説明

固体撮像装置及びその製造方法、並びに電子機器

【課題】フレアの発生を抑制しさらなる小型化が可能な固体撮像装置を提供する。
【解決手段】固体撮像装置は、固体撮像素子と、固体撮像素子のパッドと基板のリードとを接続するボンディングワイヤーと、固体撮像素子を囲む枠状のフレーム部材と、フレーム部材の上面に設けられた光学部材とを備える。フレーム部材は、撮像面に向けて突出する第1脚部を有し、この第1脚部が、撮像面上における撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置及びその製造方法、並びに固体撮像装置を用いた電子機器に関するものである。詳細には、固体撮像装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を用いたラインセンサー、イメージセンサーが知られている。これらの固体撮像装置は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ、ビデオ及びスチルの両機能を備えたデジタルカメラ、携帯電話などの電子機器の撮像デバイスとして広く用いられている。本明細書において、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオ及びスチルの両機能を備えたカメラを総称してデジタルカメラと称する。
【0003】
上記のような固体撮像装置は、基板に固体撮像素子が搭載され、基板側のリードと固体撮像素子側のパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットを備える。センサーユニットには、固体撮像素子の側部を囲む枠状ないし有底箱状のフレーム部材が取り付けられ、その上面側に、固体撮像素子の撮像面に入射光を導く光学部材が取り付けられて固体撮像装置が構成される(例えば特許文献1、2を参照)。光学部材としては、例えば、固体撮像装置がセンサーパッケージである場合はカバーガラス、固体撮像装置がカメラモジュールである場合は単一または複数のレンズやIRカットフィルタ等が挙げられる。
【0004】
図11に、デジタルカメラに用いられている従来の一般的な固体撮像装置の模式的な断面図を示す。図11に示すように、固体撮像装置600は、センサーパッケージであり、大別的に、センサーユニット601と、パッケージ602とから構成される。
【0005】
センサーユニット601は、上述したCCDやCMOS等のセンサーチップからなる固体撮像素子610と、インターポーザー等の基板620と、ボンディングワイヤー630等を主体として構成される。固体撮像素子610は、基板620上に搭載され、ダイボンド626を介して基板620に固定されている。固体撮像素子610側のパッド615と基板620側のリード625とがボンディングワイヤー630により電気的に接続され、センサーユニット601が構成される。
【0006】
パッケージ602は、フレーム部材650と光学部材660とを主体として構成される。フレーム部材650は、上下に開口してボンディングワイヤー630の外側を囲む枠状をなし、下方に延びる脚部の下面がボンディングワイヤー630の接続部よりも外側の基板上面に接着固定される。光学部材660は、固体撮像素子610の撮像面に対向してフレーム部材650上面側に接着固定される。そして、図示省略するカメラレンズを通って入射する光(被写体像)が、光学部材660を透過して固体撮像素子に導かれる。本構成例は、光学部材660として、カバーガラス(シールガラスとも称される)を設けた構成である。
【0007】
このような構成により、光学部材660を透過して撮像面上に結像した被写体像を固体撮像素子610により光電変換して読み出し、基板620を介して画像信号を出力する固体撮像装置600が構成される。固体撮像装置600の組立工程では、センサーユニット601にフレーム部材650が組み付けられ、その上方からフレーム部材650の開口部を覆うように光学部材660が組み付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−57311号公報
【特許文献2】特開2006−313868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、デジタルカメラの小型化、高品質化(高画素化)、及び高機能化が進み、これらの電子機器に搭載される固体撮像装置についても、小型化、高品質化(高画素化)、及び高精度化が強く求められている。ところが、センサーパッケージやカメラモジュール等の固体撮像装置が従来備える構成においては、基板620上に搭載される固体撮像素子610、及び基板620と固体撮像素子610との間に配されるボンディングワイヤー630の外周側に、フレーム部材650が配置されることから、さらなる小型化が困難な状況にある。
【0010】
また、固体撮像装置の小型化を進めると、出力画像にフレアが発生しやすくなる。具体的には、光学部材660を通って入射した光が、ボンディングワイヤー630の接続端部で反射され、固体撮像素子610の撮像領域(有効画素領域)に入射することにより、フレアが生じる。固体撮像装置の小型化のために固体撮像素子610のサイズが縮小されていくと、上述のように光学部材660から入射した光がボンディングワイヤー630で反射して固体撮像素子610の撮像領域に入射しやすくなり、フレアが発生しやすくなる。
【0011】
本技術の目的は、フレアの発生を抑制し、さらなる小型化が可能な固体撮像装置、及びその製造方法を提供することである。また、本技術の目的は、小型で高品質な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、開示する第1の技術は固体撮像装置である。この固体撮像装置は、基板に搭載された固体撮像素子と、固体撮像素子に形成されたパッドと基板に形成されたリードとを電気的に接続するボンディングワイヤーと、固体撮像素子の側部を囲む枠状のフレーム部材と、光透過性を有し固体撮像素子の撮像面と対向してフレーム部材に取り付けられた光学部材とを備える。フレーム部材は、光学部材側から固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部(例えば、実施形態における第1脚部51)を有し、この脚部が、撮像面上における撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定されるように構成される。
【0013】
なお、前記脚部が撮像面上の中間領域に接着されて、フレーム部材が固体撮像素子に固定されるように構成することができる。
【0014】
また、前記フレーム部材は、脚部と繋がって固体撮像素子の側方を通り基板に向けて延びる第2脚部を有し、前記の脚部と第2脚部との間に、パッドとリードとを接続するボンディングワイヤーが収容されるワイヤー収容部が形成されるように構成することができる。このとき、ワイヤー収容部を、電気絶縁性を有する樹脂により充填することができる。
【0015】
前記目的を達成するため、開示する第2の技術は固体撮像装置の製造方法である。この固体撮像装置の製造方法は、基板に固体撮像素子が搭載され、基板に形成されたリードと固体撮像素子に形成されたパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットの上方から、固体撮像素子の側部を囲む枠状をなし下面側に固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部(例えば、実施形態における第1脚部51)が形成されたフレーム部材を覆い被せ、脚部が撮像面上における撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とを一体的に固定し、フレーム材の上面側に固体撮像素子の撮像面と対向するように光透過性を有する光学部材を取り付けるように構成される。
【0016】
あるいは、固体撮像装置の製造方法は、基板に固体撮像素子が搭載され、基板に形成されたリードと固体撮像素子に形成されたパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットの上方から、固体撮像素子の側部を囲む枠状をなし下面側に固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部(例えば、実施形態における第1脚部51)が形成されたフレーム部材と、光透過性を有しフレーム部材の上面側に取り付けられた光学部材とを備えた光学ユニット(例えば、実施形態におけるパッケージ2)を覆い被せ、光学部材が固体撮像素子の撮像面と対向し、脚部が撮像面上における撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とを一体的に固定するように構成される。
【0017】
前記目的を達成するため、開示する第3の技術は電子機器である。この電子機器は、固体撮像装置と、固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備える。固体撮像装置は、基板に搭載された固体撮像素子と、固体撮像素子に形成されたパッドと基板に形成されたリードとを電気的に接続するボンディングワイヤーと、固体撮像素子の側部を囲む枠状のフレーム部材と、光透過性を有し固体撮像素子の撮像面と対向してフレーム部材に取り付けられた光学部材とを備え、フレーム部材は光学部材側から撮像面に向けて突出する脚部(例えば、実施形態における第1脚部51)を有し、この脚部が、撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定されて構成される。
【発明の効果】
【0018】
第1の本技術の固体撮像装置においては、フレーム部材は光学部材側から撮像面に向けて突出する脚部を有し、この脚部が撮像面上の中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定される。このような構成によれば、光学部材を透過してパッド近傍に向かう光は、撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する脚部に遮られるためボンディングワイヤーに照射されず、ボンディングワイヤーの反射に基づくフレアの発生が抑止される。従って、フレアの発生を抑制し、さらなる小型化を推進可能な固体撮像装置を提供することができる。
【0019】
第2の本技術の固体撮像装置の製造方法においては、センサーユニットの上方からフレーム部材を覆い被せ、フレーム部材の脚部が撮像面上の中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定される。このような構成によれば、光学部材を透過してパッド近傍に向かう光は、撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する脚部に遮られるためボンディングワイヤーに照射されず、ボンディングワイヤーの反射に基づくフレアの発生が抑止される。従って、フレアの発生を抑制し、固体撮像装置のさらなる小型化を推進可能な製造方法を提供することができる。
【0020】
あるいは、センサーユニットの上方から光学ユニット(例えば、実施形態におけるパッケージ2)を覆い被せ、光学ユニットのフレーム部材の脚部が撮像面上の中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定される。このような構成によれば、光学部材を透過してパッド近傍に向かう光は、撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する脚部に遮られるためボンディングワイヤーに照射されず、ボンディングワイヤーの反射に基づくフレアの発生が抑止される。従って、フレアの発生を抑制し、固体撮像装置のさらなる小型化を推進可能な製造方法を提供することができる。
【0021】
第3の本技術の電子機器においては、固体撮像装置のフレーム部材は、光学部材側から撮像面に向けて突出する脚部を有し、この脚部が、撮像面上の中間領域に当接した状態で、フレーム部材と固体撮像素子とが一体的に固定されて構成される。このような構成によれば、光学部材を透過してパッド近傍に向かう光は、撮像領域とパッドの形成領域との間に位置する脚部に遮られるためボンディングワイヤーに照射されず、ボンディングワイヤーの反射に基づくフレアの発生が抑止される。従って、フレアの発生を抑制して小型化した固体撮像装置を用い、小型で高品質な電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本技術を適用した固体撮像装置の模式的な斜視一部断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視の断面図である。
【図3】本技術を適用した固体撮像装置におけるセンサーユニットの模式的な平面図である。
【図4】本技術を適用した固体撮像装置におけるセンサーユニットの右辺部分の部分拡大図である。
【図5】従来の固体撮像装置と本技術を適用した固体撮像装置との構造を対比した説明図である。(a)は従来の固体撮像装置の構造を説明するための模式的な断面図、(b)は本技術を適用した固体撮像装置の構造を説明するための模式的な断面図である。
【図6】従来の固体撮像装置と本技術を適用した固体撮像装置とのフレーム部材の位置決め状況を対比した説明図である。(a)は従来の固体撮像装置の位置決め状況を説明するための模式的な断面図、(b)は本技術を適用した固体撮像装置の位置決め状況を説明するための模式的な断面図である。
【図7】本技術を適用した固体撮像装置のワイヤー収容部に電気絶縁性を有する樹脂を充填した構成を例示する模式的な断面図である。
【図8】本技術を適用した固体撮像装置の基板とフレーム部材とを接着する構成を例示する模式的な断面図である。
【図9】本技術を適用した固体撮像装置の製造方法を説明するための説明図である。
【図10】本技術を適用した電子機器の撮像部の概要構成を例示するブロック図である。
【図11】従来の一般的な固体撮像装置の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術を実施するための形態について、本技術をパッケージ型の固体撮像装置(センサーパッケージ)に適用した場合を代表例として説明する。本技術を適用した固体撮像装置100の模式的な斜視断面図を図1に示し、図1におけるA−A矢視の断面図を図2に示す。センサーユニット1の模式的な平面図を図3に示す。まず、これらの図面を参照しながら、固体撮像装置100の全体構成について説明する。なお、説明の便宜のため、図1中にX,Y,Zの座標軸を付記し、X軸の矢印が指す方向を右方、その反対方向を左方、Y軸の矢印が指す方向を後方、その反対方向を前方、Z軸の矢印が指す方向を上方、その反対方向を下方と称して説明する。
【0024】
[固体撮像装置の構成]
固体撮像装置100は、大別的に、センサーユニット1と、パッケージ2とから構成される。
【0025】
センサーユニット1は、固体撮像素子10と、固体撮像素子10を保持する基板20と、ボンディングワイヤー30とを有する。ボンディングワイヤー30は、固体撮像素子10に形成されたパッド15と、基板20に形成されたリード25とを電気的に接続する。
【0026】
固体撮像素子10は、CCDやCMOS等のセンサーチップである。本実施形態では、固体撮像素子10として、多数の画素がX−Y平面上にマトリクス状に形成され、各画素により検出された画素信号から2次元画像を生成する矩形薄板状のイメージセンサーを例示する。固体撮像素子10は、基板20に搭載される。固体撮像素子10の上面である撮像面11の中央部には、有効画素により形成される撮像領域12が設けられている。固体撮像素子10の撮像面11の縁部には、電源、制御信号、画像信号などの入出力端子であるパッド15が多数並んで形成されている。
【0027】
図3に示すように、本実施形態では、撮像領域12を囲んで互いに対向する4辺のうちの3辺(左辺、右辺、後辺)の縁部に、各辺に沿って多数のパッド15,15,15…が並んで形成されている。なお、パッド15の数や配置、パッド15が形成される辺(1辺〜4辺以上)等は、センサーの種別(ラインセンサー、イメージセンサー、CCD、CMOS等)や有効画素数、チップサイズ等に応じて様々であるが、本技術は何れの態様についても適用可能である。本明細書においては、パッド15,15,15…が並んで形成された各辺縁部の領域15Aを「パッド形成領域」という。
【0028】
基板20は、固体撮像素子10への入出力信号を伝送する回路基板である。本実施形態では、基板20として、インターポーザーを例示する。固体撮像素子10を囲む基板20の上面縁部には、固体撮像素子10に形成されたパッド15,15,15…に対応して、多数のリード25,25,25…が並んで形成されている。本明細書においては、リード25,25,25…が並んで形成された各辺縁部の領域25Aを「リード形成領域」という。
【0029】
固体撮像素子10は、基板20の上面に搭載され、ダイボンド26を介して基板20に固定されている。固体撮像素子10側のパッド15と基板20側のリード25とがボンディングワイヤー30により電気的に接続され、センサーユニット1が構成される。なお、基板20に画像処理チップ等の演算処理回路を備え、固体撮像素子10から出力された画像信号を画像処理して出力するように構成しても良い。
【0030】
パッケージ2は、フレーム部材50と光学部材60とを主体として構成される。
【0031】
フレーム部材50は、中央に上下連通する矩形の開口50aを有し、全体として、固体撮像素子10の側部を囲む外郭方形の枠状の部材である。フレーム部材50の下面側には、後に詳述する第1脚部51及び第2脚部52が下方に向けて突出形成されている。また、フレーム部材50の上面側には、光学部材60が取り付けられる平坦な光学部材搭載面54が形成されている。フレーム部材50は、例えば、液晶ポリマーやPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂にカーボンブラック等の反射率抑制材を添加し、必要に応じてガラス繊維やカーボン繊維を添加した樹脂材料を用い射出成形等の公知の手法により作製される。
【0032】
光学部材60は、光透過性を有し固体撮像素子10の撮像面11と対向してフレーム部材50に取り付けられる。光学部材60は、固体撮像素子10の撮像面11への異物付着を防止し入射光を固体撮像素子10に導く部材である。本実施形態では、光学部材60として、矩形薄板状のカバーガラス(シールガラス)を例示する。光学部材60は、フレーム部材50の開口50aよりも幾分大きく、開口50aを上側から覆う。カバーガラスは、例えばBK7や石英ガラス等の光学ガラス、あるいはポリカーボネート、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の透明樹脂材料により作製される。
【0033】
光学部材60は、固体撮像素子10の撮像面11と対向するように、フレーム部材50の光学部材搭載面54に、接着剤66により接着固定される。光学部材60の上方には、図示を省略するカメラレンズとしてのレンズユニットが設けられており、レンズユニットを通って入射する光が光学部材60を透過して固体撮像素子10に導かれ、撮像面11に形成された撮像領域12に結像される。
【0034】
以上のように構成される固体撮像装置100において、フレーム部材50の下面側には、断面視が舌片状の第1脚部51及び第2脚部52が形成され、第1脚部51と第2脚部52との間に、アーチ状の空間からなるワイヤー収容部55が形成されている。第1脚部51及び第2脚部52は、底面視において平行に延びる二重の矩形枠状をなし、第1脚部51及び第2脚部52とともにワイヤー収容部55を形成する上枠部53を介してフレーム部材50の上面側で繋がっている。
【0035】
第1脚部51は、互いに対向する辺の下端部の内幅寸法、すなわち開口50aの下端部の縦横の開口寸法が、固体撮像素子10の撮像領域12よりも幾分大きい矩形枠状に形成される。また、第1脚部51は、互いに対向する辺の下端部の外幅寸法が、パッド形成領域15A,15Aの内幅寸法よりも小さく形成される。第1脚部51の下端には平坦なマウント面51aが形成されている。フレーム部材50は、第1脚部51のマウント面51aが撮像領域12とパッド形成領域15Aとの間に当接した状態で、固体撮像素子10上に支持される。
【0036】
本明細書において、撮像面11上における撮像領域12よりも外側で、パッド形成領域15Aよりも内側に位置する所定幅の領域16を「中間領域」という(図3参照)。図3には、中間領域16の部位を、ハッチングを付した領域で示している。また、図4に、図2における右辺部分の部分拡大図を示す。第1脚部51は、マウント面51aを、固体撮像素子10上の中間領域16に当接させた状態で支持され、接着剤56により固定される。接着剤56としては、紫外線硬化型の接着剤、あるいは加熱硬化型の接着剤などが好適に用いられる。なお、本実施形態においては、パッド15が形成されていない辺(前辺)のフレーム部材にも、パッド15が形成された辺(後辺)と対称に第1脚部51を形成した構成を例示する。なお、図2及び図5では接着剤56,66を誇張して表現している。
【0037】
第2脚部52は、第1脚部51と繋がって固体撮像素子10の側方を通り基板20に向けて延びる部分である。第2脚部52は、互いに対向する辺の下端部の外幅寸法、すなわちフレーム部材50の下端部の外形寸法が、基板20の外形寸法よりも幾分大きい矩形枠状に形成される。第2脚部52は、第1脚部のマウント面51aを固体撮像素子10の中間領域16に当接支持させたときに、第2脚部52の下端と基板20とが直接当接せず、両者間に僅かな隙間ができるように、高さ寸法(または基板20との間の隙間寸法)が設定される。換言すれば、フレーム部材50は、第1脚部51を介して固体撮像素子10の撮像面11上に直接搭載支持され、固体撮像素子10に対する上下方向(Z軸方向)の高さ位置が規定されるようになっている。
【0038】
互いに対向する辺の第2脚部52,52の内幅寸法は、対応するリード形成領域25A,25Aの外幅寸法よりも大きめに形成されている。換言すれば、リード形成領域25Aの外側端は、第2脚部52の内側端よりも内側に位置する。
【0039】
ワイヤー収容部55は、第1脚部51と第2脚部52との間に形成されたアーチ状ないし下向きに開く凹状の空間である。既述したように、互いに対向する第1脚部51,51の下端部の外幅寸法はパッド形成領域15A,15Aの内幅寸法よりも小さく、互いに対向する第2脚部52,52の下端部の内幅寸法はリード形成領域25A,25Aの外幅寸法よりも大きくなっている。そのため、ワイヤー収容部55は、固体撮像素子10側のパッド形成領域15Aと基板20側のリード形成領域25Aとを含んで固体撮像素子10の周囲を囲む空間を形成し、各辺のボンディングワイヤー30,30…を収容する。
【0040】
光学部材搭載面54は、矩形枠状に形成された第1脚部のマウント面51aに対して所定のZ方向位置に所定の平面度を有して形成されている。光学部材60は、フレーム部材50の上方から開口50aを覆って光学部材搭載面54に搭載され、接着剤66により接着固定される。接着剤66としては、紫外線硬化型の接着剤、あるいは加熱硬化型の接着剤などが好適に用いられる。
【0041】
以上のように構成される固体撮像装置100においては、フレーム部材50は、光学部材60側から撮像面11に向けて突出する第1脚部51を有している。そして、この第1脚部51が、撮像面11上における撮像領域12とパッド形成領域15Aとの間に位置する中間領域16に当接した状態で、フレーム部材50と固体撮像素子10とが一体的に固定される。そのため、光学部材60を透過してパッド近傍に向かう光Lは、第1脚部51に遮られてボンディングワイヤー30に照射されることがない(図4を参照)。これにより、ボンディングワイヤー30の反射に起因したフレアの発生が抑止される。
【0042】
また、固体撮像装置100においては、第1脚部51が撮像面11上の中間領域16に接着されて、フレーム部材50が固体撮像素子10に固定される。そのため、フレーム部材50とセンサーユニット1との接着強度を確保するための接着面を、フレーム部材50の第2脚部52及び基板20の外周縁部に形成する必要がない。また、開口50aを小型化することができる。これにより、基板20、フレーム部材50及び光学部材60を小型化し、固体撮像装置100を全体的に小型・軽量化することができる。
【0043】
既述した従来の固体撮像装置600と本実施形態の固体撮像装置100について、構造上の相違を対比した様子を図5に示す。このうち、図5(a)は従来の固体撮像装置の構造を説明するための模式的な断面図、図5(b)は本技術を適用した固体撮像装置の構造を説明するための模式的な断面図である。
【0044】
図5(a)、(b)の両図の対比からわかるように、本実施形態の固体撮像装置100によれば、従来の固体撮像装置600との比較において、基板20及び光学部材60を小型化することができ、装置を全体的に小型・軽量化できることが理解される。本実施形態の固体撮像装置100と従来の固体撮像装置600との比較においては、図5(b)で左右両側の二点鎖線で示す部分B1,B2で示すように、基板20及び光学部材60をサイズダウンすることができる。
【0045】
具体的には、基板20については、固体撮像素子10上にフレーム部材50が接着される構成であることから、基板20におけるフレーム部材50の接着エリア(図5(b)、符号B1参照)が不要となるため、その分サイズダウンを図ることができる。また、光学部材60については、同じく固体撮像素子10上にフレーム部材50が接着される構成であることから、光学部材60を支持するためのフレーム部材50がボンディングワイヤー30による接続箇所をまたいで固体撮像素子10にオーバーラップした位置に存在するため、光学部材60のフレーム部材50に対する固定位置を固体撮像素子10上に位置させることができる分(図5(b)、符号B2参照)、光学部材60をサイズダウンすることができる。
【0046】
このように、本実施形態の固体撮像装置100によれば、基板20の外周部分、及び光学部材60の外周部分を、従来の固体撮像装置600との比較において省略することが可能となり、各部材の小型・軽量化を図ることができる。結果として、装置全体としての小型・軽量化を図ることができる。
【0047】
また、本実施形態の固体撮像装置100においては、フレーム部材50の下面側に撮像領域12を囲むように第1脚部51が形成されて下端が中間領域16に接着固定され、フレーム部材50の上面側に撮像面11と対向して光学部材60が接着固定されて、撮像領域12がシールされている。このため、パッド形成領域15Aよりも外周側の部材で発生し得るアウトガスや大気中に含まれる湿気、周囲のダスト等が撮像領域12に入り込むことがなく、長期信頼性を向上させることができる。
【0048】
さらに、固体撮像装置100においては、第1脚部51が撮像面11に当接した状態、すなわち、フレーム部材50が固体撮像素子10の撮像面11を基準としてZ軸方向に位置決めされた状態で、接着剤56により搭載固定される。これにより、固体撮像装置100の組み立て時における調整作業を簡明化・容易化することができる。
【0049】
従来の固体撮像装置600及び本実施形態の固体撮像装置100について、固体撮像素子に対するフレーム部材の位置決め状況を対比した様子を図6に示す。このうち、図6(a)は従来の固体撮像装置の位置決め状況を説明するための模式的な断面図、図6(b)は本技術を適用した固体撮像装置の位置決め状況を説明するための模式的な断面図である。
【0050】
図6(a)に示すように、従来の固体撮像装置600においては、フレーム部材650が基板620の上面に搭載固定される。そのため、フレーム部材650の上面を基準面Sとし、基準面S上の所定位置(例えば左前方端部)をフレーム部材650の原点Gとしたときに、固体撮像素子610に対するフレーム部材650の位置決めは6軸調整を行う必要がある。
【0051】
具体的には、従来の固体撮像装置600においては、固体撮像素子610に対するフレーム部材650のX.Y,Z軸方向位置、Z軸回りの回転角度θ、X軸回りのあおりRx、Y軸回りのあおりRyの計6軸について位置決め調整を行う必要がある。このように6軸調整によって固体撮像素子610に対するフレーム部材650の位置が調整された状態で、フレーム部材650を固定するための接着剤が硬化させられる。このように6軸調整が必要であることは、仮にフレーム部材650が十分高い精度を有していたとしても、ダイボンドを介して接着された固体撮像素子610と基板620との相対位置に不可避のばらつきが生じることに起因する。
【0052】
これに対し、本実施形態の固体撮像装置100においては、フレーム部材50が固体撮像素子10の撮像面11に直接的に搭載固定されている。そのため、フレーム部材50の上面(光学部材搭載面54)を基準面とし、その面上の所定位置(左前方端部)をフレーム部材50の原点Gとしたときに、固体撮像素子10に対するフレーム部材50の位置決めは3軸調整で実施することができる。
【0053】
具体的には、本実施形態の固体撮像装置100においては、固体撮像素子10に対するフレーム部材50のX.Y軸方向位置、及びZ軸回りの回転角度θの計3軸について位置決め調整が行われれば良い。このように3軸調整によって固体撮像素子10に対するフレーム部材50の位置が調整された状態で、フレーム部材50を固定するための接着剤が硬化させられる。このように3軸調整でフレーム部材50の位置決めが行えるのは、フレーム部材50の第1脚部51を固体撮像素子10の撮像面11上に直接支持させる構成のため、フレーム部材50の精度を所定範囲内に納めることにより、光学部材搭載面54のZ軸方向の位置及びあおりRx,Ryが規定されるからである。
【0054】
すなわち、本実施形態の固体撮像装置100によれば、従来の固体撮像装置600との比較において、固体撮像素子610の撮像面からの高さ方向(Z方向)と、撮像面のあおり(Rx,Ry)の3軸の調整が不要となり、従来の6軸調整から、固体撮像素子10の水平・垂直方向(X,Y)と回転方向(θ)の3軸の調整で対応することができる。これにより、固体撮像装置100の組み立て工程を削減でき、位置調整の工程を簡素化することができる。このように、本実施形態の固体撮像装置100によれば、装置の組み立て時における調整作業を簡明化・容易化することができ、ひいては装置のコストダウンを図ることができる。
【0055】
また、本実施形態の固体撮像装置100によれば、フレーム部材50により、固体撮像素子10に対する光学部材60の位置決めが行われることから、上述したように光学部材60の上方に設けられるレンズユニットの取り付けに際し、光学部材60の上面を基準に位置調整することが可能となる。これにより、作業時間の削減を図ることができるとともに、レンズユニットの高精度の実装が可能となる。
【0056】
さらに、本実施形態の固体撮像装置100によれば、固体撮像素子10に対してフレーム部材50が直接固定される構成であることから、固体撮像素子10で発生した熱の伝導性を向上させることができ、固体撮像素子10の放熱性を向上させることができる。
【0057】
図7に、本実施形態の固体撮像装置100の変形例を示す。図7に示すように、固体撮像装置100においては、ワイヤー収容部55に、電気絶縁性を有する樹脂57を充填するように構成しても良い。樹脂57は、例えば、ポッティング用ないしモールド用のシリコーンシーラント等である。
【0058】
このようにワイヤー収容部55に樹脂57を充填する構成によれば、大気中に含まれる水分やアウトガスによるボンディングワイヤー30やパッド15やリード25等の腐食を抑止することができる。これにより、パッド15等の腐食による接続信頼性の低下を防止することができる。また、ボンディングワイヤー30の結線部が存在するワイヤー収容部55内に樹脂57が充填されることにより、ワイヤー収容部55内へのゴミ等の異物の侵入が防止される。これにより、異物によるボンディングワイヤー30の結線部における短絡が防止される。
【0059】
また、ワイヤー収容部55内に充填される樹脂57により、フレーム部材50の固体撮像素子10及び基板20に対する接着作用が得られることから、フレーム部材50の接着強度を向上させることができる。さらに、ワイヤー収容部55に樹脂57を充填する構成によれば、外部振動等に起因したボンディングワイヤー30のふらつきやボンディングワイヤー30相互の接触、断線等を防止することができる。
【0060】
ワイヤー収容部55内に樹脂57が充填される構成においては、基板20の側縁部またはフレーム部材50の第2脚部52に、ワイヤー収容部55を外部に開口させる孔または切欠部を形成しておくことにより、樹脂57の充填を容易に行うことができる。また、ワイヤー収容部55への樹脂57の充填に際し、ワイヤー収容部55から基板20の上面と第2脚部52の下端面52aとの間の隙間から樹脂57が流出することを抑制する観点からは、基板20の上面と第2脚部52の下端面52aとの間の隙間は狭い方が好ましい。
【0061】
図8に、本実施形態の固体撮像装置100の他の変形例を示す。図8に示すように、固体撮像装置100においては、基板20とフレーム部材50とを接着剤58により接着するようにしても良い。この場合、接着剤58は、第2脚部52の下端面または基板20の側縁部上面に塗布される。また、第2脚部52と基板20との間を接着剤58により接着する構成においては、接着面を確保する観点からは、第2脚部52の下端面52aは、リード形成領域25Aに干渉しない程度に広い方が好ましい。
【0062】
このように第2脚部52と基板20との間を接着剤58により接着する構成によれば、フレーム部材50とセンサーユニット1との接着強度を向上させることができる。
【0063】
次に、本実施形態の固体撮像装置100の製造方法について、図9を参照して説明する。本実施形態の固体撮像装置100の製造方法では、まず、基板20の上面に、固体撮像素子10を搭載する。すなわち、図9(a)に示すように、基板20の上面に、固体撮像素子10を位置決めして載置し、ダイボンド26により固体撮像素子10を固定する。
【0064】
次に、図9(b)に示すように、固体撮像素子10の各辺に形成されたパッド15,15…と、基板20の各辺に形成された各パッド15,15…に対応するリード25,25…とをボンディングワイヤー30により電気的に接続する。これによりセンサーユニット1が構成される。
【0065】
次いで、図9(c)に示すように、センサーユニット1の上方からフレーム部材50を覆い被せて位置決めし、第1脚部51が固体撮像素子10の撮像面11上の中間領域16(図3参照)に当接した状態で、フレーム部材50と固体撮像素子10とを一体的に固定する。このとき、フレーム部材50と固体撮像素子10とを一体的に固定する接着部位は第1脚部51以外であっても良いが、本実施形態においては、中間領域16またはマウント面51a(図4参照)に塗布した接着剤56により、両者を一体的に固定する。この工程では、フレーム部材50の固体撮像素子10に対する位置決めは、上述したように3軸調整によって容易に行うことができる。
【0066】
フレーム部材50の固体撮像素子10への固定に用いる接着剤56は、例えば、紫外線硬化型の接着剤、あるいは加熱硬化型の接着剤等である。フレーム部材50を、3軸調整により、フレーム部材50のX軸方向、Y軸方向、及びZ軸回りのθ方向の各方向について固体撮像素子10に対して位置決めした状態で、接着部位に紫外線照射あるいは加熱により接着剤56を固化させる。
【0067】
そして、図9(d)に示すように、フレーム部材50の上方から光学部材60を覆い被せて位置決めし、光学部材搭載面54に塗布した接着剤66により光学部材60を固定する。光学部材60のフレーム部材50への固定に用いる接着剤66は、接着剤56と同様に、例えば、紫外線硬化型の接着剤、あるいは加熱硬化型の接着剤等である。光学部材60を、例えば、フレーム部材50の固体撮像素子10に対する位置決めと同様、3軸調整により、光学部材60のX軸方向、Y軸方向、及びZ軸回りのθ方向の各方向についてフレーム部材50に対して位置決めした状態で、接着部位に紫外線照射あるいは加熱により接着剤66を固化させる。
【0068】
このような固体撮像装置100の製造方法においては、フレーム部材50は、光学部材60側から撮像面11に向けて突出する第1脚部51を有している。そして、この第1脚部51が、撮像面11上における撮像領域12とパッド形成領域15Aとの間に位置する中間領域16に当接した状態で(図2参照)、フレーム部材50と固体撮像素子10とが一体的に固定される。
【0069】
そのため、光学部材60を透過してパッド近傍に向かう光Lは、第1脚部51に遮られてボンディングワイヤー30に照射されることがない(図4参照)。これにより、ボンディングワイヤー30の反射に起因したフレアの発生を抑止した固体撮像装置100を製造することができる。
【0070】
また、第1脚部51が撮像面上の中間領域16に接着されて、フレーム部材50が固体撮像素子10に固定されるため、基板20、フレーム部材50及び光学部材60を小型化し、小型・軽量化した固体撮像装置100を製造することができる。さらに、第1脚部51が撮像面11に当接した状態で、接着剤56により搭載固定されるため、固体撮像装置100の組み立て時における調整作業を簡明化・容易化することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、センサーユニット1にフレーム部材50を搭載固定し、固定されたフレーム部材50に光学部材60を接着して固定する構成を例示した。しかし、光学部材60の取付け工程は、固体撮像装置100の構成に応じて適宜に変更することができる。具体的には、予めフレーム部材50に光学部材60を取り付けて光学ユニットとしてのパッケージ2を形成し、センサーユニット1にパッケージ2を固定して搭載するように構成しても良い。
【0072】
以上説明した実施形態では、光学部材60がカバーガラスである構成を例示したが、光学部材60は、固体撮像素子10に光を導くものであれば良く、単一または複数のレンズ等であっても良い。このようなレンズを備えた固体撮像装置として、携帯電話器や情報端末等に用いられるレンズユニットが例示される。
【0073】
[電子機器の構成例]
上述した実施形態に係る固体撮像装置100は、例えば、デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ)、撮像機能を有する携帯電話器その他の機器等、各種の電子機器に適用される。以下では、上述した実施形態に係る固体撮像装置を備える電子機器の一例であるビデオカメラ200について、図10を用いて説明する。図10は、ビデオカメラ200の構成を示すブロック図である。
【0074】
ビデオカメラ200は、静止画像または動画の撮影を行うものである。ビデオカメラ200は、上述した実施形態に係る固体撮像装置100と、光学系201と、シャッタ装置202と、システムコントローラ203と、信号処理部204とを備える。
【0075】
光学系201は、例えば一または複数の光学レンズを有する光学レンズ系として構成されるものであり、固体撮像装置100の受光センサー部に入射光を導く。光学系201は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置100の撮像面11上に結像させる。これにより、固体撮像装置100内に、一定期間信号電荷が蓄積される。固体撮像装置100は、光学系201によって結像された像光を画素単位で電気信号に変換して得られる画像信号を出力する。シャッタ装置202は、固体撮像装置100への光の照射時間及び遮光時間を制御するための構成である。
【0076】
システムコントローラ203は、固体撮像装置100や信号処理部204に対して制御信号を出力しビデオカメラ200全体の作動を制御する。システムコントローラ203は、固体撮像装置100を所定のタイミングで駆動させるための駆動信号(タイミング信号)を生成し、固体撮像装置100に供給する。システムコントローラ203から固体撮像装置100に供給される駆動信号により、固体撮像装置100の信号電荷の転送動作等が制御される。つまり、固体撮像装置100は、システムコントローラ203から供給される駆動信号により、信号電荷の転送動作等を行う。
【0077】
システムコントローラ203は、固体撮像装置100を駆動するための駆動信号として各種のパルス信号を生成する機能と、生成したパルス信号を、固体撮像装置100を駆動するためのドライブパルスに変換するドライバとしての機能とを有する。システムコントローラ203は、シャッタ装置202の動作を制御するための駆動信号の生成・供給も行う。
【0078】
信号処理部204は、各種の信号処理を行う機能を有し、固体撮像装置100の出力信号を処理し、被写体の画像を生成する。信号処理部204は、入力された信号を処理することで、映像信号を出力する。信号処理部204から出力された映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶されたり、モニタに出力されたりする。なお、ビデオカメラ200は、システムコントローラ203等に電源を供給するバッテリ等の電源部、撮像により生成した映像信号等を記憶する記憶部、装置全体を制御する制御部等を有する。
【0079】
このように本実施形態の固体撮像装置100を備えるビデオカメラ200によれば、固体撮像装置100内のボンディングワイヤー30の反射に起因したフレアの発生が抑止される。従って、フレアの発生を抑制し、小型で高品質な電子機器を提供することができる。
【0080】
なお、本技術は以下のような構成をとることもできる。
【0081】
(1)基板に搭載された固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に形成されたパッドと前記基板に形成されたリードとを電気的に接続するボンディングワイヤーと、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状のフレーム部材と、
光透過性を有し前記固体撮像素子の撮像面と対向して前記フレーム部材に取り付けられた光学部材とを備え、
前記フレーム部材は、前記光学部材側から前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部を有し、
前記脚部が、前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とが一体的に固定される固体撮像装置。
【0082】
(2)前記脚部が前記撮像面上の前記中間領域に接着されて、前記フレーム部材が前記固体撮像素子に固定される(1)に記載の固体撮像装置。
【0083】
(3)前記フレーム部材は、前記脚部と繋がって前記固体撮像素子の側方を通り前記基板に向けて延びる第2脚部を有し、
前記脚部と前記第2脚部との間に、前記パッドと前記リードとを接続する前記ボンディングワイヤーが収容されるワイヤー収容部が形成される(1)または(2)に記載の固体撮像装置。
【0084】
(4)前記ワイヤー収容部は、電気絶縁性を有する樹脂により充填されている(3)に記載の固体撮像装置。
【0085】
(5)基板に固体撮像素子が搭載され、前記基板に形成されたリードと前記固体撮像素子に形成されたパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットの上方から、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状をなし下面側に前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部が形成されたフレーム部材を覆い被せ、
前記脚部が前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とを一体的に固定し、
前記フレーム材の上面側に、前記固体撮像素子の撮像面と対向するように光透過性を有する光学部材を取り付ける固体撮像装置の製造方法。
【0086】
(6)前記脚部が前記撮像面上の前記中間領域に接着されて、前記フレーム部材が前記固体撮像素子に固定される(5)に記載の固体撮像装置の製造方法。
【0087】
(7)基板に固体撮像素子が搭載され、前記基板に形成されたリードと前記固体撮像素子に形成されたパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットの上方から、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状をなし下面側に前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部が形成されたフレーム部材と、光透過性を有し前記フレーム部材の上面側に取り付けられた光学部材とを備えた光学ユニットを覆い被せ、
前記光学部材が前記固体撮像素子の撮像面と対向し、前記脚部が前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とを一体的に固定する固体撮像装置の製造方法。
【0088】
(8)前記脚部が前記撮像面上の前記中間領域に接着されて、前記フレーム部材が前記固体撮像素子に固定される(7)に記載の固体撮像装置の製造方法。
【0089】
(9)固体撮像装置と、前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備え、
前記固体撮像装置は、
基板に搭載された固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に形成されたパッドと前記基板に形成されたリードとを電気的に接続するボンディングワイヤーと、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状のフレーム部材と、
光透過性を有し前記固体撮像素子の撮像面と対向して前記フレーム部材に取り付けられた光学部材とを備え、
前記フレーム部材は、前記光学部材側から前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部を有し、
前記脚部が、前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とが一体的に固定されたものである電子機器。
【符号の説明】
【0090】
1 センサーユニット
2 パッケージ
10 固体撮像素子
11 撮像面
12 撮像領域
15 パッド
15A パッド形成領域
16 中間領域
20 基板
25 リード
25A リード形成領域
30 ボンディングワイヤー
50 フレーム部材
51 第1脚部
52 第2脚部
54 光学部材搭載面
55 ワイヤー収容部
56 接着剤
60 光学部材
100 固体撮像装置
200 ビデオカメラ(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に搭載された固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に形成されたパッドと前記基板に形成されたリードとを電気的に接続するボンディングワイヤーと、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状のフレーム部材と、
光透過性を有し前記固体撮像素子の撮像面と対向して前記フレーム部材に取り付けられた光学部材とを備え、
前記フレーム部材は、前記光学部材側から前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部を有し、
前記脚部が、前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とが一体的に固定される
固体撮像装置。
【請求項2】
前記脚部が前記撮像面上の前記中間領域に接着されて、前記フレーム部材が前記固体撮像素子に固定される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記フレーム部材は、前記脚部と繋がって前記固体撮像素子の側方を通り前記基板に向けて延びる第2脚部を有し、
前記脚部と前記第2脚部との間に、前記パッドと前記リードとを接続する前記ボンディングワイヤーが収容されるワイヤー収容部が形成される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記ワイヤー収容部は、電気絶縁性を有する樹脂により充填されている
請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
基板に固体撮像素子が搭載され、前記基板に形成されたリードと前記固体撮像素子に形成されたパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットの上方から、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状をなし下面側に前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部が形成されたフレーム部材を覆い被せ、
前記脚部が前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とを一体的に固定し、
前記フレーム材の上面側に、前記固体撮像素子の撮像面と対向するように光透過性を有する光学部材を取り付ける
固体撮像装置の製造方法。
【請求項6】
前記脚部が前記撮像面上の前記中間領域に接着されて、前記フレーム部材が前記固体撮像素子に固定される
請求項5に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項7】
基板に固体撮像素子が搭載され、前記基板に形成されたリードと前記固体撮像素子に形成されたパッドとがボンディングワイヤーにより電気的に接続されたセンサーユニットの上方から、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状をなし下面側に前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部が形成されたフレーム部材と、光透過性を有し前記フレーム部材の上面側に取り付けられた光学部材とを備えた光学ユニットを覆い被せ、
前記光学部材が前記固体撮像素子の撮像面と対向し、前記脚部が前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とを一体的に固定する
固体撮像装置の製造方法。
【請求項8】
前記脚部が前記撮像面上の前記中間領域に接着されて、前記フレーム部材が前記固体撮像素子に固定される
請求項7に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備え、
前記固体撮像装置は、
基板に搭載された固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に形成されたパッドと前記基板に形成されたリードとを電気的に接続するボンディングワイヤーと、
前記固体撮像素子の側部を囲む枠状のフレーム部材と、
光透過性を有し前記固体撮像素子の撮像面と対向して前記フレーム部材に取り付けられた光学部材とを備え、
前記フレーム部材は、前記光学部材側から前記固体撮像素子の撮像面に向けて突出する脚部を有し、
前記脚部が、前記撮像面上における撮像領域と前記パッドの形成領域との間に位置する中間領域に当接した状態で、前記フレーム部材と前記固体撮像素子とが一体的に固定されたものである
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−217021(P2012−217021A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80995(P2011−80995)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】