9Bは、各再帰反射表示用開口10Bに支持されることによりケース部材7に取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、再帰反射表示用ミラー9Bに再帰反射された反射光が再帰反射表示用開口10Bからケース部材7の外部に出射できる形状であれば、再帰反射表示用ミラー9Bの底辺に対応する形状でなくてもよい。また、再帰反射表示用ミラー9Bは再帰反射表示用開口10Bによる支持ではなく、ブラケット等他の部材を用いてケース部材7に取り付けられるようにしてもよい。
【0037】
さらに、支持体3の他面には、各再帰反射表示用発光素子2Bの発光を制御する発光制御装置6として作用する第2発光制御用IC6Bが実装されている。
【0038】
そして、回転型画像表示装置1は、第2発光制御用IC6Bの制御に基づいて発光された各再帰反射表示用発光素子2Bからの光を、各再帰反射表示用ミラー9Bによって再帰反射し、この反射光を各再帰反射表示用開口10Bを介してケース部材7の外部に出射し、画像を表示するようになっている。
【0039】
さらに、支持体3の第1面3Aおよび第2面3Bには、複数の端縁部発光素子32が端縁におけるほぼ全周にわたって並列配置して実装されており、第1ケース7Aおよび第2ケース7Bには、各端縁部発光素子32から発光された光をケース部材7の外に出射する開口33が形成されている。これにより、回転型画像表示装置1は、各端縁部発光素子32から発光される光を開口33から出射し、この光により所望の画像を表示するようになっている。
【0040】
また、本実施形態における回転型画像表示装置1は、外部からの情報データの信号を受信する受信装置を備えており、受信装置によって受信された情報データの信号に基づき、第1発光制御用IC6Aおよび第2発光制御用IC6Bにより各発光素子2の回転軌道上の位置に応じて発光素子2の発光を制御することが好ましい。本実施形態においては、受信装置として、モータ用ケース15から露出して配置されているUSBコネクタ25を用いてもよく、または、図示しない無線により情報データの信号を受信する受信装置を備えてもよい。
【0041】
次に、本実施形態に係る回転型画像表示装置1の作用について説明する。
【0042】
本実施形態に係る回転型画像表示装置1においてケース外表示用ミラー9Aを用いて画像の表示を行う場合、回転型画像表示装置1は、モータ5の駆動によって支持体3を回転させながら、まず、第1発光制御用IC6Aの制御に基づいて発光された各ケース外表示用発光素子2Aからの光を、第1ケース外表示用ミラー9Aaにより反射する。その後、回転型画像表示装置1は、第1ケース外表示用ミラー9Aaにより反射された反射光を第2ケース外表示用ミラー9Abにより反射し、さらにこの反射光を第3ケース外表示用ミラー9Acによって反射し、この反射光をケース外表示用開口10Aを介してケース部材7の外部に出射して、この反射光により網膜の残像効果を利用しながら画像を表示する。ここで、各ケース外表示用ミラー9Aは、各ケース外表示用発光素子2Aから発光された光がケース外表示用開口10Aに到達するまでの光路長L1が、ケース部材7の平面形状における直径寸法L2よりも長くなるように配置されているので、各ケース外表示用発光素子2Aから発光された光がケース外表示用開口10Aに到達するまでの光路長L1は、ケース部材7の平面形状における直径寸法L2よりも長くなる。このとき、ケース外表示用発光素子Aから各ケース外表示用ミラー9Aを介してケース外表示用開口10Aまでの光路長L1と、ケース外表示用開口10Aから画像が結像される位置までの直線距離L3とは同一となるので、回転型画像表示装置1は、各ケース外表示用ミラー9Aによる反射光によって表示される画像を、ケース部材7の外側に結像されたように表示することができる。
【0043】
また、本実施形態に係る回転型画像表示装置1において再帰反射表示用ミラー9Bを用いて画像の表示を行う場合、回転型画像表示装置1は、モータ5の駆動によって支持体3を回転させながら、第2発光制御用IC6Bの制御に基づいて発光された各再帰反射表示用発光素子2Bからの光を、各再帰反射表示用ミラー9Bの内面において再帰反射し、この再帰反射光を再帰反射表示用開口10Bを介してケース部材7の外部に出射して、この再帰反射光により網膜の残像効果を利用しながら画像を表示する。これにより、回転型画像表示装置1は、再帰反射光により万華鏡のような画像を表示することができる。
【0044】
したがって、回転型画像表示装置1は、各ケース外表示用ミラー9Aによる反射光によって表示される画像を、ケース部材7の外側に結像されたように表示することができる。また、回転型画像表示装置1は、再帰反射光により表示される画像を万華鏡のような画像に表示することができる。これにより、回転型画像表示装置1は、人の興味を引くような特異な表示を行うことができる。
【0045】
また、回転型画像表示装置1は、第1発光制御用IC6Aによって、ケース部材7の回転に伴うケース外表示用開口10Aの位置の移動によりケース外表示用開口10Aを介して表示される画像が、ケース外表示用開口10Aの各位置によって異なるように各ケース外表示用発光素子2Aの発光を制御することにより、ケース外表示用開口10Aの各位置によって異なる画像を表示することができる。これにより、視認者は、視認角度によって異なる表示を視認することができる。
【0046】
さらに、回転型画像表示装置1は、外部からの情報データの信号を受信する受信装置を備え、受信装置によって受信された情報データの信号に基づき、第1発光制御用IC6Aおよび第2発光制御用IC6Bにより各発光素子2の回転軌道上の位置に応じて発光素子2の発光を制御することにより、ニュース等の新規な情報を表示することができる。
【0047】
なお、本実施形態に係る回転型画像表示装置1においては、支持体3の第1面3A側にケース外表示用ミラー9Aを配置し、第2面3B側に再帰反射表示用ミラー9Bを配置するようになっているが、本発明に係る回転型表示装置はこれに限定されるものではない。たとえば、本発明に係る回転型画像表示装置1は、ケース外表示用ミラー9Aおよび再帰反射表示用ミラー9Bのいずれか一方を、支持体3のいずれか一方の面側または両面側に備えるものであってもよい。
【0048】
また、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 回転型画像表示装置
2A ケース外表示用発光素子
2B 再帰反射表示用発光素子
3 支持体
3A 第1面
3B 第2面
3a 切欠部
5 回転駆動装置(モータ)
5a 駆動軸
6A 第1発光制御用IC
6B 第2発光制御用IC
7 ケース部材
9A ケース外表示用ミラー
9B 再起反射表示用ミラー
10A ケース外表示用開口
10B 再帰反射表示用開口
12 モータブラケット
13 プリント基板
15 モータ用ケース
16 スリップリング
17 固定用ねじ
18 スリップリング接触子
19 電極カバー
21 設定エンコーダ
22 モード切替ボタン
23 電源コネクタ
25 USBコネクタ
26 風防カバー
27 風防用ブラケット
29 ミラー用ブラケット
31 プリズム板
32 端部発光素子
33 開口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、前記発光素子を支持する支持体と、前記支持体を回転させる回転駆動装置と、前記発光素子の発光を制御する制御装置とを備え、前記制御装置の制御に基づいて発光された前記発光素子からの光を用いて画像を表示する画像表示装置であって、
前記支持体を被覆し、前記回転駆動装置の駆動によって前記支持体とともに回転する前記ケース部材と、前記ケース部材の内部に配置され、前記発光素子から発光された光を反射するミラーと、前記ケース部材に形成された開口とを有し、
前記発光素子からの光を前記ミラーによって反射し、この反射光を前記開口を介して前記ケース部材の外部に出射し、この反射光により画像を表示することを特徴とする回転型画像表示装置。
【請求項2】
前記ミラーを、前記発光素子から発光された光が前記開口に到達するまでの光路長が、前記ケース部材の平面形状における直径寸法よりも長くなる位置に配置されるケース外表示用ミラーとし、前記ケース外表示用ミラーによって反射した反射光によって、画像を前記ケース部材の外側に結像されたように表示することを特徴とする請求項1に記載の回転型画像表示装置。
【請求項3】
前記ミラーを、前記発光素子を頂点として前記ケース部材の方向に広がるようにテーパード状に配置されて前記発光素子からの光を再帰反射する再帰反射表示用ミラーとし、この再帰反射した反射光によって画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の回転型画像表示装置。
【請求項4】
前記ミラーとして、前記支持体の一方の面に対向し、前記発光素子から発光された光が前記ミラーに反射されて前記開口から出射するまでの光路長が、前記ケース部材の平面形状における直径寸法よりも長くなる位置に配置されるケース外表示用ミラー、および前記支持体の他方の面側に位置し、前記発光素子を頂点として前記ケース部材の方向に広がるようにテーパード状に配置されて前記発光素子からの光を再帰反射する再帰反射表示用ミラーを有し、
前記発光素子として、前記ケース外表示用ミラーに光を照射するケース外表示用発光素子、および前記再帰反射表示用ミラーに光を照射する再帰反射表示用発光素子を有し、
前記ケース外表示用発光素子から発光され、前記ケース外表示用ミラーによって反射した反射光によって、画像を前記ケース部材の外側に結像されたように表示するとともに、前記再帰反射表示用発光素子から発光され、前記再帰反射表示用ミラーによって再帰反射した反射光によって画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の回転型画像表示装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記ケース部材の回転にともなう前記開口の位置の移動によって、前記開口を介して表示される画像が前記開口の各位置によって異なるように前記発光素子の発光を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転型画像表示装置。
【請求項6】
外部からの情報データを受信する受信装置を備え、
前記制御装置が、前記受信装置によって受信された前記情報データの信号に基づき前記発光素子の回転軌道上の位置に応じて前記発光素子の発光を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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